JP2022137939A - 光学積層体および楕円偏光板 - Google Patents

光学積層体および楕円偏光板 Download PDF

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Abstract

【課題】光反射層上に配置した場合に、少なくとも面内直交2方向に傾斜して視認した場合でも良好な表示性能を確保可能な光学積層体および楕円偏光板を提供する。【解決手段】一実施形態に係る光学積層体は、第1遅相軸を有するλ/2部と、第2遅相軸を有しており、第2遅相軸が第1遅相軸に対して略60°の範囲になるようにλ/2部に積層されたλ/4部と、を備え、λ/2部のNZ係数が略0.5であり、λ/4部のNZ係数が0.3以上0.7以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、光学積層体および楕円偏光板に関する。
本技術分野の従来技術として、特許文献1に記載の技術がある。特許文献1には、λ/2部とλ/4部とが積層された光学積層体が開示されている。特許文献1に記載の光学積層体は、可視光全域でλ/4に近い位相差を持つため、直線偏光子と組み合わせると可視光全域で97%以上の楕円率を持つ楕円偏光板として機能する。これをOLED表示装置等の光反射層上に配置すれば、可視光領域の広い範囲で外光反射を抑制できる。
国際公開第2018/003416公報
特許文献1に記載の上記光学積層体は視野角補償が不十分である。そのため、特許文献1に記載の光学積層体の性能は表示装置を略正面から視認した場合に限られ、傾斜して視認した際には外光反射率が増加し、表示性能が低下するという課題があった。
本発明は、光反射層上に配置した場合に、少なくとも面内直交2方向に傾斜して視認した場合でも良好な表示性能を確保可能な光学積層体および楕円偏光板を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る光学積層体は、第1遅相軸を有するλ/2部と、第2遅相軸を有しており、上記第2遅相軸が上記第1遅相軸に対して略60°の範囲になるように上記λ/2部に積層されたλ/4部と、を備え、上記λ/2部のN係数が略0.5であり、 上記λ/4部のN係数が0.3以上0.7以下である。
上記光学積層体では、上記λ/2部のN係数が略0.5であり、上記λ/4部のN係数が0.3以上0.7以下であることによって、光学積層体を光反射層上に配置した場合に、少なくとも面内直交2方向に傾斜して光学積層体を視認した場合でも良好な表示性能を確保可能である。
上記λ/2部および上記λ/4部それぞれは第1遅相子要素を有し、上記第1遅相子要素は逆分散性を有し且つ略λ/4の位相差を与える要素であり、上記λ/2部が有する上記第1遅相子要素の遅相軸の方向は上記第1遅相軸の方向と略一致しており、上記λ/4部が有する上記第1遅相子要素の遅相軸の方向は上記第2遅相軸の方向と略一致していてもよい。
上記λ/2部は、2つの第1遅相子要素と2つの第2遅相子要素を有し、上記λ/4部は、第1遅相子要素を有し、上記λ/2部が有する上記2つの第1遅相子要素および上記λ/4部が有する上記第1遅相子要素は、逆分散性を有し且つ略λ/4の位相差を与える要素であり、上記λ/2部が有する上記2つの第2遅相子要素は、ポジティブCプレートであり、上記λ/2部が有する上記2つの第1遅相子要素および上記2つの第2遅相子要素それぞれの遅相軸の方向は、上記第1遅相軸の方向に略一致しており、上記λ/4部が有する上記第1遅相子要素の遅相軸の方向は上記第2遅相軸の方向に略一致していてもよい。この場合、光学積層体を光反射層上に配置した場合に、面内直交2方向および面内における上記直交2方向に対する斜め方向それぞれにおいて、光学積層体を傾斜して視認した場合でも良好な表示性能を確保し易い。
上記2つの第1遅相子要素および上記2つの第2遅相子要素は、第1遅相子要素、第2遅相子要素、第2遅相子要素および第1遅相子要素の順に積層されていてもよい。この場合、光学積層体を光反射層上に配置した場合に、面内直交2方向および面内における上記直交2方向に対する斜め方向それぞれにおいて、光学積層体を傾斜して視認した場合でも良好な表示性能を一層確保し易い。
上記λ/2部は、2つの第1遅相子要素と2つの第2遅相子要素を有し、上記λ/4部は、第1遅相子要素と第2遅相子要素を有し、上記λ/2部が有する上記2つの第1遅相子要素および上記λ/4部が有する上記第1遅相子要素は、逆分散性を有し且つ略λ/4の位相差を与える要素であり、上記λ/2部が有する上記2つの第2遅相子要素および上記λ/4部が有する上記第2遅相子要素は、ポジティブCプレートであり、上記λ/2部が有する上記2つの第1遅相子要素および上記2つの第1遅相子要素それぞれの遅相軸の方向は、上記第1遅相軸の方向に略一致しており、上記λ/4部が有する上記第1遅相子要素および上記第2遅相子要素の遅相軸の方向は上記第2遅相軸の方向に略一致しており、上記λ/2部が有する上記2つの第1遅相子要素および上記2つの第2遅相子要素は、第1遅相子要素、第2遅相子要素、第2遅相子要素および第1遅相子要素の順に積層されており、上記λ/4部が有する上記第1遅相子要素および上記第2遅相子要素は、上記λ/2部側から第1遅相子要素および第2遅相子要素の順に積層されていてもよい。
上記構成では、光学積層体を光反射層上に配置した場合に、面内直交2方向および面内における上記直交2方向に対する斜め方向それぞれにおいて、光学積層体を傾斜して視認した場合でも良好な表示性能を確保可能である。
本発明の他の側面に係る楕円偏光板は、偏光子と、上記偏光子に積層された上記光学積層体と、を備え、上記偏光子、上記λ/2部および上記λ/4部は、上記偏光子、上記λ/2部および上記λ/4部の順に配置されている。
上記楕円偏光板は、上記光学積層体を備える。そのため、楕円偏光板を光反射層上に配置した場合に、少なくとも面内直交2方向に傾斜して楕円偏光板を視認した場合でも良好な表示性能を確保可能である。
本発明によれば、光反射層上に配置した場合に、少なくとも面内直交2方向に傾斜して視認した場合でも良好な表示性能を確保可能な光学積層体および楕円偏光板を提供できる。
図1は、一実施形態に係る光学積層体を備えた表示装置の概略構成を示す模式図である。 図2は、λ/2部の遅相軸(第1遅相軸)と、λ/4部の遅相軸(第2遅相軸)と、偏光子の透過軸との配置関係を示す模式図である。 図3は、試作した楕円偏光板の面内リタデーションの波長分散特性を示すグラフである。 図4は、実験において楕円偏光板を傾斜させる場合の傾斜角を説明するための図面である。 図5は、実験および計算における面内角度および傾斜方向を説明するための図面である。 図6は、実験および計算において使用した面内角度領域を説明するための図面である。 図7は、実施例および比較例の結果を示す図表である。
以下、本発明の実施形態を説明する。まず、本開示で使用する用語について説明する。
[遅相子]
本開示における遅相子は、複屈折性を有する光学的媒質を意味する。複屈折性とは、直交する3方向のうち、少なくとも2方向の屈折率の差が0.02を超えて異なる光学的性質を指す。
[遅相子の屈折率]
遅相子における上記直交する3方向の屈折率を、nx、nyおよびnzと称す。nxは、遅相子が形成する屈折率楕円体において、遅相子平面に対して平行な方向の主屈折率を表す。nyは、遅相子が形成する屈折率楕円体において、遅相子平面に対して平行であり、且つ、該nxの方向に対して直交する方向の屈折率を表す。nzは、遅相子が形成する屈折率楕円体において、遅相子平面に対して垂直な方向の屈折率を表す。
[遅相子の面内リタデーションと厚み方向リタデーション]
リタデーションReは遅相子の異方性を表す物理量である。リタデーションReには、面内リタデーションReoと厚み方向リタデーションRethがある。
波長λnmにおける面内リタデーションReo(λ)は式(1)で表される。式(1)中のdは遅相子の厚み(nm)を表す。
Reo(λ)=(nx―ny)×d ・・・(1)
波長λnmにおける厚み方向リタデーションReth(λ)は式(2)で表される。式(2)中のdは、式(1)中のdと同様に遅相子の厚み(nm)である。
Reth(λ)= ―{nz―(nx+ny)/2}×d ・・・(2)
[ポジティブAプレート]
ポジティブAプレートは各方向の屈折率が式(3)の関係を満たす遅相子である。断らない場合、ポジティブAプレートの遅相軸はnxに平行であり、ny≒nzとは、nyとnzの差が0.02未満の状態を表す。
nx>ny≒nz ・・・・(3)
ポジティブAプレートはλ/4板として作用することができる。λ/4板は波長550nmの面内位相差が略λ/4であることができる。面内位相差が略λ/4であるλ/4板の波長550nmにおける面内リタデーションReo(550)は、式(4)の範囲であることができる。
92nm≦Reo(550)≦183nm ・・・(4)
λ/4板のReo(550)の好適な値の範囲は、好ましくは100nm以上160nm以下、さらに好ましくは110nm以上150nm以下である。波長λnmにおけるポジティブAプレートの面内リタデーションReo(λ)と厚み方向リタデーションReth(λ)には式(1)、式(2)、式(3)から導かれる式(5)の関係がある。
Reth(λ)=0.5×Reo(λ) ・・・(5)
λ/4板の波長550nmにおける厚み方向リタデーションReth(550)は式(6)の範囲であることができる。
46nm≦Reth(550)≦92nm ・・・(6)
Reth(550)の好適な値の範囲は、好ましくは50nm以上80nm以下、さらに好ましくは55nm以上75nm以下である。
[ポジティブCプレート]
ポジティブCプレートは、各方向の屈折率が式(7)の関係を満たす遅相子である。断らない場合、ポジティブCプレートの遅相軸はnzに平行であり、nx≒nyとは、nxとnyの差が0.02未満の状態を表す。
nx≒ny<nz ・・・ (7)
[波長分散性]
波長とリタデーションの分散関係を単に波長分散性とも称す。式(8)および式(9)を満たす遅相子を逆波長分散性であるといい、単に逆分散性とも称す。
Re(450)/Re(550)≦1.00 ・・・ (8)
1.00≦Re(650)/Re(550) ・・・ (9)
本開示における遅相子のRe(450)/Re(550)は、好ましくは0.90以下であり、更に好ましくは0.85以下であり、通常は0.60以上、好ましくは0.70以上である。本開示における遅相子のRe(650)/Re(550)は、好ましくは1.02以上であり、さらに好ましくは1.10以上であり、通常は1.30以下であり、好ましくは1.20以下である。
式(10)、式(11)を満たす遅相子を正波長分散性であるといい、単に正分散性であるともいう。
Re(450)/Re(550)>1.00 ・・・ (10)
1.00>Re(650)/Re(550) ・・・ (11)
[遅相子積層体]
複数の遅相子が積層された光学積層体を遅相子積層体と称す場合もある。
[Nz係数]
遅相子のNz係数を式(12)であらわすことができる。なお、波長λ(nm)(たとえば、波長550nm)における遅相子積層体全体の面内リタデーションをReoG、遅相子積層体全体の厚み方向リタデーションをRethGとする。
Nz係数 ≡(RethG/ReoG)+0.5 ・・・(12)
