JP2022135979A - 可変色粘着シートの変色抑制方法および積層シート - Google Patents

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Takeshi Nakano
大輔 水野
Daisuke Mizuno
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Abstract

Figure 2022135979000001
【課題】外部刺激の付与によって着色可能な可変色粘着シートにおいて、着色済領域の良好な着色と、着色済領域形成後の非着色済領域の経時的な変色の抑制とを、両立するのに適した方法、および、これによって得られる積層シートを提供する。
【解決手段】本発明の方法は、第1工程および第2工程を含む。第1工程では、外部刺激に因る着色性を有する可変色粘着シートXを用意する。当該可変色粘着シートXは、着色済領域11と非着色済領域12とを含む。第2工程では、可変色粘着シートXの着色性を低下させるための着色性低下メディアを、可変色粘着シートXに接触させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、可変色粘着シートの変色抑制方法および積層シートに関する。
所定波長の光照射によって照射箇所を着色可能な透明な粘着シート(可変色粘着シート)が知られている。可変色粘着シートは、光照射に起因して当該粘着シートを着色させる事後的着色剤(成分または成分群)を含有する。
一方、有機ELパネルなどのディスプレイパネルは、画素パネルおよびカバー部材などを含む積層構造を有する。そのようなディスプレイパネルの製造過程では、積層構造に含まれる要素どうしの貼り合わせのために、例えば可変色粘着シートが用いられる。例えば、次のとおりである。
まず、可変色粘着シートが被着体に貼り合わされる(貼合せ工程)。次に、被着体と可変色粘着シートとの間における異物および気泡の有無が、検査される。検査を通過しない場合、第1被着体から可変色粘着シートが剥がされ、その後、別の可変色粘着シートを用いて貼合せ工程がやり直される。検査を通過する場合、第1被着体上の可変色粘着シートの所定箇所に意匠性、遮蔽性、反射防止性などを付与するために、当該箇所が所定波長の光照射によって着色される。すなわち、可変色粘着シートに着色済領域が形成される。その後、第1被着体に対し、当該可変色粘着シートを介して第2被着体が接合される。例えばこのように用いられる可変色粘着シートは、例えば下記の特許文献1に記載されている。
特開2020-152905号公報
可変色粘着シートにおいて、良好な着色性を実現するためには、事後的着色剤の配合量は多い方がよい。しかし、着色済領域の形成後の可変色粘着シートにおいては、事後的着色剤の配合量が多いほど、着色済領域が形成されていない領域(非着色済領域)が経時的に変色しやすい。非着色済領域の変色は、着色済領域および非着色済領域の機能の劣化を招き、好ましくない。
本発明は、外部刺激の付与によって着色可能な可変色粘着シートにおいて、着色済領域の良好な着色と、着色済領域形成後の非着色済領域の経時的な変色の抑制とを、両立するのに適した方法、および、これによって得られる積層シートを提供する。
本発明[1]は、外部刺激に因る着色性を有する可変色粘着シートであって、着色済領域と非着色済領域とを含む可変色粘着シートを、用意する第1工程と、前記可変色粘着シートの前記着色性を低下させるための着色性低下メディアを、前記可変色粘着シートに接触させる、第2工程とを含む、可変色粘着シートの変色抑制方法を含む。
本方法では、第2工程において、着色済領域と非着色済領域とを含む可変色粘着シートに対し、当該粘着シートの着色性を低下させるための着色性低下メディアを接触させる。このような構成は、着色済領域と非着色済領域とを含む可変色粘着シートにおいて、非着色済領域の着色性を低下させて、非着色済領域の経時的な変色を抑制するのに適する。また、本方法では、そのような第2工程が後に実施される予定の下、第1工程において、着色済領域と非着色済領域とを含む可変色粘着シートが用意される。このような構成は、可変色粘着シートを、外部刺激に因る着色性が高くて着色済領域が良好に着色している粘着シートとして、用意するのに適する。着色済領域が良好に着色するほどに着色性が高い可変色粘着シートであっても、第2工程において着色性低下メディアとの接触によって着色性が低下されるため、当該第2工程後には、非着色済領域の経時的な変色が抑制される。このように、本方法は、外部刺激の付与によって着色可能な可変色粘着シートにおいて、着色済領域の良好な着色と、着色済領域形成後の非着色済領域の経時的な変色の抑制とを、両立するのに適する。
本発明[2]は、前記可変色粘着シートが、外部刺激を受けて第1反応を生ずる第1化合物と、前記第1反応の生成物との第2反応によって発色する第2化合物とを含有する、上記[1]に記載の可変色粘着シートの変色抑制方法を含む。
このような構成によると、第1化合物と第2化合物との協働によって適切に着色させた可変色粘着シートを、第1工程において用意できる。
本発明[3]は、前記第1化合物が光酸発生剤であり、前記第2化合物が、酸との反応により発色する発色性化合物である、上記[2]に記載の可変色粘着シートの変色抑制方法を含む。
このような構成によると、上記外部刺激として光照射を利用して着色させた可変色粘着シートを、第1工程において用意できる。可変色粘着シートに対する所定波長の光照射により、当該照射箇所において、光酸発生剤から酸を発生させ、当該酸との反応によって発色性化合物を発色させて、当該箇所を着色できる。
本発明[4]は、前記第2工程では、前記可変色粘着シートから前記第1化合物を前記着色性低下メディアに抽出するか、または、前記着色性低下メディアが、前記着色性を低下させるための着色性低下成分を含有し、前記第2工程では、前記着色性低下成分を前記着色性低下メディアから前記可変色粘着シートに導入する、上記[2]または[3]に記載の可変色粘着シートの変色抑制方法を含む。
このような構成は、第2工程において可変色粘着シートの着色性を低下させるのに適する。
本発明[5]は、前記第1化合物、前記第2化合物、および前記着色性低下成分が共存する第1の系における前記外部刺激付与による透過率の低下ΔT1が、前記着色性低下成分が存在しないこと以外は前記第1の系と同じ第2の系における前記外部刺激付与と同じ外部刺激付与による透過率の低下ΔT2より小さい、上記[4]に記載の可変色粘着シートの変色抑制方法を含む。
このような構成は、第2工程において可変色粘着シートの着色性を低下させるのに適する。
本発明[6]は、前記着色性低下成分が、紫外線吸収剤、中和剤、およびラジカルトラップ剤からなる群より選択される少なくとも一つを含む、上記[5]に記載の可変色粘着シートの変色抑制方法を含む。
このような構成は、上記第1成分として光酸発生剤を用いる場合において、第2工程で可変色粘着シートの着色性を低下させるのに適する。
本発明[7]は、前記着色性低下メディアが着色性低下シートであり、前記第2工程では、前記着色性低下シートを前記可変色粘着シートに貼り合わせる、上記[1]から[6]のいずれか一つに記載の可変色粘着シートの変色抑制方法を含む。
このような構成は、可変色粘着シートが用いられるデバイスの製造過程で、効率よく第2工程を実施するのに適する。
本発明[8]は、前記第2工程では、前記可変色粘着シートの前記着色済領域の少なくとも一部と前記着色性低下シートとの間にマスク材を介在させた状態で、前記着色性低下シートを前記可変色粘着シートに貼り合わせる、上記[7]に記載の可変色粘着シートの変色抑制方法を含む。
このような構成は、第2工程において、可変色粘着シートの着色性低下箇所を制御するのに適する。
本発明[9]は、前記着色性低下シートが、極性基含有ポリマーを含有する、上記[7]または[8]に記載の可変色粘着シートの変色抑制方法を含む。
このような構成は、第2工程において、可変色粘着シートから第1化合物を着色性低下シートに抽出するのに適する。
本発明[10]は、前記着色性低下シートが粘着シートである、上記[7]から[9]のいずれか一つに記載の可変色粘着シートの変色抑制方法を含む。
このような構成は、第2工程において、可変色粘着シートに対して着色性低下シートを高密着させるのに適する。また、当該構成は、第2工程で得られる積層シート(可変色粘着シートと着色性低下シートとの積層体)を両面粘着シートとして機能させるのに適する。
本発明[11]は、前記着色性低下メディアが着色性低下溶媒である、上記[1]から[6]のいずれか一つに記載の変色抑制方法を含む。
このような構成は、第2工程を効率よく実施するのに好ましい。
本発明[12]は、上記[7]から[10]のいずれか一つに記載の可変色粘着シートの変色抑制方法によって得られる積層シートであって、前記可変色粘着シートと、前記可変色粘着シートに貼り合わされた前記着色性低下シートとを備える、積層シートを含む。
このような積層シートは、着色済領域の良好な着色と非着色済領域の変色抑制とが両立された可変色粘着シートを、ディスプレイパネルなどのデバイスの構造部材として組み付けるのに適する。
本発明の可変色粘着シートの変色抑制方法の一実施形態における第1工程を表す。 本発明の可変色粘着シートの変色抑制方法の一実施形態における第2工程を表す。 図2に示す第2工程の後に、第1部材と第2部材とが積層シートを介して接合された場合を表す。 第2工程において着色性低下メディアとして着色性低下溶媒を用いた場合、または、第2工程後に可変色粘着シートから着色性低下シートが剥離された場合において、当該第2工程の後に、第1部材と第2部材とが可変色粘着シートを介して接合された場合を表す。 本発明の可変色粘着シートの変色抑制方法の一変形例を表す。本変形例では、可変色粘着シートの着色済領域と着色性低下シートとの間にマスク材を介在させた状態で、着色性低下シートを可変色粘着シートに貼り合わせる。
本発明の可変色粘着シートの変色抑制方法は、第1工程と第2工程とを含む。
まず、第1工程では、図1に示すように、可変色粘着シートXを用意する。
可変色粘着シートXは、所定の厚さのシート形状を有し、厚さ方向と直交する方向(面方向)に延びる。可変色粘着シートXは、第1粘着性組成物から形成されている。また、可変色粘着シートXは、外部刺激に因る着色性を有する粘着シートであり、既に着色された第1領域11(着色済領域)と、第1領域11が形成されていない第2領域12(非着色済領域)とを含む。第2領域12は、好ましくは透明性(可視光透過性)を有する。可変色粘着シートXは、本実施形態では、ベースポリマーと、外部刺激を受けて第1反応を生ずる第1化合物と、第1反応の生成物との第2反応によって発色する第2化合物とを含有する。このような構成によると、第1化合物と第2化合物との協働によって適切に着色させた可変色粘着シートXを、第1工程において用意できる。
外部刺激としては、可変色粘着シートXが含有する成分に応じて、例えば、光照射および加熱が挙げられる。光照射における光の種類としては、例えば、紫外線、可視光、および赤外線が挙げられ、使用設備の多様性の観点から紫外線が好ましい。可変色粘着シートXにおいて、好ましくは、第1化合物が光酸発生剤であり、且つ、第2化合物が、酸との反応により発色する発色性化合物である。このような構成によると、上記外部刺激として光照射を利用して着色させた可変色粘着シートXを、第1工程において用意できる。可変色粘着シートXに対する所定波長の光照射により、当該照射箇所において、光酸発生剤から酸を発生させ、当該酸との反応によって発色性化合物を発色させて、当該箇所を着色できる。可変色粘着シートXの成分は、より具体的には、後述のとおりである。
