JP2022130296A - 基板処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板の温度に面内分布のばらつきが生じるのを抑制することができる基板処理装置を提供することである。【解決手段】実施形態に係る基板処理装置は、基板を載置可能な載置台を有し、載置された前記基板を回転可能な載置部と、前記載置台と、前記基板と、の間の空間に、冷却ガスを供給可能な冷却ノズルと、前記基板の、前記載置台側とは反対の面に液体を供給可能な液体供給部と、前記冷却ノズルの、前記冷却ガスの排出側に設けられた分散板と、を備えている。前記分散板は、厚み方向を貫通する第1の孔を有している。前記冷却ノズルの中心軸に沿った方向から見て、前記第1の孔は、前記冷却ノズルの中心軸に重なる位置に設けられている。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、基板処理装置に関する。
インプリント用テンプレート、フォトリソグラフィ用マスク、半導体ウェーハなどの基板の表面に付着したパーティクルなどの汚染物を除去する方法として、凍結洗浄法が提案されている。
凍結洗浄法においては、例えば、洗浄に用いる液体として純水を用いる場合、まず、回転させた基板の表面に純水と冷却ガスを供給する。次に、純水の供給を止め、供給した純水の一部を排出して基板の表面に水膜を形成する。水膜は、基板に供給された冷却ガスによって凍結される。水膜が凍結して氷膜が形成される際に、パーティクルなどの汚染物が氷膜に取り込まれることで基板の表面から分離される。次に、氷膜に純水を供給して氷膜を融解し、純水とともに汚染物を基板の表面から除去する。
ところが、基板の、水膜が形成された側に冷却ガスを供給すると、水膜の表面側(水膜の、基板側とは反対側)から凍結が始まることになる。水膜の表面側から凍結が始まると、基板の表面に付着している不純物を基板の表面から分離するのが困難となる。
そこで、基板の裏面(基板の、水膜が形成される側とは反対側の面)に冷却ガスを供給する技術が提案されている。(例えば、特許文献1を参照)
しかしながら、単に、基板の裏面に冷却ガスを供給すると、基板の面内に温度分布のばらつきが生じる場合がある。基板の面内に温度分布のばらつきが生じると、汚染物の除去率を向上させるのが困難となる。
そこで、基板の面内に温度分布のばらつきが生じるのを抑制することができる基板処理装置の開発が望まれていた。
特開2018-026436号公報
本発明が解決しようとする課題は、基板の面内に温度分布のばらつきが生じるのを抑制することができる基板処理装置を提供することである。
実施形態に係る基板処理装置は、基板を載置可能な載置台を有し、載置された前記基板を回転可能な載置部と、前記載置台と、前記基板と、の間の空間に、冷却ガスを供給可能な冷却ノズルと、前記基板の、前記載置台側とは反対の面に液体を供給可能な液体供給部と、前記冷却ノズルの、前記冷却ガスの排出側に設けられた分散板と、を備えている。前記分散板は、厚み方向を貫通する第1の孔を有している。前記冷却ノズルの中心軸に沿った方向から見て、前記第1の孔は、前記冷却ノズルの中心軸に重なる位置に設けられている。
本発明の実施形態によれば、基板の面内に温度分布のばらつきが生じるのを抑制することができる基板処理装置が提供される。
本実施の形態に係る基板処理装置を例示するための模式図である。 (a)は、分散部を例示するための模式平面図である。(b)は、(a)における分散部のA-A線断面図である。 基板処理装置の作用を例示するためのタイミングチャートである。 基板の中心から外周にかけての解凍直前の凍結膜の温度を示す図である。 基板の中心から外周にかけての除去率を示す図である。 他の実施形態に係る分散部を例示するための模式断面図である。 他の実施形態に係る分散部を例示するための模式断面図である。 (a)は、他の実施形態に係る分散部を例示するための模式図である。(b)は、羽根を例示するための斜視図である。(c)は、(a)における分散部のB-B線断面図である。(d)は、(a)における分散部のC-C線断面図である。 他の実施形態に係る支持部を例示するための模式斜視図である。 他の実施形態に係る拡径部を例示するための模式断面図である。 他の実施形態に係る拡径部を例示するための模式断面図である。 分散部に設けられた羽根の他の実施形態を例示するための模式斜視図である。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
以下に例示をする基板100は、例えば、半導体ウェーハ、インプリント用テンプレート、フォトリソグラフィ用マスク、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)に用いられる板状体などとすることができる。
この場合、基板100は、表面にパターンである凹凸部が形成されている基板であってもよいし、凹凸部が形成される前の基板(例えば、いわゆるバルク基板)であってもよい。
また、以下においては、一例として、基板100が、フォトリソグラフィ用マスクである場合を説明する。基板100が、フォトリソグラフィ用マスクである場合には、基板100の平面形状は、略四角形とすることができる。
図1は、本実施の形態に係る基板処理装置1を例示するための模式図である。
図1に示すように、基板処理装置1には、載置部2、冷却部3、第1液体供給部4、第2液体供給部5、筐体6、送風部7、検出部8、排気部9、分散部10、およびコントローラ11が設けられている。
載置部2は、載置台2a、回転軸2b、および駆動部2cを有する。
載置台2aは、筐体6の内部に回転可能に設けられている。載置台2aは、板状を呈している。載置台2aの一方の主面には、基板100を支持する複数の支持部2a1が設けられている。基板100を複数の支持部2a1に支持させる際には、基板100の表面100b(洗浄を行う側の面)が、載置台2a側とは反対の方を向くようにする。
複数の支持部2a1には、基板100の裏面100aの縁(エッジ)が接触する。支持部2a1の、基板100の裏面100aの縁と接触する部分は、テーパ面または傾斜面とすることができる。支持部2a1の、基板100の裏面100aの縁と接触する部分が、テーパ面となっていれば、支持部2a1と、基板100の裏面100aの縁とを点接触させることができる。支持部2a1の、基板100の裏面100aの縁と接触する部分が、傾斜面となっていれば、支持部2a1と、基板100の裏面100aの縁とを線接触させることができる。支持部2a1と、基板100の裏面100aの縁とを点接触または線接触させれば、基板100に汚れや損傷などが発生するのを抑制することができる。
また、載置台2aの中央部分には、載置台2aの厚み方向を貫通する孔2aaが設けられている。
回転軸2bは、筒状を呈している。回転軸2bの一方の端部側は、載置台2aに接合されている。回転軸2bの他方の端部側は、筐体6の外部に設けられている。回転軸2bは、筐体6の外部において駆動部2cと接続されている。
回転軸2bの、載置台2a側とは反対側の端部には、後述する冷却ノズル3dが取り付けられている。回転軸2bの、載置台2a側とは反対側の端部と、冷却ノズル3dとの間には、図示しない回転軸シールが設けられている。そのため、回転軸2bの、載置台2a側とは反対側の端部は、気密となるように封止されている。
駆動部2cは、筐体6の外部に設けられている。駆動部2cは、回転軸2bと接続されている。駆動部2cは、モータなどの回転機器を有することができる。駆動部2cの回転力は、回転軸2bを介して載置台2aに伝達される。そのため、駆動部2cにより載置台2a、ひいては載置台2aに載置された基板100を回転させることができる。
また、駆動部2cは、回転の開始と回転の停止のみならず、回転数(回転速度)を変化させることができる。駆動部2cは、例えば、サーボモータなどの制御モータを備えたものとすることができる。
すなわち、載置部2は、基板100を載置可能な載置台2aを有し、載置された基板100を回転可能である。
冷却部3は、載置台2aと、基板100の裏面100aと、の間の空間に、冷却ガス3a1を供給する。冷却部3は、冷却液部3a、フィルタ3b、流量制御部3c、および冷却ノズル3dを有する。冷却液部3a、フィルタ3b、および流量制御部3cは、筐体6の外部に設けられている。
