JP2022137793A - 装置および装置本体 - Google Patents

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佳和 山添
Yoshikazu Yamazoe
雅俊 石田
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宗和 平田
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Abstract

【課題】着脱ユニットを着脱する際に、ユニット側電気接点と本体側電気接点が接触することを防止すること。【解決手段】装置本体は、下部ユニット3に装着されたインクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bに接触する接触位置と、下部ユニット3に装着されたインクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bに対して所定の間隔をおいた非接触位置の間で移動可能な本体側電気接点13bと、開口103を開閉する上部ユニット2と、上部ユニット2を開いたときには、本体側電気接点13bを所定の間隔で移動させることで非接触位置に位置させ、上部ユニット2を閉じたときには、本体側電気接点13bを所定の間隔で移動させることで接触位置に位置させる連動部と、を備える。【選択図】図13

Description

本発明は、装置および装置本体に関する。
特許文献1には、記録材に画像を記録する記録部41と、記録部41を内部に収容する装置本体と、を備える携帯型画像形成装置において、装置本体の側と電気的に接続される着脱ユニット40と、装置本体に装着された着脱ユニット40のユニット側接続部が、本体側接続部13に向かう方向に着脱ユニット40を加圧する加圧手段12cと、加圧手段12cを保持し移動可能な可動部材12とを備え、可動部材12は、加圧手段12cが本体側接続部13に最も近づく第1の位置と最も離れる第2の位置との間で移動可能に構成されていることが記載されている。
本発明は、着脱ユニットを着脱する際に、ユニット側電気接点と本体側電気接点が接触することを防止する装置および装置本体を提供することを目的とする。
本発明に係る装置は、装置本体と、装置本体に形成された開口を介して、装置本体に着脱可能に構成される着脱ユニットと、を備え、着脱ユニットは、ユニット側電気接点を備え、装置本体は、装置本体に装着された着脱ユニットのユニット側電気接点に接触する接触位置と、装置本体に装着された着脱ユニットのユニット側電気接点に対して所定の間隔をおいた非接触位置の間で移動可能な本体側電気接点と、開口を開閉するカバーと、カバーを開いたときには、本体側電気接点を所定の間隔で移動させることで非接触位置に位置させ、カバーを閉じたときには、本体側電気接点を所定の間隔で移動させることで接触位置に位置させる連動部と、を備える。
本発明によれば、着脱ユニットを着脱する際に、本体側電気接点を非接触位置に位置させることが可能になる。これにより、着脱ユニットを着脱する際に、ユニット側電気接点と本体側電気接点が接触することを防止する装置および装置本体を提供できる。
本発明の実施形態に係るHMPを左背面側上方から見た外観斜視図である。 本実施形態に係るHMPにキャッピングユニットを取り付けた状態の外観斜視図である。 本実施形態に係るHMPから、キャッピングユニットを取り外した状態の外観斜視図である。 本実施形態に係るHMPを斜め下方から見た外観斜視図である。 本実施形態に係るHMPの下面図である。 本実施形態に係るHMPを左側方から見た概略断面図である。 本実施形態に係るHMPを操作する際の使用者の手とHMPとの位置関係を示す説明図である。 本実施形態に係るHMPで記録紙P上に画像形成する様子を示す説明図である。 本実施形態に係るHMPの電気回路の一部を示すブロック図である。 本実施形態に係るインクカートリッジを取り出した状態のHMPの斜視説明図である。 本実施形態に係るインクカートリッジの単体の斜視説明図である。 本実施形態に係るインクカートリッジの三面図である。 本実施形態に係るHMPにおける上部ユニットの開閉の説明図である。 本実施形態に係るHMPの背面断面図である。 本実施形態の変形例に係るHMPにおける上部ユニットの開閉の説明図である。 図15に示した変形例の上面図である。 本実施形態の第2の変形例に係るHMPにおける上部ユニットの開閉の説明図である。
以下、本発明を、携帯型画像形成装置であるハンディモバイル型プリンタ(以下、「HMP」という)に適用した一実施形態について説明する。まず、実施形態に係るHMPの基本的な構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るHMP1を左背面側上方から見た外観斜視図である。図2は、本実施形態に係るHMP1にキャッピングユニット8を取り付けた状態を斜め上方から見た外観斜視図である。
図3は、本実施形態に係るHMP1から、キャッピングユニット8を取り外した状態を示す外観斜視図であり、HMP1及びキャッピングユニット8を、右正面側上方から見た斜視図である。
本実施形態に係るHMP1は、装着可能なキャッピングユニット8を備える。キャッピングユニット8は、ABS樹脂などの樹脂製であり、その内壁面上に凹部81が形成されている。HMP1にキャッピングユニット8が装着されると、HMP1に設けられる突起部16が凹部81にスナップフィットによって引っ掛かる。これにより、HMP1にキャッピングユニット8が装着された状態(図2に示す状態)が保持される。
HMP1からキャッピングユニット8を取り外す場合、使用者はHMP1本体をキャッピングユニット8から上方(図中のZ軸プラス方向)に引き抜くことで、スナップフィットにより引っ掛かっていた突起部16が凹部81から外れる。これにより、HMP1からキャッピングユニット8を取り外すことができる。
図4は、本実施形態に係るHMP1を斜め下方から見た外観斜視図である。図5は、本実施形態に係るHMP1の下面図である。
図1、図3及び図4に示すように、HMP1は、上部ユニット2と下部ユニット3とから主に構成されている。HMP1は、全体的に略直方体形状をなしており、その走査方向(=印字方向:図中X軸方向)の長さは、使用者が掌で掴める程度である。
図1、図3及び図4に示すように、HMP1の本体の左右方向(短手方向)をX軸方向とし、それに直交する本体長手方向をY軸方向とする。HMP1を用いたプリント動作では、文字や絵柄等を直線的に印字する場合はX軸方向(走査方向)にHMP1を移動させる。そして、Y軸方向にHMP1を移動させることで改行させる。
ただし、HMP1を用いたプリント動作は上述した動作に限定されるものではない。文字や絵柄等をデザイン的に配置する場合など、X軸方向以外の斜め方向や曲線的にHMP1を移動させてプリントを行うことも可能である。また、Y軸方向以外の方向にHMP1を移動させて改行することも可能である。