第1工程において、可変色粘着シートXは、所定の被着体に貼り合わされていてもよい。図1は、可変色粘着シートXが、第1部材21の厚さ方向Tの一方面に貼り合わされている状態を、例示的に示す。第1部材21は、例えば、有機ELパネルなどのディスプレイパネルである。第1部材21は、他の電子デバイスであってもよいし、光学デバイスであってもよい。好ましくは、可変色粘着シートXが被着体に貼り合わされた後に、可変色粘着シートXの所定箇所に外部刺激が付与されて、第1領域11が形成される。第1部材21に対する可変色粘着シートXの貼り合わせの後、好ましくは第1領域11の形成前に、第1部材21と可変色粘着シートXとの間における異物および気泡の有無が検査される。
次に、第2工程では、そのような可変色粘着シートXに対して、可変色粘着シートXの着色性を低下させるための着色性低下メディアを接触させる。
着色性低下メディアとしては、失活用メディアおよび抽出用メディアが挙げられる。失活用メディアとは、可変色粘着シートXの着色性を低下させるための着色性低下成分を含有し、当該成分を可変色粘着シートXに導入するためのメディアである(失活用メディアは、可変色粘着シートXの機能としての着色性の阻害・失活のためのメディアである)。可変色粘着シートXと、当該シートに接触する失活用メディアとからなる系では、系内における着色性低下成分の濃度分布の偏りが小さくなるように、着色性低下成分の拡散が生じる。これにより、失活用メディアから可変色粘着シートXに着色性低下成分を導入できる(導入機能)。一方、抽出用メディアは、可変色粘着シートXから上述の第1化合物を抽出して可変色粘着シートXの着色性を低下させるためのメディアである。可変色粘着シートXと、当該シートに接触する抽出用メディアとからなる系では、系内における第1化合物の濃度分布の偏りが小さくなるように、第1化合物の拡散が生じる。これにより、可変色粘着シートXから抽出用メディアに第1化合物を抽出できる(抽出機能)。上述の失活用メディアは、このような抽出機能と上述の導入機能とを併有する場合、抽出用メディアを兼ねる。以上のような失活用メディアおよび抽出用メディアは、第2工程において、可変色粘着シートXの着色性を低下させるのに適する。また、着色性低下メディアとしては、着色性低下シートおよび着色性低下溶媒が挙げられる。すなわち、着色性低下メディアには、失活用シート、抽出用シート、失活用溶媒、および抽出用溶媒が含まれる。着色性低下シートは、本実施形態では、粘着シートである。
図2は、着色性低下メディアとしての着色性低下シートYを、第2工程で用いる場合を表す。この場合、第2工程では、可変色粘着シートXの厚さ方向Tの一方面に着色性低下シートYを貼り合わせる。着色性低下シートYは、所定の厚さのシート形状を有し、厚さ方向と直交する方向(面方向)に延びる。着色性低下シートYは、本実施形態では、第2粘着性組成物から形成された粘着シートである。また、本工程により、積層シートLが得られる。積層シートLは、可変色粘着シートXと、可変色粘着シートXに貼り合わされた着色性低下シートYとを備える。
可変色粘着シートXに対して着色性低下シートYを接触させる時間は、好ましくは1分以上、より好ましくは3分以上、更に好ましくは5分以上である。可変色粘着シートXから着色性低下シートYが事後的に剥離される場合、接触時間は、好ましくは72時間以下、より好ましくは48時間以下、更に好ましくは24時間以下、特に好ましくは12時間以下である。
着色性低下メディアとして着色性低下溶媒を第2工程で用いる場合、第2工程では、可変色粘着シートXに対して着色性低下溶媒を接触させる。着色性低下溶媒の成分は、具体的には後述のとおりである。接触方法としては、例えば、着色性低下溶媒に対す可変色粘着シートXの浸漬、および、可変色粘着シートXに対する着色性低下溶媒の噴霧が挙げられる。
可変色粘着シートXに対して着色性低下溶媒を接触させる時間は、好ましくは1分以上、より好ましくは3分以上、更に好ましくは5分以上である。当該接触時間は、好ましくは72時間以下、より好ましくは48時間以下、更に好ましくは24時間以下、特に好ましくは12時間以下である。
第2工程では、可変色粘着シートXおよび着色性低下メディア(図2では着色性低下シートY)を加熱するのが好ましい。着色性低下メディアとして失活用メディアを用いる場合、加熱により、失活用メディア中の着色性低下成分の、可変色粘着シートXへの移動が促進される。着色性低下メディアとして抽出用メディアを用いる場合、加熱により、可変色粘着シートX中の第1成分の、抽出用メディアへの移動が促進される。第2工程での加熱温度は、好ましくは30℃以上、より好ましくは50℃以上であり、また、好ましくは150℃以下、より好ましくは100℃以下である。
本方法では、上述のように、第2工程において、第1領域11(着色済領域)と第2領域12(非着色済領域)とを含む可変色粘着シートXに対し、当該粘着シートの着色性を低下させるための着色性低下メディアを接触させる。このような構成は、第1領域11と第2領域12とを含む可変色粘着シートXにおいて、第2領域12の着色性を低下させて、第2領域12の経時的な変色を抑制するのに適する。加えて、当該構成は、第1領域11の着色性を低下させて当該第1領域11の経時的な変色を抑制することや、第1領域11内で発色している第2化合物(着色成分)の劣化を抑制することに適し、従って、第1領域11の着色安定性を確保するのにも適する(具体的には、例えば後記の実施例7,8および比較例3を以て示すとおりである)。すなわち、本方法は、着色済領域を有する可変色粘着シートXの着色安定化方法としても、実施できる。着色済領域が可変色粘着シートXにおいて全面的に形成されている場合であっても、当該着色済領域の着色安定化効果を享受できる。可変色粘着シートXの着色済領域の着色安定化は、可変色粘着シートXの用途に応じた着色済領域の機能(意匠性、遮蔽性、反射防止性など)の確保の観点から好ましい。
また、本方法では、そのような第2工程が後に実施される予定の下、第1工程において、第1領域11と第2領域12とを含む可変色粘着シートXが用意される。このような構成は、可変色粘着シートXを、外部刺激に因る着色性が高くて第1領域11が良好に着色している粘着シートとして、用意するのに適する(可変色粘着シートXにおける第1化合物および/または第2化合物の含有量が多いほど、可変色粘着シートXの着色性は高い)。第1領域11が良好に着色するほどに第1化合物および/または第2化合物の含有量が多くて着色性が高い可変色粘着シートXであっても、第2工程において着色性低下メディアとの接触によって着色性が低下されるため、そのような第2工程後には、第2領域12の経時的な変色が抑制される。
以上のように、本方法は、外部刺激の付与によって着色可能な可変色粘着シートXにおいて、第1領域11の良好な着色と、第2領域12の経時的な変色の抑制とを、両立するのに適する。後記の参考例1~4を以て示すように、可変色粘着シートにおいては、着色処理前から光酸発生剤(第1化合物)および発色性化合物(第2化合物)と着色性低下成分とが共存する場合、当該可変色粘着シートは着色能力が低くて着色しにくい。これに対し、所定領域を着色させた後の可変色粘着シートXに対して事後的に着色性低下成分を浸透させることにより、前記所定領域については、その着色能力を十分に発揮させて良好に着色させられるとともに(第1領域11の形成)、非着色領域(第2領域12)については、変色しにくくさせて変色を抑制できる。
図2に示す第2工程の後には、例えば、図3に示すように、第1部材21と第2部材22とが積層シートLを介して接合される。第2部材M2は、例えば透明カバー部材である。透明カバー部材としては、例えば、透明プラスチックフィルムおよび透明ガラス板が挙げられる。本工程により、第1部材21と、積層シートL(可変色粘着シートXと着色性低下シートY)と、第2部材22とを厚さ方向Tに順に備える積層体Z1が得られる。
第2工程において着色性低下メディアとして着色性低下溶媒を用いた場合、または、図2に示す第2工程の後に可変色粘着シートXから着色性低下シートYが剥離された場合、そのような第2工程の後には、例えば、図4に示すように、第1部材21と第2部材22とが可変色粘着シートXを介して接合される。これにより、第1部材21と、可変色粘着シートXと、第2部材22とを厚さ方向Tに順に備える積層体Z2が得られる。
可変色粘着シートXを形成する第1粘着性組成物は、本実施形態では、ベースポリマーと、外部刺激を受けて第1反応を生ずる第1化合物と、第1反応の生成物との第2反応によって発色する第2化合物とを含有する。
ベースポリマーは、可変色粘着シートXにおいて粘着性を発現させるための粘着成分である。ベースポリマーは、室温域でゴム弾性を示す。ベースポリマーとしては、例えば、アクリルポリマー、ゴムポリマー、ポリエステルポリマー、ウレタンポリマー、ポリエーテルポリマー、シリコーンポリマー、ポリアミドポリマー、およびフッ素ポリマーが挙げられる。可変色粘着シートXにおける良好な透明性および粘着性を確保する観点から、ベースポリマーとしては、好ましくはアクリルポリマー(第1アクリルポリマー)が用いられる。
アクリルポリマーは、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを50質量%以上の割合で含むモノマー成分(第1モノマー成分)の共重合体である。「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸および/またはメタクリル酸を意味する。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、直鎖状または分岐状の炭素数1~20のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。そのような(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸イソトリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸イソテトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソオクタデシル(アクリル酸イソステアリル)、(メタ)アクリル酸ノナデシル、および(メタ)アクリル酸エイコシルが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、好ましくは、炭素数1~12のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルが用いられ、より好ましくは、メタクリル酸メチルと、炭素数2~12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとが併用され、更に好ましくは、メタクリル酸メチルと、アクリル酸2-エチルヘキシルとが併用される。
モノマー成分における(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合は、可変色粘着シートXにおいて粘着性等の基本特性を適切に発現させる観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上である。同割合は、例えば99質量%以下である。
第1モノマー成分は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な共重合性モノマーを含んでもよい。共重合性モノマーとしては、例えば、極性基を有するモノマーが挙げられる。極性基含有モノマーとしては、例えば、水酸基含有モノマー、窒素原子含有環を有するモノマー、および、カルボキシ基含有モノマーが挙げられる。極性基含有モノマーは、アクリルポリマーへの架橋点の導入、アクリルポリマーの凝集力の確保など、アクリルポリマーの改質に役立つ。
共重合性モノマーは、好ましくは、水酸基含有モノマー、窒素原子含有環を有するモノマー、および、カルボキシ基含有モノマーからなる群から選択される少なくとも一種を含む。より好ましくは、共重合性モノマーは、水酸基含有モノマーおよび/または窒素原子含有環を有するモノマーを含む。
