JP2022144324A - ペレットの製造方法 - Google Patents

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Takashi Onishi
進悟 徳原
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Abstract

【課題】新規なペレットの製造方法等を提供する。【解決手段】ペレットを構成する樹脂が環構造を有するアクリル樹脂(特に、Mwが小さいか又はMFRが大きい、環構造を有するアクリル樹脂等)等のアクリル樹脂であっても、成形時における計量を効率よく安定化し、さらには成形品におけるシルバーストリークを効率よく防止しうる、ホットカット等で樹脂を切断する、長径が4.5mm以下の新規なペレット(樹脂ペレット、樹脂組成物)の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、新規なペレット(樹脂ペレット)の製造方法等に関する。
ポリメタクリル酸メチル(PMMA)に代表されるアクリル樹脂は、高透明性などの観点から、光学材料などとして使用されている。そして、このようなアクリル樹脂の中でも、耐熱性などの観点から、主鎖に環構造を有するアクリル系ポリマーが開発されつつある。例えば、特許文献1には、メチル(メタ)アクリレート単位、メタクリル酸単位及びグルタル酸無水物単位を有する共重合体が開示されている。
国際公開第2017/022393号パンフレット
本発明の目的は、新規なペレット(樹脂ペレット、樹脂組成物)の製造方法(さらにはペレット)を提供することにある。
本発明の他の目的は、新規な成形方法(成形品の製造方法)を提供することにある。
前記の通り、アクリル樹脂が広く使用されており、耐熱性などの観点から、アクリル樹脂に環構造を導入する試みもなされつつある。このようなアクリル樹脂は、安定的にストランド方式等でペレットを製造することが難しい場合があった。なかでも、このような傾向は、比較的堅脆い、環構造を有するアクリル樹脂において顕著であった。
このような中、本発明者は、ホットカット方式等にて、アクリル樹脂(特に、環構造を有するアクリル樹脂)のペレットを得たが、このようなペレット(ホットカットペレット等)を成形に使用すると、成形機(射出成形機等)における計量が不安定になったり、外観・成形不良(例えば、成形品におけるシルバーストリーク)が生じやすくなる場合があることがわかった。
すなわち、図1に示すように、成形機(射出成形機等)は、通常、シリンダー(シリンダー部)2と、シリンダー2の前端部に接続されたノズル1を備えたノズル部Hnと、シリンダー2の後部H3に接続され、成形材料(樹脂ペレット等)をシリンダー2に投入するためのホッパー3とを備えている。
シリンダー2内には、前部(計量部)S1、中間部(圧縮部)S2及び後部(供給部)S3で構成されたスクリューが収容されており、これらはそれぞれスクリューが押し込まれた状態(スクリューをノズル側に寄せた状態)における、シリンダー2の前部(計量部)H1、中間部(圧縮部)H2、後部(供給部)H3に対応している。
そして、シリンダーの各部には温度測定装置(熱電対等)4が、また、シリンダー後部H3(さらにはH3のうち基端部であって、ホッパー3の下)には、その周囲(外周)を取り囲むように冷却装置(水冷ジャケット等の冷却ジャケット)H4が設置されている。この冷却装置H4は、シリンダーの後部H3(又はその基端部、ホッパー下)の冷却手段(装置)ということもできる。
なお、成形材料はホッパー3から投入・移送され、シリンダー2内で溶融するが、この溶融した成形材料は、ノズル1を通じて金型(図示せず)に供給され、所望の成形体となる。
このような成形機においては、上記の通り、ホッパー3からペレット等の成形材料が供給部H3(S3)に投入されるが、このペレット(ホットカットペレット等)が、アクリル樹脂(特に、環構造を有するアクリル樹脂)(又は当該樹脂を含むもの)であると、計量部S1(H1)における計量が不安定となる場合があることがわかった。
このような不安定になる理由は定かではないが、何らの理由[例えば、供給部に投入後(溶融前)にペレットに割れが生じてしまうこと]で、シリンダー内で(スクリューによる)シェア(せん断)がかかりにくく、溶融が不十分な状態で計量部において計量される場合があることもその一因と考えられる。
一方、本発明者の検討によれば、アクリル樹脂(特に、環構造を有するアクリル樹脂)等を射出成形に使用すると、射出成形条件によって、シルバーストリーク、着色ないし色調(YI)等の外観・成形不良の発生頻度に差があることもわかった。この理由も定かではないが、何らかの理由(例えば、不安定な計量によりガスが抜けにくくなる、熱履歴の変動により熱分解によるガスが発生しやすくなる等)がその一因と考えられる。
このような中、本発明者は、ペレットのサイズを特定のものとすることで、新規なペレットの製造方法を提供できること、そして、このような方法により得られたペレット(例えば、ホットカットペレット)によれば、環構造を有するアクリル樹脂[特に、Mwが比較的小さい又はMFRが比較的大きいか環構造(例えば、環状エステル構造)を有するアクリル樹脂]を用いても(さらにはホットカットペレット等であっても)、上記のような不安定な計量(さらにはシルバーストリーク)を改善しうること、また、射出成形機(射出装置)における供給部の冷却条件を、使用する成形材料(樹脂)の物性との関係で特定のものとすることで、シルバーストリーク(さらには不安定な計量等)を改善しうること等を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の発明等に関する。
[1]
樹脂のペレットを製造する方法であって、
樹脂がアクリル樹脂(A)を含み、
樹脂を切断し(長径が4.5mm以下となるように切断し)、長径が4.5mm以下のペレット(樹脂ペレット)を製造する方法。
[2]
アクリル樹脂(A)が環構造を有する[1]記載の方法。
[3]
アクリル樹脂(A)が環状エステル構造を有する、[1]又は[2]記載の方法。
[4]
アクリル樹脂(A)(又は樹脂)のJIS K 7210に準拠した、230℃、荷重3.8kgにおけるメルトフローレートが2g/10分以上である、[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5]
アクリル樹脂(A)(又は樹脂)の重量平均分子量が10万以下である[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6]
アクリル樹脂(A)(又は樹脂)の分子量分布が2.5以下である、[1]~[5]のいずれかに記載の方法。
[7]
アクリル樹脂(A)が、JIS K 7210に準拠した、230℃、荷重3.8kgにおけるメルトフローレートが2g/10分以上、重量平均分子量が10万以下、及び分子量分布2.5以下から選択された少なくとも1種を充足し、環状エステル構造を有する、[1]~[6]のいずれかに記載の方法。
[8]
溶融状態の樹脂を切断(ホットカット)する、[1]~[7]のいずれかに記載の方法。
[9]
押出機のダイ(押出しダイ)より押し出した樹脂を溶融状態で切断(ホットカット)する、[1]~[8]のいずれかに記載の方法。
[10]
ペレットの短径が4.5mm以下である、[1]~[9]のいずれかに記載の方法。
[11]
ペレットの長径及び短径が4.0mm以下である[1]~[10]のいずれかに記載の方法。
[12]
ペレットの厚みが3.5mm以下である[1]~[11]のいずれかに記載の方法。
[13]
ペレットが射出成形用である[射出成形機(射出装置)で使用するための]、[1]~[12]のいずれかに記載の方法。
[14]
[1]~[13]のいずれかの方法により製造されたペレット。
[15]
樹脂を射出成形する方法(射出成形し、成形品を製造する方法)であって、
樹脂がアクリル樹脂(A)を含み、
射出成形機(射出装置)のシリンダーの供給部(又はホッパー下)に設置された冷却装置の温度をTj(℃)、樹脂のガラス転移温度をTg(℃)とするとき、Tg-Tj(℃)を80以下とする方法。
[16]
アクリル樹脂(A)が環構造を有する[15]記載の方法。
[17]
アクリル樹脂(A)が環状エステル構造を有する、[15]又は[16]記載の方法。
[18]
アクリル樹脂(A)(樹脂(A))のJIS K 7210に準拠した、230℃、荷重3.8kgにおけるメルトフローレートが2g/10分以上である、[15]~[17]のいずれかに記載の方法。
[19]
アクリル樹脂(A)の重量平均分子量が10万以下である[15]~[18]のいずれかに記載の方法。
[20]
アクリル樹脂(A)(又は樹脂)の分子量分布が2.5以下である、[15]~[19]のいずれかに記載の方法。
[21]
アクリル樹脂(A)が、環状エステル構造を有する、[15]~[20]のいずれかに記載の方法。
[22]
樹脂として、長径が4.5mm以下のペレットを使用する、[15]~[21]のいずれかに記載の方法。
[23]
Tg-Tj(℃)を70以下とする、[15]~[22]のいずれかに記載の方法。
[24]
アクリル樹脂(A)が、JIS K 7210に準拠した、230℃、荷重3.8kgにおけるメルトフローレートが2g/10分以上、重量平均分子量が10万以下、及び分子量分布2.5以下から選択された少なくとも1種を充足し、環状エステル構造を有するアクリル樹脂であり、
樹脂として、長径及び単径が4.0mm以下のペレットを使用する、[15]~[23]のいずれかに記載の方法。
[25]
さらに、[1]~[13]のいずれかに記載の方法にて樹脂のペレットを製造するペレット製造工程を含み、樹脂として当該ペレット製造工程で得られた樹脂のペレットを使用する、[15]~[24]のいずれかに記載の方法。
本発明の一態様によれば、新規なペレット(樹脂ペレット、樹脂組成物)の製造方法を提供できる。このような方法では、ペレットサイズが特定のものに調整されており、ペレットを構成する樹脂が環構造を有するアクリル樹脂(特に、Mwが小さいか又はMFRが大きい、環構造を有するアクリル樹脂等)等のアクリル樹脂であっても、成形時における計量を効率よく安定化(さらには成形品におけるシルバーストリークを効率よく防止)しうる。
本発明の別の態様によれば、新規な成形方法(成形品の製造方法)を提供できる。このような方法では、成形時(成形機)における冷却条件が、用いる樹脂の物性(ガラス転移温度)との関係で特定のものに調整されており、シルバーストリーク等の成形品における外観ないし成形不良(さらには、成形時における不安定な計量)を効率よく改善しうる。
そして、これらの本発明の態様によれば、上記方法により製造されたペレットや成形品も提供できる。
図1は一般的な成形機(射出成形機、射出装置)を示す図(断面図)である。
<ペレットの製造方法>
本発明の一態様では、樹脂のペレットの製造方法を提供する。
[樹脂]
樹脂は、限定されないが、通常、アクリル樹脂(アクリル樹脂(A)等ということがある)を少なくとも含んでいてもよい。このようなアクリル樹脂は、後述するように、環構造を有していてもよい。
アクリル樹脂は、通常、熱可塑性(樹脂、ポリマー)である。なお、このようなアクリル樹脂の製造方法は、特に限定されないが、後述の方法により製造されたものであってもよい。
アクリル樹脂(A)は、通常、(メタ)アクリル酸エステル単位[(メタ)アクリル酸エステル由来の単位(構造単位)]を有していてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル単位を構成する(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、脂肪族(メタ)アクリレート[例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸C1-18アルキル)等]、脂環族(メタ)アクリレート[例えば、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル(例えば、(メタ)アクリル酸シクロプロピル、(メタ)アクリル酸シクロブチル等の(メタ)アクリル酸C3-20シクロアルキル)、架橋環式(メタ)アクリレート(例えば、(メタ)アクリル酸イソボルニル)等]、芳香族(メタ)アクリレート[例えば、(メタ)アクリル酸アリールエステル(例えば、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸o-トリル等の(メタ)アクリル酸C6-20アリール)、(メタ)アクリル酸アラルキルエステル(例えば、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸C6-10アリールC1-4アルキル)、(メタ)アクリル酸フェノキシアルキル(例えば、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル等の(メタ)アクリル酸フェノキシC1-4アルキル)等]等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルには、置換基(例えば、ヒドロキシ基、アルコキシ基、グリシジル基等)を有する(メタ)アクリル酸エステルも含まれる。このような(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、ヒドロキシ基を有するメタクリル酸エステル[例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル(例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシC1-12アルキル)等]、アルコキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル[例えば、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル(例えば、(メタ)アクリル酸2-メトキシエチル等のメタクリル酸C1-12アルコキシC1-12アルキル等)]、グリシジル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル等)等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルは、1種又は2種以上組み合わせて(メタ)アクリル酸エステル単位を構成してもよい。
(メタ)アクリル酸エステル単位は、所望の物性にもよるが、特に、メタクリル酸エステル単位を少なくとも含むことが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル単位を構成するメタクリル酸エステルとしては、例えば、脂肪族メタクリレート[例えば、メタクリル酸アルキルエステル(例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec-ブチル、メタクリル酸tert-ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸n-ヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸へプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ペンタデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸ヘプタデシル、メタクリル酸オクタデシル等のメタクリル酸C1-18アルキル、好ましくはメタクリル酸C1-12アルキル)等]、脂環族メタクリレート[例えば、メタクリル酸シクロアルキルエステル(例えば、メタクリル酸シクロプロピル、メタクリル酸シクロブチル、メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸C3-20シクロアルキル、好ましくはメタクリル酸C3-12シクロアルキル)、架橋環式メタクリレート(例えば、メタクリル酸イソボルニル等)等]、芳香族メタクリレート[例えば、メタクリル酸アリールエステル(例えば、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸o-トリル、メタクリル酸m-トリル、メタクリル酸p-トリル、メタクリル酸2,3-キシリル、メタクリル酸2,4-キシリル、メタクリル酸2,5-キシリル、メタクリル酸2,6-キシリル、メタクリル酸3,4-キシリル、メタクリル酸3,5-キシリル、メタクリル酸1-ナフチル、メタクリル酸2-ナフチル、メタクリル酸ビナフチル、メタクリル酸アントリル等のメタクリル酸C6-20アリール、好ましくはメタクリル酸C6-10アリール)、メタクリル酸アラルキルエステル(例えば、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸C6-10アリールC1-4アルキル)、メタクリル酸フェノキシアルキル(例えば、メタクリル酸フェノキシエチル等のメタクリル酸フェノキシC1-4アルキル)等]等を挙げることができる。
