JP7276250B2 - 燃料電池用セパレータの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池用セパレータの製造方法に関する。
従来、固体高分子形燃料電池は、複数の単セルが積層された構成を有している。単セルは、膜電極接合体を有する発電部と、発電部を挟持する一対のセパレータとを備えている。セパレータには、それぞれ延在する凸部及び凹部が交互に設けられている。
特許文献1に記載のセパレータは、例えばステンレス鋼などの金属板材からなる基材と、基材の表面に形成された導電層とを備えている。こうした導電層により、セパレータの耐食性の向上、及びセパレータと発電部との接触抵抗の低減が図られている。
上記導電層は、基材の表面のうち発電部に対向する部分の全体に形成された第1導電層と、第1導電層の表面のうち凸部の頂面に対応する部分にのみ形成された第2導電層とを有している。第1導電層は、熱硬化性樹脂からなる第1結合材と、導電性粒子とを含む。第2導電層は、熱硬化性樹脂からなる第2結合材と、導電性炭素材とを含む。
第1導電層を形成する際は、まず、第1結合材及び導電性粒子を含む第1塗料を、基材の表面のうち発電部に対向する部分の全体に塗布する。その後、第1塗料が塗布された基材を加圧するとともに加熱することにより第1結合材を熱硬化させる。これにより、基材の表面に第1導電層が形成される。
第2導電層を形成する際は、まず、第2結合材及び導電性炭素材を含む第2塗料を、第1導電層の表面のうち凸部の頂面に対応する部分に塗布する。その後、第2塗料が塗布された基材を加圧するとともに加熱することにより第2結合材を熱硬化させる。これにより、第1導電層の表面に第2導電層が形成される。
特許第5930036号公報
ところで、第1塗料は、基材の表面のうち発電部に対向する部分の全体に塗布される。このとき、凸部の表面に塗布された第1塗料が、自重によって凹部に向かって流れ落ちるおそれがある。この場合、凸部における第1導電層の膜厚が所望の膜厚より小さくなることで、以下の不都合が生じる。すなわち、第1結合材から導電性粒子が露出しやすくなることで、第1導電層による基材の耐食性の向上の効果が発揮されにくくなる。また、凸部の頂面における第1導電層に存在する導電性粒子の割合が少なくなることで、セパレータと発電部との接触抵抗の低減の効果が発揮されにくくなる。
本発明の目的は、導電層の膜厚のばらつきを抑制できる燃料電池用セパレータの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための燃料電池用セパレータの製造方法は、金属板材からなり、それぞれ延在する凸部及び凹部が交互に設けられた基材と、前記基材の厚さ方向の少なくとも一側の表面に形成された第1導電層と、前記第1導電層のうち前記凸部に対応する部分の表面に形成された第2導電層と、を備える燃料電池用セパレータの製造方法であって、熱硬化性樹脂からなる第1結合材、導電性粒子、第1溶剤、及び前記第1溶剤の沸点よりも低い沸点を有する第2溶剤を含む塗料であって、当該塗料の体積に占める前記第2溶剤の体積の割合が前記第1溶剤の体積の割合よりも多い第1塗料を、前記基材の前記表面に塗布するとともに、前記第1塗料の塗布に際して前記第2溶剤を揮発させる第1塗布工程と、熱硬化性樹脂からなる第2結合材、及び導電性炭素材を含む第2塗料を、フィルムの厚さ方向の一側の表面に塗布する第2塗布工程と、前記フィルムに塗布された前記第2塗料と、前記基材に塗布された前記第1塗料とを接触させた状態で、前記フィルム及び前記基材を加圧するとともに加熱することで、前記第1結合材及び前記第2結合材を熱硬化させて前記第1導電層と前記第2導電層とを形成する導電層形成工程と、を備える。
同方法によれば、基材の表面に塗布される前の状態の第1塗料は、第1溶剤と第2溶剤とを含んでいる。このため、第1塗料に対して適度な流動性を付与することができる。これにより、第1塗料を基材の表面に塗布しやすくなることから、第1塗料を塗布する際の作業性を向上することができる。
