JP2022142257A - 交流回転機の制御装置 - Google Patents

交流回転機の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2022142257A
JP2022142257A JP2021042369A JP2021042369A JP2022142257A JP 2022142257 A JP2022142257 A JP 2022142257A JP 2021042369 A JP2021042369 A JP 2021042369A JP 2021042369 A JP2021042369 A JP 2021042369A JP 2022142257 A JP2022142257 A JP 2022142257A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
axis
current
magnetic flux
sum
rotating machine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2021042369A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7183322B2 (ja
Inventor
晃 古川
Akira Furukawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2021042369A priority Critical patent/JP7183322B2/ja
Publication of JP2022142257A publication Critical patent/JP2022142257A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7183322B2 publication Critical patent/JP7183322B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Ac Motors In General (AREA)

Abstract

【課題】交流回転機内に発生する磁束の推定精度を向上させることができる交流回転機の制御装置を得る。【解決手段】回転機制御部20は、電圧指令演算部21と、磁束推定部23とを有している。電圧指令演算部21は、第1電機子巻線111及び第2電機子巻線112に対する複数の電流指令を演算し、演算された複数の電流指令に基づいて、複数の電圧指令を演算する。磁束推定部23は、電圧指令Vu1,Vv1,Vw1,Vu2,Vv2,Vw2に基づいて、交流回転機105内に発生する磁束を推定する。電圧指令演算部は、d軸和電流をゼロとし、磁束推定部は、d軸和電流がゼロとされている間に、q軸和電圧に基づいて、磁束φを算出する。【選択図】図1