水酸基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6-ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8-ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10-ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12-ヒドロキシラウリル、および(4-ヒドロキシメチルシクロへキシル)メチル(メタ)アクリレートが挙げられる。水酸基含有モノマーとしては、好ましくは(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチルが用いられ、より好ましくはアクリル酸2-ヒドロキシエチルが用いられる。
第1モノマー成分における水酸基含有モノマーの割合は、アクリルポリマーへの架橋構造の導入、および、可変色粘着シートXにおける凝集力の確保の観点からは、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上である。同割合は、アクリルポリマーの極性の調整の観点からは、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。アクリルポリマーの極性は、可変色粘着シートXにおける各種添加剤成分とアクリルポリマーとの相溶性に関わる。
窒素原子含有環を有するモノマーとしては、例えば、N-ビニル-2-ピロリドン、N-メチルビニルピロリドン、N-ビニルピリジン、N-ビニルピペリドン、N-ビニルピリミジン、N-ビニルピペラジン、N-ビニルピラジン、N-ビニルピロール、N-ビニルイミダゾール、N-ビニルオキサゾール、N-(メタ)アクリロイル-2-ピロリドン、N-(メタ)アクリロイルピペリジン、N-(メタ)アクリロイルピロリジン、N-ビニルモルホリン、N-ビニル-3-モルホリノン、N-ビニル-2-カプロラクタム、N-ビニル-1,3-オキサジン-2-オン、N-ビニル-3,5-モルホリンジオン、N-ビニルピラゾール、N-ビニルイソオキサゾール、N-ビニルチアゾール、およびN-ビニルイソチアゾールが挙げられる。窒素原子含有環を有するモノマーとしては、好ましくはN-ビニル-2-ピロリドンが用いられる。
第1モノマー成分における、窒素原子含有環を有するモノマーの割合は、可変色粘着シートXにおける凝集力の確保、および、可変色粘着シートXにおける対被着体密着力の確保の観点からは、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上である。同割合は、アクリルポリマーのガラス転移温度の調整、および、アクリルポリマーの極性の調整の観点からは、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、およびイソクロトン酸が挙げられる。
第1モノマー成分におけるカルボキシ基含有モノマーの割合は、アクリルポリマーへの架橋構造の導入、可変色粘着シートXにおける凝集力の確保、および、可変色粘着シートXにおける対被着体密着力の確保の観点からは、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上である。同割合は、アクリルポリマーのガラス転移温度の調整、および、酸による被着体の腐食リスクの回避の観点からは、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
第1モノマー成分は、他の共重合性モノマーを含んでいてもよい(後記の第2モノマー成分についても同様である)。他の共重合性モノマーとしては、例えば、酸無水物モノマー、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、アルコキシ基含有モノマー、および芳香族ビニル化合物が挙げられる。
アクリルポリマーは、上述の第1モノマー成分を重合させることによって形成できる。重合方法としては、例えば溶液重合、塊状重合、および乳化重合が挙げられ、好ましくは溶液重合が挙げられる。重合の開始剤としては、例えば熱重合開始剤が用いられる。重合開始剤の使用量は、第1モノマー成分100質量部に対して、例えば0.05質量部以上であり、また、例えば1質量部以下である。
熱重合開始剤としては、例えば、アゾ重合開始剤および過酸化物重合開始剤が挙げられる。アゾ重合開始剤としては、例えば、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス-2-メチルブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4'-アゾビス-4-シアノバレリアン酸、アゾビスイソバレロニトリル、2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2'-アゾビス[2-(5-メチル-2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、および、2,2'-アゾビス(N,N'-ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライドが挙げられる。過酸化物重合開始剤としては、例えば、ジベンゾイルペルオキシド、t-ブチルペルマレエ-ト、および過酸化ラウロイルが挙げられる。
アクリルポリマーの重量平均分子量は、可変色粘着シートXにおける凝集力の確保の観点からは、好ましくは10万以上、より好ましくは30万以上、更に好ましくは50万以上である。同重量平均分子量は、好ましくは500万以下、より好ましくは300万以下、更に好ましくは200万以下である。アクリルポリマーの重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(GPC)によって測定してポリスチレン換算により算出される。
アクリルポリマーのガラス転移温度(Tg)は、好ましくは0℃以下、より好ましくは-10℃以下、更に好ましくは-20℃以下である。同ガラス転移温度は、例えば-80℃以上である。
ポリマーのガラス転移温度(Tg)については、下記のFoxの式に基づき求められるガラス転移温度(理論値)を用いることができる。Foxの式は、ポリマーのガラス転移温度Tgと、当該ポリマーを構成するモノマーのホモポリマーのガラス転移温度Tgiとの関係式である。下記のFoxの式において、Tgはポリマーのガラス転移温度(℃)を表し、Wiは当該ポリマーを構成するモノマーiの重量分率を表し、Tgiは、モノマーiから形成されるホモポリマーのガラス転移温度(℃)を示す。ホモポリマーのガラス転移温度については文献値を用いることができ、例えば、「Polymer Handbook」(第4版,John Wiley & Sons, Inc., 1999年)および「新高分子文庫7 塗料用合成樹脂入門」(北岡協三著,高分子刊行会,1995年)には、各種のホモポリマーのガラス転移温度が挙げられている。一方、モノマーのホモポリマーのガラス転移温度については、特開2007-51271号公報に具体的に記載されている方法によって求めることも可能である。
Foxの式 1/(273+Tg)=Σ[Wi/(273+Tgi)]
第1粘着性組成物は、ベースポリマーへの架橋構造の導入の観点から、架橋剤を含有してもよい。架橋剤としては、例えば、イソシアネート架橋剤、エポキシ架橋剤、オキサゾリン架橋剤、アジリジン架橋剤、カルボジイミド架橋剤、および金属キレート架橋剤が挙げられる。架橋剤は、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。
イソシアネート架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、およびポリメチレンポリフェニルイソシアネートが挙げられる。また、イソシアネート架橋剤としては、これらイソシアネートの誘導体も挙げられる。当該イソシアネート誘導体としては、例えば、イソシアヌレート変性体およびポリオール変性体が挙げられる。イソシアネート架橋剤の市販品としては、例えば、コロネートL(トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体,東ソー社製)、コロネートHL(へキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体,東ソー社製)、コロネートHX(ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体,東ソー社製)、およびタケネートD110N(キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体,三井化学社製)が挙げられる。
エポキシ架橋剤としては、ビスフェノールA、エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレングリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジアミングリシジルアミン、N,N,N',N'-テトラグリシジル-m-キシリレンジアミン、および1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンが挙げられる。
架橋剤の配合量は、可変色粘着シートXの凝集力を確保する観点からは、ベースポリマー100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.07質量部以上である。可変色粘着シートXにおいて良好なタック性を確保する観点からは、ベースポリマー100質量部に対する架橋剤の配合量は、好ましくは10質量部以下であり、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下である。
ベースポリマーに架橋構造が導入される場合、架橋反応を効果的に進行させるために架橋触媒が用いられてもよい。架橋触媒としては、例えば、ジラウリン酸ジブチルスズ、テトラ-n-ブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、ナーセム第二鉄、およびブチルスズオキシドが挙げられ、好ましくはジラウリン酸ジブチルスズが用いられる。架橋触媒の使用量は、ベースポリマー100質量部に対して例えば0.0001質量部以上であり、また、例えば1質量部以下である。
架橋触媒が用いられる場合、第1粘着性組成物から事後的に除去可能な架橋抑制剤が第1粘着性組成物に配合されてもよい。架橋触媒としてジラウリン酸ジブチルスズが用いられる場合、架橋抑制剤としては、好ましくはアセチルアセトンが用いられる。この場合、第1粘着性組成物においては、アセチルアセトンがジラウリン酸ジブチルスズに配位し、ベースポリマーに対する架橋剤の架橋反応の進行は抑制される。可変色粘着シートXの後述の製造過程において、基材フィルム上に第1粘着性組成物が塗布されて塗膜が形成された後、所望のタイミングでの加熱により、アセチルアセトンを揮発させて塗膜から除去できる。これにより、架橋剤の架橋反応を進行させることができる。
架橋抑制剤の配合量は、架橋触媒100質量部に対して、好ましくは100質量部以上、より好ましくは1000質量部以上である。また、同配合量は、例えば5000質量部以下である。
第1化合物としては、例えば、酸発生剤が挙げられる。酸発生剤としては、例えば、光酸発生剤および熱酸発生剤が挙げられる。
光酸発生剤は、所定の波長または波長範囲の光が照射されることによって励起されて、酸発生反応を引き起こし、酸を発生する。酸発生反応は、例えば、光酸発生剤の分解反応である。酸発生反応を効率よく生じさせる光の波長は、光酸発生剤の種類によって異なる。
光酸発生剤としては、例えば、紫外線照射によって酸を発生するオニウム化合物が挙げられる。オニウム化合物は、例えば、オニウムカチオンとアニオンとのオニウム塩の形態で提供される。オニウムカチオンとしては、例えば、スルホニウムおよびヨードニウムが挙げられる。アニオンとしては、例えば、Cl,Br,I,ZnCl ,HSO ,BF ,PF ,AsF ,SbF ,CHSO ,CFSO ,CHSO ,(C),および(C)が挙げられる。光酸発生剤は、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。光酸発生剤としては、好ましくは、スルホニウムとCHSO とのオニウム塩、および/またはヨードニウム塩とCHSO とのオニウム塩が用いられる。
