JP2022142261A - 絶縁電線、絶縁電線の製造方法、および絶縁電線製造装置 - Google Patents

絶縁電線、絶縁電線の製造方法、および絶縁電線製造装置 Download PDF

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誠一 樫村
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直人 寺木
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Abstract

【課題】塗布膜の表面における非平滑部の出現を抑制し、従来にない質の高い絶縁電線を提供する。【解決手段】導体と、導体の外周に設けられた塗布膜と、を有し、塗布膜の表面に局所的に形成される非平滑部位の数が、導体の長手方向の長さ0.8mあたり、1個以下である、絶縁電線が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁電線、絶縁電線の製造方法、および絶縁電線製造装置に関する。
従来から、導体と、この導体の外周に塗料を塗布させてなる塗膜(絶縁被膜)と、を有する絶縁電線が知られている(特許文献1参照)。
実全昭54-111786号公報
しかしながら、従来手法によっては、絶縁被膜の表面に意図しない非平滑部(凸部等)が形成され、その結果、絶縁電線の屈曲性が局所的に変化したり、電気的特性が局所的に変化したり、外観の局所的な劣化が生じたりする場合があることに、発明者等は気が付いた。
本発明は、絶縁被膜の表面における非平滑部の出現を抑制し、従来にない質の高い絶縁電線を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、
導体と、
前記導体の外周に設けられた塗布膜と、を有し、
前記塗布膜の表面に局所的に形成される非平滑部位の数が、前記導体の長手方向の長さ0.8mあたり、1個以下である、
絶縁電線が提供される。
本発明の第2の態様によれば、
(a)塗料槽に収容される塗料中に導体を浸漬し、前記導体の周囲に前記塗料を塗布する工程と、
(b)前記導体を前記塗料の液面から引き上げて、塗布ダイスの貫通孔に通す工程と、を有し、
(b)工程の開始時および実行中に、前記塗布ダイスは、前記塗布ダイスの一の表面が前記塗料の前記液面に接するように浮いており、前記塗布ダイスの前記一の表面に対向する他の表面上に前記塗料が載らない状態を維持する、
絶縁電線の製造方法が提供される。
本発明の第3の態様によれば、
塗料を収容する塗料槽と、
前記塗料中に浸漬された導体を、前記導体における長手方向の一端側から引っ張り、前記塗料の液面から引き上げる引き上げ機構と、
前記塗料が周囲に塗布された前記導体が通される貫通孔を有する塗布ダイスと、
を備える絶縁電線製造装置であって、
前記塗布ダイスは、前記導体の引き上げを開始する時および引き上げの実行中に、前記塗布ダイスの一の表面が前記塗料の前記液面に接するように浮いており、前記塗布ダイスの前記一の表面に対向する他の表面上に前記塗料が載らない状態を維持するように構成されている、
絶縁電線製造装置が提供される。
本発明によれば、絶縁被膜の表面における非平滑部の出現を抑制し、従来にない質の高い絶縁電線を提供することが可能となる。
図1は、本発明の一実施形態にかかる絶縁電線10の斜視部分拡大図である。 図2は、絶縁電線10を長手方向に沿った面で切断することで得られる断面を模式的に示す図である。 図3は、本発明の一実施形態にかかる絶縁電線10における絶縁被膜の任意の領域の走査型電子顕微鏡写真である。 図4は、本発明の一実施形態にかかる絶縁電線10における絶縁被膜の任意の領域の走査型電子顕微鏡写真である。 図5は、本発明の一実施形態にかかる絶縁電線製造装置100の概略構成を模式的に示す説明図である。 図6(a)は、塗布ダイス52を導体11の引き上げ方向から見た際の平面図(上面図)である。図6(b)は、塗布ダイス52を導体11の引き上げ方向に沿って切断することで得られる断面(縦断面)を模式的に示す図である。 図7は、実施例1の絶縁電線における絶縁被膜に発現した非平滑部位を有する領域の走査型電子顕微鏡写真である。 図8は、比較例1の絶縁電線における絶縁被膜に発現した非平滑部位を有する領域の走査型電子顕微鏡写真である。
<本発明の一実施形態>
(1)絶縁電線10の構成例
まず、本発明の一実施形態にかかる絶縁電線10の構成例について説明する。図1に示すように、本実施形態にかかる絶縁電線10は、導体11と、塗布膜(以下、絶縁被膜ともいう)12と、を備えている。
