JP2022135489A - 切削インサート - Google Patents

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俊平 大塚
Shumpei Otsuka
賢 熊谷
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Abstract

Figure 2022135489000001
【課題】切り屑処理性能を確保しつつ、すくい面の摩耗進行を抑えることができる切削インサートを提供する。
【解決手段】切削インサート1、多角形板状のインサート本体2の主面3Aと外周面4との交差稜線部に設けられた切刃5と、を備え、切刃5は、主面3Aの角部3cに位置するコーナ刃5aを有し、主面3Aの角部3cには、主面3Aに対して板厚方向の内側に設けられたすくい面と、コーナ刃5aから板厚方向に直交するインサート径方向の内側に設けられ、すくい面から立ち上がるブレーカ壁と、コーナ刃5aとブレーカ壁との間に設けられ、すくい面から板厚方向に突出した第一球状突起と、第一球状突起とブレーカ壁面との間に設けられ、すくい面から板厚方向に突出した第二球状突起と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、切削インサートに関する。
従来、刃先交換式バイトの工具本体に装着される切削加工用の切削インサート(刃先交換式切削チップ)として、例えば下記特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1の切削インサートは、ボス面から突出する第1リッジと、第1リッジから直線切れ刃の切れ刃ランド部に連なった斜面の位置まで連続的に延びだす第2リッジをすくい面上に有している。このような構成により、良好な切屑処理性能を確保しようとしている。
特開2009-208216号公報
上記のような切削インサートにおいては、特に高送り加工を行うと、切り屑が厚くなる。このような厚い切り屑がすくい面に接触することによって、すくい面が摩耗してしまうという課題がある。
本発明は、上記事情に鑑み、切り屑処理性能を確保しつつ、すくい面の摩耗進行を抑えることができる切削インサートを提供することを目的の一つとする。
本発明の切削インサートの一つの態様は、多角形板状のインサート本体と、前記インサート本体に設けられ、前記インサート本体の板厚方向で互いに反対側を向く平面視多角形状の主面および裏面と、前記主面および前記裏面の周縁同士を繋ぐ外周面と、前記主面と前記外周面との交差稜線部に設けられた切刃と、を備え、前記切刃は、前記主面の角部に位置するコーナ刃を有し、前記主面の角部には、前記主面に対して前記板厚方向の内側に設けられたすくい面と、前記コーナ刃から前記板厚方向に直交するインサート径方向の内側に設けられ、前記すくい面から立ち上がるブレーカ壁と、前記コーナ刃と前記ブレーカ壁との間に設けられ、前記すくい面から前記板厚方向に突出した第一球状突起と、前記第一球状突起と前記ブレーカ壁との間に設けられ、前記すくい面から前記板厚方向に突出した第二球状突起と、を有する。
本発明の切削インサートの一つの態様によれば、コーナ刃とブレーカ壁との間に、第一球状突起と第二球状突起とが設けられる。これにより、コーナ刃で被削物を切削することで生成された切り屑が、ブレーカ壁まで移動する間に、第一球状突起、第二球状突起に接触することで、切り屑がすくい面に直接接触することが抑えられる。また、切り屑は、第一球状突起、第二球状突起に摺接しながら、ブレーカ壁に向かってスムーズに移動する。したがって、切り屑処理性能を確保しつつ、すくい面の摩耗進行を抑えることが可能となる。
上記切削インサートにおいて、前記ブレーカ壁に対して前記インサート径方向の内側に設けられ、前記ブレーカ壁よりも高いリッジをさらに備える構成としてもよい。
この場合、ブレーカ壁を超えた切り屑を、リッジにより確実に処理することができる。
上記切削インサートにおいて、前記第一球状突起、及び前記第二球状突起が、前記ブレーカ壁より低くてもよい。
