JP2022150108A - モータ - Google Patents

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俊文 田口
Toshibumi Taguchi
逸男 渡辺
Itsuo Watanabe
正幸 丸山
Masayuki Maruyama
健一 福山
Kenichi Fukuyama
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Abstract

Figure 2022150108000001
【課題】発塵の外部への流出を抑制することができるモータを提供する。
【解決手段】モータは、ハウジングベースと、ハウジング軸部と、を含むハウジングと、ハウジング軸部の径方向外側に配置されたモータステータと、モータロータと、モータロータをハウジング軸部に回転可能に支持する軸受と、モータロータの軸方向でハウジングベースと反対側に設けられ、モータロータとハウジング軸部との間を密封するシール構造と、モータロータの回転を検出するレゾルバと、を有し、レゾルバは、軸受よりも径方向外側であって、かつ、回転中心軸に沿った方向で、モータステータのハウジングベースと反対側に設けられ、軸受の径方向内側にハウジング軸部が設けられ、ハウジング軸部の径方向内側には、冷媒を流すための冷媒流路が設けられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、モータに関する。
特許文献1から特許文献3には、真空雰囲気等で用いられるモータが記載されている。特許文献1から特許文献3に記載されているモータでは、モータロータとモータステータとの間に隔壁が設けられる。隔壁により、モータロータが配置された空間と、モータステータが配置された空間とが遮断される。
特開2006-311649号公報 特許第4445075号公報 特開2001-339920号公報
例えば、半導体製造工程等において、モータが真空かつ高温の環境で使用される場合では、モータからの発塵や発ガスを抑制することが要求される。特許文献1に記載されているモータは、いわゆるアウターロータ型であり、モータロータが真空雰囲気側(チャンバ内)に設けられる。このため、モータロータからの発塵や発ガスが真空雰囲気側に流出する可能性がある。
特許文献2、3のモータでは、モータロータ又はモータロータに連結された出力軸の外周に軸受が設けられている。このため、軸受が真空雰囲気側に曝されて、軸受からの発塵が真空側に流出する可能性がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、発塵の外部への流出を抑制することができるモータを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の一態様に係るモータは、ハウジングベースと、前記ハウジングベースに設けられ、回転中心軸に沿った方向に延在するハウジング軸部と、を含むハウジングと、前記ハウジング軸部の径方向外側に配置されたモータステータと、前記モータステータと前記ハウジング軸部との間に設けられたモータロータと、前記モータロータの径方向内側に設けられ、前記モータロータを前記ハウジング軸部に回転可能に支持する軸受と、前記モータロータの軸方向で前記ハウジングベースと反対側に設けられ(例えば、実施形態における出力軸17側)、前記モータロータと前記ハウジング軸部との間を密封するシール構造と、前記モータロータの回転を検出するレゾルバと、を有し、前記レゾルバは、前記軸受よりも径方向外側であって、かつ、前記回転中心軸に沿った方向で、前記モータステータの前記ハウジングベースと反対側(例えば、実施形態における出力軸17側)に設けられ、前記軸受の径方向内側に前記ハウジング軸部が設けられ、前記ハウジング軸部の径方向内側には、冷媒を流すための冷媒流路が設けられる。
これによれば、軸受は、モータロータの径方向の内側に設けられる。モータロータの出力軸側は、使用時に蓋等で封止されるため、軸受での発塵が外部の、例えば真空雰囲気側へ流出することを抑制できる。また、軸受の摩耗により発生した金属粉がモータ内部に回り込んだ場合でも、モータステータに金属粉が吸着される。したがって、モータは、内部で発生した発塵が外部に流出することを抑制することができる。また、レゾルバ側に金属粉が流出することが抑制されるので、レゾルバの検出精度の低下を抑制することができる。また、ハウジング軸部の径方向内側に冷媒流路が設けられているので、冷媒流路を流れる冷媒により、軸受が冷却される。したがって、モータが、高温環境下で使用される場合であっても、軸受の潤滑剤の劣化を抑制することができ、軸受の摩耗を抑制することができる。
モータの望ましい態様として、前記ハウジング軸部は、内部空間を有する筒状の部材であり、前記ハウジング軸部の径方向内側に環状部材が設けられており、径方向に対向する前記環状部材と前記ハウジング軸部との間に、第1冷媒流路が形成される。これによれば、第1冷媒流路は、環状部材の周囲に環状に形成され、環状部材に沿って軸方向に延在する。したがって、第1冷媒流路を流れる冷媒により、軸受を効果的に冷却することができる。
モータの望ましい態様として、前記第1冷媒流路の径方向での隙間の大きさは、0.5mm以上1.5mm以下である。これによれば、第1冷媒流路を流れる冷媒の流量、圧力を適切な大きさに設定することができる。
モータの望ましい態様として、前記環状部材の径方向内側に設けられた冷却シャフトを有し、径方向に対向する前記冷却シャフトと前記環状部材との間に、第2冷媒流路が形成され、前記第1冷媒流路と前記第2冷媒流路とは、前記環状部材の前記ハウジングベースと反対側で繋がる。これによれば、軸受の径方向内側に、第1冷媒流路及び第2冷媒流路により二重の冷媒流路が形成される。これにより、軸受は冷媒流路を流れる冷媒により、効果的に冷却される。
モータの望ましい態様として、前記第1冷媒流路の前記ハウジングベースと反対側の端部、及び、前記第2冷媒流路の前記ハウジングベースと反対側の端部の少なくとも一方には、前記第1冷媒流路の径方向での隙間よりも小さい隙間を有して形成された絞り部が設けられる。これによれば、第1冷媒流路及び第2冷媒流路を流れる冷媒の圧力分布のばらつきを抑制することができる。
モータの望ましい態様として、前記第1冷媒流路の前記ハウジングベース側の端部には、前記冷媒を供給する冷媒供給通路が接続され、前記第2冷媒流路の前記ハウジングベース側の端部には、前記冷媒を排出する冷媒排出通路が接続され、前記第1冷媒流路の前記ハウジングベース側の端部及び前記第2冷媒流路の前記ハウジングベース側の端部の少なくとも一方には、前記第1冷媒流路の径方向での隙間よりも大きい隙間を有して形成された溜まり部が設けられる。これによれば、第1冷媒流路及び第2冷媒流路を流れる冷媒の圧力分布のばらつきを抑制することができる。
モータの望ましい態様として、前記モータステータと前記モータロータとの間に設けられ、前記モータステータの配置された空間と前記モータロータの配置された空間とを区分するモータ隔壁を有する。これによれば、モータ隔壁により、モータステータが配置された大気雰囲気側の気体が、モータロータが配置された真空雰囲気側に流出することを抑制することができる。
モータの望ましい態様として、前記レゾルバは、前記モータロータに連結されたレゾルバロータと、前記レゾルバロータの径方向外側に設けられ、励磁コイルを有するレゾルバステータと、を有し、前記レゾルバロータと前記レゾルバステータとの間にレゾルバ隔壁が設けられる。これによれば、レゾルバ隔壁により、レゾルバロータが配置された空間とレゾルバステータが配置された空間とが区分され、レゾルバステータが配置された大気側の気体が、レゾルバロータが配置された真空雰囲気側に流出することを抑制することができる。また、角度検出器としてレゾルバが用いられ、モータ内に電子的な素子が配置されない。このため、モータが高温環境下で使用される場合であっても、良好に角度を検出できる。
モータの望ましい態様として、前記モータロータの外径は、前記レゾルバロータの外径よりも小さい。これによれば、モータロータ及びレゾルバロータを含む回転構造体を、出力軸側から一体に引き抜くことができるので、軸受の交換やメンテナンスが容易である。
モータの望ましい態様として、前記中心軸に沿った方向で、前記モータステータと前記レゾルバとの間に磁性体から構成される連結部が配置されている。これによれば、連結部は、モータステータから発生する磁界をシールドすることができるので、レゾルバの検出精度を向上させることができる。また、連結部は、摩耗により発生した金属粉を吸着することができる。
モータの望ましい態様として、前記モータロータの軸方向で前記ハウジングベースと反対側(例えば、実施形態における出力軸17側)に設けられ、前記軸受の外輪に固定される外輪押さえ部と、前記ハウジング軸部の軸方向で前記ハウジングベースと反対側(例えば、実施形態における出力軸17側)に設けられ、前記軸受の内輪に固定される内輪押さえ部と、を有し、前記シール構造は、前記外輪押さえ部と前記内輪押さえ部とで形成されたラビリンス構造を有する。これによれば、軸受の摩耗等で発生するモータからの発塵が、シール構造で遮蔽され、外部に流出することを抑制することができる。
