JP2022133990A - エンジンecu及びその製造方法 - Google Patents

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正広 佐藤
Masahiro Sato
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Abstract

【課題】軽量化及び小型化することができるエンジンECUを提供する。【解決手段】金属部材(2)が第1のパーツであり、樹脂部材(5)が第2のパーツであり、金属部材と樹脂部材とが樹脂コーティング層(3)を介して接合されている。樹脂コーティング層の少なくとも1層が、2官能エポキシ樹脂及び2価フェノール化合物を含む組成物と、特定の組成物とを含有するエポキシ樹脂組成物の硬化物から形成されている。【選択図】図5

Description

本開示は、エンジンECU及びその製造方法に関する。
エンジンECU(Electronic Control Unit)は、自動車のエンジンの燃料噴射などを電子制御するため、エンジンルーム内のエンジンの近くに設けられる。エンジンECUは、電子制御の高速化及び複雑化に伴い、電子基板上の素子からの発熱が大きく、放熱のためのヒートシンクを兼ねた金属製の筐体と、コネクタを兼ねた樹脂製の蓋と、を組み合わせたものが多く採用されている。エンジンルームは、車外からの水分の流入やエンジンからの熱及び振動の影響を受ける場所であることから、エンジンECUは、過酷な使用環境下においても内部の電子基板を確実に保護する必要がある。したがってエンジンECUは、上記使用環境下において、高い信頼性、長期安定性を有する筐体と蓋との接合が求められてきた。
特許文献1(特開2021-5620号公報)は、マイコンやトランジスターなどの半導体素子を実装した電子基板、コネクタ、ケース、及び蓋からなるエンジンECUを開示している。特許文献1のケース及び蓋は、互いに締結するための締結部材を取り付けるための孔をそれぞれ有する。ケースと蓋の間には、シール材が設けられている。
特開2021-5620号公報
上記特許文献1のエンジンECUは、ケースと蓋にそれぞれ設けられた孔に締結部材としてのねじをねじ込むことで接合する。したがって、上記特許文献1のエンジンECUは、ケースと蓋の接合のためのねじと、ケースと蓋の間の防水シール性を図るためのシール材とを必要とするので、製造工数が増えるだけでなく、軽量化、及び低コスト化を図ることが困難である、という問題があった。
本開示は、軽量化及び小型化することができるエンジンECUを提供することを目的とする。
本発明は、金属部材の表面に、特定の材料で形成される樹脂コーティング層(プライマー層)を設けることにより、100℃を超える高温に曝されても、金属部材と樹脂部材との接合強度を高めることができることを見出したことに基づく。
本開示は以下の態様を包含する。
[1] 金属部材と、樹脂部材と、前記金属部材及び前記樹脂部材の少なくとも1つに積層された1層又は複数層の樹脂コーティング層と
を備えるエンジンECUであって、
前記金属部材が第1のパーツであり、
前記樹脂部材が第2のパーツであり、
前記金属部材と前記樹脂部材とが前記樹脂コーティング層を介して接合されており、
前記樹脂コーティング層の少なくとも1層が、2官能エポキシ樹脂及び2価フェノール化合物を含む組成物(A)と、組成物(B)とを含有するエポキシ樹脂組成物の硬化物から形成され、
前記組成物(B)は、下記(B1)~(B3)から選ばれる少なくとも1種の組み合わせを含む、エンジンECU。
(B1)フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂と、フルオレン骨格、イミダゾリジノン骨格及びアミノトリアジン骨格から選ばれる1種以上を有するフェノール化合物との組み合わせ
(B2)ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂と、フルオレン骨格、イミダゾリジノン骨格及びアミノトリアジン骨格から選ばれる1種以上を有するフェノール化合物との組み合わせ
(B3)アリルフェノール化合物と、ビスマレイミド化合物との組み合わせ
[2] 前記エポキシ樹脂組成物中の前記組成物(B)の含有量が、前記組成物(A)及び前記組成物(B)の含有量の合計100質量部に対して、10~80質量部である、上記[1]に記載のエンジンECU。
[3] 前記金属部材の表面は、ブラスト処理、研磨処理、エッチング処理及び化成処理から選ばれる1種以上で表面処理された面を有する、上記[1]又は[2]のいずれかに記載のエンジンECU。
[4] 前記金属部材と前記樹脂コーティング層との間に、前記金属部材及び前記樹脂コーティング層に接して積層された官能基含有層を有し、
前記官能基含有層が、下記(C1)~(C7)から選ばれる1種以上の官能基由来の構造を有する、上記[1]~[3]のいずれか1項に記載のエンジンECU。
(C1)シランカップリング剤由来の、アミノ基、メルカプト基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基及びイソシアナト基から選ばれる1種以上の官能基
(C2)シランカップリング剤由来のアミノ基と、エポキシ化合物とが反応して生成した官能基
(C3)シランカップリング剤由来のメルカプト基と、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、エポキシ変性(メタ)アクリレート化合物及びアミノ基含有(メタ)アクリレート化合物から選ばれる1種以上の化合物とが反応して生成した官能基
(C4)シランカップリング剤由来の(メタ)アクリロイル基と、チオール化合物とが反応して生成した官能基
(C5)シランカップリング剤由来のエポキシ基と、アミノ化合物、チオール化合物及びアミノ基含有(メタ)アクリレート化合物から選ばれる1種以上の化合物とが反応して生成した官能基
(C6)イソシアネート化合物由来のイソシアナト基
(C7)チオール化合物由来のメルカプト基
[5] 前記樹脂コーティング層が、複数層であり、硬化性樹脂の硬化物から形成された樹脂コーティング層を更に有し、
前記硬化性樹脂が、アリル変性マレイミド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂から選ばれる1種以上である、上記[1]~[4]のいずれか1項に記載のエンジンECU。
[6] 前記金属部材がアルミニウム材料を含み、前記アルミニウム材料の熱伝導率が150W/(m・K)以上である、上記[1]~[5]のいずれか1項に記載のエンジンECU。
[7] 前記金属部材がアルミニウム押出材を含み、前記アルミニウム押出材の熱伝導率が180W/(m・K)以上かつ引張強度が150MPa以上である、上記[1]~[6]のいずれか1項に記載のエンジンECU。
[8] 前記金属部材がアルミニウム鍛造材を含み、前記アルミニウム鍛造材の熱伝導率が180W/(m・K)以上かつ引張強度が150MPa以上である、上記[1]~[6]のいずれか1項に記載のエンジンECU。
[9] [1]~[8]のいずれか1項に記載のエンジンECUの製造方法であって、前記樹脂コーティング層を加熱し、加熱された前記樹脂コーティング層が前記金属部材と前記樹脂部材の間に介在するように前記金属部材と前記樹脂部材を圧着することにより、前記金属部材と前記樹脂部材を接合することを含む、エンジンECUの製造方法。
本開示によれば、軽量化及び小型化することができるエンジンECUを提供することができる。
図1は、本開示の一実施形態に係るエンジンECUの斜視図である。 図2は、図1のA-A’線に沿った断面図である。 図3は、一実施形態の樹脂コーティング層積層体の概略断面図である。 図4は、他の実施形態の樹脂コーティング層積層体の概略断面図である。 図5は、金属部材と樹脂部材とが樹脂コーティング層を介して接合された状態の概略断面図である。
次に、本開示の実施形態について図面を参照して以下に説明する。
本開示において、文中に特に明示した場合を除き、「金属」の語は単一の金属元素からなる純金属と、純金属に1種類以上の他元素を混ぜた合金との双方を含む意味で用いられる。例えば、「アルミニウム」の語は、アルミニウムの純金属及びその合金を含む。
本開示において、接合とは、物と物を繋ぎ合わせることを意味し、接着及び溶着はその下位概念である。接着とは、テープ、接着剤などの有機材料(硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等)を介して、2つの被着材(接着しようとするもの)を接合状態とすることを意味する。溶着とは、被着材である熱可塑性樹脂等の表面を熱によって溶融し、接触加圧と冷却により分子拡散による絡み合いと結晶化で接合状態とすることを意味する。
本開示において、「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。同様に、「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
本開示において、「常温」とは、25±5℃の範囲内の一般的な室温を意味する。
[エンジンECU]
図1を参照して、本開示の一実施形態に係るエンジンECU10について説明する。図1に示すエンジンECU10は、金属製の第1のパーツ12と、樹脂製の第2のパーツ14とを備える。以下、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を有する直交座標を用いて説明する。X軸に平行な方向をX方向、Y軸に平行な方向をY方向、Z軸に平行な方向をZ方向とする。
第1のパーツ12は、蓋であり、板状のベース16と、放熱フィン17とを有する。ベース16は、X方向及びY方向に平行な一側表面13と、一側表面13と反対側の他側表面15とを有する。ベース16の他側表面15は、平坦である。放熱フィン17は、ベース16の一側表面13に設けられた、複数の板状の突起18からなる。複数の板状の突起18は、ベース16の一側表面13からZ方向へ突出しており、所定の間隔を開けて、互いに平行に配置されている。図1に示す複数の板状の突起18は、長方形状であり、X方向に所定の間隔を開けて、長手方向をY方向に平行に向けて配置されている。放熱フィン17は、複数の板状の突起18である場合に限らず、複数の柱状の突起でもよい。ベース16と、複数の板状の突起18とは、一体であってもよい。
第2のパーツ14は、ケースであり、図2に示すように、底部22と、底部22の外縁に一体に形成された側部24と、底部22と側部24で囲まれた空間26とを有する。底部22は、平面視において長方形状を有している。側部24の基端は底部22の四辺にそれぞれ接続され、側部24の側辺同士は互いに連続している。第2のパーツ14は側部24のZ方向の先端に接合面27を有する。接合面27は平坦である。4個の側部24のうち1つにコネクタ20が設けられている。第2のパーツ14は、底部22及び側部24で囲まれた空間26に、半導体素子30を実装した回路基板32を収容する。回路基板32は、コネクタ20と電気的に接続されている。
第1のパーツ12は、第2のパーツ14の開口を塞ぐように配置される。第1のパーツ12の他側表面15が、第2のパーツ14の接合面27と接した状態で、第1のパーツ12は、第2のパーツ14に接合されている。回路基板32上の半導体素子30は、回路基板32と接している面と反対側の表面において、熱伝導シート28を介して第1のパーツ12の他側表面15に接している。熱伝導シート28としては、半導体の放熱用途に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、シリコーン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などのバインダーに、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、窒化ホウ素炭素、黒鉛、炭素繊維、カーボンナノチューブ、アルミナなどの熱伝導性フィラーが分散された、熱可塑性樹脂シート、エラストマーシート、硬化樹脂シート、又は粘着シートが挙げられる。
