JP2022143843A - 土壌改良剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】土壌改質作業中の安全性及び改質した土壌の安定性を図りつつ、土壌を取り扱い易い性状に調製することで、これまでは再利用が困難であった微細粒子含有土壌の再利用を容易なものとする土壌改良剤を提供する。【解決手段】微細粒子含有土壌を改質する土壌改良剤であって、微細粒子含有土壌に配合し攪拌すると、80秒以内に、篩分け可能な粒状土壌を形成し、当該粒状土壌は、微細粒子含有土壌に対して、実質的にpHが変化せず、かつ温度が上昇しない。【選択図】なし

Description

本発明は、粘土等の微細な粒子を含有する土壌(以下、「微細粒子含有土壌」と称する。)を改質して再利用可能とするための土壌改良剤に関する。
土木工事、建設工事、土壌除染作業等により発生した廃棄土壌には、粘土、砂、礫等の土壌成分の他、金属片、ガラス片、プラスチック片等の異物が含まれている。また、下水処理場等で発生した汚泥等の粘性土壌も、一般には廃棄土壌として処理されている。従って、廃棄土壌を再利用するためには、廃棄土壌中の異物を分別除去した上で、土壌の性状を改良する必要がある。ここで、廃棄土壌中の異物の分別除去は、一般に分級装置を用いた篩分けによって行われるが、廃棄土壌の性状に問題があると精度よく分別を行なうことが困難となる。例えば、廃棄土壌の粘性が大きい場合、分級装置のメッシュに土壌成分が付着し、閉塞を引き起こす虞がある。
そこで、廃棄土壌の性状を改質するために、様々な土壌改良剤が開発されている。例えば、無機凝結性化合物と水溶性高分子化合物とを含有する泥土の改質剤があった(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1の泥土改質剤は、特に、アルカリ系の土木薬剤を用いた工事で発生するアルカリ性の泥土の改質を目的としており、含水率の高い泥土の流動性を抑えることで、運搬の容易化を図ろうとしたものである。
また、アルギン酸ナトリウム粉末に無機鉱物粉末を配合した土壌改良剤があった(例えば、特許文献2を参照)。特許文献2の土壌改良剤は、処理した土壌を植物育成土壌として再利用することを目的としており、特に、高含水量の汚泥を処理する場合において、アルギン酸ナトリウム粉末により汚泥を凝集するとともに、無機鉱物粉末により中性化しようとするものである。
特開平10-165998号公報 特開2002―371279号公報
廃棄土壌の改質にあたっては、土壌改質作業中に急激な温度上昇が生じない安全性や、改質した土壌のpH変化(アルカリ化)が生じない安定性が求められる。また、改質した土壌の再利用を容易なものとするためには、篩分け等が可能な取り扱い易い性状(粘性が抑えられ、パラパラとした触感)に調製することも必要とされている。
この点に関し、特許文献1の泥土改質剤は、泥土の流動性の低減を目的としたものであるが、単に運搬の容易性を図っているに過ぎず、改質した土壌の再利用を想定したものではない。また、アルカリ性の高い土木薬剤で処理した土壌を処理対象としているため、得られた改質土壌のpHも必然的に高いものとなり、このようなアルカリ性の土壌を再利用できる場面は限られる。
特許文献2の土壌改良剤は、主成分としてアルギン酸ナトリウム粉末を使用することにより、植物育成土壌としての再利用を図るものであるが、アルギン酸ナトリウムは吸水すると粘稠な液体に変化するため、取り扱いが容易であるとは言い難い。また、アルギン酸ナトリウム粉末に配合する無機鉱物粉末として、特許文献2には、スラグ、石膏、石炭灰が挙げられているが、スラグ、石炭灰については改質後の土壌に不純物が混入するという点で問題があり、石膏については発熱による安全性の点で問題があり、改善の余地がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、土壌改質作業中の安全性及び改質した土壌の安定性を図りつつ、土壌を取り扱い易い性状に調製することで、これまでは再利用が困難であった微細粒子含有土壌の再利用を容易なものとする土壌改良剤を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明にかかる土壌改良剤の特徴構成は、
