JP2022150046A - 燃料電池セルの製造方法 - Google Patents

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遼太 坂之井
Ryota Sakanoi
裕臣 小林
Hiroomi Kobayashi
勇太 渡辺
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Abstract

【課題】高い接着力でセパレータを樹脂部材に接着する。【解決手段】燃料電池セルの製造方法であって、レーザ照射工程と接着工程を有する。前記レーザ接着工程では、金属板と前記金属板の表面を覆う炭素膜とを有するセパレータの前記炭素膜にレーザを照射することによって、前記レーザの照射範囲内において前記炭素膜を除去して前記金属板を露出させる。前記接着工程では、前記金属板が露出した範囲の少なくとも一部を含む範囲で前記セパレータを樹脂部材に接着する。【選択図】図3

Description

本明細書に開示の技術は、燃料電池セルの製造方法に関する。
特許文献1に開示の燃料電池セルは、一対のセパレータの間に樹脂フレーム(樹脂シートともいう)が挟まれて固定された構造を有している。各セパレータは、樹脂フレームに接着されている。樹脂フレームは貫通孔を有しており、一対のセパレータが貫通孔を覆っている。貫通孔内に膜/電極接合体が配置されている。また、一方のセパレータの裏面(樹脂フレームに接着されている表面とは反対側の表面)には、ガスケットが接着されている。
特開2018-129213号公報
引用文献1の燃料電池セルでは、セパレータの表面が炭素膜に覆われている。すなわち、セパレータが、金属板とその表面を覆う炭素膜によって構成されている。このため、炭素膜が樹脂フレームやガスケット等の樹脂部材に接着されている。炭素膜に対して樹脂部材を接着する場合には、高い接着力で接着することは困難である。
また、セパレータを、表面に金属板が露出した構造(すなわち、表面が炭素膜に覆われていない構造)とすることもできる。この種のセパレータでは、セパレータの表面に汚れ(例えば、金属板を加工する際に用いる潤滑油等)が付着している場合がある。セパレータにレーザを照射することで金属板の表面の汚れを除去し、その後にセパレータを樹脂部材に接着することができる。しかしながら、セパレータ(すなわち、金属板)が光沢を有するため、レーザがセパレータ表面で反射し易く、セパレータにレーザが吸収され難い。
このため、セパレータの表面の汚れを十分に除去することが困難である。したがって、セパレータを樹脂部材に高い接着力で接着することが困難である。
以上に説明したように、従来の燃料電池セルでは、セパレータを樹脂部材に高い強度で接着することが困難である。このため、燃料電池セルで生じる圧力(各種のガスの圧力や冷媒の圧力)によってセパレータと樹脂部材の接着部が剥離し易いという問題がある。本明細書では、高い接着力でセパレータを樹脂部材に接着することが可能な燃料電池セルの製造方法を提案する。
本明細書が開示する燃料電池セルの製造方法は、レーザ照射工程と接着工程を有する。
前記レーザ照射工程では、金属板と前記金属板の表面を覆う炭素膜とを有するセパレータの前記炭素膜にレーザを照射することによって、前記レーザの照射範囲内において前記炭素膜を除去して前記金属板を露出させる。前記接着工程では、前記金属板が露出した範囲の少なくとも一部を含む範囲で前記セパレータを樹脂部材に接着する。
なお、炭素膜は、単体の炭素を含む膜であれば、どのような膜であってもよい。
レーザ照射工程では、レーザの照射範囲内の炭素膜を除去する。炭素膜はレーザを吸収し易い。したがって、レーザ照射工程では、照射範囲内の炭素膜が容易に温度上昇し、炭素膜を容易に除去することができる。また、炭素膜が温度上昇し易いので、金属板の表面に汚れが存在している場合には、炭素膜とともに汚れが除去される。このため、汚れが少ない状態で金属板を露出させることができる。このため、接着工程において、露出した範囲の金属板を樹脂部材に高い接着力で接着することができる。このように、この製造方法によれば、高い接着力でセパレータを樹脂部材に接着することができる。
燃料電池スタックの斜視図。 燃料電池セルの分解斜視図。 燃料電池セルの断面図(図4~6のIII-III線における断面図)。 セパレータ40の表面40bの平面図。 セパレータ50の表面50aの平面図。 セパレータ40の表面40aの平面図。 積層された燃料電池セルの断面図。 炭素膜を形成する工程の説明図。 レーザ照射工程の説明図。 樹脂フレーム接着工程の説明図。 樹脂フレーム接着工程の説明図。 炭素膜の有無による剥離強度の差を示すグラフ。 実施例2の樹脂フレーム接着工程の説明図。 実施例2の樹脂フレーム接着工程の説明図。 オフセットの有無による剥離強度の差を示すグラフ。 範囲40s、50sの幅を拡大した場合の断面図。 実施例3のレーザ照射工程の説明図。 接触角と親水性の関係の説明図。 レーザインフルエンスと接触角の関係の説明図。 第4実施例の効果を示すグラフ。
本明細書が開示する電動車両の技術要素を、以下に列記する。なお、以下の各技術要素は、それぞれ独立して有用なものである。