(メタ)アクリル酸エステル単位は、メタクリル酸エステル単位の中でも、透明性を向上させる等の観点から、メタクリル酸アルキルエステル単位(例えば、メタクリル酸C1-18アルキル単位)を少なくとも含むことが好ましく、特にメタクリル酸メチル単位を少なくとも含むことがさらに好ましい。
なお、アクリル樹脂は、必要に応じて、(メタ)アクリル酸エステル単位以外の他の重合性単量体(モノマー)由来の単位を含んでいてもよい。このような他のモノマーとしては、例えば、酸基含有モノマー(メタクリル酸、アクリル酸等)、スチレン系モノマー[例えば、スチレン、ビニルトルエン、置換基(例えば、ハロゲン基、アルコキシ基、アルキル基、ヒドロキシ基等)を有するスチレン(例えば、α―メチルスチレン、クロロスチレン等)、スチレンスルホン酸又はその塩等]、ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル等)、不飽和ニトリル(例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、オレフィン系モノマー(例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、イソブチレン、1-オクテン等のC2-10アルケン)、アミド基含有ビニル系単量体[例えば、(メタ)アクリルアミド、N-置換(メタ)アクリルアミド(例えば、N-メチル(メタ)アクリルアミド等のN-アルキル(メタ)アクリルアミド;N-シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド等のN-シクロアルキル(メタ)アクリルアミド;N-フェニル(メタ)アクリルアミド等のN-アリール(メタ)アクリルアミド;N-ベンジル(メタ)アクリルアミド等のN-アラルキル(メタ)アクリルアミド等)等]、2-(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル(例えば、2-(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル等のアルキルエステル)等が挙げられる。
他のモノマーは、1種又は2種以上組み合わせて他のモノマー由来の単位を構成してもよい。
アクリル樹脂(又はアクリル樹脂の構成単位)中の(メタ)アクリル酸エステル単位の含有割合は、例えば、10質量%以上(例えば、20質量%以上)の範囲から選択でき、好ましくは30質量%以上(例えば、35質量%以上)、さらに好ましくは40質量%以上(例えば、45質量%以上)であってもよく、50質量%以上、55質量%以上、60質量%以上、65質量%以上、70質量%以上、80質量%以上等であってもよい。
アクリル樹脂がメタクリル酸エステル単位を含む場合、アクリル樹脂(又はアクリル樹脂の構成単位)中のメタクリル酸エステル単位の含有割合は、例えば、10質量%以上の範囲から選択でき、20質量%以上、好ましくは30質量%以上(例えば、35質量%以上)、さらに好ましくは40質量%以上(例えば、45質量%以上)であってもよく、50質量%以上、55質量%以上、60質量%以上、65質量%以上、70質量%以上、80質量%以上等であってもよい。
アクリル樹脂がメタクリル酸エステル単位を含む場合、(メタ)アクリル酸エステル単位中のメタクリル酸エステル単位の含有割合は、例えば、10質量%以上(例えば、20質量%以上)、好ましくは30質量%以上(例えば、40質量%以上)、さらに好ましくは50質量%以上(例えば、60質量%以上)であってもよく、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上等であってもよい。
アクリル樹脂がメタクリル酸アルキルエステル単位を含む場合、(メタ)アクリル酸エステル単位中のメタクリル酸アルキルエステル単位の含有割合は、例えば、10質量%以上(例えば、20質量%以上)、好ましくは30質量%以上(例えば、40質量%以上)、さらに好ましくは50質量%以上(例えば、60質量%以上)であってもよく、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上等であってもよい。
なお、アクリル樹脂がメタクリル酸メチル単位を含む場合、(メタ)アクリル酸エステル単位中のメタクリル酸メチル単位の含有割合は、例えば、10質量%以上(例えば、20質量%以上)、好ましくは30質量%以上(例えば、40質量%以上)、さらに好ましくは50質量%以上(例えば、60質量%以上)であってもよく、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上等であってもよい。
アクリル樹脂がアクリル酸エステル単位を含む場合、アクリル樹脂中のアクリル酸エステル単位の含有割合は、耐熱性や屈折率の観点から比較的少なくてもよく、例えば、10質量%未満(例えば、8質量%以下)の範囲から選択でき、好ましくは5質量%以下(例えば、4質量%以下)、さらに好ましくは3質量%以下(例えば、2質量%以下)であってもよい。
アクリル樹脂が他の重合性単量体(モノマー)由来の単位を含む場合、アクリル樹脂中の当該単位の含有割合は、特に限定されず適宜選択できる。特に、他の重合性単量体として酸基含有モノマーを含む場合、酸基含有モノマー単位の含有割合は、透明性や着色等の観点から、比較的少なくてもよく、例えば、10質量%以下(例えば、5質量%以下)、好ましくは2質量%以下(例えば、1質量%以下)、さらに好ましくは0.5質量%以下等であってもよい。
アクリル樹脂(A)は環構造を有していてもよい。なお、この環構造は、通常、アクリル樹脂(ポリマー鎖、アクリル系ポリマー)の主鎖に有する。
環構造を有するアクリル樹脂(さらには、MFRが比較的大きい及び/又はMwが比較的小さいアクリル樹脂)は、計量に対するペレットサイズの影響が大きいようであり、本発明を好適に適用しうる。
なお、アクリル樹脂が環構造を有することにより、アクリル樹脂において種々の物性[例えば、耐熱性、耐湿熱性、耐黄変性、硬度(強度)、耐溶剤性、表面硬度、酸素や水蒸気のバリヤ性、光学特性、寸法安定性、形状安定性等]を、付与、改善又は向上しうる。
また、アクリル樹脂が環構造を有することにより、ポリメタクリル酸メチル等に比べて膜厚が薄い成形体(例えば、レンズ)を効率良く作成すること等も可能となる。
具体的な環構造としては、例えば、環状イミド構造(例えば、N-置換マレイミド単量体由来の構造、グルタルイミド構造等)、環状アミド構造(例えば、ラクタム構造等)、環状エステル構造(例えば、ラクトン環構造等)、無水酸構造(例えば、無水マレイン酸単量体由来の構造、無水グルタル酸構造)等が挙げられる。
環構造は、特に、非無水酸構造[例えば、無水マレイン酸単量体由来の構造、無水グルタル酸構造等でない環構造(例えば、環状イミド構造、環状アミド構造、環状エステル構造等)]であってもよい。
アクリル樹脂は、1種又は2種以上の環構造を有していてもよい。なお、2種以上の環構造を有する場合、2種以上の環構造は、同系統の環構造(例えば、2種以上の環状イミド構造等)であってもよく、異なる系統の環構造(例えば、環状イミド構造とラクトン構造との組み合わせ等)であってもよい。
グルタルイミド構造及び無水グルタル酸構造としては、例えば、以下の式(1)で表される構造が挙げられる。
Figure 2022144324000001
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基であり、Rは水素原子又は置換基であり、Xは酸素原子又は窒素原子である。Xが酸素原子のときn=0であり、Xが窒素原子のときn=1である。)
式(1)のR1及びR2において、アルキル基としては、例えば、C1-8アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、イソへキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基等)等が挙げられる。
1及びR2は、特に、水素原子又はC1-4アルキル基であるのが好ましい。
式(1)のRにおいて、置換基としては、例えば、炭化水素基等が挙げられる。
炭化水素基としては、例えば、脂肪族基、脂環族基、芳香族基等が挙げられる。なお、炭化水素基は、さらにハロゲン等の置換基を有していてもよい。
式(1)のRにおいて、脂肪族基としては、例えば、C1-10アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、イソへキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基等)等が挙げられる。これらのアルキル基のなかでも、C1-4アルキル基、特にメチル基が好ましい。
式(1)のRにおいて、脂環族基としては、例えば、C3-12シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)が挙げられる。これらのシクロアルキル基のなかでも、C3-7シクロアルキル基、特にシクロヘキシル基が好ましい。
式(1)のRにおいて、芳香族基としては、例えば、C6-20芳香族基[例えば、C6-20アリール基(例えば、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、2,3-キシリル基、2,4-キシリル基、2,5-キシリル基、2,6-キシリル基、3,4-キシリル基、3,5-キシリル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、ビナフチル基、アントリル基等)、C7-20アラルキル基(例えば、ベンジル基等)等]が挙げられる。これらの芳香族基のなかでも、フェニル基及びトリル基が好ましい。
代表的には、式(1)において、R及びRがそれぞれ独立して水素原子又はメチル基、Rが、C1-10アルキル基、C3-12シクロアルキル基又はC6-20芳香族基であってもよく、好ましくは、R及びRがそれぞれ独立して水素原子又はメチル基、Rが、C1-4アルキル基、C3-7シクロアルキル基、C6-20アリール基又はC7-20アラルキル基であってもよく、さらに好ましくは、R及びRがそれぞれ独立して水素原子又はメチル基、Rが、メチル基、シクロヘキシル基、フェニル基又はトリル基であり、最も好ましくは、R及びRがそれぞれ独立して水素原子又はメチル基、Rがシクロヘキシル基又はフェニル基であってもよい。アクリル系ポリマーの着色を抑制する観点ではRが水素原子又はメチル基、シクロヘキシル基であってもよく、成形体の強度向上の観点からはRが水素原子又はメチル基であってもよい。
なお、環構造は、式(1)で表わされる構造を1種又は2種以上有していてもよい。
特に、環構造が、式(1)で表される構造を有する場合、環状非無水物構造であるグルタルイミド構造(すなわち、式(1)において、Xが窒素原子である構造)を有するのが好ましい。
なお、無水グルタル酸構造(すなわち、式(1)において、Xが酸素原子である構造)は、加水分解したり、酸価が大きくなって耐水性や耐熱水性を低下させたり光学特性を変動させる虞がある。そのため、環構造は、無水グルタル酸構造を実質的に有していないか、含んでいても少ないのが好ましい場合がある。
マレイミド単量体(特にN-置換マレイミド単量体)及び無水マレイン酸単量体由来の構造としては、例えば、以下の式(2)で表される構造が挙げられる。
Figure 2022144324000002
(式中、R、Rは互いに独立して水素原子またはメチル基であり、Rは水素原子又は置換基であり、Xは酸素原子または窒素原子である。Xが酸素原子のときn=0であり、Xが窒素原子のときn=1である。)
式(2)のRにおいて、置換基としては、例えば、炭化水素基等が挙げられる。
当該炭化水素基としては、例えば、脂肪族基{例えば、アルキル基[例えば、C1-6直鎖アルキル基(例えば、メチル基、エチル基等)、C1-6分岐アルキル基(例えば、イソプロピル基等)等のC1-6アルキル基等]等}、脂環族基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のC3-20シクロアルキル基等)、芳香族基{例えば、C6-20芳香族基[例えば、C7-20アラルキル基(例えば、ベンジル基等)、C6-20アリール基(例えば、フェニル基等)]}等が挙げられる。なお、炭化水素基は、さらにハロゲン等の置換基を有していてもよい。
が酸素原子のとき、式(2)により示される環構造は無水マレイン酸単量体由来の構造となる。
一方、Xが窒素原子のとき、式(2)により示される環構造はN-置換マレイミド単量体由来の構造となる。
式(2)において、Xが窒素原子のとき、好ましくは、R及びRがそれぞれ独立して水素原子、RがC3-20シクロアルキル基又はC6-20芳香族基であってもよく、より好ましくはR及びRがそれぞれ独立して水素原子、Rがシクロヘキシル基、ベンジル基又はフェニル基であってもよい。アクリル系ポリマーの着色を抑制する観点ではRが水素原子又はメチル基、シクロヘキシル基であってもよく、成形体の強度向上の観点からはRが水素原子又はメチル基であってもよい。
環構造は、式(2)で表わされる構造を1種又は2種以上有していてもよい。
特に、環構造が、式(2)で表される構造を有する場合、環状非無水酸構造であるマレイミド単量体由来の構造(すなわち、式(2)において、Xが窒素原子である構造)を有するのが好ましい。
なお、上記式(2)において、Xが酸素原子(及びn=0)であるとき、上記式(2)は無水マレイン酸単量体由来の構造となる。このような無水マレイン酸単量体由来の構造は、加水分解したり、酸価が大きくなって耐水性や耐熱水性を低下させたり光学特性を変動させる虞がある。そのため、環構造は、無水マレイン酸単量体由来の構造を実質的に有していないか、含んでいても少ないのが好ましい場合がある。
ラクトン環(環状エステル)構造としては、特に限定されず、例えば、4から8員環であってもよいが、環構造の安定性に優れることから5員環又は6員環であることが好ましく、6員環であることがより好ましい。
ラクトン環構造は、例えば、特開2004-168882号公報等に開示される構造であってもよいが、例えば、以下の式(3)で表される構造等が挙げられる。
Figure 2022144324000003
(式中、R、R及びRは、互いに独立して、水素原子又は置換基である。)
式(3)において、置換基としては、例えば、炭化水素基等の有機残基等が挙げられる。
当該炭化水素基としては、例えば、脂肪族基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のC1-20アルキル基、エテニル基、プロペニル基等のC2-20不飽和脂肪族炭化水素基等)、芳香族基(例えば、フェニル基、ナフチル基等のC6-20芳香族炭化水素基等)等が挙げられる。
前記炭化水素基は、酸素原子を含んでいてもよく、水素原子の一つ以上が、水酸基、カルボキシル基、エーテル基及びエステル基から選ばれる少なくとも1種類の基により置換されていてもよい。
式(3)において、好ましくは、Rが水素原子又はメチル基、R及びRがそれぞれ独立して水素原子又はC1-20アルキル基であってもよく、より好ましくは、Rが水素原子又はメチル基、R及びRがそれぞれ独立して水素原子又はメチル基であってもよい。
環構造は、式(3)で表わされる構造を1種又は2種以上含んでいてもよい。
ラクタム環構造としては、特に限定されず、例えば、以下の式(4)で表されるピロリジノン環構造等が挙げられる。
ピロリジノン環構造は、基本骨格として5員環のアミド環構造(環状アミド構造)を有する。この環状アミド構造は、5員環のラクタム構造(γ-ラクタム構造)でもある。主鎖にピロリジノン環構造を有するとは、5員環であるピロリジノン環構造の基本骨格を構成する5つの原子のうち少なくとも1つの原子、典型的にはアミド結合(―N(R)CO-)を構成しない3つの炭素原子が当該重合体の主鎖に位置し、主鎖を構成することを意味する。