図6は、本実施形態に係るHMP1を左側方から見た概略断面図である。図6に示すように、上部ユニット2は、Y軸方向に延在する水平延在部2aとZ軸方向に延在する垂直延在部2bとを備えるL字形状になっている。上部ユニット2の垂直延在部2bの内部には、HMP1の各機器に電力供給するための電源であるバッテリー15が配置されている。水平延在部2aには制御基板14が配置されており、制御基板14には、印字ボタン5a及び電源ボタン5bが接続されている。電源ボタン5bは、HMP1の電源の入切(ON/OFF)を切り替えるためのボタンであり、印字ボタン5aはインクの吐出タイミングを操作するボタンである。
下部ユニット3は、上部ユニット2を回転可能に支持する上部ユニット回転軸3a、位置座標を検出するとともに、印字対象物の有無を検知するための光センサ(反射型)である位置検出センサ18、FPC接点部13、上部ユニットロック爪11及びこれらを保持するハウジング80等を備える。FPC接点部13は、本体側電気接点の一例である。また、下部ユニット3のハウジング80の内部には、記録部41(画像形成部)とインクタンクとを一体で備えるインクタンク一体型のインクカートリッジ40(インクジェットヘッド)がハウジング80に対して着脱可能に収容されている。インクカートリッジ40は、記録部41からインクの液滴を吐出して画像形成を行うものであり、HMP1を使用するときには、インクの液滴を吐出する記録部41が鉛直方向下方に向けられる。
下部ユニット3に対して上部ユニット2を図6中の矢印「B」方向に回転させることで、下部ユニット3のハウジング80の上方の開口部が露出し、ハウジング80の内部に配置されたインクカートリッジ40を取り外すことが可能となる。尚、上部ユニット2は開閉部材、カバーまたは回動部材の一例であり、上部ユニット2および下部ユニット3は、装置本体の一例である。インクカートリッジ40は、下部ユニット3に着脱可能に構成される着脱ユニットの一例である。
本実施形態のHMP1では、バッテリー15を、下部ユニット3の正面側(図6中の右側)を覆うように位置する上部ユニット2の垂直延在部2bに配置し、バッテリー15をインクカートリッジ40の正面35側に位置させている。このため、重量が大きいバッテリー15をインクカートリッジ40の上方に位置させる構成に比べてHMP1の高さを低くしている。これにより、HMP1の重心位置を低くすることができ、移動操作時におけるHMP1の転倒を抑制できる。
HMP1の走査方向(X軸方向)の大きさ(装置幅)は、インクカートリッジ40よりも僅かに幅広になっている程度である。装置幅をできるだけ小さくすることで、記録紙Pの表面上においてHMP1を走査方向に移動操作できる範囲を広くし、記録紙Pの表面上における記録可能範囲をできるだけ広くすることができる。
図1、図3乃至図6に示すように、HMP1は、インクカートリッジ40の記録部41を用紙等の記録材に対面させる対向面である記録面30を有する。また、この記録面30の反対面である上面31、HMP1の走査方向と直交する方向である走査直交方向(図中Y軸方向)に延在する左側面32などを有している。さらに、走査直交方向(図中Y軸方向)に延在する右側面33、走査方向(図中X軸方向)に延在する背面34、走査方向に延在する正面35なども有している。HMP1は、記録面30を鉛直方向下方に向けつつ、上面31を鉛直方向上方に向ける姿勢で使用される。
上面31の外縁内(枠内)には、印字ボタン5aと、電源ボタン5bとが設けられている。また、上部ユニット2の左側面32には、USB接続口9が設けられている。USB接続口9はUSBケーブルを接続するためのものである。HMP1の中に装着された充電式のバッテリー15に対し、USB接続口9に接続したUSBケーブルを介して外部の電源から電力を供給することで、バッテリー15を充電することができる。
図1、図3及び図6に示すように、L字形状の上部ユニット2が、下部ユニット3の上面31側と正面35側とを覆うように配置されており、上部ユニット2は、下部ユニット3よりも幅(X軸方向の長さ)の広い形状となっている。
図7は、本実施形態に係る使用者がHMP1を操作する際の使用者の手Hと、HMP1との位置関係を示す説明図である。
図7に示すように、使用者は、画像形成のためにHMP1を記録紙Pの表面上で走査方向(図中X軸方向、図7中の左右方向)に移動させるときには、上部ユニット2を持ってHMP1を移動操作する。上部ユニット2を下部ユニット3よりも幅広とすることで、使用者が手で持ち易い形状となり、さらに、垂直延在部2bをバッテリー15の収容部とすることが可能となる。
また、図1及び図3に示すように、下部ユニット3の左側面32及び右側面33には、くぼみ状の把持部39が形成されている。把持部39は、使用者がHMP1を把持して使用する際に、上部ユニット2を持った手Hの指を当てる位置(通常は、親指と、中指または薬指とをそれぞれ当てる位置)に形成されている。使用者が左側面32と右側面33とのそれぞれの把持部39に指をおき、HMP1を挟むように把持することで、使用者はHMP1を安定して把持することができる。
HMP1は、使用者が電源ボタン5bを長押しすることによって、電源の入切(ON/OFF)を切り替えることができる。電源を入れた状態では、スマートフォンなどとのBluetooth(登録商標)等を用いた無線通信により、HMP1の上部ユニット2内に設けられた制御基板14に対して画像情報を取得させることができる。
図8は、本実施形態に係るHMP1で記録紙P上に画像形成する様子を示す説明図である。
画像情報を取得させた後、記録面30を記録紙Pの表面に対向させる姿勢でHMP1を記録紙Pの表面上に置く。その後、印字ボタン5aを一度押してから、図8に示すように、HMP1を走査方向(X軸方向)に沿って移動させることで、記録紙Pの表面に画像を形成することができる。図8に示すように、HMP1による画像形成では、印字した印字部W1と、これから印字を行う印字予定部W2とを確認しながら印字することができる。
HMP1は、使用者の移動操作(手動走査)によって走査方向(図中X軸方向)の一方(図8中の右方向)に往移動させるときと、他方(図8中の左方向)に復移動させるときとのそれぞれで、記録紙Pの表面に画像を形成できる。インクカートリッジ40からのインクの吐出は、使用者が印字ボタン5aを一度押して離した後に連続しておこなってもよいし、使用者が印字ボタン5aを押している間だけおこなってもよい。
記録材としては、記録紙Pなどの紙類に限定されるものではなく、OHP、布、段ボール、包装容器、ガラス、基板などが含まれる。
図4及び図5に示すように、下部ユニット3の記録面30を形成する面(ハウジング80の下面)には、下部ユニット3内に装着されたインクカートリッジ40の記録部41を外部に露出させるための吐出開口部30aが設けられている。インクカートリッジ40の記録部41は、複数の吐出孔41aを有しており、圧電素子の駆動によってそれぞれの吐出孔41aからインクの液滴を個別に吐出することが可能である。
記録部41の画像の記録領域の幅(走査方向に直交する方向(Y軸方向)の画像の長さ)は、複数の吐出孔41aのY軸方向両端に位置する吐出孔41a間の距離に相当する。
記録部41から吐出されたインクは、吐出開口部30aを通過して記録紙P上に至り、画像形成が行われる。
