JP2022146878A - ヘッドマウントディスプレイ、ルーバ、光学機器、ルーバの製造方法 - Google Patents

ヘッドマウントディスプレイ、ルーバ、光学機器、ルーバの製造方法 Download PDF

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【課題】ヘッドマウントディスプレイにおいて、外光による表示画質の低下を抑制しつつ、内部が高温高湿になるのを抑制できる技術が求められていた。【解決手段】表示パネルが発する表示光をユーザの眼に向ける光学部と、前記光学部からユーザの眼に向かう前記表示光の光路に配されたルーバと、を備え、前記ルーバは、前記光学部の光軸方向から見て、所定の幅の透光部と、前記透光部を挟むように配置された遮光部と、を備える、ことを特徴とするヘッドマウントディスプレイである。【選択図】図3

Description

本発明は、ヘッドマウントディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ等の光学機器に用いられるルーバとその製造方法等に関する。
近年、仮想現実をはじめとする種々の分野では、ヘッドマウントディスプレイが用いられている。ヘッドマウントディスプレイは、直視型のフラットパネルディスプレイや投映型のプロジェクションディスプレイに比べて、任意の方向から見る映像を表示できたり、ユーザの位置から見える外界像に映像を重畳させて表示できるなどの優れた点がある。
ヘッドマウントディスプレイは、図9に模式的に示すように、映像を表示する表示パネル21と、表示パネル21で表示された表示光IMGをユーザの眼24の位置近傍に結像させる光学要素22を有している。尚、図9はあくまで概念的な模式図であり、表示パネル21とユーザの眼24の間に、ミラーやPBSなどの光路変更素子を設けて、表示パネル21や光学要素22を異なる位置にレイアウトしてもよい。また、光学要素22は、凸レンズのような透過光学素子でもよいし、凹面鏡のよう反射光学素子でもよいし、それらを組み合わせた複数のものでもよい。
ユーザの眼24と、光学要素22あるいは上述した光路変更素子の間には、表示光IMGの光路長を確保するための光路空間が必要である。この光路空間に周囲から外光25が入射すると、その一部が光学要素22(例えばレンズ界面)で反射して、表示光IMGに重畳してユーザの眼24に届いてしまう場合がある。このような外光25は、いわゆる外光ゴーストとして表示画像の画質を低下させる原因となるため、ヘッドマウントディスプレイ内の光路空間にはできるだけ外光が侵入しないようにするのが望ましい。
特許文献1には、前方からの外光と表示画像の表示光を合成するコンバイナを備えたヘッドマウントディスプレイにおいて、コンバイナで反射してユーザの眼に向かう表示光の光路空間よりも下側に遮光性を有するルーバを設けることが開示されている。また、ヘッドマウントディスプレイをカバーで覆ってもよいことが開示されている。
特開2020-160424号公報
ヘッドマウントディスプレイには、表示部や通信回路などの電気回路(発熱要素)が設けられているが、光路空間の周囲全体を遮光部材とユーザの顔とで囲む構造にすると、発熱要素からの熱やユーザからの湿気が光路空間内に滞留することがある。光路空間が高温高湿になると、ユーザにとって長時間装着するのが不快になる可能性がある。また、光学要素が一時的に曇って画質が低下したり、光学要素が特性劣化を起こす可能性がある。
そこで、ヘッドマウントディスプレイにおいて、外光による表示画質の低下を抑制しつつ、内部が高温高湿になるのを抑制できる技術が求められていた。
本発明の第1の態様は、表示パネルが発する表示光をユーザの眼に向ける光学部と、前記光学部からユーザの眼に向かう前記表示光の光路に配されたルーバと、を備え、前記ルーバは、前記光学部の光軸方向から見て、所定の幅の透光部と、前記透光部を挟むように配置された遮光部と、を備える、ことを特徴とするヘッドマウントディスプレイである。
また、本発明の第2の態様は、透光性材料から成る板状の基部の内部に、遮光性材料から成る遮光部が設けられ、前記板状の基部の主面を平面視した時、前記遮光部は、透光部を挟むように所定の間隔で配置されており、前記遮光部の幅が、前記遮光部の前記間隔の9%以下である、ことを特徴とするルーバである。
また、本発明の第3の態様は、基板に樹脂材料を付与する工程と、前記基板に付与された前記樹脂材料を、所定のピッチで設けられた部分を有する凹凸形状に成形する工程と、成形された前記樹脂材料を硬化させて第1の基部を形成する工程と、前記第1の基部の前記凹凸形状に沿って、光吸収性材料または光反射性材料を付与して遮光部を形成する工程と、前記遮光部が形成された前記第1の基部に樹脂材料を付与する工程と、前記第1の基部に付与された前記樹脂材料を成形する工程と、成形された前記樹脂材料を硬化させて第2の基部を形成する工程と、を有する、ことを特徴とするルーバの製造方法である。
本発明によれば、外光による表示画質の低下を抑制しつつ、ヘッドマウントディスプレイの内部が高温高湿になるのを抑制することができる。
実施形態1に係るヘッドマウントディスプレイの光学系の構成を示す模式図。 実施形態1の変形例に係るヘッドマウントディスプレイの光学系の構成を示す模式図。 (a)実施形態1に係るルーバを主面と垂直な方向に切断した断面を示す模式的断面図。(b)模式的断面図の一部を拡大した拡大図。(c)実施形態1に係るルーバの主面を見た平面図。 実施形態1に係るヘッドマウントディスプレイをユーザ側から見た平面図。 (a)実施形態に係るルーバの製造方法において、基板に樹脂材料を付与した段階を示す図。(b)金型を用いて基板上の樹脂材料を成形する途中段階を示す図。(c)紫外線を照射して樹脂材料を硬化させる段階を示す図。(d)金型を離型した段階を示す図。 (a)実施形態に係るルーバの製造方法において、ディスペンサを用いて遮光部の材料を塗布する段階を示す図。(b)第2の基部を形成するための樹脂材料を付与した後、型板を通して紫外線を照射して樹脂材料を硬化させる段階を示す図。(c)型板を離型した段階を示す図。 (a)実施形態2に係るルーバを主面と垂直な方向に切断した断面を示す模式的断面図。(b)実施形態2に係るルーバの主面を見た平面図。 (a)実施形態3に係るルーバの主面を見た平面図。(b)実施形態4に係るルーバの主面を見た平面図。(c)実施形態5に係るルーバの主面を見た平面図。(d)実施形態6に係るルーバの主面を見た平面図。 従来のヘッドマウントディスプレイの光学系の構成を示す模式図。
