JP2005278516A - 作物の生育促進材、それを用いた作物の生育促進方法、及びその作物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 バテライト含有物質からなる作物の生育促進材、バテライト含有物質のBET比表面積値が5m2/g以上である該作物の生育促進材、バテライト含有物質がカルシウムシリケート及び/又はカルシウムシリケート水和物の炭酸化処理物である該作物の生育促進材、該作物の生育促進材を土壌と混合する作物の生育促進方法、並びに、該作物の生育促進方法により生育された作物を構成とする。
【選択図】 なし
Description
しかしながら、この方法では、土壌が固化してしまうため農地等としての利用は難しいという課題があった。
炭酸カルシウムには、六方晶系のカルサイト形、斜方晶系のアラゴナイト形、及び擬六方晶系のバテライト形の3つが存在する。これらは全く異なる結晶構造をもち、密度も異なるなど、物理的性質は大きく相違している。このうち、カルサイト形は安定相であるのに対し、アラゴナイト形やバテライト形は準安定相であり、特にバテライト形はカルサイト形やアラゴナイト形に相転移しやすいという特徴がある。
本発明では、バテライトとともにカルサイトやアラゴナイトが不純物として共存する場合があるが、これらの不純物の存在は本発明の効果を実質的に阻害しない範囲では特に問題とはならない。
バテライトの合成方法は特に限定されるものではなく、塩化カルシウムと炭酸成分とを反応させても良いし、水酸化カルシウムと炭酸成分とを反応させることも可能である。
また、カルシウムシリケートやカルシウムシリケート水和物を炭酸成分と反応させることも可能である。
これらのうち、作物の生育を促進する面からは、カルシウムシリケートやカルシウムシリケート水和物を炭酸成分と反応させて合成したものがより好ましい。
バテライトの粒度は特に限定されるものではないが、BET比表面積値5m2/g以上が好ましい。
ワラストナイトCaO・SiO2(以下、CSという)にはα型(以下、α-CSという)とβ型が存在し、本発明では、炭酸化活性の面からα-CSが好ましい。
また、ダイカルシウムシリケート2CaO・SiO2(以下、C2Sという)にも、α型、αプライム型、β型(以下、β-C2Sという)、及びγ型(以下、γ-C2Sという)が存在し、いずれも利用可能であるが、そのうち、γ-C2Sが好ましい。
カルシウムシリケートの粒度は特に限定されるものではないが、BET比表面積値5m2/g以上が好ましい。
カルシウムシリケート水和物の粒度は特に限定されるものではないが、BET比表面積値5m2/g以上が好ましい。
土壌添加材A:0.3mol/lの塩化カルシウム溶液50mlと、0.12mol/lの炭酸ナトリウム溶液450mlを20℃条件下で混合し、10分間反応させて合成、粉末X線回折(以下、XRDという)でカルサイトやアラゴナイトの存在がないバテライトであることを確認、密度2.54g/cm3、BET比表面積値4.8m2/g
土壌添加材B:1.0mol/lの塩化カルシウム溶液50mlと、0.33mol/lの炭酸ナトリウム溶液450mlを20℃条件下で混合し、10分間反応させて合成、XRDでカルサイトやアラゴナイトの存在がないバテライトであることを確認、密度2.53g/cm3、BET比表面積値10.2m2/g
土壌添加材C:3.6mol/lの塩化カルシウム溶液50mlと、1.2mol/lの炭酸ナトリウム溶液450mlを20℃条件下で混合し、10分間反応させて合成、XRDでカルサイトやアラゴナイトの存在がないバテライトであることを確認、密度2.52g/cm3、BET比表面積値14.2m2/g
土壌添加材D:水酸化カルシウムを炭酸化させて合成、XRDでカルサイトであることを確認。密度2.71g/cm3、BET比表面積値2m2/g
土壌添加材E:天然の石灰石の粉砕品、密度2.71g/cm3、ブレーン比表面積(以下、ブレーン値という)4,000cm2/g
