JP2022143092A - 画像読取装置、制御方法及び制御プログラム - Google Patents

Abstract

【課題】複数の通信部のそれぞれを介して、効率良く画像を送信することが可能な画像読取装置、制御方法及び制御プログラムを提供する。【解決手段】画像読取装置は、撮像部と、第１通信プロトコルに従って、第１通信速度で通信可能な第１通信部と、第１通信プロトコルと異なる第２通信プロトコルに従って、第１通信速度より低速な第２通信速度で通信可能な第２通信部と、第１通信部を介して、撮像部により媒体の第１面が撮像された第１画像、及び、撮像部により媒体の第２面が撮像された第２画像を別個に送信する第１制御部と、第２通信部を介して、第１画像及び第２画像を結合した結合画像を送信する第２制御部と、を有する。【選択図】図６

Description

本発明は、画像読取装置、制御方法及び制御プログラムに関し、特に、媒体が撮像された画像を送信する画像読取装置、制御方法及び制御プログラムに関する。

スキャナ等の画像読取装置は、媒体を撮像した画像が適切に管理されるように、その画像をサーバ、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置に送信する。近年では、一つの画像読取装置が様々な用途に用いられることが多く、画像読取装置は、複数の通信部を有し、複数の通信部を介して複数の情報処理装置と通信可能に設けられている。

二つの光学系のイメージセンサで原稿の表裏両面を同時に読み取る画像読取装置が開示されている（特許文献１を参照）。画像読取装置は、表面及び裏面のそれぞれのイメージを左右に配置した一つのイメージとした後に圧縮処理し、ホストコンピュータに転送し、ホストコンピュータは、圧縮処理イメージデータを解凍して、表裏両面のそれぞれのイメージデータに分離する。

特開２００３－７８６９３号公報

複数の通信部を有する画像読取装置では、各通信部を介して画像を送信する際に、効率良く画像を送信することが求められている。

本発明の目的は、複数の通信部のそれぞれを介して、効率良く画像を送信することが可能な画像読取装置、制御方法及び制御プログラムを提供することにある。

本発明の一側面に係る画像読取装置は、撮像部と、第１通信プロトコルに従って、第１通信速度で通信可能な第１通信部と、第１通信プロトコルと異なる第２通信プロトコルに従って、第１通信速度より低速な第２通信速度で通信可能な第２通信部と、第１通信部を介して、撮像部により媒体の第１面が撮像された第１画像、及び、撮像部により媒体の第２面が撮像された第２画像を別個に送信する第１制御部と、第２通信部を介して、第１画像及び第２画像を結合した結合画像を送信する第２制御部と、を有する。

また、本発明の一側面に係る制御方法は、撮像部と、第１通信プロトコルに従って、第１通信速度で通信可能な第１通信部と、第１通信プロトコルと異なる第２通信プロトコルに従って、第１通信速度より低速な第２通信速度で通信可能な第２通信部と、を有する画像読取装置の制御方法であって、第１通信部を介して、撮像部により媒体の第１面が撮像された第１画像、及び、撮像部により媒体の第２面が撮像された第２画像を別個に送信し、第２通信部を介して、第１画像及び第２画像を結合した結合画像を送信する。

また、本発明の一側面に係る制御プログラムは、撮像部と、第１通信プロトコルに従って、第１通信速度で通信可能な第１通信部と、第１通信プロトコルと異なる第２通信プロトコルに従って、第１通信速度より低速な第２通信速度で通信可能な第２通信部と、を有する画像読取装置の制御プログラムであって、第１通信部を介して、撮像部により媒体の第１面が撮像された第１画像、及び、撮像部により媒体の第２面が撮像された第２画像を別個に送信し、第２通信部を介して、第１画像及び第２画像を結合した結合画像を送信することを画像読取装置に実行させる。

本発明によれば、画像読取装置、制御方法及び制御プログラムは、複数の通信部のそれぞれを介して、効率良く画像を送信することが可能となる。

実施形態に係る画像読取装置１００を示す斜視図である。 画像読取装置１００内部の搬送経路を説明するための図である。 画像読取装置１００の概略構成を示すブロック図である。 第１処理回路１５０及び第２処理回路１６０等の概略構成を示す図である。 媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。 送信処理の動作の例を示すフローチャートである。 他の第１処理回路２５０等の概略構成を示す図である。

以下、本発明の一側面に係る画像読取装置について図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。

図１は、イメージスキャナとして構成された画像読取装置１００を示す斜視図である。

画像読取装置１００は、原稿である媒体を搬送し、撮像する。媒体は、用紙、厚紙、カード、冊子又はパスポート等である。画像読取装置１００は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機（ＭＦＰ、Multifunction Peripheral）等でもよい。また、画像読取装置１００は、撮像機能及び通信機能を有する装置であればよく、携帯電話、パーソナルコンピュータ等でもよい。

画像読取装置１００は、下側筐体１０１、上側筐体１０２、載置台１０３、排出台１０４、操作装置１０５及び表示装置１０６等を備える。

上側筐体１０２は、画像読取装置１００の上面を覆う位置に配置され、媒体つまり時、画像読取装置１００内部の清掃時等に開閉可能なようにヒンジにより下側筐体１０１に係合している。

載置台１０３は、搬送される媒体を載置可能に下側筐体１０１に係合している。排出台１０４は、排出された媒体を保持可能に下側筐体１０１に係合している。

操作装置１０５は、ボタン等の入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路を有し、利用者による入力操作を受け付け、利用者の入力操作に応じた操作信号を出力する。

表示装置１０６は、表示部の一例であり、液晶、有機ＥＬ（Electro-Luminescence）等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、画像データをディスプレイに表示する。

図２は、画像読取装置１００内部の搬送経路を説明するための図である。

画像読取装置１００内部の搬送経路は、センサ１１１、給送ローラ１１２、ブレーキローラ１１３、第１搬送ローラ１１４、第２搬送ローラ１１５、第１撮像装置１１６ａ、第２撮像装置１１６ｂ、第３搬送ローラ１１７及び第４搬送ローラ１１８等を有している。なお、各ローラの数は一つに限定されず、各ローラの数はそれぞれ複数でもよい。