モータの望ましい態様として、前記モータステータは、前記モータロータの配置された空間よりも大気側の空間に配置される。これによれば、モータステータがモータロータと同じ空間、例えば真空雰囲気に配置された場合に比べて、モータステータの冷却効率を高めることができる。
モータの望ましい態様として、前記モータロータは、サマリウムコバルト永久磁石を含む。これによれば、モータが高温環境で使用された場合であっても減磁しないので、良好にモータロータを回転駆動させることができる。
モータの望ましい態様として、前記レゾルバの検出信号に基づいて、前記モータステータの励磁コイルに駆動電流を供給するモータ制御回路を備える。これによれば、モータ制御回路は、レゾルバの検出信号に基づいて、回転トルクや速度リップルを常時監視することができる。これにより、例えば軸受の異常の発生等を早期に発見することができ、あるいは、軸受の交換時期を把握することができる。
本発明によれば、発塵の外部への流出を抑制することができるモータを提供することができる。
図1は、実施形態に係るモータの使用状態を説明する説明図である。 図2は、実施形態に係るモータを模式的に示す断面図である。 図3は、図2のIII-III’断面図である。 図4は、実施形態に係るモータが有する第1軸受を拡大して示す断面図である。 図5は、実施形態に係るモータが有するモータステータ、モータロータ及びモータ隔壁を拡大して示す断面図である。 図6は、実施形態に係るモータをハウジングベース側から見た平面図である。 図7は、第1冷媒流路、第2冷媒流路及び第2絞り部を模式的に示す断面図である。 図8は、実施形態に係るモータが有するレゾルバ及びレゾルバ隔壁を拡大して示す断面図である。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
図1は、実施形態に係るモータの使用状態を説明する説明図である。図1に示すように、モータ1が使用される製造装置の一例として、例えば半導体製造装置100について説明する。半導体製造装置100は、チャンバ101と、モータ1と、モータ制御回路90と、制御装置99と、搬送装置110と、を含む。モータ1は、回転中心軸AXを中心に出力軸17(図2参照)を回転駆動する。搬送テーブル111を含む搬送装置110は、チャンバ101の内部に配置されており、開口102を介してモータ1と連結される。半導体製造装置100は、モータ1の駆動により搬送テーブル111を回転させる。半導体製造装置100は、真空雰囲気Vaにあるワーク(被搬送物)120を搬送テーブル111に搭載して移動させる。ワーク120は、例えば、半導体基板、工作物又は工具等である。
モータ1は、ギヤ、ベルト又はローラ等の伝達機構を介在させることなく搬送テーブル111及びワーク120に回転力をダイレクトに伝達し、ワーク120を回転させることができる。モータ1は、いわゆるダイレクトドライブモータである。なお、本実施形態において、軸方向とは、回転中心軸AXに沿った方向である。
制御装置99は、入力回路と、中央演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)と、記憶装置であるメモリと、出力回路(いずれも不図示)とを含む。制御装置99は、メモリに記憶されたプログラムに応じて、モータ1を制御するモータ回転指令iを生成し、モータ制御回路90に出力する。
制御装置99からモータ回転指令iが入力されたとき、モータ制御回路90は、CPU(Central Processing Unit)91から3相アンプ(以下、AMP(Amplifier)92と表す)に駆動信号を出力し、AMP92からモータ1に駆動電流Miが供給される。モータ1は、駆動電流Miにより回転駆動し、搬送テーブル111を回転させる。これにより、搬送テーブル111に搭載されたワーク120を移動させるようになっている。なお、搬送装置110は、搬送テーブル111に加え、ウエハ搬送用のアーム等の他の部材を有していてもよく、ワーク120に応じた構成を適宜採用することができる。
搬送テーブル111が回転すると、回転角度を検出したレゾルバ60(図2参照)等の角度検出器から検出信号(レゾルバ信号)Srが出力される。モータ制御回路90は、検出信号Srをレゾルバデジタル変換器(以下、RDC(Resolver to Digital Converter)93と表す)でデジタル変換する。RDC93からの検出信号Srのデジタル情報に基づいて、CPU91はワーク120が指令位置に到達したか否かを判断し、指令位置に到達する場合、AMP92への駆動信号を停止する。
また、モータ制御回路90は、レゾルバ60の検出信号Srに基づいて、回転トルクや速度リップルを常時監視することができる。これにより、モータ制御回路90は、例えば図2に示す第1軸受21A及び第2軸受21Bの異常の発生等を早期に発見することができ、あるいは、第1軸受21A及び第2軸受21Bの交換時期を把握することができる。
一般に、半導体製造装置100は、半導体の集積度が高まり、それに伴って同時にICのパターン幅の微細化による高密度化が進められている。この微細化に対応できるウエハ(半導体部品)を製造するために、ウエハ品質に対する高度の均一性が要求されている。その要求に応えるためには、真空雰囲気Vaにおける不純物ガス濃度の一層の低減が重要である。このため、チャンバ101の取り付け孔(開口102)に配置されるモータ1においては、真空雰囲気Vaの空間と外部の大気雰囲気Atとを離隔することも必要となる。
なお、本実施形態では、チャンバ101内を真空雰囲気Vaとしている。ただし、チャンバ101内は、真空環境に限定されず、例えば、減圧環境や、窒素ガス、希ガスなどのプロセスガス充填環境等、大気雰囲気Atと異なる雰囲気としてもよい。また、チャンバ101内は、半導体製造に使用される拡散炉等の真空かつ高温の環境も適用可能である。また、本実施形態で「大気側」とは、「真空側」(真空雰囲気Va)よりも高圧の空間である。又は、「大気側」とは、「真空側」(真空雰囲気Va)よりもプロセスガスの比率が低い空間であってもよい。
図2は、実施形態に係るモータを模式的に示す断面図である。図3は、図2のIII-III’断面図である。なお、図2は、回転中心軸AXを含む仮想平面でモータ1を切断した場合の断面図である。以下の説明では、回転中心軸AXに沿った方向で、出力軸17側(真空雰囲気Va側)に向かう方向を「上側」又は単に「上」と表す場合がある。また、回転中心軸AXに沿った方向で、ハウジングベース11側(大気雰囲気At側)に向かう方向を「下側」又は単に「下」と表す場合がある。
図2から図8の各構成要素の寸法は、理解を容易にするために強調して模式的に示している。例えば、モータ隔壁50は、実際よりも厚く図示している。また、隙間G0及び第1隙間G1から第6隙間G6の大きさは、実際よりも大きく示しているが、隙間G0及び第1隙間G1から第6隙間G6は、いずれも微小隙間に形成されている。
図2に示すように、モータ1は、ハウジング10と、モータステータ30と、モータロータ40と、第1軸受21Aと、第2軸受21Bと、レゾルバ60と、モータ隔壁50と、レゾルバ隔壁70と、連結部15と、出力軸17と、を有する。なお、図2及び図3では、各構成要素の全体的な配置関係を説明し、各構成要素間の詳細な接続構造や、シール構造については後述する。
ハウジング10は、ハウジングベース11と、ハウジング軸部12と、ハウジングアウタ13と、冷却ハウジング14と、冷却シャフト18と、を含む。ハウジングベース11は、回転中心軸AXと交差する方向に延在する平板状の部材であり、回転中心軸AXと重なる位置に開口が設けられた環状に形成される。ハウジング軸部12及びハウジングアウタ13は、それぞれ、回転中心軸AXに沿った方向(以下、軸方向と表す)に延在する筒状の部材である。ハウジング軸部12の下端は、ハウジングベース11の内周縁側に連結され、ハウジングアウタ13の下端は、ハウジングベース11の外周縁側に連結される。つまり、ハウジングアウタ13は、径方向で、ハウジング軸部12の径方向外側に対向して配置される。また、ハウジング軸部12の上端は、蓋部12aによって覆われている。
冷却ハウジング14は、ハウジングベース11の開口を覆って設けられる。冷却ハウジング14により、ハウジング軸部12の内部空間が大気雰囲気Atと遮断され、内部空間への異物の流入が抑制される。冷却ハウジング14は、ハウジング軸部12の内部空間で、軸方向に沿って延在する環状部材14aを有する。環状部材14aは、内部空間を有する筒状の部材であり、環状部材14aの外周面は、所定の隙間(第4隙間G4(図5参照))を有してハウジング軸部12の内周面と対向する。
