JP2022128036A - 単位セル、及びそれを含む積層体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池用の単位セルの製造工程の簡素化を図る。【解決手段】単位セル10は、電解質膜・電極構造体17が樹脂枠部材24に保持されて構成される樹脂枠付電解質膜・電極構造体12と、樹脂枠付電解質膜・電極構造体12を互いの間に挟む第1セパレータ14、第2セパレータ16とを備える。樹脂枠部材24には窓部26が形成されており、窓部26の内周縁部24aは、電解質膜・電極構造体17を構成する第1電極(20)の外周縁部(20c)と、電解質膜18の外周縁部(18c)との間に進入する。また、電解質膜・電極構造体17を構成する第2電極(22)側には、凸部(44)が設けられた第2セパレータ16が配置される。該凸部と樹脂枠部材は、ホットメルト28を介して接合される。【選択図】図2
Description
本発明は、第1セパレータと第2セパレータの間に樹脂枠付電解質膜・電極構造体を挟んで構成される燃料電池用の単位セル及びその製造方法に関する。
燃料電池の単位セルは、電解質膜の一端面にアノード電極が配置され且つ他端面にカソード電極が配置されてなる電解質膜・電極構造体(MEA)が1組のセパレータで挟持されることで構成される。通常、燃料電池は、この単位セルが所定個数で積層されることで燃料電池スタックとして構成され、例えば、燃料電池車両(燃料電池電気自動車等)に組み込まれる。
電解質膜は薄膜であるので、MEAの外周から電解質膜が露出する構造を採用した場合には、電解質膜が撓み易くなり、また、損傷を受け易くなる。そこで、MEAの取り扱いを容易にするべく、近時、MEAの外周に樹脂枠部材を組み込んで樹脂枠付電解質膜・電極構造体とすることが提案されている。この場合、剛性を示す樹脂枠部材によってMEAが保持されるので、MEAをセパレータで挟む作業等が容易となる。しかも、高価である電解質膜の面積を小さくして材料を節約することが可能となるので、コストの低廉化を図ることができる。
特許文献1の図2には、開口面積が小さな第1窓部が形成された第1枠部材と、第1窓部に比して開口面積が大きな第2窓部が形成された第2枠部材とで構成されたフィルム状の樹脂枠部材が示されている。この場合、第1枠部材と第2枠部材は、接着剤を介して接合される。その後、第1窓部の片面側がアノード電極で覆われ、残る片面側が電解質膜及びカソード電極で覆われる。これにより、樹脂枠付電解質膜・電極構造体が得られる。
第1枠部材の前記残る片面側に設けられ、第2窓部から露呈した接着剤は、電解質膜に付着する。すなわち、電解質膜の外周縁部は、第1枠部材と第2枠部材を接合する接着剤を介して、第1枠部材の内周縁部に接合される。
セパレータと第1枠部材、第2枠部材は、レーザ溶接によって接合される。すなわち、セパレータの外方からレーザ光が照射されるとともに、このレーザ光によってセパレータの温度が局所的に上昇し、該セパレータに当接する第1枠部材、第2枠部材が溶融する。レーザ光の照射を停止してレーザ光入射部位が冷却固化することに伴い、セパレータと第1枠部材、第2枠部材が接合されるに至る。
本発明は上記した技術に関連してなされたもので、製造工程を簡素化することが可能な構成の燃料電池用の単位セル、及びそれを含む積層体の製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の一実施形態によれば、第1電極と第2電極の間に電解質膜を挟んだ電解質膜・電極構造体が樹脂枠部材に保持された樹脂枠付電解質膜・電極構造体と、前記樹脂枠付電解質膜・電極構造体を互いの間に挟む第1セパレータ、第2セパレータとを備える燃料電池用の単位セルであって、
前記第1セパレータが前記第1電極側に設けられるとともに、前記第2セパレータが前記第2電極側に設けられ、
前記樹脂枠部材に窓部が形成され、且つ前記窓部の内周縁部が前記第1電極の外周縁部と前記電解質膜の外周縁部の間に進入することで、該内周縁部の一端面が前記第1電極の外周縁部に臨むとともに、他端面がホットメルトを介して前記電解質膜の外周縁部に臨み、
前記他端面に、前記第2セパレータに設けられて前記樹脂枠部材に向かって突出した凸部が、前記他端面の少なくとも一部に設けられた前記ホットメルトを介して接合された単位セルが提供される。
前記第1セパレータが前記第1電極側に設けられるとともに、前記第2セパレータが前記第2電極側に設けられ、
前記樹脂枠部材に窓部が形成され、且つ前記窓部の内周縁部が前記第1電極の外周縁部と前記電解質膜の外周縁部の間に進入することで、該内周縁部の一端面が前記第1電極の外周縁部に臨むとともに、他端面がホットメルトを介して前記電解質膜の外周縁部に臨み、
前記他端面に、前記第2セパレータに設けられて前記樹脂枠部材に向かって突出した凸部が、前記他端面の少なくとも一部に設けられた前記ホットメルトを介して接合された単位セルが提供される。