また、第2溶剤は、第1溶剤の沸点よりも低い沸点を有しているため、第1溶剤よりも揮発しやすい。そして、第1塗料の塗布に際して第2溶剤を揮発させることで、第1塗料の粘度を高めることができ、第1塗料の流動性を低くできる。このため、基材の表面に塗布された第1塗料が、自重によって流れ落ちることを抑制できる。
ここで、上記方法によれば、第1塗料の体積に占める第2溶剤の体積の割合が第1溶剤の体積の割合よりも多いため、第1塗料の体積に占める第2溶剤の体積の割合が第1溶剤の体積の割合よりも少ない場合に比べて、第1塗料の塗布の前後において第1塗料の粘度を大きく増加させることができる。これにより、第1塗料の流動性を大きく低下させることができる。
以上のことから、第1塗料を塗布する際の作業性の向上と、第1塗料の流れ落ちの抑制とを高い次元で両立することができる。したがって、こうした第1塗料を熱硬化させて形成された第1導電層を備えるセパレータによれば、第1導電層の膜厚のばらつきを抑制できる。
上記燃料電池用セパレータの製造方法において、前記導電層形成工程に先立ち、前記第2塗料が塗布された前記フィルムを圧延する圧延工程を備えることが好ましい。
導電層形成工程において、フィルムに塗布された第2塗料と、基材に塗布された第1塗料とを接触させた状態で、フィルム及び基材を加圧するとともに加熱することで、第2塗料内における導電性炭素材同士の間隙に、第1塗料の第1結合材が入り込むおそれがある。この場合、第2導電層内において導電性炭素材同士が接触しにくくなることで、これら導電性炭素材を介した導電経路の生成が阻害されるおそれがある。
この点、上記方法によれば、第2塗料が塗布されたフィルムを圧延することにより、上記間隙の割合が小さくなる、すなわち、第2塗料内における導電性炭素材の密度が高められる。このため、フィルム及び基材を加圧するとともに加熱する際に、上述した不都合が生じることを抑制できる。
また、第2塗料内における導電性炭素材の密度が高められることで、第2塗料の膜厚のばらつきを抑制できる。こうした第2塗料を熱硬化させて形成された第2導電層を備えるセパレータによれば、第2導電層の膜厚のばらつきを抑制できる。
本発明によれば、導電層の膜厚のばらつきを抑制できる。
燃料電池用セパレータの製造方法の一実施形態について、当該セパレータを有する単セルを中心とした燃料電池のスタックの拡大断面図。 セパレータの構成を示す断面図。 基材の表面に第1塗料が塗布されている状態を示す断面図。 基材の両面に第1塗料が塗布された状態を示す断面図。 フィルムに第2塗料が塗布されている状態を示す断面図。 第2塗料が塗布されたフィルムが圧延されている状態を示す断面図。 第2塗料が塗布されたフィルムが圧延された状態を示す断面図。 基材にフィルムが載置された状態を示す断面図。 基材に第1導電層と第2導電層とが熱転写されている状態を示す断面図。
以下、図1~図9を参照して、燃料電池用セパレータの製造方法の一実施形態について説明する。
各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については実際と異なる場合がある。
図1に示すように、本実施形態の燃料電池用セパレータ(以下、セパレータ20と称する)は、固体高分子形燃料電池のスタック1に用いられるものである。なお、セパレータ20は、後述する第1セパレータ30及び第2セパレータ40の総称である。
スタック1は、複数の単セル10が積層された構造を有している。単セル10は、アノード側の第1セパレータ30と、カソード側の第2セパレータ40とにより挟持された発電部11を備えている。
発電部11は、膜電極接合体12と、膜電極接合体12を挟持するアノード側ガス拡散層15及びカソード側ガス拡散層16とにより構成されている。アノード側ガス拡散層15は、膜電極接合体12と第1セパレータ30との間に設けられている。カソード側ガス拡散層16は、膜電極接合体12と第2セパレータ40との間に設けられている。アノード側ガス拡散層15及びカソード側ガス拡散層16は、共に炭素繊維により形成されている。
