JP2022136968A - 高炉操業のアクション量決定方法、アクション量決定プログラム、アクション量決定システム及び高炉の操業方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 安定状態及び不安定状態の間で細分化された炉内状態に着目し、高炉の操業時に所定のアクションを行うときに、炉内状態を安定化させることができるアクション量を決定する。
【解決手段】 高炉操業のアクション量決定方法では、高炉の操業時に取得した操業管理指標のデータに基づいて、安定状態及び不安定状態の間で細分化された炉内状態を規定する炉内状態指数を求める。また、互いに異なる複数種類のモデルのそれぞれにおいて、操業管理指標のデータに基づいて、所定のアクションで炉内状態を安定化させるためのアクション量を決定する。各モデルのアクション量に対して、炉内状態指数に応じた重み付け加算を行うことにより、統合アクション量を求め、統合アクション量を高炉操業のアクションにおけるアクション量として決定する。
【選択図】図3
【解決手段】 高炉操業のアクション量決定方法では、高炉の操業時に取得した操業管理指標のデータに基づいて、安定状態及び不安定状態の間で細分化された炉内状態を規定する炉内状態指数を求める。また、互いに異なる複数種類のモデルのそれぞれにおいて、操業管理指標のデータに基づいて、所定のアクションで炉内状態を安定化させるためのアクション量を決定する。各モデルのアクション量に対して、炉内状態指数に応じた重み付け加算を行うことにより、統合アクション量を求め、統合アクション量を高炉操業のアクションにおけるアクション量として決定する。
【選択図】図3
Description
本発明は、高炉操業における所定アクションのアクション量を決定する方法、プログラム及びシステムと、決定したアクション量に基づいて高炉の操業を行う方法に関する。
特許文献1には、定常炉況時には炉熱自動制御モデルを用いて自動操業を行い、非定常炉況時にはエキスパートシステムに従って操業を行うことが記載されている。ここで、炉熱自動制御モデルは、高炉に設置したセンサから取得したデータを用いて所定の計算を行い、この計算結果に基づいて、高炉に対するアクション量を数式によって決定するものである。また、エキスパートシステムは、高炉に設置したセンサから取得したデータを用いて炉熱状況及び高炉に対するアクション量を推論するための知識をルール化したものである。
新日鉄住金技報第410号(2018)、「高炉数学モデルの開発」、第73~79頁
鉄と鋼、90巻(2004)11号、「高炉操業における大規模データベースオンラインモデリング」、第917~924頁
特許文献1によれば、定常炉況及び非定常炉況を区別しているが、実際の高炉操業では、定常炉況及び非定常炉況を厳密に区別することは難しい。実際の高炉操業では、定常炉況から非定常炉況に向かって時々刻々と変化したり、非定常炉況から定常炉況に向かって時々刻々と変化したりする。また、この変化の時間は、数分、数時間、数日と多岐にわたる。したがって、特許文献1のように、定常炉況及び非定常炉況の2つに区分して高炉の操業を行うことは、高炉操業の安定性を損なうおそれがある。
本発明の目的は、安定状態及び不安定状態の間で細分化された炉内状態に着目し、高炉の操業時に所定のアクションを行うときに、炉内状態を安定化させることができるアクション量を決定することにある。
本願第1の発明である高炉操業のアクション量決定方法では、高炉の操業時に取得した操業管理指標のデータに基づいて、安定状態及び不安定状態の間で細分化された炉内状態を規定する炉内状態指数を求める。また、互いに異なる複数種類のモデルのそれぞれにおいて、操業管理指標のデータに基づいて、所定のアクションで炉内状態を安定化させるためのアクション量を決定する。そして、各モデルのアクション量に対して、炉内状態指数に応じた重み付け加算を行うことにより、統合アクション量を求め、統合アクション量を高炉操業のアクションにおけるアクション量として決定する。
モデルには、数学モデルと、データベースモデルと、エキスパートモデルとが含まれる。数学モデルは、高炉内における物質収支、エネルギ収支及び運動量収支から推定される炉内状態に基づいてアクション量を決定する。データベースモデルは、過去の操業実績を蓄積したデータベースに基づいてアクション量を決定する。エキスパートモデルは、高炉操業のエキスパートの経験則から作成されたルールに基づいてアクション量を決定する。
炉内状態が安定状態に近づくほど、炉内状態指数が高くなるとき、炉内状態指数が高いほど、数学モデルの重み付けを高くすることができる。また、炉内状態が安定状態に近づくほど、炉内状態指数が高くなるとき、炉内状態指数が低いほど、エキスパートモデルの重み付けを高くすることができる。
炉内状態が安定状態であるときに炉内状態指数を1.0とし、炉内状態が不安定状態であるときに炉内状態指数を0.0とすることができる。ここで、炉内状態指数は、細分化された炉内状態に応じて、0.0以上、1.0以下の範囲内の値を示すことができる。
統合アクション量でアクションを行ったときの操業管理指標の変化量である実測変化量を測定する。実測変化量が、統合アクション量でアクションを行う際に目標とする操業管理指標の変化量である目標変化量よりも少ないとき、実測変化量及び目標変化量の差に基づいて、統合アクション量を増加方向に補正するための補正係数を決定することができる。一方、実測変化量が目標変化量よりも多いとき、実測変化量及び目標変化量の差に基づいて、統合アクション量を減少方向に補正するための補正係数を決定することができる。
統合アクション量を高炉の操業状態を予測するモデル上での操業におけるアクション量として決定し、前記モデル上でのアクションのタイミングが現在から先の時点であるほど、前記数学モデルの重み付けを高くし、前記データベースモデルの重み付けを低くする、ことができる。
本願第2の発明は、上述した本願第1の発明であるアクション量決定方法によって決定された統合アクション量に基づいて高炉の操業を行う。
本願第3の発明である高炉操業のアクション量決定プログラムは、以下に説明する工程をコンピュータに実行させる。第一の工程では、高炉の操業時に取得した操業管理指標のデータに基づいて、安定状態及び不安定状態の間で細分化された炉内状態を規定する炉内状態指数を求める。第二の工程では、互いに異なる複数種類のモデルのそれぞれにおいて、操業管理指標のデータに基づいて、所定のアクションで炉内状態を安定化させるためのアクション量を決定する。第三の工程では、各モデルのアクション量に対して、炉内状態指数に応じた重み付け加算を行うことにより、統合アクション量を求める。第四の工程では、求めた統合アクション量を高炉操業のアクションにおけるアクション量として決定する。
本願第4の発明である高炉操業のアクション量決定システムは、炉内状態指数算出部と、アクション決定部と、統合アクション量算出部と、を有する。炉内状態指数算出部は、高炉の操業時に取得した操業管理指標のデータに基づいて、安定状態及び不安定状態の間で細分化された炉内状態を規定する炉内状態指数を求める。アクション決定部は、互いに異なる複数種類のモデルのそれぞれにおいて、操業管理指標のデータに基づいて、所定のアクションで炉内状態を安定化させるためのアクション量を決定する。統合アクション量算出部は、各モデルのアクション量に対して、炉内状態指数に応じた重み付け加算を行うことにより、統合アクション量を求める。この統合アクション量は、高炉操業のアクションにおけるアクション量として決定される。
本発明によれば、炉内状態指数を規定することにより、炉内状態を安定状態及び不安定状態の2つの状態だけではなく、安定状態及び不安定状態の間で細分化された炉内状態を特定することができる。統合アクション量は、複数種類のモデルで決定されたアクション量に対して、炉内状態指数に応じた重み付け加算を行った量であるため、複数種類のモデルで決定されたアクション量を総合的に勘案した量となる。この統合アクション量に基づいて高炉の操業を行えば、特定のアクションで決定されたアクション量に依存することを防止し、炉内状態を安定化させやすくなる。
(第1の実施形態)
(本実施形態の概要)
本実施形態は、実際の高炉操業において、炉内状態を安定化させるためのアクションを行うときのアクションの量(以下、「アクション量」という)を決定するものである。本実施形態では、安定状態及び不安定状態の間で細分化された炉内状態を特定するために、後述する炉内状態指数Iを規定している。
(本実施形態の概要)
本実施形態は、実際の高炉操業において、炉内状態を安定化させるためのアクションを行うときのアクションの量(以下、「アクション量」という)を決定するものである。本実施形態では、安定状態及び不安定状態の間で細分化された炉内状態を特定するために、後述する炉内状態指数Iを規定している。
上述したアクション量は、互いに異なる複数種類のモデルを用いてそれぞれ決定される。そして、共通のアクションにおける各モデルのアクション量に対して、炉内状態指数Iに応じた重み付け加算を行うことにより、統合アクション量Atоtalを求める。この統合アクション量Atоtalは、実際の高炉操業において、上述した共通のアクションを行うときのアクション量となる。
アクションは、炉内状態を安定化させるためのアクションであり、例えば、微粉炭の吹込み、コークスの装入、送風が挙げられる。アクション量としては、例えば、微粉炭吹込み量、コークス装入量、送風量、酸素富化量が挙げられる。
(炉内状態指数I)