Figure 2022144324000004
(式中、R10~R12は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基である。)
式(4)のR10において、置換基としては、例えば、炭化水素基又は-NHCOR13基(R13は、水素原子又は炭化水素基)等が挙げられる。
10又はR13における炭化水素基としては、例えば、脂肪族基、脂環族基、芳香族基等が挙げられる。
脂肪族基としては、例えば、C1-18アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のC1-18直鎖又は分岐アルキル基等)等が挙げられる。
脂環族基としては、例えば、C3-18シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)等が挙げられる。
芳香族基としては、例えば、C6-20芳香族基[例えば、C6-20アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等)、C7-20アラルキル基(例えば、ベンジル基等)等]が挙げられる。
10としては、特に、水素原子、C1-18直鎖アルキル基(例えば、メチル基等)等が好ましい。
また、R13としては、特に、水素原子、C1-18直鎖アルキル基(好ましくは、C1-12直鎖アルキル基、より好ましくは、C1-4直鎖アルキル基等)、C6-20アリール基(例えば、フェニル基等)、C3-18シクロアルキル基(好ましくは、C3-12シクロアルキル基、より好ましくは、C3-6シクロアルキル基等)等が好ましい。
式(4)のR11において、置換基としては、例えば、-COOR14基(R14は、水素原子又は炭化水素基)等が挙げられる。
14における炭化水素基としては、例えば、R10又はR13で例示の炭化水素基等が挙げられる。
また、R14の特に好ましい態様も、R13の特に好ましい態様と同じである。
式(4)のR12において、置換基としては、例えば、-COR15基(R15は、水素原子又は炭化水素基)等が挙げられる。
15における炭化水素基としては、例えば、R10又はR13で例示の炭化水素基等が挙げられる。
また、R15の特に好ましい態様も、R13の特に好ましい態様と同じである。
アクリル樹脂が有する環構造は、所望の物性(例えば、耐熱性、硬度(強度)、耐溶剤性、表面硬度、酸素や水蒸気のバリヤ性、光学特性、寸法安定性、形状安定性等)等に応じて適宜選択してもよい。例えば、耐熱性等の観点から、環構造は、ラクトン環構造、環状イミド構造(例えば、N-置換マレイミド単量体由来の構造、グルタルイミド構造等)を好適に含んでいてもよい。
また、耐水性や耐熱水性等の観点から、環構造は、環状非無水物構造[例えば、ラクトン環構造、環状イミド構造(特に、グルタルイミド構造、N-置換マレイミド単量体由来の構造)]を好適に含んでいてもよい。
さらに、表面硬度、耐溶剤性、バリヤ特性、光学特性等の観点から、環構造は、ラクトン環構造、グルタルイミド構造等を好適に含んでいてもよい。
特に、環構造は、環状イミド構造(特に、グルタルイミド構造、N-置換マレイミド単量体由来の構造)及びラクトン環構造から選択された少なくとも1種の環構造を含有していてもよく、なかでも、少なくともラクトン環構造を含有していてもよい。
ラクトン環(環状エステル)構造を有するアクリル樹脂は、不安定な計量につながりやすい(例えば、計量に対するペレットサイズの影響が大きい)ようであり、本発明を好適に適用しうる。
環構造の含有割合は、用途や所望の物性等に応じて選択でき、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂中、0.1質量%以上(例えば、0.5質量%以上)程度の範囲から選択でき、1質量%以上、好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であってもよく、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、22質量%以上、25質量%以上等であってもよい。
環構造の含有割合(又はその上限値)は、特に限定されず、例えば、アクリル樹脂中、90質量%以下、80質量%以下、70質量%以下、60質量%以下、55質量%以下、50質量%以下、45質量%以下、40質量%以下、35質量%以下等であってもよい。
環構造の含有割合が大きくなると、耐熱性、硬度(強度)、耐溶剤性、表面硬度、寸法安定性等の点で好ましい。
なお、これらの上限値と下限値とを適宜組み合わせて適当な範囲(例えば、1~70質量%、3~60質量%、5~60質量%、5~50質量%等)を設定してもよい(範囲の記載について他も同じ)。
特に、アクリル樹脂が、グルタルイミド構造を有する場合、グルタルイミド構造の含有割合は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上であってもよく、90質量%以下、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下であってもよい。
アクリル樹脂が、N-置換マレイミド単量体由来の構造を有する場合、N-置換マレイミド単量体由来の構造の含有割合は、例えば5~90質量%、好ましくは5~60質量%、より好ましくは10~50質量%、さらに好ましくは10~30質量%であってもよい。
アクリル樹脂が、ラクトン環構造を有する場合、ラクトン環構造の含有割合は、例えば、1~80質量%、好ましくは3~70質量%、さらに好ましくは5~60質量%(例えば、10~50質量%)であってもよく、15質量%以上(例えば、18~55質量%)、20質量%以上(例えば、23~50質量%)、25質量%以上(例えば、26~45質量%、28~40質量%等)などとすることもできる。
アクリル樹脂が、ラクタム環構造を有する場合、ラクタム環構造の含有割合は、例えば、1~80質量%、好ましくは5~70質量%、さらに好ましくは10~50質量%程度であってもよい。
また、環構造の含有割合は、例えば、1~80質量%、好ましくは3~70質量%、さらに好ましくは5~60質量%(例えば、10~50質量%)であってもよく、比較的高割合、例えば、10質量%以上[例えば、13~60質量%、15質量%以上(例えば、18~55質量%)、20質量%以上(例えば、23~50質量%)、25質量%以上(例えば、26~45質量%、28~40質量%等)]とすることもできる。
なお、アクリル樹脂に導入する環構造の含有割合を比較的高割合とすることにより、非常に優れた耐熱性(例えば、高いガラス転移温度)や耐湿熱性を有する樹脂(成形体)を効率良く得やすい。
一方、環構造の含有割合が大きくなるにつれ、不安定な計量につながりやすい(例えば、計量に対するペレットサイズの影響が大きくなる)場合があり、このような観点からも、環構造を比較的多く有する(例えば、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上等の割合で環構造を有する)アクリル樹脂を好適に使用してもよい。
本発明では、アクリル樹脂に環構造(例えば、少なくともラクトン環構造を含む環構造)を高割合で含む場合であっても、着色(黄変)を効率良く抑えうる。
なお、アクリル樹脂における環構造の割合は、環構造の種類等に応じて、慣用の方法を利用でき、例えば、環状エステル構造(ラクトン環構造)の割合は、脱アルコール反応率に基づいて求めてもよく、非環状エステル構造(例えば、環状イミド構造、環状アミド構造、無水酸構造等)の割合は、NMR(例えば、H-NMR、13C-NMR等)分析に基づいて求めてもよい。NMR分析(NMR測定)において、分析(測定)条件は、適宜選択できるが、例えば、所定の測定溶媒(例えば、CDCl、DMSO-d)を用い、所定の測定温度(例えば、40℃)で分析(測定)してもよい。
一例として、脱アルコール反応率に基づく方法を説明する。
まず、重合で得られた重合体組成からすべての水酸基がメタノールとして脱アルコールした際に起こる重量減少量を基準にし、ダイナミックTG測定において重量減少が始まる前の150℃から重合体の分解が始まる前の300℃までの脱アルコール反応による重量減少から、脱アルコール反応率を求めた。
すなわち、ラクトン環構造を有した重合体のダイナミックTG測定において150℃から300℃までの間の重量減少率の測定を行い、得られた実測重量減少率を(X)とする。他方、当該重合体の組成から、その重合体組成に含まれる全ての水酸基がラクトン環の形成に関与するためアルコールになり脱アルコールすると仮定した時の理論重量減少率(すなわち、その組成上において100%脱アルコール反応が起きたと仮定して算出した重量減少率)を(Y)とする。
なお、理論重量減少率(Y)は、より具体的には、重合体中の脱アルコール反応に関与する構造(水酸基)を有する原料単量体のモル比、すなわち当該重合体組成における前記原料単量体の含有率から算出することができる。
これらの値(X)、(Y)を脱アルコール計算式:
1-(実測重量減少率(X)/理論重量減少率(Y))
に代入してその値を求め、%で表記すると、脱アルコール反応率が得られる。
アクリル樹脂は、重合の際に使用する成分等に由来の原子や基を有していてもよい。
例えば、アクリル樹脂は、硫黄原子を含有してもよい。より具体的な態様では、硫黄含有基(硫黄含有骨格)を、少なくとも分子末端に有していてもよい。
このような硫黄原子や硫黄含有基を有するアクリル樹脂は、例えば、チオール化合物(例えば、後述のチオール化合物)を連鎖移動剤として使用することにより得られる。
なお、アクリル樹脂が、共重合体であるとき、共重合の形態は特に限定されず、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体等であってもよい。
例えば、アクリル樹脂は、環構造を有しているため、通常、共重合体と言えるが、環構造の導入形態は、特に限定されず、ランダムに導入されていてもよく、ブロック、交互、グラフト等のように導入されていてもよい。
アクリル樹脂(A)(又は樹脂)のメルトフローレート(MFR)は、温度230℃及び荷重3.8kgにおいて、例えば、0.1g/10分以上(例えば、0.2g/10分以上)、好ましくは0.3g/10分以上(例えば、0.4g/10分以上)、さらに好ましくは0.5g/10分以上(例えば、0.6g/10分以上、0.7g/10分以上、0.8g/10分以上、1g/10分以上、1.5g/10分以上、1.6g/10分以上)程度であってもよく、1.8g/10分以上(例えば、2g/10分以上、2.2g/10分以上、2.5g/10分以上、2.8g/10分以上、3g/10分以上、3.2g/10分以上、3.5g/10分以上、3.8g/10分以上、4g/10分以上)であってもよい。
アクリル樹脂(A)(又は樹脂)のメルトフローレートの上限値は、温度230℃及び荷重3.8kgにおいて、例えば、10g/10分以下、9.8g/10分以下、9.6g/10分以下、9.4g/10分以下、9.2g/10分以下、9g/10分以下、8.8g/10分以下、8.6g/10分以下、8.4g/10分以下、8.2g/10分以下、8g/10分以下、7.8g/10分以下、7.6g/10分以下、7.4g/10分以下、7.2g/10分以下、7g/10分以下、6.5g/10分以下、6g/10分以下、5.5g/10分以下、5.2g/10分以下、5g/10分以下などであってもよい。
アクリル樹脂(A)(又は樹脂)のメルトフローレートの具体的な範囲は、上記範囲を組み合わせた範囲が挙げられ、例えば、温度230℃及び荷重3.8kgにおいて、0.1~10g/10分、1.8~9g/10分、2~8g/10分等であってもよい。
なお、アクリル樹脂(又は樹脂)のメルトフローレートは、JIS K 7210に準拠して測定してもよい。
溶融流動性に優れる(高い溶融流動性を有する)ことにより、成形(例えば、射出成形等の溶融成形)時の着色を低減し、黄色度が小さい成形体(射出成形体等の溶融成形体)を効率よく得やすい。
また、溶融流動性が高いことにより、より低温での成形加工が可能となり、成形工程における熱履歴を抑制することにより成形品の着色を低減しうると共に、射出装置の昇温降温工程に要する時間を短縮できること等から、生産性向上が期待できる。
一方で、溶融流動性が高い(例えば、MFRが1.8g/10分以上、2g/10分以上等の)アクリル樹脂(特に、環構造を有するアクリル樹脂)は、計量を不安定化しやすい(さらにはシルバーストリーク等を生じやすい)ようであるが、本発明の方法によれば、このような樹脂であっても効率よく計量を安定化(さらにはシルバーストリーク等を少ないものと)しうる。
アクリル樹脂(A)(又は樹脂)の重量平均分子量(Mw)は、5000以上(例えば、7000以上程度の範囲から選択してもよく、例えば、10000以上(例えば、12000以上)、好ましくは15000以上(例えば、18000以上)、さらに好ましくは20000以上(例えば、25000以上)であってもよく、30000以上(例えば、35000以上、38000以上、40000以上、42000以上、45000以上、48000以上、50000以上、52000以上、55000以上、58000以上、60000以上、62000以上、65000以上など)であってもよい。
また、アクリル樹脂(A)(又は樹脂)の重量平均分子量(Mw)は、例えば、500000以下、400000以下、300000以下、250000以下、200000以下、180000以下、150000以下、120000以下などであってもよく、11万以下(例えば、105000以下、100000以下、100000未満、98000以下、95000以下、90000以下等)であってもよい。
アクリル樹脂(A)(又は樹脂)の重量平均分子量(Mw)の具体的な範囲としては、成形性等の観点から、例えば、20000~200000、30000~150000、50000~100000などであってもよい。
Mwが比較的低い(例えば、11万以下、10万以下、9.5万以下等の)アクリル樹脂(特に、環構造を有するアクリル樹脂)は、計量を不安定化しやすい(さらにはシルバーストリーク等を生じやすい)ようであるが、本発明の方法によれば、このような樹脂であっても効率よく計量を安定化(さらにはシルバーストリーク等を少ないものと)しうる。
アクリル樹脂(A)の分子量分布(Mw/Mn)は、例えば、1~10(例えば、1.1~7.0)、好ましくは1.2~5.0(例えば、1.5~4.0)程度であってもよく、1.5~3.0程度であってもよく、2.8以下、2.7以下、2.6以下、特に2.5以下(例えば、2.4以下、2.3以下、2.2以下)などであってもよい。
アクリル樹脂(A)(又は樹脂)は、溶融流動性や成形体の強度などの観点から、比較的狭い分子量分布(Mw/Mn)を有してもよい。
一方で、分子量分布の狭い(例えば、2.5以下、2.3以下等の)アクリル樹脂(特に、環構造を有するアクリル樹脂)は、溶融流動性とも関連してか、計量を不安定化しやすい(さらにはシルバーストリーク等を生じやすい)ようであるが、本発明の方法によれば、このような樹脂であっても効率よく計量を安定化(さらにはシルバーストリーク等を少ないものと)しうる。
なお、分子量(及び分子量分布)は、例えば、GPCを用い、ポリスチレン換算により測定してもよい。
アクリル樹脂(A)(又は樹脂)の酸価は、用途等にもよるが、小さいものを好適に使用してもよく、例えば、10mmol/g以下、好ましくは5mmol/g以下、さらに好ましくは3mmol/g以下(例えば、1.5mmol/g以下)程度であってもよく、1.2mmol/g以下(例えば、1mmol/g以下、0.8mmol/g以下、0.7mmol/g以下、0.6mmol/g以下、0.5mmol/g以下、0.4mmol/g以下、0.35mmol/g以下等)であってもよい。
酸価が低いアクリル樹脂(A)は、不安定な計量につながりやすい(例えば、強度が低く、ペレットが割れやすい等により、ペレットサイズの影響が大きくなる)場合があるが、本発明によれば、このような酸価が低いアクリル樹脂(A)であっても、効率よく計量を安定化(さらにはシルバーストリーク等を少ないものと)しうる。
なお、酸価は、慣用の方法により測定でき、例えば、アクリル樹脂に含まれる酸基[酸無水物の加水分解(中和)により生じた酸基を含む]と、中和のために使用した塩基(例えば、水酸化ナトリウム)の量をもとに測定・算出してもよく、具体的な方法では後述の方法により測定・算出してもよい。