Description

本開示は、交流回転機の制御装置に関するものである。
従来の交流回転機の制御装置では、1組の電機子巻線におけるd軸電流指令とq軸電流指令とをともにゼロとすることにより、q軸電圧指令を用いて磁束が算出される(例えば、特許文献1参照)。
特開2008-187797号公報
特許文献1の交流回転機の制御装置では、別の組の電機子巻線におけるd軸電流指令又はq軸電流指令がゼロでない限り、相互インダクタンスの影響によって磁束を精度良く推定することが難しい。
本開示は、上記のような課題を解決するために為されたものであり、交流回転機内に発生する磁束の推定精度を向上させることができる交流回転機の制御装置を得ることを目的とする。
本開示に係る交流回転機の制御装置は、mを自然数として、交流回転機におけるm組の電機子巻線のそれぞれに電圧を印加するための複数の電圧指令を演算する回転機制御部を備え、回転機制御部は、複数の電流指令を演算し、複数の電流指令に基づいて、複数の電圧指令を演算する電圧指令演算部と、複数の電圧指令に基づいて、交流回転機内に発生する磁束を推定する磁束推定部とを有し、電圧指令演算部は、複数の電流指令のそれぞれのd軸成分の和であるd軸和電流をゼロとし、磁束推定部は、電圧指令演算部によってd軸和電流がゼロとされている間に、複数の電圧指令のそれぞれのq軸成分の和であるq軸和電圧に基づいて、磁束を算出する。
本開示の交流回転機の制御装置によれば、交流回転機内に発生する磁束の推定精度を向上させることができる。
実施の形態1による交流回転機、電圧印加部、及び交流回転機の制御装置を示す概略の回路図である。 回転座標系における電流ベクトルを示すグラフである。 位相角と出力トルクとの関係を示すグラフである。 図1の回転機制御部の動作を示すフローチャートである。 図1の回転機制御部の動作を示すフローチャートである。 実施の形態2による交流回転機、電圧印加部、及び交流回転機の制御装置を示す概略の回路図である。 界磁電流と磁束との関係を示すグラフである。 図6の回転機制御部の動作を示すフローチャートである。 実施の形態1、2による交流回転機の制御装置の各機能を実現する処理回路の第1の例を示す構成図である。 実施の形態1、2による交流回転機の制御装置の各機能を実現する処理回路の第2の例を示す構成図である。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による交流回転機、電圧印加部、及び交流回転機の制御装置を示す概略の回路図である。
交流回転機105は、2組の電機子巻線、即ち、第1電機子巻線111及び第2電機子巻線112と、界磁巻線113とを有している。実施の形態1の交流回転機105は、界磁巻線型交流回転機である。
第1電機子巻線111は、3相の巻線、即ち巻線U1、巻線V1、及び巻線W1から構成されている。第2電機子巻線112は、3相の巻線、即ち巻線U2、巻線V2及び巻線W2から構成されている。第1電機子巻線111と第2電機子巻線112とは、互いに電気的に接続されることなく、交流回転機105の図示しない固定子に納められている。
界磁巻線113は、交流回転機105の図示しない回転子に納められている。また、界磁巻線113は、界磁電流が流されることによって電磁石として機能する。
なお、ここでは、界磁巻線113を有する2重3相交流回転機を例として説明するが、回転子に永久磁石が設けられている交流回転機、4相以上の電機子巻線を有する交流回転機、1組又は3組以上の電機子巻線を有する交流回転機などであっても、同様の効果を得ることができる。
第1電圧印加部106は、第1電機子巻線111に電圧を印加する。第2電圧印加部107は、第2電機子巻線112に電圧を印加する。界磁電圧印加部108は、界磁巻線113に電圧を印加する。
第1電圧印加部106、第2電圧印加部107、及び界磁電圧印加部108には、直流電源109から直流電圧Vdcが印加される。直流電源109は、直流電圧を印加する機器であれば、特に限定されない。直流電圧を印加する機器としては、バッテリー、DC-DCコンバータ、ダイオード整流器、PWM(Pulse Width Modulation)整流器等が挙げられる。
直流電源109には、平滑コンデンサ110が並列に接続されている。平滑コンデンサ110は、母線電流の変動を抑制して、直流電流を安定化する。ここでは細かく図示しないが、真のコンデンサ容量C以外に、等価直列抵抗Rc、リードインダクタンスLcが存在する。
第1電圧印加部106は、例えば逆変換回路であるインバータを用い、直流電圧Vdcを電力変換して、巻線U1、巻線V1、及び巻線W1に電圧を印加する。これにより、巻線U1に電流Iu1が通電され、巻線V1に電流Iv1が通電され、巻線W1に電流Iw1が通電される。
具体的には、第1電圧印加部106は、3つの高電位側スイッチ部Sup1,Svp1,Swp1と、3つの低電位側スイッチ部Sun1,Svn1,Swn1とを有している。スイッチ部Sup1,Svp1,Swp1,Sun1,Svn1,Swn1のそれぞれは、スイッチング信号Qup1,Qvp1,Qwp1,Qun1,Qvn1,Qwn1のうちの対応するスイッチング信号に基づいて、オンオフされる。
第2電圧印加部107は、例えば逆変換回路であるインバータを用い、直流電圧Vdcを電力変換して、巻線U2、巻線V2、及び巻線W2に電圧を印加する。これにより、巻線U2に電流Iu2が通電され、巻線V2に電流Iv2が通電され、巻線W2に電流Iw2が通電される。
具体的には、第2電圧印加部107は、3つの高電位側スイッチ部Sup2,Svp2,Swp2と、3つの低電位側スイッチ部Sun2,Svn2,Swn2とを有している。スイッチ部Sup2,Svp2,Swp2,Sun2,Svn2,Swn2のそれぞれは、スイッチング信号Qup2,Qvp2,Qwp2,Qun2,Qvn2,Qwn2のうちの対応するスイッチング信号に基づいて、オンオフされる。
界磁電圧印加部108は、例えばコンバータを用い、直流電圧Vdcを電力変換して、交流回転機105の界磁巻線113に電圧を印加する。これにより、界磁巻線113に界磁電流Ifが通電される。
具体的には、界磁電圧印加部108は、2つの高電位側スイッチ部Sp1,Sp2と、2つの低電位側スイッチ部Sn1,Sn2とを有している。スイッチ部Sp1,Sp2,Sn1,Sn2のそれぞれは、スイッチング信号Qp1,Qp2,Qn1,Qn2のうちの対応するスイッチング信号に基づいて、オンオフされる。
例えば、各スイッチング信号Qup1~Qwn1,Qup2~Qwn2,Qp1~Qn2の値が「1」ならば、その信号は、対応するスイッチ部をオンするための信号である。また、各スイッチング信号Qup1~Qwn1,Qup2~Qwn2,Qp1~Qn2の値が「0」ならば、その信号は、対応するスイッチ部をオフするための信号である。
また、各スイッチ部Sup1~Swn1,Sup2~Swn2,Sp1~Sn2は、半導体スイッチとダイオードとが逆並列に接続されて構成されている。半導体スイッチとしては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、バイポーラトランジスタ、MOS(Metal Oxide Semiconductor)パワートランジスタ等が挙げられる。
なお、界磁巻線113に流す電流の方向を変える必要がない場合には、スイッチ部Sp2は常時オフとしてもよい。
スイッチ部Sn2も、常時オフとするか、又はダイオードで構成してもよい。但し、ダイオードの抵抗が大きいため、半導体スイッチをオンした方が発熱量を低減できる。
