JP2022128794A - 全固体電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】充電抵抗が一層低減されている全固体電池を提供する。【解決手段】本開示の全固体電池は、負極活物質、固体電解質、及びバインダーを含有する負極活物質層を備えている。前記負極活物質層中で、前記バインダーの1次粒子が、2次粒子を形成して分散している。前記バインダーは、前記2次粒子の全数に対して、0.05~0.11μmの分散径を有する前記2次粒子を36.8%以上含有し、かつ、0.12~0.36μmの分散径を有する前記2次粒子を25.4%以下含有する。【選択図】図2

Description

本開示は、全固体電池に関する。本開示は、特に、負極活物質、固体電解質、及びバインダーを含有する負極活物質層を備えている全固体電池に関する。
全固体電池の負極活物質層には、従来から、負極活物質及び添加物等を結着するバインダーが用いられている。
例えば、特許文献1には、電極活物質、バインダー、及び溶媒等を、攪拌羽根を有する混合器で混合することにより、造粒体を得ることを含む、全固体電池の製造方法が開示されている。
特許文献2には、第1の負極活物質として黒鉛を含む第1の負極活物質層と、第1の負極活物質層の上に形成されており、第2の負極活物質としてリチウムチタン酸複合酸化物を含む第2の負極活物質層とを備える非水電解質二次電池用負極が開示されている。また、特許文献2には、非水電解質が固体電解質でもよいことが開示されている。さらに、特許文献2には、第1の負極活物質層と第2の負極活物質層は、互いに異なる種類のバインダーを含むことが開示されている。
特許文献3には、正極層、負極層、及び固体電解質層からなる群より選ばれる少なくとも一種の層が、粒子状の第1のバインダーと非粒子状の第2のバインダーとを含む、全固体電池が開示されている。また、特許文献3には、第1のバインダーが、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)であり、その平均粒径が0.1~130μmであり、その含有割合が0.2~7.0質量%であることが開示されている。そして、特許文献3には、第2のバインダーが、エチルセルロース(EC)であり、その含有量が0質量%を超え、1.0質量%以下であることが開示されている。
特開2019-57398号公報 特開2012-22794号公報 特開2020-194706号公報
特許文献1~3等に開示された従来の全固体電池では、充電抵抗の低減が充分ではなく、充電抵抗が一層低減されている全固体電池が期待されている、という課題を、本発明者は見出した。
本開示は、上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、本開示は、充電抵抗が一層低減されている全固体電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、鋭意検討を重ね、本開示の全固体電池を完成させた。本開示の全固体電池は、次の態様を含む。
すなわち、本開示の全固体電池の一態様は、
負極活物質、固体電解質、及びバインダーを含有する負極活物質層を備えており、
前記負極活物質層中で、前記バインダーの1次粒子が、2次粒子を形成して分散しており、かつ、
前記バインダーが、前記2次粒子の全数に対して、0.05~0.11μmの分散径を有する前記2次粒子を36.8%以上含有し、かつ、0.12~0.36μmの分散径を有する前記2次粒子を25.4%以下含有する、
全固体電池である。
本開示によれば、負極活物質中で、バインダーの2次粒子の分散径を、所定の分布にすることによって、負極活物質同士、固体電解質同士、あるいは、負極活物質と固体電解質の密着性を向上することができる。そして、この密着性の向上により、充電抵抗が一層低減されている全固体電池を提供することができる。
図1は、負極活物質層の断面のFE-SEM像の一例を示す説明図である。 図2は、図1のFE-SEM像を二値化した一例を示す説明図である。 図3は、各電池試料について、バインダーの2次粒子の分散径の分布を示すグラフである。
