JP2022138061A - ネットワーク機器、及びネットワークシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】異常がスレーブ装置に生じたときでも、その異常を生じたスレーブ装置の少なくとも一部の動作と当該スレーブ装置に連携する他のスレーブ装置の少なくとも一部の動作を直ちに停止させることができるネットワーク機器を実現する。【解決手段】ネットワーク機器(2N)の制御部(23)は、構成リストに登録された他のスレーブ装置(2)に対して、応答指示を送信し、当該応答指示に対する応答をしない他のスレーブ装置(2)がある場合に、構成リストに登録された他のスレーブ装置(2)に対して、その少なくとも一部の動作を停止させる旨の指示を送信するとともに、当該ネットワーク機器(2N)の少なくとも一部の動作を停止させる。【選択図】図2
Description
本開示は、ネットワーク機器、及びこれを用いたネットワークシステムに関する。
ファクトリーオートメーション(Factory Automation:FA)の分野においては、作業の工程を分担する様々な種類の装置の制御が行われる。工場施設等一定の領域において作業に用いられる各種のコントローラ、リモートI/O、および製造装置を連携して動作させるために、これらの装置を接続する、フィールドネットワークとも呼ばれる産業用ネットワークが構築されている。
一般的な産業用ネットワークでは、各種のスレーブ装置と、マスタ装置などから構成されるマスタスレーブ方式が採用される。スレーブ装置は、工場内に設置される設備の制御あるいはデータ収集を行う装置である。マスタ装置は、これらのスレーブ装置を集中管理する、例えば(PLC:Programmable Logic Controller)と呼ばれる装置である。
従来のネットワークシステムには、複数の各スレーブ装置がマスタ装置に制御されているか否かを判別するために、マスタ装置が複数の各スレーブ装置に対してPINGを送信する技術が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
しかしながら、上記のような従来のネットワークシステムでは、異常がスレーブ装置に生じたときに、そのスレーブ装置の少なくとも一部の動作と当該スレーブ装置に連携する他のスレーブ装置の少なくとも一部の動作を直ちに停止させることが難しい場合があった。特に、従来のネットワークシステムでは、例えば、製造物の部品点数の増加や製造工程の細分化などに伴う生産ラインでのスレーブ装置の設置数が膨大な台数となった場合において、マスタ装置でのスレーブ装置に対する通信負荷が大きくなり、当該マスタ装置によるスレーブ装置の監視を円滑に行えないことがあった。この結果、従来のネットワークシステムでは、スレーブ装置に異常が生じたときに、その異常を生じたスレーブ装置の少なくとも一部の動作と当該スレーブ装置に連携する他のスレーブ装置の少なくとも一部の動作を直ちに停止させことが困難となることがあった。
本開示は上記の問題点を鑑みてなされたものであり、異常がスレーブ装置に生じたときでも、その異常を生じたスレーブ装置の少なくとも一部の動作と当該スレーブ装置に連携する他のスレーブ装置の少なくとも一部の動作を直ちに停止させることができるネットワーク機器、及びネットワークシステムを提供することを目的とする。
本開示は、上述の課題を解決するために、以下の構成を採用する。
本開示の一側面に係るネットワーク機器は、マスタ装置と、前記マスタ装置により制御される複数のスレーブ装置が接続されるネットワークシステムに用いられるスレーブ装置であるネットワーク機器であって、他の前記スレーブ装置との間でデータの送受信を行う通信部と、当該ネットワーク機器と少なくとも1つの他の前記スレーブ装置とを含んだグループの構成リストを予め記憶する記憶部と、当該ネットワーク機器の各部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記通信部を通じて、前記構成リストに登録された他の前記スレーブ装置に対して、応答指示を送信し、前記応答指示に対する応答をしない他の前記スレーブ装置がある場合に、前記通信部を通じて、前記構成リストに登録された他の前記スレーブ装置に対して、その少なくとも一部の動作を停止させる旨の指示を送信するとともに、当該ネットワーク機器の少なくとも一部の動作を停止させる構成を備えている。
上記構成によれば、異常がスレーブ装置に生じたときでも、その異常を生じたスレーブ装置と当該スレーブ装置に連携する他のスレーブ装置の少なくとも一部の動作を直ちに停止させることができる。