膜電極接合体12は、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を有する固体高分子材料からなる電解質膜13と、電解質膜13を挟持する一対の電極触媒層14とを備えている。各電極触媒層14には、燃料電池における反応ガスの電気化学反応を促進するために、例えば白金などの触媒が担持されている。
第1セパレータ30は、ステンレス鋼などの金属板材からなる基材31を有している。基材31には、それぞれ延在する第1凸部32及び第1凹部33が交互に設けられている。第1凸部32及び第1凹部33は複数設けられている。
各第1凸部32は、互いに間隔をおいて並列して延在するとともにアノード側ガス拡散層15に接触している。各第1凹部33は、互いに隣り合う2つの第1凸部32同士の間において第1凸部32に沿って延在している。
第2セパレータ40は、ステンレス鋼などの金属板材からなる基材41を有している。基材41には、それぞれ延在する第2凸部42及び第2凹部43が交互に設けられている。第2凸部42及び第2凹部43は複数設けられている。
各第2凸部42は、互いに間隔をおいて並列して延在するとともにカソード側ガス拡散層16に接触している。各第2凹部43は、互いに隣り合う2つの第2凸部42同士の間において第2凸部42に沿って延在している。
図2に示すように、基材31,41のうち発電部11に対向する部分の両面の全体には、第1導電層50が形成されている。第1導電層50は、熱硬化性樹脂からなる第1結合材51及び導電性粒子52を含む。
第1結合材51は、例えば、エポキシ樹脂とフェノール樹脂とを含む。導電性粒子52は、例えば、窒化チタンである。なお、窒化チタンは、基材31,41の表面に形成された酸化被膜31a,41aよりも硬度が高い。
第1導電層50の表面のうち、基材31,41の各凸部32,42の頂面に対応する部分には、第2導電層60が形成されている。第2導電層60は、熱硬化性樹脂からなる第2結合材61及び導電性炭素材62を含む。
第2結合材61は、例えば、エポキシ樹脂を含む。導電性炭素材62は、例えば、グラファイト粒子である。
導電性粒子52は、各凸部32,42の表面に形成された酸化被膜31a,41aを貫通して基材31,41に接触している。また、導電性粒子52と導電性炭素材62とは互いに接触している。このため、セパレータ20には、基材31,41、導電性粒子52、及び導電性炭素材62によって、酸化被膜31a,41aを経由しない導電経路が形成される。
図1に示すように、第1セパレータ30の第1凹部33に対応する部分と、アノード側ガス拡散層15とで区画される部分には、燃料ガス流通する燃料ガス流路が形成されている。第2セパレータ40の第2凹部43に対応する部分と、カソード側ガス拡散層16とで区画される部分には、酸化ガスが流通する酸化ガス流路が形成されている。本実施形態における燃料ガスは水素であり、酸化ガスは空気である。
また、第1セパレータ30における第1凹部33の底部に対応する部分と、同第1セパレータ30に隣り合う第2セパレータ40の第2凹部43の底部に対応する部分とは、レーザ溶接などにより互いに接合されている。第1セパレータ30の第1凸部32の裏面に対応する部分と、第2セパレータ40の第2凸部42の裏面に対応する部分とで区画される部分には、冷却水が流通する冷却水流路が形成されている。
次に、セパレータ20の製造方法について説明する。
なお、第1セパレータ30及び第2セパレータ40の製造方法は同一であるため、以降では、第1セパレータ30の製造方法について説明することで、第2セパレータ40の製造方法についての説明を省略する。
図3に示すように、まず、スプレーガン100を用いて第1塗料50aを基材31に向けて噴射することで、基材31の表面に第1塗料50aを塗布する。
ここで、第1塗料50aは、第1結合材51、導電性粒子52、第1溶剤、及び第2溶剤、及び硬化促進剤を含む。第2溶剤は、第1溶剤の沸点よりも低い沸点を有している。このため、第2溶剤は、第1溶剤よりも揮発しやすい。