インクカートリッジ40は、インクを吐出するための駆動源として、積層型圧電素子や薄膜型圧電素子等を用いた電気機械変換素子(圧電アクチュエータ等)を用いることができる。また、駆動源の他の構成としては、発熱抵抗体などの電気熱変換素子、振動板と対向電極とからなる静電アクチュエータなどを用いることができる。
インクカートリッジ40からインク等の液体・液滴を吐出して記録を行う、いわゆるインクジェット機構は周知の構成を適用できる。また、インクジェット機構としては、HMP1に搭載可能であれば、適宜採用可能である。本実施形態のHMP1では、インクジェット機構が記録紙Pに画像を記録する記録部41に相当し、この記録部41は下部ユニット3のハウジング80内に格納されている。
記録部41の吐出孔41aから吐出されるインク(液体)は、吐出孔41aから吐出可能な粘度や表面張力を有する液体であればよく、特に限定されない。しかし、常温常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30[mPa・s]以下になるものであることが好ましい。詳しくは、インク(液体)は、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、等を含む溶液、懸濁液、乳濁液等である。これらは例えばインクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、三次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
記録面30の外縁内には、記録紙P上におけるHMP1の位置を非接触で検出する位置検出手段としての位置検出センサ18が設けられている。記録面30を形成するハウジング80の下面には、位置検出センサ18の検出部を露出させるための検出開口部302が形成されている。
ロータリーエンコーダ等を用いた接触型のセンサでは、印字面にセンサを接触させる必要があり、接触状態による検出誤差が生じやすい。具体的には、接触型のセンサの検出部が印字面に対して離れたり、滑ったりすると、実際の移動距離と、検出結果に基づいて算出される移動距離とが相違し、検出誤差となる。これに対して、位置検出センサ18として光学式センサを用いて非接触で印字面を検出することで高精度に検出することができる。
また、記録面30の外縁内には、ハウジング80に対して回転可能に取り付けられた左側第一ローラ37a、左側第二ローラ37b、右側第一ローラ38a及び右側第二ローラ38bなどが設けられている。左側第一ローラ37a及び左側第二ローラ37bは左側回転軸37cに固定され、左側回転軸37cがハウジング80に対して回転可能に保持されている。同様に、右側第一ローラ38a及び右側第二ローラ38bは右側回転軸38cに固定され、右側回転軸38cがハウジング80に対して回転可能に保持されている。
使用者によってHMP1が走査方向に移動操作されると、記録紙Pの表面上に接触している四つのローラ(37a、37b、38a及び38b)がタイヤのように回転する。このようなローラが設けられていることで、使用者はHMP1を走査方向に沿って直進させることができる。また、HMP1を走査方向に直進させるとき、記録紙Pの表面や記録紙Pを乗せた台の表面に接触するのは、HMP1に設けられる四つのローラ(37a、37b、38a及び38b)だけとし、記録面30を記録紙Pの表面に接触させないようにしている。このため、使用者は、インクカートリッジ40の記録部41と記録紙Pの表面との距離を一定に保ちながらHMP1を走査方向に沿って直進させることができ、所望の高画質の画像を形成することができる。すなわち、四つのローラは、HMP1の走査方向への移動をガイドし、走査方向への直進移動を補助する移動補助手段として機能する。
位置検出センサ18は、記録紙Pの表面までの距離や表面状態(例えば凹凸)を検出したり、HMP1の移動距離を検出したりするセンサであり、例えばパソコンの光学式マウス(ポインティングデバイス)などで使用されているものと同様のものを利用できる。位置検出センサ18は、置かれている場所(記録紙P)に光を照射し、その部分の状態を「模様」として読み取る。そして、位置検出センサ18の動きに対してその「模様」がどのように移動するのかを連続して捉えることで、移動量を算出する。位置検出センサ18としては、記録紙Pに対する位置の変化を非接触で検出することができればよく、超音波センサ等、光学式センサ以外のセンサも用いることができる。また、本発明を適用可能なHMP1等の携帯型画像形成装置が備える位置検出手段としては、位置検出センサ18のように非接触型のセンサに限らず、ロータリーエンコーダ等を用いた接触型のセンサでもよい。
図9は、本実施形態に係るHMP1の電気回路の一部を示すブロック図である。制御基板14は、各種の演算処理やプログラム実行を行うCPU55、Bluetooth(登録商標)を用いる近距離無線通信用のBt基板52、データを一時記憶するRAM53、ROM54、記録制御部56などを有している。この制御基板14は、上部ユニット2の中空内において、USB接続口9の内側の位置に固定されている。
Bt基板52は、スマートフォンやタブレット端末等の外部機器との近距離無線通信によってデータ通信を行うものである。また、ROM54は、HMP1のハードウェア制御を行うファームウェアや、インクカートリッジ40の駆動波形データ等を格納するものである。また、記録制御部56は、インクカートリッジ40を駆動させるためのデータ処理を実行したり、駆動波形を生成したりするものである。
制御基板14には、ジャイロセンサ58、位置検出センサ18、温度センサ19、LEDランプ59、インクカートリッジ40、印字ボタン5a、電源ボタン5b及びバッテリー15などが電気的に接続されている。ジャイロセンサ58は、周知の技術により、HMP1の傾きや回転角度を検出して、その結果を制御基板14に送信するものである。LEDランプ59は、印字ボタン5aにおける光透過性の材料からなる外装カバーの内部に設けられ、印字ボタン5aを発光させるものである。
電源ボタン5bを押してHMP1の電源を入れると、各モジュールに電力が供給され、CPU55はROM54に格納されているプログラムに基づいて起動動作を開始し、プログラムや各データをRAM53に展開する。画像形成を行う画像の画像データを外部機器から近距離無線通信によって受信すると、記録制御部56は、受信した画像データに応じた駆動波形を生成する。そして、位置検出センサ18によって検出された記録紙Pの表面上の位置に応じた画像を形成するようにインクカートリッジ40からのインクの吐出を制御する。
位置検出センサ18で、HMP1の移動の方向や速度、距離を検出し、その検出結果に基づいてインクの吐出量と吐出位置とを調整することで目的の画像を印刷することができる。また、吐出開始位置は、ハウジング80の左側面32及び右側面33に設けられた副走査ガイド7と、ハウジング80の背面34に設けられた主走査ガイド10とを用いて調整できる。詳しくは、主走査ガイド10を用いて、HMP1の記録紙Pに対する主走査方向(図中X軸方向)の位置を合わせ、副走査ガイド7を用いて、HMP1の記録紙Pに対する副走査方向(図中Y軸方向)の位置を合わせることで、吐出開始位置を調整できる。