この場合、第一球状突起、第二球状突起を摺接して通過した切り屑が、ブレーカ壁に触れずに通り越してしまうのを抑え、切り屑をブレーカ壁に確実に案内することができる。
上記切削インサートにおいて、前記第二球状突起が、前記第一球状突起よりも低くてもよい。
この場合、第一球状突起を経て、第一球状突起よりも低い第二球状突起に摺接した切り屑が、より確実にブレーカ壁に案内され、切り屑を良好に処理することができる。
上記切削インサートにおいて、前記第二球状突起の突起面の曲率半径を、前記第一球状突起の突起面の曲率半径よりも大きくしてもよい。
この場合、第一球状突起を経た切り屑が、第二球状突起に引っかかりにくくなる。これにより、切り屑を、より円滑にブレーカ壁に案内することができる。
上記切削インサートにおいて、前記ブレーカ壁の頂面の曲率半径を、前記第一球状突起の突起面の曲率半径、及び前記第二球状突起の突起面の曲率半径よりも小さくしてもよい。
この場合、第一球状突起、第二球状突起を経た切り屑を、ブレーカ壁で、より確実にブレーキング処理することができる。
上記切削インサートにおいて、前記第一球状突起、及び前記第二球状突起は、前記板厚方向から見て、前記ブレーカ壁の壁面に交差する方向に配列してもよい。
この場合、第一球状突起、第二球状突起を経た切り屑を、ブレーカ壁に確実に当てることができる。
上記切削インサートにおいて、前記第一球状突起、及び前記第二球状突起は、前記コーナ刃において前記角部の二等分線に対し一方側に位置する点と、前記ブレーカ壁において前記二等分線に対し他方側に位置する壁面と、を結ぶ仮想線上に配列してもよい。
この場合、コーナ刃において前記角部の二等分線に対し一方側に位置する点で被削物を切削することで生成された切り屑を、第一球状突起、第二球状突起に摺接させてブレーカ壁に案内しやすくなる。
上記切削インサートにおいて、前記第一球状突起は、前記角部の二等分線を挟んで対称に複数設けてもよい。
この場合、被削物に対する切削方向にかかわらず、切り屑を、第一球状突起、第二球状突起を経てブレーカ壁に案内することが可能となる。
本発明の一つの態様の切削インサートによれば、切り屑処理性能を確保しつつ、すくい面の摩耗進行を抑えることができる。
本発明の一実施形態の切削インサートを示す斜視図である。 本発明の一実施形態の切削インサートを示す平面図である。 本発明の一実施形態の切削インサートを示す側面図である。 上記切削インサートの角部の拡大平面図である。 上記切削インサートの角部の拡大斜視図である。 上記切削インサートの角部の拡大側面図である。 上記切削インサートの角部の二等分線に沿った断面図であり、図4のA-A矢視断面図である。 図4のB-B矢視断面図である。 本発明の一実施形態の第1変形例における切削インサートを示す平面図である。 本発明の一実施形態の第2変形例における切削インサートを示す平面図である。
以下、本発明の一実施形態の切削インサートの一例である切削インサート1について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の切削インサート1を示す斜視図である。図2は、本実施形態の切削インサート1の平面図である。図3は、本実施形態の切削インサート1の側面図である。以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る切削インサート1について説明する。本実施形態の切削インサート1は、不図示の刃先交換式バイトの工具本体(ホルダ)に装着されて、例えば鋼材等の金属材料からなる被削材に切削加工を施すものである。
〔切削インサートの概略構成〕
図1~図3に示すように、切削インサート1は、多角形板状のインサート本体2を有する。インサート本体2は、超硬合金等の硬質材料により多角形板状、詳しくは四角形板状、より詳しくは菱形板状に設けられる。インサート本体2の中央部には、断面円形の取付孔6が設けられる。取付孔6は、インサート本体2を、その板厚方向に貫通するように設けられる。本実施形態におけるインサート本体2は、取付孔6の中心線回りに180°回転対称な形状に設けられる。