図面を参照して、本発明の実施形態であるヘッドマウントディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ用ルーバ等について説明する。
尚、以下の実施形態、実施例の説明において参照する図面では、特に但し書きがない限り、同一の参照番号を付して示す要素は、同様の機能を有するものとする。
[実施形態1]
(ヘッドマウントディスプレイの光学系)
図1は、実施形態1に係るヘッドマウントディスプレイ100の光学系の構成を示す模式図である。尚、図1は光学系の配置を説明するための模式図であるため、ユーザの頭部に装着するための装着具や、映像情報を通信するための通信部、電源部、等は省略している。
21は表示部としての表示パネル、22は光学要素、23はルーバ、24はユーザの眼を示している。ヘッドマウントディスプレイ100には、右眼用および左眼用に各1ユニットの光学系が設けられ、右眼用ユニットの表示パネルには右眼用の映像が、左眼用ユニットの表示パネルには左眼用の映像が表示される。図1は、右眼用光学系もしくは左眼用光学系の1ユニットを示している。表示パネル21は、具体的には例えば有機ELパネルや液晶パネルである。
結像光学部としての光学要素22は、表示パネル21が発する表示光IMGをユーザの眼に向けて、ユーザの眼の位置付近に集光する光学素子で、表示パネル21に表示された画像を明視距離の拡大像としてユーザに認識させるものである。光学要素22は、表示パネル21からユーザの眼24の位置に至るまでの表示光IMGの光路の途中に配置され、その光軸OXが表示パネル21の画面中心とユーザの眼を結ぶように配置されている。光学要素22は、典型的には凸の単レンズであるが、全体として正のパワーを持つように複数枚のレンズが組み合わされたレンズ系であってもよい。レンズ系を構成する光学要素22には結像させるための機能を有していないものが含まれてよく、例えば、表示パネル21全体からの光を効率よくユーザの眼に入射させる機能を有しているものが含まれても良い。
ルーバ23は、光学要素22からユーザの眼に向かう表示光IMGの光路が占める光路空間内に配置された板状の部材であり、内部に複数の遮光部を備えている。後に図3(c)を参照して説明するように、ルーバ23の複数の遮光部は、光学要素22の光軸OXの方向から見て、径が異なる複数の同心円に沿って設けられている。この同心円の中心が光学要素22の光軸OX上に位置するように、ルーバ23は配置されている。言い換えれば、ルーバ23は、表示パネルから出力される表示光をユーザの眼に向ける光学部から、ユーザの眼に向かう表示光IMGの光路に配置されている。
ここで、光軸OXに沿って見た時のルーバ23の長さをL1とする。また、光軸OXに沿って見て、ユーザの眼の位置からルーバ23の中心までの距離をL2とし、ルーバ23の中心から光学要素22の中心までの距離をL3とする。尚、ルーバ23の中心とは、光軸OXに沿って見た時の遮光部5の中心を指すものとする。L1は1mm以上かつ3mm以下、L2は30mm以下、L3は5mm以上かつ25mm以下の範囲内で設定される。
ルーバ23の遮光部5は、光学要素22に向かう外光25を遮蔽しつつ、光学要素22からユーザの眼24に向かう表示光IMGの大部分を透過させるような位置姿勢で配置されている。図1において実線で示される外光25は、ルーバ23の遮光部5までは到達するが、そこで遮蔽されるため、点線で示される光路を通ることはなく、ユーザの眼24に外光ゴーストとして到達することは大幅に抑制されている。
尚、ヘッドマウントディスプレイ100は、更に光学素子を備えていてもよい。例えば、図2に示すように、光学要素22とルーバ23の間に偏光ビームスプリッタPBSを備えていてもよい。あるいは、ルーバ23とユーザの眼24の位置の間に、装置の内部をダスト等から保護するための窓材EW(透明な板材)を設けてもよい。そうした場合であっても、実施形態のルーバ23は、光学要素22からユーザの眼に向かう表示光IMGの光路が占める光路空間内に配置される。
図4は、実施形態1に係るヘッドマウントディスプレイ100をユーザ側から見た平面図である。尚、図4は光学系の配置を説明するための模式図であるため、ヘッドマウントディスプレイ100をユーザの頭部に装着するための装着具や、映像情報を通信するための通信部、電源部、等は省略している。
PFは、遮光材から成るフレーム(額縁部)であり、表示パネルや光学部材を支持する筐体として機能するとともに、正面方向からの外光を遮光するカバーでもある。フレームPFには、ユーザの顔に位置決めするための鼻当て部NFが設けられている。右眼用の要素として、ユーザの顔側から順に窓材EWR、ルーバ23R、光学系22R、表示パネル21Rが配置され、左眼用の要素として、ユーザの顔側から順に窓材EWL、ルーバ23L、光学系22L、表示パネル21Lが設けられている。尚、図1に示した例のように、ダスト等から装置の内部を保護する窓材の役割をルーバ23が兼用する場合には、窓材EWR、窓材EWLは設けなくてもよい。