また、本発明の別の一実施形態によれば、第1電極と第2電極の間に電解質膜を挟んだ電解質膜・電極構造体が樹脂枠部材に保持された樹脂枠付電解質膜・電極構造体と、前記樹脂枠付電解質膜・電極構造体を互いの間に挟む第1セパレータ、第2セパレータとを備える燃料電池用の単位セルが積層された積層体の製造方法であって、
前記樹脂枠部材に窓部が形成され、且つ前記窓部の内周縁部が前記第1電極の外周縁部と前記電解質膜の外周縁部の間に進入することで、該内周縁部の一端面が前記第1電極の外周縁部に臨むとともに、他端面が前記電解質膜の外周縁部に臨み、且つ前記他端面の少なくとも一部にホットメルトが接合された樹脂枠付電解質膜・電極構造体を得る工程と、
前記第2セパレータに設けられた凸部を、前記ホットメルトに当接させる工程と、
前記ホットメルトに対して熱を付与し、前記ホットメルトを介して前記樹脂枠部材と前記電解質膜を接合する工程と、
を有する積層体の製造方法が提供される。
前記樹脂枠部材に窓部が形成され、且つ前記窓部の内周縁部が前記第1電極の外周縁部と前記電解質膜の外周縁部の間に進入することで、該内周縁部の一端面が前記第1電極の外周縁部に臨むとともに、他端面が前記電解質膜の外周縁部に臨み、且つ前記他端面の少なくとも一部にホットメルトが接合された樹脂枠付電解質膜・電極構造体を得る工程と、
前記第2セパレータに設けられた凸部を、前記ホットメルトに当接させる工程と、
前記ホットメルトに対して熱を付与し、前記ホットメルトを介して前記樹脂枠部材と前記電解質膜を接合する工程と、
を有する積層体の製造方法が提供される。
本発明によれば、樹脂枠部材と第2セパレータとを、ホットメルトを介して接合するようにしている。このため、第2セパレータを樹脂枠部材に接合する際に一般的に実施されるレーザ溶接等を行う必要がない。この分、単位セルの製造工程が簡素となり且つ短時間で実施できるようになるので、レーザ溶接を行って単位セルを作製する場合と同時間内であれば、一層多数個の単位セルを作製することができる。これにより、単位セルの生産効率の向上を図ることができる。
また、高価なレーザ溶接装置が不要となることから、単位セルを製造する設備が簡素となる。しかも、設備投資の低廉化を図ることもできる。
以下、本発明に係る単位セルにつき、該単位セルを含む積層体の製造方法との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1及び図2は、それぞれ、本実施の形態に係る単位セル10の要部分解斜視図、図1中のII-II線矢視断面図である。この単位セル10は固体高分子型燃料電池用のものであり、通常、所定個数が積層されることで燃料電池スタックとして構成される。しかしながら、1個の単位セル10のみで燃料電池を構成することも可能である。
単位セル10は、樹脂枠付電解質膜・電極構造体(以下、「樹脂枠付MEA」とも表記する)12と、樹脂枠付MEA12の両側に配置された第1セパレータ14、第2セパレータ16とを備える。換言すれば、単位セル10では、樹脂枠付MEA12が第1セパレータ14及び第2セパレータ16により挟持される。この場合、樹脂枠付MEA12、第1セパレータ14及び第2セパレータ16は横長の長方形形状をなし、このため、単位セル10は、横長の長方形形状である。なお、単位セル10は縦長であってもよいし、正方形形状であってもよい。
第1セパレータ14及び第2セパレータ16は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、チタン板、めっき処理鋼板、あるいはその表面に防食用の表面処理を施した金属板で構成される。
樹脂枠付MEA12は、電解質膜・電極構造体(以下、「MEA」とも表記する)17と、MEA17の外周部に接合されるとともに該外周部を周回する樹脂枠部材24とを備える。MEA17は、電解質膜18と、電解質膜18の一方の面18aに設けられたアノード電極(第1電極)20と、電解質膜18の他方の面18bに設けられたカソード電極(第2電極)22とを有する。
電解質膜18は、例えば、固体高分子電解質膜(陽イオン交換膜)である。固体高分子電解質膜は、例えば、水分を含んだパーフルオロスルホン酸の薄膜である。電解質膜18は、アノード電極20及びカソード電極22に挟持される。電解質膜18の素材としては、フッ素系電解質の他、HC(炭化水素)系電解質を採用することができる。
この場合、アノード電極20は、電解質膜18及びカソード電極22よりも大きな外形寸法(C方向に沿う高さとB方向に沿う奥行。以下同じ)を有する。従って、アノード電極20の外周縁部20cは、電解質膜18及びカソード電極22の外縁端面18e、22eから突出する。
アノード電極20は、電解質膜18の一方の面18aに接合される第1電極触媒層20aと、第1電極触媒層20aが積層された第1ガス拡散層20bとを有する。第1電極触媒層20a及び第1ガス拡散層20bは、互いに同一の外形寸法を有するとともに、上記したように、電解質膜18及びカソード電極22よりも大きな外形寸法に設定される。