本開示において、エンジンECU10は、金属部材としての第1のパーツ12と、樹脂部材としての第2のパーツ14とを備える。第1のパーツ12と第2のパーツ14とは、第1のパーツ12の他側表面15と第2のパーツ14の接合面27とが接合している。第1のパーツ12が蓋、第2のパーツがケースである場合について説明したが、本発明はこれに限らず、回路基板32を収容する密閉容器を形成できれば足り、第1のパーツ12がケース、第2のパーツが蓋でもよい。
第1のパーツ12と第2のパーツ14とは以下説明する樹脂コーティング層を介して接合されている。樹脂コーティング層は、第1のパーツ12に積層されていてもよく、第2のパーツ14に積層されていてもよく、第1のパーツ12及び第2のパーツ14の両方に積層されていてもよい。以下では、第1のパーツ12を「金属部材2」とも記載し、第2のパーツ14を「樹脂部材5」とも記載する。
[樹脂コーティング層積層体1]
一実施形態では、1層又は複数層の樹脂コーティング層は、金属部材2に積層されて樹脂コーティング層積層体1を形成する。図3に、一実施形態の樹脂コーティング層積層体1の概略断面図を示す。図3に示す樹脂コーティング層積層体1は、金属部材2と、金属部材2に積層された1層又は複数層の樹脂コーティング層3とを備える。樹脂コーティング層3の少なくとも1層は、2官能エポキシ樹脂及び2価フェノール化合物を含む組成物(A)と、組成物(B)とを含有するエポキシ樹脂組成物の硬化物から形成される。組成物(B)は、下記(B1)~(B3)から選ばれる少なくとも1種の組み合わせを含むことを特徴とする。
(B1)フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂と、フルオレン骨格、イミダゾリジノン骨格及びアミノトリアジン骨格から選ばれる1種以上を有するフェノール化合物との組み合わせ
(B2)ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂と、フルオレン骨格、イミダゾリジノン骨格及びアミノトリアジン骨格から選ばれる1種以上を有するフェノール化合物との組み合わせ
(B3)アリルフェノール化合物と、ビスマレイミド化合物との組み合わせ
樹脂コーティング層積層体1の樹脂コーティング層3は、樹脂部材5と接合されたときに、100℃を超える高温に曝されても、金属部材2と樹脂部材5との間において高い接合強度を保持することができる。
<金属部材2>
金属部材2の金属種は特に限定されるものではない。金属種としては、例えば、アルミニウム、鉄、チタン、マグネシウム、ステンレス鋼、銅等が挙げられる。これらの金属種は、純金属であってもよく、合金であってもよい。これらのうち、放熱特性、軽量性及び加工容易性の観点から、アルミニウムが好適に用いられる。以下では、アルミニウムを適用した場合について詳述する。
金属部材2にアルミニウムを適用する場合において、金属部材2のアルミニウム材料の種類は限定されるものではなく、例えばアルミニウム含有量が50質量%以上のものが挙げられる。アルミニウム材料は、A1000系合金、A6000系合金(例:A6061、A6063、A6082、A6110)、A4000系合金などであることが好ましい。アルミニウム材料は、高い熱伝導率と高い強度を有するA6063アルミニウム合金であることがより好ましい。
アルミニウム材料の熱伝導率は150W/(m・K)以上であることが好ましく、180W/(m・K)以上であることがより好ましい。
金属部材2は、アルミニウム押出材又はアルミニウム鍛造材を含むことが好ましい。アルミニウム押出材の熱伝導率は180W/(m・K)以上かつ引張強度が150MPa以上であることが好ましい。アルミニウム鍛造材の熱伝導率は180W/(m・K)以上かつ引張強度は150MPa以上であることが好ましい。これらの場合、金属部材2が高い熱伝導率(高熱伝導性)及び高い引張強度(高強度)を有しているので、金属部材2の高強度化を図ることができ、金属部材2の放熱特性を向上させることができる。引張強度の上限は限定されるものではなく、例えば450MPaである。熱伝導率の上限は限定されるものではなく、例えば250W/(m・K)である。本開示において、熱伝導率及び引張強度はそれぞれ室温での値である。
金属部材2がアルミニウム押出材を含む場合、金属部材2は次の方法で製造されることが好ましい。具体的には、所定の特性を有するアルミニウム材料の溶湯を連続鋳造装置に供給することにより鋳造棒を連続鋳造する工程と、鋳造棒を均質化処理する工程と、鋳造棒を所定の長さに切断することにより押出加工素材としてのビレットを得る工程と、ビレットを外径面削する工程と、ビレットを熱間押出加工することにより所定の横断面形状の押出材を形成する工程とをこの順に行う。次いで、押出材を所定の長さに切断し、切断した両端面に、面削加工、バリ取り加工等の所定の加工を施すことにより、アルミニウム押出材を含む金属部材2が得られる。金属部材2としてA6000系合金、A4000系合金などの高強度合金を使用する場合には、押出材を加工する前にT6熱処理(溶体化処理からの水冷焼入れと、時効硬化処理(焼戻し)との組み合わせ)による高強度化を適用することが好ましい。
金属部材2がアルミニウム鍛造材を含む場合、金属部材2は次の方法で製造されることが好ましい。具体的には、所定の特性を有するアルミニウム材料の溶湯を連続鋳造装置に供給することにより鋳造棒を連続鋳造する工程と、鋳造棒を所定の長さに切断することによりビレット(素材)を得る工程と、ビレットを均質化処理する工程と、ビレットを外径面削する工程と、ビレットを熱間型鍛造加工することにより鍛造材としての概略ベースプレートに放熱フィンを備えた形状の素形材を形成する工程とをこの順に行う。金属部材2としてA6000系合金、A4000系合金などの高強度合金を使用する場合には、続いてT6熱処理(溶体化処理からの水冷焼入れと、時効硬化処理(焼戻し)との組み合わせ)を実施する。次いで、素形材における所定の箇所(樹脂部材5との接合予定面など)を機械加工(例:切削加工)により仕上げ加工する。これにより、アルミニウム鍛造材を含む金属部材2が得られる。このような素形材を複数作製し、これらをMIG溶接、摩擦撹拌接合等によって接合してもよい。
<樹脂コーティング層3>
一実施形態では、樹脂コーティング層3は金属部材2に積層されている。樹脂コーティング層3は、1層で構成されていてもよく、複数層から構成されていてもよい。
金属部材2は、その表面に樹脂コーティング層3が形成されていることにより、樹脂部材5と高い接合強度で接合させることができる。また、樹脂コーティング層3は、金属部材2の表面上に、強固に接着されており、金属部材2の表面を汚れ、酸化等の変質等から保護することもできる。
樹脂コーティング層3は、その少なくとも1層が、2官能エポキシ樹脂及び2価フェノール化合物を含む組成物(A)と、下記に示す組成物(B)とを含有するエポキシ樹脂組成物の硬化物から形成された層(以下、「エポキシ樹脂層」ともいう。)である。
エポキシ樹脂組成物を現場重合で硬化させることにより、金属部材2との接着性に優れ、かつ、100℃を超える高温に曝されても、樹脂部材5との高い接合強度が得られる樹脂コーティング層3を形成することができる。
組成物(A)は、いわゆる現場重合型熱可塑エポキシ樹脂を形成する樹脂組成物である。エポキシ樹脂層は、組成物(A)と組成物(B)とを含有するエポキシ樹脂組成物の反応によって形成され、リニアポリマー構造、あるいは、熱可塑性樹脂との分子混和性を損なうことのない範囲で一部に架橋構造が形成されたリニアポリマー構造を有する。このため、エポキシ樹脂層は、全体的に架橋構造による3次元ネットワークで構成される硬化性樹脂とは異なり、熱可塑性樹脂との分子混和性に優れた樹脂コーティング層3を形成することができる。
エポキシ樹脂層は、1層のみであってもよく、2層以上形成されていてもよい。2層以上である場合のエポキシ樹脂層の各層は、同じエポキシ樹脂組成物の硬化物から形成されてもよく、あるいは、異なるエポキシ樹脂組成物の硬化物から形成されてもよい。
エポキシ樹脂層を形成するエポキシ樹脂組成物は、複数の化合物を組成成分としており、これらの複数の化合物の配合比率、反応条件等によって、複数の官能基が関与して様々な複雑な反応を生じ得ることは、当業者にとって技術常識である。このため、エポキシ樹脂層の具体的な化学構造又は特性を、直接特定して包括的に表現することは、不可能又は非実際的であると考える。よって、本開示においては、エポキシ樹脂層は、該エポキシ樹脂層を形成する組成物原料、すなわち、エポキシ樹脂組成物の組成により特定されている。
本開示において、エポキシ樹脂組成物が、組成物(A)と組成物(B)を「含有している」とは、該エポキシ樹脂組成物の組成物原料として、組成物(A)と組成物(B)とが配合されていることを意味する。組成物(A)及び組成物(B)のいずれにも該当し得る組成物は、組成物(B)とみなす。
(組成物(A))
組成物(A)は、2官能エポキシ樹脂及び2価フェノール化合物を含む。
2官能エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂「jER(登録商標)828」、「jER(登録商標)834」、「jER(登録商標)1001」、「jER(登録商標)1004」、「jER(登録商標)1007」;及びビフェニル型エポキシ樹脂「jER(登録商標)YX4000」(以上、三菱ケミカル株式会社製)が挙げられる。これらの2官能エポキシ樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
2価フェノール化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール化合物、及び4,4’-ビフェノール等のビフェノール化合物が挙げられる。これらの2価フェノール化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
組成物(A)における2官能エポキシ樹脂及び2価フェノール化合物の組み合わせとしては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールA、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールS、及びビフェニル型エポキシ樹脂と4,4’-ビフェノールが挙げられる。また、例えば、ナガセケムテックス株式会社製の「EX-991L」と「WPE190」との併用も挙げられる。
組成物(A)における2官能エポキシ樹脂と2価フェノール化合物との配合量比は、両者の反応性等を考慮して、水酸基に対するエポキシ基のモル当量比が、0.7~1.5となるように設定されることが好ましい。水酸基に対するエポキシ基のモル当量比は、より好ましくは0.8~1.4、更に好ましくは0.9~1.3である。
(組成物(B))
組成物(B)は、下記(B1)~(B3)から選ばれる少なくとも1種の組み合わせを含む。
(B1)フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂と、フルオレン骨格、イミダゾリジノン骨格及びアミノトリアジン骨格から選ばれる1種以上を有するフェノール化合物との組み合わせ
(B2)ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂と、フルオレン骨格、イミダゾリジノン骨格及びアミノトリアジン骨格から選ばれる1種以上を有するフェノール化合物との組み合わせ
(B3)アリルフェノール化合物と、ビスマレイミド化合物との組み合わせ
(B1)及び(B2)は、組成物(A)とは異なるエポキシ樹脂組成物を構成する組み合わせであり、(B3)は、アリル変性マレイミド樹脂を形成する組み合わせである。
