JP2022138928A - ウェーハのテラス加工方法及びそれに用いる加工装置 - Google Patents

ウェーハのテラス加工方法及びそれに用いる加工装置 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体ウェーハのテラス部の加工において、チッピング等の不具合の発生要因となり得る、テラス部の表面の凹凸または残留加工応力を低減する。【解決手段】表面に回路が形成された半導体ウェーハWの周縁部をテラス加工する加工方法において、高速に回転する研削砥石180を低速で同じ方向に回転する半導体ウェーハに当接させてウェーハの周縁部を段差状にテラス加工するステップと、低速で回転する半導体ウェーハに研削砥石が当接する位置の近傍であって、回転方向の、半導体ウェーハの研削が済んだ位置に、レーザ光220、230を照射して半導体ウェーハのテラス加工表面を溶融して平坦化するステップとを含む。【選択図】 図1

Description

本発明は、ウェーハの周縁部をレーザ加工する加工方法及びそれに用いる加工装置に係り、特にウェーハの周縁部に段差状に形成したテラス部をレーザを用いて加工する方法及びそれに用いる加工装置に関する。
貼り合わせウェーハの周縁部においてチッピングが発生するのを防止するためやウェーハの薄板化の前段階として、ウェーハの周縁部を段差状に加工する、いわゆるテラス加工をウェーハに施す場合がある。このようなウェーハのテラス加工の例が、特許文献1に開示されている。
この公報では、テラス平坦部の周方向厚みやばらつきを低減するために、貼り合わせウェーハのテラス加工において、初めに、テラス加工済みの貼り合わせウェーハの周縁部の周方向厚み分布を測定する。その後、測定した周方向厚み分布におけるばらつきを補償する面内補正条件を、テラス加工条件にフィードバックし、このフィードバックされたテラス加工条件に基づき、ウェーハのテラス部を再度テラス加工する。再度のテラス加工時には、補正されたテラス加工条件に応じて、貼り合わせウェーハを回転させながら厚み方向、すなわち上下方向に加工条件に追従させて加工する。
ところでシリコンウェーハの加工では、従来高速回転する研削砥石と低速回転するウェーハを組み合わせて所望の厚みまでウェーハの周縁部の研削を進め、後工程であるエッチングで未除去分を除去してテラス部を形成することが一般的である。テラス部はこのように形成するが、一般のウェーハ上のチップ形成面では、加工後の面が所望の面となるように、レーザ加工を用いることもある。このようなレーザ加工の例が特許文献2に記載されている。
特許文献2に記載のレーザ加工方法では、デブリの発生を抑制しつつ、SiCウェーハにアスペクト比が大きい凹部または貫通孔を形成することを課題にして、波長500nm以上、パルスエネルギー50μJ以下、かつ繰り返し周波数200kHz以上のパルスレーザ光を照射してSiC材料上に凹部または貫通孔を形成している。そして、パルスレーザ光の照射領域を、パルスレーザの吸収係数がSiCよりも大きい光吸収層で覆っている。
レーザ加工の他の例が、特許文献3に記載されている。この公報に記載のレーザ加工においては、RIEやダイサーでは不可能な、半導体材料の高精度な精密加工を実現するために、照射するレーザ光の波長に対して高い吸収率を有する流動体物質を、半導体材料の加工対象面に接触させ、半導体材料の裏面側からレーザ光をパルス照射する。その際、レーザ光の波長を半導体材料の光吸収体から外れた波長とする。これにより、溝表面の割れ、欠け、チッピング等の加工傷を抑制できる。
特開2020-131410号公報 特開2014-4628号公報 特開2014-226685号公報
ウェーハのテラス加工は、貼り合わせウェーハ等では薄板化の起点を形成するための加工であり、半導体チップが形成される平面部を含んでその後に実施される、薄板化加工等が半導体チップ部に及ぼす影響を無くす、もしくは少なくすることを目的とする。したがって、加工されたテラス部にチッピングやひび、割れ等が発生することを極力避ける必要があり、そのためにはテラス部を平坦化する必要がある。