インサート本体2は、主面3Aと、裏面3Bと、外周面4と、切刃5と、を有する。
主面3Aおよび裏面3Bは、インサート本体2において互いに板厚方向の反対側を向く。主面3Aおよび裏面3Bは、板厚方向から見て、平面視多角形状である。外周面4は、主面3Aおよび裏面3Bの周縁同士を繋ぐ。
本実施形態において、主面3Aと裏面3Bとは、互いに板厚方向の反対側に位置する点を除いて、互いに同様の構成を有する。切削インサート1を用いた切削加工において、主面3Aおよび裏面3Bのうち何れか一方と外周面4との間に設けられた切刃5によって切削が行われ、他方が工具本体(図示略)に対する着座面として機能する。
〔切刃の構成〕
切刃5は、多角形状をなす主面3A、裏面3Bがなす菱形の鋭角の角部3cに設けられる。本実施形態において、切刃5は、主面3A側と、裏面3B側とのそれぞれに設けられる。主面3A側の切刃5は、主面3Aと外周面4との交差稜線部に設けられる。裏面3B側の切刃5は、裏面3Bと外周面4との交差稜線部に設けられる。
本実施形態の切削インサート1は、表裏反転対称形状とされた両面インサートである。したがって、切刃5は、主面3Aおよび裏面3Bと外周面4との交差稜線部にそれぞれ設けられる。しかしながら、切削インサート1は、主面3Aと外周面4との交差稜線部のみに切刃5が設けられた片面インサートであってもよい。
なお、以下の説明において、主面3Aについて主に説明し、主面3Aと同様の構成を有する裏面3Bについての説明を省略する。同様に、以下の説明において、主面3Aと外周面4との交差稜線部に設けられた切刃5についてのみ説明し、裏面3Bと外周面4との交差稜線部に設けられた切刃5についての説明を省略する。
切刃5は、主面3A(又は裏面3B)の角部3cに位置するコーナ刃5aと、主面3A(又は裏面3B)の各辺に位置する直線刃5bと、を有する。
〔ブレーカの構成〕
図4は、上記切削インサート1の角部3cの拡大平面図である。図5は、上記切削インサート1の角部3cの拡大斜視図である。図6は、上記切削インサート1の角部3cの拡大側面図である。図7は、上記切削インサート1の角部3cの二等分線に沿った断面図であり、図4のA-A矢視断面図である。図8は、図4のB-B矢視断面図である。
図4~図8に示すように、主面3Aの角部3cには、ブレーカ凹部20が設けられる。ブレーカ凹部20は、主面3Aにおいて、切刃5とリッジ30との間に設けられる。ブレーカ凹部20は、主面3Aに対して板厚方向の内側である裏面3B側に凹んでいる。ブレーカ凹部20は、切刃5に対してインサート径方向の内側に設けられる。ブレーカ凹部20は、切刃5のコーナ刃5a及び直線刃5bの刃長方向に沿って延びる。
ブレーカ凹部20は、切刃5に隣接する領域に位置し切刃5の全長に亘って切刃5に沿って延びる傾斜面20aを有する。傾斜面20aは、切刃5からインサート径方向の内側へ向かうに従い裏面3B側に傾斜する。ブレーカ凹部20は、傾斜面20aに対してインサート径方向の内側に、すくい面21が設けられる。すくい面21は、インサート本体2の板厚方向に直交する。すくい面21は、切刃5の刃先に対して、板厚方向の内側(裏面3B側)に窪んで設けられる。
リッジ30は、切刃5に対してインサート径方向の内側に離間した位置に設けられる。リッジ30は、土手状で、一対の側部傾斜面31と、突出傾斜面32と、を有する。一対の側部傾斜面31は、板厚方向から見て、それぞれ、切刃5の直線刃5bから交差してインサート径方向の内側に向かって延びる。突出傾斜面32は、一対の側部傾斜面31の間に設けられる。突出傾斜面32は、一対の側部傾斜面31の間で、インサート径方向の外側に向かって突出する。突出傾斜面32は、板厚方向から見て、インサート径方向の外側に突出する湾曲面である。一対の側部傾斜面31、及び突出傾斜面32は、主面3Aからインサート径方向の外側に向かうに従い裏面3B側に傾斜し、すくい面21に繋がる。
主面3Aの角部3cには、ブレーカ壁22と、第一球状突起23と、第二球状突起24と、が設けられる。ブレーカ壁22、第一球状突起23、第二球状突起24は、切刃5とリッジ30との間に設けられる。