以下、本開示の全固体電池の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は、本開示の全固体電池を限定するものではない。
理論に拘束されないが、本開示の全固体電池が、従来の全固体電池と比べて、充電抵抗が一層低減されている理由について説明する。
全固体電池の負極活物質層は、負極活物質、固体電解質、及びバインダーを含有する。負極活物質層中では、バインダーの粒子が分散している。バインダーの粒子の分散が、所定の度合いであれば、全固体電池の充電抵抗を一層低減可能なことを、本発明者は知見した。そして、そのような分散の度合いは、バインダーの2次粒子の分散径の分布で評価できることを本発明者は知見した。
これまでに説明した知見等によって完成された、本開示に係る全固体電池の構成要件を、次に説明する。
《全固体電池》
本開示の全固体電池は、負極活物質層を備えている。以下、負極活物質層について説明する。
〈負極活物質層〉
負極活物質層は、負極活物質、固体電解質、及びバインダーを含有する。以下、負極活物質層中の、負極活物質、固体電解質、及びバインダーそれぞれについて、説明する。
〈負極活物質〉
負極活物質としては、全固体電池の負極活物質の機能を有する周知の材料を選択することができ、特に制限はない。負極活物質としては、金属イオン、例えば、リチウムイオン等を吸蔵・放出可能である材料から選択されてよい。負極活物質としては、例えば、金属リチウム、リチウム合金、グラファイト若しくはハードカーボン等の炭素材料、金属シリコン、シリコン合金等の珪素材料、又はLiTi12(LTO)等から選択することができる。これらの材料を組み合わせて選択してもよい。リチウム合金としては、例えば、LiSn、LiSi、LiAl、LiGe、LiSb、LiP、及びLiIn等が挙げられる。金属リチウムとは、合金化されていないリチウムを意味する。シリコン合金としては、例えば、リチウム等の金属元素との合金が挙げられ、その他、錫、ゲルマニウム、及びアルミニウムからなる群より選ばれる一種以上の金属元素との合金等であってもよい。金属シリコンとは、合金化されていないシリコンを意味する。また、負極活物質としては、その他の金属材料、例えば、インジウム、アルミニウム、若しくは錫、又はこれらの組合せから選択してもよい。負極活物質として結晶性炭素材料であるグラファイト材料を選択する場合、グラファイトの表面にアモルファス被覆をしてもよい。
負極活物質の形状については、特に制限はなく、例えば、粒子状及び薄膜状等が挙げられ、これらを組み合わせてもよい。取扱い性の観点からは、粒子状が好ましい。負極活物質が粒子である場合である場合には、その平均粒径(D50)は、例えば、1nm以上、5nm以上、又は10nm以上であってよく、100μm以下、50μm以下、30μm以下、10μm以下、1μm以下、500nm以下、100nm以下、又は50nm以下であってよい。
本明細書において、特に断りのない限り、粒子の平均粒径は、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定によって得られる体積基準のメディアン径(D50)の値である。また、メディアン径(D50)とは、粒径の小さい粒子から淳に粒子を並べた場合に、粒子の累積体積が全体の体積の50%となる径である。
負極活物質層における負極活物質の含有割合は、特に限定されないが、例えば、負極活物質層の全質量を基準として、10質量%以上、30質量%以上、50質量%以上、70質量%以上、又は80質量%以上であってよく、99質量%以下、98質量%以下、95質量%以下、又は90質量%以下であってよい。
〈固体電解質〉
