JP2022131625A - パウチセル、パウチセルの製造方法 - Google Patents

パウチセル、パウチセルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】蓄放電要素の角部における破損発生を防止する。【解決手段】蓄放電要素11と、蓄放電要素を包装する外装フィルム13と、を備えるパウチセル10であって、蓄放電要素が角部11aを有し、外装フィルムが、角部に対向して折り曲げられる折り曲げ部FYを有し、折り曲げ部には、角部に沿って角部に対向する位置に、角部11aとは離間する凹溝部が形成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、電池等のパウチセル、パウチセルの製造方法に関する。
近年、自動車、パソコン、携帯電話等の大小さまざまな電気・電子機器の普及により、高容量、高出力の電池の需要が急速に拡大している。このような電池としては、正極と負極との間に有機電解液を電解質として用いる液系電池セルや、有機電解液の電解質に代えて、難燃性の固体の固体電解質を用いた固体電池セルなどが挙げられる。
固体電池としては、直方体状のセルをラミネートフィルムで包み込んで板形状に密閉したラミネートセルタイプのパウチセルが知られている。セルを外装体(フィルム)で包み込むことにより、電池への水分や大気の侵入を防いでいる。
例えば、このようなフィルムを電池本体に巻き付けて包装するパウチセルとして、特許文献1が開示されている。
電池を車載電源として用いた場合、電池には振動入力が加わる。このとき、蓄放電要素が外装体の内部で振動することによって、蓄放電要素と外装体との間に擦れが生じ、外装体が摩耗劣化する可能性がある。蓄放電要素の質量が大きい場合、電池の電極界面保護のために必要な拘束力が大きくなるため、外装フィルムの表面には段差がないことが望ましい。特に、蓄放電要素の角部と外装体との間に生じる擦れの影響を考慮する必要がある。
特許文献1においては、電池において蓄放電要素の角部に緩衝部材を配置することによって積層体の端部と外装体との間に生じる擦れを抑制し、振動入力による電池外装の劣化を抑制することが記載されている。
特開2020-13637号公報
しかし、特許文献1の技術では、緩衝部材を配置することによってかえって外向きに突出した部分が擦れてしまい、依然として外装体の劣化を抑制することが充分ではないという問題があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、緩衝部材を設けることなく蓄放電要素の角部における破損発生の防止を可能とするパウチセルを提供するという目的を達成しようとするものである。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、蓄放電要素(11)と、前記蓄放電要素(11)を包装する外装フィルム(13)と、を備えるパウチセル(10)であって、
前記蓄放電要素(11)が角部(11a)を有し、
前記外装フィルム(13)が、前記角部(11a)に対向して折り曲げられる折り曲げ部(FY)を有し、
前記折り曲げ部(FY)には、前記角部(11a)に沿って前記角部(11a)に対向する位置に、前記角部(11a)とは離間する凹溝部(F)が形成されている、
ことを特徴とするパウチセルを提供する。
請求項2に記載した発明は、請求項1記載のパウチセル(10)であって、前記凹溝部(F)が、前記角部(11a)に近接する開口側において互いに対向する面どうしが互いに離間する開口側溝部(F1)と、前記角部(11a)から離間する奥側において互いに対向する面どうしが互いに接触する奥側溝部(F2)と、を有する、
ことを特徴とする。
上記課題の解決手段として、請求項3に記載した発明は、角部(11a)を有する蓄放電要素(11)と、前記蓄放電要素(11)を包装する外装フィルム(13)と、を備えるパウチセル(10)の製造方法であって、
前記外装フィルム(13)において前記角部(11a)に沿って折り曲げられる折り曲げ部(FY)に、前記角部(11a)に沿うように凹溝(f)を形成する溝形成工程と、
前記角部(11a)に沿って前記折り曲げ部(FY)を折り曲げて前記蓄放電要素(11)を前記外装フィルム(13)によって包装する包装工程と、
を有し、
前記包装工程において前記折り曲げ部(FY)を折り曲げることで、前記凹溝(f)により、前記角部(11a)に沿って前記角部(11a)に対向する位置に、前記角部(11a)とは離間する凹溝部(F)を形成する、
ことを特徴とするパウチセルの製造方法を提供する。
請求項4に記載した発明は、請求項3記載のパウチセルの製造方法であって、前記溝形成工程において、前記凹溝(f)が、前記外装フィルム(13)の厚さ方向に第1の角度によって傾斜する開口側傾斜部(f1a)と、第2の角度で傾斜する奥側傾斜部(f2a)と、を有するように形成され、
前記包装工程において前記折り曲げ部(FY)を折り曲げることで、
前記開口側傾斜部(f1a)によって前記角部(11a)に近接する開口側において互いに対向する面どうしが互いに離間する開口側溝部(F1)と、前記奥側傾斜部(f2a)によって前記角部(11a)から離間する奥側において互いに対向する面どうしが互いに接触する奥側溝部(F2)と、を有する前記凹溝部(F)が形成される、