本明細書が開示する一例の製造方法においては、前記樹脂部材が、貫通孔を有する樹脂フレームであってもよい。前記製造方法が、前記貫通孔内に膜/電極接合体を配置する工程をさらに有していてもよい。前記接着工程では、前記セパレータによって前記貫通孔を塞ぐように前記セパレータを前記樹脂フレームに接着してもよい。なお、セパレータの貫通孔内に膜/電極接合体を配置する工程は、接着工程の前に行ってもよいし、接着工程の後に行ってもよいし、接着工程と同時に行ってもよい。
この構成によれば、セパレータを樹脂フレームに高い接着力で接着することができる。
本明細書が開示する一例の製造方法においては、前記セパレータを前記樹脂フレームに接着するときに、前記セパレータと前記樹脂フレームの界面にガス流路が形成されてもよい。前記レーザ照射工程と前記接着工程を、・前記レーザの照射範囲が前記ガス流路から離れて配置されるとともに前記ガス流路に沿って伸びる、・前記セパレータを前記樹脂フレームに接着する接着範囲が前記ガス流路から離れて配置されるとともに前記ガス流路に沿って伸びる、・前記照射範囲の中心軸が前記接着範囲の中心軸よりも前記ガス流路に近い位置に配置される、という条件を満たすように実行してもよい。
この構成によれば、レーザの照射範囲の幅を狭くしても、接着箇所に高い接着強度を付与することができる。また、レーザの照射範囲の幅を狭くすることで、短時間でレーザ照射工程を行うことが可能となる。
本明細書が開示する一例の製造方法においては、前記セパレータを前記樹脂フレームに接着するときに、前記セパレータと前記樹脂フレームの界面にガス流路が形成されてもよい。前記接着工程では、金型によって前記セパレータを前記樹脂フレームに向けて加圧しながら加圧範囲を加熱することで、記加圧範囲内で前記セパレータを前記樹脂フレームに接着してもよい。前記レーザ照射工程と前記接着工程を、・前記レーザの照射範囲が前記ガス流路から離れて配置されるとともに前記ガス流路に沿って伸びる、・前記加圧範囲が前記ガス流路から離れて配置されるとともに前記ガス流路に沿って伸びる、・前記照射範囲の中心軸が前記加圧範囲の中心軸よりも前記ガス流路に近い位置に配置される、という条件を満たすように実行してもよい。
この構成によれば、レーザの照射範囲の幅を狭くしても、接着箇所に高い接着強度を付与することができる。また、レーザの照射範囲の幅を狭くすることで、短時間でレーザ照射工程を行うことが可能となる。
本明細書が開示する一例の製造方法においては、前記樹脂部材が、ガスケットであってもよい。前記セパレータが、前記炭素膜に覆われた第1表面と、前記第1表面の反対側に位置する第2表面を有していてもよい。前記レーザ照射工程では、前記第1表面に前記レーザを照射してもよい。前記接着工程では、前記第1表面を前記ガスケットに接着してもよい。前記製造方法が、貫通孔を有する樹脂フレームの前記貫通孔内に膜/電極接合体を配置する工程と、前記貫通孔を前記セパレータによって塞ぐように前記第2表面を前記樹脂フレームに接着する工程をさらに有していてもよい。
なお、貫通孔内に膜/電極接合体を配置する工程、及び、第2表面を樹脂フレームに接着する工程は、レーザ照射工程の前に行われてもよいし、レーザ照射工程の後に行われてもよいし、接着工程の後に行われてもよい。
この構成によれば、セパレータをガスケットに高い接着力で接着することができる。
本明細書が開示する一例の製造方法においては、前記レーザ照射工程におけるレーザフルエンスが100mJ/mm2以下であってもよい。前記接着工程では、前記照射範囲内の前記金属板の表面に接着硬化剤または接着促進剤を塗布した後に前記セパレータを前記樹脂部材に接着してもよい。
レーザ照射工程におけるレーザフルエンスを100mJ/mm2以下とすることで、照射範囲内の金属板の表面(すなわち、露出した表面)にポーラス組織を形成することができる。このため、照射範囲内の金属板の表面に接着硬化剤または接着促進剤を塗布すると、ポーラス組織に接着硬化剤または接着促進剤を浸透させることができる。このため、接着工程において、金属板の表面から接着硬化剤または接着促進剤に移動することを抑制でき、金属板を樹脂部材により適切に接着することができる。
本明細書が開示する一例の製造方法においては、前記レーザ照射工程において、炭素膜を除去する第1のレーザ照射を行った後、前記第1のレーザ照射を行った領域の一部または全部に対して、第1のレーザ照射よりもレーザインフルエンスの小さい第2のレーザ照射を行ってもよい。
この構成によれば、第2のレーザ照射範囲内の金属板の表面(すなわち、露出した表面)の親水性を低下させる(すなわち、撥水性を向上させる)ことができる。これにより、各燃料電池セルで生成される水による接着力の低下を抑制することができる。
本明細書が開示する一例の製造方法においては、前記第2のレーザ照射のレーザインフルエンスが10~20mJ/mm2であってもよい。
この構成によれば、より好適に水による接着力の低下を抑制することができる。
