JP2022131553A - エレベータシステム - Google Patents

Abstract

【課題】エレベータにおけるセキュリティ対策と感染症対策の両方を簡易な構成で実現する。【解決手段】エレベータシステムは、エレベータに乗車するために所定装置（２０、３０）を利用しようとする利用者を撮像可能なように設けられた撮像部（２５、３６）と、撮像部で撮像された撮像画像に基づいて利用者の顔認証を行う顔認証部（１００）と、撮像画像に基づいて利用者がマスクを着用しているか否かを判断するマスク着用判断部（１００）と、利用者にエレベータの割当を行う割当部（１０）と、を備える。割当部は、（１）利用者の顔認証が成功したという条件と、（２）利用者がマスクを着用していると判断されたという条件との両方の条件が満たされた場合に、利用者にエレベータの割当を行う。【選択図】図２

Description

本発明は、エレベータシステムに関する。

特許文献１は、ビル内のセキュリティ対策などのためにセキュリティゲートのカードリーダで利用者のＩＣカードから利用者情報を取得するエレベータシステムを開示している。

特開２０１６－０５６０１７号公報

新型コロナウイルスなどのウイルスに対する感染症対策が社会的に求められている。

本発明は、エレベータにおけるセキュリティ対策と感染症対策の両方を簡易な構成で実現することを目的とする。

本発明のエレベータシステムは、
エレベータに乗車するために所定装置を利用しようとする利用者を撮像可能なように設けられた撮像部と、
撮像部で撮像された撮像画像に基づいて利用者の顔認証を行う顔認証部と、
撮像画像に基づいて利用者がマスクを着用しているか否かを判断するマスク着用判断部と、
利用者にエレベータの割当を行う割当部と、を備え、
割当部は、下記（１）、（２）の条件の両方が満たされた場合に、利用者にエレベータの割当を行う、
（１）利用者の顔認証が成功したこと、
（２）利用者がマスクを着用していると判断されたこと。

本発明によれば、エレベータにおけるセキュリティ対策と感染症対策の両方を簡易な構成で実現できる。

実施の形態１におけるエレベータシステムが適用されるビルの特定階における機器配置を示した概略平面図である。 エレベータシステムの構成を示したブロック図である。 行先階登録装置の電気的構成を示したブロック図である。 行先階登録装置の外観を模式的に示した正面図である。 セキュリティゲートの電気的構成を示したブロック図である。 セキュリティゲートの外観を示した斜視図である。 セキュリティサーバの電気的構成を示したブロック図である。 セキュリティサーバの記憶部に格納されている登録装置データベースの構成を示した図である。 セキュリティサーバの記憶部に格納されている利用者データベースの構成を示した図である。 セキュリティサーバの動作（セキュリティゲート用）を説明したフローチャートである。 セキュリティサーバの動作（行先階登録装置用）を説明したフローチャートである。 群管理制御装置の動作を説明したフローチャートである。 群管理制御装置による出発階、行先階の設定処理を説明したフローチャートである。 ゲート表示器の動作を説明したフローチャートである。 ゲート表示器における表示例を示した図である。 行先階登録装置の動作を説明したフローチャートである。 行先階登録装置の行先階登録処理を説明したフローチャートである。 行先階登録装置における表示例を示した図である。 実施の形態２におけるエレベータシステムの構成を示したブロック図である。 実施の形態２におけるセキュリティサーバの動作（セキュリティゲート用）を説明したフローチャートである。 実施の形態２におけるセキュリティサーバの動作（行先階登録装置用）を説明したフローチャートである。 実施の形態２における群管理制御装置の動作を説明したフローチャートである。 実施の形態２におけるゲート表示器の動作を説明したフローチャートである。 実施の形態２におけるゲート表示器における表示例を示した図である。 実施の形態２における行先階登録装置の動作を説明したフローチャートである。 実施の形態２における行先階登録装置における表示例を示した図である。 他の実施の形態における行先階登録装置における表示例を示した図である。

本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。

（実施の形態１）
１．構成
１－１．エレベータ等の配置
図１は、実施の形態１におけるエレベータシステムが適用されるビル（建物）の特定階における機器配置を示した概略平面図である。特定階とは、例えば当該ビルの外部につながるロビー階であり、ビルの利用者は特定階を経由して他の階に移動することとなる。

図１では、エレベータシステムが、１号機～６号機の６台（複数台の一例）のエレベータ６０Ａ～６０Ｆを備えている例を示す。エレベータの利用者は、エレベータ乗場からエレベータ６０Ａ～６０Ｆに乗車する。以下では、エレベータ６０Ａ～６０Ｆを区別せずに「エレベータ６０」という場合がある。

特定階において、エントランスからエレベータ乗場への利用者の移動経路上には、複数台のセキュリティゲート２０が配置されている。利用者は、エントランス側からいずれかのセキュリティゲート２０を通過してエレベータ乗場に進入する。エレベータ乗場は、特定領域に設けられている。特定領域とは、エントランス側からセキュリティゲート２０を通過しないと入れないビル内の領域である。特定領域は、エレベータ乗場や、各エレベータ６０のかご内のスペースや、エレベータ６０を利用して移動可能な各階床のスペースを含む。

セキュリティゲート２０のエントランス側の床面には、顔認証エリアＡｄを示す表示がなされている。

特定階のエレベータ乗場またはその近傍には、行先階登録装置３０が配置されている。

特定階以外の各階床のエレベータ乗場またはその近傍には、行先階登録装置３０が配置されている。なお、特定階以外の階床にもセキュリティゲートが配置されてもよい。

１－２．システム構成
１－２－１．概要
図２は、エレベータシステムのシステム構成を示したブロック図である。

エレベータシステムは、複数台のエレベータ６０Ａ～６０Ｆと、これらのエレベータ６０Ａ～６０Ｆの運行を統合的に制御する群管理制御装置１０と、各エレベータに対応させて設けられたエレベータ制御装置４０Ａ～４０Ｆと、各階に配置される行先階登録装置３０とを備える。群管理制御装置１０には、ビルのセキュリティを管理し、かつセキュリティゲート２０の制御を行うセキュリティサーバ１００が接続されている。

エレベータシステムは、かごへの乗車前に利用者に行先階を予め登録させる行先階登録方式を採用している。行先階の登録は、例えば、セキュリティゲート２０での顔認証、行先階登録装置３０での手動登録などにより行うことができる。群管理制御装置１０は、乗車前に登録された行先階に関する呼び（行先階呼び）を、複数台のエレベータ６０のうちのいずれかの号機に割り当てて、割り当てた号機を示す情報を、利用されたセキュリティゲート２０のゲート表示器７０や行先階登録装置３０に表示させ、これにより、割り当てた号機に利用者を乗車させる。

なお、特定階の行先階登録装置３０は、セキュリティゲート２０を通過して特定領域に進入した利用者が、ゲート表示器７０に表示されたエレベータ６０に乗り遅れたときや、デフォルト行先階以外の階床に移動するときに、エレベータ６０を利用することを可能とするために設けられている。

各エレベータ６０（６０Ａ～６０Ｆ）は、かご、巻上機（モータ）、釣合おもり等を有する。

１－２－２．群管理制御装置
群管理制御装置１０は、エレベータ６０Ａ～６０Ｆの運行を統合的に制御する。また、群管理制御装置１０は、セキュリティサーバ１００及び行先階登録装置３０との間で通信を行いながら、各号機に対する新規の呼びの割当制御を行う。各装置は、情報伝送可能なネットワークを介して接続されている。ネットワークは、例えばＥｔｈｅｒｎｅｔ（登録商標）等のＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）により構成され、各装置間での各種の情報の送受信は、ＴＣＰ／ＩＰ等の各種のプロトコルにしたがって行われる。ネットワークに接続されている前述の各装置は、ＴＣＰ／ＩＰ等の各種のプロトコルにしたがった通信による信号伝送（情報伝送）が可能である。なお、エレベータシステムを構成する各装置間は、他の信号形式のネットワークや、専用の信号網を介して接続されてもよい。

群管理制御装置１０は、コンピュータを利用して構成され、制御部１１と、記憶部１２と、入出力インタフェース１３と、を備える。

記憶部１２は、例えばＲＡＭ、ＲＯＭ、ＨＤＤ、ＳＳＤ等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施の形態の群管理制御装置１０の各種機能を実現するためのプログラムを含む。

制御部１１は、例えばＣＰＵ、ＭＰＵ等を利用して構成される。制御部１１は、記憶部１２から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、群管理制御装置１０における後述する各種の機能を実現する。

入出力インタフェース１３は、例えばＬＡＮアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース１３は、群管理制御装置１０が、セキュリティサーバ１００、セキュリティゲート２０のゲート表示器７０、行先階登録装置３０、及びエレベータ制御装置４０との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース１３は、制御部１１から出力される信号を所定の形式の信号に変換してセキュリティサーバ１００、セキュリティゲート２０のゲート表示器７０、行先階登録装置３０、エレベータ制御装置４０に出力する。また、入出力インタフェース１３は、セキュリティサーバ１００、セキュリティゲート２０のゲート表示器７０、行先階登録装置３０、エレベータ制御装置４０Ａ～４０Ｆから入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部１１に出力する。

１－２－３．エレベータ制御装置
エレベータ制御装置４０Ａ～４０Ｆは、エレベータ６０Ａ～６０Ｆに対応させて設けられている。エレベータ制御装置４０Ａ～４０Ｆは、群管理制御装置１０からの制御信号にしたがって、対応するエレベータ６０Ａ～６０Ｆの巻上機（モータ）等の動作を制御することにより、エレベータ６０Ａ～６０Ｆのかごの上昇、下降、停止等を制御する。また、エレベータ制御装置４０Ａ～４０Ｆは、対応するエレベータ６０Ａ～６０Ｆのかごの位置、走行方向、ドアの開閉、荷重等のかご状態を検知して、検知したかご状態を示す情報等を群管理制御装置１０に出力する。なお、以下では、エレベータ制御装置４０Ａ～４０Ｆを区別せずに「エレベータ制御装置４０」という場合がある。

エレベータ制御装置４０は、群管理制御装置１０などと同様に、制御部、記憶部、入出力インタフェースなどを備えたコンピュータを利用して構成される。

１－２－４．行先階登録装置
図３は、行先階登録装置３０の電気的構成を示したブロック図である。

行先階登録装置３０は、利用者による行先階の登録（指定）を受け付ける装置である。行先階登録装置３０は、制御部３１と、記憶部３２と、入出力インタフェース３３と、表示部３４と、操作部３５とを備える。

記憶部３２は、例えばＲＡＭ、ＲＯＭ、ＨＤＤ、ＳＳＤ等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施の形態の行先階登録装置３０の各種機能を実現するためのプログラムを含む。

制御部３１は、例えばＣＰＵ、ＭＰＵ等を利用して構成される。制御部３１は、記憶部３２から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、行先階登録装置３０における後述する各種の機能を実現する。

入出力インタフェース３３は、例えばＬＡＮアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース３３は、行先階登録装置３０が群管理制御装置１０との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース３３は、制御部３１から出力された信号を所定の形式の信号に変換して群管理制御装置１０に出力する。また、入出力インタフェース３３は、群管理制御装置１０から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部３１に出力する。