カソード電極22は、電解質膜18の面18bに接合される第2電極触媒層22aと、前記第2電極触媒層22aが積層された第2ガス拡散層22bとを有する。第2電極触媒層22a及び第2ガス拡散層22bは、互いに同一の外形寸法を有するとともに、電解質膜18と同一の外形寸法に設定される。従って、図2に示すように、電解質膜18とカソード電極22の外周縁部18c、22c同士の位置が揃う(重なる)。また、カソード電極22の外縁端面22e及び電解質膜18の外縁端面18eは、アノード電極20の外縁端面20eよりも内方に位置する。
第1電極触媒層20aは、例えば、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が、イオン導電性高分子バインダとともに第1ガス拡散層20bの表面に一様に塗布されて形成される。第2電極触媒層22aは、例えば、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が、イオン導電性高分子バインダとともに第2ガス拡散層22bの表面に一様に塗布されて形成される。
第1ガス拡散層20b及び第2ガス拡散層22bは、カーボンペーパ又はカーボンクロス等から形成される。第2ガス拡散層22bの外形寸法は、第1ガス拡散層20bの外形寸法よりも小さく設定される。第1電極触媒層20a及び第2電極触媒層22aは、電解質膜18の各端面に臨む。
樹脂枠部材24は1個の板材からなり、その略中央部に、窓部26が厚み方向(積層方向であるA方向)に沿って貫通形成されている。このため、樹脂枠部材24の外形は矩形状をなす。樹脂枠部材24の素材である樹脂材の好適な具体例としては、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PPA(ポリフタルアミド)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルフォン)、LCP(リキッドクリスタルポリマー)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、m-PPE(変性ポリフェニレンエーテル樹脂)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)又は変性ポリオレフィン等が挙げられる。
樹脂枠部材24における窓部26の周縁の部位である内周縁部24aは、アノード電極20の外周縁部20cと、電解質膜18の外周縁部18cとに挟まれる。換言すれば、内周縁部24aは、アノード電極20の外周縁部20cと、電解質膜18の外周縁部18cとの間に進入している。このため、樹脂枠部材24の一端面はアノード電極20の外周縁部20cに臨み、他端面は電解質膜18の外周縁部18cに臨む。以下、前記一端面を電極側端面、前記他端面を電解質側端面と指称し、各々の参照符号を24sA、24sEとする。
アノード電極20の外周縁部20cは、電解質膜18の外周縁部18cから離間して、樹脂枠部材24の電極側端面24sAの内周縁部24aに乗り上げるような形状となっている。このため、アノード電極20には、電極側端面24sAの内周縁部24aに重なる箇所の近傍に、電解質膜18から離間して第1セパレータ14に接近するように傾斜した傾斜領域27が形成される。勿論、傾斜領域27において、第1電極触媒層20a及び第1ガス拡散層20bは、電解質膜18から離間するように傾斜している。
一方、電解質膜18及びカソード電極22は、全体に亘って略平坦状に形成される。すなわち、カソード電極22の、内周縁部24aに重なる領域(第2電極触媒層22a及び第2ガス拡散層22b)と、電解質膜18は、電解質側端面24sEに対して略平行である。なお、アノード電極20の外周縁部20c及びカソード電極22の外周縁部22cは、電解質膜18から離間するように傾斜していてもよい。
樹脂枠部材24の内周縁部24aと電解質膜18の外周縁部18cとは、電解質側端面24sEに設けられたホットメルト28を介して接合される(後述)。一方、電極側端面24sAとアノード電極20(第1電極触媒層20a)との間には、ホットメルト28等の接着層は特に設けられていない。すなわち、第1電極触媒層20aは電極側端面24sAに当接するのみであり、接合はされていない。
図1に示すように、単位セル10の矢印B方向(水平方向)の一端縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体入口連通孔32a及び燃料ガス出口連通孔34bが設けられる。酸化剤ガス入口連通孔30aには、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスが供給される一方、冷却媒体入口連通孔32aには、冷却媒体が供給される。燃料ガス出口連通孔34bからは、燃料ガス、例えば、水素含有ガスが排出される。酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体入口連通孔32a及び燃料ガス出口連通孔34bは、矢印C方向(鉛直方向)に配列して設けられる。
