JP2022150175A - 引張試験用試験片つかみ治具および引張試験方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】前記くさび方式等の従来の引張試験装置を用いて、試験片に圧縮方向の力を作用させることなく水平方向の力を作用させて引張試験を行うことにより信頼性の高い試験結果を得ることができる、経済性、合理性、及び確実性に優れた引張試験用試験片つかみ治具および引張試験方法を提供する。【解決手段】試験片8をチャック部9に把持して試験する引張試験装置の一方のチャック部9に把持されるチャック取付部1と、前記試験片8の一端部が挿入される試験片つかみ部2とを備えた治具本体3と、前記試験片つかみ部2に挿入された前記試験片8のずれ動きを防止する押圧部材4とを有する。前記押圧部材4は、前記試験片8に対し略直角方向に接触して押圧力を作用させる押圧ボルト4であり、その先端部に、前記試験片8に押圧力を作用させつつ前記試験片8の表面に変形を生じさせる突起41aなどが形成されている。【選択図】図1
Description
この発明は、試験片をチャック部に把持して試験することにより、材料の機械的性質を測定する引張試験装置に用いられる引張試験用試験片つかみ治具および同治具を用いた引張試験方法の技術分野に属する。
試験片をチャック部に把持して試験することにより、材料の機械的性質を測定する引張試験装置として、例えば、特許文献1の第2図に従来技術として示した引張試験装置がある。
この引張試験装置は、先に試験片の一方(上側)をチャックした後、他方(下側)をチャックする際には楔(くさび)を効かせるべく、チャック部(同文献1ではグリップ2)が上方に動きながらチャックをする所謂くさび方式が採用されている。
しかしながら、前記試験片をくさび方式でチャックする(掴む)場合、試験片の一方をチャックした後、他方をチャックする際には前記試験片に圧縮方向の力が作用することとなり、試験結果の信頼性が疑われる問題があった。
この引張試験装置は、先に試験片の一方(上側)をチャックした後、他方(下側)をチャックする際には楔(くさび)を効かせるべく、チャック部(同文献1ではグリップ2)が上方に動きながらチャックをする所謂くさび方式が採用されている。
しかしながら、前記試験片をくさび方式でチャックする(掴む)場合、試験片の一方をチャックした後、他方をチャックする際には前記試験片に圧縮方向の力が作用することとなり、試験結果の信頼性が疑われる問題があった。
そこで、前記特許文献1に係る考案は、第3図および第4図に示したように、前記試験片と前記引張試験装置との間に治具(試験片つかみ具)を介在させる構成とした。この構成によれば、前記した従来技術のようなチャック部による圧縮方向の力が試験片に作用しない方式で実施できるので前記問題は解消される。
しかしながら、この特許文献1に係る技術は、同文献1の第4図が分かり易いように、試験片(1A)の両面に溝(1a)を加工することを必須の構成要件としており、薄板状の試験片の場合には試験片に溝を設けるだけの板厚がなく実現が難しいという新たな問題が生じる。
しかしながら、この特許文献1に係る技術は、同文献1の第4図が分かり易いように、試験片(1A)の両面に溝(1a)を加工することを必須の構成要件としており、薄板状の試験片の場合には試験片に溝を設けるだけの板厚がなく実現が難しいという新たな問題が生じる。
近年、空気圧又は油圧で平行に試験片を掴むことができるチャック部を備えた精密万能試験機と称される装置がある(例えば、特許文献2参照)。この装置によれば、試験片に圧縮方向の力を作用させることなく引張試験を行うことができるので、薄板状の試験片についても信頼性が高い試験結果を得られる。しかし、装置自体の費用が高額で、新たな設置スペースを設ける必要があるなど、不経済、不合理に過ぎるという問題がある。よって、前記特許文献1に開示したような従来の引張試験装置(一例として、前記くさび方式の引張試験装置)を用いて経済的に実施できる技術が依然として望まれているのが実情である。
本発明は、上述した背景技術の課題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、試験片を加工することなく、前記くさび方式等の従来の引張試験装置を用いて、試験片に圧縮方向の力を作用させることなく水平方向の力を作用させて引張試験を行うことにより信頼性の高い試験結果を得ることができる、経済性、合理性、及び確実性に優れた引張試験用試験片つかみ治具および引張試験方法を提供することである。
