JP2022140889A - 圧電振動片及び圧電振動子 - Google Patents

圧電振動片及び圧電振動子 Download PDF

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Abstract

Figure 2022140889000001
【課題】水晶によって形成された圧電板を備える圧電振動片において、エッチング残りが形成する鋭角構造によって圧電振動片が損傷することを抑止可能とする。
【解決手段】水晶によって形成された圧電板30を備え、圧電板30が、基部35と、基部35に接続された一対の第1振動腕部31及び第2振動腕部32と、基部35に接続された第1支持腕部33及び第2支持腕部34とを有する圧電振動片3であって、基部35、第1振動腕部31及び第2振動腕部32及び第1支持腕部33及び第2支持腕部34のいずれかあるいは複数によって形成された第1凹部50及び第2凹部51を有し、第1凹部50及び第2凹部51に設けられると共に、基部35の厚さ方向から見て第1凹部50及び第2凹部51のエッチング残りにより形成される鋭角構造の発生を抑制する拡幅部36を有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、圧電振動片及び圧電振動子に関するものである。
例えば、特許文献1には、基部に接続された支持腕部と、基部に接続された一対の振動腕部を有する音叉型水晶素子が開示されている。特許文献1に開示された音叉型水晶素子は、平板状の基部の一側面から延設された第1支持腕部と、第1支持腕部の先端から振動腕部に沿って延設された第2支持腕部とを有しており、さらに第2支持腕部の外側の角部に設けられた切欠きを有する。このような特許文献1に開示された音叉型水晶素子によれば、製造工程にて第2支持腕部の外側の角部が搬送装置等に接触して欠けることを防止することができる。
特開2018-88576号公報
ところで、上述のような音叉型水晶素子からなる圧電振動片は、水晶からなる圧電板を有する。この圧電板は、基部と、支持腕部と、支持腕部とのいずれかあるいは複数によって形成された凹部を有することが一般的である。例えば、L字形の支持腕部が基部に接続されたサイドアーム型の圧電振動片では、支持腕部の側面と基部の側面とによって上記凹部が形成される。また、単一の支持腕部を間に挟むようにして振動腕部が支持腕部と平行に直線状の延伸するセンタアーム型の圧電振動片では、支持腕部の側面と、基部の側面と、振動腕部の側面とによって上記凹部が形成される。水晶からなる圧電板をウェットエッチングによって形成する場合には、上記凹部にエッチングされずに残ったエッチング残りが発生する。このようなエッチング残りは、奥部が尖った亀裂状の鋭角構造を形成する。鋭角構造は、圧電振動片に生じるひび割れの起点となる場合があり、支持腕部等が折れる原因となる場合がある。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、水晶によって形成された圧電板を備える圧電振動片において、エッチング残りが形成する鋭角構造によって圧電振動片が損傷することを抑止可能とすることを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
本発明の第1の態様は、水晶によって形成された圧電板を有し、上記圧電板が、基部と、上記基部に接続された一対の振動腕部と、上記基部に接続された支持腕部とを有する圧電振動片であって、上記基部、上記振動腕部及び上記支持腕部のいずれかあるいは複数によって形成された凹部を有し、上記凹部に設けられると共に、上記基部の厚さ方向から見て上記凹部のエッチング残りにより形成される鋭角構造の発生を抑制する鋭角構造発生抑制機能部を有するという構成を採用する。
水晶によって形成された圧電板におけるエッチング残りの形状は、結晶軸の方向に依存して定まる。すなわち、結晶軸の方向が同一の圧電板を形成した場合には、同一形状のエッチング残りが発生する。このため、圧電板に発生するエッチング残りの形状については予め予測可能であり、このようなエッチング残りによって形成される鋭角構造の形状及び位置も予測可能である。本発明においては、このように予め形状や位置が予測可能なエッチング残りにおける鋭角構造の発生を抑制する鋭角構造発生抑制機能部が設けられている。また、鋭角構造発生抑制機能部は、基部、振動腕部及び支持腕部のいずれかあるいは複数によって形成された狭隘な凹部に設けられている。このような狭隘な凹部ではエッチング残りによる鋭角構造が発生しやすいものの、本発明によれば、鋭角構造発生抑制機能部によって、鋭角構造発生抑制機能部が設けられていない場合と比較して凹部にて鋭角構造が発生することを抑制することができる。したがって、本発明によれば、水晶によって形成された圧電板を備える圧電振動片において、エッチング残りが形成する鋭角構造によって圧電振動片が損傷することを抑止することが可能となる。
本発明の第2の態様は、上記第1の態様において、上記凹部が、上記基部、上記振動腕部及び上記支持腕部のいずれかあるいは複数によって形成された角部を有し、上記鋭角構造発生抑制機能部が、上記角部を埋設して設けられた拡幅部であるという構成を採用する。
本発明によれば、鋭角構造発生抑制機能部が拡幅部であるため、例えば鋭角構造発生抑制機能部が溝部等である場合と比較して、圧電振動片の強度を向上させることが可能である。したがって、本発明によれば、圧電振動片が損傷することをより確実に抑止することが可能となる。
本発明の第3の態様は、上記第2の態様において、上記拡幅部の厚さ寸法が、少なくとも上記基部と同一であるという構成を採用する。
本発明によれば、拡幅部の厚さ寸法が基部と同一であるため、製造工程においてエッチングによる基部の形成と同時に拡幅部を形成することができ、さらに基部の形成後に拡幅部の後加工を行う必要がない。このため、簡易に拡幅部を形成することが可能となる。
本発明の第4の態様は、上記第2または第3の態様において、上記拡幅部が、上記角部を形成する第1側面と第2側面とに対して傾斜した傾斜面を有するという構成を採用する。
本発明によれば、拡幅部の面と凹部の内壁面との接続角度を浅くすることができ、拡幅部と凹部の内壁面との境界部分にエッチング残りによる鋭角構造が発生することを抑止することが可能となる。
本発明の第5の態様は、上記第4の態様において、上記拡幅部が、上記第1側面及び上記第2側面に対する傾斜角度が異なる複数の上記傾斜面を有し、最も上記第1側面側に位置する上記傾斜面の上記第1側面に対する傾斜角度が、他の上記傾斜面の上記第1側面に対する傾斜角度に対して最も小さく、最も上記第2側面側に位置する上記傾斜面の上記第2側面に対する傾斜角度が、他の上記傾斜面の上記第2側面に対する傾斜角度に対して最も小さいという構成を採用する。
このような本発明によれば、拡幅部が角度の異なる複数の傾斜面を有しているため、最も第1側面側に位置する傾斜面の傾斜角度を第1側面に対して小さくし、最も第2側面側に位置する傾斜面の傾斜角度を第2側面に対して小さくすることができる。このため、本発明によれば、拡幅部が単一の傾斜面を有する場合と比較して、拡幅部の面と凹部の内壁面との接続角度をより浅くすることができ、拡幅部と凹部の内壁面との境界部分にエッチング残りによる鋭角構造が発生することをより抑止することが可能となる。
本発明の第6の態様は、上記第2または第3の態様において、上記拡幅部が、上記第1側面と上記第2側面とを接続すると共に上記角部に向けて途中部位が窪む湾曲面を有するという構成を採用する。
このような本発明によれば、拡幅部の面と凹部の内壁面との接続角度を浅くすることができ、拡幅部と凹部の内壁面との境界部分にエッチング残りによる鋭角構造が発生することを抑止することが可能となる。
本発明の第7の態様は、上記第6の態様において、上記湾曲面の中央部から上記第1側面側に向かうに連れて上記湾曲面の接線と上記第1側面とが成す角度が小さくなり、上記湾曲面の中央部から上記第2側面に向かうに連れて上記湾曲面の接線と上記第2側面とが成す角度が小さくなるように、上記湾曲面の位置に応じて曲率が変化するという構成を採用する。