(B1)~(B3)の少なくとも1種を組成物(A)と併用してエポキシ樹脂組成物を構成することにより、100℃を超える高温に曝されても樹脂部材5との高い接合強度を示す樹脂コーティング層3を形成することができる。すなわち、(B1)~(B3)は、エポキシ樹脂の耐熱性を向上させる成分である。
(B1)におけるエポキシ樹脂とフェノール化合物との配合量比は、両者の反応性等を考慮して、水酸基に対するエポキシ基のモル当量比が、0.7~1.5となるように設定されることが好ましい。水酸基に対するエポキシ基のモル当量比は、より好ましくは0.8~1.4、更に好ましくは0.9~1.3である。
(B2)におけるエポキシ樹脂とフェノール化合物との配合量比も、上記(B1)と同様である。
(B3)におけるアリルフェノール化合物とビスマレイミド化合物との配合量比は、アリル基に対するマレイミド基のモル当量比が、0.7~1.5となるように設定されることが好ましい。アリル基に対するマレイミド基のモル当量比は、より好ましくは0.8~1.4、更に好ましくは0.9~1.3である。
エポキシ樹脂組成物中の組成物(B)の含有量は、組成物(A)及び組成物(B)の含有量の合計100質量部に対して、好ましくは10~80質量部、より好ましくは10~70質量部、更に好ましくは20~65質量部である。
組成物(B)が上記範囲内の含有量でエポキシ樹脂組成物中に含有されていることにより、熱可塑性樹脂との分子混和性を保持しつつ、良好な耐熱性を有する樹脂コーティング層3を形成することができる。
本開示において、組成物(A)及び/又は組成物(B)の含有量とは、組成物(A)及び/又は組成物(B)の配合量を指し、後述する溶剤の量は含まない。
熱可塑性樹脂との分子混和性及び耐熱性を有するエポキシ樹脂層を形成する観点から、エポキシ樹脂組成物(ただし、溶剤を除く。)100質量%中、組成物(A)及び組成物(B)の含有量の合計は、好ましくは50~100質量%、より好ましくは60~100質量%、更に好ましくは80~100質量%である。
(B1)におけるフルオレン構造を有するエポキシ樹脂は、2官能エポキシ樹脂であることが好ましい。フルオレン構造を有するエポキシ樹脂としては、例えば、「OGSOL(登録商標)PG-100」、「OGSOL(登録商標)CG-500」、「OGSOL(登録商標)EG-200」、及び「OGSOL(登録商標)EG-280」(以上、大阪ガスケミカル株式会社製)が挙げられる。これらのフルオレン構造を有するエポキシ樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(B1)及び(B2)におけるフルオレン構造を有するフェノール化合物は、2価のフェノール化合物であることが好ましい。フルオレン構造を有するフェノール化合物としては、例えば、「BPF」(ビスフェノールフルオレン;9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン)、「BPEF」(ビスフェノキシエタノールフルオレン;9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン)、及び「BCF」(ビスクレゾールフルオレン);9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン(以上、大阪ガスケミカル株式会社製)が挙げられる。これらのフルオレン構造を有するフェノール化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(B1)及び(B2)におけるイミダゾリジノン骨格を有するフェノール化合物としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂に由来する「TAM-005」(アイカ工業株式会社製)が挙げられる。これらのイミダゾリジノン骨格を有するフェノール化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(B1)及び(B2)におけるアミノトリアジン骨格を有するフェノール化合物としては、例えば、メラミン、ベンゾグアナミン等で変性されたノボラック型フェノール樹脂である「フェノライト(登録商標)LA-7052」、「フェノライト(登録商標)LA-7054」、「フェノライト(登録商標)LA-7751」、「フェノライト(登録商標)LA-1356」、及び「フェノライト(登録商標)LA-3018-50P」(以上、DIC株式会社製)が挙げられる。これらのアミノトリアジン骨格を有するフェノール化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(B2)におけるビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂としては、例えば、「jER(登録商標)YX-4000」、「jER(登録商標)YX-4000H」、「jER(登録商標)YL6121HA」、及び「jER(登録商標)YL6677」(以上、三菱ケミカル株式会社製)、並びに「NC-3000」、「NC-3000-L」、「NC-3000-H」、「NC-3000-FH-75M」、「NC-3100」、及び「CER-3000-L」(以上、日本化薬株式会社製)が挙げられる。これらのビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(B3)におけるアリルフェノール化合物としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂に由来する「APG 低粘度アリルフェノール樹脂」、「LVA 低揮発性アリルフェノール樹脂」、「FTC-AE低極性アリルエーテルフェノール樹脂」、及び「FATC 低極性多官能アリルフェノール樹脂」(以上、群栄化学工業株式会社製)が挙げられる。これらのアリルフェノール化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(B3)におけるビスマレイミド化合物としては、例えば、4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド「BMI-1000」、「BMI-1000H」、「BMI-1100」、「BMI-1100H」;m-フェニレンビスマレイミド「BMI-3000」、「BMI-3000H」;ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド「BMI-4000」;3,3’-ジメチル-5,5’-ジエチル-4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド「BMI-5000」;及び1,6’-ビスマレイミド-(2,2,4-トリメチル)ヘキサン「BMI-TMH」(以上、大和化成工業株式会社製)が挙げられる。これらのビスマレイミド化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂組成物には、重付加反応を促進させるための触媒を添加してもよい。触媒としては、例えば、トリエチルアミン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第三級アミン;及びトリフェニルホスフィン等のリン化合物が好適に用いられる。
触媒は、組成物(A)及び組成物(B)のいずれか一方、又は組成物(A)及び組成物(B)の両方に含まれていてもよい。
触媒を添加する場合、該触媒の使用量は、重付加反応の適度な促進の観点から、エポキシ樹脂を形成する原料化合物の合計100質量部に対して、好ましくは0.01~5質量部、より好ましくは0.05~3質量部、更に好ましくは0.1~2質量部である。
組成物(A)及び/又は組成物(B)は、これらの組成物の混合容易性及び該エポキシ樹脂組成物のコーティング容易性等の観点から、溶剤を含んでもよい。溶剤としては、組成物(A)及び/又は組成物(B)の溶解性、エポキシ樹脂組成物の重付加反応後の残留の抑制等の観点から、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、n-ヘキサン、エタノール、及びメタノールが好適に用いられる。
組成物(A)及び/又は組成物(B)には、所望の樹脂コーティング層3を形成させるために、必要に応じて着色剤等の添加剤が含まれていてもよい。この場合、エポキシ樹脂組成物(ただし、溶剤は除く。)100質量%中、エポキシ樹脂を形成する原料化合物の合計は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは80質量%以上である。
樹脂コーティング層積層体1は、金属部材2の表面上で、組成物(A)と組成物(B)とを含有するエポキシ樹脂組成物を反応させて、樹脂コーティング層3の1層又は複数層を形成する工程を経ることにより製造されることが好ましい。
金属部材2の表面上で、エポキシ樹脂組成物を反応させたエポキシ樹脂層を形成することにより、金属部材2の表面上に樹脂コーティング層3が強固に接着した樹脂コーティング層積層体1を得ることができる。
金属部材2の表面上へのエポキシ樹脂組成物のコーティング方法は、特に限定されるものではないが、例えば、スプレー塗布法、及び浸漬法が挙げられる。
コーティングしたエポキシ樹脂組成物を反応させて、エポキシ樹脂層を形成する際の加熱温度は、反応させる化合物等の種類にもよるが、現場重合での操作容易性及び樹脂コーティング層積層体1の製造効率等の観点から、好ましくは120~200℃、より好ましくは120~180℃、更に好ましくは130~170℃である。同様の観点から、加熱時間は、好ましくは5~90分間、より好ましくは10~80分間、更に好ましくは15~60分間である。
エポキシ樹脂組成物が溶剤を含む場合、エポキシ樹脂組成物をコーティングした後、適宜、溶剤の揮発のために乾燥させた後、加熱して反応させることが好ましい。
(硬化性樹脂層)
樹脂コーティング層3は、複数層からなる場合、エポキシ樹脂層に加え、硬化性樹脂を含む樹脂組成物の硬化物から形成された樹脂コーティング層(以下、「硬化性樹脂層」ともいう。)を更に有していてもよい。硬化性樹脂としては、例えば、アリル変性マレイミド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、及び不飽和ポリエステル樹脂が挙げられる。
硬化性樹脂層は、これらの樹脂のうちの1種で形成されていてもよく、2種以上が混合されて形成されていてもよい。硬化性樹脂層を2層以上で構成し、各層を異なる種類の硬化性樹脂を含む樹脂組成物で形成してもよい。
樹脂コーティング層3が、エポキシ樹脂層と、硬化性樹脂層との積層構成であることにより、樹脂コーティング層3に、硬化性樹脂に基づく強度、耐衝撃性等の種々の特性を付与することができる。
硬化性樹脂層とエポキシ樹脂層との積層順序は、特に限定されるものではないが、金属部材2と樹脂部材5とを高い接合強度で接合させる観点から、樹脂コーティング層3の最表面がエポキシ樹脂層となるように積層することが好ましい。
硬化性樹脂を含む樹脂組成物をコーティングする方法は、特に限定されるものではないが、例えば、スプレー塗布法、及び浸漬法が挙げられる。
樹脂組成物は、混合容易性及びコーティング容易性等の観点から、溶剤を含んでいてもよい。樹脂組成物には、所望の樹脂コーティング層3を形成させるために、必要に応じて着色剤等の添加剤が含まれていてもよい。この場合、樹脂組成物(ただし、溶剤は除く。)100質量%中、硬化性樹脂を形成する原料化合物の合計は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは80質量%以上である。
本開示において、硬化性樹脂とは架橋硬化する樹脂を意味し、加熱硬化タイプに限られず、常温硬化タイプ及び光硬化タイプも包含される。光硬化タイプは、可視光又は紫外線の照射によって短時間での硬化も可能である。光硬化タイプを、加熱硬化タイプ及び/又は常温硬化タイプと併用してもよい。光硬化タイプとしては、例えば、「リポキシ(登録商標)LC-760」、「リポキシ(登録商標)LC-720」(以上、昭和電工株式会社製)等のビニルエステル樹脂が挙げられる。