上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る引張試験用試験片つかみ治具は、試験片をチャック部に把持して試験する引張試験装置の一方のチャック部に把持されるチャック取付部と、前記試験片の一端部が挿入される試験片つかみ部とを備えた治具本体と、前記試験片つかみ部に挿入された前記試験片のずれ動きを防止する押圧部材と、を有することを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した引張試験用試験片つかみ治具において、前記押圧部材は、前記試験片に対し略直角方向に接触して押圧力を作用させる押圧ボルトであることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項2に記載した引張試験用試験片つかみ治具において、前記押圧ボルトは、その先端部に、前記試験片に押圧力を作用させつつ前記試験片の表面に変形を生じさせる突起が形成されていることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項1~3のいずれか1項に記載した引張試験用試験片つかみ治具において、前記試験片つかみ部と前記試験片との間に設けられて前記試験片の位置を調整する位置決め部材を有することを特徴とする。
請求項5に記載した発明に係る引張試験方法は、請求項1~4のいずれか1項に記載した引張試験用試験片つかみ治具を用いた引張試験方法であって、前記引張試験装置の他方のチャック部に前記試験片の他端部を把持させ、前記試験片の一端部を前記試験片つかみ部内に挿入させた状態で前記引張試験用試験片つかみ治具の治具本体を前記チャック取付部を利用して前記引張試験装置の一方のチャック部に把持させること、
しかる後、前記試験片つかみ部に形成した孔に前記押圧部材を略水平に通して前記試験片を固定した後、引張試験を行うことを特徴とする。
しかる後、前記試験片つかみ部に形成した孔に前記押圧部材を略水平に通して前記試験片を固定した後、引張試験を行うことを特徴とする。
本発明に係る引張試験用試験片つかみ治具および同治具を用いた引張試験方法によれば、以下の効果を奏する。
チャック取付部と試験片つかみ部とを有する治具本体に、押圧部材(押圧ボルト)を水平にねじ込むことにより引張試験を行うことができるので、くさび方式等の従来の引張試験装置であっても、前記試験片に圧縮方向の力を作用させることなく水平方向の力を作用させて引張試験を行うことにより信頼性の高い試験結果を得ることができる。
また、本発明に係る引張試験用試験片つかみ治具は、非常に簡易な構造で、しかも引張試験装置の一方のチャック部に1つ介在させるだけで実施できるので、経済性、作業性に非常に優れている。
さらに、前記押圧ボルトの先端に特殊加工を施した突起(円錐突起及び/又は環状突起等)の固定効果により、前記試験片のずれ動きを確実に防止することができるので、非常に信頼性の高い試験結果を得ることができる。
チャック取付部と試験片つかみ部とを有する治具本体に、押圧部材(押圧ボルト)を水平にねじ込むことにより引張試験を行うことができるので、くさび方式等の従来の引張試験装置であっても、前記試験片に圧縮方向の力を作用させることなく水平方向の力を作用させて引張試験を行うことにより信頼性の高い試験結果を得ることができる。
また、本発明に係る引張試験用試験片つかみ治具は、非常に簡易な構造で、しかも引張試験装置の一方のチャック部に1つ介在させるだけで実施できるので、経済性、作業性に非常に優れている。
さらに、前記押圧ボルトの先端に特殊加工を施した突起(円錐突起及び/又は環状突起等)の固定効果により、前記試験片のずれ動きを確実に防止することができるので、非常に信頼性の高い試験結果を得ることができる。
次に、本発明に係る引張試験用試験片つかみ治具および同治具を用いた引張試験方法の実施例を図面に基づいて説明する。
前記引張試験用試験片つかみ治具は、図1~図4に示したように、試験片8をチャック部9に把持して試験する引張試験装置10の一方(本実施例では下側)のチャック部9に把持されるチャック取付部1と、前記試験片8の一端部が挿入される試験片つかみ部2とを備えた治具本体3と、前記試験片つかみ部2に挿入された前記試験片8のずれ動きを防止する押圧部材4とを有することを特徴としている。
本発明に係る引張試験用試験片つかみ治具は、前記治具本体3と前記押圧部材4とを備えた簡易な構成で、前記試験片8に圧縮方向の力を作用させることなく水平方向の力を作用させて引張試験を行うことにより信頼性の高い試験結果を得ることができる。