アクリル樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、例えば、70℃以上(例えば、80~200℃)、好ましくは90℃以上(例えば、100~180℃)、さらに好ましくは110℃以上(例えば、112~170℃)程度であってもよく、115℃以上(例えば、118~160℃)程度であってもよく、120℃以上[例えば、120~160℃、125℃以上(例えば、126~155℃)、128℃以上(例えば、129~150℃)]等とすることもできる。
ガラス転移温度は、例えば、(メタ)アクリル系モノマーの種類やその割合、アクリル樹脂に環構造を含有させる場合にはその種類や割合等により効率よく調整しうる。通常、環構造を有するアクリル樹脂は、比較的高いガラス転移温度を有している場合が多く、環構造を有するアクリル樹脂の中でも、環構造の割合が大きいアクリル樹脂の方がガラス転移温度において高くなる場合が多い。
なお、Tgは、例えば、後述の方法により測定してもよい。
なお、アクリル樹脂は、市販品を用いてもよく、製造したものを用いてもよい。以下、アクリル樹脂の製法について説明する。
(アクリル樹脂の製造方法)
アクリル樹脂(アクリル系ポリマー)は、重合成分を重合する工程(重合工程)を少なくとも経て製造できる。
重合成分は、アクリル樹脂の原料となるモノマーであり、前記例示の(メタ)アクリル酸エステルや他のモノマーに相当する。モノマーの種類や好ましい態様などは前記と同様である。
なお、アクリル樹脂は、環構造を有していてもよいが、環構造の種類によっては、重合成分は、環構造を構成するモノマーや環構造の原料となるモノマーを含んでいてもよい。
例えば、マレイミド単量体や無水マレイン酸単量体由来の構造を有するアクリル樹脂を製造する場合、重合成分は、例えば、無水マレイン酸、マレイミド系モノマー[例えば、マレイミド;N-アルキルマレイミド(例えば、N-メチルマレイミド、N-エチルマレイミドなどのN-C1-10アルキルマレイミド)、N-シクロアルキルマレイミド(例えば、シクロヘキシルマレイミドなどのN-C3-20シクロアルキルマレイミド)、N-アリールマレイミド(例えば、N-フェニルマレイミドなどのN-C6-10アリールマレイミド)、N-アラルキルマレイミド(例えば、N-ベンジルマレイミドなどのN-C7-10アラルキルマレイミド)などのN-置換マレイミドなど]を含んでいてもよい。
ラクトン環構造を有するアクリル樹脂を製造する場合、重合成分は、ラクトン環の原料となるモノマー、例えば、2-(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル(例えば、2-(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル等のアルキルエステル)を含んでいてもよい。
ラクタム環構造を有するアクリル樹脂を製造する場合、重合成分は、ラクタム系単量体[例えば、N-ビニルピロリドン系単量体(例えば、N-ビニルピロリドン、N-ビニル-4-ブチルピロリドン、N-ビニル-4-プロピルピロリドン、N-ビニル-4-エチルピロリドン、N-ビニル-4-メチルピロリドン、N-ビニル-4-メチル-5-エチルピロリドン、N-ビニル-4-メチル-5-プロピルピロリドン、N-ビニル-5-メチル-5-エチルピロリドン、N-ビニル-5-プロピルビロリドン、N-ビニル-5-ブチルピロリドンなど)、N-ビニルカプロラクタム系単量体(例えば、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニル-6-メチルカプロラクタム、N-ビニル-6-プロピルカプロラクタム、N-ビニル-7-ブチルカプロラクタムなど)など]などを含んでいてもよい。
重合は、通常、ラジカル重合であってもよい。
重合は、重合開始剤(特にラジカル重合開始剤)の存在下で行ってもよい。
重合開始剤(ラジカル重合開始剤)としては、特に限定されないが、例えば、有機過酸化物[例えば、パーオキシド(ジアルキルパーオキシド、ジアシルパーオキシドなど)、パーオキシモノカーボネート、パーオキシエステル、パーオキシケタールなど]、アゾ化合物などが含まれる。
具体的な重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物[例えば、tert―アミルパーオキシイソノナノエート、t―アミルパーオキシ―2―エチルヘキサノエート、tert-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサネート、tert-ブチルパーオキシラウレート、tert-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert-ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert-ブチルパーオキシアセテート、1,1-ビス(tert-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(tert-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、tert-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサネート、tert-ブチルパーオキシイソブチレート、tert-ヘキシルパーオキシ2-エチルヘキサネート、ジ-tert-ブチルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン等]、アゾ化合物[例えば、2-(カルバモイルアゾ)-イソブチロニトリル、1,1'-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、ジメチル2,2'-アゾビスイソブチレート、2、2'-アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)、2、2'-アゾビス(2-メチルプロパン)等]等が挙げられる。
重合開始剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
特に、重合開始剤として、少なくとも有機過酸化物(パーオキシエステルなど)を好適に使用してもよい。
重合開始剤の使用量(使用割合)は、重合開始剤の種類などにもよるが、例えば、重合成分100質量部に対して、0.01質量部以上、好ましくは0.05質量部以上、さらに好ましくは0.1質量部以上、特に0.15質量部以上などであってもよく、0.2質量部以上(例えば、0.25質量部以上、0.28質量部以上、0.3質量部以上、0.32質量部以上、0.35質量部以上、0.38質量部以上、0.4質量部以上、0.42質量部以上、0.45質量部以上、0.48質量部以上、0.5質量部以上、0.52質量部以上)であってもよい。
重合開始剤の使用量の上限値は、特に限定されないが、例えば、重合成分100質量部に対して、10質量部、9質量部、8質量部、7質量部、6質量部、5質量部、4.5質量部、4質量部、3.5質量部、3.2質量部、3質量部、2.8質量部、2.5質量部、2.2質量部、2質量部、1.8質量部、1.5質量部、1.2質量部、1質量部、0.9質量部、0.8質量部、0.7質量部などであってもよい。
特に、重合成分100質量部に対する重合開始剤の使用割合を比較的大きく[例えば、0.2質量部以上、0.3質量部以上、0.4質量部以上(例えば、0.4~0.8質量部)など]としてもよい。
このように重合開始剤を比較的多く使用することで、溶融流動性などの点で有利なアクリル樹脂を効率良く得やすい。また、連鎖移動剤を使用した場合であっても、十分な重合反応速度を担保しやすく、溶融流動性が良好なアクリル樹脂を効率良く得ることができる。
重合は、連鎖移動剤の存在下で行ってもよい。
連鎖移動剤としては、特に限定されないが、例えば、チオール化合物{例えば、第1級チオール[例えば、脂肪族第1級チオール(例えば、ブタンチオール、オクタンチオール、デカンチオール、ドデカンチオール(n―ドデシルメルカプタン)、ヘキサデカンチオール、オクタデカンチオール、デカントリチオール等の第1級アルキルメルカプタン、好ましくは第1級C3―30アルキルメルカプタン)等]、第2級チオール[例えば、脂肪族第2級チオール(例えば、2-プロパンチオール、2-ブタンチオール、2-メチル-1-プロパンチオール、3-メチル-2-ブタンチオール、3-ペンタンチオール、2-デカンチオール、3-デカンチオール、4-デカンチオール、5-デカンチオール、2-ヘキサデカンチオール、5-ヘキサデカンチオール、8-オクタデカンチオール等の第2級アルキルメルカプタン、好ましくは第2級C3―30アルキルメルカプタン)、脂環族第2級チオール(例えば、シクロヘキサンチオール、シクロペンタンチオール等のシクロアルキルメルカプタン、好ましくはC3―20シクロアルキルメルカプタン)、芳香族第2級チオール(例えば、チオフェノール等のアリールメルカプタン、好ましくはC6-20アリールメルカプタン)等]、第3級チオール[例えば、脂肪族第3級チオール(例えば、tert-ブチルメルカプタン、tert-ドデシルメルカプタン、tert-ノニルメルカプタン、tert-ヘキシルメルカプタン等のtert-アルキルメルカプタン、好ましくはC3―30tert-アルキルメルカプタン)等]}等が挙げられる。
なお、連鎖移動剤が多官能チオールを含む場合、連鎖移動剤中の多官能チオールの割合は少なくてもよい。連鎖移動剤中の多官能チオールの使用量(使用割合)は、例えば、20質量%以下(例えば、15質量%以下)、好ましくは10質量%以下(例えば、5質量%以下)、より好ましくは3質量%以下であってもよく、1質量%以下、0.5質量%以下などであってもよい。
連鎖移動剤は、1種又は2種以上使用することができる。
連鎖移動剤の使用量(使用割合)は、例えば、重合成分100質量部に対して、0.001質量部以上、好ましくは0.005質量部以上、さらに好ましくは0.01質量部以上、特に0.015質量部以上などであってもよく、0.02質量部以上であってもよい。
連鎖移動剤の使用量の上限値は、特に限定されないが、例えば、重合成分100質量部に対して、5質量部、4質量部、3質量部、2質量部、1.5質量部、1質量部、0.5質量部、0.25質量部、0.2質量部、0.15質量部、0.1質量部、0.08質量部、0.07質量部などであってもよい。
特に、連鎖移動剤を使用する場合でも、着色低減の観点などから重合成分100質量部に対する連鎖移動剤の使用割合を比較的小さく[例えば、0.5質量部以下、0.1質量部以下(例えば、0.001~0.1質量部)など]してもよく、連鎖移動剤を使用しなくてもよい。
このように、連鎖移動剤を使用しなくても、又は連鎖移動剤の使用量を比較的少なくしても、溶融流動性などの点で有利なアクリル樹脂を効率良く得やすい。
連鎖移動剤および重合開始剤の質量比は、アクリル樹脂の着色抑制や、溶融流動性などの観点から、好ましくは1/2以下、さらに好ましくは1/3以下、1/4以下、1/5以下であってよい。連鎖移動剤および重合開始剤の質量比は(連鎖移動剤の質量)/(重合開始剤の質量)より算出する。
重合は、必要に応じて、重合開始剤や連鎖移動剤の他、他の成分(例えば、pH調整剤、各種触媒など)の存在下で行ってもよい。
重合は、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などのいずれであってもよく、特に、不純物を含まず、流動性の安定したポリマーを得る等の観点から溶液重合であってもよい。溶液重合では、比較的均一に重合できるためか、塊状重合と比較して、著しく分子量が高いポリマーの生成などが抑えられるようであり、安定した流動性を有するポリマーを効率よく得やすい。また、懸濁重合、乳化重合と比較して乳化剤などの不純物を含まない為、透明度の高いポリマーを効率よく得やすい。
重合を溶媒中で行う場合(例えば、溶液重合である場合)、溶媒としては、重合成分の種類等に応じて適宜選択でき、特に限定されないが、例えば、有機溶媒[芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなど)、脂肪族又は脂環族炭化水素類(例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなど)、ハロゲン系溶媒(例えば、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素など)など]、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、エーテル類[例えば、鎖状エーテル類(例えば、ジエチルエーテルなど)、環状エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)など]、アミド類[例えば、N-置換アミド(N,N-ジメチルホルムアミドなどのN-アルキル置換アルカンアミド)]、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルカノール)、グリコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのアルカンジオール又はポリアルカンジオールのモノアルキルエーテル)など]などが挙げられる。
溶媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
重合において、重合系全体における重合成分の濃度は、分子量増加の抑制や生産性などの観点から例えば、20質量%以上(例えば、20~70質量%)、好ましくは35質量%以上(例えば、35~65質量%)、さらに好ましくは40質量%以上(例えば、40~60質量%)、特に45質量%以上(例えば、45~55質量%)であってもよい。
なお、各成分(例えば、重合成分、重合開始剤、連鎖移動剤、その他の成分、溶媒など)は、重合開始の段階ですべて反応系(反応器)に存在させて(仕込んで)もよく、重合の進行とともに添加(又は混合)してもよく、これらを組み合わせてもよい。このような場合、各成分の添加速度や添加時間は、適宜選択できる。
各成分は、複数回(2回以上、例えば、2~5回など)に分割して反応系に添加してもよい。
特に、重合成分(モノマー)を重合の進行とともに反応系に添加してもよく、その場合、重合成分を複数回に分割して添加してもよいし、重合成分を滴下させてもよい。重合成分を滴下によって反応系に添加すると、比較的分子量分布の狭いアクリル樹脂を得やすい。
また、重合開始剤を重合の進行とともに反応系に添加してもよい。特に、重合成分を滴下によって反応系に添加する場合、重合開始剤も滴下によって反応系に添加することが好ましい。重合開始剤を重合の進行とともに反応系に添加することにより、安全性の確保または比較的分子量分布の狭い重合体を得られることが期待できる。
なお、滴下によって重合成分や重合開始剤を添加する場合、滴下速度は、特に限定されないが、比較的分子量の小さいアクリル樹脂を得やすいなどの観点から、ゆっくりと添加することが好ましく、1時間以上(例えば、1~10時間など)かけて添加してもよい。
重合は、通常、所定の温度(又は加温下)で行われる。重合温度(反応温度)としては、重合成分、重合開始剤、溶媒の種類等に応じて適宜選択でき、例えば、20℃以上、好ましくは30℃以上(例えば、35~180℃)、さらに好ましくは40℃以上(例えば、45~170℃)、特に50℃以上(例えば、55~160℃)、特に好ましくは60℃以上(例えば、65~150℃)であってもよく、通常70~140℃(例えば、80~130℃)程度であってもよい。
なお、重合の経過とともに、重合温度を変化させてもよいが、このように変化させる場合であっても、通常、上記温度の範囲内で重合を行う場合が多い。
重合は、撹拌下で行ってもよい。また、重合は、空気中で行ってもよく、不活性雰囲気下(窒素、ヘリウム、アルゴン中など)で行ってもよい。
重合時間(熟成する場合)は、重合成分の量、重合温度などに応じて適宜選択でき、特に限定されないが、例えば、30分以上(例えば、40分~24時間)、好ましくは1時間以上(例えば、1.5~16時間)、さらに好ましくは2時間以上(例えば、2.5~12時間)であってもよい。
