JP2022140880A - 複合ケーブル - Google Patents

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Takanori Yamazaki
晃一 水野
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Abstract

【課題】2対の信号線と2本の電源線とを備える6芯の複合ケーブルにおいて、端末加工性及び止水性に優れた複合ケーブルを提供する。【解決手段】複合ケーブル1は、2対の信号線2と2本の電源線3とを備え、信号線2及び電源線3がいずれも絶縁被覆層22、32で被覆され、2対の信号線2が対ごとにそれぞれ対撚りされており、2対の信号線2と2本の電源線3とがシース層4で一括してシースされた構造を有しており、複合ケーブル1の中心に、断面が円形状の連続体5が複合ケーブル1の長手方向に延設されており、信号線2の外径をa、電源線3の外径をb、連続体5の外径をcとするとき、a、b、cが以下の関係式(1)、(2)を満たす。0.8b≦2a≦1.2b …(1)0.19(2a+b)≦c≦0.22(2a+b) …(2)【選択図】図1

Description

本発明は、複合ケーブルに係り、特に2対の信号線と2本の電源線とを備える複合ケーブルに関する。
例えば、近年、車両では、高度な電子化により車輪側に複数のセンサが取り付けられており、車両内に、バッテリからそれらのセンサ等に電力を供給する電源線や、検出した信号をセンサからECU等に送信する信号線が配置される場合がある。
そして、それらの電源線や信号線を車両内に配置する際、従来は、それらの線をテープで巻いたり結束バンドで束ねる等してまとめられて配置されることが多かった。
近年、それらの線を1本のケーブルにまとめた複合ケーブルの開発が進められている(例えば特許文献1参照)。そして、そのような複合ケーブルの中には、2対の信号線と2本の電源線とを備える6芯の複合ケーブルも含まれている(例えば特許文献2~4参照)。
そして、このように複数の線をまとめて1本の複合ケーブルとすることで、線を束ねるなどする場合に比べて、線やケーブルが車両内で占めるスペースをより小さくすること、すなわち省スペース化を図ることが可能となる等のメリットがある。
特許第6219263号公報 特許第6424950号公報 特開2018-22633号公報
ところで、2対の信号線と2本の電源線とを備える6芯の複合ケーブルでは、通常、信号線よりも電源線の方が太いため、上記の特許文献2~4にも記載されているように、複合ケーブル100(図8参照)の内部で、対ごとに撚り合わされた信号線101が2本の電源線102の両側に配置される場合が少なくない。
なお、図8以下の各図でも同様であるが、信号線101の対を含む破線の円は、信号線101が対ごとに撚り合わされていることを表している。
しかし、この場合、複合ケーブル100の端末を加工する際に、シース層103の厚さが、信号線101の部分(図中のT1参照)と電源線102の部分(図中のT2参照)とで大きく異なる。
そのため、電源線102の部分のシース層103を剥ぎ取りにくくなったり、シース層103を剥ぎ取ったときに電源線102の部分のシース層103が剥ぎ取れずに残ったりするなど、複合ケーブル100の端末加工性(シースの皮剥き性)が悪くなる。
一方、例えば図9に示すように、2本の電源線102同士を離すようにして複合ケーブル100を製造すれば、シース層103の厚さが、信号線101の部分(図中のT1参照)と電源線102の部分(図中のT2参照)とで同程度の厚さになる。
そのため、複合ケーブル100の端末加工性が良くなる。
しかし、複合ケーブル100の製造時に電源線102に掛かる張力は、信号線101にかかる張力よりも格段に強いため、容易に図8に示した状態に戻ってしまい、2本の電源線102同士が離れた状態を維持することは必ずしも容易ではない。
また、この状態では、逆に、信号線101の対同士が接近したり、図10に示すように接触したりしてしまう可能性もある。このように信号線101同士が接近したり接触したりすると、互いにノイズの原因となって誤作動を引き起こすおそれがある。