本実施例(図示例)では、前記治具本体3側にさらに位置決め部材5と補強部材6とを設けた構成で実施しているが、これらの部材5、6は、より良好に試験を行うための所謂サブ部材であり、当該部材5、6がなくても前記試験片8に圧縮方向の力を作用させることなく水平方向の力を作用させて引張試験を行うことにより信頼性の高い試験結果を得ることができることを念のため特記しておく。
以下、各構成部材について説明する。
本実施例(図示例)では、前記治具本体3側にさらに位置決め部材5と補強部材6とを設けた構成で実施しているが、これらの部材5、6は、より良好に試験を行うための所謂サブ部材であり、当該部材5、6がなくても前記試験片8に圧縮方向の力を作用させることなく水平方向の力を作用させて引張試験を行うことにより信頼性の高い試験結果を得ることができることを念のため特記しておく。
以下、各構成部材について説明する。
前記治具本体3は、一例として、従来のくさび方式の引張試験装置10の一方(通常、下側)のチャック部9に把持される板状のチャック取付部1と、前記チャック取付部1の上部(上端部)を間に挟むように立ち上がり前記チャック取付部1と溶接接合手段により一体化された試験片つかみ部2とから構成される。
前記チャック取付部1は、本実施例では、金属製で、一例として縦辺(長辺)130mm程度、横辺(短辺)60mm程度、板厚6mm程度の大きさの矩形の薄板状に形成され、前記引張試験装置10のチャック部9に把持される部位は、表面に目荒らし加工1a(図4A参照)が施されている。
なお、前記チャック取付部1の形態(大きさ、形状)はこれに限定されず、適宜設計変更可能である。もっとも、前記板厚は、前記試験片8の厚み(本実施例では1mm程度)と同等以上に設定する。
また、本実施例では、前記チャック取付部1と試験片つかみ部2とを溶接接合手段で一体化しているがこれに限定されず、ボルト接合手段で実施することもできるし、溶接接合手段とボルト接合手段とを併用して実施することもできる。ちなみに図中の符号wは、溶接ビードを示している。
前記チャック取付部1は、本実施例では、金属製で、一例として縦辺(長辺)130mm程度、横辺(短辺)60mm程度、板厚6mm程度の大きさの矩形の薄板状に形成され、前記引張試験装置10のチャック部9に把持される部位は、表面に目荒らし加工1a(図4A参照)が施されている。
なお、前記チャック取付部1の形態(大きさ、形状)はこれに限定されず、適宜設計変更可能である。もっとも、前記板厚は、前記試験片8の厚み(本実施例では1mm程度)と同等以上に設定する。
また、本実施例では、前記チャック取付部1と試験片つかみ部2とを溶接接合手段で一体化しているがこれに限定されず、ボルト接合手段で実施することもできるし、溶接接合手段とボルト接合手段とを併用して実施することもできる。ちなみに図中の符号wは、溶接ビードを示している。
前記試験片つかみ部2は、本実施例では、一対の金属製の挟持部材21、22からなり、各挟持部材21、22は、一例として、略同形同大で、縦辺(長辺)72mm程度、横辺(短辺)50mm程度、板厚25mm程度の大きさの直方体状に形成され、一方の挟持部材21には、水平方向(具体的には、前記試験片つかみ部2内に受け入れる試験片8に対し略直角方向)に、前記押圧部材4をねじ込むためのボルト孔(雌ねじ)が左右にバランスよく2箇所穿設されている。
なお、前記試験片つかみ部2の形態はこれに限定されず、適宜設計変更可能である。もっとも、前記押圧部材4を安定した姿勢で水平方向にねじ込むことができ、かつ前記試験片8のずれ動きを確実に防止しつつ引張試験を行うことができる程度の厚みや剛性は要求される。
なお、前記試験片つかみ部2の形態はこれに限定されず、適宜設計変更可能である。もっとも、前記押圧部材4を安定した姿勢で水平方向にねじ込むことができ、かつ前記試験片8のずれ動きを確実に防止しつつ引張試験を行うことができる程度の厚みや剛性は要求される。
前記押圧部材4は、本実施例では、前記試験片8に対し略直角方向(水平方向)に接触して押圧力を作用させる押圧ボルト4が用いられている。この押圧ボルト4(41、42)は、図5Eと図5Fが分かりやすいように、その先端部に、前記試験片8に押圧力を作用させつつ前記試験片8の表面に変形を生じさせる突起41a(42a)、41b(42b)が形成されている。
前記突起は具体的に、円錐突起41a、42aと環状突起(環状峰)41b、42bであり、前記押圧ボルト41、42の先端部に高周波焼入れをし、鋼材(試験片8)に確実に喰い込む特殊加工が施されている。なお、試験片8の硬さによっては円錐突起41a、42aおよび環状突起41b、42bのうち、いずれか一方の突起を形成するだけで実施することもできる。
