JP2022138467A - 包装容器 - Google Patents

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Riyo Iwata
規行 佐々木
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Abstract

【課題】四角形状の天部側シートと同様に四角形状の底部側シートとを重ね、その周縁で全周に渡って互いに固定して構成され、外側に突出したフィン状パネルを側面にシールした包装容器において、側面の位置では天部用シートの端部から底部用シートの端部が覗くことがなく、しかも、フィン状パネルを十分なシール強度で側面にシールした包装容器を提供すること。【解決手段】底部側固定部1B40が、天部側固定部1A40の幅と同一幅の領域(同一幅領域)と、天部側固定部の幅よりも狭い幅の領域(狭幅領域)とを有する底部側シート1Bを使用する。そして、底部側側面1B22,1B24の外側に位置する領域1B42,1B44を前記狭幅領域とし、この両側であって底部側つなぎ片の外側に位置する領域を前記同一幅領域とする。【選択図】図2

Description

本発明は、天部側シートと底部側シートとを重ね、その周縁で全周に渡って互いに固定して構成された容器であって、平坦な状態で供給され、これを立ち上げて箱型の状態に変形することのできる包装容器に関するものである。
このような包装容器は、例えば、特許文献1に記載されている。
この包装容器2は次のようなものである。
すなわち、この包装容器2に使用する天部側シート2Aは、図6に示すように、その中央に四角形状の天面2A10を有しており、この天面2A10には開口部2A11が設けられている。
次に、天部側シート2Aは、四角形状の天面2A10の各辺を折り曲げ用罫線として、この天面2A10の各辺を一辺とする四角形状の天部側側面2A21~2A24を有している。天部側側面2A21~2A24の数は、四角形状天面2A10の辺の数と同じ4である。
また、天部側シート2Aは、互いに隣接する各天部側側面の間に、この天部側側面2A21~2A24同士を繋ぐ天部側つなぎ片2A31~2A34を有している。すなわち、天部側側面2A21と天部側側面2A22との間は天部側つなぎ片2A31で繋がれている。また、天部側側面2A22と天部側側面2A23との間は天部側つなぎ片2A32で繋がれている。その他の天部側側面についても同様である。なお、各天部側側面2A21~2A24と天部側つなぎ片2A31~2A34との間には折り曲げ用罫線が設けられている。
そして、この天部側つなぎ片2A31~2A34によって、天部側側面2A21~2A24の間は閉塞されている。図示のように、この例では、天部側側面2A21~2A24と天部側つなぎ片2A31~2A34とを併せた部分の外形は四角形状を有しており、各天部側つなぎ片2A31~2A34はその角部に位置して、天部側側面2A21~2A24の間を閉塞している。例えば、天部側側面2A21と天部側側面2A22との間は天部側つなぎ片2A31で閉塞している。
次に、天部側シート2Aは、これら天部側側面2A21~2A24と天部側つなぎ片2A31~2A34とを併せた四角形状の部分の外側に、底部側シート2Bと固定するヒートシール領域から成る天部側固定部2A40を有している。天部側シート2Aは、その全体が天面2A10、天部側側面2A21~2A24、天部側つなぎ片2A31~2A34及び天部側固定部2A40で構成されており、四角形状である。そして、天部側固定部2A40は天部側シート2Aの外形を決定しており、四角の枠状を有している。また、その幅は全周に渡って均一である。図6において、2A40Hは、天部側固定部2A40のうち、図示左右方向に延びる辺の幅を示しており、2A40Lは図示左右方向に延びる辺の幅を示しているが、前記のとおり、この幅2A40Hと幅2A40Lとは同一である。
次に、天部側つなぎ片2A31~2A34は、天面2A10の各頂点から、天部側つなぎ片2A31~2A34を二等分する天部側二つ折り用罫線を有しており、この天部側二つ折り用罫線は、天部側つなぎ片2A31~2A34の外側に位置する天部側固定部2A
40を横断して、その端部2Ay、すなわち、天部側シート2Aの端部2Ayまで延びている。すなわち、図6に拡大して示すように、例えば、天部側側面2A23と天部側側面2A24とは、天面2A10の頂点2A10bを共有している。天部側側面2A23を構成する辺のうち、天面2A10の頂点2A10bを共有している辺には、符号2A23bを付して示している。また、天部側側面2A24を構成する辺のうち、天面2A10の頂点2A10bを共有している辺には、符号2A24bを付して示している。そして、この辺2A23bと辺2A24bとがなす角を二等分する天部側二つ折り用罫線2A33cが設けられ、この天部側二つ折り用罫線2A33cによって、天部側つなぎ片2A33は2つの領域2A331,2A332に区分されている。すなわち、図において、辺2A23bと二つ折り用罫線2A33cとがなす角2θ1と、辺2A24bと天部側二つ折り用罫線2A33cとがなす角2θ2とは等しく、領域2A331と領域2A332とは、同形同大で、しかも、天部側二つ折り用罫線2A33cを対称軸として線対称に配置されている。なお、前述のように天部側二つ折り用罫線2A33cは天部側つなぎ片2A33の外側に位置する天部側固定部2A40を横断してその端部まで延びているから、天部側固定部2A40のこの領域も天部側二つ折り用罫線2A33cによって二分されており、二分された領域は同形同大で、しかも、天部側二つ折り用罫線2A33cを対称軸として線対称に配置されている。
以上天部側つなぎ片2A33を例として天部側二つ折り用罫線2A33cについて説明したが、その他の天部側つなぎ片2A31~2A32,2A34にも同様に天部側二つ折り用罫線2A31c~2A32c,2A34cが設けられている。