特許文献1に記載の従来のテラス部の加工では、テラス部を一旦加工したのち、その厚みを測定し、厚みの変動分布に応じて再度加工し、その際変動量に応じて研削砥石とウェーハの相対位置を変えているので、従来一般的な方法に比べてテラス部の厚みの均一化が図られるという利点を有する。しかしながら、最終加工まで、テラス部の厚みを測定するという工程を必要とし、この工程は研削中には外乱により精密な測定が困難であるから、一旦研削を中止して行わざるを得ず、テラス部の加工に多大な時間を要する。また、テラス部の厚みは確かに均一化されるものの、研削後の表面は砥石の粗さに起因する微小な凹凸が存在し、この凹凸がチッピングの原因になり得る。
特許文献2には、レーザ加工においてデブリを少なくしてアスペクト比の大きい凹部または貫通孔を高精度に形成することが記載されている。しかし、この公報に記載のものは、研削後のウェーハのような巨視的にはほぼ平坦面であるが、微視的には微小な凹凸が形成されている平面にレーザ光を照射して、平面に形成された研削痕のような凹凸を無くして、ウェーハの表面を微視的にも平坦化することについては考慮されていない。
また特許文献3には、マスクが必要なエッチングに代わり、低エネルギ消費で半導体材料の加工を可能にするレーザ加工法が提示されている。この公報では、レーザ光を半導体材料の裏面から照射するので、テラス部の加工のように、半導体材料の上面を研削砥石で研削加工する場合には、レーザ加工を研削加工と別個に行うか、レーザ加工のみで半導体ウェーハの加工を済ますことが求められる。前者の場合には、加工工程が重複し多大な加工時間になる。一方後者の場合には、レーザ加工における1パス当たりの加工深さには制限があり、もしくはレーザ出力を増大させる必要があり、いずれにしてもレーザ加工のみで所望の厚さまでウェーハを加工することは、時間や設備の制限があり困難になる。
本発明は、上記従来の技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は半導体ウェーハのテラス部の加工において、チッピング等の不具合の発生要因である、テラス部の表面の凹凸または残留加工応力を低減することにある。本発明の他の目的は、上記目的に加え、レーザ加工技術を応用しても加工時間を増大させることなく、ウェーハのテラス部の平坦化を実現することにある。
上記目的を達成する本発明の特徴は、表面に回路が形成された半導体ウェーハの周縁部を加工するウェーハのテラス加工方法において、高速に回転する研削砥石を低速で回転する前記半導体ウェーハに当接させて前記ウェーハの周縁部を段差状にテラス加工するステップと、低速で回転する前記半導体ウェーハに前記研削砥石が当接する位置の近傍であって、回転方向の、前記半導体ウェーハの研削が済んだ位置に、レーザ光を照射して前記半導体ウェーハのテラス加工表面を溶融して平坦化するステップとを含むことにある。
そしてこの特徴において、前記レーザ光の照射位置は、研削加工で発生した加工熱が実質的に完全には放散されない位置であることが望ましく、前記半導体ウェーハがSi基板、サファイア基板、GaN基板、SiC基板、タンタル酸リチウム基板、ニオブ酸リチウム基板の少なくともいずれかで構成されているときは、前記レーザ光を波長が532nm以上の長波長のパルスレーザ光とし、前記半導体ウェーハが酸化ガリウム基板から構成されているときは、前記レーザ光を紫外エキシマレーザ光とするのが好ましい。
上記目的を達成する本発明の他の特徴は、表面に半導体チップが多数形成された半導体ウェーハをテラス加工する加工装置において、前記半導体ウェーハの周縁部を研削し高速に回転する研削砥石と、前記半導体ウェーハを低速に回転する回転ベッドと、前記研削砥石の回転と前記半導体ウェーハの回転を制御する制御装置を備え、前記研削砥石で前記半導体ウェーハの周縁部をテラス加工するときに、前記研削砥石が前記半導体ウェーハに当接する位置の近傍であって前記研削砥石が研削加工した後の位置に前記半導体ウェーハのテラス加工表面を溶融して平坦化するレーザ光を照射する、レーザ光照射装置を設けたことにある。