また、例えば複合ケーブル100内で2対の信号線101と2本の電源線102とを図11に示すように配置できたとしても、同図に示すように例えば2対の信号線101と2本の電源線102と囲まれた複合ケーブル100の中心に隙間ができると、隙間を通って水が複合ケーブル100内に伝わってしまい、誤作動の原因になる可能性がある。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、2対の信号線と2本の電源線とを備える6芯の複合ケーブルにおいて、端末加工性及び止水性に優れた複合ケーブルを提供することを目的とする。
前記の問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
2対の信号線と、前記信号線と外径が異なる2本の電源線とを備える複合ケーブルにおいて、
前記信号線及び前記電源線がいずれも絶縁被覆層で被覆され、
前記2対の信号線が、対ごとにそれぞれ対撚りされており、
前記2対の信号線と前記2本の電源線とがシース層で一括してシースされた構造を有しており、
前記複合ケーブルの中心に、断面が円形状の連続体が前記複合ケーブルの長手方向に延設されており、
前記信号線の各対の間に前記連続体が介在し、前記2本の電源線の間に前記連続体が介在するように前記2対の信号線と前記2本の電源線と前記連続体が配置されており、
前記信号線の外径をa、前記電源線の外径をb、前記連続体の外径をcとするとき、a、b、cが以下の関係式(1)、(2)を満たすことを特徴とする。
0.8b≦2a≦1.2b …(1)
0.19(2a+b)≦c≦0.22(2a+b) …(2)
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の複合ケーブルにおいて、前記連続体を中心として、前記2対の信号線と前記2本の電源線とが全体的に撚り合わされた構造を有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の複合ケーブルにおいて、前記連続体は、糸状の繊維と前記糸状の繊維を被覆する絶縁被覆層、又は絶縁樹脂の丸棒で構成されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の複合ケーブルにおいて、前記連続体を構成する前記絶縁被覆層又は前記絶縁樹脂の丸棒と、前記信号線及び前記電源線を構成する前記絶縁被覆層は、いずれも耐熱樹脂で被覆されており、前記耐熱樹脂が架橋された樹脂を含むことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の複合ケーブルにおいて、前記信号線及び前記電源線は、いずれも、中心導体が、複数の素線が撚り合わされて構成されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の複合ケーブルにおいて、前記シース層が架橋性の耐熱樹脂で構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、2対の信号線と2本の電源線とを備える6芯の複合ケーブルが、端末加工性及び止水性に優れたものになる。
本実施形態に係る複合ケーブルの構成を表す断面図である。 電源線や信号線の中心導体が複数の素線を撚り合わされて構成されていることを表す図である。 本実施形態に係る複合ケーブルでは信号線の部分と電源線の部分とでシースの厚さが同程度になることを表す断面図である。 複合ケーブル内で連続体を中心として2対の信号線と2本の電源線とが全体的に撚り合わされた状態を表す図である。 屈曲試験に用いる装置をマンドレルの軸方向から見た概略図である。 連続体が信号線対や電源線に比べて太すぎる複合ケーブルを表す断面図である。 連続体が信号線対や電源線に比べて細すぎる複合ケーブルを表す断面図である。 従来の複合ケーブルの構成を表す断面図である。 図8の複合ケーブルにおいて2本の電源線同士を離した状態を表す断面図である。 図9の複合ケーブルにおいて2対の信号線同士が接触した状態を表す断面図である。 中心部分に隙間が生じた複合ケーブを表す断面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る複合ケーブルについて説明する。