炉内状態指数Iは、高炉の炉内状態を表す指数である。操業中の高炉の炉内状態は、時々刻々と変化するため、炉内状態指数Iは、所定の周期(例えば、数十分単位)で求めることが好ましい。本実施形態において、炉内状態指数Iは、安定状態及び不安定状態の間で細分化された炉内状態を0.0以上、1.0以下の数値範囲内の値(小数点第一位までの値)で表される。この数値範囲の上限値(1.0)は、安定状態(又は不安定状態)を示し、数値範囲の下限値(0.0)は、不安定状態(又は安定状態)を示す。
炉内状態指数Iは、高炉の炉内状態を表す指数である。操業中の高炉の炉内状態は、時々刻々と変化するため、炉内状態指数Iは、所定の周期(例えば、数十分単位)で求めることが好ましい。本実施形態において、炉内状態指数Iは、安定状態及び不安定状態の間で細分化された炉内状態を0.0以上、1.0以下の数値範囲内の値(小数点第一位までの値)で表される。この数値範囲の上限値(1.0)は、安定状態(又は不安定状態)を示し、数値範囲の下限値(0.0)は、不安定状態(又は安定状態)を示す。
炉内状態が安定状態であるときの炉内状態指数Iを1.0としたときには、炉内状態が不安定状態であるときの炉内状態指数Iは0.0となる。一方、炉内状態が不安定状態であるときの炉内状態指数Iを0.0としたときには、炉内状態が安定状態であるときの炉内状態指数Iは1.0となる。なお、以下の説明では、炉内状態が不安定状態であるときの炉内状態指数Iを0.0とし、炉内状態が安定状態であるときの炉内状態指数Iを「1.0」としている。
炉内状態指数Iは、細分化された炉内状態を表すものであればよく、後述するように、様々な観点から炉内状態指数Iを規定することができる。炉内状態指数Iの具体的な規定方法については、後述する。
なお、炉内状態指数Iが取り得る数値範囲は、0.0以上、1.0以下に限るものではなく、適宜決めることができる。すなわち、炉内状態が安定状態であるときの炉内状態指数Iを数値範囲の上限値(又は下限値)として定め、炉内状態が不安定状態であるときの炉内状態指数Iを数値範囲の下限値(又は上限値)として定めればよい。これにより、安定状態及び不安定状態の間のいかなる炉内状態に対しても、数値範囲内の値として炉内状態指数Iを特定することができる。
(モデルの種類)
モデルは、目標とする操業諸元が得られるように、アクション量を決めることができるものである。このモデルとしては、例えば、数学モデル、データベースモデル、エキスパートモデルが挙げられる。なお、本実施形態で適用されるモデルは、これら3種類のモデルに限るものではなく、種々の観点から構築されたモデルを用いることができる。しかしながら、後述するように炉内状態が安定状態であるとき、数学モデルで決定されたアクション量の信頼性が相対的に高いため、数学モデルが含まれることが好ましい。また、後述するように炉内状態が不安定状態であるとき、エキスパートモデルで決定されたアクション量の信頼性が相対的に高いため、エキスパートモデルが含まれることが好ましい。
モデルは、目標とする操業諸元が得られるように、アクション量を決めることができるものである。このモデルとしては、例えば、数学モデル、データベースモデル、エキスパートモデルが挙げられる。なお、本実施形態で適用されるモデルは、これら3種類のモデルに限るものではなく、種々の観点から構築されたモデルを用いることができる。しかしながら、後述するように炉内状態が安定状態であるとき、数学モデルで決定されたアクション量の信頼性が相対的に高いため、数学モデルが含まれることが好ましい。また、後述するように炉内状態が不安定状態であるとき、エキスパートモデルで決定されたアクション量の信頼性が相対的に高いため、エキスパートモデルが含まれることが好ましい。
数学モデルは、高炉内における物質収支、エネルギ収支及び運動量収支から炉内状態を推定するものであり、炉内状況を推定することにより、アクション量を決めることができる。数学モデルとしては、非特許文献1に記載の高炉数学モデルを用いることができる。高炉数学モデルとしては、1次元定常モデル、1次元非定常モデル、2次元定常モデル、3次元非定常モデルがある。3次元非定常モデルは、気体・固体・液体の各相に関して、物質収支式、エネルギ収支式及び運動量収支式を定義し、高炉の炉内状態を推定するものである。
データベースモデルは、過去の操業実績を蓄積したデータベースに基づいて、アクション量を決定するものである。データベースモデルとしては、非特許文献2に記載の大規模データベースオンラインモデリング(LOM;Large scale database-based Online Modeling)を用いることができる。LOMでは、高炉に設置されたセンサによって測定された測定値(温度、圧力、組成)や、この測定値から算出される操業管理値(K値や熱負荷)を用いて大規模データベースを構築し、過去の類似操業事例の検索と、この検索結果に基づく将来予想を行うことにより、適切なアクション量を決定することができる。
エキスパートモデルは、高炉操業のエキスパートの経験則から作成されたルールに基づいて、アクション量を決定するものである。特許文献1に記載されているように、高炉の各データから高炉に対するアクション量を決定する人間(高炉操業のエキスパート)の知識をルール化したシステムを構築することにより、適切なアクション量を決定することができる。
数学モデル、データベースモデル及びエキスパートモデルのそれぞれについては、1つのモデルを用いてもよいし、内容が異なる複数のモデルを用いてもよい。例えば、数学モデルとして、内容が異なる複数の数学モデルを用いたり、データベースモデルとして、内容が異なる複数のデータベースモデルを用いたり、エキスパートモデルとして、内容が異なる複数のエキスパートモデルを用いたりすることができる。
(アクションの決定方法)
上述した各モデルによれば、適切なアクション量が決定されるが、後述する統合アクション量Atоtalを決定する上では、各モデルに対して共通のアクションを予め決めておけばよい。
上述した各モデルによれば、適切なアクション量が決定されるが、後述する統合アクション量Atоtalを決定する上では、各モデルに対して共通のアクションを予め決めておけばよい。
(統合アクション量Atоtalの決定方法)
複数種類のモデルでは、共通のアクションにおいて、アクション量をそれぞれ決定することができる。そして、複数種類のモデルで決定されたアクション量に対して、炉内状態指数Iに応じた重み付け加算を行うことにより、統合アクション量Atоtalが求められる。上述したように、炉内状態指数Iは所定の周期で求められるが、炉内状態指数Iを求めるたびに、統合アクション量Atоtalを求めることができる。
複数種類のモデルでは、共通のアクションにおいて、アクション量をそれぞれ決定することができる。そして、複数種類のモデルで決定されたアクション量に対して、炉内状態指数Iに応じた重み付け加算を行うことにより、統合アクション量Atоtalが求められる。上述したように、炉内状態指数Iは所定の周期で求められるが、炉内状態指数Iを求めるたびに、統合アクション量Atоtalを求めることができる。
上述した3種類のモデル(数学モデル、データベースモデル、エキスパートモデル)を用いる場合、統合アクション量Atоtalは、下記式(1)から求められる。
上記式(1)において、Atоtalは統合アクション量、Ammは数学モデルで決定されたアクション量、Admはデータベースモデルで決定されたアクション量、Aemはエキスパートモデルで決定されたアクション量である。これらのアクション量Amm,Adm,Aemは、同一のアクションに属するものであり、単位は同一である。上述したように、炉内状態指数Iは所定の周期で求められるが、炉内状態指数Iの算出周期に合わせて、アクション量Amm,Adm,Aemを求めることができる。
上記式(1)において、k1はアクション量Ammに関する重み付け係数(言い換えれば、重み付け係数)、k2はアクション量Admに関する重み付け係数(言い換えれば、重み付け係数)、k3はアクション量Aemに関する重み付け係数(言い換えれば、重み付け係数)である。重み付け係数k1~k3のそれぞれは0.0以上、1.0以下の値であり、重み付け係数k1~k3の総和は1.0となる。後述するように、各重み付け係数k1~k3は、炉内状態指数Iに基づいて決定される。すなわち、炉内状態指数Iを求めるたびに、各重み付け係数k1~k3が決定される。
ここで、上述したように1種類のモデル(数学モデル、データベースモデル、エキスパートモデル)として、内容が異なる複数のモデルを用いる場合には、該当するモデルの重み付け係数(k1,k2,k3)をモデルの総数で案分し、案分後の重み付け係数に基づいて、複数のモデルで決定されたアクション量に対して重み付け加算することができる。例えば、数学モデルとして、内容が異なるN個の数学モデルを用いた場合、N個の数学モデルのそれぞれで決定されたアクション量Ammに対して、重み付け係数k1を総数Nで除算した値(k1/N)を乗算し、各数学モデルで算出された値(Amm×k1/N)を加算することができる。データベースモデルやエキスパートモデルについても、上述した数学モデルと同様の方法を適用することができる。
なお、統合アクション量Atоtalを求めるときのモデルの数は、複数であればよく、上述した3種類のモデルのすべてを用いなくてもよい。また、4種類以上のモデルでそれぞれ決定されたアクション量に基づいて、統合アクション量Atоtalを求めることもできる。これらの点を考慮すると、統合アクション量Atоtalを求める式は、下記式(2)で表すことができる。