そしてこの特徴において、前記レーザ光照射装置は、パルスレーザ光を出射するものであり、前記半導体ウェーハが酸化ガリウム基板から構成されるときに、前記レーザ光照射装置は紫外エキシマレーザ照射装置であり、前記半導体ウェーハが、Si基板、サファイア基板、GaN基板、SiC基板、タンタル酸リチウム基板、ニオブ酸リチウム基板の少なくともいずれかで構成されるときに、前記レーザ光照射装置は、波長が532nm以上の長波長のパルスレーザ光を出射可能であることが望ましい。
本発明によれば、ウェーハのテラス部の加工において、研削砥石を用いた研削とウェーハへのレーザ照射によるアニールとを組み合わせたことにより、チッピング等の不具合の発生要因となり得る、テラス部の表面の凹凸または残留加工応力を低減できる。また、レーザ加工装置を研削装置に隣り合って配置することにより、研削加工とアニールを同一のウェーハ上で実行することができ、ウェーハのテラス部の加工時間を増大させることなく、ウェーハのテラス部の平坦化を実現できる。
本発明に係るウェーハ加工装置の一実施例の正面図である。 テラス加工の進行状態を説明する模式図である。 本発明に係るレーザ加工装置の配置を説明するための、レーザ加工装置の上面図である。 本発明に係るレーザ加工前後におけるウェーハのテラス加工面の状態を示す写真であり、(a)は加工後を示し、(b)は加工前を示す。 本発明に係るレーザ加工前後におけるウェーハのテラス加工面の状態を示す写真であり、(a)は加工後を示し、(b)は加工前を示す。
以下、本発明に係るウェーハのテラス加工装置及び加工方法を、図面を用いて説明する。図1は、ウェーハWのテラス加工に用いるウェーハ面取り装置100を含むウェーハ加工装置300の一実施例の正面図である。ウェーハ面取り装置100は、ウェーハWや種々の脆性板状体の周縁部を加工する装置であり、例えば、Siウェーハや、サファイア、SiC、GaN、LT等の化合物半導体を加工可能である。本実施例の以下の記載では、ウェーハ面取り装置100で加工する被加工物は、シリコンウェーハを2個積層して貼り合わせた貼り合わせウェーハWを例にとり説明するが、その他の材料製のウェーハや板状体であっても同様に加工できる。
ウェーハ面取り装置100は、ウェーハ送りユニット102と研削ユニット104を備える。ウェーハ送りユニット102は水平に配置されたベースプレート106を備え、ベースプレート106上には、1対のY軸ガイドレール108が間隔を置いて平行に配置され、各Y軸ガイドレール上にはY軸リニアガイド110が配設されている。Y軸リニアガイド110上には、Y軸テーブル112が載置されている。Y軸テーブル112は、Y軸モータ114で駆動されるY軸ボールねじ116により、Y軸ガイドレール108に沿ってY方向に直動する。
Y軸テーブル112上にはY軸ガイドレール108に直交して、1対のX軸ガイドレール120が間隔を置いて平行に配設され、各X軸ガイドレール120上にはX軸リニアガイド122が配設されている。X軸リニアガイド122上にはX軸テーブル124が載置されている。X軸テーブル124は、X軸モータ126で駆動されるX軸ボールねじ128により、X軸ガイドレール120に沿ってX方向に直動する。
X軸テーブル124上には、Z軸ベース130がX軸テーブル124に対して垂直に設けられており、Z軸ベース130にはZ軸ガイドレール132が配設されている。Z軸ガイドレール132にはZ軸リニアガイド134が取り付けられており、Z軸リニアガイド134の反Z軸ガイドレール面側には、Z軸テーブル136が上下方向に移動可能に配設されている。Z軸テーブル136は、Z軸モータ138で駆動されるZ軸ボールねじ140により、上下方向に移動可能になっている。すなわち、Z軸モータ138を駆動するとZ軸ボールねじ140が回動し、Z軸テーブル136がZ軸ガイドレール132に沿って昇降する。
Z軸テーブル136上には、ワークを回転させるのに用いる保持台である吸着テーブル160を回転駆動するθ軸モータ150が、配設されている。θ軸モータ150は、θ軸シャフト152に連結されており、θ軸シャフト152の上端部に、吸着テーブル160が水平に接続されている。吸着テーブル160はいわゆる真空チャックであり、被加工物である貼り合わせウェーハWを真空吸着して載置し、その状態でウェーハWをテラス加工する。ここで、θ軸はZ軸に平行な上下方向を向いた回転軸線である。
