JP2022147709A - 液圧回転機システムおよび斜板式液圧回転機 - Google Patents

液圧回転機システムおよび斜板式液圧回転機 Download PDF

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Abstract

【課題】シューの摩耗状態を正確に監視する。【解決手段】斜板式の油圧ポンプ6は、ケーシング7と、回転軸11と、回転軸11と一体に回転するシリンダブロック13と、シリンダブロック13のシリンダ14内に挿嵌された複数のピストン15と、複数のピストン15の先端に設けられた複数のシュー16と、複数のシュー16が摺動する摺動面18Dを有する斜板18とを備え、監視装置31は、油圧ポンプ6の斜板18に取付けられ、斜板18の温度を検出する斜板温度センサ32と、斜板温度センサ32により検出された斜板18の温度に基づいてシュー16の摩耗状態を監視する監視部36とを備える。これにより、油圧ポンプ6の作動時におけるシュー16の摩耗状態を、斜板温度センサ32によって検出した斜板18の温度に基づいて正確に監視することができる。【選択図】図2

Description

本開示は、例えば油圧ショベル等の建設機械に油圧ポンプ、または油圧モータとして搭載された液圧回転機システムおよび斜板式液圧回転機に関する。
油圧ショベル等の建設機械には、斜板式液圧回転機としての斜板式油圧ポンプが搭載されている。この斜板式油圧ポンプは、ケーシングと、ケーシング内に回転可能に設けられた回転軸と、複数のシリンダを有し回転軸と一体に回転するシリンダブロックと、シリンダブロックのシリンダ内に往復動可能に挿嵌された複数のピストンと、複数のピストンの先端にそれぞれ設けられた複数のシューと、複数のシューが摺動する摺動面を有する斜板とを備えている。
原動機によって回転軸が回転駆動されると、シリンダブロックが回転軸と一体に回転する。このとき、複数のピストンの先端に設けられた複数のシューは、斜板の摺動面上を摺動する。これにより、複数のピストンは、シリンダ内を上死点から下死点へと摺動変位する間にシリンダ内に作動油を吸込む吸入行程と、下死点から上死点へと摺動変位する間にシリンダ内の作動油を高圧の圧油として吐出する吐出行程とを繰返す。
油圧ポンプの作動時には、シリンダブロックのシリンダ内をピストンが摺動し、斜板の摺動面に対してシューが摺動する。これらの摺動部品は、油圧ポンプの稼働時間と共に摩耗し、やがて油圧ポンプの故障を招く。これに対し、油圧ポンプの吸込側の油温と吐出側の油温との温度差が、基準となる温度差よりも高くなったときに、油圧ポンプが経年劣化したと判定する故障診断方法が開示されている(特許文献1参照)。また、複数の油圧ポンプからそれぞれ排出されたドレン油の温度差を検出し、検出されたドレン油の温度差を、基準となる温度差と比較することにより、複数の油圧ポンプのいずれかが故障したと判断する故障診断装置が開示されている(特許文献2参照)。
特開2018-155374号公報 特開2013-2425号公報
ここで、斜板式油圧ポンプの作動時において、ピストンの先端に取付けられたシューは、ピストンの推力によって斜板の摺動面に押し付けられた状態で、シリンダブロックと一体に斜板の摺動面上を摺動する。このため、斜板式油圧ポンプの故障は、シューの摩耗に起因するものが多く、シューの摩耗状態を常に監視して適宜に部品交換を行う必要がある。
しかし、上述した従来技術による故障診断方法や故障診断装置では、作動油またはドレン油の温度に基づいて油圧ポンプの故障診断を行っているため、油圧ポンプの故障原因に関わるシューの摩耗状態の検出精度が低い。このため、摩耗したシューを適宜に交換することにより油圧ポンプの寿命を延ばすことが困難であるという問題がある。
本発明の目的は、シューの摩耗状態を正確に監視することができるようにした液圧回転機システムおよび斜板式液圧回転機を提供することにある。
本発明の一実施形態は、斜板式液圧回転機と、前記斜板式液圧回転機の監視を行う監視装置とを備えた液圧回転機システムであって、前記斜板式液圧回転機は、ケーシングと、前記ケーシング内に回転可能に設けられた回転軸と、複数のシリンダを有し前記回転軸と一体に回転するシリンダブロックと、前記シリンダブロックの前記シリンダ内に往復動可能に挿嵌された複数のピストンと、前記複数のピストンの先端にそれぞれ設けられた複数のシューと、前記複数のシューが摺動する摺動面を有する斜板と、を備え、前記監視装置は、前記斜板に取付けられ前記斜板の温度を検出する斜板温度センサと、前記斜板温度センサにより検出された前記斜板の温度に基づいて前記シューの摩耗状態を監視する監視部と、を備えることを特徴としている。
本発明の一実施形態によれば、斜板式液圧回転機の作動時におけるシューの摩耗状態を、斜板温度センサによって直接的に検出された斜板の温度に基づいて正確に監視することができる。この結果、摩耗したシューの交換等を適宜に行うことができ、液圧回転機の寿命を延ばすことができる。
本発明の実施形態による液圧回転機システムが搭載された油圧ショベルを示す側面図である。 第1の実施形態による監視装置を、斜板式油圧ポンプと共に示す構成図である。 斜板式油圧ポンプを図2中の矢示III-III方向から見た断面図である。 ピストンおよびシューを示す断面図である。 図4中の矢示V-V方向から見たシューの端面を示す側面図である。 斜板および斜板温度センサを示す一部破断の正面図である。 斜板および斜板温度センサを図6中の矢示VII-VII方向から見た断面図である。 第1の実施形態によるシューの摩耗状態を監視する処理プログラムを示す流れ図である。 第2の実施形態による監視装置を、斜板式油圧ポンプと共に示す構成図である。 第2の実施形態による斜板および斜板温度センサを示す一部破断の正面図である。 第2の実施形態によるシューの摩耗状態を監視する処理プログラムを示す流れ図である。 第3の実施形態による監視装置を、斜板式油圧ポンプと共に示す構成図である。 第3の実施形態による斜板および斜板温度センサを示す一部破断の正面図である。 第3の実施形態によるシューの摩耗状態を監視する処理プログラムを示す流れ図である。 第4の実施形態による監視装置を、2台の斜板式油圧ポンプと共に示す構成図である。 第4の実施形態によるシューの摩耗状態を監視する処理プログラムを示す流れ図である。 変形例によるシューの摩耗状態を監視する処理プログラムを示す流れ図である。
以下、本発明の実施形態による液圧回転機システムを、斜板式油圧ポンプに適用した場合を例に挙げ、図1ないし図17を参照しつつ詳細に説明する。
図1ないし図8は本発明の第1の実施形態を示し、液圧回転機システムは、後述する油圧ポンプ6と監視装置31とを含んで構成されている。建設機械を代表するクローラ式の油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3とを備えている。上部旋回体3の前側には作業装置4が設けられ、油圧ショベル1は、上部旋回体3を旋回させつつ作業装置4を俯仰動させることにより、土砂の掘削作業等を行う。
上部旋回体3には、原動機としてのエンジン5、およびエンジン5によって駆動される油圧ポンプ6、監視装置31等が搭載されている。油圧ポンプ6は、例えば図2および図3に示す可変容量型の斜板式油圧ポンプにより構成されている。油圧ポンプ6は、後述のタンク10に貯留された作動油を吸い込んで加圧し、油圧ショベル1に搭載された走行用油圧モータ、旋回用油圧モータ、油圧シリンダ等の各種の油圧アクチュエータに供給する。油圧ポンプ6は、後述のケーシング7、回転軸11、シリンダブロック13、ピストン15、シュー16、斜板18等によって構成されている。