このような本発明によれば、拡幅部の湾曲面が位置に応じて曲率が変化するため、湾曲面の中央部から第1側面側に向かうに連れて湾曲面の接線と第1側面とが成す角度を小さくし、湾曲面の中央部から第2側面に向かうに連れて湾曲面の接線と第2側面とが成す角度を小さくすることができる。このため、本発明によれば、拡幅部の湾曲面の曲率が一定である場合と比較して、拡幅部の面と凹部の内壁面との接続角度をより浅くすることができ、拡幅部と凹部の内壁面との境界部分にエッチング残りによる鋭角構造が発生することをより抑止することが可能となる。
本発明の第8の態様は、上記第2または第3の態様において、上記拡幅部が、上記振動腕部の側面と上記支持腕部の側面とに接続されており、上記振動腕部側の部位の上記基部からの突出量が、上記支持腕部側の部位の上記基部からの突出量よりも小さいという構成を採用する。
このような本発明によれば、拡幅部の振動腕部との接触面積を拡幅部の支持腕部との接触面積よりも小さくすることが可能である。このため、拡幅部が振動腕部の振動に与える影響を小さくすることができ、拡幅部が圧電振動片の振動特性に影響を与えることを抑止することが可能となる。
本発明の第9の態様は、上記第1~第8いずれかの態様において、一対の振動腕部を間に挟んで各々が上記振動腕部と平行に配設された2つの上記支持腕部を有するという構成を採用する。
このような本発明によれば、一対の振動腕部に対する両側の各々に支持腕部が配置されたサイドアーム型の圧電振動片において、エッチング残りが形成する鋭角構造によって圧電振動片が損傷することを抑止することが可能となる。
本発明の第10の態様は、上記第1~第8いずれかの態様において、一対の振動腕部の間に配置された単一の上記支持腕部を有するという構成を採用する。
このような本発明によれば、単一の支持腕部に対する両側の各々に振動腕部が配置されたセンタアーム型の圧電振動片において、エッチング残りが形成する鋭角構造によって圧電振動片が損傷することを抑止することが可能となる。
本発明の第11の態様は、上記第1~第10いずれかの態様において、結晶の電気軸がX軸、機械軸がY軸、及び光軸がZ軸である座標系に対して、Z軸をX軸回りに-5°~+10°の範囲内で回転させた新たな軸をZ′軸とし、X軸を回転軸としてZ軸及びY軸を含む平面内でZ軸と同じ角度でY軸を回転させたときの新たな軸をY´軸とした場合における、X軸とY´軸とZ´軸からなる直交座標系にて、Z´軸からの平面視において、上記振動腕部及び上記支持腕部は、X軸-Y´軸を含む平面に沿って上記基部から延伸して設けられているという構成を採用する。
上述のようなX軸-Y´軸を含む平面に沿って振動腕部及び支持腕部が基部から延伸して設けられた圧電振動片では、基部、振動腕部及び支持腕部のいずれかあるいは複数によって形成された凹部に対して、エッチング残りによる鋭角構造が生じやすい。本発明によれば、このような圧電振動片に対して、鋭角構造発生抑制機能部を設けるため、より効果的に圧電振動片が損傷することを抑止することが可能となる。
本発明の第12の態様は、圧電振動子であって、上記第1~第11のいずれかの態様である圧電振動片と、上記圧電振動片を気密封止すると共に上記支持腕部を介して上記圧電振動片が実装されたパッケージとを備える。
本発明によれば、エッチング残りによる鋭角構造に起因した圧電振動片の損傷が抑止可能な圧電振動子を提供することが可能となる。
本発明によれば、水晶によって形成された圧電板を備える圧電振動片において、エッチング残りが形成する鋭角構造によって圧電振動片が損傷することを抑止することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係る圧電振動子の外観斜視図である。 封口板を取り外した状態を示す圧電振動子の平面図である。 図2のI-I線に相当する断面図である。 本発明の第1実施形態に係る圧電振動子の分解斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る圧電振動片の平面図である。 図5のII-II線に相当する断面図である。 (a)が本発明の第1実施形態に係る圧電板の第1凹部を含む模式的な拡大図であり、(b)が拡幅部を設けない場合の第1凹部の模式的な拡大図である。 第1実施形態に係る圧電振動片の製造方法を示すフローチャートである。 (a)が本発明の第2実施形態に係る第1凹部に設けられた拡幅部の模式的な拡大図であり、(b)が本発明の第2実施形態に係る第2凹部に設けられた拡幅部の模式的な拡大図である。 (a)が本発明の第3実施形態に係る第1凹部に設けられた拡幅部の模式的な拡大図であり、(b)が本発明の第3実施形態に係る第2凹部に設けられた拡幅部の模式的な拡大図である。 (a)が本発明の第4実施形態に係る第1凹部に設けられた拡幅部の模式的な拡大図であり、(b)が本発明の第4実施形態に係る第2凹部に設けられた拡幅部の模式的な拡大図である。 (a)が本発明の第5実施形態に係る第1凹部に設けられた拡幅部の模式的な拡大図であり、(b)が本発明の第5実施形態に係る第2凹部に設けられた拡幅部の模式的な拡大図である。 本発明の第6実施形態に係る圧電振動片の平面図である。 本発明の第7実施形態に係る発振器を示す模式図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る圧電振動片及び圧電振動子の一実施形態について説明する。
(第1実施形態)
(圧電振動子)
図1は、本実施形態に係る圧電振動子の外観斜視図である。図2は、封口板を取り外した状態を示す圧電振動子の平面図である。図3は、図2のI-I線に相当する断面図である。図4は、本実施形態に係る圧電振動子の分解斜視図である。図1~図4に示すように、圧電振動子1は、いわゆるセラミックパッケージタイプの表面実装型振動子である。圧電振動子1は、内部に気密封止されたキャビティCを有するパッケージ2と、キャビティC内に収容された圧電振動片3と、を備えている。なお、圧電振動子1は、直方体状を呈している。本実施形態では、平面視において圧電振動子1の長手方向を長手方向Lといい、短手方向を幅方向Wといい、これら長手方向Lおよび幅方向Wに対して直交する方向を厚さ方向Tという。
パッケージ2は、パッケージ本体4と、パッケージ本体4に接合されるとともに、パッケージ本体4との間にキャビティCを形成する封口板5と、を備えている。パッケージ本体4は、互いに重ね合わされた状態で接合された第1ベース基板2a及び第2ベース基板2bと、第2ベース基板2b上に接合されたシールリング2cと、を備えている。
第1ベース基板2aは、厚さ方向Tから見た平面視で長方形状を呈するセラミックス製の基板とされている。第1ベース基板2aの上面は、キャビティCの底部を構成する。第1ベース基板2aの下面には、一対の外部電極(外部電極2d及び外部電極2e)が長手方向Lに間隔をあけて形成されている。外部電極2d及び外部電極2eは、例えば蒸着やスパッタリング等で形成された単一金属による単層膜、または異なる金属が積層された積層膜により構成されている。
第2ベース基板2bは、平面視外形が第1ベース基板2aと同形状を呈するセラミックス製の基板であって、第1ベース基板2a上に重ねられた状態で焼結等によって一体的に接合されている。なお、第1ベース基板2a及び第2ベース基板2bに用いられるセラミックス材料としては、例えばアルミナ製のHTCC(High Temperature Co-Fired Ceramic)や、ガラスセラミックス製のLTCC(Low Temperature Co-Fired Ceramic)等を用いることが可能である。
図2~図4に示すように、第2ベース基板2bには、第2ベース基板2bを厚さ方向Tに貫通する貫通部2fが形成されている。貫通部2fは、平面視で角丸長方形状を呈している。貫通部2fの内側面において、幅方向Wの両側に位置する部分には、幅方向Wの内側に向けて突出する実装部(実装部2g及び実装部2h)が各別に形成されている。なお、実装部2g及び実装部2hは、第2ベース基板2bにおける長手方向Lの中央部分に位置している。