次に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
図1は、一実施形態に係る光学積層体を備えた表示装置の概略構成を示す模式図である。図1に示した表示装置100は、光反射性画像表示層10(以下、単に「画像表示層10」と称す)と、楕円偏光板20とを有する。本開示において、楕円偏光板は、円偏光板の概念も含む。
[画像表示層]
画像表示層10は、内部で画像を形成し、画像表示面10aに画像を表示する。画像表示層10は、画像を形成するための素子構造などを含む。そのため、上記素子構造に含まれる電極、素子構造間を接続する配線等は、光を反射する反射部として機能する。よって、画像表示層10は、楕円偏光板20側から表示装置100に入射した光を反射する光反射性を有し、表示装置100において光反射層として機能する。画像表示層10は、撓むことができる可撓性を有するものでもよいし、撓むことができない剛直性を有するものであってもよい。
画像表示層10は、画像表示面10aに画像を形成するように構成されていれば、層構成及び材料などは限定されない。画像表示層10は、例えば、金、銀、銅、鉄、ニッケル、クロム、モリブデン、チタン、アルミニウム等の金属、それらの合金等を用いた電極及び配線から形成される部分(又は層)、樹脂フィルム、バンク材、発光素子などの誘電体部分、及びその他の層などの多重積層体であり得る。
画像表示層10は、例えば、フラットパネル表示装置である。フラットパネル表示装置の例は、薄型(又はパネル状)の有機エレクトロルミネッセンス表示装置(以下、「OLED表示装置」ともいう)である。画像表示層10として例示する表示装置は、画像表示面上に、光学補償するための部材を含まない状態の装置である。
画像表示層10がOLED表示装置である場合、典型的には、OLED表示装置が備える電極(たとえば金属製電極)が上記反射部である。OLED表示装置は、互いに対向する一対の電極間に有機発光材料層が挟持された薄膜構造体を有する。この有機発光材料層に一方の電極から電子が注入されるとともに、他方の電極から正孔が注入されることにより有機発光材料層内で電子と正孔とが結合して自己発光を行う。有機発光材料層を挟む2つの電極のうち画像表示面10a側の電極は有機発光材層からの光を透過する機能を有する一方、他方の電極は有機発光材料層からの光を画像表示面10aに向けて反射する機能を有する。したがって、上記他方の電極が、典型的には、OLED表示装置における反射部として機能する。
OLED表示装置は、バックライトを必要とする液晶表示装置等と比較して視認性がよく、より薄型化が可能であり、かつ、直流低電圧駆動が可能であるという利点を有する。
楕円偏光板20は、画像表示層10上に積層されている。したがって、表示装置100において、楕円偏光板20側から画像が視認される。よって、楕円偏光板20を基準にして画像表示層10と反対側を「視認側」とも称す。楕円偏光板20は、偏光子31と光学積層体40とを有する。図1に示したように、楕円偏光板20では、視認側から偏光子31および光学積層体40がこの順に配置されている。
偏光子31は、光学積層体40上に積層されている。偏光子31は、その吸収軸に平行な振動面をもつ直線偏光を吸収し、吸収軸に直交する(透過軸と平行な)振動面をもつ直線偏光を透過する性質を有する吸収型のフィルムであることができる。偏光子31としては、一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させたフィルムを好適に用いることができる。偏光子31は、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程;ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより二色性色素を吸着させる工程;二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液等の架橋液で処理する工程;及び、架橋液による処理後に水洗する工程を含む方法によって製造できる。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体との共重合体等が挙げられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体の例は、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、及びアンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド類等を含む。
本開示において「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルから選択される少なくとも一方を意味する。「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリレート」等においても同様である。
偏光子31の厚みは、通常30μm以下であり、好ましくは15μm以下であり、より好ましくは13μm以下であり、さらに好ましくは10μm以下であり、特に好ましくは8μm以下である。偏光子31の厚みは、通常2μm以上であり、3μm以上であることが好ましい。
偏光子31としては、例えば特開2016-170368号公報に記載されるように、液晶化合物が重合した硬化膜中に、二色性色素が配向したものを使用してもよい。二色性色素としては、波長380~800nmの範囲内に吸収を有するものを用いることができ、有機染料を用いることが好ましい。二色性色素として、例えば、アゾ化合物が挙げられる。液晶化合物は、配向したまま重合することができる液晶化合物であり、分子内に重合性基を有することができる。また、WO2011/024891に記載されるように、液晶性を有する二色性色素から偏光フィルムを形成してもよい。
偏光子31の視感度補正偏光度は、90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。上限値は、特に限定されないが、99.9999%以下である。また、偏光フィルムの視感度補正単体透過率は、35%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましい。上限値は、特に限定されないが、49.9%以下である。積層体が、このような性能の偏光子31を備えることで、反射光が漏れにくくなり、色付きを目立たなくすることができる。
図1に示したように、偏光子31の片面または両面には、保護フィルム32が設けられていてもよい。偏光子31に保護フィルム32が積層された積層体を直線偏光板30と称す場合もある。
保護フィルム32は、透光性を有する(好ましくは光学的に透明な)熱可塑性樹脂であることができる。保護フィルム32は、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロースのようなセルロース系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;メタクリル酸メチル系樹脂のような(メタ)アクリル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系樹脂;アクリロニトリル・スチレン系樹脂;ポリ酢酸ビニル系樹脂;ポリ塩化ビニリデン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリアセタール系樹脂;変性ポリフェニレンエーテル系樹脂;ポリスルホン系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂;ポリアリレート系樹脂;ポリアミドイミド系樹脂;ポリイミド系樹脂等からなるフィルムであることができる。
保護フィルム32の位相差値を、適宜に好適な値に制御してもよい。使用者が偏光サングラス等を着用した場合の画面の視認性を向上させるために、波長550nmにおける面内位相差値を70~140nmとしてもよい。
保護フィルム32の厚みは通常1~100μmであるが、強度や取扱性等の観点から5~60μmであることが好ましく、10~55μmであることがより好ましく、15~40μmであることがさらに好ましい。
偏光子31の両面に保護フィルム32が貼合される場合、2つの保護フィルム32は、同種の熱可塑性樹脂で構成されていてもよいし、異種の熱可塑性樹脂で構成されていてもよい。また、2つの保護フィルム32は、厚みが同じであってもよいし、異なっていてもよい。さらに、2つの保護フィルム32は、同じ位相差特性を有していてもよいし、異なる位相差特性を有していてもよい。
上述のように、保護フィルム32の少なくともいずれか一方は、その外面(偏光子31とは反対側の面)に、ハードコート層、防眩層、光拡散層、反射防止層、低屈折率層、帯電防止層、防汚層のような表面処理層(コーティング層)を備えるものであってもよい。なお、保護フィルム32の厚みは、表面処理層の厚みを含んだものである。
保護フィルム32は、例えば接着剤層または粘着剤層を介して偏光子31に貼合することができる。接着剤層を形成する接着剤としては、水系接着剤、活性エネルギー線硬化性接着剤又は熱硬化性接着剤を用いることができ、好ましくは水系接着剤、活性エネルギー線硬化性接着剤である。粘着剤層としては後述のものが使用できる。
水系接着剤としては、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる接着剤、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤等が挙げられる。中でもポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる水系接着剤が好適に用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるビニルアルコールホモポリマーのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体をケン化処理して得られるポリビニルアルコール系共重合体、又はそれらの水酸基を部分的に変性した変性ポリビニルアルコール系重合体等を用いることができる。水系接着剤は、アルデヒド化合物(グリオキザール等)、エポキシ化合物、メラミン系化合物、メチロール化合物、イソシアネート化合物、アミン化合物、多価金属塩等の架橋剤を含むことができる。
水系接着剤を使用する場合は、偏光子31と保護フィルム32とを貼合した後、水系接着剤中に含まれる水を除去するための乾燥工程を実施することが好ましい。乾燥工程後、例えば20~45℃の温度で養生する養生工程を設けてもよい。
上記活性エネルギー線硬化性接着剤とは、紫外線、可視光、電子線、X線のような活性エネルギー線の照射によって硬化する硬化性化合物を含有する接着剤であり、好ましくは紫外線硬化性接着剤である。