ただし、以下に述べる各実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態や図示例に限定するものではない。
図1は、本実施形態に係る複合ケーブルの構成を表す断面図である。
本実施形態では、複合ケーブル1は、2対の信号線2と、2本の電源線3とを備える6芯の複合ケーブルであり、各信号線2と各電源線3はそれぞれ中心導体21、31が絶縁被覆層22、32で被覆されている。
そして、2対の信号線2と2本の電源線3とがシース層4で隙間なく直接被覆されており、2対の信号線2と2本の電源線3とがシース層4で一括してシースされた構造を有している。
なお、図1における信号線2の対を含む破線の円は、信号線2が対ごとに撚り合わされていることを表している。すなわち、2対の信号線2は、対ごとにそれぞれ対撚りされている。
そして、このように、2対の信号線2を、対ごとに対撚りするように構成することで、対撚りしない場合に比べて、信号線2が対ごとに撓みやすくなるとともに、複合ケーブル1が長手方向に引っ張られた際に信号線2が伸びることができる。そのため、複合ケーブル1の可撓性や耐屈曲性(繰り返しの曲げに対する耐性)を向上させることが可能となる。
信号線2は、例えば銅合金やアルミニウム合金等の金属線を中心導体21とし、それをポリエステル等の樹脂等からなる絶縁被覆層22で被覆したものを用いることができる。
なお、以下では、信号線2の中心導体21が金属線であることを前提に説明するが、信号線2の中心導体21に例えば光ファイバ心線等が含まれていてもよい。
電源線3は、例えば軟銅、銅合金、アルミニウム等の導線からなる中心導体31をポリエステル等の樹脂等からなる絶縁被覆層32で被覆したものを用いることができる。
また、電源線3は、その外径が信号線2の外径よりも太いものが用いられている。このように、本実施形態では、電源線3は信号線2とは外径が異なっている。
そして、本実施形態では、図2に示すように、信号線2や電源線3は、いずれも、中心導体21、31が、複数の素線21a、31aが撚り合わされて構成されている。なお、図2は、信号線2の中心導体21(素線21a)と電源線3の中心導体31(素線31a)とが同じ太さであることを表すものではない。
すなわち、信号線2は、中心導体21が、それを構成する複数の素線21a、すなわち複数の金属線が互いに撚り合わされて構成されている。複数の素線21aは、全体を一括に撚った撚線であってもよく、複数の素線を撚ったものをさらに撚り合わせた撚撚線であってもよい。
また、電源線3も、中心導体31が、それを構成する複数の素線31a、すなわち軟銅、銅合金、アルミニウム等の導線が互いに撚り合わされて構成されている。
そして、このように構成することで、撚り合わせない場合に比べて、信号線2自体や電源線3自体が撓みやすくなるとともに、複合ケーブル1が長手方向に引っ張られた際に信号線2自体や電源線3自体が伸びることができる。そのため、複合ケーブル1の可撓性や耐屈曲性を向上させることが可能となる。
なお、信号線2や電源線3の中心導体21、31を構成する素線21a、31aの撚りピッチ(撚り線がある配置から次に同じ配置になるまでの長さ)が小さくなり過ぎると、撚りピッチが大きい場合に比べて信号線2や電源線3の長さが長くなり、信号線2や電源線3で電気抵抗が大きくなったり信号が低下したりする場合がある。
そのため、撚り合わされた信号線2や電源線3の撚り込み率は、それぞれ適切な値に設定されることが望ましい。
なお、撚り込み率A(%)は、撚りピッチをP、層心径をDとするとき、下記式(3)で表される。
Figure 2022140880000002