冷却液部3aは、冷却液の収納、および冷却ガス3a1の生成を行う。冷却液は、冷却ガス3a1を液化したものである。冷却ガス3a1は、基板100の材料と反応し難いガスであれば特に限定はない。冷却ガス3a1は、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスなどの不活性ガスとすることができる。
この場合、比熱の高いガスを用いれば基板100の冷却時間を短縮することができる。例えば、ヘリウムガスを用いれば基板100の冷却時間を短縮することができる。また、窒素ガスを用いれば基板100の処理費用を低減させることができる。
冷却液部3aは、冷却液を収納するタンクと、タンクに収納された冷却液を気化させる気化部とを有する。タンクには、冷却液の温度を維持するための冷却装置が設けられている。気化部は、冷却液の温度を上昇させて、冷却液から冷却ガス3a1を生成する。気化部は、例えば、外気温度を利用したり、熱媒体による加熱を用いたりすることができる。冷却ガス3a1の温度は、液体101の凝固点以下の温度であればよく、例えば、-170℃とすることができる。
なお、タンクに収納された冷却液を気化させることで冷却ガス3a1を生成する冷却液部3aを例示したが、窒素ガス等をチラーなどで冷却し、冷却ガス3a1とすることもできる。この様にすれば、冷却液部を簡素化できる。
フィルタ3bは、配管を介して、冷却液部3aに接続されている。フィルタ3bは、冷却液に含まれていたパーティクルなどの汚染物が、基板100側に流出するのを抑制する。
流量制御部3cは、配管を介して、フィルタ3bに接続されている。流量制御部3cは、冷却ガス3a1の流量を制御する。流量制御部3cは、例えば、MFC(Mass Flow Controller)などとすることができる。また、流量制御部3cは、冷却ガス3a1の供給圧力を制御することで冷却ガス3a1の流量を間接的に制御するものであってもよい。この場合、流量制御部3cは、例えば、APC(Auto Pressure Controller)などとすることができる。
冷却液部3aにおいて冷却液から生成された冷却ガス3a1の温度は、ほぼ所定の温度となっている。そのため、流量制御部3cにより、冷却ガス3a1の流量を制御することで基板100の温度、ひいては基板100の表面100bにある液体101の温度を制御することができる。この場合、流量制御部3cにより、冷却ガス3a1の流量を制御することで、後述する過冷却工程において液体101を過冷却状態とすることができる。
冷却ノズル3dは、筒状を呈している。冷却ノズル3dの一方の端部は、流量制御部3cに接続されている。冷却ノズル3dの内部には、冷却ノズル3dの中心軸に沿う孔3d1が設けられる(図2(b)参照)。冷却ノズル3dの他方の端部(冷却ガス3a1の排出側の端部)には、拡径部3daが設けられている。拡径部3daの外径は、例えば、円形であり、冷却ノズル3dの、流量制御部3c側の外径よりも大きい。拡径部3daの外形は、基板100の外形よりも小さい方が好ましい。例えば、拡径部3daの外形は、基板100の内接円よりも小さくするとよい。拡径部3daは、載置台2aの中央部分に設けられた孔2aaの内部に設けられている。拡径部3daの端面は、載置台2aの、基板100側の面の近傍に設けることができる。
冷却ノズル3dは、流量制御部3cにより流量が制御された冷却ガス3a1を、冷却ノズル3dの一方の端部から孔3d1を介して拡径部3daへと供給する。拡径部3daに供給された冷却ガス3a1は、分散部10に衝突した後、載置台2aと、基板100の裏面100aと、の間の空間、ひいては、基板100の裏面100aに供給される。
第1液体供給部4は、基板100の表面100bに液体101を供給する。後述する凍結工程(固液相)において、液体101が固体に変化すると体積が変化するので圧力波が生じる。この圧力波により、基板100の表面100bに付着している汚染物が分離されると考えられる。そのため、液体101は、基板100の材料と反応し難いものであれば特に限定はない。なお、過冷却状態の液体101は、液膜の温度不均一による密度変化、パーティクルなどの汚染物の存在、振動などが、凍結開始の起点となる性質をも有する。つまり、凍結開始の起点は、汚染物となる場合もある。
なお、液体101を凍結した際に体積が増える液体とすれば、体積増加に伴う物理力を利用して、基板100の表面に付着している汚染物を分離できるとも考えられる。そのため、液体101は、基板100の材料と反応し難く、且つ、凍結した際に体積が増える液体とすることが好ましい。例えば、液体101は、水(例えば、純水や超純水など)や、水を主成分とする液体などとすることができる。水を主成分とする液体は、例えば、水とアルコールの混合液、水と酸性溶液の混合液、水とアルカリ溶液の混合液などとすることができる。
また、液体101にはガスを溶存させることができる。ガスは、例えば、炭酸ガス、オゾンガス、水素ガスなどとすることができる。
第1液体供給部4は、例えば、液体収納部4a、供給部4b、流量制御部4c、および液体ノズル4dを有する。液体収納部4a、供給部4b、および流量制御部4cは、筐体6の外部に設けられている。
液体収納部4aは、前述した液体101を収納する。液体101は、凝固点よりも高い温度で液体収納部4aに収納される。液体101の温度は、例えば、常温(20℃)である。
供給部4bは、配管を介して、液体収納部4aに接続されている。供給部4bは、液体収納部4aに収納されている液体101を液体ノズル4dに向けて供給する。供給部4bは、例えば、液体101に対する耐性を有するポンプなどである。
流量制御部4cは、配管を介して、供給部4bに接続されている。流量制御部4cは、供給部4bにより供給された液体101の流量を制御する。流量制御部4cは、例えば、流量制御弁とすることができる。また、流量制御部4cは、液体101の供給の開始と供給の停止をも行うことができる。
液体ノズル4dは、筐体6の内部に設けられている。液体ノズル4dは、筒状を呈している。液体ノズル4dの一方の端部は、配管を介して、流量制御部4cに接続されている。液体ノズル4dの他方の端部は、載置台2aに載置された基板100の表面100bに対向している。そのため、液体ノズル4dから吐出した液体101は、基板100の表面100bに供給される。
また、液体ノズル4dの他方の端部(液体101の吐出口)は、基板100の表面100bの略中央に位置している。液体ノズル4dから吐出した液体101は、基板100の表面100bの略中央から拡がり、基板100の表面100bにおいて略一定の厚みを有する液膜が形成される。なお、以下においては、基板100の表面100bに形成された液体101の膜を液膜と称する。
第2液体供給部5は、基板100の表面100bに液体102を供給する。
第2液体供給部5は、液体収納部5a、供給部5b、流量制御部5c、および液体ノズル4dを有する。
液体102は、後述する解凍工程において用いることができる。そのため、液体102は、基板100の材料と反応し難く、且つ、後述する乾燥工程において基板100の表面100bに残留し難いものであれば特に限定はない。液体102は、例えば、水(例えば、純水や超純水など)や、水とアルコールの混合液などとすることができる。
液体収納部5aは、前述した液体収納部4aと同様とすることができる。供給部5bは、前述した供給部4bと同様とすることができる。流量制御部5cは、前述した流量制御部4cと同様とすることができる。
なお、液体102と液体101が同じである場合には、第2液体供給部5を省くことができる。また、液体ノズル4dを兼用する場合を例示したが、液体101を吐出する液体ノズルと、液体102を吐出する液体ノズルを別々に設けることもできる。
液体102の温度は、液体101の凝固点よりも高い温度とすることができる。また、液体102の温度は、凍結した液体101を解凍できる温度とすることができる。液体102の温度は、例えば、常温(20℃)程度とすることができる。
なお、第2液体供給部5が省かれる場合には、解凍工程において、第1液体供給部4が用いられる。つまり、液体101を用いる。液体101の温度は、凍結した液体101を解凍できる温度とすることができる。液体101の温度は、例えば、常温(20℃)程度とすることができる。