また、本実施例に係る前記押圧ボルト4は、前記試験片つかみ部2内に挿入された前記試験片8のずれ動きを確実に防止するべく左右にバランスよく2本用いて実施しているがこれに限定されない。本数、配置又はサイズは試験片8の大きさ(特には横幅)や硬さに応じて適宜設計変更可能であり、1本でも実施できることもあれば、3本以上必要とする場合もある。ちなみに本実施例では、前記試験片つかみ部2内に挿入される部位の試験片8の横幅が50mm程度に対し、M16の2本の押圧ボルト41、42を用いて実施している。なお、複数本の押圧ボルト4を用いる場合、良好なねじ込み作業を行うべく、図示例のように、隣接する押圧ボルト42の頭部と干渉しないように頭部を四角形に研削した押圧ボルト41や六角穴付き止めネジを用いる等の工夫は適宜行われるところである。
前記突起は具体的に、円錐突起41a、42aと環状突起(環状峰)41b、42bであり、前記押圧ボルト41、42の先端部に高周波焼入れをし、鋼材(試験片8)に確実に喰い込む特殊加工が施されている。なお、試験片8の硬さによっては円錐突起41a、42aおよび環状突起41b、42bのうち、いずれか一方の突起を形成するだけで実施することもできる。
また、本実施例に係る前記押圧ボルト4は、前記試験片つかみ部2内に挿入された前記試験片8のずれ動きを確実に防止するべく左右にバランスよく2本用いて実施しているがこれに限定されない。本数、配置又はサイズは試験片8の大きさ(特には横幅)や硬さに応じて適宜設計変更可能であり、1本でも実施できることもあれば、3本以上必要とする場合もある。ちなみに本実施例では、前記試験片つかみ部2内に挿入される部位の試験片8の横幅が50mm程度に対し、M16の2本の押圧ボルト41、42を用いて実施している。なお、複数本の押圧ボルト4を用いる場合、良好なねじ込み作業を行うべく、図示例のように、隣接する押圧ボルト42の頭部と干渉しないように頭部を四角形に研削した押圧ボルト41や六角穴付き止めネジを用いる等の工夫は適宜行われるところである。
前記試験片つかみ部2は、また、相対峙する一対の挟持部材21、22同士の左右の両端部にそれぞれ跨がるように補強部材6が配置され、溶接接合手段により一体化されている。この補強部材6は、前記押圧部材(押圧ボルト)4の押圧作用により前記挟持部材21、22同士の間隔が拡がることを防止するべく強固に拘束するために設けられる。ちなみに、前記補強部材6は、本実施例では、金属製で、一例として縦辺(短辺)40mm程度、横辺(長辺)50mm程度、板厚9mm程度の大きさの矩形の板状で実施されている。なお、前記補強部材6の形態(大きさ、形状)はこれに限定されず、適宜設計変更可能である。また、本実施例では、前記試験片つかみ部2(一対の挟持部材21、22)と前記補強部材6とを溶接接合手段で一体化しているがこれに限定されず、ボルト接合手段で実施することもできるし、溶接接合手段とボルト接合手段とを併用して実施することもできる。
さらに、本実施例では、前記試験片つかみ部2の内部(相対峙する一対の挟持部材21、22の間)に、位置決め部材5が着脱可能に設けられている。この位置決め部材5は、
前記試験片つかみ部2と前記試験片8との間に設けられ、前記引張試験装置10と前記試験片8との芯(軸芯)が合うように調整する役割を果たす。本実施例に係る位置決め部材5は、厚みが2mm程度の金属板をL字状に折り曲げ成形してなり、前記試験片つかみ部2に掛け止める構成で前記試験片8の裏面側に添えるように設けられている。この位置決め部材5は、前記引張試験装置10の一方(本実施例では上側)のチャック部9に把持され吊り下げられた前記試験片8の芯を引張試験装置10の芯に合致させるために設けられるもので、前記位置決め部材5の厚みがそのままスペーサーの役割を果たしている。
もっとも、前記位置決め部材5は、前記挟持部材21、22の間の間隔(チャック取付部1の板厚)が前記試験片8の板厚と略同等で実施する等、前記引張試験装置10と前記試験片8との芯(軸芯)が合致している場合は無用となる。とは云え、試験片8の板厚の大きさに応じて前記間隔が異なる治具本体3を幾つか用意するよりも、簡易な構成の位置決め部材5を幾つか用意した方が経済的、合理的である。
なお、図示は省略するが、前記位置決め部材5を前記挟持部材22の上面等にボルトで仮固定して引張試験を行うこともできる。前記位置決め部材5の形状は、図示例では試験片つかみ部2に掛け止めやすい逆L字形状に形成して実施しているが、単なる平板状でも実施可能である。