上記一側面に係るネットワーク機器において、異常報知を実行する異常報知部を、さらに備え、前記制御部は、前記応答指示に対する応答をしない他の前記スレーブ装置がある場合に、前記異常報知部に異常報知を実行させる構成を備えていてもよい。
上記構成によれば、異常がスレーブ装置に生じたときに、その異常の発生を確実に報知することができる。
上記一側面に係るネットワーク機器において、前記異常報知部は、発光素子を有し、前記異常報知は前記発光素子の点灯により実行される構成を備えていてもよい。
上記構成によれば、異常がスレーブ装置に生じたときに、その異常の発生を視認させることができる。
上記一側面に係るネットワーク機器において、前記記憶部には、前記マスタ装置及び他の前記スレーブ装置の少なくともいずれかが登録された通知先リストが予め記憶され、前記制御部は、前記応答指示に対する応答をしない他の前記スレーブ装置がある場合に、前記通知先リストに登録された前記マスタ装置または前記スレーブ装置に対して、異常が生じた旨の通知を送信する構成を備えていてもよい。
上記構成によれば、異常がスレーブ装置に生じたときに、その異常の発生をマスタ装置またはスレーブ装置に通知することができる。
上記一側面に係るネットワーク機器において、前記通知先リストには、異常発生の表示を行う表示装置が更に登録されており、前記制御部は、前記応答指示に対する応答をしない他の前記スレーブ装置がある場合に、前記通知先リストに登録された前記表示装置に対して、異常が生じた旨の通知を送信する構成を備えていてもよい。
上記構成によれば、異常がスレーブ装置に生じたときに、その異常の発生を表示装置に通知することができる。
また、本開示の一側面に係るネットワークシステムは、マスタ装置と、前記マスタ装置により制御される複数のスレーブ装置が接続されるネットワークシステムであって、上記いずれかのネットワーク機器が、前記スレーブ装置として接続されている構成を備えている。
上記構成によれば、異常がスレーブ装置に生じたときでも、その異常を生じたスレーブ装置と当該スレーブ装置に連携する他のスレーブ装置の少なくとも一部の動作を直ちに停止させることができるネットワークシステムを構成することが可能である。
本開示によれば、異常がスレーブ装置に生じたときでも、その異常を生じたスレーブ装置の少なくとも一部の動作と当該スレーブ装置に連携する他のスレーブ装置の少なくとも一部の動作を直ちに停止させることができるネットワーク機器、及びネットワークシステムを提供することができる。
§1 適用例
まず、図1及び図2を用いて、本開示が適用される場面の一例について説明する。図1は、本開示の実施形態に係るネットワークシステムの構成例を説明する説明図である。図2は、本開示の実施形態に係るネットワーク機器(スレーブ装置)を示す概略構成図である。尚、以下の説明では、スレーブ装置である、本実施形態のネットワーク機器が、図2に示されるように、他のスレーブ装置と同一の構成である場合を例示して説明する。また、本実施形態のネットワークシステム100において、複数のスレーブ装置として、例えば、8つのスレーブ装置2A、2B、2C、2D、2E、2F、2G、2H(以下、”2”にて総称する)を接続した場合を例示して説明する。また、スレーブ装置2が、本実施形態のネットワーク機器を構成する場合には、ネットワーク機器2Nともいう。
まず、図1及び図2を用いて、本開示が適用される場面の一例について説明する。図1は、本開示の実施形態に係るネットワークシステムの構成例を説明する説明図である。図2は、本開示の実施形態に係るネットワーク機器(スレーブ装置)を示す概略構成図である。尚、以下の説明では、スレーブ装置である、本実施形態のネットワーク機器が、図2に示されるように、他のスレーブ装置と同一の構成である場合を例示して説明する。また、本実施形態のネットワークシステム100において、複数のスレーブ装置として、例えば、8つのスレーブ装置2A、2B、2C、2D、2E、2F、2G、2H(以下、”2”にて総称する)を接続した場合を例示して説明する。また、スレーブ装置2が、本実施形態のネットワーク機器を構成する場合には、ネットワーク機器2Nともいう。
本実施形態のネットワークシステム100は、マスタ装置1と、当該マスタ装置1に制御される複数のスレーブ装置2が接続されるネットワークシステムである。また、本実施形態のネットワーク機器2Nは、ネットワークシステム100に対して、1つの上記スレーブ装置2として接続される。本実施形態のネットワークシステム100では、例えば、1つのネットワーク機器2Nがスレーブ装置2として接続される。