筐体6は、箱状を呈している。筐体6の内部にはカバー6aが設けられている。カバー6aは、基板100に供給され、基板100が回転することで基板100の外部に排出された液体101、102を受け止める。カバー6aは、筒状を呈している。カバー6aの、載置台2a側とは反対側の端部の近傍(カバー6aの上端近傍)は、カバー6aの中心に向けて屈曲している。そのため、基板100の上方に飛び散る液体101、102の捕捉を容易とすることができる。
また、筐体6の内部には仕切り板6bが設けられている。仕切り板6bは、カバー6aの外面と、筐体6の内面との間に設けられている。
筐体6の底面側の側面には複数の排出口6cが設けられている。図1に例示をした筐体6の場合には、排出口6cが2つ設けられている。使用済みの冷却ガス3a1、空気7a、液体101、および液体102は、排出口6cから筐体6の外部に排出される。排出口6cには排気管6c1が接続され、排気管6c1には使用済みの冷却ガス3a1、空気7aを排気する排気部9(例えば、ポンプ)が接続されている。また、排出口6cには液体101、102を排出する排出管6c2が接続されている。
排出口6cは基板100よりも下方に設けられている。そのため、冷却ガス3a1が排出口6cから排気されることでダウンフローの流れが作りだされる。その結果、パーティクルの舞い上がりを防ぐことができる。
送風部7は、筐体6の天井面に設けられている。送風部7は、ファンなどの送風機とフィルタを備えることができる。フィルタは、例えば、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)などとすることができる。
送風部7は、仕切り板6bと筐体6の天井との間の空間に空気7a(外気)を供給する。そのため、仕切り板6bと筐体6の天井との間の空間の圧力が外部の圧力より高くなる。その結果、送風部7により供給された空気7aを排出口6cに導くことが容易となる。また、パーティクルなどの汚染物が、排出口6cから筐体6の内部に侵入するのを抑制することができる。
検出部8は、仕切り板6bと筐体6の天井との間の空間に設けられている。検出部8は、液膜や、液体101が凍結した凍結膜の温度を検出する。この場合、検出部8は、例えば、放射温度計、サーモビューア、熱電対、測温抵抗体とすることができる。また、検出部8は、液膜の厚みや、凍結膜の表面位置を検出するものとしてもよい。この場合、検出部8は、例えば、レーザ変位計、超音波変位計などとすることができる。また、検出部8は、液膜の表面状態や、凍結膜の表面状態を検出する画像センサなどとしてもよい。
検出された液膜の温度、厚み、表面状態は、後述する過冷却工程において液体101の過冷却状態を制御するのに用いることができる。なお、過冷却状態を制御するとは、過冷却状態にある液体101の温度変化のカーブを制御して、液体101が急激に冷却されることで凍結しないようにすること、すなわち、過冷却状態が維持されるようにすることである。
ここで、単に、基板100の裏面100aに冷却ガス3a1を供給すると、基板100の面内に温度分布のばらつきが生じる場合がある。例えば、基板100の熱伝導率が低い場合などには、基板100の、冷却ガス3a1が吹き付けられた領域の温度が低くなるが、当該領域から離れた領域の温度は当該領域の温度よりも高くなる。基板100の面内に温度分布のばらつきが生じると、後述する冷却工程(過冷却工程+凍結工程)において、基板100の領域毎に汚染物の除去率がばらついて、基板100の全領域における汚染物の除去率を向上させるのが難しくなる場合がある。
そこで、本実施の形態に係る基板処理装置1には、分散部10が設けられている。
図1に示すように、分散部10(分散板10a)は、冷却ノズル3dの、冷却ガス3a1の排出側に設けられている。
図2(a)は、分散部10を例示するための模式平面図である。
図2(b)は、図2(a)における分散部10のA-A線断面図である。
図2(a)、(b)に示すように、分散部10は、例えば、分散板10a、および支持部10bを有する。分散板10a、および支持部10bは、一体に形成することができる。
分散板10aは、板状を呈している。分散板10aの厚みは、基板100の厚みよりも薄い方が好ましい。しかし、後述するように、分散板10aは、冷却ガス3a1によって冷却される。そのため、分散板10aの厚みは、熱膨張に耐えられる厚みとすることが好ましい。熱膨張に耐えられる厚みは、例えば、2mmである。また、分散板10aは、金属などの熱伝導率の良い材料とするのが好ましい。
分散板10aは、冷却ノズル3dの拡径部3daの内部に設けられている。分散板10aは、拡径部3daの、開口の近傍に設けることができる。具体的には、冷却ノズル3dの中心軸に沿った方向において、載置台2aの基板100側の面と、分散板10aの基板100側の面とが同一の高さ(同一位置)となるように設ける。つまり、支持部2a1に支持された基板100の裏面100aと載置台2aの基板100側の面との距離と、支持部2a1に支持された基板100の裏面100aと分散板10aの基板100側の面との距離は、同じである。
分散板10aの中心軸は、冷却ノズル3dの中心軸と重なる位置に設けることができる。すなわち、分散板10aは、冷却ノズル3dの孔3d1の真上に設けることができる。分散板10aの面は、冷却ノズル3dの中心軸と直交させることができる。
本実施形態の分散板10aの平面形状は、円形である。しかし、これに限定されない。例えば、分散板10aの平面形状は、円形と見なせる角が偶数個の正多角形などとすることができる。後述するように、分散板10aに当たった冷却ガス3a1の一部は、拡径部3daの内部を流れるとともに、拡径部3daの開口から排出される。そのため、分散板10aの平面形状が円形であれば、分散板10aと拡径部3daの内壁との間の寸法、ひいては流路抵抗を略一定にすることができる。したがって、拡径部3daの開口から排出される冷却ガス3a1の流速や流量に偏りが生じるのを抑制することができる。
また、分散板10aは、厚み方向を貫通する孔10aa(第1の孔の一例に相当する)を有する。冷却ノズル3dの中心軸に沿った方向から見て、孔10aaは、冷却ノズル3dの中心軸に重なる位置に設けられている。例えば、孔10aaは、分散板10aの中央部分に設けられている。
冷却ノズル3dの拡径部3daの内部において、支持部10bは、分散板10aを所定の位置に支持する。支持部10bは、梁状を呈し、分散板10aの側面と、冷却ノズル3dの拡径部3daの内壁との間に設けられている。支持部10bの厚みは、例えば、分散板10aの厚みと同じとすることができる。支持部10bは、少なくとも1つ設けられていればよい。ただし、複数の支持部10bが設けられていれば、分散板10aの位置や姿勢を安定させることができる。
図2(b)に示すように、冷却ノズル3dの孔3d1の内部を流れた冷却ガス3a1は、分散板10aに当たり流れ方向が変わる。この際、分散板10aに当たった冷却ガス3a1の一部が、分散板10aの孔10aaを介して基板100の裏面100aに供給される。分散板10aにより流れ方向が変えられた冷却ガス3a1は、拡径部3daの内部を流れるとともに、拡径部3daの開口から排出される。また、冷却ガス3a1の一部を拡径部3daの内部に滞留させることもできる。
分散部10に衝突した後に、拡径部3daの開口から排出された冷却ガス3a1は、載置台2aと、基板100の裏面100aと、の間の空間を流れるとともに基板100の裏面100aに供給される。
分散部10(分散板10a)が設けられていれば、冷却ノズル3dから基板100の裏面100aに冷却ガス3a1を直接供給する場合に比べて、基板の中央部に冷却ガス3a1を直接ぶつからないようにできる。そのため、基板100の裏面100aの中央部が基板100の外周に比べて冷却され過ぎてしまうことを抑制することができる。また、冷却ガス3a1は、基板100の裏面100aに直接供給されるよりも分散部10に衝突した方が、冷却ガス3a1の温度を低い状態に保つことができる(これについての詳細は後述する)。そのため、基板100の裏面100aに直接供給する場合よりも冷却ガス3a1の温度が低い状態を保ったままより広い領域に供給することができる。したがって、基板100の面内に温度分布のばらつきが生じるのを抑制することができる。その結果、後述する冷却工程(過冷却工程+凍結工程)において、基板100の領域毎に汚染物の除去率がばらつくのを抑制することができるので、基板100の全領域における汚染物の除去率を向上させることができる。