微細粒子含有土壌を改質する土壌改良剤であって、
前記微細粒子含有土壌に配合して攪拌すると、80秒以内に、篩分け可能な粒状土壌を形成し、当該粒状土壌は、前記微細粒子含有土壌に対して、実質的にpHが変化せず、かつ温度が上昇しないことにある。
本構成の土壌改良剤によれば、取り扱いが難しい粘性が大きい粘土等を含む微細粒子含有土壌であっても、本構成の土壌改良剤を微細粒子含有土壌に配合して攪拌するだけで、当該微細粒子含有土壌を迅速に篩分け可能な粒状土壌にすることができる。この粒状土壌は、改質前の微細粒子含有土壌に対して、実質的にpHが変化せず、かつ温度が上昇しないため、安全性・安定性が高く、取り扱いが容易なものとなる。
本発明にかかる土壌改良剤において、
前記粒状土壌は、重量ベースで、85%以上が目開き9.5mmの篩を通過することが好ましい。
本構成の土壌改良剤によれば、改質後に得られる粒状土壌を、重量ベースで、85%以上が目開き9.5mmの篩を通過するように調製することにより、取り扱いがさらに容易なものとなる。
さらに、上記課題を解決するための本発明にかかる他の土壌改良剤の特徴構成は、
微細粒子含有土壌を改質する土壌改良剤であって、
高吸水性ポリマーと、
結晶性炭酸カルシウムと、
を含有することにある。
本構成の土壌改良剤によれば、高吸水性ポリマーが微細粒子含有土壌に含まれる水分を吸収して微細粒子含有土壌を巻き込みながら膨潤状態となったところに、結晶性炭酸カルシウムが作用することで、結晶性炭酸カルシウムを核として微細粒子が集合し、土壌の粒状化が促進される。ここで、結晶性炭酸カルシウムは、弱酸性を示し、水分に触れても発熱しない。従って、改質した土壌は、実質的にpHが変化せず、かつ温度が上昇しないため、安全性・安定性が高く、取り扱いが容易なものとなる。
本発明にかかる土壌改良剤において、
前記高吸水性ポリマーと前記結晶性炭酸カルシウムとの配合比率が、重量比で、10/90~40/60に設定されていることが好ましい。
本構成の土壌改良剤によれば、高吸水性ポリマーと前記結晶性炭酸カルシウムとの配合比率が、上記の適切な範囲に設定されているため、微細粒子含有土壌の粒状化がより促進されるとともに、安全性・安定性が高く、取り扱いが容易な粒状土壌を得ることができる。
本発明にかかる土壌改良剤において、
前記微細粒子含有土壌を植物育成土壌に改質することが好ましい。
本構成の土壌改良剤によれば、微細粒子含有土壌を植物育成土壌に改質することで、農業分野での再利用が可能となる。
図1は、実施例にかかる土壌改良剤を配合した微細粒子含有土壌が、攪拌に伴って粒状化していく様子を経時的に示した写真である。
本発明の土壌改良剤について説明する。ただし、本発明は、以下で説明する実施形態や実施例に記載される構成に限定されるものではない。
本発明の土壌改良剤は、土木工事、建設工事、土壌除染作業等により発生した微細粒子含有土壌や、下水処理場等で発生した汚泥等を含む微細粒子含有土壌を改質することにより、これらを、植物育成土壌等として再利用するものである。ここで、本明細書において、微細粒子含有土壌とは、平均粒径が概ね2mm以下の粒子を含む土壌を意味し、主に、砂(平均粒径が概ね2~0.6mm)、シルト(平均粒径が概ね0.6~0.004mm)、粘土(平均粒径が概ね0.004mm以下)等を含む土壌が挙げられる。ただし、礫等の比較的粒径が大きい粒子を含む土壌であっても、微細粒子を含むものであれば、微細粒子含有土壌として取り扱うものとする。特に粘土を多く含む微細粒子含有土壌は、水分を含むと粘性が大きくなり、分級装置による篩分けが困難になることから、これまでは再利用されることなく廃棄されることも多かった。しかしながら、微細粒子含有土壌には、鉄分、マンガン、亜鉛等のミネラルや、腐葉土、排泄物等の栄養分が豊富に含まれている場合もあるため、微細粒子含有土壌を植物育成土壌等に再利用できれば、廃棄コストを低減できるだけでなく、新たな価値を創造することができる。そこで、本発明者らは、微細粒子含有土壌の再利用を可能とするためには、微細粒子含有土壌の性状を改善することが必要であるとの認識に立ち、本発明の土壌改良剤を創作するに至った。