前記試験片つかみ部2と前記試験片8との間に設けられ、前記引張試験装置10と前記試験片8との芯(軸芯)が合うように調整する役割を果たす。本実施例に係る位置決め部材5は、厚みが2mm程度の金属板をL字状に折り曲げ成形してなり、前記試験片つかみ部2に掛け止める構成で前記試験片8の裏面側に添えるように設けられている。この位置決め部材5は、前記引張試験装置10の一方(本実施例では上側)のチャック部9に把持され吊り下げられた前記試験片8の芯を引張試験装置10の芯に合致させるために設けられるもので、前記位置決め部材5の厚みがそのままスペーサーの役割を果たしている。
もっとも、前記位置決め部材5は、前記挟持部材21、22の間の間隔(チャック取付部1の板厚)が前記試験片8の板厚と略同等で実施する等、前記引張試験装置10と前記試験片8との芯(軸芯)が合致している場合は無用となる。とは云え、試験片8の板厚の大きさに応じて前記間隔が異なる治具本体3を幾つか用意するよりも、簡易な構成の位置決め部材5を幾つか用意した方が経済的、合理的である。
なお、図示は省略するが、前記位置決め部材5を前記挟持部材22の上面等にボルトで仮固定して引張試験を行うこともできる。前記位置決め部材5の形状は、図示例では試験片つかみ部2に掛け止めやすい逆L字形状に形成して実施しているが、単なる平板状でも実施可能である。
したがって、上記構成の引張試験用試験片つかみ治具を用いて行う引張試験方法は、先ず、前記引張試験装置10の他方(本実施例では上側)のチャック部9に前記試験片8の他端部(上部)を把持させて当該試験片8を鉛直方向に吊り支持する。
次に、前記位置決め部材5を予めセットしておいた前記治具本体3を、そのチャック取付部1を利用して前記引張試験装置10の一方(本実施例では下側)のチャック部9に把持させると共に、前記試験片つかみ部2内に前記試験片8の一端部(下部)を前記試験片つかみ部2内に挿入させる。
しかる後、前記試験片つかみ部2の挟持部材21に形成したボルト孔(雌ねじ)に前記押圧ボルト41、42を略水平にねじ込む作業を順に行う。前記押圧ボルト41、42は前記試験片8に対し略直角方向に接触して押圧力を作用させつつ、その先端部に設けた突起(円錐突起41a、42aと環状突起41b、42b)により前記試験片8の表面に変形を生じさせて当該試験片8をしっかり固定する。前記試験片8は、前記位置決め部材5の添設効果と前記押圧ボルト41、42の突起による固定効果により、鉛直姿勢を保持しつつ治具本体3にしっかり固定される。よって、その後に行う引張試験は信頼性の高い試験結果を得ることができる。
なお、前記した引張試験方法の手順は、あくまでも一例に過ぎないことを念のため特記しておく。
次に、前記位置決め部材5を予めセットしておいた前記治具本体3を、そのチャック取付部1を利用して前記引張試験装置10の一方(本実施例では下側)のチャック部9に把持させると共に、前記試験片つかみ部2内に前記試験片8の一端部(下部)を前記試験片つかみ部2内に挿入させる。
しかる後、前記試験片つかみ部2の挟持部材21に形成したボルト孔(雌ねじ)に前記押圧ボルト41、42を略水平にねじ込む作業を順に行う。前記押圧ボルト41、42は前記試験片8に対し略直角方向に接触して押圧力を作用させつつ、その先端部に設けた突起(円錐突起41a、42aと環状突起41b、42b)により前記試験片8の表面に変形を生じさせて当該試験片8をしっかり固定する。前記試験片8は、前記位置決め部材5の添設効果と前記押圧ボルト41、42の突起による固定効果により、鉛直姿勢を保持しつつ治具本体3にしっかり固定される。よって、その後に行う引張試験は信頼性の高い試験結果を得ることができる。
なお、前記した引張試験方法の手順は、あくまでも一例に過ぎないことを念のため特記しておく。
以上説明したように、本発明に係る引張試験用試験片つかみ治具および同治具を用いた引張試験方法によれば、チャック取付部1と試験片つかみ部2とを有する治具本体3に、押圧部材4(押圧ボルト41、42)を水平にねじ込むことにより引張試験を行うことができるので、くさび方式等の従来の引張試験装置10であっても、前記試験片8に圧縮方向の力を作用させることなく水平方向の力を作用させて引張試験を行うことにより信頼性の高い試験結果を得ることができる。
また、本発明に係る引張試験用試験片つかみ治具は、非常に簡易な構造で、しかも引張試験装置10の一方のチャック部9に1つ介在させるだけで実施できるので、経済性、作業性に非常に優れている。
