JP2022129434A - 遠心回転機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】振動がより一層低減された遠心回転機械を提供する。【解決手段】遠心回転機械は、軸線回りに回転可能な回転軸と、軸線方向一方側から流入する流体を径方向外側に圧送するインペラであって、前記回転軸に固定されたディスク、該ディスクに設けられた複数のブレード、及び、前記複数のブレードを覆うとともに前記軸線方向他方側に向かうに従って径方向外側に延びる外周面を有するカバーを備えたインペラと、前記カバーの外周面に対向し前記カバーの外周面とともに外側流路を形成する内周面を有するケーシングと、を備え、前記ケーシングには、前記軸線を囲う環状をなす空間である環状キャビティと、前記環状キャビティと前記外側流路とを連通させる連通部と、が形成されている。【選択図】図2

Description

本開示は、遠心回転機械に関する。
一般的に遠心圧縮機は、軸線に沿って延びる回転軸と、回転軸に設けられたインペラと、インペラを外側から覆うケーシングと、を有している。これらのうち、インペラには、クローズドインペラと呼ばれる形式のものが用いられる場合がある。クローズドインペラは、軸線を中心とする円盤状のディスクと、当該ディスクの一方側の面上に設けられた複数のブレードと、これら複数のブレードを一方側から覆う円錐状のカバーと、を有している。カバーの外周面とケーシングの内周面との間にはクリアランス(外側流路)が設けられている。
遠心圧縮機を運転すると、上記のブレード同士が形成する流路内を流体が流れる。流路を入口側から出口側に向かって流れる中途で流体は圧縮されて高圧状態となる。ここで、流路の出口側では、入口側よりも高圧の流体が流通することから、上述の外側流路にも流体が流れ込む。
このように、外側流路に多くの流体が流れ込んだ場合、遠心圧縮機の圧縮効率が低下してしまう。そこで、ケーシングの内周面に、流体の流通を防ぐシール部を設ける技術が知られている。例えば下記特許文献1には、シール部の具体例として、ケーシングの内周面におけるインペラの入口側にシールフィンが設けられた構成が開示されている。このようなシールフィンを設けることによって外側流路に流れ込む流体が低減される。
国際公開第2016/043090号
上記の構成を備えた遠心圧縮機では、シールフィンとカバーの外周面との間に流体が漏れ出ると、漏れた流体の圧力によってインペラを含むロータが半径方向に変位する。これにより、ロータ表面に周方向の圧力分布が発生する。ここで、上記の外側流路を流通する流体には、インペラの回転に伴うスワール成分(旋回流成分)が付加されている。このスワール成分による影響から、インペラには変位方向と直交する方向に向かう励振力(シール励振力)が働く。このシール励振力が継続的に付加されることで、インペラを含むロータに振れ回り振動が生じてしまう。
また、発明者らは、CFD解析を用いて遠心圧縮機に生じる励振力を高精度に推定した結果、シール部において生じる上記ロータの変位の影響により、ケーシングの内周面に大きな励振力が発生していることを確認している。
本開示は上記課題を解決するためになされたものであって、振動がより一層低減された遠心回転機械を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示に係る遠心回転機械は、軸線回りに回転可能な回転軸と、軸線方向一方側から流入する流体を径方向外側に圧送するインペラであって、前記回転軸に固定されたディスク、該ディスクに設けられた複数のブレード、及び、前記複数のブレードを覆うとともに前記軸線方向他方側に向かうに従って径方向外側に延びる外周面を有するカバーを備えたインペラと、前記カバーの外周面に対向し前記カバーの外周面とともに外側流路を形成する内周面を有するケーシングと、を備え、前記ケーシングには、前記軸線を囲う環状をなす空間である環状キャビティと、前記環状キャビティと前記外側流路とを連通させる連通部と、が形成されている。