単位セル10の矢印B方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスが供給される燃料ガス入口連通孔34a、冷却媒体を排出する冷却媒体出口連通孔32b、酸化剤ガスを排出する酸化剤ガス出口連通孔30bが設けられる。燃料ガス入口連通孔34a、冷却媒体出口連通孔32b及び酸化剤ガス出口連通孔30bは、矢印C方向に配列して設けられる。
第2セパレータ16の樹脂枠付MEA12に臨む面16aには、酸化剤ガス入口連通孔30aと酸化剤ガス出口連通孔30bとに連通する酸化剤ガス流路36が設けられる。具体的に、酸化剤ガス流路36は、第2セパレータ16と樹脂枠付MEA12との間に形成される。酸化剤ガス流路36は、矢印B方向に延在する複数本の直線状流路溝(又は波状流路溝)を有する。
第1セパレータ14の樹脂枠付MEA12に臨む面14aには、燃料ガス入口連通孔34aと燃料ガス出口連通孔34bとに連通する燃料ガス流路38が設けられる。具体的に、燃料ガス流路38は、第1セパレータ14と樹脂枠付MEA12との間に形成される。燃料ガス流路38は、矢印B方向に延在する複数本の直線状流路溝(又は波状流路溝)を有する。
単位セル10が積層されたとき、1個の単位セル10を構成する第1セパレータ14の面14bと、これに隣接する単位セル10を構成する第2セパレータ16の面16bとの間には、冷却媒体入口連通孔32aと冷却媒体出口連通孔32bとに連通する冷却媒体流路40が、矢印B方向に延在して形成される。
図2に示すように、第1セパレータ14の、樹脂枠付MEA12と対向する面14aには、燃料ガス流路38を形成する突出部39が複数設けられる。突出部39は、アノード電極20側に向かって膨出するとともにアノード電極20に当接する。第2セパレータ16の、樹脂枠付MEA12と対向する面16aには、酸化剤ガス流路36を形成する突出部37が複数設けられる。突出部37は、カソード電極22側に向かって膨出するとともにカソード電極22に当接する。これら突出部37、39間に、MEA17が挟持される。
第1セパレータ14の面14aには、この第1セパレータ14の外周部を周回する第1ビードシール42(凸部)が一体に成形される。第1ビードシール42は、樹脂枠部材24に向かって膨出するとともに、その頂部に設けられたゴムシール43aを介して樹脂枠部材24に当接する。この際、第1ビードシール42は、弾性変形することによってシール機能を発現する。すなわち、第1セパレータ14の面14aと樹脂枠部材24の間が気密及び液密にシールされる。
また、第1ビードシール42は、外側ビード部42aと、外側ビード部42aよりも内側に設けられた内側ビード部42bとを有する。内側ビード部42bは、燃料ガス流路38、燃料ガス入口連通孔34a及び燃料ガス出口連通孔34bを周回し且つこれらを連通させる。各ビード部42a、42bの断面形状は、先端側(樹脂枠部材24側)に向かって先細り形状である。各ビード部42a、42bの先端は、平坦形状(湾曲形状でもよい)を有する。外側ビード部42aを省略するようにしてもよい。この場合、第1ビードシール42は、内側ビード部42bのみのいわゆる単シール構造となる。
第2セパレータ16の面16aには、この第2セパレータ16の外周部を周回する第2ビードシール44(凸部)が一体に成形される。第1ビードシール42と第2ビードシール44は、樹脂枠部材24を介して対向する。すなわち、樹脂枠部材24は、第1ビードシール42と第2ビードシール44との間に挟持される。
第2ビードシール44は、樹脂枠部材24に向かって膨出するとともに、その頂部に設けられたゴムシール43bを介して樹脂枠部材24に当接する。この際、第2ビードシール44は、弾性変形することによってシール機能を発現する。すなわち、第2セパレータ16の面16aと樹脂枠部材24の間が気密及び液密にシールされる。
また、第2ビードシール44は、外側ビード部44aと、外側ビード部44aよりも内側に設けられた内側ビード部44bとを有する。内側ビード部44bは、酸化剤ガス流路36、酸化剤ガス入口連通孔30a及び酸化剤ガス出口連通孔30bを周回し且つこれらを連通させる。各ビード部44a、44bの断面形状は、先端側(樹脂枠部材24側)に向かって先細り形状である。各ビード部44a、44bの先端は、平坦形状(湾曲形状でもよい)を有する。外側ビード部44aを省略するようにしてもよい。この場合、第2ビードシール44は、内側ビード部44bのみのいわゆる単シール構造となる。
以上の構成において、樹脂枠部材24の電解質側端面24sEには、少なくとも、電解質膜18に対向する部位(内周縁部24a)と、内側ビード部44b、外側ビード部44aに対向する部位とに、ホットメルト28が設けられる。
すなわち、電解質膜18の外周縁部18cは、樹脂枠部材24における電解質側端面24sEの内周縁部24aに対し、ホットメルト28を介して接合される。なお、第2セパレータ16に設けられた内側ビード部44b、外側ビード部44aは、電解質側端面24sEに対し、ホットメルト28とゴムシール43bを介して接合される。また、第1セパレータ14に設けられた内側ビード部42b、外側ビード部42aは、電極側端面24sAに対し、ゴムシール43aを介して接合される。