さらに、前記押圧ボルト4(41、42)の先端に特殊加工を施した突起(円錐突起41a、42a及び/又は環状突起41b、42b)の固定効果により、前記試験片8のずれ動きを確実に防止することができるので、非常に信頼性の高い試験結果を得ることができる。
また、本発明に係る引張試験用試験片つかみ治具は、非常に簡易な構造で、しかも引張試験装置10の一方のチャック部9に1つ介在させるだけで実施できるので、経済性、作業性に非常に優れている。
さらに、前記押圧ボルト4(41、42)の先端に特殊加工を施した突起(円錐突起41a、42a及び/又は環状突起41b、42b)の固定効果により、前記試験片8のずれ動きを確実に防止することができるので、非常に信頼性の高い試験結果を得ることができる。
以上、実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
例えば、前記突起について、本実施例では円錐突起41a、42aと環状突起41b、42bを例示しているがこれに限定されず、例えば、図示は省略するが、剣山のような複数の円錐突起が林立したものでも勿論実施可能である。
例えば、前記突起について、本実施例では円錐突起41a、42aと環状突起41b、42bを例示しているがこれに限定されず、例えば、図示は省略するが、剣山のような複数の円錐突起が林立したものでも勿論実施可能である。
1 チャック取付部
1a 目荒らし加工
2 試験片つかみ部
21 挟持部材
22 挟持部材
3 治具本体
4 押圧部材
41 押圧ボルト
41a 円錐突起
41b 環状突起(環状峰)
42 押圧ボルト
42a 円錐突起
42b 環状突起(環状峰)
5 位置決め部材
6 補強部材
8 試験片
9 チャック部
10 引張試験装置
w 溶接ビード
1a 目荒らし加工
2 試験片つかみ部
21 挟持部材
22 挟持部材
3 治具本体
4 押圧部材
41 押圧ボルト
41a 円錐突起
41b 環状突起(環状峰)
42 押圧ボルト
42a 円錐突起
42b 環状突起(環状峰)
5 位置決め部材
6 補強部材
8 試験片
9 チャック部
10 引張試験装置
w 溶接ビード
Claims (5)
- 試験片をチャック部に把持して試験する引張試験装置の一方のチャック部に把持されるチャック取付部と、前記試験片の一端部が挿入される試験片つかみ部とを備えた治具本体と、前記試験片つかみ部に挿入された前記試験片のずれ動きを防止する押圧部材と、を有することを特徴とする、引張試験用試験片つかみ治具。
- 前記押圧部材は、前記試験片に対し略直角方向に接触して押圧力を作用させる押圧ボルトであることを特徴とする、請求項1に記載した引張試験用試験片つかみ治具。
- 前記押圧ボルトは、その先端部に、前記試験片に押圧力を作用させつつ前記試験片の表面に変形を生じさせる突起が形成されていることを特徴とする、請求項2に記載した引張試験用試験片つかみ治具。
- 前記試験片つかみ部と前記試験片との間に設けられて前記試験片の位置を調整する位置決め部材を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載した引張試験用試験片つかみ治具。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載した引張試験用試験片つかみ治具を用いた引張試験方法であって、前記引張試験装置の他方のチャック部に前記試験片の他端部を把持させ、前記試験片の一端部を前記試験片つかみ部内に挿入させた状態で前記引張試験用試験片つかみ治具の治具本体を前記チャック取付部を利用して前記引張試験装置の一方のチャック部に把持させること、
しかる後、前記試験片つかみ部に形成した孔に前記押圧部材を略水平に通して前記試験片を固定した後、引張試験を行うことを特徴とする、引張試験方法。
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JP2021052661A JP2022150175A (ja) | 2021-03-26 | 2021-03-26 | 引張試験用試験片つかみ治具および引張試験方法 |
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- 2021-03-26 JP JP2021052661A patent/JP2022150175A/ja active Pending
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