基板100の面内における温度分布のばらつきは、分散板10aの平面寸法D1や、孔10aaの断面寸法(例えば、直径)により調整することができる。
本発明者の得た知見によれば、分散板10aの平面寸法D1は、冷却ノズル3dの孔3d1の径D2と同じか、若干大きくすることが好ましい。例えば、分散板10aの平面寸法D1は、孔3d1の径D2よりも1mm~3mm程度大きくすることができる。
また、孔10aaの大きさは、孔3d1の径D2よりも小さい。孔10aaの断面寸法は、1mm以上、2.5mm以下とすることが好ましい。
分散板10aの平面寸法D1や、孔10aaの断面寸法をこの様にすれば、基板100の面内に温度分布のばらつきが生じるのを抑制することが容易となる。そのため、汚染物の除去率をより向上させることができる。
コントローラ11は、基板処理装置1に設けられた各要素の動作を制御する。コントローラ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの演算部と、半導体メモリなどの記憶部を有する。コントローラ11は、例えば、コンピュータである。記憶部には、基板処理装置1に設けられた各要素の動作を制御する制御プログラムを格納することができる。演算部は、記憶部に格納されている制御プログラム、操作者により入力されたデータ、検出部8からのデータなどを用いて、基板処理装置1に設けられた各要素の動作を制御する。
例えば、液体101の冷却速度は、液膜の厚みと相関関係がある。例えば、液膜の厚みが薄くなる程、液体101の冷却速度が速くなる。逆に、液膜の厚みが厚くなる程、液体101の冷却速度が遅くなる。そのため、コントローラ11は、検出部8により検出された液体101の厚み(液膜の厚み)に基づいて、冷却ガス3a1の流量、ひいては液体101の冷却速度を制御することができる。なお、液体101の温度や冷却速度の制御は、後述する過冷却工程において液体101の過冷却状態を制御する際に行われる。そのため、例えば、コントローラ11は、基板100の回転、冷却ガス3a1の流量、および、液体101の供給量を制御することができる。
次に、基板処理装置1の作用について例示をする。
図3は、基板処理装置1の作用を例示するためのタイミングチャートである。
なお、図3は、基板100が6025クオーツ(Qz)基板(152mm×152mm×6.35mm)、液体101が純水の場合である。
まず、筐体6の図示しない搬入搬出口を介して、基板100が筐体6の内部に搬入される。搬入された基板100は、載置台2aの複数の支持部2a1の上に載置、支持される。
基板100が載置台2aに支持された後に、図3に示すように予備工程、冷却工程(過冷却工程+凍結工程)、解凍工程、および乾燥工程を含む、凍結洗浄工程が行われる。
まず、図3に示すように予備工程が実行される。予備工程においては、コントローラ11が、供給部4bおよび流量制御部4cを制御して、基板100の表面100bに、所定の流量の液体101を供給する。また、コントローラ11が、流量制御部3cを制御して、基板100の裏面100aに、所定の流量の冷却ガス3a1を供給する。また、コントローラ11が、駆動部2cを制御して、基板100を第2の回転数で回転させる。
そのため、液体101が、回転する基板100に、所定の流量で供給される状態となる。
例えば、第2の回転数は、50rpm~500rpm程度である。例えば、液体101の流量は、0.1L/min~1L/min程度である。例えば、冷却ガス3a1の流量は、40NL/min~200NL/min程度である。例えば、予備工程の工程時間は、1800秒程度である。なお、予備工程の工程時間は、基板100の面内温度が略均一となる時間であればよく、予め実験やシミュレーションを行うことで求めることができる。
予備工程における液膜の温度は、液体101が、所定の流量で供給される状態であるため、供給される液体101の温度とほぼ同じとなる。例えば、供給される液体101の温度が常温(20℃)程度である場合、液膜の温度は常温(20℃)程度となる。
次に、図3に示すように冷却工程(過冷却工程+凍結工程)が実行される。なお、本実施の形態では、冷却工程のうち、液体101が過冷却状態となってから凍結が始まるまでの工程を「過冷却工程」、過冷却状態の液体101が凍結状態となり、解凍工程により解凍が始まるまでを「凍結工程」と呼称する。
ここで、液体101の冷却速度が余り速くなると液体101が過冷却状態とならず、すぐに凍結してしまう。そのため、コントローラ11は、冷却ガス3a1の流量、および、基板100の回転数の少なくともいずれかを制御することで、基板100の表面100bの液体101が過冷却状態となるようにする。
冷却工程(過冷却工程+凍結工程)では、図3に例示するように、第1の回転数とした後に、予備工程において供給されていた液体101の供給を停止する。例えば、第1の回転数は、0rpm~50rpm程度である。第1の回転数は、供給部4bから供給された液体101が、基板100の表面100bで拡がって、均一な厚みの液膜が形成され、且つ、均一な厚みの液膜が維持される程度の回転数である。つまり、コントローラ11は、予備工程時の回転数よりも少ない回転数で基板100を回転させる。また、この時の液体101の液膜の厚みは、基板100の表面100bに設けられた凹凸部の高さ寸法以上とすることができる。なお、液膜の厚みが薄い場合に、過冷却とすることが困難となる場合がある。このような場合は、液膜の厚みを略100μm以上とするとよい。具体的な回転数の条件は、実験やシミュレーションを行うことで適宜決定することが好ましい。また、冷却ガス3a1の流量は予備工程と同じに維持されている。
このように、冷却工程(過冷却工程+凍結工程)では、液体101の供給を停止すること、および、基板100の回転数を第2の回転数よりも少ない第1の回転数にすることで、基板100上に存在する液体101が停滞するようにする。そのため、基板100の裏面100aに供給され続けていた冷却ガス3a1により、基板100上の液膜の温度が、予備工程における液膜の温度よりもさらに下がり、過冷却状態となる。
なお、予備工程を第1の回転数で実施し、基板100の面内温度が均一となったら、液体101の供給を停止するようにしてもよい。
液体101が過冷却状態となる条件は、基板100の大きさ、液体101の粘度、冷却ガス3a1の比熱などの影響を受ける。そのため、液体101が過冷却状態となる制御条件は、実験やシミュレーションを行うことで適宜決定することが好ましい。
過冷却状態においては、例えば、液膜の温度、パーティクルなどの汚染物や気泡の存在、振動などにより、液体101の凍結が開始する。例えば、パーティクルなどの汚染物がある場合、液体101の温度が、-35℃以上、-20℃以下になると液体101の凍結が開始する。また、基板100の回転を変動させるなどして液体101に振動を加えることで、液体101の凍結を開始させることもできる。
過冷却状態の液体101の凍結が開始すると、過冷却工程から凍結工程に移行する。凍結工程においては、基板100の表面100bに、液体101と液体101が凍結したものが存在する。基板100の裏面100aに供給され続けている冷却ガス3a1により、基板100上の液膜の温度が、凍結工程においてさらに下がり、完全に凍結して凍結膜が形成される。
なお、過冷却状態となった液体101を凍結させる条件は、例示をしたものに限定されるわけではない。例えば、冷却ガス3a1の流量を増加させるようにしてもよい。また、過冷却状態にある液体101に振動を印加するなどして液体101を凍結させるようにしてもよい。例えば、基板100の回転数を変化させたり、回転軸2bなどを介して間接的に、あるいは、直接的に、基板100上の液体101に振動を加える超音波発生装置を設けたりしてもよい。
次に、図3に示すように解凍工程が実行される。なお、図3に例示をしたものは、液体101と液体102が同じ液体の場合である。そのため、図3では液体101と記載している。解凍工程においては、コントローラ11が、供給部4bおよび流量制御部4cを制御して、基板100の表面100bに、所定の流量の液体101を供給する。なお、液体101と液体102が異なる場合には、コントローラ11が、供給部5bおよび流量制御部5cを制御して、基板100の表面100bに、所定の流量の液体102を供給する。
