JP2022147019A - 熱伝導ユニットおよびそれを備えるバッテリー - Google Patents

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均 安藤
Hitoshi Ando
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Abstract

【課題】破損の低減と高い放熱効率を実現可能な熱伝導ユニットおよびそれを備えたバッテリーを提供する。【解決手段】熱源と冷却部材との間に介在させて熱源から冷却部材へと熱を移動させることのできる熱伝導ユニット1であって、1または2以上の長尺状の熱伝導部材20と、熱伝導部材の外側面の一部を露出させた状態で保持するクッション部材10とを備える。熱伝導部材は、スパイラル状にて所定方向に進行するように巻回された熱伝導シート21と、熱伝導シートの内側に備えられる弾性部材22とを備える。クッション部材は、熱伝導部材を保持する凹部11を備える。凹部は、熱伝導部材の外側面の一部を露出させる第1開口部12aを備える。熱伝導部材は、熱源と冷却部材とからの押圧を受けて、凹部において弾性変形可能である。【選択図】図1

Description

本発明は、熱伝導ユニットおよびそれを備えるバッテリーに関する。
自動車、航空機、船舶あるいは家庭用若しくは業務用電子機器の制御システムは、より高精度かつ複雑化してきており、それに伴って、回路基板上の小型電子部品の集積密度が増加の一途を辿っている。この結果、回路基板周辺の発熱による電子部品の故障や短寿命化を解決することが強く望まれている。
回路基板からの速やかな放熱を実現するには、従来から、回路基板自体を放熱性に優れた材料で構成し、ヒートシンクを取り付け、あるいは冷却ファンを駆動するといった手段を単一で若しくは複数組み合わせて行われている。これらの内、回路基板自体を放熱性に優れた材料、例えばダイヤモンド、窒化アルミニウム(AlN)、立方晶窒化ホウ素(cBN)などから構成する方法は、回路基板のコストを極めて高くしてしまう。また、冷却ファンの配置は、ファンという回転機器の故障、故障防止のためのメンテナンスの必要性や設置スペースの確保が難しいという問題を生じる。これに対して、放熱フィンは、熱伝導性の高い金属(例えば、アルミニウム)を用いた柱状あるいは平板状の突出部位を数多く形成することによって表面積を大きくして放熱性をより高めることのできる簡易な部材であるため、放熱部品として汎用的に用いられている。
ところで、現在、世界中で、地球環境への負荷軽減を目的として、従来からのガソリン車あるいはディーゼル車を徐々に電気自動車に転換しようとする動きが活発化している。特に、フランス、オランダ、ドイツをはじめとする欧州諸国の他、中国でも、電気自動車の普及が進行してきている。電気自動車の普及には、高性能バッテリーの開発の他、多数の充電スタンドの設置などが必要となる。特に、リチウム系の自動車用バッテリーの充放電機能を高めるための技術開発は重要である。上記自動車バッテリーは、摂氏60度以上の高温下では充放電の機能を十分に発揮できないことが良く知られている。また、現在、バッテリーの高速かつ非接触での充電を実現する試験が進行しており、バッテリーの寿命を損なわないように、バッテリーの過充電に伴う発熱への対処も必要になる。このような事情から、先に説明した回路基板と同様、バッテリーにおいても、放熱性を高めることが重要視されている。
上記の事情に鑑みて、本出願人の発明者は、先に、筒状の弾性部材の外側面に対してスパイラル状に熱伝導シートを巻回させた熱伝導部材を複数連結した放熱構造体を開発した(例えば、特許文献1,2を参照)。
特開2019-125665号公報 特開2020-113393号公報
しかし、上記特許文献1,2に開示の発明には、より良い性能を発揮することが期待されている。具体的には、熱伝導部材の破損低減と、熱伝導部材の程よい固定である。本出願人の発明者が先に発明した放熱構造体を改良することにより、筐体内の熱伝導部材にバッテリーセルの質量負荷を抑える必要がある。また、熱伝導部材を熱源と冷却部材との間に確実に配置しつつも熱伝導部材の弾性変形の自由を確保して、熱源からの放熱効率をより高める必要がある。このような点は、バッテリーセルのみならず、回路基板、電子部品あるいは電子機器本体のような他の熱源にも通じる。また、このような要望に応えることは、「すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」という本出願人の持続可能な開発目標の達成にも資する。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、破損の低減と高い放熱効率を実現可能な熱伝導ユニットおよびそれを備えたバッテリーを提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するための一実施形態に係る熱伝導ユニットは、
熱源と冷却部材との間に介在させて前記熱源から前記冷却部材へと熱を移動させることのできる熱伝導ユニットであって、
1または2以上の長尺状の熱伝導部材と、
前記熱伝導部材の外側面の一部を露出させた状態で保持するクッション部材と、
を備え、
前記熱伝導部材は、スパイラル状にて所定方向に進行するように巻回された熱伝導シートと、前記熱伝導シートの内側に備えられる弾性部材とを備え、
前記クッション部材は、前記熱伝導部材を保持する凹部を備え、