ケーシング7は、一端側が底部8Aとなった段付筒状のケーシング本体8と、ケーシング本体8の他端側を閉塞するようにケーシング本体8に取付けられたリヤケーシング9とにより構成されている。ケーシング本体8には、ケーシング7内に漏れた作動油をタンク10に戻すドレンポート8Bと、後述する斜板温度センサ32に接続されたケーブル32Aをケーシング7の外部に導出するためのケーブル用ポート8Cが設けられている。
図2に示すように、ドレンポート8Bにはドレンパイプ10Aの一端が接続され、ドレンパイプ10Aの他端はタンク10に接続されている。ケーブル用ポート8Cは、ケーシング本体8のうち後述する斜板18の傾転中心軸Aに対応する部位、即ち、ケーシング本体8のうち傾転中心軸Aと交差する(交わる)部位に形成されている。一方、リヤケーシング9には、油圧ショベル1に搭載された各種の油圧アクチュエータに対して作動油(圧油)を給排させる給排通路9A,9Bが形成されている。
タンク10は、上部旋回体3に搭載され、リヤケーシング9に設けられた給排通路9A,9Bの一方に接続されている。タンク10内には、油圧ショベル1に搭載された各種の油圧アクチュエータに供給される作動油が貯留され、この作動油は、油圧ポンプ6の作動時に後述する複数のシリンダ14に供給される。また、油圧ポンプ6の作動時にケーシング7内に漏れた油は、ドレンポート8Bからドレンパイプ10Aを通じてタンク10に還流する。
回転軸11は、ケーシング7内に回転可能に設けられている。回転軸11の軸方向の一側は、ケーシング本体8の底部8Aに軸受12Aを介して回転可能に支持されている。回転軸11の軸方向の一端11Aは、ケーシング本体8の底部8Aから外部に突出している。回転軸11の軸方向の他端11Bは、リヤケーシング9に軸受12Bを介して回転可能に支持されている。これにより、回転軸11はケーシング7に対し、その軸中心を中心として回転する。回転軸11の一端11Aには、例えば油圧ショベル1のエンジン5が動力伝達機構(図示せず)等を介して連結され、このエンジン5により回転軸11が回転駆動される。回転軸11の軸方向の中間部には、雄スプライン部11Cが設けられている。
シリンダブロック13は、回転軸11の外周側に位置してケーシング7内に回転可能に設けられている。シリンダブロック13には、複数のシリンダ14が穿設されている。シリンダブロック13の軸方向の一側(底部8A側)には、斜板18側に向けて軸方向に突出する筒状突部13Aが一体形成されている。筒状突部13Aの外周側には、後述する球状ガイド20が軸方向に移動可能に挿嵌されている。シリンダブロック13の軸方向の他側(リヤケーシング9側)は、平坦面状の摺動面13Bとなり、この摺動面13Bは後述する弁板22に摺動可能に当接している。
シリンダブロック13の中心部には、軸方向に貫通する軸挿通孔13Cが設けられ、軸挿通孔13Cには回転軸11が挿通されている。軸挿通孔13Cのうち筒状突部13A側の内周面には、雌スプライン部13Dが形成されている。雌スプライン部13Dは、回転軸11の雄スプライン部11Cにスプライン結合されている。これにより、シリンダブロック13は、回転軸11と一体に回転する。
複数のシリンダ14は、シリンダブロック13に形成されている。シリンダ14は、回転軸11を中心にしてシリンダブロック13の周方向に一定の間隔をもって離間し、シリンダブロック13の軸方向に延びている。これら複数のシリンダ14のうち弁板22と対向する一端側は、シリンダブロック13の軸方向一側(筒状突部13A側)の端面に開口している。一方、複数のシリンダ14の他端側には、シリンダポート14Aがそれぞれ形成され、これらのシリンダポート14Aは、弁板22の給排ポート22A,22Bを介してリヤケーシング9の給排通路9A,9Bに対して間欠的に連通,遮断される。
複数のピストン15は、シリンダブロック13に形成された複数のシリンダ14内にそれぞれ摺動可能に挿嵌されている。これらピストン15は、シリンダブロック13の回転によってそれぞれのシリンダ14内を往復動し、シリンダ14内に吸込んだ作動油を加圧して高圧の圧油として吐出させる。複数のピストン15は、シリンダ14から大きく突出(伸長)した下死点と、シリンダ14内へと縮小した上死点との間で往復動する。即ち、複数のピストン15は、シリンダブロック13が回転してシュー16が斜板18の摺動面18Dを摺動する間に、シリンダ14内を上死点から下死点へと摺動変位してシリンダ14内に作動油を吸込む吸入行程と、下死点から上死点へと摺動変位してシリンダ14内の作動油を高圧の圧油として吐出する吐出行程とを繰返す。
複数のシュー16は、シリンダ14から突出したピストン15の先端(突出端)に揺動可能に設けられている。シュー16は、ピストン15からの押付力(油圧力)によって斜板18に押付けられ、この状態で回転軸11、シリンダブロック13およびピストン15と一緒に回転する。これにより、複数のシュー16は、環状の軌跡を描くように斜板18上を摺動する。
図4および図5に示すように、シュー16は、ピストン15の先端に取付けられる球状のピストン取付部16Aと、ピストン取付部16Aに一体形成された円板部16Bとを備えている。円板部16Bは、斜板18の後述する摺動面18Dに当接する斜板摺動面16Cを有し、この斜板摺動面16Cには、斜板18の摺動面18Dとの間で潤滑油を保持する油溝16Dが設けられている。油溝16Dに保持された潤滑油は、静圧軸受となってシュー16の斜板摺動面16Cと斜板18の摺動面18Dとの間を潤滑する。従って、経年変化によって油溝16Dが摩耗すると、潤滑油による静圧軸受の機能が低下してシュー16と摺動面18Dとの間の摩擦熱により、斜板18(摺動面18D)の温度が上昇する。
クレイドル17は、ケーシング本体8の底部8Aに固定され、斜板18を支持している。クレイドル17には、斜板18を傾転可能に支持する一対の凹湾曲面状の傾転摺動面17Aが設けられ、一対の傾転摺動面17Aは、回転軸11を挟んで対向配置されている。
斜板18は、ケーシング7内に傾転可能に設けられている。斜板18の中央部には軸挿通孔18Aが穿設され、この軸挿通孔18Aには回転軸11が挿通されている。斜板18は、ケーシング本体8の底部8Aにクレイドル17を介して支持された斜板本体18Bと、斜板本体18Bに着脱可能(交換可能)に取付けられた摺動板18Cとにより構成されている。摺動板18Cのうち斜板本体18Bとは反対側の面は、複数のシュー16が摺動する摺動面18Dとなっている。
ここで、斜板18(摺動面18D)のピストン15に対する傾斜角度は、斜板傾転機構(図示せず)によって変化し、ピストン15のストロークが斜板18の傾斜角度に応じて変化することにより、油圧ポンプ6の容量が変化する。この場合、斜板18は、クレイドル17の傾転摺動面17Aに支持された状態で傾転中心軸Aを中心として傾転し、ピストン15に対する傾斜角度を変化させる。