また、コントローラ11が、流量制御部3cを制御して、冷却ガス3a1の供給を停止させる。また、コントローラ11が、駆動部2cを制御して、基板100の回転数を第3の回転数に増加させる。第3の回転数は、例えば、200rpm~700rpm程度である。基板100の回転が速くなれば、液体101と液体101が凍結したものとを遠心力で振り切ることができる。そのため、液体101と液体101が凍結したものとを基板100の表面100bから排出することができる。この際、基板100の表面100bから分離された汚染物も液体101と液体101が凍結したものとともに排出される。
なお、液体101または液体102の供給量は、解凍ができるのであれば特に限定はない。また、基板100の第3の回転数は、液体101、液体101が凍結したもの、および汚染物が排出できるのであれば特に限定はない。
また、解凍の開始は、必ずしも凍結膜に対して行う必要はなく、例えば、過冷却状態の液体101の少なくとも一部が凍結した状態で解凍を開始してもよい。
次に、図3に示すように乾燥工程が実行される。乾燥工程においては、コントローラ11が、供給部4bおよび流量制御部4cを制御して、液体101の供給を停止させる。なお、液体101と液体102が異なる液体の場合には、コントローラ11が、供給部5bおよび流量制御部5cを制御して、液体102の供給を停止させる。
また、コントローラ11が、駆動部2cを制御して、基板100の回転数を第3の回転数よりも速い第4の回転数に増加させる。基板100の回転が速くなれば、基板100の乾燥を迅速に行うことができる。なお、基板100の第4の回転数は、乾燥ができるのであれば特に限定はない。
凍結洗浄が終了した基板100は、筐体6の図示しない搬入搬出口を介して、筐体6の外部に搬出される。
以上の様にすることで、基板100の処理(汚染物の除去)を行うことができる。
なお、本実施形態の基板処理装置1においては、分散部10を備える。そこで、分散部10の作用(凍結膜の温度、除去率)について、比較例を用いて以下に説明する。
図4は、基板100の中心から外周にかけての解凍直前の凍結膜の温度を示す図である。
基板の中心から外周に向かって、基板中心部、基板中央部、基板外周部と区分した。なお、基板中心部の長さは、分散板10aの半径とほぼ同じである。また、基板中心部と基板中央部を足した長さは、冷却ノズル3dの拡径部3daの半径とほぼ同じである。
点線は、拡径部の無い先端を有する冷却ノズルを用いた場合の解凍直前の凍結膜の温度を示す。以下、比較例1と呼称する。
一点鎖線は、拡径部3daを有する冷却ノズル3dのみを用いた場合の解凍直前の凍結膜の温度を示す。以下、比較例2と呼称する。
実線は、拡径部3daを有する冷却ノズル3dおよび孔10aaが2mmである分散板10aを有する分散部10を用いた場合の解凍直前の凍結膜の温度を示す。以下、実施例1と呼称する。
実施例1と比較例1とを比較する。図4に示すように、基板100中心部では、解凍直前の凍結膜の温度は、実施例1の方が高い。しかし、基板中間部および基板外周部においては、解凍直前の凍結膜の温度は、実施例1の方が比較例1よりも低くなる。実施例1において、凍結膜の基板中心部の温度が上昇したことは、分散板10aにより、基板中心部に供給されていた冷却ガス3a1が比較例1と比べて減少したためと考えられる。また、基板中間部から基板外周部にかけて、凍結膜の温度が低下したことは、熱損失の少ない冷却ガス3a1が比較例1と比べて基板100の外周に流れるようになったためと考えられる。
次に、実施例1と比較例2とを比較する。図4に示すように、基板中心部では、解凍直前の凍結膜の温度は、実施例1の方が高い。しかし、基板中間部および基板外周部においては、解凍直前の凍結膜の温度は、実施例1の方が比較例2よりも低くなる。比較例2は、分散板10aが無い。そのため、冷却ノズル3dから供給された冷却ガス3a1は、基板100の裏面100aに直接衝突する。そのため、基板中心部において、比較例2の方が実施例1よりも基板100と熱の授受を行う冷却ガス3a1の量が多くなったと考えられる。その結果、比較例2の凍結膜の温度は、基板中心部において、実施例1よりも低下したと考えられる。しかしながら、基板100と熱の授受を行った冷却ガス3a1には、熱損失が発生する。また、基板100の裏面100aと衝突した冷却ガス3a1は、拡径部3daの底面へ流れる。そして、拡径部3daにおいて滞留が発生する。しかし、熱損失が発生した冷却ガス3a1によって生成された滞留のため、拡径部内部の温度が実施例1よりも高いと考えられる。そのため、凍結膜の温度は、基板中間部および基板外周部において、実施例1よりも比較例2の方が高くなったと考えられる。
図5は、基板100の中心から外周にかけての除去率を示す図である。
点線は、比較例1の場合の除去率の分布を示す。
一点鎖線は、比較例2の場合の除去率の分布を示す。
実線は、実施例1の場合の除去率の分布を示す。
図5に示すように、実施例1は、比較例1および比較例2と比べて、基板中心部から基板外周部にかけて高い除去率である。特に、基板中間部から基板外周部にかけて、比較例1および比較例2よりも高い除去率が得られている。
基板中間部から基板外周部にかけて、比較例1および比較例2よりも高い除去率が得られている理由としては、前述した通り、対応する位置における解凍直前の凍結膜の温度が低いためと考えられる。このため、比較例1および比較例2よりも基板100の面内に温度分布のばらつきが生じるのが抑制される。したがって、液体101の過冷却状態がばらついたり、液体101の凍結状態がばらついたりするのを抑制することができる。その結果、汚染物の除去率が向上したと考えられる。
ところで、拡径部3daおよび分散部10(分散板10a)を有しない従来の冷却ガスノズルの場合、冷却ガス3a1は、冷却ガス3a1の排出側の端部から基板100の裏面100aの中央部へと排出される。基板100の裏面100aの中央部と接触した冷却ガス3a1は、載置台2aと、基板100の裏面100aと、の間の空間を基板100の外周へ向かって流れていく。
このとき、冷却ガス3a1が衝突する基板100の裏面100aの中央部が最も冷却される。言い換えると、基板100の裏面100aの中央部が基板100の外周に比べて冷却され過ぎてしまう。そして、基板100の裏面100aと衝突した冷却ガス3a1は、基板100の裏面100aと熱の授受を行いながら基板100の外周へ向かって流れていく。このため、基板100の外周へ向かうほど、冷却ガス3a1の温度が高くなってしまう。したがって、基板100も外周へ向かうほど温度が高くなり、基板の面内において温度分布のばらつきが形成される。
本実施の形態に係る基板処理装置1には、分散部10(分散板10a)が設けられている。分散板10aは、熱伝導率の高い材料で形成され、基板100よりも厚みが薄い。このため、予備工程において、分散板10aの温度は、冷却ガス3a1の温度とほぼ同じ温度まで冷却される。したがって、冷却工程(過冷却工程+凍結工程)において、冷却ガス3a1が分散板10aに衝突しても、冷却ガス3a1の熱損失を低減できる。
分散板10aと衝突した冷却ガス3a1の一部は、分散板10aの外周を回り込み、基板100の裏面100aへと流れる。分散板10aと衝突した冷却ガス3a1は、基板100の裏面100aの中央部と衝突する場合と比べると熱損失が低減されている。そのため、分散板10aと衝突した冷却ガス3a1の一部は、分散板10aの外周に対向する基板100の裏面100aへ従来よりも低い温度で到達する。したがって、分散板10aと衝突した冷却ガス3a1の一部は、分散板10aの外周に対向する基板100の裏面100aをより冷却することができる。
ここで、分散板10aは、拡径部3daの開口の近傍に設けられる。そのため、分散板10aと衝突した後、基板100の裏面100aの中央部へと回り込む冷却ガス3a1の量を少なくすることができる。したがって、従来よりも基板100の裏面100aの中央部に衝突する冷却ガス3a1の量を少なくすることができる。その結果、基板100の中央部が基板100の外周に比べて冷却され過ぎてしまうことを抑制することができる。
前述の通り、基板中心部の長さは、分散板10aの半径とほぼ同じである。したがって、分散板10aと衝突した冷却ガス3a1の一部は、図4に示す基板中心部と基板中間部の境界付近をより冷却することができる。その結果、基板の面内において温度分布のばらつきを小さくすることができる。