次に、底部用シート2Bは、後述する点を除き、天部側シート2Aと同様の構造を有している。すなわち、図7に示すように、まず、底部用シート2Bは中央に四角形状の底面12B10を有している。この四角形状底面2B10は天面2A10と同形同大である。底部用シート2Bが天部側シート2Aと異なる点は、天部側シート2Aの天面2A10には、開口部2A11が設けられているのに対し、底部用シート2Bの底面2B10には開口部が設けられていないことである。
また、底部用シート2Bは、四角形状の底面2B10の各辺を折り曲げ用罫線として、この各辺を一辺とする四角形状の底部側側面2B21~2B24を、前記長方形状底面2B10の辺の数と同じ4つ有している。これら底部側側面2B21~2B24も、それぞれ、天部側側面2A21~2A24と同形同大である。
また、底部用シート2Bは、互いに隣接する各底部側側面2B21~2B24の間に、この底部側側面2B21~2B24同士を繋いでしかも閉塞する底部側つなぎ片2B31~2B34を有している。これら底部側つなぎ片2B31~2B34は天部側つなぎ片2A31~2A34と同形同大である。
なお、各底部側側面2B21~2B24と底部側つなぎ片2B31~2B34との間には折り曲げ用罫線が設けられている。
次に、底部側シート2Bは、これら底面2B10、底部側側面2B21~2B24及び底部側つなぎ片2B31~2B34を併せた四角形状の部分の外側に、天部側シート2Aと固定するヒートシール領域から成る底部側固定部2B40を有している。底部側固定部2B40は天部側固定部2A40と同形同大で、底部側シート2Bの外形を決定しており、四角の枠状を有している。また、その幅は全周に渡って均一である。図7において、2B40Hは、底部側固定部2B40のうち、図示左右方向に延びる辺の幅を示しており、2B40Lは図示左右方向に延びる辺の幅を示しているが、この幅2B40Hと幅2B40Lは、いずれも、天部側固定部2A40の幅2A40H及び幅2A40Lと同一である。
そして、各底部側つなぎ片2B31~2B34には、底面2B10の各頂点から、底部側つなぎ片2B31~2B34を二等分する底部側二つ折り用罫線2B31c~2B34cが設けられており、この底部側二つ折り用罫線は、底部側つなぎ片2B31~2B34の外側に位置する底部側固定部2B40を横断して、その端部2By、すなわち、底部側シート2bの端部2Byまで延びている。そして、この底部側二つ折り用罫線2B31c~2B34cによって、底部側つなぎ片2B31~2B34は、それぞれ、線対称な2つの領域に区分されている。前述のように、底部側二つ折り用罫線2B31c~2B34cは底部側つなぎ片2B31~2B34の外側に位置する底部側固定部2B40を横断して、その端部2Byまで延びているから、底部側固定部2B40のこの領域も底側二つ折り用罫線2B33cによって二分されている。
そして、これら天部側シート2Aと底部側シート2Bとを位置合わせして重ね、両固定部2A40,2B40同士をヒートシールすることにより容器固定部240を形成して、平坦な状態の包装容器2Cを製造することができる(図8参照)。なお、当然のことではあるが、この際には、天部側シート2Aと底部側シート2Bとは、包装容器2の内面を構成する表面(内側表面)同士が向き合うように重ねられ、これら内面側表面同士がシールされる。このため、天部側シート2Aの内側表面と底部側シート2Bの内側表面とは互いにヒートシール可能な材質で構成されている必要がある。
ところで、包装容器2は、このように平坦な状態で保管し、また、内容物を充填密封する工程に供給することができる。
平坦状態の包装容器2Cを箱型の状態に変形するためには、まず、天部側シート2Aと底部側シート2Bとのそれぞれをその折り曲げ用罫線で折り曲げて立ち上げる。
こうして折り曲げ用罫線で折り曲げて立ち上げた包装容器2の中間製品(中間容器)2Dを図9に示す。この中間容器2Dでは、天部側つなぎ片2A31~2A34及び底部側つなぎ片2B31~2B34が、その中央に位置する天部側二つ折り用罫線2A31c~2A34cと底部側二つ折り用罫線2B31c~2B34cのいずれもが容器外面に対して山折りになるように二つ折りされたものである。この二つ折りによって、天部側シート2Aの天部側側面2A21~2A24のうち、互いに隣接する側面を構成する辺同士が重なり合い、また、天部側二つ折り用罫線2A31c~2A34cのそれぞれによって区分された2つの領域が互いに重なり合って、フィン状パネルの天部側を構成する。図6の拡大図を参照して天部側つなぎ片2A33について説明すると、この天部側つなぎ片2A33を天部側二つ折り用罫線2A33cで二つ折りすることにより、この天部側つなぎ片2A33の両側に位置する天部側側面2A23の辺2A23bと天部側側面2A24の辺2A24bとが互いに重なり合う。また、天部側二つ折り用罫線2A33cで区分された2つの領域2A331,2A332が互いに重なり合い、これに加えて、天部側固定部2A40のうち前記領域2A331の外側に位置する領域と前記領域2A332の外側に位置する領域も互いに重なり合って、中間容器2Dの各角部から外側に向けて突出するフィン状パネルの天部側を構成する。
ところで、平坦な状態の包装容器2Cにおいては、天部側シート2Aの天部側つなぎ片2A33と底部側シート2Bの底部側つなぎ片2B33とは正確に重なり合い、その天部側二つ折り用罫線2A33cと底部側二つ折り用罫線2B33cも互いに正確に重なり合っているから、天部側シート2Aの天部側つなぎ片2A33を天部側二つ折り用罫線2A33cで二つ折りするとき、底部側シート2Bの底部側つなぎ片2B33も底部側二つ折り用罫線2B33cで二つ折りされる。このため、底部側つなぎ片2B33の両側に位置する底部側側面2B23の辺2B23bと底部側側面2B24の辺2B24bも互いに重なり合い、また、底部側二つ折り用罫線1B’33cで区分された2つの領域も互いに重なり合って、中間容器2Dの各角部から外側に向けて突出するフィン状パネル233を構成する。
そして、天部側シート2Aの天部側側面2A23と底部側シート2Bの底部側側面2B23とは容器固定部240を介して連続しているから、この両側面2A23,2B23によって中間容器2Dの側面223が構成される。同様に、図9に示すように、両側面2A24,2B24によって中間容器2Dの側面224が構成される。その他の側面221,222についても同様である。