また、本開示に係る遠心回転機械は、軸線回りに回転可能な回転軸と、軸線方向一方側から流入する流体を径方向外側に圧送するインペラであって、前記回転軸に固定されたディスク、該ディスクに設けられた複数のブレード、及び、前記複数のブレードを覆うとともに前記軸線方向他方側に向かうに従って径方向外側に延びる外周面を有するカバーを備えたインペラと、前記カバーの外周面に対向し前記カバーの外周面とともに外側流路を形成する内周面を有するケーシングと、を備え、前記ケーシングには、前記軸線を囲う環状をなす空間であり、前記軸線の周方向に等間隔に複数分割されている分割溝と、前記分割溝と前記外側流路とを連通させる連通部と、前記軸線を囲う環状空間をなし、前記分割溝よりも前記軸線方向他方側に位置する第一全周溝と、前記軸線を囲う環状空間をなし、前記分割溝よりも前記軸線方向一方側に位置する第二全周溝と、前記分割溝と前記第一全周溝とを連通させる第一連通孔と、前記第一全周溝とは連通していない前記分割溝と前記第二全周溝とを連通させる第二連通孔と、が形成されている。
本開示によれば、振動がより一層低減された遠心回転機械を提供することができる。
本開示の実施形態に係る遠心圧縮機の構成を示す断面図である。 本開示の第一実施形態に係る遠心圧縮機の要部拡大断面図である。 図2のIII-III線における断面図である。 本開示の第一実施形態に係る環状キャビティ及び連通部の変形例を示す断面図である。 本開示の第一実施形態に係る環状キャビティ及び連通部のさらなる変形例を示す断面図である。 本開示の第二実施形態に係る遠心圧縮機の要部拡大断面図である。 図6のVII-VII線における断面図である。
[第一実施形態]
(遠心圧縮機の構成)
以下、本開示の第一実施形態に係る遠心圧縮機100(遠心回転機械)について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、遠心圧縮機100は、軸線O回りに回転する回転軸1と、この回転軸1の周囲を覆うとともに作動流体Gが流通する流路2を形成するケーシング3と、回転軸1に設けられた複数段のインペラ4と、を備えている。
(ケーシングの構成)
ケーシング3は、軸線Oに沿って延びる円筒状をなしている。回転軸1は、このケーシング3の内部を軸線Oに沿って貫通するように延びている。軸線O方向におけるケーシング3の両端部には、それぞれジャーナル軸受5及びスラスト軸受6が設けられている。回転軸1は、これらジャーナル軸受5とスラスト軸受6とによって軸線O回りに回転可能に支持されている。
ケーシング3の軸線O方向一方側には、外部から作動流体Gとしての空気を取り入れるための吸気口7が設けられている。さらに、ケーシング3の軸線O方向他方側には、ケーシング3内部で圧縮された作動流体Gが排気される排気口8が設けられている。
ケーシング3の内部には、これら吸気口7と排気口8とを連通し、縮径と拡径を繰り返す内部空間が形成されている。この内部空間は、複数のインペラ4を収容するとともに、上記の流路2の一部をなしている。なお、以降の説明では、この流路2上における吸気口7が位置する側を上流側と呼び、排気口8が位置する側を下流側と呼ぶ。流路2上における各インペラ4の下流側にはリターンベーン50がそれぞれ設けられている。
ケーシング3には、環状キャビティAと、連通部B1と、が形成されている。環状キャビティA及び連通部B1の構成については後述する。
(インペラの構成)
回転軸1には、その外周面上で軸線O方向に間隔を空けて複数(6つ)のインペラ4が設けられている。各インペラ4は、図2に示すように、軸線Oを中心とする円盤状のディスク41と、このディスク41の上流側の面に設けられた複数のブレード42と、これら複数のブレード42を上流側から覆うカバー43と、を有している。
ディスク41は、軸線Oと交差する方向から見て、該軸線O方向の一方側から他方側に向かうに従って、径方向の寸法が次第に拡大するように形成されることで、円錐状をなしている。ブレード42は、ディスク41の軸線O方向における両面のうち、上流側を向く面(ディスク上流面41A)上で、軸線Oを中心として径方向外側に向かって放射状に複数配列されている。より詳しくは、これらブレード42は、ディスク上流面41Aから上流側に向かって立設された薄板によって形成されている。これら複数のブレード42は、軸線O方向から見た場合、軸線Oに対する周方向の一方側から他方側に向かうように湾曲している。
ディスク41の軸線O方向における両面のうち、下流側を向く面(ディスク背面41B)は、軸線Oに対する径方向に広がっている。ディスク背面41Bとケーシング3(ケーシング対向面3B)との間には軸線O方向に広がる隙間が形成されている。
