JP2022142573A - 太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】平面形状の自由度が高い太陽電池モジュールを提供すること。【解決手段】本発明の一態様に係る太陽電池モジュール1は、端部を互いに重ね合わせるよう第1方向に一列に並んで接続される複数の太陽電池セル13をそれぞれ有し、前記第1方向と交差する第2方向に並んで配置される複数の太陽電池ストリング11,12を備え、少なくとも一つの前記太陽電池ストリング11は、他の少なくとの1つの前記太陽電池ストリング12と前記太陽電池セル13同士の前記第1方向の重複長さが異なる。【選択図】図1
Description
本発明は、太陽電池モジュールに関する。
多数の太陽電池セルを縦横に並べて面積が大きい太陽電池モジュールを形成する場合、それぞれ複数の太陽電池セルを第1方向に一列に並べて接続してなる複数の太陽電池セルを第2方向に並べて配置する構成が採用される(例えば特許文献1参照)。
一般に、太陽電池モジュールは、平面視で方形状に形成される。このため、1つの太陽電池モジュールを形成する複数の太陽電池ストリングは、全て同じものが用いられる。しかしながら、例えば自動車等の多様な物品に太陽電池モジュールを搭載する場合、物品の利用可能な部分の形状に合わせて、太陽電池モジュールの平面形状を自由に設計できることが望まれる。太陽電池モジュールの中央部の方形の領域にのみ太陽電池ストリングを配設することも可能であるが、入射する光を利用できる範囲が小さくなるため、モジュール全体としてみると面積当たりの光電変換効率が小さくなってしまう。
長さが異なる太陽電池ストリングを並べて使用すれば、太陽電池モジュールの平面形状が方形以外の形状であっても、実効領域を大きくして光電変換効率を向上することができる。しかしながら、太陽電池ストリングの長さを変えるために、太陽電池セルの数を異ならせると、他の太陽電池ストリングと直列に接続される太陽電池セルの数に差が生じるため、太陽電池ストリングの出力電圧が不均衡になる。また、太陽電池ストリングの長さを太陽電池セルの数によって調整する場合、1つの太陽電池セルの長さが最小単位となるため、太陽電池モジュールの端部に太陽電池セルを配置できない領域ができる。
このような実情に鑑みて、本発明は、平面形状の自由度が高い太陽電池モジュールを提供することを課題とする。
本発明の一態様に係る太陽電池モジュールは、端部を互いに重ね合わせるよう第1方向に一列に並んで接続される複数の太陽電池セルをそれぞれ有し、前記第1方向と交差する第2方向に並んで配置される複数の太陽電池ストリングを備え、少なくとも一つの前記太陽電池ストリングは、他の少なくとの1つの前記太陽電池ストリングと前記太陽電池セル同士の前記第1方向の重複長さが異なる。
本発明の一態様に係る太陽電池モジュールは、全ての前記太陽電池ストリングの前記太陽電池セルの数が等しくてもよい。
本発明の一態様に係る太陽電池モジュールにおいて、前記第2方向端部の前記太陽電池ストリングの前記太陽電池セル同士の前記重複長さは、前記第2方向中央部の前記太陽電池ストリングの前記太陽電池セル同士の前記重複長さよりも大きくてもよい。
本発明の一態様に係る太陽電池モジュールにおいて、前記太陽電池セルの平面形状は長方形状であってもよい。
本発明の一態様に係る太陽電池モジュールにおいて、前記太陽電池セルは裏面にのみ電極を有してもよい。
本発明の一態様に係る太陽電池モジュールにおいて、前記重複長さが他の前記太陽電池ストリングよりも大きい前記太陽電池ストリングの前記太陽電池セルは、前記他の前記太陽電池ストリングの前記太陽電池セルよりも単位面積当たりの出力電流が大きくてもよい。
本発明に係る太陽電池モジュールは平面形状の自由度が高い。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、便宜上、見やすいように調整されている。
図1乃至図3に、本発明の第1実施形態に係る太陽電池モジュール1を示す。図1は太陽電池モジュール1の模式平面図であり、図2は太陽電池モジュール1のA-A線模式断面図であり、図3は太陽電池モジュール1のB-B線模式断面図である。