前記凹部は、前記熱伝導部材の外側面の一部を露出させる第1開口部を備え、
前記熱源と前記冷却部材とからの押圧を受けて、前記熱伝導部材は、前記凹部において弾性変形可能である。
(2)別の実施形態に係る熱伝導ユニットにおいて、好ましくは、前記凹部は、前記熱伝導部材が前記凹部の幅方向に拡張するように変形しても前記凹部の幅方向の内壁と隙間を有する程度に幅広に形成され、かつ前記熱伝導部材の長さ方向の両端に接触して前記熱伝導部材を保持可能に形成されていても良い。
(3)別の実施形態に係る熱伝導ユニットにおいて、好ましくは、前記凹部は、前記熱伝導部材が前記凹部の長さ方向に拡張するように変形しても前記凹部の長さ方向の内壁と隙間を有する程度に長尺に形成され、かつ前記熱伝導部材の幅方向の両側面に接触して前記熱伝導部材を保持可能に形成されていても良い。
(4)別の実施形態に係る熱伝導ユニットにおいて、好ましくは、前記凹部は、前記第1開口部に対して前記クッション部材の厚さ方向反対側に開口する第2開口部を、さらに備え、前記第2開口部は、前記熱伝導部材を通過不能であって、かつ前記熱伝導部材の外側面の一部を露出する開口部であっても良い。
(5)別の実施形態に係る熱伝導ユニットにおいて、好ましくは、前記弾性部材は、前記熱伝導部材の長さ方向に貫通する貫通路を有し、前記クッション部材は、前記熱伝導部材の弾性変形時に前記貫通路から空気を逃がす脱気部を備えても良い。
(6)別の実施形態に係る熱伝導ユニットにおいて、好ましくは、前記脱気部は、前記熱伝導部材の長さ方向に接する2つの内壁の内の少なくとも1つの内壁を貫通する貫通孔であっても良い。
(7)別の実施形態に係る熱伝導ユニットにおいて、好ましくは、前記脱気部は、前記熱伝導部材の長さ方向に接する2つの内壁の内の少なくとも1つの内壁から前記第1開口部に通じる孔であっても良い。
(8)別の実施形態に係る熱伝導ユニットは、好ましくは、前記熱源および前記冷却部材の内の少なくとも一方に付着するための粘着層を備えても良い。
(9)別の実施形態に係る熱伝導ユニットにおいて、好ましくは、前記粘着層は、前記熱伝導部材に対して非接触となる領域に備えられていても良い。
(10)別の実施形態に係る熱伝導ユニットにおいて、好ましくは、前記粘着層は、前記熱伝導部材の外側面の一部であって、かつ前記熱伝導部材が前記粘着層を介さずに前記熱源または前記冷却部材に接する部分を残すように、前記クッション部材と前記熱伝導部材とにまたがって備えられていても良い。
(11)別の実施形態に係る熱伝導ユニットにおいて、好ましくは、前記熱伝導シートは、炭素材料若しくは炭素含有樹脂材料から主に構成され、前記弾性部材は、ゴム材料から主に構成されていても良い。
(12)別の実施形態に係る熱伝導ユニットにおいて、好ましくは、前記クッション部材は、多孔を有する発泡部材であっても良い。
(13)一実施形態に係るバッテリーは、前記熱源を、1または2以上のバッテリーセルとし、前記冷却部材を、前記バッテリーセルを入れる筐体の一部若しくは全部とするバッテリーであって、上述のいずれかの熱伝導ユニットが、その厚さ方向両側から、前記バッテリーセルと前記筐体との間に挟まれている。
本発明によれば、破損の低減と高い放熱効率を実現可能な熱伝導ユニットおよびそれを備えたバッテリーを提供できる。
図1は、第1実施形態に係る熱伝導ユニットの構成要素である熱伝導部材の斜視図(1A)および当該熱伝導ユニットの組み立て前後の斜視図(1B)を示す。 図2は、図1(1B)の熱伝導ユニットの平面図(2A)、右側面図(2B)、底面図(2C)、正面図(2D)および(2A)のA-A線にて切断した際のA-A線断面拡大図(2E)を示す。 図3は、図1の熱伝導ユニットの表側の面および裏側の面に粘着層を備える熱伝導ユニットの組み立て斜視図(3A)、粘着層を備えた状態の熱伝導ユニットの平面図(3B)および粘着層を備えた状態の熱伝導ユニットの底面図(3C)を示す。 図4は、図3の粘着層の第1変形例を用いた熱伝導ユニットの組み立て斜視図(4A)、当該粘着層を備えた状態の熱伝導ユニットの平面図とその一部Bの拡大図(4B)および当該粘着層を備えた状態の熱伝導ユニットの底面図とその一部Cの拡大図(4C)を示す。 図5は、図3の粘着層の第2変形例を用いた熱伝導ユニットの組み立て斜視図(5A)、当該粘着層を備えた状態の熱伝導ユニットの平面図(5B)および当該粘着層を備えた状態の熱伝導ユニットの底面図(5C)を示す。 図6は、第2実施形態に係る熱伝導ユニットの平面図(6A)、右側面図(6B)、底面図(6C)、正面図(6D)および(6A)のA-A線にて切断した際のA-A線断面拡大図(6E)を示す。 図7は、図6の熱伝導ユニットの表側の面および裏側の面に粘着層を備える熱伝導ユニットの組み立て斜視図(7A)、粘着層を備えた状態の熱伝導ユニットの平面図(7B)および粘着層を備えた状態の熱伝導ユニットの底面図(7C)を示す。 図8は、図7の粘着層の変形例を用いた熱伝導ユニットの組み立て斜視図(8A)、当該粘着層を備えた状態の熱伝導ユニットの平面図とその一部Bの拡大図(8B)および当該粘着層を備えた状態の熱伝導ユニットの底面図(8C)を示す。 図9は、熱伝導ユニットの各種変形例の平面図(9A,9B,9C,9D)を示す。 図10は、図9に示す例とは別の変形例1,2の正面図(10A,10B)を示す。 図11は、熱伝導部材の変形例の側面図を示す。 図12は、熱伝導部材を備えるバッテリーの縦断面図(12A)およびその一部Dのバッテリーセル搭載前後の変化の断面図(12B)を示す。