アクリル樹脂が環構造を有する場合、このような環構造は、環構造の種類に応じて、上記のような重合とともに形成されてもよく(例えば、マレイミド単量体や無水マレイン酸単量体由来の構造、ラクタム環構造などの場合)、重合後、さらに環構造を形成又は導入する工程を経てアクリル樹脂に形成又は導入できる。環構造の形成又は導入する方法としては、特に限定されず、公知の方法に従うことができる。
例えば、ラクトン環構造は、前記のように、ラクトン環の原料となるモノマー[例えば、2-(ヒドロキシメチル)アクリル酸エステル]由来の単位を含むアクリル樹脂を環化(環化縮合、環化処理)することで、形成又は導入できる。環化は、環化触媒[例えば、リン系触媒(例えば、リン酸ステアリルなどのリン酸エステル)]の存在下で行ってもよい。
グルタルイミド構造は、(メタ)アクリル酸エステル単位をイミド化する方法などの公知の方法(例えば、特開2006-309033号公報、特開2006-317560号公報、特開2006-328329号公報、特開2006-328334号公報、特開2006-337491号公報、特開2006-337492号公報、特開2006-337493号公報、特開2007-009182号公報などに記載の方法)によりアクリル系ポリマーに形成又は導入できる。
無水グルタル酸構造は、例えば、隣接する(メタ)アクリル酸エステル単位及び(メタ)アクリル酸単位間で分子内脱アルコール反応させる方法(例えば、特開2006-283013号公報、特開2006-335902号公報、特開2006-274118号公報に記載の方法等)により、アクリル系ポリマーに形成又は導入することができる。
このような重合工程(及び必要に応じて環化工程)を経て、アクリル樹脂が得られる。
なお、重合工程を経て得られた樹脂は、適宜、慣用の手法にて精製、分離などしてもよい。
[他の樹脂]
樹脂(又はペレット)は、必要に応じて、他の樹脂(アクリル樹脂でない樹脂)を含んでいてもよい[他の樹脂ともに樹脂組成物(又はそのペレット)を構成してもよい]。
他の樹脂としては、所望の物性、用途等に応じて適宜選択でき、特に限定されず、熱可塑性樹脂であってもよく、硬化性樹脂であってもよく、これらを組み合わせてもよい。
他の樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
具体的な他の樹脂としては、例えば、オレフィン系ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)等)、ハロゲン系ポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化ビニル系ポリマー)、スチレン系ポリマー[例えば、ポリスチレン、スチレン系共重合体(例えば、スチレン-メタクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(ABS樹脂)等)等]、ポリエステル系ポリマー(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の芳香族ポリエステル)、ポリアミド系樹脂(例えば、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610等の脂肪族ポリアミド系樹脂)、ポリアセタール系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ゴム質重合体[例えば、ゴム(ポリブタジエン系ゴム、アクリル系ゴム等)を配合したスチレン系樹脂(例えば、ABS樹脂等のスチレン系共重合体)等]等が挙げられる。
他の樹脂には、セルロース系樹脂も含まれる。セルロース系樹脂(セルロース誘導体)としては、セルロースエステル[例えば、セルロースアセテート(セルロースジアセテート、セルローストリアセテート)、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等のセルロースアシレート]、セルロースエーテル[例えば、アルキルセルロース(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース等)、ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドキシエチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース等)、カルボキシアルキルセルロース(例えば、カルボキシメチルセルロース等)]、シアノエチルセルロース等が挙げられる。
他の樹脂には、熱可塑性エラストマーも含まれる。熱可塑性エラストマーとしては、特に限定されず、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、アミド系エラストマーが挙げられる。
[他の成分]
樹脂(又はペレット)は、必要に応じて、他の成分を含んでいてもよい[他の成分ともに樹脂組成物(又はそのペレット)を構成してもよい]。
このような他の成分としては、所望の用途や物性等に応じて選択できる。他の成分としては、特に限定されず、例えば、紫外線吸収剤、着色剤、酸化防止剤(例えば、フェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、リン酸系酸化防止剤等)、安定剤、補強材、難燃剤、帯電防止剤、有機フィラー、無機フィラー、ブロッキング防止剤、樹脂改質剤、有機充填剤、無機充填剤、可塑剤、滑剤、位相差低減剤等が挙げられる。
他の成分は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
紫外線吸収剤(UVA)の紫外線吸収能は、波長300~380nmの範囲内にあってもよく、UVAによる吸収が最大となる波長の光に対するモル吸光係数(クロロホルム溶液)にして、10000(L・mol-1・cm-1)以上であってもよい。
紫外線吸収剤(UVA)としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾフェノン系化合物、サリシケート系化合物、ベンゾエート系化合物、トリアゾール系化合物、トリアジン系化合物などが挙げられる。
トリアゾール系化合物は、例えば、2,2’-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール]、2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-p-クレゾール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-ベンゾトリアゾール-2-イル-4,6-ジ-t-ブチルフェノール、2-[5-クロロ(2H)-ベンゾトリアゾール-2-イル]-4-メチル-6-(t-ブチル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-t-ブチルフェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-(3,4,5,6-テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノール、メチル-3-(3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(直鎖および側鎖ドデシル)-4-メチルフェノール、2-(5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-C7-9側鎖及び直鎖アルキルエステル等である。紫外線吸収能が高いことから、ハロゲン原子、例えば塩素原子、を有するトリアゾール化合物が好ましい。
トリアジン系化合物は、例えば、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-エトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-(2-ヒドロキシ-4-プロポキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-(2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ベンジルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ブトキシエトキシ)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル)-6-(2,4-ジブトキシフェニル)-1,3-5-トリアジン、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシ-3-メチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-[2-ヒドロキシ-4-(3-アルキルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)-5-α-クミルフェニル]-s-トリアジン骨格(アルキルオキシ;オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシなどの長鎖アルキルオキシ基)を有するUVA等である。なかでも、紫外線吸収性能が優れていることから、2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-[2-ヒドロキシ-4-(3-アルキルオキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシ)-5-α-クミルフェニル]-s-トリアジン骨格(アルキルオキシ;オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシなどの長鎖アルキルオキシ基)を有するUVAが好ましい。
UVAの分子量は特に限定はされないが、600以上が好ましい。UVAの分子量の上限は、例えば、10000、8000、5000などであってもよい。
紫外線吸収剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
着色剤としては、特に限定されず、組成物の用途等に応じて適宜選択でき、例えば、顔料(例えば、無機顔料、有機顔料)、染料等であってもよい。
また、着色剤は、ブルーイング特性[アクリル樹脂ないし組成物の色(例えば、黄色)を補正(打ち消)して、抑える特性]を有していてもよい。
このような着色剤は、補正する色にもよるが、例えば、520~600nm、540~580nm等に吸収極大波長を有する着色剤(化合物)であってもよい。
このような着色剤としては、補正する色の種類(波長)等に応じて適宜選択できるが、例えば、アントラキノン骨格を有する化合物(アントラキトン系化合物)、フタロシアニン骨格を有する化合物(フタロシアニン系化合物)、アゾ骨格を有する化合物(アゾ系化合物)、トリアリールメタン骨格を有する化合物(トリアリールメタン系化合物)等が挙げられる。
これらの中でも、耐熱性等の観点から、アントラキノン骨格を有する化合物等を好適に使用してもよい。
具体的な着色剤(ブルーイング特性を有する着色剤、ブルーイング剤)としては、アントラキノン系染料[例えば、Solvent Violet 13(CA.No(カラーインデックスナンバー)60725)、Solvent Violet14、Solvent Violet31(CA.No68210)、Solvent Violet33(CA.No60725)、Solvent Violet36(CA.No68210)、Solvent Blue45(CA.No61110)、Solvent Blue94(CA.No61500)、Solvent Blue87、Solvent Blue97、Disperse Violet28等]、フタロシアニン系染料[例えば、Solvent Blue 25(CA.No74350)等]、モノアゾ系染料[例えば、Solvent Violet 21等]、トリアリールメタン系染料[例えば、Solvent Blue 2(CA.No42563)等]等が挙げられる。
このような着色剤としては、市販品、例えば、「マクロレックス(登録商標)バイオレットB」、「マクロレックス(登録商標)バイオレット3R」、「マクロレックス(登録商標)ブルーRR」(ランクセス株式会社製)、「スミプラスト(登録商標)バイオレットB」、「スミプラスト(登録商標)グリーンG」(住化ケムテックス株式会社製)、「ポリシンスレン(登録商標)ブルーRLS」(クラリアント社製)、「ダイアレジン バイオレットD」、「ダイアレジン ブルーG」、「ダイアレジン ブルーN」(三菱化学株式会社製)等を使用してもよい。
また、着色剤は、優れた漆黒性(ピアノブラック様)の外観を得る観点から、黒色染料を使用してもよい。
このような黒色染料としては、例えば、アントラキノン骨格を有する化合物(アントラキノン系化合物)、ペリノン骨格を有する化合物(ペリノン系化合物)、ペリレン骨格を有する化合物(ペリレン系化合物)、アゾ骨格を有する化合物(アゾ系化合物)、メチン骨格を有する化合物(メチン系化合物)、キリノン骨格を有する化合物(キリノン系化合物)の有機染料が好適に使用され、アントラキノン系化合物としては青、紫、緑など、ペリノン系化合物としては赤、オレンジなどの有機染料等を好適に使用してもよい。
黒色染料は市販品として入手可能である。例えば、「オプラス(登録商標)ブラック838」、「ヌビアン(登録商標)ブラックPC-0870」、「ヌビアン(登録商標)ブラックPC-5856」、「ヌビアン(登録商標)ブラックPC-5857」、「ヌビアン(登録商標)ブラックPC-8550」(オリヱント化学工業株式会社製)、「スミプラスト(登録商標)ブラックH3B」、「スミプラスト(登録商標)ブラックHLG」、「スミプラスト(登録商標)ブラックHB」(住化ケムテックス株式会社製)等を使用してもよい。
着色剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
[各成分の割合]
樹脂(又はペレット)において、アクリル樹脂(A)の割合(又は樹脂成分に占めるアクリル樹脂(A)の割合)は、例えば、10質量%以上(例えば、20質量%)の範囲から選択してもよく、30質量%以上(例えば、40質量%以上)、好ましくは50質量%以上(例えば、60質量%以上)、さらに好ましくは70質量%以上(例えば、80質量%以上、90質量%以上)であってもよい。
樹脂(又はペレット)が、他の樹脂を含む場合、他の樹脂の含有割合は、樹脂(ペレット)[又は樹脂成分(アクリル樹脂(A)及び他の樹脂の総量)]全体に対して、例えば、70質量%以下(例えば、0.1~60質量%)程度の範囲から選択でき、50質量%以下(例えば、0.5~40質量%)、好ましくは30質量%以下(例えば、1~25質量%)程度であってもよく、20質量%以下(例えば、15質量%以下、10質量%以下、5質量%以下、3質量%以下、1~10質量%等)等であってもよい。
なお、アクリル樹脂(A)の物性等を効率よく発現するという観点から、他の樹脂を含む場合でも、他の樹脂の割合は大きすぎないのが好ましい。
樹脂(ペレット)が、他の成分(添加剤)を含む場合、他の成分の割合は、樹脂(ペレット)全体に対して、例えば、0.01~10質量%(例えば、0.05~5質量%)程度であってもよい。
[ペレットの製造方法]
本発明の一態様では、上記のような樹脂のペレットを特定の方法で製造する。
すなわち、このような方法では樹脂を切断(例えば、ホットカット)し、ペレットを製造する。そして、この際、ペレット(冷却後又は固化状態のペレット)のサイズを特定のものとなるように、切断する。
なお、ペレットの形状は、溶融・切断方法等にもよるが、例えば、柱状(円柱状等)、扁平状、円状(円盤状)等であってもよい。
本発明では、このような形状の中でも、円状のペレット等を好適に使用してもよい。このような形状のペレットを使用することで、より一層効率よく計量を安定化(さらにはシルバーストリーク等を少ないものと)しうる。
ペレット(ホットカットペレットなど)のサイズは、長径(切断面の長径、切断面の最大幅)において、5mm以下程度の範囲から選択してもよく、4.5mm以下、好ましくは4.2mm以下、さらに好ましくは4.0mm以下(例えば、3.9mm以下、3.8mm以下)であってもよい。
ペレットの短径(切断面の短径、切断面の最小幅)は、5mm以下程度の範囲から選択してもよく、4.5mm以下、好ましくは4.2mm以下、さらに好ましくは4.0mm以下(例えば、3.9mm以下、3.8mm以下)であってもよい。