また、本実施形態のネットワークシステム100は、情報処理装置3を備えている。ネットワークシステム100の管理者は、情報処理装置3を通じて、マスタ装置1及びスレーブ装置2の各種設定の実行、データの取得等を行うことが可能になっている。さらに、本実施形態のネットワークシステム100は、表示装置4を備えており、当該ネットワークシステム100での動作状況などを表示可能になっている。
また、本実施形態のネットワーク機器2Nは、他のスレーブ装置2との間でデータの送受信を行う通信部21と、異常報知を実行する異常報知部22と、当該ネットワーク機器2Nと少なくとも1つの他のスレーブ装置2とを含んだ制御グループ(グループ)の構成リストを予め記憶する記憶部24と、当該ネットワーク機器2Nの各部(構成要素)を制御する制御部23とを備える。記憶部24には、上記情報処理装置3により、上述の制御グループの構成リストを含んだ所定の設定情報が予め設定される。
制御部23は、通信部21を通じて、上記構成リストに登録された他のスレーブ装置2対して、応答指示を送信する。その後、制御部23は、通信部21を通じて、応答指示に対する応答をしない他のスレーブ装置2がある場合に、通信部21を通じて、上記構成リストに登録された他のスレーブ装置2に対して、その少なくとも一部の動作を停止させる旨の指示を送信する。更には、制御部23は、当該ネットワーク機器2Nの少なくとも一部の動作を停止させる。
よって本実施形態によれば、異常がスレーブ装置2に生じたときでも、その異常を生じたスレーブ装置2の少なくとも一部の動作と当該スレーブ装置2に連携する他のスレーブ装置2の少なくとも一部の動作を直ちに停止させることができるネットワーク機器2N及びこれを用いたネットワークシステム100を構成することができる。
§2 構成例
<ネットワークシステム>
図1の例では、本実施形態のネットワークシステム100は、マスタ装置1と、通信装置(通信ハブ)5A、5Bを介してマスタ装置1に接続される複数のスレーブ装置2と、通信装置5Aを介してマスタ装置1に接続される情報処理装置3及び表示装置4とを備える。また、本実施形態のネットワークシステム100では、例えば、ETHERNET/IP規格のネットワークシステムが用いられている(ETHERNET:登録商標)。また、本実施形態のネットワークシステム100では、例えば、通信ケーブルを使用して、マスタ装置1、スレーブ装置2、情報処理装置3、表示装置4、及び通信装置5A、5Bが図1に例示するように接続されており、通信ケーブルを介在させて通信を行うようになっている。
<ネットワークシステム>
図1の例では、本実施形態のネットワークシステム100は、マスタ装置1と、通信装置(通信ハブ)5A、5Bを介してマスタ装置1に接続される複数のスレーブ装置2と、通信装置5Aを介してマスタ装置1に接続される情報処理装置3及び表示装置4とを備える。また、本実施形態のネットワークシステム100では、例えば、ETHERNET/IP規格のネットワークシステムが用いられている(ETHERNET:登録商標)。また、本実施形態のネットワークシステム100では、例えば、通信ケーブルを使用して、マスタ装置1、スレーブ装置2、情報処理装置3、表示装置4、及び通信装置5A、5Bが図1に例示するように接続されており、通信ケーブルを介在させて通信を行うようになっている。
マスタ装置1は、例えば、PLC(Programmable Logic Controller)を含んでいる。また、マスタ装置1は、情報処理装置3から設定される所定のプログラムに従って、動作することにより、複数の各スレーブ装置2の制御を行うように構成されている。
例えば、4つのスレーブ装置2A、2B、2C、2Dが通信装置5Bに対して順次接続され、4つのスレーブ装置2E、2F、2G、2Hが通信装置5Bに対して順次接続されている。また、スレーブ装置2では、情報処理装置3から設定される制御グループの構成リストに基づいて、例えば、図1に点線にて囲むように、2つの制御グループC1、C2にグループ分けされている。すなわち、制御グループC1には、4つのスレーブ装置2A、2B、2C、2Dが含まれ、制御グループC2には、4つのスレーブ装置2E、2F2G、2Hが含まれている。