ブレーカ壁22は、コーナ刃5aからインサート径方向の内側に設けられる。本実施形態において、ブレーカ壁22は、角部3cの二等分線Sを挟んで両側に二個一対設けられる。一対のブレーカ壁22は、二等分線Sを挟んで線対称となるV字状に配置される。一対のブレーカ壁22同士は、二等分線S上で互いに繋がる。二等分線Sの一方側に配置されるブレーカ壁22は、二等分線Sに対して同方向(一方側)に配置される直線刃5bと直交する方向に沿って延びる。各ブレーカ壁22は、すくい面21から主面3A側に立ち上がる壁面22aを有する、壁面22aは、すくい面21からインサート径方向の外側に向かって主面3A側に傾斜する。壁面22aは、板厚方向から見て、角部3cの二等分線Sを挟んで他方の側を向く。二個一対のブレーカ壁22の壁面22aの間に、突出傾斜面32の一部32bが露出する。
第一球状突起23は、コーナ刃5aとブレーカ壁22との間に設けられる。第一球状突起23は、すくい面21から板厚方向で主面3A側に突出する。本実施形態において、第一球状突起23は、角部3cの二等分線Sを挟んで両側に二個一対設けられる。二個一対の第一球状突起23は、二等分線Sを挟んで対称に配置される。第一球状突起23は、板厚方向で主面3A側に凸となるよう球状に湾曲した突起面23fを有する。
第二球状突起24は、第一球状突起23とブレーカ壁22面との間に設けられる。第二球状突起24は、すくい面21から板厚方向で主面3A側に突出する。第二球状突起24は、板厚方向で主面3A側に凸となるよう球状に湾曲した突起面24fを有する。
図3に示すように、第一球状突起23、及び第二球状突起24は、板厚方向から見て、ブレーカ壁22の壁面22aに交差する方向に配列する。第一球状突起23、及び第二球状突起24は、コーナ刃5aにおいて角部3cの二等分線Sの一方側に位置する点Pと、ブレーカ壁22において二等分線Sに対し他方側に位置する壁面と、とを結ぶ仮想線K上に配列する。
図7に示すように、二等分線S上における、コーナ刃5aの刃先からリッジ30の突出傾斜面32の上端までの距離L1は、例えば、1.00~2.00mmとするのが好ましい。図8に示すように、仮想線K上における、コーナ刃5aの刃先からブレーカ壁22の頂部までの距離L5は、例えば、1.00~2.00mmとするのが好ましい。仮想線K上における、コーナ刃5aの刃先から第一球状突起23の頂部までの距離L3、コーナ刃5aの刃先から第二球状突起24の頂部までの距離L4は、距離L1、距離L5よりも短い。
図7に示すように、リッジ30の突出傾斜面32は、コーナ刃5aよりも板厚方向で主面3A側に突出する。突出傾斜面32は、コーナ刃5aの刃先に対して、板厚方向で寸法H1の高低差を有する。
図8に示すように、ブレーカ壁22は、コーナ刃5aよりも板厚方向で主面3A側に突出する。つまり、ブレーカ壁22は、コーナ刃5aよりも高い。ブレーカ壁22は、コーナ刃5aの刃先に対して寸法H4の高低差を有する。図5に示すように、ブレーカ壁22は、突出傾斜面32よりも板厚方向で裏面3B側に位置する。つまり、ブレーカ壁22は、突出傾斜面32よりも低い。換言すると、主面3Aの一部に設けられたリッジ30は、すくい面21からブレーカ壁22よりも高い。
図7、図8に示すように、第一球状突起23、及び第二球状突起24は、コーナ刃5aよりも板厚方向で裏面3B側に位置する。つまり、第一球状突起23、及び第二球状突起24は、コーナ刃5aよりも低い。第二球状突起24は、第一球状突起23よりも板厚方向で裏面3B側に位置する。つまり、第二球状突起24は、第一球状突起23よりも低い。第一球状突起23は、コーナ刃5aの刃先に対して寸法H3の高低差を有する。第二球状突起24は、コーナ刃5aの刃先に対して寸法H2の高低差を有する。
図3に示すように、第二球状突起24の突起面24fの曲率半径R1は、第一球状突起23の突起面23fの曲率半径R2よりも大きい。また、ブレーカ壁22の頂面22fの曲率半径R3は、第一球状突起23の突起面23fの曲率半径R2、及び第二球状突起24の突起面24fの曲率半径R1よりも小さい。