導体11は、絶縁電線10の心線(芯線ともいう)を構成するものである。導体11は、複数の金属素線を撚り合わせた撚り線、もしくは、単一の金属線により構成されている。導体11は、例えば、銅(Cu)、Cu合金、アルミニウム(Al)、Al合金等により構成されている。導体11の断面形状は、略円形となっている。導体11の直径は、特に限定されるものではないが、絶縁電線10が医療用カテーテル内に挿通されるカテーテル内電線として用いられる場合、例えば、10μm以上200μm以下、好ましくは50μm以上160μm以下とすることができる。導体11の長さについても、特に限定されるものではないが、絶縁電線10を医療用カテーテル内に挿通されるカテーテル内電線として用いる場合、例えば、1.5~3mの範囲内の長さとすることができる。
導体11の側方周囲、すなわち、外周は、絶縁被膜12により被覆されている。なお、絶縁被膜12は、導体11の長手方向の全長にわたって設けられているが、図1では、便宜上、絶縁電線10の一端末から所定の長さ分だけ絶縁被膜12が除去された状態を例示している。
絶縁被膜12は、導体11の外周に塗料W(図5参照)を塗布し、塗膜を乾燥させて硬化させることなどにより形成することができる。絶縁被膜12の材料としては、導体11との密着性に優れ、所定の可撓性を有し、高い電気絶縁性を有する塗布可能な材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、オレフィン系樹脂を好適に用いることができる。絶縁電線10が医療用のカテーテル内電線である場合、絶縁被膜12の材料としては、シリコーン系樹脂が好適に用いられ、この場合、塗料Wとしては、シリコーン系樹脂を有機溶剤等に溶解して得られるシリコーン系樹脂含有塗料が好適に用いられる。絶縁被膜12の膜厚d1(図2参照)としては、特に限定されるものではないが、例えば、3~6μmの範囲内の厚さとすることができる。絶縁被膜12の膜厚d1を上述のような厚さとするには、塗料Wとして、粘度が例えば150~650mPa・sであるような比較的低粘度の塗料が、好適に用いられる。
絶縁被膜12は、導体11の外周に略均一な膜厚d1で形成されている。絶縁被膜12は、導体11の長手方向の略全長にわたり略均一な膜厚d1を有しており、その表面は、凸部等の非平滑部位Xが全く或いは殆ど存在しない平滑な領域として構成されている。追従性の高いフレキシブルな屈曲動作や、微弱信号の確実な伝送が求められる医療用カテーテル内電線においては、屈曲性や電気特性がその長手方向にわたって略均一であることが求められ、また、医療従事者が目視の下で繊細な操作を行うことから、長手方向にわたって略均一な外観を有することも求められる。本実施形態における絶縁電線10は、絶縁被膜12が上述のように構成されていることから、屈曲性や電気特性がその長手方向にわたって略均一であって、局所的な変化が殆どなく、また、その長手方向にわたって略均一な外観を有し、局所的な外観上の特異点が殆どないという、医療用カテーテル内電線として非常に適した特性を有している。また、複数本の絶縁電線10をシースで一括被覆してなる多芯ケーブルの場合であっては、絶縁被膜12が上述のように構成されていることから、シース内に隙間なく充填することができる。
絶縁被膜12の表面には、上述したように、非平滑部位Xが全く或いは殆ど存在しない。ただし、まれに、絶縁被膜12の形成時に塗膜上へ塗料Wが再付着することや液垂れすること等に起因して生じる非平滑部位X(再付着跡)が、絶縁被膜12の表面に局所的に形成される場合がある(図2参照)。なお、塗料Wの再付着により形成される非平滑部位Xは、例えば、導体11の長手方向に沿って中央付近の部位の膜厚が最も厚くなり、両端がしだいに薄くなる(上述した膜厚d1に近づく)ような、いわゆる紡錘形に構成される傾向にある。
しかしながら、本実施形態にかかる絶縁電線10においては、非平滑部位Xの出現頻度が、従来の絶縁電線のそれに比べて非常に低いものとなっている。具体的には、絶縁被膜12の表面に局所的に形成される非平滑部位Xの数が、導体11の長手方向の長さ0.8mあたり1個以下となっている。すなわち、絶縁被膜12の表面における非平滑部位Xの出現頻度が、導体11の長手方向の長さ0.8mあたり、非平滑部位Xが全く形成されないか(ゼロであるか)、仮に形成された場合でも最大で1個という、非常に小さな頻度となっている。このような構成により、本実施形態にかかる絶縁電線10は、屈曲性や電気特性がその長手方向にわたって略均一であって、局所的な変化が殆どなく、また、その長手方向にわたって略均一な外観を有し、局所的な外観上の特異点が殆どないという、医療用カテーテル内電線等の用途に非常に適した特性を有している。