上記式(2)において、添え字nはモデルの種類(複数)を示す。Anはモデル(n)で決定されたアクション量であり、knはアクション量Anに関する重み付け係数(言い換えれば、重み付け係数)である。重み付け係数knの総和は1.0である。アクション量Anには、上記式(1)に示すアクション量Amm,Adm,Aemが含まれ、重み付け係数knには、上記式(1)に示す重み付け係数k1~k3が含まれる。
(重み付け係数k1~k3の決定方法)
上記式(1)に示す重み付け係数k1~k3は、炉内状態指数Iに基づいて決定されるが、この決定方法としては、例えば、以下に説明する4つの方法がある。なお、後述するように、炉内状態指数Iは複数の種類で規定することができるが、重み付け係数k1~k3を決定するときには、共通の炉内状態指数Iを用いることになる。
上記式(1)に示す重み付け係数k1~k3は、炉内状態指数Iに基づいて決定されるが、この決定方法としては、例えば、以下に説明する4つの方法がある。なお、後述するように、炉内状態指数Iは複数の種類で規定することができるが、重み付け係数k1~k3を決定するときには、共通の炉内状態指数Iを用いることになる。
(重み付け係数k1~k3の決定方法1)
決定方法1では、下記表1に示すように、炉内状態指数Iを区分A(0.7≦I≦1.0)、区分B(0.4≦I<0.7)及び区分C(0.0≦I<0.4)に分け、各区分A~Cに対応した重み付け係数k1~k3を予め決めている。
決定方法1では、下記表1に示すように、炉内状態指数Iを区分A(0.7≦I≦1.0)、区分B(0.4≦I<0.7)及び区分C(0.0≦I<0.4)に分け、各区分A~Cに対応した重み付け係数k1~k3を予め決めている。
ここで、過去の操業実績によれば、炉内状態指数Iが0.7以上、1.0以下である場合には、高炉の炉内状態が安定状態であり、炉内状態指数Iが0.0以上、0.4未満である場合には、高炉の炉内状態が不安定状態であった。したがって、安定状態(炉内状態指数Iが0.7以上、1.0以下)を区分Aとし、不安定状態(炉内状態指数Iが0.0以上、0.4未満)を区分Cとし、これら以外の状態(炉内状態指数Iが0.4以上、0.7未満)を区分Bと決めた。なお、高炉の各炉内状態に応じて炉内状態指数Iが区分されていればよく、各区分A~Cの範囲は上記範囲(区分A:0.7以上1.0以下、区分B:0.4以上0.7未満、区分C:0.0以上0.4未満)に限られない。
炉内状態指数Iを求めた後、この炉内状態指数Iが区分A~Cのいずれに属するかを判断する。そして、重み付け係数k1~k3として、炉内状態指数Iが属する区分に対応した値が特定される。
区分Aでは、区分Bと比べて炉内状態が安定しており、区分Bでは、区分Cと比べて炉内状態が安定している。すなわち、区分C、区分B及び区分Aの順に、炉内状態が安定化していることを意味している。言い換えれば、区分A、区分B及び区分Cの順に、炉内状態が不安定化していることを意味している。
炉内状態が安定状態であるとき、数学モデルで決定されたアクション量Ammは、データベースモデルやエキスパートモデルで決定されたアクション量Adm,Aemよりも信頼性が相対的に高いと考えられる。このため、区分Aでは、重み付け係数k1を重み付け係数k2,k3よりも高くしている。上記表1では、重み付け係数k1を1.0とし、重み付け係数k2,k3の両方0.0としている。
一方、炉内状態が不安定状態であるとき、エキスパートモデルで決定されたアクション量Aemは、数学モデルやデータベースモデルで決定されたアクション量Amm,Admよりも信頼性が相対的に高いと考えられる。このため、区分Cでは、重み付け係数k3を重み付け係数k1,k2よりも高くしている。上記表1では、重み付け係数k3を1.0とし、重み付け係数k1,k2の両方を0.0としている。
区分Bは、区分A及び区分Cの間に位置しているため、3種類のモデルに対する信頼性のバランスを考慮して重み付け係数k1~k3を決めている。上記表1では、区分Bについて、重み付け係数k3を最も高くし、重み付け係数k1を最も低くしている。すなわち、重み付け係数k3、重み付け係数k2、重み付け係数k1の順に低くしている。なお、区分Bにおける重み付け係数k1~k3の高低関係は、上記表1に示す高低関係に限るものではなく、例えば、高炉や操業条件などを考慮して適宜決めることができる。例えば、区分Bにおいて、重み付け係数k1又は重み付け係数k2を最も高くすることができる。
なお、上記表1では、炉内状態指数Iを3つの区分A~Cに分けているが、区分の数は、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。区分の数を決めた後は、区分ごとに重み付け係数k1~k3を予め決めておけばよい。また、各区分A~Cの重み付け係数k1~k3は、上記表1に示す値に限るものではなく、上述したように、炉内状態に応じた各モデルに対する信頼性を考慮して適宜決めることができる。
(重み付け係数k1~k3の決定方法2)
決定方法2では、図1に示すように、炉内状態指数Iに応じて、重み付け係数k1~k3がそれぞれ定められている。上記決定方法1では、炉内状態指数Iが1つの区分に属するときには、各重み付け係数k1~k3を同一としていたが、決定方法2では、炉内状態指数Iに応じて各重み付け係数k1~k3を変更している。
決定方法2では、図1に示すように、炉内状態指数Iに応じて、重み付け係数k1~k3がそれぞれ定められている。上記決定方法1では、炉内状態指数Iが1つの区分に属するときには、各重み付け係数k1~k3を同一としていたが、決定方法2では、炉内状態指数Iに応じて各重み付け係数k1~k3を変更している。
炉内状態指数Iが0.0であるとき、すなわち、炉内状態が不安定状態であるとき、エキスパートモデルで決定されたアクション量Aemについては、信頼性が認められるため、重み付け係数k3を1.0としている。一方、数学モデルやデータベースモデルで決定されたアクション量Amm,Admの信頼性は相対的に低いと考えられるため、重み付け係数k1,k2の両方を0.0としている。
炉内状態指数Iが0.0に近づくほど、エキスパートモデルで決定されたアクション量Aemの信頼性が相対的に高くなると考えるため、図1に示すように、炉内状態指数Iが0.0に近づくほど、重み付け係数k3を1.0に近づけている。言い換えれば、炉内状態指数Iが1.0に近づくほど、重み付け係数k3を0.0に近づけることが好ましい。ここで、重み付け係数k3を0.0よりも大きくし始めるときの炉内状態指数Iは適宜決めることができる。なお、図1では、重み付け係数k3を0.0よりも大きくし始めるときの炉内状態指数Iを0.75としている。
炉内状態指数Iが1.0であるとき、すなわち、炉内状態が安定状態であるとき、数学モデルで決定されたアクション量Ammについては、信頼性が認められるため、重み付け係数k1を1.0としている。一方、データベースモデルやエキスパートモデルで決定されたアクション量Adm,Aemの信頼性は相対的に低いと考えられるため、重み付け係数k2,k3の両方を0.0としている。
炉内状態指数Iが1.0に近づくほど、数学モデルで決定されたアクション量Ammの信頼性が相対的に高くなると考えるため、図1に示すように、炉内状態指数Iが1.0に近づくほど、重み付け係数k1を1.0に近づけている。言い換えれば、炉内状態指数Iが0.0に近づくほど、重み付け係数k1を0.0に近づけることが好ましい。ここで、重み付け係数k1を0.0よりも大きくし始めるときの炉内状態指数Iは適宜決めることができる。なお、図1では、重み付け係数k1を0.0よりも大きくし始めるときの炉内状態指数Iを0.25としている。
重み付け係数k2については、上述したように重み付け係数k1,k3を決めた上で、重み付け係数k2,k3の総和が1.0となるように、重み付け係数k2を決めることができる。
本願発明者が過去の操業データに基づいて各種モデルにおける最適な重み付け係数k1,k2,k3の組み合わせを検討した結果、以下の知見が得られた。
炉内状態指数Iが0.0である場合、重み付け係数k1を0.0、重み付け係数k2を0.0、重み付け係数k3を1.0とすることが最も良い。炉内状態指数Iが0.25である場合、重み付け係数k1を0.0、重み付け係数k2を0.6、重み付け係数k3を0.4とすることが最も良い。炉内状態指数Iが0.5である場合、重み付け係数k1を0.5、重み付け係数k2を0.3、重み付け係数k3を0.2とすることが最も良い。炉内状態指数Iが0.75である場合、重み付け係数k1を0.8、重み付け係数k2を0.2、重み付け係数k3を0.0とすることが最も良い。炉内状態指数Iが1.0である場合、重み付け係数k1を1.0、重み付け係数k2を0.0、重み付け係数k3を0.0とすることが最も良い。一方、炉内状態指数Iが上述した値(0.0、0.25、0.5、0.75、1.0)以外の値である場合については、線形補間によって重み付け係数k1,k2,k3を決定した。このように決めた結果が図1となる。
なお、炉内状態指数I及び重み付け係数k1~k3の関係は、図1に示す関係に限るものではない。上述したように炉内状態指数Iに応じて、各モデルで決定されたアクション量Amm,Adm,Aemに対する信頼性が変化するため、この信頼性を考慮して各重み付け係数k1~k3を決めることができる。ただし、炉内状態指数Iに対する重み付け係数k1~k3の傾向としては、上述したような傾向が認められる。