このように構成したウェーハ送りユニット102では、Y軸モータ114を制御装置252が駆動制御することにより、吸着テーブル160は図1で左右方向であるY方向に移動し、同様に、制御装置252がX軸モータ126を駆動制御することにより、吸着テーブル160は図1で紙面表裏方向であるX方向に移動する。また、制御装置252がθ軸モータ150を駆動することにより、吸着テーブル160はZ軸に平行なθ軸周りに比較的低速で回転する。
一方、研削砥石180が取り付けられる研削ユニット104においては、ベースプレート172上に架台174が配設されている。ここでベースプレート172は、図1に示すように、ウェーハ送りユニット102に配置されたベースプレート106と一体になっていてもよいし、あるいは別体となっても良い。架台174上には、外周モータ176が設けられており、外周モータ176はスピンドル178に連結されている。スピンドル178の中心軸線CHはZ軸に平行である。スピンドル178の下端部には、研削砥石180が着脱可能に取り付けられる。スピンドル178は、外周モータ176により比較的高速に回転駆動される。クーラントとしての研削液を吐出するノズル(図示せず)が、必要に応じて配置されており、研削砥石180がワークに当接する研削位置へ研削液を噴射する。
図2に、ウェーハWのテラス加工の様子を、ウェーハの部分正面図で示す。図2(a)は、テラス加工前の状態を示し、図2(b)はテラス加工中の状態を示す。図2(c)は、テラス加工を終えた状態を示す。ウェーハ面取り装置100を用いたテラス加工では、初めにウェーハWを吸着テーブル160に載置し、真空吸着する。それとともに、Z軸モータ138を駆動して吸着テーブル160の高さを調整して、ウェーハWの高さを研削砥石180の加工位置に合わせ、X軸モータ126を駆動してウェーハWの回転軸となるθ軸と研削砥石180の中心軸線CHのX軸方向位置に一致させる。この時、Y軸モータ114は駆動しないか、またはウェーハWが研削砥石180に接近し過ぎていたら退避位置まで退避しているように駆動する。
次いで制御装置252が外周モータ176を高速に、θ軸モータ150を低速にそれぞれ同一方向の移動になるように回転制御する。例えば、外周モータ176に連結したスピンドル178に取り付けた研削砥石180の回転速度が3000rpm、ウェーハWの外周速度が5mm/sとなる回転速度に、それぞれのモータ176、150を制御する。
この状態で、制御装置252がY軸モータ114を駆動して、ウェーハWを研削砥石180にY軸方向に接近させる(図2(a)参照)。そして、ウェーハWが研削砥石180に当接する地点の近傍まで接近したら、Y軸モータ114の回転速度を低下させ、ウェーハWのY軸方向送り速度を減速し、ウェーハWに研削砥石180を当接させる。その後、1研削当たりの半径方向研削幅となるようにウェーハWのY軸方向送り量を決定し、決定した送り量の下でウェーハWの全周にわたる研削を開始する(図2(b)参照)。一旦研削が開始されると研削位置に向けてノズルからクーラントが噴出され、研削により生じた研削屑や砥石の摩耗粉等を研削位置から排除するとともに、研削個所を冷却する。
1研削で(1パス当たり)可能な半径研削幅が所望テラス加工幅以上であれば、全周にわたり研削が終了すると、Y軸モータ114を駆動してウェーハWを研削位置から退避する。1研削当たり可能な半径方向研削幅が所望テラス加工幅より小さければ、複数回(複数パス)だけ上記を繰り返す。また、一般にウェーハWにテラス加工を施す場合は、ウェーハWの厚み方向、すなわちZ方向に複数回の研削が必要であるから、Z軸モータ138を駆動して所定Z軸方向送り量だけZ方向にウェーハWを移動させて、研削高さ位置を変更する。ウェーハWの高さ位置が下方に変化したので、再びY軸モータ114を駆動してウェーハWに当接させ、所定Y軸方向送り量で所定半径方向幅の研削を実行する。これを繰り返し、ウェーハWにおいて所定厚さまでテラス加工を施したら(図2(d)参照)、次のウェーハWの加工に移る。なお、図2(c)は、詳細を後述するレーザ加工状態を示す図であり、ウェーハ送りユニット102において周方向位置を、その他の図(図2(a)、(b)、(d))とは変えて示している。上記テラス加工においては、制御装置252が、研削砥石180の研削速度や、ウェーハWの回転速度、および研削砥石180とウェーハWの位置を制御する。