なお、非平滑部位Xの数は、走査型電子顕微鏡(200倍)を用いて測定する。具体的には、図3に示すように、図3における絶縁電線10の左端上部である点イと、右端上部である点ロと、を直線で繋ぎ、絶縁電線10の左端下部である点ハと、右端下部である点二と、を直線で繋ぐ。そして、線分イロと線分ハニとで挟まれる領域からはみ出す部分(線分イハの1.1倍以上となる厚さを有する部分)を非平滑部位Xと認定し、その数を測定する。
本実施形態では、導体11の長手方向の長さが0.8m超(例えば、1m)となる評価用サンプルを3本用意し、各評価用サンプルにおいて0.2mごとの5地点(0~0.8m)において写真撮影(評価用サンプル3個×評価地点5点=15撮影)を行う。その後、非平滑部位Xの全カウント数/3により、導体11の長手方向の長さ0.8mあたりの非平滑部位Xの数を求める。これらの非平滑部位の数の測定方法は、後述する実施例、比較例においても同様である。
また、本実施形態にかかる絶縁電線10においては、仮に非平滑部位Xが発現したとしても、その大きさが、従来の絶縁電線のそれに比べて非常に小さなものとなっている。具体的には、絶縁電線10の長手方向に沿った絶縁電線10の断面(図2に示す断面)における、絶縁被膜12の非平滑部位X以外の部位(すなわち平滑部位)の膜厚をd1、非平滑部位Xの最大膜厚をd2としたとき、0.70<d1/d2≦1、好ましくは、0.85<d1/d2≦1という関係が常に維持されている。このような構成により、本実施形態にかかる絶縁電線10は、屈曲性や電気特性がその長手方向にわたって略均一であって、局所的な変化が殆どなく、また、その長手方向にわたって略均一な外観を有し、局所的な外観上の特異点が殆どないという、医療用カテーテル内電線等の用途に非常に適した特性を有している。
なお、絶縁被膜12の膜厚d1、d2は、主に、走査型電子顕微鏡(200倍)を用いて求める。具体的には、図4に示すように、絶縁被膜12の非平滑部位X以外の部位(すなわち平滑部位)の長さD1、非平滑部位Xの最大長さD2となる部位を目視にて決定し、それぞれの長さを測定する。そして、測定したD1、D2、予め測定しておいた導体11の直径Rを用いて、d1を(D1-R)/2、d2を(D2-R)/2により求める。これらの絶縁被膜12の平滑部位、非平滑部位の膜厚を求める方法は、後述する実施例、比較例においても同様である。
(2)絶縁電線製造装置100の構成例
次に、本発明の一実施形態にかかる絶縁電線製造装置100の構成例について説明する。図5に示すように、絶縁電線製造装置100は、塗料槽50と、塗布ダイス52と、焼付炉54と、冷却部55と、送り出し機構56と、引き上げ機構57と、ボビン70,71と、を備えている。
塗料槽50は、上部が開口し、底部が有底の中空円筒体状に形成されている。塗料槽50の上部開口および筒部内横断面は、平面視において、円形状に形成されている。
塗布ダイス52は、一例として、フィルム状に形成されており、その上面は塗料Wの液面に接しておらず、下面のみが塗料Wの液面に接して浮くように構成されている。塗布ダイス52は、導体11の引き上げ方向から見た際の平面視(以下、単に「平面視」という。)において、塗料槽50の上部開口よりもわずかに小径の相似形である円形に構成されており(図6(a)参照)、その直径は、例えば、10~100mmの範囲内の大きさとすることができる。また、塗布ダイス52は、その外周端部(鍔に相当する部分)が、塗料槽50内の塗料W液面よりも上方に向かって離れる方向に湾曲するように構成されている(図6(b)参照)。より具体的には、塗布ダイス52の外周端部は、塗布ダイス52の径方向外側に向かうにつれて、塗料槽50内の塗料W液面よりも上方(塗料W液面から離れる方向)に向かってせり上がるように湾曲している。この湾曲部の最も上方に位置する部位と、塗料Wの液面との距離は、例えば、1~10mmの範囲内の大きさとすることができる。塗布ダイス52の比重は、塗料Wの比重よりも小さくすることが好ましい。塗料Wとしてシリコーン系樹脂含有塗料を用いる場合、塗布ダイス52の重さは、例えば、0.01~0.3gの範囲内の重さとすることができる。塗布ダイス52の湾曲部は、例えば、フィルムの外周端部を熱プレス加工する等して形成することができる。塗布ダイス52の外周端部は湾曲ではなく垂直に起立するように形成されても良い。また、塗布ダイス52は、発泡樹脂材料等で形成された、厚み1~10mmのシート形状であっても良い。