また、制御基板14は、外部機器との近距離無線通信によって画像データを取得すると、LEDランプ59を点滅させることで、光透過性のある印字ボタン5aを発光点滅させる。これを見た使用者は、HMP1が画像データの取得を終えたことを知り、HMP1を記録紙P上に置いて印字ボタン5aを押す。
一方、制御基板14は、LEDランプ59の点滅制御を開始すると、印字ボタン5aが押されるのを待機する。そして、印字ボタン5aが押されると、LEDランプ59を連続点灯させることで、印字ボタン5aを連続発光させる。これを見た使用者は、HMP1の走査方向への移動操作(手動走査)を開始する。
HMP1の移動操作(手動走査)を終えた使用者は、印字ボタン5aをもう一度押す。これにより、制御基板14は、LEDランプ59を消灯させて、印字ボタン5aの発光を停止させる。また、印字ボタン5aを押さずにHMP1を記録紙Pから取り上げて、卓上などにそのまま置いたり、記録面30を覆うカバー部材に装着して置いたりする場合がある。これらの場合、位置検出センサ18は、HMP1が記録紙P上から取り上げられたときに、位置の検出ができなくなる。制御基板14は、位置検出センサ18が位置を検出しなくなったタイミングで、LEDランプ59を消灯させて、印字ボタン5aの発光を停止させる。これを見た使用者は、HMP1のプリント用の処理が終了したことを把握することができる。
本実施形態のHMP1では、移動操作(手動走査)中に印字ボタン5aを押し続ける必要はない。移動操作に先立って印字ボタン5aを押して離せば、所定のタイミングまでプリント用の処理が継続される。所定のタイミングとしては、位置検出センサ18による検出結果に基づく画像形成処理が、画像形成が終了するタイミング、印字ボタン5aがもう一度押されるタイミング、あるいは、位置検出センサ18による位置検出不能のタイミングを挙げることができる。
画像形成終了後等、画像形成を行わないときには、HMP1にキャッピングユニット8を装着する。これにより、吐出孔41aにおけるインクの乾燥を防止することができる。
次に、本実施形態のHMP1の上部ユニット2の形状について説明する。HMP1は、下部ユニット3と上部ユニット2とを備える。上部ユニット2は、下部ユニット3における記録部41が配置された記録部配置面(ハウジング80の下面)の反対側の記録部反対面(ハウジング80の上部の開口部)を開閉するカバーの一例である。下部ユニット3は、記録部41を有しており、上部ユニット2および下部ユニット3は装置本体の一例である。
図3乃至図4及び図6に示すように、上部ユニット2は、水平延在部2aと垂直延在部2bとを備える「L字型」の形状である。水平延在部2aは、下部ユニット3における記録部41が配置されたハウジング80の下面の反対側となるハウジング80の上部を覆う第1被覆部である。また、垂直延在部2bは、水平延在部2aから記録配置面の側(下方)に延在し、下部ユニット3における下面と上面との側面(左側面32、右側面33、背面34及び正面35)の少なくとも一部を覆う第2被覆部である。
図10は、本実施形態に係る上部ユニット2を開状態とし、インクカートリッジ40を取り出した状態のHMP1を正面側の斜め上方から見た斜視説明図である。図10(a)は、HMP1の全体の斜視説明図であり、図10(b)は、図10(a)中の破線で示す領域「β」の拡大斜視図である。
図10に示すように、下部ユニット3におけるインクカートリッジ40を配置する空間の背面側の内壁面には、FPC接点部13が配置されている。FPC接点部13には複数の本体側接続端子13cが、インクカートリッジ40を配置する空間に向けて突き出している。
図11は、本実施形態に係るインクカートリッジ40の斜視説明図である。図11(a)は、インクカートリッジ40を左背面側上方から見た斜視説明図であり、図11(b)は、インクカートリッジ40を右背面側下方から見た斜視説明図である。
図12は、本実施形態に係るインクカートリッジ40の三面図である。図12(a)は右側側面図、図12(b)は背面図、図12(c)は下面図である。
図11及び図12(a)に示すように、インクカートリッジ40は、水平方向に延在した部分の端部に下方に延在した部分があり、側方から見るとL字型の形状となっている。また、下方に延在した部分の下面にインクを吐出する印字ヘッド41を備えている。
図11及び図12(b)に示すように、インクカートリッジ40の背面側の外壁面には、HMP1の本体側とインクカートリッジ40側とを電気的に接続するためのカートリッジ接点部40bが配置されている。カートリッジ接点部40bは、フレキシブルな基板であり、カートリッジ接点部40bには、FPC接点部13の複数の本体側接続端子13cのそれぞれと接触する複数のカートリッジ側接続端子40cを有する。HMP1の本体側とインクカートリッジ40側との電気的な接続に関しては、複数のカートリッジ側接続端子40cと複数の本体側接続端子13cとのそれぞれが正しい位置関係および適切な接触圧で接続することにより正しく通電される。カートリッジ接点部40bは、ユニット側電気接点の一例である。
図11(b)及び図12(c)に示すように、インクカートリッジ40の下面には印字ヘッド41があり、複数の印字ノズル(吐出孔)を配置した印字領域41a形成している。
インクカートリッジ40を下部ユニット3に装着し、FPC接点部13とカートリッジ接点部40bとが電気的に接続されることで、電源(バッテリー15)からインクカートリッジ40に電力が供給される。また、インクカートリッジ40を制御する電気信号がインクカートリッジ40に伝達される。
図10に示すように、上部ユニット回転軸3aの背面34の側には、フレキシブルフラットケーブル25が配置されており、上部ユニット2内の制御基板14と、下部ユニット3内のFPC接点部13とを接続している。フレキシブルフラットケーブル25は、上部ユニット2の開閉動作に合わせて変形可能であり、上部ユニット2の開閉動作を繰り返しても制御基板14とFPC接点部13との接続状態を維持することができる。上部ユニット回転軸3は、下部ユニット3に設けられた支点の一例である。
図13は、本実施形態に係るHMPにおける上部ユニットの開閉の説明図である。図13において、上部ユニット2等は、簡略化して記載している。図13(a)は、上部ユニット2が開いて、開口103が開放されている状態を示す。図13(b)は、上部ユニット2が閉じて、開口103が塞がれている状態を示す。なお、カバーの一例である上部ユニット2は開口103を完全に塞いでいなくとも、開口103の一部が塞がれている状態でもよい。つまり、「前記開口を開閉するカバー」とは、カバーが開口の少なくとも一部を塞ぐ状態も含むものである。
上部ユニット2は、上部ユニット2の下方に突出する押圧部102を備え、押圧部102の下部には傾斜面102Aが形成されている。傾斜面102Aは、上部ユニット2を閉じた状態で、上部ユニット回転軸3aに近い側が、上部ユニット回転軸3aから遠い側よりも下方になるように、水平面に対して傾斜して形成されている。
下部ユニット3は、上部に開口103が形成され、FPC13Aを保持する保持部材113と、保持部材113と背面34の間に取り付けられる引っ張りバネとしての付勢部材120を備える。FPC13Aは、インクカートリッジ40が備えるカートリッジ接点部40bに接触して、下部ユニット3とインクカートリッジ40を電気的に導通させるFPC接点部13を備える。