また、斜板18には、シリンダブロック13の回転によって複数のピストン15が吸入行程と吐出行程を繰り返すときに、ピストン15に設けられたシュー16からの押圧力が作用する。この場合、複数のピストン15が吐出行程にあるときにシュー16から斜板18に作用する押圧力は、複数のピストン15が吸入行程にあるときにシュー16から斜板18に作用する押圧力よりも大きくなる。従って、斜板18の摺動面18Dは、図6中の二点鎖線で示す仮想線B(斜板18の中心を通って傾転中心軸Aと直交する直線)を挟んで、ピストン15の吐出行程においてシュー16が摺動する高圧側部位18D1と、ピストン15の吸入行程においてシュー16が摺動する低圧側部位18D2とに大別される。
図6および図7に示すように、斜板18には、斜板本体18Bと摺動板18Cとの間に位置して1個の斜板溝18Eが設けられている。斜板溝18Eは、摺動板18Cのうち摺動面18Dとは反対側の面に形成され、摺動板18Cの外周縁から中心部に向けて径方向に延びている。即ち、斜板溝18Eは、斜板本体18Bと摺動板18Cとの当接部に設けられ、斜板18の外周縁に開口した有底な径方向穴として形成されている。斜板溝18Eは、斜板18の傾転中心軸A上となり、かつ、摺動面18Dの高圧側部位18D1に配置されている。この斜板溝18Eの内部には、斜板温度センサ32が取付けられている。
リテーナ19は、シリンダブロック13と斜板18の摺動板18Cとの間に設けられ、複数のシュー16を、斜板18の摺動面18D上で摺動可能に保持している。リテーナ19は環状の板体として形成され、リテーナ19の内周側には、球状ガイド20が摺動可能に嵌合している。リテーナ19には、周方向に間隔をもって複数のシュー保持孔19Aが形成され、これら複数のシュー保持孔19A内には、それぞれシュー16が保持されている。リテーナ19は、後述するスプリング21のばね力により、球状ガイド20を介して複数のシュー16を斜板18の摺動面18Dに押付ける。
球状ガイド20は、シリンダブロック13の筒状突部13Aとリテーナ19の内周との間に設けられている。球状ガイド20の内周側は、筒状突部13Aの外周側に摺動可能に挿嵌され、球状ガイド20の球面状の外周面には、リテーナ19の内周側が揺動(摺動)可能に嵌合している。球状ガイド20は、その内周側が回転軸11の雄スプライン部11スプライン結合され、回転軸11と一体に回転する。
スプリング21は、シリンダブロック13の筒状突部13Aと球状ガイド20との間に設けられている。スプリング21は、例えば複数枚の皿ばねを重合わせることにより構成され、回転軸11の外周側に挿通された状態でシリンダブロック13と球状ガイド20とを互いに逆向きに付勢している。これにより、シリンダブロック13の摺動面13Bが弁板22に押圧されると共に、複数のシュー16が、球状ガイド20およびリテーナ19を介して斜板18の摺動面18Dに押圧される。
弁板22は、リヤケーシング9に固定され、シリンダブロック13の摺動面13Bに摺接する切換弁板を構成している。弁板22には、回転軸11の周囲に配置された眉形状をなす一対の給排ポート22A,22Bが形成されている。給排ポート22A,22Bのうち一方のポートは高圧側の吐出ポートとなり、他方のポートは低圧側の吸込ポートとなっている。これら一対の給排ポート22A,22Bは、シリンダブロック13の回転によってシリンダ14のシリンダポート14Aと間欠的に連通する。
油圧ポンプ6の回転軸11が回転すると、回転軸11と一体にシリンダブロック13が回転する。このとき、シリンダブロック13の複数のシリンダ14内にそれぞれ設けられた複数のピストン15は、その先端に取付けられたシュー16が斜板18の摺動面18D上を摺動することにより、斜板18の傾転角に対応したストローク量をもってシリンダ14内を往復動する。これにより、複数のピストン15は、例えば給排通路9A側からシリンダ14内に吸込んだ作動油を加圧し、高圧の圧油として給排通路9B側に吐出する。
次に、本実施形態に用いられる油圧ポンプ6の監視装置31について説明する。
監視装置31は、油圧ポンプ6と共に油圧ショベル1の上部旋回体3に設けられ、油圧ポンプ6の故障の原因となるシュー16の摩耗状態を、斜板18の温度に基づいて監視する。監視装置31は、後述する斜板温度センサ32、油温センサ35、監視部36、送信機37を含んで構成されている。
斜板温度センサ32は、斜板18の摺動板18Cに取付けられている。斜板温度センサ32は、例えばK熱電対により構成され、油圧ポンプ6の作動時に斜板18の摺動板18Cの温度(プレート温度)を検出し、検出した温度に応じた信号を監視部36に出力する。図6および図7に示すように、斜板温度センサ32は、斜板18の摺動板18Cに設けられた斜板溝18E内に、はんだ等の結合材を用いて固定(接着)され、さらに耐熱接着剤、耐熱セメント等の断熱材33によって覆われている。斜板温度センサ32に接続されたケーブル32Aは、ケーシング本体8のケーブル用ポート8Cを通じてケーシング7の外部に導出され、監視部36に接続されている。ケーブル用ポート8Cは、封止栓34によって封止されている。
この場合、斜板18の斜板溝18Eは、斜板18の傾転中心軸A上に配置され、ケーブル用ポート8Cは、ケーシング本体8のうち傾転中心軸Aと交差する部位に形成されている。従って、斜板温度センサ32のケーブル32Aは、斜板18の傾転動作によって捩じれることなく、ケーブル用ポート8Cを通じてケーシング7の外部に導出される。一方、斜板18の斜板溝18Eは、摺動面18Dの高圧側部位18D1に配置されている。従って、複数のピストン15が吐出行程にあるときにシュー16から摺動面18Dに作用する押圧力が大きく、シュー16との摩擦熱がより大きくなる高圧側部位18D1の摩擦熱を、摺動面18Dに近い斜板溝18E内に取付けられた斜板温度センサ32によって精度良く検出できる構成となっている。
油温センサ35は、例えばタンク10内に設けられている。油温センサ35は、例えばK熱電対により構成され、油圧ポンプ6の作動時にタンク10内に貯留された作動油の温度(作動油温度)を検出し、検出した温度に応じた信号を監視部36に出力する。
監視部36は、例えばマイクロコンピュータからなる演算部、メモリ、信号を受信する入力部、信号を発信する出力部(いずれも図示せず)等を備えている。監視部36の入力部には、斜板温度センサ32、油温センサ35等が接続されている。一方、監視部36の出力部には、送信機37が接続されている。監視部36のメモリには、例えば図8に示す処理プログラム、即ち、斜板18の温度とタンク10内の作動油の温度との温度差に基づいてシュー16の摩耗状態を監視し、油圧ポンプ6に異常があるか否かの判定を送信機37に出力するための処理プログラム等が格納されている。
送信機37は、例えば監視部36と共に上部旋回体3に搭載されている。送信機37は、監視部36から油圧ポンプ6に異常があるか否かの判定結果が出力されたときに、この判定結果を外部の管理センター等(図示せず)に無線通信によって送信する。また、送信機37は、例えばシュー16の摩耗状態、斜板18の温度等の他の情報も管理センターに送信する。これにより、管理センターに送信された情報に基づいて、油圧ポンプ6の修理、交換だけでなく、シュー16、斜板18等の部品交換を適宜に行うことができる構成となっている。
本実施形態による液圧回転機システムは、上述の如き監視装置31を有するもので、以下、監視装置31が、油圧ポンプ6の作動時にシュー16の摩耗状態を監視し、油圧ポンプ6に異常があるか否かを判定する動作について、図8を参照して説明する。