塗布ダイス52は、撥水性および疎水性のうち少なくともいずれかの特性を有するフィルムにより構成することができる。ここでフィルムとは、一般にフィルム又はシートと呼ばれる範囲の厚さを有する樹脂薄膜状部材であり、その厚さは、例えば、0.05~0.2mmの範囲内の厚さとすることができる。なお、疎水性とは、化学的に水との相互作用が小さく、水に対する親和性が小さい性質をいう。また、撥水性とは、物質の表面に対する水の濡れ性が低い性質をいう。例えば、フッ素系樹脂等の非極性物質等で塗布ダイス52の表面を被覆することにより、塗布ダイス52に疎水性を付与してもよい。また、例えば、シリカ等の微細な顔料等で塗布ダイス52の表面を被覆して細かな凹凸を形成したり、塗布ダイス52の表面に蓮の葉やアメンボの足のような細かな凹凸を形成することにより、塗布ダイス52に撥水性を付与してもよい。シリコーン系樹脂含有塗料を用いる場合には、塗布ダイス52の材料として、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いることができる。
塗布ダイス52の平面視における中央付近には、導体11を通過させるための貫通孔53が設けられている。貫通孔53は、導体11が塗料Wの液面から引き上げられる際に、導体11の外周に付着した余分な塗料Wをぬぐい取る(除去する)ことが可能なように構成されている。貫通孔53は、平面視において、円形に形成されており、その直径は、導体11の直径よりもわずかに大きく構成されている。貫通孔53の直径は、導体11の直径(例えば、200μm)に、形成しようとする絶縁被膜12の厚さ(例えば、5μm)の2倍を加えた分と同等あるいはそれよりも僅かに大きな寸法とすることができ、例えば、210~300μmの範囲内の大きさとすることができる。
塗料槽50の内部には、導体11の送り出し機構56が配置されている。送り出し機構56は、その近傍に配置されているボビン70に巻き付けられている導体11を上方(塗布ダイス52の貫通孔53)へ移動させる(送り出す)ように構成されている。この送り出し機構56は、導体11と塗布ダイス52とが接触しないように設けられている。
塗料槽50の上方には、塗料槽50および塗布ダイス52を通過した導体11の表面に付着している塗料を導体11の表面に焼き付ける焼付炉54と、焼き付け処理後の導体11及び絶縁被膜12を冷却する冷却部55とが、順に配置されている。なお、塗料の種類によっては、これらのうち少なくともいずれかを省略することが可能である。また、焼付炉54については、加熱によって塗料を乾燥、硬化させる加熱炉であってもよいし、紫外線照射によって塗料を硬化させる紫外線照射炉であってもよいし、水分等によって塗料を架橋、硬化させる架橋炉であってもよい。
冷却部55の上方には、導体11の引き上げ機構57が配置されている。引き上げ機構57は、冷却部55を通過した導体11を上方に引き上げるように構成されている。引き上げ機構57の近傍には、絶縁被膜12が形成された導体11(絶縁電線10)を巻き付けるボビン71が配置されている。
(3)絶縁電線10の製造方法例
次に、本発明の一実施形態にかかる絶縁電線10の製造方法の一例について説明する。
絶縁電線10の製造方法は、主として、塗料槽50に収容される塗料W中に導体11を浸漬し、導体11の周囲に塗料Wを塗布するステップaと、導体11を塗料Wの液面から引き上げて、塗布ダイス52の貫通孔53に通すステップbと、を有する。
以下に、絶縁電線10の製造方法について詳細に説明する。
まず、ステップaにおいて、ボビン70に巻き付けられた導体11を、図5に示す矢印Aの方向に搬送し、塗料槽50の上方側から、塗料槽50内へと移動させる。このようにして、導体11を塗料W中に浸漬させ、導体11の外周に塗料Wを付着させる。塗料Wとしては、上述したように、例えば、150~650mPa・sの範囲内の比較的低い粘度を有するシリコーン系樹脂含有塗料を用いることができる。
上述した導体11の移動は、例えば、導体11を矢印Aの方向に搬送させて、塗料槽50内へと導体11を供給する送り出し機構56と、送り出し機構56から繰り出された導体11を巻き取る引き上げ機構57と、の連係動作により行う。
次いで、ステップbにおいて、塗料Wが付着した導体11を、塗料Wの液面に浮いている塗布ダイス52に形成された貫通孔53に挿通させる。塗料Wが付着した導体11を塗料Wの液面から引き上げ、導体11が貫通孔53を通過する際に、貫通孔53に導体11の外周に付着した塗料Wを接触させることにより、余分な塗料を除去する。このようにして、塗料Wの塗布量を調整することができる。本実施形態にかかる導体11の引き上げ速度は、例えば、1~30m/分の範囲内の速さとすることができる。