保持部材113は、上部に傾斜面113Aが形成され、下部ユニット3に装着されたインクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bに接触する接触位置(図13(b))と、下部ユニット3に装着されたインクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bに対して所定の間隔をおいた非接触位置(図13(a))の間で移動可能である。付勢部材120は、背面34側に引っ張る方向に、保持部材113を付勢する。
また、保持部材113は、図13に示すように、下部ユニット3に対してインクカートリッジ40を着脱する方向に直交する方向に移動可能である。
傾斜面113Aは、上部ユニット回転軸3aに近い側が、上部ユニット回転軸3aから遠い側よりも下方になるように、水平面に対して傾斜して形成されている。
傾斜面113Aは、また、上部ユニット2を閉じた状態で、水平面に対する傾斜角度が傾斜面102Aと同じになり、傾斜面102Aと当接するように形成されている。
図13(a)に示すように、上部ユニット2が開いた状態において、インクカートリッジ40は、開口103を介して、下部ユニット3に着脱可能である。
上部ユニット2が開いた状態では、押圧部102は保持部材113から離脱しており、保持部材113は、付勢部材120により背面34側に引っ張られる方向に付勢されている。これにより、保持部材113に保持されるFPC接点部13は、下部ユニット3に装着されたインクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bに対して所定の間隔をおいた非接触位置にある。
以上のように、上部ユニット2を開いた状態で、FPC接点部13を所定の間隔で移動させることで非接触位置に位置させることが可能になる。これにより、下部ユニット3にインクカートリッジ40を装着する際、および下部ユニット3からインクカートリッジ40を離脱する際に、FPC接点部13は非接触位置に位置するため、インクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bとFPC接点部13が擦れることが防止され、カートリッジ接点部40bおよびFPC接点部13の耐久性が向上する。
図13(a)に示した上部ユニット2が開いた状態から、上部ユニット2を閉じていくと、押圧部102の下部が保持部材113の傾斜面113Aに当接し、保持部材113の傾斜面113Aは、押圧部102の下部により押圧される。
ここで、傾斜面113Aは、上部ユニット回転軸3aに近い側が、上部ユニット回転軸3aから遠い側よりも下方になるように、水平面に対して傾斜して形成されているため、傾斜面113Aが押圧部102の下部により押圧された押圧力により、鉛直方向における下向きの分力と、水平方向における背面34から遠ざかる分力が生じる。
傾斜面113Aが水平方向における背面34から遠ざかる分力を受けることにより、保持部材113は、付勢部材120により背面34側に引っ張られる付勢力に抗して、背面34から遠ざかる側に移動する。
上部ユニット2をさらに閉じていくと、保持部材113は、さらに背面34から遠ざかる側に移動する。そして、上部ユニット2を完全に閉じると、押圧部102の傾斜面102Aが、保持部材113の傾斜面113Aに当接し、保持部材113の水平方向の位置が保持される。
図13(b)に示すように、上部ユニット2が閉じた状態では、保持部材113は、付勢部材120により背面34側に引っ張られる方向の付勢力に抗して、押圧部102により背面34側から遠ざかる方向の押圧力を受ける。
これにより、保持部材113に保持されるFPC接点部13は、下部ユニット3に装着されたインクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bに接触する接触位置にある。よって、上部ユニット2を閉じた状態で、下部ユニット3に装着されたインクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bに対して、FPC接点部13を接触させて、下部ユニット3とインクカートリッジ40を電気的に導通させることができる。
以上説明した保持部材113と、押圧部102は、上部ユニット2を閉じることに連動して、FPC接点部13を非接触位置から所定の間隔で移動させることで接触位置へ移動させる連動部の一例であり、上部ユニット2を閉じることにより、押圧部102が、下部ユニット3に装着されたインクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bに向かう方向へ、保持部材113を押圧する。これにより、保持部材113に保持されるFPC接点部13は、非接触位置から所定の間隔で移動することで接触位置へ移動する。
次に、図13(b)に示した上部ユニット2が閉じた状態から、上部ユニット2を開いていくと、押圧部102の下部が保持部材113の傾斜面113Aから離脱し、保持部材113は、押圧部102の押圧力から解放される。
これにより、保持部材113は、付勢部材120により背面34側に引っ張られる付勢力を受けて、背面34に近づく側に移動して、図13(a)に示した状態になる。
図13(a)に示した状態では、前述したように、保持部材113に保持されるFPC接点部13は、下部ユニット3に装着されたインクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bに対して所定の間隔をおいた非接触位置にある。
以上説明した保持部材113と、付勢部材120と、押圧部102は、上部ユニット2を開くことに連動して、FPC接点部13を接触位置から所定の間隔で移動させることで非接触位置へ移動させる連動部の一例である。上部ユニット2が閉じられた状態では、押圧部102が、下部ユニット3に装着されたインクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bに向かう方向へ、付勢部材120の付勢力に抗して、保持部材113を押圧している。上部ユニット2を開くことにより、押圧部102が保持部材113から離脱して、付勢部材120が、下部ユニット3に装着されたインクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bから離れる方向へ、保持部材113を付勢する。これにより、保持部材113に保持されるFPC接点部13は、接触位置から所定の間隔で移動することで非接触位置へ移動する。
また、上部ユニット2は、下部ユニット3に設けられた支点の一例である上部ユニット回転軸3aを中心に回動可能であり、上部ユニット回転軸3aおよび押圧部102は、保持部材113に対して同じ側に設けられる。
これにより、上部ユニット回転軸3aおよび押圧部102は、保持部材113に対して反対側に設けられる場合に比べて、上部ユニット2が、保持部材113からの反力により撓みにくく、保持部材113をスムーズに移動させることができる。