ホットメルト28は常温で固体であり、加熱される(熱が付与される)ことに伴って溶融する、いわゆる熱可塑性樹脂からなる。その後、熱が除去されると温度低下を起こし、これに伴って固化する。この冷却固化により、電解質膜18の外周縁部18cと、樹脂枠部材24における電解質側端面24sEの内周縁部24aとが接合される。
このように構成される単位セル10を含む燃料電池スタック(ないし燃料電池)は、以下のように動作する。
図1に示すように、酸化剤ガス入口連通孔30aに酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス入口連通孔34aに水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。さらに、冷却媒体入口連通孔32aに純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。
酸化剤ガスは、酸化剤ガス入口連通孔30aから第2セパレータ16の酸化剤ガス流路36に導入され、矢印B方向に移動してMEA17のカソード電極22に供給される。一方、燃料ガスは、燃料ガス入口連通孔34aから第1セパレータ14の燃料ガス流路38に導入される。燃料ガスは、燃料ガス流路38に沿って矢印B方向に移動し、MEA17のアノード電極20に供給される。
従って、MEA17では、カソード電極22に供給される酸化剤ガスと、アノード電極20に供給される燃料ガスとが、第2電極触媒層22a及び第1電極触媒層20a内で電気化学反応により消費されて、発電が行われる。
次いで、図1において、カソード電極22に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス出口連通孔30bに沿って矢印A方向に排出される。同様に、アノード電極20に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス出口連通孔34bに沿って矢印A方向に排出される。
また、冷却媒体入口連通孔32aに供給された冷却媒体は、第1セパレータ14と第2セパレータ16との間の冷却媒体流路40に導入された後、矢印B方向に流通する。この冷却媒体は、MEA17を冷却した後、冷却媒体出口連通孔32bから排出される。
次に、上記のように構成される単位セル10を含む積層体の製造方法につき、図3に示される概略フローも参照して説明する。
本実施の形態に係る積層体の製造方法は、樹脂枠付MEA12を得る作製工程S1と、樹脂枠付MEA12の電解質側端面24sEに設けられたホットメルト28に第2セパレータ16の第2ビードシール44を当接させる当接工程S2と、ホットメルト28に対して熱を付与する接合工程S3とを有する。なお、作製工程S1での作業又は操作は、図示しないロボットの作用下に自動的に遂行される。
作製工程S1では、はじめに、アノード電極20、カソード電極22を得る。ここで、アノード電極20は、例えば、第1ガス拡散層20bの一端面に第1電極触媒層20aが予め設けられたロール体の一部が切り出されることで得られる。一方、カソード電極22は、例えば、第2ガス拡散層22bの一端面に第2電極触媒層22a、電解質膜18がこの順序で予め積層されたロール体の一部が切り出されることで、カソード電極22と電解質膜18の積層体として得られる。
その一方で、樹脂枠部材24の電解質側端面24sEの内周縁部24aや、内側ビード部44b、外側ビード部44aに対向する部位に、ホットメルト28を枠形状に設ける。上記したように、電解質側端面24sEの全域に亘ってホットメルト28を設けるようにしてもよい。
次に、窓部26の中央を電解質膜18の中央に合わせた後、樹脂枠部材24を電解質膜18に相対的に接近させることにより、内周縁部24aに設けられたホットメルト28に対し、電解質膜18の外周縁部18cを当接させる。窓部26の外形寸法が電解質膜18及びカソード電極22に比して小さいので、内周縁部24aと外周縁部18cが重畳部を有し、窓部26の電解質側端面24sE側の開口が積層体(電解質膜18及びカソード電極22)で閉塞される。
これとは別に、図4に示すように、アノード電極20を載置板50の所定位置に位置決め固定する。この際、第1ガス拡散層20bが載置板50に臨み、第1電極触媒層20aが上方を臨むようにする。なお、位置決め固定は、例えば、真空吸着によって行われる。このためには、載置板50として吸気孔(図示せず)が形成されたものを用いるとともに、図示しない真空ポンプ等の真空発生装置で前記吸気孔を介して吸気を行えばよい。