まず、エンジン5が作動して油圧ポンプ6の回転軸11が回転すると、シリンダブロック13が回転する。このとき、複数のピストン15は、その先端に取付けられたシュー16が斜板18の摺動面18D上を摺動することにより、斜板18の傾転角に対応したストローク量をもってシリンダブロック13のシリンダ14内を往復動する。これにより、複数のピストン15は、例えば給排通路9A側からシリンダ14内に吸込んだ作動油を加圧し、高圧の圧油として給排通路9B側に吐出する。このように、複数のピストン15は、シリンダブロック13の回転に伴い、シリンダ14内を上死点から下死点へと摺動変位してシリンダ14内に作動油を吸込む吸入行程と、下死点から上死点へと摺動変位してシリンダ14内の作動油を高圧の圧油として吐出する吐出行程とを繰返す。
油圧ポンプ6の作動時において、監視装置31を構成する監視部36は、斜板18の温度とタンク10内の作動油の温度との温度差に基づいてシュー16の摩耗状態を監視する処理プログラム(図8参照)を実行する。
この処理プログラムは、例えばエンジン5の始動によってスタートし、ステップS1において、エンジン5の回転数に応じた基準温度差T1を設定する。基準温度差T1は、油圧ポンプ6が異常なく作動している場合における、斜板18の温度(プレート温度)Tp1と、タンク10内の作動油の温度(作動油温度)Tt1との温度差である。この基準温度差T1は、エンジン5が3段階のエンジン回転数(省エネモード、通常モード、ハイパワーモード)で作動する場合には、これら3段階のエンジン回転数に応じてそれぞれ設定される。
ステップS2では、斜板温度センサ32によって検出されたプレート温度Tp1と、油温センサ35によって検出されたタンク10内の作動油温度Tt1とを読み込む。続くステップS3では、プレート温度Tp1と作動油温度Tt1との温度差ΔT1を算出し、ステップS4に進む。
ステップS4では、プレート温度Tp1と作動油温度Tt1との温度差ΔT1が、基準温度差T1よりも大きいか否かを判定する(T1<ΔT1)。ステップS4で「NO」と判定した場合には、温度差ΔT1が基準温度差T1よりも小さく、シュー16と斜板18(摺動面18D)との間に生じる摩擦熱は低い。従って、シュー16(斜板摺動面16C)の摩耗状態は適正であると判定され、ステップS5に進む。
ステップ5では、送信機37に対して油圧ポンプ6に異常がないとする判定結果を出力する。これにより、送信機37は、油圧ポンプ6に異常がないとの判定結果を、外部の管理センターに送信する。また、送信機37は、例えばシュー16の摩耗状態、斜板18の温度等の他の情報も管理センターに送信する。これにより、例えばシュー16、斜板18等の部品の交換時期を的確に把握することができる。
一方、ステップS4で「YES」と判定した場合には、温度差ΔT1が基準温度差T1よりも大きく、シュー16と斜板18(摺動面18D)との間に生じる摩擦熱が高い。従って、シュー16(斜板摺動面16C)の摩耗状態が進行していると判定されるので、ステップS6に進む。
ステップS6では、送信機37に対して油圧ポンプ6に異常が発生したとする判定結果を出力する。これにより、送信機37は、油圧ポンプ6に異常が発生したとの判定結果を、外部の管理センターに送信する。これにより、例えば管理センターから油圧ショベル1のオペレータに対し、油圧ショベル1を停止させる指示を送ることにより、油圧ポンプ6が損傷するのを未然に防止することができる。
このように、監視装置31は、斜板温度センサ32によって斜板18の温度を直接的に検出し、この斜板18の温度とタンク10内の作動油の温度との温度差に基づいて、油圧ポンプ6の作動時におけるシュー16の摩耗状態を正確に検出することができる。この結果、シュー16の摩耗に伴う油圧ポンプ6の異常を早期にかつ正確に判断することができる。
ここで、シュー16の摩耗状態を、斜板18の温度とタンク10内の作動油の温度との温度差に基づいて判定する理由について説明する。まず、斜板18の温度(プレート温度)は、斜板18とシュー16との間の摩擦熱に加え、タンク10内の作動油の温度(作動油温度)の上昇に伴って上昇する。従って、プレート温度は、作動油温度が高くなる環境下(油圧ポンプ6が長時間に亘って稼働している場合等)においては温度上昇の幅が大きくなる。このため、斜板18とシュー16との摩擦熱によるプレート温度を正確に検出することができず、プレート温度のみに基づいてシュー16の摩耗状態を正確に検出することは難しい。
これに対し、シュー16の摩耗状態が適正である場合には、タンク10内の作動油の温度(作動油温度)と斜板18の温度(プレート温度)との温度差は、作動油温度の変化に関わらずほぼ一定値を維持する。このため、斜板温度センサ32により検出された斜板18の温度と、油温センサ35により検出されたタンク10内の油液の温度との温度差に基づいてシュー16の摩耗状態を監視することにより、作動油温度が高くなる環境下においてもシュー16の摩耗状態を正確に検出することができる。
かくして、本実施形態による液圧回転機システムは、斜板式の油圧ポンプ6と監視装置31とを備え、油圧ポンプ6は、ケーシング7と、ケーシング7内に回転可能に設けられた回転軸11と、複数のシリンダ14を有し回転軸11と一体に回転するシリンダブロック13と、シリンダブロック13のシリンダ14内に往復動可能に挿嵌された複数のピストン15と、複数のピストン15の先端にそれぞれ設けられた複数のシュー16と、複数のシュー16が摺動する摺動面18Dを有する斜板18と、を備え、監視装置31は、斜板18に取付けられ斜板18の温度を検出する斜板温度センサ32と、斜板温度センサ32により検出された斜板18の温度に基づいてシュー16の摩耗状態を監視する監視部36とを備えている。
この構成によれば、斜板温度センサ32によって斜板18の温度を直接的に検出することができるので、油圧ポンプ6の作動時におけるシュー16の摩耗状態を、斜板18の温度に基づいて正確に監視することができる。この結果、シュー16の摩耗に伴う油圧ポンプ6の異常を早期にかつ正確に判断することができるので、摩耗したシュー16等の部品交換を適宜に行うことができ、油圧ポンプ6の寿命を延ばすことができる。
実施形態では、監視装置31は、監視部36によって監視されるシュー16の摩耗状態を外部に送信する送信機37を備えている。この構成によれば、例えば外部の管理センターに送信された監視部36からの情報に基づいて、油圧ポンプ6、シュー16、斜板18等の経年変化を監視し、これら油圧ポンプ6、シュー16、斜板18等の交換を適切なタイミングで行うことができる。
実施形態では、油圧ポンプ6の斜板18は、ピストン15に対する傾斜角度が傾転中心軸Aを中心として可変に構成され、監視装置31の斜板温度センサ32は、傾転中心軸A上で斜板18に取付けられ、監視装置31は、ケーシング7のうち傾転中心軸Aに対応する部位に設けられ、斜板温度センサ32と監視部36との間を接続するケーブル32Aをケーシング7の外部に導出するケーブル用ポート8Cを含んでいる。この構成によれば、斜板温度センサ32のケーブル32Aを、斜板18の傾転動作によって捩じれることなく、ケーブル用ポート8Cを通じてケーシング7の外部に導出することができる。
実施形態では、油圧ポンプ6の複数のピストン15は、シュー16が斜板18の摺動面18Dを摺動する間にシリンダ14内に油液を吸込む吸入行程と、シリンダ14内に吸込んだ油液を加圧して吐出する吐出行程とを繰り返し、監視装置31の斜板温度センサ32は、斜板18のうち複数のピストン15が吐出行程にあるときにシュー16からの押圧力が作用する高圧側部位18D1に設けられている。この構成によれば、油圧ポンプ6の作動時には、斜板18(摺動面18D)のうち高圧側部位18D1とシュー16との摩擦熱がより大きくなるので、この高圧側部位18D1に設けられた斜板温度センサ32によって、斜板18の温度を精度良く検出することができる。