固体電解質としては、硫化物系非晶質固体電解質、例えば、LiS-P、LiO・LiS・P、LiS、P、LiS-SiS、LiI-LiS-SiS、LiI-LiS-P、LiI-LiS-P、LiI-LiBr-LiS-P、LiI-LiPO-P等;若しくは、酸化物系非晶質固体電解質、例えば、LiO-B-P5、LiO-SiO等;若しくは、酸化物系結晶質固体電解質、例えば、LiI、LiN、LiLaTa12、LiZr12、LiBaLaTa12、LiPO(4-3/2w)(w<1)等;若しくは、硫化物系結晶質固体電解質、例えば、Li11、Li3.250.75等のガラスセラミックス、若しくはLi3.240.24Ge0.76等のthio-LiSiO系の結晶、LiPSX(X=Cl、Br)等のアルジロダイト型の結晶構造を有するもの(以下、「アルジロダイト型硫化物固体電解質」ということがある。)等;又はこれらの組合せから選択することができる。高いリチウムイオン電導性及び電気化学的安定性の観点からは、アルジロダイト型硫化物固体電解質が好ましい。
固体電解質の形状については、特に制限はないが、取扱い性の観点からは、粒子状が好ましい。固体電解質が粒子である場合には、その平均粒径(D50)は、0.1μm以上、0.3μm以上、又は0.5μm以上であってよく、5μm以下、4μm以下、3μm以下、2μm以下、又は1μm以下であってよい。
〈バインダー〉
バインダーは、負極活物質層中で、所定の分散径で分散することができれば、特に制限はない。バインダーは、典型的には、フッ素系樹脂及びポリオレフィン系樹脂からなる群より選ばれる一種以上の樹脂であってもよいが、これに限られない。所定の分散径が得られやすいという観点からは、フッ素系樹脂、特にポリフッ化ビニリデン(PVDF)が好ましい。フッ素系樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン(PVDF-HFP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)等が挙げられる。これらを組み合わせて選択してもよい。ポリオレフィン系樹脂としては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、並びに、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート(PBA)、及びポリアクリロニトリル(PAN)等の(メタ)アクリル系樹脂等が挙げられる。これらを組み合わせて選択してもよい。
負極活物質層中では、バインダーの1次粒子が2次粒子を形成して分散している。そして、バインダーの2次粒子の分散径の分布が、次のとおりであれば、負極活物質同士、固体電解質同士、あるいは、負極活物質と固体電解質の密着性が向上する。そして、このような良好な密着性を有する負極活物質層を備える全固体電池の充電抵抗は、一層低減されている。
バインダーが、その2次粒子の全数に対して、0.05~0.11μmの分散径を有する2次粒子を、36.8%以上、37.0%以上、38.0%以上、又は39.0%以上含有し、かつ、0.12~0.36μmの分散径を有する2次粒子を、25.4以下、25.0%以下、24.0%以下、23.0%以下、又は22.0以下含有すると、上述の密着性が向上する。0.05~0.11μmの分散径を有する2次粒子の存在割合の上限は、特に制限されないが、バインダーの2次粒子の全数に対して、70.0%、60.0%、50.0%、40.0%、又は39.7%が好ましい。また、0.12~0.36μmの分散径を有する2次粒子の存在割合は、できるだけ低いことが好ましいが、0%でなくてもよく、その下限が、1.0%、5.0%、10.0%、15.0%、20.0%、21.0%であっても、実用上、問題はない。また、0.36μ超の分散径を有する2次粒子の存在割合は、できるだけ低いことが好ましく、5%以下、3%以下、又は1%であってよく、0%が理想であるが、0.36μ超の分散径を有する2次粒子の存在割合が0.5%であれば、実用上、許容される。
バインダーの2次粒子の分散径の分布は、次のようにして得ることができる。
負極活物質層の断面について、バインダーの2次粒子の成分を面分析する。そして、その面分析で認識された2次粒子の各領域の最大長さの度数分布を求めることによって、バインダーの2次粒子の分散径について、その分布を得ることができる。