表示部３４は、制御部３１から出力される表示信号に基づく画像等の表示を行う。

操作部３５は、行先階登録装置３０に対するユーザ操作を受け付けるインタフェースである。操作部３５は、操作内容に応じた信号を制御部３１に出力する。

表示部３４及び操作部３５は、例えば液晶ディスプレイパネルや有機ＥＬディスプレイパネルを利用したタッチパネル式表示装置により一体的に構成される。なお、表示部３４と操作部３５とは、表示部３４に表示されているボタン等のオブジェクトと同等の指定を行うことが可能であれば、異なる部品を利用して別々に構成されてもよい。

図４は、行先階登録装置３０の外観を模式的に示した正面図である。

行先階登録装置３０の上方には、顔認証用カメラ３６が配置されており、行先階の登録の際、利用者に顔認証を行わせるように構成されている。

顔認証用カメラ３６は、その前方の所定画角領域の被写体を所定フレームレート、所定解像度で撮像するとともに、撮像された画像（撮像画像）の画像データを生成し、生成した画像データをセキュリティサーバ１００に出力する。顔認証用カメラ３６は、撮像部の一例である。所定画角領域は、利用者が行先階登録装置３０の前にいる際に、利用者の顔を撮像可能な画角に設定されている。所定解像度は、顔認証の際の顔検出及び顔照合を適切に行うことができる解像度であればどのような解像度でもよいが、例えばＨＤ、ＦＨＤ、４Ｋなどの解像度とすることができる。フレームレートは、どのようなレートでもよいが、例えば１５ｆｐｓや３０ｆｐｓとすることができる。

図４では、行先階登録装置３０の表示部３４に、デフォルト画面としての案内画面が表示されている場合を示している。この案内画面では、「顔認証行先階登録装置です。マスクを着用してください」というメッセージが表示されている例を示す。

１－２－５．セキュリティゲート
セキュリティゲート２０は、ビル内部の特定領域への利用者の進入を制御する装置である。具体的に、セキュリティゲート２０は、ビル内部の特定領域への正規の利用者の進入を許可する一方、非正規の利用者の進入については規制する装置である。正規の利用者とは、利用者データベース（以下「利用者ＤＢ」という）に登録されている利用者であり、非正規の利用者とは、利用者ＤＢに登録されていない利用者である。

図５は、実施形態１におけるセキュリティゲート２０の電気的構成を示すブロック図である。図６は、セキュリティゲート２０の外観を示した斜視図である。なお、図６は、図１の３台のセキュリティゲート２０のうち最も左のセキュリティゲート２０の斜視図である。

図６に示すように、セキュリティゲート２０の筐体であるゲート本体２０ａには、第１センサ２６と、第２センサ２７と、ゲートフラッパ２８と、ゲート表示器７０とが備えられている。また、ゲート本体２０ａの出口２０ｅ側には、顔認証用カメラ２５が設けられている。顔認証用カメラ２５は、ゲート本体２０ａに取り付けられてもよいし、独立して設けられてもよい。

顔認証用カメラ２５は、その前方の所定画角領域の被写体を所定フレームレート、所定解像度で撮像するとともに、撮像された画像（撮像画像）の画像データを生成し、セキュリティサーバ１００に出力する。顔認証用カメラ２５は、撮像部の一例である。所定画角領域は、利用者が顔認証エリアＡｄ（図１参照）にいる際に、利用者の顔を撮像可能な画角に設定されている。所定解像度は、顔認証の際の顔検出及び顔照合を適切に行うことができる解像度であればどのような解像度でもよいが、例えばＨＤ、ＦＨＤ、４Ｋなどの解像度とすることができる。フレームレートは、どのようなレートでもよいが、例えば１５ｆｐｓや３０ｆｐｓとすることができる。

第１センサ２６は、例えば光電センサにより構成され、セキュリティゲート２０の通路ＰＡの入口２０ｉ側を通過する利用者を検知する。第１センサ２６は、利用者を検知すると、制御部２１を介して検知信号をセキュリティサーバ１００に出力する。

第２センサ２７は、例えば光電センサにより構成され、セキュリティゲート２０の通路ＰＡの出口２０ｅ側を通過する利用者を検知する。第２センサ２７は、利用者を検知すると、制御部２１を介して検知信号をセキュリティサーバ１００に出力する。

ゲートフラッパ２８は、開閉自在の扉である。

ゲート表示器７０は、群管理制御装置１０から出力される種々の信号（指令）に応じた画面を表示する。ゲート表示器７０は、液晶ディスプレイパネルあるいは有機ＥＬディスプレイパネルなどの表示部や当該表示部の表示制御を行うコンピュータなどを備える。

また、ゲート本体２０ａの内部には、図５に示すように、制御部２１、記憶部２２、入出力インタフェース２３などが収容されている。

記憶部２２は、例えばＲＡＭ、ＲＯＭ、ＨＤＤ、ＳＳＤ等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施形態におけるセキュリティゲート２０の各種機能を実現するためのプログラムを含む。

入出力インタフェース２３は、例えばＬＡＮアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース２３は、セキュリティゲート２０が、セキュリティサーバ１００との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース２３は、制御部２１から出力された信号を所定の形式の信号に変換してセキュリティサーバ１００に出力する。また、入出力インタフェース２３は、セキュリティサーバ１００から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部２１に出力する。

制御部２１は、例えばＣＰＵ、ＭＰＵ等を利用して構成される。制御部２１は、記憶部２２に格納されたプログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、セキュリティゲート２０における後述する各種の機能を実現する。

制御部２１は、第１センサ２６及び第２センサ２７からの検知信号、及びセキュリティサーバ１００からの開放信号や閉鎖信号に基づいて、ゲートフラッパ２８を開閉する。また、制御部２１は、第１センサ２６から検知信号を受信し、その後、第２センサ２７から検知信号を受信した場合、利用者通過信号をセキュリティサーバ１００に送信する。

１－２－６．セキュリティサーバ
セキュリティサーバ１００は、顔認証用カメラ２５や顔認証用カメラ３６から出力される画像データが示す撮像画像に基づいて、ビル内のセキュリティ対策のために、利用者に対する顔認証処理を行う。例えば、セキュリティサーバ１００は、撮像画像に対して顔検出処理を行い、顔を検出した場合、さらに顔特徴点検出処理を行う。そして、撮像画像から顔特徴点を検出すると、検出した顔特徴点のデータ（顔データ）と、利用者ＤＢに登録されている各利用者の顔特徴点データ（顔データ）とを順次比較（照合）して一致率を求める。そして、検出した顔の顔データ（顔特徴点データ）に対して所定一致率以上の一致率を有する顔データ（顔特徴点データ）が利用者ＤＢに登録されているかを判断する。つまり、検出した顔の顔データに対して所定一致率以上の一致率を有する顔データが利用者ＤＢに登録されているかを判断する。そして、所定一致率以上の一致率を有する顔データが利用者ＤＢに登録されている場合、セキュリティゲート２０を通過しようとする利用者（顔検出された利用者）は登録されている顔データに対応する利用者であると特定し、顔認証が成功したと判断する。なお、所定一致率は、他人の場合には到達しない程度に高い一致率とすることが好ましい。これにより、適切に顔認証を行うことができる。なお、顔検出処理、顔特徴点検出処理、照合処理（認証処理）は各種の公知の方法を用いて行うことができる。ここで、マスクを正しく着用した利用者の顔認証を行う場合、鼻や口に関する顔特徴点を利用できない。そのため、一定以上の顔認証精度を得られるように、目、眉や、顔の輪郭などに関する顔特徴点の数や密度などを、鼻や口に関する顔特徴点を利用できる一般的な場合と比べて多く、設定してもよい。

また、セキュリティサーバ１００は、顔認証結果に応じて、セキュリティゲート２０の開閉を制御する。さらに、セキュリティサーバ１００は、利用者の行先階などの情報を含む呼び情報信号を生成して群管理制御装置１０に出力する。利用者ＩＤは、利用者識別情報の一例である。

また、セキュリティサーバ１００は、撮像画像に基づいて、利用者がマスクを着用しているか否かを判断することができる。利用者がマスクを着用しているか否かについては、例えば、顔認証処理で検出された顔の領域に対して公知の画像認識技術などを用いてマスクの検出処理を行うことにより、判断することができる。例えば、顔認証処理で検出された顔の領域においてマスクを検出できた場合には、利用者がマスクを着用していると判断し、顔認証処理で検出された顔の領域においてマスクを検出できない場合には、利用者がマスクを着用していないと判断することができる。

図７は、セキュリティサーバ１００の電気的構成を示すブロック図である。セキュリティサーバ１００は、コンピュータを利用して構成され、制御部１０１と、記憶部１０２と、入出力インタフェース１０３と、を備える。

記憶部１０２は、例えばＲＡＭ、ＲＯＭ、ＨＤＤ、ＳＳＤ等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施の形態のセキュリティサーバ１００の後述する各種機能を実現するためのプログラムを含む。記憶部１０２は、データとして、利用者ＤＢを格納している。利用者ＤＢの構成については後述する。

また、記憶部１０２は、データとして、登録装置データベース（以下「登録装置ＤＢ」という）を格納している。登録装置ＤＢの構成については後述する。

制御部１０１は、例えばＣＰＵ、ＭＰＵ等を利用して構成される。制御部１０１は、記憶部１０２から読み出したプログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、セキュリティサーバ１００における後述する各種の機能を実現する。

入出力インタフェース１０３は、例えばＬＡＮアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース１０３は、セキュリティサーバ１００が、顔認証用カメラ２５、群管理制御装置１０、及びセキュリティゲート２０との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース１０３は、制御部１０１から出力された信号を所定の形式の信号に変換して顔認証用カメラ２５、顔認証用カメラ３６、群管理制御装置１０、及びセキュリティゲート２０に出力する。また、入出力インタフェース１０３は、顔認証用カメラ２５、顔認証用カメラ３６、群管理制御装置１０、及びセキュリティゲート２０から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部１０１に出力する。

図８は、セキュリティサーバ１００の記憶部１０２に格納されている登録装置ＤＢの構成を示す図である。登録装置ＤＢは、登録装置ＩＤに紐付けて、登録装置の設置階と、登録装置の設置されているロケーションの情報とを格納している。ここでの登録装置とは、利用者の行先階の登録に利用される行先階登録装置３０及びセキュリティゲート２０の総称である。

「設置階」は、登録装置ＩＤに対応する登録装置が設置されている階を示す情報である。設置階は、登録装置を利用した利用者の出発階として利用される。後述する「呼び情報信号」においては、「設置階」を「出発階」というものとする。

「ロケーション」は、登録装置ＩＤに対応する登録装置が設置階内で設置されている位置を示す情報である。ロケーションは、設置階毎に、例えば「１」，「２」，「３」…などの通し番号により示される。