上記硬化性化合物は、カチオン重合性の硬化性化合物やラジカル重合性の硬化性化合物であることができる。カチオン重合性の硬化性化合物としては、例えば、エポキシ系化合物(分子内に1個又は2個以上のエポキシ基を有する化合物)や、オキセタン系化合物(分子内に1個又は2個以上のオキセタン環を有する化合物)、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。ラジカル重合性の硬化性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル系化合物(分子内に1個又は2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物)や、ラジカル重合性の二重結合を有するその他のビニル系化合物、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。カチオン重合性の硬化性化合物とラジカル重合性の硬化性化合物とを併用してもよい。活性エネルギー線硬化性接着剤は通常、上記硬化性化合物の硬化反応を開始させるためのカチオン重合開始剤及び/又はラジカル重合開始剤をさらに含む。
偏光子31と保護フィルム32とを貼合するにあたっては、接着性を高めるために、これらの少なくともいずれか一方の貼合面に表面活性化処理を施してもよい。表面活性化処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、放電処理(グロー放電処理等)、火炎処理、オゾン処理、UVオゾン処理、電離活性線処理(紫外線処理、電子線処理等)のような乾式処理;水やアセトン等の溶媒を用いた超音波処理、ケン化処理、アンカーコート処理のような湿式処理を挙げることができる。これらの表面活性化処理は、単独で行ってもよいし、2つ以上を組み合わせてもよい。
偏光子31の両面に保護フィルム32が貼合される場合においてこれらの保護フィルム32を貼合するための接着剤は、同種の接着剤であってもよいし異種の接着剤であってもよい。
光学積層体40は、表示装置100において、偏光子31(図1に示した形態では、直線偏光板30)と画像表示層10との間に配置されている。光学積層体40は、λ/2部41と、λ/4部42とを有する。λ/2部41およびλ/4部42は、視認側からλ/2部41およびλ/4部42の順に配置されている。
λ/2部41は、入射する波長λの光に対してλ/2の位相差を与える機能を有する。λ/2部41のNz係数の値は略0.5であることが望ましい。Nz係数の値が略0.5であるとは、Nz係数が0.5±0.1の範囲である。λ/2部41のNz係数の好適な範囲は0.45以上0.55以下である。断らない限り、λ/2部41の遅相軸は、nxに平行である。
λ/4部42は、入射する波長λの光に対して略λ/4の位相差を与える機能を有するλ/4部42のNz係数の好適な範囲は好ましくは0.3以上0.7以下、より好ましくは0.4以上0.6以下である。さらに好ましくは0.45以上0.55以下である。断らない限り、λ/4部42の遅相軸は、nxに平行である。
図2は、λ/2部41の遅相軸41aと、λ/4部42の遅相軸42aと、偏光子31の透過軸31aとの配置関係を示す模式図である。λ/2部41およびλ/4部42は、図2に示したように、λ/2部41の遅相軸41aとλ/4部42の遅相軸42aとの間の角度θ1が略60°であるように配置されている。略60°は、60°±5°の範囲を意味する。λ/2部41は、偏光子31に対して、λ/2部41の遅相軸41aと偏光子31の透過軸31aとのなす角度が略15°であるように配置されていることが好ましい。略15°とは、15°±5°の範囲を意味する。この場合、λ/4部42は、偏光子31に対して、λ/4部42の遅相軸42aと偏光子31の透過軸31aとのなす角度θ3が略75°であるように配置されていることが好ましい。略75°とは、75°±5°の範囲を意味する。
λ/2部41およびλ/4部42それぞれは、少なくとも1つの遅相子要素(第1遅相子要素)Qを有する。λ/2部41は、2つの遅相子要素Qと、2つの遅相子要素(第2遅相子要素)Zを有してもよい。λ/4部42は、1つの遅相子要素Zを有してもよい。
[遅相子要素Q]
遅相子要素Qは、逆分散性を有し、入射する波長λの光に対して略λ/4の位相差を付与する位相差フィルムである。略λ/4とは、波長λの6分の1から3分の1の範囲を意味する。遅相子要素Qは、λ/4板であり得る。遅相子要素Qは、ポジティブAプレートでもよい。遅相子要素Qは、重合性液晶化合物を硬化して得られてもよく、溶融樹脂を成形またはさらに延伸して得られてもよい。
[遅相子要素Z]
遅相子要素Zは、ポジティブCプレートであることができる。上記ポジティブCプレートの厚み方向リタデーションReth(550)は式(13)を満たす。
-30nm≧Reth(550)≧-120nm ・・・ (13)
遅相子要素ZのReth(550)の好適な値の範囲は、好ましくは-100nm以上-40nm以下、さらに好ましくは-90nm以上-50nm以下である。重合性液晶化合物を硬化して得られてもよく、溶融樹脂を成形またはさらに延伸して得られてもよい。
遅相子要素Qおよび遅相子要素Zは、重合性液晶を硬化して得られる層である場合、遅相子要素Qおよび遅相子要素Zは、基材に設けられた配向膜上に形成される。上記基材は、配向膜を支持する機能を有し、長尺に形成されている基材であってもよい。この基材は、離型性支持体として機能し、転写用の位相差フィルムを支持することができる。さらに、その表面が剥離可能な程度の接着力を有するものが好ましい。基材としては、上記保護フィルム32の材料として例示をした樹脂フィルムが挙げられる。
基材の厚みとしては、特に限定されないが、例えば20μm以上200μm以下の範囲とすることが好ましい。基材の厚みが20μm以上であると、強度が付与される。一方で、厚みが200μm以下であると、基材を裁断加工して枚葉の基材とするにあたり、加工屑の増加、裁断刃の磨耗を抑制できる。
基材は、種々のブロッキング防止処理が施されていてもよい。ブロッキング防止処理としては、例えば、易接着処理、フィラー等を練り込ませる処理、エンボス加工(ナーリング処理)等が挙げられる。このようなブロッキング防止処理を基材に対して施すことによって、基材を巻き取る際の基材同士の張り付き、いわゆるブロッキングを効果的に防止することができ、生産性高く光学フィルムを製造することが可能となる。
重合性液晶化合物が硬化した層は、配向膜を介して基材上に形成される。すなわち、基材、配向膜の順で積層され、重合性液晶化合物が硬化した層は前記配向膜上に積層される。
配向膜は、垂直配向膜に限らず、重合性液晶化合物の分子軸を水平配向させる配向膜であってもよく、重合性液晶化合物の分子軸を傾斜配向させる配向膜であってもよい。遅相子要素Qを作製する場合には、水平配向膜を使用することができ、遅相子要素Zを作製する場合には、垂直配向膜を使用することができる。
配向膜としては、後述する重合性液晶化合物を含む組成物の塗工等により溶解しない溶媒耐性を有し、また、溶媒の除去や液晶化合物の配向のための加熱処理における耐熱性を有するものが好ましい。配向膜としては、配向性ポリマーを含む配向膜、光配向膜及び表面に凹凸パターンや複数の溝を形成し配向させるグルブ配向膜が挙げられる。配向膜の厚みは、通常10nm~10000nmの範囲であり、好ましくは10nm~1000nmの範囲であり、より好ましくは500nm以下であり、さらに好ましくは10nm~200nmの範囲である。
配向膜に用いる樹脂としては、公知の配向膜の材料として用いられる樹脂であれば特に限定されるものではなく、従来公知の単官能又は多官能の(メタ)アクリレート系モノマーを重合開始剤下で硬化させた硬化物等を用いることができる。具体的に、(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、2-エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジエチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテルアクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルアクリレート、テトラエチレングリコールモノフェニルエーテルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、2-フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、ベンジルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メタクリル酸、ウレタンアクリレート等を例示することができる。なお、樹脂としては、これらの1種類であってもよいし、2種類以上の混合物であってもよい。
本実施形態で使用される重合性液晶化合物の種類については、特に限定されないものの、その形状から、棒状タイプ(棒状液晶化合物)と円盤状タイプ(円盤状液晶化合物、ディスコティック液晶化合物)とに分類できる。さらに、それぞれ低分子タイプと高分子タイプとがある。なお、高分子とは、一般に重合度が100以上のものを言う(高分子物理・相転移ダイナミクス、土井正男著、2頁、岩波書店、1992)。
本実施形態では、何れの重合性液晶化合物を用いることもできる。さらに、2種以上の棒状液晶化合物や、2種以上の円盤状液晶化合物、又は棒状液晶化合物と円盤状液晶化合物との混合物を用いてもよい。
棒状液晶化合物としては、例えば、特表平11-513019号公報の請求項1、又は、特開2005-289980号公報の段落[0026]~[0098]に記載のものを好適に用いることができる。円盤状液晶化合物としては、例えば、特開2007-108732号公報の段落[0020]~[0067]、又は、特開2010-244038号公報の段落[0013]~[0108]に記載のものを好適に用いることができる。
重合性液晶化合物は、2種類以上を併用してもよい。その場合、少なくとも1種類が分子内に2以上の重合性基を有している。すなわち、上記重合性液晶化合物が硬化した層は、重合性基を有する液晶化合物が重合によって固定されて形成された層であることが好ましい。この場合、層となった後はもはや液晶性を示す必要はない。
重合性液晶化合物は、重合反応をし得る重合性基を有する。重合性基としては、例えば、重合性エチレン性不飽和基や環重合性基などの付加重合反応が可能な官能基が好ましい。より具体的には、重合性基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基などを挙げることができる。その中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。なお、(メタ)アクリロイル基とは、メタアクリロイル基及びアクリロイル基の両者を包含する概念である。
重合性液晶化合物が硬化した層は、重合性液晶化合物を含む組成物を、例えば配向膜上に塗工することによって形成することができる。上記組成物には、上述した重合性液晶化合物以外の成分が含まれていてもよい。例えば、上記組成物には、重合開始剤が含まれていることが好ましい。使用される重合開始剤は、重合反応の形式に応じて、例えば、熱重合開始剤や光重合開始剤が選択される。例えば、光重合開始剤としては、α-カルボニル化合物、アシロインエーテル、α-炭化水素置換芳香族アシロイン化合物、多核キノン化合物、トリアリールイミダゾールダイマーとp-アミノフェニルケトンとの組み合わせなどが挙げられる。重合開始剤の使用量は、前記塗工液中の全固形分に対して、0.01質量%~20質量%であることが好ましく、0.5質量%~5質量%であることがより好ましい。