次に、本発明の各実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する各実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、各実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須であるとは限らない。
<熱伝導ユニット>
第1実施形態
図1は、第1実施形態に係る熱伝導ユニットの構成要素である熱伝導部材の斜視図(1A)および当該熱伝導ユニットの組み立て前後の斜視図(1B)を示す。図2は、図1(1B)の熱伝導ユニットの平面図(2A)、右側面図(2B)、底面図(2C)、正面図(2D)および(2A)のA-A線にて切断した際のA-A線断面拡大図(2E)を示す。
第1実施形態に係る熱伝導ユニット1は、熱源と冷却部材との間に介在させて熱源から冷却部材へと熱を移動させることのできる構造体である。この実施形態に係る熱伝導ユニット1は、2つの長尺状の熱伝導部材20と、熱伝導部材20の外側面の一部を露出させた状態で保持するクッション部材10と、を備える。熱伝導部材20は、1つのみ、または3つ以上でも良い。この実施形態では、2つの熱伝導部材20は、それらの側面に所定間隔をあけて略平行に、クッション部材10に備えられている。
熱伝導部材20は、スパイラル状にて所定方向に進行するように巻回された熱伝導シート21と、その熱伝導シート21の内側に備えられる弾性部材22と、を備える。この実施形態では、弾性部材22は、長尺状の筒体であって、その長さ方向に貫通する貫通路23を備える。ただし、弾性部材22は、貫通路23の開口側一端を閉じた凹部を備えた部材、または貫通路23を備えない中実部材でも良い。熱伝導シート21は、その長さに対して短い幅を有する帯状のシートであって、弾性部材22の外側面をスパイラル状に巻回して、弾性部材22の長さ方向に進行する形態である。熱伝導シート21は弾性部材22と接着剤を介して固定、あるいは接着剤を介さずに直接的に固定されている。熱伝導シート21は、弾性部材22に比べて、高い熱伝導性および高い硬度を有する。熱伝導シート21を弾性部材22の外側面に対してスパイラル状に巻回することによって、弾性部材22が変形したときに、熱伝導シート21の隙間が当該変形に追随して変化可能である。この結果、熱伝導シート21が破損するリスクが低減する。
クッション部材10は、熱伝導部材20を保持する凹部11を備える。この実施形態では、クッション部材10は、その表側の面から裏側の面に向かって窪む2つの凹部11を備える。2つの凹部11は、それらの長辺を対向させるように略平行に、クッション部材10に形成されている。凹部11の数は、好ましくは、熱伝導部材20の数と同一であるが、熱伝導部材20の数より多くして、熱伝導部材20の固定位置を変えられるようにしても良い。凹部11は、熱伝導部材20の外側面の一部を露出させる第1開口部12aを備える。熱伝導部材20は、熱源と冷却部材とからの押圧を受けて、凹部11において弾性変形可能である。この実施形態では、クッション部材10の厚さは、熱伝導部材20の直径(若しくは高さ)よりも小さい。凹部11は、第1開口部12aに対してクッション部材10の厚さ方向反対側に開口する第2開口部12bを、さらに備える。第2開口部12bは、熱伝導部材20が通過不能であって、かつ熱伝導部材20の外側面の一部を露出する開口部である。第2開口部12bは、その幅方向の両側に、第2開口部12bを第1開口部12aよりも幅を狭くするように幅方向に突出する突出片13を備える。このため、平面視にて、第1開口部12aから露出する部分の面積よりも、第2開口部12bから露出する部分の面積の方が小さい。クッション部材10の凹部11に熱伝導部材20を備えた状態では、熱伝導部材20の外側面の一部は、第1開口部12aおよび第2開口部12bから突出可能である。熱伝導ユニット1の第2開口部12b側を平面に載置した際には、熱伝導部材20が第1開口部12a側に移動して、第2開口部12bから突出せずに面一になる。
凹部11は、熱伝導部材20が凹部11の幅方向(平面視にて短辺の方向)に拡張するように変形しても、凹部11の幅方向の内壁と隙間を有する程度に幅広に形成されている。また、凹部11は、熱伝導部材20の長さ方向(平面視にて長辺の方向)の両端に接触して熱伝導部材20を保持可能に形成されている。このため、熱伝導部材20をクッション部材10の凹部11に挿入した状態では、熱伝導部材20は、凹部11の幅方向の内壁に非接触であり、凹部11の長さ方向の内壁に接触している。このため、熱伝導部材20は、接着剤などの接着手段を用いずに、凹部11に固定できる。また、熱伝導ユニット1をその厚さ方向から熱源および冷却部材にて挟んで熱伝導部材20を圧縮変形させた際、熱伝導部材20が凹部11の幅方向に拡張しても凹部11の幅方向にて自由に変形可能である。また、熱伝導部材20は、上記のように圧縮されても、圧縮時のクッション部材10の厚さの規制を受け、それ以上に過度に圧縮変形できない。このため、熱伝導部材20は、熱源から冷却部材への熱移動を確実にしながら、過度の圧縮によって破損するリスクを低減できる。