図８に示す例では、登録装置ＩＤ“０００１”に紐付けて、設置階、及びロケーションとして、“１”、及び“１”が登録されている。登録装置ＩＤ“０００２”に紐付けて、設置階、及びロケーションとして、“１”、及び“２”が登録されている。残りの登録装置ＩＤについても同様に、登録装置ＩＤに紐付けて、設置階及びロケーションの情報が登録されている。

図９は、セキュリティサーバ１００の記憶部１０２に格納されている利用者ＤＢの構成を示す図である。利用者ＤＢは、利用者ＩＤに紐付けて、顔データと、デフォルト行先階と、許可階とを記録している。なお、利用者ＩＤに紐づけてさらにパスワードを記録してもよい。これらの情報の利用者ＤＢへの登録は例えばビル管理者により行われる。

「利用者ＩＤ」は、利用者を一意に識別するために設定された識別情報（利用者識別情報）である。

「顔データ」は、「利用者ＩＤ」で特定される利用者の顔の特徴を示す顔特徴点データである。顔特徴点データは、例えば、目、眉などの位置、形状や、顔の輪郭などの特徴を示すデータである。顔特徴点データは、当該利用者の利用者ＤＢへの登録時に提供された利用者の顔画像または登録時に撮像された利用者の顔画像に基づいて生成される。

「デフォルト行先階」は、「利用者ＩＤ」で特定される利用者のデフォルト行先階を示す情報である。デフォルト行先階としては、例えば、当該利用者が入居している階床の数値が設定される。

「許可階」は、「利用者ＩＤ」で特定される利用者の利用が許可されている階床を示す情報である。許可階としては、例えば、ビル内の共用階などが設定される。

図９に示す例では、利用者ＩＤ“１０００１”に紐付けて、顔データ、デフォルト行先階、及び許可階として、“顔データ１”、“１０”、及び“９，１０，１１”が登録されている。利用者ＩＤ“１０００２”に紐付けて、顔データ、デフォルト行先階、及び許可階として、“顔データ２”、“８”、及び“７，８”が登録されている。利用者ＩＤ“１０００３”に紐付けて、顔データ、デフォルト行先階、及び許可階として、“顔データ３”、“１３”、及び“１２，１３”が登録されている。利用者ＩＤ“１０００４”に紐付けて、顔データ、デフォルト行先階、及び許可階として、“顔データ４”、“９”、及び“９，１０，１１”が登録されている。残りの利用者ＩＤについても同様に、利用者ＩＤに紐付けて、顔データ、デフォルト行先階、及び許可階の情報が登録されている。

２．動作
２－１．セキュリティゲートを通過しようとする利用者に対する処理
２－１－１．顔認証処理
セキュリティサーバ１００は、セキュリティゲート２０に設けられた顔認証用カメラ２５から出力される画像データが示す撮像画像に基づいて、セキュリティゲート２０を通過しようとする利用者に対する顔認証処理を行う。具体的には、利用者がエントランスから特定領域のエレベータ乗場に移動するためにセキュリティゲート２０を通過しようとすると、セキュリティゲート２０のエントランス側の顔認証エリアＡｄ（図１参照）で顔検出処理が行われ、顔が検出された場合にはさらに顔特徴点検出処理が行われる。

セキュリティサーバ１００は、撮像画像から顔特徴点を検出すると、検出した顔特徴点のデータと、利用者ＤＢに登録されている各顔データ（顔特徴点データ）とを順次比較（照合）して一致率を求める。そして、検出した顔の顔データ（顔特徴点データ）に対して所定一致率以上の一致率を有する顔データ（顔特徴点データ）が利用者ＤＢに登録されているかを判断する。そして、所定一致率以上の一致率を有する顔データが利用者ＤＢに登録されている場合、セキュリティサーバ１００は、セキュリティゲート２０を通過しようとする利用者（顔検出された利用者）は、登録されている顔データに対応する利用者であると特定し、顔認証が成功したと判断する。この場合、セキュリティサーバ１００は、当該セキュリティゲート２０に開放信号を送信する。これにより、利用者ＤＢに登録されている利用者は、セキュリティゲート２０を通過することができる。

これに対し、所定一致率以上の一致率を有する顔データ（顔特徴点データ）が利用者ＤＢに存在しない場合、セキュリティサーバ１００は、セキュリティゲート２０を通過しようとする利用者が、利用者ＤＢに登録されていない利用者であると判断する。この場合、セキュリティサーバ１００は、当該セキュリティゲート２０に閉鎖信号を送信する。セキュリティゲート２０の制御部２１は、ゲートフラッパ２８を閉状態とさせる。これにより、利用者ＤＢに登録されていない利用者は、セキュリティゲート２０を通過することができない。つまり、利用者ＤＢに登録されていない利用者がセキュリティゲート２０を通過するのを阻止することができる。

なお、セキュリティゲート２０の制御部２１は、セキュリティサーバ１００から開放信号、閉鎖信号のいずれも受信していない状況で、つまり顔認証処理が完了していない状況で、第１センサ２６により利用者が検知された場合、ゲートフラッパ２８を閉状態とさせる。これにより、顔認証処理が完了していない利用者がセキュリティゲート２０を通過するのを阻止することができる。

このように、利用者ＤＢに登録されている利用者は特定領域に進入することができるが、そうでない利用者は特定領域に進入することができない。よって、ビル内のセキュリティが確保される。

２－１－２．エレベータ割当処理
セキュリティサーバ１００は、顔認証処理において、セキュリティゲート２０に設けられた顔認証用カメラ２５の撮像画像から顔を検出した場合、セキュリティゲート２０から送信されてくる登録装置ＩＤに基づいて、当該セキュリティゲート２０の設置階、ロケーションの情報を、登録装置ＤＢから読み出す。

セキュリティサーバ１００は、顔認証処理において、当該利用者が利用者ＤＢに登録されている利用者ではないと判断した場合、つまり顔認証が不成功であった場合、登録装置ＤＢから読み出した設置階（出発階）、ロケーションの情報などを含む認証ＮＧ信号を生成し、当該認証ＮＧ信号を群管理制御装置１０に送信する。群管理制御装置１０は、セキュリティサーバ１００から認証ＮＧ信号を受信すると、認証ＮＧ信号が示す出発階及びロケーションの行先階登録装置３０に、認証ＮＧ案内指令を送信する。ゲート表示器７０は、群管理制御装置１０から認証ＮＧ案内指令を受信すると、認証ＮＧ案内画面を表示する。これにより、利用者に、顔認証が不成功であったことを認識させることができる。

セキュリティサーバ１００は、セキュリティゲート２０を通過しようとする利用者に対する顔認証処理において、当該利用者が利用者ＤＢに登録されている利用者であると判断した場合、つまり顔認証が成功した場合、現在の制御モードが通常モードとマスクモードとのいずれに設定されているかを判断する。

通常モードに設定されている場合、セキュリティサーバ１００は、利用者ＤＢから利用者に紐付けられているデフォルト行先階の情報を読み出す。そして、セキュリティサーバ１００は、利用者ＤＢから読み出したデフォルト行先階の情報と、登録装置ＤＢから読み出した設置階（出発階）、ロケーションの情報などを含む呼び情報信号を生成し、当該呼び情報信号を群管理制御装置１０に送信する。なお、呼び情報信号における「出発階」は、前述したように登録装置の「設置階」と等しい。

マスクモードに設定されている場合、セキュリティサーバ１００は、撮像画像に基づいて、利用者がマスクを着用しているか否かを判断する。

マスクモードにおいて利用者がマスクを着用している場合、セキュリティサーバ１００は、通常モードに設定されている場合と同様に、利用者ＤＢから当該利用者に紐付けられているデフォルト行先階の情報を読み出す。そして、セキュリティサーバ１００は、利用者ＤＢから読み出したデフォルト行先階の情報と、登録装置ＤＢから読み出した設置階（出発階）、ロケーションの情報などを含む呼び情報信号を生成し、当該呼び情報信号を群管理制御装置１０に送信する。群管理制御装置１０は、セキュリティサーバ１００から呼び情報信号を受信すると、呼び情報信号が示す出発階、行先階をいずれかのエレベータに割り当てて、割り当てたエレベータ（割当号機）の情報を含む割当結果案内指令を、呼び情報信号が示す出発階及びロケーションのゲート表示器７０に送信する。ゲート表示器７０は、群管理制御装置１０から割当結果案内指令を受信すると、割当結果案内画面を表示する。これにより、利用者は、自己に割り当てられたエレベータ（割当号機）を知ることができる。

一方、マスクモードにおいて利用者がマスクを着用していない場合、セキュリティサーバ１００は、登録装置ＤＢから読み出した設置階（出発階）、ロケーションの情報などを含む認証ＯＫ／マスク非着用信号を生成し、当該認証ＯＫ／マスク非着用信号を群管理制御装置１０に送信する。群管理制御装置１０は、セキュリティサーバ１００から認証ＯＫ／マスク非着用信号を受信すると、認証ＯＫ／マスク非着用信号が示す出発階及びロケーションのゲート表示器７０に、認証ＯＫ／マスク着用案内指令を送信する。ゲート表示器７０は、群管理制御装置１０から認証ＯＫ／マスク着用案内指令を受信すると、認証ＯＫ／マスク着用案内画面を表示する。これにより、利用者に、顔認証が成功したが、マスクを着用すべきことを認識させることができる。

２－２．行先階登録装置を利用しようとする利用者に対する処理
２－２－１．顔認証処理
セキュリティサーバ１００は、行先階登録装置３０を利用しようとする利用者に対して、顔認証用カメラ３６から出力される画像データが示す撮像画像に基づいて、利用者に対する顔認証処理を行う。この顔認証処理としては、セキュリティゲート２０に併設されている顔認証用カメラ２５から出力される画像データが示す撮像画像に対するものと同様の処理が行われる。

２－２－２．エレベータ割当処理
セキュリティサーバ１００は、顔認証処理において、行先階登録装置３０に併設された顔認証用カメラ３６の撮像画像から顔を検出した場合、行先階登録装置３０から送信されてくる登録装置ＩＤに基づいて、当該行先階登録装置３０の設置階、ロケーションの情報を、登録装置ＤＢから読み出す。

セキュリティサーバ１００は、顔認証処理において、当該利用者が利用者ＤＢに登録されている利用者ではないと判断した場合、つまり顔認証が不成功であった場合、登録装置ＤＢから読み出した設置階（出発階）、ロケーションの情報などを含む認証ＮＧ信号を生成し、当該認証ＮＧ信号を群管理制御装置１０に送信する。群管理制御装置１０は、セキュリティサーバ１００から認証ＮＧ信号を受信すると、認証ＮＧ信号が示す出発階及びロケーションの行先階登録装置３０に認証ＮＧ案内指令を送信する。行先階登録装置３０は、群管理制御装置１０から認証ＮＧ案内指令を受信すると、認証ＮＧ案内画面を表示する。これにより、利用者に、顔認証が不成功であったことを認識させることができる。

セキュリティサーバ１００は、行先階登録装置３０を利用しようとする利用者に対する顔認証処理において、当該利用者が利用者ＤＢに登録されている利用者であると判断した場合、つまり顔認証が成功した場合、現在の制御モードが通常モードとマスクモードとのいずれに設定されているかを判断する。