また、天部側シート2Aの天部側つなぎ片2A33と底部側シート2Bの底部側つなぎ片2B33も容器固定部240を介して連続しているから、この両つなぎ片2A33,2B33で構成されたフィン状パネル233によって前記側面223,224同士を繋いでしかも閉塞する。すなわち、天部側側面2A23と底部側側面2B23とで構成される側面223と、天部側側面2A24と底部側側面2B24とで構成される側面224との間を繋いで、しかも、ここに隙間が生じることがないように閉塞するのである。
以上、天部側つなぎ片2A33及び底部側つなぎ片2B33で構成された部分を二つ折りする場合を例として説明したが、その他のつなぎ片についても同様である。
そして、このようにすべてのつなぎ片2A31~2A34,2B31~2B34を二つ折りすることにより、各側面221~224が形成されるから、これに伴って所定の折り曲げ用罫線で折り曲げられ、この中間容器2Dは箱型の形態を採る。この箱型の状態の中間容器2Dは、天面2A10と底面2B10とを有し、その周囲に側面221~224が設けられており、しかも、側面221~224の間を、つなぎ片2A31~2A34及び2B31~2B34で構成されたフィン状パネル231~234が閉塞しているから、前記開口部2A11を除いて密封された状態にある。
ところで、このように箱型の状態に変形された中間容器2Dでは、フィン状パネル231~234が中間容器2Dの各角部から外側に向けて突出している。そこで、このフィン状パネル231~234を倒して各側面221~224に折り重ね、ヒートシールして接着することによって、その外観を整えることができる。図10はこのようにフィン状パネル231~234を中間容器2Dの各側面221~224に折り重ねて製造した箱型の状態の包装容器2を示している。なお、フィン状パネル231~234を各側面221~224にヒートシールして接着する際には、天部側シート2Aの両面のうち、包装容器2の外面側表面を構成する面(外側表面)同士をヒートシールすることとなる。また、同様に、底部側シート2Bの外側表面同士をヒートシールすることとなる。このため、天部側シート2Aの外側表面は、この外側表面同士をヒートシール可能な材質で構成されている必要がある。同様に底部側シート2Bの外側表面も、この外側表面同士をヒートシール可能な材質で構成されている必要がある。
ところで、前述のように、平坦な状態の包装容器2Cを製造する際には、天部側シート2Aの天部側固定部2A40と底部側シート2Bの底部側固定部2B40とを位置合わせしてヒートシールする。このため、天部側固定部2A40の端部2Ay、すなわち、天部側シート2Aの端部2Ayと底部側固定部2B40の端部(底部側シート2Bの端部)2Byとは、同じ位置にある(図8参照)。しかしながら、これら両シート2A,2Bには厚みがあるため、両固定部2A40,2B40同士をヒートシールして形成した固定部240を底部側に向けて折り曲げると、図9~図10に示すように、天部側固定部2A40の端部2Ayの下から底部側シート2Bの端部2Byが覗いて見える結果となり、その外観を損なうことになる。
特許文献2は、このような外観上の欠陥を解消した包装容器3を記載している。
この包装容器3は、包装容器2と同様に、天部側シート3Aと底部側シート3Bとで構成されている。
図11は天部側シート3Aの平面図である。この天部側シート3Aは、包装容器2を構成する天部側シート2Aと同様の形状及び構造を有しているが、次の点で異なっている。
すなわち、まず、この天部側シート3Aは、天部側固定部3A40の幅が、全周に渡って、後述する底部側シート3Bの底部側固定部B40の幅より広い。図11において、3A40Hは、天部側固定部3A40のうち、図示左右方向に延びる辺の幅を示しており、3A40Lは図示左右方向に延びる辺の幅を示しているが、3A40Hと幅3A40Lとは同一であり、いずれも、後述する底部側固定部3B40の幅3B40H,3B40Lよりも広く構成されている。
また、図11においては、天部側固定部3A40と天部側側面3A21~3A24との境界、及び天部側固定部3A40と天部側つなぎ片3A31~3A34との境界を破線3Axによって示しているが、これらは説明の便宜のために施したものである。後述する底部側シート3の底部側固定部3B40と底部側側面3B21~3B24との境界3Bxと異なり、天部側固定部3A40と天部側側面3A21~3A24との境界には折り曲げ用罫線は存在しない。天部側固定部3A40と天部側つなぎ片3A31~3A34との境界にも折り曲げ用罫線は存在しない。
一方、図12は底部用シート3Bの平面図である。この底部用シート3Bも、底部側固定部3B40の幅が、全周に渡って、天部側固定部3A40の幅より狭いことを除いて、底部用シート2Bと同様である。図12において、3B40Hは、底部側固定部3B40のうち、図示左右方向に延びる辺の幅を示しており、3B40Lは図示左右方向に延びる辺の幅を示しており、これらは互いに同一である。そして、これらはいずれも、天部側固定部3A40の幅3A40H,3A40Lよりも狭い。
また、底部側シート3Bの底部側固定部3B40と底部側側面3B21~3B24との境界、及び底部側固定部3B40と底部側つなぎ片3B31~3B34との境界には折り曲げ用罫線3Bxが設けられている。天部側シート3Aの天部側固定部3A40の境界には折り曲げ用罫線が存在しないから、この両シート3A,3Bを重ねて固定し、箱型の状態としたとき、互いに固定された両固定部3A40,3B40は折り曲げ用罫線3Bxによって底部側シート3B側に折り曲げられる。