熱伝導シート21の材料は、特に制約はないが、好ましくは、金属、炭素若しくはセラミックスの少なくとも1つを含み、可撓性を有する部材である。熱伝導シート21は、より好ましくは、炭素シート若しくは炭素含有樹脂シートであって、炭素材料若しくは炭素含有樹脂材料から主に構成される。ここで、「主に」とは、質量にて50%を超えることを意味する。熱伝導シート21は、好ましくは、90質量%以上を炭素から構成されるシートである。例えば、熱伝導シート21に、樹脂を焼成して成るグラファイト製のシートを用いることもできる。ただし、熱伝導シート21は、炭素と樹脂とを含むシートであっても良い。その場合、樹脂は、合成繊維でも良く、その場合には、樹脂として好適にはアラミド繊維を用いることができる。本願でいう「炭素」は、グラファイト、グラファイトより結晶性の低いカーボンブラック、ダイヤモンド、ダイヤモンドに近い構造を持つダイヤモンドライクカーボン等の炭素(元素記号:C)から成る如何なる構造のものも含むように広義に解釈される。熱伝導シート21は、この実施形態では、樹脂に、グラファイト繊維やカーボン粒子を配合分散した材料を硬化させた薄いシートとすることができる。熱伝導シート21は、メッシュ状に編んだカーボンファイバーであっても良く、さらには混紡してあっても混編みしてあっても良い。なお、グラファイト繊維、カーボン粒子あるいはカーボンファイバーといった各種フィラーも、すべて、炭素フィラーの概念に含まれる。また、熱伝導シート21は、「熱伝導シート」と称しても良い。
熱伝導シート21を炭素と樹脂とを備えるシートとする場合には、当該樹脂が熱伝導シート21の全質量に対して50質量%を超えていても、あるいは50質量%以下であっても良い。すなわち、熱伝導シート21は、熱伝導に大きな支障が無い限り、樹脂を主材とするか否かを問わない。樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂を好適に使用できる。熱可塑性樹脂としては、熱源からの熱を伝導する際に溶融しない程度の高融点を備える樹脂が好ましく、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、芳香族ポリアミド(アラミド繊維)等を好適に挙げることができる。樹脂は、熱伝導シート21の成形前の状態において、炭素フィラーの隙間に、例えば粒子状あるいは繊維状に分散している。熱伝導シート21は、炭素フィラー、樹脂の他、熱伝導をより高めるためのフィラーとして、Al、AlNあるいはダイヤモンドを分散していても良い。また、樹脂に代えて、樹脂よりも柔軟なゴムを用いても良い。熱伝導シート21は、また、上述のような炭素に代えて若しくは炭素と共に、金属および/またはセラミックスを含むシートとすることができる。金属としては、アルミニウム、銅、それらの内の少なくとも1つを含む合金などの熱伝導性の比較的高いものを選択できる。また、セラミックスとしては、Al、AlN、cBN、hBNなどの熱伝導性の比較的高いものを選択できる。
熱伝導シート21は、導電性に優れるか否かは問わない。熱伝導シート21の熱伝導率は、好ましくは10W/mK以上である。この実施形態では、熱伝導シート21は、好ましくは、グラファイト製のシートであり、熱伝導性と導電性に優れる材料から成る。熱伝導シート21は、湾曲性(若しくは屈曲性)に優れるシートであるのが好ましく、その厚さ(t)に制約はないが、0.02~3mmが好ましく、0.03~0.5mmがより好ましい。
弾性部材22は、好ましくは、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ニトリルゴム(NBR)あるいはスチレンブタジエンゴム(SBR)等の熱硬化性エラストマー; ウレタン系、エステル系、スチレン系、オレフィン系、ブタジエン系、フッ素系等の熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの複合物等を含むように構成される。弾性部材22は、好ましくは、ゴム材料から主に構成される。ここで、「主に」とは、質量にて50%を超えることを意味する。弾性部材22は、熱伝導シート21を伝わる熱によって溶融あるいは分解等せずにその形態を維持できる程度の耐熱性の高い材料から構成されるのが好ましい。この実施形態では、弾性部材22は、より好ましくは、ウレタン系エラストマー中にシリコーンを含浸したもの、あるいはシリコーンゴムにより構成される。この実施形態では、弾性部材22は、シリコーンゴムシートである。弾性部材22は、その熱伝導性を少しでも高めるために、ゴム中にAl、AlN、cBN、hBN、ダイヤモンドの粒子等に代表されるフィラーを分散して構成されていても良い。弾性部材22は、より好ましくは、その内部に気泡を含むクッション性の高いスポンジである。この実施形態では、弾性部材22は、発泡シートである。また、「弾性部材」は、柔軟性に富み、熱源の表面に密着可能に弾性変形可能な部材を意味し、かかる意味では「ゴム状弾性体」と読み替えることもできる。
クッション部材10は、弾性部材22と同一の材料候補から選択可能である。クッション部材10は、より好ましくは、多孔を有する発泡部材である。クッション部材10は、その厚さに制約はないが、好ましくは0.2~20mm、より好ましくは0.5~10mmの厚さを有する。この実施形態では、クッション部材10の厚さは、熱伝導部材20の直径(若しくは高さ)よりも小さい。クッション部材10は、パッキン代わりと成り、外部からの静電気などに起因する高電圧が熱源(例えば、バッテリーセル)に落ちる事を防ぐ機能、および/または静電気に起因して熱伝導部材20に異物が付着することを防ぐ機能を持つものであるのが好ましい。
図3は、図1の熱伝導ユニットの表側の面および裏側の面に粘着層を備える熱伝導ユニットの組み立て斜視図(3A)、粘着層を備えた状態の熱伝導ユニットの平面図(3B)および粘着層を備えた状態の熱伝導ユニットの底面図(3C)を示す。