各重み付け係数k1~k3を決定する方法について以下に説明する。各重み付け係数k1~k3は、炉内状態指数Iの各区分において、予め決められた線形関数に基づいて決定することができる。ここでは、炉内状態指数Iが0.0以上、1.0以下の範囲を4つの区分に均等に分ける。また、各区分における線形関数は、重み付け係数k1~k3ごとに決める。以下、具体的に説明する。
炉内状態指数Iが0.0以上、0.25未満である区分については、以下のように線形関数が設定される。
重み付け係数k1=0
重み付け係数k2=d×I (係数d:正の値)
重み付け係数k3=-h×I+1 (係数h:正の値)
重み付け係数k1=0
重み付け係数k2=d×I (係数d:正の値)
重み付け係数k3=-h×I+1 (係数h:正の値)
炉内状態指数Iが0.25以上、0.5未満である区分については、以下のように線形関数が設定される。
重み付け係数k1=a×I+c1 (係数a:正の値、c1:定数)
重み付け係数k2=-e×I+c4 (係数e:正の値、c4:定数)
重み付け係数k3=-i×I+c7 (係数i:正の値、c7:定数)
重み付け係数k1=a×I+c1 (係数a:正の値、c1:定数)
重み付け係数k2=-e×I+c4 (係数e:正の値、c4:定数)
重み付け係数k3=-i×I+c7 (係数i:正の値、c7:定数)
炉内状態指数Iが0.5以上、0.75未満である区分については、以下のように線形関数が設定される。
重み付け係数k1=b×I+c2 (係数b:正の値、c2:定数)
重み付け係数k2=-f×I+c5 (係数f:正の値、c5:定数)
重み付け係数k3=-i×I+c7 (係数i:正の値、c7:定数)
重み付け係数k1=b×I+c2 (係数b:正の値、c2:定数)
重み付け係数k2=-f×I+c5 (係数f:正の値、c5:定数)
重み付け係数k3=-i×I+c7 (係数i:正の値、c7:定数)
炉内状態指数Iが0.75以上、1.0以下である区分については、以下のように線形関数が設定される。
重み付け係数k1=c×I+c3 (係数c:正の値、c3:定数)
重み付け係数k2=-g×I+c6 (係数g:正の値、c6:定数)
重み付け係数k3=0
重み付け係数k1=c×I+c3 (係数c:正の値、c3:定数)
重み付け係数k2=-g×I+c6 (係数g:正の値、c6:定数)
重み付け係数k3=0
(重み付け係数k1~k3の決定方法3)
決定方法3では、まず、図1(上記決定方法2)に示すように、炉内状態指数Iに応じた重み付け係数k1~k3を予め決めておく。そして、実際の高炉操業において、上記式(1)から求められた統合アクション量Atоtalに基づいて所定のアクションを行い、炉内状態が安定化したか否かを判断する。炉内状態が安定化したか否かは、実際の高炉操業において取得した操業管理指標のデータに基づいて判断することができる。具体的には、以下に説明する手順で重み付け係数k1~k3を決める。
決定方法3では、まず、図1(上記決定方法2)に示すように、炉内状態指数Iに応じた重み付け係数k1~k3を予め決めておく。そして、実際の高炉操業において、上記式(1)から求められた統合アクション量Atоtalに基づいて所定のアクションを行い、炉内状態が安定化したか否かを判断する。炉内状態が安定化したか否かは、実際の高炉操業において取得した操業管理指標のデータに基づいて判断することができる。具体的には、以下に説明する手順で重み付け係数k1~k3を決める。
まず、過去の一定期間(例えば、直近1年間)内の高炉操業において、所定のアクションを行い、炉内状態が安定化したときのアクション量(実測値)と、各種モデル(数学モデル、データベースモデル、エキスパートモデル)から決定されたアクション量(予測値)との間の相関係数R2をそれぞれ求める。ここで、アクション量(実測値)及びアクション量(予測値)は、同一のタイミングで取得する。そして、下記式(3)に基づいて、各種モデルの重み付け係数k(k1~k3)を求める。下記式(3)によれば、各種モデルの相関係数R2を正規化している。
上記式(3)に示す重み付け係数kが、数学モデルに対する重み付け係数k1であるとき、右辺の分子に示す相関係数R2としては、数学モデルの相関係数R2が用いられる。上記式(3)に示す重み付け係数kが、データベースモデルに対する重み付け係数k2であるとき、右辺の分子に示す相関係数R2としては、データベースモデルの相関係数R2が用いられる。上記式(3)に示す重み付け係数kが、エキスパートモデルに対する重み付け係数k3であるとき、右辺の分子に示す相関係数R2としては、エキスパートモデルの相関係数R2が用いられる。一方、上記式(3)において、右辺の分母は、各種モデルの相関係数R2から算出された値(1/(1-R2))の合計値である。
なお、上述した説明では、各種モデルとして1つのモデルを用いた場合であるが、上述したように1種類のモデル(数学モデル、データベースモデル、エキスパートモデル)として、内容が異なる複数のモデルを用いる場合にも適用することができる。この場合には、内容が異なる複数のモデルのそれぞれについて、重み付け係数を決めることができる。
例えば、内容が異なる2つの数学モデルMm1,Mm2を用いる場合には、まず、数学モデルMm1について相関係数R2(1)を求めるとともに、数学モデルMm2について相関係数R2(2)を求める。そして、これらの相関係数R2(1),R2(2)の平均値である相関係数R2(3)(R2(3)=[R2(1)+R2(2)]/2)を求める。この相関係数R2(3)を上記式(3)に示す相関係数R2として用いることにより、上記式(3)に示す重み付け係数k(すなわち、数学モデルMm1,Mm2を統合した重み付け係数k1)が求められる。
次に、数学モデルMm1,Mm2を統合した重み付け係数k1に対して、数学モデルMm1,Mm2の相関係数R2(1),R2(2)を考慮することにより、数学モデルMm1に対する重み付け係数k1_m1と、数学モデルMm2に対する重み付け係数k1_m2を求めることができる。具体的には、下記式(4)に基づいて重み付け係数k1_m1が求められ、下記式(5)に基づいて重み付け係数k1_m2が求められる。
重み付け係数k1_m1,k1_m2を求めた後では、数学モデルMm1,Mm2で決定されたアクション量Ammに対して重み付け係数k1_m1,k1_m2をそれぞれ乗算し、各数学モデルMm1,Mm2で算出された値(Amm×k1_m1,Amm×k1_m2)を加算することができる。
(統合アクション量Atоtalの補正方法)
上述した統合アクション量Atоtalは、実際の高炉操業において統合アクション量Atоtalでアクションを行ったときの操業管理指標の変化量(以下、「実測変化量」という)ΔMI_mと、統合アクション量Atоtalでアクションを行う際に目標とする操業管理指標の変化量(以下、「目標変化量」という)ΔMI_tとの差に基づいて、補正することができる。
上述した統合アクション量Atоtalは、実際の高炉操業において統合アクション量Atоtalでアクションを行ったときの操業管理指標の変化量(以下、「実測変化量」という)ΔMI_mと、統合アクション量Atоtalでアクションを行う際に目標とする操業管理指標の変化量(以下、「目標変化量」という)ΔMI_tとの差に基づいて、補正することができる。
ここで、実測変化量ΔMI_mとは、実際の高炉操業において、統合アクション量Atоtalでアクションを行う前の操業管理指標(実測値)と、統合アクション量Atоtalでアクションを行った後の操業管理指標(実測値)との間の変化量(差)である。目標変化量ΔMI_tとは、統合アクション量Atоtalでアクションを行う前の操業管理指標と、統合アクション量Atоtalでアクションを行った後の操業管理指標との間の変化量(差)であって、目標とする変化量である。言い換えれば、目標変化量ΔMI_tとは、統合アクション量Atоtalでアクションを行う前の操業管理指標に対して、統合アクション量Atоtalでのアクションによって、操業管理指標を変化させる目標量である。
操業管理指標は、下記表2に示すとおり、高炉の操業において管理される指標であり、例えば、溶銑温度を用いることができる。操業管理指標として溶銑温度を用いた場合、実際の高炉操業において、統合アクション量Atоtalでアクションを行う前の溶銑温度が1515℃であり、統合アクション量Atоtalでアクションを行った後の溶銑温度が1520℃であるときには、実測変化量ΔMI_mは5℃(=1520℃-1515℃)となる。また、統合アクション量Atоtalでアクションを行う前の溶銑温度が1515℃であり、統合アクション量Atоtalでのアクションを行うことによって溶銑温度を1522℃としたいときには、目標変化量ΔMI_tは7℃(=1522℃-1515℃)となる。
以下、統合アクション量Atоtalを補正する方法について、具体的に説明する。
まず、実際の高炉操業において、統合アクション量Atоtalでアクションを行ったときの実測変化量ΔMI_mを測定する。ここで、目標変化量ΔMI_tは、統合アクション量Atоtalに応じて予め決められる。そして、下記式(6)に基づいて、割合Rd[%]を求める。
割合Rdは、統合アクション量Atоtalごとに求め、すべての統合アクション量Atоtalにおける割合Rdの平均値Rd_aveを求める。平均値Rd_aveは、すべての統合アクション量Atоtalについて、実測変化量ΔMI_m及び目標変化量ΔMI_tのずれを意味している。したがって、実測変化量ΔMI_mを目標変化量ΔMI_tに到達させるためには、平均値Rd_aveに基づいて、統合アクション量Atоtalを補正すればよい。具体的には、平均値Rd_aveの分だけ、統合アクション量Atоtalを増加方法又は減少方向に補正する。