本実施形態では、ステップbの開始時および実行中に、塗布ダイス52は、塗布ダイス52の一の表面(すなわち、塗布ダイス52の下面)が塗料Wの液面に接するように浮いており、塗布ダイス52の一の表面に対向する他の表面上(すなわち、塗布ダイス52の上面)に塗料Wが載っていない状態を維持するようにしている(図5参照)。上述の状態を作り出すには、ステップbの開始前に、塗布ダイス52を塗料W中に浸漬させることなく、塗料Wの液面に予め浮かせた状態としておき、この状態からステップbを開始することが好ましい。
なお、上述の状態は、塗布ダイス52を浮かべることとなる塗料Wの液面の表面張力を利用することにより、確実に作り出すことが可能となる。塗布ダイス52の材質(塗布ダイス52の下面側の撥水性や疎水性)や形状などを適正に選択することにより、ステップ(b)の開始時および実行中に、塗料Wと塗布ダイス52との間に働く塗料Wの表面張力の大きさ等を適正化させることができ、これにより、上述の状態を確実に維持することが可能となる。
また、本実施形態では、ステップ(b)の開始時および実行中に、塗布ダイス52が、塗料Wの液面から離れずに(持ち上げられずに)、液面上に密着しつつ浮いている状態を維持するようにしている(図5参照)。この状態も、塗布ダイス52を浮かべることとなる塗料Wの液面の表面張力を利用することにより、確実に作り出すことが可能となる。塗布ダイス52の材質(塗布ダイス52の下面側のぬれ性)や形状、塗料Wの粘度、導体11の引き上げ速度などを適正に選択することにより、ステップ(b)の開始時および実行中に、塗料Wと塗布ダイス52との間に働く塗料Wの表面張力の大きさを適正化させることができ、これにより、塗布ダイス52が、塗料Wの液面から離れずに、液面上に密着しつつ浮いている状態(浮遊状態)を維持することが可能となる。
ステップbが終了したら、塗料Wが付着した導体11を焼付炉54内へ移動させ、導体11の外周に付着した塗料Wを焼付けて乾燥させ、塗膜を所定の硬度となるように固化させる。次いで、塗膜を硬化させた後の導体11を冷却部55内へ移動させ、導体11の外周に形成された塗膜の冷却を行う。
そして、上述した塗料Wの塗布、塗布量の調整、焼付け、および乾燥を含む一連のフローを、所定回数(1回、場合によっては複数回)行うことにより、導体11の外周に、所望の膜厚の絶縁被膜12を形成することができる。この一連のフローの複数回の実施は、引き上げ機構57により巻き取られた導体11を、送り出し機構56へ移動させ、再度、引き上げ機構57により巻き取ることにより行うことができる。
以上のステップにより、導体11上に、所望の膜厚の絶縁被膜12を有する絶縁電線10を製造することができる。製造後の絶縁電線10は、引き上げ機構57から、図5に示す矢印Bの方向に搬送され、ボビン71により巻き取られる。
(5)本実施形態の効果
本実施形態によれば、以下に述べる一つ又は複数の効果を奏する。
(a)絶縁電線10を製造する際、ステップbの開始時および実行中に、塗布ダイス52をその下面が塗料Wの液面に接するように浮かべ、塗布ダイス52の上面に塗料Wが載らない状態を維持することにより、塗布ダイス52の貫通孔53を通過することにより余分な塗料が絞り取られた導体11の表面、すなわち、導体11の周囲に形成された塗膜の表面に、不要な塗料W(例えば塗布ダイス52の上面に載った塗料W)が再付着するといった事態を回避することが可能となる。これにより、絶縁被膜12の表面に、塗料Wの再付着跡である非平滑部位Xが形成されることを抑制することが可能となる。
(b)また、絶縁電線10を製造する際、撥水性および疎水性のうち少なくともいずれかの特性を有するフィルムにより構成された塗布ダイス52を用いることにより、塗料Wが有する表面張力を利用して、塗布ダイス52を、塗料Wの液面上に確実に浮かべることが可能となる。これにより、塗料Wとして、上述の低粘度塗料を用いる場合においても、塗布ダイス52の上面に塗料Wが載らない状態を確実に維持することができ、上述の効果を確実に得ることが可能となる。
(c)また、絶縁電線10を製造する際、外周端部(鍔)が塗料Wの液面よりも上方に向かって離れる方向に向かう形状(例えば、湾曲形状や垂直起立形状等)を有する塗布ダイス52を用いることにより、塗布ダイス52の上面に塗料Wが侵入することを回避することができ、塗布ダイス52を、塗料Wの液面上に確実に浮かべることが可能となる。これにより、塗料Wとして、上述の低粘度塗料を用いる場合においても、塗布ダイス52の上面に塗料Wが載らない状態を確実に維持することができ、上述の効果を確実に得ることが可能となる。