ブレード42の上流側の端縁は、カバー43によって覆われている。つまり、上記複数のブレード42は、このカバー43とディスク41とによって軸線O方向から挟持されている。これにより、カバー43、ディスク41、及び互いに隣り合う一対のブレード42同士の間には空間が形成される。この空間は、上述の流路2の一部としてのインペラ流路21をなしている。なお、以降の説明では、このインペラ流路21の径方向内側の端部を入口21Aと称し、径方向外側の端部を出口21Bと称する。
カバー43の外周面(カバー外周面43A)は、軸線O方向の他方側に向かうに従って径方向外側に延びることで円錐状をなしている。カバー外周面43Aは、ケーシング3の内周面(ケーシング内周面3A)と隙間をあけて対向している。ケーシング内周面3Aは、カバー外周面43Aの形状に倣って、軸線O方向一方側から他方側に向かうに従って径方向外側に向かって延びている。ケーシング内周面3Aとカバー外周面43Aとの間には、外側流路Fが形成されている。外側流路Fには、インペラ流路21の出口21B側(つまり、外側流路Fの径方向外側の端部)から径方向内側に向かって漏れ流れが流通することがある。
ケーシング内周面3Aの径方向内側には、軸線Oを中心とする円環状の空間が形成されている。この空間はキャビティCとされている。キャビティCは、ケーシング内周面3Aから径方向外側に向かって凹んでいる。
キャビティCの軸線O方向一方側(上流側)には、シール部Sが設けられている。シール部Sは、ケーシング3とカバー外周面43Aとの間における流体の漏れをシールするために設けられている。つまり、このシール部Sによって、上流側から外側流路Fに流れ込む漏れ流れの大部分が阻止される。シール部Sは、複数のシールフィンfsと、これらシールフィンfsを支持する基部Hsと、を有している。
続いて、本実施形態の環状キャビティA及び連通部B1の構成について、図2から図5を参照して説明する。
(環状キャビティ、連通部の構成)
ケーシング内周面3Aの径方向外側のケーシング3内部には、軸線Oを囲う環状をなす空間である環状キャビティAが形成されている。そして、該環状キャビティAと外側流路Fとを連通させる軸線Oを囲う環状をなす空間である連通部B1が形成されている。連通部B1はケーシング内周面3Aにおいて外側流路Fに開口している。より詳しくは、連通部B1は、キャビティCの径方向内側を向く内周面において軸線O方向一方側の端部において外側流路Fに開口し、外側流路Fと環状キャビティAとを連通させている。連通部B1の軸線O方向の寸法は、環状キャビティAの軸線O方向の寸法よりも短く形成されている。
連通部B1内には、環状キャビティAと外側流路Fとを連通させるスリットLを形成する複数の非連通部材Nが周方向に形成されている。図3に環状キャビティA及び連通部B1を軸線O方向から見た時の構成を示す。図3は、図2のIII-III線方向の断面視である。非連通部材Nは、軸線Oに直交する断面視で周方向に円弧状に延びるとともに、径方向の寸法である厚さが一様な湾曲板形状をなしている。非連通部材Nは、ケーシング3と軸線О方向に一体に形成されている。本実施形態では、四つの非連通部材Nが周方向に等間隔で配置されており、非連通部材N同士が、環状キャビティAと外側流路Fとを連通させる四つのスリットLを形成している。軸線O方向において外側流路F、キャビティC、連通部B1、及び環状キャビティAに囲まれているケーシング3の円環状をなす一部はシュラウド部Shとされている。
(作用効果)
次に、本実施形態に係る遠心圧縮機100の動作について説明する。遠心圧縮機100を運転するに当たっては、まず回転軸1を電動機等の駆動源によって回転駆動する。回転軸1の回転に伴ってインペラ4がそれぞれ回転し、吸気口7から流路2内に作動流体Gが導入される。流路2内に導入された作動流体Gは、各インペラ4におけるインペラ流路21を通過する中途で順次圧縮される。圧縮されて高圧状態となった作動流体Gは排気口8を経て外部に圧送される。