ことを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、請求項4記載のパウチセルの製造方法であって、前記溝形成工程において、前記外装フィルム(13)に前記奥側傾斜部(f2a)を形成した後、前記開口側傾斜部(f1a)を形成する、
ことを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、角部に対向する外側位置に凹溝部を形成することで、蓄放電要素の角部と外装フィルムとが接触しない状態になる。これにより、凹溝部が逃げ部となり、外装フィルムが蓄放電要素の角部に接触して蓄放電要素が破損するなどの悪影響が発生してしまうことを防止できる。
したがって、外装フィルムによって蓄放電要素を包装する際に、真空溶着時に外装フィルムが変形した場合でも、外装フィルムと蓄放電要素の角部とが互いに干渉しなくなる。また、パウチセルを配置固定する際における保持力の印加時や、充放電時に蓄放電要素に変形が発生した際に、そのそれぞれの場合において、外装フィルムと蓄放電要素の角部とが互いに干渉しなくなる。これらにより、蓄放電要素における初期性能の低下を防止することができ、同時に、耐久性を向上することができる。
ここで、外装フィルムによる蓄放電要素の包装・密閉時に、蓄放電要素に対応した凹溝部となる凹溝の形成をエンボス加工とすることで、凹溝が外装フィルムの折り曲げ加工に対するガイドとなり、折り曲げ(包装)工程が容易になるとともに、外装フィルムの寸法を正確にして蓄放電要素の外形に合わせた加工を容易におこなうことができる。
請求項2に記載した発明によれば、凹溝部における開口側溝部を逃げ部とするとともに、奥側溝部が外装フィルムに発生した変形に対応して、開口側溝部における変形を抑制することができる。これにより、逃げ部である開口側溝部が潰れてしまうことがない。したがって、逃げ部である開口側溝部が角部に接触することを防止できる。
請求項3に記載した発明によれば、あらかじめ凹溝を形成した外装フィルムを、外装フィルムによる蓄放電要素の包装工程において折り曲げるだけで、蓄放電要素の角部に外装フィルムが接触しない逃げ部である凹溝部を形成することができる。
同時に、凹溝部を外装フィルムの折り曲げ加工に対するガイドとして、折り曲げ(包装)工程を容易にすることができるとともに、外装フィルムにおける折り曲げ加工の寸法を正確にして、凹溝部以外を蓄放電要素に密着可能として、蓄放電要素の外形に合わせた加工を容易におこない、外側に突出した凸部を外表面にもたないパウチセルを容易に製造することができる。
請求項4に記載した発明によれば、包装工程における外装フィルムの折り曲げ時には、必ず外装フィルムの角部に膨れ部が生じるが、あらかじめ、開口側傾斜部と奥側傾斜部とを形成して、凹溝が2段勾配を有する構成とした後に、これを折り曲げ加工することにより、折り曲げ時に歪みが生じた外装フィルムであっても、逃がし部である凹溝部がつぶれてしまわないので、蓄放電要素の角部と外装フィルムとが接触しないための逃がし部の形成を確実におこなうことが容易にできる。
請求項5に記載した発明によれば、前記奥側傾斜部を形成した後に、その開口側を削り取って、勾配の異なる開口側傾斜部を形成することで、逃がし部となる凹溝形状をより正確に形成することが可能となる。これにより、折り曲げ加工時に膨張する外装フィルムに対応して、凹溝部がつぶれないようにすることができる。
これにより、必要な拘束力が大きい固体電池等に適用された場合にも、個々の蓄放電要素の角部において破損が発生することを防止できる。また、外表面には不必要に外向きに出っ張っていないパウチセルとすることができるので、局所的に擦れて破損するなどの不具合を発生することがない。
本発明に係るパウチセルの第1実施形態を示す斜視図である。 本発明に係るパウチセルの第1実施形態を形成する外装フィルムを示す展開図である。 本発明に係るパウチセルの第1実施形態における角部付近を拡大した模式断面図である。 本発明に係るパウチセルの第1実施形態において折り曲げ加工前の外装フィルムに形成された凹溝付近を拡大した模式断面図である。 本発明に係るパウチセルの第1実施形態における外装フィルムによる被覆工程を示す工程図である。 本発明に係るパウチセルの第1実施形態における外装フィルムによる被覆工程を示す工程図である。 本発明に係るパウチセルの第1実施形態における外装フィルムによる被覆工程を示す工程図である。 本発明に係るパウチセルの第2実施形態における角部付近を拡大した模式断面図である。 本発明に係るパウチセルの第2実施形態において折り曲げ加工前の外装フィルムに形成された凹溝付近を拡大した模式断面図である。
以下、本発明に係るパウチセルの第1実施形態を、図面に基づいて説明する。本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
図1は、本実施形態におけるパウチセルを示す斜視図であり、図2は、本実施形態におけるパウチセルの外装フィルムおよび気密性保持部材を示す展開図であり、図3は、本実施形態のパウチセルにおける角部付近を拡大した模式断面図である。図において、符号10は、パウチセルである。
本実施形態に係るパウチセル10は、図1に示すように、蓄放電要素11と、集電タブリード12と、外装フィルム13と、を備える。
パウチセル10は、電池セルである。この電池は、有機電解液を電解質として用いる液系電池セルであっても、ゲル状の電解質を備える電池セルであっても、有機電解液の電解質に代えて、電解質として難燃性の固体電解質を備えた固体電池セルであってもよい。以下では、電池セルとして固体電解質を備えた固体電池セルを例に挙げて説明する。