実施の形態1による交流回転機の制御装置は、回転機制御部20を備えている。回転機制御部20は、機能ブロックとして、電圧指令演算部21、出力電圧生成部22、及び磁束推定部23を有している。
電圧指令演算部21は、外部からの制御指令に基づいて、第1電機子巻線111、第2電機子巻線112、及び界磁巻線113に対する複数の電流指令を演算する。また、電圧指令演算部21は、演算された複数の電流指令に基づいて、電圧指令Vu1,Vv1,Vw1、電圧指令Vu2,Vv2,Vw2、及び界磁電圧指令Vfを演算し、出力電圧生成部22に出力する。
電圧指令Vu1,Vv1,Vw1は、第1電圧印加部106がそれぞれ巻線U1,V1,W1に電圧を印加するための指令である。電圧指令Vu2,Vv2,Vw2は、第2電圧印加部107がそれぞれ巻線U2,V2,W2に電圧を印加するための指令である。界磁電圧指令Vfは、界磁電圧印加部108が界磁巻線113に電圧を印加するための指令である。
以下、電流指令の生成方法について説明する。図2は、回転座標系における電流ベクトルを示すグラフである。電流ベクトルの絶対値をIとし、q軸からの位相角をβとすると、d軸電流Id及びq軸電流Iqは、式(1)で与えられる。
Figure 2022142257000002
図3は、位相角βと出力トルクTとの関係を示すグラフである。細い実線は、電流の絶対値がIの場合の出力トルクを示している。1点鎖線は、電流の絶対値がIの66.7%である場合の出力トルクを示している。破線は、電流の絶対値がIの33.3%である場合の出力トルクを示している。
太い実線Aは、正トルクにおける最小電流最大トルク曲線である。太い実線Bは、負トルクにおける最小電流最大トルク曲線である。
最小電流最大トルク曲線A及びB上のd軸電流及びq軸電流の組み合わせを通電することによって、同一トルクを出力するための電流の絶対値を最小にすることができる。このため、制御指令により要求される要求トルクに対して、最小電流最大トルク曲線上のd軸電流及びq軸電流の組み合わせが、通常時の電流指令として選択される。
ここでは、簡単のため、d軸電流及びq軸電流の組み合わせのみで説明したが、界磁電流も含めて最小損失となるようなd軸電流、q軸電流、及び界磁電流が選択されてもよい。また、磁束を推定する場合には、後述する磁束推定制御時における電流指令が選択される。
次に、電圧指令Vu1,Vv1,Vw1の演算方法について説明する。第1電機子巻線111に対する電圧指令Vu1,Vv1,Vw1は、例えば、電流フィードバック制御によって求められる。
電流フィードバック制御においては、第1電機子巻線111を構成する3相の巻線に流れる電流Iu1,Iv1,Iw1が、既存の電流検出器によって検出される。既存の電流検出器は、例えばシャント抵抗である。これらの電流Iu1,Iv1,Iw1は、固定座標系におけるベクトルである。これらの電流Iu1,Iv1,Iw1は、回転座標系におけるd軸電流Id1及びq軸電流Iq1に変換される。
この後、d軸電流Id1とd軸電流指令Id1*との偏差、及びq軸電流Iq1とq軸電流指令Iq1*との偏差がそれぞれゼロとなるように、比例積分制御によって、d軸電圧指令Vd1及びq軸電圧指令Vq1が求められる。d軸電流指令Id1*は、第1電機子巻線111に対する電流指令のd軸成分である。q軸電流指令Iq1*は、第1電機子巻線111に対する電流指令のq軸成分である。
そして、回転座標系におけるd軸電圧指令Vd1及びq軸電圧指令Vq1が固定座標系におけるベクトルに変換されることにより、電圧指令Vu1,Vv1,Vw1が求められる。
なお、電圧指令Vu1,Vv1,Vw1は、フィードフォワード制御、推定値を用いた制御、又は電流フィードバック制御によって求められてもよい。
フィードフォワード制御、及び推定値を用いた制御においては、電圧指令演算部21への電流Iu1,Iv1,Iw1の入力は必須ではない。
なお、電流フィードバック制御においては、d軸電流指令Id1*及びq軸電流指令Iq1*を固定座標系のベクトルに変換することにより得られる、電流指令Iu1*,Iv1*,Iw1*を用いてもよい。
第2電機子巻線112に対する電圧指令Vu2,Vv2,Vw2の演算方法は、電圧指令Vu1,Vv1,Vw1の演算方法と同様である。
なお、第1電機子巻線111及び第2電機子巻線112に対する電圧指令は、d軸和電流Id_sum、q軸和電流Iq_sum、d軸差電流Id_diff、及びq軸差電流Iq_diffを用いた電流フィードバック制御によって、算出されてもよい。
d軸和電流Id_sumは、第1電機子巻線111のd軸電流Id1と第2電機子巻線112のd軸電流Id2との和である。q軸和電流Iq_sumは、第1電機子巻線111のq軸電流Iq1と第2電機子巻線112のq軸電流Iq2との和である。d軸差電流Id_diffは、第1電機子巻線111のd軸電流Id1と第2電機子巻線112のd軸電流Id2との差である。q軸差電流Iq_diffは、第1電機子巻線111のq軸電流Iq1と第2電機子巻線112のq軸電流Iq2との差である。
次に、界磁電圧指令Vfの演算方法について説明する。界磁電圧指令Vfは、例えば、電流フィードバック制御によって求められる。
電流フィードバック制御においては、界磁巻線113に流れる界磁電流Ifが、既存の電流検出器によって検出される。既存の電流検出器は、例えばシャント抵抗である。この後、界磁電流Ifと電流指令との偏差がゼロとなるように、比例積分制御によって、界磁電圧指令Vfが求められる。
なお、界磁電圧指令Vfは、フィードフォワード制御、又は推定値を用いた制御によって求められてもよい。
フィードフォワード制御、及び推定値を用いた制御においては、電圧指令演算部21への界磁電流Ifの入力は必須ではない。
出力電圧生成部22は、電圧指令に基づいて、第1電機子巻線111及び第2電機子巻線112にそれぞれ印加する電圧を生成する。具体的には、出力電圧生成部22は、電圧指令演算部21から出力された電圧指令Vu1,Vv1,Vw1を、パルス幅変調により変調する。これにより、出力電圧生成部22は、電圧指令Vu1,Vv1,Vw1に応じたパルス幅を持つスイッチング信号Qup1~Qwn1を出力する。
なお、スイッチング信号Qup1~Qwn1は、公知の変調方式によって変調された電圧Vu1’,Vv1’,Vw1’から生成してもよい。公知の変調方式としては、空間ベクトル変調、2相変調等が挙げられる。
スイッチング信号Qup2~Qwn2の生成方法、及びスイッチング信号Qp1~Qn2の生成方法は、スイッチング信号Qup1~Qwn1の生成方法と同様である。
磁束推定部23は、電圧指令Vu1,Vv1,Vw1,Vu2,Vv2,Vw2に基づいて、交流回転機105内に発生する磁束φを推定する磁束推定制御を行う。
具体的には、磁束推定部23は、磁束推定制御の実施中における第1電機子巻線111及び第2電機子巻線112のそれぞれの状態値と指令値とに基づいて、磁束φを演算する。状態値は、d軸電流Id1,Id2及びq軸電流Iq1,Iq2である。指令値は、d軸電圧指令Vd1,Vd2及びq軸電圧指令Vq1,Vq2である。
なお、磁束φの演算には、第1電機子巻線111及び第2電機子巻線112のそれぞれのd軸電流及びq軸電流の代わりに、第1電機子巻線111及び第2電機子巻線112のそれぞれに関するd軸電流指令及びq軸電流指令が用いられてもよい。
以下、磁束推定制御時における電流指令の与え方、及び磁束の推定方法について説明する。
