JP2022143360A - 筒状体および構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】エネルギー吸収量をより高めた繊維強化樹脂製の筒状体を提供すること。【解決手段】所定の方向からの荷重を付与される用途に用いられる筒状体である。前記筒状体は、一方向に配向された複数の強化繊維が配列された繊維層と、前記強化繊維を収容する、熱可塑性樹脂を含むマトリクス樹脂と、前記マトリクス樹脂に接触して配置された金属部材と、を有し、前記金属部材は、前記荷重が付与される方向に平行かつ前記筒状体の長手方向軸を通過する仮想直線上に配置され、ただし、前記仮想直線上の位置のうち、前記長手方向軸を始点として前記荷重が付与される方向と同じ方向に延びる奥側線分上には配置され、前記長手方向軸を始点として前記荷重が付与される方向とは異なる方向に延びる手前側線分上には配置されない。【選択図】図3

Description

本発明は、筒状体および構造体に関する。
金属管を、より軽量かつ剛性が高い繊維強化樹脂製の管(筒状体)で代用する方法が種々検討されている。
繊維強化樹脂製の筒状体を製造する方法として、一方向に配向して配列された複数の強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸させてなる、テープ状の一方向性強化繊維樹脂シート(以下、単に「Uni-Direction(UD)テープ」ともいう。)を、レーザーを照射しながら他の成形体の表面に供給して、上記テープ状の繊維強化樹脂を融着させて貼り付けていく技術が知られている(たとえば、特許文献1)。上記技術により得られる融着体は、繊維強化樹脂による高い強度などを有することから、各種用途への応用が期待される。また、この技術により、上記テープ状の繊維強化樹脂をマンドレルの周囲に巻き付けながら融着させると、筒状の成形体(筒状体)を作製することができる。
また、特許文献2には、熱硬化性樹脂が含浸されたFRP(Fiber Reinforced Plastics)プリプレグが外周に装着されたマンドレルを金属管の内部へ挿入し、加熱により上記FRPプリプレグを軟化させて金属管の内周面に押しつけ、この状態でさらに加熱して上記熱硬化性樹脂を硬化させ、その後、上記マンドレルを抜き取って得られた筒状体に引っ張り荷重を加えて熱残留応力を除去する、金属/FRPパイプの製図方法が記載されている。上記金属/FRPパイプは、繊維強化樹脂の軽量さおよび剛性と、金属管による表面の硬度と、を両立し得るため、各種シートの繰り出し・巻き取り用ロールや、液晶パネルおよびフラットパネルディスプレーなどの搬送用ロールとしての用途に好適であるとされている。
国際公開第2010/031364号 特開2011-167951号公報
金属管の用途としては、衝撃吸収材などの、所定の方向からの荷重(または衝撃)を付与される用途も知られている。そして、これらの用途に用いる際には、瞬間的に大きな荷重を付与されたときのみならず、比較的長い時間をかけて小さい荷重を付与され続けたときにも破断しないだけの強度が、筒状体に求められる。つまり、破断までのエネルギー吸収量が高いことが要求される。特許文献1に記載のような筒状体は、高いエネルギー吸収性という熱可塑性樹脂の特性により、上記用途における金属管の代用品として有用ではないかと期待される。しかし、上記用途に使用する筒状体には、エネルギー吸収量をより高めることへの要求が常に存在する。
たとえば、特許文献2に記載のように、繊維強化樹脂製の筒状体と金属筒とを一体化することで、より大きい荷重を付与したときにも破断しにくくなるのではないかとも考えられる。しかし、本発明者らの新たな知見によれば、繊維強化樹脂製の筒状体と金属筒とを一体化させても、筒状体のエネルギー吸収量は期待した程度には高まらなかった。
上記問題に鑑み、本発明は、エネルギー吸収量をより高めた繊維強化樹脂製の筒状体、および当該筒状体を有する構造体を提供することをその目的とする。
上記の課題を解決するための本発明の一態様に関する筒状体は、所定の方向からの荷重を付与される用途に用いられる筒状体である。前記筒状体は、一方向に配向された複数の強化繊維が配列された繊維層と、前記強化繊維を収容する、熱可塑性樹脂を含むマトリクス樹脂と、前記マトリクス樹脂に接触して配置された金属部材と、を有し、前記金属部材は、前記荷重が付与される方向に平行かつ前記筒状体の長手方向軸を通過する仮想直線上に配置され、ただし、前記仮想直線上の位置のうち、前記長手方向軸を始点として前記荷重が付与される方向と同じ方向に延びる奥側線分上には配置され、前記長手方向軸を始点として前記荷重が付与される方向とは異なる方向に延びる手前側線分上には配置されない。
上記の課題を解決するための本発明の他の態様に関する構造体は、前記筒状体を含む。
本発明によれば、エネルギー吸収量をより高めた繊維強化樹脂製の筒状体、および当該筒状体を有する構造体が提供される。