表示パネル21Rおよび表示パネル21Lとしては、画面のアスペクト比が、例えば4:3あるいは16:9のものが好適に用いられるが、それに限られるわけではない。各表示パネルの画面中心と、各結像光学系の光軸OX、および各ルーバの中心Cは、ユーザ側から平面視した時に重なるように配置される。ただし、輻輳をつけるために、各表示パネルの画面中心と、各結像光学系の光軸OX、および各ルーバの中心Cは僅かにずれていても構わない。
また、図4に示すように、ルーバの外形を結像光学系の外形(例えば凸レンズや凹ミラーの外径)と実質的に同一にすることにより、表示光の利用効率と外光の遮蔽を高いレベルでバランスさせることができる。
(ルーバ)
次に、図3(a)~図3(c)を参照してルーバ23の構造について詳細に説明してゆく。図3(a)は、板状のルーバ23を主面と垂直な方向に切断した断面を示す模式的断面図であり、図3(b)は、図3(a)の一部拡大図である。図3(c)は、図1における光軸OXの方向から板状のルーバ23の主面を見た平面図であり、図3(a)の断面図は図3(c)中のA-A’線に沿って切断した断面を示している。尚、ヘッドマウントディスプレイにルーバ23を設置する際の設置姿勢を示すため、図1と対応したXYZ座標系を各図に示している。
全体としては板状の光学素子であるルーバ23は、透光性材料から成る基板1、透光性の樹脂材料から成る第1の基部2、透光性の樹脂材料から成る第2の基部3、遮光性材料から成る遮光部5が一体化された光学素子である。尚、以下の説明では、第1の基部2、第2の基部3、遮光部5を合わせて、ルーバ本体と呼ぶ場合がある。
図3(a)に示す実施形態では、ルーバ23は基板1を備えているが、基板1を設けなくともルーバ本体だけで十分な機械的な強度が担保される場合にはこれを省略し、第1の基部2、第2の基部3、遮光部5のみでルーバ23を構成してもよい。逆に、第1の基部2、第2の基部3、遮光部5を強固に保護したい場合には、第1の基部2の側だけでなく第2の基部3の側にも基板を設けて、2枚の基板でルーバ本体を挟持する構造にしてもよい。
(基板)
基板1としては、透明性等、所望の光学特性を満足するものであれば、ガラス材料、光学樹脂材料のいずれでも用いることができる。特性変動がしにくい(信頼性)という観点を重視する場合はガラス材料が好適である。例えば、珪酸ガラスや硼珪酸ガラス、リン酸ガラスに代表される一般的な光学ガラスや、石英ガラス、ガラスセラミックなど種々のガラスを用いることができる。一方、コストや軽量化という観点を重視する場合には、樹脂を用いるのが好ましく、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化樹脂、2液硬化樹脂等の樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート、ポリスチレン、MS樹脂、AS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、セルロースアシレート、熱可塑性エラストマー、シクロオレフィンポリマーが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂がある。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。尚、基板1は、例えば熱インプリント法、光インプリント法、押出成形、射出成形等により、製造することができる。断面視した時の基板1の主面の形状は、必ずしも図3(a)に示すような平坦面に限定されるものではなく、例えば凹球面、凸球面、軸対称非球面などから選択できる。また、主面に垂直な方向から平面視した時の基板1の外形形状は、種々のものを用いることができるが、円形や四角形などから選択できる。
(ルーバ本体)
ルーバ本体は、第1の基部2、第2の基部3、および遮光部5を備える。第1の基部2と第2の基部3をまとめて、基部と呼ぶ場合がある。
図3(a)に示すように、第1の基部2についてみれば、ヘッドマウントディスプレイに組付けられたときに表示光IMGの出射側になる主面は平坦面であり、表示光IMGの入射側になる主面(第2の基部3と対向する面)は凹凸部分を有している。また、第2の基部3についてみれば、ヘッドマウントディスプレイに組付けられたときに表示光IMGの入射側になる主面は平坦面であり、表示光IMGの出射側になる主面(第1の基部2と対向する面)は凹凸部分を有している。尚、基板1として、断面視した時の主面形状が平坦ではない基板を用いた場合には、上述した第1の基部2および第2の基部3の平坦面は、基板1の主面形状にならった形状(非平坦面)とする。
第1の基部2の凹凸部分と第2の基部3の凹凸部分は互いに嵌合しており、第1の基部2と第2の基部3は一体化している。第1の基部2と第2の基部3は、屈折率が実質的に同一の材料から成り、好ましくは同一種類の樹脂材料により形成されている。これらを形成する樹脂材料としては、透過率等の光学特性と信頼性を満足する樹脂材料であれば特に制限は無いが、製造が容易であることから、感光性樹脂材料が好ましい。具体的には、アクリレート系樹脂、ポリカーボネート樹脂、などが好適に使用される。所定の光学特性を達成するために、この光学樹脂材料には無機微粒子を内添させることも可能である。添加される無機微粒子は、要求される光学特性により選択される。具体的には、酸化ジルコニア、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫、酸化アンチモン、インジウム錫酸化物(ITO)、アンチモンをドープした酸化スズ(ATO)、亜鉛をドープした酸化インジウム(IZO)等が挙げられる。
第1の基部2および第2の基部3が備える凹凸部分は、互いに嵌合可能で、かつ後述するように遮光部5を所定の位置および所定の向きに形成できる形状であればよい。図3(a)及び図3(b)に例示するように、凹凸部分の断面形状としては、三角形を並べた鋸歯形状が好適に用いられるが、それ以外であってもよい。例えば、二等辺三角形、直角三角形等の三角形、四角形、台形、半円形などを連続的に配置した断面形状が挙げられる。