実測変化量ΔMI_mが目標変化量ΔMI_tよりも多い場合には、統合アクション量Atоtalが過剰であるため、実測変化量ΔMI_mを目標変化量ΔMI_tに到達させるためには、統合アクション量Atоtalを減らす必要がある。具体的には、統合アクション量Atоtalに対して補正係数kc(0<kc<1)[-]を乗算することによって、統合アクション量Atоtalを補正することができる。
補正係数kc(0<kc<1)は、割合Rdから決めることができる。具体的には、下記式(7)に示すように、補正係数kcを決めることができる。
実測変化量ΔMI_mが目標変化量ΔMI_tよりも少ない場合には、統合アクション量Atоtalが不足しているため、実測変化量ΔMI_mを目標変化量ΔMI_tに到達させるためには、統合アクション量Atоtalを増やす必要がある。具体的には、統合アクション量Atоtalに対して補正係数kc(1<kc)[-]を乗算することによって、統合アクション量Atоtalを補正することができる。
補正係数kc(1<kc)は、割合Rdから決めることができる。具体的には、下記式(8)に示すように、補正係数kcを決めることができる。
上述したように補正係数kcを決めた場合には、上述したように統合アクション量Atоtalを決定した後、この統合アクション量Atоtalに補正係数kcを乗算することにより、補正後の統合アクション量Atоtalを決めることができる。実際の高炉操業においては、補正後の統合アクション量Atоtalでアクションを行う。
なお、実測変化量ΔMI_mが目標変化量ΔMI_tと等しい場合には、統合アクション量Atоtalを補正する必要が無い。この場合には、補正係数kcが1となる。ここで、目標変化量ΔMI_tを基準とした許容範囲内に実測変化量ΔMI_mが含まれている場合に、実測変化量ΔMI_mが目標変化量ΔMI_tと等しいと判断することができる。上述した許容範囲は、目標変化量ΔMI_tに許容量を加算した上限値と、目標変化量ΔMI_tから許容量を減算した下限値とによって規定される。
なお、上述した説明では、3つの重み付け係数k1~k3を決定する方法について説明したが、これに限るものではない。上述したように、2種類のモデルで決定されたアクション量Anから統合アクション量Atоtalを求める場合には、2つの重み付け係数knが必要になり、4種類以上のモデルで決定されたアクション量Anから統合アクション量Atоtalを求める場合には、4つ以上の重み付け係数knが必要になる。このような場合には、上述した決定方法1,2の考え方に従って、各重み付け係数knを決めることができる。また、上述した決定方法3に基づいて、各重み付け係数knの微調整を繰り返すことによって、各重み付け係数knの最適解を探索することができる。
(炉内状態指数Iの規定方法)
次に、炉内状態指数Iの規定方法(一例)について説明する。なお、炉内状態指数Iは、安定状態及び不安定状態の間で細分化された炉内状態を表すことができる指数であればよく、以下に説明する規定方法に限られるものではない。
次に、炉内状態指数Iの規定方法(一例)について説明する。なお、炉内状態指数Iは、安定状態及び不安定状態の間で細分化された炉内状態を表すことができる指数であればよく、以下に説明する規定方法に限られるものではない。
(炉内状態指数Iの規定方法1)
炉内状態指数Iの規定方法1について説明する。この規定方法1では、炉内状態指数Iとして、特願2019-207079に記載された総合不安定スコアを用いる。総合不安定スコアとは、下記表2に示す操業管理指標のうち、少なくとも2つの操業管理指標に着目し、炉内状態がどの程度不安定であるのかを示す値(0.0以上、1.0以下)である。
炉内状態指数Iの規定方法1について説明する。この規定方法1では、炉内状態指数Iとして、特願2019-207079に記載された総合不安定スコアを用いる。総合不安定スコアとは、下記表2に示す操業管理指標のうち、少なくとも2つの操業管理指標に着目し、炉内状態がどの程度不安定であるのかを示す値(0.0以上、1.0以下)である。
ここで、炉内状態が不安定状態であるときの総合不安定スコアを1.0とし、炉内状態が安定状態であるときの総合不安定スコアを0.0とすることができる。炉内状態が安定状態に向かうほど、炉内状態指数Iを1.0(最大値)に近づける場合には、上述した総合不安定スコアを炉内状態指数Iに変換する必要がある。具体的には、1.0から総合不安定スコアを減算した値を炉内状態指数Iとすることができる。一方、炉内状態が不安定状態に向かうほど、炉内状態指数Iを1.0(最大値)に近づける場合には、上述した総合不安定スコアを炉内状態指数Iとして用いることができる。
総合不安定スコアは、上記表2に示す操業管理指標のうち、少なくとも2つの操業管理指標に応じた個別不安定スコアから求められる。例えば、複数の個別不安定スコアを平均した値を総合不安定スコアとすることができる。個別不安定スコアは、上述した各操業管理指標に着目したときに、炉内状態がどの程度不安定であるかを示す値である。個別不安定スコアについては、特願2019-207079に記載されているように様々な規定の仕方がある。
(炉内状態指数Iの規定方法2)
炉内状態指数Iの規定方法2について説明する。この規定方法2は、One Class SVM (Support Vector Machine)を利用したものである。One Class SVMでは、正常データとして1つのクラス分を学習させて識別境界を決定することにより、この識別境界を基準とした外れ値を求めることができる。ここで、上述した正常データとしては、炉内状態が安定状態であるときの操業管理指標のデータを用いる。
炉内状態指数Iの規定方法2について説明する。この規定方法2は、One Class SVM (Support Vector Machine)を利用したものである。One Class SVMでは、正常データとして1つのクラス分を学習させて識別境界を決定することにより、この識別境界を基準とした外れ値を求めることができる。ここで、上述した正常データとしては、炉内状態が安定状態であるときの操業管理指標のデータを用いる。
上述した外れ値を炉内状態指数Iとして用いることができる。外れ値が小さいほど、炉内状態が安定状態に近づいていることになり、外れ値が大きいほど、炉内状態が安定状態から離れて不安定状態に近づいていることになる。外れ値が取り得る範囲(すなわち、最大値及び最小値)を特定すれば、炉内状態指数Iを0.0以上、1.0以下の範囲内で規定することができる。
炉内状態が安定状態に向かうほど、炉内状態指数Iを1.0(最大値)に近づける場合には、上述した外れ値を炉内状態指数Iに変換する必要がある。一方、炉内状態が不安定状態に向かうほど、炉内状態指数Iを1.0(最大値)に近づける場合には、上述した外れ値を炉内状態指数Iとして用いることができる。
(炉内状態指数Iの規定方法3)
炉内状態指数Iの規定方法3について説明する。この規定方法3では、炉内状態指数Iとして、特願2020-068684に記載された炉況値を用いる。ここで、炉況値が取りうる範囲(最大値及び最小値)を特定すれば、炉内状態指数Iを0.0以上、1.0以下の範囲内で規定することができる。
炉内状態指数Iの規定方法3について説明する。この規定方法3では、炉内状態指数Iとして、特願2020-068684に記載された炉況値を用いる。ここで、炉況値が取りうる範囲(最大値及び最小値)を特定すれば、炉内状態指数Iを0.0以上、1.0以下の範囲内で規定することができる。
(炉内状態指数Iの規定方法4)
炉内状態指数Iの規定方法4について説明する。この規定方法4では、炉内状態指数Iとして、特願2019-207194に記載されたガス圧力変動指数を用いる。特願2019-207194によれば、ガス圧力変動指数が予め定められた閾値よりも大きいとき、ガス流の異常が発生していることを判別している。
炉内状態指数Iの規定方法4について説明する。この規定方法4では、炉内状態指数Iとして、特願2019-207194に記載されたガス圧力変動指数を用いる。特願2019-207194によれば、ガス圧力変動指数が予め定められた閾値よりも大きいとき、ガス流の異常が発生していることを判別している。
この点を考慮すると、ガス圧力変動指数及び閾値の関係に基づいて、炉内状態指数Iを0.0以上、1.0以下の範囲内で規定することができる。ここで、ガス圧力変動指数が閾値以下であるときには、ガス流の異常が発生していないと判別されるため、炉内状態が安定状態であると考えることができる。したがって、ガス圧力変動指数が閾値以下である場合には、炉内状態指数Iを1.0とみなすことができる。一方、ガス圧力変動指数が閾値よりも大きいときには、炉内状態指数Iをガス圧力変動指数及び閾値の差に応じた値で表すことができる。
(炉内状態指数Iの規定方法5)
炉内状態指数Iの規定方法5について説明する。この規定方法5では、計算出銑量の変動係数を炉内状態指数Iとして用いる。計算出銑量とは、高炉の炉頂から装入される装入物(コークスや鉱石)のバランスや炉頂のガス成分に基づいて推定される出銑量である。計算出銑量の推定においては、上述した数学モデルを用いることができる。変動係数とは、計算出銑量の標準偏差を、計算出銑量の平均値で除算した値である。計算出銑量を所定の周期で求めて複数の計算出銑量を蓄積すれば、計算出銑量の標準偏差や平均値を求めることができる。