本実施形態の第1溶剤は、例えば、ブチルカルビトールである。第1溶剤の沸点は、およそ230℃である。本実施形態の第2溶剤は、例えば、メチルエチルケトン(MEK)である。第2溶剤の沸点は、およそ79℃である。なお、本明細書中における沸点とは、常温常圧下における沸点を指す。本実施形態の硬化促進剤は、例えば、キュアゾール(登録商標)である。
また、第1塗料50aの体積に占める第2溶剤の体積の割合は、第1溶剤の体積の割合よりも多い。本実施形態の第1塗料50aに含まれる第1溶剤と第2溶剤との体積比は、1:4である。
スプレーガン100を用いて第1塗料50aを基材31に向けて噴射することで、第1塗料50aが常温常圧下に曝されるため、第1塗料50aから第2溶剤が揮発する。こうした第2溶剤の揮発は、スプレーガン100から噴射された第1塗料50aが、基材31の表面に到達するまでの間に生じる。このため、第1塗料50aが基材31の表面に到達した際には、第1塗料50aから第2溶剤の大部分が揮発した状態となっている。
したがって、本実施形態では、第1塗料50aの塗布に際して第2溶剤を揮発させながら、第1塗料50aを基材31の表面に塗布する(第1塗布工程)。
図4に示すように、本実施形態では、基材31の両面に第1塗料50aを塗布する。そして、第1結合材51の熱硬化温度よりも低い所定の温度にて基材31を乾燥させる(乾燥工程)。
図5に示すように、次に、樹脂製のフィルム70を図示しない搬送装置により搬送するとともに、コータ110を用いて第2塗料60aをフィルム70の厚さ方向の一側の表面に塗布する。
ここで、第2塗料60aは、第2結合材61、導電性炭素材62、及び溶剤を含む。
本実施形態の第2塗料60aの溶剤は、例えば、N-メチル-2-ピロリドンである。
フィルム70は、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)等の樹脂材料により形成されている。
図6に示すように、次に、第2塗料60aが塗布されたフィルム70を、互いに対向して逆回転する第1ローラ121と第2ローラ122との間を通すことで圧延する(圧延工程)。
本実施形態の第1ローラ121は、例えば、ステンレス鋼などの金属材料により形成されている。また、第1ローラ121の表面には、例えば、クロムめっきなどの表面処理が施されている。本実施形態の第2ローラ122は、例えば、ゴムなどのエラストマにより形成されている。
圧延工程では、フィルム70を第1ローラ121に接触させるとともに、第2塗料60aを第2ローラ122に接触させる。
図7に示すように、圧延工程を行うことで、フィルム70に塗布された第2塗料60aの厚さが小さくなる。これにより、第2塗料60a内における導電性炭素材62同士の間隙が低減される。
図8に示すように、次に、熱転写装置130を用いて、第1塗料50aが塗布された基材31に対して第2塗料60aを熱転写する。
ここで、熱転写装置130について説明する。
熱転写装置130は、第1型131と、第1型131に対向して配置される第2型132とを備えている。第2型132は、固定型であり、第1型131は、第2型132に対して進退可能に設けられた可動型である。第1型131の内部及び第2型132の内部には、電熱線133及び電熱線134がそれぞれ設けられている。各電熱線133,134に通電することにより第1型131及び第2型132が所定の温度までそれぞれ加熱される。上記所定の温度は、熱硬化性樹脂である第1結合材51及び第2結合材61が熱硬化する温度である。
基材31に第2塗料60aを熱転写する際は、まず、第1凸部32を上側にして基材31を第2型132上に載置する。そして、フィルム70を基材31上に載置する。このとき、フィルム70に塗布された第2塗料60aと、基材31の表面に塗布された第1塗料50aとが接触している。
図9に示すように、次に、第1型131と第2型132とによりフィルム70及び基材31を加圧するとともに加熱する。このとき、第1塗料50aに含まれる導電性粒子52が酸化被膜31aを貫通して基材31に接触するようになる(図2参照)。なお、熱転写装置130による基材31の加圧は、基材31が塑性変形しない程度の圧力により行われる。