通常モードに設定されている場合、セキュリティサーバ１００は、利用者ＤＢから利用者に紐付けられている許可階の情報を読み出す。そして、セキュリティサーバ１００は、利用者ＤＢから読み出した許可階の情報と、登録装置ＤＢから読み出した設置階（出発階）、ロケーションの情報などを含む呼び情報信号を生成し、当該呼び情報信号を群管理制御装置１０に送信する。なお、呼び情報信号における「出発階」は、前述したように登録装置の「設置階」と等しい。

マスクモードに設定されている場合、セキュリティサーバ１００は、撮像画像に基づいて、利用者がマスクを着用しているか否かを判断する。

マスクモードにおいて利用者がマスクを着用している場合、セキュリティサーバ１００は、通常モードに設定されている場合と同様に、利用者ＤＢから当該利用者に紐付けられている許可階の情報を読み出す。そして、セキュリティサーバ１００は、利用者ＤＢから読み出した許可階の情報と、登録装置ＤＢから読み出した設置階（出発階）、ロケーションの情報などを含む呼び情報信号を生成し、当該呼び情報信号を群管理制御装置１０に送信する。群管理制御装置１０は、セキュリティサーバ１００から呼び情報信号を受信すると、呼び情報信号に基づいて、許可階の情報を含む操作画面表示指令を生成し、生成した操作画面表示指令を呼び情報信号が示す出発階及びロケーションの行先階登録装置３０に送信する。行先階登録装置３０は、操作画面表示指令を受信すると、許可階の情報が示す許可階の行先階ボタンを表示部３４に表示し、利用者による行先階の指定操作を受け付ける。行先階の指定操作があると、行先階登録装置３０は、指定された行先階にいずれかの号機を割り当てることを要求する割当依頼信号を群管理制御装置１０に送信する。群管理制御装置１０は、割当依頼信号を受信すると、割当依頼信号が示す出発階、行先階をいずれかのエレベータに割り当てて、割り当てたエレベータ（割当号機）の情報を含む割当結果案内指令を、呼び情報信号が示す出発階及びロケーションの行先階登録装置３０（割当依頼信号の送信元の行先階登録装置３０）に送信する。行先階登録装置３０は、群管理制御装置１０から割当結果案内指令を受信すると、表示部３４に、割当号機を表示した割当結果案内画面を表示する。

一方、マスクモードにおいて利用者がマスクを着用していない場合、セキュリティサーバ１００は、登録装置ＤＢから読み出した設置階（出発階）、ロケーションの情報などを含む認証ＯＫ／マスク非着用信号を生成し、当該認証ＯＫ／マスク非着用信号を群管理制御装置１０に送信する。群管理制御装置１０は、セキュリティサーバ１００から認証ＯＫ／マスク非着用信号を受信すると、認証ＯＫ／マスク非着用信号が示す出発階及びロケーションの行先階登録装置３０に、認証ＯＫ／マスク着用案内指令を送信する。行先階登録装置３０は、群管理制御装置１０から認証ＯＫ／マスク着用案内指令を受信すると、認証ＯＫ／マスク着用案内画面を表示する。これにより、利用者に、顔認証が成功したが、マスクを着用すべきことを認識させることができる。

２－３．エレベータシステムの具体的動作
エレベータシステムの具体的動作について、フローチャートを参照してより詳しく説明する。

図１０は、セキュリティサーバ１００の動作（セキュリティゲート用）を説明したフローチャートである。本フローチャートの処理は、セキュリティゲート２０毎に並行して実行される。

セキュリティサーバ１００の制御部１０１は、処理対象のセキュリティゲート２０に対応する顔認証用カメラ２５から出力される画像データが示す撮像画像に顔が含まれているか否かを判断する（Ｓ１１）。このステップの処理は、所定フレームレートで出力される撮像画像の各々に対して実行してもよいし、例えば数フレーム毎に１フレームだけというように間欠的に実行してもよい。

撮像画像に顔が含まれていない場合（Ｓ１１でＮＯ）、つまり顔が検出されない場合、セキュリティサーバ１００の制御部１０１は、ステップＳ１１の判断を再度実行する。

撮像画像に顔が含まれている場合（Ｓ１１でＹＥＳ）、つまり顔が検出された場合、セキュリティサーバ１００の制御部１０１は、セキュリティゲート２０の登録装置ＩＤに基づいて、利用者が通過しようとするセキュリティゲート２０の設置階及びロケーションを特定する（Ｓ１２）。これは、利用者の出発階及びロケーションを特定することでもある。

セキュリティサーバ１００の制御部１０１は、上述した顔認証処理を行うことにより、検出した顔の顔データ（顔特徴点データ）に対して所定一致率以上の一致率を有する顔データ（顔特徴点データ）が利用者ＤＢに登録されているかを判断する（Ｓ１３）。

検出した顔の顔データに対して所定一致率以上の一致率を有する顔データが利用者ＤＢに登録されていない場合（Ｓ１３でＮＯ）、セキュリティサーバ１００の制御部１０１は、セキュリティゲート２０に閉鎖信号を送信する（Ｓ１５）。これに伴い、セキュリティゲート２０の制御部２１は、ゲートフラッパ２８を閉状態で維持するように制御する。これにより、顔データが利用者ＤＢに登録されていない利用者は、セキュリティゲート２０の通過が阻止される。

セキュリティサーバ１００の制御部１０１は、認証ＮＧ信号を群管理制御装置１０に送信する（Ｓ１６）。認証ＮＧ信号は、顔認証が不成功であったことを示す信号である。

検出した顔の顔データに対して所定一致率以上の一致率を有する顔データが利用者ＤＢに登録されている場合（Ｓ１３でＹＥＳ）、セキュリティサーバ１００の制御部１０１は、セキュリティゲート２０に開放信号を送信する（Ｓ１４）。これに伴い、セキュリティゲート２０の制御部２１は、ゲートフラッパ２８を開状態に制御する。

セキュリティサーバ１００の制御部１０１は、現在の制御モードが通常モードに設定されているかを判断する（Ｓ１７）。

通常モードに設定されていない場合（Ｓ１７でＮＯ）、つまりマスクモードに設定されている場合、セキュリティサーバ１００の制御部１０１は、撮像画像に基づいて、利用者がマスクを着用しているか否かを判断する（Ｓ１８）。

利用者がマスクを着用している場合（Ｓ１８でＹＥＳ）、セキュリティサーバ１００の制御部１０１は、所定一致率以上の顔データに紐付けられたデフォルト行先階を利用者ＤＢから取得する（Ｓ１９）。

セキュリティサーバ１００の制御部１０１は、出発階、デフォルト行先階、ロケーションの情報を含む呼び情報信号を生成して群管理制御装置１０に送信する（Ｓ２０）。

セキュリティサーバ１００の制御部１０１は、セキュリティゲート２０から利用者通過信号を受信したか否かを判断する（Ｓ２２）。

セキュリティゲート２０から利用者通過信号を受信していない場合（Ｓ２２でＮＯ）、セキュリティサーバ１００の制御部１０１は、ステップＳ２２の判断を再度実行する。

セキュリティゲート２０から利用者通過信号を受信した場合（Ｓ２２でＹＥＳ）、セキュリティサーバ１００の制御部１０１は、セキュリティゲート２０に閉鎖信号を送信する（Ｓ２３）。

上記のステップＳ１８において、利用者がマスクを着用していない場合（Ｓ１８でＮＯ）、セキュリティサーバ１００の制御部１０１は、認証ＯＫ／マスク非着用信号を群管理制御装置１０に送信する（Ｓ２１）。認証ＯＫ／マスク非着用信号は、顔認証は成功したがマスク非着用であることを示す信号である。

上記のステップＳ１７において、通常モードに設定されている場合（Ｓ１７でＹＥＳ）、セキュリティサーバ１００の制御部１０１は、ステップＳ１８を実行することなく、ステップＳ１９以後の処理を実行する。

図１１は、セキュリティサーバ１００の動作（行先階登録装置用）を説明したフローチャートである。本フローチャートの処理は、行先階登録装置３０毎に並行して実行される。

図１１のフローチャート（行先階登録装置用）では、図１０のフローチャート（セキュリティゲート用）と概ね同じ動作が行われるが、図１０のフローチャートにおけるセキュリティゲートの開閉制御に関連する処理（Ｓ１４、Ｓ１５、Ｓ２２、Ｓ２３）が省略されている。また、図１０のフローチャートのステップＳ１２、Ｓ２０に代えて、ステップＳ１２Ａ、Ｓ２０Ａが設けられている。なお、図１１のステップＳ１１では、セキュリティサーバ１００の制御部１０１は、処理対象の行先階登録装置３０に対応する顔認証用カメラ３６から出力される画像データが示す撮像画像に顔が含まれているか否かを判断する。

ステップＳ１２Ａにおいて、セキュリティサーバ１００の制御部１０１は、行先階登録装置３０の登録装置ＩＤに基づいて、利用者が利用しようとする行先階登録装置３０の設置階及びロケーションを特定する（Ｓ１２Ａ）。これは、利用者の出発階及びロケーションを特定することでもある。

ステップＳ２０Ａにおいて、セキュリティサーバ１００は、出発階、許可階、ロケーションの情報を含む呼び情報信号を生成して群管理制御装置１０に送信する（Ｓ２０Ａ）。

図１２は、群管理制御装置１０の動作を説明したフローチャートである。本フローチャートの処理は、群管理制御装置１０がセキュリティサーバ１００から呼び関連信号を受信したときに実行される。呼び関連信号には、前述した認証ＮＧ信号、認証ＯＫ／マスク非着用信号、呼び情報信号などの信号が含まれる。また、呼び関連信号が受信される都度、図１２のフローチャートの処理が個別に新たに起動されて実行される。

群管理制御装置１０は、セキュリティサーバ１００から呼び関連信号を受信すると、受信した信号が認証ＮＧ信号か否かを判断する（Ｓ５１）。

受信した信号が認証ＮＧ信号である場合（Ｓ５１でＹＥＳ）、群管理制御装置１０は、認証ＮＧ信号が示す出発階及びロケーションのゲート表示器７０または行先階登録装置３０に、認証ＮＧ案内指令を送信する（Ｓ５２）。

受信した信号が認証ＮＧ信号でない場合（Ｓ５１でＮＯ）、群管理制御装置１０は、受信した信号が認証ＯＫ／マスク非着用信号か否かを判断する（Ｓ５３）。

受信した信号が認証ＯＫ／マスク非着用信号である場合（Ｓ５３でＹＥＳ）、群管理制御装置１０は、認証ＯＫ／マスク非着用信号が示す出発階及びロケーションのゲート表示器７０または行先階登録装置３０に、認証ＯＫ／マスク着用案内指令を送信する（Ｓ５４）。

受信した信号が認証ＯＫ／マスク非着用信号でない場合（Ｓ５３でＮＯ）、群管理制御装置１０は、受信した信号が呼び情報信号か否かを判断する（Ｓ５５）。

受信した信号が呼び情報信号である場合（Ｓ５５でＹＥＳ）、群管理制御装置１０は、呼び情報信号等に基づいて割当処理を実行する（Ｓ５６）。この処理について、図１３を利用して説明する。