そして、これら天部側シート3Aと底部側シート3Bとを使用して平坦な状態の包装容器3Cを製造する方法も、包装容器2の場合と同様である。しかしながら、全周に渡って天部側固定部3A40の幅が底部側固定部3B40の幅より広いため、天部側シート3Aと底部側シート3Bとを重ね合わせたとき、天部側固定部3A40が底部側固定部3B40の外側にはみ出す。図13はこうして重ね合わせて天部側固定部3A40と底部側固定部3B40とをシールして接着した平坦な状態の包装容器3Cを示しており、図13(a)はその平面図、図13(b)は図13(a)におけるX-Y線における断面説明図である。なお、図13(a)において、ハッチングを施した領域は、天部側固定部3A40のうち、この天部側固定部3A40が底部側固定部3B40の外側にはみ出した領域3A40x、すなわち、天部側固定部3A40が底部側固定部3B40に重なっておらず、その内側表面が露出している部位3A40xを示している。
このように天部側固定部3A40が底部側固定部3B40の外側にはみ出して底部側固定部3B40に重なっていない部位3A40xを有する平坦な状態の包装容器3Cを変形して、箱型の状態とし、かつ、フィン状パネル331~334を各側面321~324に折り重ね、ヒートシールして接着した状態の包装容器3の斜視図を図14に示す。この図14においては、天部側固定部3A40が底部側固定部3B40の外側にはみ出した領域3A40xにハッチングを施して示すと共に、さらにこの領域3A40xを2つに区分して、天部側側面3A21~3A24の外側に位置する天部側固定部3A40の一部であって、底部側固定部3B40の外側にはみ出した領域に符号「3A40x1」を付し、天部側つなぎ片3A31~3A34の外側に位置する天部側固定部3A40の一部であって、底部側固定部3B40の外側にはみ出した領域に符号「3A40x2」を付して示している。
そして、この領域3A40xでは、天部側固定部3A40が底部側固定部3B40に重なっておらず、その内側表面が露出している。しかも、前述のように、底部側シート3Bの底部側固定部3B40と底部側側面3B21~3B24との境界、及び底部側固定部3B40と底部側つなぎ片3B31~3B34との境界には折り曲げ用罫線3Bxが設けられているが、天部側シート3Aにはこれに対応する折り曲げ用罫線が設けられていないから、天部側固定部3A40と底部側固定部3B40とをシールして形成された固定部340は底部側に折り曲げられるのである。このため、図14に示すように、底部側固定部3B40の端部(底部側シート3Bの端部)3Byは天部側シート3Aの前記はみだし領域3A40xに覆われて包装容器3の外面に露出しない。側面321~324の位置においても、また、フィン状パネル331~334の位置においても、底部側シート3Bの端部3Byが露出することがないから、包装容器3の美観が向上するのである。
しかしながら、このはみだし領域3A40xを包装容器3の各側面321~324にヒートシールするときには、天部側シート3Aの内側表面を天部側シート3Aの外側表面にヒートシールする必要がある。すなわち、包装容器3の各側面321~324では天部側シート3Aの外側表面が露出しているのに対し、前記はみだし領域3A40xでは天部側シート3Aの内側表面が包装容器3の各側面321~324に向き合っており、こうして向き合った両表面をヒートシールする必要があるのである。
そこで、天部用シート3Aとして、その内側表面と外側表面とが互いに異種の材質で構成されている場合には、前記はみだし領域3A40xと側面321~324とのシールが困難となることがある。底部用シート3Bの内側表面と外側表面とが互いに異種の材質で構成されている場合も同様にはみだし領域3A40xと側面321~324とのシールが困難となる。
中でも、天部側つなぎ片3A31~3A34の外側に位置するはみだし領域3A40x2と側面321~324とのシール強度が不十分の場合には、フィン状パネル331~334が側面321~324から剥がれて、包装容器3の外側に大きく突出するから、却ってその外観を大きく損なうことになる。
特開2019-26275号公報 特開2019-199295号公報
本発明はこのような技術的背景に基づいてなされたもので、四角形状の天部側シートと同様に四角形状の底部側シートとを重ね、その周縁で全周に渡って互いに固定して構成され、外側に突出したフィン状パネルを側面にシールした包装容器において、側面の位置では天部用シートの端部から底部用シートの端部が覗くことがなく、しかも、フィン状パネルを十分なシール強度で側面にシールした包装容器を提供することを目的とする。
すなわち、請求項1に記載の発明は、四角形状の天部側シートと同様に四角形状の底部側シートとを重ね、その周縁で全周に渡って互いにシールして構成され、平坦な状態から箱型の状態に変形された包装容器であって、
前記天部側シートがその中央に四角形状の天面を有しており、
この多角形状天面の各辺を一辺とする四角形状の天部側側面が、前記多角形状天面の辺の数と同じ数だけ設けられており、
互いに隣接する各天部側側面の間の各角部に、この天部側側面同士を繋いでしかも閉塞する天部側つなぎ片が設けられており、
隣接する前記四角形状の天部側側面を構成する辺同士が一致するように前記天部側つなぎ片を二つ折りできる天部側二つ折り用罫線が設けられ、かつ、この天部側二つ折り用罫線によって前記天部側つなぎ片が二つの領域に区分されており、
これら天部側側面及び天部側つなぎ片の外側に、底部側シートと固定する天部側固定部が設けられており、
前記底部側シートがその中央に四角形状の底面を有しており、
この多角形状底面の各辺を一辺とする四角形状の底部側側面が、前記多角形状底面の辺の数と同じ数だけ設けられており、
互いに隣接する各底部側側面の間の各角部に、この底部側側面同士を繋いでしかも閉塞する底部側つなぎ片が設けられており、
隣接する前記四角形状の底部側側面を構成する辺同士が一致するように前記底部側つなぎ片を二つ折りできる底部側二つ折り用罫線が設けられ、かつ、この底部側二つ折り用罫線によって前記底部側つなぎ片が二つの領域に区分されており、
これら底部側側面及び底部側つなぎ片の外側に、天部側シートと固定する底部側固定部が設けられており、
これら天部側シートと底部側シートとを重ねて、前記天部側固定部と底部側固定部とを互いにシールして固定部を形成し、