実装部2g及び実装部2h上には、圧電振動片3との接続電極である一対の電極パッド(電極パッド2i及び電極パッド2j)が形成されている。電極パッド2i及び電極パッド2jは、上述した外部電極2d及び外部電極2eと同様に、例えば蒸着やスパッタリング等で形成された単一金属による単層膜、または異なる金属が積層された積層膜により構成されている。電極パッド2i及び電極パッド2jと、外部電極2d及び外部電極2eは、第1ベース基板2a及び第2ベース基板2bを厚さ方向Tで貫通する図示しない貫通配線を介して互いにそれぞれ導通している。
第1ベース基板2a及び第2ベース基板2bの四隅には、平面視1/4円弧状の切欠部2kが、第1ベース基板2a及び第2ベース基板2bの厚さ方向Tの全体に亘って形成されている。第1ベース基板2a及び第2ベース基板2bは、例えばウエハ状のセラミックス基板を2枚重ねて接合した後、両セラミックス基板を貫通する複数のスルーホールを行列状に形成し、各スルーホールを基準としながら両セラミックス基板を格子状に切断することで作製される。その際、スルーホールが4分割されることで、上述した切欠部2kが構成される。
シールリング2cは、第1ベース基板2a及び第2ベース基板2bの外形よりも一回り小さい導電性の枠状部材であって、第2ベース基板2bの上面に接合されている。具体的に、シールリング2cは、銀ロウ等のロウ材やはんだ材等による焼付けによって第2ベース基板2b上に接合、または第2ベース基板2b上に形成された金属接合層に対する溶着等によって接合されている。シールリング2cは、第2ベース基板2b(貫通部2f)の内側面とともにキャビティCの側壁を構成する。なお、図示の例において、シールリング2cの内側面は、第2ベース基板2bの内側面と面一に配置されている。
シールリング2cの材料としては、例えばニッケル基合金等が挙げられ、具体的にはコバール、エリンバー、インバー、42-アロイ等から選択すれば良い。特に、シールリング2cの材料としては、セラミックス製とされている第1ベース基板2a及び第2ベース基板2bに対して熱膨張係数が近いものを選択することが好ましい。例えば、第1ベース基板2a及び第2ベース基板2bとして熱膨張係数6.8×10-6/℃のアルミナを用いる場合には、シールリング2cとして熱膨張係数5.2×10-6/℃のコバールや、熱膨張係数4.5~6.5×10-6/℃の42-アロイを用いることが好ましい。
封口板5は、導電性基板からなり、シールリング2c上に接合されてパッケージ本体4内を気密に封止している。そして、シールリング2c、封口板5、第1ベース基板2a、及び第2ベース基板2bにより画成された空間は、気密封止されたキャビティCを構成する。
圧電振動片3は、気密封止されたパッケージ2のキャビティC内に収容されている。本実施形態において圧電振動片3は、水晶によって形成された圧電板30を備える。圧電板30は、一対の振動腕部(第1振動腕部31及び第2振動腕部32)と、一対の支持腕部(第1支持腕部33及び第2支持腕部34)を有する。圧電振動片3は、キャビティC内において、導電性接着剤により第1支持腕部33が実装部2gに支持され、第2支持腕部34が実装部2hに支持されることで、パッケージ2に実装されている。これにより、圧電振動片3は、キャビティC内において第1振動腕部31と第2振動腕部32が第1ベース基板2aから浮いた状態で支持される。第1振動腕部31及び第2振動腕部32の外表面には、所定の電圧が印加されたときに一対の第1振動腕部31と第2振動腕部32とを振動させる2系統の不図示の励振電極が配置されている。
圧電振動子1を作動させるには、外部電極2d及び外部電極2e(図1参照)に所定の電圧が印加する。すると、励振電極に電流が流れて電界が発生する。第1振動腕部31及び第2振動腕部32は、上記電界による逆圧電効果によって例えば互いに接近・離間する方向(幅方向W)に所定の共振周波数で振動する。そして、第1振動腕部31及び第2振動腕部32の振動は、時刻源、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源等に用いられる。
(圧電振動片)
図5は、第1実施形態に係る圧電振動片の平面図である。圧電振動片3は、圧電板30と、圧電板30の表裏面を含む外表面に配置された不図示の電極膜と、を備える。なお、本実施形態では、圧電振動子1の長手方向L、幅方向Wおよび厚さ方向Tは、圧電振動片3の長手方向、幅方向および厚さ方向それぞれと一致している。したがって、以下の圧電振動片3に係る説明では、圧電振動子1の長手方向L、幅方向Wおよび厚さ方向Tを用いる。
圧電板30は、上述の一対の振動腕部(第1振動腕部31及び第2振動腕部32)と、一対の支持腕部(第1支持腕部33及び第2支持腕部34)と、基部35と、拡幅部36(鋭角構造発生抑制機能部)と、を備えている。第1振動腕部31及び第2振動腕部32は基部35から長手方向Lに延びて形成されている。第1支持腕部33及び第2支持腕部34は、基部35に対して幅方向Wの両側に位置する。圧電板30は、長手方向Lに沿う中心軸Oに対して、厚さ方向Tから見た平面視形状が略対称となるように形成されている。なお、本実施形態では、圧電板30を形成する圧電材料は水晶である。
第1振動腕部31及び第2振動腕部32は、幅方向Wに並んで平行に配置されており、各々が基部35に接続されている。第1振動腕部31及び第2振動腕部32は、基部35側の基端を固定端とし、先端を自由端として互いに接近・離間する方向(幅方向W)に振動する。第1振動腕部31及び第2振動腕部32は、第1振動腕部31及び第2振動腕部32の基端から先端に向けて延びる本体部37と、第1振動腕部31及び第2振動腕部32の先端に位置する錘部38と、を有している。
本体部37には、溝部39が形成されている。溝部39は、本体部37の両主面上において、厚さ方向Tに窪むとともに、長手方向Lに沿って延在している。溝部39は、第1振動腕部31及び第2振動腕部32の基端近傍から、本体部37の先端近傍に亘って形成されている。
錘部38は、それぞれ本体部37の先端部から長手方向Lに延びている。錘部38は、平面視矩形状であって、本体部37よりも幅方向Wに幅広に形成されている。これにより、第1振動腕部31及び第2振動腕部32の先端部の質量および振動時の慣性モーメントを増大させることができ、錘部38を有しない圧電振動片3と比較して第1振動腕部31及び第2振動腕部32の長さを短縮できる。
第1支持腕部33及び第2支持腕部34は、平面視でL字状を呈し、基部35、第1振動腕部31(本体部37)及び第2振動腕部32(本体部37)を幅方向Wの外側から囲んでいる。具体的に、第1支持腕部33及び第2支持腕部34は、基部35における幅方向Wの両端面から幅方向Wの外側に向けて突設された接続部40と、接続部40の幅方向Wの外側の端面から長手方向Lに沿って延在する長手延在部41とを有している。長手延在部41は第1振動腕部31及び第2振動腕部32と平行に延伸している。第1支持腕部33は、中心軸Oに対して第1振動腕部31と同じ側に配置されている。第2支持腕部34は、中心軸Oに対して第2振動腕部32と同じ側に配置されている。
図5に示すように、圧電板30は、厚さ方向Tから見て複数の凹部が設けられている。例えば本実施形態では、第1支持腕部33と、基部35と、第1振動腕部31とで形成された第1凹部50が設けられている。また、第2支持腕部34と、基部35と、第2振動腕部32とで形成された第2凹部51が設けられている。
第1凹部50は、第1支持腕部33の長手延在部41の側面41aと、第1支持腕部33の接続部40の側面40aと、基部35の側面35aと、第1振動腕部31の側面31aとに囲われることで形成された凹部である。第2凹部51は、第2支持腕部34の長手延在部41の側面41aと、第2支持腕部34の接続部40の側面40aと、基部35の側面35aと、第2振動腕部32の側面32aとに囲われることで形成された凹部である。
拡幅部36は、第1凹部50及び第2凹部51に設けられており、第1凹部50及び第2凹部51においてエッチング残りX(図7参照)によって形成される鋭角構造X1(図7(b)参照)の発生を抑制する。なお、エッチング残りX及び鋭角構造X1については、後により具体的に説明する。