受信した信号が呼び情報信号でない場合（Ｓ５５でＹＥＳ）、群管理制御装置１０は、図１２のフローチャートの処理を終了する。

図１３は、群管理制御装置１０による出発階、行先階の設定処理を説明したフローチャートである。

群管理制御装置１０は、呼び情報信号が示す出発階及びロケーションがセキュリティゲート２０のものであるか否かを判断する（Ｓ２０１）。

呼び情報信号が示す出発階及びロケーションがセキュリティゲート２０のものである場合（Ｓ２０１でＹＥＳ）、群管理制御装置１０は、呼び情報信号が示す出発階及びデフォルト行先階を利用者の出発階及び行先階として設定する（Ｓ２０２）。

群管理制御装置１０は、設定された出発階、行先階を、複数台のエレベータのうちのいずれかに割り当てる（Ｓ２０７）。

群管理制御装置１０は、呼び情報信号が示す出発階及びロケーションのゲート表示器７０または行先階登録装置３０に、割当結果案内指令を送信して（Ｓ２０８）、図１３のフローチャートに基づく割当処理を終了する。これにより、図１２のフローチャートのステップＳ５６の処理も終了する。

ステップＳ２０１において、呼び情報信号が示す出発階及びロケーションがセキュリティゲート２０のものでない場合（Ｓ２０１でＮＯ）、つまり行先階登録装置３０のものである場合、群管理制御装置１０は、呼び情報信号が示す出発階及びロケーションの行先階登録装置３０に操作画面表示指令を送信する（Ｓ２０３）。操作画面表示指令は、呼び情報信号が示す許可階の情報を含む。

群管理制御装置１０は、行先階登録装置３０から割当依頼信号を受信したか否かを判断する（Ｓ２０４）。

行先階登録装置３０から割当依頼信号を受信した場合（Ｓ２０４でＹＥＳ）、群管理制御装置１０は、呼び情報信号が示す出発階及び割当依頼信号が示す行先階を、利用者の出発階及び行先階として設定し（Ｓ２０６）、ステップＳ２０７以後の処理を実行する。

行先階登録装置３０から割当依頼信号を受信していない場合（Ｓ２０４でＮＯ）、群管理制御装置１０は、操作画面表示指令を送信してから所定時間が経過したか否かを判断する（Ｓ２０５）。

操作画面表示指令を送信してから所定時間が経過していない場合（Ｓ２０５でＮＯ）、群管理制御装置１０は、ステップＳ２０４の判断を再度実行する。

操作画面表示指令を送信してから所定時間が経過した場合（Ｓ２０５でＹＥＳ）、群管理制御装置１０は、図１３のフローチャートに基づく割当処理を終了する。これにより、図１２のフローチャートのステップＳ５６の処理も終了する。

図１４は、ゲート表示器７０の動作を説明したフローチャートである。図１５は、ゲート表示器７０における表示例を示した図である。図１４のフローチャートに基づく処理は、ゲート表示器７０毎に実行される。

ゲート表示器７０は、現在の制御モードがマスクモードと通常モードとのいずれに設定されているかを判断する（Ｓ７１）。なお、この判断は、種々の方法により行うことができる。例えば、群管理制御装置１０がゲート表示器７０に現在の制御モードを示す信号を出力し、その信号に基づいてゲート表示器７０が現在の制御モードの判断を行ってもよい。あるいは、ゲート表示器７０に制御モードの切り替えスイッチを設け、スイッチの切り替え状態に応じて、現在の制御モードがマスクモードと通常モードとのいずれに設定されているかを判断してもよい。

マスクモードに設定されている場合（Ｓ７１でマスクモード）、ゲート表示器７０は、マスクモード初期画面を表示する（Ｓ７２）。図１５（ａ）は、マスクモード初期画面の一例を示す図である。図１５（ａ）のマスクモード初期画面では、「顔認証ゲートです。マスクを着用してください」という案内を表示させた例を示す。

一方、通常モードに設定されている場合（Ｓ７１で通常モード）、ゲート表示器７０は、通常モード初期画面を表示する（Ｓ７３）。図１５（ｂ）は、通常モード初期画面の一例を示す図である。図１５（ｂ）の通常モード初期画面では、「顔認証ゲートです」という案内を表示させた例を示す。なお、通常モード初期画面として、例えば黒の単色塗りつぶし画面を表示させてもよい。

ステップＳ７２またはＳ７３を実行した後、ゲート表示器７０は、群管理制御装置１０から認証ＮＧ案内指令を受信したか否かを判断する（Ｓ７４）。

群管理制御装置１０から認証ＮＧ案内指令を受信した場合（Ｓ７４でＹＥＳ）、ゲート表示器７０は、認証ＮＧ案内画面を所定時間表示する（Ｓ７５）。所定時間は、認証ＮＧ案内画面などの案内画面を利用者に適切に視認させるための時間であり、例えば５秒である。図１５（ｃ）は、認証ＮＧ案内画面の一例を示す図である。図１５（ｃ）の認証ＮＧ案内画面では、「顔認証ＮＧです」という案内を表示させた例を示す。

群管理制御装置１０から認証ＮＧ案内指令を受信していない場合（Ｓ７４でＮＯ）、ゲート表示器７０は、群管理制御装置１０から認証ＯＫ／マスク着用案内指令を受信したか否かを判断する（Ｓ７６）。

群管理制御装置１０から認証ＯＫ／マスク着用案内指令を受信した場合（Ｓ７６でＹＥＳ）、ゲート表示器７０は、認証ＯＫ／マスク着用案内画面を所定時間表示する（Ｓ７７）。所定時間は、上述の通りである。図１５（ｄ）は、認証ＯＫ／マスク着用案内画面の一例を示す図である。図１５（ｄ）の認証ＯＫ／マスク着用案内画面では、「顔認証ＯＫですが、マスクを着用して再入場ください。マスク着用者のみエレベータをご案内できます」という案内を表示させた例を示す。

なお、図１５（ｄ）の認証ＯＫ／マスク着用案内画面に代えて、図１５（ｅ）の認証ＯＫ／マスク着用案内画面を表示させてもよい。図１５（ｅ）の認証ＯＫ／マスク着用案内画面では、「マスク非着用のため号機案内できません。マスク着用のうえ乗場の登録装置で行先階を登録ください」という案内を表示させてもよい。

群管理制御装置１０から認証ＯＫ／マスク着用案内指令を受信していない場合（Ｓ７６でＮＯ）、ゲート表示器７０は、群管理制御装置１０から割当結果案内指令を受信したか否かを判断する（Ｓ７８）。

群管理制御装置１０から割当結果案内指令を受信した場合（Ｓ７８でＹＥＳ）、ゲート表示器７０は、割当結果案内画面を所定時間表示する（Ｓ７９）。所定時間は、上述の通りである。図１５（ｆ）は、割当結果案内画面の一例を示す図である。図１５（ｆ）の割当結果案内画面では、「４Ｆ １号機」という案内を表示させた例を示す。

図１６は、行先階登録装置３０の動作を説明したフローチャートである。図１７は、行先階登録装置３０の行先階登録処理を説明したフローチャートである。図１８は、行先階登録装置３０における表示例を示した図である。図１６のフローチャートに基づく処理は、行先階登録装置３０毎に実行される。

行先階登録装置３０は、現在の制御モードがマスクモードと通常モードとのいずれに設定されているかを判断する（Ｓ９１）。なお、この判断は、種々の方法により行うことができる。例えば、群管理制御装置１０が行先階登録装置３０に現在の制御モードを示す信号を出力し、その信号に基づいて行先階登録装置３０が現在の制御モードの判断を行ってもよい。あるいは、行先階登録装置３０に制御モードの切り替えスイッチを設け、スイッチの切り替え状態に応じて、現在の制御モードがマスクモードと通常モードとのいずれに設定されているかを判断してもよい。

マスクモードに設定されている場合（Ｓ９１でマスクモード）、行先階登録装置３０は、マスクモード初期画面を表示部３４に表示する（Ｓ９２）。図１８（ａ）は、マスクモード初期画面の一例を示す図である。図１８（ａ）のマスクモード初期画面では、「顔認証行先階登録装置です。マスクを着用してください」という案内を表示させた例を示す。

一方、通常モードに設定されている場合（Ｓ９１で通常モード）、行先階登録装置３０は、通常モード初期画面を表示部３４に表示する（Ｓ９３）。図１８（ｂ）は、通常モード初期画面の一例を示す図である。図１８（ｂ）の通常モード初期画面では、「顔認証行先階登録装置です」という案内を表示させた例を示す。なお、通常モード初期画面として、例えば黒の単色塗りつぶし画面を表示させてもよい。

行先階登録装置３０は、群管理制御装置１０から認証ＮＧ案内指令を受信したか否かを判断する（Ｓ９４）。

群管理制御装置１０から認証ＮＧ案内指令を受信した場合（Ｓ９４でＹＥＳ）、行先階登録装置３０は、認証ＮＧ案内画面を表示部３４に所定時間表示する（Ｓ９５）。所定時間は、ゲート表示器７０の場合同様、認証ＮＧ案内画面などの案内画面を利用者に適切に視認させるための時間であり、例えば５秒である。図１８（ｃ）は、認証ＮＧ案内画面の一例を示す図である。図１８（ｃ）の認証ＮＧ案内画面では、「顔認証ＮＧです」という案内を表示させた例を示す。

群管理制御装置１０から認証ＮＧ案内指令を受信していない場合（Ｓ９４でＮＯ）、行先階登録装置３０は、群管理制御装置１０から認証ＯＫ／マスク着用案内指令を受信したか否かを判断する（Ｓ９６）。

群管理制御装置１０から認証ＯＫ／マスク着用案内指令を受信した場合（Ｓ９６でＹＥＳ）、行先階登録装置３０は、認証ＯＫ／マスク着用案内画面を表示部３４に所定時間表示する（Ｓ９７）。所定時間は、上述の通りである。図１８（ｄ）は、認証ＯＫ／マスク着用案内画面の一例を示す図である。図１８（ｄ）の認証ＯＫ／マスク着用案内画面では、「マスク非着用のため号機案内できません。マスクを着用してください」という案内を表示させた例を示す。

群管理制御装置１０から認証ＯＫ／マスク着用案内指令を受信していない場合（Ｓ９６でＮＯ）、行先階登録装置３０は、群管理制御装置１０から操作画面表示指令を受信したか否かを判断する（Ｓ９８）。

群管理制御装置１０から操作画面表示指令を受信していない場合（Ｓ９８でＮＯ）、行先階登録装置３０は、ステップＳ９１の処理に戻る。

群管理制御装置１０から操作画面表示指令を受信した場合（Ｓ９８でＹＥＳ）、行先階登録装置３０は、群管理制御装置１０に対する行先階の登録処理を行う（Ｓ９９）。この処理について、図１７のフローチャートを利用して説明する。