冷却シャフト18は、環状部材14aの内部空間に設けられ、回転中心軸AXに沿って延在する柱状の部材である。冷却シャフト18の上端側は、ハウジング軸部12の蓋部12aに固定され、冷却シャフト18の下端側は、冷却ハウジング14の底部に固定される。冷却シャフト18の外周面は、所定の隙間を有して環状部材14aの内周面と対向する。つまり、ハウジング軸部12の径方向内側に環状部材14aが設けられ、環状部材14aの径方向内側に冷却シャフト18が設けられる。言い換えると、回転中心軸AXから、径方向外側に、冷却シャフト18、環状部材14a(冷却ハウジング14)、ハウジング軸部12の順に配置される。
軸受(第1軸受21A及び第2軸受21B)の径方向内側にハウジング軸部12、ハウジング軸部12の径方向内側に、冷媒を流すための第1冷媒流路82及び第2冷媒流路83が設けられる。具体的には、径方向に対向する環状部材14aとハウジング軸部12との間に、第1冷媒流路82が形成される。第1冷媒流路82は、環状部材14aの周囲に環状に形成され、環状部材14aに沿って軸方向に延在する。また、径方向に対向する冷却シャフト18と環状部材14aとの間に、第2冷媒流路83が形成される。第2冷媒流路83は、冷却シャフト18の周囲に環状に形成され、冷却シャフト18に沿って軸方向に延在する。第1冷媒流路82と第2冷媒流路83とは、環状部材14aの上端側(ハウジングベース11と反対側)で繋がっている。言い換えると、環状部材14aは、冷却シャフト18とハウジング軸部12との間の空間を区切って、第1冷媒流路82と第2冷媒流路83とを形成するように設けられる。
また、ハウジングベース11及び冷却ハウジング14には、冷媒供給通路81及び冷媒排出通路84が設けられる。なお、冷媒排出通路84は、図2では模式的に点線で示している。冷媒供給通路81は、ハウジングベース11の外周面に設けられた開口81aを介して、外部の冷媒供給装置(図示しない)に接続される。冷媒供給通路81は、ハウジングベース11の外周面から径方向内側に延在し、第1冷媒流路82の下端側(ハウジングベース11側の端部)と接続される。冷媒排出通路84(図6参照)は、ハウジングベース11の外周面から径方向内側に延在し、第2冷媒流路83の下端側と接続される。
このような構成により、冷媒供給通路81、第1冷媒流路82、第2冷媒流路83及び冷媒排出通路84が繋がって形成される。軸受(第1軸受21A及び第2軸受21B)の径方向内側に、第1冷媒流路82及び第2冷媒流路83により二重の冷媒流路が形成される。これにより、軸受(第1軸受21A及び第2軸受21B)は冷媒流路を流れる冷媒により、効果的に冷却される。より詳細には、冷媒は、矢印A1、A2、A3に示す方向に沿って、冷媒供給通路81、第1冷媒流路82、第2冷媒流路83及び冷媒排出通路84の順に流れる。冷媒供給通路81に接続された第1冷媒流路82は、径方向外側、すなわち、軸受(第1軸受21A及び第2軸受21B)に近い位置に設けられ、冷媒排出通路84に接続された第2冷媒流路83は、径方向内側、すなわち、軸受(第1軸受21A及び第2軸受21B)から離れた位置に設けられる。これにより、軸受(第1軸受21A及び第2軸受21B)は、内輪22、転動体24、外輪23が順次、冷却される。冷媒は、空冷でもよく水冷でもよい。
ハウジングベース11、ハウジング軸部12及び冷却ハウジング14は、その一部が真空中に曝されるため、オーステナイト系ステンレス、アルミ合金等、真空中での放出ガスが少なく、かつ放出ガスの成分が既知の真空用材料を用いることができる。また、適用する真空度によっては、電解研磨、平滑化処理、酸化被膜などの表面処理が施されることで、表面積を低減させ、溶存気体の放出を低減させることがより好ましい。ハウジングアウタ13は、本実施形態では、大気雰囲気Atに曝され、真空中に曝されないため、鋳鉄、低炭素鋼など一般的な構造用材料を用いていてもよく、もちろん、ステンレス鋼を用いてもよい。この構造により、モータ1は、構造用材料の使用の比率を高め、構造用材料よりも高価な、真空用材料の使用量を減らすことができる。
モータステータ30と、モータロータ40と、第1軸受21Aと、第2軸受21Bと、
モータ隔壁50と、連結部15とは、ハウジング軸部12とハウジングアウタ13との間に組み込まれる。
モータステータ30は、ハウジング軸部12及びモータロータ40の径方向外側に配置され、静止状態に維持される。具体的には、連結部15は、モータステータ30の上側(レゾルバ60側)を覆って設けられ、モータステータ30は、連結部15を介してハウジングアウタ13に固定される。モータステータ30の固定方法として、例えば、モータステータ30のステータコア31は、ハウジング10(ハウジングアウタ13)に対してボルトで締結される。これにより、非回転部品であるモータステータ30は、ハウジングベース11に対して位置決め固定される。また、モータロータ40は、モータステータ30とハウジング軸部12との間に設けられる。第1軸受21A及び第2軸受21Bは、モータロータ40を、ハウジング軸部12に回転可能に支持する。すなわち、モータロータ40は、モータステータ30に対して回転可能に配置される。
図3に示すように、モータステータ30、モータロータ40、第1軸受21A(図3では図示されない)及び第2軸受21Bは、いずれも環状の構造体であり、回転中心軸AXを中心に同心円状に配置される。ハウジング軸部12から、径方向外側に向かって、軸受(第1軸受21A及び第2軸受21B)、モータロータ40、モータ隔壁50、モータステータ30、ハウジングアウタ13の順に配置される。すなわち、モータ1は、いわゆるインナーロータ型であり、モータロータ40がモータステータ30よりも回転中心軸AX側に位置する。言い換えると、モータロータ40が真空雰囲気Va側に配置され、モータステータ30が大気雰囲気At側に配置される。
モータステータ30は、電磁鋼板を重ね合わせて形成され、ステータコア31と、インシュレータ34(図2参照)と、励磁コイル35(図2参照)とを含む。モータステータ30は、例えば、接着鋼板又は型内かしめにて形成される。これにより、ステータコア31の加工が容易であり、かつ、モータステータ30の良好な磁気特性が得られる。ステータコア31は、バックヨーク32とティース33とを有する。バックヨーク32は、環状の部材であり、ハウジングアウタ13の内周面と空間を有して対向して配置される。ティース33は、バックヨーク32に周方向に複数配置され、等間隔で並ぶ。ティース33は、それぞれ、バックヨーク32から径方向内側に突出する。モータステータ30は、このような一体コアに限られず、複数の分割されたステータコア31が配置される分割コアであってもよい。励磁コイル35は、インシュレータ34を介してステータコア31のティース33にそれぞれ巻きつけられる。モータステータ30には、電源からの電力を供給するための配線が接続されており、この配線を通じて励磁コイル35に対してモータ制御回路90から駆動電流Miが供給されるようになっている。
図2に示す励磁コイル35を構成するモータ巻線及びインシュレータ34(絶縁材)は、いずれも耐熱性を有する材料で形成される。モータ巻線及びインシュレータ34(絶縁材)は、例えば200℃以上の耐熱性を有する。これにより、モータ1は、高温環境下で良好に動作することができる。モータ巻線は、例えばポリイミドからなるコーティングが施される。また、インシュレータ34の材料は、例えば、絶縁紙、又は樹脂材料、又は絶縁紙と樹脂材料との組み合わせで構成される。
モータロータ40は、ロータヨーク41、マグネット42及び空間43(図2参照)を含む。ロータヨーク41は、円筒状の部材であり、ロータヨーク41の外径はステータコア31の内径よりも小さい。モータロータ40は、モータステータ30の径方向の内側に、磁気ギャップMGとなる隙間を有して環状に設けられる。ロータヨーク41は、強磁性体の低炭素鋼で形成され、表面にニッケルめっきを施すことが好ましい。ニッケルめっきを施すことで、ロータヨーク41は錆を防ぐことができ、アウトガスを低減することができる。
図3に示すように、複数のマグネット42は、ロータヨーク41の外周に沿って貼り付けられる。すなわち、モータステータ30(ステータコア31)は、モータ隔壁50を介して、マグネット42の径方向外側に配置される。回転運動するモータロータ40と、非回転部品であるモータステータ30とが非接触に配置されるので、異物の発生を抑制することができる。マグネット42は、S極及びN極がロータヨーク41の周方向に交互に等間隔で配置される。モータロータ40の極数は、例えば20極である。なお、モータロータ40の極数及びモータステータ30のスロット数は、20極18スロットの構成に限られず、必要に応じて適宜変更できる。
本実施形態では、マグネット42は、サマリウムコバルト永久磁石を用いることが好ましい。これによれば、モータ1が高温環境で使用された場合であっても減磁しないので、良好にモータロータ40を回転駆動させることができる。なお、これに限定されず、マグネット42は、ネオジム系磁石等、他の材料を用いてもよい。
図2に示す空間43は、マグネット42の端面での磁気の回り込みを防止する空間である。空間43を形成するロータヨーク41の段差寸法Y(図4参照)は、マグネット42の厚さ寸法X(図4参照)の1/3以上1/2以下程度が望ましい。この範囲を超えると、モータロータ40のマグネット42の上端面部で磁気の回り込みが発生し、ステータコア31の方に磁気が回らず、出力トルクが低下する。