ところで、図2に示すように、上記の外側流路Fでは、インペラ流路21の入口21A付近及び出口21B側から高圧の作動流体Gが流れ込むことがある。外側流路Fを流通する流体には、インペラ4の回転に伴うスワール成分(旋回流成分)が付加されている。スワール成分は、インペラ4の回転方向と同一の方向に向かって旋回する。このスワール成分による影響から、インペラ4には変位方向と直交する方向に向かう励振力が働く。この励振力が継続的に付加されることで、回転軸1及びインペラ4に振れ回り振動が生じてしまう可能性がある。さらに、発明者らは、CFD解析を用いて、遠心圧縮機100に生じる励振力を高精度に推定した結果、シール部Sにおいて生じるロータの変位の影響によりケーシング内周面3Aに大きな励振力が発生していることを確認している。
上記構成によれば、ケーシング3に環状キャビティAと連通部B1とが形成されていることによって、外側流路Fに流入する流体のシールフィン偏心による圧力変動が連通部B1を介して環状キャビティAへと伝播する。これにより、環状キャビティA及び連通部B1がケーシング3に形成されていない場合と比較して、外側流路Fの周方向圧力変動を大きく低減することができる。その結果、当該外側流路Fに多くの流体が流入した場合に生じるケーシング内周面3Aでの励振力の発生を抑制することができる。したがって、回転軸1及びインペラ4に振れ回り振動が生じる可能性を低減することができ、遠心圧縮機100の性能低下を抑制することができる。
また、上記構成によれば、連通部B1は、軸線Oを囲う環状をなす空間であり、連通部B1内で軸線Oの周方向に配列された複数の非連通部材Nと、連通部B1内で軸線Oの周方向に、非連通部材Nにより形成された環状キャビティAと外側流路Fとを連通させる複数のスリットLと、が形成されている。
以上、本開示の第一実施形態について詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば上記実施形態では、連通部B1はケーシング内周面3Aにおいて外側流路Fに開口しているが、この構成に限られることはない。図4に示すように、連通部B1は、シール部Sが有する基部Hsを径方向に貫通して基部Hsとカバー43の外周面43Aとの間に開口している構成であってもよい。これにより、シール部Sにて発生する圧力変動を、連通部B1を介して環状キャビティAへ伝播させることができる。したがって、ケーシング内周面3Aに生じる励振力の発生を一層抑制することができる。
また、図5に示すように、ケーシング3内部に環状キャビティAが二つ形成され、それぞれの環状キャビティAに対して連通部B1が一つずつ対応するように形成され、これら連通部B1がケーシング内周面3A及び基部Hsの両方において、外側流路F、及び基部Hsとカバー43の外周面43Aとの間に開口している構成であってもよい。これにより、上記作用効果をより一層高めることができる。
また、本実施形態においては、非連通部材Nは、軸線Oに直交する断面視で周方向に円弧状に延びるとともに、径方向の寸法である厚さが一様な湾曲板形状をなしているが、非連通部材Nはこの形状に限定されることはない。したがって、連通部B1において非連通部材N同士が形成しているスリットLの形状も限定されることはなく、非連通部材N同士により形成されている外側流路Fと環状キャビティAとを連通させる空間としての連通孔が形成されていればよい。
[第二実施形態]
続いて、本開示の第二実施形態について、図6及び図7を参照して説明する。なお、上記の各実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。本実施形態では、第一実施形態で示される遠心圧縮機100の構成とは一部が異なる。本実施形態では、ケーシング3には第一実施形態で示す環状キャビティAと連通部B1とが形成されておらず、ケーシング3には、分割溝Dと、連通部B2と、第一全周溝A1と、第一連通孔E1と、第二全周溝A2と、第二連通孔E2と、が形成されている。
(分割溝、連通部の構成)
ケーシング内周面3Aの径方向外側のケーシング3内部には、軸線Oを囲う分割溝Dが形成されている。分割溝Dは、軸線Oの周方向に等間隔に複数分割されており、複数の分割された分割溝D全体として環状をなしている。本実施形態では、分割溝Dは四つに分割されている。四つの分割溝Dは、周方向に90°の間隔をあけてそれぞれ形成されている。より詳しくは、分割溝Dは、軸線Oを中心に上下に一つずつ形成されており、これら二つの分割溝Dを周方向に90°ずつ回転させた位置に一つずつ形成されている。分割溝Dは、軸線Oに直交する断面視で周方向に円弧状に延びるとともに、径方向の寸法である厚さが一様な湾曲板形状をなす空間である。そして、該分割溝Dと外側流路Fとを連通させる空間である連通部B2が形成されている。