実施形態では、油圧ポンプ6の斜板18は、ケーシング7に支持された斜板本体18Bと、斜板本体18Bに取付けられ摺動面18Dを有する摺動板18Cとにより構成され、摺動板18Cと斜板本体18Bとの間には、摺動面18Dとは反対側に位置して斜板溝18Eが形成され、監視装置31の斜板温度センサ32は、斜板溝18E内に設けられている。この構成によれば、複数のシュー16が摺動する摺動板18Cの実際の温度を、斜板温度センサ32によって直接的に検出することができるので、例えばシュー16と斜板18との間に生じる摩擦熱に基づいてシュー16の摩耗状態を正確に検出することができる。
実施形態では、監視装置31は、タンク10内に貯留され複数のシリンダ14に供給される油液の温度を検出する油温センサ35を含み、監視部36は、斜板温度センサ32により検出された斜板18の温度と油温センサ35により検出されたタンク10内の油液の温度との温度差に基づいてシュー16の摩耗状態を監視する。この構成によれば、タンク10内の作動油の温度と斜板18の温度との温度差は、作動油温度の変化に関わらずほぼ一定値を維持するため、斜板温度センサ32により検出された斜板18の温度と、油温センサ35により検出されたタンク10内の油液の温度との温度差に基づいてシュー16の摩耗状態を監視することにより、作動油温度が高くなる環境下においてもシュー16の摩耗状態を正確に判定することができる。
次に、図9ないし図11は本発明の第2の実施形態を示し、本実施形態の特徴は、監視装置が、複数(例えば3個)の斜板温度センサを備えていることにある。なお、本実施形態では、第1の実施形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略する。
第2の実施形態に用いられる油圧ポンプ41は、第1の実施形態による油圧ポンプ6と同様に、ケーシング7、回転軸11、シリンダブロック13、ピストン15、シュー16等によって構成されるものの、後述する斜板42の構成が、第1の実施形態による斜板18とは異なっている。また、第2の実施形態に用いられる監視装置43は、第1の実施形態による監視装置31と同様に、油温センサ35、監視部36、送信機37を含んで構成されている。しかし、監視装置43は、3個の斜板温度センサ44,45,46を備えている点で、第1の実施形態による監視装置31とは異なっている。
斜板42は、第1の実施形態による斜板18と同様に、傾転中心軸Aを中心として傾転することにより、ピストン15に対する傾斜角度を変化させる。斜板42は、中心部に軸挿通孔42Aが設けられ、ケーシング本体8に支持された斜板本体42Bと、斜板本体42Bに着脱可能に取付けられた摺動板42Cとにより構成されている。摺動板42Cは、複数のシュー16が摺動する摺動面42Dを有し、摺動面42Dは、図10中の二点鎖線で示す仮想線B(斜板42の中心を通って傾転中心軸Aと直交する直線)を挟んで、高圧側部位42D1と、低圧側部位42D2とに大別される。
斜板42には、斜板本体42Bと摺動板42Cとの間に位置して3個の斜板溝42E,42F,42Gが設けられている。これら3個の斜板溝42E,42F,42Gは、摺動板42Cのうち摺動面42Dとは反対側の面に間隔をもって形成されている。斜板溝42Eは、斜板42の傾転中心軸A上に配置され、斜板溝42F,42Gは、斜板溝42Eを挟んで両側に配置されている。また、3個の斜板溝42E,42F,42Gは、摺動面42Dの高圧側部位42D1に配置されている。
監視装置43は、3個の斜板温度センサ44,45,46、油温センサ35、監視部36、送信機37を含んで構成されている。3個の斜板温度センサ44,45,46は、それぞれ斜板42の温度を検出し、温度に応じた検出信号を監視部36に出力する。斜板温度センサ44は、斜板溝42E内に設けられ、斜板温度センサ45は、斜板溝42F内に設けられ、斜板温度センサ46は、斜板溝42G内に設けられ、それぞれ断熱材33によって覆われている。
3個の斜板温度センサ44,45,46に接続されたケーブル44A,45A,46Aは、例えば結束具(図示せず)を用いて結束された状態で、ケーシング本体8のケーブル用ポート8Cを通じてケーシング7の外部に導出される。ケーシング7の外部に導出されたケーブル44A,45A,46Aは、監視部36の入力側に接続されている。
第2の実施形態による液圧回転機システムは、上述の如き監視装置43を有するもので、以下、監視装置43が、油圧ポンプ41の作動時にシュー16の摩耗状態を監視し、油圧ポンプ41に異常があるか否かを判定する動作について、図11を参照して説明する。
図11は、監視装置43の監視部36が、3個の斜板温度センサ44,45,46によって検出された斜板42の温度と、タンク10内の作動油の温度との温度差に基づいてシュー16の摩耗状態を監視する処理プログラムを示している。
図11に示す処理プログラムがスタートすると、ステップS11において、エンジン5の回転数に応じた3種類の基準温度差T2、T3、T4を設定する。基準温度差T2は、油圧ポンプ6が異常なく作動している場合に斜板温度センサ44によって検出される斜板42のプレート温度Tp2と、作動油温度Tt2との温度差である。基準温度差T3は、油圧ポンプ6が異常なく作動している場合に斜板温度センサ45によって検出される斜板42のプレート温度Tp3と、作動油温度Tt2との温度差である。基準温度差T4は、油圧ポンプ6が異常なく作動している場合に斜板温度センサ46によって検出される斜板42のプレート温度Tp4と、作動油温度Tt2との温度差である。
ステップS12では、斜板温度センサ44,45,46によって検出されたプレート温度Tp2,Tp3,Tp4と、油温センサ35によって検出された作動油温度Tt2とを読み込む。続くステップS13では、プレート温度Tp2と作動油温度Tt2との温度差ΔT2、プレート温度Tp3と作動油温度Tt2との温度差ΔT3、プレート温度Tp4と作動油温度Tt2との温度差ΔT4を算出し、ステップS14に進む。
ステップS14では、温度差ΔT2が基準温度差T2よりも大きく(T2<ΔT2)、かつ、温度差ΔT3が基準温度差T3よりも大きく(T3<ΔT3)、かつ、温度差ΔT4が基準温度差T4よりも大きい(T4<ΔT4)か否かを判定する。ステップS14で「NO」と判定した場合には、3個の斜板温度センサ44,45,46によって検出された斜板42のプレート温度Tp2,Tp3,Tp4と作動油温度Tt2との温度差ΔT2,ΔT3,ΔT4のうち少なくとも1つの温度差が、対応する基準温度差T2,T3,T4よりも小さい。この場合には、シュー16と斜板42との間に生じる摩擦熱は低く、シュー16の摩耗状態は適正であると判定され、ステップS15に進む。
ステップ15では、送信機37に対して油圧ポンプ41に異常がないとする判定結果を出力する。送信機37は、この判定結果を外部の管理センターに送信する。また、送信機37は、例えばシュー16の摩耗状態、斜板42の温度等の他の情報も管理センターに送信する。これにより、例えばシュー16、斜板42等の部品の交換時期を的確に把握することができる。