図1は、本発明の一実施形態に関する筒状体の模式的な斜視図である。 図2Aは、図1に示す筒状体の一点鎖線2-2における断面図であり、図2Bは、図2Aに示す領域2Bの部分拡大断面図である。 図3は、金属部材の配置を説明するための、図1に示す筒状体の図2Aと同じ断面図である。 図4は、本発明の一実施形態に関する筒状体の製造に用いる筒状体を製造する装置の代表的な構成を示す模式図である。 図5は、実施例の各試験における、筒状体の断面中におけるアルミニウム部材の位置を示す断面図である。
[筒状体]
本発明の一実施形態は、一方向に配向された複数の強化繊維が配列された繊維層と、上記強化繊維を収容する、熱可塑性樹脂を含むマトリクス樹脂と、金属部材と、を有する筒状体に関する。当該筒状体は、衝撃吸収材や、担架の持ち手部分のように、所定の方向から荷重を付与される用途に用いられる。
図1は、本発明の一実施形態に関する筒状体100の模式的な斜視図であり、図2Aは、図1に示す筒状体の一点鎖線2-2における断面図であり、図2Bは、図2Aに示す領域2Bの部分拡大断面図である。
図1に示すように、筒状体100は、長さ方向に沿って、一定の径および一定の断面形状を有する。以下、本明細書では、筒状体100の長さ方向を「長手方向」ともいう。そして、筒状体100の断面における重心を通り、筒状体100の長手方向に延びる仮想軸を「長手方向軸」ともいう。
図2Aおよび図2Bは、筒状体100の、長手方向軸に垂直な断面である。図2Aおよび図2Bに示すように、筒状体100は、いずれも長手方向に延びている壁部110と中空部120とを有し、壁部110では、マトリクス樹脂112の内部に複数の強化繊維114が収容されている。強化繊維114は、同一方向に配向してなる複数の強化繊維114から構成される層を形成しており、壁部110の内部には、強化繊維114の配向方向が異なる複数の繊維層(図2Bでは4層の繊維層114a、繊維層114b、繊維層114c、および繊維層114d)が形成されている。本実施形態では、筒状体100は断面形状が円形の略円柱状であるため、長手方向軸LAは、筒状体100の断面において、筒状体100の外壁面により構成される外周および筒状体100の内壁面により構成される内周(これらは同心円である)の両方の円の中心を通る。
なお、図2Aでは、筒状体100の断面形状が円形状である例を示しているが、金属部材130が配置されている領域が、金属部材130の形状に応じて、外部に出っ張る形状などに変形していてもよい。他の図面も同様である。
上記繊維層として、配向角度が異なる複数の繊維層を有することで、筒状体100の剛性を高めて、荷重を付与されたときに筒状体100をより破断しにくくすることができる。上記観点からは、筒状体100は、筒状体100の長手方向軸LAに対して強化繊維114が互いに反対側に配向する複数の繊維層を有することが好ましく、上記強化繊維114が反対側に配向する複数の繊維層が、厚み方向に連続して配置されていることが好ましい。より具体的には、長手方向軸LAに対して強化繊維114の配向方向がなす角度が+35°以上+80°以下の繊維層と、長手方向軸LAに対して前記強化繊維の配向方向がなす角度が-35°以上-80°以下の繊維層と、が連続して配置されていることが好ましい。
筒状体100は、一方向に配向された複数の強化繊維にマトリクス樹脂が含浸されてなる繊維強化樹脂テープ(Uni-Directionテープ:UDテープ)をマンドレルの周囲に単層または複数層に巻き付けながら融着させていく方法で、作製され得る。
筒状体100は、荷重が付与される側とは反対側の一部に、金属部材130を有する。
図3は、本発明の例示的な一実施形態における、金属部材130の配置を説明するための、筒状体100の図2Aと同じ断面図である。図3において、筒状体100には、使用時に、図中上方向から荷重が付与されるものとする(図3中の矢印参照)。このとき、金属部材130は、荷重が付与される方向(図中下方向)に平行かつ長手方向軸LAを通過する仮想直線VL上に配置される。ただし、仮想直線VLを、長手方向軸LAを始点として荷重が付与される方向と同じ方向に延びる奥側線分BLと、長手方向軸LAを始点として荷重が付与される方向とは反対の方向に延びる手前側線分FLと、に分割したときに、金属部材130は、奥側線分BL上には配置され、手前側線分FL上には配置されない。
筒状体100が吸収できるエネルギー量は、曲げ試験における荷重(N)を縦軸に、たわみ量(mm)を横軸にとった荷重たわみ曲線における、荷重付与開始時から最大荷重時(破断時)までの荷重の積分値である。つまり、筒状体100が吸収できるエネルギー量を高めるためには、より大きな荷重を付与したときにも破断しにくくするだけでは不十分であり、筒状体がたわむことで、破断までの間にエネルギーを貯蓄できるようにすることも重要である。この点、特許文献2に記載のように、繊維強化樹脂製の筒状体と金属筒とを一体化したときには、より大きな荷重を付与しても筒状体が破断しにくいようにすることはできるものの、筒状体が全体として剛直になり、たわみにくくなるため、エネルギー吸収量はかえって減少していたものと考えられる。