図14は、本実施形態に係るHMPの背面断面図であって、図13(b)のA-A断面図である。保持部材113は、下部の両端にそれぞれ外側に突出するガイド部113Bを備える。下部ユニット3は、内面の両端にそれぞれガイド部113Bの上部を覆うように内側に突出する下部ユニット側ガイド部103Bを備える。
図13に示したように、保持部材113が、付勢部材120の付勢力や押圧部102の押圧力を受けて水平方向に移動する際、上向き方向の力を受けたとしても、ガイド部113Bがガイド部103Bに突き当たることにより、保持部材113が上方向に移動することが阻止される。これにより、保持部材113が、付勢部材120の付勢力や押圧部102の押圧力を受けて、水平方向にスムーズに移動することができる。
図15は、本実施形態の変形例に係るHMPにおける上部ユニットの開閉の説明図である。図16は、図15に示した変形例の上面図である。インナーカバー202は、開口103を開閉するカバーの一例である。インナーカバー202は開口103を完全に塞がず、開口103の一部を露出するものであり、開口202Aが形成されている。
図15(a)は、インナーカバー202が開いた状態を示す。図15(b)は、インナーカバー202を開閉する途中の状態を示す。図15(c)は、インナーカバー202を完全に閉じた状態を示す。
図13に示した実施形態では、インナーカバー202は、下部ユニット3に設けられた支点の一例である回転軸3aを中心に回動可能であり、回転軸3aおよび押圧部102は、保持部材113に対して同じ側に設けられたが、インナーカバー202が十分剛性を有する場合には、図15に示す変形例に示すように、回転軸3aおよび押圧部102を、保持部材113に対して反対側に設けてもよい。
保持部材113に対する押圧部102の位置関係が、図13に示した実施形態とは異なることから、押圧部102の傾斜面102Aは、インナーカバー202を閉じた状態で、回転軸3aに近い側が、回転軸3aから遠い側よりも上方になるように、水平面に対して傾斜して形成されている。また、保持部材113の傾斜面113Aは、回転軸3aに近い側が、回転軸3aから遠い側よりも上方になるように、水平面に対して傾斜して形成されている。
そして、図15(c)の状態では、図13(b)に示したように、押圧部102の傾斜面102Aが、保持部材113の傾斜面113Aに当接しているのではなく、押圧部102が保持部材113よりも背面34側に位置することにより、保持部材113が付勢部材120の付勢力により背面34側に移動するのを阻止している。
また、図15(c)に示すように、インナーカバー202の上方にアウターカバー101を設けても良い。
図15(a)に示す変形例においても、インナーカバー202が開いた状態において、インクカートリッジ40は、下部ユニット3に着脱可能である。そして、インナーカバー202が開いた状態では、押圧部102は保持部材113から離脱しており、保持部材113は、付勢部材120により背面34側に引っ張られる方向に付勢されている。これにより、保持部材113に保持されるFPC接点部13は、下部ユニット3に装着されたインクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bに対して所定の間隔をおいた非接触位置にある。
以上のように、インナーカバー202を開いた状態で、FPC接点部13を所定の間隔で移動させることで非接触位置に位置させることが可能になる。これにより、下部ユニット3にインクカートリッジ40を装着する際、および下部ユニット3からインクカートリッジ40を離脱する際に、FPC接点部13は非接触位置に位置するため、インクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bとFPC接点部13が擦れることが防止され、カートリッジ接点部40bおよびFPC接点部13の耐久性が向上する。
また、図15(b)に示す変形例においても、インナーカバー202を閉じていくと、押圧部102の下部が保持部材113の傾斜面113Aに当接し、保持部材113の傾斜面113Aは、押圧部102の下部により押圧される。
傾斜面113Aが水平方向における背面34から遠ざかる分力を受けることにより、保持部材113は、付勢部材120により背面34側に引っ張られる付勢力に抗して、背面34から遠ざかる側に移動する。
インナーカバー202をさらに閉じていくと、保持部材113は、さらに背面34から遠ざかる側に移動する。そして、インナーカバー202を完全に閉じると、押圧部102が保持部材113よりも背面34側に位置し、保持部材113の水平方向の位置が保持される。
そして、図15(c)に示す変形例においても、インナーカバー202が閉じた状態では、保持部材113は、付勢部材120により背面34側に引っ張られることを、押圧部102により阻止される。
これにより、保持部材113に保持されるFPC接点部13は、下部ユニット3に装着されたインクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bに接触する接触位置にある。よって、インナーカバー202を閉じた状態で、下部ユニット3に装着されたインクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bに対して、FPC接点部13を接触させて、下部ユニット3とインクカートリッジ40を電気的に導通させることができる。
以上説明した保持部材113と、押圧部102は、インナーカバー202を閉じることに連動して、FPC接点部13を非接触位置から所定の間隔で移動させることで接触位置へ移動させる連動部の一例であり、インナーカバー202を閉じることにより、押圧部102が、下部ユニット3に装着されたインクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bに向かう方向へ、保持部材113を押圧する。これにより、保持部材113に保持されるFPC接点部13は、非接触位置から所定の間隔で移動することで接触位置へ移動する。
また、保持部材113と、付勢部材120と、押圧部102は、インナーカバー202を開くことに連動して、FPC接点部13を接触位置から所定の間隔で移動させることで非接触位置へ移動させる連動部の一例である。インナーカバー202が閉じられた状態では、押圧部102が、下部ユニット3に装着されたインクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bに向かう方向へ、付勢部材120の付勢力に抗して、保持部材113を押圧している。インナーカバー202を開くことにより、押圧部102が保持部材113から離脱して、付勢部材120が、下部ユニット3に装着されたインクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bから離れる方向へ、保持部材113を付勢する。これにより、保持部材113に保持されるFPC接点部13は、接触位置から所定の間隔で移動することで非接触位置へ移動する。
図17は、本実施形態の第2の変形例に係るHMPにおける上部ユニットの開閉の説明図である。図17に示す第2の変形例は、図15に示した変形例に対して、回転軸3aに回動可能に取り付けられた押圧部材3Aを備える点が異なり、他は同様である。