本発明者らの研究によると、信号線2や電源線3の撚り込み率は、それぞれ0.5%以上になるように構成されていることが好ましいことが分かっている。
そして、このように構成すれば、信号線2や電源線3で必要以上に電気抵抗が大きくなったり必要以上に信号が低下したりすることなく、複合ケーブル1の可撓性や耐屈曲性を向上させることが可能となる。
一方、本実施形態では、信号線2や電源線3の各絶縁被覆層22、32は、耐熱樹脂で被覆されており、耐熱樹脂が例えば架橋ポリエチレン(Cross-linked polyethylene)等の架橋された樹脂を含むように構成されている。
このように、信号線2や電源線3の各絶縁被覆層22、32を耐熱樹脂で被覆することで、信号線2や電源線3の耐熱性を向上させることが可能となる。
そして、耐熱樹脂が架橋された樹脂を含むように構成することで、信号線2や電源線3の耐熱性をさらに向上させることが可能となる。
そのため、例えば、車両に組み付けられた複合ケーブル1がエンジン等の熱で高温に晒される場合があるが、そのような場合でも熱により信号線2や電源線3の絶縁被覆層22、32が溶けるなどして損傷することを防止することが可能となる。
本実施形態では、シース層4も架橋性の耐熱樹脂で構成されている。
架橋性の耐熱樹脂としては、例えばポリオレフィン系樹脂やポリエステル系樹脂等の種々の樹脂を用いることが可能であり、それを電子線架橋法や化学架橋法、シラン架橋法等の架橋法で架橋するなどしてシース層4を形成することができる。
そして、このように、シース層4を架橋性の耐熱樹脂で構成することで、上記の信号線2や電源線3の絶縁被覆層22、32を被覆する耐熱樹脂の場合と同様に、複合ケーブル1が高温に晒される等しても、熱によりシース層4が溶けるなどして複合ケーブル1が損傷することを防止することが可能となる。
なお、シース層4を樹脂層等で外側から更に被覆するように構成することも可能である。
また、複合ケーブル1の可撓性や耐屈曲性をより向上させるために、例えば、シース層4を、エチレン-αオレフィン系エラストマーが含まれるように構成することも可能である。
エチレン-αオレフィン系エラストマーはゴム性を有するとともに、高温や低温に晒されても硬度が上昇しないため、温度に関わりなく複合ケーブル1の可撓性や耐屈曲性が向上する。また、シース層4を容易に成形加工することが可能となる等のメリットがある。
また、同様の理由で、シース層4にスチレン系エラストマーが含まれるように構成することも可能である。
次に、本発明に特徴的な連続体5について説明する。
図1に示すように、本実施形態では、複合ケーブル1の中心に、断面が円形状の連続体5が複合ケーブル1の長手方向に延設されている。
そして、信号線2の各対の間に連続体5が介在し、2本の電源線3の間に連続体5が介在するように、2対の信号線2と2本の電源線3と連続体5が配置されている。
そして、信号線2の外径をa、電源線3の外径をb、連続体5の外径をcとするとき、a、b、cが以下の関係式(4)、(5)を満たすように構成されている。
0.8b≦2a≦1.2b …(4)
0.19(2a+b)≦c≦0.22(2a+b) …(5)
ここで、例えば各信号線2の中に外径が異なるものがあったり、電源線3同士の外径が異なる場合は、信号線2や電源線3の外径の平均値をaやbとすることが可能である。
また、上記式(4)は、対撚りされた信号線2の対の外径(2a。すなわち図1における信号線2の対を含む破線の円の径)が電源線3の外径(b)と同程度の径であることを表している。また、上記式(5)は、連続体5の外径cが、対撚りされた信号線2の対の外径(2a)と電源線3の外径(b)の合計の約20%程度であることを表している。
上記式(5)が満たされるように信号線2の各対や各電源線3、連続体5を配置すると、図1に示したように、2対の信号線2と2本の電源線3の中心部分に連続体5が収容される状態になる。
また、連続体5の周囲で、2対の信号線2や2本の電源線3が互いに接する状態で配置される状態になる。
そのため、図3に示すように、電源線3の部分のシース層4の厚さT2が従来の場合(図8参照)よりも薄くなり、信号線2の対の部分のシース層4の厚さT1と同程度になる。