さらに、例えば、制御グループC1では、1つのスレーブ装置2Aが情報処理装置3からの上記設定情報Siを予め保持することによって、当該制御グループC1でのネットワーク機器2Nを構成するようになっている。そして、このネットワーク機器2Nは、マスタ装置1に代えて、制御グループC1の構成リストに登録されたスレーブ装置2B、2C、2Dを監視し、いずれかのスレーブ装置2に異常が生じたときに、制御グループC1の構成リストの全てのスレーブ装置2の少なくとも一部の動作を停止させるように構成されている(詳細は後述)。
尚、制御グループに含めるスレーブ装置2は、例えば、本実施形態のネットワークシステム100が工場の製造設備に適用される場合、その製造設備に含まれる生産ライン単位や製造物の生産処理単位などの異常を生じたスレーブ装置2の影響範囲を考慮して決定すると好ましい。つまり、このような場合には、異常を発生したスレーブ装置2とそれに連携するスレーブ装置2とを早急に確認することができ、さらには当該異常に対する処置を迅速に行うことが可能となって製造物の生産効率が低下するのを容易に防ぐことができるようになる。
情報処理装置3は、例えば、コンピュータ(PC)を用いて構成されており、ユーザーによって操作されることにより、マスタ装置1、スレーブ装置2、及び表示装置4の各部を制御する。また、情報処理装置3は、ユーザーの操作に応じて、例えば、制御グループC1に含まれたスレーブ装置2Aに対して、制御グループC1での設定情報Siを予め設定して、このスレーブ装置2Aを制御グループC1でのネットワーク機器2Nとする。このように、本実施形態のネットワークシステム100では、情報処理装置3が、ユーザーによって適宜操作されることにより、各制御グループC1、C2でのスレーブ装置2の構成やネットワーク機器2の設定を自在に変更することができる。
また、情報処理装置3は、ユーザーの操作に応じて、マスタ装置1または表示装置4の少なくとも一方に対して、スレーブ装置2に異常が発生した場合でのマスタ装置1または表示装置4の少なくとも一方における動作を指示する動作設定情報を予め設定するように構成されている。具体的には、情報処理装置3は、スレーブ装置2に異常が発生した場合において、動作設定情報を予め設定することにより、マスタ装置1の動作を停止させたり、表示装置4に異常発生の表示をさせたりすることができる。
表示装置4は、例えば、タッチパネル機能を有する、液晶パネルや有機ELパネル等を用いて構成されている。また、表示装置4は、例えば、HMI(Human Machine Interface)に基づいて動作することにより、所定の情報表示や指示などの入力操作を行うようになっている。
<ネットワーク機器>
図2の例では、本実施形態のネットワーク機器2Nは、通信部21、異常報知部22、制御部23、及び記憶部24を備える。また、本実施形態のネットワーク機器2Nは、記憶部24に予め記憶されている設定情報Siに基づいて、制御グループの他のスレーブ装置2との間で通信を行うことにより、当該他のスレーブ装置2に異常が生じたか否かについて判別する。
図2の例では、本実施形態のネットワーク機器2Nは、通信部21、異常報知部22、制御部23、及び記憶部24を備える。また、本実施形態のネットワーク機器2Nは、記憶部24に予め記憶されている設定情報Siに基づいて、制御グループの他のスレーブ装置2との間で通信を行うことにより、当該他のスレーブ装置2に異常が生じたか否かについて判別する。
通信部21は、ネットワークシステム100の他機との間で双方向の通信を行う機能ブロックである。すなわち、ネットワーク機器2Nは、通信部21を通じて、上述の他機との間で、例えば、応答指示やその応答指示に対する応答などのデータを送受信する。また、ネットワーク機器2では、上記応答指示と応答として、例えば、PINGコマンドが用いられている。
異常報知部22は、例えば、発光素子としてのLED(Light Emitting Diode)22Lを有しており、制御部23からの動作指示に従って、当該異常報知部22のLED22Lを所定の異常パターンで点灯することにより、異常報知を行う。尚、異常報知部22は、ユーザーに対して異常報知を行うことができるものであれば、何等、LED(発光素子)22Lに限定されない。具体的にいえば、例えば、スピーカーを有して、所定のビープ音またはサイレン音を発する音声出力部や、液晶パネル、有機ELパネル、またはマイクロLEDなどを備え、所定の画像を表示する画像表示部、またはこれらを適宜組み合わせたものにより、異常報知部22を構成することができる。