さらに、送信機37は、プレート温度Tp2,Tp3,Tp4のうち作動油温度Tt2との温度差が基準温度差を超えるプレート温度があった場合には、この基準温度差を超えるプレート温度を検出した斜板温度センサを管理センターに送信する。これにより、斜板温度センサ44,45,46の故障の有無を確認し、故障した斜板温度センサに対する修理、交換等を迅速に行うことができる。
一方、ステップS14で「YES」と判定した場合には、3個の斜板温度センサ44,45,46によって検出された斜板42のプレート温度Tp2,Tp3,Tp4と作動油温度Tt2との温度差ΔT2,ΔT3,ΔT4が、基準温度差T2,T3,T4よりも大きい。この場合には、シュー16と斜板42との間に生じる摩擦熱が高く、シュー16の摩耗状態が進行していると判定されるので、ステップS16に進む。ステップS16では、送信機37に対して油圧ポンプ41に異常が発生したとする判定結果を出力する。送信機37は、この判定結果を外部の管理センターに送信する。
第2の実施形態による液圧回転システムは、上述の如き監視装置43を有するもので、その基本的な作用効果については、第1の実施形態による監視装置31と同様である。然るに、本実施形態による監視装置43は、複数(例えば3個)の斜板温度センサ44,45,46を用いることにより、仮に斜板温度センサ44,45,46のいずれかが故障した場合でも、残りの正常な斜板温度センサを用いて斜板42のプレート温度を検出することができ、シュー16の摩耗状態を継続して監視することができる。
次に、図12ないし図14は本発明の第3の実施形態を示し、本実施形態の特徴は、斜板温度センサが、斜板の摺動面の高圧側部位と低圧側部位とにそれぞれ設けられていることにある。なお、本実施形態では、第1の実施形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略する。
第3の実施形態に用いられる油圧ポンプ51は、第1の実施形態による油圧ポンプ6と同様に、ケーシング7、回転軸11、シリンダブロック13、ピストン15、シュー16等によって構成されるものの、後述する斜板52の構成が、第1の実施形態による斜板18とは異なっている。また、第3の実施形態に用いられる監視装置53は、油温センサを備えておらず、後述する高圧側斜板温度センサ54、低圧側斜板温度センサ55、監視部36、送信機37を含んで構成されている点で、第1の実施形態による監視装置31とは異なっている。
斜板52は、傾転中心軸Aを中心として傾転することにより、ピストン15に対する傾斜角度を変化させる。斜板52は、中心部に軸挿通孔52Aが設けられ、斜板本体52Bと摺動板52Cとにより構成されている。摺動板52Cは、複数のシュー16が摺動する摺動面52Dを有し、摺動面52Dは、図13中の二点鎖線で示す仮想線B(斜板52の中心を通って傾転中心軸Aと直交する直線)を挟んで、高圧側部位52D1と、低圧側部位52D2とに大別される。
斜板52には、斜板本体52Bと摺動板52Cとの間に位置して2個の斜板溝52E,52Fが設けられている。2個の斜板溝52E,52Fは、摺動板52Cのうち摺動面52Dとは反対側の面に間隔をもって形成されている。一方の斜板溝52Eは、摺動面52Dの高圧側部位52D1に設けられ、他方の斜板溝52Fは、摺動面52Dの低圧側部位52D2に設けられ、これら2個の斜板溝52E,52Fは、斜板52の傾転中心軸A上に配置されている。
監視装置53は、高圧側斜板温度センサ54、低圧側斜板温度センサ55、監視部36、送信機37を含んで構成されている。高圧側斜板温度センサ54は、斜板溝52E内に設けられ、斜板52(摺動面52D)の高圧側部位52D1の温度に応じた検出信号を監視部36に出力する。低圧側斜板温度センサ55は、斜板溝52F内に設けられ、斜板52(摺動面52D)の低圧側部位52D2の温度に応じた検出信号を監視部36に出力する。ここで、油圧ポンプ51の作動時にシュー16が異常摩耗を生じた場合には、斜板52の高圧側部位52D1とシュー16との間に生じる摩擦熱が、斜板52の低圧側部位52D2とシュー16との間に生じる摩擦熱よりも高くなり、両者の温度差はシュー16の摩耗状態に応じて変化する。
高圧側斜板温度センサ54に接続されたケーブル54A、および低圧側斜板温度センサ55に接続されたケーブル55Aは、例えば結束具(図示せず)を用いて結束された状態で、ケーシング本体8のケーブル用ポート8Cを通じてケーシング7の外部に導出される。そして、ケーシング7の外部に導出されたケーブル54A,55Aは、監視部36の入力側に接続されている。
第3の実施形態による液圧回転機システムは、上述の如き監視装置53を有するもので、以下、監視装置53が、油圧ポンプ51の作動時にシュー16の摩耗状態を監視し、油圧ポンプ51に異常があるか否かを判定する動作について、図14を参照して説明する。
図14は、監視装置53の監視部36が、高圧側斜板温度センサ54によって検出された斜板52の高圧側部位52D1の温度と、低圧側斜板温度センサ55によって検出された斜板52の低圧側部位52D2の温度との温度差に基づいてシュー16の摩耗状態を監視する処理プログラムを示している。
図14に示す処理プログラムがスタートすると、ステップS21において、エンジン5の回転数に応じた基準温度差T5を設定する。基準温度差T5は、油圧ポンプ6が異常なく作動している場合に、高圧側斜板温度センサ54によって検出される斜板52の高圧側部位52D1のプレート温度Tp5と、低圧側斜板温度センサ55によって検出される斜板52の低圧側部位52D2のプレート温度Tp6との温度差である。
ステップS22では、高圧側斜板温度センサ54によって検出されたプレート温度Tp5と、低圧側斜板温度センサ55によって検出されたプレート温度Tp6とを読み込む。続くステップS23では、高圧側部位52D1のプレート温度Tp5と、低圧側部位52D2のプレート温度Tp6との温度差ΔT5を算出し、ステップS24に進む。
ステップS24においては、温度差ΔT5が基準温度差T5よりも大きいか否かを判定する(T5<ΔT5)。ステップS24で「NO」と判定した場合には、斜板52の高圧側部位52D1のプレート温度Tp5と、斜板52の低圧側部位52D2のプレート温度Tp6との温度差ΔT5が、基準温度差T5よりも小さい。このため、シュー16と斜板52との間に生じる摩擦熱は低く、シュー16の摩耗状態は適正であると判定され、ステップS25に進む。
ステップS25では、送信機37に対して油圧ポンプ51に異常がないとする判定結果を出力する。送信機37は、この判定結果を外部の管理センターに送信する。また、送信機37は、例えばシュー16の摩耗状態、斜板52の温度等の他の情報も管理センターに送信する。
一方、ステップS24で「YES」と判定した場合には、斜板52の高圧側部位52D1のプレート温度Tp5と、斜板52の低圧側部位52D2のプレート温度Tp6との温度差ΔT5が、基準温度差T5よりも大きい。この場合には、シュー16と斜板52との間に生じる摩擦熱が高く、シュー16の摩耗状態が進行していると判定されるので、ステップS26に進む。ステップS26では、送信機37に対して油圧ポンプ51に異常が発生したとする判定結果を出力する。送信機37は、この判定結果を外部の管理センターに送信する。
第3の実施形態による液圧回転機システムは、上述の如き監視装置53を有するもので、この監視装置53を用いた場合でも、第1の実施形態による監視装置31を用いた場合と同様の作用効果を得ることができる。