各角部の天部側つなぎ片及びその外側に位置する領域の天部側固定部を前記天部側二つ折り用罫線で二つ折りして、この天部側つなぎ片を構成する二つの領域を互いに重ね合わせると共に、各角部の底部側つなぎ片及びその外側に位置する領域の底部側固定部を前記底部側二つ折り用罫線で二つ折りして、この底部側つなぎ片を構成する二つの領域を互いに重ね合わせることにより、箱型の状態に変形させ、かつ、これら天部側つなぎ片及びその外側の天部側固定部の両者と、底部側つなぎ片及びその外側の底部側固定部の両者で包装容器の各角部から包装容器外側に向けて突出するフィン状パネルを構成し、
これら各角部のフィン状パネルを倒して包装容器の側面に重ね合わせてシールした包装容器において、
前記天部側固定部が均一な幅の略四角枠形状を有しており、
前記底部側固定部が、前記天部側固定部の幅と同一幅の領域(同一幅領域)と、天部側固定部の幅よりも狭い幅の領域(狭幅領域)とを有する略四角枠形状を有しており、
この略四角枠形状の底部側固定部のうち、底部側側面の外側に位置する領域が前記狭幅領域とされており、この両側であって底部側つなぎ片の外側に位置する領域が前記同一幅領域とされており、
前記狭幅領域を天部側固定部が被覆するように、前記固定部を倒して包装容器の側面に重ね合わせてシールしており、また、前記同一幅領域と天部側固定部とで構成されたフィン状パネルを包装容器の側面に重ね合わせてシールしたことを特徴とする包装容器である
次に、請求項2に記載の発明は、前記天部側シートと底部用シートのいずれもが、その内側表面と外側表面とが互いに異種の材質で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装容器である。
本発明においては、底部側固定部の対向する2辺のうち、底部側側面の外側に位置する領域が天部側固定部の幅よりも狭い幅の狭幅領域とされており、この底部側固定部と天部側固定部を互いにシールして構成した固定部を、前記狭幅領域を天部側固定部が被覆するように包装容器の側面に重ね合わせて接着しているから、底部側固定部の端部、すなわち、底部側シートの端部が包装容器の外面に露出することがない。
底部側固定部のうち、その両側であって底部側つなぎ片の外側に位置する領域は天部側固定部の幅と同一幅の同一幅領域とされており、この両者をシールしてフィン状パネルを構成しているから、このフィン状パネルの両表面はいずれも天部用シートと底部用シートの外側表面で構成されている。一方、包装容器の側面にも天部用シートと底部用シートの外側表面が露出している。そして、これらフィン状パネルと包装容器側面とをシールしているから、そのシールは部用シートと底部用シートの外側表面同士のシールであり、十分なシール強度でシールすることができるのである。
図1は本発明の包装容器の具体例に係り、天部側シートの平面図である。 図2は本発明の包装容器の具体例に係り、底部側シートの平面図である。 図3は本発明の包装容器の具体例に係り、図3(a)は平坦な状態の包装容器の平面図である。また、図3(b)は図3(a)のX1-Y1線における断面図、図3(c)は図3(a)のX2-Y2線における断面図である。 図4は本発明の包装容器の具体例に係り、平坦な状態から箱型の状態に変形する途中の中間製品(中間容器)の斜視図である。 図5は本発明の包装容器の具体例の斜視図である。 図6は従来の包装容器の具体例に係り、天部側シートの平面図である。 図7は従来の包装容器の具体例に係り、底部側シートの平面図である。 図8は従来の包装容器の具体例に係り、平坦な状態の包装容器の断面図である。 図9は従来の包装容器の具体例に係り、平坦な状態から箱型の状態に変形する途中の中間製品(中間容器)の斜視図である。 図10は従来の包装容器の具体例の斜視図である。 図11は従来の包装容器の第2の具体例に係り、天部側シートの平面図である。 図12は従来の包装容器の第2の具体例に係り、底部側シートの平面図である。 図13は従来の包装容器の第2の具体例に係り、図13(a)は平坦な状態の包装容器の平面図で、図13(b)は図13(a)のX-Y線における断面図である。 図14は従来の包装容器の第2の具体例の斜視図である。
本発明に係る包装容器も、包装容器2や包装容器3と同様に、天部側シートと底部側シートとを重ね、その周縁で全周に渡って互いにシールして構成されるものである。
図面の図1~図5は本発明の包装容器の具体例に係るものである。そして、図1はこの
具体例に係る包装容器1を構成する天部側シート1Aを示しており、図2は底部側シート1Bを示している。
天部側シート1Aは、前述の包装容器3の天部側シート3Aと同様の構造を有している。
すなわち、まず、天部側シート1Aは、その中央に四角形状の天面1A10を有しており、この天面1A10には開口部1A11が設けられている。
また、天部側シート1Aは、四角形状の天面1A10の各辺を折り曲げ用罫線として、この天面1A10の各辺を一辺とする四角形状の天部側側面1A21~1A24を有している。そして、天部側側面1A21~1A24同士を繋いで、その間を閉塞する天部側つなぎ片1A31~1A34を有しており、各天部側側面1A21~1A24と天部側つなぎ片1A31~1A34との間には折り曲げ用罫線が設けられている点についても、天部側シート3Aと同様である。
また、天部側シート1Aは、これら天部側側面1A21~1A24と天部側つなぎ片1A31~1A34とを併せた四角形状の部分の外側に、底部側シート1Bと固定するヒートシール領域から成る四角の枠状の天部側固定部1A40を有している。その幅は全周に渡って均一である。図1において、1A40Hは、天部側固定部1A40のうち、図示左右方向に延びる辺の幅を示しており、1A40Lは図示上下方向に延びる辺の幅を示しているが、これらは、後述する底部側シート1Bの底部側固定部1B40の幅1A40H,1B40Lとの対比を説明するため付した符号であり、これらの幅1A40Hと幅1A40Lは互いに同一である。なお、この点も天部側シート3Aと同様である。また、図1では、天部側固定部1A40と天部側側面1A21~1A24との境界、及び天部側固定部1A40と天部側つなぎ片1A31~1A34との境界1Axを破線によって示しているが、これらは説明の便宜のために施したもので、ここには折り曲げ用罫線は存在しない。これも天部側シート3Aと同様である。