押圧部材3Aはインナーカバー202の回動と連動して回動するようになっており、インナーカバー202が開いた状態から閉じる状態に移行するにつれて、押圧部材3Aの押圧面(湾曲している面)がFPC接点部13に近づく。インクカートリッジ40を装着位置に設置した後にインナーカバー202を閉じる動作を行うと、押圧部材3Aの押圧面がインクカートリッジ40の後端に接触してインクカートリッジ40をFPC接点部13側へ押圧する。
本実施形態に係るさらなる変形例は、カバーの開閉に連動して本体側電気接点が接触位置と非接触位置とに移動可能であれば、以上説明してきた構成に限らない。たとえば、カバーの開閉を検知するセンサと、本体側電気接点を保持する保持部材を移動させる駆動力を発生させるエンジン、駆動力を保持部材へ伝達するベルトやプーリー等の伝達機構、センサの検知結果に応じてエンジンを制御する制御装置を装置本体が備えていても良い。
●まとめ●
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る装置の一例であるHMP1は、下部ユニット3を含む装置本体と、下部ユニット3に形成された開口103を介して、下部ユニット3に着脱可能に構成される着脱ユニットの一例であるインクカートリッジ40と、を備え、インクカートリッジ40は、ユニット側電気接点の一例であるカートリッジ接点部40bを備え、装置本体は、下部ユニット3に装着されたインクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bに接触する接触位置と、下部ユニット3に装着されたインクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bに対して所定の間隔をおいた非接触位置の間で移動可能な本体側電気接点の一例であるFPC接点部13と、開口103を開閉する開閉部材、カバーまたは回動部材の一例である上部ユニット2と、上部ユニット2が第1の状態の一例である開いたときには、FPC接点部13を所定の間隔で移動させることで非接触位置に位置させ、上部ユニット2が第1の状態よりも下部に位置する第2の状態の一例である閉じたときには、FPC接点部13を所定の間隔で移動させることで接触位置に位置させる連動部と、を備える。ここで、第2の状態は、上部ユニット2が第1の状態よりも開口103に近い位置であってもよく、上部ユニット2が第1の状態よりも開口103を閉じる位置であってもよい。
以上の構成により、上部ユニット2を開いた状態で、FPC接点部13を非接触位置に位置させることが可能になる。これにより、下部ユニット3にインクカートリッジ40を装着する際に、FPC接点部13は非接触位置に位置するため、インクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bとFPC接点部13が接触することが防止され、カートリッジ接点部40bおよびFPC接点部13の耐久性が向上する。
また、上部ユニット2を閉じた状態で、下部ユニット3に装着されたインクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bに対して、FPC接点部13を接触させて、下部ユニット3とインクカートリッジ40を電気的に導通させることができる。
HMP1は、使用者が装置本体を把時して記録材の一例である記録紙P上を走査させることで、記録紙Pに画像を記録する装置の一例である。着脱ユニットの一例であるインクカートリッジ40は、記録紙Pに画像を記録する記録部41とインクタンクとを一体に備えるインクカートリッジ40である。着脱ユニットは、インクカートリッジ40に限られず、電池等であってもよい。
連動部は、上部ユニット2を閉じることに連動して、FPC接点部13を非接触位置から所定の間隔で移動させることで接触位置へ移動させる。
これにより、上部ユニット2を閉じると、下部ユニット3に装着されたインクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bに対して、FPC接点部13を接触させて、下部ユニット3とインクカートリッジ40を電気的に導通させることができる。
一方、上部ユニット2を閉じる前には、FPC接点部13は非接触位置にあるので、下部ユニット3にインクカートリッジ40を装着する際に、インクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bとFPC接点部13が接触することが防止され、カートリッジ接点部40bおよびFPC接点部13の耐久性が向上する。
連動部は、FPC接点部13を保持する保持部材113と、上部ユニット2に設けられた押圧部102と、を含み、上部ユニット2を閉じることにより、押圧部102が、下部ユニット3に装着されたインクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bに向かう方向へ、保持部材113を押圧する。これにより、保持部材113に保持されるFPC接点部13は、非接触位置から所定の間隔で移動することで接触位置へ移動する。
連動部は、上部ユニット2を開くことに連動して、FPC接点部13を接触位置から所定の間隔で移動させることで非接触位置へ移動させる。
これにより、上部ユニット2を開くと、FPC接点部13は非接触位置に移動するので、下部ユニット3にインクカートリッジ40を装着する際に、インクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bとFPC接点部13が接触することが防止され、カートリッジ接点部40bおよびFPC接点部13の耐久性が向上する。
連動部は、FPC接点部13を保持する保持部材113と、下部ユニット3に装着されたインクカートリッジ40のユニット側電気接点から離れる方向へ、保持部材113を付勢する付勢部材120と、上部ユニット2に設けられた押圧部102と、を含む。上部ユニット2が閉じられた状態では、押圧部102が、下部ユニット3に装着されたインクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bに向かう方向へ、付勢部材120の付勢力に抗して、保持部材113を押圧している。上部ユニット2を開くことにより、押圧部102が保持部材113から離脱して、付勢部材120が、下部ユニット3に装着されたインクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bから離れる方向へ、保持部材113を付勢する。これにより、保持部材113に保持されるFPC接点部13は、接触位置から所定の間隔で移動することで非接触位置へ移動する。
上部ユニット2は、下部ユニット3に設けられた支点の一例である上部ユニット回転軸3aを中心に回動可能であり、上部ユニット回転軸3aおよび押圧部102は、保持部材113に対して同じ側に設けられる。
これにより、上部ユニット回転軸3aおよび押圧部102は、保持部材113に対して反対側に設けられる場合に比べて、上部ユニット2が、保持部材113からの反力により撓みにくく、保持部材113をスムーズに移動させることができる。