図3(3A)に示すように、熱伝導ユニット1は、熱源および冷却部材の内の少なくとも一方に付着するための粘着層を備えても良い。この実施形態では、熱伝導ユニット1は、熱源および冷却部材の両方に付着するための粘着層を備える。熱伝導ユニット1において、粘着層30a,30bは、熱伝導部材20に対して非接触となる領域に備えられている。以下、粘着層30a,30bについて詳述する。
クッション部材10の表側の面に、第1開口部12aの位置および大きさに合致する開口部31を備えた粘着層30aを備えることができる。同様に、熱伝導ユニット1は、クッション部材10の裏側の面に、第2開口部12bの位置および大きさに合致する開口部32を備えた粘着層30bを備えることができる。この実施形態では、第1開口部12aは、第2開口部12bに比べて幅広に形成されている。このため、開口部31も、また、開口部32よりも幅広に形成されている。粘着層30a,30bは、例えば、基材シートの両面に粘着剤を備える両面テープ、基材レスの粘着剤のシートである。粘着層30a,30bは、好ましくは、接着剤の層と異なり、熱伝導ユニット1と熱源または冷却部材とを着脱自在である。粘着層30a,30bは、熱伝導部材20を覆うことなく、クッション部材10のみを覆っている。このため、熱源から熱伝導部材20を介して冷却部材へと熱が移動する際に、粘着層30a,30bが熱の移動を妨げることがない。また、熱源と冷却部材との間に熱伝導ユニット1を挟んだ際に、熱源および冷却部材とクッション部材10とを密着でき、熱伝導部材20は、粘着層30aと粘着層30bとの距離の範囲内にて、熱源と冷却部材とに接触した状態で圧縮変形を維持する。
図4は、図3の粘着層の第1変形例を用いた熱伝導ユニットの組み立て斜視図(4A)、当該粘着層を備えた状態の熱伝導ユニットの平面図とその一部Bの拡大図(4B)および当該粘着層を備えた状態の熱伝導ユニットの底面図とその一部Cの拡大図(4C)を示す。
図4(4A)に示すように、熱伝導ユニット1において、粘着層30c,30dは、熱伝導部材20に対して一部接触する領域に備えられている。以下、粘着層30c,30dについて詳述する。
粘着層30cは、熱伝導部材20の外側面の一部であって、かつ熱伝導部材20が粘着層30cを介さずに熱源に接する部分を残すように、クッション部材10と熱伝導部材20とにまたがって備えられている。粘着層30cは、開口部33を備えており、第1開口部12aよりも幅を狭く形成されている。粘着層30dは、熱伝導部材20の外側面の一部であって、かつ熱伝導部材20が粘着層30dを介さずに熱源に接する部分を残すように、クッション部材10と熱伝導部材20とにまたがって備えられている。粘着層30dは、開口部34を備えており、第2開口部12bよりも幅を狭く形成されている。開口部33,34は、共に、熱伝導部材20の外側面にも接触可能な幅に形成されている。
粘着層30cは、熱伝導部材20を凹部11に固定する機能も有する。このため、凹部11が熱伝導部材20よりも大きく、第1開口部12aから熱伝導部材20が容易に抜け落ちる大きさであっても、粘着層30cによって、熱伝導部材20はクッション部材10に保持され、容易に抜け落ちない。
図5は、図3の粘着層の第2変形例を用いた熱伝導ユニットの組み立て斜視図(5A)、当該粘着層を備えた状態の熱伝導ユニットの平面図(5B)および当該粘着層を備えた状態の熱伝導ユニットの底面図(5C)を示す。
第2変形例の粘着層30eは、前述の開口部31,32,33,34を備えず、クッション部材10の表側の面および裏側の面の両面を完全に覆う層であり、熱伝導部材20の外側面も覆っている。粘着層30eを極めて薄くし、あるいは粘着層30eに高熱伝導性のフィラーを含有させている場合には、粘着層30eが熱伝導部材20の表面を覆っていても大きな支障はない。
粘着層は、クッション部材10の厚さ方向両面に備えられているが、当該厚さ方向のいずれか一方の面に備えられていても良い。
第2実施形態
次に、第2実施形態に係る熱伝導ユニットについて説明する。第1実施形態と共通する部分については同じ符号を付して重複した説明を省略する。
図6は、第2実施形態に係る熱伝導ユニットの平面図(6A)、右側面図(6B)、底面図(6C)、正面図(6D)および(6A)のA-A線にて切断した際のA-A線断面拡大図(6E)を示す。
第2実施形態に係る熱伝導ユニット1が第1実施形態に係る熱伝導ユニット1と異なる点は、クッション部材10の凹部11が厚さ方向に貫通せずに有底であることである。凹部11は、その底に、熱伝導部材20を載せる底部シート15を備える。底部シート15は、第1実施形態のクッション部材10の突出片13と異なり、熱伝導部材20をクッション部材10の底面から露出するのを防止する。熱源と冷却部材との間に熱伝導ユニット1を挟むと、熱伝導部材20は、熱源とは接触するが、冷却部材とは底部シート15を挟んで非接触状態となる。底部シート15は、その厚さに制約はないが、可能な限り薄い方が好ましい。熱伝導部材20から冷却部材への熱移動を容易にする必要からである。底部シートの厚さは、クッション部材10の厚さより小さい前提で、0.03~1mmが好ましく、0.03~0.2mmがより好ましい。
図7は、図6の熱伝導ユニットの表側の面および裏側の面に粘着層を備える熱伝導ユニットの組み立て斜視図(7A)、粘着層を備えた状態の熱伝導ユニットの平面図(7B)および粘着層を備えた状態の熱伝導ユニットの底面図(7C)を示す。