また、分散板10aの中央には、冷却ノズル3dの孔3d1よりも小さい孔10aaが設けられている。前述の通り、分散板10aは、基板100の裏面100aの中央部へと回り込む冷却ガス3a1の量を少なくすることができる。しかしながら、基板100の裏面100aへと回り込む冷却ガス3a1の量を少なくし過ぎると、基板100の中央部の温度が基板100の外周の温度よりも高くなってしまう。そこで、基板100の中央部の温度が基板100の外周の温度よりも高くなってしまうのを防ぐため、分散板10aに孔10aaが設けられている。分散板10aに孔10aaが設けられることで、基板100の裏面100aの中央部が基板100の外周に比べて冷却され過ぎてしまうこと、および基板100の裏面100aの中央部の温度が基板100の外周の温度よりも高くなってしまうことを抑制することができる。つまり、基板100の裏面100aの中央部に孔10aaを介して少量の冷却ガス3a1を供給することで、基板100の裏面100aの中央部の温度を基板100の外周の温度と同程度まで冷却することができる。特に、孔10aaの断面寸法は、1mm以上、2.5mm以下とすることがより好ましい。
また、本実施の形態に係る基板処理装置1には、冷却ノズル3dに拡径部3daが設けられている。冷却ノズル3dに拡径部3daが設けられることで、分散板10aにより流れ方向が変えられた冷却ガス3a1は、拡径部3daの内部を流れる。そして、拡径部3daの内部へと流れた冷却ガス3a1は、拡径部3daの内部に滞留する。拡径部3daの内部に滞留した冷却ガス3a1は、載置台2aと、基板100の裏面100aと、の間の空間に存在する冷却ガス3a1を冷却する。したがって、拡径部3daの内部に滞留した冷却ガス3a1は、基板100の裏面100aを間接的に冷却する。
拡径部3daの内部へと流れた冷却ガス3a1は、分散板10aによって、比較例2よりも低い温度で拡径部3daの内部に滞留する。前述の通り、基板中心部と基板中央部を足した長さは、冷却ノズル3dの拡径部3daの半径とほぼ同じである。したがって、拡径部3daの内部に滞留した冷却ガス3a1は、基板100の基板中間部をより冷却することができる。
また、拡径部3daの内部に滞留した冷却ガス3a1は、拡径部3daの外周から排出される。前述の通り、拡径部3daの内部へと流れた冷却ガス3a1は、比較例2よりも低い温度で拡径部3daの内部に滞留する。このため、拡径部3daの外周から排出される冷却ガス3a1は、比較例2よりも温度が低い。したがって、拡径部3daの外周から排出される冷却ガス3a1は、基板100の基板外周部をより冷却することができる。
本実施の形態に係る基板処理装置1には、冷却ノズル3dに拡径部3daおよび分散部10(分散板10a)が設けられている。そのため、基板100の面内に温度分布のばらつきが生じるのを抑制することができる。したがって、液体101の過冷却状態がばらついたり、液体101の凍結状態がばらついたりするのを抑制することができるので、汚染物の除去率を向上させることができる。
図6は、他の実施形態に係る分散部110を例示するための模式断面図である。
図6に示すように、分散部110は、例えば、分散板110a、および支持部110bを有する。
前述した分散部10の場合には、分散板10aは、冷却ノズル3dの拡径部3daの内部に設けられている。これに対し、分散部110の場合には、分散板110aは、冷却ノズル3dの拡径部3daの外部に設けられている。分散板110aは、板状を呈している。分散板110aは、冷却ノズル3dの拡径部3daの、開口の近傍に設けることができる。分散板110aの中心軸は、冷却ノズル3dの中心軸と重なる位置に設けることができる。すなわち、分散板110aは、冷却ノズル3dの孔3d1の真上に設けることができる。分散板110aの面は、冷却ノズル3dの中心軸と直交させることができる。
分散板110aの平面形状や寸法などは、前述した分散板10aと同様とすることができる。
また、分散板110aは、厚み方向を貫通する孔110aaを有する。例えば、孔110aaは、分散板110aの中央部分に設けられている。孔110aaは、前述した分散板10aの孔10aaと同様とすることができる。
冷却ノズル3dの拡径部3daの外部において、支持部110bは、分散板110aを所定の位置に支持する。支持部110bは、梁状を呈し、分散板110aの側面と、載置台2aの基板100側の面との間に設けられている。この場合、図6に示すように、載置台2aの基板100側の面に凹部を設け、支持部110bの、分散板110a側とは反対側の端部を凹部に設けることもできる。支持部110bの厚みは、例えば、分散板110aの厚みと同じとすることができる。支持部110bは、少なくとも1つ設けられていればよい。ただし、複数の支持部110bが設けられていれば、分散板110aの位置や姿勢を安定させることができる。
図6に示すように、冷却ノズル3dの孔3d1の内部を流れた冷却ガス3a1は、分散板110aに当たり流れ方向が変わる。この際、分散板110aに当たった冷却ガス3a1の一部が、分散板110aの孔110aaを介して基板100の裏面100aに供給される。分散板110aにより流れ方向が変えられた冷却ガス3a1は、拡径部3daの内部を流れるとともに、拡径部3daの開口から排出される。また、冷却ガス3a1の一部を拡径部3daの内部に滞留させることもできる。
分散部110に衝突した後に、拡径部3daの開口から排出された冷却ガス3a1は、載置台2aと、基板100の裏面100aと、の間の空間を流れるとともに基板100の裏面100aに供給される。
分散部110(分散板110a)が設けられていれば、前述した分散部10(分散板10a)と同様の効果を享受することができる。分散部110は、冷却ノズル3dの拡径部3daの外部に設けられる。そのため、分散部110と基板100の裏面100aとの距離が短い。したがって、基板100の裏面100aの中央部へと回り込む冷却ガス3a1の量をより少なくすることができる。そのため、基板100の中央部が基板100の外周に比べてより冷却され過ぎてしまう場合に効果的である。すなわち、基板100の面内に温度分布のばらつきが生じるのを抑制することができる。
また、分散部110は、支持部110bを介して、載置台2aの基板100側の面と接続されている。そのため、分散部110は、載置台2aと共に回転することができる。回転している分散部110に冷却ガス3a1が衝突することで、冷却ガス3a1は、分散部110と共に回転する。つまり、冷却ガス3a1は、分散部110から回転エネルギーを貰う。そのため、冷却ガス3a1は、基板100の外周へより向かうようになる。したがって、基板中心部と基板中間部の境界付近をより冷却することができる。その結果、基板の面内において温度分布のばらつきを小さくすることができる。
そのため、前述した冷却工程(過冷却工程+凍結工程)において、基板100の領域毎に汚染物の除去率がばらつくのを抑制することができるので、基板100の全領域における汚染物の除去率を向上させることができる。
図7は、他の実施形態に係る分散部210を例示するための模式断面図である。
図7に示すように、分散部210は、例えば、分散板210aを有する。
前述した分散部10の場合には、分散板10aは、冷却ノズル3dの拡径部3daの内部に設けられている。これに対し、分散板210aは、拡径部を有していない冷却ノズル203dの先端に設けられている。分散板210aは、冷却ノズル203dの冷却ガス3a1の排出側の端部に設けられている。すなわち、分散部210には、分散板210aを支持する支持部が設けられていない。
分散板210aは、板状を呈している。分散板210aの中心軸は、冷却ノズル203dの中心軸と重なる位置に設けることができる。すなわち、分散板210aは、冷却ノズル203dの内部を延びる孔203d1(第2の孔の一例に相当する)の真上に設けることができる。分散板210aの面は、冷却ノズル203dの中心軸と直交させることができる。
分散板210aの平面形状や寸法などは、前述した分散板10aと同様とすることができる。
また、分散板210aは、厚み方向を貫通する孔210aaを有する。例えば、孔210aaは、分散板210aの中央部分に設けられている。孔210aaは、前述した分散板10aの孔10aaと同様とすることができる。