本発明の土壌改良剤は、高吸水性ポリマーと、結晶性炭酸カルシウムとを含む。高吸水性ポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸系ポリマー、ポリメタクリル酸系ポリマー、ポリ酢酸ビニル系ポリマー、ポリビニルアルコール系ポリマー、カルボキシメチルセルロース系ポリマー等が挙げられる。これらのうち、好ましい高吸水性ポリマーは、ポリアクリル酸系ポリマーとして代表的なポリアクリル酸ナトリウムである。結晶性炭酸カルシウムとしては、工業薬品として市販されているものを使用できるが、結晶性炭酸カルシウムが主成分である大理石を粉砕したものを使用してもよい。
微細粒子含有土壌に、高吸水性ポリマー及び結晶性炭酸カルシウムを含む本発明の土壌改良剤を配合し、これを攪拌すると、80秒以内に、篩分け可能な粒状土壌を形成することができる。ここで、粒状土壌の形成時間である「80秒」は、土壌の攪拌をバッチ処理として行なった場合、その前後の作業を滞らせず行うに十分迅速な時間であり、工業的又は商業的に見て実用性が高いものである。
本発明の土壌改良剤を使用することにより微細粒子含有土壌が迅速に粒状化される現象は、その詳細については未だ明らかではないが、高吸水性ポリマーが微細粒子含有土壌に含まれる水分を吸収して微細粒子含有土壌を巻き込みながら膨潤状態となったところに、結晶性炭酸カルシウムが作用することで、結晶性炭酸カルシウムを核として微細粒子が集合し、土壌の粒状化が促進されるためと考えられる。
なお、結晶性炭酸カルシウムは、弱酸性を示し、水分に触れても発熱しないという性質を有する。そのため、改質によって得られた粒状土壌は、改質前の微細粒子含有土壌に対して、実質的にpHが変化せず、かつ温度上昇も起こらない。従って、本発明の土壌改良剤は、安全性・安定性が高く、取り扱いが容易なものと言える。
本発明の土壌改良剤において、高吸水性ポリマーと結晶性炭酸カルシウムとの配合比率は、重量比で、10/90~40/60に設定されていることが好ましい。高吸水性ポリマーと結晶性炭酸カルシウムとの配合比率が10/90~40/60に設定されていれば、微細粒子含有土壌の粒状化がより促進されるとともに、安全性・安定性が高く、取り扱いが容易な粒状土壌を得ることができる。
本発明の土壌改良剤を用いて微細粒子含有土壌を改質するにあたっては、当該微細粒子含有土壌を、重量ベースで、その85%以上が目開き9.5mmの篩を通過する粒度にまで粒状化させることが好ましい。これにより、得られた粒状土壌の取り扱いがより容易なものとなり、特に植物育成土壌として好適に再利用可能となる。
本発明の土壌改良剤には、必要に応じて、その他の成分を配合することも可能である。その他の成分としては、消泡剤、pH調整剤、溶剤、増粘剤、安定化剤、着色剤、消臭剤、抗菌剤、酸化防止剤等が挙げられる。
<粒状化試験(1)>
本発明の土壌改良剤の性能を確認するため、模擬土壌に各種薬剤を配合した以下の実施例1、及び比較例1~8にかかる粒状化試験を実施した。また、コントロールとして、薬剤を配合しない模擬土壌についても同様の試験を実施した。なお、模擬土壌には、赤土と黒土との混合土を使用した。赤土及び黒土の主成分は、砂(平均粒径が概ね2~0.6mm)、シルト(平均粒径が概ね0.6~0.004mm)、粘土(平均粒径が概ね0.004mm以下)であり、微細粒子含有土壌に相当する。また、使用した各種薬剤は、以下の製品である。
・ポリアクリル酸ナトリウム(高吸水性ポリマー):株式会社日本触媒製
・結晶性炭酸カルシウム :日東粉化工業株式会社製
・非晶性炭酸カルシウム :薬仙石灰株式会社製
・生石灰 :樫野石灰工業株式会社製
・消石灰 :薬仙石灰株式会社製
〔実施例1〕
模擬土壌1kg(含水率約40重量%)に対して、ポリアクリル酸ナトリウムと結晶性炭酸カルシウムとの配合比率を重量比で20/80に設定した薬剤(本発明の土壌改良剤)を30g配合し、ホバートミキサーで100秒間攪拌した。そして、攪拌終了直後の土壌(以下、「処理土壌」と称する。)について、pH、及び温度を測定した。さらに、処理土壌の篩掛け(篩サイズ:目開き9.5mm、目開き4.75mm)を行なって、粒状化状態を確認した。
〔比較例1〕