ベースポリマー100質量部に対する光酸発生剤の配合量は、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは5質量部以上、特に好ましくは7質量部以上である。同配合量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは12質量部以下である。
また、後記の発色性化合物100質量部に対する光酸発生剤の配合量は、好ましくは100質量部以上、より好ましくは200質量部以上、更に好ましくは300質量部以上、特に好ましくは330質量部以上である。同配合量は、好ましくは1000質量部以下、より好ましくは700質量部以下、更に好ましくは500質量部以下である。
第2化合物としては、例えば、酸との反応により発色する発色性化合物が挙げられる。当該発色性化合物としては、例えば、ロイコ色素、トリアリールメタン色素、ジフェニルメタン色素、フルオラン色素、スピロピラン色素、およびローダミン色素が挙げられる。発色性化合物は、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。
ロイコ色素としては、例えば、2'-アニリノ-6'-(N-エチル-N-イソペンチルアミノ)-3'-メチルスピロ[フタリド-3,9'-[9H]キサンテン]、3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジプロピルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジメチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-キシリジノフルオラン、および、3-(4-ジエチルアミノ-2-エトキシフェニル)-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-4-アザフタリドが挙げられる。
トリアリールメタン色素としては、例えば、p,p',p”-トリス-ジメチルアミノトリフェニルメタンが挙げられる。ジフェニルメタン色素としては、例えば、4,4-ビス-ジメチルアミノフェニルベンズヒドリルベンジルエーテルが挙げられる。フルオラン色素としては、例えば、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-クロロフルオランが挙げられる。スピロピラン色素としては、例えば、3-メチルスピロジナフトピランが挙げられる。ローダミン色素としては、例えば、ローダミン-B-アニリノラクタムが挙げられる。
可変色粘着シートXにおいて良好な着色性を確保する観点からは、発色性化合物としては、好ましくはロイコ色素、より好ましくは2'-アニリノ-6'-(N-エチル-N-イソペンチルアミノ)-3'-メチルスピロ[フタリド-3,9'-[9H]キサンテン]が用いられる。
ベースポリマー100質量部に対する発色性化合物の配合量は、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。同配合量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。
第1粘着性組成物は、必要に応じて他の成分を含有してもよい。他の成分としては、例えば、シランカップリング剤、粘着性付与剤、可塑剤、軟化剤、酸化防止剤、界面活性剤、増感剤、および帯電防止剤が挙げられる。
可変色粘着シートXは、例えば、上述の第1粘着性組成物のワニスを基材フィルム上に塗布して塗膜を形成した後、当該塗膜を乾燥させることによって、製造できる。基材フィルムとしては、例えば、可撓性を有するプラスチックフィルムが挙げられる。当該プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、およびポリエステルフィルムが挙げられる。基材フィルムの厚さは、例えば3μm以上であり、また、例えば200μm以下である。基材フィルムの表面は、好ましくは離型処理されている。
第1粘着性組成物が架橋剤を含む場合、上述の乾燥と同時に又はその後のエージングによって、架橋反応が進行する。エージング条件は、架橋剤の種類によって適宜設定される。エージング温度は、例えば20℃~160℃である。エージング時間は、例えば、1分から7日である。
エージングの前または後に、基材フィルム上の可変色粘着シートXの上に更に剥離フィルム(はく離ライナー)を積層してもよい。剥離フィルムは、表面離型処理が施された可撓性のプラスチックフィルムである。剥離フィルムとしては、例えば、基材フィルムに関して上述したプラスチックフィルムが挙げられる。
以上のようにして、剥離フィルムによって粘着面が被覆保護された可変色粘着シートXを製造できる。各剥離フィルムは、可変色粘着シートXを使用する際に必要に応じて可変色粘着シートXから剥がされる。
可変色粘着シートXの厚さは、被着体に対する充分な粘着性を確保する観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上である。可変色粘着シートXのハンドリング性の観点からは、可変色粘着シートXの厚さは、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下、更に好ましくは100μm以下、特に好ましくは50μm以下である。
可変色粘着シートXの波長400~700nmでの平均透過率(外部刺激付与前の平均透過率)は、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。このような構成は、可変色粘着シートXを被着体に貼り合わせた後に可変色粘着シートXと被着体との間における異物および気泡の有無を検査するのに適する。波長400~700nmでの平均透過率は、後記の実施例に関して後述する方法によって測定できる。
着色性低下シートYを形成する第2粘着性組成物は、ベースポリマーを含有する。ベースポリマーとしては、第1粘着性組成物に関して上述したベースポリマーが挙げられ、好ましくはアクリルポリマー(第2アクリルポリマー)が用いられる。
第2アクリルポリマーを形成するモノマー成分(第2モノマー成分)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む。当該(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、第1アクリルポリマーに関して上記した(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられ、好ましくは、炭素数6~18のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルが用いられ、より好ましくはアクリル酸2-エチルヘキシルおよび/またはアクリル酸イソステアリルが用いられる。
第2モノマー成分における(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合は、着色性低下シートYにおいて粘着性等の基本特性を適切に発現させる観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上である。同割合は、例えば99質量%以下である。
第2モノマー成分は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な共重合性モノマーを含んでもよい。当該共重合性モノマーとしては、第1アクリルポリマーに関して上記した共重合性モノマーが挙げられ、好ましくは極性基含有モノマーが用いられ、より好ましくは、水酸基含有モノマー、窒素原子含有環を有するモノマー、および、カルボキシ基含有モノマーからなる群より選択される少なくとも一つが用いられる。第2モノマー成分における水酸基含有モノマーとしては、好ましくは、アクリル酸2-ヒドロキシエチルおよび/またはアクリル酸4-ヒドロキシブチルが用いられる。第2モノマー成分における窒素原子含有環を有するモノマーとしては、好ましくはN-ビニル-2-ピロリドンが用いられる。第2モノマー成分におけるカルボキシ基含有モノマーとしては、好ましくはアクリル酸が用いられる。極性基含有モノマーを含む第2モノマー成分の共重合体としてのアクリルポリマーは、極性基含有ポリマーである。このようなアクリルポリマーは、可変色粘着シートXから上述の光酸発生剤など第1化合物を着色性低下シートYに抽出するのに好ましい。
第2モノマー成分における極性基含有モノマーの割合は、アクリルポリマーの凝集力の確保の観点、および、アクリルポリマーの極性の調整の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上であり、また、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。着色性低下シートYが抽出用シートである場合、可変色粘着シートXから着色性低下シートYへの光酸発生剤の移行のしやすさ(抽出性)を確保する観点から、第2モノマー成分における極性基含有モノマーの割合は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、また、好ましくは50質量%以下、より好ましくは35質量%以下である。
第2アクリルポリマーは、上述の第2モノマー成分を重合させることによって形成できる。重合方法としては、例えば溶液重合、塊状重合、および乳化重合が挙げられ、好ましくは溶液重合が挙げられる。重合の開始剤としては、例えば、上記の熱重合開始剤が用いられる。重合開始剤の使用量は、第2モノマー成分100質量部に対して、例えば0.05質量部以上であり、また、例えば1質量部以下である。
第2アクリルポリマーの重量平均分子量は、着色性低下シートYにおける凝集力の確保の観点からは、好ましくは10万以上、より好ましくは30万以上、更に好ましくは50万以上である。同重量平均分子量は、好ましくは500万以下、より好ましくは300万以下、更に好ましくは200万以下である。
第2アクリルポリマーのガラス転移温度(Tg)は、好ましくは0℃以下、より好ましくは-10℃以下、更に好ましくは-20℃以下である。同ガラス転移温度は、例えば-80℃以上である。
第2粘着性組成物は、ベースポリマーへの架橋構造の導入の観点から、架橋剤を含有してもよい。架橋剤としては、例えば、上記のイソシアネート架橋剤、上記のエポキシ架橋剤、オキサゾリン架橋剤、アジリジン架橋剤、カルボジイミド架橋剤、および金属キレート架橋剤が挙げられる。架橋剤は、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。架橋剤の配合量は、着色性低下シートYの凝集力を確保する観点からは、ベースポリマー100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.07質量部以上である。着色性低下シートYにおいて良好なタック性を確保する観点からは、ベースポリマー100質量部に対する架橋剤の配合量は、好ましくは10質量部以下であり、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下である。
ベースポリマーに架橋構造が導入される場合、架橋反応を効果的に進行させるために架橋触媒が用いられてもよい。当該架橋触媒としては、例えば、第1粘着性組成物に関して上記した架橋剤が挙げられる。架橋触媒の使用量は、ベースポリマー100質量部に対して例えば0.0001質量部以上であり、また、例えば1質量部以下である。架橋触媒が用いられる場合、第2粘着性組成物から事後的に除去可能な架橋抑制剤が第2粘着性組成物に配合されてもよい。当該架橋抑制剤としては、第1粘着性組成物に関して上記した架橋抑制剤が挙げられる。架橋抑制剤の配合量は、架橋触媒100質量部に対して、好ましくは100質量部以上、より好ましくは1000質量部以上である。また、同配合量は、例えば5000質量部以下である。