上記組成物には、塗工膜の均一性及び膜の強度の点から、重合性モノマーが含まれていてもよい。重合性モノマーとしては、ラジカル重合性又はカチオン重合性の化合物が挙げられる。その中でも、多官能性ラジカル重合性モノマーが好ましい。
重合性モノマーとしては、上述した重合性液晶化合物と共重合することができるものが好ましい。具体的な重合性モノマーとしては、例えば、特開2002-296423号公報中の段落[0018]~[0020]に記載のものが挙げられる。重合性モノマーの使用量は、重合性液晶化合物の全質量に対して、1~50質量%であることが好ましく、2~30質量%であることがより好ましい。
上記組成物には、塗工膜の均一性及び膜の強度の点から、界面活性剤が含まれていてもよい。界面活性剤としては、従来公知の化合物が挙げられる。その中でも特に、フッ素系化合物が好ましい。具体的な界面活性剤としては、例えば、特開2001-330725号公報中の段落[0028]~[0056]に記載の化合物、特願2003-295212号明細書中の段落[0069]~[0126]に記載の化合物が挙げられる。
上記組成物には、溶媒が含まれていてもよく、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒としては、例えば、アミド(例、N,N-ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン)が挙げられる。その中でも、アルキルハライド、ケトンが好ましい。また、2種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
上記組成物には、偏光フィルム界面側垂直配向剤、空気界面側垂直配向剤などの垂直配向促進剤、並びに、偏光フィルム界面側水平配向剤、空気界面側水平配向剤などの水平配向促進剤といった各種配向剤が含まれていてもよい。さらに、前記組成物には、上記成分以外にも、密着改良剤、可塑剤、ポリマーなどが含まれていてもよい。
λ/2部41が2つの遅相子要素Qおよび2つの遅相子要素Zを有し且つλ/4部42が1つの遅相子要素Qおよび1つの遅相子要素Zを有する場合、遅相子要素Qおよび遅相子要素Zは表1に示したように配置されてもよい。
Figure 2022137939000002
表1において、λ/2部41およびλ/4部42の欄の配置は、光学積層体40におけるλ/2部41およびλ/4部42の配置状態を示しており、λ/2部41側が視認側である。よって、λ/2部41およびλ/4部42における遅相子要素Qおよび遅相子要素Zの配置例を示した各セルにおいて左側が視認側である。各セルにおけるQおよびZそれぞれは、遅相子要素Qおよび遅相子要素Zを示しており、たとえば、QおよびZの配置関係は、遅相子要素Qおよび遅相子要素Zの配置関係に対応する。
表1に示した配置例aは、図1に示した配置例である。すなわち、λ/2部41において、2つの遅相子要素Qおよび2つの遅相子要素Zが、視認側から遅相子要素Q、遅相子要素Z、遅相子要素Zおよび遅相子要素Qの順に配置されている。λ/4部42において、視認側(λ/2部41側)から、遅相子要素Qおよび遅相子要素Zが、遅相子要素Qおよび遅相子要素Zの順に配置されている。配置例aにおいて、λ/4部42が有する遅相子要素ZのRth(550nm)は、-50nm、-70nmまたは-90nmが好ましく、これらのうち-70nmがより好ましい。
配置例bは、λ/4部42において、遅相子要素Qおよび遅相子要素Zの配置が反転している点以外は、配置例aと同様の配置例である。
配置例cは、λ/2部41において、2つの遅相子要素Qおよび2つの遅相子要素Zが、視認側から遅相子要素Q、遅相子要素Z、遅相子要素Qおよび遅相子要素Zの順に配置されている点以外は、配置例aと同様の配置例である。
配置例dは、λ/4部42において、遅相子要素Qおよび遅相子要素Zの配置が反転している点以外は、配置例cと同様の配置例である。
配置例eは、λ/2部41において、2つの遅相子要素Qおよび2つの遅相子要素Zが、視認側から遅相子要素Q、遅相子要素Q、遅相子要素Zおよび遅相子要素Zの順に配置されている点以外は、配置例b(または配置例d)と同様の配置例である。
配置例fは、λ/2部41において、2つの遅相子要素Qおよび2つの遅相子要素Zが、視認側から遅相子要素Z、遅相子要素Q、遅相子要素Zおよび遅相子要素Qの順に配置されている点以外は、配置例aと同様の配置例である。
λ/2部41の遅相子要素Qの遅相軸の方向は、λ/2部41の遅相軸41aの方向と略一致していてもよい。同様に、λ/4部42の遅相子要素Qの遅相軸の方向は、λ/4部42の遅相軸42aの方向と略一致していてもよい。略一致とは、2つの遅相軸の方向が±5°程度ズレていてもよいことを意味する(以下、同様)。
λ/2部41およびλ/4部42が有する遅相子要素Qは、全体として遅相子要素Qとして機能する複数の位相差フィルムの積層体でもよい。遅相子要素Qを構成する複数の位相差フィルムの遅相軸の方向は、遅相軸41aの方向に略一致している。同様に、λ/2部41およびλ/4部42が有する遅相子要素Zは、全体として遅相子要素Qとして機能する複数の位相差フィルムの積層体でもよい。遅相子要素Zを構成する複数の位相差フィルムの遅相軸の方向は、遅相軸42aの方向に略一致している。
積層体である、直線偏光板30、光学積層体40および表示装置100を構成する各部材(遅相子要素Qおよび遅相子要素Zも含む)は、たとえば粘着剤層(不図示)を用いて積層することができる。画像表示層10が有機EL表示素子の備える電極を含む場合、粘着剤層を介して有機EL表示素子と光学積層体40とは積層されてもよい。
粘着剤層は、(メタ)アクリル系、ゴム系、ウレタン系、エステル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系のような樹脂を主成分とする粘着剤組成物で構成することができる。中でも、透明性、耐候性、耐熱性等に優れる(メタ)アクリル系樹脂をベースポリマーとする粘着剤組成物が好適である。粘着剤組成物は、活性エネルギー線硬化型、熱硬化型であってもよい。粘着剤層の厚みは、通常3μm~30μmであり、好ましくは3μm~25μmである。
粘着剤組成物に用いられる(メタ)アクリル系樹脂(ベースポリマー)としては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルのような(メタ)アクリル酸エステルの1種又は2種以上をモノマーとする重合体又は共重合体が好適に用いられる。ベースポリマーには、極性モノマーを共重合させることが好ましい。極性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートのような、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基等を有するモノマーを挙げることができる。
粘着剤組成物は、上記ベースポリマーのみを含むものであってもよいが、通常は架橋剤をさらに含有する。架橋剤としては、2価以上の金属イオンであって、カルボキシル基との間でカルボン酸金属塩を形成するもの;ポリアミン化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するもの;ポリエポキシ化合物やポリオールであって、カルボキシル基との間でエステル結合を形成するもの;ポリイソシアネート化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するものが例示される。中でも、ポリイソシアネート化合物が好ましい。
[楕円偏光板および表示装置の製造方法]
楕円偏光板20は、λ/2部41とλ/4部42とを含む光学積層体40と、偏光子31とを粘着剤層を介して積層することで製造される。例えば、図1に示したように、偏光子31の両面に保護フィルム32が積層されている直線偏光板30を用いる場合、偏光子31を製造し且つ偏光子31の両面に保護フィルム32を積層することによって直線偏光板30を得る。その後、光学積層体40と対向する保護フィルム32上に、剥離フィルム上に形成された粘着剤層を積層させる。粘着剤層上の剥離フィルムを剥離し、露出した粘着剤層を介して、偏光子31と、別途製造されているλ/2部41およびλ/4部42を貼り合わせることで、楕円偏光板20が得られる。この楕円偏光板20をたとえば粘着剤層を介して画像表示層10に積層することによって、表示装置100が得られる。
光学積層体40は、λ/2部41およびλ/4部42を備える。λ/2部41のNz係数が略0.5であり且つλ/4部42のNz係数が0.3以上0.7以下である。このような光学積層体40を含む楕円偏光板20を、図1に示したように、光反射層としての画像表示層10に積層した場合、少なくとも面内直交2方向において、表示装置100を傾斜させた状態で、光学積層体40を含む楕円偏光板20を視認した場合でも良好な表示性能を確保可能である。
たとえば、携帯端末(たとえばスマートホン)のように、視認側からみて表示面が長方形である場合、上記面内直交2方向としては、長方形の長手方向および短手方向が挙げられる。スマートホンのような携帯端末では、携帯端末を縦型配置で使用する(長手方向から画面を見る場合に相当)か、或いは、携帯端末を横型配置で使用する(短手方向から画面を見る場合に相当)傾向にある。したがって、少なくとも面内直交2方向に傾斜して視認した場合でも良好な表示性能が確保されていることによって、観察者は、携帯端末を傾けても良好な画像を視認可能である。
λ/2部41が、2つの遅相子要素Qと2つの遅相子要素Zを有し且つλ/4部42は、遅相子要素Qと遅相子要素Zを有する形態では、λ/2部41の上記Nz係数およびλ/4部42の上記Nz係数を実現し易い。このような形態では、少なくとも面内直交2方向に傾斜して楕円偏光板20を視認した場合でもより良好な表示性能を一層確保しやすい。特に、表1に示した配置例aでは、上記面内直交2方向以外の方向に傾斜して視認した場合でも良好な表示性能を確保し易い。
図3は、試作した楕円偏光板20の面内リタデーションの波長分散の測定結果を示すグラフである。グラフ中の黒丸は測定点であり、実線は理論計算に基づくフィッティングである。点線は各波長で面内リタデーションがλ/4となる理想的なλ/4板の場合の波長分散を表す。理論計算には偏光子31、λ/2部41およびλ/4部42各々の透過率と面内リタデーションが用いられた。測定に使用した楕円偏光板20が有するλ/2部41およびλ/4部42は、配置例(a)の構成を有していた。測定に使用したλ/2部41およびλ/4部42の波長550nmに対する面内リタデーションはそれぞれ288nmおよび144nmであった。測定に使用したλ/2部41およびλ/4部42のNz係数は、ともに0.5であった。更に測定に使用した楕円偏光板において、λ/2部41の遅相軸41aと偏光子31の透過軸31aとの成す角度が15.4°であり、λ/4部42の遅相軸42aと偏光子31の透過軸31aとの成す角度は75.4°であった。
測定には、リタデーション測定装置(「KOBRA-WPR」、王子計測機器株式会社製)を使用した。
図3の横軸は、波長(nm)を示しており、縦軸は、面内リタデーション(nm)を示している。図3中の実線は、測定結果(図中のプロット点)に対するフィティング曲線を示している。図3中の破線は、λ/4を示す直線である。図3に示したように、本実施形態に係る光学積層体40およびそれを含む楕円偏光板20では、可視光全域でλ/4に近い位相差を実現できるので、可視光全域で優れた視野角補償機能を実現可能である。