所定の方向から筒状体100に荷重を付与したとき、筒状体100には、中空部120を挟んで荷重を付与された側と反対側(奥側線分側)では引張方向の力が、中空部120に対して荷重を付与された側(手前側線分側)では圧縮方向の力が、それぞれかかる。炭素繊維は、引張強度に比べて圧縮強度が高い傾向がある。そして、金属部材130を手前側線分側ではなく奥側線分側に配置することにより、荷重がかかった際の応力を引張側である奥側線分側に集中させることができ、強度が向上してエネルギー吸収量が増大したと推測される。
つまり、本実施形態では、筒状体100の、荷重を付与される方向からみて奥側に金属部材130を配置することによって、より大きな荷重を付与しても筒状体100が破断しにくくする。一方で、金属部材130を手前側には配置しないことで、荷重付与時の、金属部材130による筒状体100の圧縮の阻害を抑制して、筒状体100のたわみ量の減少を低減する。これらの作用により、本実施形態では、より大きな荷重を付与しても筒状体100が破断しにくいようにしつつ、荷重付与時の筒状体100のたわみ量の減少は抑制することで、筒状体100のエネルギー吸収量を高めることができた、と考えられる。
一方で、荷重を付与される方向からみた奥側における、金属部材130の位置は、特に限定されない。たとえば、金属部材130はマトリクス樹脂112の内部に収容されていてもよいし、マトリクス樹脂112の表面に接着または接合されていてもよい。本発明者らの知見によれば、金属部材130の位置が筒状体100の上記奥側における外表面に近づくほど、より大きい荷重を付与しても筒状体100が破断しにくくなり、上記奥側における内表面に近づくほど、筒状体100のたわみ量が大きくなる。そのため、筒状体100の用途に応じて、たとえばより大きな荷重が付与される用途に用いるときには外表面に近い位置に金属部材130を配置する(たとえば、筒状体100の厚みの半分よりも外表面側に位置するように金属部材130を配置する)などすればよい。また、筒状体100からの金属部材130の離脱を抑制する観点からは、金属部材130はマトリクス樹脂の内部に収容されていることが好ましい。
金属部材130の体積は、より大きくすることで筒状体100をより破断しにくくすることができる。一方で、金属部材130の体積を大きくしすぎないことで、筒状体100のたわみ量の減少をより抑制することができる。これらのバランスをとる観点から、筒状体100の長手方向軸に垂直な断面(図2Aおよび図3に示す断面)における、筒状体100の全面積に対する金属部材130の面積の比率は、1%以上20%以下であることが好ましく、3%以上15%以下であることがより好ましく、5%以上10%以下であることがさらに好ましい。
金属部材130の材料は特に限定されず、鉄、銅、ニッケル、金、銀、プラチナ、コバルト、亜鉛、鉛、スズ、チタン、クロム、アルミニウム、マグネシウム、マンガン、およびこれらの合金(たとえば、鋼(ステンレスなど)、真鍮、リン青銅など)などの様々な材料を用いることができる。これらのうち、高強度であることから鉄系金属およびアルミニウム系金属が好ましく、さらに軽量であることからアルミニウム系金属がより好ましい。
金属部材130の形状も特に限定されず、棒状、平板状、不定型の塊状などの様々な形状とすることができる。また、筒状体100のより広い範囲において、付与された荷重からのエネルギー吸収性を高める観点からは、金属部材130は、筒状体100の長手方向軸に沿って伸びた長軸を有する板状部材であることが好ましい。このときの金属部材130の、筒状体100の長手方向軸に沿った長さは特に限定されないものの、筒状体100の長手方向への長さの半分以上であることが好ましく、3/4以上であることが好ましい。一方で、筒状体100の端部の加工性・取扱性等を高める観点からは、上記金属部材130の長さは、筒状体100の長手方向への長さよりも短いことが好ましい。なお、金属部材130が平板状であるとき、金属部材130の平面(表面積が最大となる面)が、荷重が付与される方向を向いていることが好ましい。より具体的には、表面積が最大となる面が、荷重が付与される方向に対して略垂直となるように配置されることが好ましい。なお、上記略垂直に関して、多少の角度のずれは許容されるが、上記表面積が最大となる面と荷重が付与される方向とがなす角度(鋭角側)が80°以上90°以下の範囲にあることが好ましい。
図4は、筒状体100を製造する装置400の代表的な構成を示す模式図である。
装置400は、回転するマンドレル410と、UDテープ430をマンドレル410の表面に融着させることにより筒状体を作製する融着ユニット420と、を有する。なお、装置400は、不図示の制御部が、マンドレル410を回転させ、かつ融着ユニット420の各構成部に下記の動作を行わせる。
なお、本明細書において、マンドレル410の表面とは、マンドレル410のUDテープ430と接する表面、および、すでにマンドレル410に巻かれて互いに融着しているUDテープ430の表面、のいずれかを意味する。