図1に示す燃料電池スタック10は、複数の燃料電池セル12の積層体により構成されている。図1を含む各図において、複数の燃料電池セル12が積層された方向がz方向として示され、z方向に直交する一方向がx方向として示され、x方向及びz方向に直交する方向がy方向として示される。燃料電池スタック10には、流路71~76が設けられている。流路71~76のそれぞれは、燃料電池スタック10の端面からz方向に伸びている。流路71は酸化剤ガス供給流路であり、流路76は酸化剤ガス排出流路である。酸化剤ガス供給流路71を介して各燃料電池セル12に酸化剤ガス(本実施形態では酸素(O2))が供給される。各燃料電池セル12を通過した酸化剤ガスは、酸化剤ガス排出流路76を介して燃料電池スタック10の外部に排出される。流路74は燃料ガス供給流路であり、流路73は燃料ガス排出流路である。燃料ガス供給流路74を介して各燃料電池セル12に燃料ガス(本実施形態では水素(H2))が供給される。各燃料電池セル12を通過した燃料ガスは、燃料ガス排出流路73を介して燃料電池スタック10の外部に排出される。各燃料電池セルに燃料ガスと酸化剤ガスが供給されることで、各燃料電池セル12で発電が行われる。流路75は冷媒供給流路であり、流路72は冷媒排出流路である。冷媒供給流路75を介して各燃料電池セル12に冷媒が供給される。各燃料電池セル12を通過した冷媒は、冷媒排出流路72を介して燃料電池スタック10の外部に排出される。燃料電池スタック10内を流れる冷媒によって、各燃料電池セル12が冷却される。
図2は、1つの燃料電池セル12の分解斜視図である。図2に示すように、燃料電池セル12は、膜/電極接合体(以下、MEA(membrane electrode assembly)という)20と、樹脂フレーム30と、セパレータ40と、セパレータ50を有している。樹脂フレーム30、セパレータ40及びセパレータ50のそれぞれは板形状を有しており、z方向に積層されている。以下では、樹脂フレーム30のセパレータ40に近い方の表面を表面30aといい、その反対側の樹脂フレーム30の表面を表面30bという。また、以下では、セパレータ40の樹脂フレーム30に近い方の表面を表面40bといい、その反対側のセパレータ40の表面を表面40aという。また、以下では、セパレータ50の樹脂フレーム30に近い方の表面を表面50aといい、その反対側のセパレータ50の表面を表面50bという。樹脂フレーム30の中央には、z方向に樹脂フレーム30を貫通する貫通孔36が設けられている。MEA20は、貫通孔36内に配置されている。セパレータ40の表面40bは、樹脂フレーム30の表面30aに接着されている。セパレータ40によって、貫通孔36が覆われている。セパレータ50の表面50aは、樹脂フレーム30の表面30bに接着されている。セパレータ50によって、貫通孔36が覆われている。このように、樹脂フレーム30は、セパレータ40とセパレータ50の間に挟まれている。
樹脂フレーム30、セパレータ40及びセパレータ50のそれぞれには、流路71に対応する貫通孔71a、流路72に対応する貫通孔72a、流路73に対応する貫通孔73a、流路74に対応する貫通孔74a、流路75に対応する貫通孔75a、及び、流路76に対応する貫通孔76aが設けられている。z方向に沿って燃料電池セル12を平面視したときに、貫通孔71a、72a、73aと貫通孔74a、75a、76aの間に貫通孔36(すなわち、MEA20)が配置されている。
樹脂フレーム30は、絶縁性の部材である。図3に示すように、樹脂フレーム30は、z方向に積層された樹脂層31、32、33を有している。樹脂層31、32、33は、いずれも、絶縁性の樹脂(例えば、酸変性ポリプロピレン等)により構成されている。樹脂層31は、高い剛性を有する。樹脂層32、33は、熱可塑性を有しており、軟化時に高い粘着性を発揮する。樹脂層31は、樹脂層32と樹脂層33の間に挟まれている。後に詳述するが、樹脂層32はセパレータ40に接着されており、樹脂層33はセパレータ50に接着されている。
MEA20は、電解質膜21、アノード層22及びカソード層23を有している。電解質膜21は、固体高分子材料により構成されている。アノード層22とカソード層23は、電解質中に白金等の触媒を含む導電性粒子が拡散された材料等により構成されている。アノード層22は、セパレータ40に近い側の電解質膜21の表面を覆っている。カソード層23は、セパレータ50に近い側の電解質膜21の表面を覆っている。
セパレータ40は、導電性の部材である。セパレータ40は、金属板41と、炭素膜42、43を有している。金属板41は、チタン(Ti)またはチタン合金により構成されている。炭素膜42は、樹脂フレーム30及びMEA20に近い側の金属板41の表面を覆っている。炭素膜43は、炭素膜42とは反対側に位置する金属板41の表面を覆っている。
セパレータ40の一部は折れ曲がっており、これによってセパレータ40の表面40bに溝44が設けられている。図4に示すように、溝44は、貫通孔74aから貫通孔73aまで伸びている。図4の範囲60は、セパレータ40がMEA20と対向する範囲(z方向に沿って見たときにセパレータ40がMEA20と重複する範囲)を示している。溝44は、範囲60内を蛇行して伸びている。図3に示すように、セパレータ40の表面40bは、溝44以外の部分で樹脂フレーム30とMEA20に接している。より詳細には、表面40bは、溝44以外の部分で樹脂フレーム30の樹脂層32とMEA20のアノード層22に接している。溝44と樹脂フレーム30とMEA20によって囲まれた空間によって、燃料ガス流路77が構成されている。燃料ガス流路77は、セパレータ40と樹脂フレーム30の界面、及び、セパレータ40とMEA20の界面に沿って伸びている。燃料ガス供給流路74(貫通孔74a)内を流れる燃料ガスは、燃料ガス流路77内に流入する。燃料ガスは、燃料ガス流路77内を上流端から下流端まで流れた後に、燃料ガス排出流路73(貫通孔73a)へ排出される。