下側筐体１０１の上面は、媒体の搬送路の下側ガイド１０７ａを形成し、上側筐体１０２の下面は、媒体の搬送路の上側ガイド１０７ｂを形成する。図２において矢印Ａ１は媒体搬送方向を示す。以下では、上流とは媒体搬送方向Ａ１の上流のことをいい、下流とは媒体搬送方向Ａ１の下流のことをいう。

センサ１１１は、給送ローラ１１２及びブレーキローラ１１３の上流側に配置される。センサ１１１は、接触検出センサを有し、載置台１０３に媒体が載置されているか否かを検出する。センサ１１１は、載置台１０３に媒体が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する媒体信号を生成して出力する。

第１撮像装置１１６ａは、主走査方向に直線状に配列されたＣＭＯＳ（Complementary Metal Oxide Semiconductor）による撮像素子を有する等倍光学系タイプのＣＩＳ（Contact Image Sensor）によるラインセンサを有する。また、第１撮像装置１１６ａは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ／デジタル（Ａ／Ｄ）変換するＡ／Ｄ変換器とを有する。第１撮像装置１１６ａは、搬送された媒体の表面を撮像した第１ライン画像を順次生成し、出力する。即ち、第１ライン画像の垂直方向（副走査方向）の画素数は１であり、水平方向（主走査方向）の画素数は複数である。媒体の表面は第１面の一例である。

同様に、第２撮像装置１１６ｂは、主走査方向に直線状に配列されたＣＭＯＳによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのＣＩＳによるラインセンサを有する。また、第２撮像装置１１６ｂは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ／デジタル（Ａ／Ｄ）変換するＡ／Ｄ変換器とを有する。第２撮像装置１１６ｂは、搬送された媒体の裏面を撮像した第２ライン画像を順次生成し、出力する。即ち、第２ライン画像の垂直方向（副走査方向）の画素数は１であり、水平方向（主走査方向）の画素数は複数である。媒体の裏面は第２面の一例である。

なお、ＣＭＯＳによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのＣＩＳによるラインセンサの代わりに、ＣＣＤ（Charge Coupled Device）による撮像素子を備える等倍光学系タイプのＣＩＳによるラインセンサが利用されてもよい。また、ＣＭＯＳ又はＣＣＤによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。以下では、第１撮像装置１１６ａ及び第２撮像装置１１６ｂを総じて撮像装置１１６と称する場合がある。撮像装置１１６は、撮像部の一例である。

載置台１０３に載置された媒体は、給送ローラ１１２が図２の矢印Ａ２の方向、即ち媒体給送方向に回転することによって、下側ガイド１０７ａと上側ガイド１０７ｂの間を媒体搬送方向Ａ１に向かって搬送される。ブレーキローラ１１３は、媒体搬送時、矢印Ａ３の方向、即ち媒体給送方向の反対方向に回転する。給送ローラ１１２及びブレーキローラ１１３の働きにより、載置台１０３に複数の媒体が載置されている場合、載置台１０３に載置されている媒体のうち給送ローラ１１２と接触している媒体のみが分離される。これにより、分離された媒体以外の媒体の搬送が制限されるように動作する（重送の防止）。

媒体は、下側ガイド１０７ａと上側ガイド１０７ｂによりガイドされながら、第１搬送ローラ１１４と第２搬送ローラ１１５の間に送り込まれる。媒体は、第１搬送ローラ１１４及び第２搬送ローラ１１５がそれぞれ矢印Ａ４及び矢印Ａ５の方向に回転することによって、第１撮像装置１１６ａと第２撮像装置１１６ｂの間に送り込まれる。撮像装置１１６により読み取られた媒体は、第３搬送ローラ１１７及び第４搬送ローラ１１８がそれぞれ矢印Ａ６及び矢印Ａ７の方向に回転することによって排出台１０４上に排出される。

図３は、画像読取装置１００の概略構成を示すブロック図である。

画像読取装置１００は、前述した構成に加えて、モータ１２１、第１通信装置１２２、第２通信装置１２３、第１画像メモリ１２４、第２画像メモリ１２５、第１記憶装置１３０、第２記憶装置１４０、第１処理回路１５０及び第２処理回路１６０等をさらに有する。操作装置１０５、表示装置１０６、センサ１１１、撮像装置１１６、モータ１２１、第１通信装置１２２、第２通信装置１２３、第１画像メモリ１２４、第２画像メモリ１２５、第１記憶装置１３０、第２記憶装置１４０、第１処理回路１５０及び第２処理回路１６０は、バスを介して相互に接続される。

モータ１２１は、１つ又は複数のモータを含む。モータ１２１は、第１処理回路１５０からの制御信号によって給送ローラ１１２、ブレーキローラ１１３、第１搬送ローラ１１４、第２搬送ローラ１１５及び第３搬送ローラ１１７及び第４搬送ローラ１１８を回転させて媒体を搬送させる。

第１通信装置１２２は、第１通信部の一例であり、第１通信プロトコルに従って、第１通信速度で通信可能に設けられている。例えば、第１通信装置１２２は、ＵＳＢ（Universal Serial Bus）等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有する。その場合、第１通信プロトコルは、ＵＳＢの通信プロトコルであり、第１通信速度は、数百Ｍｂｐｓ（Bits Per Second）～数Ｇｂｐｓである。第１通信装置１２２は、ＵＳＢケーブル等の有線ケーブルを介して、第１パーソナルコンピュータＰ１等の情報処理装置と接続され、接続された情報処理装置と通信可能に設けられている。第１通信装置１２２は、通信接続する情報処理装置から受信したデータを第１処理回路１５０に供給し、第１処理回路１５０から供給されたデータを、通信接続する情報処理装置に送信する。