マンドレル410は、それぞれ支持体402aおよび支持体402bに保持された回転支持部404aおよび回転支持部404bに両端を支持され、回転支持部404aおよび回転支持部404bの回転により回転される。
融着ユニット420は、ロール状に巻回されたUDテープ430を繰り出し可能に収容する収容部421、収容部421から繰り出されたUDテープ430を支持しつつマンドレル410へと導くガイドローラー422、マンドレル410に供給されたUDテープ430にレーザー発振源424aから発振されたレーザーを照射する対物レンズユニットであるレーザー照射部424、およびマンドレル410に供給されたUDテープ430をマンドレル410の表面に向けて圧下する圧下ローラー425を有する。
収容部421は、ロール状に巻回されたUDテープ430を収容し、かつ、上記筒状体の作製時にはUDテープ430を繰り出す。ガイドローラー422は、収容部421とマンドレル410とを繋ぐUDテープ430の移動経路に接して配置され、上記移動経路を移動するUDテープ430を張力がかかった状態で支持しつつマンドレル410の表面へと導く。レーザー照射部424は、融着ユニット420の外部に配置されたレーザー発振源424aと光ファイバーなどにより光通信可能に接続され、レーザー発振源424aが発振したレーザーを、対物レンズにより収束させながら出射する。具体的には、レーザー照射部424は、移動するUDテープ430とマンドレル410の表面とが接触する直前、または接触するときに、UDテープ430およびマンドレル410の表面の少なくとも一方にレーザーが照射されるように、上記レーザーを出射する。圧下ローラー425は、マンドレル410に供給されたUDテープ430をマンドレル410の表面に向けて圧下する。マンドレル410に供給されたUDテープ430、および、すでにマンドレル410に巻かれて互いに融着しているUDテープ430、の少なくとも一方がレーザーの照射により溶融した状態で、供給されたUDテープ430がマンドレル410の表面に向けて圧下されることにより、供給されたUDテープ430が互いに融着して、上記筒状体の形状に成形されていく。
融着ユニット420は、ロボットアームの内部に上記各構成部を収容する、融着ユニット420は、ガイド部426に沿って平行移動しつつ、回転するマンドレル410の軸方向に沿って往復しながら、UDテープ430を融着させていく。なお、融着ユニット420は、垂直移動および回転移動も可能に構成されている。回転移動によって、マンドレル410の表面にUDテープ430が接触する角度を変更することにより、強化繊維が配向する向きが異なる複数の層を有する上記筒状体を作製することができる。
このようにして作製され、マンドレル410から引き抜いて得られた筒状体は、長尺状の円筒形であり、かつその壁部は、一方向に配向して配列され、かつ螺旋状に配置された複数の強化繊維に樹脂が含浸してなる。なお、上記壁部は、その内部に、いずれも上記螺旋状に配置された複数の強化繊維を含み、一方で複数の強化繊維の螺旋の向き(配向された向き)が層ごとに異なる、複数の層を有してもよい。
上記複数の層を形成する際に、ある層を形成した後、マンドレルの回転によって離脱しないように金属部材を形成された層の表面に接着し、上記接着された金属部材を覆うようにさらなる層を形成していくことで、マトリクス樹脂112の内部に金属部材130が収容された筒状体100を製造することができる。上記接着は、接着剤または両面テープを用いる方法などの、公知の方法により行うことができる。
また、すべての層を形成した後に、筒状体の外表面または内表面に金属部材を接着または接合することで、マトリクス樹脂112の表面に金属部材130が接着または接合された筒状体100を製造することができる。上記接着は、接着剤を用いる方法などの、公知の方法により行うことができる。このとき、接着強度を高める観点から、金属部材またはマトリクス樹脂の表面の、接着する部位を粗面化処理してもよい。
[材料等]
上記強化繊維の材料は、特に限定されない。たとえば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、ボロン繊維、および金属繊維などを、上記強化繊維として用いることができる。これらのうち、炭素繊維は微小な破断が生じやすいため、本発明による繊維強化樹脂の生産性の向上効果が顕著である。
上記強化繊維は、強化繊維による強度の向上効果を十分に高める観点からは、平均直径が1μm以上20μm以下であることが好ましく、4μm以上10μm以下であることがより好ましい。
また、上記強化繊維は、サイジング剤によりサイジング処理されていてもよい。
上記サイジング剤は特に限定されないが、変性ポリオレフィンが好ましく、得には、カルボン酸金属塩を含む変性ポリオレフィンであることがより好ましい。上記変性ポリオレフィンは、たとえば、未変性ポリオレフィンの重合体鎖に、カルボン酸基、カルボン酸無水物基またはカルボン酸エステル基をグラフト導入し、かつ上記官能基と金属カチオンとの間で塩を形成させたものである。