FPC接点部13は、下部ユニット3に対してインクカートリッジ40を着脱する方向に直交する方向に移動可能である。
これにより、上部ユニット2を開いた状態で、FPC接点部13は非接触位置にあるので、下部ユニット3にインクカートリッジ40を装着する際、および下部ユニット3からインクカートリッジ40を離脱する際に、インクカートリッジ40のカートリッジ接点部40bとFPC接点部13が擦れることが防止され、カートリッジ接点部40bおよびFPC接点部13の耐久性が向上する。
1 HMP
2 上部ユニット(カバーの一例)
2a 水平延在部
2b 垂直延在部
3 下部ユニット
3a 上部ユニット回転軸(支点の一例)
5a 印字ボタン
5b 電源ボタン
7 副走査ガイド
8 キャッピングユニット
9 USB接続口
10 主走査ガイド
11 上部ユニットロック爪
12c 加圧部
13A FPC
13 FPC接点部13(本体側電気接点の一例)
13c 本体側接続端子
14 制御基板
15 バッテリー
16 突起部
18 位置検出センサ
19 温度センサ
30 記録面
30a 吐出開口部
31 上面
32 左側面
33 右側面
34 背面
35 正面
37a 左側第一ローラ
37b 左側第二ローラ
38a 右側第一ローラ
38b 右側第二ローラ
39 把持部
40 インクカートリッジ(着脱ユニットの一例)
40b カートリッジ接点部(ユニット側電気接点の一例)
40c カートリッジ側接続端子
41 記録部
41a 吐出孔
52 Bt基板
56 記録制御部
58 ジャイロセンサ
59 LEDランプ
80 ハウジング
81 凹部
101 アウターカバー
102 押圧部
102A 傾斜面
103 開口
103B ガイド部
113 保持部材
113A 傾斜面
113B ガイド部
120 付勢部材
202 インナーカバー
P 記録紙
W1 印字部
W2 印字予定部
特開2020‐055282号公報

Claims (12)

  1. 装置本体と、
    前記装置本体に形成された開口を介して、前記装置本体に着脱可能に構成される着脱ユニットと、
    を備えた装置であって、
    前記着脱ユニットは、ユニット側電気接点を備え、
    前記装置本体は、
    前記装置本体に装着された前記着脱ユニットの前記ユニット側電気接点に接触する接触位置と、前記装置本体に装着された前記着脱ユニットの前記ユニット側電気接点に対して所定の間隔をおいた非接触位置の間で移動可能な本体側電気接点と、
    前記開口を開閉するカバーと、
    前記カバーを開いたときには、前記本体側電気接点を前記所定の間隔で移動させることで前記非接触位置に位置させ、前記カバーを閉じたときには、前記本体側電気接点を前記所定の間隔で移動させることで前記接触位置に位置させる連動部と、
    を備えた装置。
  2. 前記連動部は、前記カバーを閉じることに連動して、前記本体側電気接点を前記非接触位置から前記接触位置へ移動させる請求項1記載の装置。
  3. 前記連動部は、
    前記本体側電気接点を保持する保持部材と、
    前記カバーに設けられた押圧部と、を含み、
    前記カバーを閉じることにより、前記押圧部が、前記装置本体に装着された前記着脱ユニットの前記ユニット側電気接点に向かう方向へ、前記保持部材を押圧する請求項2記載の装置。
  4. 前記連動部は、前記カバーを開くことに連動して、前記本体側電気接点を前記接触位置から前記非接触位置へ移動させる請求項1記載の装置。
  5. 前記連動部は、
    前記本体側電気接点を保持する保持部材と、
    前記装置本体に装着された前記着脱ユニットの前記ユニット側電気接点から離れる方向へ、前記保持部材を付勢する付勢部材と、
    前記カバーに設けられた押圧部と、を含み、
    前記カバーが閉じられた状態では、前記押圧部が、前記装置本体に装着された前記着脱ユニットの前記ユニット側電気接点に向かう方向へ、前記付勢部材の付勢力に抗して、前記保持部材を押圧しており、
    前記カバーを開くことにより、前記押圧部が前記保持部材から離脱する請求項4記載の装置。
  6. 前記カバーは、前記装置本体に設けられた支点を中心に回動可能であり、
    前記支点および前記押圧部は、前記保持部材に対して同じ側に設けられる請求項3または5記載の装置。
  7. 前記本体側電気接点は、前記装置本体に対して前記着脱ユニットを着脱する方向に直交する方向に移動可能である請求項1~6の何れか記載の装置。
  8. 前記着脱ユニットは、記録材に画像を記録する記録部とインクタンクとを一体に備えるインクカートリッジである請求項1~7の何れか記載の装置。
  9. 前記装置は、使用者が前記装置本体を把時して記録材上を走査させることで、該記録材に画像を記録する装置である請求項1~8の何れか記載の装置。
  10. 開口を介して着脱ユニットを着脱可能とした装置本体であって、
    前記装置本体に装着された前記着脱ユニットのユニット側電気接点に接触する接触位置と、前記装置本体に装着された前記着脱ユニットの前記ユニット側電気接点に対して所定の間隔をおいた非接触位置の間で移動可能な本体側電気接点と、
    前記開口を開閉するカバーと、
    前記カバーを開いたときには、前記本体側電気接点を前記所定の間隔で移動させることで前記非接触位置に位置させ、前記カバーを閉じたときには、前記本体側電気接点が前記所定の間隔で移動させることで前記接触位置に位置させる連動部と、
    を備えた装置本体。
  11. 装置本体と、
    前記装置本体に形成された開口を介して、前記装置本体に着脱可能に構成される着脱ユニットと、
    を備えた装置であって、
    前記着脱ユニットは、ユニット側電気接点を備え、
    前記装置本体は、
    前記装置本体に装着された前記着脱ユニットの前記ユニット側電気接点に接触する接触位置と、前記装置本体に装着された前記着脱ユニットの前記ユニット側電気接点に対して所定の間隔をおいた非接触位置の間で移動可能な本体側電気接点と、
    回動部材と、
    前記回動部材を開いたときには、前記本体側電気接点を前記所定の間隔で移動させることで前記非接触位置に位置させ、前記回動部材を閉じたときには、前記本体側電気接点を前記所定の間隔で移動させることで前記接触位置に位置させる連動部と、
    を備えた装置。
  12. 開口を介して着脱ユニットを着脱可能とした装置本体であって、
    前記装置本体に装着された前記着脱ユニットのユニット側電気接点に接触する接触位置と、前記装置本体に装着された前記着脱ユニットの前記ユニット側電気接点に対して所定の間隔をおいた非接触位置の間で移動可能な本体側電気接点と、
    回動部材と、
    前記回動部材を開いたときには、前記本体側電気接点を前記所定の間隔で移動させることで前記非接触位置に位置させ、前記回動部材を閉じたときには、前記本体側電気接点を前記所定の間隔で移動させることで前記接触位置に位置させる連動部と、
    を備えた装置本体。
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