炉内状態指数Iの規定方法5について説明する。この規定方法5では、計算出銑量の変動係数を炉内状態指数Iとして用いる。計算出銑量とは、高炉の炉頂から装入される装入物(コークスや鉱石)のバランスや炉頂のガス成分に基づいて推定される出銑量である。計算出銑量の推定においては、上述した数学モデルを用いることができる。変動係数とは、計算出銑量の標準偏差を、計算出銑量の平均値で除算した値である。計算出銑量を所定の周期で求めて複数の計算出銑量を蓄積すれば、計算出銑量の標準偏差や平均値を求めることができる。
(炉内状態指数Iの規定方法6)
炉内状態指数Iの規定方法6について説明する。この規定方法6では、オートエンコーダにおける入力データ及び出力データの差分を利用している。オートエンコーダは、一般的には、入力データ及び出力データの差分に基づいて異常を検知することに利用されているが、この差分を炉内状態指数Iとして用いることができる。
炉内状態指数Iの規定方法6について説明する。この規定方法6では、オートエンコーダにおける入力データ及び出力データの差分を利用している。オートエンコーダは、一般的には、入力データ及び出力データの差分に基づいて異常を検知することに利用されているが、この差分を炉内状態指数Iとして用いることができる。
まず、オートエンコーダを構築するために、オートエンコーダの教師データとして、炉内状態が安定状態であるときの操業管理指標のデータを用意する。この教師データをオートエンコーダの入力データとして用い、オートエンコーダの出力データがオートエンコーダの入力データと一致するようにオートエンコーダを構築する。
このように構築されたオートエンコーダでは、入力データ及び出力データの差分が小さいほど、炉内状態が安定状態に近づいていることを示し、入力データ及び出力データの差分が大きいほど、炉内状態が不安定状態に近づいていることを示す。ここで、オートエンコーダにおける差分を炉内状態指数Iに変換する必要がある。
具体的には、差分が小さいほど、炉内状態指数Iを1.0(安定状態)に近づけることができ、差分が大きいほど、炉内状態指数Iを0.0(不安定状態)に近づけることができる。ここで、差分が0であるとき、炉内状態指数Iを1.0とすることができる。また、差分が最大であるとき、炉内状態指数Iを0.0とすることができる。これにより、炉内状態指数Iは、0.0以上、1.0以下の数値範囲内において、差分に応じた値を示すことになる。
(ブロック構成及び処理)
統合アクション量Atоtalを決定するブロック構成及び処理について、図2に示すブロック図と図3に示すフローチャートを用いて説明する。以下の説明では、3種類のモデル(数学モデル、データベースモデル、エキスパートモデル)を利用して、統合アクション量Atоtalを決定するものである。なお、上述したとおり、利用するモデルの数は複数であればよい。
統合アクション量Atоtalを決定するブロック構成及び処理について、図2に示すブロック図と図3に示すフローチャートを用いて説明する。以下の説明では、3種類のモデル(数学モデル、データベースモデル、エキスパートモデル)を利用して、統合アクション量Atоtalを決定するものである。なお、上述したとおり、利用するモデルの数は複数であればよい。
第1アクション決定部101は、数学モデルに基づいて、所定のアクションに応じたアクション量Ammを決定する(S101)。そして、第1アクション決定部101は、決定したアクション量Ammの情報を統合アクション量算出部100に送信する。
第2アクション決定部102は、データベースモデルに基づいて、所定のアクションに応じたアクション量Admを決定する(S102)。そして、第2アクション決定部102は、決定したアクション量Admの情報を統合アクション量算出部100に送信する。
第3アクション決定部103は、エキスパートベースモデルに基づいて、所定のアクションに応じたアクション量Aemを決定する(S103)。そして、第3アクション決定部103は、決定したアクション量Aemの情報を統合アクション量算出部100に送信する。
炉内状態指数算出部104は、所定の周期において炉内状態指数Iを算出し、この算出結果を統合アクション量算出部100に送信する(S104)。なお、図3に示すステップS101~S104の処理の順序は、図3に示す順序に限るものではない。
統合アクション量算出部100は、炉内状態指数Iに基づいて重み付け係数k1,k2,k3を決定する(S105)。また、統合アクション量算出部100は、決定した重み付け係数k1,k2,k3と、各アクション決定部101~103から取得したアクション量Amm,Adm,Aemを上記式(1)に代入することにより、統合アクション量Atоtalを求める。この統合アクション量Atоtalは、実際の高炉操業において所定のアクションを行うときのアクション量として決定される(S106)。
なお、上述したように補正係数kcを決めた場合には、ステップS106の処理で決定された統合アクション量Atоtalを補正係数kcによって補正することができる。
本実施形態によれば、炉内状態指数Iを用いることにより、炉内状態を安定状態及び不安定状態の2つの状態だけではなく、細分化した状態で炉内状態を特定することができる。そして、炉内状態指数Iに応じた重み付け係数k1~k3を特定し、複数種類のモデルから求められたアクション量Amm,Adm,Aemを総合的に勘案した統合アクション量Atоtalを求めているため、この統合アクション量Atоtalに基づいて高炉の操業を行うことにより、炉内状態を安定化させやすくなる。すなわち、特定のモデルで決定されたアクション量に依存することなく、炉内状態を安定化させるためのアクションを行うことができる。
なお、図3で説明した処理(いわゆる機能)は、プログラムによって実現可能である。ここで、図3に示すステップS101~S104の処理のそれぞれと、ステップS105,S106の処理は、互いに異なるプログラムとして実現してもよい。
具体的には、各機能を実現するために予め用意されたコンピュータプログラムを補助記憶装置に格納しておき、CPU等の制御部が補助記憶装置に格納されたプログラムを主記憶装置に読み出し、主記憶装置に読み出されたプログラムを制御部が実行することにより、各機能を動作させることができる。各機能は、1つの制御装置で動作させることもできるし、互いに接続された複数の制御装置によって動作させることもできる。
上記プログラムは、コンピュータで読取可能な記録媒体に記録された状態において、コンピュータに提供することも可能である。記録媒体としては、CD-ROM等の光ディスク、DVD-ROM等の相変化型光ディスク、MO(Magnet Optical)やMD(Mini Disk)などの光磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスクやリムーバブルハードディスクなどの磁気ディスク、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、SDメモリカード、メモリスティック等のメモリカードが挙げられる。また、本発明の目的のために特別に設計されて構成された集積回路(ICチップ等)等のハードウェア装置も記録媒体として含まれる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第1の実施形態においては、炉内状態指数Iに応じた各モデルの重み付け係数を算出し、各モデルで算出したアクション量に対してそれぞれの重みづけ係数を用いた重み付け加算を行うことで統合アクション量Atotalを算出した。そして、所定の周期で炉内状態指数Iを求めるたびにアクション量を決定し、そのアクションを実施することで、安定した操業を実現できるというものである。
次に、第2の実施形態について説明する。第1の実施形態においては、炉内状態指数Iに応じた各モデルの重み付け係数を算出し、各モデルで算出したアクション量に対してそれぞれの重みづけ係数を用いた重み付け加算を行うことで統合アクション量Atotalを算出した。そして、所定の周期で炉内状態指数Iを求めるたびにアクション量を決定し、そのアクションを実施することで、安定した操業を実現できるというものである。
これに対して第2の実施形態は、第1の実施形態のアクション量の決定方法を利用して、より長時間の高炉の操業状態の予測を精度よく行う方法に関する。具体的には、現時点までの実際の高炉の操業条件等の情報をモデルに入力し、高炉の操業をシミュレーションし、将来の時点の溶銑温度等を予測する。このモデル上の操業におけるアクションとそのアクション量を第1の実施形態の方法を用いて決定する。アクション量は実際の高炉の操業と同じ間隔で決定され、例えば1時間後、2時間後、・・・n時間後のように、1時間毎に、その時点までのモデル上での操業状態に基づいてアクション量が決定される。
そして、各時間における統合アクション量を求める際に、現時点からより先の将来の時点におけるアクション量ほど、数学モデルの重み付けを高くし、データベースモデルの重み付けを低くする。発明者による検討の結果、数学モデルは長時間の予測精度がより高い傾向にあり、データベースモデルは短時間の予測精度がより高い傾向にあったためである。特に、データベースモデルは、予測に用いた過去の操業データにおいて、現時点に対応する原点(0時間)よりも前に行われたアクションの違いや操業状態の違いが、先の時間になるほど違いとして大きく現れる傾向があり、長時間の予測精度が低かったためである。本実施形態では、モデル上の操業における各時間のアクションについて、現時点からの時間によって変わるモデルの精度を考慮してアクション量が決定されるので、より精度よく予測を行うことができる。