また、図1における光軸OXの方向から平面視すると、凹凸部は、径が異なる複数の同心円に沿って形成されている。
第1の基部2と第2の基部3が嵌合している部分をZ方向(主面と直交する方向)に沿って見ると、第1の基部2と第2の基部3が当接している部分と、第1の基部2と第2の基部3が遮光部5を挟持している部分4とが、交互に配置されているのがわかる。
第1の基部2の2a面と第2の基部3の3a面が当接している界面は、同一材料どうしが当接する界面であるため光学的に作用することはなく、この部分は表示光IMGを透過させる窓となる。このように、実施形態のルーバは、光軸方向から見て所定の幅の透光部と、透光部を挟むように配置された遮光部とを備えている。
一方、第1の基部2の2b面と第2の基部3の3b面の間には、遮光部5が挟まれている。図1における光軸OXの方向から平面視すると、遮光部5は、図3(c)に示すように、径が異なる複数の同心円状に形成されている。遮光部5は、図1に示したように、光学要素22に向かう外光25を有効に遮蔽するが、光学要素22からユーザの眼24に向かう表示光IMGを遮蔽しにくい位置・方向に設けられている。
ルーバ23をヘッドマウントディスプレイに実装する際には、遮光部5を構成する複数の同心円の中心Cは、結像光学部の光軸上、すなわち図1に示す光学要素22の光軸OX上に配置される。言い換えれば、表示パネル21の画面中心とユーザの眼24の位置を結ぶ線上に、遮光部5を構成する複数の同心円の中心Cが配置される。同心円状の遮光部を採用することにより、表示画像の輝度均一性が優れる利点がある。また、金型成形やディスペンサを用いてルーバを作製する際に、製造が容易になる(例えば応力が等方的に作用するため歪が小さい、基板を回転させれば容易に遮光材を塗布可能)という利点もある。
図3(b)に示すように、遮光部どうしの間隔(あるいは隣接する同心円の半径の差)をPとし、遮光部の厚さ(光軸OXの方向から平面視した時の遮光部の幅)をtとした時に、t/Pを9%以下にするのが良い(t/P≦9%)。その際、Pは500μm以上かつ2000μm以下の範囲内に設定するのが好ましく、tは0.1μm以上かつ45μm以下の範囲内に設定するのが望ましい。また、遮光部5の光軸方向の長さをL1とすると、L1は1mm以上かつ3mm以下の範囲内に設定するのが望ましい。
というのも、外光に対する十分な遮光性能を確保するには、tを0.1μm以上とするのが望ましく、Pを2000μm以下にするのが好ましく、L1を1mm以上にするのが望ましい。しかし、tを45μmよりも大きくする、あるいはPを500μm未満にする、あるいはL1を3mmよりも大きくすると、遮光部5が表示光IMGを遮る割合が増加し、表示画像が暗くなってしまう。そこで、t、P、L1を上述した範囲内に設定するのが望ましく、特にt/P≦9%とすることで、外光によるゴーストの防止と、表示画像の輝度および均一性の確保とを高いバランスで実現することができる。
遮光部5は、外光25の可視光成分が光学要素22に向かうのを遮蔽できれば良いので、可視光を吸収する光吸収性材料か、可視光を反射する光反射性材料を用いて形成することができ、場合によっては、これらの材料を重ねた多層構造にしてもよい。尚、可視光を反射する材料を用いる場合には、反射した外光が迷光にならないように、遮光部5の位置と形状を設定する。
可視光を吸収する材料としては、例えば顔料、染料を含む塗料を適宜選択して用いることができるが、特に光吸収能を高めたい場合には、黒色塗料を選択することが好ましく、耐久性の観点から顔料含有材料を用いることが好ましい。顔料としては、アイボリーブラック、ピーチブラック、ランプブラック、ビチューム、カーボンブラック、黒色アニリン等が挙げられる。これらの中でも、特に、カーボンブラック、黒色アニリンを用いることが好ましい。尚、入射する外光の波長に応じて異なる効果を得るため等の種々の目的で、カラー材料を適宜、使用することも可能である。
遮光部に反射層を形成する場合には、鏡面反射タイプと、拡散反射タイプとがあり得る。鏡面反射タイプを用いる場合は、表示光IMGの観察に影響を与えない方向に外光を反射させることで、外光ゴーストを抑えることが可能である。鏡面反射タイプの光反射層には、例えば、アルミ、銀、ニッケル、ステンレス、銅、亜鉛、鉄等のメタリック顔料含有材料を用いることが好ましい。アルミ、銀、ニッケル、ステンレス等の微粉末を単独で、又は混合して用いると、銀色の鏡面反射タイプの光反射層が得られる。銅、亜鉛、鉄等の微粉末を単独で、又は混合して用いると金色、赤銅色の鏡面反射タイプの光反射層が得られる。拡散反射タイプを用いる場合は、光量分布を平均化し、外光ゴーストを抑え、明るさムラを抑えることが容易である。拡散反射タイプの光反射層としては、例えば、シルバーホワイト、チタニウムホワイト、ジンクホワイト、アルミパウダー等の顔料含有材料を用いることが好ましい。
また、遮光部を形成する方法に特に制限はなく、適宜の製造方法が採用され得る。例えば、第1の基部2および/または第2の基部3の凹凸形状の所定の面に、着色材料を含んだ塗料を塗布する塗布法や、アルミニウム等の金属材料を真空蒸着する方法を用いることができる。塗布法により遮光部5を形成する場合には、接触式と非接触式が有り得る。接触式としては、例えば、レンズ墨塗等でも使用される筆やスポンジ等を用いて塗布する方法がある。非接触式としては、例えば、スプレーやディスペンサを用いて塗布する方法がある。後述するように、ディスペンサで塗布する場合には、第1の基部2および/または第2の基部3の凹凸部の所定の面に向けて斜め方向から塗料を付与することにより、環状の遮光部を形成することが出来る。
(ルーバの製造方法)
次に、図5(a)から図5(d)、および図6(a)から図6(c)を参照して、本実施形態に係るルーバの製造方法について説明する。
まず、図5(a)に示すように、基板1の上に、第1の基部2を形成するための紫外線硬化型の樹脂材料11を適量付与する。