連通部B2は、軸線Oの周方向に等間隔に複数分割されており、ケーシング内周面3Aにおいて外側流路Fに開口している。より詳しくは、連通部B2は、キャビティCの径方向内側を向く内周面の軸線O方向一方側の端部において外側流路Fに開口し、該外側流路Fと分割溝Dとを連通させている。連通部B2の軸線O方向の寸法は、分割溝Dの軸線O方向の寸法よりも短く形成されている。図7に環状キャビティA及び連通部B2を軸線O方向から見た時の構成を示す。図7は、図6のVII-VII線方向の断面視である。図7に示すように、連通部B2は分割溝Dと同様に、軸線Oに直交する断面視で周方向に円弧状に延びるとともに、径方向の寸法である厚さが一様な湾曲板形状をなす空間である。
(第一全周溝、第二全周溝、第一連通孔、第二連通孔の構成)
ケーシング内周面3Aの径方向外側のケーシング3内部には、軸線Oを囲う環状空間をなす第一全周溝A1と、第二全周溝A2と、が形成されている。第一全周溝A1は、分割溝Dよりも軸線O方向他方側に位置しており、第二全周溝A2は、分割溝Dよりも軸線O方向一方側に位置している。そして、ケーシング3内部には、軸線O方向に延び、第一全周溝A1と分割溝Dとを連通させる空間である第一連通孔E1、及び第二全周溝A2と分割溝Dとを連通させる空間である第二連通孔E2が形成されている。より詳しくは、第二連通孔E2は、第一全周溝A1とは連通していない分割溝Dと第二全周溝A2とを連通させている。
本実施形態では、第一連通孔E1は、軸線Oを中心に上下に一つずつ形成された分割溝Dと第一全周溝A1とを連通させており、第二連通孔E2は、上下の分割溝Dを周方向に90°ずつ回転させた位置に形成されている二つの分割溝Dと第二全周溝A2とを連通させている。図7には、実線で第一全周溝A1及び第一連通孔E1を示しており、かくれ線で分割溝D及び連通部B2を示している。第二全周溝A2は分割溝Dよりも軸線О方向一方側に位置しており、図6のVII-VII線方向の断面視では、第一全周溝A1と軸線O方向に重なっているため図示していない。
(作用効果)
次に、本実施形態に係る遠心圧縮機100の動作について説明する。遠心圧縮機100を運転するに当たっては、まず回転軸1を電動機等の駆動源によって回転駆動する。回転軸1の回転に伴ってインペラ4がそれぞれ回転し、吸気口7から流路2内に作動流体Gが導入される。流路2内に導入された作動流体Gは、各インペラ4におけるインペラ流路21を通過する中途で順次圧縮される。圧縮されて高圧状態となった作動流体Gは排気口8を経て外部に圧送される。
ところで、図6に示すように、上記の外側流路Fでは、インペラ流路21の入口21A及び出口21B側から高圧の作動流体Gが流れ込むことがある。外側流路Fを流通する流体には、インペラ4の回転に伴うスワール成分(旋回流成分)が付加されている。スワール成分は、インペラ4の回転方向と同一の方向に向かって旋回する。このスワール成分による影響から、インペラ4には変位方向と直交する方向に向かう励振力が働く。この励振力が継続的に付加されることで、回転軸1及びインペラ4に振れ回り振動が生じてしまう可能性がある。さらに、発明者らは、CFD解析を用いて、遠心圧縮機100に生じる励振力を高精度に推定した結果、シール部Sにおいて生じるロータの変位の影響によりケーシング内周面3Aに大きな励振力が発生していることを確認している。
上記構成によれば、ケーシング3に第一全周溝A1、第一連通孔E1、第二全周溝A2、第二連通孔E2、分割溝D、及び連通部B2が形成されていることによって、外側流路Fに流入する流体が連通部B2を介して分割溝Dへと流入する。分割溝Dへ流入した流体の圧力変動はそれぞれの分割溝Dと連通している第一全周溝A1又は第二全周溝A2へ、第一連通孔E1又は第二連通孔E2を介して伝播する。これにより、分割溝D、第一全周溝A1、第二全周溝A2がケーシング3に形成されていない場合と比較して、外側流路Fに流入する流体の圧力変動を大きく低減することができる。その結果、当該外側流路Fに多くの流体が流入した場合に生じるケーシング内周面3Aでの励振力の発生を抑制することができる。したがって、回転軸1及びインペラ4に振れ回り振動が生じる可能性を低減することができ、遠心圧縮機100の性能低下を抑制することができる。