界磁巻線113、第1電機子巻線111、及び第2電機子巻線112に関する電圧方程式は、式(2)のように与えられる。式(2)において、ωは電気角速度である。Raは、第1電機子巻線111及び第2電機子巻線112の各抵抗である。Rfは、界磁巻線113の抵抗である。Ldは、d軸自己インダクタンスである。Lqは、q軸自己インダクタンスである。Lfは、界磁巻線113の自己インダクタンスである。Mdは、第1電機子巻線111と第2電機子巻線112との間のd軸相互インダクタンスである。Mqは、第1電機子巻線111と第2電機子巻線112との間のq軸相互インダクタンスである。Lmdは、第1電機子巻線111と界磁巻線113との間及び第2電機子巻線112と界磁巻線113との間の相互インダクタンスである。φf0は、界磁電流Ifがゼロのときの磁束である。sは、ラプラス演算子である。
Figure 2022142257000003
磁束φは式(3)で与えられる。つまり、界磁電流Ifによって磁束φを調整することが可能である。
Figure 2022142257000004
各電機子巻線に印加できる電圧は、直流電圧Vdc以下なので、d軸電流及びq軸電流を安定的に所望の値に制御できる条件は、式(4)に示した通りとなる。従って、式(4)の電圧飽和条件を考慮して、磁束推定制御時の界磁電流Ifを決定することにより、磁束推定部23は、d軸電流Id1,Id2及びq軸電流Iq1,Iq2を指令値通りに出力でき、磁束φの推定精度を向上させることができる。
Figure 2022142257000005
式(5)のように整理すると、定常状態では式(6)が成り立つ。ここで、Vd_sumは、d軸和電圧である。Vq_sumは、q軸和電圧である。Vd_diffは、d軸差電圧である。Vq_diffは、q軸差電圧である。
Figure 2022142257000006
Figure 2022142257000007
式(6)より、磁束φは式(7)によって算出できる。
Figure 2022142257000008
d軸自己インダクタンスLd及びd軸相互インダクタンスMdは、磁気飽和によって変化する。そこで、式(7)の右辺第2項を精度良く算出するために、磁束推定部23は、例えば、予めd軸電流、q軸電流、及び界磁電流と、インダクタンスとの関係を規定したマップを用いて磁束φを算出する。
また、第1電機子巻線111及び第2電機子巻線112の各抵抗Raは、温度によって変化する。そこで、式(7)の右辺第3項を精度良く算出するために、磁束推定部23は、例えば、温度を検出又は推定した上で、予め温度と抵抗Raとの関係を規定したマップを用いて算出する。
インダクタンスは、主に電流によって変化するため、インダクタンス変化の時定数は比較的小さい。これに対し、抵抗は、主に温度によって変化するため、抵抗変化の時定数はインダクタンス変化の時定数よりも大きい。従って、電流制御の演算周期を考慮すると、抵抗成分である式(7)の右辺第3項は、電流が変化しない限り一定と考えてよい。
従って、式(8)のように、d軸和電流Id_sumがゼロに制御されることにより、式(7)の右辺第2項はゼロにされる。このように、磁束推定部23は、電圧指令演算部21によってd軸和電流Id_sumがゼロとされている間に、q軸和電圧Vq_sumに基づいて、磁束φを演算する。これにより、式(9)のように、磁束φに与える影響を、抵抗成分の影響のみとすることができ、磁束φの推定精度を向上させることができる。ここでは、2組の電機子巻線が用いられている場合を説明しているが、1組の電機子巻線のみが用いられている場合であっても、同様に磁束φを算出することができる。
Figure 2022142257000009
Figure 2022142257000010
さらに、式(10)のように、q軸和電流Iq_sumがゼロに制御されることにより、式(9)の右辺第2項もゼロにされる。これにより、式(11)によって、磁束φを算出できるため、磁束の推定精度をさらに向上させることができる。
Figure 2022142257000011
Figure 2022142257000012
出力トルクは、極対数をPとすると、式(12)によって与えられる。
Figure 2022142257000013
式(10)が成立する場合には、出力トルクは式(13)により表されるので、交流回転機105は、ゼロではない出力トルクを得ることができる。
Figure 2022142257000014
本実施の形態の交流回転機105は、2組の電機子巻線を有している。このため、力行トルクを得るためには、回転機制御部20は、d軸差電流Id_diffとq軸差電流Iq_diffとを、互いに同符号になるように制御すればよい。また、回生トルクを得るためには、回転機制御部20は、d軸差電流Id_diffとq軸差電流Iq_diffとを、互いに異符号になるように制御すればよい。
q軸和電流Iq_sumが式(10)を満たす場合には、式(12)の右辺第1項のマグネットトルク成分がゼロとなる。このため、出力トルクTを得るためには、右辺第2項のリラクタンストルク成分によって、出力トルクTが賄われる必要がある。そこで、磁束推定部23は、式(9)の右辺第2項における各電機子巻線の抵抗Raを、式(14)から同定する。
Figure 2022142257000015
d軸差電流Id_diff及びq軸差電流Iq_diffが式(15)を満たすように制御される場合、各電機子巻線の抵抗Raは式(16)により算出できる。
Figure 2022142257000016
Figure 2022142257000017
磁束φは、式(17)により推定される。
Figure 2022142257000018
このとき、出力トルクTは式(18)によって表される。そのため、以下のような簡単な方法により、交流回転機105は、磁束推定部23によって磁束φが推定されている間に出力トルクTを得ることができる。簡単な方法では、まず、第1電機子巻線111に関するd軸電流指令Id1*と、第2電機子巻線112に関するd軸電流指令Id2*とが等しい値に設定される。その一方で、第1電機子巻線111に関するq軸電流指令Iq1*と、第2電機子巻線112に関するq軸電流指令Iq2*とが異なる値に設定される。この方法によれば、出力トルクTをマグネットトルクのみで表現することが可能なため、要求トルクに対する電流指令を決定しやすい。
Figure 2022142257000019
d軸差電流Id_diff及びq軸差電流Iq_diffが式(19)を満たすように制御される場合、各電機子巻線の抵抗Raは、式(20)により算出される。
Figure 2022142257000020
Figure 2022142257000021
このとき、磁束φは、式(21)により推定される。
Figure 2022142257000022
このときの出力トルクTは式(18)によって表される。そのため、以下のような簡単な方法により、交流回転機105は、磁束推定部23によって磁束φが推定されている間に出力トルクTを得ることができる。簡単な方法では、まず、第1電機子巻線111に関するq軸電流指令Iq1*と、第2電機子巻線112に関するq軸電流指令Iq2*とが等しい値に設定される。その一方で、第1電機子巻線111に関するd軸電流指令Id1*と、第2電機子巻線112に関するd軸電流指令Id2*とが異なる値に設定される。q軸電流指令Iq2*は、第2電機子巻線112に対する電流指令のq軸成分である。q軸電流指令Id2*は、第2電機子巻線112に対する電流指令のd軸成分である。
なお、磁束推定制御時の出力トルクTをゼロとするためには、電圧指令演算部21は、d軸電流指令Id1*,Id2*及びq軸電流指令Iq1*,Iq2*をゼロにして、磁束推定部23は、q軸電圧指令Vq1,Vq2を用いて磁束を算出すればよい。