模擬土壌1kg(含水率約40重量%)に対して、ポリアクリル酸ナトリウムと非晶性炭酸カルシウムとの配合比率を重量比で20/80に設定した薬剤を30g配合し、実施例1と同様の攪拌を行なった。そして、得られた処理土壌について、実施例1と同様の測定、及び確認を行なった。
〔比較例2〕
模擬土壌1kg(含水率約40重量%)に対して、ポリアクリル酸ナトリウムと生石灰との配合比率を重量比で20/80に設定した薬剤を30g配合し、実施例1と同様の攪拌を行なった。そして、得られた処理土壌について、実施例1と同様の測定、及び確認を行なった。
〔比較例3〕
模擬土壌1kg(含水率約40重量%)に対して、ポリアクリル酸ナトリウムと消石灰との配合比率を重量比で20/80に設定した薬剤を30g配合し、実施例1と同様の攪拌を行なった。そして、得られた処理土壌について、実施例1と同様の測定、及び確認を行なった。
〔比較例4〕
模擬土壌1kg(含水率約40重量%)に対して、薬剤としてポリアクリル酸ナトリウムを6g配合し、実施例1と同様の攪拌を行なった。そして、得られた処理土壌について、実施例1と同様の測定、及び確認を行なった。
〔比較例5〕
模擬土壌1kg(含水率約40重量%)に対して、薬剤として結晶性炭酸カルシウムを80g配合し、実施例1と同様の攪拌を行なった。そして、得られた処理土壌について、実施例1と同様の測定、及び確認を行なった。
〔比較例6〕
模擬土壌1kg(含水率約40重量%)に対して、薬剤として非晶性炭酸カルシウムを80g配合し、実施例1と同様の攪拌を行なった。そして、得られた処理土壌について、実施例1と同様の測定、及び確認を行なった。
〔比較例7〕
模擬土壌1kg(含水率約40重量%)に対して、薬剤として生石灰を80g配合し、実施例1と同様の攪拌を行なった。そして、得られた処理土壌について、実施例1と同様の測定、及び確認を行なった。
〔比較例8〕
模擬土壌1kg(含水率約40重量%)に対して、薬剤として消石灰を80g配合し、実施例1と同様の攪拌を行なった。そして、得られた処理土壌について、実施例1と同様の測定、及び確認を行なった。
〔コントロール〕
模擬土壌1kg(含水率約40重量%)に対して、薬剤を配合せず、実施例1と同様の攪拌を行なった。そして、得られた処理土壌について、実施例1と同様の測定、及び確認を行なった。
粒状化試験(1)における実施例1、比較例1~8、及びコントロールの試験結果を以下の表1に示す。なお、評価については、処理土壌のpH、温度、及び粒状化状態を総合的に見て、良好なものからA~Cの三段階で行なった。
Figure 2022143843000001
ポリアクリル酸ナトリウムと結晶性炭酸カルシウムとを配合した実施例1は、処理土壌のpH、及び温度が、薬剤を使用していないコントロールから殆ど変化しておらず、安全性・安定性が高いものであった。また、処理土壌は、重量ベースで97%が目開き9.5mmの篩を通過できるものとなり、さらに77%が目開き4.75mmの篩を通過できるものとなり、取り扱いの容易な理想的な粒状土壌を形成していた。
これに対し、ポリアクリル酸ナトリウムと非晶性炭酸カルシウムとを配合した比較例1は、処理土壌のpH、及び温度については概ね変化がないものの、目開き9.5mmの篩の通過率、及び目開き4.75mmの篩の通過率が実施例1よりやや劣るものとなった。実際に、比較例1の処理土壌は、粒状化が不十分で若干のべたつきが認められ、実施例1に比べると取り扱い難いものであった。
ポリアクリル酸ナトリウムと生石灰とを配合した比較例2は、pH、及び温度の上昇が見られ、安全性・安定性に問題があった。また、目開き9.5mmの篩の通過率、及び目開き4.75mmの篩の通過率は、実施例1より劣るものとなった。
ポリアクリル酸ナトリウムと消石灰とを配合した比較例3は、pH、及び温度の上昇が見られ、安全性・安定性に問題があった。また、目開き9.5mmの篩の通過率、及び目開き4.75mmの篩の通過率は、実施例1よりかなり劣るものとなった。
ポリアクリル酸ナトリウムのみを配合した比較例4、及び各種カルシウム化合物のみを配合した比較例5~8については、何れも土壌の粒状化が十分に達成されず、取り扱い難いものであった。加えて、比較例7及び8については、pH、及び温度の上昇が見られ、安全性・安定性に問題があった。
<粒状化試験(2)>