着色性低下シートYが失活用シートである場合、第2粘着性組成物は、更に、着色性低下成分を含有する。可変色粘着シートXが上述の第1成分として光酸発生剤を含有する場合、着色性低下成分としては、例えば、紫外線吸収剤、中和剤、およびラジカルトラップ剤が挙げられる。着色性低下成分は、好ましくは、紫外線吸収剤、中和剤、およびラジカルトラップ剤からなる群より選択される少なくとも一つを含む。
紫外線吸収剤は、上述の第2工程において着色性低下シートYから可変色粘着シートXに導入された後、可変色粘着シートXが受ける紫外線の一部または全部を吸収する。この紫外線吸収により、光酸発生剤が紫外線照射を受けた場合に生ずる酸発生反応が抑制され、従って、発色性化合物の発色が抑制される。これにより、第2工程後の可変色粘着シートXの着色性が低下する。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤、ベンゾフェノン紫外線吸収剤、オキシベンゾフェノン紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン紫外線吸収剤、サリチル酸エステル紫外線吸収剤、およびシアノアクリレート紫外線吸収剤が挙げられる。
中和剤は、上述の第2工程において着色性低下シートYから可変色粘着シートXに導入された後、光酸発生剤が生ずる酸の一部または全部を中和する。この中和作用により、光酸発生剤が紫外線照射を受けた場合に生ずる酸と発色性化合物との反応が抑制される。これにより、第2工程後の可変色粘着シートXの着色性が低下する。
中和剤としては、例えば、アルカリ性を示す第一級アミン、第二級アミン、および第三級アミンが挙げられる。第一級アミンとしては、例えば、モノエチルアミンおよびモノエタノールアミンが挙げられる。第二級アミンとしては、例えば、ジエチルアミンおよびジエタノールアミンが挙げられる。第三級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、N,N,N'-トリメチルエチレンジアミン、N-メチルジエタノールアミン、およびN,N-ジエチルヒドロキシルアミンが挙げられる。
ラジカルトラップ剤は、上述の第2工程において着色性低下シートYから可変色粘着シートXに導入された後、光酸発生剤の酸発生反応の開始時にラジカルが生じる場合に当該ラジカルを捕捉して、酸発生反応の進行を抑制する。これにより、発色性化合物の発色が抑制されて、第2工程後の可変色粘着シートXの着色性が低下する。
ラジカルトラップ剤としては、例えば、ヒンダードアミン化合物、ヒンダードフェノール化合物、N-オキシル化合物、ナフタレン誘導体、チオエーテル化合物、およびヒドラジル化合物が挙げられ、好ましくはヒンダードアミン化合物が用いられる。
第2粘着性組成物における着色性低下成分の割合は、ベースポリマー100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは2質量部以上である。同割合は、ベースポリマー100質量部に対して、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。
第1領域11(着色済領域)形成前の可変色粘着シートXに着色性低下成分が配合されている場合、可変色粘着シートXに対する外部刺激付与による第1領域11の形成は、阻害される。本発明の可変色粘着シートの変色抑制方法において、着色性低下メディアとして失活用メディアを用いる場合、第1領域11形成後に可変色粘着シートXに着色性低下成分を導入できるので、そのような不具合を回避できる。
失活用メディアにおいて、第1化合物、第2化合物、および着色性低下成分が共存する第1の系における外部刺激付与による透過率の低下ΔT1は、好ましくは、着色性低下成分が存在しないこと以外は第1の系と同じ第2の系における外部刺激付与と同じ外部刺激付与による透過率の低下ΔT2より小さい。ΔT2とΔT1との差(ΔT2-ΔT1)は、好ましくは5%以上、より好ましくは15%以上、更に好ましくは30%以上、特に好ましくは50%以上である。透過率は、例えば、波長400~700nmでの平均透過率であり、後記の実施例に関して後述する方法によって測定できる。このような構成は、第2工程において可変色粘着シートXの着色性を低下させるのに適する。
第2粘着性組成物は、必要に応じて他の成分を含有してもよい。他の成分としては、例えば、シランカップリング剤、粘着性付与剤、可塑剤、軟化剤、酸化防止剤、界面活性剤、および帯電防止剤が挙げられる。
着色性低下シートYを形成する第2粘着性組成物は、上述の光酸発生剤など第1化合物、および、上述の発色性化合物など第2化合物を、含有しない。また、抽出用シートとしての着色性低下シートYを形成する第2粘着性組成物は、紫外線吸収剤、中和剤、およびラジカルトラップ剤など着色性低下成分を、含有しない。
着色性低下シートYは、例えば、上述の第2粘着性組成物のワニスを基材フィルム上に塗布して塗膜を形成した後、当該塗膜を乾燥させることによって、製造できる。具体的には、可変色粘着シートXの上述の製造方法と同様である。
着色性低下シートYの厚さは、着色性低下機能の良好な発現の観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上である。着色性低下シートYのハンドリング性の観点からは、着色性低下シートYの厚さは、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下である。
着色性低下シートYの波長400~700nmでの平均透過率は、可変色粘着シートXの第1領域11の波長400~700nmでの平均透過率より高く、例えば40%以上であり、また、例えば99%以下である。例えば、積層シートLの面方向における、第2領域12(非着色済領域)部分の透過率調整の観点、および、第2領域12部分と第1領域11(着色済領域)部分とのコントラスト差向上の観点からは、着色性低下シートYの波長400~700nmでの平均透過率は、好ましくは45%以上、より好ましくは50%以上、更に好ましくは60%以上である。当該平均透過率は例えば100%以下である。例えば、積層シートLの面方向における、第2領域12(非着色済領域)部分での反射防止の観点、および、第2領域12部分の見栄え調整の観点からは、着色性低下シートYの波長400~700nmでの平均透過率は、好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは70%以下である。当該平均透過率は例えば50%以上である。
第2工程では、図5に示すように、可変色粘着シートXの第1領域11と着色性低下シートXとの間にマスク材Mを介在させた状態で、着色性低下シートYを可変色粘着シートXに貼り合わせてもよい。マスク材Mは、例えば、第1領域11が形成される前に可変色粘着シートX上に配置されてもよいし、第1領域11が形成された後に可変色粘着シートX上に配置されてもよい。
マスク材Mは、例えば、透明なプラスチックフィルムである。プラスチックフィルムの材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セルロース、ポリスチレン、およびポリカーボネートが挙げられる。ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレンが挙げられる。ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、およびポリブチレンテレフタレートが挙げられる。ポリアミドとしては、例えば、ポリアミド6、ポリアミド6,6、および部分芳香族ポリアミドが挙げられる。
マスク材Mが配置されている領域では、可変色粘着シートXと着色性低下シートYとの間の成分移動は阻止される。このようなマスク材Mの使用は、第2工程において、可変色粘着シートXに対する着色性低下シートYによる着色性低下成分の導入、または、着色性低下シートYによる可変色粘着シートXからの第1化合物の抽出を、第2領域12に対して選択的に効率よく実施するのに適する。
着色性低下メディアとしての着色性低下溶媒は、主剤として、極性溶媒を含んでもよいし、低極性溶媒(非極性溶媒)を含んでもよい。極性溶媒としては、例えば、水、アルコール、およびカルボン酸が挙げられる。極性溶媒としては、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリルなどの中極性溶媒も挙げられる。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、およびブタノールが挙げられる。カルボン酸としては、ギ酸および酢酸が挙げられる。低極性溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、およびメチルイソブチルケトンが挙げられる。また、機能性液体である着色性低下溶媒としては、失活用溶媒または抽出用溶媒として充分な成分溶解性を示す液状モノマーも、適宜選択して使用できる。そのような液状モノマーとしては、例えば、各種のアクリレートモノマーが挙げられる。
着色性低下溶媒が失活用の着色性低下溶媒である場合には、当該着色性低下溶媒は、更に、着色性低下成分を含有する。着色性低下成分は、好ましくは、紫外線吸収剤、中和剤、およびラジカルトラップ剤からなる群より選択される少なくとも一つを含む。紫外線吸収剤、中和剤、およびラジカルトラップ剤としては、着色性低下シートYに関して上記した紫外線吸収剤、中和剤、およびラジカルトラップ剤が挙げられ、好ましくはラジカルトラップ剤が用いられる。
着色性低下溶媒における着色性低下成分の割合は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、また、好ましくは60質量%以下、好ましくは50質量%以下である。
本発明について、以下に実施例を示して具体的に説明するが、本発明は、実施例に限定されない。また、以下に記載されている配合量(含有量)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上述の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合量(含有量)、物性値、パラメータなどの上限(「以下」または「未満」として定義されている数値)または下限(「以上」または「超える」として定義されている数値)に代替できる。
〈アクリルポリマーPの調製〉
撹拌機、温度計、還流冷却器、および窒素ガス導入管を備える反応容器内で、アクリル酸2-エチルヘキシル(2EHA)63質量部と、メタクリル酸メチル(MMA)9質量部と、アクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEA)13質量部と、N-ビニル-2-ピロリドン(NVP)15質量部と、重合開始剤としての2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2質量部と、溶媒としての酢酸エチル233質量部とを含む混合物を、60℃で7時間、窒素雰囲気下で撹拌した(重合反応)。これにより、アクリルポリマーPを含有する第1ポリマー溶液を得た。第1ポリマー溶液中のアクリルポリマーPの重量平均分子量(Mw)は、120万であった。
〈アクリルポリマーPの調製〉
撹拌機、温度計、還流冷却器、および窒素ガス導入管を備える反応容器内で、アクリル酸2-エチルヘキシル(2EHA)96質量部と、アクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEA)4質量部と、重合開始剤としての2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2質量部と、溶媒としての酢酸エチル233質量部とを含む混合物を、60℃で7時間、窒素雰囲気下で撹拌した(重合反応)。これにより、アクリルポリマーPを含有する第2ポリマー溶液を得た。第2ポリマー溶液中のアクリルポリマーPの重量平均分子量(Mw)は、60万であった。