LCD表示装置、ヘッドマウント表示装置等に光学積層体40またはそれを含む楕円偏光板20を適用することによって、可視光全域で広視野角かつ高コントラストを提供できる。さらに、可視円偏光通信に対して光学積層体40またはそれを含む楕円偏光板20を適用することによって、可視光全域にわたって放射角依存性の少ない円偏光源を提供することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示される範囲が含まれること、および、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。以下の説明における「%」及び「部」は、特記ない限り、質量%及び質量部を意味する。本発明は、以下の実施例に限定されない。
・フィルムの厚みの測定方法
フィルムの厚みは接触式膜厚計(「MH-15M」、「カウンタTC101」、「MS-5C」、株式会社ニコン製)を用いて測定した。
・リタデーションの測定方法
λ/2部およびλ/4部の厚み方向のリタデーションとλ/2部、λ/4部、楕円偏光板の面内リタデーションは、リタデーション測定装置(「KOBRA-WPR」、王子計測機器株式会社製)を使用して測定した。
・屈折率の測定方法
フィルム、層等の屈折率を、分光エリプソメーター(「M-2000」、J.A.Woollam社製 )を使用して測定した。
・視感度補正および色相の算出法
後述の視感度補正単体透過率Ty、単体透過色相a、単体透過色相bおよび視感度補正偏光度Pyと、視感度補正反射率Ry10、反射色相a10、反射色相b10、視感度補正反射率Ry50は、各々に対応する分光スペクトル、すなわち単体分光透過率T、分光偏光度P、分光反射率R及び等色関数、標準イルミナントを用いて算出した。
視感度補正値は対応する分光スペクトルの三刺激値Yを標準イルミナントの三刺激値Yoで除して得られる。色相a,bは対応する分光スペクトルのL表色系における色相である。色相a,bは対応する分光スペクトルのLab表色系における色相である。
眼の錐体細胞への赤色光、緑色光、青色光の刺激値のうち緑色による刺激を示すものを三刺激値Yとする。(「色彩工学入門、篠田博之・藤枝一郎 共著、森北出版、106頁~107頁、2007年」参照)。等色関数は国際照明委員会(CIE)勧告(1931年)を用いた。標準イルミナントはD65(ISO10526:1999/CIES005/E-1998)を使用した。標準白色面を完全反射面とした。
・偏光子の分光偏光度P、単体分光透過率Tおよび単体透過色相a,bの測定方法
紫外可視分光光度計(「V7100」、日本分光株式会社製)で偏光子の透過軸方向分光透過率と吸収軸方向分光透過率を測定し、分光偏光度P、単体分光透過率T、単体透過色相a、単体透過色相bを算出した。
単体分光透過率Tは、透過軸方向分光透過率と吸収軸方向分光透過率の平均値である。
分光偏光度Pは、透過軸方向分光透過率と吸収軸方向分光透過率の差を、透過軸方向分光透過率と吸収軸方向分光透過率の和で除して得られる。
透過軸方向分光透過率は、各波長における偏光子透過軸に平行に振動する直線偏光に対する透過率である。
吸収軸方向分光透過率は各波長における偏光子吸収軸に平行に振動する直線偏光に対する透過率である。
偏光子の吸収軸はポリビニルアルコールの延伸方向と一致している。
・反射率および反射色相の測定
ディスプレイ計測システム(「DMS803」、Instrument Systems社製)のSCIモードを用いて楕円偏光板を光反射層上に配置したときの分光反射率Rを測定し、視感度補正反射率Ry、反射色相a、反射色相bを算出した。
傾斜角θ=10°(傾斜角については後述する)における視感度補正反射率および反射色相をそれぞれ、Ry10、a10、b10と称す。傾斜角θ=50°における視感度補正反射率をRy50と称す。
傾斜角θ=10°、θ=50°それぞれの分光反射率Rは楕円偏光板が配置されていない、光反射層のみの反射強度を100%として測定した。測定波長は1nmごとに380nmから780nmの範囲であった。
光反射層には、市販のスマートホンから取り出した有機EL表示装置(Sumsung製スマートホンGalaxy S9 SC-02K)からカバーガラスと楕円偏光板を剥離したものを使用した。
図4に示したように、屈折率nxに平行な軸と屈折率nyに平行な軸で張られる平面pに垂直な方向(図4の破線nの方向)を傾斜角θ=0°とする。平面pは、楕円偏光板の視認側表面に相当する。図5に示したように、面内角度φの方向を傾斜中心軸とする。図5では、φ=0°、45°、90°、135°、180°、225°、270°315°および315°それぞれにおいて平面pを傾斜させる場合の白抜き矢印で模式的に示している。以下で説明する各々の実験例では、式(14)の範囲を5°ステップで、分光反射率Rを測定した。Ry50が最小となるφをφ=90°とした。図5において平面pにおける面内角度φ=0°(または90°)の位置は図示のための便宜的なものである。
0°≦φ<360° ・・・ (14)
以降、Ry10、a10、b10を式(14)の面内角度範囲の平均値とする。
・規格化反射輝度Lの定義
傾斜角θ=50°の規格化反射輝度L50を、LCD解析用シミュレータ(「LCD Master ver.6」、株式会社シンテック製)を用いて計算した。
上記シミュレータの計算で、標準イルミナントを標準白色面に入射したときの分光反射率を用いて計算される視感度補正反射率を1として規格化された視感度補正反射輝度Luminanceを得ることができる。
以降では上記Luminanceを百分率で表した規格化反射輝度Lを用い、特に傾斜角θ=50°の規格化反射輝度をL50とする。シミュレータの計算には、上記紫外可視分光光度計で測定した本明細書に記載の偏光子の透過軸方向分光透過率と吸収軸方向分光透過率、及び、本明細書に記載の遅相子要素Q、遅相子要素Zを上記エリプソメーターで測定した屈折率を用いた。
計算において、光反射層は反射率100%の完全鏡面とした。
式(14)に示す面内角度φを傾斜中心軸として1°ステップで計算した。また、各々の計算例について、規格化反射輝度Lが最小となるφをφ=90°とした。
シミュレータの計算で得られるLuminanceには上記シミュレータの仕様上、大気と楕円偏光板最表面との間で起きる界面反射の影響が含まれない。そのため、測定値である視感度補正反射率Ryと計算値である規格化反射輝度Lとの間には大気と楕円偏光板最表面での界面反射に相当する乖離がある。この乖離はフレネルの式で推定することができ、通常使用する前面板の屈折率を1.5程度とすると、傾斜角50°における規格化反射輝度L50と視感度補正反射率Ry50の差は概算で5.9~6.2%程度である。このような乖離はあるものの、規格化反射輝度L50と視感度補正反射率Ry50の値の相関関係が確認されており、シミュレータを用いた計算によって十分に測定値の大小関係を推定することが可能と判断した。
・(実験値:Ry50)
式(14)における面内角度φの範囲で、図6に示したように、面内角度領域PA1、面内角度領域PA2、面内角度領域PA3、面内角度領域PA4を設定する。面内角度領域PA1、面内角度領域PA2、面内角度領域PA3、面内角度領域PA4は、式(15)~式(18)で示される範囲である。
面内角度領域PA1:
85°≦φ≦95°および265°≦φ≦275°・・・(15)
面内角度領域PA2:
355°≦φ≦5°および175°≦φ≦185 ・・・(16)
面内角度領域PA3:
40°≦φ≦50°および220°≦φ≦230 ・・・(17)
面内角度領域PA4:
130°≦φ≦140°および310°≦φ≦320°・・・(18)
以下で説明する各実験例では、視感度補正反射率Ry50について、図6および式(15)~式(18)に示す面内角度領域別に平均値を算出した。以下の説明において、「Ry50(領域PA1~PA4)」は面内角度領域PA1~PA4におけるRy50の平均値を示す。
・(計算値:L50)
各実験例の規格化反射輝度L50について、式(15)~式(18)に示す面内角度φ領域別平均値を算出した。以下の説明において「L50(領域PA1~PA4)」は面内角度領域PA1~PA4のL50の平均値を示す。
実験のために以下の準備を行った。
[光反射層の準備]
市販のスマートホンから取り出した有機EL表示装置(Sumsung製スマートホンGalaxy S9 SC-02K)からカバーガラスと楕円偏光板を剥離したものを光反射層として供した。
〔水平配向膜形成用組成物の調製〕
下記構造の光配向性材料5部(重量平均分子量:30000)とシクロペンタノン(溶媒)95部を混合した。得られた混合物を80℃で1時間攪拌することにより、水平配向膜形成用組成物を得た。
Figure 2022137939000003
〔垂直配向膜形成用組成物の調製〕
日産化学工業株式会社製、サンエバーSE610を使用した。
〔遅相子要素Q形成用組成物の調製〕
遅相子要素Q(逆分散性ポジティブAプレート)を形成するために、下記の重合性液晶化合物Aと重合性液晶化合物Bを用いた。重合性液晶化合物Aは、特開2010-31223号公報に記載された方法で製造した。また、重合性液晶化合物Bは、特開2009-173893号公報に記載された方法に準じて製造した。以下にそれぞれの分子構造を示す。
[重合性液晶化合物A]
Figure 2022137939000004
[重合性液晶化合物B]
Figure 2022137939000005
重合性液晶化合物A、及び重合性液晶化合物Bを90:10の質量比で混合した。得られた混合物100部に対して、レベリング剤(「メガファックF-556」、DIC株式会社製)を1.0部、重合開始剤である2-ジメチルアミノ-2-ベンジル-1-(4-モルホリノフェニル)ブタン-1-オン(「Omnirad369」、IGM Resins B.V.社製)を6部添加した。さらに、固形分濃度が13%となるようにN-メチル-2-ピロリドン(NMP)を添加し、80℃で1時間攪拌することにより、遅相子要素Q形成用組成物を得た。
〔遅相子要素Z形成用組成物の調整〕
遅相子要素Z(ポジティブCプレート)を形成するために、以下の手順で組成物を調製した。重合性液晶化合物である(「Paliocolor LC242」、BASF社製)100部に対して、レベリング剤としてF-556を0.1部、及び重合開始剤としてOmnirad369を3部添加した。固形分濃度が13%となるようにシクロペンタノンを添加して、遅相子要素Z形成用組成物を得た。
〔偏光子の作製〕
平均重合度約2,400、ケン化度99.9モル%以上、厚み75μmのポリビニルアルコール(PVA)フィルムを準備した。PVAフィルムを30℃の純水に浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の質量比が0.02/2/100の水溶液に30℃で浸漬してヨウ素染色を行った(ヨウ素染色工程)。ヨウ素染色工程を経たPVAフィルムを、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の質量比が12/5/100の水溶液に、56.5℃で浸漬してホウ酸処理を行った(ホウ酸処理工程)。ホウ酸処理工程を経たPVAフィルムを8℃の純水で洗浄した後、65℃で乾燥して、ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向している偏光フィルムを得た。PVAフィルムの延伸は、ヨウ素染色工程とホウ酸処理工程において行った。PVAフィルムの総延伸倍率は5.3倍であった。得られた偏光フィルムの厚みは10μmであった。