まず、行先階登録装置３０は、登録操作画面を表示部３４に表示する（Ｓ２１１）。図１８（ｅ）は、登録操作画面の一例を示す図である。図１８（ｅ）の登録操作画面では、「行先階を登録してください」という案内とともに、９階、１０階、１１階の行先階ボタンが表示されている例を示す。ここでの９階、１０階、１１階とは、利用者データベースで利用者に紐付けられて登録されている許可階であり、一例として、利用者データベースで利用者ＩＤ“１０００４”に紐付けられている許可階が表示された場合を示す。なお、許可階とは、利用者の利用が許可されている階床であり、顔認証が成功した利用者に応じて異なる階床となる。

行先階登録装置３０は、行先階登録装置３０でいずれかの行先階ボタンが押されたか否かを判断する（Ｓ２１２）。

行先階登録装置３０でいずれかの行先階ボタンが押された場合（Ｓ２１２でＹＥＳ）、行先階登録装置３０は、呼び情報信号が示す出発階及び行先階ボタンで指定された行先階を利用者の出発階及び行先階として設定する（Ｓ２１４）。

行先階登録装置３０は、群管理制御装置１０に割当依頼信号を送信し（Ｓ２１５）、図１６のフローチャートによる処理に戻り、ステップＳ１００を実行する。ステップＳ１００以後の処理については後述する。

ステップＳ２１２において、行先階登録装置３０でいずれの行先階ボタンも押されていない場合（Ｓ２１２でＮＯ）、行先階登録装置３０は、登録操作画面を表示してから所定表示時間が経過したか否かを判断する（Ｓ２１３）。所定表示時間は、利用者が行先階登録装置３０の利用をやめて立ち去ったことを判断するための時間であり、例えば１０秒である。

登録操作画面を表示してから所定表示時間が経過していない場合（Ｓ２１３でＮＯ）、行先階登録装置３０は、ステップＳ２１２の判断を再度実行する。

登録操作画面を表示してから所定表示時間が経過した場合（Ｓ２１３でＹＥＳ）、行先階登録装置３０は、図１７のフローチャートによる行先階登録処理を終了して、図１６のフローチャートによる処理に戻り、ステップＳ１００を実行する。

図１６のフローチャートのステップＳ１００において、行先階登録装置３０は、群管理制御装置１０から割当結果案内指令を受信したか否かを判断する（Ｓ１００）。

群管理制御装置１０から割当結果案内指令を受信していない場合（Ｓ１００でＮＯ）、行先階登録装置３０は、ステップＳ１００の判断を再度実行する。

群管理制御装置１０から割当結果案内指令を受信した場合（Ｓ１００でＹＥＳ）、行先階登録装置３０は、割当結果案内画面を所定時間表示する（Ｓ１０１）。所定時間は、上述の通りである。図１８（ｆ）は、割当結果案内画面の一例を示す図である。図１８（ｆ）の割当結果案内画面では、「９Ｆ １号機」という案内を表示させた例を示す。

３．本実施の形態の作用
本実施の形態のエレベータシステムによれば、撮像部（例えば顔認証用カメラ２５または顔認証用カメラ３６）で撮像された撮像画像に基づいて、（１）利用者の顔認証が成功したという条件と、（２）利用者がマスクを着用しているという条件との両方の条件が満たされた場合にのみ、利用者にエレベータの割当を行うことができる。そのため、エレベータにおけるセキュリティ対策と感染症対策の両方を簡易な構成で実現できる。

（実施の形態２）
実施の形態１では、群管理制御装置１０（割当部）が、下記（１）、（２）の条件の両方が満たされた場合に、利用者にエレベータの割当を行う場合について説明した。
（１）利用者の顔認証が成功したこと
（２）利用者がマスクを着用していると判断されたこと
実施の形態２では、群管理制御装置１０（割当部）が、上記（１）、（２）の条件と下記（３）の条件との全てが満たされた場合に、利用者にエレベータの割当を行う場合について説明する。
（３）利用者の体温が正常範囲にあること

図１９は、実施の形態２におけるエレベータシステムの構成を示したブロック図である。

実施の形態２では、セキュリティゲート２０に体温検出装置８０が設けられているとともに、行先階登録装置３０に体温検出装置９０が併設されている。

体温検出装置８０は、セキュリティゲート２０を通過しようとする利用者の体温を検知する。体温検出装置８０は、利用者の体温を検知することができるものであれば、サーモグラフィ、赤外線センサなどどのようなもので構成されてもよい。体温検出装置８０は、セキュリティサーバ１００に電気的に接続される。

体温検出装置９０は、行先階登録装置３０を利用しようとする利用者の体温を検知する。体温検出装置９０は、利用者の体温を検知することができるものであれば、サーモグラフィ、赤外線センサなどどのようなもので構成されてもよい。体温検出装置９０は、セキュリティサーバ１００に電気的に接続される。

また、本実施の形態では、制御モードとして、さらにマスク／体温モードが設けられている。マスク／体温モードとは、上記（１）、（２）、（３）の条件の全てが満たされた場合に、利用者にエレベータの割当を行うモードである。

それ以外のシステム構成は、実施の形態１と同じである。

図２０は、実施の形態２におけるセキュリティサーバ１００の動作（セキュリティゲート用）を説明したフローチャートである。

図２０のフローチャートでは、実施の形態１の図１０のフローチャートに対して、ステップＳ１１１、Ｓ１１２、Ｓ１１３、Ｓ１１４が追加されている。

具体的に、ステップＳ１３において検出した顔の顔データに対して所定一致率以上の一致率を有する顔データが利用者ＤＢに登録されている場合（Ｓ１３でＹＥＳ）、セキュリティサーバ１００は、現在の制御モードがマスク／体温モードであるか否かを判断する（Ｓ１１１）。

現在の制御モードがマスク／体温モードでない場合（Ｓ１１１でＮＯ）、セキュリティサーバ１００は、ステップＳ１４以後の処理を実施の形態１同様に実行する。

現在の制御モードがマスク／体温モードである場合（Ｓ１１１でＹＥＳ）、セキュリティサーバ１００は、体温検出装置８０で検出された利用者の体温に基づいて、セキュリティゲート２０を通過しようとする利用者の体温が正常であるか否かを判断する（Ｓ１１２）。利用者の体温が正常であるとは、例えば利用者の体温が３７．０度未満である。なお、新型コロナウイルスの疑い判断などで利用されることが多い体温である３７．５度未満としてもよい。

セキュリティゲート２０を通過しようとする利用者の体温が正常である場合（Ｓ１１２でＹＥＳ）、セキュリティサーバ１００は、ステップＳ１４以後の処理を実施の形態１同様に実行する。

これに対し、セキュリティゲート２０を通過しようとする利用者の体温が正常でない場合（Ｓ１１２でＮＯ）、セキュリティサーバ１００は、セキュリティゲート２０に閉鎖信号を送信する（Ｓ１１３）。これに伴い、セキュリティゲート２０の制御部２１は、ゲートフラッパ２８を閉状態で維持するように制御する。これにより、体温に異常がある利用者は、セキュリティゲート２０の通過が阻止される。

次に、セキュリティサーバ１００の制御部１０１は、体温異常信号を群管理制御装置１０に送信する（Ｓ１１４）。体温異常信号は、利用者の体温が異常であることを示す信号である。

なお、本実施の形態のステップＳ１７において通常モードに設定されていない場合（Ｓ１７でＮＯ）とは、マスクモードまたはマスク／体温モードに設定されている場合が該当する。そのため、マスクモードまたはマスク／体温モードに設定されている場合に、ステップＳ１８の処理が実行される。

図２１は、実施の形態２におけるセキュリティサーバ１００の動作（行先階登録装置用）を説明したフローチャートである。

図２１のフローチャートでは、実施の形態１の図１１のフローチャートに対して、ステップＳ１１１、Ｓ１１２、Ｓ１１４が追加されている。なお、ステップＳ１１１、Ｓ１１２、Ｓ１１４での処理内容は、図２０のフローチャートのステップＳ１１１、Ｓ１１２、Ｓ１１４での処理内容と同じである。そのため、説明は省略する。

図２２は、実施の形態２における群管理制御装置１０の動作を説明したフローチャートである。

図２２のフローチャートでは、実施の形態１の図１２のフローチャートに対して、ステップＳ１３１、Ｓ１３２が追加されている。

具体的に、群管理制御装置１０は、受信した信号が体温異常信号か否かを判断する（Ｓ１３１）。

受信した信号が体温異常信号でない場合（Ｓ１３１でＮＯ）。群管理制御装置１０は、ステップＳ５５以後の処理を実施の形態１同様に実行する。

受信した信号が体温異常信号である場合（Ｓ１３１でＹＥＳ）。群管理制御装置１０は、体温異常信号が示す出発階及びロケーションのゲート表示器７０または行先階登録装置３０に、体温異常案内指令を送信する（Ｓ１３２）。

図２３は、実施の形態２におけるゲート表示器７０の動作を説明したフローチャートである。図２４は、実施の形態２におけるゲート表示器７０における表示例を示した図である。

図２３のフローチャートでは、実施の形態１の図１４のフローチャートのステップＳ７１に代えてステップＳ１７１が設けられるとともに、ステップＳ１７２、Ｓ１７３、Ｓ１７４が追加されている。

具体的に、ゲート表示器７０は、現在の制御モードがマスクモード、通常モード、マスク／体温モードのいずれに設定されているかを判断する（Ｓ１７１）。なお、この判断は、実施の形態１同様、種々の方法により行うことができる。

マスクモードに設定されている場合（Ｓ１７１でマスクモード）、ゲート表示器７０は、実施の形態１同様のマスクモード初期画面を表示する（Ｓ７２）。

通常モードに設定されている場合（Ｓ１７１で通常モード）、ゲート表示器７０は、実施の形態１同様の通常モード初期画面を表示する（Ｓ７３）。

マスク／体温モードに設定されている場合（Ｓ１７１でマスク／体温モード）、ゲート表示器７０は、マスク／体温モード初期画面を表示する（Ｓ１７２）。図２４（ａ）は、マスク／体温モード初期画面の一例を示す図である。図２４（ａ）のマスク／体温モード初期画面では、「顔認証ゲートです。マスクを着用してください。体温計測中」という案内を表示させた例を示す。

ステップＳ１７３において、ゲート表示器７０は、群管理制御装置１０から体温異常案内指令を受信したか否かを判断する（Ｓ１７３）。

群管理制御装置１０から体温異常案内指令を受信していない場合（Ｓ１７３でＮＯ）、ゲート表示器７０は、ステップＳ７８以後の処理を実施の形態１同様に実行する。

群管理制御装置１０から体温異常案内指令を受信した場合（Ｓ１７３でＹＥＳ）、ゲート表示器７０は、体温異常案内画面を所定時間表示する（Ｓ１７４）。所定時間は、上述の通りである。図２４（ｂ）は、体温異常案内画面の一例を示す図である。図２４（ｂ）の体温異常案内画面では、「体温が異常のため号機案内できません」という案内を表示させた例を示す。

図２５は、実施の形態２における行先階登録装置３０の動作を説明したフローチャートである。図２６は、実施の形態２における行先階登録装置３０における表示例を示した図である。