〈アクリルポリマーPの調製〉
撹拌機、温度計、還流冷却器、および窒素ガス導入管を備える反応容器内で、アクリル酸2-エチルヘキシル(2EHA)40質量部と、アクリル酸イソステアリル(iSTA)40質量部と、アクリル酸4-ヒドロキシブチル(4HBA)2質量部と、N-ビニル-2-ピロリドン(NVP)18質量部と、重合開始剤としての2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2質量部と、溶媒としての酢酸エチル233質量部とを含む混合物を、60℃で7時間、窒素雰囲気下で撹拌した(重合反応)。これにより、アクリルポリマーPを含有する第3ポリマー溶液を得た。第3ポリマー溶液中のアクリルポリマーPの重量平均分子量(Mw)は、70万であった。
〈粘着性組成物Cの調製〉
アクリルポリマーPを含有する第1ポリマー溶液に、アクリルポリマーP100質量部あたり、架橋剤としてのイソシアネート架橋剤(商品名「タケネートD110N」,三井化学社製)0.25質量部(固形分換算量)と、架橋触媒としてのジラウリン酸ジブチルスズ(商品名「OL-1」,1質量%酢酸エチル溶液,東京ファインケミカル社製)0.01質量部(固形分換算量)と、架橋抑制剤(架橋触媒に対する配位子)としてのアセチルアセトン3質量部と、発色性化合物としてのロイコ色素(商品名「S-205」,山田化学工業社製)2質量部と、光酸発生剤(商品名「SP-056」,ADEKA社製)7質量部とを加えて混合し、粘着性組成物Cを調製した。
〈粘着性組成物Cの調製〉
着色性低下成分としてのラジカルトラップ剤(商品名「Tinuvin 249」,BASF社製)4質量部を更に加えたこと以外は粘着性組成物Cと同様にして、粘着性組成物Cを調製した。
〈粘着性組成物Cの調製〉
着色性低下成分としてのラジカルトラップ剤(商品名「Tinuvin 249」,BASF社製)8質量部を更に加えたこと以外は粘着性組成物Cと同様にして、粘着性組成物Cを調製した。
〈粘着性組成物Cの調製〉
アクリルポリマーPを含有する第2ポリマー溶液に、アクリルポリマーP100質量部あたり、架橋剤としてのイソシアネート架橋剤(商品名「コロネートHX」,ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体,東ソー社製)0.25質量部(固形分換算量)と、架橋触媒としてのジラウリン酸ジブチルスズ(商品名「OL-1」,1質量%酢酸エチル溶液,東京ファインケミカル社製)0.01質量部(固形分換算量)と、架橋抑制剤としてのアセチルアセトン3質量部と、ラジカルトラップ剤(商品名「Tinuvin 249」,BASF社製)4質量部とを加えて混合し、粘着性組成物Cを調製した。
〈粘着性組成物Cの調製〉
ラジカルトラップ剤(商品名「Tinuvin 249」,BASF社製)の配合量を4質量部に代えて8質量部としたこと以外は粘着性組成物Cと同様にして、粘着性組成物Cを調製した。
〈粘着性組成物Cの調製〉
アクリルポリマーPを含有する第2ポリマー溶液に、アクリルポリマーP100質量部あたり、架橋剤としてのイソシアネート架橋剤(商品名「コロネートHX」,東ソー社製)0.25質量部(固形分換算量)と、架橋触媒としてのジラウリン酸ジブチルスズ(商品名「OL-1」,東京ファインケミカル社製)0.01質量部(固形分換算量)と、架橋抑制剤としてのアセチルアセトン3質量部とを加えて混合し、粘着性組成物Cを調製した。
〈粘着性組成物Cの調製〉
第2ポリマー溶液の代わりに第3ポリマー溶液を用いたこと以外は、粘着性組成物Cと同様にして、粘着性組成物Cを調製した。
〈粘着性組成物Cの調製〉
着色性低下成分としての紫外線吸収剤(商品名「Tinuvin 571」,BASF社製)4質量部を更に加えたこと以外は粘着性組成物Cと同様にして、粘着性組成物Cを調製した。
〈粘着性組成物Cの調製〉
着色性低下成分としての紫外線吸収剤(商品名「Tinuvin 571」,BASF社製)8質量部を更に加えたこと以外は粘着性組成物Cと同様にして、粘着性組成物Cを調製した。
〈粘着性組成物C10の調製〉
ラジカルトラップ剤(Tinuvin 249)4質量部に代えて紫外線吸収剤(商品名「Tinuvin 571」,BASF社製)4質量部を用いたこと以外は粘着性組成物Cと同様にして、粘着性組成物C10を調製した。
〈粘着性組成物C11の調製〉
ラジカルトラップ剤(Tinuvin 249)4質量部に代えて紫外線吸収剤(商品名「Tinuvin 571」,BASF社製)8質量部を用いたこと以外は粘着性組成物Cと同様にして、粘着性組成物C11を調製した。
〈可変色粘着シートXの作製〉
片面が離型処理されている厚さ38μmの基材フィルム(商品名「MRF#38」,ポリエステルフィルム,三菱樹脂社製)の離型処理面上に、粘着性組成物Cを塗布して塗膜を形成した。次に、この塗膜を、132℃で3分間の加熱によって、乾燥させた。これにより、基材フィルム上に厚さ25μmの粘着剤層を形成した。次に、基材フィルム上の粘着剤層に、片面が離型処理されている厚さ38μmの剥離フィルム(商品名「MRE#38」,ポリエステルフィルム,三菱樹脂社製)の離型処理面を貼り合わせた。その後、60℃で24時間、エージング処理し、粘着剤層中の架橋反応を進行させた。以上のようにして、保護フィルム付きの可変色粘着シートX(厚さ25μm)を作製した。可変色粘着シート中のロイコ色素および光酸発生剤については、相対的な配合量(質量部)を表1~4に示す。
〈可変色粘着シートRの作製〉
粘着性組成物Cの代わりに粘着性組成物Cを用いたこと以外は可変色粘着シートXと同様にして、保護フィルム付きの可変色粘着シートRを作製した。
〈可変色粘着シートRの作製〉
粘着性組成物Cの代わりに粘着性組成物Cを用いたこと以外は可変色粘着シートXと同様にして、保護フィルム付きの可変色粘着シートRを作製した。
〈可変色粘着シートRの作製〉
粘着性組成物Cの代わりに粘着性組成物Cを用いたこと以外は可変色粘着シートXと同様にして、保護フィルム付きの可変色粘着シートRを作製した。
〈可変色粘着シートRの作製〉
粘着性組成物Cの代わりに粘着性組成物Cを用いたこと以外は可変色粘着シートXと同様にして、保護フィルム付きの可変色粘着シートRを作製した。
〈失活用粘着シートDの作製〉
片面が離型処理されている厚さ38μmの基材フィルム(商品名「MRF#38」,ポリエステルフィルム,三菱樹脂社製)の離型処理面上に、粘着性組成物Cを塗布して塗膜を形成した。次に、この塗膜を、室温で10分間放置した後、80℃で5分間の加熱と、その後の130℃で1分間の加熱とによって、乾燥させた。これにより、基材フィルム上に厚さ25μmの粘着剤層を形成した。次に、基材フィルム上の粘着剤層に、片面が離型処理されている厚さ38μmの剥離フィルム(商品名「MRE#38」,ポリエステルフィルム,三菱樹脂社製)の離型処理面を貼り合わせた。その後、60℃で24時間、エージング処理し、粘着剤層中の架橋反応を進行させた。以上のようにして、保護フィルム付きの失活用粘着シートD(厚さ25μm)を作製した。
〈失活用粘着シートDの作製〉
粘着性組成物Cの代わりに粘着性組成物Cを用いたこと以外は失活用粘着シートDと同様にして、保護フィルム付きの失活用粘着シートDを作製した。
〈失活用粘着シートDの作製〉
粘着性組成物Cの代わりに粘着性組成物C10を用いたこと以外は失活用粘着シートDと同様にして、保護フィルム付きの失活用粘着シートDを作製した。
〈失活用粘着シートDの作製〉
粘着性組成物Cの代わりに粘着性組成物C11を用いたこと以外は失活用粘着シートDと同様にして、保護フィルム付きの失活用粘着シートDを作製した。
〈抽出用粘着シートEの作製〉
粘着性組成物Cの代わりに粘着性組成物Cを用いたこと、および、厚さを25μmに代えて100μmとしたこと以外は、失活用粘着シートDと同様にして、保護フィルム付きの抽出用粘着シートEを作製した。
〈抽出用粘着シートEの作製〉
粘着性組成物Cの代わりに粘着性組成物Cを用いたこと、および、厚さを25μmに代えて100μmとしたこと以外は、失活用粘着シートDと同様にして、保護フィルム付きの抽出用粘着シートEを作製した。
〔実施例1〕
可変色粘着シートXと失活用粘着シートDとから、次のようにして積層体Lを得た。まず、可変色粘着シートXを用意した(第1工程)。具体的には、可変色粘着シートXから剥離フィルムを剥がした後、同シートをイーグルガラス(厚さ0.55mm,松浪硝子社製)に貼り合わせた。次に、イーグルガラス上の可変色粘着シートXから基材フィルムを剥離し、失活用粘着シートDから剥離フィルムを剥離した後、可変色粘着シートXに対して失活用粘着シートDを貼り合わせた(第2工程)。以上のようにして、実施例1の積層体Lを得た。積層体Lは、イーグルガラスと、可変色粘着シートX(厚さ25μm)と、失活用粘着シートD(厚さ25μm)と、基材フィルムとを順に備える。積層体Lは、可変色粘着シートXと失活用粘着シートDとの積層シートを含む。
〔実施例2〕
第2工程において失活用粘着シートDの代わりに失活用粘着シートDを用いたこと以外は、実施例1と同様の各工程を実施して、実施例2の積層体Lを得た。積層体Lは、イーグルガラスと、可変色粘着シートXと、失活用粘着シートDと、基材フィルムとを順に備える。積層体Lは、可変色粘着シートXと失活用粘着シートDとの積層シートを含む。
〔実施例3〕
第2工程において失活用粘着シートDの代わりに失活用粘着シートDを用いたこと以外は、実施例1と同様の各工程を実施して、実施例3の積層体Lを得た。積層体Lは、イーグルガラスと、可変色粘着シートXと、失活用粘着シートDと、基材フィルムとを順に備える。積層体Lは、可変色粘着シートXと失活用粘着シートDとの積層シートを含む。
〔実施例4〕
第2工程において失活用粘着シートDの代わりに失活用粘着シートDを用いたこと以外は、実施例1と同様の各工程を実施して、実施例4の積層体Lを得た。積層体Lは、イーグルガラスと、可変色粘着シートXと、失活用粘着シートDと、基材フィルムとを順に備える。積層体Lは、可変色粘着シートXと失活用粘着シートDとの積層シートを含む。
〔比較例1〕
実施例1と同様の第1工程を実施して、比較例1の積層体Lを得た。積層体Lは、イーグルガラスと、可変色粘着シートXと、基材フィルムとを順に備える(失活用粘着シートを備えない)。
〔実施例5〕
可変色粘着シートXと失活用粘着シートDとから、次のようにして積層体Lを得た。まず、実施例1の積層体L(イーグルガラス/可変色粘着シートX/失活用粘着シートD/基材フィルム)を用意した。次に、この積層体Lにおける失活用粘着シートDから基材フィルムを剥離した。そして、当該剥離によって露出した粘着シート面に、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(商品名「KC2UA」,厚さ28μm,コニカミノルタ社製)と、紫外線吸収機能を有する粘着テープ(商品名「CS9934U」,日東電工社製)と、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(商品名「G981 E75」,厚さ75μm,三菱ケミカル社製)とをこの順で貼り合わせて積層した。以上のようにして、実施例5の積層体Lを得た。積層体Lは、イーグルガラスと、可変色粘着シートX(厚さ25μm)と、失活用粘着シートD(厚さ25μm)と、TACフィルムと、紫外線吸収性の粘着テープと、PETフィルム(基材フィルム)とを順に備える。積層体Lは、可変色粘着シートXと失活用粘着シートDとの積層シートを含む。
〔実施例6〕