次に、図は省略するが、交流回転機105が3組の電機子巻線を有する交流回転機である場合について説明する。磁束φは、式(22)により与えられる。このため、式(8)を満たすようにd軸和電流Id_sumが制御されることによって、磁束推定部23は、式(23)により磁束φを算出することができる。
Figure 2022142257000023
Figure 2022142257000024
さらに、式(10)のようにq軸和電流Iq_sumがゼロに制御されることにより、磁束推定部23は、式(24)によって磁束φを算出することができる。
Figure 2022142257000025
このとき、出力トルクTは式(25)で与えられる。このため、回転機制御部20は、d軸電流Id1,Id2及びq軸電流Iq1,Iq2を式(26)のように通電する。そして、回転機制御部20は,3組のうち第1組の電流指令のd軸成分と第2組の電流指令のd軸成分との差、及び第1組の電流指令のq軸成分と第2組の電流指令のq軸成分との差を、それぞれゼロではない値とする。これにより、ゼロではない出力トルクを得ることができる。
Figure 2022142257000026
Figure 2022142257000027
また、式(23)の右辺第2項における各電機子巻線の抵抗Raは、2組の場合と同様に、式(27)によって同定される。ここで、Vd_diff12は、第1組と第2組との間のd軸差電圧である。Vq_diff12は、第1組と第2組との間のq軸差電圧である。Id_diff12は、第1組と第2組との間のd軸差電流である。Iq_diff12は、第1組と第2組との間のq軸差電流である。
Figure 2022142257000028
以上、1組~3組の電機子巻線を有する交流回転機の場合について説明したが、mを自然数としたとき、m組の電機子巻線を有する交流回転機についても、同様の効果を得ることができる。
mを自然数として、交流回転機105がm組の電機子巻線を有しているとき、磁束推定部23は、m組の電流指令のd軸成分の和をゼロとして制御した状態における電圧指令のq軸成分を用いて、磁束を演算することができる。
なお、回転子に界磁巻線113が設けられておらず、回転子に磁石が設けられている交流回転機では、式(28)により磁束φが与えられる。ここで、φmは磁石の磁束である。また、回転子に界磁巻線113及び磁石が設けられている交流回転機では、式(29)により磁束φが与えられる。
Figure 2022142257000029
Figure 2022142257000030
図4は、図1の回転機制御部20の動作を示すフローチャートである。図4に示す処理は、式(9)により磁束φを算出する例である。回転機制御部20は、図4に示す処理を、予め設定されたタイミングで実行する。
回転機制御部20は、まずステップS101において、界磁巻線113に流す界磁電流Ifを決定する。
次いで、回転機制御部20は、ステップS102において、第1電機子巻線111のd軸電流Id1と第2電機子巻線112の軸電流Id2との和、即ち、d軸和電流Id_sumが0となるように電流指令Id1*,Id2*,Iq1*,Iq2*を生成する。
次いで、回転機制御部20は、ステップS103において、生成された電流指令Id1*,Id2*,Iq1*,Iq2*に基づいて、電圧指令Vd1,Vd2,Vq1,Vq2を演算する。
次いで、回転機制御部20は、ステップS104において、第1電圧印加部106、第2電圧印加部107、及び界磁電圧印加部108に対して、それぞれ電圧指令を出力する。
次いで、回転機制御部20は、ステップS105において、電圧指令Vd1,Vd2,Vq1,Vq2に基づいて、交流回転機105内に発生する磁束φを演算し、その回の処理を終了する。
図5は、図1の回転機制御部20の動作を示すフローチャートである。図5に示す処理は、式(11)により磁束φを算出する例である。回転機制御部20は、図5に示す処理を、予め設定されたタイミングで実行する。
図5において、図4と同一のステップには同一のステップ番号が付されている。図4と同一のステップについての説明は省略される。
回転機制御部20は、図5に示す処理を開始すると、ステップS101、S201、S103、S104、S105を順に実行し、その回の処理を終了する。ステップS201においては、回転機制御部20は、d軸和電流Id_sumが0且つq軸和電流Iq_sumが0となるように電流指令Id1*,Id2*,Iq1*,Iq2*を生成する。
このような交流回転機の制御装置では、回転機制御部20は、電圧指令演算部21及び磁束推定部23を有している。電圧指令演算部21は、d軸和電流Id_sumをゼロとする。磁束推定部23は、電圧指令演算部21によってd軸和電流Id_sumがゼロとされている間に、q軸和電圧Vq_sumに基づいて、磁束φを算出する。
つまり、d軸和電流Id_sumをゼロとして、交流回転機105を制御することにより、以下の式(30)に示すように、負荷電流による変化が大きいインダクタンスの項を削除することができる。このため、交流回転機105内に発生する磁束の推定精度をより向上させることができる。なお、式(30)において、mは自然数である。
Figure 2022142257000031
また、磁束推定部23は、式(9)により磁束φを算出する。電機子巻線の組がm組である場合には、磁束φは、以下の式(31)により算出される。このため、q軸和電圧Vq_sum及びq軸和電流Iq_sumに基づいて、磁束φを推定できる。
Figure 2022142257000032
また、電圧指令演算部21は、d軸和電流Id_sum及びq軸和電流Iq_sumをゼロとする。磁束推定部23は、電圧指令演算部21によりd軸和電流Id_sum及びq軸和電流Iq_sumがゼロとされている間に、q軸和電圧をVq_sumに基づいて、磁束φを算出する。このため、q軸和電圧Vq_sumから、抵抗Raの項を削除できるため、磁束φの推定精度をより向上させることができる。
また、m組が3組以上である場合、電圧指令演算部21は、m組の電機子巻線のうち、少なくとも2組の電機子巻線に対応するd軸差電流及びq軸差電流をともにゼロではない値とする。磁束推定部23は、d軸差電流及びq軸差電流がともにゼロではない値とされている間に、q軸和電圧に基づいて、磁束φを算出する。このため、q軸和電流をゼロとしても、以下の式(32)に示したように、出力トルクを得ることができる。
Figure 2022142257000033
また、磁束推定部23は、以下の式(33)により磁束φを算出する。このため、q軸和電圧Vq_sumと電気角周波数ωとの比から容易に磁束を推定できる。
Figure 2022142257000034
また、m組が2組以上である場合、電圧指令演算部21は、第1設定条件及び第2設定条件のいずれか一方の条件を満たすように電流指令を設定する。第1設定条件は、m組の電流指令のうちの第p1組の電流指令のd軸成分と第p2組の電流指令のd軸成分とを等しく、且つ第p1組の電流指令のq軸成分と第p2組の電流指令のq軸成分とを異なる値に設定する条件である。第2設定条件は、m組の電流指令のうちの第p1組の電流指令のd軸成分と第p2組の電流指令のd軸成分とを異なる値に設定し、且つ第p1組の電流指令のq軸成分と第p2組の電流指令のq軸成分とを等しくする条件である。磁束推定部は、電流指令が、第1設定条件及び第2設定条件のいずれか一方の条件を満たしている間に、m組の電機子巻線の各抵抗を同定する。
このため、d軸差電圧Vd_diffとd軸差電流Id_diffとの関係、又はq軸差電圧Vq_diffとq軸差電流Iq_diffとの関係から電機子巻線の各抵抗Raを同定することができる。即ち、電機子巻線の各抵抗Raは、電流指令のq軸成分を等しくした場合、以下の(34)式から同定され、電流指令のd軸成分を等しくした場合、以下の(35)式から同定される。