偏光フィルムと、ケン化処理されたトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(コニカミノルタ株式会社製 KC4UYTAC 厚み40μm)とを水系接着剤を介してニップロールで貼り合わせた。得られた貼合物の張力を430N/mに保ちながら、60℃で2分間乾燥して、片面に保護フィルムとしてTACフィルムを有する偏光子を得た。なお、水系接着剤は水100部に、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、「クラレポバール KL318」)3部と、水溶性ポリアミドエポキシ樹脂(田岡化学工業株式会社製、「スミレーズレジン650」、固形分濃度30%の水溶液〕1.5部とを添加して調製した。
得られた偏光子について光学特性の測定を行った。得られた偏光子の視感度補正単体透過率Tyは41.9%、視感度補正偏光度Pyは99.962%、単体透過色相aは-1.5、単体透過色相bは3.6であった。
〔遅相子要素Q(逆分散性ポジティブAプレート)の作製〕
日本ゼオン株式会社製の環状オレフィン系樹脂(COP)フィルム(ZF-14-50)上にコロナ処理を実施した。コロナ処理は、ウシオ電機株式会社製のTEC-4AXを使用して行った。コロナ処理は、出力0.78kW、処理速度10m/分の条件で1回行った。COPフィルムに水平配向膜形成用組成物をバーコーターで塗布し、80℃で1分間乾燥した。塗布膜に対して、偏光UV照射装置(「SPOT CURE SP-9」、ウシオ電機株式会社製)を用いて、波長313nmにおける積算光量が100mJ/cmとなるように、軸角度45°にて偏光UV露光を実施した。得られた水平配向膜の膜厚は100nmであった。
続いて、水平配向膜に、遅相子要素Q(逆分散性ポジティブAプレート)形成用組成物を、バーコーターを用いて塗布し、120℃で1分間乾燥した。塗布膜に対して、高圧水銀ランプ(「ユニキュアVB-15201BY-A」、ウシオ電機株式会社製)を用いて、紫外線を照射(窒素雰囲気下、波長365nmにおける積算光量:500mJ/cm2)することにより、遅相子要素Qを形成した。遅相子要素Qの膜厚は2.3μmであった。
遅相子要素Q上に、粘着剤層を積層した。当該粘着剤層を介して、COPフィルム、配向膜、水平配向液晶硬化膜からなるフィルムをガラスに貼合した。COPフィルムを剥離して、リタデーションを測定するためのサンプルを得た。
各波長における遅相子要素Qの面内リタデーションReoQ(λ)を測定した結果、
ReoQ(450)=121nm、
ReoQ(550)=142nm、
ReoQ(650)=146nm、
ReoQ(450)/ ReoQ(550)=0.85、
ReoQ(650)/ ReoQ(550)=1.03、
であり、遅相子要素Qは、逆波長分散性を示した。
遅相子要素Qは、nx>ny≒nzの関係を満たす、ポジティブAプレートであった。なお、各波長における厚み方向リタデーションRethQ(λ)を測定した結果、
RethQ(450)=61nm、
RethQ(550)=72nm、
RethQ(650)=73nm、
であった。
〔遅相子要素Z(ポジティブCプレート)の作製〕
COPフィルムに対して、コロナ処理を実施した。コロナ処理の条件は上記と同じとした。COPフィルム上に、垂直配向膜形成用組成物をバーコーターで塗布し、80℃で1分間乾燥させて、垂直配向膜を得た。得られた垂直配向膜の膜厚は50nmであった。
垂直配向膜に、バーコーターを用いて遅相子要素Z形成用組成物を塗布し、90℃で120秒間乾燥した。塗布膜に対して、高圧水銀ランプ(「ユニキュアVB-15201BY-A」、ウシオ電機株式会社製)を用いて、紫外線を照射(窒素雰囲気下、波長365nmにおける積算光量:500mJ/cm)することにより、遅相子要素Zを形成した。このようにしてCOPフィルム、垂直配向膜および遅相子要素Zによって形成されたフィルムを得た。遅相子要素Zの膜厚は、0.6μmであった。
遅相子要素Zに粘着剤層を積層した。当該粘着剤層を介して、COPフィルム、配向膜、および遅相子要素Zによって形成されたフィルムをガラスに貼合した。COPフィルムを剥離して、リタデーションを測定するためのサンプルを得た。遅相子要素Zの波長550nmにおける厚み方向リタデーションRethZ(550)を測定した結果、
RethZ(550)=-70nm、
であった。
遅相子要素Zは、nx≒ny<nzの関係を満たすポジティブCプレートであった。
[遅相子積層体1]
COPフィルム上に形成された垂直配向膜及び遅相子要素Z(Cプレート)の遅相子要素Zと、COPフィルム上に形成された水平配向膜及び遅相子要素Q(Aプレート)の遅相子要素Qとを、粘着剤を介して接着した。その後、遅相子要素Q側のCOPフィルムを剥離して、COPフィルムおよび遅相子積層体1がこの順に積層されたフィルムを得た。遅相子積層体1における遅相子要素Qおよび遅相子要素Zの配置関係は以下のとおりであった。COPフィルムに対する遅相子要素Qおよび遅相子要素Zの配置を示すために、以下の配置関係ではCOPフィルムを括弧書きで示している。したがって、以下の表記は、遅相子要素Zおよび遅相子要素QがCOPフィルム側から遅相子要素Zおよび遅相子要素Qの順に配置されていることを示している。要素間(または層間)の配置関係については、同様の表記を採用することもある。
(COPフィルム)/Z/Q
[遅相子積層体2]
COPフィルム上に形成された垂直配向膜及び遅相子要素Zの遅相子要素Z面と、COPフィルム上に形成された水平配向膜及び遅相子要素Qの遅相子要素Qとを、粘着剤を介して接着し、その後、遅相子要素Z側のCOPフィルムを剥離して、COPフィルムおよび遅相子積層体2がこの順に積層されたフィルムを得た。遅相子積層体2における遅相子要素Qおよび遅相子要素Zの配置関係は以下のとおりであった。
(COPフィルム)/Q/Z
[遅相子積層体3]
COPフィルム上に形成された水平配向膜及び遅相子要素Q(Aプレート)の遅相子要素Qと、COPフィルム上に形成された水平配向膜及び遅相子要素Q(Aプレート)の遅相子要素Qとを、粘着剤を介して接着し、その後、一方の遅相子要素Q側のCOPフィルムを剥離して、COPフィルム、遅相子積層体3がこの順に積層されたフィルムを得た。遅相子積層体3における遅相子要素Qおよび遅相子要素Zの配置関係は以下のとおりであった。
(COPフィルム)/Q/Q
[遅相子積層体4]
COPフィルム上に形成された垂直配向膜及び遅相子要素Z(Cプレート)の遅相子要素Z面と、COPフィルム上に形成された垂直配向膜及び遅相子要素Z(Cプレート)の遅相子要素Zとを、粘着剤を介して接着し、その後、一方の遅相子要素Z側のCOPフィルムを剥離して、COPフィルム、遅相子積層体4がこの順に積層されたフィルムを得た。遅相子積層体4における遅相子要素Qおよび遅相子要素Zの配置関係は以下のとおりであった。
(COPフィルム)/Z/Z
[遅相子積層体5]
COPフィルムと遅相子積層体2とで形成されたフィルムの遅相子要素Z側と、COPフィルムと遅相子積層体4とで形成されたフィルムの遅相子要素Z側とを粘着剤層を介して、接着し、その後、遅相子要素Q側のCOPフィルムを剥離して、遅相子積層体5とCOPフィルムがこの順に積層されたフィルムを得た。遅相子積層体5における遅相子要素Qおよび遅相子要素Zの配置関係は以下のとおりであった。
Q/Z/Z/Z/(COPフィルム)
[実施例1]
<λ/2部>
遅相子要素Z側同士が密着した場合に2層の遅相子要素Qの遅相軸が一致するように裁断された、2つのCOPフィルムと遅相子積層体2とで形成されるフィルムを用意し、互いの遅相子要素Z側を、粘着剤を介して接着した。その後、一方の遅相子要素Q側のCOPフィルムを剥離して、COPフィルムおよびλ/2部(遅相子要素Q、粘着剤層、遅相子要素Z、粘着剤層、遅相子要素Z、粘着剤層、遅相子要素Q)がこの順に積層されたフィルムを得た。なお、λ/2部(遅相子要素Q、粘着剤層、遅相子要素Z、粘着剤層、遅相子要素Z、粘着剤層、遅相子要素Q)は、λ/2部において、遅相子要素Q、粘着剤層、遅相子要素Z、粘着剤層、遅相子要素Z、粘着剤層、遅相子要素Qがこの順に配置されていることを意味する。他の部材(たとえばλ/4部)についても同様の表記を採用する場合がある。
<λ/4部>
上記遅相子積層体1をλ/4部として用いた。
<楕円偏光板>
TACフィルムが積層された偏光子において偏光子のうちTACフィルムと反対側の面と、上記COPフィルムとλ/2部から形成されたフィルムの遅相子要素Q側とを、粘着剤層を介して接着し、COPフィルムを剥離して積層体を得た。このとき、偏光子の透過軸とλ/2部の遅相軸とのなす角度は15°であった。次に、上記積層体の遅相子要素QとCOPフィルムとλ/4部から形成されたフィルムの遅相子要素Qとを粘着剤層を介して接着し、COPフィルムを剥離して楕円偏光板EP1を得た。このとき、偏光子の透過軸とλ/4部の遅相軸とのなす角度は75°であった。λ/2部のN係数は0.51であり、λ/4部のN係数は0.51であった。
楕円偏光板EP1では、TACフィルム上に、偏光子、粘着剤層、λ/2部(遅相子要素Q、粘着剤層、遅相子要素Z、粘着剤層、遅相子要素Z、粘着剤層、遅相子要素Q)、粘着剤層およびλ/4部(遅相子要素Q、粘着剤層、遅相子要素Z)がこの順に積層されていた。楕円偏光板EP1においてλ/2部とλ/4部とが積層されることによって形成されている光学積層体における遅相子要素Qおよび遅相子要素Zの配置は、表1における配置例aの配置であった。
・リタデーション
上記楕円偏光板EP1におけるTACフィルムと反対側に位置する遅相子要素Z上に、粘着剤層を積層した。当該粘着剤層を介して、楕円偏光板EP1をガラスに貼合し、リタデーションを測定するためのサンプルを得た。
各波長における面内リタデーションReo(λ)を測定した結果、
Reo(450)=112nm
Reo(550)=138nm
Reo(650)=162nm
Reo(450)/Reo(550)=0.81
Reo(650)/Reo(550)=1.17、
であった。
・傾斜角10°に対する反射率および反射色相
上記楕円偏光板EP1を、粘着剤を介して光反射層上に接着してサンプルS1を得た。サンプルS1に対する傾斜角θ=10°における視感度補正反射率および反射色相の面内角度平均値を測定した結果、Ry10=4.6%、a10=0.00、b10=-0.25であった。
・傾斜角50°の反射率(実験値)
サンプルS1の傾斜角θ=50°における視感度補正反射率Ry50の面内角度領域別の平均値を測定及び算出した結果、
Ry50(領域PA1)=6.0%
Ry50(領域PA2)=6.2%
Ry50(領域PA3)=6.3%
Ry50(領域PA4)=6.3%、
であった。
・傾斜角50°の反射率(計算値)