次に、これも天部側シート3Aと同様に、天部側つなぎ片1A31~1A34は、天面1A10の各頂点から、天部側つなぎ片1A31~1A34を二等分する天部側二つ折り用罫線を有しており、この天部側二つ折り用罫線は、天部側つなぎ片1A31~1A34の外側に位置する天部側固定部1A40を横断して、その端部1Ay、すなわち、天部側シート1Aの端部1Ayまで延びている。
この点を図1に拡大して示す天部側つなぎ片1A33の近傍を例として説明すると、まず、天部側側面1A23と天部側側面1A24とは、天面1A10の頂点1A10bを共有している。天部側側面1A23を構成する辺のうち、天面21A10の頂点1A10bを共有している辺には、符号1A23bを付して示している。また、天部側側面1A24を構成する辺のうち、天面1A10の頂点1A10bを共有している辺には、符号1A24bを付して示している。そして、この辺1A23bと辺1A24bとがなす角を二等分する天部側二つ折り用罫線1A33cが設けられ、この天部側二つ折り用罫線1A33cによって、天部側つなぎ片1A33は2つの領域1A331,1A332に区分されている。すなわち、図において、辺1A23bと二つ折り用罫線1A33cとがなす角θ1と、辺1A24bと天部側二つ折り用罫線1A33cとがなす角θ2とは等しく、領域1A331と領域1A332とは、同形同大で、しかも、天部側二つ折り用罫線1A33cを対称軸として線対称に配置されている。なお、前述のように天部側二つ折り用罫線1A33cは天部側つなぎ片1A33の外側に位置する天部側固定部1A40を横断してその端部まで延びているから、天部側固定部1A40のこの領域も天部側二つ折り用罫線1A33cによって二分されており、二分された領域は同形同大で、しかも、天部側二つ折り用罫線1A33cを対称軸として線対称に配置されている。
次に、底部用シート1Bは、底部側固定部1B40の形状を除き、包装容器3の底部用シート3Bと同様である。
この底部用シート1Bは、図2に示すように、中央に四角形状の底面1B10を有しており、四角形状の底面1B10の各辺を折り曲げ用罫線として、この各辺を一辺とする四角形状の底部側側面1B21~1B24を有している。そして、底部側側面1B21~1B24同士を繋いで、その間を閉塞する底部側つなぎ片1B31~1B34を有しており、各底部側側面1B21~1B24と底部側つなぎ片1B31~1B34との間には折り曲げ用罫線が設けられている。これらの点は前記底部側シート3Bと同様である。
また、底部側シート1Bは、これら底部側側面1B21~1B24と底部側つなぎ片1B31~1B34とを併せた四角形状の部分の外側に、天部側シート1Aと固定するヒートシール領域から成る枠状の底部側固定部1B40を有している。
前述のように、天部側シート1Aの天部側固定部1A40の幅は全周に渡って均一であったが、枠状の底部側固定部1B40の幅は、その部分によって異なっている。
すなわち、まず、底部側側面1B21~1B24と底部側つなぎ片1B31~1B34とを併せた四角形状の部分を囲む4辺を、互いに対向する2辺ごとに分けるものとする。図2に示す例では、図示左右方向に延びる2辺と、図示上下方向に延びる2辺である。図では、図示左右方向に延びる2辺の底部側固定部1B40のうち側面1B21の外側に位置する領域に「1B41」の符号を付している。また、この側面1B21の左側に位置する底部側つなぎ片1B31の領域1B311の外側に位置する領域に「1B411」の符号を付している。また、この側面1B21の右側に位置する底部側つなぎ片1B34の領域1B342の外側に位置する領域に「1B442」の符号を付している。
一方、図示上下方向に延びる2辺の底部側固定部1B40のうち側面1B22の外側に位置する領域に「1B42」の符号を付している。また、この側面1B22の上側に位置する底部側つなぎ片1B32の領域1B321の外側に位置する領域に「1B421」の符号を付している。また、この側面1B22の下側に位置する底部側つなぎ片1B31の領域1B312の外側に位置する領域に「1B412」の符号を付している。
その他の側面1B23,1B234の外側に位置する領域についても、同様に符号を付している。
そして、底部側固定部1B40のうち、図示左右方向に延びる2辺の外側に位置する領域、すなわち、領域1B41、1B411、1B442及び1B43、1B431、1B422の幅は同一であり、符号1B40Hで表されている。そして、この幅1B40Hは、天部側固定部1A40のうち、左右方向に延びる辺の幅1A40Hと同一である。このため、天部側シート1Bと底部側シートとを重ね合わせたとき、領域1B41、1B411、1B442及び1B43、1B431、1B422と天部側固定部1A40の左右方向に延びる辺とは一致して重なり合い、どちらかが他方からはみ出すことはない。
一方、図2において、上下方向に延びる2辺の底部側固定部1B40の幅は、その位置によって異なっている。すなわち、まず、側面1B22の外側に位置する領域1B42の幅1B40L2は、天部側固定部1A40のうち上下方向に延びる辺の幅1A40Lより狭い。このため、天部側シート1Aと底部側シート1Bとを重ね合わせたとき、この領域1B22の位置で、天部側固定部1A40が底部側固定部1B40の端部1Byからはみ
出す。側面1B24の外側に位置する領域1B44の幅1B40L2も同様に天部側固定部1A40のうち、上下方向に延びる辺の幅1A40Lより狭く、このため、天部側シート1Aと底部側シート1Bとを重ね合わせたとき、この領域1B42の位置で、天部側固定部1A40が底部側固定部1B40の端部1Byからはみ出す。要するに、底部側固定部1B40の対向する2辺のうち、底部側側面1B22,1B24の外側に位置する領域1B42,1B44が、天部側固定部1A40の幅1A40Lよりも狭い幅の狭幅領域とされているのである。