例えば、バインダーがフッ素樹脂の場合には、例えば、次のようにして、バインダーの2次粒子の分布を得る。不活性雰囲気下で、全固体電池のラミネートなどの外装部材を剥離し、電極を取り出す。不活性雰囲気を保持しながら、その電極を適切なサイズに切断した後、例えば、イオンミリング装置等を用いて、真空中又は不活性雰囲気中で、電極の断面を加工する。その際、バインダー等が変質しないように、電極の断面を冷却しながら加工する。断面の加工を終えた電極について、真空中で、FE-SEMを用いて二次電子像及び反射電子像を取得し、さらにフッ素(F)について、EDX面分析を行う。EDX面分析結果について、バインダーの2次粒子が存在する領域と、それ以外の領域とを視覚的に区別できるように、二値化の画像処理をする。二値化の閾値は、負極活物質層中のバインダー含有割合を参照して適宜決定する。二値化された画像から、バインダーの2次粒子の存在する領域のピクセル数をカウントし、バインダーの2次粒子の最大長さの度数分布を求める。バインダーの2次粒子の最大長さは、二次電子像及び反射電子像の倍率から算出する。
負極活物質層中のバインダーの含有割合は、上述の分散径の分布が得られるように、結着力等を考慮して適宜決定すればよい。負極活物質層中のバインダーの含有割合は、例えば、負極活物質層の全質量を基準として、0.1質量%以上、0.2質量%以上、0.3質量%以上、0.7質量%以上、1.0質量%以上、2.0質量%以上、又は3.0質量%以上であってよく、8.0質量%以下、7.0質量%以下、又は5.0質量%以下であってよい。
バインダーの2次粒子の分散径が、上述の分布になることを妨げない限りにおいて、負極活物質層は、任意に、例えば、バインダーの溶媒及び導電材等を含有してもよい。
〈バインダーの溶媒〉
バインダーの溶媒としては、バインダーの2次粒子の分散径の分布を上述のようにすることができれば、特に制限はない。バインダーの溶媒としては、例えば、酪酸ブチル、トルエン、及びメチルエチルケトン(MEK)等が挙げられ、これらの混合溶媒であってもよい。上述したような2次粒子の分散径の分布を得やすいという観点からは、バインダーの溶媒としては、酪酸ブチルが好ましい。
〈導電材〉
導電材としては、炭素材、例えば、VGCF(気相成長法炭素繊維、Vapor Grown Carbon Fiber)、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、若しくはカーボンナノチューブ等、又はこれらの組合せから選択することができる。
本開示の全固体電池は、上述した負極活物質層のほかに、周知の負極集電体、固体電解質層、正極活物質層、及び正極集電体層を備えていてよい。そして、本開示の全固体電池は、負極集電体、負極活物質層、固体電解質層、正極活物質層、及び正極集電体を、この順で備えていてよい。以下、負極集電体、固体電解質層、正極活物質層、及び正極集電体層について概説するが、これに限られない。
〈負極集電体〉
負極集電体としては、例えば、Ag、Cu、Au、Al、Ni、Fe、ステンレス、若しくはTi等、又はこれらの合金を負極集電体層の材料として用いることができる。化学的安定性の観点から、Cu及びNiが好ましく、硫化物系の固体電解質を用いる場合には、負極集電体の硫化を回避する観点からNiが特に好ましい。
〈固体電解質層〉
固体電解質層は、少なくとも固体電解質を含有し、任意で、バインダー等を含有してもよい。
固体電解質層に用いる固体電解質としては、「〈負極活物質層〉」で説明した固体電解質が挙げられる。固体電解質層中の固体電解質の含有割合は、特に制限されないが、例えば、固体電解質層の全質量を基準として、50質量%以上、70質量%以上、又は90質量%以上であってよく、99.9質量%以下、98質量%以下、又は95質量%以下であってよい。
バインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ブチレンゴム(BR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ポリビニルブチラール(PVB)、アクリル樹脂等が挙げられる。これらを組み合わせて用いてもよい。また、これらのバインダーの溶媒として、例えば、ヘプタン等を用いてもよい。