次に、本発明の土壌改良剤において、ポリアクリル酸ナトリウムと結晶性炭酸カルシウムとの配合比率を変更した薬剤を用いて粒状化試験を実施した。
〔実施例2〕
模擬土壌1kg(含水率約40重量%)に対して、ポリアクリル酸ナトリウムと結晶性炭酸カルシウムとの配合比率を重量比で10/90に設定した薬剤(本発明の土壌改良剤)を30g配合し、ホバートミキサーで100秒間攪拌した。そして、攪拌終了直後の土壌(以下、「処理土壌」と称する。)について、pH、及び温度を測定した。さらに、処理土壌の篩掛け(篩サイズ:目開き9.5mm、目開き4.75mm)を行なって、粒状化状態を確認した。
〔実施例3〕
模擬土壌1kg(含水率約40重量%)に対して、ポリアクリル酸ナトリウムと結晶性炭酸カルシウムとの配合比率を重量比で40/60に設定した薬剤(本発明の土壌改良剤)を30g配合し、実施例2と同様の攪拌を行なった。そして、得られた処理土壌について、実施例2と同様の測定、及び確認を行なった。
粒状化試験(2)における実施例2、及び3の試験結果を以下の表2に示す。なお、表2には、先の粒状化試験(1)における実施例1、及びコントロールの試験結果も併せて示してある。評価については、粒状化試験(1)と同様に、処理土壌のpH、温度、及び粒状化状態を総合的に見て、良好なものからA~Cの三段階で行なった。
Figure 2022143843000002
ポリアクリル酸ナトリウムと結晶性炭酸カルシウムとの配合比率を重量比で10/90とした実施例2、配合比率を重量比で40/60とした実施例3は、配合比率を重量比で20/80とした実施例1と同様に、処理土壌のpH、及び温度が、薬剤を使用していないコントロールから殆ど変化しておらず、安全性・安定性が高いものであった。また、処理土壌の目開き9.5mmの篩通過率、及び目開き4.75mmの篩通過率は何れも高いものとなり、取り扱いの容易な理想的な粒状土壌を形成していた。
<粒状化試験(3)>
次に、本発明の土壌改良剤を配合した微細粒子含有土壌が、攪拌に伴って粒状化していく様子を経時的に観察し、粒状土壌を形成する時間を確認した。この粒状化試験(3)では、ポリアクリル酸ナトリウムと結晶性炭酸カルシウムとの配合比率を重量比で20/80とした土壌改良剤(実施例1相当品)を使用し、ホバートミキサーによる攪拌時間を0~100秒とし、10秒毎の土壌の状態を目視により観察した。
図1に、土壌改良剤を配合した微細粒子含有土壌が、攪拌に伴って粒状化していく様子を経時的に示した写真を示す。なお、土壌の粒状化状態の評価については、良好なものからA~Dの四段階で行なった。
図1より、攪拌を開始してから40秒後に粒状土壌が形成され始め、70~80秒後には粒状土壌が略完全に形成され、その後は形成された粒状土壌の形状が安定して維持されることが確認された。このように、本発明の土壌改良剤を使用すれば、微細粒子含有土壌を、80秒以内に、篩分け可能で取り扱いの容易な粒状土壌に改質することが可能となることが明らかとなった。
本発明の土壌改良剤は、土木工事、建設工事、土壌除染作業等により発生した廃棄土壌や、下水処理場等で発生した汚泥等の粘性土壌の改質に利用することができる。また、改質後に得られる粒状土壌は、植物育成土壌として好適に利用することができる。

Claims (5)

  1. 微細粒子含有土壌を改質する土壌改良剤であって、
    前記微細粒子含有土壌に配合して攪拌すると、80秒以内に、篩分け可能な粒状土壌を形成し、当該粒状土壌は、前記微細粒子含有土壌に対して、実質的にpHが変化せず、かつ温度が上昇しない土壌改良剤。
  2. 前記粒状土壌は、重量ベースで、85%以上が目開き9.5mmの篩を通過する請求項1に記載の土壌改良剤。
  3. 微細粒子含有土壌を改質する土壌改良剤であって、
    高吸水性ポリマーと、
    結晶性炭酸カルシウムと、
    を含有する土壌改良剤。
  4. 前記高吸水性ポリマーと前記結晶性炭酸カルシウムとの配合比率が、重量比で、10/90~40/60に設定されている請求項3に記載の土壌改良剤。
  5. 前記微細粒子含有土壌を植物育成土壌に改質する請求項1~4の何れか一項に記載の土壌改良剤。
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