モータ隔壁50は、モータステータ30とモータロータ40との間の磁気ギャップMGに設けられ、モータロータ40の配置された空間(真空雰囲気Va側)とモータステータ30の配置された空間(大気雰囲気At側)とを区分する。モータ隔壁50の詳細な構成については後述する。
ロータヨーク41の上端には、出力軸17が連結される。出力軸17は、ロータヨーク41とともに回転し、モータ1の回転力を、外部(例えば、搬送テーブル111)に伝達する。
第1軸受21A及び第2軸受21Bは、ハウジング軸部12の外周と、ロータヨーク41の内周との間に設けられる。第1軸受21A及び第2軸受21Bは、それぞれアンギュラ玉軸受であり、背面組合せで配列される。第1軸受21A及び第2軸受21Bは、それぞれ、内輪22、外輪23及び転動体24を有する転がり軸受である。転動体24は、内輪22と外輪23との間に設けられる。回転中心軸AXに沿った方向で、第1軸受21Aは出力軸17側に配置され、第2軸受21Bは、ハウジングベース11側に配置される。第1軸受21Aの内輪22及び第2軸受21Bの内輪22は、ハウジング軸部12に固定される。第1軸受21Aの外輪23及び第2軸受21Bの外輪23は、モータロータ40のロータヨーク41に固定される。第1軸受21A及び第2軸受21Bは、それぞれ、外輪23と内輪22との間に、グリース等の潤滑剤(図示は省略する)が封入された軸受である。潤滑剤は、高温でも使用可能な真空グリース(例えば、フッ素系グリース)が用いられる。
第1軸受21Aの内輪22と、第2軸受21Bの内輪22との間に内輪間座25が設けられる。第1軸受21Aの外輪23と、第2軸受21Bの外輪23との間に外輪間座26が設けられる。これにより、軸方向での第1軸受21Aと第2軸受21Bとの位置が規定される。ハウジング軸部12の上端(軸方向でハウジングベース11と反対側の端部)には、内輪押さえ部16が連結され、内輪押さえ部16により、第1軸受21Aの内輪22の上端の位置が固定される。出力軸17は、外輪押さえ部を兼用しており、出力軸17により第1軸受21Aの外輪23の上端の位置が固定される。
第2軸受21Bの内輪22の下端は、ハウジングベース11に固定される。また、第2軸受21Bの外輪23の下端は、ロータヨーク41に固定される。このような構成により、第1軸受21A、間座(内輪間座25及び外輪間座26)及び第2軸受21Bは、軸方向で隙間(がた)が生じないように位置決めされて、定位置予圧方式の回転支持構造が形成される。第1軸受21A及び第2軸受21Bは、内輪間座25及び外輪間座26により定位置予圧が付与されるので、後述する定圧予圧に比べて剛性を向上させることができる。また、第1軸受21A及び第2軸受21Bは、背面組合せで配列されるので、モーメント荷重に対する剛性を向上させることができる。また、第1軸受21A及び第2軸受21Bは潤滑剤が封入されており、摩耗が抑制される。これにより、第1軸受21A及び第2軸受21Bは、軸方向で摩耗による隙間(がた)が生じないので、内輪間座25及び外輪間座26により良好に定位置予圧を付与することができる。
モータロータ40の出力軸17側(軸方向でハウジングベース11と反対側)で、モータロータ40とハウジング軸部12との間を非接触で密封する第1シール構造LS1が設けられる。より具体的には、第1シール構造LS1は、第1軸受21Aの出力軸17側で、出力軸17と内輪押さえ部16との間に形成された微小隙間で構成される。また、第2軸受21Bのハウジングベース11側で、モータロータ40とハウジング軸部12との間を非接触で密封する第2シール構造LS2が設けられる。これにより、第1軸受21A及び第2軸受21Bの出力軸17側及びハウジングベース11側は、それぞれ、第1シール構造LS1及び第2シール構造LS2で密封される。モータ1は、第1シール構造LS1及び第2シール構造LS2により、第1軸受21A及び第2軸受21Bの摩耗による発塵が真空雰囲気Va側に流出することを抑制することができる。
また、第1軸受21A及び第2軸受21Bの内輪22及び外輪23は、磁性のある鉄系部材が使用される。磁性のある鉄系部材は、例えばマルテンサイト系ステンレス鋼である。これによれば、軸受(第1軸受21A及び第2軸受21B)の摩耗による発塵(金属粉)がモータ1の内部に回り込んだ場合でも、モータロータ40のマグネット42や(モータステータ30の磁力が壁部51(後述の図5参照)越しに作用する)モータ隔壁50に吸着される。
転動体24は、内輪22及び外輪23と同じ材料、例えばマルテンサイト系ステンレス鋼を用いることができる。あるいは、内輪22及び外輪23は、セラミックス製であってもよい。内輪22及び外輪23に用いられるセラミックス材料は、例えば、窒化ケイ素、ジルコニア、アルミナ等である。これによれば、第1軸受21A及び第2軸受21Bの転動体24からの、摩耗による発塵や、高温環境下での発ガスを抑制することができる。
レゾルバ60は、第1軸受21A及び第2軸受21Bよりも径方向外側であって、かつ、軸方向で、モータステータ30よりも出力軸17側に設けられる。レゾルバ60はモータロータ40の回転を検出する角度検出器である。
レゾルバ60は、レゾルバステータ61A、61Bと、レゾルバロータ62A、62Bを備えている。レゾルバロータ62A、62Bは、レゾルバステータ61A、61Bと所定のギャップを隔てて対向配置され、レゾルバステータ61A、61Bに対して回転可能となっている。具体的には、レゾルバステータ61A、61Bは、ハウジングアウタ13に固定される。これにより、レゾルバステータ61A、61Bは、モータステータ30及びハウジングベース11に対して位置決め固定され、静止状態に維持される。また、レゾルバロータ62A、62Bは、出力軸17の外周に固定されている。レゾルバロータ62A、62Bは、モータロータ40とともに回転する。
レゾルバロータ62A、62Bとレゾルバステータ61A、61Bとの間にレゾルバ隔壁70が設けられる。レゾルバ隔壁70は、レゾルバステータ61A、61Bを覆って設けられる。また、レゾルバ隔壁70は、チャンバ101(図1参照)との取付構造を兼用しており、ハウジングアウタ13よりも径方向外側に張り出した部分で、チャンバ101に固定される。レゾルバ隔壁70の隔壁上面70aには溝部70bが設けられる。溝部70bは、回転中心軸AXを中心とした環状に形成される。溝部70bにはめ込まれたOリング等の密封部材(不図示)により、隔壁上面70aとチャンバ101との間がシールされる。
以上のような構成により、モータステータ30は、モータロータ40よりも大気雰囲気At側に配置される。また、軸受(第1軸受21A及び第2軸受21B)は、モータロータ40の径方向の内側に設けられる。より詳細には、ロータヨーク41はマグネット42の径方向内側に配置され、軸受(第1軸受21A及び第2軸受21B)は、ロータヨーク41の径方向内側に配置される。また、レゾルバ60は、軸方向でモータステータ30よりも出力軸17側に設けられる。軸方向でモータロータ40の出力軸17側は、使用時に蓋等で封止されるため、軸受での発塵が外部(真空雰囲気Va側)へ流出することを抑制できる。また、軸受の摩耗により発生した金属粉がモータ1の内部に回り込んだ場合でも、マグネット42や、(モータステータ30の磁力が壁部51越しに作用する)モータ隔壁50に金属粉が吸着される。したがって、モータ1は、内部で発生した発塵が外部に流出することを抑制することができる。
また、ハウジング10には、外部と繋がる排気ポート80が設けられる。これにより、モータステータ30が配置された空間の気体を、外部に排気することができ、モータステータ30の冷却効率を高めることができる。また、図2に示すようにモータロータ40の外径は、レゾルバロータ62A、62Bの外径よりも小さい。このため、内輪押さえ部16をハウジング軸部12から外すのみで、モータロータ40及びレゾルバロータ62A、62Bを含む回転構造体を、出力軸17側から一体に引き抜くことができる。このため、軸受(第1軸受21A及び第2軸受21B)の交換やメンテナンスが容易である。
次に、モータ1の各構成要素の詳細な構造を説明する。図4は、実施形態に係るモータが有する第1軸受を拡大して示す断面図である。図4に示すように、内輪押さえ部16は、ボルトBT1によりハウジング軸部12の上端に固定される。内輪押さえ部16は、内部空間SPに繋がる開口を有する環状の部材である。ただし、内輪押さえ部16は、内部空間SPを覆う平板状であってもよい。内輪押さえ部16の外周には、ハウジング軸部12よりも径方向外側に張り出した部分で段差部16aが形成される。第1軸受21Aの内輪22の上端は、段差部16aに接する。第1軸受21Aの内輪22の下端は、内輪間座25に接する。第1軸受21Aの内輪22は、軸方向で段差部16aと内輪間座25とに挟まれて位置決めされる。