蓄放電要素11は、正極層と負極層とが積層され、正極層と負極層との間に固体電解質層が配置された積層体である。なお、本明細書において「積層」とは、列挙されている層が積層されていることを意味し、これらの層が直接積層されたもののみならず、間接的な積層も含むことができる。例えば、正極層と固体電解質層との間に、他の層等があってもよい。
蓄放電要素11は、外装フィルム13によって覆われている。
蓄放電要素11は、略直方体とされる。蓄放電要素11は、図1に示すように、Z方向の厚さ寸法が、X方向およびY方向に比べて小さい板状とされている。蓄放電要素11は、Z方向視してY方向が長手方向となりX方向が短手方向となる。なお、X方向、Y方向、Z方向は便宜的に示したものである。
蓄放電要素11においては、Y方向の端部から複数の集電体タブが延出するとともに、この集電体タブに接続された集電タブリード12がY方向にさらに引き出されている。
蓄放電要素11は、直方体におけるそれぞれの稜線が角部11aとなる。角部11aは、X方向、Y方向、Z方向のいずれかに沿って延在する。後述するように、図3は、これらの角部11aと直交する断面を示している。
集電タブリード12は、蓄放電要素11におけるY方向の端部から集電タブリード12aおよび集電タブリード12bの2本がそれぞれ引き出されている。
集電タブリード12aは、蓄放電要素11におけるY方向において、図1の右側となる端部から引き出されている。集電タブリード12bは、蓄放電要素11におけるY方向において、図1の左側となる端部から引き出されている。
集電タブリード12aおよび集電タブリード12bは、蓄放電要素11から互いにY方向に沿った逆向きに引き出される。集電タブリード12aおよび集電タブリード12bは、Y方向に延在する。集電タブリード12aおよび集電タブリード12bは、蓄放電要素11に接続され、蓄放電要素11側とは反対側の端部が、外装フィルム13から露出している。集電タブリード12aおよび集電タブリード12bは、いずれもZ方向の厚さ寸法が小さく、XY方向に平らな板状とされている。集電タブリード12aおよび集電タブリード12bは、いずれもX方向における蓄放電要素11の中央付近に接続される。
集電タブリード12aおよび集電タブリード12bは、いずれもZ方向の厚さ寸法が蓄放電要素11のZ方向の厚さ寸法よりも小さい。集電タブリード12aおよび集電タブリード12bは、いずれもX方向の寸法が蓄放電要素11のX方向の寸法よりも小さい。
集電タブリード12aおよび集電タブリード12bは、いずれもY方向で蓄放電要素11に近接する部分が、外装フィルム13によって覆われている。
外装フィルム13は、図1に示すように、蓄放電要素11に筒状に巻き付けられるとともに、Y方向の両端が蓄放電要素11よりも離間する外向きに伸ばされており、集電タブリード12aおよび集電タブリード12bをZ方向の表裏面から挟んでいる。外装フィルム13は、蓄放電要素11を挟む部分と集電タブリード12aおよび集電タブリード12bを挟む部分との厚さの違う境目で、蓄放電要素11から集電タブリード12aおよび集電タブリード12bへと三角柱状に形成されるように厚さが減少している。この三角柱状の部分において、外装フィルム13はX方向の両端のマチとなる部分が内側祈り込まれている。外装フィルム13は、蓄放電要素11を密閉している。
外装フィルム13は、図2に示すように、枚葉のパウチフィルムとされる。外装フィルム13は、Y方向の軸線周りに蓄放電要素11に巻き付けられる。外装フィルム13は、Y方向の両端部を除き、蓄放電要素11に密着して接している。
外装フィルム13は、蓄放電要素11を収容して密閉することのできるフィルムであれば特に制限はされない。外装フィルム13は、パウチセル10に気密性を付与することができるようなフィルムであることが好ましい。
外装フィルム13は、例えば、アルミニウムやニッケル、ステンレスなどの金属箔等の無機物薄膜等からなるバリア層を備えていてもよい。バリア層を備えることにより、外装フィルム13に気密性を付与することができる。外装フィルム13は、ポリエチレン樹脂等の可撓性樹脂からなるシール層を備えることが好ましい。外装フィルム13としては、積層されたシール層を互いに対向して溶着させることにより接合することができる。そのため、接着剤を塗布する工程が不要となる。
なお、外装フィルム13は、シール層を備えていなくてもよい。この場合、外装フィルム13を互いに接着剤によって接合することによりパウチセル10を形成することもできる。
外装フィルム13は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ナイロン、ポリプロピレン等からなる基材層と、上記のバリア層と、上記のシール層と、が積層された積層体を例示することができる。これらの層は、従来公知の接着剤を介して積層されていてもよく、押し出しコート法等によって積層されていてもよい。
外装フィルム13の好ましい厚さは、材質によっても異なるが、50μm以上であることが好ましく、100μm以上であることがより好ましい。外装フィルム13の好ましい厚さは、700μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましい。