そのため、シース層4の厚さが信号線2の部分と電源線3の部分とで同程度の厚さ(T1≒T2)になるため、複合ケーブル1の端末を加工する際に、シース層4の剥ぎ取りやすさが信号線2の部分と電源線3の部分とで同程度になる。そのため、シース層4が剥ぎ取りやすくなるとともに、シース層4を剥ぎ取ったときに信号線2の部分にも電源線3の部分にもシース層4が残らなくなる。
そのため、本実施形態では、複合ケーブル1は、端末加工性が良いものになる。
また、上記のように、本実施形態に係る複合ケーブル1では、2対の信号線2と2本の電源線3に囲まれた部分に連続体5が配置されている。そのため、図11に示したように2対の信号線と2本の電源線と囲まれた複合ケーブルの中心部分に隙間ができることはなく、図1等に示すようにその部分に連続体5が存在する状態になる。
そのため、複合ケーブル1の中心部分を通って複合ケーブル1内に水が流入してしまうことを防止することが可能となり、複合ケーブル1内での止水性を向上させることが可能となる。
また、複合ケーブル1の中心部分に連続体5を設けることで、図10に示したように信号線2の対同士が近接したり接触したりすることが連続体5により阻止される。
そのため、信号線2の対同士が互いにノイズの原因となったり誤作動を引き起こしたりすることを防止することが可能となる。
連続体5は、本体部51とそれを被覆する絶縁被覆層52で構成されている。本体部51は、例えばポリエステル等の糸状の繊維で構成することが可能である。絶縁被覆層52は例えばポリオレフィン系の樹脂で形成することができる。
また、本体部51は導電性を有していてもよく、例えば導電性の複数の素線を撚り合わせたものや編組線等で構成することも可能である。
また、連続体5を、絶縁被覆層52を有しない絶縁樹脂の丸棒で構成することも可能である。
この場合も、絶縁樹脂として例えばポリオレフィン系の樹脂で形成することが可能である。
連続体5を絶縁樹脂の丸棒で構成すれば、絶縁樹脂の丸棒が存在しているため水が複合ケーブル1内に流入することはない。また、連続体5が糸状の繊維で構成されていて、仮に糸状の繊維に沿って水が入り込んでも、糸状の繊維が絶縁被覆層52で被覆されているため、水が複合ケーブル1内に流入することが阻止される。
そのため、上記のように構成されていれば、水が複合ケーブル1内に入り込んで誤作動の原因になるなどの問題が生じることを防止することが可能となり、複合ケーブル1内での止水性を向上させることが可能となる。
なお、前述した信号線2や電源線3の場合と同様に、連続体5を構成する絶縁被覆層52や絶縁樹脂の丸棒を耐熱樹脂で被覆し、耐熱樹脂が例えば架橋ポリエチレン等の架橋された樹脂を含むように構成することが可能である。
このように、連続体5の絶縁被覆層52や絶縁樹脂の丸棒を耐熱樹脂で被覆することで、信号線2や電源線3と同様に連続体5の耐熱性を向上させることが可能となる。
一方、例えば図4に示すように、複合ケーブル1内で、連続体5を中心として、2対の信号線2と2本の電源線3とが全体的に撚り合わされた構造を有するように構成することが可能である。
このように、2対の信号線2と2本の電源線3が全体的に撚り合わされることで、複合ケーブル1全体の可撓性や耐屈曲性をより向上させることが可能となる。
以上のように、本実施形態に係る複合ケーブル1によれば、複合ケーブル1の中心に断面が円形状の連続体5を延設し、信号線2や電源線3、連続体5の外径が上記の関係式(4)、(5)を満たすように構成されているため、2対の信号線2と2本の電源線3とを備える6芯の複合ケーブル1を、端末加工性及び止水性に優れたものとすることが可能となる。
ここで、本実施形態に係る複合ケーブル1(実施例1~9)や、信号線を対撚りしないもの(比較例1)、連続体を被覆がない糸(比較例2)や導体(金属)を撚り合わせ構造としたもの(比較例3)に替えたもの、上記の関係式(4)、(5)を満たさないもの(比較例4~7)について、端末加工性や止水性の観点から性能評価した結果を表I、IIに示す。