以上の記載においては、従来のテラス加工時と同様にウェーハ面取り装置100を用いているが、本発明においては、上述の従来の機械的な研削加工に加えて、レーザ加工を研削加工時に併用することを特徴とする。そのため、ウェーハ面取り装置100にレーザ加工装置200が付加されている。このレーザ加工装置200を備えたウェーハ面取り装置100を、以下ウェーハ加工装置300と呼ぶ。
図1および図3~図5を参照して、レーザ加工装置200を加えた本発明に係るウェーハ加工装置300によるテラス加工を説明する。図3はウェーハ面取り装置100とレーザ加工装置200の相対位置関係を示す、ウェーハ加工装置300の一部だけを示した上面図である。図4は、ウェーハWをテラス加工した後のウェーハWのテラス加工面Sの状態を拡大して示す写真であり、図4(a)は本発明によるウェーハ加工方法を施したウェーハWのテラス加工面Sの一例の拡大写真であり、図4(b)は従来のウェーハWのテラス加工面Sの一例の拡大写真である。図5は、図4のウェーハWのテラス加工部Pの断面写真(透過型電子顕微鏡TEM画像)であり、図5(a)は図4(a)に対応し、図5(b)は図4(b)に対応する写真である。
ウェーハ面取り装置100の近傍には、レーザ加工装置200が配置されている。図1では、理解しやすいようにレーザ加工装置200をウェーハ送りユニット102を挟んで研削ユニット104の反対側に配置しているが、図3に示すように、研削砥石180がウェーハにWに当接する位置の近傍に照射位置が位置するように、レーザ加工装置200は配置される。
レーザ加工装置200は、レーザ光源210と、このレーザ光源210から出射した光を2つに分光するビームスプリッタ212を備える。ビームスプリッタ212で分光された一方の光である第1の分光220は、ガルバノミラー222およびf-θレンズ224を介してZ軸方向に位置を調整されて照射位置Pである端面242に照射される。他方の光である第2の分光230は、同様にガルバノミラー232、f-θレンズ234を介して半径方向に位置を調整されて、照射位置Pであるテラス加工面244に照射される。ウェーハWの研削加工を終えた直後の位置である照射位置Pでは、これら2つの分光が各面242、244を照射して、研削後のウェーハWを加熱する。なお、テラス加工の形態によっては、テラス加工により形成される上下方向に広がる端面242が円筒面ではなく円錐面となる。その場合、第1の分光220は、角度を持って端面242に入射する。
レーザ加工装置200の各光学部品212、222、224、232、234は、筐体または保持具254内に配設され、これらは本実施例では、ウェーハ面取り装置100の制御装置252の上面に配置されている。すなわち、制御装置252は架台としても働き、加工スペースの有効活用を図っている。ウェーハ面取り装置100の制御装置252の上部には、レーザ加工装置200の制御装置250が組み込まれており、レーザ光源210のレーザ光の出射タイミングや出射強度、ガルバノミラー222、232の照射位置や回動等を制御する。
ところでウェーハの研削加工時には、ウェーハWと研削砥石180の間の接線方向の相対移動に起因する摩擦があり、この摩擦により摩擦熱が発生する。ウェーハWの加工においては、摩擦熱は工具の消耗を早めることや研削条件を変えるので、従来摩耗粉や研削砥石片の除去の効果も含めて、クーラントを加工部に噴射していた。その結果、ウェーハWはクーラントにより急速に冷却されている。
このような研削加工を経たウェーハWでは、ウェーハWのテラス加工面Sを微視的に観察すると、図4(b)に示すように、研削砥石180が移動する方向に沿って、研削砥石180が有する砥粒等に起因する縞模様が観察される。ここで、図4では、テラス加工面SをウェーハWの上方から見ており、500倍に拡大して示している。また図5(b)に示すように、ウェーハWのテラス加工部PをウェーハWの厚さ方向に切断した断面図では、表面の複数個所(図5(b)の場合には丸囲み部分No.1~3の3か所)に厚さ方向の微小傷が観察される。さらにウェーハWの内部にも傷または欠陥(丸囲みNo.4)の発生がみられる。ここで、図5ではウェーハWを厚さ方向(図2(d)のA-A線)で切断しており、ウェーハWの表面にはカーボン層262を形成して、表面を保護している。なお本実施例では、ウェーハWはSi(シリコン)ウェーハである。また、試料表面位置を264で示している。