Figure 2022142257000035
Figure 2022142257000036
また、磁束推定部23は、第p1組の電流指令のd軸成分及びq軸成分と、第p2組の電流指令のd軸成分及びq軸成分のうち、異なる値に設定されている方の軸成分をx軸成分、q軸和電圧をVq_sum、q軸和電流をIq_sum、第p1組の電圧指令のx軸成分と第p2組の電圧指令のx軸成分との差分をVx_diff、第p1組の電流指令のx軸成分と第2組の電流指令のx軸成分との差分をIx_diff、電気角周波数をω、磁束をφとすると、以下の式(36)により磁束を算出する。
Figure 2022142257000037
このように、x軸差電圧Vx_diff及びx軸差電流Ix_diffから同定された抵抗Raを用いて磁束φを算出するため、磁束の推定精度をより向上させることができる。
また、m組が2組である場合において、磁束推定部23は、m組のうち第1組の電流指令及び第2組の電流指令が第1設定条件を満たしている間、2組の電機子巻線の各抵抗を同定する。このように、d軸成分をゼロとすることにより、交流回転機105の出力トルクTをマグネットトルクによって決定することができる。このため、2組の電機子巻線の各抵抗をより精度よく同定することができる。
また、電圧指令演算部21は、界磁巻線113に流れる電流を電機子巻線の端子電圧が飽和する電流である飽和電流未満に設定し、磁束推定部23は、界磁巻線113に流れる電流が飽和電流未満となっている間に、磁束φを算出する。このため、端子電圧が飽和させることなく、交流回転機105内に発生する磁束φを推定することができる。
また、磁束推定部23は、交流回転機105がゼロではないトルクを出力している間に、磁束φを算出する。このため、交流回転機105にトルクを出力させながら、磁束φを推定することができる。
また、回転子に永久磁石が用いられている場合、磁束推定部23は、永久磁石による磁束の大きさを推定することができる。
実施の形態2.
図6は、実施の形態2による交流回転機、電圧印加部、及び交流回転機の制御装置を示す概略の回路図である。実施の形態2による回転機制御部20は、さらに、劣化判定部24を有している。
劣化判定部24は、磁束推定部23において算出された磁束φが設定範囲にあるかどうかを判定する。また、劣化判定部24は、磁束推定部23において算出された磁束φが設定範囲を逸脱した場合、交流回転機105の性能が劣化していると判定する。
図7は、界磁電流Ifと磁束φとの関係を示すグラフである。交流回転機105の性能が正常である場合における磁束φは、実線により示されている。磁束φは、界磁電流Ifが増加するほど大きくなる。交流回転機105の性能が正常である場合における磁束φidealは、式(37)のように表すことができる。
Figure 2022142257000038
例えば、何らかの要因により、回転子の界磁が減磁した場合には、磁束推定部23により得られた磁束φが、図7の破線のようになり、界磁電流Ifによらず、交流回転機105の性能が正常である場合とくらべて低下する。従って、交流回転機105の出力トルクの最大値は低下する。劣化判定部24は、式(38)を満たす場合、交流回転機105の性能が劣化していると判定する。
式(38)において、φthは、判定用磁束である。例えば、交流回転機105がアイドルストップの機能を有する車両の発電電動機として用いられる場合、判定用磁束φthは、車両のエンジンを再始動させるために必要な出力トルクから決定される。
Figure 2022142257000039
図8は、図6の回転機制御部20の動作を示すフローチャートである。図8において、ステップS101からステップS105までの各処理は、図4と同様である。
回転機制御部20は、ステップS301において、交流回転機105の性能の劣化判定を行う。言い換えると、回転機制御部20は、交流回転機105の性能が正常であるかどうかを判定する。
交流回転機105の性能が正常であると判定された場合、回転機制御部20は、ステップS302において、回転機異常フラグFlagmの値を「0」に設定し、その回の処理を終了する。
一方、交流回転機105の性能が正常ではないと判定された場合、即ち、交流回転機105の性能が劣化していると判定された場合、回転機制御部20は、ステップS303において、回転機異常フラグFlagmの値を「1」に設定する。その後、回転機制御部20は、その回の処理を終了する。
図6に示す構成及び図8に示す動作を除いて、他の構成及び動作は実施の形態1と同様である。
このような交流回転機105の制御装置によっても、交流回転機105内に発生する磁束の推定精度をより向上させることができ、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、回転機制御部20は、劣化判定部24を有している。劣化判定部24は、磁束推定部23により算出された磁束φに基づいて、交流回転機105の性能劣化を判定する。このため、交流回転機105の性能劣化をより精度よく判定できる。
ここで、実施の形態1、2のアイドルストップ制御装置1の各機能は、処理回路によって実現される。図9は、実施の形態1、2による交流回転機105の制御装置の各機能を実現する処理回路の第1の例を示す構成図である。第1の例の処理回路100は、専用のハードウェアである。
また、処理回路100は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものが該当する。また、交流回転機105の制御装置の各機能それぞれを個別の処理回路100によって実現してもよいし、各機能をまとめて処理回路100によって実現してもよい。
また、図10は、実施の形態1、2による交流回転機105の制御装置の各機能を実現する処理回路の第2の例を示す構成図である。第2の例の処理回路200は、プロセッサ201及びメモリ202を備えている。
処理回路200では、交流回転機105の制御装置の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ202に格納される。プロセッサ201は、メモリ202に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各機能を実現する。
メモリ202に格納されたプログラムは、上述した各部の手順又は方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。ここで、メモリ202とは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリである。また、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等も、メモリ202に該当する。
なお、上述した各部の機能について、一部を専用のハードウェアによって実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアによって実現するようにしてもよい。
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって、上述した各部の機能を実現することができる。
20 回転機制御部、21 電圧指令演算部、23 磁束推定部、24 劣化判定部、105 交流回転機、106 第1電圧印加部、107 第2電圧印加部、111 第1電機子巻線、112 第2電機子巻線。
Figure 2022142257000053