このような構成において、例えば、コーナ刃5aを、二等分線Sに対して一方側の点Pの近傍で被削物に当てて切削を行う場合を考える。この場合、切り屑は、点Pからほぼ仮想線Kに沿って第一球状突起23、第二球状突起24に順次摺接し、ブレーカ壁22の二等分線Sに対し他方側の壁面22aに当たって切り屑処理がなされる。
〔本実施形態による作用効果〕
以上説明した本実施形態の切削インサート1によれば、コーナ刃5aとブレーカ壁22との間に、第一球状突起23と第二球状突起24とが設けられる。これにより、コーナ刃5aで被削物を切削することで生成された切り屑が、ブレーカ壁22まで移動する間に、第一球状突起23、第二球状突起24に接触することで、切り屑がすくい面21に直接接触することが抑えられる。また、切り屑は、第一球状突起23、第二球状突起24に摺接しながら、ブレーカ壁22に向かう。向かってスムーズに移動する。したがって、切り屑処理性能を確保しつつ、すくい面21の摩耗進行を抑えることが可能となる。
また本実施形態では、ブレーカ壁22よりも高いリッジ30をさらに備える。これにより、ブレーカ壁22を超えた切り屑を、リッジ30により確実に処理することができる。
また本実施形態では、第一球状突起23、及び第二球状突起24が、ブレーカ壁22より低い。これにより、第一球状突起23、第二球状突起24を摺接して通過した切り屑が、ブレーカ壁22に触れずに通り越してしまうのを抑え、切り屑をブレーカ壁22に確実に案内することができる。
また本実施形態では、第二球状突起24が、第一球状突起23よりも低い。これにより、第一球状突起23を経て、第一球状突起23よりも低い第二球状突起24に摺接した切り屑が、より確実にブレーカ壁22に案内され、切り屑を良好に処理することができる。
また本実施形態では、第二球状突起24の突起面24fの曲率半径R1を、第一球状突起23の突起面23fの曲率半径R2よりも大きくする。これにより、第一球状突起23を経た切り屑が、第二球状突起24に引っかかりにくくなる。これにより、切り屑を、より確実にブレーカ壁22に案内し、切り屑を良好に処理することができる。
また本実施形態では、ブレーカ壁22の頂面22fの曲率半径R3を、第一球状突起23の突起面23fの曲率半径R2、及び第二球状突起24の突起面24fの曲率半径R1よりも小さくする。これにより、第一球状突起23、第二球状突起24を経た切り屑を、ブレーカ壁22の頂面で、より確実にブレーキング処理することができる。
また本実施形態では、第一球状突起23、及び第二球状突起24は、板厚方向から見て、ブレーカ壁22の壁面22aに交差する方向に配列する。これにより、第一球状突起23、第二球状突起24を経た切り屑を、ブレーカ壁22に当てることができ、切り屑処理を良好に行うことができる。
また本実施形態では、第一球状突起23、及び第二球状突起24は、コーナ刃5aにおいて角部3cの二等分線Sに対し一方側に位置する点Pと、ブレーカ壁22において二等分線Sに対し他方側に位置する壁面22aと、を結ぶ仮想線K上に配列する。これにより、コーナ刃5aにおいて角部3cの二等分線Sに対し一方側に位置する点Pで被削物を切削することで生成された切り屑を、第一球状突起23、第二球状突起24に順次摺接させてブレーカ壁22に確実に案内することができる。
また本実施形態では、第一球状突起23は、角部3cの二等分線Sを挟んで対称に複数設ける。これにより、被削物に対する切削方向にかかわらず、切り屑を、第一球状突起23、第二球状突起24を経てブレーカ壁22に案内することが可能となる。
〔本発明に含まれるその他の構成〕
なお、本発明は前述の実施形態に限定されず、例えば下記に説明するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の変更等が可能である。
図9は、前述の実施形態で説明した切削インサートの第1変形例を示す。
この第1変形例では、切削インサート1Bは、第二球状突起24を、二個一対のブレーカ壁22に対して離間させず、二個一対のブレーカ壁22に連なるように配置する。