また、冷却ノズル203dの、分散板210aが設けられた端部の近傍には、複数の孔203d2(第3の孔の一例に相当する)が設けられている。孔203d2は、冷却ノズル203dの側面と孔203d1との間を貫通している。
また、載置台2aの基板100側の面には、凹部2a2が設けられている。凹部2a2の外形は、例えば、円形や矩形である。凹部2a2の外形は、基板100の外形よりも小さい方が好ましい。分散板210aと、冷却ノズル203dの、複数の孔203d2が設けられた部分とが、凹部2a2の内部に設けられている。つまり、凹部2a2は、拡径部3daに代えて設けられる。
図7に示すように、冷却ノズル203dの孔203d1の内部を流れた冷却ガス3a1は、分散板210aに当たり流れ方向が変わる。この際、分散板210aに当たった冷却ガス3a1の一部が、分散板210aの孔210aaを介して基板100の裏面100aに供給される。分散板210aにより流れ方向が変えられた冷却ガス3a1は、複数の孔203d2を介して、凹部2a2の内部に供給される。凹部2a2の内部に供給された冷却ガス3a1は、凹部2a2の内部を流れるとともに、凹部2a2の開口から排出される。また、冷却ガス3a1の一部を凹部2a2の内部に滞留させることもできる。
凹部2a2の開口から排出された冷却ガス3a1は、載置台2aと、基板100の裏面100aと、の間の空間を流れるとともに基板100の裏面100aに供給される。
分散部210(分散板210a)が設けられていれば、前述した分散部10(分散板10a)と同様の効果を享受することができる。すなわち、基板100の面内に温度分布のばらつきが生じるのを抑制することができる。そのため、前述した冷却工程(過冷却工程+凍結工程)において、基板100の領域毎に汚染物の除去率がばらつくのを抑制することができるので、基板100の全領域における汚染物の除去率を向上させることができる。
特に、凹部2a2の外形を基板100と相似形とし、略小さくするとより好ましい。このようにすることで、基板100が略四角形であっても、基板100の四隅に冷却ガス3a1を滞留させることができる。そして、凹部2a2は、基板100と共に回転することができる。そのため、基板100の四隅は、基板100の四隅に滞留させた冷却ガス3a1によって常に冷却される。この場合、凹部2a2は、基板100より5mm~10mm小さくするとよい。
図8(a)は、他の実施形態に係る分散部310を例示するための模式図である。
図8(b)は、羽根310cを例示するための斜視図である。
図8(c)は、図8(a)における分散部310のB-B線断面図である。
図8(d)は、図8(a)における分散部310のC-C線断面図である。
図8(a)に示すように、分散部310は、例えば、分散板10a、支持部10b、および羽根310cを有する。すなわち、分散部310は、前述した分散部10に羽根310cを加えたものである。
羽根310cは、支持部10bと支持部10bとの間に設けることができる。羽根310cは、板状を呈し、一方の端部が分散板10aに接続され、他方の端部が冷却ノズル3dの拡径部3daの内壁に接続されている。
羽根310cは、図8(b)に示すように、一方の端部から他方の端部に向かって傾斜角度が大きくなるねじれた形態を有する。例えば、図8(c)および図8(d)に示すように、羽根310cの拡径部3da側の傾斜角度θ2は、羽根310cの分散板10a側の傾斜角度θ1よりも大きくすることができる。例えば、傾斜角度θ1は10°程度、傾斜角度θ2は60°程度とすることができる。
この様な羽根310cが設けられていれば、分散部310に衝突した後の冷却ガス3a1を羽根310cに沿って基板100の外周側に導くことができる。
なお、羽根310cが分散板10aに設けられる場合を例示したが、図6に例示をした分散板110aに羽根310cを設けることもできる。羽根310cは、支持部110bのように、一方の端部を分散板110aの側面と接続され、他方の端部を載置台2aの基板100側の面に接続される。このようにすることで、羽根310cは、載置台2aと共に回転することができる。例えば、羽根310cが図8(b)に示すように分散板110aに設けられる場合、コントローラ11が載置台2aを時計回りに回転させることで、羽根310cは、冷却ガス3a1をより基板側に導くことができる。つまり、羽根310cが下を向いている方向に羽根310cを回転させることで、冷却ガス3a1をより基板側に導くことができる。
また、図7に例示をした分散板210aに羽根310cを設けることもできる。分散板210aに羽根310cを設ける場合には、羽根310cの一方の端部だけが分散板210aに接続される。この場合、分散部310に衝突した後の冷却ガス3a1を羽根310cに沿って基板100の外周側に導くことができる。
あるいは、羽根310cの一方の端部だけが載置台2aに設けられた凹部2a2の内壁に接続される。この場合、コントローラ11は、羽根310cが下を向いている方向に羽根310cを回転させることで、凹部2a2の内部を流れる冷却ガス3a1を基板100側に導く。
図9は、他の実施形態に係る支持部10baを例示するための模式斜視図である。
例えば、支持部10bと同様に、支持部10baは、梁状を呈し、分散板10aの側面と、冷却ノズル3dの拡径部3daの内壁との間に設けられている。
図9に示すように、例えば、支持部10baは、支持部10bの側面に螺旋状の凹部10bbを設けたものとすることができる。支持部10baの側面に螺旋状の凹部10bbが設けられていれば、螺旋状の凹部10bbに接触した冷却ガス3a1を、螺旋の方向に流すことができる。そのため、螺旋状の凹部10bbがない支持部10bに比べて、基板100の裏面100aに向かう冷却ガス3a1を増加させることができる。
なお、支持部110bの側面に螺旋状の凹部10bbを設けても良い(図9参照)。特に、支持部110bの水平方向に平行な部分の側面に、螺旋状の凹部10bbを設けるようにするとよい。載置台2aが回転するのに伴い、支持部110bが回転する。この際に、螺旋状の凹部10bbに接触した冷却ガス3a1を、螺旋の方向に流すことがよりできる。結果として、基板100の裏面100aに向かう冷却ガス3a1を増加させることができる。
図10は、他の実施形態に係る拡径部13daを例示するための模式断面図である。
本実施の形態では、上述の実施の形態と、冷却ノズル3dが固定されている(回転不能である)点で共通するが、冷却ノズル3dと回転軸2bとの間に隙間が形成されており、回転軸シール等の封止部材が存在しない点で相違する。このような構成では、封止部材を不要とすることができる一方で、載置台2aと基板100の裏面100aとの間の空間に供給された冷却ガス3a1が上記の隙間を通って筐体6の外部へと漏れ出し易くなる。
これを防止するために、図10に示すように、拡径部13daは、前述した拡径部3daの側面に、フランジ13dbを設けたものとすることができる。フランジ13dbは、板状を呈している。フランジ13dbの上面は、拡径部3daの上面と面一にすることができる。
また、載置台2aの孔2aaの周縁には、載置台2aの、基板100側の面に開口する凹部2abを設けることができる。フランジ13dbは、隙間を介して、凹部2abの内部に設けられている。すなわち、フランジ13dbの裏面(凹部2abの底面側の面)と凹部2abの底面との間には隙間が設けられている。また、フランジ13dbの側面と凹部2abの側面との間には隙間が設けられている。そのため、回転する載置台2aと、回転しないフランジ13dbとが接触することがない。また、フランジ13dbと凹部2abの内壁との間に設けられる隙間の長さは、凹部2abの内壁に沿った長さとなる。
ここで、拡径部3daと孔2aaとの間に形成される隙間の長さ(図2(b)参照)と比較すると、フランジ13dbと凹部2abの内壁との間に設けられる隙間の長さの方が長くなる。そのため、拡径部3daと孔2aaとの間に形成される隙間の流路抵抗よりもフランジ13dbと凹部2abの内壁との間に設けられる隙間の流路抵抗の方が大きくなる。したがって、載置台2aと基板100の裏面100aとの間の空間に供給された冷却ガス3a1が、この隙間を介して漏れるのを抑制することができる。また、この隙間を介して、外気が載置台2aと基板100の裏面100aとの間の空間に侵入するのを抑制することができる。したがって、冷却効率を向上させることができる。