固体電解質層中のバインダーの含有割合は、結着力等を考慮して適宜決定すればよい。固体電解質層中のバインダーの含有割合は、例えば、固体電解質層の全質量を基準として、0.1質量%以上、0.2質量%以上、0.3質量%以上、0.7質量%以上、1.0質量%以上、2.0質量%以上、又は3.0質量%以上であってよく、8.0質量%以下、7.0質量%以下、又は5.0質量%以下であってよい。
〈正極活物質層〉
正極活物質層は、正極活物質、並びに任意で導電材、バインダー、及び固体電解質を含有する。正極活物質としては、マンガン、コバルト、ニッケル及びチタンから選ばれる少なくとも一種の遷移金属及びリチウムを含む金属酸化物、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、若しくはニッケルコバルトマンガン酸リチウム等、異種元素置換Li-Mnスピネル、チタン酸リチウム、リン酸金属リチウム、又はこれらの組合せから選択できる。
正極活物質の形状については、特に制限はなく、例えば、粒子状及び薄膜状等が挙げられ、これらを組み合わせてもよい。取扱い性の観点からは、粒子状が好ましい。正極活物質が粒子である場合には、その平均粒径(D50)は、1nm以上、5nm以上、又は10nm以上であってよく、100μm以下、50μm以下、30μm以下、10μm以下、1μm以下、500nm以下、100nm以下、又は50nm以下であってよい。
正極活物質の表面には、Liイオン伝導性酸化物を含有するコート層が形成されていてもよい。これにより、正極活物質と固体電解質との反応を抑制できる。Liイオン伝導性酸化物としては、例えば、LiNbO、LiTi12、及びLiPO等が挙げられる。これらを組み合わせて用いてもよい。コート層の厚さは、例えば、0.1nm以上、1nm以上、又は10nm以上であってよく、100nm以下、50nm以下、又は20nm以下であってよい。
正極活物質層における正極活物質の含有割合は、特に限定されないが、例えば、正極活物質層の全質量を基準として、10質量%以上、30質量%以上、50質量%以上、70質量%以上、又は80質量%以上であってよく、99質量%以下、98質量%以下、95質量%以下、又は90質量%以下であってよい。
導電材については、「〈負極活物質層〉」で説明した導電材を用いることができる。固体電解質については、「〈負極活物質層〉」で説明した固体電解質を用いることができる。また、バインダー及びその溶媒としては、「〈固体電解質層〉」で説明したバインダー及びその溶媒を用いることができる。
〈正極集電体〉
正極集電体は、「〈負極集電体〉」で説明した負極集電体を参照することができる。そのうち、正極集電体としては、化学安定性の観点から、アルミニウムが好ましい。
《製造方法》
本開示の全固体電池の製造方法は、負極活物質層中のバインダーの2次粒子の分散径が、上述のとおり分布するように、負極活物質層を形成することができれば、特に制限はない。このような負極活物質層を形成するためには、理論に拘束されないが、負極活物質、バインダー、及びバインダーの溶媒を混合してバインダー分散液を準備するとき、常温で混合する場合には、バインダーの1次粒子の凝集を分断しながら攪拌する。また、理論に拘束されないが、負極活物質、バインダー、及びバインダーの溶媒を高温で混合してバインダー分散液を準備するときには、バインダーの1次粒子の凝集力が小さいことから、単純に攪拌するだけでよい。高温とは、30℃以上、バインダー及びバインダーの溶媒が分解しない温度以下である。このような温度としては、例えば、30℃以上、40℃以上、50℃以上、又は60℃以上であってよく、100℃以下、90℃以下、又は70℃以下であってよい。このようにして準備した分散液は、バインダーの2次粒子が粗大になり難く、分散液中にバインダーが均一に分散している。
バインダーの1次粒子の凝集を分断しながら攪拌する方法としては、例えば、回転刃を有する混合器及び超音波ホモジナイザー等を用いる方法等が挙げられる。これらの方法を組み合わせてもよい。単純に攪拌する方法としては、スターラー等を用いる方法等が挙げられる。