出力軸17は、ボルトBT2によりモータロータ40のロータヨーク41の上端に固定される。ロータヨーク41の上端(軸方向でハウジングベース11と反対側の端部)には、軸方向に突出する突出部41dが設けられる。突出部41dはロータヨーク41の外周に沿って設けられた環状の部材であり、ロータヨーク41の径方向での幅よりも小さい幅を有して形成される。出力軸17は、突出部41dの径方向内側に固定される。すなわち、出力軸17とロータヨーク41とは、いわゆるインロー結合により固定される。このため、軸受(第1軸受21A及び第2軸受21B)の交換やメンテナンスの際に、出力軸17の位置決めを容易に行うことができる。また、出力軸17は、ロータヨーク41及び突出部41dよりも大きい熱膨張係数を有する材料が用いられることが好ましい。これにより、モータ1が高温環境下で使用される場合に、出力軸17の位置ずれを抑制することができる。
出力軸17は、ロータヨーク41の内周面よりも径方向内側に張り出した部分で段差部17bが形成される。第1軸受21Aの外輪23の上端は、段差部17bに接する。第1軸受21Aの外輪23の下端は、外輪間座26に接する。第1軸受21Aの外輪23は、軸方向で段差部17bと外輪間座26とに挟まれて位置決めされる。
出力軸17は、さらにフランジ部17aを有する。フランジ部17aは、出力軸17の内周面から径方向内側に延在する環状の部材である。フランジ部17aは、第1軸受21Aの内輪22と外輪23との間の空間を覆うように設けられる。また、フランジ部17aの内周面は、内輪押さえ部16の外周面と隙間G0を有して対向して配置され、これにより第1シール構造LS1が形成される。第1シール構造LS1を構成する隙間G0は、例えば0.05mm以上0.15mm以下程度で形成される。第1シール構造LS1は、ラビリンス構造を採用することが好ましい。ラビリンス構造は、どのような構成であってもよいが、例えば、内輪押さえ部16のフランジ部17aと対向する位置に溝部が形成され、隙間G0が断面視で略C型に形成されていてもよい。
また、出力軸17は、レゾルバロータ62A、62Bの支持構造も兼用する。つまり、出力軸17は、モータロータ40よりも径方向外側に張り出した張出部17dを有し、モータロータ40に固定される部分と、張出部17dとで段差部17cが形成される。レゾルバロータ62A、62Bは、段差部17cに組み込まれ、ボルトBT3で固定される。このような構造で、レゾルバロータ62A、62Bは、出力軸17及びモータロータ40と一体に回転する。
図5は、実施形態に係るモータが有するモータステータ、モータロータ及びモータ隔壁を拡大して示す断面図である。ハウジング10の冷却ハウジング14は、ハウジングベース11にボルトBT4で固定される。冷却ハウジング14は、Oリング等の密封部材SL1により、対向する冷却ハウジング14の上面とハウジングベース11の下面との間がシールされる。
ハウジングアウタ13は、ハウジングベース11の外縁側にボルトBT5で固定される。ハウジングベース11の上面には、ハウジング軸部12とハウジングアウタ13との間で、複数の段差部11a、11b、11c、11d、11eが形成される。ハウジング軸部12から径方向外側に向かって段差部11a、11b、11c、11d、11eの順に設けられ、段差部11a、11b、11c、11d、11eの順に上面の高さが低くなる。
段差部11aの上面に第2軸受21Bの内輪22の下端が接する。第2軸受21Bの内輪22の上端は、内輪間座25に接する。第2軸受21Bの内輪22は、段差部11aと内輪間座25とに挟まれて軸方向の位置が固定される。ロータヨーク41の下端側には、内周面から径方向内側に突出するフランジ部41aが形成される。フランジ部41aの上面に第2軸受21Bの外輪23の下端が接する。第2軸受21Bの外輪23の上端は、外輪間座26に接する。第2軸受21Bの外輪23は、フランジ部41aと外輪間座26とに挟まれて軸方向の位置が固定される。また、ハウジングベース11には、段差部11b、11cが形成されているので、第2軸受21Bの外輪23及びロータヨーク41の下端側は、ハウジングベース11と非接触に設けられる。第2シール構造LS2は、ハウジングベース11の段差部11b、11cと、ロータヨーク41の下端側との間に形成された微小隙間で構成される。第2シール構造LS2を構成する微小隙間は、例えば0.05mm以上0.15mm以下程度で形成される。第2シール構造LS2は、ラビリンス構造を採用することが好ましい。また、ロータヨーク41の外周に形成された段差部41bに、マグネット42の上端が接して位置決めされる。
次に、モータ隔壁50の詳細な構成について説明する。図5に示すように、モータ隔壁50は、壁部51と、天板部52と、フランジ部53とを有する。モータ隔壁50は、モータロータ40の配置された空間(真空雰囲気Va側)に、モータステータ30の配置された空間(大気雰囲気At側)の気体が流通しないように密閉する隔壁である。
具体的には、モータ隔壁50の壁部51は、軸方向に延在する筒状の部材であり、ステータコア31と、ロータヨーク41に固定されたマグネット42との間に配置される。壁部51は、マグネット42の外周と、第1隙間G1を有して対向する。言い換えると、第1隙間G1は、径方向でモータ隔壁50とモータロータ40との間に形成される隙間である。壁部51の径方向での厚さは、ステータコア31と、ロータヨーク41に固定されたマグネット42との間の隙間の長さの40%以上80%以下である。これにより、モータ隔壁50の強度を向上させることができ、モータ隔壁50の変形を抑制することができる。また、モータ隔壁50と、回転部品であるモータロータ40との接触を抑制することができる。
天板部52は、壁部51の上端側に連結され、径方向外側に延在して設けられる。天板部52は、モータステータ30の少なくとも一部を覆って設けられる。すなわち、天板部52は、軸方向で、ステータコア31、インシュレータ34及び励磁コイル35よりも出力軸17側に配置される。
連結部15は、天板部52の上面及び径方向外側を覆って設けられる。具体的には、連結部15は、連結天板部15a及び連結壁部15bを有する。連結壁部15bは、筒状の部材であり、軸方向に沿って延在し、ハウジングアウタ13の内周面と、インシュレータ34及び天板部52の外周面との間に配置される。連結天板部15aは、連結壁部15bの上端側に連結され、径方向内側に延在する。連結天板部15aは、モータ隔壁50の天板部52と重なって設けられる。
ハウジングアウタ13の内周面には、径方向内側に延在するフランジ部13aが設けられる。連結壁部15bの上端は、フランジ部13aの下面にボルトBT6で固定される。また、モータステータ30のステータコア31は、連結壁部15bの下端にボルトBT7で固定される。このような構成で、モータステータ30は、連結部15を介して、ハウジング10のハウジングアウタ13に固定される。
連結天板部15aの内周面15c側の一部は、天板部52と重なって設けられる。天板部52は、連結天板部15aにボルトBT8により固定される。これにより、天板部52は、連結部15を介してハウジングアウタ13に固定される。また、連結天板部15aの下面と、天板部52の上面との間は、Oリング等の密封部材SL3によりシールされる。
また、連結天板部15aの内周面15cは、ロータヨーク41の外周面41cと、第3隙間G3を有して対向して設けられる。第3隙間G3の大きさは、第1隙間G1の大きさよりも小さい。これにより、第1軸受21A及び第2軸受21Bの摩耗による発塵が、第3隙間G3を通ってレゾルバ60側に流出することを抑制できる。また、上述したように、連結部15がハウジングアウタ13に固定されて位置決めされ、これにより、モータロータ40のロータヨーク41と、連結部15との間隔(第3隙間G3)を所定の範囲に確保することができる。
モータ隔壁50のフランジ部53は、壁部51の下端側に連結され、径方向内側に延在して設けられる。フランジ部53は、ハウジングベース11の段差部11dの上面にボルトBT9により固定される。フランジ部53の下面と、段差部11dの上面との間は、Oリング等の密封部材SL2によりシールされる。このような構成により、モータ隔壁50と、ハウジングベース11と、ハウジングアウタ13と、連結部15とで囲まれた空間が密閉される。モータステータ30は、モータ隔壁50と、ハウジングベース11と、ハウジングアウタ13と、連結部15とで囲まれた空間に設けられる。モータロータ40及び軸受(第1軸受21A及び第2軸受21B)は、モータ隔壁50と、ハウジングベース11と、ハウジング軸部12と、出力軸17とで囲まれた空間に設けられる。したがって、各構成部品の位置決め精度と、モータ1の剛性を高めることができる。
モータ隔壁50には非磁性体が用いられる。モータ隔壁50の材質として、例えばオーステナイト系ステンレスが適している。このため、壁部51越しにモータロータ40を駆動する際の磁界の低下を抑制することができる。モータ隔壁50は、例えば非磁性ステンレス鋼板に深絞り加工を施すことで、円筒形状とした一体成形品として形成できる。壁部51は、天板部52及びフランジ部53よりも薄く形成される。具体的には、天板部52及びフランジ部53が数mmの肉厚であるのに対し、壁部51は0.2mm以上0.5mm以下の肉厚まで引き延ばしている。これにより、モータ隔壁50の剛性及び気密性を確保しつつ、モータロータ40を駆動する際の磁気的な損失を抑制することができる。また、第1隙間G1が小さいので、モータステータ30とモータロータ40との磁気的結合を向上させることができ、モータロータ40を良好に回転駆動させることができる。