尚、上記の説明では、異常報知部22を点灯することにより、異常報知を行う場合について説明したが、異常報知部22での異常報知の方法はこれに限定されるものではなく、異常発生時に所定の異常パターンで点灯させるものであれば、何等限定されない。例えば、異常が生じていない(正常状態の)場合にLED22Lを点灯させ、異常が生じた場合に点滅させるなどの当該LED22Lの発光状態や発光周期を変更する構成でもよい。
記憶部24は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置であり、制御部23で実行される各種の処理プログラムを記憶する。また、記憶部24は、情報処理装置3から設定される設定情報Siを予め記憶する。この設定情報Siには、後で詳述するように、制御グループの構成リスト、異常がスレーブ装置2に生じた時に異常発生を通知する通知先を記した通知先リスト、及び異常発生時の動作コマンドを示す異常時動作設定リストが含まれている。
制御部23は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含み、情報処理に応じて各構成要素の制御を行う機能ブロックである。また、制御部23は、記憶部24に予め設定された制御グループの各スレーブ装置2での異常発生の有無を確認し、いずれかのスレーブ装置2に異常が生じたことを判別すると、当該制御グループの全てのスレーブ装置2の少なくとも一部の動作を停止させる。
具体的にいえば、制御部23は、構成リストに登録された他のスレーブ装置2との間での上記応答指示及び応答との送受信において、1つのスレーブ装置2から応答を受信しなかった場合に、当該スレーブ装置2に異常が発生したものと判断して、上記構成リストに登録された全てのスレーブ装置2に対してその少なくとも一部の動作を停止させる旨の指示を送信し、当該構成リストに登録されたネットワーク機器2N及び全てのスレーブ装置2の少なくとも一部の動作を停止させる。これにより、本実施形態のネットワーク機器2Nでは、異常がスレーブ装置2に生じたときでも、その異常を生じたスレーブ装置2の少なくとも一部の動作と当該スレーブ装置2に連携する他のスレーブ装置2の少なくとも一部の動作を直ちに停止させることができる。
また、制御部23は、スレーブ装置2に対して、その少なくとも一部の動作を停止させる旨の指示を送信した場合に、異常報知部22に異常報知を実行させる。これにより、本実施形態のネットワーク機器2Nでは、異常がスレーブ装置2に生じたときに、その異常の発生を確実に報知することができる。
§3 動作例
<設定動作>
まず、図3から図6も参照して、制御グループの設定情報の設定動作について説明する。図3は、上記ネットワークシステムでの設定情報の設定動作を示すフローチャートである。図4は、上記ネットワーク機器に設定される構成リストの具体例を示す図である。図5は、上記ネットワーク機器に設定される通知先リストの具体例を示す図である。図6は、上記ネットワーク機器に設定される異常時動作設定リストの具体例を示す図である。尚、以下の動作例の説明では、図1に示した制御グループC1のスレーブ装置2Aに対して、設定情報Siを設定し、このスレーブ装置2Aをネットワーク機器2Nとする場合を例示して説明する。
<設定動作>
まず、図3から図6も参照して、制御グループの設定情報の設定動作について説明する。図3は、上記ネットワークシステムでの設定情報の設定動作を示すフローチャートである。図4は、上記ネットワーク機器に設定される構成リストの具体例を示す図である。図5は、上記ネットワーク機器に設定される通知先リストの具体例を示す図である。図6は、上記ネットワーク機器に設定される異常時動作設定リストの具体例を示す図である。尚、以下の動作例の説明では、図1に示した制御グループC1のスレーブ装置2Aに対して、設定情報Siを設定し、このスレーブ装置2Aをネットワーク機器2Nとする場合を例示して説明する。
初めにステップS101で、情報処理装置3では、ユーザーの操作に基づいて、制御グループC1に対する設定情報Siの作成が行われる。この設定情報Siには、例えば、図4に示す構成リストSi1と、図5に示す通知先リストSi2と、図6に示す異常時動作設定リストSi3とが含まれている。また、この設定情報Siには、構成リストSi1に登録された他のスレーブ装置2への上記応答指示の発行周期も設定されて、含められている。
構成リストSi1は、ネットワーク機器2Nの監視対象となるグループ(例えば、制御グループC1)に含まれた他のスレーブ装置2が示されており、この構成リストSi1には、図4に示すように、制御グループC1に含まれたスレーブ装置2A、2B、2C、2Dを特定するための情報(例えば、IPアドレス)と、ネットワーク機器2Nに選定されていることを示す情報(例えば、自機)と、ネットワーク機器2Nに選定されていないことを示す情報(例えば、監視対象の他機)とがテーブル形式で記載されている。