第1変形例によれば、上記実施形態と同様、切り屑処理性能を確保しつつ、すくい面21の摩耗進行を抑えることが可能となる。
図10は、前述の実施形態で説明した切削インサートの第2変形例を示す。
この第2変形例では、切削インサート1Cは、第一球状突起23を、角部3cの二等分線S上に一つのみ備える。
第2変形例によれば、上記実施形態と同様、切り屑処理性能を確保しつつ、すくい面21の摩耗進行を抑えることが可能となる。
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例およびなお書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
1、1B、1C…切削インサート
2…インサート本体
3A…主面
3B…裏面
3c…角部
4…外周面
5…切刃
5a…コーナ刃
21…すくい面
22…ブレーカ壁
22a…壁面
22f…頂面
23…第一球状突起
23f…突起面
24…第二球状突起
24f…突起面
30…リッジ
K…仮想線
R1…曲率半径
R2…曲率半径
R3…曲率半径
S…二等分線

Claims (9)

  1. 多角形板状のインサート本体と、
    前記インサート本体に設けられ、前記インサート本体の板厚方向で互いに反対側を向く平面視多角形状の主面および裏面と、
    前記主面および前記裏面の周縁同士を繋ぐ外周面と、
    前記主面と前記外周面との交差稜線部に設けられた切刃と、を備え、
    前記切刃は、前記主面の角部に位置するコーナ刃を有し、
    前記主面の角部には、
    前記主面に対して前記板厚方向の内側に設けられたすくい面と、
    前記コーナ刃から前記板厚方向に直交するインサート径方向の内側に設けられ、前記すくい面から立ち上がるブレーカ壁と、
    前記コーナ刃と前記ブレーカ壁との間に設けられ、前記すくい面から前記板厚方向に突出した第一球状突起と、
    前記第一球状突起と前記ブレーカ壁との間に設けられ、前記すくい面から前記板厚方向に突出した第二球状突起と、を有する、
    切削インサート。
  2. 前記ブレーカ壁に対して前記インサート径方向の内側に設けられ、前記ブレーカ壁よりも高いリッジをさらに備える、
    請求項1に記載の切削インサート。
  3. 前記第一球状突起、及び前記第二球状突起が、前記ブレーカ壁より低い、
    請求項1または2に記載の切削インサート。
  4. 前記第二球状突起が、前記第一球状突起よりも低い、
    請求項1~3の何れか一項に記載の切削インサート。
  5. 前記第二球状突起の突起面の曲率半径が、前記第一球状突起の突起面の曲率半径よりも大きい、
    請求項1~4の何れか一項に記載の切削インサート。
  6. 前記ブレーカ壁の頂面の曲率半径が、前記第一球状突起の突起面の曲率半径、及び前記第二球状突起の突起面の曲率半径よりも小さい、
    請求項1~5の何れか一項に記載の切削インサート。
  7. 前記第一球状突起、及び前記第二球状突起は、前記板厚方向から見て、前記ブレーカ壁の壁面に交差する方向に配列される、
    請求項1~6の何れか一項に記載の切削インサート。
  8. 前記第一球状突起、及び前記第二球状突起は、前記コーナ刃において前記角部の二等分線に対し一方側に位置する点と、前記ブレーカ壁において前記二等分線に対し他方側に位置する壁面と、を結ぶ仮想線上に配列される、
    請求項1~7の何れか一項に記載の切削インサート。
  9. 前記第一球状突起は、前記角部の二等分線を挟んで対称に複数設けられる、
    請求項1~8の何れか一項に記載の切削インサート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024029627A1 (ja) * 2022-08-05 2024-02-08 三菱マテリアル株式会社 切削工具

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