また、連結部15は、磁性体から構成される。連結部15は、軟磁性体であり、例えば、炭素濃度0.48%以下の低炭素鋼で形成される。低炭素鋼は、例えば、JIS規格で規定されたS45C等が例示される。このため、連結部15はシールドとして機能し、モータステータ30から発生した磁界がレゾルバ60側に達することを抑制することができる。なお、連結部15の一部(連結天板部15aの内周面15c)は、真空雰囲気Va側に曝されるので、モータロータ40のロータヨーク41と同様の材料を用いることが好ましい。
より詳細には、径方向で、連結部15の内周面15cと、ロータヨーク41の外周面41cとの第3隙間G3は、0.1mm以上0.4mm以下程度である。また、連結部15の内周面15cと、ロータヨーク41の外周面41cとの第3隙間G3の、回転中心軸に沿った方向での長さは、1mm以上4mm以下程度である。さらに、連結部15のロータヨーク41と対向する部分の厚さは、1mm以上である。ここで、厚さは、連結部15の、ボルトBT10(図8参照)よりも径方向内側(ロータヨーク41側)での厚さである。
このような構成により、モータステータ30から発生した磁界が、ロータヨーク41、第3隙間G3及び連結部15を通ってモータステータ30側に戻る磁気回路が形成される。これにより、励磁コイル35を流れる駆動電流Miにより発生する磁界が、モータロータ40を伝搬しレゾルバ60側に達することを抑制することができる。この結果、モータ1は、レゾルバ60の位置情報の誤検出を抑制することができる。
以上のような構成により、第1軸受21A及び第2軸受21Bの摩耗により金属粉が発生した場合でも、第1軸受21Aの出力軸側に設けられた第1シール構造LS1(図4参照)及び第2軸受21Bのハウジングベース11側に設けられた第2シール構造LS2(図5参照)により、金属粉が真空雰囲気Va側に流出することを抑制できる。また、金属粉が第2軸受21Bの下側(ハウジングベース11側)からモータ1の内部に回り込んだ場合でも、(モータステータ30から発生した磁力が壁部51(図5参照)越しに作用する)モータ隔壁50に吸着されたり、(モータステータ30から発生した磁力が作用する)連結部15に吸着されたりするため、外部に流出することを抑制することができる。
次に、図5から図7を参照して、第1冷媒流路82及び第2冷媒流路83の詳細な構成について説明する。図6は、実施形態に係るモータをハウジングベース側から見た平面図である。図7は、第1冷媒流路、第2冷媒流路及び第2絞り部を模式的に示す断面図である。図7は、図2のVII-VII’断面図であって、ハウジング軸部12よりも径方向外側の構成を省略して示す。
図5に示すように、第1冷媒流路82の径方向での第4隙間G4の幅、すなわち環状部材14aとハウジング軸部12との間の径方向での隙間の大きさは、例えば0.5mm以上1.5mm以下程度である。第2冷媒流路83の径方向での隙間も第4隙間G4と同程度の大きさで形成される。すなわち、環状部材14aと冷却シャフト18との間の径方向での隙間の大きさは、例えば0.5mm以上1.5mm以下程度である。図5に示す例では、第2冷媒流路83の径方向での隙間は、第1冷媒流路82の径方向での第4隙間G4よりも大きく形成される。このような構成により、第1冷媒流路82及び第2冷媒流路83を流れる冷媒の流量、圧力を適切な大きさに設定することができる。
第1冷媒流路82の下端側、すなわち、冷媒供給通路81(図6参照)が接続される位置では、第1溜まり部82Tが設けられる。第1溜まり部82Tは、環状部材14aの外周に環状に形成される。第1溜まり部82Tの径方向での第5隙間G5の大きさは、第4隙間G4の3倍以上5倍以下程度である。第1溜まり部82Tの軸方向での長さは第4隙間G4の3倍以上5倍以下程度である。これにより、冷媒供給通路81から供給された冷媒は、第1溜まり部82Tで環状部材14aの周囲に溜められ、その後、第1溜まり部82Tよりも小さい隙間の第1冷媒流路82に流れる。これにより、第1冷媒流路82の周方向での、冷媒の圧力分布のばらつきを抑制することができる。
第1冷媒流路82の上端側、すなわち、蓋部12aが設けられる側の端部では、環状部材14aの外周面から径方向外側に突出する突出部14bが設けられる。突出部14bは、環状部材14aの周方向に沿って複数配列される。複数の突出部14bと、ハウジング軸部12の内周面との間に第1絞り部82Sが形成される。
第2冷媒流路83の上端側、すなわち、蓋部12aが設けられる側の端部では、冷却シャフト18の外周面から径方向外側に突出する突出部18cが設けられる。突出部18cは、冷却シャフト18の周方向に沿って複数配列される。図7に示すように、複数の突出部18cは、それぞれ、略三角形状であり、6個の突出部18cが周方向に並んで配列され、全体として六角形状となる。図7に示す例では、6個の突出部18cで形成される六角形に、冷却シャフト18が内接して設けられる。複数の突出部18cと、環状部材14aの内周面との間に第2絞り部83Sが形成される。
なお、図5に示す第1冷媒流路82における複数の突出部14bは、図7に示す複数の突出部18cと同様の構成とすることができる。第1絞り部82S及び第2絞り部83Sは、第1冷媒流路82から、環状部材14aの上端側を通って第2冷媒流路83に折り返す位置に設けられる。これにより、第1冷媒流路82から折り返して、第2冷媒流路83に流れる冷媒の圧力分布のばらつきを抑制することができる。なお、複数の突出部14b、18cは、それぞれ三角形状であるが、これに限定されない。複数の突出部14b、18cの形状、数は、適宜変更することができ、例えば、それぞれ四角形状に形成され、周方向に離隔して配列されてもよい。なお、第1絞り部82S及び第2絞り部83Sは、両方設けられる構成に限定されず、少なくとも一方が設けられていればよい。
図5に戻って、冷却シャフト18の上端に設けられた突出部18aは、蓋部12aに設けられた凹部に嵌められる。冷却シャフト18の下端に設けられた突出部18bは、冷却ハウジング14に設けられた凹部に嵌められる。これにより、冷却シャフト18の軸方向及び径方向での位置決めがされる。一方、環状部材14aは、下端側(冷却ハウジング14)が、ハウジングベース11にボルトBT4で固定され、環状部材14aの上端側は、ハウジング軸部12、蓋部12a及び冷却シャフト18と隙間を有して配置される。これにより、冷媒の流路を形成している。この場合であっても、複数の突出部14b及び複数の突出部18cが設けられているので、環状部材14aの上端側の、径方向での位置ずれを抑制することができる。
第2冷媒流路83の下端側、すなわち、冷媒排出通路84(図6参照)が接続される位置では、第2溜まり部83Tが設けられる。第2溜まり部83Tは、環状部材14aの内周に環状に形成される。第2溜まり部83Tの径方向での第6隙間G6の大きさは、第2冷媒流路83の径方向での隙間の3倍以上6倍以下程度である。第2溜まり部83Tの軸方向での長さは第2冷媒流路83の径方向での隙間の3倍以上6倍以下程度である。これにより、第2冷媒流路83を流れる冷媒は、第2溜まり部83Tで環状部材14aと冷却シャフト18との間に溜められ、その後、第2溜まり部83Tよりも小さい隙間の冷媒排出通路84に流れ、外部の冷媒供給装置に排出される。これにより、第2冷媒流路83での冷媒の圧力分布のばらつきを抑制することができる。なお、第1溜まり部82T及び第2溜まり部83Tは、いずれか一方が設けられなくてもよい。
このような構成で、第1冷媒流路82及び第2冷媒流路83を流れる冷媒により、軸受(第1軸受21A及び第2軸受21B)が効果的に冷却される。したがって、モータ1が、高温環境下で使用される場合であっても、軸受の潤滑剤の劣化を抑制することができ、軸受の摩耗を抑制することができる。また、第1冷媒流路82及び第2冷媒流路83は、ハウジングベース11、ハウジング軸部12及び蓋部12aよりも大気側の空間に配置される。これにより、真空雰囲気Vaが、第1冷媒流路82及び第2冷媒流路83を流れる冷媒により汚染されることを抑制できる。
次に、レゾルバ60の構成について説明する。図8は、実施形態に係るモータが有するレゾルバ及びレゾルバ隔壁を拡大して示す断面図である。図8に示すように、レゾルバステータ61A、61Bは、ハウジングアウタ13のフランジ部13aの上面に、ボルトBT12により固定される。
レゾルバステータ61A、61Bは、複数のステータ磁極が円周方向に等間隔に形成された環状の積層鉄心を有し、各ステータ磁極にレゾルバコイルが巻回されている。各レゾルバコイルには、検出信号(レゾルバ信号)Srが出力される配線が接続されている。