Claims (11)

  1. mを自然数として、交流回転機におけるm組の電機子巻線のそれぞれに電圧を印加するための複数の電圧指令を演算する回転機制御部を備え、
    前記回転機制御部は、
    複数の電流指令を演算し、前記複数の電流指令に基づいて、前記複数の電圧指令を演算する電圧指令演算部と、
    前記複数の電圧指令に基づいて、前記交流回転機内に発生する磁束を推定する磁束推定部と
    を有し、
    前記電圧指令演算部は、前記複数の電流指令のそれぞれのd軸成分の和であるd軸和電流をゼロとし、
    前記磁束推定部は、前記電圧指令演算部によって前記d軸和電流がゼロとされている間に、前記複数の電圧指令のそれぞれのq軸成分の和であるq軸和電圧に基づいて、前記磁束を算出する
    交流回転機の制御装置。
  2. 前記磁束推定部は、前記q軸和電圧をVq_sum、前記複数の電流指令のそれぞれのq軸成分の和であるq軸和電流をIq_sum、前記m組の電機子巻線の各抵抗をRa、電気角周波数をω、前記磁束をφとしたとき、
    Figure 2022142257000040
    により前記磁束を算出する
    請求項1に記載の交流回転機の制御装置。
  3. 前記電圧指令演算部は、前記d軸和電流及び前記複数の電流指令のそれぞれのq軸成分の和であるq軸和電流をゼロとし、
    前記磁束推定部は、前記電圧指令演算部によって前記d軸和電流及び前記q軸和電流がゼロとされている間に、前記q軸和電圧に基づいて、前記磁束を算出する
    請求項1に記載の交流回転機の制御装置。
  4. 前記m組が3組以上である場合において、
    前記電圧指令演算部は、前記m組の電機子巻線のうち、少なくとも2組の電機子巻線に対応する前記複数の電流指令のそれぞれのd軸成分の差分であるd軸差電流及びq軸成分の差分であるq軸差電流をともにゼロではない値とし、
    前記磁束推定部は、前記d軸差電流及び前記q軸差電流がともにゼロではない値とされている間に、前記q軸和電圧に基づいて、前記磁束を算出する
    請求項3に記載の交流回転機の制御装置。
  5. 前記磁束推定部は、前記q軸和電圧をVq_sum、電気角周波数をω、前記磁束をφとしたとき、
    Figure 2022142257000041
    により前記磁束を算出する
    請求項3又は請求項4に記載の交流回転機の制御装置。
  6. 前記m組が2組以上である場合において、
    前記電圧指令演算部は、前記m組の前記電流指令のうちの第p1組の前記複数の電流指令のd軸成分と第p2組の前記複数の電流指令のd軸成分とを等しく、且つ前記第p1組の前記複数の電流指令のq軸成分と前記第p2組の前記複数の電流指令のq軸成分とを異なる値に設定する第1設定条件、及び前記第p1組の前記複数の電流指令のd軸成分と前記第p2組の前記複数の電流指令のd軸成分とを異なる値に設定し、且つ前記第p1組の前記複数の電流指令のq軸成分と前記第p2組の前記複数の電流指令のq軸成分とを等しくする第2設定条件のいずれか一方の条件を満たすように前記電流指令を設定し、
    前記磁束推定部は、前記複数の電流指令が、前記第1設定条件及び前記第2設定条件のいずれか一方の条件を満たしている間に、前記m組の電機子巻線の各抵抗を同定する
    請求項1に記載の交流回転機の制御装置。
  7. 前記磁束推定部は、前記第p1組の前記複数の電流指令のd軸成分及びq軸成分と、前記第p2組の前記複数の電流指令のd軸成分及びq軸成分のうち、異なる値に設定されている方の軸成分をx軸成分、前記q軸和電圧をVq_sum、前記複数の電流指令のq軸成分の和であるq軸和電流をIq_sum、前記第p1組の前記複数の電圧指令の前記x軸成分と前記第p2組の前記複数の電圧指令の前記x軸成分との差分をVx_diff、前記第p1組の前記複数の電流指令の前記x軸成分と前記第p2組の前記複数の電流指令の前記x軸成分との差分をIx_diff、電気角周波数をω、前記磁束をφとすると、
    Figure 2022142257000042
    により前記磁束を算出する
    請求項6に記載の交流回転機の制御装置。
  8. 前記m組が2組である場合において、
    前記磁束推定部は、前記m組のうち第1組の前記複数の電流指令及び第2組の前記複数の電流指令が前記第1設定条件を満たしている間、前記2組の電機子巻線の各抵抗を同定する
    請求項6に記載の交流回転機の制御装置。
  9. 前記回転機制御部は、劣化判定部をさらに有し、
    前記劣化判定部は、前記磁束推定部により算出された前記磁束に基づいて、前記交流回転機の性能劣化を判定する
    請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の交流回転機の制御装置。
  10. 前記電圧指令演算部は、前記交流回転機の回転子に収納されている界磁巻線に流れる電流を、前記電機子巻線の端子電圧が飽和する電流である飽和電流未満に設定し、
    前記磁束推定部は、前記界磁巻線に流れる電流が前記飽和電流未満となっている間に、前記磁束を算出する
    請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の交流回転機の制御装置。
  11. 前記磁束推定部は、前記交流回転機がゼロではないトルクを出力している間に、前記磁束を算出する
    請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の交流回転機の制御装置。
JP2021042369A 2021-03-16 2021-03-16 交流回転機の制御装置 Active JP7183322B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021042369A JP7183322B2 (ja) 2021-03-16 2021-03-16 交流回転機の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021042369A JP7183322B2 (ja) 2021-03-16 2021-03-16 交流回転機の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022142257A true JP2022142257A (ja) 2022-09-30
JP7183322B2 JP7183322B2 (ja) 2022-12-05