熱転写装置130を用いて、フィルム70及び基材31を加圧するとともに加熱することで、第1結合材51及び第2結合材61を熱硬化させて、基材31の表面に第1導電層50と第2導電層60とを形成する(導電層形成工程)。
最後に、熱転写装置130を型開きして、フィルム70を基材31から剥離する。
こうして第1セパレータ30が製造される。
本実施形態の作用について説明する。
基材31,41の表面に塗布される前の状態の第1塗料50aは、第1溶剤と第2溶剤とを含んでいる。このため、第1塗料50aに対して適度な流動性を付与することができる。これにより、第1塗料50aを基材31,41の表面に塗布しやすくなることから、第1塗料50aを塗布する際の作業性を向上することができる。
また、第2溶剤は、第1溶剤の沸点よりも低い沸点を有しているため、第1溶剤よりも揮発しやすい。そして、第1塗料50aの塗布に際して第2溶剤を揮発させることで、第1塗料50aの粘度を高めることができ、第1塗料50aの流動性を低くできる。このため、基材31,41の表面に塗布された第1塗料50aが、自重によって流れ落ちることを抑制できる。
ここで、上記方法によれば、第1塗料50aの体積に占める第2溶剤の体積の割合が第1溶剤の体積の割合よりも多いため、第1塗料50aの体積に占める第2溶剤の体積の割合が第1溶剤の体積の割合よりも少ない場合に比べて、第1塗料50aの塗布の前後において第1塗料50aの粘度を大きく増加させることができる。これにより、第1塗料50aの流動性を大きく低下させることができる。
以上のことから、第1塗料50aを塗布する際の作業性の向上と、第1塗料50aの流れ落ちの抑制とを高い次元で両立することができる。
本実施形態の効果について説明する。
(1)第1塗布工程では、第1塗料50aを基材31,41の表面に塗布するとともに、第1塗料50aの塗布に際して第2溶剤を揮発させる。第2塗布工程では、第2塗料60aをフィルム70の厚さ方向の一側の表面に塗布する。導電層形成工程では、フィルム70に塗布された第2塗料60aと、基材31,41に塗布された第1塗料50aとを接触させた状態で、フィルム70及び基材31,41を加圧するとともに加熱する。これにより、第1結合材51及び第2結合材61を熱硬化させて第1導電層50と第2導電層60とを形成する。
こうした方法によれば、上述した作用を奏することができる。したがって、第1塗料50aを熱硬化させて形成された第1導電層50を備えるセパレータ20によれば、第1導電層50の膜厚のばらつきを抑制できる。
(2)導電層形成工程に先立ち、第2塗料60aが塗布されたフィルム70を圧延する圧延工程を行う。
導電層形成工程において、フィルム70に塗布された第2塗料60aと、基材31,41に塗布された第1塗料50aとを接触させた状態で、フィルム70及び基材31,41を加圧するとともに加熱することで、第2塗料60a内における導電性炭素材62同士の間隙に、第1塗料50aの第1結合材51が入り込むおそれがある。この場合、第2導電層60内において導電性炭素材62同士が接触しにくくなることで、これら導電性炭素材62を介した導電経路の生成が阻害されるおそれがある。
この点、上記方法によれば、第2塗料60aが塗布されたフィルム70を圧延することにより、上記間隙の割合が小さくなる、すなわち、第2塗料60a内における導電性炭素材62の密度が高められる。このため、フィルム70及び基材31,41を加圧するとともに加熱する際に、上述した不都合が生じることを抑制できる。
また、第2塗料60a内における導電性炭素材62の密度が高められることで、第2塗料60aの膜厚のばらつきを抑制できる。こうした第2塗料60aを熱硬化させて形成された第2導電層60を備えるセパレータ20によれば、第2導電層60の膜厚のばらつきを抑制できる。
(3)圧延工程では、第2塗料60aを第2ローラ122に接触させる。