ここで、本実施形態においてはモデルによる操業によって予測する時点が、現時点から1~2時間後程度の場合を「短時間」・「短期間」とし、7~8時間後程度の場合を「長時間」・「長期間」であるものとして説明する。また、予測(操業のシミュレーション)に用いるモデルは特に限定されないが、例えば非特許文献1に記載の数学モデルを用いることができる。
(重み付け係数の決定方法4)
本実施形態の重みづけ係数は、予測のためのモデル上での高炉の操業において、アクション毎に最適化した係数を適用してアクション量を求めるために、アクションを行う各時間について以下の方法であらかじめ重みづけ係数を求める。なお、第1の実施形態の決定方法1~3は、実際の高炉の操業において実施するアクションのアクション量を決定する際の重み付け係数を決定するのに対し、本実施形態の決定方法4は予測を行うためのモデル上での操業におけるアクション量を決定するための重み付け係数を決定する点で異なる。
本実施形態の重みづけ係数は、予測のためのモデル上での高炉の操業において、アクション毎に最適化した係数を適用してアクション量を求めるために、アクションを行う各時間について以下の方法であらかじめ重みづけ係数を求める。なお、第1の実施形態の決定方法1~3は、実際の高炉の操業において実施するアクションのアクション量を決定する際の重み付け係数を決定するのに対し、本実施形態の決定方法4は予測を行うためのモデル上での操業におけるアクション量を決定するための重み付け係数を決定する点で異なる。
まず適当な過去の操業データ(以下、「過去データ」とする。)を用意し予測を開始するタイミングを決め、その時点までの高炉の操業状態の情報を入力してモデルによる操業の予測計算(シミュレーション)を行う。そして、計算する際に、アクションを実行する各時間において、第1の実施形態の方法により設定される各モデル(数学モデル、データベースモデル、エキスパートモデル)の重み付け係数の大きさを様々変化させて予測を計算する。様々な重みづけ係数の組み合わせによる予測結果から、予測値と過去データの実績値との誤差が最小となる重みづけ係数の組み合わせを、その時間のアクション量決定に用いる重み付け係数として決定する。
過去データは複数用意して予測値と比較を行い誤差が最小になる重み付けを決定するのが好ましい。また、第1の実施形態の重み付け係数は、決定方法1~3のいずれの方法によるものであっても、高炉の炉内状態指数I(安定度)に応じて変わる。そのため、重み付け係数を求める各時間について、それぞれ安定状態から不安定状態まで様々な安定度の過去データとの比較を行って、誤差が最小となる重み付け係数を設定することが好ましい。これにより、短期間から長期間まで、そして安定状態から不安定状態まで高炉の操業状態を精度よく予測可能となる。
たとえば、予測対象の実際の高炉における操業が、1時間ごとにアクションとそのアクション量を決定して実行する操業であり、モデルによりその高炉操業について8時間分の予測を行う場合であれば、1時間後、2時間後、・・・8時間後の計8回アクション量を決定してアクションを行う。この場合、各時間の操業状態の予測値について過去データとの誤差が最小になるアクション量が算出されるような、重みづけ係数の組み合わせをそれぞれ求めて、計8個の時間毎の重み付け係数として決定する。すなわち、例えば溶銑温度を予測する場合であれば、各時間について、様々に変化させた重み付け係数によってアクション量を決定して、モデル上でアクションを実行した場合に、各時間の溶銑温度の予測値と過去データの値との誤差が最小となった重み付け係数を、その時間の重み付け係数として決定する。
予測値と過去データとの誤差を評価する方法は特に限定されないが、二乗平均平方根誤差(RMSE:Root Mean Square Error)によって誤差の評価を行うことができる。また、誤差の評価に用いるモデルの出力変数は特に限定されないが、溶銑温度、溶銑のSi濃度、出銑量、炉頂ガス温度、炉頂ガス流量などの主要な変数のいずれかを用いればよい。
決定方法4で重み付け係数を決定する際にベースとして利用する重み付け係数は、第1の実施形態で示した決定方法1~3のいずれかの方法によるものを用いることができ、たとえば決定方法2によって決定される重み付け係数を用いればよい。図4に、決定方法4によって決定した重み付け係数の一例を示す。図4(a)が1時間後のアクション量決定に用いる重み付け係数の関係を示し、図4(b)が8時間後のアクション量決定に用いる重み付け係数の関係を示す。なお、図4には、2つの時点の重み付け係数を示したが、アクション量を決定する2時間後~7時間後の各時間についてもそれぞれ同様に重み付け係数を作成する。
図4(a)は、上述の通りモデルによる操業の予測において、現時点から1時間後のアクション量を決定する場合に用いるものであり、短時間の予測に用いられるので、短時間の予測精度の高いデータベースモデルの重み付け係数の比率が大きい。一方、図4(b)は8時間後のアクション量を決定する場合に用いるものであり、長時間の予測精度の高い数学モデルの重み付け係数の比率(寄与率)が大きい。2時間後~7時間後についても、図4(a)の関係から時間ごとに徐々に数学モデルの比率が高くなり、データベースモデルの比率が低くなる5つの重み付け係数の組み合わせが設定される。
なお、エキスパートモデルについても、過去データとの誤差が最小になる重み付け係数を各時間について設定すればよいが、数学モデルやデータベースモデルに比べると短時間、長時間での予測精度変化は少ないので、長時間予測での数学モデルの比率の上昇に応じて、エキスパートモデルの比率が低下していると言える。
本実施形態のアクション量決定方法によれば、各モデル(数学モデル、データベースモデル、エキスパートモデル)の短時間から長時間の予測精度の変化に対応した重み付け係数を時間毎に設定することができる。つまりモデル上での高炉操業の予測において、アクション量を決定する時間毎に予測精度がより高くなるように調整された重み付け係数を用いてアクション量を決定することができる。そうすると、各時間においてアクション量がより適切に決定され、結果としてモデルによる予測において長時間でもより精度よく高炉の操業状態を予測することができる。そして、長時間にわたって高精度な予測を参照しながら高炉の操業を行うことで、実際のアクションの移行をスムーズに行うことができる。また、本方法によれば、本方法に基づくより適切なアクション量を提案する高炉の操業支援システムや、予測により決定されたアクションを実行することで安定的に操業可能な高炉の自動制御システムを実現することもできる。
(決定方法1~3についての評価)
炉容積が5000m3級であり、還元材比が500kg/pig-tである高炉を対象とした。数学モデル、データベースモデル及びエキスパートモデルのそれぞれでは、羽口上熱バランスが目標値に維持されることを条件として、アクションを決定するとともに、このアクションに応じたアクション量を決定した。
炉容積が5000m3級であり、還元材比が500kg/pig-tである高炉を対象とした。数学モデル、データベースモデル及びエキスパートモデルのそれぞれでは、羽口上熱バランスが目標値に維持されることを条件として、アクションを決定するとともに、このアクションに応じたアクション量を決定した。
数学モデルとしては、非特許文献1に記載の二次元非定常モデルを利用した。データベースモデルでは、過去1年間の操業実績を蓄積したデータベースを利用した。この操業実績には、送風量などの羽口先条件、炉頂におけるガスの成分や温度などの炉頂ガス条件、高炉の装入物(コークスや鉱石など)の装入量や成分などの装入条件が含まれる。エキスパートモデルでは、社内で予め決められたルールを利用した。
炉内状態指数Iは、One Class SVM(上記規定方法2)を利用して10分の周期で算出した。炉内状態指数Iは0.0以上、1.0以下の値である。統合アクション量Atоtalを算出するための重み付け係数k1~k3については、上述した決定方法1~3のそれぞれによって決定した。そして、決定方法1~3のそれぞれによって決定された重み付け係数k1~k3を用いて統合アクション量Atоtalを算出した。
また、決定方法3によって決定された重み付け係数k1~k3を用いて算出された統合アクション量Atоtalに対して上述した補正係数kcを用いて補正を行い、補正後の統合アクション量Atоtalを算出した。ここで、実測変化量ΔMI_mは目標変化量ΔMI_tよりも少なくなっていたため、決定方法3に基づく統合アクション量Atоtalでは不足していると判断した。実測変化量ΔMI_m及び目標変化量ΔMI_tに基づいて割合Rd[%]を求めたところ、割合Rdは20%であった。このため、補正係数kcは、上記式(8)に基づいて1.2[-]とした。補正後の統合アクション量Atоtalは、決定方法3に基づく統合アクション量Atоtalに対して補正係数kc(1.2[-])を乗算した量となる。
上述した統合アクション量Atоtalに基づいて、高炉の操業を行った。ここで、アクションは微粉炭の吹込みとし、統合アクション量Atоtalは微粉炭吹込み量とした。炉内状態指数Iは10分の周期で算出されるため、10分毎に統合アクション量Atоtalに基づく高炉の操業を行った(実施例)。一方、比較例としては、オペレータの判断に基づいて、高炉の操業を行った。