外装フィルム13は、1枚で単層のフィルムであっても複数の層が積層されたフィルムであってもよい。本実施形態における外装フィルム13は、1枚で蓄放電要素11を収容し密閉する枚葉のフィルムであることができる。
外装フィルム13は、蓄放電要素11よりもY方向の外側で、蓄放電要素11からY方向に離間する位置において、集電タブリード12aおよび集電タブリード12bのZ方向の表裏面に溶着されている。外装フィルム13は、蓄放電要素11よりもY方向の外側が挟持部14を形成する。
挟持部14は、図1に示すように、集電タブリード12aを挟む挟持部14aと、集電タブリード12bを挟む挟持部14bと、を有する。
挟持部14aおよび挟持部14bは、いずれもY方向に延在する。挟持部14aおよび挟持部14bは、Y方向において蓄放電要素11の中心から対称に延在する。挟持部14aおよび挟持部14bのX方向寸法は、蓄放電要素11のX方向寸法とほぼ同じである。挟持部14aおよび挟持部14bのY方向の外側となる端部からは、それぞれ集電タブリード12aおよび集電タブリード12bが露出している。
挟持部14aおよび挟持部14bにおいては、X方向の中央部分にそれぞれ集電タブリード12aおよび集電タブリード12bが位置している。挟持部14aおよび挟持部14bにおいては、X方向の両端部分は、外装フィルム13が直接貼り合わされている。
挟持部14aおよび挟持部14bは、Z方向視して略矩形の輪郭を有する。
外装フィルム13は、図1,図2に示すように、挟持部14aおよび挟持部14bよりもY方向で蓄放電要素11に近接する側が、蓄放電要素11のZ方向厚さ寸法まで大きくなるように連続している。外装フィルム13は、挟持部14aおよび挟持部14bから蓄放電要素11までの厚さ寸法の増大に対応して、挟持部14aおよび挟持部14bよりもY方向で蓄放電要素11に近接する側が、三角柱状部14cおよび三角柱状部14dを形成している。
三角柱状部14cおよび三角柱状部14dにおいて、X方向の両端部は、図1,図2に示すように、内側に折り込まれて、マチ部14e~14hを形成している。なお、マチ部14e~14hを形成した外装フィルム13は、図2に示すように、Z方向に折り畳まれながら蓄放電要素11から離間する向きにY方向外側まで延長される。マチ部14e~14hを形成した外装フィルム13は、挟持部14aおよび挟持部14bの途中までY方向に延在する。マチ部14e~14hを形成した外装フィルム13のY方向端部は、挟持部14aおよび挟持部14bに挟まれている。
外装フィルム13は、角部11aに対向して折り曲げられる折り曲げ部FYを有する。折り曲げ部FYは、後述する折り畳み線のうち、角部11aに対応するものである。折り曲げ部FYは、Y方向に延在する。
折り曲げ部FYには、角部11aに沿って角部11aに対向する位置に、凹溝部Fは、が形成されている。凹溝部Fと角部11aとは、図3に示すように、離間している。つまり、凹溝部Fは、角部11aと外装フィルム13とが直接接触しないように、外装フィルム13の内側に形成されている。
本実施形態のパウチセル10においては、外装フィルム13の折り曲げ部FYに凹溝部Fを形成することで、蓄放電要素11に変形が生じていた場合でも、外装フィルム13と蓄放電要素11の角部11aとが干渉しなくなる状態を維持することができる。あるいは、外装フィルム13が変形した場合でも、外装フィルム13と蓄放電要素11の角部11aとが干渉しなくなることができる。
たとえば、パウチセル10はモジュールを構成する部材によって締め付けて保持している場合がある。また、車両への搭載時には、大きな保持力がパウチセル10、すなわち、外装フィルム13を介して蓄放電要素11に印加されることになる。さらに、充放電時に蓄放電要素11が変形する場合がある。このような場合でも、凹溝部Fによって、外装フィルム13と蓄放電要素11の角部11aとが直接接触しない状態、つまり、外装フィルム13と蓄放電要素11の角部11aとが干渉しない状態を維持することができる。
また、パウチセル10の製造工程において、蓄放電要素11を外装フィルム13で包装する際、真空溶着時に外装フィルム13が変形した場合でも、外装フィルム13と蓄放電要素11の角部11aとが直接接触しない状態、つまり、外装フィルム13から蓄放電要素11の角部11aへと応力が作用しない状態を維持することがきる。このような場合でも、凹溝部Fによって、外装フィルム13と蓄放電要素11の角部11aとが互いに干渉しない状態を維持することができる。
以下、パウチセル10の製造方法を説明する。
図4は、本実施形態におけるパウチセルにおいて折り曲げ加工前の外装フィルムに形成された凹溝付近を拡大した模式断面図であり、図5~図7は、本実施形態におけるパウチセルの外装フィルムによる被覆工程を示す工程図である。
本実施形態においては、折り畳み線が形成された外装フィルム13上に蓄放電要素11を載置して、外装フィルム13をシールするように、筒状に折り返してパウチセルを形成する。
まず、溝形成工程として、外装フィルム13には、図2に示すように、X方向に沿った複数の平行な折り畳み線FX1~FX4およびY方向に沿った複数の平行な折り畳み線FY1~FY4を形成する。折り畳み線FX1~FX4および折り畳み線FY1~FY4は、いずれも直線状に形成される。また、マチ部14e,マチ部14f,マチ部14g,マチ部14hには、X方向およびY方向に沿わない斜めの折り畳み線が形成される。