上記未変性ポリオレフィンは、エチレンに由来する構成単位の含有量が50モル%以上であるエチレン系重合体、またはプロピレンに由来する構成単位の含有量が50モル%以上であるプロピレン系重合体であることが好ましい。上記エチレン系重合体の例には、エチレン単独重合体、およびエチレンと炭素原子数3以上10以下のα-オレフィンとの共重合体が含まれる。上記プロピレン系重合体の例には、プロピレン単独重合体、およびプロピレンとエチレンまたは炭素原子数4以上10以下のα-オレフィンとの共重合体が含まれる。上記未変性ポリオレフィンは、ホモポリプロピレン、ホモポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、プロピレン・1-ブテン共重合体、またはエチレン・プロピレン・1-ブテン共重合体であることが好ましい。
また、上記強化繊維は、集束されて繊維束となっていてもよい。このとき収束された炭素繊維束あたりの単糸数は、100本以上100,000本以下であることが好ましく、1,000本以上50,000本以下であることがより好ましい。
上記マトリクス樹脂の材料は、熱可塑性樹脂であれば特に限定されない。熱可塑性樹脂を上記マトリクス樹脂とすることで、熱硬化性樹脂を上記マトリクス樹脂としたときと比較して、筒状体のひずみ量を大きくして、エネルギー吸収量を顕著に向上させることができる。
上記熱可塑性樹脂の例には、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS樹脂)、変性ポリフェニレンエーテル樹脂(変性PPE樹脂)、ポリアセタール樹脂(POM樹脂)、液晶ポリエステル、ポリアリーレート、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)などを含むアクリル樹脂、塩化ビニル、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、およびポリ4-メチル-1-ペンテンなどを含むポリオレフィン、これらの変性物である変性ポリオレフィン、ならびにフェノキシ樹脂などが含まれる。上記ポリオレフィンは、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1-ブテン共重合体、エチレン/プロピレン/ジエン共重合体、エチレン/一酸化炭素/ジエン共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸グリシジル、およびエチレン/酢酸ビニル/(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体などを含む共重合体でもよい。これらのうち、ポリプロピレン系樹脂およびポリアミド系樹脂が好ましく、たわみ量をより増大させる観点からは、ポリプロピレン系樹脂がより好ましい。また、上記サイジング剤によりサイジング処理された強化繊維との親和性を高める観点から、上記マトリクス樹脂は、上述した変性ポリオレフィンを含んでいてもよい。
上記マトリクス樹脂は、添加剤を含む樹脂組成物であってもよい。たとえば、レーザー加工により貫通孔を形成するときは、上記マトリクス樹脂は、照射する波長のレーザーを吸収する色素を含有する樹脂組成物であることが好ましい。上記色素は、300nm以上3000nm以下のいずれかの波長の光を吸収する色素であればよく、カーボンブラックであることが好ましい。
[用途]
上述した筒状体は、所定の方向から荷重が付与される用途の構造体に用いられる。上記用途の例には、バンパー、クロスカービーム、トーションバーおよびシートフレームなどを含む自動車の部品または自動車の補強部材、サドル支持フレーム、ハンドルおよびメインフレームなどを含む自転車の部品または自動車の補強部材、その他各種用途に用いる補強部材、建築用の足場などの建設用資材またはその部品、ならびに担架および手押し車などの運搬用部材の持ち手部分などが含まれる。
これらの用途において、筒状体は、荷重が付与される方向と金属体との位置関係が上記説明した関係になるように、配置される。
[その他の実施形態]
なお、上述の各実施形態はそれぞれ本発明の一例を示すものであり、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想の範囲内において、他の種々多様な各実施形態も可能であることは言うまでもない。
たとえば、筒状体は、互いに異なる位置に配置された複数の金属部材を有していてもよい。このとき、上記複数の金属部材のうち1つの金属部材が、上記説明した配置となっており、他の金属部材は、上記説明した配置関係を崩さない位置に配置されていればよく、この限りにおいて他の金属部材の数および位置は限定されない。
以下、実施例を参照して本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲は実施例の記載に限定されない。