ペレットの長径をL(mm)、ペレットの短径をS(mm)とするとき、L-Sの値は、0mm以上(例えば、0~4mm、0~3.5mm)であればよく、好ましくは2mm以下(例えば、2mm未満、1.8mm以下、1.5mm以下、1.2mm以下、1.0mm以下)であってもよい。
本発明では、このようなL-Sの値が小さいペレットを好適に使用してもよい。このようなペレットを使用することで、より一層効率よく計量を安定化(さらにはシルバーストリーク等を少ないものと)しうる。
ペレットの厚み(又は長さ)は、切断方法等にもよるが、例えば、10mm以下(例えば、8mm以下、7mm以下、6mm以下)程度の範囲から選択してもよく、5mm以下(例えば、4.5mm以下)、好ましくは4.2mm以下(例えば、4.0mm以下)、さらに好ましくは3.5mm以下(例えば、3.2mm以下、3.0mm以下)であってもよい。
なお、長径、短径、厚みは、複数のペレットにおける平均値(相加平均値等)であってもよい。
長径、短径、厚みは、慣用の方法により測定でき、例えば、後述の方法により測定してもよい。
ペレットの厚みは、ペレットの長径以下であっても(特にペレットの長径よりも小さくても)よく、ペレットの短径以下であっても(特にペレットの短径よりも小さくても)よい。
このような場合、ペレットの長径をL(mm)、ペレットの短径をS(mm)、ペレットの厚みをT(mm)とするとき、L-Tの値又はS-Tの値は、0mm以上(例えば、0~4mm、0~3.5mm)であってもよく、0.1mm以上(例えば、0.2~3.5mm)、0.3mm以上(例えば、0.4~3.2mm)、0.5mm以上(例えば、0.5~3mm)であってもよい。
本発明では、このようなL-Tの値又はS-Tの値のペレット[例えば、長径(又は短径)と厚みが比較的近いペレット]を好適に使用してもよい。このようなペレットを使用することで、より一層効率よく計量を安定化(さらにはシルバーストリーク等を少ないものと)しうる。
樹脂の切断において、樹脂(切断に供する樹脂)の状態は限定されないが、代表的には、溶融状態の樹脂を切断[特に、溶融した樹脂を溶融状態において切断(ホットカット)]してもよい。
ホットカットは、不安定な計量等の影響を受けやすいが、本発明によれば、このような不安定な計量等を抑え、安定的(効率的)なホットカットペレットの製造を実現しうる。
樹脂の溶融方法(溶融手段)は、特に限定されず、例えば、押出機等を使用できる。
なお、アクリル樹脂以外に、他の樹脂や他の成分を含むペレットを製造する場合、他の樹脂や他の成分は、予めアクリル樹脂に含むものを溶融させてもよく、溶融手段(押出機)内において、アクリル樹脂と混合しつつ溶融(溶融混練)させてもよい。
また、切断方法(切断手段)は、特に限定されないが、例えば、カッター(ホットカット方式で使用するカッター)を使用できる。具体的な切断手段(ペレタイザ)としては、例えば、ホットカットペレタイザ、ウォータリングペレタイザ、ミストカットペレタイザ、アンダーウォーターペレタイザ、ロータリーナイフペレタイザ、遠心式ペレタイザ、ストランドカットペレタイザ等が挙げられる。
代表的な方法では、安定的にペレットを製造する等の観点から、溶融手段(押出機等)からダイ(押出ダイ等)より押し出した樹脂を、溶融状態で切断(ホットカット)してもよい。
ダイ(ダイス)は、通常複数個の孔を有していてもよい。
樹脂は、その切断方法等に応じて適当な段階で冷却してもよい。例えば、ホットカットにて切断する場合には、切断後の樹脂(例えば、溶融状態)を冷却してもよい。
樹脂(例えば、ホットカットでは、カットした樹脂、溶融状態の樹脂)の冷却方法(固化方法)は、特に限定されず、ペレタイザの種類等に応じて、放冷(空冷)、水冷等であってもよい。
なお、冷却は、樹脂(例えば、切断した樹脂)に対して行えばよいが、直ちに固化状態となるように冷却する場合が多い。例えば、樹脂(例えば、切断した樹脂、溶融状態の樹脂)は、切断後、1分以内(例えば、30秒以内、20秒以内、10秒以内、5秒以内等)に固化するように冷却してもよい。
[ペレット]
上記のようにしてペレットが得られる。このようなペレットのサイズ等は、前記の通りである。
ペレットの用途は、特に限定されないが、溶融成形、特に、射出成形に好適に使用してもよい。
アクリル樹脂のペレットは、射出成形機(射出装置)において計量が不安定になる場合があるが、上記のようにして得られたペレットであれば、射出成形に使用しても、比較的安定な計量を実現しうる。また、このようなペレットを使用することで、シルバーストリークのような外観・成形不良の少ない成形品(射出成形品)を効率よく製造し得る。
特に、このようなペレット(又はペレットの製造方法)は、後述の本発明の他の態様の方法と組みあわせても(適用しても)よい。このように組み合わせることで、アクリル樹脂の種類にもよるが、より一層効率よく、安定な計量やシルバーストリークのような外観・成形不良の少ない成形品の製造を実現しやすくなる場合がある。
<樹脂の成形方法>
本発明の他の態様では、樹脂の成形方法(成形品の製造方法)を提供する。
このような方法において、樹脂としては、前記の樹脂(本発明の一態様において記載の樹脂)と同様のものを使用できる。すなわち、樹脂は、通常、アクリル樹脂(A)を含んでいてもよく、アクリル樹脂(A)の好ましい態様、他の樹脂、他の成分等も前記と同様であってもよい。
例えば、アクリル樹脂(A)は、環構造(例えば、環状エステル構造)を有するアクリル樹脂であってもよく、前記のMFR(例えば、2g/10分以上のMFR等)、Mw(例えば、10万以下のMw等)、Mw/Mn(例えば、2.5以下のMw/Mn等)等を有するアクリル樹脂であってもよい。
このようなアクリル樹脂は、本発明の他の態様の方法においても、比較的安定な計量や、シルバーストリークのような外観・成形不良の少ない成形品(射出成形品)の製造において好適である。
樹脂は、ペレットの形態であってもよい。このようなペレットは、前記本発明の一態様におけるペレットと同様[例えば、長径、短径、厚み、これらの差の値等において同様(例えば、長径4.5mm以下、短径が4.5mm以下、厚みが3.5mm以下等)]であってもよく、異なっていてもよいが、同様のペレットを好適に使用してもよい。
また、樹脂としてペレットを使用する場合、ペレットは、前記本発明の一態様と同様にして得られた樹脂(例えば、溶融状態の樹脂を切断して得られたもの、ホットカットペレット)であってもよく、代表的には、前記本発明の一態様の方法で得られたペレット(例えば、ホットカットペレット)を使用してもよい。
このようなペレットの使用は、本発明の他の態様の方法に組み込んでもよい。すなわち、本発明の他の態様の方法は、前記本発明の一態様の方法によってペレットを製造するペレット製造工程を含み、樹脂としてこの製造工程で得られた樹脂のペレットを使用してもよい。
本発明の他の態様では、樹脂を射出成形する[又は樹脂を射出成形し、成形品(射出成成形品)を製造する]。
射出成形において用いる成形機(射出成形機、射出装置)は、前記図1において説明した構造を有している。
すなわち、成形機(射出成形機等)は、図1に示すように、通常、シリンダー(シリンダー部)2と、シリンダー2の前端部に接続されたノズル1を備えたノズル部Hnと、シリンダー2の後部H3に接続されたホッパー(投入口)3とを備えている。
シリンダー2内には、前部(計量部)S1、中間部(圧縮部)S2及び後部(供給部)S3で構成されたスクリューが収容されており、これらはそれぞれスクリューが押し込まれた状態(スクリューをノズル側に寄せた状態)における、シリンダー2の前部(計量部)H1、中間部(圧縮部)H2、後部(供給部)H3に対応している。
なお、シリンダーの各部には温度測定装置(熱電対等)4が設置されていてもよい。
そして、シリンダー後部H3(さらにはH3のうち基端部であって、ホッパー3の下)には、冷却装置(水冷ジャケット等の冷却ジャケット)H4が設置されている。このような冷却装置は、通常、H3の周囲(外周)を取り囲むように設置されている。
なお、樹脂(ペレット等)は、ホッパー3から供給部H3(S3)に投入され、シリンダー2内で溶融(スクリューのせん断力を受けて溶融)し、この溶融した樹脂は、計量部S1(H1)において計量され、ノズル1を通じて金型(図示せず)に供給され、所望の成形体となる。
ここで、本発明の他の態様の方法では、冷却装置(H4)の温度(設定温度)を、樹脂のガラス転移温度と関係で調整する。
すなわち、冷却装置の温度をTj(℃)、樹脂のガラス転移温度をTg(℃)とするとき、Tg-Tjを80以下(例えば、75以下)、好ましくは70以下、さらに好ましくは65以下(例えば、62以下)、特に好ましくは60以下(例えば、58以下)としてもよく、55以下(例えば、52以下、50以下、48以下等)としてもよい。
なお、Tg-Tj(℃)の下限値は、例えば、3、5、8、10、12、15、18、20、22、25、28、30、32、35、38、40、42、45等が挙げられ、代表的には20以上(例えば、20、25、30等)であってもよい。
このような温度とすることで計量の安定化やシルバーストリークの改善等を実現しやすくなる理由は定かではないが、例えば、ペレット中の水分や残存する揮発性成分が抜けやすくなること等もその一因と考えられる。そして、さらに、前記のペレットを使用する場合等において、ペレットが割れにくくなること等も相まって、より一層、上記改善等を実現しやすくなることも考えられる。
なお、上記の通り、射出成形機においては計量部において樹脂(溶融した樹脂)の計量がなされ、このような計量は前記冷却装置の温度調整により安定化されうる。
そのため、本発明の方法は、射出成形又は射出成形機(又は射出成形し、成形品を製造する方法)において、Tg-Tj(℃)を特定温度(例えば、80以下、70以下等)とし、樹脂(溶融状態の樹脂)を計量[(ノズルを通じて)金型に吐出する(射出する)溶融樹脂を計量する]する方法(又は計量を安定化する方法)ということもできる。
なお、その他の成形(射出成形)条件(冷却装置の温度以外の条件、例えば、供給部、圧縮部、計量部やノズル部の設定温度、圧縮条件等)は、特に限定されず、慣用の方法に従って適宜選択できる。
<成形品等>
上記の方法(本発明の一態様の方法及び/又は他の態様の方法)を少なくとも経てペレット(樹脂ペレット、樹脂組成物)や成形品(成形体)を得ることができる。
このような成形品(又は樹脂ペレット)の黄色度(YI)は、その構成成分にもよるが、比較的小さいものであってもよく、例えば、4以下、好ましくは3.5以下、さらに好ましくは3以下であってもよく、2.8以下、2.6以下、2.5以下、2.4以下、2.3以下、2.2以下、2.1以下、2.0以下、1.9以下、1.8以下などであってもよい。
なお、黄色度の下限値は、0(又は検出限界)であってもよく、有限値(例えば、0.01、0.02、0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5など)であってもよい。
黄色度は、例えば、厚み3mm{例えば、厚み3mmのシート[シート状成形体(射出成形体)]等}における値[例えば、分光光度計(島津製作所社製、UV-3600)を用い、C2度光源、波長380nm~780nmの範囲で、JIS K7373の規定に準拠して測定された値]であってもよく、詳細には後述の方法にて測定された値であってもよい。
成形体の形状は、特に限定されず、二次元的形状[例えば、フィルム(又はシート)など]、三次元的形状(例えば、ブロック状など)などのいずれであってもよい。
成形体は、種々の用途に適用できるが、アクリル樹脂(A)に由来して優れた透明性(さらには低着色性)や優れた光学特性を有する場合が多いため、例えば、光学用途に好適に用いても(光学部材であっても)よい。
具体的な用途の例を挙げると、例えば、導光部材、フィルム用途[例えば、保護フィルム(光学用保護フィルムなど)、光学フィルム(光学シート)など]、レンズ(光学レンズなど)、カバー(レンズカバーなど)、発泡体(発泡成形体)用途(例えば、緩衝材、保温・断熱材、制振材、防音材、シール材、パッキング材など)、内装材用途[例えば、車載ディスプレイの前面板、メーターカバー等といった乗り物(自動車等)の内装材用途]などの各種用途が挙げられる。
レンズ(光学レンズなど)としては、例えば、フレネルレンズ、リニアフレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、平面プリズム、フライアイレンズ、非球面レンズ、コンデンサーレンズ、マイクロレンズ、コリメーターレンズ、凹レンズ、凸レンズ、回折レンズなどが挙げられる。
レンズ(レンズ部材)の用途としては、例えば、ヘッドアップディスプレイ用、カメラ用(例えば、車載カメラ用)、LIDAR装置用などが挙げられる。このような用途のレンズとしては、例えば、ヘッドアップディスプレイに用いるフレネルレンズ、コンデンサーレンズ、LIDAR装置に用いるフレネルレンズ、コンデンサーレンズ、コリメーターレンズ、凸レンズなどが挙げられる。
導光部材としては、例えば、導光体[又は灯火器、例えば、ランプ又はライトなど]の部材などが挙げられる。導光体は、自動車用、バイク用などのいずれであってもよい。導光体が設けられる部位(又は用途)は、特に限定されず、例えば、自動車などにおいては、ヘッドランプ、テールランプ、ブレーキランプ、サイドミラーランプ、デイタイムランニングライト(DRL)などが挙げられる。
具体的な部材(導光部材)としては、ライトカバー、ライトガイド{車両ランプ用ライトガイド[例えば、自動車用ヘッドランプのライトガイド(例えば、DRLのライトガイドなど)など]}などが挙げられる。
保護フィルムとしては、例えば、各種光ディスク(VD、CD、DVD、MD、LD等)基板の保護フィルム、液晶表示装置用の偏光板に用いる偏光子保護フィルムなどが挙げられる。
光学フィルム(光学シート)としては、例えば、位相差フィルム、ゼロ位相差フィルム(面内、厚み方向位相差が限りなく小さい)、視野角補償フィルム、光拡散フィルム、反射フィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム、輝度向上フィルム、タッチパネル用導電フィルム、拡散板、導光体、位相差板、ゼロ位相差板、プリズムシートなどが挙げられる。
中でも、本発明では、前記のように、射出成形などの溶融成形方法を適用しうるため、成形体は、三次元的形状の成形体であってもよい。
特に、光学用途の成形品(光学部材)には、高い透明性(さらには、低着色性、高い表面硬度など)が要求される場合があり、本発明の方法は、このような成形品の製造に
好適に使用しうる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明に含まれる。
以下に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、以下では特にことわりのない場合、「%」は「質量(重量)%」を、「部」は「質量(重量)部」をそれぞれ示す。
各種物性の測定および評価は、以下の方法で行った。
[重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)]
樹脂の重量平均分子量及び分子量分布は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリスチレン換算により求めた。測定に用いた装置および測定条件は以下の通りである。
システム:東ソー製GPCシステム HLC-8320
測定側カラム構成
・ガードカラム:東ソー製、TSKguardcolumn SuperHZ-L
・分離カラム:東ソー製、TSKgel SuperHZM-M 2本直列接続
リファレンス側カラム構成
・リファレンスカラム:東ソー製、TSKgel SuperH-RC
展開溶媒:クロロホルム(和光純薬工業製、特級)
展開溶媒の流量:0.6mL/分
標準試料:TSK標準ポリスチレン(東ソー製、PS-オリゴマーキット)
カラム温度:40℃
[ガラス転移温度(Tg)]
ガラス転移温度は、JIS K7121-1987の規定に準拠して測定した。具体的には、示差走査熱量計(リガク社製「Thermo plus EVO DSC-8230」)を用い、窒素ガス雰囲気下、約10mgのサンプルを常温から200℃まで昇温(昇温速度20℃/分)して得られたDSC曲線から、始点法により求めた。リファレンスには、α-アルミナを用いた。
[メルトフローレート(MFR)]