図7(7A)に示すように、熱伝導ユニット1は、熱源および冷却部材の両方に付着するための粘着層30aを備える。粘着層30aは、熱伝導部材20に対して非接触となる領域に備えられている。すなわち、クッション部材10は、その表側の面に、第1開口部12aの位置および大きさに合致する開口部31を備えた粘着層30aを備える。また、クッション部材10は、その裏側の面にも、第1開口部12bの位置および大きさに合致する開口部31を備えた粘着層30aを備える。クッション部材10の表側の面に貼り付けられる粘着層30aは、熱伝導部材20を覆うことなく、クッション部材10のみを覆っている。また、粘着層30aは、クッション部材10の裏側の面において底部シート15を覆わないように開口部31を備えている。このため、熱伝導部材20は、底部シート15のみを介して冷却部材に熱を伝導可能である。
図8は、図7の粘着層の変形例を用いた熱伝導ユニットの組み立て斜視図(8A)、当該粘着層を備えた状態の熱伝導ユニットの平面図とその一部Bの拡大図(8B)および当該粘着層を備えた状態の熱伝導ユニットの底面図(8C)を示す。
粘着層30cは、熱伝導部材20の外側面の一部であって、かつ熱伝導部材20が粘着層30cを介さずに熱源に接する部分を残すように、クッション部材10と熱伝導部材20とにまたがって備えられている。粘着層30cは、第1開口部12aと同一の大きさの開口部33を備えている。一方、粘着層30eは、開口部を備えず、クッション部材10の裏側全面を覆っている。粘着層30cは、熱伝導部材20を凹部11に固定する機能も有する。このため、凹部11が熱伝導部材20よりも大きく、第1開口部12aから熱伝導部材20が容易に抜け落ちる大きさであっても、粘着層30cによって、熱伝導部材20はクッション部材10に保持され、容易に抜け落ちない。
粘着層30c,30eは、クッション部材10の厚さ方向両面に備えられているが、当該厚さ方向のいずれか一方の面に備えられていても良い。
熱伝導ユニットの変形例
図9は、熱伝導ユニットの各種変形例の平面図(9A,9B,9C,9D)を示す。
図9(9A)に示すように、熱伝導ユニット1は、熱伝導部材20の長さ方向両端面および外側面が凹部11の内壁に接触するユニットでも良い。熱伝導部材20は、熱源と冷却部材とから押圧を受けて変形する際、クッション部材10の凹部11も変形可能である。特に、クッション部材10が柔軟性に富み、大きく伸縮可能であれば、熱伝導部材20が隙間なく凹部11に備えられていても支障はない。
図9(9B)に示すように、熱伝導ユニット1は、熱伝導部材20の長さ方向両端面とは凹部11の内壁に非接触で、熱伝導部材20の外側面が凹部11の内壁に接触するユニットでも良い。より詳細には、凹部11は、熱伝導部材20が凹部11の長さ方向に拡張するように変形しても凹部11の長さ方向の内壁と隙間11aを有する程度に長尺に形成され、かつ熱伝導部材20の幅方向の両側面に接触して熱伝導部材20を保持可能に形成されていても良い。
図9(9C)に示すように、熱伝導ユニット1は、熱伝導部材20の長さ方向両端面および外側面が凹部11の内壁に非接触(すなわち、隙間11a,11bが存在する)であるユニットでも良い。その場合、熱伝導部材20が凹部11を通過してクッション部材10から落下しないように、クッション部材10の裏側の面に、突出片13または底部シート15を備えているのが好ましい。また、熱伝導部材20が第1開口部12aから容易に抜け落ちないように、クッション部材10の表側の面に、上述の粘着層30c,30eのいずれかを備えるようにする方が好ましい。
図9(9D)に示すように、熱伝導ユニット1は、図9(9C)に示す凹部11を備え、その凹部11の長さ方向両端に、端部保持部材16を備えても良い。端部保持部材16は、熱伝導部材20の長さ方向の両端面に接触して、かつ貫通路23から外に通気可能な孔17を備えても良い。孔17は、熱伝導部材20の長さ方向に接する2つの内壁の内の少なくとも1つの内壁から第1開口部12aに通じている。孔17は、熱伝導部材20の弾性変形時に貫通路23から空気を逃がす脱気部の一例である。端部保持部材16は、円形の貫通孔を中心に有する薄厚の直方体を高さ方向にて半分に割った部材であって、熱伝導部材20の長さ方向から見て半円形の孔17を有する。なお、脱気部は、孔17以外の形態であっても良く、貫通路23からクッション部材10の外部へと空気を流すことのできる形態であれば、どのような形態を有していても良い。
図10は、図9に示す例とは別の変形例1,2の正面図(10A,10B)を示す。
図10(10A)は、第1実施形態に係る熱伝導ユニット1のクッション部材10に貫通孔18を備えた熱伝導ユニット1を示す。図10(10B)は、第2実施形態に係る熱伝導ユニット1のクッション部材10に貫通孔18を備えた熱伝導ユニット1を示す。貫通孔18は、クッション部材10に形成され、熱伝導部材20の長さ方向に接する2つの内壁の内の少なくとも1つの内壁を貫通する孔である。貫通孔18は、熱伝導部材20の弾性変形時に貫通路23から空気を逃がす脱気部の一例である。
図11は、熱伝導部材の変形例の側面図を示す。
変形例に係る熱伝導部材20aは、前述の熱伝導部材20と異なり、スパイラル状の弾性部材22aを有する。弾性部材22aは、熱伝導シート21と同様、幅の小さい帯状のシートであり、熱伝導シート21の内側に備えられている。すなわち、熱伝導部材20aは、熱伝導シート21と弾性部材22aの二層の帯状シートをスパイラル状に巻回して所定方向に進行した形態を有する。熱伝導部材20aは、スパイラル状の形態の中央を貫通する貫通路23を有する。上述した各種実施形態および各種変形例に係る熱伝導ユニット1は、全部もしくは一部の熱伝導部材20に代えて、熱伝導部材20aを備えるようにしても良い。