第1凹部50には、拡幅部36が設けられていなければ、第1支持腕部33の長手延在部41の側面41aと、第1支持腕部33の接続部40の側面40aとが接続されることで形成された角部C1が露出して形成される。第1凹部50に設けられた拡幅部36は、角部C1を埋設するようにして第1凹部50に設けられている。
第1凹部50に設けられた拡幅部36は、第1支持腕部33の長手延在部41の側面41aと、第1支持腕部33の接続部40の側面40aとに接続された傾斜面36aを有している。この第1凹部50に設けられた拡幅部36の傾斜面36aは、図5に示すように、第1支持腕部33の長手延在部41の側面41aと、第1支持腕部33の接続部40の側面40aとの両面に対して傾斜している。
第2凹部51には、拡幅部36が設けられていなければ、基部35の側面35aと、第2支持腕部34の接続部40の側面40aとが接続されることで形成された角部C2が露出して形成される。第2凹部51に設けられた拡幅部36は、角部C2を埋設するようにして第2凹部51に設けられている。
第2凹部51に設けられた拡幅部36は、基部35の側面35aと、第2支持腕部34の接続部40の側面40aとに接続された傾斜面36aを有している。この第2凹部51に設けられた拡幅部36の傾斜面36aは、図5に示すように、基部35の側面35aと、第2支持腕部34の接続部40の側面40aとの両面に対して傾斜している。
図6は、図5のII-II線に相当する断面図である。図6に示すように、基部35の厚さ方向Tにおける寸法(厚さ寸法35D)は、第1支持腕部33の厚さ方向Tにおける寸法(厚さ寸法33D)及び第2支持腕部34の厚さ方向Tにおける寸法(厚さ寸法34D)と同一である。基部35の上面、第1支持腕部33の上面、第2支持腕部34の上面は面一で配置されている。また、基部35の下面、第1支持腕部33の下面、第2支持腕部34の下面は面一で配置されている。
拡幅部36の厚さ方向Tにおける寸法(厚さ寸法36D)も、基部35の厚さ寸法35Dと同一である。つまり、拡幅部36の厚さ寸法36Dは、第1支持腕部33の厚さ寸法33D及び第2支持腕部34の厚さ寸法34Dとも同一である。また、拡幅部36の上面は、基部35の上面と面一で配置されている。つまり、拡幅部36の上面は、第1支持腕部33の上面及び第2支持腕部34の上面とも面一で配置されている。また、拡幅部36の下面は、基部35の下面と面一で配置されている。つまり、拡幅部36の下面は、第1支持腕部33の下面及び第2支持腕部34の下面とも面一で配置されている。
ここで、上述の圧電板30の形状と、圧電板30の形成材料である水晶の結晶軸との関係について説明する。例えば、水晶の結晶の電気軸をX軸、機械軸をY軸、及び光軸をZ軸とする。これらX軸、Y軸及びZ軸が直交する座標系に対して、Z軸をX軸回りに-5°~+10°の範囲内で回転させた新たな軸をZ′軸とし、X軸を回転軸としてZ軸及びY軸を含む平面内でZ軸と同じ角度でY軸を回転させたときの新たな軸をY´軸とし、これらのX軸とY´軸とZ´軸とが直交する座標系を新たな直交座標系とする。このとき、本実施形態においては、X軸が図5等に示す幅方向Wと一致し、Y´軸が図5等に示す長手方向Lと一致し、Z´軸が図5等に示す厚さ方向Tと一致する。つまり、Z´軸からの平面視において、第1振動腕部31、第2振動腕部32、第1支持腕部33及び第2支持腕部34は、X軸-Y´軸を含む平面に沿って基部35から延伸して設けられている。
すなわち、水晶の結晶の電気軸がX軸、機械軸がY軸、及び光軸がZ軸である座標系に対して、Z軸をX軸回りに-5°~+10°の範囲内で回転させた新たな軸をZ′軸とし、X軸を回転軸としてZ軸及びY軸を含む平面内でZ軸と同じ角度でY軸を回転させたときの新たな軸をY´軸とした場合における、X軸とY´軸とZ´軸からなる直交座標系にて、本実施形態では、Z´軸からの平面視において、第1振動腕部31、第2振動腕部32、第1支持腕部33及び第2支持腕部34は、X軸-Y´軸を含む平面に沿って基部35から延伸して設けられている。
図7(a)は、本実施形態の圧電板30の第1凹部50を含む模式的な拡大図である。図7(b)は、拡幅部36を設けない場合の第1凹部50の模式的な拡大図である。圧電板30を後述のようにウェットエッチングを用いて成形すると、図7(a)及び図7(b)に示すように、圧電板30の側面には、エッチング残りXが発生する。このエッチング残りXは、ウェットエッチングで使用するマスクの外形形状に対してZ´軸方向から見て突出した部位であり、水晶の特性上発生するエッチングの残渣部分である。このエッチング残りXの形状は、水晶の結晶軸の方向に依存して定まる。
例えば、図7(b)に示すように、第1凹部50に拡幅部36を設けない場合には、第1支持腕部33の長手延在部41の第1振動腕部31側の側面33aと、第1支持腕部33の接続部40の第1凹部50の内壁面側の側面33aに対してエッチング残りXが多く発生する。この結果、角部C1の近傍に、鋭角構造X1が形成される。この鋭角構造X1は、エッチング残りXによって形成される構造であり、厚さ方向Tから見て、エッチング残りXの表面から奥部に向かうに連れて狭くなる亀裂状の構造である。特に、エッチング残りXによって形成される亀裂状の構造であって、厚さ方向Tから見た奥部の角度が90°よりも小さい構造を鋭角構造X1とする。このような鋭角構造X1は、第1振動腕部31の振動が伝達されることで応力集中が生じる箇所であり、圧電板30に生じる亀裂の起点となる場合がある。なお、図7を除く図面においては、エッチング残りXを省略して示している。
一方、図7(a)に示すように、本実施形態の圧電振動片3においては、図7(b)に示す鋭角構造X1が形成される位置を埋設するように拡幅部36が設けられている。このため、本実施形態の圧電振動片3によれば、圧電板30すなわち圧電振動片3が損傷する原因となる鋭角構造X1が発生することを抑制することができる。
上述のX軸とY´軸とZ´軸とが直交する直交座標系において、第1凹部50に設けられた拡幅部36は、角部C1を起点としてX軸-Y´軸を含む平面に沿った方向に膨出している。例えば、第1凹部50に設けられた拡幅部36は、X軸をZ´軸を中心として平面視で時計回りに15°~50°回転させた拡幅方向Pに対して傾斜面36aが直交するように設けられている。
また、第2凹部51に拡幅部36を設けない場合には、第2支持腕部34の接続部40の内壁側の側面40aと、基部35の第2支持腕部34側の側面35aに対してエッチング残りXが多く発生する。この結果、角部C2の近傍に、図7(a)に示す鋭角構造X1と同様の不図示の鋭角構造が形成される。これに対して、本実施形態の圧電振動片3においては、鋭角構造が形成される位置を埋設するように第2凹部51にも拡幅部36が設けられている。このため、本実施形態の圧電振動片3によれば、圧電板30すなわち圧電振動片3が損傷する原因となる鋭角構造が第2凹部51に発生することを抑制することができる。
上述のX軸とY´軸とZ´軸とが直交する直交座標系において、第2凹部51に設けられた拡幅部36は、角部C2を起点としてX軸-Y´軸を含む平面に沿った方向に膨出している。例えば、第2凹部51に設けられた拡幅部36は、X軸をZ´軸を中心として平面視で時計回りに15°~50°回転させた拡幅方向Pに対して傾斜面36aが直交するように設けられている。
電極膜は、例えば、クロム(Cr)と金(Au)との積層膜であり、水晶と密着性の良いクロム膜を下地として成膜した後に、クロム膜上に金の薄膜を積層したものである。ただし、電極膜の膜構成はこれに限定されず、例えば、クロムとニクロム(NiCr)との積層膜上にさらに金の薄膜を積層しても構わないし、クロムやニッケル、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)等の単層膜でも構わない。
電極膜は、第1振動腕部31及び第2振動腕部32に各々設けられる励振電極と、第1支持腕部33及び第2支持腕部34をパッケージ2に実装する際のマウント部となるマウント電極と、励振電極やマウント電極を接続する接続配線と、を備える。
(圧電振動片の製造方法)