次に、図5(b)に示すように、第1の基部2の形状をレプリカ成形するための金型12で樹脂材料11を押圧してゆき、隙間が生じないように基板1と金型12の間に樹脂材料11を充填してゆく。金型12には、径が異なる複数の同心円状の凹凸部を第1の基部2の主面に成形するためのパターンが形成されている。
樹脂材料11の充填が完了したら、図5(c)に示すように、紫外光源13から紫外線を照射し、紫外線硬化型の樹脂材料11を硬化させる。紫外線の照射が完了したら、図5(d)に示すように、基板1と密着して形成された第1の基部2を金型12から離型する。更に、樹脂材料の硬化を完全なものとするため、オーブン内にセットして加熱処理してもよい。
次に、第1の基部2の所定の面に、遮光部を形成する。すなわち、図3(b)を参照して説明した2b面に、遮光部5を形成する。具体的には、図6(a)に示すように、径が異なる複数の同心円の中心Cを回転軸として基板1を回転させ、ディスペンサ14を用いて各同心円の2b面に沿って遮光部5の材料を塗布してゆく。ディスペンサ14を適度に傾けて塗布することにより、2a面を汚すことなく2b面のみに遮光材料を含む塗料を塗布することができる。塗布完了後、オーブン中で加熱・焼成を行い塗料を乾燥・硬化させることにより、第1の基部2に遮光部5が形成される。
次に、遮光部5が形成された第1の基部2の上に、第2の基部3を形成するための紫外線硬化型の樹脂材料16を適量付与する。さらに、第2の基部3の形状をレプリカ成形するための型板15で樹脂材料16を押圧してゆき、隙間が生じないように遮光部5が形成された第1の基部2と型板15との間に樹脂材料16を充填してゆく。尚、型板15は紫外線を透過させる透明材料より成り、樹脂材料16と接する成形面は平坦面である。
樹脂材料16の充填が完了したら、図6(b)に示すように、紫外光源13から紫外線を照射し、紫外線硬化型の樹脂材料16を硬化させる。紫外線の照射が完了したら、図6(c)に示すように、型板15から離型する。更に、樹脂材料の硬化を完全なものとするため、オーブン内にセットして加熱処理してもよい。
以上の製造方法により、実施形態の密着二層型のルーバ23を製造することができる。
実施形態のヘッドマウントディスプレイにおいては、ルーバ23を備えることにより表示光の光路空間の周囲を遮光部材で取り囲む必要がないため、外光による表示画質の低下を抑制しつつ、内部が高温高湿になるのを抑制することができる。なお、本実施形態において遮光部5は複数の同心円に沿って設けられているが、遮光部5の幅の10%以内の位置ずれであれば実施形態の効果は奏する。
[実施形態2]
実施形態1の変形例である実施形態2について、図面を参照して説明する。実施形態1と共通する事項については、説明を省略ないし簡易化する。
実施形態1に係るヘッドマウントディスプレイは、図3(c)に示したように径が異なる複数の同心円状に形成された遮光部5を有するルーバ23を用いた。
これに対して、本実施形態では、径が異なる複数の同心円弧に沿って設けられた複数の遮光部を備えたルーバ73を用いる。
図7(a)は、板状のルーバ73を主面と垂直な方向に切断した断面を示す模式的断面図であり、図7(b)は、図1における光軸OXの方向から板状のルーバ73の主面を見た平面図である。図7(a)の断面図は図7(b)中のE-E’線に沿って切断した断面を示している。尚、ヘッドマウントディスプレイにルーバ73を設置する際の設置姿勢を示すため、図1と対応したXYZ座標系を各図に示している。
図7(b)に示すように、本実施形態では、ルーバ73には、遮光部5は径が異なる複数の同心円弧に沿って設けられている。この例では、中心角が270度の円弧に沿って遮光部5が形成されているが、中心角の大きさはこの例に限られるわけではない。また、遮光部5が設けられる円弧は、1つの径に対して1つに限られるわけではなく、例えば互いに重ならないように隙間を空けて配置された同一径の3つの円弧(例えば中心角が90度の同心の円弧)に沿って遮光部5を設けてもよい。
本実施形態に係るルーバ73は、例えばヘッドマウントディスプレイの部品実装の関係で外光が進入しないことが明らかな方向や、表示光のロスを極力低減したい方向に関しては、遮光部を配置しない構成とすることができる。あるいは、同一径の遮光部内に、製造時や使用時に応力を逃がすための隙間を形成することができる。
遮光部5が設けられていない扇形の領域は、実質的に屈折率が等しい材料で形成された第1の基部2と第2の基部3が当接するため、光学的には窓として機能する。
本実施形態のルーバは、実施形態1と概ね同様の製造方法で作製され得る。ただし、図6(a)を参照して説明した工程については、実施形態1とは異なる制御がなされる。すなわち、本実施形態では、ディスペンサ14を用いて遮光部5の材料を塗布する際には、同心円弧の中心Cを中心にして基板1を回転させながら、中心角270度の円弧にだけ塗料を塗布するようにディスペンサ14の吐出タイミングが制御される。
実施形態のヘッドマウントディスプレイにおいては、ルーバ73を備えることにより表示光の光路空間の周囲を遮光部材で取り囲む必要がないため、外光による表示画質の低下を抑制しつつ、内部が高温高湿になるのを抑制することができる。なお、本実施形態において遮光部5は複数の同心円弧に沿って設けられているが、遮光部5の幅の10%以内の位置ずれであれば発明の効果は奏する。
[実施形態3]
実施形態1の変形例である実施形態3について、図面を参照して説明する。実施形態1と共通する事項については、説明を省略ないし簡易化する。
本実施形態では、径の異なる複数の楕円状に形成された遮光部5を有するルーバ231を用いる。
図8(a)は、図1における光軸OXの方向から板状のルーバ231の主面を見た平面図である。図8(a)に示すように、本実施形態では、ルーバ231には、遮光部5が径の異なる複数の楕円状に形成されている。