(d)上述の製造装置および製造手法によると、絶縁被膜12の表面に局所的に形成される非平滑部位Xの数を、導体11の長手方向の長さ0.8mあたり1個以下とすることが可能となる。すなわち、絶縁被膜12の表面における非平滑部位Xの出現頻度を、導体11の長手方向の長さ0.8mあたり、非平滑部位Xが全く形成されない(ゼロ個)か、仮に形成された場合でも最大で1個という、非常に小さな頻度とすることが可能となる。
これにより、本実施形態にかかる絶縁電線10は、屈曲性や電気特性がその長手方向にわたって略均一であって、局所的な変化が殆どないという、繊細な屈曲特性や微弱信号の確実な伝送が必要となる医療用カテーテル内電線等の用途に、非常に適した特性を有することとなる。また、本実施形態にかかる絶縁電線10は、その長手方向にわたって略均一な外観を有し、局所的な外観上の特異点が殆どないという、医療用カテーテル内電線等の用途に非常に適した特性を有することとなる。
(e)また、上述の製造装置および製造手法によると、絶縁被膜12の表面に仮に非平滑部位Xが発現したとしても、不要な塗料W(例えば塗布ダイス52の上面に載った塗料W)の再付着に起因して生じたものではないことから、その大きさを非常に小さなものとすることが可能となる。
具体的には、絶縁電線10の長手方向に沿った絶縁電線10の断面(図2に示す断面)における絶縁被膜12の非平滑部位X以外の部位(すなわち、平滑な部位)の膜厚をd1、非平滑部位Xの最大膜厚をd2としたとき、0.70<d1/d2≦1を維持することが可能となる。
これにより、本実施形態にかかる絶縁電線10は、屈曲性や電気特性がその長手方向にわたって略均一であって、局所的な変化が殆どないという、医療用カテーテル内電線等の用途に非常に適した特性を有することとなる。また、本実施形態にかかる絶縁電線10は、その長手方向にわたって略均一な外観を有し、局所的な外観上の特異点が殆どないという、医療用カテーテル内電線等の用途に非常に適した外観を有することとなる。
(f)絶縁電線10を製造する際、ステップ(b)の開始時および実行中に、塗料Wが有する表面張力(塗布ダイス52の下面側のぬれ性)を利用することにより、塗布ダイス52が、塗料Wの液面から離れずに(持ち上げられずに)、液面上に密着しつつ浮いている状態(浮遊状態)を作り出すことが可能となる。
これにより、導体11の表面に付着した余分な塗料を確実に絞り取ることができ、本実施形態にかかる絶縁電線10は、屈曲性や電気特性がその長手方向にわたって略均一であって、局所的な変化が殆どないという、医療用カテーテル内電線等の用途に非常に適した特性を有することとなる。
(g)絶縁電線10を製造する際、塗料槽50の上部開口よりもわずかに小径の相似形である平面形状を有するフィルム状の塗布ダイス52を塗料Wの液面に浮かべることにより、塗料Wの液面を、塗布ダイス52によって広範囲に覆うことが可能となる。これにより、塗料Wからの溶媒の不要な揮発を抑制し、ステップ(b)の実行中等における塗料Wの粘度変化を回避することが可能となる。また、ステップ(b)の実行中等における塗料W中への異物の混入などを回避することも可能となる。
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
上述の実施形態では、絶縁被膜12を形成する樹脂として、シリコーン系樹脂を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、絶縁被膜12を形成する樹脂として、ポリアミドイミド樹脂を用いて、エナメル線を形成してもよい。この場合でも、上述した実施形態と略同様の効果を得ることができる。
上述の実施形態では、断面形状が円形の導体11を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、断面形状が略長方形状の平角導体を用いてもよい。この場合、平角導体に塗料Wを均一に塗布するために、貫通孔53の形状も平面視で、略長方形状にすることが好ましい。この場合でも、上述した実施形態と略同様の効果を得ることができる。
次に、本発明について実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
[実施例1]
(絶縁電線の作製)
まず、絶縁電線の心線を構成する導体として、例えば、タフピッチ銅(TPC:Tough-Pitch Copper)により構成される、直径100~200μmの銅線を用意した。