レゾルバロータ62A、62Bは、中空環状の積層鉄心により構成されており、出力軸17の外側の段差部17cに固定されている。レゾルバ60の配設位置は、軸方向でモータステータ30よりも出力軸17側であればよく、モータロータ40(出力軸17)の回転を検出することが可能であれば特に限定されない。
モータ1を制御するモータ制御回路90(図1参照)は、レゾルバ60の検出信号Srに基づいて、モータステータ30の励磁コイル35に駆動電流Miを供給する。具体的には、モータロータ40が回転すると、モータロータ40とともに出力軸17が回転し、連動してレゾルバロータ62A、62Bも回転する。これにより、レゾルバロータ62A、62Bと、レゾルバステータ61A、61Bとの間のリラクタンスが連続的に変化する。レゾルバステータ61A、61Bは、リラクタンスの変化を検出し、RDC93によって検出信号Srをデジタル信号に変換する。モータ1を制御するモータ制御回路90のCPU91は、RDC93の電気信号に基づいて、単位時間当たりのレゾルバロータ62A、62Bと連動する出力軸17及びモータロータ40の位置や回転角度を演算処理することができる。その結果、モータ制御回路90は、出力軸17の回転状態(例えば、回転速度、回転方向あるいは回転角度など)を計測することが可能となる。
レゾルバ隔壁70は、内側壁部71と、レゾルバ天板部72と、取付部73と、フランジ部74とを有する。内側壁部71は、軸方向に延在する筒状の部材であり、径方向で、レゾルバステータ61A、61Bとレゾルバロータ62A、62Bとの間に設けられる。
レゾルバ天板部72は、内側壁部71の上端に連結され、径方向外側に延在する。レゾルバ天板部72は、レゾルバステータ61A、61Bを覆って設けられる。また、レゾルバ天板部72の上面が、上述した隔壁上面70aとなる。取付部73は、レゾルバ天板部72よりも径方向外側に設けられ、レゾルバ天板部72よりも肉厚に形成される。取付部73は、ボルトBT11により、ハウジングアウタ13の上端に固定される。また、上述したように、取付部73は、ボルト等の固定部材により、チャンバ101の外壁に固定される。
フランジ部74は、内側壁部71の下端に連結され、径方向内側に延在する。フランジ部74は、連結部15の上面に重なって設けられ、ボルトBT10により連結部15に固定される。フランジ部74の下面と、連結部15の上面との間は、Oリング等の密封部材SL4によりシールされる。
このような構成により、レゾルバ隔壁70は、レゾルバロータ62A、62Bの配置された空間(真空雰囲気Va側)に、レゾルバステータ61A、61Bの配置された空間(大気雰囲気At側)の気体が流通しないように密閉することができる。すなわち、レゾルバステータ61A、61Bは、レゾルバ隔壁70と、ハウジングアウタ13と、連結部15とで囲まれた空間に設けられる。レゾルバロータ62A、62Bは、レゾルバ隔壁70と、出力軸17との間の空間に設けられる。
内側壁部71の外周面71aは、出力軸17の張出部17dの外周面と、第2隙間G2を有して対向して設けられる。言い換えると、第2隙間G2は、径方向でレゾルバ隔壁70とレゾルバロータ62A、62Bとの間に形成される隙間である。第2隙間G2は、第1隙間G1よりも大きく、かつ、第3隙間G3よりも大きい。
これにより、第1軸受21A及び第2軸受21Bの摩耗により金属粉が発生した場合でも、金属粉が第3隙間G3を通過する際に(モータステータ30から発生した磁界が作用する)連結部15に吸着され、レゾルバ60側に流出することを抑制することができる。また、第2隙間G2が大きく形成されるので、メンテナンス等において、回転部(モータロータ40、レゾルバロータ62A、62B、出力軸17、第1軸受21A及び第2軸受21B)を、出力軸17側に容易に取り外すことができる。
なお、上述したモータ1の各構成要素の形状や構成はあくまで一例であり、適宜変更してもよい。例えば、レゾルバ隔壁70は一体に形成される場合に限定されず、複数に分割されていてもよい。また、各構成要素の固定構造やシール構造も適宜変更してもよい。
以上説明したように、本実施形態のモータ1は、ハウジング10と、モータステータ30と、モータロータ40と、軸受(第1軸受21A及び第2軸受21B)と、シール構造(第1シール構造LS1及び第2シール構造LS2)と、レゾルバ60と、を有する。ハウジング10は、ハウジングベース11と、ハウジングベース11に設けられ、回転中心軸AXに沿った方向に延在するハウジング軸部12と、を含む。モータステータ30は、ハウジング軸部12の径方向外側に配置される。モータロータ40は、モータステータ30とハウジング軸部12との間に設けられる。軸受は、モータロータ40の径方向内側に設けられ、モータロータ40をハウジング軸部12に回転可能に支持する。第1シール構造LS1は、モータロータ40の出力軸17側で、モータロータ40とハウジング軸部12との間を密封する。レゾルバ60は、モータロータ40の回転を検出する。レゾルバ60は、軸受よりも径方向外側であって、かつ、回転中心軸AXに沿った方向で、モータステータ30よりも出力軸17側に設けられる。軸受の径方向内側にハウジング軸部12が設けられ、ハウジング軸部12の径方向内側には、冷媒を流すための冷媒流路(第1冷媒流路82及び第2冷媒流路83)が設けられる。
これによれば、軸受は、モータロータ40の径方向内側に設けられる。軸受には、潤滑剤が封入され、軸受の出力軸17側及びハウジングベース11側は、それぞれ、第1シール構造LS1及び第2シール構造LS2で密封される。また、モータロータ40の出力軸17側は、使用時に蓋等で封止される。このため、軸受での発塵が外部の、例えば真空雰囲気Va側へ流出することを抑制できる。また、軸受の摩耗により発生した発塵(金属粉)がモータ1内部に回り込んだ場合でも、(モータステータ30の磁力により)モータ隔壁50に金属粉が吸着される。したがって、モータ1は、内部で発生した発塵が外部に流出することを抑制することができる。また、レゾルバ60側に金属粉が流出することが抑制されるので、レゾルバ60の検出精度の低下を抑制することができる。また、ハウジング軸部12の径方向内側に冷媒流路(第1冷媒流路82及び第2冷媒流路83)が設けられているので、冷媒流路を流れる冷媒により、軸受が冷却される。したがって、モータ1が、高温環境下で使用される場合であっても、軸受の潤滑剤の劣化を抑制することができ、軸受の摩耗を抑制することができる。
また、モータ1において、ハウジング軸部12は、内部空間を有する筒状の部材であり、ハウジング軸部12の径方向内側に環状部材14aが設けられており、径方向に対向する環状部材14aとハウジング軸部12との間に、第1冷媒流路82が形成される。これによれば、第1冷媒流路82は、環状部材14aの周囲に環状に形成され、環状部材14aに沿って軸方向に延在する。したがって、第1冷媒流路82を流れる冷媒により、軸受を効果的に冷却することができる。
また、モータ1において、第1冷媒流路82の径方向での隙間の大きさは、0.5mm以上1.5mm以下である。これによれば、第1冷媒流路82を流れる冷媒の流量、圧力を適切な大きさに設定することができる。
また、モータ1において、環状部材14aの径方向内側に設けられた冷却シャフト18を有し、径方向に対向する冷却シャフト18と環状部材14aとの間に、第2冷媒流路83が形成され、第1冷媒流路82と第2冷媒流路83とは、環状部材14aのハウジングベース11と反対側で繋がる。これによれば、軸受の径方向内側に、第1冷媒流路82及び第2冷媒流路83により二重の冷媒流路が形成される。これにより、軸受は冷媒流路を流れる冷媒により、効果的に冷却される。
また、モータ1において、第1冷媒流路82のハウジングベース11と反対側の端部、及び、第2冷媒流路83のハウジングベース11と反対側の端部の少なくとも一方には、第1冷媒流路82の径方向での隙間よりも小さい隙間を有して形成された絞り部(第1絞り部82S及び第2絞り部83S)が設けられる。これによれば、第1冷媒流路82及び第2冷媒流路83を流れる冷媒の圧力分布のばらつきを抑制することができる。
また、モータ1において、第1冷媒流路82のハウジングベース11側の端部には、冷媒を供給する冷媒供給通路81が接続され、第2冷媒流路83のハウジングベース11側の端部には、冷媒を排出する冷媒排出通路84が接続され、第1冷媒流路82のハウジングベース11側の端部及び第2冷媒流路83のハウジングベース11側の端部の少なくとも一方には、第1冷媒流路82の径方向での隙間よりも大きい隙間を有して形成された溜まり部(第1溜まり部82T及び第2溜まり部83T)が設けられる。これによれば、第1冷媒流路82及び第2冷媒流路83を流れる冷媒の圧力分布のばらつきを抑制することができる。
また、モータ1は、モータステータ30とモータロータ40との間に設けられ、モータステータ30の配置された空間とモータロータ40の配置された空間とを区分するモータ隔壁50を有する。これによれば、モータ隔壁50により、モータステータ30が配置された大気雰囲気側の気体が、モータロータ40が配置された真空雰囲気側に流出することを抑制することができる。