メルトフローレートは、JIS K 7210-1:2014 A法に準拠して、温度230℃、荷重3.8kg(37N)で測定した。
[アクリル樹脂に含まれるラクトン環構造の割合]
まず、重合で得られた重合体組成からすべての水酸基がメタノールとして脱アルコールした際に起こる重量減少量を基準にし、ダイナミックTG測定において重量減少が始まる前の150℃から重合体の分解が始まる前の300℃までの脱アルコール反応による重量減少から、脱アルコール反応率を求めた。
すなわち、ラクトン環構造を有した重合体のダイナミックTG測定において150℃から300℃までの間の重量減少率の測定を行い、得られた実測重量減少率を(X)とする。他方、当該重合体の組成から、その重合体組成に含まれる全ての水酸基がラクトン環の形成に関与するためアルコールになり脱アルコールすると仮定した時の理論重量減少率(すなわち、その組成上において100%脱アルコール反応が起きたと仮定して算出した重量減少率)を(Y)とする。
なお、理論重量減少率(Y)は、より具体的には、重合体中の脱アルコール反応に関与する構造(水酸基)を有する原料単量体のモル比、すなわち当該重合体組成における前記原料単量体の含有率から算出することができる。
これらの値(X)、(Y)を脱アルコール計算式:
1-(実測重量減少率(X)/理論重量減少率(Y))
に代入してその値を求め、%で表記すると、脱アルコール反応率が得られる。
後述の製造例6(製造例7)で得られるペレットにおいてラクトン環構造の占める割合を計算する。この重合体の理論重量減少率(Y)を求めてみると、メタノールの分子量は32であり、2-(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルの分子量は116であり、2-(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルの重合体中の含有率(質量比)は組成上13質量%であるから、(32/116)×13≒3.59質量%となる。他方、ダイナミックTG測定による実測重量減少率(X)は0.08質量%であった。これらの値を上記の脱アルコール計算式に当てはめると、1-(0.08/3.59)≒0.978となるので、脱アルコール反応率は97.8%である。
製造例1の場合、2-(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルの当該共重合体における含有率が13.0質量%、算出した脱アルコール反応率が97.8質量%、分子量が116の2-(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルがメタクリル酸メチルと縮合した場合に生成するラクトン環化構造単位の式量が170であることから、当該共重合体中におけるラクトン環の含有割合は8.6(13.0×0.978×170/116)質量%となる。
[酸価]
酸価は、以下の方法によって測定した。まず、塩化メチレン24.94gに重合体0.15gを溶解させた。得られた溶液にメタノール14.85gを添加し、3時間撹拌した。次に、この溶液に1重量%フェノールフタレインエタノール溶液2滴を添加した。得られた溶液を撹拌しながら、0.1N水酸化ナトリウム水溶液を添加し、室温で1時間撹拌を継続した。このとき、添加した0.1N水酸化ナトリウム水溶液の量をAmlと定義する。次に、この溶液に0.1N塩酸を滴下した。溶液の色(赤紫色)が消失するまでに加えた0.1N塩酸の量をBmlと定義する。
次に、塩化メチレン24.94gとメタノール14.85gとの混合液を作製した。この混合液に1重量%フェノールフタレインエタノール溶液2滴を添加した。次に、この混合液を撹拌しながら、0.1N水酸化ナトリウム水溶液を添加し、室温で1時間撹拌を継続した。このとき、添加した0.1N水酸化ナトリウム水溶液の量をCmlと定義する。次に、この混合液に0.1N塩酸を滴下した。混合液の色(赤紫色)が消失するまでに加えた0.1N塩酸の量をDmlと定義する。
重合体の酸価(mmol/g)を以下の式から求めた。なお、酸価は、重合体1g中に含まれる酸性基、及び、酸無水物基が加水分解されることによって生じた酸性基を中和するために必要な水酸化ナトリウムの物質量を表している。
[酸価(mmol/g)]=0.1×[(A-B)-(C-D)]/0.15
[黄色度(YI)]
黄色度は、分光光度計(島津製作所社製、UV-3600)を用い、C2度光源、波長380nm~780nmの範囲で、JIS K7373:2006の規定に準拠し、厚さ3mmの成形体を測定した。成形体は、得られたペレットを100℃で12時間以上乾燥した後、射出成形機(日精樹脂社製、NS40-5A)を用い、後述の射出成形機設定温度条件で、サイズ100mm×100mm×厚さ3mmの金型にて、金型温度100℃で、作製したもの(サイズ100mm×100mm×厚さ3mmの射出成形体)を用いた。
[3点曲げ試験]
3点曲げ試験は、JIS K7171:2016の規定に準拠し、曲げ試験機(インストロン万能試験機model185)を用いて測定した。成形体は、得られたペレットを100℃で12時間以上乾燥した後、手動式加熱プレス成形機(井元製作所社製)を用い、成形温度220℃、金型サイズ127mm×12.7mm×厚さ3.2mmにて作製した。
測定条件は、スパン60mm、試験速度2mm/minで曲げ試験を行い、最大曲げ応力(曲げ強度)と曲げ弾性率を測定した。
[ペレットサイズ]
ペレットサイズは、デジタルノギスを用いて測定した。得られたペレット20個を、それぞれのペレットの断面方向が平板に対して水平方向になるようにペレットを両面テープで固定した。これらの並べたペレットについて、ペレットの断面の長径と短径の平均値をそれぞれ算出した。さらに、ペレットの厚みとして、ペレットの断面の最大高さの平均値を算出した。
[計量時間および計量ばらつき]
得られたペレットを100℃で12時間以上乾燥した後、射出成形機(日精樹脂社製、NS40-5A)を用い、後述の射出成形機設定温度条件にて成形し、20ショット連続成形時の計量時間を測定し、その平均値および標準偏差を求めた。平均値を計量時間とし、標準偏差を計量ばらつきとした。
計量時間が相対的に短いほど、計量安定性が良いものと判断できる。
[シルバーストリーク発生率]
得られたペレットを100℃で12時間以上乾燥した後、射出成形機(日精樹脂社製、NS40-5A)を用い、後述の射出成形機設定温度条件で、金型サイズ100mm×100mm×厚さ3mmの金型にて、金型温度100℃で成形体(サイズ100mm×100mm×厚さ3mmの射出成形体)を作製した。
成形体20枚中のシルバーストリーク発生枚数を目視にて確認した。その結果を以下の式によりシルバーストリーク発生率とした。
シルバーストリーク発生率(%)=[シルバーストリーク発生枚数/20]×100
(製造例1〔アクリル樹脂ペレット(B1)の製造〕)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管および滴下ポンプを備えた反応容器に、2-(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(RHMA)11.5質量部、メタクリル酸メチル(MMA)38.5質量部、トルエン90.7質量部仕込み、亜りん酸トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)0.05質量部、窒素を通じつつ105℃まで昇温した。
初期開始剤として、トルエン4.3質量部、t-アミルパーオキシイソノナノエート(アルケマ吉富社製、ルペロックス(登録商標)570)0.29質量部からなる溶液を8分かけて滴下しながら105℃~110℃で溶液重合を行った。そして、その22分後に、滴下開始剤としてトルエン5.0質量部、t-アミルパーオキシイソノナノエート(アルケマ吉富社製、ルペロックス(登録商標)570)0.30質量部からなる溶液を170分かけて滴下した。また、初期開始剤投入から25分後に、2-(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(RHMA)11.5質量部、メタクリル酸メチル(MMA)38.5質量部からなる溶液を180分かけて滴下しながら105℃~110℃で溶液重合を行い、さらに1.5時間かけて熟成を行った。
得られた重合溶液に、環化縮合反応の触媒(環化触媒)として、トルエン1.25質量部、リン酸ステアリル(堺化学工業社製、Phoslex A-18)0.30質量部からなる溶液を加え、約90℃~110℃の還流下において2時間、ラクトン環構造を形成するための環化縮合反応を進行させた。
次に、得られた重合溶液を240℃に保持した多管式熱交換器に通して環化縮合反応を完結させた後、先端部にリーフディスク型のポリマーフィルター(濾過精度5μm)が配置されたベントタイプスクリュー二軸押出機(L/D=52)に、樹脂量換算で90重量部/時の処理速度で導入して、重合溶液を脱揮し、樹脂ペレット(B1)を得た。用いたベントタイプスクリュー二軸押出機のリアベント数は1個、フォアベント数は4個(上流側から第1、第2、第3、第4ベントと称する)とし、バレル温度は240℃、減圧度は13.3~400hPa(10~300mmHg)とした。脱揮の際、イオン交換水を1.3重量部/時の投入速度で第1、第3ベントの後ろから、別途準備しておいたブルーイング剤と酸化防止剤の混合溶液を0.30重量部/時の投入速度で第2ベントの後ろから投入した。ブルーイング剤と酸化防止剤の混合溶液として、1.0重量部のブルーイング剤(住化ケムテックス社製スミプラスト(登録商標)VioletB)をトルエン99重量部に溶解させた溶液0.27重量部、酸化防止剤2種類(BASFジャパン社製イルガノックス1010、ADEKA社製アデカスタブAO―412S)3.6重量部、トルエン112.5重量部からなる溶液を用いた。
(製造例2〔アクリル樹脂ペレット(A1)の製造〕)
製造例1で得られた樹脂ペレット(B1)を、先端に小型ホットカットペレタイザ(田辺プラスチックス機械社製、RP40)が配置された押出機(φ=40mm、L/D=16)を用いてシリンダー温度225℃、スクリュ回転数25rpmで溶融混練し、押出ダイに有する直径1.5mmφのダイス(細孔)から2.3kg/hで溶融状態のアクリル樹脂を押し出した。
押出ダイから押し出しされた溶融状態のアクリル樹脂を、押出機の先端に設置されたカッター刃の回転(1600rpm)により、約0.012g毎に切断し、長径3mm、短径3mm、厚み2.4mmの円板状の樹脂ペレット(A1)を得た。
得られた樹脂ペレット(A1)の重量平均分子量は8.0万、分子量分布は2.1、ガラス転移温度は132℃、メルトフローレートは4.0、環構造の割合は28.8質量%、酸価は0.3mmol/g以下であった。
(製造例3〔アクリル樹脂ペレット(A2)の製造〕)
製造例1で得られた樹脂ペレット(B1)を、先端に小型ホットカットペレタイザ(田辺プラスチックス機械社製、RP40)が配置された押出機(φ=40mm、L/D=16)を用いてシリンダー温度225℃、スクリュ回転数25rpmで溶融混練し、押出ダイに有する直径2mmφのダイス(細孔)から3kg/hで溶融状態のアクリル樹脂を押し出した。
押出ダイから押し出しされた溶融状態のアクリル樹脂を、押出機の先端に設置されたカッター刃の回転(1600rpm)により、約0.016g毎に切断し、長径3.5mm、短径3.5mm、厚み2.4mmの円板状の樹脂ペレット(A2)を得た。
得られた樹脂ペレット(A2)の重量平均分子量は8.0万、分子量分布は2.1、ガラス転移温度は132℃、メルトフローレートは4.0、環構造の割合は28.8質量%、酸価は0.3mmol/g以下であった。
(製造例4〔アクリル樹脂ペレット(A3)の製造〕)
製造例1で得られた樹脂ペレット(B1)を、先端に小型ホットカットペレタイザ(田辺プラスチックス機械社製、RP40)が配置された押出機(φ=40mm、L/D=16)を用いてシリンダー温度225℃、スクリュ回転数25rpmで溶融混練し、押出ダイに有する直径2.5mmφのダイス(細孔)から3.6kg/hで溶融状態のアクリル樹脂を押し出した。
押出ダイから押し出しされた溶融状態のアクリル樹脂を、押出機の先端に設置されたカッター刃の回転(1750rpm)により、約0.021g毎に切断し、長径3.8mm、短径3.8mm、厚み2.7mmの円板状の樹脂ペレット(A3)を得た。
得られた樹脂ペレット(A3)の重量平均分子量は8.0万、分子量分布は2.1、ガラス転移温度は132℃、メルトフローレートは4.0、環構造の割合は28.8質量%、酸価は0.3mmol/g以下であった。
(製造例5〔アクリル樹脂ペレット(A4)の製造〕)
製造例1で得られた樹脂ペレット(B1)を、先端に小型ホットカットペレタイザ(田辺プラスチックス機械社製、RP40)が配置された押出機(φ=40mm、L/D=16)を用いてシリンダー温度225℃、スクリュ回転数25rpmで溶融混練し、押出ダイに有する直径3mmφのダイス(細孔)から3.6kg/hで溶融状態のアクリル樹脂を押し出した。
押出ダイから押し出しされた溶融状態のアクリル樹脂を、押出機の先端に設置されたカッター刃の回転(1250rpm)により、約0.03g毎に切断し、長径4.6mm、短径4.6mm、厚み2.7mmの円板状の樹脂ペレット(A4)を得た。
得られた樹脂ペレット(A4)の重量平均分子量は8.0万、分子量分布は2.1、ガラス転移温度は132℃、メルトフローレートは4.0、環構造の割合は28.8質量%、酸価は0.3mmol/g以下であった。
(製造例6〔アクリル樹脂ペレット(B2)の製造〕)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管および滴下ポンプを備えた反応容器に、2-(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(RHMA)6.5質量部、メタクリル酸メチル(MMA)43.5質量部、トルエン90.7質量部、亜りん酸トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)0.05質量部を仕込み、窒素を通じつつ105℃まで昇温した。
初期開始剤として、トルエン4.3質量部、t-アミルパーオキシイソノナノエート(アルケマ吉富社製、ルペロックス(登録商標)570)0.22質量部からなる溶液を8分かけて滴下しながら105℃~110℃で溶液重合を行った。そして、その22分後に、滴下開始剤としてトルエン5.0質量部、t-アミルパーオキシイソノナノエート(アルケマ吉富社製、ルペロックス(登録商標)570)0.28質量部からなる溶液を180分かけて滴下した。また、初期開始剤投入から25分後に、2-(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(RHMA)6.5質量部、メタクリル酸メチル(MMA)43.5質量部からなる溶液を180分かけて滴下しながら105℃~110℃で溶液重合を行い、さらに1.5時間かけて熟成を行った。
得られた重合溶液に、環化縮合反応の触媒(環化触媒)として、トルエン1.25質量部、リン酸ステアリル(堺化学工業社製、Phoslex A-18)0.075質量部からなる溶液を加え、約90℃~110℃の還流下において1.5時間、ラクトン環構造を形成するための環化縮合反応を進行させた。
次に、得られた重合溶液を220℃に保持した多管式熱交換器に通して環化縮合反応を完結させた後、先端部にリーフディスク型のポリマーフィルター(濾過精度5μm)が配置されたベントタイプスクリュー二軸押出機(L/D=52)に、樹脂量換算で90重量部/時の処理速度で導入して、重合溶液を脱揮し、樹脂ペレット(B2)を得た。用いたベントタイプスクリュー二軸押出機のリアベント数は1個、フォアベント数は4個(上流側から第1、第2、第3、第4ベントと称する)とし、バレル温度は220℃、減圧度は13.3~400hPa(10~300mmHg)とした。脱揮の際、イオン交換水を1.3重量部/時の投入速度で第1、第2、第3ベントの後ろから投入した。
(製造例7〔アクリル樹脂ペレット(A5)の製造〕)
製造例6で得られた樹脂ペレット(B2)を、先端に小型ホットカットペレタイザ(田辺プラスチックス機械社製、RP40)が配置された押出機(φ=40mm、L/D=16)を用いてシリンダー温度225℃、スクリュ回転数25rpmで溶融混練し、押出ダイに有する直径1.5mmφのダイス(細孔)から2.3kg/hで溶融状態のアクリル樹脂を押し出した。