続いて、絶縁被膜を形成するための材料を調製した。実施例1では、絶縁被膜の材料として、シリコーンゴムコーティング剤を準備した。このシリコーンゴムコーティング剤80~100質量部に、粘度調整用の溶媒として、トルエン等を80~100質量部混合して、粘度が150~200mPa・sとなるようにコーティング溶液(塗料)を調整した。
続いて、図5に示す絶縁電線製造装置を用いて、上述の実施形態における絶縁電線の製造処理と同様の処理手順、処理条件により、導体の外周に絶縁被膜を形成した。本実施例では、導体の引き上げ速度を10~12m/分とした。その後、絶縁被膜に150~450℃の温度で5~20分間の乾燥・硬化処理を施した。得られた絶縁被膜の膜厚は3~6μmであった。
以上により、実施例1の絶縁電線を作製した。
[比較例1]
比較例1では、実施例1と同様の銅線(導体)とコーティング溶液(塗料)を用意し、公知の絶縁電線製造装置を用いて、導体の外周に絶縁被膜を形成し、絶縁電線を作製した。公知の絶縁電線製造装置と図5に示す絶縁電線製造装置との主な相違点は、それぞれの絶縁電線製造装置の構成要素である塗布ダイスの構成である。
公知の塗布ダイスは、導体が塗料中に浸漬されているときは、塗料中に没しており、導体が塗料中から引き上げられるときに、導体が塗布ダイスの貫通孔を通過するときの塗料の粘性による摩擦抵抗等により、塗料の液面に浮上するように構成されている。そして、導体が塗料の液面から引き上げられるときに、導体を貫通孔に通すことにより、導体に付着した余分な塗料を絞り取り、絶縁被膜を形成するように構成されている。
これに対し、上述の実施形態にかかる塗布ダイスは、導体の引き上げ開始時および実行中に、塗料の表面張力により、塗布ダイスの一の表面が塗料の液面に浮いている状態を維持するように構成されている。さらに、この塗布ダイスは、導体の引き上げ開始時および実行中に、塗布ダイス上(塗布ダイスの一の表面に対向する他の表面上)に塗料が載らない状態を維持するように構成されている。これらの点で、上述の実施形態にかかる塗布ダイスと、公知の塗布ダイスとは大きく異なる。
上記で作製した各絶縁電線について、非平滑部位の凸部の大きさを測定し、各絶縁電線の平滑性を判定した。以下、各測定方法、評価基準について説明する。
(非平滑部位の凸部の大きさ)
図7は、実施例1の絶縁電線における絶縁被膜の非平滑部位を有する領域の走査型電子顕微鏡写真(200倍)である。実施例1で作製された絶縁電線において、導体の長手方向に沿った絶縁電線の断面における絶縁被膜の非平滑部位以外の部位の膜厚をd3、非平滑部位の最大膜厚をd4として、上述した方法により、それぞれの膜厚を求めた。求めたd3、d4をd3/d4の式に代入し、0.70<d3/d4≦1を満たしていれば、非平滑部位の凸部の大きさは、充分小さく絶縁電線の平滑性を阻害する可能性は低いと評価した。満たしていなければ、非平滑部位の凸部は、大きく絶縁電線の平滑性を阻害する可能性が高いと評価した。
図8は、比較例1の絶縁電線における絶縁被膜の非平滑部位を有する領域の走査型電子顕微鏡写真である。比較例1で作製された絶縁電線も同様に、導体の長手方向に沿った絶縁電線の断面における絶縁被膜の非平滑部位以外の部位の膜厚をd5、非平滑部位の最大膜厚をd6として、上述した方法により、それぞれの膜厚を求め、実施例1と同様の方法・基準で評価した。
(評価)
実施例1における、膜厚d3は4.3~4.4μm、最大膜厚d4は4.5~4.6μmであった。これらの値を上述した式に代入したところ、それぞれ0.70<d3/d4≦1を満たした。従って、非平滑部位の凸部の大きさは、充分小さく絶縁電線の平滑性を阻害する可能性は低いと評価した。
比較例1における、膜厚d5は4.2~4.4μm、最大膜厚d6は6.4~18.0μmであった。これらの値を上述した式に代入したところ、それぞれ0.2<d5/d6≦0.68となり、上記の基準を満たさなかった。従って、非平滑部位の凸部は、大きく絶縁電線の平滑性を阻害する可能性が高いと評価した。
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
(付記1)
本発明の一態様によれば、
導体と、
前記導体の外周に設けられた塗布膜と、を有し、
前記塗布膜の表面に局所的に形成される非平滑部位の数が、前記導体の長手方向の長さ0.8mあたり、1個以下である、
絶縁電線が提供される。
(付記2)
付記1に記載の絶縁電線であって、