また、参考のため、耐屈曲性(繰り返しの曲げに対する耐性)についても性能評価を行った。
Figure 2022140880000003
Figure 2022140880000004
なお、表I、IIにおいて、「対撚り」の欄は信号線の対を対撚りにしたか否かを表し、対撚りした場合を「あり」、対撚りしない場合を「なし」と記載した。
また、「全体撚り」の欄は、連続体を中心として2対の信号線と2本の電源線とを全体的に撚り合わされたか否かを表し、撚り合わせた場合を「あり」、撚り合わせない場合を「なし」と記載した。
また、「連続体」の欄には連続体の構成を記載し、「糸+被覆」は糸状の繊維を絶縁被覆層で被覆したもの、「プラ丸棒」は絶縁樹脂の丸棒を絶縁被覆層で被覆したもの、「電線」は複数の素線が撚り合わされて形成された中心導体を絶縁被覆層で被覆したもの(信号や電力等が流れないいわゆるダミーの電線)、「金属丸棒」は金属の丸棒を絶縁被覆層で被覆したもの、「糸」は糸状の繊維のみで絶縁被覆層がないもの、「撚合せ導体」は金属同士を撚り合わせ構造としたものをそれぞれ表す。
また、a、b、cはそれぞれ信号線の外径、電源線の外径、連続体の外径を表す。なお、「糸」(糸状の繊維のみ)の外径cは糸状の繊維を束ねたものの外径を表す(1本の繊維の外径ではない。)。
また、評価項目のうち「端末加工性」は、作製した複合ケーブルの端末100mmにおいて実際にシースを剥ぎ取り、その際の皮剥き性を評価した。
そして、シースの信号線の部分と電源線の部分とで皮剥き性に相違がなく、複合ケーブルに剥ぎ取ったシースが残っておらず、信号線や電源線が傷付いておらず、連続体が信号線や電源線等に付着していない場合(纏わり付いていない場合)を〇、それ以外の場合を×とした。
また、「止水性」は、「JIS D 0203」に則り、色付きの水の水面高さをケーブル径、浸漬時間を5分とし、白色のコア(信号線や電源線の絶縁被覆層を白色にしたもの)の着色長を見る試験を行い、10mm以下の場合を〇、10mmより長い場合を×とした。
また、「耐屈曲性」は、以下のようにして行った屈曲試験の結果を示すものである。
図5に示すように、水平かつ互いに平行に配置された2本のマンドレル61、62間、及び揺れ防止用の押え71、72間に、作製した複合ケーブルαを鉛直方向に通し、複合ケーブルαの下方に図示しない重りを取り付けた。
そして、この状態で、複合ケーブルαの上端を左右のマンドレル61又は62の上側外周に交互に接するように(左右交互に繰り返し)屈曲させた。屈曲回数は、複合ケーブルαを左右のマンドレル61、62のいずれかの外周に接するように屈曲させた場合を1回として、カウントした。
なお、試験条件は、マンドレル径10mm、左右曲げ角度90°、速度60屈曲/分で行い、重りは500g、複合ケーブルとマンドレルとのクリアランスは1mmとし、25℃の雰囲気で試験を行った。そして、複合ケーブルをループ状に直列につないで通電し、断線が生じるまでの屈曲回数を測定した。
評価は、断線が生じるまでの屈曲回数が、10万回以上を◎、7万回以上を〇、5万回以上を△とし、5万回未満を×とした。
実施例1~9では、端末加工性と止水性のいずれについても良好な結果が得られた。
一方、比較例1では、信号線2が対撚りされていないため、信号線2の対の部分のシース層4の厚さT1(図3参照)が電源線3の部分のシース層4の厚さT2より厚くなり、シース層4を剥ぎ取ったときに信号線2の部分にシース層4が残る場合があった。
比較例2では、シース層4を剥ぎ取ったときに連続体である糸(繊維)が信号線2や電源線3に付着し(纏わり付き)、それを剥す作業に手間がかかる。また、糸を伝って水が複合ケーブル内に流入してしまい、止水性も劣る。
比較例3では、「対撚導体」すなわち対撚りした金属の丸棒を伝って水が複合ケーブル内に流入してしまい、止水性が劣る。なお、比較例3では、金属同士を撚り合わせ構造としたものとして、金属の丸棒同士を対撚りしたものを用いた場合を示したが、例えば、金属線(金属繊維)を同芯撚りや集合撚り、ロープ撚り等の種々の撚り合わせ方で撚り合わせた場合も、比較例3と同様に、撚り合わせ構造を伝って水が複合ケーブル内に流入してしまい、止水性が劣るものとなった。