図２５のフローチャートでは、実施の形態１の図１６のフローチャートのステップＳ９１に代えてステップＳ１９１が設けられるとともに、ステップＳ１９２、Ｓ１９３、Ｓ１９４が追加されている。

具体的に、行先階登録装置３０は、現在の制御モードがマスクモード、通常モード、マスク／体温モードのいずれに設定されているかを判断する（Ｓ１９１）。なお、この判断は、実施の形態１同様、種々の方法により行うことができる。

マスクモードに設定されている場合（Ｓ１９１でマスクモード）、行先階登録装置３０は、実施の形態１同様のマスクモード初期画面を表示する（Ｓ９２）。

通常モードに設定されている場合（Ｓ１９１で通常モード）、行先階登録装置３０は、実施の形態１同様の通常モード初期画面を表示する（Ｓ９３）。

マスク／体温モードに設定されている場合（Ｓ１９１でマスク／体温モード）、行先階登録装置３０は、マスク／体温モード初期画面を表示する（Ｓ１９２）。図２５（ａ）は、マスクモード初期画面の一例を示す図である。図２５（ａ）のマスクモード／体温初期画面では、「顔認証行先階登録装置です。マスクを着用してください。体温計測中」という案内を表示させた例を示す。

ステップＳ１９３において、行先階登録装置３０は、群管理制御装置１０から体温異常案内指令を受信したか否かを判断する（Ｓ１９３）。

群管理制御装置１０から体温異常案内指令を受信していない場合（Ｓ１９３でＮＯ）、行先階登録装置３０は、ステップＳ９８以後の処理を実施の形態１同様に実行する。

群管理制御装置１０から体温異常案内指令を受信した場合（Ｓ１９３でＹＥＳ）、ゲート表示器７０は、体温異常案内画面を所定時間表示する（Ｓ１９４）。所定時間は、上述の通りである。図２６（ｂ）は、体温異常案内画面の一例を示す図である。図２６（ｂ）の体温異常案内画面では、「体温が異常のため号機案内できません」という案内を表示させた例を示す。

本実施の形態によれば、（１）利用者の顔認証が成功したという条件と、（２）利用者がマスクを着用しているという条件と、（３）利用者の体温が正常範囲にあるという条件との全てが満たされた場合にのみ、利用者にエレベータの割当を行うことができる。そのため、エレベータにおけるセキュリティ対策と感染症対策の両方を簡易な構成で実現できる。特に、感染症対策をより厳しく行うことができる。

（その他の実施の形態）
前記各実施の形態では、セキュリティサーバ１００が、顔認証用カメラ２５から出力される画像データが示す撮像画像に対して顔検出処理、及び顔特徴点検出処理を行い、かつ顔認証処理を行う例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、顔認証用カメラ２５のコントローラが撮像画像に対して顔検出処理及び顔特徴点検出処理を行い、セキュリティサーバ１００は顔認証処理だけを行ってもよい。つまり、「前記撮像部で撮像された撮像画像に基づいて、前記利用者の顔認証を行う」処理を顔認証用カメラ２５とセキュリティサーバ１００とで分担して行ってもよい。この場合、顔認証用カメラ２５は、撮像画像の画像データに代えて顔特徴点データ（顔データ）をセキュリティサーバ１００に出力する。また、セキュリティサーバ１００は、受信した顔データ（顔特徴点データ）に基づいて、顔認証処理を行う。

前記各実施の形態では、本発明におけるゲートとして、ゲートフラッパ２８を備えたセキュリティゲート２０を例示したが、ゲートはこれに限定されない。本発明において、ゲートは、ゲートフラッパを備えていなくてもよい。この場合、前記実施の形態で説明したゲートフラッパの開閉に関連する制御は省略すればよい。

前記各実施の形態では、本発明における報知部として、ゲート表示器７０や行先階登録装置３０（表示部３４）を例示したが、報知部はこれに限定されない。本発明において、報知部は、エレベータ利用に関する報知を行うことができる限り、音声で報知を行う音声発生装置であってもよい。

前記各実施の形態では、本発明をセキュリティゲート２０と行先階登録装置３０との両方に適用した場合を例示した。しかし、本発明は、セキュリティゲート２０と行先階登録装置３０とのいずれか一方にのみ適用されてもよい。この場合でも、マスクを着用していない利用者がエレベータ６０に乗車することを抑制できる。

前記各実施の形態では、セキュリティゲート２０と行先階登録装置３０との両方が設けられている場合を例示した。しかし、本発明は、行先階登録装置３０のみが設けられている場合にも適用できる。この場合、前記各実施の形態で説明したセキュリティゲート２０に関連する制御については省略すればよい。

前記各実施の形態では、行先階登録装置３０での行先階の登録の際、図１８（ｅ）で例示した登録操作画面で許可階の行先階ボタンを表示する構成を例示した。しかし、本発明では、行先階登録装置３０の表示部１３４に、例えば図２７（ａ）に示すように、ビル内の全階床の行先階ボタン（行先階登録装置の設置階のボタンは除く）を表示してもよい。あるいは、テンキーボタンを表示してもよい。そして、上記（１）、（２）、（３）の条件の成否に応じて、表示枠１５４内に上記の各種案内を表示させてもよい。なお、行先階ボタンやテンキーボタンについてはメカニカルなボタンで構成し、表示枠１５４の部分を液晶ディスプレイパネルなどの表示部により構成してもよい。なお、前記実施の形態のように許可階か否かの区別を行うビルにおいて許可階以外の行先階が指定された場合には、「指定された行先階は利用できません」などの表示を行わせてもよい。

前記実施の形態では、顔認証処理で検出された顔の領域においてマスクを検出できた場合に、利用者がマスクを着用していると判断し、顔認証処理で検出された顔の領域においてマスクを検出できない場合に、利用者がマスクを着用していないと判断する場合を例示した。ところで、この方法では、鼻を出した状態でマスクを着用している場合でも、利用者がマスクを着用していると判断される場合があり得る。そのため、マスク着用の判断をより厳しくしてもよい。例えば、鼻を出さずにマスクが正しく着用されている場合には、鼻の特徴点を検出することができない。そのため、この点も加味して、マスクが正しく着用されているか否かを判断してもよい。つまり、マスクが検出され、かつ鼻の特徴点が検出されない場合に、マスクが正しく着用されていると判断する。一方、マスクが検出されたが、鼻の特徴点が検出された場合には、マスクが正しく着用されていないと判断する。そして、マスクが正しく着用されていないと判断した場合には、ゲート表示器７０や行先階登録装置３０において、鼻を出さずにマスクを正しく装着すべきことを案内させるようにしてもよい。これにより、エレベータにおける感染対策をより厳しく行うことができる。

前記各実施の形態では、各装置の制御部は、ＣＰＵ、ＭＰＵ等を利用して構成され、記憶部から読み出したプログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、各種の機能を実現する。つまり、各制御部は、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。しかし、各制御部は、例えば、ハードウェア（電子回路）のみ、ＦＰＧＡ、ＡＳＩＣ等を利用して構成されてもよい。

前記各実施の形態では、ネットワークはＥｔｈｅｒｎｅｔであり、各装置の入出力インタフェースはＬＡＮアダプタ等を利用して構成されている。しかし、これは一例であり、ネットワークは、例えばＩＥＥＥ規格に準拠した無線ＬＡＮで構成され、入出力インタフェースは無線ＬＡＮアダプタ等で構成されてもよい。

前記各実施の形態におけるセキュリティサーバ１００、群管理制御装置１０、エレベータ制御装置４０は、エレベータ６０が配置されるビルに設置されることは必須ではない。例えば、これらの装置のうち任意の装置について、その装置の有する機能をクラウドサーバにより実行してもよい。この場合、エレベータ６０が配置されるビルに設置されるセキュリティゲート２０、行先階登録装置３０、ゲート表示器７０などの装置と、クラウドサーバとの間の各種信号や情報の授受は、適宜な通信方式を用いた通信により行えばよい。

前記各実施の形態において、本発明の複数の態様を説明した。しかし、本発明の具体的態様は、上述した実施の形態に限られず、これらを組み合わせたものとすることもできる。

（実施の形態についてのまとめ及び効果等）
（１）実施の形態のエレベータシステムは、
エレベータに乗車するために所定装置（例えばセキュリティゲート２０または行先階登録装置３０）を利用しようとする利用者を撮像可能なように設けられた撮像部（例えば顔認証用カメラ２５または顔認証用カメラ３６）と、
撮像部で撮像された撮像画像に基づいて利用者の顔認証を行う顔認証部（例えばセキュリティサーバ１００）と、
撮像画像に基づいて利用者がマスクを着用しているか否かを判断するマスク着用判断部（例えばセキュリティサーバ１００）と、
利用者にエレベータの割当を行う割当部（例えば群管理制御装置１０）と、を備え、
割当部は、下記（１）、（２）の条件の両方が満たされた場合に、利用者にエレベータの割当を行う、
（１）利用者の顔認証が成功したこと、
（２）利用者がマスクを着用していると判断されたこと。

この構成により、撮像部（例えば顔認証用カメラ２５または顔認証用カメラ３６）で撮像された撮像画像に基づいて、（１）利用者の顔認証が成功したという条件と、（２）利用者がマスクを着用しているという条件との両方の条件が満たされた場合にのみ、利用者にエレベータの割当を行うことができる。そのため、エレベータにおけるセキュリティ対策と感染症対策の両方を簡易な構成で実現できる。

（２）実施の形態のエレベータシステムにおいて、
エレベータ利用に関する報知を行う報知部（例えばゲート表示器７０または行先階登録装置３０）をさらに備え、
割当部（例えば群管理制御装置１０）は、（１）の条件が満たされたが、（２）の条件が満たされなかったときは、マスクを非着用のため割当を行うことができないことを示す案内（例えば図１５（ｄ）または図１８（ｄ）の認証ＯＫ／マスク着用案内画面）を報知部に報知させる。

この構成により、エレベータに乗車するために所定装置（例えばセキュリティゲート２０または行先階登録装置３０）を利用しようとする利用者に、顔認証が成功したが、マスクを着用すべきことを認識させることができる。

（３）実施の形態のエレベータシステムは、
エレベータ利用に関する報知を行う報知部（例えばゲート表示器７０または行先階登録装置３０）をさらに備え、
割当部（例えば群管理制御装置１０）は、（１）の条件が満たされなかったときは、顔認証が不成功であったことを示す案内（例えば図１５（ｃ）または図１８（ｃ）の認証ＮＧ案内画面）を報知部に報知させる。

この構成により、エレベータに乗車するために所定装置（例えばセキュリティゲート２０または行先階登録装置３０）を利用しようとする利用者に、顔認証が不成功であったことを認識させることができる。

（４）実施の形態のエレベータシステムにおいて、
所定装置は、ビル内の特定領域に設けられたエレベータ乗場への移動経路上に配置されたセキュリティゲート（２０）であり、
撮像部（例えば顔認証用カメラ２５）は、エレベータに乗車するためにセキュリティゲートを通過しようとする利用者を撮像可能なように設けられる。