これに対し、底部側固定部1B40のうち、図示側面1B22の下側に位置する底部側つなぎ片1B31の領域1B312の外側に位置する領域1B412の幅1B40L1は、天部側固定部1A40のうち、上下方向に延びる辺の幅1A40Lと等しい。側面1B22の上側に位置する底部側つなぎ片1B32の領域1B321の外側に位置する領域1B421の幅も同様である。また、側面1B24の上下に隣接する底部側つなぎ片1B33,1B34の領域1B332,1B341の外側に位置する領域1B432,1B441の幅1B40L1も同様である。要するに、前記狭幅領域1B42,1B44の両側であって底部側つなぎ片1B40の外側に位置する領域1B412,1B421,1B432,1B441が天部側固定部の幅と同一幅の同一幅領域とされている。
なお、底部側シート1Bの底部側固定部1B40と底部側側面1B21~1B24との境界、及び底部側固定部1B40と底部側つなぎ片1B31~1B34との境界には、前記包装容器3の底部側シート3Bと同様に、折り曲げ用罫線1Bxが設けられている。天部側シート1Aの天部側固定部1A40の境界には折り曲げ用罫線が存在しないから、この両シート1A,1Bを重ねて固定し、箱型の状態に変形したとき、互いに固定された両固定部1A40,1B40によって構成された固定部140は、折り曲げ用罫線1Bxによって底部側シート1B側に折り曲げられる。
次に、これら天部側シート1Aの天部側固定部1A40と底部側シートの底部側固定部1B40とをヒートシールして固定部140を形成することにより、平坦な状態の包装容器1Cを製造することができる。この包装容器2Cの平面図を図3(a)に示す。また、図3(a)のX1-Y1線における断面図を図3(b)に示し、図3(a)のX2-Y2線における断面図を図3(c)に示す。図3(a)中、ハッチングを施した領域は、天部側シート1Aの天部側固定部1A40が、底部側シート1Bの端部1Byからはみ出した領域である。
これらの図3(a)~(c)から分かるように、底部側シート1Bの側面1B22,1B24の外側に位置する領域では、天部側シート1Aの天部側固定部1A40は底部側シート1Bの底部側固定部1B40と重なっておらず、これからはみ出している。一方、そのほかの領域では、天部側シート1Aの天部側固定部1A40は底部側シート1Bの底部側固定部1B40と重なっており、天部側シート1Aは底部側シート1Bからはみ出していない。例えば、底側シート1Bの側面1B21,1B23の外側に位置する領域では、天部側シート1Aは底部側シート1Bからはみ出していない。また、底部側シート1Bの底部側側つなぎ片1B31~1B34の外側に位置する領域でも、天部側シート1Aは底部側シート1Bからはみ出していない。
次に、この平坦な状態の包装容器1Cを箱型の状態に変形する場合には、これも包装容器3の場合と同様に、まず、天部側シート1Aの天部側つなぎ片1A31~1A34及び底部側シート1Bの底部側つなぎ片1B31~1B34を、その中央に位置する天部側二つ折り用罫線1A31c~1A34cと底部側二つ折り用罫線1B31c~1B34cのいずれもが容器外面に対して山折りになるように二つ折りしてフィン状パネル131~134を形成すると共に、これに伴って、その他の折り曲げ用罫線で折り曲げて、包装容器1の中間製品(中間容器)1Dを製造する。図4はこうして製造された中間容器1Dを示しており、この図4でも、ハッチングを施した領域は、天部側シート1Aが底部側シート1Bの端部1Byからはみ出して、重なっておらず、天部側シート1Aだけで構成されている領域を示している。
なお、底部側シート1Bの底部側固定部1B40と底部側側面1B21~1B24との境界、及び底部側固定部1B40と底部側つなぎ片1B31~1B34との境界には折り曲げ用罫線1Bxが設けられており、他方、天部側シート1Aの天部側固定部1A40の境界には折り曲げ用罫線が存在しないから、包装容器1Cから中間容器1Dを製造したとき、互いににシールされた両固定部1A40,1B40で構成された固定部140は折り曲げ用罫線1Bxによって底部側シート1B側に折り曲げられる。
そして、このため、この中間容器1Dでは、天部側シート1Aの側面1B22,1B42の外側に位置する領域では、天部側シート1Aのうち、底部側シート1Bの端部1Byからはみ出している領域によって前記端部1Byが被覆されている。このため、天部側シート1Aの端部1Ayの下から底部側シート1Bの端部1Byが覗くことがない。
ところで、平坦な状態の包装容器1Cにおいては、天部側シート1Aの側面1B22,1B42の外側に位置する前記領域を除いて、天部側シート1Aと底部側シート1Bとが正確に重なり合っているから、天部側シート1Aが底部側シート1Bからはみ出して重なっていない領域が存在しない。一方、図4に示すように、天部側シート1Aの側面1A21と底部側シート1Bの側面1B21とで構成された側面121では、天部側シート1Aの端部1Ayの下から底部側シート1Bの端部1Byが覗いている。同様に、側面123でも、天部側シート1Aの端部1Ayの下から底部側シート1Bの端部1Byが覗いている。
そこで、フィン状パネル131~134を倒して、側面121,123に重ね、シールすることにより、露出した端部1Byを被覆して、その美観を向上させることにより包装容器3を製造することができる(図5参照)。
なお、平坦な包装容器1Cで説明したように、前述のように、底部側シート1Bの底部側つなぎ片1B31~1B34の外側に位置する領域では、天部側シート1Aは底部側シート1Bからはみ出しておらず、天部側シート1Aと底部側シート1Bとは正確に重なり合っている。このため、天部側つなぎ片1A31~1A34と底部側つなぎ片1B31~1B34とを二つ折りして形成されたフィン状パネル131~134も天部側シート1Aと底部側シート1Bとが正確に重なり合って構成されており、このため、その外表面には、天部側シート1Aの外側表面と底部側シート1Bの外側表面とが露出しているだけで、内側表面は露出していない。一方、中間容器1Dの側面121~124も天部側シート1Aの外側表面と底部側シート1Bとで構成されているから、フィン状パネル131~134をこれら側面121~124する際には、天部側シート1Aの外側表面同士をシールし、また、底部側シート1Bの外側表面同士をシールすることになる。この結果、同一の材質の表面同士をシールすることになるから、高いシール強度でシールすることができるのである。