土壌添加材F:α-CS、CaCO3とSiO2を1対1モルで混合した後、1,500℃で2時間焼成して合成、ブレーン値4,000cm2/g
土壌添加材G:γ-C2S、CaCO3とSiO2を2対1モルで混合した後、1500℃で2時間焼成して合成、ブレーン値4,000cm2/g
土壌添加材H:β-C2S、γ-C2Sにアルミナを3%とホウ酸を0.5%加えて1,500℃で2時間焼成して合成、ブレーン値4,000cm2/g
土壌添加材I:C3S、CaCO3とSiO2を3対1モルで混合した後、1,500℃で3時間焼成する工程を2回繰り返して合成、ブレーン値4,000cm2/g
土壌添加材J:β-C2Sを50℃で完全水和させたもの、XRDの同定結果では、水酸化カルシウムの存在がわずかに確認されたほかは明瞭なピークは認められない、C-S-Hゲルを主体とすると考えられる、BET比表面積値15m2/g
土壌添加材K:C3Sを50℃で完全水和させたもの、XRDの同定結果では、水酸化カルシウムの存在が明瞭に確認された、水酸化カルシウムとC-S-Hゲルを主体とすると考えられる、BET比表面積値10m2/g
土壌添加材L:α-CSを水中で炭酸ガスを吹き込みながら攪拌して完全に炭酸化させたもの、XRDの同定結果ではバテライトを主成分とする、BET比表面積値10m2/g
土壌添加材M:γ-C2Sを水中で炭酸ガスを吹き込みながら攪拌して完全に炭酸化させたもの、XRDの同定結果ではバテライトを主成分とする、BET比表面積値15m2/g
土壌添加材N:β-C2Sを水中で炭酸ガスを吹き込みながら攪拌して完全に炭酸化させたもの、XRDの同定結果ではバテライトを主成分とし、一部カルサイトの存在も認められるもの、BET比表面積値10m2/g
土壌添加材O:C3Sを水中で炭酸ガスを吹き込みながら攪拌して完全に炭酸化させたもの、XRDの同定結果ではカルサイトを主成分とし、一部バテライトの存在も認められるもの、BET比表面積値5m2/g
カドミウムの標準溶液:試薬特級。
水 :水道水
カドミウム吸収量:栽培されたこまつな200gと純水1,000mlをジューサーを用いて液状にした。この液を5Aのろ紙を用いてろ過し、ろ液をICP発光分光分析法で測定した。
この土壌の水分量を最大容水量の60%に調整し、表2に示す物質を混和して、こまつな種子を4つ播種した。種まきから30日間経過後のこまつなの収量を測定し、土壌添加材なしのこまつな収量を100とした時の相対収率(%)を求めた。結果を表2に併記する。
よって、農産物の安全安心を高めることに極めて有効と考えられる。
Claims (5)
- バテライト含有物質からなる作物の生育促進材。
- バテライト含有物質のBET比表面積値が5m2/g以上であることを特徴とする請求項1に記載の作物の生育促進材。
- バテライト含有物質がカルシウムシリケート及び/又はカルシウムシリケート水和物の炭酸化処理物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の作物の生育促進材。
- 請求項1〜3のうちの1項に記載の作物の生育促進材を土壌と混合することを特徴とする作物の生育促進方法。
- 請求項4に記載の作物の生育促進方法により生育された作物。
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---|---|---|---|---|
JP2016540062A (ja) * | 2013-10-04 | 2016-12-22 | オムヤ インターナショナル アーゲー | 土壌のpHを調節するための微粉化アルカリ土類炭酸塩含有材料 |
JP7128495B1 (ja) | 2021-03-18 | 2022-08-31 | 株式会社アステック | 土壌改良剤 |
CN117136969A (zh) * | 2023-08-29 | 2023-12-01 | 华中农业大学 | 一种具有耐酸促生作用的种子包衣剂及其应用 |
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