〔アリル変性マレイミド樹脂〕
アリル変性マレイミド樹脂は、アリル化合物とビスマレイミド化合物との組み合わせによって得られる反応生成物である。アリル変性マレイミド樹脂は、高耐熱性樹脂として知られており、ガラス転移温度が250℃以上のものもある。このため、アリル変性マレイミド樹脂の使用は、樹脂コーティング層3の耐熱性を高める上で有効である。
アリル化合物としては、例えば、上述した(B3)におけるアリルフェノール化合物と同様のものが挙げられる。ビスマレイミド化合物としては、例えば、上述した(B3)におけるビスマレイミド化合物と同様のものが挙げられる。これらのアリル化合物とビスマレイミド化合物との組み合わせを含む組成物を、例えば、過酸化物触媒を用いて硬化させることにより、硬化性樹脂層を形成することができる。
〔ウレタン樹脂〕
ウレタン樹脂は、通常、イソシアナト基と水酸基との反応によって得られる樹脂であり、ASTM D16において、「ビヒクル不揮発成分10重量%以上のポリイソシアネートを含む塗料」と定義されるものに該当するウレタン樹脂が好ましい。ウレタン樹脂は、一液型であってもよく、二液型であってもよい。
一液型ウレタン樹脂としては、例えば、油変性タイプ(不飽和脂肪酸基の酸化重合により硬化するもの)、湿気硬化タイプ(イソシアナト基と空気中の水との反応により硬化するもの)、ブロックタイプ(ブロック剤が加熱により解離し再生したイソシアナト基と水酸基が反応して硬化するもの)、及びラッカータイプ(溶剤が揮発して乾燥することにより硬化するもの)が挙げられる。これらの中でも、取り扱い容易性等の観点から、湿気硬化タイプ一液型ウレタン樹脂が好適に用いられる。湿気硬化タイプ一液型ウレタン樹脂としては、具体的には、「UM-50P」(昭和電工株式会社製)等が挙げられる。
二液型ウレタン樹脂としては、例えば、触媒硬化タイプ(イソシアナト基と空気中の水等とが触媒存在下で反応して硬化するもの)、及びポリオール硬化タイプ(イソシアナト基とポリオール化合物の水酸基との反応により硬化するもの)が挙げられる。
ポリオール硬化タイプにおけるポリオール化合物としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、及びフェノール樹脂が挙げられる。
ポリオール硬化タイプにおけるイソシアナト基を有するイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、テトラメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート;2,4-若しくは2,6-トリレンジイソシアネート(TDI)又はその混合物、p-フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)又はその多核体混合物であるポリメリックMDI等の芳香族イソシアネート;及びイソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂環族イソシアネートが挙げられる。
ポリオール硬化タイプ二液型ウレタン樹脂におけるポリオール化合物とイソシアネート化合物との配合量比は、イソシアナト基に対する水酸基のモル当量比が、0.7~1.5となるように設定されることが好ましい。
二液型ウレタン樹脂において使用されるウレタン化触媒としては、例えば、トリエチレンジアミン、テトラメチルグアニジン、N,N,N’,N’-テトラメチルヘキサン-1,6-ジアミン、ジメチルエーテルアミン、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチルジプロピレン-トリアミン、N-メチルモルフォリン、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、ジメチルアミノエトキシエタノール、トリエチルアミン等のアミン系触媒;及びジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズチオカルボキシレート、ジブチルスズジマレエート等の有機スズ系触媒が挙げられる。
ポリオール硬化タイプにおいては、一般に、ポリオール化合物100質量部に対して、ウレタン化触媒が0.01~10質量部配合されることが好ましい。
〔エポキシ樹脂〕
エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する樹脂である。エポキシ樹脂の硬化前のプレポリマーとしては、例えば、エーテル系ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族型エポキシ樹脂、エステル系の芳香族エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、及びエーテル・エステル系エポキシ樹脂が挙げられる。これらの中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好適に用いられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、例えば、「jER(登録商標)828」、及び「jER(登録商標)1001」(以上、三菱ケミカル株式会社製)が挙げられる。
ノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、「D.E.N.(登録商標)438(登録商標)」(ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー製)が挙げられる。
エポキシ樹脂に使用される硬化剤としては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、酸無水物、フェノール樹脂、チオール類、イミダゾール類、カチオン触媒等の公知の硬化剤が挙げられる。硬化剤を長鎖脂肪族アミン及び/又はチオール類と併用することにより、伸び率が大きく、耐衝撃性に優れる樹脂コーティング層3を形成することができる。
硬化剤におけるチオール類としては、後述する官能基含有層の形成に用いられるチオール化合物として例示するものと同様の化合物が挙げられる。これらの中でも、樹脂コーティング層3の伸び率及び耐衝撃性の観点から、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)「カレンズMT(登録商標)PE1」(昭和電工株式会社製)が好ましい。
〔ビニルエステル樹脂〕
ビニルエステル樹脂は、ビニルエステル化合物を、スチレン等の重合性モノマーに溶解したものである。ビニルエステル樹脂は、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂とも呼ばれるが、本開示において、ビニルエステル樹脂にはウレタン(メタ)アクリレート樹脂も包含される。
ビニルエステル樹脂としては、例えば、「ポリエステル樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社、1988年発行)、「塗料用語辞典」(色材協会、1993年発行)等に記載されているものを使用することができる。ビニルエステル樹脂としては、具体的には、「リポキシ(登録商標)R-802」、「リポキシ(登録商標)R-804」、及び「リポキシ(登録商標)R-806」(以上、昭和電工株式会社製)が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート樹脂としては、例えば、イソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させた後、水酸基含有(メタ)アクリルモノマーと、必要に応じて、更に水酸基含有アリルエーテルモノマーとを反応させて得られるラジカル重合性不飽和基含有オリゴマーが挙げられる。ウレタン(メタ)アクリレート樹脂としては、具体的には、「リポキシ(登録商標)R-6545」(昭和電工株式会社製)が挙げられる。
ビニルエステル樹脂は、有機過酸化物等の触媒存在下での加熱によるラジカル重合で硬化させることができる。有機過酸化物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ケトンパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ハイドロパーオキサイド類、ジアリルパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、及びパーオキシジカーボネート類が挙げられる。これらの有機過酸化物をコバルト金属塩等と組み合わせることにより、常温での硬化も可能となる。
コバルト金属塩としては、特に限定されるものではないが、例えば、ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルト、及び水酸化コバルトが挙げられる。これらの中でも、ナフテン酸コバルト及びオクチル酸コバルトが好ましい。
〔不飽和ポリエステル樹脂〕
不飽和ポリエステル樹脂は、ポリオール化合物と不飽和多塩基酸と、必要に応じて、更に飽和多塩基酸とのエステル化反応による縮合生成物である不飽和ポリエステルを、スチレン等の重合性モノマーに溶解したものである。
不飽和ポリエステル樹脂としては、例えば、「ポリエステル樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社、1988年発行)、「塗料用語辞典」(色材協会、1993年発行)等に記載されているものを使用することができる。不飽和ポリエステル樹脂としては、具体的には、「リゴラック(登録商標)」(昭和電工株式会社製)が挙げられる。
不飽和ポリエステル樹脂は、ビニルエステル樹脂と同様の触媒存在下での加熱によるラジカル重合で硬化させることができる。
<表面処理>
金属部材2は、表面処理された面を有していることが好ましい。
樹脂コーティング層3は、金属部材2の表面処理された面上に形成されていることにより、金属部材2と強固に接着しやすくなる。
表面処理としては、例えば、溶剤等による洗浄又は脱脂処理、ブラスト処理、研磨処理、エッチング処理、及び化成処理が挙げられる。これらの表面処理は、1種のみであってもよく、2種以上が併用されていてもよい。これらの中でも、ブラスト処理、研磨処理、エッチング処理又は化成処理による表面処理が好ましい。
表面処理は、金属部材2の表面を清浄化することにより、該表面に水酸基を生じさせることにより、又は該表面に微細な凹凸形成(粗面化)によるアンカー効果により、金属部材2の表面に対する樹脂コーティング層3の接着性を向上させることを目的として行われる。
上記のような方法で表面処理された金属部材2の表面の性状は、表面処理された面上に樹脂コーティング層3が形成されることにより、表面処理直後とは変化している場合もある。このため、樹脂コーティング層積層体1において、表面処理された金属部材2の表面の性状を特定して表現することは、不可能又は非実際的であると考える。よって、本開示においては、表面処理された金属部材2の表面は、表面処理の方法により特定されている。
表面処理は、公知の方法で行うことができる。具体的な方法としては、例えば、以下に示す方法が挙げられる。
〔洗浄又は脱脂処理〕
溶剤等による洗浄又は脱脂処理としては、例えば、金属部材2の表面を、アセトン、トルエン等の有機溶剤を用いて、洗浄すること、又は拭くことにより脱脂することが挙げられる。
〔ブラスト処理〕
ブラスト処理としては、例えば、ショットブラスト、及びサンドブラストが挙げられる。
〔研磨処理〕
研磨処理としては、例えば、研磨布を用いたバフ研磨、研磨紙(サンドペーパー)を用いたロール研磨、及び電解研磨が挙げられる。
〔エッチング処理〕
エッチング処理としては、例えば、アルカリ法、リン酸-硫酸法、フッ化物法、クロム酸-硫酸法、塩鉄法等の化学的エッチング処理、及び電解エッチング法等の電気化学的エッチング処理が挙げられる。