次に、電解質側端面24sEにカソード電極22を載置した樹脂枠部材24を、電極側端面24sAが下方、電解質側端面24sEが上方を臨む姿勢とし、アノード電極20の上方に搬送する。さらに、樹脂枠部材24をアノード電極20に向かって下降させる。窓部26の外形寸法がアノード電極20に比して小さいので、アノード電極20の外周縁部20cが、電極側端面24sAの内周縁部24aに当接する。以上により、樹脂枠付MEA12の半製品が得られる。なお、図4では、理解を容易にするべく樹脂枠付MEA12を分解して示している。
次に、半製品に対してホットプレスを施す。すなわち、加圧と加熱を同時に行う。これにより、アノード電極20の第1電極触媒層20aが電解質膜18に接合されると同時に、電解質膜18の外周縁部18cが、樹脂枠部材24の電解質側端面24sEの内周縁部24aに対し、ホットメルト28を介して接合される。この時点で、図2に示される傾斜領域27が形成される。
さらに、樹脂枠部材24の所定箇所に連通孔30a、30b、32a、32b、34a、34bが形成されることにより、樹脂枠付MEA12が得られる。
これとは別に、第1セパレータ14、第2セパレータ16を、例えば、金属板に対してプレス成形加工を行うことによって作製する。連通孔30a、30b、32a、32b、34a、34b、酸化剤ガス流路36、燃料ガス流路38、冷却媒体流路40、第1ビードシール42、第2ビードシール44等は、この時点で形成される。そして、得られた第2セパレータ16の第2ビードシール44(内側ビード部44b、外側ビード部44a)の頂部に対し、シリコーンゴム等のゴムシール43bを塗布する。また、第1セパレータ14の第1ビードシール42(内側ビード部42b、外側ビード部42a)に対しても同様に、シリコーンゴム等のゴムシール43aを塗布する。
以上のようにして得られた樹脂枠付MEA12と、第1セパレータ14と第2セパレータ16が予め接合された接合セパレータ58(図5参照)とを用い、次工程である当接工程S2を行う。ここで、第1セパレータ14と第2セパレータ16は、冷却媒体が流通する面14b、16b同士がレーザ溶接等で接合される。
この場合、図5に要部を示すホットプレスシステム60が用いられる。ホットプレスシステム60につき概略説明すると、該ホットプレスシステム60は、保持盤62と、吸着盤63が設けられた第1搬送ロボット64と、吸着加熱盤66(保持部材)が設けられた第2搬送ロボット68とを備える。
第1搬送ロボット64は、図示しない真空発生装置を含んで構成されており、該真空発生装置の作用下に吸着盤63を介して吸気を行う。第1搬送ロボット64は、これにより、第1ストッカ70に保管された接合セパレータ58を吸着保持する。なお、保持盤62には、接合セパレータ58の大部分が埋入される収容凹部72が形成される。第1搬送ロボット64は、接合セパレータ58を保持盤62まで搬送し、さらに、該接合セパレータ58を収容凹部72に挿入する。該収容凹部72に挿入された接合セパレータ58の外周端が、収容凹部72の内壁によって位置決めされる。
一方、第2搬送ロボット68に設けられた吸着加熱盤66は、樹脂枠付MEA12を吸着保持する。すなわち、第2搬送ロボット68は図示しない真空発生装置を含んで構成されており、該真空発生装置の作用下に吸着加熱盤66を介して吸気を行うことで、第2ストッカ74に保管された樹脂枠付MEA12を吸着する。第2搬送ロボット68は、図示しない加熱機構をさらに備える。吸着加熱盤66は、加熱機構の作用下に熱を帯びる。換言すれば、温度上昇を起こす。
第2搬送ロボット68は、樹脂枠付MEA12を保持盤62まで搬送し、収容凹部72に挿入された接合セパレータ58に重畳する。この際、第2搬送ロボット68に設けられたカメラ(図示せず)で収容凹部72の位置を画像認識することにより、接合セパレータ58と樹脂枠付MEA12との位置決めを行う。また、第2搬送ロボット68は、接合セパレータ58と樹脂枠付MEA12の接合体を、図示しない所定のストッカやコンベア等に搬送して払い出す役割も担う。第1搬送ロボット64及び第2搬送ロボット68が、制御装置76の制御作用下に動作することは勿論である。
当接工程S2は、ホットプレスシステム60の作用下に、以下のようにして実施される。すなわち、ホットプレスシステム60を構成する第1搬送ロボット64の真空発生装置が付勢される。これにより、第1ストッカ70の接合セパレータ58が、吸着盤63を介して第1搬送ロボット64に吸着保持される。第1搬送ロボット64は、接合セパレータ58を第1ストッカ70から取り出して保持盤62まで搬送し、さらに、図5に示すように、該接合セパレータ58を収容凹部72に挿入する。このとき、接合セパレータ58は、第2セパレータ16の面16aが上方を臨む姿勢である。
その後、真空発生装置が停止されて接合セパレータ58が吸着保持から解放される。さらに、第1搬送ロボット64が保持盤62から退避する。
次に、第2搬送ロボット68を構成する真空発生装置が付勢される。その結果として、第2ストッカ74から樹脂枠付MEA12が吸着加熱盤66に吸着保持されて取り出される。第2搬送ロボット68は、吸着加熱盤66に吸着保持した樹脂枠付MEA12を搬送し、図6に示すように、収容凹部72に挿入された接合セパレータ58の第2セパレータ16上に載置する。勿論、この際には、樹脂枠付MEA12の電解質側端面24sEが第2セパレータ16の面16aに臨む。