こうした方法によれば、第2ローラ122がエラストマにより形成されているため、第2塗料60aと第2ローラ122とが接触することにより、第2塗料60aから導電性炭素材62が脱落することを抑制できる。
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・第1ローラ121として、ステンレス鋼以外の金属材料により形成されるものや、ゴムなどのエラストマにより形成されるものを採用することもできる。
・第2ローラ122として、樹脂材料により形成されるものや、ステンレス鋼などの金属材料により形成されるものを採用することもできる。
・本実施形態では、スプレーガン100を用いて第1塗料50aを基材31,41の表面に塗布したが、第1塗料50aが貯留された槽に基材31,41を浸漬させることで、第1塗料50aを基材31,41の表面に塗布することもできる。この場合、基材31,41を槽から取り出して常温常圧下に曝すことで、基材31,41に塗布された第1塗料50aから第2溶剤が揮発する。
・第1塗料50aに含まれる第1溶剤と第2溶剤との体積比は、適宜変更できる。
・第1溶剤の種類及び第2溶剤の種類は適宜変更することができる。
・第1結合材51は、エポキシ樹脂やフェノール樹脂に代えて、あるいは、これに加えて、その他の熱硬化性樹脂を含むものであってもよい。
・第2結合材61は、エポキシ樹脂に代えて、あるいは、これに加えて、その他の熱硬化性樹脂を含むものであってもよい。
・グラファイト粒子に代えて、あるいは、これに加えて、カーボンブラックなどの他の導電性炭素材62を用いることもできる。
・窒化チタンに代えて、炭化チタンや硼化チタンなどの他の導電性粒子52を用いることもできる。
・第1導電層50は、基材31,41における発電部11に対向する側の表面にのみ形成されていてもよい。
・基材31,41をステンレス鋼以外の他の金属板材により形成することもできる。こうした金属としては、例えば、チタン合金や、アルミニウム合金や、マグネシウム合金などが挙げられる。
20…セパレータ
30…第1セパレータ
31…基材
32…第1凸部
33…第1凹部
40…第2セパレータ
41…基材
42…第2凸部
43…第2凹部
50…第1導電層
50a…第1塗料
51…第1結合材
52…導電性粒子
60…第2導電層
60a…第2塗料
61…第2結合材
62…導電性炭素材
70…フィルム

Claims (2)

  1. 金属板材からなり、それぞれ延在する凸部及び凹部が交互に設けられた基材と、前記基材の厚さ方向の少なくとも一側の表面に形成された第1導電層と、前記第1導電層のうち前記凸部に対応する部分の表面に形成された第2導電層と、を備える燃料電池用セパレータの製造方法であって、
    熱硬化性樹脂からなる第1結合材、導電性粒子、第1溶剤、及び前記第1溶剤の沸点よりも低い沸点を有する第2溶剤を含む塗料であって、当該塗料の体積に占める前記第2溶剤の体積の割合が前記第1溶剤の体積の割合よりも多い第1塗料を、前記基材の前記表面に塗布するとともに、前記第1塗料の塗布に際して前記第2溶剤を揮発させる第1塗布工程と、
    熱硬化性樹脂からなる第2結合材、及び導電性炭素材を含む第2塗料を、フィルムの厚さ方向の一側の表面に塗布する第2塗布工程と、
    前記フィルムに塗布された前記第2塗料と、前記基材に塗布された前記第1塗料とを接触させた状態で、前記フィルム及び前記基材を加圧するとともに加熱することで、前記第1結合材及び前記第2結合材を熱硬化させて前記第1導電層と前記第2導電層とを形成する導電層形成工程と、を備える、
    燃料電池用セパレータの製造方法。
  2. 前記導電層形成工程に先立ち、前記第2塗料が塗布された前記フィルムを圧延する圧延工程を備える、
    請求項1に記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
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