金属部材2がアルミニウムを含む場合、エッチング処理は、水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液を用いたアルカリ法が好ましく、水酸化ナトリウム水溶液を用いた苛性ソーダ法がより好ましい。
アルカリ法は、例えば、アルミニウム材料を濃度3~20質量%の水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの水溶液に、20~70℃で1~15分間浸漬させることにより行うことができる。添加剤として、キレート剤、酸化剤、リン酸塩等を添加してもよい。浸漬後、5~20質量%の硝酸水溶液等で中和(脱スマット)し、水洗、乾燥を行うことが好ましい。
〔化成処理〕
化成処理とは、主として金属部材2の表面に、化成皮膜を形成するものである。金属部材2がアルミニウムを含む場合、化成処理としては、例えば、ベーマイト処理、及びジルコニウム処理が挙げられ、ベーマイト処理が好ましい。化成処理は、エッチング処理の後に行うことが好ましい。
ベーマイト処理は、例えば、アルミニウム材料を90~100℃程度の熱水で処理することにより行われ、アルミニウム材料の表面にベーマイト(アルミニウム水和酸化物)皮膜が形成される。反応促進剤として、アンモニア、トリエタノールアミン等を水に添加してもよい。例えば、アルミニウム材料を、濃度0.1~5.0質量%でトリエタノールアミンを含む90~100℃の熱水中に3秒~5分間浸漬することにより、ベーマイト処理を行うことができる。ベーマイト処理においては、良好なベーマイト皮膜を形成させるため、熱水での処理後、ベーキングすることが好ましい。
ジルコニウム処理は、例えば、アルミニウム材料を、リン酸ジルコニウム等のジルコニウム塩含有液に浸漬することにより行われ、アルミニウム材料の表面にジルコニウム化合物の皮膜が形成される。例えば、アルミニウム材料を、「パルコート3762」、「パルコート3796」(以上、日本パーカライジング株式会社製)等のジルコニウム処理用の化成剤の45~70℃の液中に0.5~3分間浸漬することにより、ジルコニウム処理を行うことができる。
アルミニウムを含む金属部材2に表面処理を施す場合、表面処理は、エッチング処理及びベーマイト処理から選ばれる1種以上であることが好ましい。
<官能基含有層4>
図4に、他の実施形態の樹脂コーティング層積層体1の概略断面図を示す。図4に示す樹脂コーティング層積層体1は、金属部材2と樹脂コーティング層3との間に、両者に接して積層された官能基含有層4を有している。官能基含有層4は、下記(C1)~(C7)から選ばれる1種以上の官能基由来の構造を有する。
(C1)シランカップリング剤由来の、アミノ基、メルカプト基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基及びイソシアナト基から選ばれる1種以上の官能基
(C2)シランカップリング剤由来のアミノ基と、エポキシ化合物とが反応して生成した官能基
(C3)シランカップリング剤由来のメルカプト基と、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、エポキシ変性(メタ)アクリレート化合物及びアミノ基含有(メタ)アクリレート化合物から選ばれる1種以上の化合物とが反応して生成した官能基
(C4)シランカップリング剤由来の(メタ)アクリロイル基と、チオール化合物とが反応して生成した官能基
(C5)シランカップリング剤由来のエポキシ基と、アミノ化合物、チオール化合物及びアミノ基含有(メタ)アクリレート化合物から選ばれる1種以上の化合物とが反応して生成した官能基
(C6)イソシアネート化合物由来のイソシアナト基
(C7)チオール化合物由来のメルカプト基
官能基含有層4における官能基由来の構造が、官能基含有層4に接して積層されている金属部材2及び樹脂コーティング層3のそれぞれと化学結合することにより、金属部材2と樹脂コーティング層3とを、強固に接着することができる。官能基含有層4は、樹脂コーティング層積層体1の樹脂コーティング層3側の表面と樹脂部材5との接合強度の向上にも寄与し得るものと考えられる。
官能基含有層4が(C1)~(C7)の官能基由来の構造を有していることは、金属部材2の表面上に官能基含有層4を形成した直後は、分析により確認できる場合もある。しかし、樹脂コーティング層積層体1においては、これらの官能基由来の構造は、樹脂コーティング層3と化学結合して変化しており、官能基含有層4における該官能基又は構造の存在を確認することは、不可能又は非実際的である。このため、本開示においては、(C1)~(C7)の官能基由来の構造を生成させ得るシランカップリング剤及び/又はそれ以外の化合物が有する官能基に基づいて、官能基含有層4の構成が特定されている。
官能基含有層4は、上述した表面処理が施された金属部材2の表面に積層されていることが好ましい。すなわち、金属部材2は、官能基含有層4を形成する前に、表面処理を施しておくことが好ましい。これにより、表面処理及び官能基含有層4がもたらす化学結合との相乗効果によって、金属部材2と樹脂コーティング層3とを強固に接着することができる。上記相乗効果によって、樹脂コーティング層3と樹脂部材5との接合強度も向上する場合がある。
官能基含有層4は、樹脂コーティング層3を形成する前に、金属部材2の表面に、下記(c1)~(c7)から選ばれる1種以上を用いた処理により形成することができる。
(c1)アミノ基、メルカプト基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基及びイソシアナト基から選ばれる1種以上の官能基を有するシランカップリング剤
(c2)アミノ基を有するシランカップリング剤と、エポキシ化合物との組み合わせ
(c3)メルカプト基を有するシランカップリング剤と、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、エポキシ変性(メタ)アクリレート化合物及びアミノ基含有(メタ)アクリレート化合物から選ばれる1種以上の化合物との組み合わせ
(c4)(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤と、チオール化合物との組み合わせ
(c5)エポキシ基を有するシランカップリング剤と、アミノ化合物、チオール化合物及びアミノ基含有(メタ)アクリレート化合物から選ばれる1種以上の化合物との組み合わせ
(c6)イソシアネート化合物
(c7)チオール化合物
(c1)~(c7)は、順に、それぞれから形成される上記(C1)~(C7)のそれぞれの官能基に対応している。すなわち、(c1)による処理は、(C1)の官能基を導入する官能基含有層4を形成するものであり、(c2)による処理は、(C2)の官能基を導入する官能基含有層4を形成するものである。(c3)~(c7)による各処理についても同様である。
例えば、(c2)による処理で、アミノ基に2官能エポキシ化合物を反応させた場合、該2官能エポキシ化合物が有する官能基であるエポキシ基が末端に導入される。同様に、(c3)による処理で、メルカプト基に多官能イソシアネート化合物を反応させた場合、該多官能イソシアネート化合物が有する官能基であるイソシアナト基が末端に導入される。
官能基含有層4の形成方法は、特に限定されるものではないが、(c1)~(c7)に示すシランカップリング剤及び/又はそれ以外の化合物を、スプレー塗布法、浸漬法等の公知のコーティング方法で、金属部材2の表面をコーティングすることにより形成することができる。例えば、金属部材2を、濃度5~50質量%のシランカップリング剤等の常温~100℃の溶液中に1分~5日間浸漬した後、常温~100℃で1分~5時間乾燥させる方法が挙げられる。
〔シランカップリング剤〕
(c1)~(c5)におけるシランカップリング剤としては、例えば、ガラス繊維の表面処理等において使用される公知のものを使用することができる。シランカップリング剤の加水分解により生成したシラノール基、又はシラノール基が縮合して生成したオリゴマー化物のシラノール基が、金属部材2の表面、特に表面処理によって生じた水酸基と結合することにより、シランカップリング剤由来の、アミノ基、メルカプト基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、イソシアナト基等の官能基を金属部材2の表面に導入することができる。これらの官能基は、樹脂コーティング層3を形成する化合物との化学結合形成に寄与する。
これらの官能基は、官能基含有層4の形成に用いられるシランカップリング剤以外の化合物の官能基との反応により、樹脂コーティング層3を形成する化合物と化学親和性のある官能基を生じさせ得る。このため、(c2)~(c5)のそれぞれの処理は、金属部材2の表面をシランカップリング剤で処理した後、シランカップリング剤との組み合わせの対象である化合物で処理することが好ましい。
このように、シランカップリング剤は、官能基含有層4を介して、金属部材2と樹脂コーティング層3とを強固に接着させるために、官能基含有層4を形成する化合物として好適に用いられる。
シランカップリング剤としては、官能基としてアミノ基、メルカプト基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基及びイソシアナト基から選ばれる1種以上を有するものが用いられる。これらのシランカップリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、及びN-(ビニルベンジル)-2-アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩が挙げられる。
メルカプト基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、及び3-メルカプトプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、及び3-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
エポキシ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、及び3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
イソシアナト基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
〔チオール化合物〕
(c4)、(c5)又は(c7)におけるチオール化合物は、シランカップリング剤以外の化合物である。チオール化合物のメルカプト基が、金属部材2の表面、特に表面処理によって生じた水酸基と結合しやすい。また、シランカップリング剤と組み合わせて用いられる場合、チオール化合物のメルカプト基が、シランカップリング剤由来の(メタ)アクリロイル基、エポキシ基等の官能基と反応し、金属部材2の表面に樹脂コーティング層3を形成する化合物と化学親和性のある官能基を生じさせ得る。このため、チオール化合物は、官能基含有層4を介して、金属部材2と樹脂コーティング層3とを強固に接着させるために、官能基含有層4を形成する化合物として好適に用いられる。
チオール化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)「jERキュア(登録商標)QX40」(三菱ケミカル株式会社製)、「ポリチオール(登録商標)QE-340M」(東レ・ファインケミカル株式会社製);エーテル系第一級チオール化合物「カップキュア(登録商標)3-800」(コグニス社製);1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン「カレンズMT(登録商標)BD1」(昭和電工株式会社製);ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)「カレンズMT(登録商標)PE1」(昭和電工株式会社製);及び1,3,5-トリス(3-メルカプトブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン「カレンズMT(登録商標)NR1」(昭和電工株式会社製)が挙げられる。これらのチオール化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