図3に示すように、表面40bの一部の範囲40sには、炭素膜43が設けられていない。セパレータ40は、範囲40sにおいて、樹脂フレーム30の樹脂層32に接着されている。すなわち、範囲40s内の金属板41は、樹脂フレーム30の樹脂層32に接着されている。図4に示すように、炭素膜43が設けられていない範囲40sは、表面40bにおいて、セパレータ40の外周縁に沿って設けられている。また、範囲40sは、表面40bにおいて、貫通孔71a、72a、75a、76aを囲むように設けられている。図4に示す範囲40sにおいてセパレータ40は樹脂フレーム30に接着されている。
セパレータ50は、導電性の部材である。図3に示すように、セパレータ50は、金属板51と、炭素膜52、53を有している。金属板51は、チタン(Ti)またはチタン合金により構成されている。炭素膜52は、樹脂フレーム30及びMEA20に近い側の金属板51の表面を覆っている。炭素膜53は、炭素膜52とは反対側に位置する金属板51の表面を覆っている。
図3に示すように、セパレータ50の一部は折れ曲がっており、これによってセパレータ50の表面50aに溝54が設けられている。図5に示すように、溝54は、貫通孔71aから貫通孔76aまで伸びている。図5の範囲62は、セパレータ50がMEA20と対向する範囲(z方向に沿って見たときにセパレータ50がMEA20と重複する範囲)を示している。溝54は、範囲62内を蛇行して伸びている。図3に示すように、セパレータ50の表面50aは、溝54以外の部分で樹脂フレーム30とMEA20に接している。より詳細には、表面50aは、溝54以外の部分で樹脂フレーム30の樹脂層33とMEA20のカソード層23に接している。溝54と樹脂フレーム30とMEA20によって囲まれた空間によって、酸化剤ガス流路78が構成されている。酸化剤ガス流路78はセパレータ50と樹脂フレーム30の界面、及び、セパレータ50とMEA20の界面に沿って伸びている。酸化剤ガス供給流路71(貫通孔71a)内を流れる酸化剤ガスは、酸化剤ガス流路78内に流入する。酸化剤ガスは、酸化剤ガス流路78内を上流端から下流端まで流れた後に、酸化剤ガス排出流路76(貫通孔76a)へ排出される。
図3に示すように、表面50aの一部の範囲50sには、炭素膜52が設けられていない。セパレータ50は、範囲50sにおいて、樹脂フレーム30の樹脂層33に接着されている。すなわち、範囲50s内の金属板51は、樹脂フレーム30の樹脂層33に接着されている。図5に示すように、炭素膜52が設けられていない範囲50sは、表面50aにおいて、セパレータ50の外周縁に沿って設けられている。また、範囲50sは、表面50aにおいて、貫通孔72a、73a、74a、75aを囲むように設けられている。図5に示す範囲50sにおいてセパレータ50は樹脂フレーム30に接着されている。
図3に示すように、セパレータ40の表面40aの一部の範囲40tには、炭素膜42が設けられていない。範囲40t内のセパレータ40(すなわち、金属板41)に、ガスケット46が接着されている。図6に示すように、炭素膜42が設けられていない範囲40tは、表面40aにおいて、貫通孔71a、73a、74a、76aを囲むように設けられている。また、範囲40tは、表面40aにおいて、貫通孔72a、75aと範囲60(MEA20と重複する範囲)を含む範囲を囲むように設けられている。ガスケット46は、範囲40tに沿って設けられている。以下では、ガスケット46のうち、貫通孔72a、75a及び範囲60を含む範囲を囲むように設けられている部分を、ガスケット46aという。図7は、複数の燃料電池セル12a、12bをz方向に積層した状態を示している。燃料電池セル12a、12bを積層すると、燃料電池セル12bのガスケット46が燃料電池セル12aのセパレータ50に接触する。これによって、ガスケット46aとセパレータ40とセパレータ50とによって囲まれた冷媒流路80が形成される。図6に示すように、冷媒流路80は、冷媒供給流路75及び冷媒排出流路72と繋がっている。冷媒供給流路75から冷媒流路80に冷媒が流入する。冷媒流路80内を上流端から下流端まで流れた冷媒は、冷媒排出流路72に排出される。
燃料電池セル12を動作させるときには、燃料ガス流路77に燃料ガスを流すとともに酸化剤ガス流路78に酸化剤ガスを流す。これによって、MEA20に燃料ガスと酸化剤ガスが供給され、MEA20で発電が行われる。MEA20で発生した電力は、セパレータ40とセパレータ50によって外部に取り出される。すなわち、セパレータ40とセパレータ50は配線として機能する。セパレータ40、50の表面が炭素膜によって覆われているので、セパレータ40、50は高い導電性を有する。したがって、低損失で電力がMEA20から外部に供給される。また、燃料電池セル12を動作させるときには、冷媒流路80に冷媒を流す。これによって、MEA20が冷却される。