従って、電解質側端面24sEに設けられた既存のホットメルト28が、第2セパレータ16の第2ビードシール44(内側ビード部44b、外側ビード部44a)の頂部に対し、ゴムシール43bを介して当接する。この当接をもって、当接工程S2がなされる。この時点で真空発生装置を停止するようにしてもよいが、吸気を続行しても特に差し支えはない。
この状態で、接合工程S3が引き続いて実施される。すなわち、第2搬送ロボット68を構成する加熱機構が付勢され、これに伴って吸着加熱盤66が温度上昇を起こす。その結果、吸着加熱盤66から樹脂枠付MEA12に熱が付与される。従って、樹脂枠部材24の電解質側端面24sEに設けられたホットメルト28が再溶融する。なお、積層された接合セパレータ58と樹脂枠付MEA12に対し、吸着加熱盤66を介して、該吸着加熱盤66の自重を超える所定の加圧力を付与するようにしてもよい。
所定時間が経過した後、加熱機構が停止される。これにより吸着加熱盤66の温度が下降することに伴い、ホットメルト28が冷却固化する。従って、電解質膜18の外周縁部18cと、樹脂枠部材24の電解質側端面24sEの内周縁部24aとがホットメルト28を介して再接合される。同時に、第2セパレータ16の第2ビードシール44(内側ビード部44b、外側ビード部44a)の頂部と、樹脂枠部材24の電解質側端面24sEとが、ホットメルト28とゴムシール43bを介して接合される。これにより、樹脂枠付MEA12と接合セパレータ58との接合体が得られる。
ホットメルト28が冷却固化するに十分な時間が経過した後、第2搬送ロボット68は、吸着加熱盤66の吸着作用下に接合体を上昇させ、収容凹部72から離脱させる。第2搬送ロボット68は、さらに、接合体を、ストッカやコンベア等に搬送して払い出す。
このようにして得られた接合体を順次積層することで、単位セル10が所定個数積層された積層体が得られる。この積層体の両端部に配置されたエンドプレート同士がタイロッド等で緊締されるとともに、第1セパレータ14の第1ビードシール42(内側ビード部42b、外側ビード部42a)や、これに設けられたゴムシール43aにより、樹脂枠付MEA12と第1セパレータ14との間のシールがなされる。
以上のように、本実施の形態においては、樹脂枠部材24と電解質膜18を接合するホットメルト28により、樹脂枠部材24と、接合セパレータ58中の第2セパレータ16とを併せて接合するようにしている。この分、単位セル10の製造工程が簡素となる。従って、多数個の単位セル10を短時間で作製することができる。すなわち、単位セル10の生産効率の向上を図ることができる。
また、レーザ溶接装置が不要となることから、単位セル10を製造する設備が簡素となる。しかも、設備投資の低廉化を図ることもできる。
本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、この実施の形態では、接合セパレータ58の上に樹脂枠付MEA12を重畳し、該樹脂枠付MEA12側から加圧及び加熱を行っているが、樹脂枠付MEA12の上に接合セパレータ58を重畳し、接合セパレータ58側から加圧及び加熱を行うようにしてもよい。
また、アノード電極20の外形寸法を、電解質膜18及びカソード電極22に比して小さく設定するようにしてもよい。この場合、カソード電極22の外縁端面22eが、アノード電極20の外縁端面20eよりも外方に位置する。また、アノード電極20及び電解質膜18が電解質側端面24sEに対して平行となるとともに、傾斜領域27がカソード電極22に形成される。
又は、アノード電極20、電解質膜18及びカソード電極22の外形寸法を同一とし、外縁端面20e、22eの位置を揃えるようにしてもよい。
さらに、第1セパレータ14、第2セパレータ16を得るプレス成形加工を行う際、第1ビードシール42、第2ビードシール44を成形することは必須ではない。換言すれば、第1ビードシール42、第2ビードシール44を有しない第1セパレータ14、第2セパレータ16を作製するようにしてもよい。この場合、第1セパレータ14、第2セパレータ16の面14a、16aに、弾性を有するゴムシールを設ければよい。このように、本発明は、第1ビードシール42、第2ビードシール44に代替し、弾性を有するゴムシールを採用する場合にも適用することが可能である。なお、第1ビードシール42、第2ビードシール44を成形したときには、ゴムシール43a、43bを省略するようにしてもよい。
さらにまた、樹脂枠部材24(樹脂枠付MEA12)に対して加熱を行う際には、ホットメルト28が設けられた部分だけに熱を集中的ないし局所的に付与するようにしてもよい。例えば、第1ビードシール42、第2ビードシール44に対応する部分にのみ、スポットヒータ等によって熱をスポット的に付与してもよい。
10…単位セル 12…樹脂枠付電解質膜・電極構造体