また、モータ1において、レゾルバ60は、モータロータ40に連結されたレゾルバロータ62A、62Bと、レゾルバロータ62A、62Bの径方向外側に設けられ、励磁コイルを有するレゾルバステータ61A、61Bと、を有し、レゾルバロータ62A、62Bとレゾルバステータ61A、61Bとの間にレゾルバ隔壁70が設けられる。これによれば、レゾルバ隔壁70により、レゾルバロータ62A、62Bが配置された空間とレゾルバステータ61A、61Bが配置された空間とが区分され、レゾルバステータ61A、61Bが配置された大気側の気体が、レゾルバロータ62A、62Bが配置された真空雰囲気側に流出することを抑制することができる。また、角度検出器としてレゾルバ60が用いられ、モータ1内に電子的な素子が配置されない。このため、モータ1が高温環境下で使用される場合であっても、良好に角度を検出できる。
また、モータ1において、モータロータ40の外径は、レゾルバロータ62A、62Bの外径よりも小さい。これによれば、モータロータ40及びレゾルバロータ62A、62Bを含む回転構造体を、出力軸17側から一体に引き抜くことができるので、軸受(第1軸受21A及び第2軸受21B)の交換やメンテナンスが容易である。
また、モータ1において、回転中心軸AXに沿った方向で、モータステータ30とレゾルバ60との間に磁性体から構成される連結部15が配置されている。これによれば、連結部15は、モータステータ30から発生する磁界をシールドすることができるので、レゾルバ60の検出精度を向上させることができる。また、連結部15は、摩耗により発生した金属粉を吸着することができる。
また、モータ1は、モータロータ40の出力軸17側に設けられ、軸受の外輪23に固定される外輪押さえ部(段差部17b)と、ハウジング軸部12の出力軸17側に設けられ、軸受の内輪22に固定される内輪押さえ部16と、を有し、シール構造LSは、外輪押さえ部と内輪押さえ部16とで形成されたラビリンス構造を有する。これによれば、軸受の摩耗等で発生するモータ1からの発塵が、シール構造LSで遮蔽され、外部に流出することを抑制することができる。
また、モータ1において、モータステータ30は、モータロータ40の配置された空間よりも大気側の空間に配置される。これによれば、モータステータ30がモータロータ40と同じ空間、例えば真空雰囲気Vaに配置された場合に比べて、モータステータ30の冷却効率を高めることができる。
また、モータ1において、モータロータ40は、サマリウムコバルト永久磁石を含む。これによれば、モータ1が高温環境で使用された場合であってもマグネット42が減磁しないので、良好にモータロータ40を回転駆動させることができる。
また、モータ1において、レゾルバ60の検出信号Srに基づいて、モータステータ30の励磁コイル35に駆動電流Miを供給するモータ制御回路90を備える。これによれば、モータ制御回路90は、レゾルバ60の検出信号Srに基づいて、回転トルクや速度リップルを常時監視することができる。これにより、例えば軸受の異常の発生等を早期に発見することができ、あるいは、軸受の交換時期を把握することができる。
1 モータ
10 ハウジング
11 ハウジングベース
12 ハウジング軸部
14 冷却ハウジング
14a 環状部材
14b 突出部
15 連結部
17 出力軸
18 冷却シャフト
18a、18b、18c 突出部
21A 第1軸受
21B 第2軸受
22 内輪
23 外輪
24 転動体
30 モータステータ
40 モータロータ
41 ロータヨーク
50 モータ隔壁
60 レゾルバ
61A、61B レゾルバステータ
62A、62B レゾルバロータ
70 レゾルバ隔壁
81 冷媒供給通路
82 第1冷媒流路
82S 第1絞り部
82T 第1溜まり部
83 第2冷媒流路
83S 第2絞り部
83T 第2溜まり部
84 冷媒排出通路
90 モータ制御回路
100 半導体製造装置
101 チャンバ
111 搬送テーブル
At 大気雰囲気
Va 真空雰囲気
LS1 第1シール構造
LS2 第2シール構造

Claims (14)

  1. ハウジングベースと、前記ハウジングベースに設けられ、回転中心軸に沿った方向に延在するハウジング軸部と、を含むハウジングと、
    前記ハウジング軸部の径方向外側に配置されたモータステータと、
    前記モータステータと前記ハウジング軸部との間に設けられたモータロータと、
    前記モータロータの径方向内側に設けられ、前記モータロータを前記ハウジング軸部に回転可能に支持する軸受と、
    前記モータロータの軸方向で前記ハウジングベースと反対側に設けられ、前記モータロータと前記ハウジング軸部との間を密封するシール構造と、
    前記モータロータの回転を検出するレゾルバと、を有し、
    前記レゾルバは、前記軸受よりも径方向外側であって、かつ、前記回転中心軸に沿った方向で、前記モータステータの前記ハウジングベースと反対側に設けられ、
    前記軸受の径方向内側に前記ハウジング軸部が設けられ、
    前記ハウジング軸部の径方向内側には、冷媒を流すための冷媒流路が設けられる
    モータ。
  2. 前記ハウジング軸部は、内部空間を有する筒状の部材であり、
    前記ハウジング軸部の径方向内側に環状部材が設けられており、
    径方向に対向する前記環状部材と前記ハウジング軸部との間に、第1冷媒流路が形成される
    請求項1に記載のモータ。
  3. 前記第1冷媒流路の径方向での隙間の大きさは、0.5mm以上1.5mm以下である
    請求項2に記載のモータ。
  4. 前記環状部材の径方向内側に設けられた冷却シャフトを有し、
    径方向に対向する前記冷却シャフトと前記環状部材との間に、第2冷媒流路が形成され、
    前記第1冷媒流路と前記第2冷媒流路とは、前記環状部材の前記ハウジングベースと反対側で繋がる
    請求項2又は請求項3に記載のモータ。
  5. 前記第1冷媒流路の前記ハウジングベースと反対側の端部、及び、前記第2冷媒流路の前記ハウジングベースと反対側の端部の少なくとも一方には、前記第1冷媒流路の径方向での隙間よりも小さい隙間を有して形成された絞り部が設けられる
    請求項4に記載のモータ。
  6. 前記第1冷媒流路の前記ハウジングベース側の端部には、前記冷媒を供給する冷媒供給通路が接続され、
    前記第2冷媒流路の前記ハウジングベース側の端部には、前記冷媒を排出する冷媒排出通路が接続され、
    前記第1冷媒流路の前記ハウジングベース側の端部及び前記第2冷媒流路の前記ハウジングベース側の端部の少なくとも一方には、前記第1冷媒流路の径方向での隙間よりも大きい隙間を有して形成された溜まり部が設けられる
    請求項4又は請求項5に記載のモータ。
  7. 前記モータステータと前記モータロータとの間に設けられ、前記モータステータの配置された空間と前記モータロータの配置された空間とを区分するモータ隔壁を有する
    請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のモータ。
  8. 前記レゾルバは、前記モータロータに連結されたレゾルバロータと、前記レゾルバロータの径方向外側に設けられ、励磁コイルを有するレゾルバステータと、を有し、
    前記レゾルバロータと前記レゾルバステータとの間にレゾルバ隔壁が設けられる
    請求項7に記載のモータ。
  9. 前記モータロータの外径は、前記レゾルバロータの外径よりも小さい
    請求項8に記載のモータ。
  10. 前記回転中心軸に沿った方向で、前記モータステータと前記レゾルバとの間に磁性体から構成される連結部が配置されている
    請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のモータ。
  11. 前記モータロータの軸方向で前記ハウジングベースと反対側に設けられ、前記軸受の外輪に固定される外輪押さえ部と、前記ハウジング軸部の軸方向で前記ハウジングベースと反対側に設けられ、前記軸受の内輪に固定される内輪押さえ部と、を有し、
    前記シール構造は、前記外輪押さえ部と前記内輪押さえ部とで形成されたラビリンス構造を有する
    請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のモータ。
  12. 前記モータステータは、前記モータロータの配置された空間よりも大気側の空間に配置される
    請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のモータ。
  13. 前記モータロータは、サマリウムコバルト永久磁石を含む
    請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のモータ。
  14. 前記レゾルバの検出信号に基づいて、前記モータステータの励磁コイルに駆動電流を供給するモータ制御回路を備える
    請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のモータ。
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