次に、実施例1の燃料電池セル12の製造方法について説明する。まず、プレス加工等によって、金属板41に貫通孔71a~76a及び溝44を形成する。同様に、プレス加工等によって、金属板51に貫通孔71a~76a及び溝54を形成する。次に、図8に示すように、金属板41の表面全体を覆うように炭素膜42、43を形成する。同様に、金属板51の表面全体を覆うように炭素膜52、53を形成する。ここでは、10nm~100nmの厚みで炭素膜42、43、52、53を形成する。
(レーザ照射工程)
次に、図9に示すように、セパレータ40の表面40bの一部にレーザL(例えば、YAGレーザ)を照射することによって、レーザの照射範囲内の炭素膜43を除去する。これによって、炭素膜43が除去された範囲40sを形成する。ここでは、レーザスポットを移動させることによって、範囲40sを形成する。図4に示すように、範囲40sは、溝44(すなわち、流路77)から離れた位置に形成される。表面40bの一部の範囲(例えば、III-III線が位置する範囲)では、範囲40sは溝44(すなわち、流路77)に沿って伸びるように形成される。なお、レーザの照射範囲の幅(すなわち、範囲40sの幅)は、1~10mmとすることができる。炭素膜43はレーザを吸収し易いので、レーザの照射範囲内でセパレータ40が高温に加熱される。これによって、炭素膜43が蒸発して除去される。また、金属板41の表面に汚れ(例えば、潤滑油の残渣)が付着している場合には、炭素膜43とともに汚れが蒸発する。したがって、範囲40s内に汚れがほとんど存在しない状態で金属板41が露出する。同様に、セパレータ40の表面40aの一部にレーザを照射することによってその照射範囲内の炭素膜42を除去し、図3、6に示すように炭素膜42が除去された範囲40tを形成する。同様に、セパレータ50の表面50aの一部にレーザを照射することによってその照射範囲内の炭素膜52を除去し、図3、5に示すように炭素膜が除去された範囲50sを形成する。図5に示すように、範囲50sは、溝54(すなわち、流路78)から離れた位置に形成される。表面50aの一部の範囲(例えば、III-III線が位置する範囲)では、範囲50sは溝54(すなわち、流路78)に沿って伸びるように形成される。
(セパレータ接着工程)
次に、図10に示すように、樹脂フレーム30の貫通孔36内にMEA20を配置した状態で、樹脂フレーム30をセパレータ40とセパレータ50で挟み込む。ここでは、セパレータ40の表面40bを樹脂フレーム30とMEA20に接触させるとともに、セパレータ50の表面50aを樹脂フレーム30とMEA20に接触させる。このように、セパレータ40、50によって樹脂フレーム30の貫通孔36を塞いだ状態で、セパレータ40、50を樹脂フレーム30に接着する。すなわち、まず、図10に示すように、セパレータ40、樹脂フレーム30及びセパレータ50の積層体の一部を、金型90、92によって挟む。ここでは、積層体のうちの範囲40s、50sを含む部分を金型90、92によって挟む。次に、金型90、92によって積層体を加圧しながら、その加圧された部分(すなわち、範囲40s、50sを含む部分)を金型90、92を介して150~180℃に加熱する。すると、金型90、92の近傍において、樹脂層32、33が軟化する。その後、積層体を冷却すると、軟化していた樹脂層32、33が硬化する。これによって、図11に示すように、樹脂層32が接着範囲40u内でセパレータ40に接着され、樹脂層33が接着範囲50u内でセパレータ50に接着される。接着範囲40u、50uは、金型90、92によって加圧された加圧範囲である。接着範囲40uは、流路77から離れた位置に形成される。接着範囲40uは、範囲40sに沿って形成される。したがって、図4に示された範囲40sと同様に、接着範囲40uは表面40bの一部の範囲(例えば、III-III線が位置する範囲)において、流路77に沿って伸びるように形成される。図11に示すように、接着範囲50uは、流路78から離れた位置に形成される。接着範囲50uは、範囲50sに沿って形成される。したがって、図5に示された範囲50sと同様に、接着範囲50uは表面50aの一部の範囲(例えば、III-III線が位置する範囲)において、流路78に沿って伸びるように形成される。ここでは、図11に示すように、範囲40sよりも広い接着範囲40u内で樹脂層32がセパレータ40に接着される。このため、樹脂層32は、範囲40s内の全域で金属板41に接着される。レーザの照射によって範囲40s内の金属板41の表面から汚れが除去されているので、樹脂層32は金属板41に高い接着力で接着される。また、範囲50sよりも広い接着範囲50u内で樹脂層33がセパレータ50に接着される。このため、樹脂層33は、範囲50s内の全域で金属板51に接着される。レーザの照射によって範囲50s内の金属板51の表面から汚れが除去されているので、樹脂層33は金属板51に高い接着力で接着される。