14…第1セパレータ 16…第2セパレータ
17…電解質膜・電極構造体 18…電解質膜
18c…外周縁部 20…アノード電極
20c…外周縁部 22…カソード電極
22c…外周縁部 24…樹脂枠部材
24a…内周縁部 24sA…電極側端面
24sE…電解質側端面 26…窓部
28…ホットメルト 42…第1ビードシール
42a…外側ビード部 42b…内側ビード部
43a、43b…ゴムシール 44…第2ビードシール
44a…外側ビード部 44b…内側ビード部
50…載置板 58…接合セパレータ
60…ホットプレスシステム 62…保持盤
63…吸着盤 64…第1搬送ロボット
66…吸着加熱盤 68…第2搬送ロボット
72…収容凹部
14…第1セパレータ 16…第2セパレータ
17…電解質膜・電極構造体 18…電解質膜
18c…外周縁部 20…アノード電極
20c…外周縁部 22…カソード電極
22c…外周縁部 24…樹脂枠部材
24a…内周縁部 24sA…電極側端面
24sE…電解質側端面 26…窓部
28…ホットメルト 42…第1ビードシール
42a…外側ビード部 42b…内側ビード部
43a、43b…ゴムシール 44…第2ビードシール
44a…外側ビード部 44b…内側ビード部
50…載置板 58…接合セパレータ
60…ホットプレスシステム 62…保持盤
63…吸着盤 64…第1搬送ロボット
66…吸着加熱盤 68…第2搬送ロボット
72…収容凹部
Claims (11)
- 第1電極と第2電極の間に電解質膜を挟んだ電解質膜・電極構造体が樹脂枠部材に保持された樹脂枠付電解質膜・電極構造体と、前記樹脂枠付電解質膜・電極構造体を互いの間に挟む第1セパレータ、第2セパレータとを備える燃料電池用の単位セルであって、
前記第1セパレータが前記第1電極側に設けられるとともに、前記第2セパレータが前記第2電極側に設けられ、
前記樹脂枠部材に窓部が形成され、且つ前記窓部の内周縁部が前記第1電極の外周縁部と前記電解質膜の外周縁部の間に進入することで、該内周縁部の一端面が前記第1電極の外周縁部に臨むとともに、他端面がホットメルトを介して前記電解質膜の外周縁部に臨み、
前記他端面に、前記第2セパレータに設けられて前記樹脂枠部材に向かって突出した凸部が、前記他端面の少なくとも一部に設けられた前記ホットメルトを介して接合された単位セル。 - 請求項1記載の単位セルにおいて、前記他端面に、前記電解質膜の外周縁部が、前記他端面の少なくとも一部に設けられたホットメルトを介してさらに接合された単位セル。
- 請求項1又は2記載の単位セルにおいて、前記凸部がビードシールである単位セル。
- 請求項1~3のいずれか1項に記載の単位セルにおいて、前記凸部の頂部にゴムシールが設けられた単位セル。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載の単位セルにおいて、前記第1電極の外形寸法が前記電解質膜及び前記第2電極に比して大である単位セル。
- 第1電極と第2電極の間に電解質膜を挟んだ電解質膜・電極構造体が樹脂枠部材に保持された樹脂枠付電解質膜・電極構造体と、前記樹脂枠付電解質膜・電極構造体を互いの間に挟む第1セパレータ、第2セパレータとを備える燃料電池用の単位セルが積層された積層体の製造方法であって、
前記樹脂枠部材に窓部が形成され、且つ前記窓部の内周縁部が前記第1電極の外周縁部と前記電解質膜の外周縁部の間に進入することで、該内周縁部の一端面が前記第1電極の外周縁部に臨むとともに、他端面が前記電解質膜の外周縁部に臨み、且つ前記他端面の少なくとも一部にホットメルトが接合された樹脂枠付電解質膜・電極構造体を得る工程と、
前記第2セパレータに設けられた凸部を、前記ホットメルトに当接させる工程と、
前記ホットメルトに対して熱を付与し、前記ホットメルトを介して前記樹脂枠部材と前記電解質膜を接合する工程と、
を有する積層体の製造方法。 - 請求項6記載の製造方法において、前記ホットメルトの、前記凸部に当接した部分に対してスポット的に熱を付与する積層体の製造方法。
- 請求項6又は7記載の製造方法において、前記樹脂枠部材と前記電解質膜を接合する際、前記他端面の少なくとも一部に設けられたホットメルトを介して前記樹脂枠部材と前記凸部とを接合する積層体の製造方法。
- 請求項6~8のいずれか1項に記載の製造方法において、前記凸部の頂部にゴムシールを設ける積層体の製造方法。
- 請求項6~9のいずれか1項に記載の製造方法において、前記第1セパレータと前記第2セパレータを接合した接合セパレータ、又は前記樹脂枠付電解質膜・電極構造体のいずれかを保持する保持部材を加熱することで、前記ホットメルトに対して熱を付与する積層体の製造方法。
- 請求項10記載の製造方法において、前記保持部材として、吸気孔からの吸気によって前記接合セパレータ又は前記樹脂枠付電解質膜・電極構造体のいずれかを吸着するものを用いる積層体の製造方法。
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