実施例1の積層体Lの代わりに実施例2の積層体Lを用いたこと以外は、実施例5と同様の各工程を実施して、実施例6の積層体Lを得た。積層体Lは、イーグルガラスと、可変色粘着シートX(厚さ25μm)と、失活用粘着シートD(厚さ25μm)と、TACフィルムと、紫外線吸収性の粘着テープと、PETフィルム(基材フィルム)とを順に備える。積層体Lは、可変色粘着シートXと失活用粘着シートDとの積層シートを含む。
〔比較例2〕
実施例1の積層体Lの代わりに比較例1の積層体Lを用いたこと以外は、実施例5と同様の各工程を実施して、比較例2の積層体Lを得た。積層体Lは、イーグルガラスと、可変色粘着シートX(厚さ25μm)と、TACフィルムと、紫外線吸収性の粘着テープと、PETフィルム(基材フィルム)とを順に備える(失活用粘着シートを備えない)。
〔実施例7〕
可変色粘着シートXと失活用粘着シートDとから、次のようにして積層体Lを得た。
まず、可変色粘着シートXを用意した(第1工程)。具体的には、可変色粘着シートXから剥離フィルムを剥がした後、同シートをイーグルガラス(厚さ0.55mm,松浪硝子社製)に貼り合わせた。
次に、イーグルガラス上の可変色粘着シートXに対して紫外線(UV)を照射した(第2工程)。具体的には、23℃および相対湿度50%の環境下において、イーグルガラス上の可変色粘着シートXに対して基材フィルム側(イーグルガラスとは反対の側)からUVを照射した。これにより、可変色粘着シートXにおいて、光酸発生剤から酸を発生させ、当該酸によってロイコ色素を発色させた。UV照射では、クォークテクノロジー社製のUV-LED照射装置(型番「QEL-350-RU6W-CW-MY」)における波長365nmのUV-LEDランプを光源として使用し、波長320~390nmの範囲での照射積算光量を8000mJ/cmとした。
次に、イーグルガラス上の可変色粘着シートXから基材フィルムを剥離し、失活用粘着シートDから剥離フィルムを剥離した後、可変色粘着シートXに対して失活用粘着シートDを貼り合わせた(第3工程)。
次に、この失活用粘着シートDから基材フィルムを剥離した後、当該剥離によって露出した粘着シート面に、TACフィルム(商品名「KC2UA」,厚さ28μm,コニカミノルタ社製)と、紫外線吸収機能を有する粘着テープ(商品名「CS9934U」,日東電工社製)と、PETフィルム(商品名「G981 E75」,厚さ75μm,三菱ケミカル社製)とをこの順で貼り合わせて積層した。
以上のようにして、実施例7の積層体Lを得た。積層体Lは、イーグルガラスと、着色した可変色粘着シートX(厚さ25μm)と、失活用粘着シートD(厚さ25μm)と、TACフィルムと、紫外線吸収性の粘着テープと、PETフィルム(基材フィルム)とを順に備える。積層体Lは、着色した可変色粘着シートXと失活用粘着シートDとの積層シートを含む。
〔実施例8〕
第3工程において失活用粘着シートDの代わりに失活用粘着シートDを用いたこと以外は、実施例7と同様の各工程を実施して、実施例8の積層体L10を得た。積層体L10は、イーグルガラスと、着色した可変色粘着シートX(厚さ25μm)と、失活用粘着シートD(厚さ25μm)と、TACフィルムと、紫外線吸収性の粘着テープと、PETフィルム(基材フィルム)とを順に備える。積層体L10は、着色した可変色粘着シートXと失活用粘着シートDとの積層シートを含む。
〔比較例3〕
第3工程(失活用粘着シートDの貼り合わせ)を実施しなかったこと以外は、実施例7と同様の各工程を実施して、比較例3の積層体L11を得た。積層体L11は、イーグルガラスと、着色した可変色粘着シートX(厚さ25μm)と、TACフィルムと、紫外線吸収性の粘着テープと、PETフィルム(基材フィルム)とを順に備える(失活用粘着シートを備えない)。
〔実施例9〕
可変色粘着シートXと失活用粘着シートDとマスクフィルムとから、次のようにして積層体L12を得た。まず、可変色粘着シートX(50mm×100mm)を用意した(第1工程)。具体的には、可変色粘着シートXから剥離フィルムを剥がした後、同シートをイーグルガラス(厚さ0.55mm,松浪硝子社製)に貼り合わせた。次に、イーグルガラス上の可変色粘着シートXから基材フィルムを剥離した後、同シート上に厚さ25μmのマスクフィルム(商品名「ルミラーS10」,50mm×50mm,透明なポリエステルフィルム,東レ社製)を積層した。次に、失活用粘着シートDから剥離フィルムを剥離した後、可変色粘着シートXに対して失活用粘着シートD(50mm×100mm)を貼り合わせた(第2工程)。以上のようにして、実施例9の積層体L12を得た。積層体L12は、イーグルガラスと、可変色粘着シートXと、可変色粘着シートXを部分的にマスクするマスクフィルムと、失活用粘着シートDと、基材フィルムとを順に備える。積層体L12は、可変色粘着シートXと、マスクフィルムと、失活用粘着シートDとの積層シートを含む。
〔実施例10〕
第2工程において失活用粘着シートDの代わりに失活用粘着シートD(50mm×100mm)を用いたこと以外は、実施例9と同様の各工程を実施して、実施例10の積層体L13を得た。積層体L13は、イーグルガラスと、可変色粘着シートXと、可変色粘着シートXを部分的にマスクするマスクフィルムと、失活用粘着シートDと、基材フィルムとを順に備える。積層体L13は、可変色粘着シートXと、マスクフィルムと、失活用粘着シートDとの積層シートを含む。
〔比較例4〕
第2工程において、失活用粘着シートDの代わりに厚さ38μmの基材フィルム(商品名「MRF#38」,50mm×100mm,ポリエステルフィルム,三菱樹脂社製)を用いたこと以外は実施例9と同様の各工程を実施して、比較例4の積層体L14を得た。積層体L14は、イーグルガラスと、可変色粘着シートXと、可変色粘着シートXを部分的にマスクするマスクフィルムと、基材フィルムとを順に備える(失活用粘着シートを備えない)。
〔実施例11〕
第2工程において失活用粘着シートDの代わりに抽出用粘着シートEを用いたこと以外は、実施例1と同様の各工程を実施して、実施例11の積層体L15を得た。積層体L15は、イーグルガラスと、可変色粘着シートXと、抽出用粘着シートEと、基材フィルムとを順に備える。積層体L15は、可変色粘着シートXと、抽出用粘着シートEとの積層シートを含む。
〔実施例12〕
第2工程において失活用粘着シートDの代わりに抽出用粘着シートEを用いたこと以外は、実施例1と同様の各工程を実施して、実施例12の積層体L16を得た。積層体L16は、イーグルガラスと、可変色粘着シートXと、抽出用粘着シートEと、基材フィルムとを順に備える。積層体L16は、可変色粘着シートXと、抽出用粘着シートEとの積層シートを含む。
〔実施例13〕
次のようにして実施例13の積層体L17を得た。まず、可変色粘着シートXを用意した。具体的には、可変色粘着シートXから剥離フィルムを剥がした後、同シートをイーグルガラス(厚さ0.55mm,松浪硝子社製)に貼り合わせた。次に、イーグルガラス上の可変色粘着シートXから基材フィルムを剥離した後、当該可変色粘着シートXをイーグルガラスとともにエタノール中に浸漬した(着色性低下処理としての浸漬処理)。浸漬時間は2分間とした。次に、イーグルガラス付き可変色粘着シートXをエタノールから取り出し、132℃で3分間の加熱によって、乾燥させた。次に、イーグルガラス上の可変色粘着シートXに、厚さ38μmの基材フィルム(商品名「MRF#38」,ポリエステルフィルム,三菱樹脂社製)を貼り合わせた。以上のようにして、実施例13の積層体L17を得た。積層体L17は、イーグルガラスと、エタノールへの浸漬を経た可変色粘着シートXと、基材フィルムとを順に備える。
〔実施例14〕
着色性低下処理においてエタノールの代わりに酢酸エチルを用いたこと以外は実施例13と同様にして、実施例14の積層体L18を得た。積層体L18は、イーグルガラスと、酢酸エチルへの浸漬を経た可変色粘着シートXと、基材フィルムとを順に備える。
〔実施例15〕
次のようにして実施例15の積層体L19を得た。まず、可変色粘着シートX(50mm×100mm)を用意した。具体的には、可変色粘着シートXから剥離フィルムを剥がした後、同シートをイーグルガラス(厚さ0.55mm,松浪硝子社製)に貼り合わせた。次に、イーグルガラス上の可変色粘着シートXから基材フィルムを剥離した後、同シート上に厚さ25μmのマスクフィルム(商品名「ルミラーS10」,50mm×50mm,透明なポリエステルフィルム,東レ社製)を積層した。次に、当該マスクフィルムによって表面(イーグルガラス側表面とは反対側の表面)が部分的にマスクされた可変色粘着シートXをイーグルガラスとともにエタノール中に浸漬させた(着色性低下処理としての浸漬処理)。浸漬時間は2分間とした。次に、イーグルガラス付き可変色粘着シートX(表面がマスクフィルムによって部分的にマスクされている)をエタノールから取り出し、132℃で3分間の加熱によって、乾燥させた。次に、イーグルガラス上の可変色粘着シートXにおいて露出する領域(マスクフィルムによってはマスクされていない領域)に、厚さ38μmの基材フィルム(商品名「MRF#38」,ポリエステルフィルム,三菱樹脂社製)を貼り合わせた。以上のようにして、実施例15の積層体L19を得た。積層体L19は、イーグルガラスと、エタノールへの浸漬を経た可変色粘着シートXと、同シート上のマスクフィルムおよび基材フィルムとを、順に備える。積層体L19は、エタノールへの浸漬を経た可変色粘着シートXと、マスクフィルムとの積層シートを含む。
〔参考例1〕
可変色粘着シートXの代わりに可変色粘着シートRを用いたこと以外は実施例1の第1工程と同様の工程を実施して、参考例1の積層体L21を得た。積層体L21は、イーグルガラスと、可変色粘着シートRと、基材フィルムとを順に備える。
〔参考例2〕
可変色粘着シートXの代わりに可変色粘着シートRを用いたこと以外は実施例1の第1工程と同様の工程を実施して、参考例2の積層体L22を得た。積層体L22は、イーグルガラスと、可変色粘着シートRと、基材フィルムとを順に備える。
〔参考例3〕
可変色粘着シートXの代わりに可変色粘着シートRを用いたこと以外は実施例1の第1工程と同様の工程を実施して、参考例3の積層体L23を得た。積層体L23は、イーグルガラスと、可変色粘着シートRと、基材フィルムとを順に備える。
〔参考例4〕
可変色粘着シートXの代わりに可変色粘着シートRを用いたこと以外は実施例1の第1工程と同様の工程を実施して、参考例4の積層体L24を得た。積層体L24は、イーグルガラスと、可変色粘着シートRと、基材フィルムとを順に備える。
〈初期透過率〉
実施例1~10,13~15、比較例1~4、および参考例1~4の各積層体について、作製から25℃で24時間が経過した後、波長400~700nmでの平均透過率を測定した(第1の透過率測定)。この透過率測定には、透過率測定装置(商品名「U4150形分光光度計」,日立ハイテクサイエンス社製)を使用した。装置内では、積層体のイーグルガラスが光源側に位置し且つ同積層体の基材フィルムがディテクター側に位置するように、積層体を配置した。また、本測定では、イーグルガラスのみについて同一条件で測定して得られた透過率スペクトルをベースラインとして用いた。測定された平均透過率を初期透過率T(%)として、表1~4,6,7に示す。
<積層体L~L,L21~L24の透過率変化>
第1の透過率測定を経た実施例1~4、比較例1および参考例1~4の各積層体について、以下のようにして、紫外線照射による透過率変化を調べた。
まず、積層体に対して紫外線(UV)を照射した(第1のUV照射)。具体的には、23℃および相対湿度50%の環境下において、積層体における可変色粘着シートに対して基材フィルム側からUVを照射した。これにより、可変色粘着シートにおいて、光酸発生剤から酸を発生させ、当該酸によってロイコ色素を発色させた。UV照射では、クォークテクノロジー社製のUV-LED照射装置(型番「QEL-350-RU6W-CW-MY」)における波長365nmのUV-LEDランプを光源として使用し、波長320~390nmの範囲での照射積算光量を8000mJ/cmとした。