本実施形態に係るルーバ231は、遮光部のピッチ、すなわち透光部を挟んで配置された遮光部の間隔が径方向によって異なる。例えば、外光の侵入角度が大きく外光の遮蔽効果を高めたい方向に関してはピッチを狭くし、外光の侵入角度が小さく表示光のロスを極力低減したい方向に関してはピッチを広くする構成とすることができる。このような構成を採ることで、ヘッドマウントディスプレイの部品実装の設計度を高めることができる。
本実施形態のルーバは、実施形態1と概ね同様の製造方法で作製され得る。ただし、図6(a)を参照して説明した工程については、実施形態1とは異なる制御がなされる。すなわち、本実施形態では、ディスペンサ14を用いて遮光部5の材料を塗布する際には、楕円の中心Cを中心にして基板1を回転させながら、塗布位置を変えて塗料を塗布するようにディスペンサ14が回転と同期して走査制御される。
[実施形態4]
実施形態1の変形例である実施形態4について、図面を参照して説明する。実施形態1と共通する事項については、説明を省略ないし簡易化する。
本実施形態では、径が異なる複数の同心円弧に沿って設けられ、方向によってピッチの異なる複数の遮光部を備えたルーバ232を用いる。
図8(b)は、図1における光軸OXの方向から板状のルーバ232の主面を見た平面図である。図8(b)に示すように、本実施形態では、ルーバ232には、遮光部5が径が異なる複数の同心円弧に沿って形成されている。
本実施形態に係るルーバ232は、遮光部のピッチ、すなわち透光部を挟んで配置された遮光部の間隔が径方向によって異なる。例えば、外光の侵入角度が大きく外光の遮蔽効果を高めたい方向に関してはピッチを狭くし、外光の侵入角度が小さく表示光のロスを極力低減したい方向に関してはピッチを広くする構成とすることができる。このような構成を採ることで、ヘッドマウントディスプレイの部品実装の設計度を高めることができる。
本実施形態のルーバは、実施形態2と概ね同様の製造方法で作製され得る。
[実施形態5]
実施形態1の変形例である実施形態5について、図面を参照して説明する。実施形態1と共通する事項については、説明を省略ないし簡易化する。
本実施形態では、中心が異なり径が異なる複数の円状に形成された遮光部5を有するルーバ233を用いる。
図8(c)は、図1における光軸OXの方向から板状のルーバ233の主面を見た平面図である。図8(c)に示すように、本実施形態では、ルーバ233には、遮光部5が中心が異なり、かつ、径が異なる複数の円状に形成されている。
本実施形態に係るルーバ233は、遮光部のピッチ、すなわち透光部を挟んで配置された遮光部の間隔が径方向によって異なる。例えば、外光の侵入角度が大きく外光の遮蔽効果を高めたい方向に関してはピッチを狭くし、外光の侵入角度が小さく表示光のロスを極力低減したい方向に関してはピッチを広くする構成とすることができる。このような構成を採ることで、ヘッドマウントディスプレイの部品実装の設計度を高めることができる。
本実施形態のルーバは、実施形態1と概ね同様の製造方法で作製され得る。ただし、図6(a)を参照して説明した工程については、実施形態1とは異なる制御がなされる。すなわち、本実施形態では、ディスペンサ14を用いて遮光部5の材料を塗布する際には、塗布する円の中心Cに基板1の回転中心を合わせながら塗布する。
[実施形態6]
実施形態1の変形例である実施形態6について、図面を参照して説明する。実施形態1と共通する事項については、説明を省略ないし簡易化する。
本実施形態では、渦巻き状に形成された遮光部5を有するルーバ234を用いる。
図8(d)は、図1における光軸OXの方向から板状のルーバ234の主面を見た平面図である。図8(d)に示すように、本実施形態では、ルーバ234には、遮光部5が渦巻き状に形成されている。透光部を挟むように配置された複数の遮光部が集合して、1つの部材として構成されているといえる。本実施形態のルーバも、光学部の光軸方向と直交する方向で切断した断面において、所定の幅の透光部を挟むように配置された遮光部を備えている。
本実施形態に係るルーバ234は、製造方法が簡便で大量生産することができる。
本実施形態のルーバは、例えば、柔軟性のある透明な板状のシートを準備し、シートの片面に遮光材料を均一に塗布する。塗布方法は、噴霧、スキージ、スピンコートなどの簡便な方法を採用できる。その後、シートをロール状に巻き、切断することにより製造できる。表面の平坦性や空隙などにより光学性能が劣化する場合には、表面を透明シートで被覆する、透明樹脂で空隙を埋めるなどの方法で改善することができる。
以下に、具体的な実施例について説明する。
(実施例1~実施例3)
図3(a)~図3(c)を参照して構造を説明した実施形態1に係る密着二層型のルーバを、図5(a)~図5(d)および図6(a)~図6(c)を参照して説明した製造方法にて作製した。
平板で円形形状の基板1の材料は、ホウ素とシリコンを含有した光学ガラス((株)オハラ製「S-BSL7」)であり、大きさはφ45mmのものを準備した。第1の基部2に凹凸部を形成するための金型は、金属母材上にメッキしたNiP層を精密加工機で切削加工し、所望の凹凸部の反転形状を形成したものを用いた。
基板1の片方の主面上には、第1の基部2、第2の基部3を順に形成した。第1の基部2は、紫外線硬化型のアクリル樹脂組成物で形成した。遮光部は、第1の基部2の同心円の中心を回転中心にして基板1を回転させながら、ディスペンサを用いて遮光部の原料となる塗料を斜め方向から塗布して形成した。ディスペンサを用いたのは、10μm前後の膜厚を形成するのに適切な吐出量を供給できることと、1基板あたり塗布する同心円の数が40本程度と少なく、前後工程との相性が良いためである。
実施例1~実施例3では、遮光部どうしのピッチP(隣接する遮光部どうしの間隔、あるいは隣接する同心円の半径の差)をそれぞれ異なる大きさにした。すなわち、実施例1はP=500μm、実施例2はP=1000μm、実施例3はP=2000μm、とした。