このようにして得られたバインダー分散液に、少なくとも固体電解質を添加して負極合剤ペーストを準備し、この負極合剤ペーストを用いて負極活物質層を形成する。負極合剤には、さらに、導電材及びバインダーの溶媒を添加してもよい。導電材及びバインダーの溶媒は、「〈負極活物質層〉」で説明した材料を用いることができる。負極活物質層の形成方法としては、例えば、負極集電体の表面に負極合剤ペーストを塗布し、乾燥させる方法等が挙げられるが、これに限られない。
負極集電体の表面に負極合剤ペーストを塗布する方法は、特に制限されず、例えば、ドクターブレード法、メタルマスク印刷法、静電塗布法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、及びスクリーン印刷法等が挙げられる。これらを組み合わせて用いてもよい。
固体電解質層、正極活物質層、及び発電要素(単電池)の形成、並びに発電要素(単電池)の積層は、全固体電池についての周知の製造方法を採用することができる。以下、固体電解質層及び正極活物質層、及び発電要素(単電池)の形成、並びに発電要素(単電池)の積層について概説するが、これに限られない。
固体電解質層の形成方法としては、特に制限されず、周知の方法を用いることができる。例えば、少なくとも固体電解質を含有する固体電解質層形成用原材料の粉末又はペレット等を圧縮成形する方法等が挙げられる。あるいは、少なくとも固体電解質と溶媒とを含有する固体電解質層形成用原料ペーストを、支持体の表面に塗布し、それを乾燥する方法等が挙げられる。
正極活物質層の形成方法としては、特に制限されない。例えば、少なくとも正極活物質を含有する正極合剤ペーストを、正極集電体の表面に塗布し、それを乾燥する方法等が挙げられる。正極集電体の表面に正極合剤ペーストを塗布する方法は、負極集電体の表面に負極合剤ペーストを塗布する方法を参照することができる。
負極集電体、負極活物質層、固体電解質層、正極活物質層、及び正極集電体の順に積層して、発電要素(単電池)を形成する。積層の方法に特に制限はない。例えば、固体電解質層を、支持体の表面に形成し、その固体電解質層側と、負極活物質層及び正極活物質層の一方とを貼り合わせ、プレスする。その後、固体電解質層の支持体を剥がし、その固体電解質層の面に、負極活物質層及び正極活物質層の他方を貼り合わせ、再度プレスする。プレスは、ロールプレス等を用いてもよい。
さらに、発電要素(単電池)を積層してもよい。発電要素(単電池)を積層する場合には、単電池それぞれには正極集電体及び負極集電体は取り付けず、積層の両端に正極集電体及び負極集電体を取り付けてもよい。発電要素(単電池)の積層後にプレスしてもよく、プレスは、ロールプレス等を用いてもよい。
〈変形〉
これまで説明してきたこと以外でも、本開示の全固体電池は、特許請求の範囲に記載した内容の範囲内で種々の変形を加えることができる。例えば、本開示の全固体電池は、負極集電体、負極活物質層、固体電解質層、正極活物質層、及び正極集電体層を収容する外装体を備えていてもよい。外装体の形状は、特に制限されないが、例えば、ラミネート型が挙げられる。外装体の材料は、固体電解質等に対して安定であれば特に制限されないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びアクリル樹脂等の樹脂が挙げられる。これらを組み合わせて用いてもよい。
以下、本開示の全固体電池を実施例及び比較例により、さらに具体的に説明する。なお、本開示の全固体電池は、以下の実施例で用いた条件に限定されない。
《電池試料の準備》
次の要領で、電池試料を準備した。
〈実施例1〉
・バインダー分散液の準備
溶媒である酪酸ブチルと粒子状のバインダーとしてPVDF粉末を、それぞれ95:5の質量割合で混合した。この際、酪酸ブチルを30℃以下の常温に保ち、攪拌しながらPVDF粉末を添加し、これを1時間以上にわたってスターラーを用いて攪拌した。その後、さらに、これを超音波ホモジナイザー(株式会社エムエステー製SUH-50)を用いて30分間にわたってバインダー粒子を分散させた。これにより、バインダー粒子が溶媒に分散した状態のバインダー分散液を得た。