1.UDテープの作製
1-1.サイジング剤の調製
100質量部のプロピレン系樹脂A、10質量部のプロピレン系樹脂B、および3質量部の界面活性剤を混合して得られた混合物を、2軸スクリュー押出機(池貝鉄工株式会社製、PCM-30、L/D=40)のホッパーより3000g/時間の速度で供給した。さらに、押出機のベント部に設けた供給口より20%の水酸化カリウム水溶液を90g/時間の割合で連続的に供給して、加熱温度210℃で連続的に押出した。押出した樹脂混合物を、押出口に設置したジャケット付きスタティックミキサーで110℃まで冷却し、さらに80℃の温水中に投入して、固形分濃度が45%のエマルションを得た。
なお、プロピレン系樹脂Aは、プロピレン・ブテン・エチレン共重合体である。プロピレン系樹脂AはGPCで測定した重量平均分子量が120,000であり、かつ融点を有さなかった。
また、プロピレン系樹脂Bは、96質量部のプロピレン・ブテン共重合体、4質量部の無水マレイン酸、および0.4質量部の重合開始剤(日本油脂株式会社製、商品名パーヘキシ25B)を混合し、加熱温度160℃、2時間で変性を行って得られた変性樹脂である。
また、上記界面活性剤は、オレイン酸カリウムである。
1-2.炭素繊維
炭素繊維束(三菱レイヨン社製、商品名パイロフィルTR50S12L、フィラメント数24000本、ストランド強度5000MPa、ストランド弾性率242GPa)をアセトン中に浸漬し、10分間超音波を作用させ、その後炭素繊維束を引き上げさらに3回アセトンで洗浄し、室温で8時間乾燥して、炭素繊維束に付着していたサイジング剤を除去した。
1-3.サイジング処理
上記炭素繊維に、上記エマルションをローラー含浸法で付着させた。その後、オンラインで、130℃の温度で2分乾燥して低沸点成分を除去し、シート状の強化繊維束を得た。上記強化繊維束におけるエマルションの付着量は、0.87質量%であった。
1-4.樹脂の含浸
57質量部の上記サイジング処理された強化繊維に、市販の未変性プロピレン樹脂、変性ポリプロピレンおよびカーボンブラックを含有するマスターバッチから得られた43質量部の樹脂組成物を含浸させて、シート状に加工し、その後スリッターによって幅12.5mmのテープ状に切断加工して、平均厚み150μmのUDテープを得た。
なお、上記未変性プロピレン樹脂は、株式会社プライムポリマー製、商品名プライムポリプロJ106MG(融点160℃)である。
また、上記変性ポリプロピレンは、無水マレイン酸を0.5質量%グラフトした変性ポリプロピレン(ASTM D1238に準じて190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレートが9.1g/10分、融点155℃)である。
また、上記カーボンブラックを含有するマスターバッチは、DIC株式会社製、PEONY(登録商標)BLACK BMB-16117(カーボンブラック含有量40%)である。
上記樹脂組成物は、85質量部の上記未変性プロピレン樹脂と、15質量部の上記変性ポリプロピレンと、カーボンブラックの含有量が樹脂組成物の全質量に対して1質量%となる量の上記マスターバッチと、を混合して得られたものである。
2.筒状体の作製
2-1.筒状体1の作製
図4に示す構成を有する装置を用いて、外径がΦ30mmであるマンドレルの表面にUDテープを螺旋状に融着させていき、筒状体を作製した。このとき、マンドレルの軸方向に対するUDテープの巻き付け角度を、マンドレル側から準に、表1に記載の角度とした、8層構成の筒状体を作製した。
なお、上記装置は、AFPT社製、STWH INB型巻取りヘッドを装着したロボットである。上記ヘッドは、出力3kW、波長960~1070nmのダイオードレーザーをクローズドループ制御する構成である。
Figure 2022143360000002
このとき、第6層の融着後、第7層の融着前に、板状のアルミニウム部材(材料:A5052、厚み0.4mm、幅10mm、長さ650mm)を、幅方向-長さ方向の表面が第6層に密着するように両面テープで接着配置し、上記アルミニウム部材を覆うように第7層および第8層を形成した。
第8層の形成後、アルミニウム部材の長さ方向全幅が含まれるように筒状体の両端を切断して、長軸方向への長さが700mm、アルミニウム部材を配置しなかった箇所の壁部の厚みが1.2mmの、アルミニウム部材がマトリクス樹脂の内部に収容されている筒状体1を得た。
2-2.筒状体2の作製
アルミニウム部材の接着配置を行わなかった以外は筒状体1の作製と同様にして、上記アルミニウム部材を含まない筒状体を作製した。作製後に、筒状体の表面(第8層の表面)に、接着剤により、筒状体1の作製に使用したものと同じ材料および形状のアルミニウム部材を接着して、アルミニウム部材が表面に接着されている筒状体2を得た。使用した接着剤は、スリーボンド社製、商品名TB7797(プライマー)およびTB7737(接着剤)である。