ウェーハWにテラス加工を施すのは、ウェーハWの周縁部に発生した亀裂や割れがウェーハWの中心部に進展し、それによりウェーハWの中心部に形成した回路が損傷され、半導体装置(チップ)の歩留まりが低下する、ことを防止するためである。しかしながら、テラス加工をしたことにより、テラス加工部Pには図4(b)、図5(b)に示すように新たな傷(図5(b)の丸囲み部分のNo.1~4)が発生しており、この傷はウェーハWから半導体チップを形成する以後の工程における、歩留まり低下要因になりかねない。すなわちこのような微小傷が、半導体内部までの割れや亀裂に進展することも完全には除外できない。また、テラス加工時にクーラントで冷却しているので、研削加工時の加工応力が残留応力としてそのままウェーハWに残り易くなる。
これらの現状の課題に鑑み、研削加工を阻害することなく、研削加工後の半導体ウェーハWを効果的に溶融するために、本発明ではレーザ加工装置200を設け、局所的に加熱することで、表面に凹凸の生じていたテラス加工部Pの加工面Sを微小傷のない平坦な面に変換するとともに、クーラントによる冷却を阻害することなく、摩擦熱を効果的に利用している。
特に、テラス加工時に発生する摩擦熱をレーザ加工に加える、換言すれば、摩擦熱が十分に放散される前にレーザ加工を施すことにより、レーザ加工の効果がより増大する、もしくはレーザ強度を小さくすることができる。そのため、本実施例では、半導体ウェーハWが回転する方向の位置であって、研削加工位置Pよりも回転方向前側位置(図3ではウェーハWが右回転しているので右側)に、好ましくは研削直後の位置に、レーザ照射位置Pを配置している。これにより、レーザ照射位置Pでのクーラントによる冷却速度を低下させ、テラス加工部PからウェーハWに亀裂等が発生するのを抑制している。
本発明で示したレーザ加工装置200を用いたレーザ加工について、以下にさらに説明する。レーザ光はパルスレーザ光であり、その波長は被加工物であるウェーハWの材質に応じて変化させることが好ましい。被加工物が、Si(シリコン)、サファイア、GaN(窒化ガリウム)、SiC(炭化ケイ素)、LiTaO(タンタル酸リチウム)、LiNbO(ニオブ酸リチウム)等のウェーハや基板の場合には、波長が比較的長い532nm以上のナノ秒パルスレーザを用いることがテラス加工面Sの熱吸収の面で好ましい。その際、GaNやSiC基板またはウェーハWの場合には、レーザ吸収率の高い流動性物質をウェーハWや基板の表面に塗布してレーザ光を照射するようにしてもよい。この場合、ウェーハWの内部に到達する前に流動性物質に吸収されるレーザ光の割合が高いので、レーザ光で発生する熱はウェーハWの界面すなわちテラス加工面Sに集中し、より効果的にウェーハWを溶融でき、テラス加工面Sを平坦化できる。一方、Ga(酸化ガリウム)の場合には、波長の短い、例えば波長250~260nmの紫外エキシマレーザ光を用いることにより、レーザアニーリングが可能になる。
以上説明したように、本発明の上記実施例によれば、テラス加工において、研削加工直後のウェーハにレーザ光を照射して、加工表面を一旦溶融するとともに残留加工応力を解放するので、テラス加工部の研削加工後の凹凸表面が平坦化されるとともに、微小傷を消滅させることが可能になる。これによりテラス部に起因する亀裂が半導体ウェーハ上に形成されたチップ部へ進展するのを防止し、半導体製造の歩留まりを向上できる。
なお、上記レーザ加工を、少なくともテラス加工における研削の最終パスもしくは仕上げ研削で実施すれば、薄板化工程等の次工程に平坦化され亀裂等のない状態でウェーハを提供できる。したがって、加工の複雑さを排したい場合や、研削粗加工であり、最終的には仕上げ加工が想定される場合には、レーザ加工を省くこともできる。しかしながら、研削砥石の摩耗や砥粒の研削砥石からの脱落が発生するタイミングを予期することは困難であるから、毎研削パスごとにレーザ加工を併用することがより望ましい。