折り畳み線FX1は、挟持部14aと三角柱状部14cとの境界位置に形成される。折り畳み線FX2は、三角柱状部14cと蓄放電要素11を包む中央部13aとの境界位置に形成される。折り畳み線FX3は、蓄放電要素11を包む中央部13aと三角柱状部14dとの境界位置に形成される。折り畳み線FX4は、三角柱状部14dと挟持部14bとの境界位置に形成される。
折り畳み線FY1は、表面側の挟持部14aとマチ部14eとの境界位置および表面側の挟持部14bとマチ部14fとの境界位置に形成される。折り畳み線FY2は、表面側の挟持部14aとマチ部14gとの境界位置および表面側の挟持部14bとマチ部14hとの境界位置に形成される。
折り畳み線FY3は、裏面側の挟持部14aとマチ部14gとの境界位置および裏面側の挟持部14bとマチ部14hとの境界位置に形成される。折り畳み線FY4は、裏面側の挟持部14aと重ねて貼り合わせるマチ部14eとの境界位置および裏面側の挟持部14bと重ねて貼り合わせるマチ部14fとの境界位置に形成される。
折り畳み線FY1は、蓄放電要素11の角部11aに対向する位置となる折り曲げ部FYと、それ以外の部分となる折り畳み線FY1aと、を有する。ここでの折り曲げ部FYは、マチ部14eおよびマチ部14fで挟まれる中央横部13a1と、蓄放電要素11のZ方向裏面に対応する裏面部13a2との境界である。折り曲げ部FYと折り畳み線FY1aとは、同一の直線を形成している。
折り畳み線FY1aは、マチ部14eと挟持部14aとの境界、マチ部14eと三角柱状部14cとの境界となっている部分と、マチ部14fと挟持部14bとの境界、マチ部14fと三角柱状部14dとの境界となっている部分とから構成される。
折り畳み線FY2は、蓄放電要素11の角部11aに対向する位置となる折り曲げ部FYと、それ以外の部分となる折り畳み線FY2aと、を有する。ここでの折り曲げ部FYは、蓄放電要素11のZ方向裏面に対応する裏面部13a2と、マチ部14gおよびマチ部14hで挟まれる中央横部13a3との境界である。折り曲げ部FYと折り畳み線FY2aとは、同一の直線を形成している。
折り畳み線FY2aは、マチ部14gと挟持部14aとの境界、マチ部14gと三角柱状部14cとの境界となっている部分と、マチ部14hと挟持部14bとの境界、マチ部14hと三角柱状部14dとの境界となっている部分とから構成される。
折り畳み線FY3は、蓄放電要素11の角部11aに対向する位置となる折り曲げ部FYと、それ以外の部分となる折り畳み線FY3aと、を有する。ここでの折り曲げ部FYは、蓄放電要素11のZ方向表面に対応する表面部13a4と、マチ部14gおよびマチ部14hで挟まれる中央横部13a3との境界である。折り曲げ部FYと折り畳み線FY3aとは、同一の直線を形成している。
折り畳み線FY3aは、マチ部14gと挟持部14aとの境界、マチ部14gと三角柱状部14cとの境界となっている部分と、マチ部14hと挟持部14bとの境界、マチ部14hと三角柱状部14dとの境界となっている部分とから構成される。
折り畳み線FY4は、蓄放電要素11の角部11aに対向する位置となる折り曲げ部FYと、それ以外の部分となる折り畳み線FY4aと、を有する。ここでの折り曲げ部FYは、蓄放電要素11のZ方向表面に対応する表面部13a4と、マチ部14eおよびマチ部14fで挟まれる中央横部13a5との境界である。折り曲げ部FYと折り畳み線FY4aとは、同一の直線を形成している。
折り畳み線FY4aは、マチ部14eと挟持部14aとの境界、マチ部14eと三角柱状部14cとの境界となっている部分と、マチ部14fと挟持部14bとの境界、マチ部14fと三角柱状部14dとの境界となっている部分とから構成される。
折り曲げ部FYには、図4に示すように、凹溝fが形成されている。ここで、凹溝fは、後述するように、外装フィルム13を折り返して蓄放電要素11に巻き付けて、これらを溶着した際に、凹溝部Fを形成する。これにより、蓄放電要素11の角部11aに対向する位置となる外装フィルム13には、図3に示すように、凹溝部Fが形成される。角部11aと凹溝部Fとは、互いに離間した状態を維持する。
折り畳み線FX1~FY4は、溝形成工程として、例えば型押し、描画あるいはエンボス加工等、さらに、グラインダ、ブラスト等による削り取りなどの手法により外装フィルム13に形成される。折り畳み線FX1~FY4は、外装フィルム13に収容される蓄放電要素11および集電タブリード12の形状や大きさに沿って作成される。
また、折り畳み線FY1a~FY4aは、折り畳み線FX1~FX4と同様に、外装フィルム13の折り畳み加工におけるガイド線として形成される。これに対して、折り曲げ部FYにおける凹溝fは、折り畳み加工におけるガイド線として形成されるとともに、さらに、折り返されて蓄放電要素11を包み込んだ際に凹溝部Fを形成可能な形状としてその形成加工条件を設定する。
具体的には、折り畳み線FX1~FX4および折り畳み線FY1a~FY4aに比べて、凹溝fとなる折り畳み線FY1~FY4は、幅寸法および深さ寸法が大きくなる。
したがって、例えば折り畳み線FY1aを折り畳み線FY1と同時に一本の直線として、折り畳み線FX1他と同様にエンボス加工等により形成した後、さらなる二段階目のエンボス加工等により拡幅した凹溝fを形成することが可能である。この場合、折り畳み線FY2a~FY4aも、同様の形成工程とすることができる。