なお、第１通信装置１２２は、他の装置と通信接続可能であれば、どのような装置でもよい。例えば、第１通信装置１２２は、ＴＣＰ／ＩＰ（Transmission Control Protocol/Internet Protocol）等の通信プロトコルに従った有線通信インタフェース回路を有し、ネットワークを介して情報処理装置と通信接続してもよい。その場合、第１通信プロトコルは、ＴＣＰ／ＩＰであり、第１通信速度は、１００Ｍｂｐｓ～１Ｇｂｐｓである。

第２通信装置１２３は、第２通信部の一例であり、第１通信プロトコルと異なる第２通信プロトコルに従って、第１通信速度より低速な第２通信速度で通信可能に設けられている。例えば、第２通信装置１２３は、ＴＣＰ／ＩＰ等の通信プロトコルに従った有線通信インタフェース回路を有する。その場合、第２通信プロトコルは、ＴＣＰ／ＩＰであり、第２通信速度は、１００Ｍｂｐｓ～１Ｇｂｐｓである。第１通信装置１２２は、イーサネット（登録商標）等の通信規格に従って、イントラネット又はインターネット等のネットワークＮと通信接続する。第２通信装置１２３は、ネットワークＮを介して通信接続する情報処理装置から受信したデータを第１処理回路１５０に供給し、第１処理回路１５０から供給されたデータを、ネットワークＮを介して通信接続する情報処理装置に送信する。

ネットワークＮには、サーバＳ、第２パーソナルコンピュータＰ２等の情報処理装置が通信接続され、第２通信装置１２３は、ネットワークＮに接続された各情報処理装置と、ネットワークＮを介して通信可能に設けられている。

なお、第２通信装置１２３は、他の装置と通信可能であれば、どのような装置でもよい。例えば、第２通信装置１２３は、無線信号を送受信するアンテナと、無線ＬＡＮ等の通信プロトコルに従った無線通信インタフェース回路とを有してもよい。その場合、第２通信プロトコルは、無線ＬＡＮの通信プロトコルであり、第２通信速度は、数十Ｍｂｐｓ～数百Ｍｂｐｓである。第２通信装置１２３は、無線により、無線ＬＡＮのアクセスポイントとの間で通信接続を確立し、アクセスポイントを介してネットワークＮと接続される。

第１画像メモリ１２４は、ＲＡＭ（Random Access Memory）、ＲＯＭ（Read Only Memory）等のメモリ装置を有する。第１画像メモリ１２４には、撮像装置１１６によって撮像された画像が一時的に格納される。

第２画像メモリ１２５は、記憶部の一例であり、ＲＡＭ、ＲＯＭ等のメモリ装置を有する。第２画像メモリ１２５には、撮像装置１１６によって撮像された画像が一時的に格納される。

第１記憶装置１３０は、ＲＡＭ、ＲＯＭ等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、第１記憶装置１３０には、画像読取装置１００の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて第１記憶装置１３０にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばＣＤ－ＲＯＭ（compact disc read only memory）、ＤＶＤ－ＲＯＭ（digital versatile disc read only memory）等である。

第２記憶装置１４０は、ＲＡＭ、ＲＯＭ等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、第２記憶装置１４０には、画像読取装置１００の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて第２記憶装置１４０にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばＣＤ－ＲＯＭ、ＤＶＤ－ＲＯＭ等である。

第１処理回路１５０は、第１プロセッサの一例である。第１処理回路１５０は、予め第１記憶装置１３０に記憶されているプログラムに基づいて動作する。第１処理回路１５０は、例えばＣＰＵ（Central Processing Unit）等である。第１処理回路１５０として、ＤＳＰ（digital signal processor）、ＬＳＩ（large scale integration）、ＡＳＩＣ（Application Specific Integrated Circuit）、ＦＰＧＡ（Field-Programmable Gate Array）等が用いられてもよい。

第１処理回路１５０は、操作装置１０５、表示装置１０６、センサ１１１、撮像装置１１６、モータ１２１、第１通信装置１２２、第１画像メモリ１２４、第１記憶装置１３０及び第２処理回路１６０等と接続され、これらの各部を制御する。第１処理回路１５０は、操作装置１０５の制御、表示装置１０６の表示制御、第１通信装置１２２の通信制御、第１画像メモリ１２４及び第１記憶装置１３０の制御等を行う。また、第１処理回路１５０は、センサ１１１からの媒体信号に従って、モータ１２１の駆動制御、撮像装置１１６の撮像制御等を行い、画像を取得し、第１通信装置１２２を介して情報処理装置に、又は、第２処理回路１６０に送信する。

第２処理回路１６０は、第２プロセッサの一例であり、第１処理回路１５０とは別のプロセッサである。第２処理回路１６０は、予め第２記憶装置１４０に記憶されているプログラムに基づいて動作する。第２処理回路１６０は、例えばＣＰＵ等である。第２処理回路１６０として、ＤＳＰ、ＬＳＩ、ＡＳＩＣ、ＦＰＧＡ等が用いられてもよい。例えば、第２処理回路１６０として、第１処理回路１５０より、処理能力が低いプロセッサが使用される。なお、第２処理回路１６０として、第１処理回路１５０と処理能力が同等のプロセッサ又は第１処理回路１５０より処理能力が高いプロセッサが使用されてもよい。また、第１処理回路１５０及び第２処理回路１６０は、一つ（共通）のプロセッサでもよい。

第２処理回路１６０は、第２通信装置１２３、第２画像メモリ１２５、第２記憶装置１４０及び第１処理回路１５０等と接続され、これらの各部を制御する。第２処理回路１６０は、第２通信装置１２３の通信制御、第２画像メモリ１２５及び第２記憶装置１４０の制御等を行う。また、第２処理回路１６０は、第１処理回路１５０から画像を受信し、受信した画像を結合して、第２通信装置１２３を介して情報処理装置に送信する。

図４は、第１記憶装置１３０、第２記憶装置１４０、第１処理回路１５０及び第２処理回路１６０の概略構成を示す図である。

図４に示すように、第１記憶装置１３０には、第１受付プログラム１３１、第１制御プログラム１３２及び取得プログラム１３３等が記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。第１処理回路１５０は、第１記憶装置１３０に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作する。これにより、第１処理回路１５０は、第１受付部１５１、第１制御部１５２及び取得部１５３として機能する。即ち、第１受付部１５１、第１制御部１５２及び取得部１５３は、第１処理回路１５０上で動作する。