また、上記構成によれば、回転軸1及びインペラ4に変位が生じた場合、外側流路Fに存在するスワール成分を有する流体がインペラ4によって径方向に押され、該流体の圧力変動は分割溝D、第一全周溝A1、及び第二全周溝A2へと伝播する。これにより、ケーシング3に分割溝D、第一全周溝A1、及び第二全周溝A2が形成されていない場合と比較して、回転軸1及びインペラ4の変位がシール部S及びケーシング内周面3Aに生じる励振力へと変換されることを抑制することができる。したがって、回転軸1及びインペラ4に振れ回り振動が生じる可能性をより低減することができる。
以上、本開示の第二実施形態について詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば上記実施形態では、連通部B2はケーシング内周面3Aにおいて外側流路Fに開口しているが、この構成に限られることはない。連通部B2は、シール部Sが有する基部Hsを径方向に貫通して基部Hsとカバー43の外周面43Aとの間に開口する構成であってもよい。これにより、シール部Sから外側流路Fへ漏れる流体を、連通部B2を介して分割溝Dへより効果的に流入させることができる。したがって、ケーシング内周面3Aに生じる励振力を一層抑制することができる。
また、第一実施形態及び第二実施形態で説明される構成は、それぞれ独立した構成に留まることはなく、適宜組み合わせて遠心圧縮機100を構成してもよい。
[付記]
各実施形態に記載の遠心回転機械は、例えば以下のように把握される。
(1)第1の態様に係る遠心回転機械では、軸線O回りに回転可能な回転軸1と、軸線O方向一方側から流入する流体を径方向外側に圧送するインペラ4であって、前記回転軸1に固定されたディスク41、該ディスク41に設けられた複数のブレード42、及び、前記複数のブレード42を覆うとともに前記軸線O方向他方側に向かうに従って径方向外側に延びる外周面を有するカバー43を備えたインペラ4と、前記カバー43の外周面に対向し前記カバー43の外周面とともに外側流路Fを形成する内周面を有するケーシング3と、を備え、前記ケーシング3には、前記軸線Oを囲う環状をなす空間である環状キャビティAと、前記環状キャビティAと前記外側流路Fとを連通させる連通部B1と、が形成されている。
上記構成によれば、環状キャビティA及び連通部B1がケーシング3に形成されていない場合と比較して、外側流路Fに流入する流体の圧力変動を大きく低減することができる。したがって、当該外側流路Fに多くの流体が流入した場合に生じるケーシング内周面3Aでの励振力の発生を抑制することができる。
(2)第2の態様に係る遠心回転機械では、前記内周面に設けられ、前記外周面に径方向外側から対向してクリアランスを形成するシールフィンfsを有するシール部Sをさらに備え、前記シール部Sは、前記外側流路Fの径方向内側の端部に設けられ、前記シールフィンfsを支持する基部Hsを有し、前記連通部B1は、前記基部Hsを径方向に貫通していてもよい。
上記構成によれば、シール部Sから外側流路Fへと漏れる流体の圧力変動も、連通部B1を介して環状キャビティAへ効果的に伝播させることができる。したがって、ケーシング内周面3Aに生じる励振力の発生を一層抑制することができる。
(3)第3の態様に係る遠心回転機械では、前記連通部B1は、前記軸線Oを囲う環状をなす空間であり、前記連通部B1内で前記軸線Oの周方向に配列された複数の非連通部材Nと、前記連通部B1内で前記軸線Oの周方向に、前記非連通部材Nにより形成された前記環状キャビティAと前記外側流路Fとを連通させる複数の連通孔と、が形成されていてもよい。
(4)第4の態様に係る遠心回転機械では、軸線O回りに回転可能な回転軸1と、軸線O方向一方側から流入する流体を径方向外側に圧送するインペラ4であって、前記回転軸1に固定されたディスク41、該ディスク41に設けられた複数のブレード42、及び、前記複数のブレード42を覆うとともに前記軸線O方向他方側に向かうに従って径方向外側に延びる外周面を有するカバー43を備えたインペラ4と、前記カバー43の外周面に対向し前記カバー43の外周面とともに外側流路Fを形成する内周面を有するケーシング3と、を備え、前記ケーシング3には、前記軸線Oを囲う環状をなす空間であり、前記軸線Oの周方向に等間隔に複数分割されている分割溝Dと、前記分割溝Dと前記外側流路Fとを連通させる連通部B2と、前記軸線Oを囲う環状空間をなし、前記分割溝Dよりも前記軸線O方向他方側に位置する第一全周溝A1と、前記軸線Oを囲う環状空間をなし、前記分割溝Dよりも前記軸線O方向一方側に位置する第二全周溝A2と、前記分割溝Dと前記第一全周溝A1とを連通させる第一連通孔E1と、前記第一全周溝A1とは連通していない前記分割溝Dと前記第二全周溝A2とを連通させる第二連通孔E2と、が形成されている。