2-3.筒状体3の作製
第2層の形成後、第3層の形成前に上記アルミニウム部材を接着配置し、第6層の形成後には上記アルミニウム部材の接着配置を行わなかった以外は筒状体1の作製と同様にして、アルミニウム部材がマトリクス樹脂の内部に収容されている筒状体3を得た。
2-4.筒状体4の作製
第6層の形成後、第7層の形成前に、上記板状のアルミニウム部材を接着配置した後、もう1枚の同じ材料および形状のアルミニウム部材を、幅方向-長さ方向の上記接着配置されたアルミニウム部材の表面に密着するように両面テープで接着配置した以外は筒状体1の作製と同様にして、2枚のアルミニウム部材がマトリクス樹脂の内部に重ねて配置されて収容されている筒状体4を得た。
2-5.筒状体5の作製
第6層の形成後、第7層の形成前に、上記板状のアルミニウム部材を接着配置した後、2枚の同じ材料および形状のアルミニウム部材を、筒状体の中心軸を基準として上記接着配置されたアルミニウム部材に対してなす角度が90°となる位置(2か所)にそれぞれ、幅方向-長さ方向の表面が第6層に密着するように両面テープで接着配置した以外は筒状体1の作製と同様にして、3枚のアルミニウム部材がマトリクス樹脂の内部に配置されて収容されている筒状体5を得た。
2-6.筒状体6の作製
アルミニウム部材の接着配置を行わなかった以外は筒状体1の作製と同様にして、アルミニウム部材を含まない筒状体6を得た。
2-7.筒状体7の作製
第6層の形成後、第7層の形成前に、上記板状のアルミニウム部材を、筒状体の中心軸を基準として、筒状体1において接着配置されたアルミニウム部材が同じ位置にあると仮定して、このアルミニウム部材に対してなす角度が30°となる位置(2か所)に、幅方向-長さ方向の表面が第6層に密着するように両面テープで接着配置した以外は筒状体1の作製と同様にして、2枚のアルミニウム部材がマトリクス樹脂の内部に配置されて収容されている筒状体7を得た。
2-8.筒状体8の作製
第6層の形成後、第7層の形成前に、上記板状のアルミニウム部材を接着配置した後、1枚の同じ材料および形状のアルミニウム部材を、筒状体の中心軸を基準として上記接着配置されたアルミニウム部材に対してなす角度が180°となる位置(中心軸を挟んで対称となる位置)に、幅方向-長さ方向の表面が第6層に密着するように両面テープで接着配置した以外は筒状体1の作製と同様にして、2枚のアルミニウム部材がマトリクス樹脂の内部に配置されて収容されている筒状体8を得た。
2-9.筒状体9の作製
第6層の形成後、第7層の形成前に、上記板状のアルミニウム部材を接着配置した後、3枚の同じ材料および形状のアルミニウム部材を、筒状体の中心軸を基準として上記接着配置されたアルミニウム部材に対してなす角度が90°となる位置(2か所)および180°となる位置(中心軸を挟んで対称となる位置)に、幅方向-長さ方向の表面が第6層に密着するように両面テープで接着配置した以外は筒状体1の作製と同様にして、4枚のアルミニウム部材がマトリクス樹脂の内部に配置されて収容されている筒状体9を得た。
2-10.筒状体10の作製
第6層の形成後、第7層の形成前に、上記板状のアルミニウム部材を接着配置した後、10枚の同じ材料および形状のアルミニウム部材を、幅方向-長さ方向の表面が第6層に密着し、かつ第6層の表面を隙間なく被覆するように両面テープで接着配置した以外は筒状体1の作製と同様にして、10枚のアルミニウム部材がマトリクス樹脂の内部に配置されて収容されている筒状体10を得た。
3.測定・評価
3-1.金属部材の面積比率
それぞれの筒状体を、ウォータージェットカッターを用いて、筒状体の長手方向軸に垂直な方向に切断した。上記切断により得られた断面を、撮像可能な顕微鏡(キーエンス社製、マイクロスコープVHX-600)を用いて撮像し、得られた断面画像データを、上記顕微鏡に付属の自動面積測定ツールを用いて二値化した。二値化された値をもとに、各材料(マトリクス樹脂、強化繊維およびアルミニウム部材)が断面において占める面積を算出した。
算出された面積から、以下の式により、金属部材(アルミニウム部材)の面積比率を算出した。
面積比率 = 100×(奥側線分上に存在する金属部材が占める面積/筒状体の断面積)
なお、面積比率を算出する際には、次の3点曲げ試験で筒状体に対して圧子を設置する点(荷重付与点)を予め設定し、荷重付与点から荷重が付与される方向に平行かつ長手方向軸を通過する仮想直線上のうち、長手方向軸LAを始点として荷重が付与される方向に延びる線分を、奥側線分とした。
3-2.3点曲げ試験
万能試験機(インストロンジャパン カンパニイリミテッド製、装置面INSTRON 55R-4206型、最大試験力100kN)を用いて、以下の曲げ試験を行った。
曲率φが20mmである半円柱状の支点を2つ用意して、互いに平行かつ筒状体の長手方向に直交するように、支点間距離を500mmとして配置し、これらの支点の上に、半円柱状の支点の、曲面となる側面に接するように、筒状体を配置した。このとき、2つの支点は、平面となる側面を鉛直下方として水平に配置し、筒状体も長手方向が水平となるように配置した。