続いて、圧電振動片3の製造方法について説明する。図8は、第1実施形態に係る圧電振動片の製造方法を示すフローチャートである。図8に示すように、第1実施形態の圧電振動片3の製造方法は、外形形成工程S10と、電極膜形成工程S20と、個片化工程S30と、を備える。
まず外形形成工程S10を行う。外形形成工程S10では、水晶ウエハに圧電板30を形成する。最初に、フォトリソグラフィ技術によって水晶ウエハの両面に、圧電板30の平面視形状に対応する形状のマスクを形成する。次いで、水晶ウエハをウェットエッチング加工する。これにより、水晶ウエハにおけるマスクされていない領域が選択的に除去されて、ウエハが圧電板30の平面視形状に成形される。
ここで、本実施形態の圧電振動片3の製造方法においては、フォトリソグラフィ技術によって、第1振動腕部31、第2振動腕部32、第1支持腕部33、第2支持腕部34及び基部35の外形形状を形成すると共に、同時に拡幅部36の外形形状も形成する。具体的には、マスクの形状を拡幅部36が形成される部位を覆う形状とする。このようなマスクを用いてウェットエッチングを行うことで、フォトリソグラフィ技術によって、第1振動腕部31、第2振動腕部32、第1支持腕部33、第2支持腕部34及び基部35の外形形状と同時に、拡幅部36の外形形状も形成される。
続いて、第1振動腕部31及び第2振動腕部32の両主面(表裏面)に溝部39を形成する。具体的には、フォトリソグラフィ技術によって水晶ウエハの両主面上に溝部39の形状に対応する形状のマスクを形成する。次いで、ウェットエッチング加工により、溝部39が水晶ウエハを貫通しない程度に水晶ウエハに対してハーフエッチングを行う。これにより、ウエハには溝部39を有する圧電板30が形成される。
続いて電極膜形成工程S20を行う。電極膜形成工程S20では、圧電板30の表裏面に電極膜を配置する。電極膜形成工程S20は、電極膜を成膜する電極膜成膜工程と、電極膜をパターニングして、励振電極等を形成するパターニング工程と、を備える。
電極膜成膜工程は、水晶ウエハの表裏面上および端面上にスパッタリングや蒸着などにより電極膜を成膜する。パターニング工程は、電極膜をパターニングして、圧電板30に対して2系統の励振電極等を形成する。まず、フォトリソグラフィ技術によって、電極膜の外表面に励振電極等の外形形状に対応する形状のレジスト材料からなるマスクを形成する。次いで、電極膜をエッチング加工し、マスクされていない領域の電極膜を選択的に除去する。これにより、圧電板30に励振電極、マウント電極及び接続配線が形成される。
このような外形形成工程S10及び電極膜形成工程S20によって、単一の水晶ウエハに対して複数の圧電振動片3が形成される。
続いて個片化工程S30を行う。個片化工程S30では、圧電振動片3を水晶ウエハから分離する。具体的には、水晶ウエハに対して圧電振動片3を押し込むまたは引き上げることで、水晶ウエハに設けられた連結部と圧電振動片3とを厚さ方向Tに相対変位させる。これにより、圧電振動片3が連結部から分離して個片化される。以上により、一枚の水晶ウエハから複数の圧電振動片3が形成される。
以上のような本実施形態の圧電振動片3は、水晶によって形成された圧電板30を備え、圧電板30が、基部35と、基部35に接続された一対の第1振動腕部31及び第2振動腕部32とを備えている。また、本実施形態の圧電振動片3は、基部35に接続された第1支持腕部33及び第2支持腕部34を有している。また、圧電板30は、水晶によって形成されている。また、本実施形態の圧電振動片3は、基部35、第1振動腕部31、第2振動腕部32、第1支持腕部33及び第2支持腕部34のいずれかあるいは複数によって形成された第1凹部50及び第2凹部51を有している。さらに、圧電振動片3は、第1凹部50及び第2凹部51に設けられると共に、基部35の厚さ方向(厚さ方向T)から見て第1凹部50及び第2凹部51のエッチング残りXにより形成される鋭角構造X1の発生を抑制する鋭角構造発生抑制機能部として拡幅部36を有する。
水晶によって形成された圧電板30におけるエッチング残りXの形状は、結晶軸の方向に依存して定まる。すなわち、結晶軸の方向が同一の圧電板30を形成した場合には、同一形状のエッチング残りXが発生する。このため、圧電板30に発生するエッチング残りXの形状については予め予測可能であり、このようなエッチング残りXによって形成される鋭角構造X1の形状及び位置も予測可能である。
本実施形態の圧電振動片3においては、このように予め形状や位置が予測可能なエッチング残りXにおける鋭角構造X1の発生を抑制する拡幅部36が設けられている。また、拡幅部36は、基部35、第1振動腕部31及び第2振動腕部32及び第1支持腕部33及び第2支持腕部34のいずれかあるいは複数によって形成された狭隘な第1凹部50及び第2凹部51に設けられている。このような狭隘な第1凹部50及び第2凹部51ではエッチング残りXによる鋭角構造X1が発生しやすいものの、本実施形態の圧電振動片3によれば、拡幅部36によって、拡幅部36が設けられていない場合と比較して第1凹部50及び第2凹部51にて鋭角構造X1が発生することを抑制することができる。したがって、本実施形態の圧電振動片3によれば、水晶によって形成された圧電板30を備える圧電振動片3において、エッチング残りXが形成する鋭角構造X1によって圧電振動片3が損傷することを抑止することが可能となる。
また、本実施形態の圧電振動片3は、第1凹部50及び第2凹部51が、基部35、第1支持腕部33及び第2支持腕部34のいずれかあるいは複数によって形成された角部C1及び角部C2を有している。また、本実施形態の圧電振動片3においては、鋭角構造発生抑制機能部が、角部C1及び角部C2を埋設して設けられた拡幅部36である。
このような本実施形態の圧電振動片3によれば、例えば鋭角構造発生抑制機能部が溝部等である場合と比較して、圧電振動片3の強度を向上させることが可能である。したがって、本実施形態の圧電振動片3によれば、圧電振動片3が損傷することをより確実に抑止することが可能となる。
また、本実施形態の圧電振動片3においては、拡幅部36の厚さ寸法36Dが、少なくとも基部35と同一である。このため、製造工程においてエッチングによる基部35の形成と同時に拡幅部36を形成することができ、さらに基部35の形成後に拡幅部36の後加工を行う必要がない。このため、簡易に拡幅部36を形成することが可能となる。
また、本実施形態の圧電振動片3においては、拡幅部36が、角部を形成する第1側面と第2側面とに対して傾斜した傾斜面36aを有する。例えば、第1凹部50に設けられた拡幅部36の傾斜面36aは、角部C1を形成する第1支持腕部33の長手延在部41の側面41a(第1側面)と、第1支持腕部33の接続部40の側面40a(第2側面)とに対して傾斜して接続されている。また、第2凹部51に設けられた拡幅部36の傾斜面36aは、角部C2を形成する基部35の側面35a(第1側面)と、第2支持腕部34の接続部40の側面40a(第2側面)とに対して傾斜して接続されている。
このような本実施形態の圧電振動片3によれば、拡幅部36の側面と第1凹部50及び第2凹部51の内壁面との接続角度を浅くすることができ、拡幅部36と第1凹部50及び第2凹部51の内壁面との境界部分にエッチング残りXによる鋭角構造X1が発生することを抑止することが可能となる。
また、本実施形態の圧電振動片3においては、一対の第1振動腕部31及び第2振動腕部32を間に挟んで各々が第1振動腕部31及び第2振動腕部32と平行に配設された2つの第1支持腕部33及び第2支持腕部34を有している。このような本実施形態の圧電振動片3は、いわゆるサイドアーム型の圧電振動片である。したがって、本実施形態の圧電振動片3は、エッチング残りXが形成する鋭角構造X1によって圧電振動片3が損傷することを抑止可能なサイドアーム型の圧電振動片となる。
また、本実施形態の圧電振動片3においては、結晶の電気軸がX軸、機械軸がY軸、及び光軸がZ軸である座標系に対して、Z軸をX軸回りに-5°~+10°の範囲内で回転させた新たな軸をZ′軸とし、X軸を回転軸としてZ軸及びY軸を含む平面内でZ軸と同じ角度でY軸を回転させたときの新たな軸をY´軸とした場合における、X軸とY´軸とZ´軸からなる直交座標系にて、Z´軸からの平面視において、第1振動腕部31及び第2振動腕部32及び第1支持腕部33及び第2支持腕部34は、X軸-Y´軸を含む平面に沿って基部35から延伸して設けられている。