(ガスケット接着工程)
次に、図3に示すように、セパレータ40の表面40aの範囲40tにガスケット46を接着する。ガスケット46は、接着剤により接着されてもよいし、ガスケット46を硬化するときにガスケット46がセパレータ40に接着されてもよい。レーザの照射によって範囲40t内の金属板41の表面から汚れが除去されているので、ガスケット46は金属板41に高い接着力で接着される。ガスケット46を接着することで、図3に示す燃料電池セル12が完成する。
以上に説明したように、実施例1の製造方法によれば、セパレータ40、50を樹脂フレーム30に高い接着力で接着することができ、ガスケット46をセパレータ40に高い接着力で接着することができる。なお、図12は、実施例1の方法による接着箇所と比較例の方法による接着箇所の剥離強度を示している。実施例1の方法による接着箇所では、炭素膜43を除去した範囲40sでセパレータ40が樹脂フレーム30に接着されている。比較例の接着箇所では、炭素膜43を除去しないでセパレータ40が樹脂フレーム30に接着されている(すなわち、炭素膜43が樹脂フレーム30に接着されている。)。図12から明らかなように、実施例1の方法によれば、高い剥離強度を得ることができる。
なお、実施例1では、炭素膜を除去した範囲の略全域で金属板に樹脂部材を接着した。しかしながら、炭素膜を除去した範囲の少なくとも一部が接着箇所に含まれていれば、どのように接着が行われてもよい。例えば、炭素膜を除去した範囲の一部のみで接着が行われてもよい。
次に、実施例2の製造方法について説明する。実施例2の製造方法は、炭素膜43、52を除去する範囲40s、50sが接着範囲40u、50uに対してオフセットしている点で実施例1と異なる。その他については、実施例2は実施例1と等しい。
図13は、実施例2のセパレータ接着工程を示している。図13に示すように、実施例2では、範囲40s、50sの中心軸C2、C3が、金型90、92によって積層体を挟む加圧範囲の中心軸C1よりもガス流路77、78に近い方向にずれている。金型90、92によって積層体を挟む加圧範囲は、炭素膜43、52が除去された範囲40s、50sと部分的に重複している。この方法によれば、図14に示すように、範囲40s、50sが接着範囲40u、50uよりもガス流路77、78に近い方向にオフセットした構成が得られる。すなわち、範囲40s、50sの中心軸C2、C3が接着範囲40u、50uの中心軸C1よりもガス流路77、78に近い方向にオフセットした構成が得られる。
実施例2の製造方法でも、炭素膜43、52が除去された範囲40s、50s内で樹脂フレーム30がセパレータ40、50に接着されるので、高い接着力を得ることができる。また、このように範囲40s、50sが接着範囲40u、50uに対してガス流路77、78に近い方向にオフセットしていると、オフセットがない場合(図11の場合)に比べて、高い接着強度が得られる。図15は、範囲40sが接着範囲40uに対して燃料ガス流路77側にオフセットしている場合(オフセットあり)としていない場合(オフセットなし)とで、燃料ガス流路77内の圧力が増加したときの接着範囲40uの剥離強度を測定した結果を示している。図15に示すように、オフセットありではオフセットなしよりも高い剥離強度が得られた。このように、炭素膜を除去した範囲が接着範囲に対してガス流路に近い側にオフセットしていることでより高い接着強度が得られる。なお、図16のように範囲40s、50sの幅を広くすることでも、オフセットを用いる場合と同程度に高い接着強度が得られる。しかしながら、範囲40s、50sの幅を広くする場合には、レーザを広い範囲に照射する必要があり、レーザ照射工程に長い時間がかかる。これに対し、図14のようにオフセットを用いる構成では、範囲40s、50sの幅(すなわち、レーザの照射範囲の幅)が狭いにもかかわらず、図16の構成と同程度の接着強度が得られる。したがって、レーザ照射工程を短時間で行うことが可能であり、燃料電池セルをより効率的に製造することが可能となる。このように、実施例2の製造方法によれば、短時間で高い接着強度を有する燃料電池セルを製造することができる。
実施例3の製造方法は、レーザ照射工程においてレーザフルエンスを100mJ/mm2以下に制御する。また、セパレータ接着工程において、金属板の表面に接着硬化剤または接着促進剤を塗布する。
実施例3のレーザ照射工程では、レーザフルエンスを100mJ/mm2以下に制御する。このようにレーザフルエンスを制御すると、図17に示すように、レーザを照射した範囲40s内の金属板41の表面にTiOx(酸化チタン)からなるポーラス組織41pが形成される。同様に、範囲50s、40t内の金属板の表面にもポーラス組織が形成される。ここでは、厚みが10nm~1000nm程度のポーラス組織を形成する。