前記長手方向に沿った前記絶縁電線の断面における前記塗布膜の前記非平滑部位以外の部位の膜厚をd1、前記非平滑部位の最大膜厚をd2としたとき、0.70<d1/d2≦1が維持されている。
(付記3)
付記1または2に記載の絶縁電線であって、
前記塗布膜は、シリコーン系樹脂含有膜である。
(付記4)
付記1~3のいずれかに記載の絶縁電線であって、
前記導体の直径は、200μm以下である。
(付記5)
本発明の他の態様によれば、
(a)塗料槽に収容される塗料中に導体を浸漬し、前記導体の周囲に前記塗料を塗布する工程と、
(b)前記導体を前記塗料の液面から引き上げて、塗布ダイスの貫通孔に通す工程と、を有し、
(b)工程の開始時および実行中に、前記塗布ダイスは、前記塗布ダイスの一の表面が前記塗料の前記液面に接するように浮いており、前記塗布ダイスの前記一の表面に対向する他の表面上に前記塗料が載らない状態を維持する、
絶縁電線の製造方法が提供される。
(付記6)
付記5に記載の絶縁電線の製造方法であって、
(b)工程の開始時および実行中に、前記塗料の表面張力により、前記塗布ダイスが前記塗料の前記液面から離れずに前記液面上に浮いている状態を維持する。
(付記7)
付記5または6に記載の絶縁電線の製造方法であって、
前記塗料の粘度は、150~650mPa・sである。
(付記8)
付記5~7のいずれかに記載の絶縁電線の製造方法であって、
前記塗料は、シリコーン系樹脂含有塗料である。
(付記9)
付記5~8のいずれかに記載の絶縁電線の製造方法であって、
前記導体の直径は、200μm以下である。
(付記10)
本開示の更に他の態様によれば、
塗料を収容する塗料槽と、
前記塗料中に浸漬された導体を、前記導体における長手方向の一端側から引っ張り、前記塗料の液面から引き上げる引き上げ機構と、
前記塗料が周囲に塗布された前記導体が通される貫通孔を有する塗布ダイスと、
を備える絶縁電線製造装置であって、
前記塗布ダイスは、前記導体の引き上げを開始する時および引き上げの実行中に、前記塗布ダイスの一の表面が前記塗料の前記液面に接するように浮いており、前記塗布ダイスの前記一の表面に対向する他の表面上に前記塗料が載らない状態を維持するように構成されている、
絶縁電線製造装置が提供される。
(付記11)
付記10に記載の絶縁電線製造装置であって、
前記導体の引き上げを開始する時および引き上げの実行中に、前記塗布ダイスは、前記塗料の表面張力により、前記塗料の前記液面から離れずに前記液面上に浮いている状態を維持するように構成されている。
(付記12)
付記10または11に記載の絶縁電線製造装置であって、
前記塗布ダイスは、撥水性或いは疎水性を有するフィルムにより構成されている。
(付記13)
付記10~12のいずれかに記載の絶縁電線製造装置であって、
前記塗布ダイスは、その外周端部が前記液面よりも上方に向かって離れる方向に向かうように構成されている。
10 絶縁電線
11 導体
12 塗布膜(絶縁被膜)
W 塗料
X 非平滑部位
50 塗料槽
52 塗布ダイス
53 貫通孔
57 引き上げ機構

Claims (3)

  1. 導体と、
    前記導体の外周に設けられた塗布膜と、を有し、
    前記塗布膜の表面に局所的に形成される非平滑部位の数が、前記導体の長手方向の長さ0.8mあたり、1個以下である、
    絶縁電線。
  2. (a)塗料槽に収容される塗料中に導体を浸漬し、前記導体の周囲に前記塗料を塗布する工程と、
    (b)前記導体を前記塗料の液面から引き上げて、塗布ダイスの貫通孔に通す工程と、を有し、
    (b)工程の開始時および実行中に、前記塗布ダイスは、前記塗布ダイスの一の表面が前記塗料の前記液面に接するように浮いており、前記塗布ダイスの前記一の表面に対向する他の表面上に前記塗料が載らない状態を維持する、
    絶縁電線の製造方法。
  3. 塗料を収容する塗料槽と、
    前記塗料中に浸漬された導体を、前記導体における長手方向の一端側から引っ張り、前記塗料の液面から引き上げる引き上げ機構と、
    前記塗料が周囲に塗布された前記導体が通される貫通孔を有する塗布ダイスと、
    を備える絶縁電線製造装置であって、
    前記塗布ダイスは、前記導体の引き上げを開始する時および引き上げの実行中に、前記塗布ダイスの一の表面が前記塗料の前記液面に接するように浮いており、前記塗布ダイスの前記一の表面に対向する他の表面上に前記塗料が載らない状態を維持するように構成されている、
    絶縁電線製造装置。
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