上述のようなX軸-Y´軸を含む平面に沿って第1振動腕部31及び第2振動腕部32及び第1支持腕部33及び第2支持腕部34が基部35から延伸して設けられた圧電振動片3では、第1凹部50及び第2凹部51に対して、エッチング残りXによる鋭角構造X1が生じやすい。本実施形態の圧電振動片3によれば、第1凹部50及び第2凹部51に対して、エッチング残りXによる鋭角構造X1が生じやすいにも関わらず、拡幅部36を設けることで効果的に圧電振動片3が損傷することを抑止することが可能となる。
また、本実施形態の圧電振動子1は、圧電振動片3と、圧電振動片3を気密封止すると共に第1支持腕部33及び第2支持腕部34を介して圧電振動片3が実装されたパッケージ2とを備えている。このため、本実施形態の圧電振動子1は、エッチング残りXによる鋭角構造X1に起因した圧電振動片3の損傷が抑止可能な圧電振動子1となり、信頼性が高いものとなる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図9を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
上記第1実施形態の圧電振動片3においては、拡幅部36が傾斜角度一定の単一の傾斜面36aを有していた。これに対して、本実施形態では、角部を形成する側面に対する角度が異なる複数(本実施形態では2つ)の傾斜面60aを有する拡幅部60を備えている。
図9(a)は、第1凹部50に設けられた拡幅部60の模式的な拡大図である。この図に示すように、第1凹部50に設けられた拡幅部60は、角度が異なる2つの傾斜面60aが第1支持腕部33の長手延在部41の側面41aと、第1支持腕部33の接続部40の側面40aとを接続するように設けられている。第1凹部50に設けられた拡幅部60では、第1支持腕部33の長手延在部41の側面41a(第1支持腕部33の接続部40の側面40a)に対する各々の傾斜面60aの角度が異なっている。
第1支持腕部33の長手延在部41の側面41a側に位置する傾斜面60aの側面41aに対する傾斜角度は、第1支持腕部33の接続部40の側面40a側に位置する傾斜面60aの側面41aに対する傾斜角度よりも小さい。すなわち、このような第1凹部50に設けられた拡幅部60の複数の傾斜面60aのうち、最も第1支持腕部33の長手延在部41の側面41a側に位置する傾斜面60aの側面41aに対する傾斜角度は、他の傾斜面60aの側面41aに対する傾斜角度に対して最も小さい。
また、第1支持腕部33の接続部40の側面40a側に位置する傾斜面60aの側面40aに対する傾斜角度は、第1支持腕部33の長手延在部41の側面41a側に位置する傾斜面60aの側面40aに対する傾斜角度よりも小さい。すなわち、このような第1凹部50に設けられた拡幅部60の複数の傾斜面60aのうち、最も第1支持腕部33の接続部40の側面40aに位置する傾斜面60aの側面40aに対する傾斜角度が、他の傾斜面の側面40aに対する傾斜角度に対して最も小さい。
例えば、第1支持腕部33の長手延在部41の側面41a側に位置する傾斜面60aの法線のX軸に対する角度を7.5°~25°とし、第1支持腕部33の接続部40の側面40a側に位置する傾斜面60aの法線のX軸に対する角度を第1支持腕部33の長手延在部41の側面41a側に位置する傾斜面60aの法線のX軸に対する角度の2倍とする。
図9(b)は、第2凹部51に設けられた拡幅部60の模式的な拡大図である。この図に示すように、第2凹部51に設けられた拡幅部60は、角度が異なる2つの傾斜面60aが、基部35の側面35aと、第2支持腕部34の接続部40の側面40aとを接続するように設けられる。第2凹部51に設けられた拡幅部60では、基部35の側面35a(第2支持腕部34の接続部40の側面40a)に対する各々の傾斜面60aの角度が異なっている。
基部35の側面35a側に位置する傾斜面60aの側面35aに対する傾斜角度は、第2支持腕部34の接続部40の側面40a側に位置する傾斜面60aの側面35aに対する傾斜角度に対して最も小さい。すなわち、このような第2凹部51に設けられた拡幅部60の複数の傾斜面60aのうち、最も基部35の側面35a側に位置する傾斜面60aの側面35aに対する傾斜角度は、他の傾斜面60aの側面35aに対する傾斜角度に対して最も小さい。
また、第2支持腕部34の接続部40の側面40a側に位置する傾斜面60aの側面40aに対する傾斜角度は、基部35の側面35a側に位置する傾斜面60aの側面40aに対する傾斜角度に対して最も小さい。すなわち、このような第2凹部51に設けられた拡幅部60の複数の傾斜面60aのうち、最も第2支持腕部34の接続部40の側面40a側に位置する傾斜面60aの側面40aに対する傾斜角度が、他の傾斜面の側面40aに対する傾斜角度に対して最も小さい。
例えば、基部35の側面35a側に位置する傾斜面60aの法線のX軸に対する角度を7.5°~25°とし、第2支持腕部34の接続部40の側面40a側に位置する傾斜面60a法線のX軸に対する角度を基部35の側面35a側に位置する傾斜面60aの法線のX軸に対する角度の2倍とする。
このような本実施形態の圧電振動片3によれば、拡幅部60が単一の傾斜面を有する場合と比較して、拡幅部60の側面と第1凹部50及び第2凹部51の内壁面との接続角度をより浅くすることができ、拡幅部60と第1凹部50及び第2凹部51の内壁面との境界部分にエッチング残りXによる鋭角構造X1が発生することをより抑止することが可能となる。
なお、本実施形態においては、拡幅部60が2つの傾斜面60aを有する構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。拡幅部60が3つ以上の傾斜面60aを備える構成を採用することも可能である。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、図10を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
上記第1実施形態の圧電振動片3においては、拡幅部36が傾斜面36aを有していた。これに対して、本実施形態では、厚さ方向Tから見て、角部及び角部に向けて途中部位が窪む湾曲面61aを有する拡幅部61を備えている。
図10(a)は、第1凹部50に設けられた拡幅部61の模式的な拡大図である。この図に示すように、第1凹部50に設けられた拡幅部61は、角部C1に向けて中央部が窪む湾曲面61aが第1支持腕部33の長手延在部41の側面41aと、第1支持腕部33の接続部40の側面40aとを接続するように設けられている。本実施形態においては、第1凹部50に設けられた拡幅部61の湾曲面61aの曲率は、第1支持腕部33の長手延在部41の側面41aから第1支持腕部33の接続部40の側面40aに至るまで一定である。
図10(b)は、第2凹部51に設けられた拡幅部61の模式的な拡大図である。この図に示すように、第2凹部51に設けられた拡幅部61は、角部C2に向けて中央部が窪む湾曲面61aが基部35の側面35aと、第2支持腕部34の接続部40の側面40aとを接続するように設けられている。本実施形態においては、第2凹部51に設けられた拡幅部61の湾曲面61aの曲率は、基部35の側面35aから第2支持腕部34の接続部40の側面40aに至るまで一定である。
このような本実施形態の圧電振動片3によれば、拡幅部60の側面と第1凹部50及び第2凹部51の内壁面との接続角度を浅くすることができ、拡幅部60と第1凹部50及び第2凹部51の内壁面との境界部分にエッチング残りXによる鋭角構造X1が発生することを抑止することが可能となる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について、図11を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