実施例3のセパレータ接着工程では、範囲40s、50s内の金属板41、51の表面に接着硬化剤または接着促進剤を塗布する。すると、接着硬化剤または接着促進剤がポーラス組織に浸透する。その後、実施例1または2と同様に金型90、92によって範囲40s、50sを含む部分を加圧しながら加熱する。接着硬化剤と接着促進剤の粘土が低いので、接着硬化剤と接着促進剤は金型90、92による圧力によって押し出されて範囲40s、50sの外へ移動し易い。しかしながら、実施例3のように範囲40s、50s内にポーラス組織が形成されていると、接着硬化剤または接着促進剤がポーラス組織に浸透するので、接着硬化剤または接着促進剤が範囲40s、50s内に留まり易い。このため、範囲40s、50s内でより高い接着力で接着を行うことができる。
実施例3のガスケット接着工程では、範囲40t内の金属板41の表面に接着硬化剤または接着促進剤を塗布する。すると、接着硬化剤または接着促進剤がポーラス組織に浸透する。その後、実施例1または2と同様に範囲40t内にガスケット46を接着する。この方法によれば、接着硬化剤または接着促進剤が範囲40t内に留まり易いので、範囲40t内でより高い接着力で接着を行うことができる。
なお、上述した実施例1、2において、接着硬化剤または接着促進剤を範囲40s、5
0s、40t内に塗布してもよい。
実施例4はレーザ照射工程において実施例1~3と異なる。その他については、実施例4は実施例1~3のいずれかと等しい。
実施例4の製造方法は、レーザ照射工程において、炭素膜を除去する第1のレーザ照射を行った後、前記第1のレーザ照射を行った領域の一部または全部に対して、第1のレーザ照射よりもレーザインフルエンスの小さい第2の照射を行う。第1のレーザ照射と第2のレーザ照射で照射するレーザの種類は異なっていてもよい。また、対象領域(たとえば範囲40s)の全てに第1のレーザ照射を終えてから第2のレーザ照射を行ってもよいし、対象領域に第1のレーザ照射を行っている途中で、第1のレーザ照射が行われた部分に対して第2のレーザ照射を開始してもよい。
実施例4のレーザ照射工程では、先ずレーザインフルエンス100mJ/mm2程度で第1のレーザ照射を行った後、前記第1のレーザ照射を行った領域の一部または全部に対して、レーザインフルエンス10~20mJ/mm2程度で第2のレーザ照射を行う。レーザインフルエンスは第2のレーザ照射では10~20mJ/mm2が好ましいが、金属板41の蒸発が著しく発生しない程度においては、この限りではない。また、第1のレーザ照射のレーザインフルエンスは、100mJ/mm2程度以上も以下も取り得る。たとえば、第4実施例では第2のレーザ照射には波長λ=1060 nmのYbファイバーレーザを想定しているが、吸収効率の異なるレーザにおいては、蒸発が発生しないレーザインフルエンスの範囲も異なる。
第1のレーザ照射により、実施例1で前述した通り、炭素膜43はレーザを吸収し、レーザの照射範囲内でセパレータ40が高温に加熱される。これによって、炭素膜43が蒸発して除去され、金属板41の表面に汚れ(例えば、潤滑油の残渣)が付着している場合には、炭素膜43とともに汚れが蒸発する。したがって、範囲40s内に汚れがほとんど存在しない状態で金属板41が露出する。この際、レーザインフルエンスが高い場合には金属板41の成分まで蒸発し、金属板41の成分の酸化物が再付着する虞がある。
酸化物の再付着により、範囲40s内のうち金属板41の酸化物が付着した部分は親水性が高くなる。親水性は濡れ性ともいい、接触角を用いて評価される。接触角は図18(a)(b)に示す通り、壁面に付着した液滴の端辺周辺を球とみなした時に、液滴端辺を通る球の接線と壁面の成す角である。接触角は、親水性が高いと図18(a)のαのように小さくなり、逆に親水性が低いと図18(b)のβのように大きくなる。親水性が低い性質を、撥水性が高いともいう。酸化物は分子構造が極性を有する為、親水性が高くなる。すなわち接触角が小さくなる。親水性が著しく高くなる(接触角が10°以下程度)となると、水が接着範囲40uにおいて、樹脂層32とセパレータ40の接着している界面に侵入し易くなり、剥離強度が低下する。同様の現象が範囲50s, 40tにも発生する。水は、酸化剤ガス(実施例4では酸素(O2))と燃料ガス(実施例4では水素(H2))の反応によって各燃料電池セル12内部で生成されるので、親水性が高くなる原因である酸化物の再付着には対策することが好ましい。
実施例4において、レーザインフルエンス100mJ/mm2程度で第1のレーザ照射を行った後、前記第1のレーザ照射を行った領域の少なくとも一部に対して、レーザインフルエンス10~20mJ/mm2程度で第2のレーザ照射を行うことにより、金属板41の蒸発は発生せずに溶融だけが発生し、表面の再付着物が除去される。
実施例4の効果のデータについて、図19~21を用いて説明する。
図19は金属板41の領域40s(50s, 40tでも同じ)を再現した状況で、レーザ照射後の領域40sの接触角とレーザインフルエンスとの関係を示した図である。この図によれば、レーザインフルエンス10~20mJ/mm2において接触角は20°以上であり親水性が低い。一方、レーザインフルエンスが20 mJ/mm2より大きい場合、接触角が10°以下となり親水性が高いことが読み取れる。なお、レーザインフルエンスは10mJ/mm2より更に小さくなると、出力が不安定となる傾向がある。以上のことから、第2のレーザ照射に用いるレーザインフルエンスは10~20mJ/mm2が好ましい。