太陽電池モジュール1は、複数の太陽電池ストリング(両端の第1太陽電池ストリング11及び内側の複数の第2太陽電池ストリング12)と、太陽電池ストリング11,12の表面(入射面)側に配置される表側保護部材20と、太陽電池ストリング11,12の裏面側に配置される裏側保護部材30と、表側保護部材20及び裏側保護部材30間の隙間に充填される封止材40と、を備える。太陽電池モジュール1は、複数の太陽電池ストリング11,12を接続する不図示の配線材をさらに備える。
太陽電池モジュール1は、平面視で方形とは異なる形状を有することができる。具体的には、本実施形態の太陽電池モジュール1は、平面視で方形の角部を面取りしたような八角形状である。
太陽電池ストリング11,12は、その端部を重ね合わせるようにして第1方向に一列に並んで接続される複数の太陽電池セル13をそれぞれ有する。具体的には、各太陽電池セル13の第1方向の一方側の端部は、隣接する太陽電池セル13の第1方向の他方側の端部の裏面側に重ねられる。つまり、太陽電池ストリング11,12はいわゆるシングリング構造を有する。太陽電池ストリング11,12が有する太陽電池セル13は、全て同一であってもよい。
複数の太陽電池ストリング11,12は、第1方向と交差する第2方向に並んで配置される。図では分かりやすいように太陽電池ストリング11,12の間隔や太陽電池モジュール1の外周部のマージンを大きく示しているが、実際の太陽電池ストリング11,12は、互いの間隔及び外周部のマージンを最小限として、太陽電池モジュール1の略全面に配置されることが好ましい。
それぞれの太陽電池ストリング11,12の内部において、全ての太陽電池セル13が、電気的に直列に接続されること好ましい。これにより、太陽電池ストリング11,12の構成を簡素化することができる。
太陽電池ストリング11,12が有する太陽電池セル13の数は、全て等しいことが好ましい。これにより、太陽電池ストリング11,12が同じ太陽電池セル13を直列に接続したものである場合に、太陽電池ストリング11,12の出力電圧が一定となるので、複数の太陽電池ストリング11,12を電気的に接続した場合に、全ての太陽電池ストリング11,12の出力を無駄なく取り出すことができる。
第2方向端部の第1太陽電池ストリング11の第1方向の長さは、太陽電池モジュール1の八角形状の平面形状に合わせるために、第2方向中央部の第2太陽電池ストリング12の第1方向の長さよりも小さい。このために、第1太陽電池ストリング11の太陽電池セル13同士の第1方向の重複長さは、第2太陽電池ストリング12の太陽電池セル13同士の第1方向の重複長さよりも大きい。
それぞれの太陽電池ストリング11,12の中において、隣接し合う2つの太陽電池セル13の第1方向の重複長さは、略一定であることが好ましい。これにより、各太陽電池セル13の出力が略等しくなるため、複数の太陽電池セル13を均等に利用することができる。
太陽電池ストリング11,12の太陽電池セル13同士の平均重複長さ(それぞれの太陽電池ストリング11,12における隣接し合う2つの太陽電池セル13の第1方向の重複長さの平均値)の最大値に最小値に対する比率の下限としては、105%が好ましく、110%がより好ましい。一方、太陽電池ストリング11,12の太陽電池セル13同士の平均重複長さの最大値に最小値に対する比率の上限としては、500%が好ましく、300%がより好ましい。太陽電池ストリング11,12の太陽電池セル3同士の平均重複長さの最大値に最小値に対する比率を前記下限以上とすることによって、第1太陽電池ストリング11の長さと第2太陽電池ストリング12の長さとの間に明確な差をつけることができる。また、太陽電池ストリング11,12の太陽電池セル13同士の平均重複長さの最大値に最小値に対する比率を前記上限以下とすることによって、各太陽電池セル13の無効領域(隣接する太陽電池セル13に遮光される領域)を小さくして、出力当たりの装置コストの増大を抑制できる。
具体的な太陽電池ストリング11,12の太陽電池セル13同士の平均重複長さとしては、太陽電池セル13の大きさ等にもよるが、例えば1mm以上30mm以下、好ましくは2mm以上20mm以下とすることが好ましい。これにより、太陽電池ストリング11,12の形成が困難とならず、かつ各太陽電池セル13の光電変換能力を有効に利用することができる。