上記構成によれば、ケーシング3に分割溝D、第一全周溝A1、及び第二全周溝A2が形成されていない場合と比較して、回転軸1及びインペラ4の変位がシール部S及びケーシング内周面3Aに生じる励振力へと変換されることを抑制することができる。
1…回転軸 2…流路 3…ケーシング 3A…ケーシング内周面 3B…ケーシング対向面 4…インペラ 5…ジャーナル軸受 6…スラスト軸受 7…吸気口 8…排気口 21…インペラ流路 21A…入口 21B…出口 41…ディスク 41A…ディスク上流面 42…ブレード 43…カバー 43A…カバー外周面 50…リターンベーン 100…遠心圧縮機 A…環状キャビティ A1…第一全周溝 A2…第二全周溝 B1,B2…連通部 C…キャビティ D…分割溝 E1…第一連通孔 E2…第二連通孔 fs…シールフィン F…外側流路 G…作動流体 Hs…基部 L…スリット N…非連通部材 O…軸線 S…シール部 Sh…シュラウド部

Claims (4)

  1. 軸線回りに回転可能な回転軸と、
    軸線方向一方側から流入する流体を径方向外側に圧送するインペラであって、前記回転軸に固定されたディスク、該ディスクに設けられた複数のブレード、及び、前記複数のブレードを覆うとともに前記軸線方向他方側に向かうに従って径方向外側に延びる外周面を有するカバーを備えたインペラと、
    前記カバーの外周面に対向し前記カバーの外周面とともに外側流路を形成する内周面を有するケーシングと、
    を備え、
    前記ケーシングには、
    前記軸線を囲う環状をなす空間である環状キャビティと、
    前記環状キャビティと前記外側流路とを連通させる連通部と、
    が形成されている遠心回転機械。
  2. 前記内周面に設けられ、前記外周面に径方向外側から対向してクリアランスを形成するシールフィンを有するシール部をさらに備え、
    前記シール部は、前記外側流路の径方向内側の端部に設けられ、前記シールフィンを支持する基部を有し、
    前記連通部は、前記基部を径方向に貫通している請求項1に記載の遠心回転機械。
  3. 前記連通部は、前記軸線を囲う環状をなす空間であり、
    前記連通部内で前記軸線の周方向に配列された複数の非連通部材と、
    前記連通部内で前記軸線の周方向に、前記非連通部材により形成された前記環状キャビティと前記外側流路とを連通させる複数の連通孔と、
    が形成されている請求項1に記載の遠心回転機械。
  4. 軸線回りに回転可能な回転軸と、
    軸線方向一方側から流入する流体を径方向外側に圧送するインペラであって、前記回転軸に固定されたディスク、該ディスクに設けられた複数のブレード、及び、前記複数のブレードを覆うとともに前記軸線方向他方側に向かうに従って径方向外側に延びる外周面を有するカバーを備えたインペラと、
    前記カバーの外周面に対向し前記カバーの外周面とともに外側流路を形成する内周面を有するケーシングと、
    を備え、
    前記ケーシングには、
    前記軸線を囲う環状をなす空間であり、前記軸線の周方向に等間隔に複数分割されている分割溝と、
    前記分割溝と前記外側流路とを連通させる連通部と、
    前記軸線を囲う環状空間をなし、前記分割溝よりも前記軸線方向他方側に位置する第一全周溝と、
    前記軸線を囲う環状空間をなし、前記分割溝よりも前記軸線方向一方側に位置する第二全周溝と、
    前記分割溝と前記第一全周溝とを連通させる第一連通孔と、
    前記第一全周溝とは連通していない前記分割溝と前記第二全周溝とを連通させる第二連通孔と、
    が形成されている遠心回転機械。
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