回転軸2bの長さが短いほど、拡径部3daと孔2aaとの間に形成される隙間の長さが短くなる。そのため、冷却ノズル3dと回転軸2bとの間に隙間があり、回転軸2bの長さが短いほど、本実施の形態に係る拡径部13daは、好ましい。
図11は、他の実施形態に係る拡径部113daを例示するための模式断面図である。 図11に示すように、拡径部113daは、前述したフランジ13dbの裏面(凹部2abの底面側の面)に、環状の凸部13dcをさらに設けたものである。凹部2abの底面の、凸部13dcと対向する位置には、凹部2abの底面に開口する環状の凹部2acが設けられている。凸部13dcは、凹部2acの内部に隙間を介して設けられている。そのため、回転する載置台2aと、回転しないフランジ13dbおよび凸部13dcと、が接触することがない。凸部13dcおよび凹部2acが設けられていれば、フランジ13dbと凹部2abの内壁との間に設けられる隙間の流路抵抗をさらに大きくすることができる。そのため、載置台2aと基板100の裏面100aとの間の空間に供給された冷却ガス3a1が、この隙間を介して漏れるのをさらに抑制することができる。また、この隙間を介して、外気が載置台2aと基板100の裏面100aとの間の空間に侵入するのをさらに抑制することができる。したがって、冷却効率をさらに向上させることができる。
図12は、分散部310aに設けられた羽根310caの他の実施形態を例示するための模式斜視図である。
図8(a)に例示をした羽根310cと同様に、羽根310caは、支持部10bと支持部10bとの間に設けることができる。羽根310caは、板状を呈し、一方の端部が分散板10aに接続され、他方の端部が冷却ノズル3dの拡径部3daの内壁に接続される。
図12に示すように、羽根310caは、一方の端部から他方の端部に向かって傾斜角度が大きくなるねじれた形態を有する。ねじれた形態は、図8(b)に例示をした羽根310cと同様とすることができる。羽根310caの数、配置、傾斜角度は、羽根310cと同様とすることができる。
ただし、羽根310caの上端310cbは、分散板10aの上面よりも下方に位置している。この様にすれば、分散板10aの上面に沿って流れる冷却ガス3a1の流れが、羽根310caの上端310cbにより乱されることがない。
羽根310caの上端310cbが分散板10aの上面よりも下方に位置するために、羽根310caの、分散板10aに接続された一方の端部は、分散板10aの側面に対して斜めに取り付けられることが好ましい。この場合、取り付ける際の傾斜角度は、10°より小さくするとよい。
以上、実施の形態について例示をした。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述した実施形態に関して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、基板処理装置1が備える各要素の形状、寸法、数、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
1 基板処理装置、2 載置部、2a 載置台、2ab 凹部、2ac 凹部、3 冷却部、3a1 冷却ガス、3d 冷却ノズル、3da 拡径部、4 第1液体供給部、5 第2液体供給部、10 分散部、10a 分散板、10aa 孔、10b 支持部、10bb 凹部、10ba 支持部、10bb 凹部、13db フランジ、13dc 凸部、100 基板、100a 裏面、100b 表面、101 液体、102 液体、110 分散部、110a 分散板、110aa 孔、110b 支持部、310 分散部、310c 羽根
第1液体供給部4は、基板100の表面100bに液体101を供給する。後述する凍結工程において、液体101が固体に変化すると体積が変化するので圧力波が生じる。この圧力波により、基板100の表面100bに付着している汚染物が分離されると考えられる。そのため、液体101は、基板100の材料と反応し難いものであれば特に限定はない。なお、過冷却状態の液体101は、液膜の温度不均一による密度変化、パーティクルなどの汚染物の存在、振動などが、凍結開始の起点となる性質をも有する。つまり、凍結開始の起点は、汚染物となる場合もある。
実施例1と比較例1とを比較する。図4に示すように、基板中心部では、解凍直前の凍結膜の温度は、実施例1の方が高い。しかし、基板中間部および基板外周部においては、解凍直前の凍結膜の温度は、実施例1の方が比較例1よりも低くなる。実施例1において、凍結膜の基板中心部の温度が上昇したことは、分散板10aにより、基板中心部に供給されていた冷却ガス3a1が比較例1と比べて減少したためと考えられる。また、基板中間部から基板外周部にかけて、凍結膜の温度が低下したことは、熱損失の少ない冷却ガス3a1が比較例1と比べて基板100の外周に流れるようになったためと考えられる。
ところで、拡径部3daおよび分散部10(分散板10a)を有しない従来の冷却ノズルの場合、冷却ガス3a1は、冷却ノズルの排出側の端部から基板100の裏面100aの中央部へと排出される。基板100の裏面100aの中央部と接触した冷却ガス3a1は、載置台2aと、基板100の裏面100aと、の間の空間を基板100の外周へ向かって流れていく。

Claims (11)

  1. 基板を載置可能な載置台を有し、載置された前記基板を回転可能な載置部と、
    前記載置台と、前記基板と、の間の空間に、冷却ガスを供給可能な冷却ノズルと、
    前記基板の、前記載置台側とは反対の面に液体を供給可能な液体供給部と、
    前記冷却ノズルの、前記冷却ガスの排出側に設けられた分散板と、
    を備え、
    前記分散板は、厚み方向を貫通する第1の孔を有し、
    前記冷却ノズルの中心軸に沿った方向から見て、前記第1の孔は、前記冷却ノズルの中心軸に重なる位置に設けられている基板処理装置。
  2. 前記冷却ノズルは、前記冷却ガスの排出側の端部に設けられた拡径部を有し、
    前記分散板は、前記拡径部の内部に設けられている請求項1記載の基板処理装置。
  3. 前記冷却ノズルの中心軸に沿った方向において、前記載置台の前記基板側の面と、前記分散板の前記基板側の面と、が同一位置にある請求項1または2に記載の基板処理装置。
  4. 前記冷却ノズルは、前記冷却ガスの排出側の端部に設けられた拡径部を有し、
    前記分散板は、前記拡径部の外部に設けられている請求項1記載の基板処理装置。
  5. 前記分散板は、前記冷却ノズルの前記冷却ガスの排出側の端部に設けられ、
    前記冷却ノズルは、前記分散板が設けられた端部の近傍に、側面と、前記冷却ノズルの内部を延びる第2の孔と、の間を貫通する第3の孔を有し、
    前記載置台の前記基板側の面には、凹部が設けられ、
    前記分散板と、前記冷却ノズルの、前記第3の孔が設けられた部分と、が、前記凹部の内部に設けられている請求項1記載の基板処理装置。
  6. 前記第1の孔の断面寸法は、1mm以上、2.5mm以下である請求項1~5のいずれか1つに記載の基板処理装置。
  7. 一方の端部が前記分散板に接続され、前記拡径部の内部を流れる前記冷却ガスを前記基板側に導く羽根をさらに備えた請求項2~4のいずれか1つに記載の基板処理装置。
  8. 一方の端部が前記分散板に接続され、前記載置台に設けられた前記凹部の内部を流れる前記冷却ガスを前記基板側に導く羽根をさらに備えた請求項5記載の基板処理装置。
  9. 前記拡径部の側面に設けられ、板状を呈するフランジをさらに備え、
    前記載置台の前記基板側の面には、凹部が設けられ、
    前記フランジは、隙間を介して、前記凹部の内部に設けられている請求項1~8のいずれか1つに記載の基板処理装置。
  10. 前記フランジの、前記凹部の底面側の面には、環状の凸部が設けられ、
    前記凹部の底面の、前記凸部と対向する位置には、前記凹部の底面に開口する環状の凹部が設けられ、
    前記環状の凸部は、前記環状の凹部の内部に隙間を介して設けられている請求項9記載の基板処理装置。
  11. 梁状を呈し、一方の端部が前記分散板に接続され、側面に螺旋状の凹部を有する支持部をさらに備えた請求項2~4のいずれか1つに記載の基板処理装置。
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