Family

ID=83420550

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021042369A Active JP7183322B2 (ja) 2021-03-16 2021-03-16 交流回転機の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7183322B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09294354A (ja) * 1996-04-26 1997-11-11 Toshiba Corp 永久磁石モータ
WO2015068258A1 (ja) * 2013-11-08 2015-05-14 三菱電機株式会社 交流回転機の制御装置
JP2015177600A (ja) * 2014-03-13 2015-10-05 日本特殊陶業株式会社 永久磁石式同期モータのベクトル制御装置及び磁石磁束推定装置
JP2018057084A (ja) * 2016-09-26 2018-04-05 株式会社ジェイテクト モータ制御装置
WO2019239657A1 (ja) * 2018-06-12 2019-12-19 株式会社日立製作所 永久磁石同期電動機の駆動装置、駆動システムおよび駆動方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09294354A (ja) * 1996-04-26 1997-11-11 Toshiba Corp 永久磁石モータ
WO2015068258A1 (ja) * 2013-11-08 2015-05-14 三菱電機株式会社 交流回転機の制御装置
JP2015177600A (ja) * 2014-03-13 2015-10-05 日本特殊陶業株式会社 永久磁石式同期モータのベクトル制御装置及び磁石磁束推定装置
JP2018057084A (ja) * 2016-09-26 2018-04-05 株式会社ジェイテクト モータ制御装置
WO2019239657A1 (ja) * 2018-06-12 2019-12-19 株式会社日立製作所 永久磁石同期電動機の駆動装置、駆動システムおよび駆動方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7183322B2 (ja) 2022-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ye et al. A fixed-switching-frequency integral sliding mode current controller for switched reluctance motor drives
JP5156352B2 (ja) 交流モータの制御装置
US8497645B2 (en) Control device for electric motor drive device
US20150236625A1 (en) Apparatus and method of driving a plurality of permanent magnet synchronous motors using single inverter
WO2013137146A1 (ja) 電動機の制御装置及び電動機の制御方法
JP5333256B2 (ja) 交流回転機の制御装置
JP6414771B2 (ja) モータ制御装置及びモータ制御方法
JP2018042324A (ja) インバータ制御装置および電動機駆動システム
JP6687228B1 (ja) 交流回転電機の制御装置
JP6742393B2 (ja) 電力変換装置、発電電動機の制御装置、および、電動パワーステアリング装置
JP6113651B2 (ja) 多相電動機駆動装置
JP2010172133A (ja) Ipmモータ制御装置及び制御方法
JP7329735B2 (ja) モータ制御装置
JP7183322B2 (ja) 交流回転機の制御装置
JP6358103B2 (ja) 多重巻線回転電機の制御装置
CN114731114A (zh) 电动机控制装置
JP2018057077A (ja) 電動機制御装置およびドライブシステム
US11646686B2 (en) Controller for AC rotary electric machine
JP3951830B2 (ja) モータ制御装置
JP7211242B2 (ja) 変調方式切替装置
CN112865613A (zh) 一种半集中式开绕组电机驱动系统的控制方法
Guo et al. High precision control of flux switching linear rotary machine for reelwinder
Zhou et al. Compensation for rotor position detection error in sensorless DSEM drive based on line-voltage difference
JP2022142254A (ja) アイドルストップ制御装置
US20220278621A1 (en) Power conversion apparatus

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210316

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220510

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220630

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221025

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221122

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7183322

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150