楕円偏光板EP1の計算モデルとして、楕円偏光板EP1におけるTACフィルムおよび粘着剤層を省略した点以外は、楕円偏光板EP1と同様の積層構造を有する積層体(以下、「楕円偏光板EP1s」と称す)を設計した。楕円偏光板EP1sは、偏光子、λ/2部およびλ/4部がこの順に積層された積層体であった。λ/2部およびλ/4部それぞれは以下の構成を有していた。
λ/2部:Q/Z/Z/Q
λ/4部:Q/Z
偏光子の透過軸とλ/2部の遅相軸とのなす角度は15°とした。偏光子の透過軸とλ/4部の遅相軸とのなす角度は75°とした。傾斜角θ=50°における規格化反射輝度L50の面内角度領域別の平均値を計算した結果、
L50(領域PA1)=0.03%
L50(領域PA2)=0.12%
L50(領域PA3)=0.07%
L50(領域PA4)=0.05%、
であった。
・表示性能の目視確認
表示性能の目視確認を、5人の観察者によって晴天の日中に野外で実施した。傾斜角10°の場合及び傾斜角50°の場合それぞれにおいて領域PA1~領域PA4に相当する各面内角度にて観察した。5人中4人以上が光反射層からの虹色の反射光を感じなかった場合は、反射光がよく防止された良好な表示性能であると評価した。それ以外の場合は、表示性能を損ねていると評価した。表示性能の目視確認の方法は、後述する他の実施例および比較例において実施する場合も同様である。
実施例1の傾斜角10°の場合および傾斜角50°の場合の目視確認の結果は次のとおりであった。
(傾斜角10°の場合の目視確認)
太陽光下でサンプルS1の傾斜角θ=10°における光反射層の外光反射を楕円偏光板EP1側から観察したところ、反射光がよく防止された良好な表示性能であることを確認できた。
(傾斜角50°の場合の目視確認)
サンプルS1を太陽光下で傾斜角θ=50°における光反射層の外光反射を観察したところ、領域PA1~PA4に相当するいずれの面内角度においても反射光がよく防止された良好な表示性能であることを確認できた。
図7は、上記実施例1の結果を示す図表であり、図7には、以下の実施例2以降の結果も示されている。図7において、「遅相子要素」の欄における「1」、「2」、「3」および「4」は、視認側から「1」、「2」、「3」および「4」に対応する遅相子要素が配置されていることを示している。図7に示した図表内の「50°傾斜目視」の欄における「〇」は、反射光がよく防止された良好な表示性能であることを示しており、「×」は、虹色の反射光が見られ、表示性能を損ねていたことを示している。換言すれば、「〇」は、「×」の評価のように、虹色の反射光が見られなかった場合に相当する。
<実施例2>
λ/4部の遅相子要素Zの波長550nmの厚み方向リタデーションRethZ(550)を―50nmとし、λ/4部のNz係数を0.65としたことを除いて実施例1と同様にして楕円偏光板EP2を得た。楕円偏光板EP2は、TACフィルム、偏光子、粘着剤層、λ/2部(遅相子要素Q、粘着剤層、遅相子要素Z、粘着剤層、遅相子要素Z、粘着剤層、遅相子要素Q)、粘着剤層、λ/4部(遅相子要素Q、粘着剤層、遅相子要素Z)の層構成を有していた。
楕円偏光板EP2を、粘着剤を介して光反射層上に接着してサンプルS2を得た。サンプルS2の傾斜角θ=50°における視感度補正反射率Ry50の面内角度領域別の平均値を測定した結果、図7の図表に示したとおりであった。
楕円偏光板EP2の計算モデルとして、実施例1の場合と同様に、楕円偏光板EP2におけるTACフィルムおよび粘着剤層を省略した点以外は、楕円偏光板EP2と同様の積層構造を有する積層体(以下、「楕円偏光板EP2s」と称す)を設計した。楕円偏光板EP2sの傾斜角θ=50°における規格化反射輝度L50の面内角度領域別の平均値を計算した結果、図7の図表に示したとおりであった。
太陽光下でサンプルS2の傾斜角θ=50°における光反射層の外光反射を目視観察したところ、領域PA1~PA4に相当するいずれの面内角度においても反射光がよく防止された良好な表示性能であることを確認できた。
<実施例3>
λ/4部の遅相子要素Zの波長550nmの厚み方向リタデーションRethZ(550)を―90nmとし、λ/4部のNz係数を0.37としたことを除いて実施例1と同様にして楕円偏光板EP3を得た。楕円偏光板EP3は、TACフィルム、偏光子、粘着剤層、λ/2部(遅相子要素Q、粘着剤層、遅相子要素Z、粘着剤層、遅相子要素Z、粘着剤層、遅相子要素Q)、粘着剤層、λ/4部(遅相子要素Q、粘着剤層、遅相子要素Z)の層構成を有していた。
楕円偏光板EP3を、粘着剤を介して光反射層上に接着してサンプルS3を得た。サンプルS3の傾斜角θ=50°における視感度補正反射率Ry50の面内角度領域別の平均値を測定した結果、図7の図表に示したとおりであった。
楕円偏光板EP3の計算モデルとして、実施例1の場合と同様に、楕円偏光板EP3におけるTACフィルムおよび粘着剤層を省略した点以外は、楕円偏光板EP3と同様の積層構造を有する積層体(以下、「楕円偏光板EP3s」と称す)を設計した。楕円偏光板EP3sの傾斜角θ=50°における規格化反射輝度L50の面内角度領域別の平均値を計算した結果、図7の図表に示したとおりであった。
太陽光下でサンプルS3の傾斜角θ=50°における光反射層の外光反射を観察したところ、領域PA1~PA4に相当するいずれの面内角度においても反射光がよく防止された良好な表示性能であることを確認できた。
<実施例4>
楕円偏光板の積層構成を、偏光子、λ/2部(遅相子要素Q、遅相子要素Z、遅相子要素Z、遅相子要素Q)、λ/4部(遅相子要素Z、遅相子要素Q)として、計算用の楕円偏光板EP4sとした。偏光子の透過軸とλ/2部の遅相軸とのなす角度は15°とした。
偏光子の透過軸とλ/4部の遅相軸とのなす角度は75°とした。
楕円偏光板EP4sの傾斜角θ=50°における規格化反射輝度L50の面内角度領域別の平均値を計算した結果、図7の図表に示したとおりであった。
<実施例5>
遅相子要素Zと遅相子要素Qが密着したとき、2層の遅相子要素Qの遅相軸が同じ方向となるように裁断された、COPフィルムと遅相子積層体2とで形成されるフィルムと、COPフィルムと遅相子積層体1とで形成されるフィルムを用意し、遅相子積層体2の遅相子要素Z側と遅相子積層体1の遅相子要素Q側を、粘着剤を介して接着した。その後、遅相子要素Z側のCOPフィルムを剥離して、COPフィルムおよびλ/2部(遅相子要素Q、Z、Q、Z)がこの順に積層されたフィルムを得た。
上記λ/2部を除いて実施例1と同様にして楕円偏光板EP5を得た。
上記楕円偏光板EP5は、TACフィルム、偏光子、粘着剤層、λ/2部(遅相子要素Q、粘着剤層、遅相子要素Z、粘着剤層、遅相子要素Q、粘着剤層、遅相子要素Z)、粘着剤層、λ/4部(遅相子要素Q、粘着剤層、遅相子要素Z)の層構成を有していた。
楕円偏光板EP5を、粘着剤を介して光反射層上に接着してサンプルS5を得た。サンプルS5の傾斜角θ=50°における視感度補正反射率Ry50の面内角度領域別の平均値を測定した結果、図7の図表に示したとおりであった。
太陽光下でサンプルS5の傾斜角θ=50°における光反射層の外光反射を観察したところ、領域PA1及び領域PA2に相当する面内角度においては反射光がよく防止された良好な表示性能であることを確認できたが、領域PA3及びPA4に相当する面内角度においては強い虹色の反射光が見られ、表示性能を損ねることが確認された。
楕円偏光板EP5の計算モデルとして、実施例1の場合と同様に、楕円偏光板EP5におけるTACフィルムおよび粘着剤層を省略した点以外は、楕円偏光板EP5と同様の積層構成を有する積層体(以下、「楕円偏光板EP5s」と称す)を設計した。楕円偏光板EP5sの傾斜角θ=50°における規格化反射輝度L50の面内角度領域別の平均値を計算した結果、図7の図表に示したとおりであった。
<実施例6>
楕円偏光板の積層構成を、偏光子、λ/2部(遅相子要素Q、遅相子要素Z、遅相子要素Q、遅相子要素Z)、λ/4部(遅相子要素Z、遅相子要素Q)として、計算用の楕円偏光板EP6sとした。偏光子の透過軸とλ/2部の遅相軸とのなす角度は15°とした。 偏光子の透過軸とλ/4部の遅相軸とのなす角度は75°とした。
楕円偏光板EP6sの傾斜角θ=50°における規格化反射輝度L50の面内角度領域別の平均値を計算した結果、図7の図表に示したとおりであった。
<実施例7>
楕円偏光板の積層構成を、偏光子、λ/2部(遅相子要素Z、遅相子要素Q、遅相子要素Z、遅相子要素Q)、λ/4部(遅相子要素Z、遅相子要素Q)として、計算用の楕円偏光板EP7sとした。偏光子の透過軸とλ/2部の遅相軸とのなす角度は15°とした。偏光子の透過軸とλ/4部の遅相軸とのなす角度は75°とした。
楕円偏光板EP7sの傾斜角θ=50°における規格化反射輝度L50の面内角度領域別の平均値を計算した結果、図7の図表に示したとおりであった。
<実施例8>
楕円偏光板の積層構成を、偏光子、λ/2部(遅相子要素Q、遅相子要素Q、遅相子要素Z、遅相子要素Z)、λ/4部(遅相子要素Q、遅相子要素Z)として、計算用の楕円偏光板EP8sとした。偏光子の透過軸とλ/2部の遅相軸とのなす角度は15°とした。
偏光子の透過軸とλ/4部の遅相軸とのなす角度は75°とした。
楕円偏光板EP8sの傾斜角θ=50°における規格化反射輝度L50の面内角度領域別の平均値を計算した結果、図7の図表に示したとおりであった。
<比較例1>
遅相子積層体3をλ/2部、遅相子要素Qをλ/4部として、COPフィルムと遅相子積層体3とで形成されるフィルムの遅相子要素Q側と、COPフィルムと水平配向膜と遅相子要素Qとで形成されるフィルムの遅相子要素Q側とを粘着剤層を介して接着したことを除いて実施例1と同様にして、楕円偏光板EP9を得た。
楕円偏光板EP9は、TACフィルム、偏光子、粘着剤層、λ/2部(遅相子要素Q、粘着剤層、遅相子要素Q)、粘着剤層、λ/4部(遅相子要素Q)の層構成を有していた。
楕円偏光板EP9を、粘着剤を介して光反射層上に接着してサンプルS9を得た。サンプルS9の傾斜角θ=50°における視感度補正反射率Ry50の面内角度領域別の平均値を測定した結果、図7の図表に示したとおりであった。
太陽光下でサンプルS9の傾斜角θ=50°における光反射層の外光反射を観察したところ、領域PA1に相当する面内角度においては反射光がある程度防止された良好な表示性能であることを確認できたが領域PA2に相当する面内角度においては、強い虹色の反射光が見られた。領域PA3及び領域PA4に相当する面内角度においては強い虹色の反射光が見られ、表示性能を損ねることが確認され、直交三方向の傾斜において表示性能を損ねることが確かめられた。
楕円偏光板EP9の計算モデルとして、実施例1の場合と同様に、楕円偏光板EP9におけるTACフィルムおよび粘着剤層を省略した点以外は、楕円偏光板EP9と同様の積層構成を有する積層体(以下、「楕円偏光板EP9s」と称す)を設計した。楕円偏光板EP9sの傾斜角θ=50°における規格化反射輝度L50の面内角度領域別の平均値を計算した結果、図7の図表に示したとおりであった。
<比較例2>
遅相子積層体3をλ/2部、遅相子積層体1をλ/4部として、COPフィルムと遅相子積層体3とで形成されるフィルムの遅相子要素Q側と、COPフィルムと遅相子積層体1とで形成されるフィルムの遅相子要素Q側とを粘着剤層を介して接着したことを除いて実施例1と同様にして、楕円偏光板EP10を得た。
楕円偏光板EP10は、TACフィルム、偏光子、粘着剤層、λ/2部(遅相子要素Q、粘着剤層、遅相子要素Q)、粘着剤層、λ/4部(遅相子要素Q、粘着剤層、遅相子要素Z)の層構成を有していた。