あるいは、折り畳み線FY1a~FY4aは、折り畳み線FY1~FY4とは別工程として、折り畳み線FX1他と同様にエンボス加工等により形成するとともに、他の工程として折り畳み線FY1~FY4として、エンボス加工等により凹溝fを形成することが可能である。
上記のように折り畳み線FX1~FY4aを形成した外装フィルム13上に、図5に示すように、集電タブリード12aおよび集電タブリード12bの接続された蓄放電要素11を中央部13aに載置する。
次いで、包装工程として、Y方向に延在する折り畳み線FY1~FY4aを、図5に矢印で示すように、全て谷折りとなるように折り返す。これにより、図6に示すように、外装フィルム13は、蓄放電要素11の周りを取り囲むように巻き付けられる。そして、図6における奥側となるマチ部14e、マチ部14f、および、マチ部14eとマチ部14fとに挟まれる部分を重ね合わせて溶着する。これにより外装フィルム13は筒状になる。
このとき、凹溝fは、蓄放電要素11の角部11aに沿って対向する位置に貼り着けられるとともに、凹溝fの開口における両縁部が、蓄放電要素11の角部11aから角部11aの延在するY方向とは直交する方向にそれぞれ離間するように接触する。また、凹溝fの奥となる中央付近は、蓄放電要素11の角部11aから離間した位置を維持して、凹溝部Fを形成する。
次いで、X方向に延在する折り畳み線FX2,折り畳み線FX3を山折りとし、X方向に延在する折り畳み線FX1,折り畳み線FX4を谷折りとして、図6に矢印で示すように、Y方向で蓄放電要素11よりも外側にある挟持部14aおよび挟持部14bとなる部分をZ方向に互いに近接させて重なるように接触させる。このとき、マチ部14e~14hは、いずれも、X方向で内側に折り畳まれる。そして、挟持部14aおよび挟持部14bとなる部分を重ね合わせて集電タブリード12aおよび集電タブリード12bともども溶着する。
これにより、図7に示すように、三角柱状部14cと、三角柱状部14cとのY方向外側に延在する挟持部14aと、三角柱状部14dと、三角柱状部14dのY方向外側に延在する挟持部14bと、がそれぞれ形成される。これにより、図1に示すように、パウチセル10を製造する。
本実施形態においては、凹溝部Fが角部11aと接触しない状態を維持することにより、角部11aの破損あるいは変形を防止して、蓄放電要素11における初期性能の低下を防止し、耐久性を向上することができる。また、折り畳む前の外装フィルム13に形成する折り曲げ部FYにおいて、蓄放電要素11の外周に接触する外装フィルム13の内面に凹溝fをエンボス加工によって形成することで、逃げ部となる凹溝fの形成と同時に、外装フィルム13の折り曲げ加工に対する加工位置のガイドとなる凹溝fを形成することができる。これにより、曲げ加工のガイドとなる凹溝fの存在により、折り曲げ加工(包装)工程を容易におこなうことが可能となるとともに、曲げ下降位置の正確性を維持して、曲げ加工における外装フィルム13の寸法を正確に出すことができる。
また、本実施形態においては、パウチセル10の外表面は、凹溝部Fを形成しても、この凹溝部Fがない場合の外表面に比べて突出していない状態を維持することができる。このため、この部分が擦れて摩耗し、外装フィルム13による密閉性が低下するなどの不具合が発生することがない。
本実施形態においては、凹溝部Fの形成される折り曲げ部FYを、Y方向に延在する角部11aに対応する部分に配置したが、これに加えて、X方向に延在する角部11aに対応する部分に折り曲げ部FXを有する構成とすることもできる。この場合、折り曲げ部FXを折り畳み線FX2,FX3において、対応するX方向の角部11aに対向する部分にあらかじめ凹溝fを形成することができる。
さらに、この場合、外装フィルム13を折り畳んで形成された凹溝部Fのうち、三角柱状部14c,14d側となる開口端部が、蓄放電要素11の表面に接していないこともできる。これは、三角柱状部14c,14d側となる外装フィルム13は、蓄放電要素11の表面に接していない状態として形成されることに対応する。
あるいは、Y方向に延在する角部11aに加えて、Z方向に延在する角部11aに対応する部分に折り曲げ部FZを有する構成とすることもできる。この場合、折り畳み線FX2~FX3において、対応するZ方向の角部11aに対向する部分に折り曲げ部FZを形成することができる。さらに、折り曲げ部FXと同様に、凹溝部Fのうち、マチ部14e~14h側となる開口端部が、蓄放電要素11の表面に接していないこともできる。これは、マチ部14e~14h側となる外装フィルム13は、蓄放電要素11の表面に接していない状態として形成されることに対応する。
以下、本発明に係るパウチセルの第2実施形態を、図面に基づいて説明する。
図8は、本実施形態のパウチセルにおける角部付近を拡大した模式断面図であり、図9は、本実施形態におけるパウチセルにおいて折り曲げ加工前の外装フィルムに形成された凹溝付近を拡大した模式断面図である。本実施形態において、上述した第1実施形態と異なるのは、凹溝および凹溝部の形状に関する点であり、これ以外の上述した第1実施形態と対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態においては、図8に示すように、折り曲げ部FYに形成される凹溝部Fが、開口側溝部F1と、奥側溝部F2と、を有する。開口側溝部F1は、外装フィルム13の厚さ方向において、角部11aに近接する凹溝部Fの開口側に位置する。開口側溝部F1は、角部11aに沿って延在する互いに対向する面どうしが互いに離間している。