そして、筒状体の長手方向における中央部(長手方向における両端部から350mmの位置)に、曲率φが20mmである半円柱状の圧子の曲面となる側面を、長手方向に直交するように設置した。なお、上記2つの支点および圧子の、筒状体と接する曲面には、厚み2mmのシリコンゴムを貼着した。
この状態で上記圧子を鉛直下方に14mm/minの速度で圧下し、筒状体が破壊されるときの荷重(最大荷重)(N)および筒状体のたわみ(最大たわみ量)(mm)を測定した。なお、破壊時の筒状体のたわみは、クロスヘッドの移動量とした。また、荷重(N)を縦軸に、たわみ量(mm)を横軸にとった荷重たわみ曲線における、荷重付与開始時から最大荷重時までの荷重の積分値をエネルギー吸収量(J)とした。
上記作製した筒状体1~筒状体10を用いて、上記3点曲げ試験を行った。
各試験における、筒状体の断面中におけるアルミニウム部材の位置を、図5に示す。なお、図5では、3点曲げ試験において、支点が図中下方向から、圧子が図中上方向から接して、下方向への荷重が付与される向きに、各筒状体を示している。
試験1(実験NO.1)~試験12(実験NO.12)における、使用した筒状体、金属部材の面積比率および3点曲げ試験の結果(最大荷重、最大たわみ量およびエネルギー吸収量)を、表2および表3に示す。
Figure 2022143360000003
Figure 2022143360000004
表2および表3から明らかなように、実験No.1~実験No.5の位置に金属部材を配置すると、金属部材がない実験No.6の筒状体と比較して、たわみ量を減少させずに破断時の最大荷重を増大させて、エネルギー吸収量を増大させることができた。
本発明の筒状体は、軽量であり、かつ瞬間的に大きな荷重を付与されたときにも、比較的長い時間をかけて小さい荷重を付与され続けたときにも破断しにくい。そのため、本発明の筒状体は、衝撃吸収材、各種補強材、足場および持ち手などに好適に使用できる。
100 筒状体
110 壁部
112 マトリクス樹脂
114 強化繊維
120 中空部
130 金属部材
400 装置
402a、402b 支持体
404a、404b 回転支持部
410 マンドレル
420 融着ユニット
421 収容部
422 ガイドローラー
424 レーザー照射部
424a レーザー発振源
425 圧下ローラー
430 UDテープ
LA 長手方向軸
VL 長手方向軸を通過する仮想直線
BL 奥側線分
FL 手前側線分

Claims (8)

  1. 所定の方向からの荷重を付与される用途に用いられる筒状体であって、
    一方向に配向された複数の強化繊維が配列された繊維層と、
    前記強化繊維を収容する、熱可塑性樹脂を含むマトリクス樹脂と、
    前記マトリクス樹脂に接触して配置された金属部材と、を有し、
    前記金属部材は、前記荷重が付与される方向に平行かつ前記筒状体の長手方向軸を通過する仮想直線上に配置され、ただし、前記仮想直線上の位置のうち、
    前記長手方向軸を始点として前記荷重が付与される方向と同じ方向に延びる奥側線分上には配置され、
    前記長手方向軸を始点として前記荷重が付与される方向とは異なる方向に延びる手前側線分上には配置されない、
    筒状体。
  2. 前記金属部材は、前記長手方向軸に沿って伸びた長軸を有する板状部材である、請求項1に記載の筒状体。
  3. 前記金属部材は、前記マトリクス樹脂の内部に収容されている、請求項1または2に記載の筒状体。
  4. 前記筒状体の長手方向軸に垂直な断面における、前記筒状体の全面積に対する前記金属部材の面積の比率は1%以上20%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の筒状体。
  5. 前記強化繊維の配向方向が異なる複数の前記繊維層を有し、
    前記筒状体の長手方向軸に対して前記強化繊維の配向方向がなす角度が+35°以上+80°以下の繊維層と、
    前記長手方向軸に対して前記強化繊維の配向方向がなす角度が-35°以上-80°以下の繊維層と、
    が厚み方向に連続する配置されている、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の筒状体。
  6. 前記熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン系樹脂である、請求項1~5のいずれか1項に記載の筒状体。
  7. 前記金属部材は、アルミニウムを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の筒状体。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の筒状体を含む構造体。
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