また、遮光部の厚さt(光軸OXの方向から平面視した時の遮光部の幅)は、実施例1はt=45μm、実施例2はt=10μm、実施例3はt=0.1μm、とした。
続いて、第2の基部3を、第1の基部2と同じ紫外線硬化型のアクリル樹脂組成物で形成し、密着二層型のルーバを作製した。
各実施例において、遮光部の径方向のピッチP(あるいは遮光部どうしの間隔)に対する径方向の幅tの比率であるt/Pは、実施例1はt/P=9%、実施例2はt/P=1%、実施例3はt/P=0.005%、である。
実施例1~実施例3のルーバを外光ゴースト及び明るさムラ評価用のヘッドマウントディスプレイに組み込んで、評価用にレイアウトされた照明空間のもと、外光ゴースト及び明るさムラの目視評価を行った。評価の結果、実施例1~実施例3のルーバは、外光ゴーストは視認が出来ないレベルまで低減され、明るさムラもほとんど視認されないことが確かめられた。すなわち、ルーバを設けない場合と比較して、格段に表示画像が見易くなった。
(実施例4~実施例6)
図7(a)~図7(b)を参照して構造を説明した実施形態2に係る密着二層型のルーバを、図5(a)~図5(d)および図6(a)~図6(c)を参照して説明した製造方法にて作製した。
実施例4~実施例6では、遮光部どうしのピッチP(隣接する遮光部どうしの間隔、あるいは隣接する同心円弧の半径の差)をそれぞれ異なる大きさにした。すなわち、実施例4はP=500μm、実施例5はP=1000μm、実施例6はP=2000μm、とした。また、遮光部の厚さt(光軸OXの方向から平面視した時の遮光部の幅)は、実施例4はt=45μm、実施例5はt=10μm、実施例6はt=0.1μm、とした。
遮光部は、第1の基部2の同心円の中心を回転中心にして基板1を270度回転させながら、ディスペンサを用いて遮光部の原料となる塗料を斜め方向から塗布して形成した。
実施例4~実施例6のルーバを外光ゴースト及び明るさムラ評価用のヘッドマウントディスプレイに組み込んで、評価用にレイアウトされた照明空間のもと、外光ゴースト及び明るさムラの目視評価を行った。評価の結果、実施例4~実施例6のルーバは、外光ゴーストは視認が出来ないレベルまで低減され、明るさムラもほとんど視認されないことが確かめられた。すなわち、ルーバを設けない場合と比較して、格段に表示画像が見易くなった。
(実施例7~実施例8)
実施例7~実施例8は、遮光部どうしのピッチP(隣接する遮光部どうしの間隔、あるいは隣接する同心円の半径の差)と遮光部の径方向の幅tを、実施例1~実施例3に対して異なる構成とした。それ以外は、実施例1~実施例3と同様である。すなわち、遮光部どうしのピッチPは、実施例7はP=100μm、実施例8はP=3000μm、とした。
また、遮光部の厚さt(光軸OXの方向から平面視した時の遮光部の幅)は、実施例7はt=50μm、実施例8はt=0.01μm、とした。
実施例7~実施例8のルーバを外光ゴースト及び明るさムラ評価用のヘッドマウントディスプレイに組み込んで、他の実施例と同様に外光ゴースト及び明るさムラの目視評価を行った。
実施例7のルーバでは、外光ゴーストは視認が出来ないレベルまで低減し、ルーバを設けない場合と比較して、格段に表示画像が見易くなった。ただし、実施例1~実施例3のルーバを組み込んだ場合と比較すると、表示画像の明るさムラの評価は低かった。
実施例8のルーバでは、外光ゴーストは、ルーバを設けない場合と比較して大幅に低減し、表示画像が見易くなった。ただし、実施例1~実施例3のルーバを組み込んだ場合と比較すると、明るさムラの評価は同等であるものの、外光ゴーストの低減効果に関する評価は低かった。
実施例7~実施例8によれば、ルーバを設けない場合と比較して外光ゴーストを低減できるため大幅に表示画像の画質を向上できる。
以上のように、実施例1~実施例8のルーバをヘッドマウントディスプレイに組み込めば、表示光の光路空間の周囲を遮光部材で取り囲む必要がないため、外光による表示画質の低下を抑制しつつ、内部が高温高湿になるのを抑制することができる。ただし、実施例1~実施例3および実施例4~実施例6は、実施例7~実施例8よりも外光ゴーストの低減と明るさムラの抑制の両方を高いレベルで達成できるため、好適な実施例であると言える。
[他の実施形態]
尚、本発明は、以上説明した実施形態や実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。
例えば、一つのルーバに同心円状の遮光部と同心円弧状の遮光部が共存するようにしてもよい。ある半径までは遮光部が同心円に沿って形成され、それ以上の半径については遮光部が同心円弧に沿って形成されるようにしてもよい。逆に、ある半径までは遮光部が同心円弧に沿って形成され、それ以上の半径については遮光部が同心円に沿って形成されるようにしてもよい。
また、遮光部は、完全な同心円や完全な同心円弧に沿って形成されなければならないわけではなく、実質的に同等の効果が得られる程度の変形であれば許容され得る。すなわち、実質的に同等な表示画像の輝度均一性が得られる、あるいは金型成形で作製する際に実質的に同等な製造容易性が達成されるものであれば、許容され得る。
例えば、焦点が共通で、長径の長さが異なる複数の楕円あるいは楕円の一部に沿って遮光部を設けてもよい。あるいは、囲まれている部分の面積が互いに異なり、重心の位置が等しく、外縁が交差しないような複数の環形状に沿って遮光部を設けてもよい。
本発明に係るルーバは、ヘッドマウントディスプレイ以外の光学機器に設けてもよく、例えば、ハンドヘルドディスプレイ、静止画像や動画を撮影するカメラ、顕微鏡、内視鏡に装着してもよい。