比較例4では、電源線3の部分のシース層4の厚さT2が信号線2の対の部分のシース層4の厚さT1より厚くなり、シース層4を剥ぎ取ったときに電源線3の部分にシース層4が残る場合があった。
比較例5では、逆に、信号線2の対の部分のシース層4の厚さT1が電源線3の部分のシース層4の厚さT2より厚くなり、シース層4を剥ぎ取ったときに信号線2の部分にシース層4が残る場合があった。
比較例6では、連続体が信号線対や電源線に比べて太すぎる。そのため、図6に示すように、連続体5の周囲で信号線2の対や電源線3の分布が偏ってしまい、信号線2の対と電源線3との間が空き、そこにシース層4が入り込む。
そのため、シース層4が入り込んだ部分(例えば図6中のRの部分参照)でシース層4が分厚くなり、シースの皮剥き性すなわち端末加工性が劣る。
比較例7では、逆に連続体が信号性対や電源線に比べて細すぎる。そのため、図7に示すように、電源線3の部分のシース層4の厚さT2が信号線2の対の部分のシース層4の厚さT1より厚くなる。信号線2の対の部分のシース層4の厚さT1が電源線3の部分のシース層4の厚さT2より厚くなる場合もある。
そのため、いずれにせよ、端末加工性が劣る。
なお、本発明が上記の実施形態等に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更可能であることは言うまでもない。
1 複合ケーブル
2 信号線
21 中心導体
21a 素線
22 絶縁被覆層
3 電源線
31 中心導体
31a 素線
32 絶縁被覆層
4 シース層
5 連続体
51 本体部(糸状の繊維)
52 絶縁被覆層
a 信号線の外径
b 電源線の外径
c 連続体の外径

Claims (6)

  1. 2対の信号線と、前記信号線と外径が異なる2本の電源線とを備える複合ケーブルにおいて、
    前記信号線及び前記電源線がいずれも絶縁被覆層で被覆され、
    前記2対の信号線が、対ごとにそれぞれ対撚りされており、
    前記2対の信号線と前記2本の電源線とがシース層で一括してシースされた構造を有しており、
    前記複合ケーブルの中心に、断面が円形状の連続体が前記複合ケーブルの長手方向に延設されており、
    前記信号線の各対の間に前記連続体が介在し、前記2本の電源線の間に前記連続体が介在するように前記2対の信号線と前記2本の電源線と前記連続体が配置されており、
    前記信号線の外径をa、前記電源線の外径をb、前記連続体の外径をcとするとき、a、b、cが以下の関係式(1)、(2)を満たすことを特徴とする複合ケーブル。
    0.8b≦2a≦1.2b …(1)
    0.19(2a+b)≦c≦0.22(2a+b) …(2)
  2. 前記連続体を中心として、前記2対の信号線と前記2本の電源線とが全体的に撚り合わされた構造を有することを特徴とする請求項1に記載の複合ケーブル。
  3. 前記連続体は、糸状の繊維と前記糸状の繊維を被覆する絶縁被覆層、又は絶縁樹脂の丸棒で構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の複合ケーブル。
  4. 前記連続体を構成する前記絶縁被覆層又は前記絶縁樹脂の丸棒と、前記信号線及び前記電源線を構成する前記絶縁被覆層は、いずれも耐熱樹脂で被覆されており、前記耐熱樹脂が架橋された樹脂を含むことを特徴とする請求項3に記載の複合ケーブル。
  5. 前記信号線及び前記電源線は、いずれも、中心導体が、複数の素線が撚り合わされて構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の複合ケーブル。
  6. 前記シース層が架橋性の耐熱樹脂で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の複合ケーブル。
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