次に、図15および図16は本発明の第4の実施形態を示し、本実施形態の特徴は、複数の油圧ポンプを構成する斜板に対し、それぞれ斜板温度センサが取付けられ、これら複数の斜板温度センサによって検出された斜板の温度に基づいて油圧ポンプに異常があるか否かを検出することにある。なお、本実施形態では、第1の実施形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略する。
第4の実施形態では、油圧ショベルに複数の油圧ポンプ、例えば第1,第2の油圧ポンプ61,62が搭載されている場合に、これら第1,第2の油圧ポンプ61,62に対して監視装置63が設けられている。第1油圧ポンプ61と第2油圧ポンプ62とは同一構造を有し、第1の実施形態による油圧ポンプ6と同様に、ケーシング7、回転軸11、シリンダブロック13、ピストン15、シュー16等によって構成されている。
第4の実施形態に用いられる監視装置63は、油温センサを備えておらず、第1油圧ポンプ61に設けられた第1斜板温度センサ32′、第2油圧ポンプ62に設けられた第2斜板温度センサ32″、監視部36、送信機37を含んで構成されている。
第1油圧ポンプ61に設けられた第1斜板温度センサ32′は、第1油圧ポンプ61の斜板18(摺動面18D)の温度を検出し、この温度に応じた検出信号を監視部36に出力する。第2油圧ポンプ62に設けられた第2斜板温度センサ32″は、第2油圧ポンプ62の斜板18(摺動面18D)の温度を検出し、この温度に応じた検出信号を監視部36に出力する。監視部36は、第1斜板温度センサ32′によって検出された第1油圧ポンプ61の斜板18の温度と、第2斜板温度センサ32″によって検出された第2油圧ポンプ62の斜板18の温度との比較に基づいて、第1,第2の油圧ポンプ61,62の故障を監視する。
図16は、監視装置63の監視部36が、第1斜板温度センサ32′によって検出された第1油圧ポンプ61の斜板18の温度と、第2斜板温度センサ32″によって検出された第2油圧ポンプ62の斜板18の温度との温度差に基づいて、第1,第2の油圧ポンプ61,62に設けられたシュー16の摩耗状態を監視する処理プログラムを示している。
図16に示す処理プログラムがスタートすると、ステップS31において、エンジン5の回転数に応じた基準温度差T6を設定する。基準温度差T6は、第1油圧ポンプ61が異常なく作動している場合に、第1斜板温度センサ32′によって検出される第1油圧ポンプ61の斜板18のプレート温度Tp7と、第2斜板温度センサ32″によって検出される第2油圧ポンプ62の斜板18のプレート温度Tp8との温度差である。
ステップS32では、第1斜板温度センサ32′によって検出された第1油圧ポンプ61の斜板18のプレート温度Tp7と、第2斜板温度センサ32″によって検出された第2油圧ポンプ62の斜板18のプレート温度Tp8とを読込む。続くステップS33では、プレート温度Tp7とプレート温度Tp8との温度差ΔT6(ΔT6=Tp7-Tp8)を算出し、ステップS34に進む。
ステップS34においては、温度差ΔT6の絶対値|ΔT6|が基準温度差T6よりも大きいか否かを判定する(|ΔT6|>T6)。ステップS34で「NO」と判定した場合には、プレート温度Tp7とプレート温度Tp8との温度差の絶対値|ΔT6|が、基準温度差T6よりも小さい。このため、第1油圧ポンプ61に設けられたシュー16の摩耗状態、および第2油圧ポンプ62に設けられたシュー16の摩耗状態は適正であると判定され、ステップS35に進む。
ステップS35では、送信機37に対して第1,第2の油圧ポンプ61,62のいずれにも異常がないとする判定結果を出力する。送信機37は、この判定結果を外部の管理センターに送信する。また、送信機37は、例えば第1,第2の油圧ポンプ61,62に設けられたシュー16の摩耗状態、斜板18の温度等の他の情報も管理センターに送信する。
一方、ステップS34で「YES」と判定した場合には、温度差ΔT6の絶対値|ΔT6|が基準温度差T6よりも大きい。この場合には、第1油圧ポンプ61の斜板18とシュー16との間に生じた摩擦熱と、第2油圧ポンプ62の斜板18とシュー16との間に生じた摩擦熱のどちらが高温であるかを判定するため、ステップS36に進む。ステップS36では、温度差ΔT6が0(零)よりも大きいか否かを判定する(ΔT6>0)。
ステップS36で「NO」と判定した場合には、プレート温度Tp8がプレート温度Tp7よりも高く、第2油圧ポンプ62に設けられたシュー16と斜板18との間に生じる摩擦熱が高い。従って、第2油圧ポンプ62のシュー16の摩耗状態が進行していると判定されるので、ステップS37に進む。ステップS37では、送信機37に対して第2油圧ポンプ62に異常が発生したとする判定結果を出力する。送信機37は、この判定結果を外部の管理センターに送信する。
一方、ステップS36で「YES」と判定した場合には、プレート温度Tp7がプレート温度Tp8よりも高く、第1油圧ポンプ61に設けられたシュー16と斜板18との間に生じる摩擦熱が高い。従って、第1油圧ポンプ61のシュー16の摩耗状態が進行していると判定されるので、ステップS38に進む。ステップS38では、送信機37に対して第1油圧ポンプ61に異常が発生したとする判定結果を出力する。送信機37は、この判定結果を外部の管理センターに送信する。
第4の実施形態による液圧回転機システムは、上述の如き監視装置63を有するもので、油圧ショベルに第1,第2の油圧ポンプ61,62からなる複数の油圧ポンプが搭載されている場合でも、1台の監視装置63を用いて第1,第2の油圧ポンプ61,62の故障を監視することができる。
ここで、第4の実施形態では、第1,第2の斜板温度センサ32′,32″によって検出された第1,第2の油圧ポンプ61,62のプレート温度に基づいて、2台の油圧ポンプ61,62のシュー16の摩耗状態を監視する場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図17に示す変形例の処理プログラムを用いることにより、3台以上の油圧ポンプのシュー16の摩耗状態を監視することができる。
図17は、3台以上(n台)の油圧ポンプにそれぞれ斜板温度センサを取付け、これら複数の斜板温度センサによってそれぞれ検出されたプレート温度に基づいて、複数の油圧ポンプのシュー16の摩耗状態を監視する処理プログラムを示している。なお、図17に示す処理プログラムは、同時に2台以上の油圧ポンプに異常が生じないことを前提としている。
図17に示す処理プログラムがスタートすると、ステップS41において、エンジン5の回転数に応じた基準温度差Tsを設定する。ステップS42では、斜板温度センサによってそれぞれ検出された第1油圧ポンプ,第2油圧ポンプ,・・・第n油圧ポンプのプレート温度Tp1,Tp2,・・・Tpnを読込む。ステップS43では、読込んだ複数のプレート温度の最大値TpMaxを抽出し、ステップS44では、最大値TpMaxを除いたプレート温度の平均値TpAveを算出する。
ステップS45では、プレート温度の最大値TpMaxと平均値TpAveとの温度差が、基準温度差Tsよりも大きいか否かを判定する。ステップS45で「NO」と判定した場合には、複数の油圧ポンプのそれぞれについて、シュー16と斜板18との間に生じる摩擦熱が低く、シュー16の摩耗状態は適正であると考えられる。このため、ステップS46において、送信機37に対して複数の油圧ポンプのいずれも異常がないとする判定結果を出力する。