上記第1実施形態の圧電振動片3においては、拡幅部36が傾斜面36aを有していた。これに対して、本実施形態では、厚さ方向Tから見て、角部及び角部に向けて途中部位が窪む湾曲面62aを有する拡幅部62を備えている。
図11(a)は、第1凹部50に設けられた拡幅部62の模式的な拡大図である。この図に示すように、第1凹部50に設けられた拡幅部62は、角部C1に向けて中央部が窪む湾曲面62aが第1支持腕部33の長手延在部41の側面41aと、第1支持腕部33の接続部40の側面40aとを接続するように設けられている。
本実施形態においては、第1凹部50に設けられた拡幅部62の湾曲面62aは、厚さ方向Tから見た中央部から第1支持腕部33の長手延在部41の側面41a側に向かうに連れて湾曲面62aの接線と側面41aとが成す角度が小さくなるように曲率が変化する。また、第1凹部50に設けられた拡幅部62の湾曲面62aは、厚さ方向Tから見た中央部から第1支持腕部33の接続部40の側面40a側に向かうに連れて湾曲面62aの接線と側面40aとが成す角度が小さくなるように曲率が変化する。このように、第1凹部50に設けられた拡幅部62の湾曲面62aは、湾曲面62aの位置に応じて曲率が変化する。
図11(b)は、第2凹部51に設けられた拡幅部62の模式的な拡大図である。この図に示すように、第2凹部51に設けられた拡幅部62は、角部C2に向けて中央部が窪む湾曲面62aが基部35の側面35aと、第2支持腕部34の接続部40の側面40aとを接続するように設けられている。
本実施形態においては、第2凹部51に設けられた拡幅部62の湾曲面62aは、厚さ方向Tから見た中央部から基部35の側面35a側に向かうに連れて湾曲面62aの接線と側面35aとが成す角度が小さくなるように曲率が変化する。また、第2凹部51に設けられた拡幅部62の湾曲面62aは、厚さ方向Tから見た中央部から第2支持腕部34の接続部40の側面40a側に向かうに連れて湾曲面62aの接線と側面40aとが成す角度が小さくなるように曲率が変化する。このように、第2凹部51に設けられた拡幅部62の湾曲面62aは、湾曲面62aの位置に応じて曲率が変化する。
このような本実施形態の圧電振動片3によれば、拡幅部62の湾曲面62aの曲率が一定である場合と比較して、拡幅部62の側面と第1凹部50及び第2凹部51の内壁面との接続角度をより浅くすることができ、拡幅部62と第1凹部50及び第2凹部51の内壁面との境界部分にエッチング残りXによる鋭角構造X1が発生することをより抑止することが可能となる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について、図12を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
上記第1実施形態の圧電振動片3においては、第1凹部50に設けられる拡幅部36と第2凹部51に設けられる拡幅部36が厚さ方向Tから見て中心軸Oに対して非対称な形状であった。これに対して、本実施形態では、厚さ方向Tから見て、第1凹部50に設けられる拡幅部63と第2凹部51に設けられる拡幅部63とが中心軸Oに対して対称な形状である。
図12(a)は、第1凹部50に設けられた拡幅部63の模式的な拡大図である。この図に示すように、第1凹部50に設けられた拡幅部63は、第1支持腕部33の側面33aと第1振動腕部31の側面31aとを接続する湾曲面63aを有している。
第1凹部50に設けられた拡幅部63は、第1振動腕部31側の部位の基部35からの突出量が、第1支持腕部33側の部位の基部35から突出量よりも、図12(a)に示す距離Daの分だけ小さい。つまり、第1振動腕部31側の部位の基部35からの突出量が、第1支持腕部33側の部位の基部35から突出量と同一の場合と比較して、本実施形態では第1振動腕部31と拡幅部63との接触面積が小さい。
図12(b)は、第2凹部51に設けられた拡幅部63の模式的な拡大図である。この図に示すように、第2凹部51に設けられた拡幅部63は、第2支持腕部34の側面34aと第2振動腕部32の側面32aとを接続する湾曲面63aを有している。
第2凹部51に設けられた拡幅部63は、第2振動腕部32側の部位の基部35からの突出量が、第2支持腕部34側の部位の基部35から突出量よりも、図12(b)に示す距離Daの分だけ小さい。つまり、第2振動腕部32側の部位の基部35からの突出量が、第2支持腕部34側の部位の基部35から突出量と同一の場合と比較して、本実施形態では第2振動腕部32と拡幅部63との接触面積が小さい。
第1凹部50に設けられた拡幅部63と第2凹部51に設けられた拡幅部63とは、中心軸O(図5参照)を中心とした対称形状に形成されている。このような本実施形態の圧電振動片3においては、圧電板30の形状が拡幅部63を含んで対称形状に形成されているため、第1振動腕部31側と第2振動腕部32側との重量バランスを均等にすることが可能となる。
また、本実施形態の圧電振動片3によれば、第1凹部50に設けられた拡幅部63の第1振動腕部31との接触面積を小さくし、第1支持腕部33と拡幅部63との接触面積よりも小さくすることができる。また、第2凹部51に設けられた拡幅部63の第2振動腕部32との接触面積を小さくし、第2支持腕部34と拡幅部63との接触面積よりも小さくすることができる。このため、拡幅部63が第1振動腕部31及び第2振動腕部32の振動に与える影響を小さくすることができ、拡幅部63が圧電振動片3の振動特性に影響を与えることを抑止することが可能となる。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について、図13を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
上記第1実施形態の圧電振動片3は、いわゆるサイドアーム型の圧電振動片であった。これに対して、本実施形態の圧電振動片3Aは、いわゆるセンタアーム型の圧電振動片である。
図13は、本第6実施形態の圧電振動片の平面図である。この図に示すように、本実施形態の圧電振動片3Aは、一対の第1振動腕部31A及び第2振動腕部32Aの間に配置された単一の支持腕部33Aを有する。本実施形態の圧電振動片3Aは、図13に示すように、第1振動腕部31Aと、支持腕部33Aと、基部35とによって形成された第1凹部50Aを有している。
また、本実施形態の圧電振動片3Aは、第2振動腕部32Aと、支持腕部33Aと、基部35とによって形成された第2凹部51Aを有している。本実施形態の圧電振動片3Aは、第1凹部50Aと第2凹部51Aとの各々に設けられた拡幅部64を有している。
第1凹部50Aに設けられた拡幅部64は、基部35の側面35aと、第1振動腕部31Aの側面31Aaとで形成された角部C3を埋設するように設けられている。この第1凹部50Aに設けられた拡幅部64は、基部35の側面35aと第1振動腕部31Aの側面31Aaとに傾斜して接続された傾斜面64aを有している。
第2凹部51Aに設けられた拡幅部64は、基部35の側面35aと、支持腕部33Aの側面33Aaとで形成された角部C4を埋設するように設けられている。この第2凹部51Aに設けられた拡幅部64は、基部35の側面35aと支持腕部33Aの側面33Aaとに傾斜して接続された傾斜面64aを有している。
このような本実施形態の圧電振動片3Aは、一対の第1振動腕部31A及び第2振動腕部32Aの間に配置された単一の支持腕部33Aを有している。このような本実施形態の圧電振動片3Aは、いわゆるセンタアーム型の圧電振動片である。したがって、本実施形態の圧電振動片3Aは、エッチング残りXが形成する鋭角構造X1によって圧電振動片3Aが損傷することを抑止可能なセンサアーム型の圧電振動片となる。
なお、本実施形態では、上記第1実施形態の拡幅部36と同様に傾斜面を有する拡幅部64を備える構成を採用した。しかしながら、センタアーム型の圧電振動片に対して、第2実施形態のような複数の傾斜面を有する拡幅部、第3実施形態のような湾曲面を有する拡幅部、第4実施形態のような湾曲面の曲率が変化する拡幅部、あるいは第5実施形態のような対称形状の拡幅部を備える構成を採用することも可能である。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について、図14を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