通知先リストSi2には、図5に示すように、制御グループC1のいずれかのスレーブ装置2に異常が生じた時にその異常発生を通知する通知先である、例えば、マスタ装置1及び表示装置4を特定するための情報(例えば、IPアドレス)がテーブル形式で記載されている。尚、この説明以外に、通知先リストSi2に対して、他のスレーブ装置(例えば、スレーブ装置2B)2を登録する構成でもよい。
異常時動作設定リストSi3は、異常時にグループ停止、つまり、上記監視対象となるグループに含まれた全てのスレーブ装置2について、少なくとも一部の動作を停止させるか否かについて示されている。更に、異常時動作設定リストSi3には、ネットワーク機器2NのLED22Lを点灯させて異常報知を行うか否かが記載されている。
尚、スレーブ装置2の少なくとも一部の動作を停止させるとは、スレーブ装置2がその電源をオフにしてシャットダウンすることでもあってもよい。あるいは、電源はオフにしないが当該スレーブ装置2による各種制御を停止し、次の命令を待つ待機状態とすることであってもよい。
次にステップS102で、情報処理装置3は、ネットワーク機器2Nに選定したスレーブ装置2Aに対して、作成した設定情報Siを転送する。これにより、スレーブ装置2Aでは、上記構成リストSi1、通知先リストSi2、及び異常時動作設定リストSi3を含んだ設定情報Siがその記憶部25に記憶される。
次にステップS103で、情報処理装置3では、ユーザーの操作に基づいて、マスタ装置1または表示装置4の少なくとも一方に対する動作設定情報の作成が行われる。この動作設定情報は、上記監視対象となるグループに含まれたいずれかのスレーブ装置2に異常が生じたことが検出されると、上記通知先リストSi2に登録されたマスタ装置1または表示装置4の少なくとも一方での動作を指示する情報が含まれている。
具体的には、例えば、マスタ装置1への動作設定情報には、スレーブ装置2の異常発生時に当該マスタ装置1での制御プログラムを停止させるか否かを指示する情報を含めることができる。また、表示装置4への動作設定情報には、スレーブ装置2の異常発生時に当該表示装置4でそのスレーブ装置2の異常発生の表示を行うか否かを指示する情報を含めることができる。
次にステップS104で、情報処理装置3は、動作設定情報を作成した、マスタ装置1または表示装置4の少なくとも一方に対し、当該動作設定情報を転送する。これにより、マスタ装置1または表示装置4の少なくとも一方では、動作設定情報が予め設定されて、スレーブ装置2の異常発生が通知されると、当該動作設定情報に従って、動作する。
<異常検出動作>
次に、図7も参照して、本実施形態のネットワーク機器2Nでの異常検出動作について具体的に説明する。図7は、上記ネットワーク機器の動作例を説明するフローチャートである。尚、以下の説明では、ネットワーク機器2Nとしてのスレーブ装置2Aでの動作を例示して説明する。
次に、図7も参照して、本実施形態のネットワーク機器2Nでの異常検出動作について具体的に説明する。図7は、上記ネットワーク機器の動作例を説明するフローチャートである。尚、以下の説明では、ネットワーク機器2Nとしてのスレーブ装置2Aでの動作を例示して説明する。
初めにステップS1で、制御部23は、通信部21を通じて、構成リストSi1に登録された他のスレーブ装置2に対して、応答指示を送信する。
ステップS2で、制御部23は、応答指示を送信した全てのスレーブ装置2から当該応答指示に対する応答を受信したか否かについて判別する。全てのスレーブ装置2から応答を受信している場合(S2でYES)、制御部23は、応答指示を送信した全てのスレーブ装置2に異常が生じていないと判断して、ステップS1に進み、それ以外の場合(S2でNO)、制御部23は、応答指示を送信したいずれかのスレーブ装置2に異常が生じていると判断して、ステップS3に進む(ステップS2)。
ステップS3で、制御部23は、記憶部24に通知先リストSi2が記憶されているか否かについて判別する。通知先リストSi2が記憶されている場合(S3でYES)、ステップS4に進み、通知先リストSi2が記憶されていない場合(S3でNO)、ステップS5に進む(ステップS3)。