一方、ステップS45で「YES」と判定した場合には、プレート温度が最大値TpMaxとなった油圧ポンプは、シュー16と斜板18との間に生じる摩擦熱が高く、シュー16の摩耗状態が進行していると考えられる。このため、ステップS47において、送信機37に対し、プレート温度が最大値TpMaxとなった油圧ポンプに異常があるとする判定結果を出力する。かくして、3台以上の油圧ポンプについても、斜板温度センサによってそれぞれ検出されたプレート温度に基づいて、シュー16の摩耗状態を監視することができる。
なお、第1の実施形態では、監視部36による油圧ポンプ6に異常があるか否かの判定結果が、送信機37から管理センターに送信される場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、監視部36による判定結果を、例えば油圧ショベル1のキャブ内に設けられたモニタ装置や警報機(いずれも図示せず)に出力することにより、オペレータに直接的に報知する構成としてもよい。
また、第3の実施形態では、高圧側斜板温度センサ54のケーブル54Aと低圧側斜板温度センサ55のケーブル55Aとを、結束具を用いて結束した状態で、ケーシング本体8のケーブル用ポート8Cを通じてケーシング7の外部に導出した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えばケーシング本体8のうちケーブル用ポート8Cとは反対側に、斜板18の傾転中心軸Aと交わる他のケーブル用ポートを設け、低圧側斜板温度センサ55のケーブル55Aを前記他のケーブル用ポートを通じてケーシング7の外部に導出する構成としてもよい。
さらに、実施形態では、斜板式液圧回転機として可変容量型の斜板式油圧ポンプ6を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば固定容量型の斜板式油圧ポンプ、あるいは斜板式油圧モータにも適用することができる。
1 油圧ショベル
2 下部走行体(車体)
3 上部旋回体(車体)
4 作業装置
6,41,51 油圧ポンプ
7 ケーシング
8C ケーブル用ポート
10 タンク
11 回転軸
13 シリンダブロック
15 ピストン
16 シュー
18,42,52 斜板
18D,42D,52D 摺動面
18D1,42D1,52D1 高圧側部位
18D2,42D2,52D2 低圧側部位
18E,42E,42F,42G,52E,52F 斜板溝
31,43,53,63 監視装置
32,44,45,46 斜板温度センサ
32′ 第1斜板温度センサ
32″ 第2斜板温度センサ
32A,44A,45A,46A,54A,55A ケーブル
36 監視部
37 送信機
54 高圧側斜板温度センサ
55 低圧側斜板温度センサ
61 第1油圧ポンプ
62 第2油圧ポンプ

Claims (9)

  1. 斜板式液圧回転機と、前記斜板式液圧回転機の監視を行う監視装置とを備えた液圧回転機システムであって、
    前記斜板式液圧回転機は、ケーシングと、前記ケーシング内に回転可能に設けられた回転軸と、複数のシリンダを有し前記回転軸と一体に回転するシリンダブロックと、前記シリンダブロックの前記シリンダ内に往復動可能に挿嵌された複数のピストンと、前記複数のピストンの先端にそれぞれ設けられた複数のシューと、前記複数のシューが摺動する摺動面を有する斜板と、を備え、
    前記監視装置は、前記斜板に取付けられ前記斜板の温度を検出する斜板温度センサと、
    前記斜板温度センサにより検出された前記斜板の温度に基づいて前記シューの摩耗状態を監視する監視部と、を備えることを特徴とする液圧回転機システム。
  2. 前記監視装置は、前記監視部によって監視される前記シューの摩耗状態を外部に送信する送信機を備えることを特徴とする請求項1に記載の液圧回転機システム。
  3. 前記斜板式液圧回転機の前記斜板は、前記ピストンに対する傾斜角度が傾転中心軸を中心として可変に構成され、
    前記監視装置の前記斜板温度センサは、前記傾転中心軸上で前記斜板に取付けられ、
    前記監視装置は、前記ケーシングのうち前記傾転中心軸に対応する部位に設けられ、前記斜板温度センサと前記監視部との間を接続するケーブルを前記ケーシングの外部に導出するケーブル用ポートを含むことを特徴とする請求項1に記載の液圧回転機システム。
  4. 前記斜板式液圧回転機の前記複数のピストンは、前記シューが前記斜板の摺動面を摺動する間に前記シリンダ内に油液を吸込む吸入行程と、前記シリンダ内に吸込んだ油液を加圧して吐出する吐出行程とを繰り返し、
    前記監視装置の前記斜板温度センサは、前記斜板のうち前記複数のピストンが前記吐出行程にあるときに前記シューからの押圧力が作用する高圧側部位に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液圧回転機システム。
  5. 前記斜板式液圧回転機の前記斜板は、前記ケーシングに支持された斜板本体と、
    前記斜板本体に取付けられ前記摺動面を有する摺動板とにより構成され、
    前記摺動板と前記斜板本体との間には、前記摺動面とは反対側に位置して斜板溝が形成され、
    前記監視装置の前記斜板温度センサは、前記斜板溝内に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液圧回転機システム。
  6. 前記監視装置は、タンク内に貯留され前記複数のシリンダに供給される油液の温度を検出する油温センサを含み、
    前記監視部は、前記斜板温度センサにより検出された前記斜板の温度と前記油温センサにより検出された前記タンク内の油液の温度との温度差に基づいて前記シューの摩耗状態を監視することを特徴とする請求項1に記載の液圧回転機システム。
  7. 前記斜板温度センサは、前記斜板に複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液圧回転機システム。
  8. 前記斜板式液圧回転機の前記複数のピストンは、前記シューが前記斜板の摺動面を摺動する間に前記シリンダ内に油液を吸込む吸入行程と、前記シリンダ内に吸込んだ油液を加圧して吐出する吐出行程とを繰り返し、
    前記監視装置の前記斜板温度センサは、前記斜板のうち前記複数のピストンが前記吐出行程にあるときに前記シューからの押圧力が作用する高圧側部位に設けられた高圧側斜板温度センサと、
    前記斜板のうち前記複数のピストンが前記吸入行程にあるときに前記シューからの押圧力が作用する低圧側部位に設けられた低圧側斜板温度センサとからなり、
    前記監視装置の前記監視部は、前記高圧側斜板温度センサにより検出された温度と、前記低圧側斜板温度センサにより検出された温度との温度差に基づいて前記シューの摩耗状態を監視することを特徴とする請求項1に記載の液圧回転機システム。
  9. ケーシングと、前記ケーシング内に回転可能に設けられた回転軸と、複数のシリンダを有し前記回転軸と一体に回転するシリンダブロックと、前記シリンダブロックの前記シリンダ内に往復動可能に挿嵌された複数のピストンと、前記複数のピストンの先端にそれぞれ設けられた複数のシューと、前記複数のシューが摺動する摺動面を有する斜板と、を備える斜板式液圧回転機において、
    前記斜板に取付けられ前記斜板の温度を検出する斜板温度センサをさらに備えることを特徴とする斜板式液圧回転機。
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