太陽電池ストリング11,12の内部において太陽電池セル13はインターコネクタと呼ばれる導電性の接続部材によって接続される。太陽電池セル13同士の平均重複長さに合わせてインターコネクタの長さを調整してもよいが、太陽電池ストリング11,12の間の太陽電池セル13同士の平均重複長さの差が小さい場合、太陽電池セル13の間を接続するインターコネクタを共通化してもよい。
太陽電池ストリング11,12を形成する際の複数の太陽電池セル13の配置は、所望の重複長さを実現できるよう作成した治具を用いて太陽電池セル13を位置決めしてもよく、コンピュータ制御によって任意に太陽電池セル13を位置決めできる装置を用いて行ってもよい。
太陽電池セル13は、特に限定されないが、裏面にのみ電極を有する裏面電極型の太陽電池であることが好ましい。太陽電池セル13として入射面側に光を遮光する電極がない裏面電極型太陽電池を使用することによって、比較的高い光電変換効率を達成できる。また、裏面電極型太陽電池を採用することによって、太陽電池モジュール1を表面側から見たときの色が全体的に黒色となり、太陽電池モジュール1の美観を向上できる。
太陽電池セル13は、隣接する太陽電池セル13と電気的に接続するためにインターコネクタが接続される接続電極を有する。この接続電極は、太陽電池セル13の裏面のうち、隣接する太陽電池セル13の表側に配置される側に配置され得る領域よりも僅かに第1方向中央側の領域に配設されることが好ましい。これによって、太陽電池セル13同士の平均重複長さの増大によるインターコネクタの接続性の低下を抑制することができる。
太陽電池セル13の平面形状は長方形状であることが好ましい。太陽電池セル13が長方形状であることによって、太陽電池セル13の重複領域を第1方向の幅が一定で小さい帯状にすることができるので、太陽電池セル13の有効領域(隣接する太陽電池セル13によって表面が覆われず、実際に光が入射して光電変換に寄与する領域)の面積率を大きくできる。これにより、太陽電池ストリング11,12ひいては太陽電池モジュール1の出力当たりの製造コストを低減できる。
重複長さが他の太陽電池ストリング12よりも大きい太陽電池ストリング11の太陽電池セルは、他の太陽電池ストリングの太陽電池セルよりも単位面積当たりの出力電流が大きいことが好ましい。これによって、第1太陽電池ストリング11と第2太陽電池ストリング12との出力の差を小さくできるので、全ての太陽電池ストリング11,12の出力を無駄なく取り出すことができる。このため、全ての太陽電池ストリング11,12の出力をできるだけ等しく揃えることが望ましい。
このため、各太陽電池セル13の短絡電流Iscを測定し、太陽電池ストリング11,12の出力差が小さくなるよう、第1太陽電池ストリング11に使用する太陽電池セル13と第2太陽電池ストリング12に使用する太陽電池セル13とを仕分けすることが好ましい。具体的には、例えば短絡電流Iscを形成する太陽電池ストリング11,12において予定される有効面積で除した値、短絡電流Iscに予定される有効面積率を乗じた値等を指標として、太陽電池セル13を振り分けることができる。
表側保護部材20は、封止材40を介して、太陽電池ストリング11,12、すなわち太陽電池セル13の表面を覆うことにより、太陽電池セル13を保護する。表側保護部材20は、板状又はシート状の材料から形成することができ、透光性及び耐候性に優れることが好ましい。具体的には、表側保護部材20の材質としては、例えばアクリル樹脂若しくはポリカーボネート樹脂等の透明樹脂、ガラスなどを挙げることができる。また、表側保護部材20の表面は、光の反射を抑制するために、凹凸状に加工されたり、反射防止コーティング層で被覆されてもよい。
裏側保護部材30は、封止材40を介して、太陽電池ストリング11,12の裏面を覆って、太陽電池セル13を保護する。裏側保護部材30は、表側保護部材20同様に、板状又はシート状の材料から形成することができ、遮水性に優れることが好ましい。具体的には、裏側保護部材30としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、オレフィン系樹脂、含フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂フィルムや、前記樹脂フィルムとアルミニウム箔等の金属箔との積層体、アクリル樹脂若しくはポリカーボネート樹脂等の透明樹脂、ガラスなどを挙げることができる。