ステップS4で、制御部23は、通信部21を通じて、記憶部24に記憶された通知先リストSi2に登録された装置に対して、スレーブ装置2に異常が生じたことを通知する。ここで通知先リストSi2に登録された装置は、マスタ装置1、表示装置4、他のスレーブ装置2であり得る。次にフローはステップS5に進む。
ステップS5で、制御部23は、記憶部24に記憶されている異常時動作設定リストSi3を参照して、グループ停止設定がなされているか否かについて判別する。グループ停止設定がなされている場合(S5でYES)、ステップS6に進み、グループ停止設定がなされていない場合(S5でNO)、ステップS7に進む(ステップS5)。
ステップS6で、制御部23は、通信部21を通じて、構成リストSi1に登録された全てのスレーブ装置2に対して、その少なくとも一部の動作を停止させる旨の指示を送信する。次にフローはステップS7に進む。
ステップS7で、制御部23は、上記異常時動作設定リストSi3を参照して、当該ネットワーク機器2Nの異常報知部22による異常報知を実行させるが設定されているか否かについて判別する。指示が設定されている場合(S7でYES)、ステップS8に進み、指示が設定されていない場合(S7でNO)、ネットワーク機器2Nは、処理動作を終了する(ステップS7)。
ステップS8で、制御部23は、異常報知部22に異常報知を実行させる。具体的には、制御部23は、所定の異常パターンで、異常報知部22のLED22Lを点灯動作させる。
以上のように、本実施形態のネットワーク機器2N及びネットワークシステム100では、制御グループC1の構成リストSi1に登録されたいずれかのスレーブ装置2に異常が生じた場合に、当該構成リストSi1に含まれた全てのスレーブ装置2において、その少なくとも一部の動作を停止させることができる。
この結果、本実施形態のネットワーク機器2N及びネットワークシステム100では、制御グループC1のいずれかのスレーブ装置2に異常が生じたときでも、その異常を生じたスレーブ装置2の少なくとも一部の動作と当該スレーブ装置2に連携する他のスレーブ装置2の少なくとも一部の動作、つまり、当該制御グループC1の全てのスレーブ装置2の少なくとも一部の動作を直ちに停止させることができる。
従って、本実施形態のネットワーク機器2N及びネットワークシステム100では、上記従来例と異なり、例えば、一のスレーブ装置が異常発生に起因して動作を停止したときに、これに連携する他のスレーブ装置が稼働を継続することによって製造物の生産にトラブルが生じるなどの問題の発生を容易に防ぐことができる。
また、本実施形態では、制御グループC1内の一のスレーブ装置2をネットワーク機器2Nに設定し、当該ネットワーク機器2Nにより、制御グループC1の他のスレーブ装置2での異常発生の有無を監視しているので、例えば、生産ラインにおいて、マスタ装置1に制御されるスレーブ装置2の設置数が膨大な設置数になった場合でも、マスタ装置1での通信負荷などの処理負荷の増大やマスタ装置1の高性能化を行うことなく、当該生産ラインでのスレーブ装置2での異常発生の有無を容易に監視することができるとともに、スレーブ装置2の異常発生時にはマスタ装置1を介することなく制御グループC1の全てのスレーブ装置2の少なくとも一部の動作を迅速に停止させることができる。
また、本実施形態では、異常発生時に異常を通知する通知先リストSi2がネットワーク機器2Nの記憶部24に予め設定されているので、スレーブ装置2に異常が発生したときにその異常発生を通知先リストSi2に登録されたマスタ装置1や表示装置4に通知することができ、ユーザーに対して、異常の発生を早急に報知することが可能となる。
また、本実施形態では、異常発生時に異常報知部22のLED22Lが異常パターンで点灯動作するので、異常が発生したときに、異常を生じたスレーブ装置2を含む制御グループC1を容易に視認させることができる。尚、上記の説明以外に、異常が生じたときに、構成リストS1iに登録された全てのスレーブ装置2において、その異常報知部のLEDを異常パターンで点灯動作させてもよい。
また、上記の説明では、ネットワーク機器2Nとスレーブ装置2とを同一の構成にした場合について説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、これらネットワーク機器2Nとスレーブ装置2とを別個の構成としてもよい。但し、ネットワーク機器2Nとスレーブ装置2とを同一の構成にする場合の方が、制御グループでのネットワーク機器2Nの選定や変更を簡単に行える点で好ましい。
〔ソフトウェアによる実現例〕
ネットワーク機器2Nの機能ブロック(特に、制御部23)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