また、第２記憶装置１４０には、第２受付プログラム１４１及び第２制御プログラム１４２等が記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。第２処理回路１６０は、第２記憶装置１４０に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作する。これにより、第２処理回路１６０は、第２受付部１６１及び第２制御部１６２として機能する。即ち、第２受付部１６１及び第２制御部１６２は、第２処理回路１６０上で動作する。

図５は、画像読取装置１００の媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。

以下、図５に示したフローチャートを参照しつつ、画像読取装置１００の媒体読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め第１記憶装置１３０に記憶されているプログラムに基づき主に第１処理回路１５０により画像読取装置１００の各要素と協働して実行される。図５に示す動作のフローは、定期的に実行される。

なお、媒体読取処理の実行前に、第１受付部１５１は、画像の送信先及び画像の送信に使用する通信装置の設定を受け付ける。画像の送信先として、サーバＳ、第１パーソナルコンピュータＰ１又は第２パーソナルコンピュータＰ２等が設定される。画像の送信に使用する通信装置として、第１通信装置１２２又は第２通信装置１２３が設定される。第１受付部１５１は、各設定を、例えば第１通信装置１２２を介して第１パーソナルコンピュータＰ１等から受信することにより受け付ける。なお、第２受付部１６１が各設定を、第２通信装置１２３を介してサーバＳ又は第２パーソナルコンピュータＰ２等から受信し、第１受付部１５１は、公知のプロセッサ間通信により、各設定を第２受付部１６１から受信してもよい。また、第１受付部１５１は、各設定を、操作装置１０５を用いて利用者から受け付けてもよい。第１受付部１５１は、設定された送信先及び通信装置を第１記憶装置１３０に記憶する。

最初に、第１受付部１５１は、媒体の読み取りを要求する読取要求信号を受信するまで待機する（ステップＳ１０１）。第１受付部１５１は、読取要求信号を、例えば第１通信装置１２２を介して第１パーソナルコンピュータＰ１等から受信する。なお、第２受付部１６１が読取要求信号を、第２通信装置１２３を介してサーバＳ又は第２パーソナルコンピュータＰ２等から受信し、第１受付部１５１は、公知のプロセッサ間通信により、読取要求信号を第２受付部１６１から受信してもよい。また、第１受付部１５１は、読取要求信号を、操作装置１０５を用いて利用者から受け付けてもよい。

読取要求信号には、ジョブが含まれてもよい。ジョブは、画像読取装置１００の媒体読取処理に関する設定であり、例えば画像読取装置１００に読み取らせる媒体の種類（一般用紙／名刺／写真等）毎に設定される。ジョブには、生成される入力画像の色設定（カラー／グレースケール／白黒等）、解像度（２００ｄｐｉ／３００ｄｐｉ／６００ｄｐｉ等）及び読取面（両面／片面）等の設定が含まれる。

次に、第１制御部１５２は、センサ１１１から媒体信号を取得し、取得した媒体信号に基づいて、載置台１０３に媒体が載置されているか否かを判定する（ステップＳ１０２）。載置台１０３に媒体が載置されていない場合、第１制御部１５２は、媒体の読取を実行せずに、一連のステップを終了する。

一方、載置台１０３に媒体が載置されている場合、第１制御部１５２は、モータ１２１を駆動し、給送ローラ１１２、ブレーキローラ１１３及び第１～第４搬送ローラ１１４、１１５、１１７、１１８を回転させ、媒体を搬送させる（ステップＳ１０３）。また、第１制御部１５２は、指定されたジョブに従って、撮像装置１１６に媒体の撮像を開始させる。

次に、取得部１５３は、撮像装置１１６から第１ライン画像及び第２ライン画像を取得し、第１画像メモリ１２４に記憶する（ステップＳ１０４）。取得部１５３は、指定されたジョブで設定された解像度に応じたタイミングに従って、第１ライン画像及び第２ライン画像を定期的に取得する。第１画像メモリ１２４には、撮像装置１１６により撮像された画像が、第１通信装置１２２又は第２通信装置１２３から送信される前に一時記憶される。

次に、第１制御部１５２は、画像の送信に使用する通信装置として第１通信装置１２２が設定されているか第２通信装置１２３が設定されているかを判定する（ステップＳ１０５）。

画像の送信に使用する通信装置として第２通信装置１２３が設定されている場合、第１制御部１５２は、公知のプロセッサ間通信により、第１ライン画像及び第２ライン画像を第２処理回路１６０に送信し（ステップＳ１０６）、ステップＳ１１１へ処理を移行する。第１制御部１５２は、送信した第１ライン画像及び第２ライン画像を第１画像メモリ１２４から消去する。

一方、画像の送信に使用する通信装置として第１通信装置１２２が設定されている場合、第１制御部１５２は、取得部１５３が所定数の第１ライン画像及び第２ライン画像を取得したか否かを判定する（ステップＳ１０７）。第１制御部１５２は、撮像装置１１６から取得した第１ライン画像及び第２ライン画像のうち、送信先の装置にまだ送信していない第１ライン画像及び第２ライン画像の数が所定数以上であるか否かを判定する。所定数は、１以上であり且つ最大ライン数以下である任意の数に設定される。最大ライン数は、画像読取装置１００がサポートする最大サイズの媒体を最大解像度で撮像した場合のライン数である。画像読取装置１００は、所定数が小さいほど、画像の送信の遅延を低減させることができ、所定数が大きいほど、画像の送信にかかる処理負荷を低減させることができる。所定数の第１ライン画像及び第２ライン画像をまだ取得していない場合、第１制御部１５２は、ステップＳ１０４へ処理を戻す。これにより、取得部１５３は、撮像装置１１６から第１ライン画像及び第２ライン画像を新たに取得する。