<バッテリー>
次に、本実施形態に係るバッテリーについて説明する。
図12は、熱伝導部材を備えるバッテリーの縦断面図(12A)およびその一部Dのバッテリーセル搭載前後の変化の断面図(12B)を示す。ここで、「縦断面図」は、バッテリーの筐体内部の上方開口面から底部へと垂直に切断する図を意味する。
この実施形態に係るバッテリー40において、熱源は1または2以上のバッテリーセル35である。また、冷却部材はバッテリーセル35を入れた筐体41である。前述の熱伝導ユニット1は、バッテリーセル35と筐体41との間に介在している。以下、バッテリー40の構造について説明する。
この実施形態において、バッテリー40は、例えば、電気自動車用のバッテリーであって、多数のバッテリーセル35を備える。バッテリー40の好適な例としては、リチウムイオンバッテリーを挙げることができる。バッテリー40は、熱源を、1または2以上のバッテリーセル35とし、冷却部材を、バッテリーセル35を入れる筐体41の一部若しくは全部とするバッテリーである。バッテリー40では、上述のいずれかの熱伝導ユニット1が、その厚さ方向両側から、バッテリーセル35と筐体41との間に挟まれている。
バッテリー40は、一方に開口する有底型の筐体41を備える。筐体41は、好ましくは、アルミニウム若しくはアルミニウム基合金から成る。バッテリーセル35は、筐体41の内部44に配置される。バッテリーセル35の上方には、電極(不図示)が突出して設けられている。複数のバッテリーセル35は、好ましくは、筐体41内において、その両側からネジ等を利用して圧縮する方向に力を与えられて、互いに密着するようになっている(不図示)。筐体41の底部42には、冷却水45を流すために、1または複数の水冷パイプ43が備えられている。バッテリーセル35は、筐体41の一部を構成する底部42(冷却部材の一例)との間に、熱伝導ユニット1を挟むようにして、筐体41内に配置される。
上記構造のバッテリー40では、バッテリーセル35は、熱伝導ユニット1を通じて筐体41に伝熱して、水冷によって効果的に除熱される。なお、冷却水45は、「冷却媒体」あるいは「冷却剤」と読み替えても良い。冷却水45に代えて、液体窒素、エタノール等の有機溶剤を用いても良い。
バッテリーセル35を筐体41内にセットした状態では(図12(12B)を参照)、熱伝導ユニット1は、バッテリーセル35と、水冷パイプ43を備える底部42(筐体41の一部)との間において、熱伝導ユニット1の厚さ方向に圧縮される。この結果、バッテリーセル35からの熱は、熱伝導シート21、底部42、水冷パイプ43、冷却水45へと伝わりやすくなる。熱伝導ユニット1は、好ましくは、粘着層30a,30bを備えている。このため、熱伝導ユニット1は、バッテリーセル35および底部42と密着可能である。また、粘着層30a,30bは、バッテリーセル35および底部42と硬く固着せず、かつ熱伝導ユニット1側と固着するように粘着力を調整すれば、熱伝導ユニット1を、バッテリー40から着脱して繰り返し使用できる。また、熱伝導部材20は、クッション部材10から着脱自在にすることにより、熱伝導部材20が劣化したときに、新しい熱伝導部材20に交換可能である。なお、熱伝導ユニット1は、図12の配置ではなく、当該配置に対して90度向きを変え、熱伝導部材20の長さ方向が複数のバッテリーセル35に接触するように配置されても良い。
また、この実施形態のように、複数の熱伝導ユニット1をバッテリー40に搭載すると、バッテリーセル35の位置ごとに異なる熱伝導ユニット1を配置可能である。例えば、複数のバッテリーセル35の並ぶ列の中央付近には、複数の熱伝導部材20が近接して備えられる形態の熱伝導ユニット1を配置し、当該中央よりも端の位置には、複数の熱伝導部材20が比較的離れた状態で備えられる形態の熱伝導ユニット1を配置することができる。これによって、複数のバッテリーセル35の列において最も放熱困難な位置にあるバッテリーセル35から積極的に放熱可能となる。
先述の実施形態では、バッテリーセル35を縦にしてその下端に熱伝導ユニット1を接触せしめている状況について説明したが、バッテリーセルの構造および配置の形態は、これに限定されない。例えば、バッテリーセル35の側面を熱伝導ユニット1の熱伝導シート21に接触させるように、バッテリーセル35を配置しても良い。バッテリーセル35は、充電および放電の際に温度上昇する。バッテリーセル35の容器自体が柔軟性に富む材料にて形成されていると、バッテリーセル35の特に側面が膨らむ可能性がある。そのような場合でも、熱伝導ユニット1がバッテリーセル35の外面と接触し、充放電時にも放熱性を高く維持できる。
<その他実施形態>
上述のように、本発明の好適な各実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されることなく、種々変形して実施可能である。
例えば、第2開口部12bの長さは、熱伝導部材20,20aの長さと同一ではなく、大きくしても、または小さくしても良い。第1開口部12aの長さについても同様である。また、第1開口部12aの幅は、熱伝導部材20,20aの直径(または幅)よりも小さくても良い。熱伝導部材20,20aを凹部11に装着する際、凹部11の幅方向を拡げて熱伝導部材20,20aを装着可能であれば良い。