1・・・基板/2・・・第1の基部/3・・・第2の基部/4・・・遮光部5を挟持している部分/5・・・遮光部/11・・・樹脂材料/12・・・金型/13・・・紫外光源/14・・・ディスペンサ/15・・・型板/16・・・樹脂材料/21、21L、21R・・・表示パネル/22・・・光学要素/23・・・ルーバ/24・・・眼/25・・・外光/73・・・ルーバ/100・・・ヘッドマウントディスプレイ/EW、EWL、EWR・・・窓材/IMG・・・表示光/NF・・・鼻当て部/OX・・・光軸/PBS・・・偏光ビームスプリッタ/PF・・・フレーム

Claims (20)

  1. 表示パネルが発する表示光をユーザの眼に向ける光学部と、
    前記光学部からユーザの眼に向かう前記表示光の光路に配されたルーバと、を備え、
    前記ルーバは、前記光学部の光軸方向から見て、所定の幅の透光部と、前記透光部を挟むように配置された遮光部と、を備える、
    ことを特徴とするヘッドマウントディスプレイ。
  2. 前記遮光部は、前記ルーバを前記光学部の光軸方向から見て、径が異なる複数の円または径が異なる複数の円弧に沿って、互いに所定の間隔を空けて配されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  3. 前記複数の円は、径が異なる複数の同心円であり、
    前記複数の円弧は、径が異なる複数の同心円弧である、
    ことを特徴とする請求項2に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  4. 前記径が異なる複数の同心円の中心、または前記径が異なる複数の同心円弧の中心は、
    前記光学部の光軸上に位置する、
    ことを特徴とする請求項3に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  5. 前記遮光部は遮光性材料から成り、透光性材料から成る板状の基部の内部に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  6. 前記光学部の光軸方向に沿って切断した前記ルーバの断面において、
    前記ルーバは、凹凸形状を有する第1の基部と、前記第1の基部の凹凸形状と嵌合した凹凸形状を有する第2の基部と、を備え、
    前記遮光部は、前記第1の基部と前記第2の基部に挟まれている、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  7. 前記光学部の光軸方向と直交する方向で切断した前記ルーバの断面において、
    前記遮光部の幅が、前記透光部を挟んで配置された前記遮光部の間隔の9%以下である、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  8. 前記遮光部の前記間隔は、500μm以上かつ2000μm以下である、
    ことを特徴とする請求項7に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  9. 前記遮光部の幅が、0.1μm以上かつ45μm以下である、
    ことを特徴とする請求項7または8に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  10. 前記遮光部は、光吸収性材料または光反射性材料により形成されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  11. 透光性材料から成る板状の基部の内部に、遮光性材料から成る遮光部が設けられ、
    前記板状の基部の主面を平面視した時、前記遮光部は、透光部を挟むように所定の間隔で配置されており、
    前記遮光部の幅が、前記遮光部の前記間隔の9%以下である、
    ことを特徴とするルーバ。
  12. 前記遮光部の前記間隔は、500μm以上かつ2000μm以下である、
    ことを特徴とする請求項11に記載のルーバ。
  13. 前記遮光部の幅が、0.1μm以上かつ45μm以下である、
    ことを特徴とする請求項11または12に記載のルーバ。
  14. 前記遮光部は、光吸収性材料または光反射性材料により形成されている、
    ことを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載のルーバ。
  15. 請求項11乃至14のいずれか1項に記載のルーバを備えた光学機器。
  16. 基板に樹脂材料を付与する工程と、
    前記基板に付与された前記樹脂材料を、所定のピッチで設けられた部分を有する凹凸形状に成形する工程と、
    成形された前記樹脂材料を硬化させて第1の基部を形成する工程と、
    前記第1の基部の前記凹凸形状に沿って、光吸収性材料または光反射性材料を付与して遮光部を形成する工程と、
    前記遮光部が形成された前記第1の基部に樹脂材料を付与する工程と、
    前記第1の基部に付与された前記樹脂材料を成形する工程と、
    成形された前記樹脂材料を硬化させて第2の基部を形成する工程と、を有する、
    ことを特徴とするルーバの製造方法。
  17. 前記遮光部を形成する工程は、ディスペンサを用いて前記光吸収性材料または前記光反射性材料を、前記第1の基部に斜め方向から塗布する工程を含む、
    ことを特徴とする請求項16に記載のルーバの製造方法。
  18. 前記第2の基部の主面を平面視した時、前記遮光部は、所定のピッチで設けられた部分を有しており、
    前記遮光部の幅が、前記遮光部のピッチの9%以下である、
    ことを特徴とする請求項16または17に記載のルーバの製造方法。
  19. 前記遮光部のピッチは、500μm以上かつ2000μm以下である、
    ことを特徴とする請求項18に記載のルーバの製造方法。
  20. 前記遮光部の幅が、0.1μm以上かつ45μm以下である、
    ことを特徴とする請求項18または19に記載のルーバの製造方法。
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