一方、取得部１５３が所定数の第１ライン画像及び第２ライン画像を取得した場合、第１制御部１５２は、所定数の第１ライン画像を結合して第１部分画像を生成するとともに、所定数の第２ライン画像を結合して第２部分画像を生成する（ステップＳ１０８）。第１制御部１５２は、撮像装置１１６から取得した第１ライン画像及び第２ライン画像のうち、送信先の装置にまだ送信していない所定数の第１ライン画像及び所定数の第２ライン画像をそれぞれ結合して第１部分画像及び第２部分画像を生成する。

第１部分画像は、撮像装置１１６により媒体の表面が撮像された第１画像の一例であり、第２部分画像は、撮像装置１１６により媒体の裏面が撮像された第２画像の一例である。所定数が１である場合、第１部分画像及び第２部分画像は、それぞれ第１ライン画像及び第２ライン画像である。一方、所定数が、現在搬送されている媒体の媒体搬送方向Ａ１の長さに相当する数以上である場合、第１部分画像及び第２部分画像には、それぞれ媒体全体が含まれる。

次に、第１制御部１５２は、第１部分画像及び第２部分画像のそれぞれについて属性情報を生成する（ステップＳ１０９）。属性情報には、各画像の水平及び垂直方向のサイズ（画素数）、解像度、及び、順番（載置台１０３にまとめて載置されて搬送された媒体群のうちの何番目に搬送された媒体が撮像された画像であるか）等の情報が含まれる。

次に、第１制御部１５２は、第１部分画像及び第１部分画像の属性情報と、第２部分画像及び第２部分画像の属性情報とを、第１通信装置１２２を介して送信先の装置に送信する（ステップＳ１１０）。第１制御部１５２は、第１通信装置１２２を介して、第１部分画像及び第２部分画像を別個に送信する。第１制御部１５２は、送信した第１部分画像及び第２部分画像に対応する第１ライン画像及び第２ライン画像を第１画像メモリ１２４から消去する。

次に、第１制御部１５２は、媒体全体が撮像されたか否かを判定する（ステップＳ１１１）。第１制御部１５２は、例えば、媒体の搬送を開始してから所定時間経過した場合に、媒体全体が撮像されたと判定する。なお、媒体の有無を検知する媒体センサが撮像装置１１６の近傍に配置され、第１制御部１５２は、媒体センサからの出力信号に基づいて、媒体全体が撮像されたか否かを判定してもよい。その場合、第１制御部１５２は、媒体センサから定期的に出力信号を取得し、出力信号が、媒体が存在することを示す状態から媒体が存在しないことを示す状態に変化したときに、媒体の後端が媒体センサの位置を通過したと判定する。第１制御部１５２は、媒体の後端が媒体センサの位置を通過してから所定時間が経過した時に媒体の後端が撮像装置１１６の撮像位置を通過し、媒体全体が撮像されたと判定する。まだ媒体全体が撮像されていない場合、第１制御部１５２は、ステップＳ１０４へ処理を戻し、ステップＳ１０４～Ｓ１１１の処理を繰り返す。

一方、媒体全体が撮像された場合、第１制御部１５２は、センサ１１１から受信する媒体信号に基づいて載置台１０３に媒体が残っているか否かを判定する（ステップＳ１１２）。載置台１０３に媒体が残っている場合、第１制御部１５２は、ステップＳ１０４へ処理を戻し、ステップＳ１０４～Ｓ１１１の処理を繰り返す。また、画像の送信に使用する通信装置として第２通信装置１２３が設定されている場合、第１制御部１５２は、公知のプロセッサ間通信により、媒体全体が撮像されたことを示す信号を第２処理回路１６０に送信する。

一方、載置台１０３に媒体が残っていない場合、第１制御部１５２は、モータ１２１を停止し、給送ローラ１１２、ブレーキローラ１１３及び第１～第４搬送ローラ１１４、１１５、１１７、１１８を停止させ（ステップＳ１１３）、一連のステップを終了する。

なお、ステップＳ１０８において、第１制御部１５２は、第１部分画像及び第２部分画像として、所定数の第１ライン画像及び第２ライン画像をそれぞれ結合した画像を所定の符号化方式で符号化した画像を生成してもよい。所定の符号化方式は例えばＪＰＥＧ（Joint Photographic Experts Group）である。その場合、ステップＳ１０９において、第１制御部１５２は、属性情報に、符号化に使用された量子化テーブルを含ませてもよい。送信先の装置は、結合画像及び属性情報を受信し、受信した属性情報に含まれる量子化テーブルを用いて第１部分画像及び第２部分画像を復号する。

また、ステップＳ１０７～Ｓ１１０の処理が省略され、第１制御部１５２は、ステップＳ１１１で媒体全体が撮像された時に、媒体の表面全体及び裏面全体がそれぞれ撮像された画像を生成し、各画像の属性情報を生成して、送信先の装置へ送信してもよい。

図６は、画像読取装置１００の送信処理の動作の例を示すフローチャートである。

以下、図６に示したフローチャートを参照しつつ、画像読取装置１００の送信処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め第２記憶装置１４０に記憶されているプログラムに基づき主に第２処理回路１６０により画像読取装置１００の各要素と協働して実行される。送信処理は、搬送される媒体毎に実行される。

最初に、第２制御部１６２は、媒体読取開始前の第２画像メモリ１２５の空き容量が、媒体全体を含む画像のデータ量の合計以上であるか否かを判定し、判定結果を第２記憶装置１４０に記憶する（ステップＳ２０１）。現在搬送（読取）されている媒体の前に搬送（読取）された媒体が撮像された画像がまだ送信されていない場合、その画像は第２画像メモリ１２５から消去されておらず、第２画像メモリ１２５の空き容量が低減している可能性がある。

次に、第２制御部１６２は、第１制御部１５２から第１ライン画像及び第２ライン画像を受信するまで待機する（ステップＳ２０２）。即ち、第２制御部１６２は、図５のステップＳ１０６において第１制御部１５２が送信した第１ライン画像及び第２ライン画像を受信するまで待機する。