ところで、天部側シート1Aと底部側シート1Bとは、いずれも、任意の材質のシートで構成することができるが、以上の説明から分かるように、内側表面と外側表面とが互いに異種の材質で構成されているシートを使用するとき、本発明の特徴が生かされる。また、これら天部側シート1Aと底部側シート1Bとは、いずれも、その層構成中に紙を含んでいることが望ましい。例えば、外側表面から順に、ポリエチレン樹脂層、紙、無機蒸着膜を蒸着したポリエステルフィルム、ヒートシール性ポリエステル樹脂層を積層して、外側表面をポリエチレン樹脂層、内側表面をヒートシール性ポリエステル樹脂層で構成したシートである。
1:包装容器
1A:天部側シート
1A10:天面 1A11:開口
1A21~1A24:天部側側面
1A31~1A34:天部側つなぎ片
1A33c:天部側二つ折り用罫線
1A331:天部側つなぎ片の構成領域 1A332:天部側つなぎ片の構成領域
1A40:天部側固定部
1A40H:天部側固定部のうち、左右方向に延びる辺の幅 1A40L:天部側固定部のうち、上下方向に延びる辺の幅
1Ax:天部側固定部の内側境界 1Ay:天部側固定部の端部(天部側シートの端部)
1B:底部側シート
1B10:底面
1B21~1B24:底部側側面
1B31~1B34:底部側つなぎ片
1B40:底部側固定部
1B42,1B44:底部側固定部のうちの狭幅領域
1B41,1B43:底部側固定部のうちの同一幅領域
1B411,1B412:底部側固定部のうちの同一幅領域
1B421,1B422:底部側固定部のうちの同一幅領域
1B431,1B432:底部側固定部のうちの同一幅領域
1B441,1B442:底部側固定部のうちの同一幅領域
1B40H:底部側固定部のうち、左右方向に延びる辺の幅
1B40L1:底部側固定部のうち、上下方向に延びる同一幅領域の幅
1B40L2:底部側固定部のうち、上下方向に延びる狭幅領域の幅
1Bx:底部側固定部の内側境界
1By21:底部側固定部のうち、同一幅領域の端部 1By21:底部側固定部のうち、狭幅領域の端部
2:包装容器
3:包装容器

Claims (2)

  1. 四角形状の天部側シートと同様に四角形状の底部側シートとを重ね、その周縁で全周に渡って互いにシールして構成され、平坦な状態から箱型の状態に変形された包装容器であって、
    前記天部側シートがその中央に四角形状の天面を有しており、
    この多角形状天面の各辺を一辺とする四角形状の天部側側面が、前記多角形状天面の辺の数と同じ数だけ設けられており、
    互いに隣接する各天部側側面の間の各角部に、この天部側側面同士を繋いでしかも閉塞する天部側つなぎ片が設けられており、
    隣接する前記四角形状の天部側側面を構成する辺同士が一致するように前記天部側つなぎ片を二つ折りできる天部側二つ折り用罫線が設けられ、かつ、この天部側二つ折り用罫線によって前記天部側つなぎ片が二つの領域に区分されており、
    これら天部側側面及び天部側つなぎ片の外側に、底部側シートと固定する天部側固定部が設けられており、
    前記底部側シートがその中央に四角形状の底面を有しており、
    この多角形状底面の各辺を一辺とする四角形状の底部側側面が、前記多角形状底面の辺の数と同じ数だけ設けられており、
    互いに隣接する各底部側側面の間の各角部に、この底部側側面同士を繋いでしかも閉塞する底部側つなぎ片が設けられており、
    隣接する前記四角形状の底部側側面を構成する辺同士が一致するように前記底部側つなぎ片を二つ折りできる底部側二つ折り用罫線が設けられ、かつ、この底部側二つ折り用罫線によって前記底部側つなぎ片が二つの領域に区分されており、
    これら底部側側面及び底部側つなぎ片の外側に、天部側シートと固定する底部側固定部が設けられており、
    これら天部側シートと底部側シートとを重ねて、前記天部側固定部と底部側固定部とを互いにシールして固定部を形成し、
    各角部の天部側つなぎ片及びその外側に位置する領域の天部側固定部を前記天部側二つ折り用罫線で二つ折りして、この天部側つなぎ片を構成する二つの領域を互いに重ね合わせると共に、各角部の底部側つなぎ片及びその外側に位置する領域の底部側固定部を前記底部側二つ折り用罫線で二つ折りして、この底部側つなぎ片を構成する二つの領域を互いに重ね合わせることにより、箱型の状態に変形させ、かつ、これら天部側つなぎ片及びその外側の天部側固定部の両者と、底部側つなぎ片及びその外側の底部側固定部の両者で包装容器の各角部から包装容器外側に向けて突出するフィン状パネルを構成し、
    これら各角部のフィン状パネルを倒して包装容器の側面に重ね合わせてシールした包装容器において、
    前記天部側固定部が均一な幅の略四角枠形状を有しており、
    前記底部側固定部が、前記天部側固定部の幅と同一幅の領域(同一幅領域)と、天部側固定部の幅よりも狭い幅の領域(狭幅領域)とを有する略四角枠形状を有しており、
    この略四角枠形状の底部側固定部のうち、底部側側面の外側に位置する領域が前記狭幅領域とされており、この両側であって底部側つなぎ片の外側に位置する領域が前記同一幅領域とされており、
    前記狭幅領域を天部側固定部が被覆するように、前記固定部を倒して包装容器の側面に重ね合わせてシールしており、また、前記同一幅領域と天部側固定部とで構成されたフィン状パネルを包装容器の側面に重ね合わせてシールしたことを特徴とする包装容器。
  2. 前記天部側シートと底部用シートのいずれもが、その内側表面と外側表面とが互いに異種の材質で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装容器。
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