〔イソシアネート化合物〕
(c3)又は(c6)におけるイソシアネート化合物は、シランカップリング剤以外の化合物である。イソシアネート化合物のイソシアナト基が、金属部材2の表面、特に表面処理によって生じた水酸基と結合しやすい。また、シランカップリング剤と組み合わせて用いられる場合、シランカップリング剤由来のメルカプト基等の官能基と反応し、金属部材2の表面に樹脂コーティング層3を形成する化合物と化学親和性のある官能基を生じさせ得る。このため、イソシアネート化合物は、官能基含有層4を介して、金属部材2と樹脂コーティング層3とを強固に接着させるために、官能基含有層4を形成する化合物として好適に用いられる。
イソシアネート化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の多官能イソシアネート;並びに2-イソシアナトエチルメタクリレート「カレンズMOI(登録商標)」、2-イソシアナトエチルアクリレート「カレンズAOI(登録商標)」及び「AOI-VM(登録商標)」、1,1-(ビスアクリロイルオキシエチル)エチルイソシアネート「カレンズBEI(登録商標)」(以上、昭和電工株式会社製)等のラジカル反応性基を有するイソシアネート化合物が挙げられる。イソシアネート化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
〔エポキシ化合物〕
(c2)又は(c3)におけるエポキシ化合物は、シランカップリング剤以外の化合物である。エポキシ化合物のエポキシ基が、シランカップリング剤由来のアミノ基、メルカプト基等の官能基と反応し、金属部材2の表面に樹脂コーティング層3を形成する化合物と化学親和性のある官能基を生じさせ得る。このため、エポキシ化合物は、官能基含有層4を介して、金属部材2と樹脂コーティング層3とを強固に接着させるために、官能基含有層4を形成する化合物として好適に用いられる。
エポキシ化合物としては、公知のエポキシ化合物を用いることができ、多官能エポキシ化合物、及びエポキシ基以外にアルケニル基を有する化合物が好ましい。エポキシ化合物としては、例えば、アリルグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、及び2官能エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ化合物は、脂環式エポキシ化合物であってもよい。脂環式エポキシ化合物としては、例えば、1,2-エポキシ-4-ビニルシクロヘキサン「セロキサイド(登録商標)2000」、及び3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート「セロキサイド(登録商標)2021P」(以上、株式会社ダイセル製)が挙げられる。これらのエポキシ化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
〔アミノ化合物〕
(c5)におけるアミノ化合物は、シランカップリング剤以外の化合物である。アミノ化合物のアミノ基が、シランカップリング剤由来のエポキシ基等の官能基と反応し、金属部材2の表面に樹脂コーティング層3を形成する化合物と化学親和性のある官能基を生じさせ得る。このため、アミノ化合物は、官能基含有層4を介して、金属部材2と樹脂コーティング層3とを強固に接着させるために、官能基含有層4を形成する化合物として好適に用いられる。
アミノ化合物としては、公知のアミノ化合物を用いることができ、1分子中に2個以上のアミノ基を有するアミノ化合物、及びアミノ基(アミド基を含む。)以外にアルケニル基を有する化合物が好ましい。アミノ化合物としては、例えば、エチレンジアミン、1,2-プロパンジアミン、1,3-プロパンジアミン、1,4-ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジアミン、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、4-アミノメチルオクタメチレンジアミン、3,3’-イミノビス(プロピルアミン)、3,3’-メチルイミノビス(プロピルアミン)、ビス(3-アミノプロピル)エーテル、1,2-ビス(3-アミノプロピルオキシ)エタン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ビスアミノメチルノルボルナン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、3,9-ビス(3-アミノプロピル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、及びアミノエチルピペラジンが挙げられる。これらのアミノ化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
〔エポキシ変性(メタ)アクリレート化合物〕
(c3)におけるエポキシ変性(メタ)アクリレート化合物は、シランカップリング剤以外の化合物であり、エポキシ基及び(メタ)アクリロイル基を有している。このため、シランカップリング剤由来のメルカプト基等の官能基との反応により、金属部材2の表面に樹脂コーティング層3を形成する化合物と化学親和性を有する官能基を生じさせ得る。このため、エポキシ変性(メタ)アクリレート化合物は、官能基含有層4を介して、金属部材2と樹脂コーティング層3とを強固に接着させるために、官能基含有層4を形成する化合物として好適に用いられる。
エポキシ変性(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート「サイクロマー(登録商標)M100」、及び上述した(c2)及び(c3)における多官能エポキシ化合物の一部を(メタ)アクリロイル化した化合物が挙げられる。これらのエポキシ変性(メタ)アクリレート化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
〔アミノ基含有(メタ)アクリレート化合物〕
(c3)又は(c5)におけるアミノ基含有(メタ)アクリレート化合物は、シランカップリング剤以外の化合物であり、アミノ基及び(メタ)アクリロイル基を有している。このため、シランカップリング剤由来のメルカプト基、エポキシ基等の官能基との反応により、金属部材2の表面に樹脂コーティング層3を形成する化合物と化学親和性を有する官能基を生じさせ得る。このため、アミノ基含有(メタ)アクリレート化合物は、官能基含有層4を介して、金属部材2と樹脂コーティング層3とを強固に接着させるために、官能基含有層4を形成する化合物として好適に用いられる。
アミノ基含有(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、及び上述した(c5)における1分子中に2個以上のアミノ基を有するアミノ化合物の一部を(メタ)アクリロイル化した化合物が挙げられる。これらのアミノ基含有(メタ)アクリレート化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[エンジンECU10(金属-樹脂接合体)]
図5は、金属部材2と樹脂部材5とが樹脂コーティング層3を介して接合された状態の概略断面図であり、具体的には、第1のパーツ12の他側表面15と第2のパーツ14の接合面27とが接合された状態の概略断面図である。図5に示すエンジンECU(金属-樹脂接合体)10では、樹脂コーティング層積層体1(樹脂コーティング層3と第1のパーツ12の積層体)の樹脂コーティング層3側の面と樹脂部材5(第2のパーツ14)とが接合されている。
樹脂コーティング層3は、100℃を超える高温に曝されても、樹脂部材5との高い接合強度を示すため、金属部材2と樹脂部材5とが樹脂コーティング層3を介して接合されたエンジンECU10は、強固に接合されており、接合部の熱劣化が抑制されている。特に、耐熱性に優れた樹脂部材5を接合させた場合には、耐熱性に優れたエンジンECU10を得ることができる。
図5に示すように、エンジンECU10では、金属部材2(即ち第1のパーツ12)と、樹脂部材5(即ち第2のパーツ14)とが、(樹脂コーティング層積層体1に含まれる)樹脂コーティング層3を介して接合されており、樹脂コーティング層3と樹脂部材5とは溶着されている。金属部材2(即ち第1のパーツ12)と樹脂部材5(即ち第2のパーツ14)とは、樹脂コーティング層3によって、気密が保たれた状態で接合される。
エンジンECU10は、図示しないが自動車のエンジンルームに設置され、コネクタを介して、外部電源、温度センサやエアフロセンサなどの各種センサ、及び点火機構等の各種制御機器等と電気的に接続されている。回路基板32上の半導体素子30は、コネクタ20を通じて外部電源から電力が供給されると共に、各種センサからそれぞれ検出信号が入力される。半導体素子30は、入力された検出信号に基づき、所定の演算処理をし、制御信号を生成する。生成された制御信号は、コネクタ20を通じて各制御機器へ出力される。回路基板32上の半導体素子30は、上記のような一連の演算処理に伴い熱を発する。半導体素子30が発した熱は、熱伝導シート28を通じて第1のパーツ12へ熱伝導される。第1のパーツ12は、一側表面に設けられた放熱フィン17を通じて外気と熱交換をすることによって、熱伝導された熱を放熱する。
上述したように、エンジンECU10は、第1のパーツ12と第2のパーツ14を、樹脂コーティング層3を介して接合するので、ねじ及びシール材を省略することができる。したがってエンジンECU10は、ねじを用いて締結する場合に比べ、ねじ及びシール材を省略できる分だけ、軽量化を図れると共に、部品管理及び製造工数を簡略化することができる。エンジンECU10は、ねじを締結する場合に必要な取付座と、シール材を装填するための凹部とを省略することができるので、小型化と形状の簡素化とを実現することができる。結果としてエンジンECU10は、軽量化及び小型化をすることができる。
第1のパーツ12と第2のパーツ14は樹脂コーティング層3によって、気密が保たれた状態で接合されているので、車外からの水分や埃等の異物の流入を防ぐことができる。したがってエンジンECU10は、異物による不具合をより確実に防止することができる。
樹脂コーティング層3によれば、樹脂部材5表面のフレーム処理やプラズマ処理などの下地処理、プライマー塗工、接着剤塗布、接着剤硬化といった複数の処理を実施する必要がないので、従来の接着剤によって接合する場合に比べ、製造工程を簡略化することができる。
<樹脂部材5>
金属部材2と接合される樹脂部材5は、特に限定されるものではなく、一般的な合成樹脂でよい。樹脂コーティング層3は、100℃を超える高温に曝されても、樹脂部材5との高い接合強度を示し、金属部材2と樹脂部材5との接合部の熱劣化が抑制されることから、特に、強固な接合強度を保持した耐熱性に優れたエンジンECU10を得るためには、耐熱性樹脂が好適に用いられる。
耐熱性樹脂としては、例えば、ポリエーテルイミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンスルホン樹脂、ガラス繊維強化ポリフェニレンテレフタレート、ガラス繊維強化ナイロン等の自動車部品等に用いられる樹脂が挙げられる。例えば、炭素繊維を含むシートモールディングコンパウンド(SMC)、バルクモールディングコンパウンド(BMC)等の成形体の形態の炭素繊維強化樹脂(CFRP)、及びガラス繊維強化樹脂(GFRP)も使用することができる。SMCとは、例えば、不飽和ポリエステル樹脂及び/又はビニルエステル樹脂、重合性不飽和単量体、硬化剤、低収縮剤、充填剤等を混合したものを、炭素繊維等の補強繊維に含浸させることによって得られるシート状成形体である。