この構成により、エレベータに乗車するためにセキュリティゲート（２０）を通過しようとする利用者に対して、上記の各種効果が得られる。

（５）実施の形態のエレベータシステムにおいて、
所定装置は、エレベータ乗場に配置され、利用者による行先階の指定を受け付ける行先階登録装置（３０）であり、
撮像部（例えば顔認証用カメラ２５）は、エレベータに乗車するために行先階登録装置を利用しようとする利用者を撮像可能なように設けられる。

この構成により、エレベータに乗車するために行先階登録装置（３０）を利用しようとする利用者に対して、上記の各種効果が得られる。

（６）実施の形態のエレベータシステムにおいて、
所定装置は、第１の所定装置と第２の所定装置とを含み、
第１の所定装置は、
ビル内の特定領域に設けられたエレベータ乗場への移動経路上に配置されたセキュリティゲート（２０）であり、
エレベータ利用に関する報知を行う報知部（例えばゲート表示器７０）を備え、
第１の撮像部（例えば顔認証用カメラ２５）は、エレベータに乗車するためにセキュリティゲートを通過しようとする利用者を撮像可能なように設けられ、
第１のマスク着用判断部（例えばセキュリティサーバ１００）は、第１の撮像部で撮像された撮像画像に基づいて利用者がマスクを着用しているか否かを判断し、
第２の所定装置は、エレベータ乗場に配置され、利用者による行先階の指定を受け付ける行先階登録装置（３０）であり、
第２の撮像部（例えば顔認証用カメラ３６）は、エレベータに乗車するために行先階登録装置を利用しようとする利用者を撮像可能なように設けられ、
第２のマスク着用判断部（例えばセキュリティサーバ１００）は、第２の撮像部で撮像された撮像画像に基づいて利用者がマスクを着用しているか否かを判断し、
割当部（例えば群管理制御装置１０）は、
セキュリティゲートに関して、（１）の条件が満たされたが、（２）の条件が満たされなかったときは、マスクを着用の上、行先階登録装置で行先階を登録すべきことを促す案内（例えば図１５（ｅ）の認証ＯＫ／マスク着用案内画面）を報知部に報知させ、
行先階登録装置に関して、（１）、（２）の条件の両方が満たされた場合に、利用者にエレベータの割当を行う。

この構成により、エレベータに乗車するために所定装置（例えばセキュリティゲート２０または行先階登録装置３０）を利用しようとする利用者に、マスクを着用の上、行先階登録装置で行先階を登録すべきことを認識させることができる。

（７）実施の形態のエレベータシステムにおいて、
割当部（例えば群管理制御装置１０）は、
（１）の条件が満たされた場合に、利用者にエレベータの割当を行う第１の割当モード（例えば通常モード）と、
（１）、（２）の条件の両方が満たされた場合に、利用者にエレベータの割当を行う第２の割当モード（例えばマスクモード）と、とを備え、
第１の割当モードと、第２の割当モードとを任意に切り替え可能である。

この構成により、感染症の流行の程度に応じて、第１の割当モード（例えば通常モード）と、第２の割当モード（例えばマスクモード）とを任意に切り替えることができる。

（８）実施の形態のエレベータシステムにおいて、
所定装置（例えばセキュリティゲート２０または行先階登録装置３０）を利用しようとする利用者の体温を検出する体温検出部（例えば体温検出装置８０または体温検出装置９０）をさらに備え、
割当部（例えば群管理制御装置１０）は、（１）、（２）の条件と下記（３）の条件との全てが満たされた場合に、利用者にエレベータの割当を行う、
（３）利用者の体温が正常範囲にあること。

この構成により、（１）利用者の顔認証が成功したという条件と、（２）利用者がマスクを着用しているという条件と、（３）利用者の体温が正常範囲にあるという条件との全てが満たされた場合にのみ、利用者にエレベータの割当を行うことができる。そのため、エレベータにおけるセキュリティ対策と感染症対策の両方を簡易な構成で実現できる。特に、感染症対策をより厳しく行うことができる。

（９）実施の形態のエレベータシステムにおいて、
エレベータ利用に関する報知を行う報知部（例えばセキュリティゲート２０または行先階登録装置３０）をさらに備え、
割当部（例えば群管理制御装置１０）は、（３）の条件が満たされなかったときは、体温が異常であるため割当を行うことができないことを示す案内（例えば図２４（ｂ）または図２６（ｂ）の体温異常案内画面）を報知部に報知させる。

この構成により、エレベータに乗車するために所定装置（例えばセキュリティゲート２０または行先階登録装置３０）を利用しようとする利用者に、体温が異常であるため割当を行うことができないことを認識させることができる。

（１０）実施の形態のエレベータシステムにおいて、
割当部（例えば群管理制御装置１０）は、
（１）の条件が満たされた場合に、利用者にエレベータの割当を行う第１の割当モード（例えば通常モード）と、
（１）、（２）の条件の両方が満たされた場合に、利用者にエレベータの割当を行う第２の割当モード（例えばマスクモード）と、
（１）、（２）、（３）の条件の全てが満たされた場合に、利用者にエレベータの割当を行う第３の割当モード（例えばマスク／体温モード）と、を備え、
第１の割当モードと、第２の割当モードと、第３の割当モードとを任意に切り替え可能である。

この構成により、感染症の流行の程度に応じて、第１の割当モード（例えば通常モード）と、第２の割当モード（例えばマスクモード）と、第３の割当モード（例えばマスク／体温モード）とを任意に切り替えることができる。

１０ 群管理制御装置
１１ 制御部
１２ 記憶部
１３ 入出力インタフェース
２０ セキュリティゲート
２０ａ ゲート本体
２０ｉ 入口
２０ｅ 出口
２５ 顔認証用カメラ
２６ 第１センサ
２７ 第２センサ
２８ ゲートフラッパ
３０ 行先階登録装置
３１ 制御部
３２ 記憶部
３３ 入出力インタフェース
３４ 表示部
３５ 操作部
３６ 顔認証用カメラ
４０、４０Ａ～４０Ｆ エレベータ制御装置
６０、６０Ａ～６０Ｆ エレベータ
７０ ゲート表示器
８０ 体温検出装置
９０ 体温検出装置
１００ セキュリティサーバ
１０１ 制御部
１０２ 記憶部
１０３ 入出力インタフェース

Claims (10)

1. エレベータに乗車するために所定装置を利用しようとする利用者を撮像可能なように設けられた撮像部と、
   前記撮像部で撮像された撮像画像に基づいて前記利用者の顔認証を行う顔認証部と、
   前記撮像画像に基づいて前記利用者がマスクを着用しているか否かを判断するマスク着用判断部と、
   前記利用者にエレベータの割当を行う割当部と、を備え、
   前記割当部は、下記（１）、（２）の条件の両方が満たされた場合に、前記利用者にエレベータの割当を行う、
   （１）前記利用者の顔認証が成功したこと、
   （２）前記利用者がマスクを着用していると判断されたこと、
   エレベータシステム。
2. エレベータ利用に関する報知を行う報知部をさらに備え、
   前記割当部は、前記（１）の条件が満たされたが、前記（２）の条件が満たされなかったときは、マスクを非着用のため割当を行うことができないことを示す案内を前記報知部に報知させる、
   請求項１に記載のエレベータシステム。
3. エレベータ利用に関する報知を行う報知部をさらに備え、
   前記割当部は、前記（１）の条件が満たされなかったときは、顔認証が不成功であったことを示す案内を前記報知部に報知させる、
   請求項１に記載のエレベータシステム。
4. 前記所定装置は、ビル内の特定領域に設けられたエレベータ乗場への移動経路上に配置されたセキュリティゲートであり、
   前記撮像部は、エレベータに乗車するために前記セキュリティゲートを通過しようとする利用者を撮像可能なように設けられる、
   請求項１から３のいずれか１項に記載のエレベータシステム。
5. 前記所定装置は、エレベータ乗場に配置され、前記利用者による行先階の指定を受け付ける行先階登録装置であり、
   前記撮像部は、エレベータに乗車するために前記行先階登録装置を利用しようとする利用者を撮像可能なように設けられる、
   請求項１から３のいずれか１項に記載のエレベータシステム。
6. 前記所定装置は、第１の所定装置と第２の所定装置とを含み、
   前記第１の所定装置は、
   ビル内の特定領域に設けられたエレベータ乗場への移動経路上に配置されたセキュリティゲートであり、
   エレベータ利用に関する報知を行う報知部を備え、
   前記第１の撮像部は、エレベータに乗車するために前記セキュリティゲートを通過しようとする利用者を撮像可能なように設けられ、
   前記第１のマスク着用判断部は、前記第１の撮像部で撮像された撮像画像に基づいて前記利用者がマスクを着用しているか否かを判断し、
   前記第２の所定装置は、前記エレベータ乗場に配置され、前記利用者による行先階の指定を受け付ける行先階登録装置であり、
   前記第２の撮像部は、エレベータに乗車するために前記行先階登録装置を利用しようとする利用者を撮像可能なように設けられ、
   前記第２のマスク着用判断部は、前記第２の撮像部で撮像された撮像画像に基づいて前記利用者がマスクを着用しているか否かを判断し、
   前記割当部は、
   前記セキュリティゲートに関して、前記（１）の条件が満たされたが、前記（２）の条件が満たされなかったときは、マスクを着用の上、前記行先階登録装置で行先階を登録すべきことを促す案内を前記報知部に報知させ、
   前記行先階登録装置に関して、前記（１）、（２）の条件の両方が満たされた場合に、前記利用者にエレベータの割当を行う、
   請求項１に記載のエレベータシステム。
7. 前記割当部は、
   前記（１）の条件が満たされた場合に、前記利用者にエレベータの割当を行う第１の割当モードと、
   前記（１）、（２）の条件の両方が満たされた場合に、前記利用者にエレベータの割当を行う第２の割当モードと、とを備え、
   前記第１の割当モードと、前記第２の割当モードとを任意に切り替え可能である、
   請求項１に記載のエレベータシステム。
8. 前記所定装置を利用しようとする利用者の体温を検出する体温検出部をさらに備え、
   前記割当部は、前記（１）、（２）の条件と下記（３）の条件との全てが満たされた場合に、前記利用者にエレベータの割当を行う、
   （３）前記利用者の体温が正常範囲にあること、
   請求項１に記載のエレベータシステム。
9. エレベータ利用に関する報知を行う報知部をさらに備え、
   前記割当部は、前記（３）の条件が満たされなかったときは、体温が異常であるため割当を行うことができないことを示す案内を前記報知部に報知させる、
   請求項８に記載のエレベータシステム。
10. 前記割当部は、
    前記（１）の条件が満たされた場合に、前記利用者にエレベータの割当を行う第１の割当モードと、
    前記（１）、（２）の条件の両方が満たされた場合に、前記利用者にエレベータの割当を行う第２の割当モードと、
    前記（１）、（２）、（３）の条件の全てが満たされた場合に、前記利用者にエレベータの割当を行う第３の割当モードと、を備え、
    前記第１の割当モードと、前記第２の割当モードと、前記第３の割当モードとを任意に切り替え可能である、
    請求項８に記載のエレベータシステム。

Images