奥側溝部F2は、凹溝部Fの奥側、つまり、外装フィルム13の厚さ方向において、角部11aから離間する側に位置する。奥側溝部F2は、開口側溝部F1に連続して角部11aから離間する方向に延在する。奥側溝部F2は、角部11aに沿って延在する互いに対向する面どうしが互いに接触している。
開口側溝部F1は、互いに接触する奥側溝部F2側から角部11aに近接するにつれて、互いに対向する面どうしの距離が拡大するように形成される。
つまり、奥側溝部F2において、角部11aから最も離間した位置から、最も角部11aに近接する位置まで、全ての対向面が互いに接触している。このため、外装フィルム13に応力が作用した場合でも、奥側溝部F2で接触している対向面どうしの接触位置が変形するだけで、開口側溝部F1が変形することを防止できる。
あるいは、外装フィルム13に応力が作用した場合でも、外装フィルム13の厚さ方向において最も開口側溝部F1側となる位置では、奥側溝部F2の対向面どうしの接触は維持されている。これにより、開口側溝部F1においては変形が発生して角部11aに接触することを防止できる。
奥側溝部F2の対向面が互いに接触している状態が維持されるために、開口側溝部F1における対向面が角部11aと直交する方向の距離は、外装フィルム13に応力が作用した場合でも、奥側溝部F2における角部11a側位置から、角部11aに近接するにつれて拡大する形状を維持することができる。
以下、本実施形態におけるパウチセル10の製造方法を説明する。
本実施形態においては、溝形成工程として、図9に示すように、折り曲げ部FYの凹溝fを、例えば型押し、描画あるいはエンボス加工等、さらに、グラインダ、ブラスト等による削り取りなどの手法により外装フィルム13に形成する。凹溝fは、折り返されて蓄放電要素11を包み込んだ際に凹溝部Fを形成可能な形状としてその形成加工条件が設定される。
凹溝fは、外装フィルム13の厚さ方向に第1の角度によって傾斜する開口側傾斜部f1aと、第2の角度で傾斜する奥側傾斜部f2aと、を有する。
図9に示すように、開口側傾斜部f1aにおける第1の角度θ1は、100~150degとされ、奥側傾斜部f2aにおける第2の角度θ2は、60~100degとされることができる。つまり、開口側傾斜部f1aにおける第1の角度θ1が、奥側傾斜部f2aにおける第2の角度θ2よりも大きくなる範囲とされる。
つまり、凹溝fとしては、二段階の勾配が形成される。
ここで、第1の角度θ1と第2の角度θ2との差をなるべく大きくすることが好ましい。例えば、第1の角度θ1と第2の角度θ2との差を10deg以上、好ましくは、20~90degとすることができる。また、第2の角度θ2を小さくしすぎると外装フィルム13の破損につながる可能性があるため、好ましくない。
凹溝fの形成においては、まず、奥側傾斜部f2を成形した後に、この奥側傾斜部f2における開口側のエッジ部分を削り取ることで、開口側傾斜部f1を形成することができる。具体的には、凹溝fの形成時に、まず、奥側傾斜部f2を型押し成形する。その後、ブラスト等の手法により奥側傾斜部f2における開口側のエッジ部分を削り取って、開口側傾斜部f1を形成する。
このような凹溝fの形成方法を採用することで、凹溝f付近における外装フィルム13の体積を減らすことができる。これにより、外装フィルム13の折り曲げ時に、図9に示す矢印の方向に、内部への外装フィルム13のふくらみをより減少することができる。これによって、逃がし部としての凹溝fの効果を向上することができる。
このように第1の角度θ1と第2の角度θ2とを設定することにより、包装工程において折り曲げ部FYを折り曲げた際に、奥側傾斜部f2aが互いに近接して接触して、それ以上外装フィルム13は曲がらなくなる。
あるいは、上記のように第1の角度θ1と第2の角度θ2とを設定することにより、包装工程において折り曲げ部FYを折り曲げた際に、少なくとも奥側傾斜部f2aにおける開口側傾斜部f1aとの境界位置が互いに近接して接触するとともに、奥側傾斜部f2aにおける開口側傾斜部f1aから離間した位置が接触していない場合でも、奥側傾斜部f2aの最奥位置は互いに連続しているため、それ以上外装フィルム13は曲がらない。
包装工程においては、折り曲げ部FYを、凹溝fの形成された向きに谷折りとなるように折り曲げる。この際、図9に矢印で示すように、凹溝fの最奥部を中心として、開口側傾斜部f1aの開口端部が互いに近接するように折り曲げる。
すると、奥側傾斜部f2aが互いに近接して接触する。これにより、互いに対向する面どうしが互いに接触する奥側溝部F2が形成される。それ以上外装フィルム13は曲がらない。この状態で、角部11aには接触しない開口側溝部F1が形成される。
凹溝部Fにおいては、奥側溝部F2の最も角部11aに近接する位置が互いに接触している。つまり、凹溝fとして二段階の勾配が形成されて、その中程が互いに近接するように突出するように形成されているために、折り曲げ時に外装フィルム13に歪みが生じても逃がし部となる凹溝部Fがつぶれない状態を維持することができる。
本実施形態においても、上述した実施形態と同等の効果を奏することができる。
外装フィルムの折り曲げ加工時には、角部11aに対応する位置が折り曲げられて外向きに膨張する。この外装フィルム13の膨れ部は必ず生じるが、凹溝部Fがつぶれないために、外装フィルム13と角部11aとの間において、離間した状態を必ず維持することができる。