押出ダイから押し出しされた溶融状態のアクリル樹脂を、押出機の先端に設置されたカッター刃の回転(1600rpm)により、約0.012g毎に切断し、長径3mm、短径3mm、厚み2.4mmの円板状の樹脂ペレット(A5)を得た。
得られた樹脂ペレット(A5)の重量平均分子量は8.8万、分子量分布は2.2、ガラス転移温度は123℃、メルトフローレートは4.5、環構造の割合は18.6質量%、酸価は0.2mmol/g以下であった。
(製造例8〔アクリル樹脂ペレット(B3)の製造〕)
撹拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管を備えた反応容器に、2-(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(RHMA)10重量部、メタクリル酸メチル(MMA)40重量部、亜りん酸トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)0.025質量部および重合溶媒としてトルエン50重量部を仕込んだ。次に、反応容器に窒素ガスを導入しながら105℃まで昇温し、昇温に伴う還流が始まったところで、重合開始剤としてターシャリーアミルパーオキシイソノナノエート(アルケマ吉富社製、、ルペロックス(登録商標)570)0.05重量部を添加した。これと同時に上記ターシャリーアミルパーオキシイソノナノエート0.10重量部の滴下を開始し、これを2時間かけて滴下しながら、約105~110℃の還流下で溶液重合を進行させた。滴下終了後、反応容器を4時間加温し続けて熟成を行った。
次に、このようにして得た重合溶液に、環化反応の触媒としてリン酸ステアリル(堺化学工業社製、Phoslex A-18)0.05重量部を添加し、約90℃~110℃の還流下で2時間、ラクトン環構造を形成する環化縮合反応を進行させた。
次に、得られた重合溶液を240℃に保持した多管式熱交換器に通して環化縮合反応を完結させた後、先端部にリーフディスク型のポリマーフィルター(濾過精度5μm)が配置されたベントタイプスクリュー二軸押出機(L/D=52)に、樹脂量換算で90重量部/時の処理速度で導入して、重合溶液を脱揮し、樹脂ペレット(B3)を得た。用いたベントタイプスクリュー二軸押出機のリアベント数は1個、フォアベント数は4個(上流側から第1、第2、第3、第4ベントと称する)とし、第3ベントと第4ベントとの間にサイドフィーダーを配置し、バレル温度は240℃、減圧度は13.3~400hPa(10~300mmHg)とした。脱揮の際、イオン交換水を1.3重量部/時の投入速度で第2ベントの後ろから、別途準備しておいた環化触媒失活剤の溶液を0.6重量部/時の投入速度で第3ベントの後ろから投入した。環化触媒失活剤の溶液として、1.0重量部のオクチル酸亜鉛(日本化学産業製、商品名:ニッカオクチクス亜鉛10重量%)をトルエン0.3重量部に溶解させた溶液を用いた。
(製造例9〔アクリル樹脂ペレット(A6)の製造〕)
製造例8で得られた樹脂ペレット(B3)を、先端に小型ホットカットペレタイザ(田辺プラスチックス機械社製、RP40)が配置された押出機(φ=40mm、L/D=16)を用いてシリンダー温度250℃、スクリュ回転数25rpmで溶融混練し、押出ダイに有する直径3mmφのダイス(細孔)から3.6kg/hで溶融状態のアクリル樹脂を押し出した。
押出ダイから押し出しされた溶融状態のアクリル樹脂を、押出機の先端に設置されたカッター刃の回転(1250rpm)により、約0.03g毎に切断し、長径4.6mm、短径4.6mm、厚み2.7mmの円板状の樹脂ペレット(A6)を得た。
得られた樹脂ペレット(A6)の重量平均分子量は11.6万、分子量分布は2.6、ガラス転移温度は130℃、メルトフローレートは0.8、環構造の割合は28.6質量%、酸価は0.3mmol/g以下であった。
(製造例10〔アクリル樹脂ペレット(B4)の製造〕)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管および滴下ポンプを備えた反応容器に、2-(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(RHMA)12質量部、メタクリル酸メチル83.5質量部、トルエン90.4質量部、亜りん酸トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)0.05質量部、連鎖移動剤としてn-ドデシルメルカプタンを0.07質量部仕込み、窒素を通じつつ105℃まで昇温した。
初期開始剤としてt-アミルパーオキシイソノナノエート(アルケマ吉富社製、ルペロックス(登録商標)570)を0.09質量部加え、その5分後に、スチレン(St)4.5質量部、トルエン8.14質量部、滴下開始剤t-アミルパーオキシイソノナノエート(アルケマ吉富社製、ルペロックス(登録商標)570)0.179質量部からなる溶液を2時間かけて滴下しながら100℃~110℃で溶液重合を行い、さらに4時間かけて熟成を行った。
得られた重合溶液に、環化縮合反応の触媒(環化触媒)として、リン酸ステアリル(堺化学工業社製、Phoslex A-18)0.075質量部を加え、約90℃~110℃の還流下において1.5時間、ラクトン環構造を形成するための環化縮合反応を進行させた。
次に、得られた重合溶液を240℃に保持した多管式熱交換器に通して環化縮合反応を完結させた後、先端部にリーフディスク型のポリマーフィルター(濾過精度5μm)が配置されたベントタイプスクリュー二軸押出機(L/D=52)に、樹脂量換算で90重量部/時の処理速度で導入して、重合溶液を脱揮し、樹脂ペレット(B4)を得た。用いたベントタイプスクリュー二軸押出機のリアベント数は1個、フォアベント数は4個(上流側から第1、第2、第3、第4ベントと称する)とし、バレル温度は240℃、減圧度は13.3~400hPa(10~300mmHg)とした。脱揮の際、イオン交換水を1.3重量部/時の投入速度で第1、第2ベントの後ろから、別途準備しておいた環化触媒失活剤の溶液を0.3重量部/時の投入速度で第3ベントの後ろから投入した。環化触媒失活剤の溶液として、1.0重量部のオクチル酸亜鉛(日本化学産業製、商品名:ニッカオクチクス亜鉛10重量%)をトルエン0.3重量部に溶解させた溶液を用いた。
(製造例11〔アクリル樹脂ペレット(A7)の製造〕)
製造例10で得られた樹脂ペレット(B4)を、先端に小型ホットカットペレタイザ(田辺プラスチックス機械社製、RP40)が配置された押出機(φ=40mm、L/D=16)を用いてシリンダー温度240℃、スクリュ回転数25rpmで溶融混練し、押出ダイに有する直径3mmφのダイス(細孔)から3.6kg/hで溶融状態のアクリル樹脂を押し出した。
押出ダイから押し出しされた溶融状態のアクリル樹脂を、押出機の先端に設置されたカッター刃の回転(1250rpm)により、約0.03g毎に切断し、長径4.6mm、短径4.6mm、厚み2.7mmの円板状の樹脂ペレット(A7)を得た。
得られた樹脂ペレット(A7)の重量平均分子量は13.0万、分子量分布は2.7、ガラス転移温度は123℃、メルトフローレートは1.6、環構造の割合は16.9質量%、酸価は0.2mmol/g以下であった。
(製造例12〔アクリル樹脂ペレット(A8)の製造〕)
市販のアクリル樹脂(住友化学社製、スミペックスMH、メタクリル酸メチルを主成分とする環構造を有しないアクリル樹脂)のペレットを、先端に小型ホットカットペレタイザ(田辺プラスチックス機械社製、RP40)が配置された押出機(φ=40mm、L/D=16)を用いてシリンダー温度225℃、スクリュ回転数25rpmで溶融混練し、押出ダイに有する直径3mmφのダイス(細孔)から2.8kg/hで溶融状態のアクリル樹脂を押し出した。
押出ダイから押し出しされた溶融状態のアクリル樹脂を、押出機の先端に設置されたカッター刃の回転(1250rpm)により、約0.023g毎に切断し、長径4.8mm、短径4.7mm、厚み2.1mmの円板状の樹脂ペレット(A8)を得た。
得られた樹脂ペレット(A8)の重量平均分子量は9.3万、分子量分布2.0、ガラス転移温度110℃、メルトフローレート2.0であった。
表1に、各製造例で得られたアクリル樹脂ペレット(A)の評価結果を示す。
Figure 2022144324000005
(実施例1)
製造例2で得られたアクリル樹脂ペレット(A1)を100℃で12時間以上乾燥した後、前記図1と同様の射出装置を有する射出成形機(日精樹脂社製、NS40-5A)を用い、表2に記載の射出成形機の設定温度にて、サイズ100mm×100mm×厚さ3mmの金型にて、金型温度100℃で成形体(サイズ100mm×100mm×厚さ3mmの射出成形体)を作製した。
(実施例2)
実施例1において、製造例3で得られたアクリル樹脂(A2)のペレットを使用した以外は、実施例1と同様にして、成形体を作製した。
(実施例3)
実施例1において、製造例4で得られたアクリル樹脂(A3)のペレットを使用した以外は、実施例1と同様にして、成形体を作製した。
(実施例4)
実施例1において、製造例4で得られたアクリル樹脂(A3)のペレットを使用し、射出成形機の設定温度を変更した以外は、実施例1と同様にして、成形体を作製した。
(実施例5)
実施例1において、製造例7で得られたアクリル樹脂(A5)のペレットを使用し、射出成形機の設定温度を変更し、金型温度を90℃とした以外は、実施例1と同様にして、成形体を作製した。
(実施例6)
実施例1において、製造例5で得られたアクリル樹脂(A4)のペレットを使用した以外は、実施例1と同様にして、成形体を作製した。
(実施例7)
実施例1において、製造例9で得られたアクリル樹脂(A6)のペレットを使用し、射出成形機の設定温度を変更した以外は、実施例1と同様にして、成形体を作製した。
(実施例8)
実施例1において、製造例11で得られたアクリル樹脂(A7)のペレットを使用し、射出成形機の設定温度を変更し、金型温度を90℃とした以外は、実施例1と同様にして、成形体を作製した。
(実施例9)
実施例1において、製造例12で得られたアクリル樹脂(A8)のペレットを使用し、射出成形機の設定温度を変更し、金型温度を80℃とした以外は、実施例1と同様にして、成形体を作製した。
(実施例10)
実施例1において、製造例5で得られたアクリル樹脂(A4)のペレットを使用し、射出成形機の設定温度を変更した以外は、実施例1と同様にして、成形体を作製した。
表2に、各実施例の射出成形機の設定温度及び評価結果を示す。
Figure 2022144324000006
上記表からも明らかなように、ペレットサイズ又は冷却装置の温度を特定のものに調整することで、計量のばらつきやシルバーストリークの発生を比較的少ないものとできた。
詳細には、実施例6や10と実施例7の結果からすると、MFRが比較的小さいか又はMwが比較的大きい環構造を有するアクリル樹脂や、環構造を有しないアクリル樹脂においては、冷却装置の温度を特定のものに調整するだけでも、計量のバラつきやシルバーストリークの発生を少ないものとできた。
一方、実施例1~5と実施例6や10の結果からすると、MFRが比較的大きいか又はMwが比較的小さい環構造を有するアクリル樹脂においては、ペレットサイズの調整と、冷却装置の温度の調整を組み合わせることにより、計量のバラつきやシルバーストリークの発生をより高いレベルで効率よく少ないものとできた。
その他、実施例6と実施例10の結果からすると、本発明で規定する冷却装置の温度(Tg-Tj)の中でも、その差を所定の範囲(例えば、Tg-Tjを70℃以下)とすることで、より一層、計量のバラつき(さらには着色)を効率よく少ないものとできた。
本発明によれば、新規なペレットの製造方法等を提供できる。
1 ノズル
Hn ノズル部
2 シリンダー
H1 シリンダー前部(計量部)
H2 シリンダー中間部(圧縮部)
H3 シリンダー後部(供給部)
S1 スクリュー前部(計量部)
S2 スクリュー中間部(圧縮部)
S3 スクリュー後部(供給部)
H4 冷却装置(冷却手段)
3 ホッパー
4 温度測定装置

Claims (25)

  1. 樹脂のペレットを製造する方法であって、
    樹脂がアクリル樹脂(A)を含み、
    樹脂を切断し、長径が4.5mm以下のペレットを製造する方法。
  2. アクリル樹脂(A)が環構造を有する請求項1記載の方法。
  3. アクリル樹脂(A)が環状エステル構造を有する、請求項1又は2記載の方法。
  4. アクリル樹脂(A)のJIS K 7210に準拠した、230℃、荷重3.8kgにおけるメルトフローレートが2g/10分以上である、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
  5. アクリル樹脂(A)の重量平均分子量が10万以下である請求項1~4のいずれかに記載の方法。
  6. アクリル樹脂(A)の分子量分布が2.5以下である、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
  7. アクリル樹脂(A)が、JIS K 7210に準拠した、230℃、荷重3.8kgにおけるメルトフローレートが2g/10分以上、重量平均分子量が10万以下、及び分子量分布2.5以下から選択された少なくとも1種を充足し、環状エステル構造を有する、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
  8. 溶融状態の樹脂を切断する、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
  9. 押出機のダイより押し出した樹脂を溶融状態で切断する、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
  10. ペレットの短径が4.5mm以下である、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
  11. ペレットの長径及び短径が4.0mm以下である請求項1~10のいずれかに記載の方法。
  12. ペレットの厚みが3.5mm以下である請求項1~11のいずれかに記載の方法。
  13. ペレットが射出成形用である、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
  14. 請求項1~13のいずれかの方法により製造されたペレット。
  15. 樹脂を射出成形する方法であって、
    樹脂がアクリル樹脂(A)を含み、
    射出成形機のシリンダーの供給部に設置された冷却装置の温度をTj(℃)、樹脂のガラス転移温度をTg(℃)とするとき、Tg-Tj(℃)を80以下とする方法。
  16. アクリル樹脂(A)が環構造を有する請求項15記載の方法。
  17. アクリル樹脂(A)が環状エステル構造を有する、請求項15又は16記載の方法。
  18. アクリル樹脂(A)のJIS K 7210に準拠した、230℃、荷重3.8kgにおけるメルトフローレートが2g/10分以上である、請求項15~17のいずれかに記載の方法。
  19. アクリル樹脂(A)の重量平均分子量が10万以下である請求項15~18のいずれかに記載の方法。
  20. アクリル樹脂(A)の分子量分布が2.5以下である、請求項15~19のいずれかに記載の方法。
  21. アクリル樹脂(A)が、環状エステル構造を有する、請求項15~20のいずれかに記載の方法。
  22. 樹脂として、長径が4.5mm以下のペレットを使用する、請求項15~21のいずれかに記載の方法。
  23. Tg-Tj(℃)を70以下とする、請求項15~22のいずれかに記載の方法。
  24. アクリル樹脂(A)が、JIS K 7210に準拠した、230℃、荷重3.8kgにおけるメルトフローレートが2g/10分以上、重量平均分子量が10万以下、及び分子量分布2.5以下から選択された少なくとも1種を充足し、環状エステル構造を有するアクリル樹脂であり、
    樹脂として、長径及び単径が4.0mm以下のペレットを使用する、請求項15~23のいずれかに記載の方法。
  25. さらに、請求項1~13のいずれかに記載の方法にて樹脂のペレットを製造するペレット製造工程を含み、樹脂として当該ペレット製造工程で得られた樹脂のペレットを使用する、請求項15~24のいずれかに記載の方法。
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