図5には、上述した実施例及び比較例による高炉の操業を行った後において、高炉操業の総時間tsに対して、炉内状態指数Iが0.7以上であるときの総時間t0.7が占める時間比率Rt(Rt=(t0.7/ts)×100)を示す。ここで、高炉の操業期間は、実施例及び比較例において、同一の期間(2ヵ月)とした。上述したように、炉内状態指数Iが0.7以上であるときには、炉内状態が安定状態となる。そして、時間比率Rtが高いほど、炉内状態が安定状態となっている時間が長くなり、時間比率Rtが低いほど、炉内状態が安定状態となっている時間が短くなる。
比較例では、時間比率Rtが最も低く、炉内状態が安定化しにくいことが分かった。上記決定方法1によって決定された重み付け係数k1~k3から算出された統合アクション量Atоtalに基づいて高炉の操業を行った場合には、比較例よりも時間比率Rtが高くなり、炉内状態が安定化していることが分かった。
上記決定方法2によって決定された重み付け係数k1~k3から算出された統合アクション量Atоtalに基づいて高炉の操業を行った場合には、上記決定方法1の場合よりも時間比率Rtが高くなり、炉内状態が安定化していることが分かった。上記決定方法3によって決定された重み付け係数k1~k3から算出された統合アクション量Atоtalに基づいて高炉の操業を行った場合には、上記決定方法2の場合よりも時間比率Rtが高くなり、炉内状態が安定化していることが分かった。補正後の統合アクション量Atоtalに基づいて高炉の操業を行った場合には、上記決定方法3の場合よりも時間比率Rtが高くなり、炉内状態が安定化していることが分かった。
(決定方法4を用いた操業状態の予測精度の評価)
炉容積が5000m3級であり、還元材比が500kg/pig-tである高炉を対象として、モデルによる操業の予測を行った。上記決定方法4で決定した重み付け係数を用いて求めた統合アクション量で各時間のアクションを行ってモデル上の操業を行い予測値を算出した。そして、予測値と上記高炉での操業による実績値との比較を行って、予測精度の評価を行った。
炉容積が5000m3級であり、還元材比が500kg/pig-tである高炉を対象として、モデルによる操業の予測を行った。上記決定方法4で決定した重み付け係数を用いて求めた統合アクション量で各時間のアクションを行ってモデル上の操業を行い予測値を算出した。そして、予測値と上記高炉での操業による実績値との比較を行って、予測精度の評価を行った。
予測精度の評価として、溶銑温度の予測値と実績値との比較を行った。比較は、予測開始の起点とする時点までの実炉の操業状態をモデルに入力し、起点から1時間ごとに8時間後まで溶銑温度を予測した。8時間分の予測を上記起点から1週間分行った。つまり、1時間経過毎にその時点までの高炉の操業状態をモデルに入力して新たな予測を行い、1日24個、1週間で計168個の8時間分の予測結果を得た。それぞれの予測結果について、各時間について実炉の実績値と比較を行って誤差を求めた。誤差は、相対RMSEを用いて評価した。相対RMSEは、RMSE/実績値(二乗平均平方根誤差を実績値で除したもの)によって求められる相対誤差である。
比較例として、上記決定方法2によって決定した1種類の重み付け係数を各時間について用いてアクション量を決定し、操業を予測した場合についても、同様に予測値と実績値との比較を行った。つまり、比較例については、どの時間のアクションについても、現時点からの時間によるモデルの精度が考慮されていない重み付け係数を用いてアクション量を決定した。
図6に、実施例である決定方法4による予測の比較結果と、上記比較例の予測の比較結果を示す。図6のグラフは、縦軸に相対RMSE、横軸は予測の起点を0時間としたときの時間を示す。図6に示すように、決定方法4によって決定した各時間で設定した重み付け係数を用いたモデルによる予測値は、1時間後および2時間後までは比較例と比べて差が小さいものの、それ以降の長時間の場合では、比較例に比べて大幅に誤差を低下できたことを確認できた。よって、モデルによる操業の予測において、各時間のアクション量が適切に決定され、長時間にわたって精度の高い予測を行うことができた。
100:統合アクション量算出部、101:第1アクション決定部(数学モデル)、102:第2アクション決定部(データベースモデル)、103:第3アクション決定部(エキスパートモデル)、104:炉内状態指数算出部
Claims (11)
- 高炉の操業時に取得した操業管理指標のデータに基づいて、安定状態及び不安定状態の間で細分化された炉内状態を規定する炉内状態指数を求め、
互いに異なる複数種類のモデルのそれぞれにおいて、前記操業管理指標のデータに基づいて、所定のアクションで炉内状態を安定化させるためのアクション量を決定し、
前記各モデルのアクション量に対して、前記炉内状態指数に応じた重み付け加算を行うことにより、統合アクション量を求め、
前記統合アクション量を高炉操業のアクションにおけるアクション量として決定することを特徴とする高炉操業のアクション量決定方法。 - 前記モデルは、
高炉内における物質収支、エネルギ収支及び運動量収支から推定される炉内状態に基づいて前記アクション量を決定する数学モデルと、
過去の操業実績を蓄積したデータベースに基づいて前記アクション量を決定するデータベースモデルと、
高炉操業のエキスパートの経験則から作成されたルールに基づいて前記アクション量を決定するエキスパートモデルと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の高炉操業のアクション量決定方法。 - 炉内状態が安定状態に近づくほど、前記炉内状態指数が高くなるとき、
前記炉内状態指数が高いほど、前記数学モデルの重み付けを高くすることを特徴とする請求項2に記載の高炉操業のアクション量決定方法。 - 炉内状態が安定状態に近づくほど、前記炉内状態指数が高くなるとき、
前記炉内状態指数が低いほど、前記エキスパートモデルの重み付けを高くすることを特徴とする請求項2又は3に記載の高炉操業のアクション量決定方法。 - 炉内状態が安定状態であるときの前記炉内状態指数が1.0であり、炉内状態が不安定状態であるときの前記炉内状態指数が0.0であり、
前記炉内状態指数は、細分化された炉内状態に応じて、0.0以上、1.0以下の範囲内の値を示すことを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の高炉操業のアクション量決定方法。 - 前記統合アクション量でアクションを行ったときの前記操業管理指標の変化量である実測変化量を測定し、
前記実測変化量が、前記統合アクション量でアクションを行う際に目標とする前記操業管理指標の変化量である目標変化量よりも少ないとき、前記実測変化量及び前記目標変化量の差に基づいて、前記統合アクション量を増加方向に補正するための補正係数を決定することを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の高炉操業のアクション量決定方法。 - 前記統合アクション量でアクションを行ったときの前記操業管理指標の変化量である実測変化量を測定し、
前記実測変化量が、前記統合アクション量でアクションを行う際に目標とする前記操業管理指標の変化量である目標変化量よりも多いとき、前記実測変化量及び前記目標変化量の差に基づいて、前記統合アクション量を減少方向に補正するための補正係数を決定することを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の高炉操業のアクション量決定方法。 - 請求項1から7のいずれか1つに記載のアクション量決定方法によって決定された前記統合アクション量に基づいて高炉の操業を行うことを特徴とする高炉の操業方法。
- 前記統合アクション量を高炉の操業状態を予測するモデル上での操業におけるアクション量として決定し、
前記モデル上でのアクションのタイミングが現在から先の時点であるほど、前記数学モデルの重み付けを高くし、前記データベースモデルの重み付けを低くする、請求項3又は4に記載の高炉操業のアクション量決定方法。 - 高炉の操業時に取得した操業管理指標のデータに基づいて、安定状態及び不安定状態の間で細分化された炉内状態を規定する炉内状態指数を求める工程と、
互いに異なる複数種類のモデルのそれぞれにおいて、前記操業管理指標のデータに基づいて、所定のアクションで炉内状態を安定化させるためのアクション量を決定する工程と、
前記各モデルのアクション量に対して、前記炉内状態指数に応じた重み付け加算を行うことにより、統合アクション量を求める工程と、
前記統合アクション量を高炉操業のアクションにおけるアクション量として決定する工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする高炉操業のアクション量決定プログラム。 - 高炉の操業時に取得した操業管理指標のデータに基づいて、安定状態及び不安定状態の間で細分化された炉内状態を規定する炉内状態指数を求める炉内状態指数算出部と、
互いに異なる複数種類のモデルのそれぞれにおいて、前記操業管理指標のデータに基づいて、所定のアクションで炉内状態を安定化させるためのアクション量を決定するアクション決定部と、
前記各モデルのアクション量に対して、前記炉内状態指数に応じた重み付け加算を行うことにより、統合アクション量を求める統合アクション量算出部と、を有し、
前記統合アクション量は、高炉操業のアクションにおけるアクション量として決定されることを特徴とする高炉操業のアクション量決定システム。
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