第１ライン画像及び第２ライン画像を受信した場合、第２制御部１６２は、受信した第１ライン画像及び第２ライン画像を第２画像メモリ１２５に記憶する（ステップＳ２０３）。即ち、第２画像メモリ１２５には、撮像装置１１６により撮像された画像が、第２通信装置１２３から送信される前に一時記憶される。

次に、第２制御部１６２は、ステップＳ２０１で第２記憶装置１４０に記憶した判定結果を参照し、媒体読取開始前の第２画像メモリ１２５の空き容量が、媒体全体を含む画像のデータ量の合計以上であったか否かを判定する（ステップＳ２０４）。

第２画像メモリ１２５の空き容量が画像のデータ量の合計以上であった場合、第２制御部１６２は、媒体全体が撮像されたか否かを判定する（ステップＳ２０５）。第２制御部１６２は、第１制御部１５２から、媒体全体が撮像されたことを示す信号を受信したか否かにより、媒体全体が撮像されたか否かを判定する。まだ媒体全体が撮像されていない場合、第２制御部１６２は、ステップＳ２０２へ処理を戻し、ステップＳ２０２～Ｓ２０５の処理を繰り返す。

一方、媒体全体が撮像された場合、第２制御部１６２は、第１ライン画像に基づいて、媒体の表面全体が含まれる第１全体画像を生成するとともに、第２ライン画像に基づいて、媒体の裏面全体が含まれる第２全体画像を生成する（ステップＳ２０６）。第２制御部１６２は、現在までに取得した全ての第１ライン画像を結合して第１全体画像を生成し、現在までに取得した全ての第２ライン画像を結合して第２全体画像を生成する。第１全体画像は、撮像装置１１６により媒体の表面が撮像された第１画像の一例であり、第２全体画像は、撮像装置１１６により媒体の裏面が撮像された第２画像の一例である。

次に、第２制御部１６２は、第１全体画像及び第２全体画像を結合した結合画像を生成する（ステップＳ２０７）。

次に、第２制御部１６２は、生成した結合画像の属性情報を生成する（ステップＳ２０８）。結合画像の属性情報には、結合に含まれる各画像の水平及び垂直方向のサイズ、解像度及び順番に加えて、結合画像内で、結合画像に含まれる二つの画像の分割位置（画像内の座標）が含まれる。送信元の装置において、属性情報は、結合画像を二つの画像（第１全体画像及び第２全体画像、又は、第１部分画像及び第２部分画像）に分割するために用いられる。

次に、第２制御部１６２は、結合画像及び結合画像の属性情報を、第２通信装置１２３を介して送信先の装置に送信し（ステップＳ２０９）、一連のステップを終了する。また、第２制御部１６２は、全ての第１ライン画像及び第２ライン画像を第２画像メモリ１２５から消去する。送信先の装置は、結合画像及び属性情報を受信し、受信した属性情報に含まれる分割位置で結合画像を分割することにより、第１全体画像及び第２全体画像を復元する。このように、第２制御部１６２は、結合画像とともに、結合画像を分割するための属性情報を送信する。これにより、送信先の装置は、結合画像を元の画像に適切に分割することができる。

一方、ステップＳ２０４において、第２画像メモリ１２５の空き容量が画像のデータ量の合計未満であった場合、第２制御部１６２は、所定数の第１ライン画像及び第２ライン画像を取得したか否かを判定する（ステップＳ２１０）。所定数の第１ライン画像及び第２ライン画像をまだ取得していない場合、第２制御部１６２は、ステップＳ２０２へ処理を戻し、第１制御部１５２から第１ライン画像及び第２ライン画像を新たに取得する。

一方、所定数の第１ライン画像及び第２ライン画像を取得した場合、第２制御部１６２は、所定数の第１ライン画像を結合して第１部分画像を生成するとともに、所定数の第２ライン画像を結合して第２部分画像を生成する（ステップＳ２１１）。第２制御部１６２は、取得した第１ライン画像及び第２ライン画像のうち、送信先にまだ送信していない所定数の第１ライン画像及び所定数の第２ライン画像をそれぞれ結合して第１部分画像及び第２部分画像を生成する。

次に、第２制御部１６２は、第１部分画像及び第２部分画像を結合した結合画像を生成する（ステップＳ２１２）。

次に、第２制御部１６２は、生成した結合画像の属性情報を生成する（ステップＳ２１３）。結合画像の属性情報には、結合に含まれる各画像の水平及び垂直方向のサイズ、解像度及び順番に加えて、結合画像内で、結合画像に含まれる二つの画像の分割位置（画像内の座標）が含まれる。

次に、第２制御部１６２は、結合画像及び結合画像の属性情報を、第２通信装置１２３を介して送信先の装置に送信する（ステップＳ２１４）。また、第２制御部１６２は、送信した第１部分画像及び第２部分画像に対応する第１ライン画像及び第２ライン画像を第２画像メモリ１２５から消去する。送信先の装置は、結合画像及び属性情報を受信し、受信した属性情報に含まれる分割位置で結合画像を分割することにより、第１部分画像及び第２部分画像を復元する。このように、第２制御部１６２は、結合画像とともに、結合画像を分割するための属性情報を送信する。これにより、送信先の装置は、結合画像を元の画像に適切に分割することができる。

第１部分画像及び第２部分画像は、それぞれ媒体全体のうちの一部の部分領域が含まれる画像である。即ち、第２制御部１６２は、媒体読取開始前の第２画像メモリ１２５の空き容量が、媒体全体を含む画像のデータ量の合計未満である場合、第２通信装置１２３を介して、複数の部分領域単位で、第１部分画像及び第２部分画像を送信する。これにより、第２制御部１６２は、第２画像メモリ１２５が十分な空き容量を有する場合には、画像の送信にかかる処理負荷の増大を抑制でき、第２画像メモリ１２５が十分な空き容量を有さない場合には、画像の送信にかかる処理時間の増大を抑制できる。