図14は、本実施形態に係る発振器を示す模式図である。図14に示すように、発振器100は、基板101、電子部品102、集積回路103、及び圧電振動子1を備える。電子部品102は、例えばキャパシタなどであり、基板101に実装されている。集積回路103は、発振器用であり、基板101に実装されている。集積回路103は、圧電振動子1と電子部品102のそれぞれと、図示略の配線を介して電気的に接続されている。圧電振動子1は、上記第1実施形態から第5実施形態において説明した圧電振動片3あるいは上記第6実施形態において説明した圧電振動片3Aを備えており、例えば基板101において集積回路103の近傍に実装される。圧電振動子1は、発振子として機能する。発振器100の少なくとも一部は、適宜、図示しない樹脂によりモールドされていてもよい。
発振器100は、圧電振動子1に電力が供給されると、圧電振動子1の圧電振動片が振動する。圧電振動片3の振動は、圧電振動片3が有する圧電特性により、電気信号へ変換される。この電気信号は、圧電振動子1から集積回路103へ出力される。集積回路103は、圧電振動子1から出力された電気信号に各種処理を実行することで、周波数信号を生成する。
発振器100は、例えば、時計用の単機能発振器、コンピューターなどの各種装置の動作タイミングを制御するタイミング制御装置、時刻あるいはカレンダーなどを提供する装置などに応用できる。集積回路103は、発振器100に要求される機能に応じて構成され、いわゆるRTC(リアルタイムクロック)モジュールを含んでいてもよい。
このような本実施形態の発振器100は、上記第1実施形態から第5実施形態において説明した圧電振動片3あるいは上記第6実施形態において説明した圧電振動片3Aを備えているため、信頼性が高いものとなる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態においては、鋭角構造発生抑制機能部が拡幅部である構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、鋭角構造発生抑制機能部が溝部である構成を採用することも可能である。
また、拡幅部の形状は、上記実施形態に示す形状に限定されるものではない。拡幅部の形状は、エッチング残りXによって形成される鋭角構造を、拡幅部が設けられない場合と比較して減少させることが可能であれば良い。
また、上記実施形態においては、圧電板30の複数の部位によって凹部が形成された構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。圧電板30の単一の部位(例えば支持腕部)のみによって凹部が形成された構成を採用することも可能である。
また、上記実施形態においては、第1凹部に設けられた拡幅部と第2凹部に設けられた拡幅部とが同一形状あるいは対称形状である構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。第1凹部に設けられた拡幅部と第2凹部に設けられた拡幅部とが異なる形状であっても良い。
また、上記実施形態においては、第1振動腕部及び第2振動腕部が錘部を有するハンマヘッド型の圧電振動片を用いる構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、第1振動腕部及び第2振動腕部が錘部を備えないストレート型の圧電振動片を用いることも可能である。
1……圧電振動子、3……圧電振動片、3A……圧電振動片、30……圧電板、31……第1振動腕部、31a……側面、31A……第1振動腕部、31Aa……側面、32……第2振動腕部、32a……側面、32A……第2振動腕部、33……第1支持腕部、33a……側面、33A……支持腕部、33Aa……側面、34……第2支持腕部、34a……側面、35……基部、35a……側面、36……拡幅部(鋭角構造発生抑制機能部)、36a……傾斜面、40……接続部、40a……側面、41……長手延在部、41a……側面、50……第1凹部、50A……第1凹部、51……第2凹部、51A……第2凹部、60……拡幅部(鋭角構造発生抑制機能部)、60a……傾斜面、61……拡幅部(鋭角構造発生抑制機能部)、61a……湾曲面、62……拡幅部、62a……湾曲面、63……拡幅部(鋭角構造発生抑制機能部)、63a……湾曲面、64……拡幅部(鋭角構造発生抑制機能部)、64a……傾斜面、C1……角部、C2……角部、C3……角部、C4……角部、X……エッチング残り、X1……鋭角構造

Claims (12)

  1. 水晶によって形成された圧電板を有し、前記圧電板が、基部と、前記基部に接続された一対の振動腕部と、前記基部に接続された支持腕部とを有する圧電振動片であって、
    前記基部、前記振動腕部及び前記支持腕部のいずれかあるいは複数によって形成された凹部を有し、
    前記凹部に設けられると共に、前記基部の厚さ方向から見て前記凹部のエッチング残りにより形成される鋭角構造の発生を抑制する鋭角構造発生抑制機能部を有する
    圧電振動片。
  2. 前記凹部は、前記基部、前記振動腕部及び前記支持腕部のいずれかあるいは複数によって形成された角部を有し、
    前記鋭角構造発生抑制機能部は、前記角部を埋設して設けられた拡幅部である
    請求項1記載の圧電振動片。
  3. 前記拡幅部の厚さ寸法は、少なくとも前記基部と同一である請求項2記載の圧電振動片。
  4. 前記拡幅部は、前記角部を形成する第1側面と第2側面とに対して傾斜した傾斜面を有する請求項2または3記載の圧電振動片。
  5. 前記拡幅部は、前記第1側面及び前記第2側面に対する傾斜角度が異なる複数の前記傾斜面を有し、
    最も前記第1側面側に位置する前記傾斜面の前記第1側面に対する傾斜角度は、他の前記傾斜面の前記第1側面に対する傾斜角度に対して最も小さく、
    最も前記第2側面側に位置する前記傾斜面の前記第2側面に対する傾斜角度は、他の前記傾斜面の前記第2側面に対する傾斜角度に対して最も小さい
    請求項4記載の圧電振動片。
  6. 前記拡幅部は、前記第1側面と前記第2側面とを接続すると共に前記角部に向けて途中部位が窪む湾曲面を有する請求項2または3記載の圧電振動片。
  7. 前記湾曲面の中央部から前記第1側面側に向かうに連れて前記湾曲面の接線と前記第1側面とが成す角度が小さくなり、前記湾曲面の中央部から前記第2側面に向かうに連れて前記湾曲面の接線と前記第2側面とが成す角度が小さくなるように、前記湾曲面の位置に応じて曲率が変化する請求項6記載の圧電振動片。
  8. 前記拡幅部は、前記振動腕部の側面と前記支持腕部の側面とに接続されており、前記振動腕部側の部位の前記基部からの突出量が、前記支持腕部側の部位の前記基部からの突出量よりも小さい請求項2または3記載の圧電振動片。
  9. 一対の振動腕部を間に挟んで各々が前記振動腕部と平行に配設された2つの前記支持腕部を有する請求項1~8いずれか一項に記載の圧電振動片。
  10. 一対の振動腕部の間に配置された単一の前記支持腕部を有する請求項1~8いずれか一項に記載の圧電振動片。
  11. 結晶の電気軸がX軸、機械軸がY軸、及び光軸がZ軸である座標系に対して、Z軸をX軸回りに-5°~+10°の範囲内で回転させた新たな軸をZ′軸とし、X軸を回転軸としてZ軸及びY軸を含む平面内でZ軸と同じ角度でY軸を回転させたときの新たな軸をY´軸とした場合における、X軸とY´軸とZ´軸からなる直交座標系にて、
    Z´軸からの平面視において、前記振動腕部及び前記支持腕部は、X軸-Y´軸を含む平面に沿って前記基部から延伸して設けられている
    請求項1~10いずれか一項に記載の圧電振動片。
  12. 請求項1~11のいずれか一項に記載の圧電振動片と、
    前記圧電振動片を気密封止すると共に前記支持腕部を介して前記圧電振動片が実装されたパッケージと
    を備える圧電振動子。
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