ネットワーク機器2Nの機能ブロック(特に、制御部23)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、制御部23は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本開示の目的が達成される。
上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを更に備えていてもよい。
また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
1 マスタ装置
2 スレーブ装置
2N ネットワーク機器
21 通信部
22 異常報知部
22L LED(発光素子)
23 制御部
24 記憶部
100 ネットワークシステム
2 スレーブ装置
2N ネットワーク機器
21 通信部
22 異常報知部
22L LED(発光素子)
23 制御部
24 記憶部
100 ネットワークシステム
Claims (6)
- マスタ装置と、前記マスタ装置により制御される複数のスレーブ装置が接続されるネットワークシステムに用いられるスレーブ装置であるネットワーク機器であって、
他の前記スレーブ装置との間でデータの送受信を行う通信部と、
当該ネットワーク機器と少なくとも1つの他の前記スレーブ装置とを含んだグループの構成リストを予め記憶する記憶部と、
当該ネットワーク機器の各部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記通信部を通じて、前記構成リストに登録された他の前記スレーブ装置に対して、応答指示を送信し、
前記応答指示に対する応答をしない他の前記スレーブ装置がある場合に、前記通信部を通じて、前記構成リストに登録された他の前記スレーブ装置に対して、その少なくとも一部の動作を停止させる旨の指示を送信するとともに、当該ネットワーク機器の少なくとも一部の動作を停止させる、ネットワーク機器。 - 異常報知を実行する異常報知部を、さらに備え、
前記制御部は、
前記応答指示に対する応答をしない他の前記スレーブ装置がある場合に、前記異常報知部に異常報知を実行させる、請求項1に記載のネットワーク機器。 - 前記異常報知部は、発光素子を有し、前記異常報知は前記発光素子の点灯により実行される、請求項2に記載のネットワーク機器。
- 前記記憶部には、前記マスタ装置及び他の前記スレーブ装置の少なくともいずれかが登録された通知先リストが予め記憶され、
前記制御部は、
前記応答指示に対する応答をしない他の前記スレーブ装置がある場合に、前記通知先リストに登録された前記マスタ装置または前記スレーブ装置に対して、異常が生じた旨の通知を送信する、請求項1から3のいずれか1項に記載のネットワーク機器。 - 前記通知先リストには、異常発生の表示を行う表示装置が更に登録されており、
前記制御部は、
前記応答指示に対する応答をしない他の前記スレーブ装置がある場合に、前記通知先リストに登録された前記表示装置に対して、異常が生じた旨の通知を送信する、請求項4に記載のネットワーク機器。 - マスタ装置と、前記マスタ装置により制御される複数のスレーブ装置が接続されるネットワークシステムであって、
請求項1から5のいずれか1項に記載のネットワーク機器が、前記スレーブ装置として接続されている、ネットワークシステム。
Priority Applications (2)
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Applications Claiming Priority (1)
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-
2021
- 2021-03-09 JP JP2021037851A patent/JP2022138061A/ja active Pending
- 2021-12-17 WO PCT/JP2021/046660 patent/WO2022190504A1/ja active Application Filing
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Publication number | Publication date |
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