エンジンECU10における樹脂コーティング層3の厚さは、樹脂コーティング層3と接合される樹脂部材5の材質及び接合部分の接触面積にもよるが、十分な接合強度及び耐熱性の観点から、好ましくは1μm~10mm、より好ましくは10μm~2mm、更に好ましくは20μm~500μmである。
樹脂コーティング層3は、100℃を超える高温に曝されても、金属部材2と樹脂部材5との熱膨張係数の差に起因するエンジンECU10の熱変形又は金属部材2と樹脂部材5との分離を抑制する応力緩和作用を奏する。これにより、エンジンECU10の接合部の熱劣化が抑制される。
[エンジンECU10の製造方法]
一実施形態のエンジンECU10(金属-樹脂接合体)の製造方法としては、樹脂コーティング層積層体1の樹脂コーティング層3に、熱風溶着法、熱板溶着法、超音波溶着法、振動溶着法、電磁誘導法、高周波法、レーザー法、熱板溶着法、及び熱プレス法からなる群より選ばれる少なくとも1種の方法で、樹脂部材5を接合する方法が挙げられる。樹脂部材5は、樹脂コーティング層積層体1とは別個に作製することができる。
別の実施形態のエンジンECU10(金属-樹脂接合体)の製造方法としては、樹脂コーティング層積層体1の樹脂コーティング層3の上に、射出成形、プレス成形、フィラメントワインディング成形、ハンドレイアップ成形、トランスファー成形等によって樹脂部材5を成形し、その際に、樹脂コーティング層積層体1の樹脂コーティング層3側の面と、樹脂部材5とを接合させる方法が挙げられる。
製造装置への要求の軽減、製造工程の簡略化、及び樹脂部材の設計自由度の観点から、エンジンECU10(金属-樹脂接合体)は、熱プレス法により製造されることが有利である。具体的には、樹脂コーティング層3を加熱し、加熱された樹脂コーティング層3が金属部材2と樹脂部材5の間に介在するように金属部材2と樹脂部材5を圧着することにより、エンジンECU10を製造することができる。樹脂コーティング層3の加熱温度は、接合させる樹脂の融点又は軟化点に依存し、100℃~350℃であることが好ましい。例えば樹脂がナイロン6である場合、加熱温度は230℃であることが好ましい。融点を持つ樹脂コーティング層3は、加熱温度を融点±5℃とすることが好ましく、軟化点を持つ樹脂コーティング層3は、加熱温度を軟化点±15℃にすることが好ましい。圧着時の圧力は、0.005MPa~10MPaであることが好ましい。
別の実施形態では、金属部材2ではなく、樹脂部材5がその上に積層された1層又は複数層の樹脂コーティング層3’を有することで、樹脂コーティング層積層体1’が形成されてもよい。樹脂コーティング層3’は、上述した樹脂コーティング層3と同様の材料を使用して樹脂部材5の表面に形成することができる。この実施形態において、エポキシ樹脂層は、樹脂部材5に直接に接するように形成されることが好ましい。したがって、樹脂コーティング層3’が複数層からなる場合、エポキシ樹脂層を樹脂部材5の上に形成した後、その他の層、例えば硬化性樹脂層をエポキシ樹脂層の上に積層することが好ましい。この実施形態において、金属部材2と樹脂部材5の接合は、上述の「金属部材2」をこの実施形態における「樹脂部材5」に、上述の「樹脂部材5」をこの実施形態における「金属部材2」に、上述の「樹脂コーティング層積層体1」を「樹脂コーティング層積層体1’」に、それぞれ読み替えることより実施することができる。
更に別の実施形態では、金属部材2及び樹脂部材5に上述の樹脂コーティング層3及び3’がそれぞれ積層されて樹脂コーティング層積層体1及び1’が形成されており、樹脂コーティング層積層体1の樹脂コーティング層3と樹脂コーティング層積層体1’の樹脂コーティング層3’とが溶着されている。これにより、金属部材2と樹脂部材5とが樹脂コーティング層3、3’を介して接合される。この実施形態において、エンジンECU10(金属-樹脂接合体)は、熱風溶着法、熱板溶着法、超音波溶着法、振動溶着法、電磁誘導法、高周波法、レーザー法、熱板溶着法、及び熱プレス法からなる群より選ばれる少なくとも1種の方法、好ましくは熱プレス法を用いて、樹脂コーティング層積層体1の樹脂コーティング層3と樹脂コーティング層積層体1’の樹脂コーティング層3’とを溶着することによって製造することができる。
本実施形態のエンジンECU10は、金属部材2としての第1のパーツ12と、樹脂部材5としての第2のパーツ14とを接合する場合について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、樹脂部材5は、金属部材2としての第2のパーツ12に設けられる樹脂部材(位置決め樹脂ピンや、コネクタ及び各種センサを保持する樹脂製ブラケット部材)も含まれる。
本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々に変更可能である。
本発明に関連した実施試験例及び比較試験例を以下に示すが、本発明は下記実施試験例に限定されるものではない。
下記の実施試験例及び比較試験例で用いた主な原材料の詳細を以下に示す。
[金属部材]
・アルミニウム板:アルミニウム合金;Al-Mg-Si系A6063、18mm×45mm、厚さ1.5mm
・鉄板:18mm×45mm、厚さ1.5mm
・SUS304板:ステンレス鋼SUS304(Cr-Ni系)、18mm×45mm、厚さ1.5mm
・銅板:18mm×45mm、厚さ1.5mm
[シランカップリング剤]
・KBM-903:3-アミノプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業株式会社製「KBM-903」
・KBM-503:3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業株式会社製「KBM-503」
[組成物(A)]
<2官能エポキシ樹脂>
・jER1007:三菱ケミカル株式会社製「jER(登録商標)1007」
<2価フェノール化合物>
・BPS:ビスフェノールS
[組成物(B)]
・PG-100:フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂、大阪ガスケミカル株式会社製「OGSOL(登録商標)PG-100」
・TAM-005:イミダゾリジノン骨格を有するフェノール化合物、アイカ工業株式会社製ノボラック型フェノール樹脂「TAM-005」
・NC-3000:ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、日本化薬株式会社製「NC-3000」
・APG:アリルフェノール化合物、群栄化学工業株式会社製「APG 低粘度アリルフェノール樹脂」
・BMI-1000:4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド、大和化成工業株式会社製「BMI-1000」
・BPEF:ビスフェノキシエタノールフルオレン、大阪ガスケミカル株式会社製「BPEF」
[樹脂部材]
・PEI:ポリエーテルイミド樹脂、SABICジャパン合同会社製「ウルテム(登録商標)1000」
・PBT:ポリブチレンテレフタレート樹脂、SABICジャパン合同会社製「バロックス(登録商標)507」、ガラス繊維30質量%含有
・PPS:ポリフェニレンエーテル樹脂、DIC株式会社製「FZ-2140」、ガラス繊維40質量%含有
[樹脂コーティング層積層体の製造]
下記の製造例に示す各工程を実施することにより、金属部材の表面上に樹脂コーティング層が積層された樹脂コーティング層積層体を製造した。
<製造例1>
(表面処理工程)
金属部材として、アルミニウム板を、濃度5質量%の水酸化ナトリウム水溶液中に1.5分間浸漬した後、濃度5質量%の硝酸水溶液で中和し、水洗、乾燥させることによりエッチング処理を行った。エッチング処理後のアルミニウム板を、純水中で10分間煮沸した後、250℃で10分間ベーキングすることによりベーマイト処理を行った。
(官能基含有層形成工程)
シランカップリング剤KBM-903 2gを工業用エタノール1000gに溶解した。得られたシランカップリング剤溶液を70℃に加熱し、ベーマイト処理後のアルミニウム板をシランカップリング剤溶液に20分間浸漬した。その後、アルミニウム板を取り出して、常温で1時間乾燥させ、ベーマイト処理表面に官能基含有層を形成した。
(樹脂コーティング層形成工程)
エポキシ樹脂jER1007 100g、ビスフェノールS 6.2g、及びトリエチルアミン0.4gを、アセトン197gに溶解し、組成物(A)を得た。
フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂PG-100 100g、イミダゾリジノン骨格を有するフェノール化合物TAM-005 61.9g、及びトリエチルアミン1.3gを、アセトン300gに溶解し、組成物(B1-1)を得た。
組成物(A)と組成物(B1-1)とを、アセトンを除く質量比で40/60で配合した樹脂組成物を、アルミニウム板の官能基含有層の表面に、乾燥後の厚さが70μmになるようにスプレー塗布した。空気中(相対湿度50%)常温で30分間放置して溶剤を揮発させた後、150℃の炉内に30分間放置して反応させ、常温まで放冷して、樹脂コーティング層を形成することにより、樹脂コーティング層積層体E1を得た。
<製造例C1>
樹脂コーティング層形成工程で用いた樹脂組成物を、組成物(A)のみとしたこと以外は、製造例1と同様の操作を行い、比較樹脂コーティング層積層体C1を製造した。
<製造例2>
(表面処理工程)
金属部材として、鉄板を#100のサンドペーパーを用いて研磨処理した後、アセトンで脱脂した。
(樹脂コーティング層形成工程)
ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂NC-3000 100g、イミダゾリジノン骨格を有するフェノール化合物TAM-005 91.9g、及びトリエチルアミン1.54gを、アセトン356.5gに溶解し、組成物(B2)を得た。
製造例1で調製した組成物(A)と組成物(B2)とを、アセトンを除く質量比で50/50で配合した樹脂組成物を、鉄板の研磨処理面に、乾燥後の厚さが50μmになるようにスプレー塗布した。空気中(相対湿度50%)常温で30分間放置して溶剤を揮発させた後、150℃の炉内に30分間放置して反応させ、常温まで放冷して、樹脂コーティング層を形成することにより、樹脂コーティング層積層体E2を得た。
<製造例C2>
樹脂コーティング層形成工程で用いた樹脂組成物を、組成物(A)のみとしたこと以外は、製造例2と同様の操作を行い、比較樹脂コーティング層積層体C2を製造した。
<製造例3>
(表面処理工程)
金属部材として、SUS304板を#100のサンドペーパーを用いて研磨処理した後、アセトンで脱脂した。
(官能基含有層形成工程)
シランカップリング剤KBM-503 2gを工業用エタノール1000gに溶解した。得られたシランカップリング剤溶液を70℃に加熱し、研磨処理後のSUS304板をシランカップリング剤溶液に20分間浸漬した。その後、SUS304板を取り出して、常温で1時間乾燥させ、SUS304板の表面に官能基含有層を形成した。
(樹脂コーティング層形成工程)
アリルフェノール化合物APG 100g、及びビスマレイミド化合物BMI-1000 100gを、アセトン371gに溶解し、組成物(B3)を得た。
製造例1で調製した組成物(A)と組成物(B3)とを、アセトンを除く質量比で70/30で配合した樹脂組成物を、SUS304板の官能基含有層の表面に、乾燥後の厚さが50μmになるようにスプレー塗布した。空気中(相対湿度50%)常温で30分間放置して溶剤を揮発させた後、150℃の炉内に30分間放置して反応させ、常温まで放冷して、樹脂コーティング層を形成することにより樹脂コーティング層積層体E3を得た。