・負極合剤ペーストの準備
負極活物質として平均一次粒子径0.7μmのLiTi12粒子を1.0g、導電材カーボンのVGCFを0.025g、バインダー分散液を1.042g、酪酸ブチル1.6gを秤量し、超音波ホモジナイザー(株式会社エムエステー製UH-50)を用いて30分間にわたって混合した。その後、混合して得られたスラリーに固体電解質を1.336g添加し、再度、超音波ホモジナイザー(株式会社エムエステー製UH-50)を用いて30分にわたって混合し、負極合剤ペーストを得た。
・正極合剤ペーストの準備
正極活物質にニッケルコバルトマンガン酸リチウム(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)を用いた。正極活物質にはLiNbOのコート層を形成した。この正極活物質を2.0g、導電材カーボンのVGCFを0.048g、固体電解質を0.407g、PVDFを0.016g、酪酸ブチル1.3gを秤量し、超音波ホモジナイザー(株式会社エムエステー製UH-50)を用いて混合し、正極合剤ペーストを得た。
・固体電解質層形成用ペーストの準備
ポリプロピレン製容器に、ヘプタンと、ブタジエンゴム系バインダー5質量%とを含有するヘプタン溶液と、固体電解質として平均粒子径2.5μmのLiI-LiBr-LiS-P系ガラスセラミックとを装入した。そして、これを、超音波ホモジナイザー(株式会社エムエステー製UH-50)を用いて、30秒間にわたり混合した。次に、振とう器を用いて、ポリプロピレン容器を3分間にわたり振とうさせて、固体電解質層用ペーストを得た。
・負極活物質層及び正極活物質層の準備
アプリケーターを用いたブレード法で、負極集電体の表面に負極合剤ペーストを塗布し、これを100℃のホットプレート上で30分間にわたって乾燥させて、アルミニウム箔の表面に負極活物質層を形成した。同様にして、正極集電体(アルミニウム箔)の表面に正極合剤ペーストを塗布し、乾燥させて、正極活物質層を得た。正極の充電比容量を185mAh/gにしたとき、負極容量充電比容量が1.15倍となるように、負極合剤の目付を調整した。
・固体電解質層の準備
負極集電体の表面に形成した負極活物質層(負極)を、事前にプレスした。プレス後の負極の負極活物質層側の表面に、ダイコーターを用いて固体電解質層用ペーストを塗布し、100℃のホットプレート上で、30分間にわたり乾燥させた。その後、2ton/cmでロールプレスを行って、負極の表面に固体電解質層を備える負極側積層体を得た。
同様にして、正極集電体の表面に形成した正極活物質層(正極)を、事前にプレスした。プレス後の正極の正極活物質層側の表面に、ダイコーターを用いて固体電解質層用ペーストを塗布し、100℃のホットプレート上で、30分間にわたり乾燥させた。その後、2ton/cmでロールプレスを行って、正極の表面に固体電解質層を備える正極側積層体を得た。
・発電要素の準備
正極側積層体と負極側積層体とをそれぞれ打ち抜き加工し、固体電解質層同士を貼り合わせるようにして重ね合わせた。ここで、正極側積層体の固体電解質層と、負極側積層体の固体電解質層との間に、未プレスの固体電解質層(固体電解質層用ペースト)を転写した状態で重ね合わせた。その後、130℃にて、2ton/cmでプレスし、負極集電体、負極活物質層、固体電解質層、正極活物質層、及び正極集電体を、この順で備える発電要素を得た。この発電要素をラミネート封入し、これを5MPaで拘束して、実施例1の電池試料を得た。
〈実施例2〉
溶媒である酪酸ブチルと粒子状のバインダーとしてPVDF粉末を、それぞれ95:5の質量割合で混合した。この際、酪酸ブチルを40℃の高温に保ち、攪拌しながらPVDF粉末を添加し、これを1時間以上にわたってスターラーを用いて攪拌した。このようにして、バインダー粒子が溶媒に分散した状態のバインダー分散液を得たこと以外、実施例1と同様にして、実施例2の電池試料を得た。
〈実施例3〉