楕円偏光板EP10を、粘着剤を介して光反射層上に接着してサンプルS10を得た。サンプルS10の傾斜角θ=50°における視感度補正反射率Ry50の面内角度領域別の平均値を測定した結果、図7の図表に示したとおりであった。
太陽光下でサンプルS10の傾斜角θ=50°における光反射層の外光反射を観察したところ、領域PA1に相当する面内角度においては反射光がよく防止された良好な表示性能であることを確認できたが、領域PA2に相当する面内角度においては、強い虹色の反射光が見られた。領域PA3及び領域PA4に相当する面内角度においては強い虹色の反射光が見られ、表示性能を損ねることが確認され、直交三方向の傾斜において表示性能を損ねることが確かめられた。
楕円偏光板EP10の計算モデルとして、実施例1の場合と同様に、楕円偏光板EP10におけるTACフィルムおよび粘着剤層を省略した点以外は、楕円偏光板EP10と同様の積層構成を有する積層体(以下、「楕円偏光板EP10s」と称す)を設計した。楕円偏光板EP10sの傾斜角θ=50°における規格化反射輝度L50の面内角度領域別の平均値を計算した結果、図7の図表に示したとおりであった。
<比較例3>
遅相子積層体3をλ/2部とし、遅相子積層体5をλ/4部として、COPフィルムと遅相子積層体3で形成されたフィルムの遅相子要素Q側と、COPフィルムと遅相子積層体5とで形成されたフィルムの遅相子要素Q側とを粘着剤層を介して接着したことを除いて実施例1と同様にして、楕円偏光板EP11を得た。
楕円偏光板EP11は、TACフィルム、偏光子、粘着剤層、λ/2部(遅相子要素Q、粘着剤層、遅相子要素Q)、粘着剤層、λ/4部(遅相子要素Q、粘着剤層、遅相子要素Z、粘着剤層、遅相子要素Z、粘着剤層、遅相子要素Z)の層構成を有していた。
楕円偏光板EP11を、粘着剤を介して光反射層上に接着してサンプルS11を得た。サンプルS11の傾斜角θ=50°における視感度補正反射率Ry50の面内角度領域別の平均値を測定した結果、図7の図表に示したとおりであった。
太陽光下でサンプルS11の傾斜角θ=50°における光反射層の外光反射を観察したところ、領域PA1~領域PA4に相当するどの面内角度においても強い虹色の反射光が見られ、表示性能を損ねることが確かめられた。
楕円偏光板EP11の計算モデルとして、実施例1の場合と同様に、楕円偏光板EP11におけるTACフィルムおよび粘着剤層を省略した点以外は、楕円偏光板EP11と同様の積層構成を有する積層体(以下、「楕円偏光板EP11s」と称す)を設計した。楕円偏光板EP11sの傾斜角θ=50°における規格化反射輝度L50の面内角度領域別の平均値を計算した結果、図7の図表に示したとおりであった。
<実施例2,3、実施例5、比較例1~3に共通の結果>
楕円偏光板EP2,EP3(実施例2,3)、楕円偏光板EP5(実施例5)、前記楕円偏光板EP9~EP11(比較例1~3)、の各波長における面内リタデーションReo(λ)を測定した。いずれの結果も以下のとおりであり、楕円偏光板EP1(実施例1)の場合と同様であった。
Reo(450)=112nm、
Reo(550)=138nm、
Reo(650)=162nm、
Reo(450)/ Reo(550)=0.81、
Reo(650)/ Reo(550)=1.17、
サンプルS2,S3(実施例2,3)、サンプルS5(実施例5)、サンプルS9~S11(比較例1~3)それぞれの傾斜角θ=10°における視感度補正反射率および反射色相を測定した結果、いずれもサンプルS1(実施例1)と同様にRy10=4.6%、a10=0.00、b10=-0.25であった。
太陽光下でサンプルS2,S3(実施例2,3)、サンプルS5(実施例5)、サンプルS9~S11(比較例1~3)それぞれの傾斜角θ=10°における光反射層の外光反射を観察したところ、サンプルS1(実施例1)と同様に、反射光がよく防止された良好な表示性能であることを確認できた。
[結果の検討]
λ/2部41のN係数が略0.5であり且つλ/4部42のN係数が0.3以上0.7以下であるという条件を満たす。一方、比較例1~比較例3は上記条件を満たさない。 図7に示したように、実施例1~実施例8では、傾斜角50°に対する目視の結果(以下、「50°傾斜目視の結果」と称す)において、少なくとも領域PA1および領域PA2に相当する面内角度において、反射光がよく防止された良好な表示性能であることを確認できた。これに対して、比較例1~比較例3では、50°傾斜目視の結果において、領域PA1および領域PA2の両方または領域PA2において良好な表示性能が確認できなかった。
実験では、面内角度φとして、Ry50が最小(最も暗い)となるφをφ=90°として面内角度φの基準とした。そのため、領域PA1および領域PA2は、基準であるφ=90°に対して互いに直交する2つの方向に相当する領域であり、表示装置に適用された楕円偏光板を傾けて観察する方向が縦方向または横方向の場合に相当する。一方、領域PA3および領域PA4は、表示装置に適用された楕円偏光板を傾けて観察する方向が斜め方向に相当する。したがって、λ/2部41のN係数が略0.5であり且つλ/4部42のN係数が0.3以上0.7以下であるという条件を満たす実施例1~実施例8では、少なくとも面内直交2方向に傾斜して楕円偏光板を視認した場合でも良好な表示性能を確保可能であることが理解できる。
実施例1~実施例3では、50°傾斜目視の結果において、領域PA1~領域PA4それぞれに相当する面内角度においても反射光がよく防止された良好な表示性能であることを確認できた。すなわち、実施例1~実施例3では、表示装置を縦、横、斜めそれぞれにおいて楕円偏光板を傾斜させても良好な表示性能を確保できることが理解される。したがって、λ/2部が有する2つの遅相子要素Qおよび2つの遅相子要素Zの配置順並びにλ/4部が有する遅相子要素Qおよび遅相子要素Zの配置順は、実施例1~実施例3で採用した配置順が好ましいことが理解される。
Ry50(領域PA1~PA4)のいずれかが、8.1%以上の実験例では、8.1%以上の結果が得られた領域では、虹色の反射光が強く視認され、その領域での表示性能を損ねることが確かめられた。これより、Ry50(領域PA1~PA4)の好ましい値は8.1%未満、より好ましくは6.8%以下、さらに好ましくは6.3%以下である。Ry50の値と、L50の対応関係から、L50(領域PA1~PA4)のいずれかが、1.13%以上の実験例では、虹色の反射光が強く視認され、表示性能を損ねることが想定される。L50(領域PA1~PA4)の好ましい値は1.13%未満、より好ましくは0.78%以下、さらに好ましくは、0.12%以下である。
上記観点からもλ/2部が有する2つの遅相子要素Qおよび2つの遅相子要素Zの配置順並びにλ/4部が有する遅相子要素Qおよび遅相子要素Zの配置順は、実施例1~実施例3で採用した配置順が好ましいことが理解される。
前述したように、実験では、面内角度φとして、Ry50が最小(最も暗い)となるφをφ=90°としている。そのため、領域PA1のRy50を基準にPA1~PA4のRy50を比較検討する。この場合、実施例1では、領域PA1のRy50が6.0であり、領域PA2~領域PA4も6.2または6.3である。すなわち、実施例1では、領域PA1~領域PA4のRy50は6.3未満であり、領域PA2~領域PA4のRy50は、基準とすべき領域PA1のRy50とほぼ同じ値である。したがって、実施例1では、領域PA1~領域PA4においてほぼ一定の表示性能を確保できている。そのため、実施例1の構成が一層好ましいことが理解され得る。
20…楕円偏光板、31…偏光子、40…光学積層体、41…λ/2部、41a…遅相軸(第1遅相軸)、42…λ/4部、42a…遅相軸(第2遅相軸)、Q…遅相子要素(第1遅相子要素)、Z…遅相子要素(第2遅相子要素)。

Claims (6)

  1. 第1遅相軸を有するλ/2部と、
    第2遅相軸を有しており、前記第2遅相軸が前記第1遅相軸に対して略60°の範囲になるように前記λ/2部に積層されたλ/4部と、
    を備え、
    前記λ/2部のN係数が略0.5であり、
    前記λ/4部のN係数が0.3以上0.7以下である、
    光学積層体。
  2. 前記λ/2部および前記λ/4部それぞれは第1遅相子要素を有し、
    前記第1遅相子要素は逆分散性を有し且つ略λ/4の位相差を与える要素であり、
    前記λ/2部が有する前記第1遅相子要素の遅相軸の方向は前記第1遅相軸の方向と略一致しており、
    前記λ/4部が有する前記第1遅相子要素の遅相軸の方向は前記第2遅相軸の方向と略一致している、
    請求項1に記載の光学積層体。
  3. 前記λ/2部は、2つの第1遅相子要素と2つの第2遅相子要素を有し、
    前記λ/4部は、第1遅相子要素を有し、
    前記λ/2部が有する前記2つの第1遅相子要素および前記λ/4部が有する前記第1遅相子要素は、逆分散性を有し且つ略λ/4の位相差を与える要素であり、
    前記λ/2部が有する前記2つの第2遅相子要素は、ポジティブCプレートであり、
    前記λ/2部が有する前記2つの第1遅相子要素および前記2つの第2遅相子要素それぞれの遅相軸の方向は、前記第1遅相軸の方向に略一致しており、
    前記λ/4部が有する前記第1遅相子要素の遅相軸の方向は前記第2遅相軸の方向に略一致している、
    請求項1に記載の光学積層体。
  4. 前記2つの第1遅相子要素および前記2つの第2遅相子要素は、第1遅相子要素、第2遅相子要素、第2遅相子要素および第1遅相子要素の順に積層されている、
    請求項3に記載の光学積層体。
  5. 前記λ/2部は、2つの第1遅相子要素と2つの第2遅相子要素を有し、
    前記λ/4部は、第1遅相子要素と第2遅相子要素を有し、
    前記λ/2部が有する前記2つの第1遅相子要素および前記λ/4部が有する前記第1遅相子要素は、逆分散性を有し且つ略λ/4の位相差を与える要素であり、
    前記λ/2部が有する前記2つの第2遅相子要素および前記λ/4部が有する前記第2遅相子要素は、ポジティブCプレートであり、
    前記λ/2部が有する前記2つの第1遅相子要素および前記2つの第1遅相子要素それぞれの遅相軸の方向は、前記第1遅相軸の方向に略一致しており、
    前記λ/4部が有する前記第1遅相子要素および前記第2遅相子要素の遅相軸の方向は前記第2遅相軸の方向に略一致しており、
    前記λ/2部が有する前記2つの第1遅相子要素および前記2つの第2遅相子要素は、第1遅相子要素、第2遅相子要素、第2遅相子要素および第1遅相子要素の順に積層されており、
    前記λ/4部が有する前記第1遅相子要素および前記第2遅相子要素は、前記λ/2部側から第1遅相子要素および第2遅相子要素の順に積層されている、
    請求項1に記載の光学積層体。
  6. 偏光子と、
    前記偏光子に積層された請求項1~5の何れか一項に記載の光学積層体と、
    を備え、
    前記偏光子、前記λ/2部および前記λ/4部は、前記偏光子、前記λ/2部および前記λ/4部の順に配置されている、
    楕円偏光板。
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