本実施形態においては、断面図である図9に示すように、凹溝fの開口側傾斜部f1aと奥側傾斜部f2aとを、それぞれ断面輪郭が直線として示しているが、この構成に限られない。例えば、開口側傾斜部f1aは、図4に示す第1実施形態のように断面輪郭が曲面であることができる。
特に、奥側傾斜部f2aとの境界位置から凹溝fの開口側に向けて、開口側傾斜部f1aの断面輪郭が凹む、すなわち、凹溝fにおける開口側傾斜部f1aでの外装フィルム13の体積を減らすことが好ましい。なお、奥側傾斜部f2aにおいては、外装フィルムの折り曲げ加工時に奥側傾斜部f2aと開口側傾斜部f1aとの境界位置が互いに当接していればよく、その断面輪郭は限定されない。
あるいは、外装フィルム13の厚さ方向において角部11aから離間する向きに、開口側傾斜部f1aとの境界部および角部11aから最も離間した位置を除き、奥側傾斜部f2aが互いに接触しない構成とすることもできる。この場合でも、奥側傾斜部f2aにおいて角部11aに最も近接する位置において、互いに対向する面が最近接するように突出した傾斜面を有するようにすることが好ましい。
本実施形態において、凹溝fの形成において、第1のエンボス加工等によって、開口側傾斜部f1aを形成した後に、さらに、第2のエンボス加工等によって、奥側傾斜部f2aを形成することができる。
この場合、第1のエンボス加工においては、第1の角度θ1に対応した押し型あるいは、ローラ等を用い、さらに、第2のエンボス加工においては、第2の角度θ2に対応した押し型あるいは、ローラ等を用いることができる。
または、外周が第2の角度θ2に対応した刃厚方向断面角度であり、中心側に第1の角度θ1に対応した刃厚方向断面角度を有する段形成されたローラを用いて、一回の加工により二段階勾配を有する凹溝fを形成することもできる。
さらに、本発明においては、上記の各実施形態におけるそれぞれの構成を個別に組み合わせる、あるいは、特定の構成を取り除いた構成を採用することができる。
本発明の活用例として、脆性固形物の外装に用いることができる。例えば、脆性固形物として、(脆い)菓子等を挙げることができる。また、固体電池の一体化成形する前の電極積層体の搬送時の外装体や、焼結する前のセラミックスグリーン体の梱包などに活用してもよい。
10…パウチセル
11…蓄放電要素
11a…角部
12…集電タブリード
13…外装フィルム
14…挟持部
14c,14d…三角柱状部
14e~14h…マチ部
FY…折り曲げ部
F…凹溝部
F1…開口側溝部
F2…奥側溝部
f…凹溝
f1a…開口側傾斜部
f2a…奥側傾斜部

Claims (5)

  1. 蓄放電要素(11)と、前記蓄放電要素(11)を包装する外装フィルム(13)と、を備えるパウチセル(10)であって、
    前記蓄放電要素(11)が角部(11a)を有し、
    前記外装フィルム(13)が、前記角部(11a)に対向して折り曲げられる折り曲げ部(FY)を有し、
    前記折り曲げ部(FY)には、前記角部(11a)に沿って前記角部(11a)に対向する位置に、前記角部(11a)とは離間する凹溝部(F)が形成されている、
    ことを特徴とするパウチセル。
  2. 前記凹溝部(F)が、前記角部(11a)に近接する開口側において互いに対向する面どうしが互いに離間する開口側溝部(F1)と、前記角部(11a)から離間する奥側において互いに対向する面どうしが互いに接触する奥側溝部(F2)と、を有する、
    ことを特徴とする請求項1記載のパウチセル。
  3. 角部(11a)を有する蓄放電要素(11)と、前記蓄放電要素(11)を包装する外装フィルム(13)と、を備えるパウチセル(10)の製造方法であって、
    前記外装フィルム(13)において前記角部(11a)に沿って折り曲げられる折り曲げ部(FY)に、前記角部(11a)に沿うように凹溝(f)を形成する溝形成工程と、
    前記角部(11a)に沿って前記折り曲げ部(FY)を折り曲げて前記蓄放電要素(11)を前記外装フィルム(13)によって包装する包装工程と、
    を有し、
    前記包装工程において前記折り曲げ部(FY)を折り曲げることで、前記凹溝(f)により、前記角部(11a)に沿って前記角部(11a)に対向する位置に、前記角部(11a)とは離間する凹溝部(F)を形成する、
    ことを特徴とするパウチセルの製造方法。
  4. 前記溝形成工程において、前記凹溝(f)が、前記外装フィルム(13)の厚さ方向に第1の角度によって傾斜する開口側傾斜部(f1a)と、第2の角度で傾斜する奥側傾斜部(f2a)と、を有するように形成され、
    前記包装工程において前記折り曲げ部(FY)を折り曲げることで、
    前記開口側傾斜部(f1a)によって前記角部(11a)に近接する開口側において互いに対向する面どうしが互いに離間する開口側溝部(F1)と、前記奥側傾斜部(f2a)によって前記角部(11a)から離間する奥側において互いに対向する面どうしが互いに接触する奥側溝部(F2)と、を有する前記凹溝部(F)が形成される、
    ことを特徴とする請求項3記載のパウチセルの製造方法。
  5. 前記溝形成工程において、前記外装フィルム(13)に前記奥側傾斜部(f2a)を形成した後、前記開口側傾斜部(f1a)を形成する、
    ことを特徴とする請求項4記載のパウチセルの製造方法。
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