次に、第２制御部１６２は、媒体全体が撮像されたか否かを判定する（ステップＳ２１５）。第２制御部１６２は、第１制御部１５２から、媒体全体が撮像されたことを示す信号を受信したか否かにより、媒体全体が撮像されたか否かを判定する。まだ媒体全体が撮像されていない場合、第２制御部１６２は、ステップＳ２０２へ処理を戻し、ステップＳ２０２～Ｓ２１５の処理を繰り返す。一方、媒体全体が撮像された場合、第２制御部１６２は、一連のステップを終了する。

なお、ステップＳ２０７において、第２制御部１６２は、結合画像として、第１全体画像及び第２全体画像を結合した画像を所定の符号化方式で符号化した符号化画像を生成してもよい。同様に、ステップＳ２１２において、第２制御部１６２は、結合画像として、第１部分画像及び第２部分画像を結合した画像を所定の符号化方式で符号化した符号化画像を生成してもよい。それらの場合、ステップＳ２０８、Ｓ２１３において、第２制御部１６２は、属性情報に、符号化に使用された量子化テーブルと、符号化前の画像における二つの画像の分割位置（画像内の座標）と、を含ませる。

または、ステップＳ２０６において、第２制御部１６２は、第１全体画像及び第２全体画像として、全ての第１ライン画像を結合した画像、及び、全ての第２ライン画像を結合した画像をそれぞれ所定の符号化方式で符号化した画像を生成してもよい。その場合、ステップＳ２０７において、第２制御部１６２は、符号化された第１全体画像及び第２全体画像を１つのファイルに結合することにより結合画像を生成する。同様に、ステップＳ２１１において、第２制御部１６２は、第１部分画像及び第２部分画像として、所定数の第１ライン画像を結合した画像、及び、第２ライン画像を結合した画像をそれぞれ所定の符号化方式で符号化した画像を生成してもよい。その場合、ステップＳ２１２において、第２制御部１６２は、符号化された第１部分画像及び第２部分画像を１つのファイルに結合することにより結合画像を生成する。それらの場合、ステップＳ２１０、Ｓ２１３において、第２制御部１６２は、属性情報に、各画像の符号化に使用された量子化テーブルと、結合画像において符号化された二つの画像の分割位置（先頭からのアドレス）とを含ませる。

また、ステップＳ２０１、Ｓ２０４、Ｓ２１０～Ｓ２１５の処理が省略され、第２制御部１６２は、常に、媒体全体が撮像された時に第１全体画像及び第２全体画像を生成し、第１全体画像及び第２全体画像を結合した結合画像を生成してもよい。

また、読取要求信号に含まれるジョブにおいて、媒体の片面（表面）のみを読み取ることが設定されている場合、第１制御部１５２及び第２制御部１６２は、第１ライン画像に対してのみ処理を実行する。その場合、ステップＳ２０１及びＳ２０４において、第２制御部１６２は、第２画像メモリ１２５の空き容量が、媒体の片面を含む画像のデータ量の合計以上であるか否かを判定する。

近年、媒体搬送技術及び画像読取技術の向上により、媒体の読取（スキャン）処理にかかる時間が低減されている。一方、ＴＣＰ／ＩＰ等の所定の通信プロトコルに従って、データを送信する場合、相互に通信する装置の間で、送信開始又は送信完了の確認等のための信号の送受信が発生するため、オーバーヘッドが発生する。画像の送信処理にかかる時間が、媒体の読取処理にかかる時間より長くなると、画像読取装置１００は、画像メモリが上書きされないように、媒体の読取処理を遅らせる必要がある。

画像読取装置１００と送信先の装置とが高速通信により通信接続している場合、オーバーヘッドの影響が小さい。そのため、画像読取装置１００は、表面が撮像された画像と裏面が撮像された画像とをそのまま送信することにより、画像の送信処理を可能な限り短時間に完了させることができる。一方、画像読取装置１００と送信先の装置とが中速又は低速通信により通信接続している場合、オーバーヘッドの影響が大きい。そのため、画像読取装置１００は、表面が撮像された画像と裏面が撮像された画像とを結合して送信することにより、二つの画像の通信手順を一回にまとめて、オーバーヘッドを半減させ、画像の送信処理に要する時間をトータルとして短縮させることができる。また、送信先の装置も、画像の受信処理を短時間に完了させることが可能となり、受信した画像を早期に表示することが可能となる。したがって、画像読取装置１００は、利用者の利便性を向上させることが可能となる。

さらに、画像読取装置１００は、表面が撮像された画像と裏面が撮像された画像のそれぞれについて属性情報を生成するのでなく、二つの画像を結合した画像について一つの属性情報を生成する。これにより、画像読取装置１００は、属性情報の生成に要する時間を低減させるとともに、属性情報の送信に要する通信量を低減させることが可能となる。

以上詳述したように、画像読取装置１００は、ＵＳＢ等の高速通信により画像を送信する場合は、表面が撮像された画像と裏面が撮像された画像とを別個に送信する。一方、画像読取装置１００は、ＬＡＮ等の中速／低速通信により画像を送信する場合は、表面が撮像された画像と裏面が撮像された画像とを結合して送信する。これにより、画像読取装置１００は、複数の通信装置のそれぞれを介して、効率良く画像を送信することが可能となった。

また、画像読取装置１００は、媒体全体が撮像されてから画像を送信するのでなく、複数の領域単位で画像を送信することにより、画像メモリに画像を記憶しておく時間を低減させることが可能となった。これにより、画像読取装置１００は、記憶容量の小さい画像メモリを利用することが可能となり、装置コストを低減化することが可能となった。

また、スキャナ装置のような組込型の装置では、装置コストの低減化を図るために、処理性能が低いプロセッサが使用される場合がある。そのような組込型の装置では、媒体の読取処理中のようにプロセッサの処理負荷が高い状態では、中速又は低速なネットワークを介した画像の送信処理を実行するための時間が十分に得られない可能性がある。画像読取装置１００は、第１処理回路１５０と第２処理回路１６０とで別個のプロセッサを用いて処理を分担することにより、処理性能が低いプロセッサを使用する場合でも、媒体の読取処理と画像の送信処理とを良好に実行することが可能となった。