溶媒である酪酸ブチルと粒子状のバインダーとしてPVDF粉末を、それぞれ95:5の質量割合で混合した。この際、酪酸ブチルを30℃以下の常温に保ち、攪拌しながらPVDF粉末を添加し、これを1時間以上にわたってスターラーを用いて攪拌した。その後、さらに、これをフィルミックス(プライミクス株式会社製30-L型)を用いて30分間にわたってバインダー粒子を分散させた。これにより、バインダー粒子が溶媒に分散した状態のバインダー分散液を得たこと以外、実施例1と同様にして、実施例3の電池試料を得た。フィルミックス(プライミクス株式会社製30-L型)は、回転刃を有する混合器である。
〈比較例1〉
溶媒である酪酸ブチルと粒子状のバインダーとしてPVDF粉末を、それぞれ95:5の質量割合で混合した。この際、酪酸ブチルを30以下の常温に保ち、攪拌しながらPVDF粉末を添加し、これを1時間以上にわたってスターラーを用いて攪拌して、バインダー分散液を得たこと以外、実施例1と同様にして、比較例1の電池試料を得た。
《評価》
各電池試料を、1C相当電流で定電流充電し、セル電圧が2.95Vに到達した後、定電圧充電し、充電電流が0.01C相当に到達した時点で、充電を終了した。また、充電後の各電池試料を、1C相当電流で定電流放電し、セル電圧が1.5Vになった時点で、放電を終了した。そして、3C相当電流で定電流充電し、充電前電圧と10秒充電後電圧の差を、3C相当電流で除して、10秒直流抵抗(充電抵抗)を算出した。
また、各電池試料の負極活物質層中のバインダーについて、「〈負極活物質層〉」で説明した方法で、2次粒子の分散径を求めた。電極の断面の加工には、株式会社日立ハイテクノロジーズ製イオンミリング装置(IM4000PLUS)を用いた。各電池試料の加工後の断面を、株式会社日立ハイテクノロジーズ製FE-SEM装置(Regulus SU8230)を用いて、二次電子像及び反射電子像を取得した。観察倍率は1000倍であった。図1は、負極活物質層の断面のFE-SEM像の一例を示す説明図である。図2は、図1のFE-SEM像を二値化した一例を示す説明図である。図2において、暗視野が、バインダーの2次粒子の領域を示す。図3は、各電池試料について、バインダーの2次粒子の分散径の分布を示すグラフである。
結果を表1に示す。表1には、負極合剤ペーストの生成に用いるバインダー分散液の生成方法を併記した。
Figure 2022128794000002
表1及び図3から、得られた負極活物質層中のバインダーについて、次のことが理解できる。
スターラーで攪拌後、超音波ホモジナイザー又は回転刃を有する混合器でさらに攪拌すると、それらの攪拌を常温で行っても、分散径の大きい2次粒子の存在割合が小さくなっていることを理解できる(実施例1及び3)。また、スターラーでの攪拌を高温(40℃)で行うと、超音波ホモジナイザー又は回転刃を有する混合器(フィルミックス)でさらに攪拌しなくても、分散径の大きい2次粒子の存在割合が小さくなっていることを理解できる(実施例2)。そして、バインダーの2次粒子の分散径がこのような分布を示す実施例1~3の負極活物質層を備える電池試料(全固体電池)では、充電抵抗が低減されていることを理解できる。
一方、スターラーでの攪拌を常温で行うと、その後、超音波ホモジナイザー又は回転刃を有する混合器(フィルミックス)でさらに攪拌しない場合には、分散径の大きい2次粒子の存在割合が高くなることを理解できる(比較例1)。そして、バインダーの2次粒子の分散径がこのような分布を示す比較例1の負極活物質層を備える電池試料(全固体電池)では、充電抵抗が高いことを理解できる。
以上の結果から、本開示の全固体電池の効果を確認できた。

Claims (1)

  1. 負極活物質、固体電解質、及びバインダーを含有する負極活物質層を備えており、
    前記負極活物質層中で、前記バインダーの1次粒子が、2次粒子を形成して分散しており、かつ、
    前記バインダーが、前記2次粒子の全数に対して、0.05~0.11μmの分散径を有する前記2次粒子を36.8%以上含有し、かつ、0.12~0.36μmの分散径を有する前記2次粒子を25.4%以下含有する、
    全固体電池。
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