封止材40は、太陽電池ストリング11,12、すなわち太陽電池セル13を封止して保護するもので、特に太陽電池セル13に水分が接触することを防止する。このため、封止材40は、太陽電池セル13の受光側の面と表側保護部材20との間、太陽電池セル13の裏側の面と裏側保護部材30との間に介在する。
封止材40は、太陽電池ストリング11,12と表側保護部材20及び裏側保護部材30とを接着すると共に、太陽電池ストリング11,12の周囲の隙間をなくすことで、太陽電池セル13を保護する。このため、封止材40としては、例えば、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/α-オレフィン共重合体、エチレン/酢酸ビニル/トリアリルイソシアヌレート(EVAT)、ポリビニルブチラート(PVB)、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、又は、シリコーン樹脂等の透光性を有する熱可塑性樹脂が好適に用いられる。
以上のように、太陽電池モジュール1は、太陽電池セル13同士の第1方向の重複長さが異なる第1太陽電池ストリング11と第2太陽電池ストリング12とを備えることによって、平面視で角部を落としたような平面形状を有しながら、太陽電池セル13が配置されていない無効領域が小さくなっているので、面積当たりの光電変換効率に優れる。
また、太陽電池モジュール1は、その平面形状に合わせて太陽電池ストリング11,12が有する複数の太陽電池セル13の第1方向の重複長さを変更することで、容易に設計変更することができる。つまり、太陽電池モジュール1は、その設計において平面形状の自由度が高い。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の変更及び変形が可能である。
本発明に係る太陽電池モジュールの平面形状は任意である。このため、本発明に係る太陽電池モジュールにおいて、太陽電池セルの重複長さが他の太陽電池ストリングと異なる太陽電池ストリングの数は限定されず、太陽電池セルの重複長さが異なる3種類以上の太陽電池ストリングが存在してもよい。また、第1方向中央部がくびれた平面形状を有する太陽電池モジュールを形成するために、第2方向中央部に太陽電池セルの重複長さが大きい太陽電池ストリングが配置されてもよい。
1 太陽電池モジュール
11,12 太陽電池ストリング
13 太陽電池セル
20 表側保護部材
30 裏側保護部材
40 封止材
11,12 太陽電池ストリング
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Claims (6)
- 端部を互いに重ね合わせるよう第1方向に一列に並んで接続される複数の太陽電池セルをそれぞれ有し、前記第1方向と交差する第2方向に並んで配置される複数の太陽電池ストリングを備え、
少なくとも一つの前記太陽電池ストリングは、他の少なくとの1つの前記太陽電池ストリングと前記太陽電池セル同士の前記第1方向の重複長さが異なる、太陽電池モジュール。 - 全ての前記太陽電池ストリングの前記太陽電池セルの数が等しい、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
- 前記第2方向端部の前記太陽電池ストリングの前記太陽電池セル同士の前記重複長さは、前記第2方向中央部の前記太陽電池ストリングの前記太陽電池セル同士の前記重複長さよりも大きい、請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
- 前記太陽電池セルの平面形状は長方形状である、請求項1から3のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
- 前記太陽電池セルは裏面にのみ電極を有する、請求項1から4のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
- 前記重複長さが他の前記太陽電池ストリングよりも大きい前記太陽電池ストリングの前記太陽電池セルは、前記他の前記太陽電池ストリングの前記太陽電池セルよりも単位面積当たりの出力電流が大きい、請求項1から5のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
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