図７は、他の実施形態に係る画像読取装置における第１処理回路２５０及び第２処理回路２６０の概略構成を示す図である。第１処理回路２５０は、画像読取装置１００の第１処理回路１５０の代わりに使用され、第１処理回路１５０の代わりに、媒体読取処理等を実行する。第２処理回路２６０は、画像読取装置１００の第２処理回路１６０の代わりに使用され、第２処理回路１６０の代わりに、送信処理等を実行する。第１処理回路２５０は、第１受付回路２５１、第１制御回路２５２及び取得回路２５３等を有する。第２処理回路２６０は、第２受付回路２６１及び第２制御回路２６２等を有する。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。

第１受付回路２５１は、第１受付部の一例であり、第１受付部１５１と同様の機能を有する。第１受付回路２５１は、第１通信装置１２２、第２受付回路２６１又は操作装置１０５を介して、画像の送信先及び画像の送信に使用する通信装置の設定を受け付け、第１記憶装置１３０に記憶する。また、第１受付回路２５１は、第１通信装置１２２、第２受付回路２６１又は操作装置１０５から読取要求信号を受信し、第１制御回路２５２に送信する。

第１制御回路２５２は、第１制御部の一例であり、第１制御部１５２と同様の機能を有する。第１制御回路２５２は、第１受付回路２５１から受信した読取要求信号及びセンサ１１１から受信した媒体信号に基づいてモータ１２１を制御する。また、第１制御回路２５２は、第１画像メモリ１２４から各ライン画像を読み出し、第１記憶装置１３０から画像の送信先及び画像の送信に使用する通信装置の設定を読み出す。第１制御回路２５２は、読み出した設定に応じて、各ライン画像に基づく部分画像を、第１通信装置１２２を介して送信先の装置に送信し、又は、各ライン画像を第２制御回路２６２に送信する。

取得回路２５３は、取得部の一例であり、取得部１５３と同様の機能を有する。取得回路２５３は、撮像装置１１６から各ライン画像を取得し、第１画像メモリ１２４に記憶する。

第２受付回路２６１は、第２受付部の一例であり、第２受付部１６１と同様の機能を有する。第２受付回路２６１は、第２通信装置１２３を介して、画像の送信先及び画像の送信に使用する通信装置の設定を受け付け、第１受付回路２５１に通知する。また、第２受付回路２６１は、第２通信装置１２３から読取要求信号を受信し、第１受付回路２５１に送信する。

第２制御回路２６２は、第２制御部の一例であり、第２制御部１６２と同様の機能を有する。第２制御回路２６２は、第１制御回路２５２から各ライン画像を受信し、第２画像メモリ１２５に記憶する。また、第２制御回路２６２は、第２画像メモリ１２５から各ライン画像を読み出し、各ライン画像に基づいて結合画像を生成し、第２通信装置１２３を介して送信先の装置に送信する。

以上詳述したように、画像読取装置は、第１処理回路２５０及び第２処理回路２６０を用いる場合においても、複数の通信装置のそれぞれを介して、効率良く画像を送信することが可能となった。

１００ 画像読取装置、１１６ 撮像装置、１２２ 第１通信装置、１２３ 第２通信装置、１２５ 第２画像メモリ、１５０ 第１処理回路、１５２ 第１制御部、１６０ 第２処理回路、１６２ 第２制御部

Claims (6)

1. 撮像部と、
   第１通信プロトコルに従って、第１通信速度で通信可能な第１通信部と、
   前記第１通信プロトコルと異なる第２通信プロトコルに従って、前記第１通信速度より低速な第２通信速度で通信可能な第２通信部と、
   前記第１通信部を介して、前記撮像部により媒体の第１面が撮像された第１画像、及び、前記撮像部により媒体の第２面が撮像された第２画像を別個に送信する第１制御部と、
   前記第２通信部を介して、前記第１画像及び前記第２画像を結合した結合画像を送信する第２制御部と、
   を有することを特徴とする画像読取装置。
2. 前記第２制御部は、前記結合画像とともに、前記結合画像を前記第１画像及び前記第２画像に分割するための属性情報を送信する、請求項１に記載の画像読取装置。
3. 前記第１制御部は、第１プロセッサ上で動作し、
   前記第２制御部は、前記第１プロセッサとは別の第２プロセッサ上で動作する、請求項１または２に記載の画像読取装置。
4. 前記撮像部により撮像された画像が、前記第２通信部から送信される前に一時記憶される記憶部をさらに有し、
   前記第２制御部は、媒体読取開始前の前記記憶部の空き容量が、媒体全体を含む画像のデータ量の合計未満である場合、前記第２通信部を介して、複数の部分領域単位で、前記第１画像又は前記第２画像を送信する、請求項１～３の何れか一項に記載の画像読取装置。
5. 撮像部と、第１通信プロトコルに従って、第１通信速度で通信可能な第１通信部と、前記第１通信プロトコルと異なる第２通信プロトコルに従って、前記第１通信速度より低速な第２通信速度で通信可能な第２通信部と、を有する画像読取装置の制御方法であって、
   前記第１通信部を介して、前記撮像部により媒体の第１面が撮像された第１画像、及び、前記撮像部により媒体の第２面が撮像された第２画像を別個に送信し、
   前記第２通信部を介して、前記第１画像及び前記第２画像を結合した結合画像を送信する、
   ことを特徴とする制御方法。
6. 撮像部と、第１通信プロトコルに従って、第１通信速度で通信可能な第１通信部と、前記第１通信プロトコルと異なる第２通信プロトコルに従って、前記第１通信速度より低速な第２通信速度で通信可能な第２通信部と、を有する画像読取装置の制御プログラムであって、
   前記第１通信部を介して、前記撮像部により媒体の第１面が撮像された第１画像、及び、前記撮像部により媒体の第２面が撮像された第２画像を別個に送信し、
   前記第２通信部を介して、前記第１画像及び前記第２画像を結合した結合画像を送信する、
   ことを前記画像読取装置に実行させることを特徴とする制御プログラム。

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