次に、積層体の、波長400~700nmでの平均透過率を、測定した(第2の透過率測定)。本測定における使用装置および条件は、第1の透過率測定における使用装置および条件と同じである。測定された平均透過率を透過率T(%)として表1に示す。初期透過率Tと透過率Tとの差ΔT(=T-T)も、表1に示す。実施例1~4の積層体L~Lは、比較例1の積層体Lよりも、ΔTが有意に小さく、良好な変色抑制性を示した。また、比較例1の積層体L(可変色粘着シート内に着色性低下成分が配合されていない)と参考例1~4の積層体L21~L24(可変色粘着シート内に着色性低下成分が配合されている)との透過率Tの差は、着色性低下成分の着色性低下性能を示す。すなわち、光酸発生剤(第1化合物)および発色性化合物(第2化合物)と着色性低下成分とが共存する、積層体L21~L24の可変色粘着シートR~R(第1の系)では、着色性低下成分が着色性低下性能を発揮するため、当該第1の系における紫外線照射(外部刺激付与)による透過率の低下ΔTは、着色性低下成分が存在しないこと以外は積層体L21~L24の可変色粘着シートR,R(第1の系)と同じ積層体Lの可変色粘着シートX(第2の系)における紫外線照射(外部刺激付与)による透過率の低下ΔT’より小さい。このように、可変色粘着シートにおいては、着色処理前から光酸発生剤(第1化合物)および発色性化合物(第2化合物)と着色性低下成分とが共存する場合、当該可変色粘着シートは着色能力が低くて着色しにくいことが分かる(参考例1~4)。これに対し、所定領域を着色させた後の可変色粘着シートに対して事後的に着色性低下成分を浸透させることにより、前記所定領域については、その着色能力を十分に発揮させて良好に着色させられるとともに、非着色領域(透明領域)については、変色しにくくさせて変色を抑制できる(本発明)。
Figure 2022135979000002
<積層体L~L11の透過率変化>
第1の透過率測定を経た実施例5~8および比較例2,3の各積層体について、以下のようにして、耐候性試験による透過率変化を調べた。
まず、耐候試験装置(商品名「スーパーキセノンウェザーメーターSX75」,スガ試験機社製)のチャンバ内に積層体を配置した。具体的には、チャンバ内において、積層体の基材フィルムが光源(スーパーキセノンランプ)側に位置するように、積層体を配置した。次に、55℃および相対湿度55%の環境下において、積層体における可変色粘着シートに対し、スーパーキセノンランプ(波長300~400nm)により、24時間、光照射した。
次に、積層体の、波長400~700nmでの平均透過率を、測定した(第3の透過率測定)。測定された平均透過率を透過率T(%)として表2,3に示す。表2,3には、初期透過率Tと透過率Tとの差ΔT(=T-T)も示す。表2に示すように、実施例5,6の積層体L,Lは、比較例2の積層体Lよりも、ΔTが有意に小さく、良好な変色抑制性を示した。表3に示すように、実施例7,8の積層体L,L10は、比較例3の積層体L11よりも、ΔTの絶対値が有意に小さく、良好な変色抑制性を示した。
Figure 2022135979000003
Figure 2022135979000004
<積層体L12~L14の透過率変化>
第1の透過率測定を経た実施例9,10および比較例4の各積層体について、以下のようにして、紫外線照射による透過率変化を調べた。
まず、積層体に対して紫外線(UV)を照射した。UV照射の方法および条件は、第1のUV照射に関して上述したのと同様である。次に、積層体における、マスクフィルムが配置されている領域(マスク領域)と、マスクフィルムが配置されていない領域(非マスク領域)とのそれぞれについて、波長400~700nmでの平均透過率を、測定した。本測定における使用装置および条件は、第1および第2の透過率測定における使用装置および条件と同じである。測定された平均透過率を透過率T(%)として表4に示す。表4には、マスク領域と非マスク領域との透過率Tの差(領域間透過率差)も示す。比較例4の積層体L14では、領域間透過率差が実質的に生じなかった。すなわち、比較例4の積層体L14では、非マスク領域は、マスク領域と同様に、着色性が実質的には低下しなかった。これに対し、実施例9,10の積層体L12,L13では、有意な領域間透過率差が生じた。すなわち、実施例9,10の積層体L12,L13では、マスク領域の着色性が実質的に低下せず且つ非マスク領域の着色性が有意に低下した(実施例9,10の積層体L12,L13は、比較例4の積層体L14よりも、非マスク領域において、良好な変色抑制性を示した)。すなわち、実施例9,10の積層体L12,L13の可変色粘着シートにおいては、着色領域(マスク領域)の十分な着色性を維持しつつ、非着色領域(非マスク領域)の変色を抑制できた。
Figure 2022135979000005
<積層体L15,L16,Lの透過率変化>
実施例11,12および比較例1の各積層体について、以下のようにして、紫外線照射後の透過率の変化を調べた。
まず、作製直後の積層体に対して紫外線を照射し(第2のUV照射)、その後、当該積層体の、波長400~700nmでの平均透過率を測定した(第4の透過率測定)。作製から25℃で48時間後の別の積層体に対して紫外線を照射し(第3のUV照射)、その後、当該積層体の、波長400~700nmでの平均透過率を測定した(第5の透過率測定)。第2工程での貼り合わせから85℃で48時間後の別の積層体に対して紫外線を照射し(第4のUV照射)、その後、当該積層体の、波長400~700nmでの平均透過率を測定した(第6の透過率測定)。第2~第4のUV照射における使用装置および条件は、第1のUV照射における使用装置および条件と同じである。第4~第6の透過率測定における使用装置および条件は、第1の透過率測定における使用装置および条件と同じである。第4の透過率測定で測定された平均透過率を透過率T(%)とし、第5の透過率測定で測定された平均透過率を透過率T(%)とし、第6の透過率測定で測定された平均透過率を透過率T(%)として、表5に示す。実施例11,12の積層体L15,L16は、比較例1の積層体Lよりも、透過率差T-Tも透過率差T-Tも有意に大きく、有意な着色性の低下(変色抑制性)を示した。特に、実施例11の積層体L16は、より高温において可変色粘着シートの着色性低下の程度が高く(即ち、透過率差T-Tが大きく)、優れた変色抑制性を示した。
Figure 2022135979000006
<積層体L17~L19の透過率変化>
実施例13~15の各積層体について、以下のようにして、着色性低下処理(浸漬処理)による透過率の変化を調べた。
積層体の製造過程の途中で、可変色粘着シートX(片面に基材フィルムを伴う)をイーグルガラスに貼り合わせて得られる中間積層体について、波長400~700nmでの平均透過率を測定した(第7の透過率測定)。また、着色性低下処理(浸漬処理)を経て作製された積層体に対して紫外線を照射し(第5のUV照射)、その後、当該積層体の、波長400~700nmでの平均透過率を測定した(第8の透過率測定)。実施例15の積層体L19については、マスクフィルムが配置されている領域(マスク領域)と、マスクフィルムが配置されていない領域(非マスク領域)とのそれぞれについて、第8の透過率測定を実施した。第5のUV照射における使用装置および条件は、第1のUV照射における使用装置および条件と同じである。第7・第8の透過率測定における使用装置および条件は、第1の透過率測定における使用装置および条件と同じである。第7の透過率測定で測定された平均透過率を透過率T(%)とし、第8の透過率測定で測定された平均透過率を透過率T(%)として、表6,7に示す。表6には、透過率Tと透過率Tとの差ΔT(=T-T)も示す。また、表6には、比較例1の積層体Lについて表1に示す透過率測定結果(T,T,T-T)も比較のために示す。表6に示すように、実施例13,14の積層体L17,L18は、比較例1の積層体Lよりも、ΔTが有意に小さく、良好な変色抑制性を示した。一方、実施例15の積層体L19については、マスク領域と非マスク領域との透過率Tの差(領域間透過率差)も、表7に示す。また、表7には、比較例4の積層体L14について表4に示す透過率測定結果(T,T1,マスク領域と非マスク領域との透過率差)も比較のために示す。比較例4の積層体L14では、領域間透過率差が実質的に生じなかったのに対し、実施例15の積層体L19では、有意な領域間透過率差が生じた。すなわち、実施例15の積層体L19では、マスク領域の着色性が実質的に低下せず且つ非マスク領域の着色性が有意に低下した(実施例15の積層体L19は、比較例4の積層体L14よりも、非マスク領域において、良好な変色抑制性を示した)。すなわち、実施例15の積層体L19の可変色粘着シートにおいては、着色領域(マスク領域)の十分な着色性を維持しつつ、非着色領域(非マスク領域)の変色を抑制できた。
Figure 2022135979000007
Figure 2022135979000008
X 可変色粘着シート
Y 着色性低下シート
11 第1領域(着色済領域)
12 第2領域(非着色済領域)
21 第1部材
22 第2部材
L 積層シート

Claims (12)

  1. 外部刺激に因る着色性を有する可変色粘着シートであって、着色済領域と非着色済領域とを含む可変色粘着シートを、用意する第1工程と、
    前記可変色粘着シートの前記着色性を低下させるための着色性低下メディアを、前記可変色粘着シートに接触させる、第2工程とを含む、可変色粘着シートの変色抑制方法。
  2. 前記可変色粘着シートが、外部刺激を受けて第1反応を生ずる第1化合物と、前記第1反応の生成物との第2反応によって発色する第2化合物とを含有する、請求項1に記載の可変色粘着シートの変色抑制方法。
  3. 前記第1化合物が光酸発生剤であり、前記第2化合物が、酸との反応により発色する発色性化合物である、請求項2に記載の可変色粘着シートの変色抑制方法。
  4. 前記第2工程では、前記可変色粘着シートから前記第1化合物を前記着色性低下メディアに抽出するか、または、
    前記着色性低下メディアが、前記着色性を低下させるための着色性低下成分を含有し、前記第2工程では、前記着色性低下成分を前記着色性低下メディアから前記可変色粘着シートに導入する、請求項2または3に記載の可変色粘着シートの変色抑制方法。
  5. 前記第1化合物、前記第2化合物、および前記着色性低下成分が共存する第1の系における前記外部刺激付与による透過率の低下ΔT1が、前記着色性低下成分が存在しないこと以外は前記第1の系と同じ第2の系における前記外部刺激付与と同じ外部刺激付与による透過率の低下ΔT2より小さい、請求項4に記載の可変色粘着シートの変色抑制方法。
  6. 前記着色性低下成分が、紫外線吸収剤、中和剤、およびラジカルトラップ剤からなる群より選択される少なくとも一つを含む、請求項5に記載の可変色粘着シートの変色抑制方法。
  7. 前記着色性低下メディアが着色性低下シートであり、前記第2工程では、前記着色性低下シートを前記可変色粘着シートに貼り合わせる、請求項1から6のいずれか一つに記載の可変色粘着シートの変色抑制方法。
  8. 前記第2工程では、前記可変色粘着シートの前記着色済領域の少なくとも一部と前記着色性低下シートとの間にマスク材を介在させた状態で、前記着色性低下シートを前記可変色粘着シートに貼り合わせる、請求項7に記載の可変色粘着シートの変色抑制方法。
  9. 前記着色性低下シートが、極性基含有ポリマーを含有する、請求項7または8に記載の可変色粘着シートの変色抑制方法。
  10. 前記着色性低下シートが粘着シートである、請求項7から9のいずれか一つに記載の可変色粘着シートの変色抑制方法。
  11. 前記着色性低下メディアが着色性低下溶媒である、請求項1から6のいずれか一つに記載の変色抑制方法。
  12. 請求項7から10のいずれか一つに記載の可変色粘着シートの変色抑制方法によって得られる積層シートであって、
    前記可変色粘着シートと、
    前記可変色粘着シートに貼り合わされた前記着色性低下シートとを備える、積層シート。
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