図20は、金属板41の領域40s(50s, 40tでも同じ)を再現した状況で、第1のレーザ照射のみを行った場合と、第1のレーザ照射を行った後に第2のレーザ照射を行った際の、第1のレーザ照射のレーザインフルエンスと、領域40sの接触角の関係を示した図である。横軸には第1のレーザ照射のレーザインフルエンス、縦軸には接触角が示されている。また、第2のレーザ照射のレーザインフルエンスは10mJ/mm2で一定としている。この図によれば、第2のレーザ照射よりも大きいレーザインフルエンスで第1のレーザ照射を行った場合、第2のレーザ照射による親水性の低下の効果が少なからず確認できる。
以上、実施形態について詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独あるいは各種の組み合わせによって技術有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの1つの目的を達成すること自体で技術有用性を持つものである。
燃料電池スタック:10
燃料電池セル:12
MEA:20
電解質膜:21
アノード層:22
カソード層:23
樹脂フレーム:30
樹脂層:31~33
セパレータ:40
金属板:41
炭素膜:42~43
ガスケット:46
セパレータ:50
金属板:51
炭素膜:52~53
燃料ガス流路77
酸化剤ガス流路78
冷媒流路80

Claims (8)

  1. 燃料電池セルの製造方法であって、
    金属板と前記金属板の表面を覆う炭素膜とを有するセパレータの前記炭素膜にレーザを照射することによって、前記レーザの照射範囲内において前記炭素膜を除去して前記金属板を露出させるレーザ照射工程と、
    前記金属板が露出した範囲の少なくとも一部を含む範囲で前記セパレータを樹脂部材に接着する接着工程と、を有し、
    前記レーザ照射工程は、炭素膜を除去する第1のレーザ照射を行った後、
    前記第1のレーザ照射を行った領域の一部または全部に対して、第1のレーザ照射よりもレーザインフルエンスの小さい第2のレーザ照射を行うことを特徴とする、
    製造方法。
  2. 前記第2のレーザ照射のレーザインフルエンスは10~20 mJ/mm2である、
    請求項1の製造方法。
  3. 前記樹脂部材が、貫通孔を有する樹脂フレームであり、
    前記貫通孔内に膜/電極接合体を配置する工程をさらに有し、
    前記接着工程では、前記セパレータによって前記貫通孔を塞ぐように前記セパレータを前記樹脂フレームに接着する、
    請求項1または請求項2の製造方法。
  4. 前記セパレータを前記樹脂フレームに接着するときに、前記セパレータと前記樹脂フレームの界面にガス流路が形成され、
    前記レーザ照射工程と前記接着工程を、
    ・前記レーザの照射範囲が前記ガス流路から離れて配置されるとともに前記ガス流路に沿って伸びる、
    ・前記セパレータを前記樹脂フレームに接着する接着範囲が前記ガス流路から離れて配置されるとともに前記ガス流路に沿って伸びる、
    ・前記照射範囲の中心軸が前記接着範囲の中心軸よりも前記ガス流路に近い位置に配置される、
    という条件を満たすように実行する、
    請求項3の製造方法。
  5. 前記セパレータを前記樹脂フレームに接着するときに、前記セパレータと前記樹脂フレームの界面にガス流路が形成され、
    前記接着工程では、金型によって前記セパレータを前記樹脂フレームに向けて加圧しながら加圧範囲を加熱することで、前記加圧範囲内で前記セパレータを前記樹脂フレームに接着し、
    前記レーザ照射工程と前記接着工程を、
    ・前記レーザの照射範囲が前記ガス流路から離れて配置されるとともに前記ガス流路に沿って伸びる、
    ・前記加圧範囲が前記ガス流路から離れて配置されるとともに前記ガス流路に沿って伸びる、
    ・前記照射範囲の中心軸が前記加圧範囲の中心軸よりも前記ガス流路に近い位置に配置される、
    という条件を満たすように実行する、
    請求項4の製造方法。
  6. 前記樹脂部材が、ガスケットであり、
    前記セパレータが、前記炭素膜に覆われた第1表面と、前記第1表面の反対側に位置する第2表面を有し、
    前記レーザ照射工程では、前記第1表面に前記レーザを照射し、
    前記接着工程では、前記第1表面を前記ガスケットに接着し、
    貫通孔を有する樹脂フレームの前記貫通孔内に膜/電極接合体を配置する工程と、
    前記貫通孔を前記セパレータによって塞ぐように前記第2表面を前記樹脂フレームに接着する工程、
    をさらに有する、
    請求項1の製造方法。
  7. 前記レーザ照射工程における前記第1のレーザ照射のレーザフルエンスが100mJ/mm2以下であり、
    前記接着工程では、前記照射範囲内の前記金属板の表面に接着硬化剤または接着促進剤を塗布した後に前記セパレータを前記樹脂部材に接着する、
    請求項1~6のいずれか一項の製造方法。
  8. 前記レーザ照射工程では、前記照射範囲内の前記金属板の表面にポーラス組織を形成する、請求項7の製造方法。
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