また、熱源は、バッテリーセル35のみならず、回路基板や電子機器本体などの熱を発する対象物を全て含む。例えば、熱源は、キャパシタおよびICチップ等の電子部品であっても良い。また、熱伝導ユニット1は、バッテリー40以外の構造物、例えば、電子機器、家電、発電装置等に配置されていても良い。
また、上述の各実施形態の複数の構成要素は、互いに組み合わせ不可能な場合を除いて、自由に組み合わせ可能である。例えば、バッテリー40は、熱伝導部材20aを備えた熱伝導ユニット1を搭載しても良い。
1・・・熱伝導ユニット、10・・・クッション部材、11・・・凹部、11a,11b・・・隙間、12a・・・第1開口部、12b・・・第2開口部、17・・・孔(脱気部の一例)、18・・・貫通孔(脱気部の一例)、20,20a・・・熱伝導部材、21・・・熱伝導シート、22,22a・・・弾性部材、23・・・貫通路、30a,30b,30c,30d,30e・・・粘着層、35・・・バッテリーセル(熱源の一例)、40・・・バッテリー、41・・・筐体(冷却部材の一例)。

Claims (13)

  1. 熱源と冷却部材との間に介在させて前記熱源から前記冷却部材へと熱を移動させることのできる熱伝導ユニットであって、
    1または2以上の長尺状の熱伝導部材と、
    前記熱伝導部材の外側面の一部を露出させた状態で保持するクッション部材と、
    を備え、
    前記熱伝導部材は、スパイラル状にて所定方向に進行するように巻回された熱伝導シートと、前記熱伝導シートの内側に備えられる弾性部材とを備え、
    前記クッション部材は、前記熱伝導部材を保持する凹部を備え、
    前記凹部は、前記熱伝導部材の外側面の一部を露出させる第1開口部を備え、
    前記熱源と前記冷却部材とからの押圧を受けて、前記熱伝導部材は、前記凹部において弾性変形可能であることを特徴とする熱伝導ユニット。
  2. 前記凹部は、前記熱伝導部材が前記凹部の幅方向に拡張するように変形しても前記凹部の幅方向の内壁と隙間を有する程度に幅広に形成され、かつ前記熱伝導部材の長さ方向の両端に接触して前記熱伝導部材を保持可能に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導ユニット。
  3. 前記凹部は、前記熱伝導部材が前記凹部の長さ方向に拡張するように変形しても前記凹部の長さ方向の内壁と隙間を有する程度に長尺に形成され、かつ前記熱伝導部材の幅方向の両側面に接触して前記熱伝導部材を保持可能に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導ユニット。
  4. 前記凹部は、前記第1開口部に対して前記クッション部材の厚さ方向反対側に開口する第2開口部を、さらに備え、
    前記第2開口部は、前記熱伝導部材を通過不能であって、かつ前記熱伝導部材の外側面の一部を露出する開口部であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の熱伝導ユニット。
  5. 前記弾性部材は、前記熱伝導部材の長さ方向に貫通する貫通路を有し、
    前記クッション部材は、前記熱伝導部材の弾性変形時に前記貫通路から空気を逃がす脱気部を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の熱伝導ユニット。
  6. 前記脱気部は、前記熱伝導部材の長さ方向に接する2つの内壁の内の少なくとも1つの内壁を貫通する貫通孔であることを特徴とする請求項5に記載の熱伝導ユニット。
  7. 前記脱気部は、前記熱伝導部材の長さ方向に接する2つの内壁の内の少なくとも1つの内壁から前記第1開口部に通じる孔であることを特徴とする請求項5に記載の熱伝導ユニット。
  8. 前記熱源および前記冷却部材の内の少なくとも一方に付着するための粘着層を備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の熱伝導ユニット。
  9. 前記粘着層は、前記熱伝導部材に対して非接触となる領域に備えられていることを特徴とする請求項8に記載の熱伝導ユニット。
  10. 前記粘着層は、前記熱伝導部材の外側面の一部であって、かつ前記熱伝導部材が前記粘着層を介さずに前記熱源または前記冷却部材に接する部分を残すように、前記クッション部材と前記熱伝導部材とにまたがって備えられていることを特徴とする請求項8に記載の熱伝導ユニット。
  11. 前記熱伝導シートは、炭素材料若しくは炭素含有樹脂材料から主に構成され、
    前記弾性部材は、ゴム材料から主に構成されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の熱伝導ユニット。
  12. 前記クッション部材は、多孔を有する発泡部材であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の熱伝導ユニット。
  13. 前記熱源を、1または2以上のバッテリーセルとし、
    前記冷却部材を、前記バッテリーセルを入れる筐体の一部若しくは全部とするバッテリーであって、
    請求項1から12に記載の熱伝導ユニットは、その厚さ方向両側から、前記バッテリーセルと前記筐体との間に挟まれていることを特徴とするバッテリー。

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