100…ウェーハ面取り装置、102…ウェーハ送りユニット、104…研削ユニット、106…ベースプレート、108…Y軸ガイドレール、110…Y軸リニアガイド、112…Y軸テーブル、114…Y軸モータ、116…Y軸ボールねじ、120…X軸ガイドレール、122…X軸リニアガイド、124…X軸テーブル、126…X軸モータ、128…X軸ボールねじ、130…Z軸ベース、132…Z軸ガイドレール、134…Z軸リニアガイド、136…Z軸テーブル、138…Z軸モータ、140…Z軸ボールねじ、150…θ軸モータ、152…θ軸シャフト、160…吸着テーブル、172…ベースプレート、174…架台、176…外周モータ、178…スピンドル、180…研削砥石、200…レーザ加工装置、210…レーザ光源、212…ビームスプリッタ、220…(第1の)分光、222…ガルバノミラー、224…f-θレンズ、230…(第2の)分光、232…ガルバノミラー、234…f-θレンズ、242…(テラス加工)端面、244…テラス加工面(S)、250…(レーザ加工装置の)制御装置、252…制御装置、254…保持具(筐体)、262…カーボン層、264…試料表面位置、300…ウェーハ加工装置、CH…中心軸線、P…レーザ照射位置、P…研削位置、P…テラス加工部、S…テラス加工面、W…(半導体)ウェーハ

Claims (8)

  1. 表面に回路が形成された半導体ウェーハの周縁部を加工するウェーハのテラス加工方法において、
    高速に回転する研削砥石を低速で回転する前記半導体ウェーハに当接させて前記ウェーハの周縁部を段差状にテラス加工するステップと、
    低速で回転する前記半導体ウェーハに前記研削砥石が当接する位置の近傍であって、回転方向の、前記半導体ウェーハの研削が済んだ位置に、レーザ光を照射して前記半導体ウェーハのテラス加工表面を溶融して平坦化するステップとを含むことを特徴とする半導体ウェーハのテラス加工方法。
  2. 前記レーザ光の照射位置は、研削加工で発生した加工熱が実質的に完全には放散されない位置であることを特徴とする請求項1に記載の半導体ウェーハのテラス加工方法。
  3. 前記半導体ウェーハがSi基板、サファイア基板、GaN基板、SiC基板、タンタル酸リチウム基板、ニオブ酸リチウム基板の少なくともいずれかで構成されているときは、前記レーザ光を波長が532nm以上の長波長のパルスレーザ光としたことを特徴とする請求項1に記載の半導体ウェーハのテラス加工方法。
  4. 前記半導体ウェーハが酸化ガリウム基板から構成されているときは、前記レーザ光を紫外エキシマレーザ光としたことを特徴とする請求項1に記載の半導体ウェーハのテラス加工方法。
  5. 表面に半導体チップが多数形成された半導体ウェーハをテラス加工するのに用いる加工装置において、
    前記半導体ウェーハの周縁部を研削し高速に回転する研削砥石と、前記半導体ウェーハを低速に回転する回転ベッドと、前記研削砥石の回転と前記半導体ウェーハの回転を制御する制御装置を備え、
    前記研削砥石で前記半導体ウェーハの周縁部をテラス加工するときに、前記研削砥石が前記半導体ウェーハに当接する位置の近傍であって前記研削砥石が研削加工した後の位置に前記半導体ウェーハのテラス加工表面を溶融して平坦化するレーザ光を照射する、レーザ光照射装置を設けたことを特徴とする半導体ウェーハの加工装置。
  6. 前記レーザ光照射装置は、パルスレーザ光を出射することを特徴とする請求項5に記載の半導体ウェーハの加工装置。
  7. 前記半導体ウェーハが酸化ガリウム基板から構成されるときに、前記レーザ光照射装置は紫外エキシマレーザ照射装置であることを特徴とする請求項5に記載の半導体ウェーハの加工装置。
  8. 前記半導体ウェーハがSi基板、サファイア基板、GaN基板、SiC基板、タンタル酸リチウム基板、ニオブ酸リチウム基板の少なくともいずれかで構成されるときに、前記レーザ光照射装置は、波長が532nm以上の長波長のパルスレーザ光を出射可能であることを特徴とする請求項5に記載の半導体ウェーハの加工装置。
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