<製造例C3>
樹脂コーティング層形成工程で用いた樹脂組成物を、組成物(A)のみとしたこと以外は、製造例3と同様の操作を行い、比較樹脂コーティング層積層体C3を製造した。
<製造例4>
(表面処理工程)
金属部材として、銅板を#1000のサンドペーパーを用いて研磨処理した後、アセトンで脱脂した。
(官能基含有層形成工程)
シランカップリング剤KBM-903 2gを工業用エタノール1000gに溶解した。得られたシランカップリング剤溶液を70℃に加熱し、研磨処理後の銅板をシランカップリング剤溶液に20分間浸漬した。その後、銅板を取り出して乾燥させ、銅板の表面に官能基含有層を形成した。
(樹脂コーティング層形成工程)
フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂PG-100 100g、フルオレン骨格を有するフェノール化合物BPEF 84.3g、及びトリエチルアミン1.4gを、アセトン342gに溶解し、組成物(B1-2)を得た。
製造例1で調製した組成物(A)と組成物(B1-2)とを、アセトンを除く質量比で60/40で配合した樹脂組成物を、銅板の官能基含有層の表面に、乾燥後の厚さが50μmになるようにスプレー塗布した。空気中(相対湿度50%)常温で30分間放置して溶剤を揮発させた後、150℃の炉内に30分間放置して反応させ、常温まで放冷して、樹脂コーティング層を形成することにより、樹脂コーティング層積層体E4を得た。
[金属-樹脂接合体の製造]
製造した樹脂コーティング層積層体又は比較樹脂コーティング層積層体と、各種樹脂部材とを、下記の実施試験例及び比較試験例に示す方法で接合させることにより、樹脂コーティング層積層体の樹脂コーティング層側の面と、樹脂部材とが接合された金属-樹脂接合体を製造した。
金属-樹脂接合体は、後述する接合強度評価試験に用いるため、ISO19095に準拠した試験片(樹脂部材の幅10mm×長さ45mm×厚さ3mm、樹脂部材と金属部材の接合部長さ5mm、幅10mm)として製造した。
<実施試験例1>
射出成形機(住友重機械工業株式会社製「SE100V」、シリンダー温度370℃、ツール温度150℃、インジェクションスピード14mm/sec、ピーク/ホールディング圧力160/140[MPa/MPa])を用いてPEIを射出成形することにより、樹脂部材PEI(幅10mm×長さ45mm×厚さ3mm)を作製した。
製造例1で得られた樹脂コーティング層積層体E1の樹脂コーティング層を225℃に加熱し、樹脂コーティング層積層体E1の樹脂コーティング層側の面と樹脂部材PEIとを接合部が重なり長さ5mm、幅10mmとなるように重ね合わせた状態で、0.1MPaの圧力を加えて圧着することにより、金属-樹脂接合体を作製した。
<比較試験例1>
製造例C1で得られた比較樹脂コーティング層積層体C1を用いて、実施試験例1と同様の操作を行い、金属-樹脂接合体を製造した。
<実施試験例2>
射出成形機(住友重機械工業株式会社製「SE100V」、シリンダー温度245℃、ツール温度80℃、インジェクションスピード10mm/sec、ピーク/ホールディング圧力100/80[MPa/MPa])を用いてPBTを射出成形することにより、樹脂部材PBT(幅10mm×長さ45mm×厚さ3mm)を作製した。
製造例2で得られた樹脂コーティング層積層体E2の樹脂コーティング層を225℃に加熱し、樹脂コーティング層積層体E2の樹脂コーティング層側の面と樹脂部材PBTとを接合部が重なり長さ5mm、幅10mmとなるように重ね合わせた状態で、0.1MPaの圧力を加えて圧着することにより、金属-樹脂接合体を作製した。
<比較試験例2>
製造例C2で得られた比較樹脂コーティング層積層体C2を用いて、実施試験例2と同様の操作を行い、金属-樹脂接合体を製造した。
<実施試験例3>
射出成形機(住友重機械工業株式会社製「SE100V」、シリンダー温度310℃、ツール温度150℃、インジェクションスピード14mm/sec、ピーク/ホールディング圧力160/140[MPa/MPa])を用いてPPSを射出成形することにより、樹脂部材PPS(幅10mm×長さ45mm×厚さ3mm)を作製した。
製造例3で得られた樹脂コーティング層積層体E3の樹脂コーティング層を290℃に加熱し、樹脂コーティング層積層体E3の樹脂コーティング層側の面と樹脂部材PPSとを接合部が重なり長さ5mm、幅10mmとなるように重ね合わせた状態で、0.1MPaの圧力を加えて圧着することにより、金属-樹脂接合体を作製した。
<比較試験例3>
製造例C3で製造した比較樹脂コーティング層積層体C3を用いて、実施試験例3と同様の操作を行い、金属-樹脂接合体を製造した。
<実施試験例4>
製造例4で得られた樹脂コーティング層積層体E4の樹脂コーティング層側の表面に、実施試験例1と同様に樹脂部材PEIを圧着することにより、金属-樹脂接合体を製造した。
[接合強度評価]
上記実施試験例及び比較試験例で製造した各金属-樹脂接合体の試験片について、23~160℃の範囲内の下記表1に示す各温度で1日間放置後、ISO 19095-1~4に準拠した方法により、引張試験機(株式会社島津製作所製万能試験機オートグラフ「AG-IS」、ロードセル10kN、引張速度10mm/min、測定温度23℃、50%RH)を用いて引張せん断強度(接合強度)を測定した。
これらの測定結果を表1に示す。130℃を超える高温曝露中に試験片の接合部が剥離し、測定不可であった場合を、表1の引張せん断強度の欄に「-」と示す。
Figure 2022133990000002
表1から明らかなように、樹脂コーティング層が組成物(A)と組成物(B)とを含有するエポキシ樹脂組成物で形成されていることにより、金属-樹脂接合体を100℃を超える高温に曝露した後でも、高い引張せん断強度(接合強度)が保持されており、金属部材と樹脂部材との接合部の熱劣化が抑制されていることが認められた。特に、実施試験例1及び4においては、150℃でも引張せん断強度が15MPa以上と高いことが確認された。
これらの結果から、本開示の樹脂コーティング層によれば、金属-樹脂接合体の接合部の熱劣化が抑制され、耐熱性を向上させることができる。
本発明は、エンジンECU及びその製造方法に利用可能である。
1 樹脂コーティング層積層体
2 金属部材
3 樹脂コーティング層
4 官能基含有層
5 樹脂部材
10 エンジンECU(金属-樹脂接合体)
12 第1のパーツ
13 ベースの一側表面
14 第2のパーツ
15 ベースの他側表面
16 ベース
17 放熱フィン
18 突起
20 コネクタ
22 底部
24 側部
26 空間
27 接合面
28 熱伝導シート
30 半導体素子
32 回路基板

Claims (9)

  1. 金属部材と、樹脂部材と、前記金属部材及び前記樹脂部材の少なくとも1つに積層された1層又は複数層の樹脂コーティング層と
    を備えるエンジンECUであって、
    前記金属部材が第1のパーツであり、
    前記樹脂部材が第2のパーツであり、
    前記金属部材と前記樹脂部材とが前記樹脂コーティング層を介して接合されており、
    前記樹脂コーティング層の少なくとも1層が、2官能エポキシ樹脂及び2価フェノール化合物を含む組成物(A)と、組成物(B)とを含有するエポキシ樹脂組成物の硬化物から形成され、
    前記組成物(B)は、下記(B1)~(B3)から選ばれる少なくとも1種の組み合わせを含む、エンジンECU。
    (B1)フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂と、フルオレン骨格、イミダゾリジノン骨格及びアミノトリアジン骨格から選ばれる1種以上を有するフェノール化合物との組み合わせ
    (B2)ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂と、フルオレン骨格、イミダゾリジノン骨格及びアミノトリアジン骨格から選ばれる1種以上を有するフェノール化合物との組み合わせ
    (B3)アリルフェノール化合物と、ビスマレイミド化合物との組み合わせ
  2. 前記エポキシ樹脂組成物中の前記組成物(B)の含有量が、前記組成物(A)及び前記組成物(B)の含有量の合計100質量部に対して、10~80質量部である、請求項1に記載のエンジンECU。
  3. 前記金属部材の表面は、ブラスト処理、研磨処理、エッチング処理及び化成処理から選ばれる1種以上で表面処理された面を有する、請求項1又は2に記載のエンジンECU。
  4. 前記金属部材と前記樹脂コーティング層との間に、前記金属部材及び前記樹脂コーティング層に接して積層された官能基含有層を有し、
    前記官能基含有層が、下記(C1)~(C7)から選ばれる1種以上の官能基由来の構造を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のエンジンECU。
    (C1)シランカップリング剤由来の、アミノ基、メルカプト基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基及びイソシアナト基から選ばれる1種以上の官能基
    (C2)シランカップリング剤由来のアミノ基と、エポキシ化合物とが反応して生成した官能基
    (C3)シランカップリング剤由来のメルカプト基と、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、エポキシ変性(メタ)アクリレート化合物及びアミノ基含有(メタ)アクリレート化合物から選ばれる1種以上の化合物とが反応して生成した官能基
    (C4)シランカップリング剤由来の(メタ)アクリロイル基と、チオール化合物とが反応して生成した官能基
    (C5)シランカップリング剤由来のエポキシ基と、アミノ化合物、チオール化合物及びアミノ基含有(メタ)アクリレート化合物から選ばれる1種以上の化合物とが反応して生成した官能基
    (C6)イソシアネート化合物由来のイソシアナト基
    (C7)チオール化合物由来のメルカプト基
  5. 前記樹脂コーティング層が、複数層であり、硬化性樹脂の硬化物から形成された樹脂コーティング層を更に有し、
    前記硬化性樹脂が、アリル変性マレイミド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂から選ばれる1種以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載のエンジンECU。
  6. 前記金属部材がアルミニウム材料を含み、前記アルミニウム材料の熱伝導率が150W/(m・K)以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載のエンジンECU。
  7. 前記金属部材がアルミニウム押出材を含み、前記アルミニウム押出材の熱伝導率が180W/(m・K)以上かつ引張強度が150MPa以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載のエンジンECU。
  8. 前記金属部材がアルミニウム鍛造材を含み、前記アルミニウム鍛造材の熱伝導率が180W/(m・K)以上かつ引張強度が150MPa以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載のエンジンECU。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載のエンジンECUの製造方法であって、前記樹脂コーティング層を加熱し、加熱された前記樹脂コーティング層が前記金属部材と前記樹脂部材の間に介在するように前記金属部材と前記樹脂部材を圧着することにより、前記金属部材と前記樹脂部材を接合することを含む、エンジンECUの製造方法。
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