JP2022126024A - 蓋材及びそれを用いた容器 - Google Patents

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雅子 土田
Masako Tsuchida
康司 大塚
Yasushi Otsuka
厚太 渡邉
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Abstract

【課題】環境負荷を低減できるとともに容器の部品点数を削減できる蓋材及びそれを用いた容器を提供する。【解決手段】紙製のブランク板30を折曲して形成され、開口部2aの周囲にフランジ部2bを有した有底筒状の容器本体2に被嵌して容器本体2を密封する蓋材10であって、フランジ部2bに熱接着可能な熱接着性樹脂層33を下面に設けた上面板11と、上面板11の周縁から下方に屈曲する環状の周壁部23と、周壁部23の下端から屈曲して上面板11に対向する環状の底面部22とを備え、底面部22が内周側に開放端を有して上下に変位可能な複数の係合片12dを有する。【選択図】図5

Description

本発明は、蓋材及び蓋材を容器本体に被嵌した容器に関する。
ヨーグルト等の従来の容器は特許文献1に開示される。この容器は容器本体、内蓋及び外蓋を備える。容器本体は紙の内面側にポリエチレンを配した用紙により、口部の周囲にフランジを設けた有底筒状に形成される。内蓋は紙の内面側にポリエチレンを配した積層紙により形成され、フランジに熱接着される。外蓋は樹脂成形品により形成され、容器本体のフランジに嵌合する。
外蓋を取り外して内蓋をフランジから剥離することにより、内容物を取り出すことができる。また、外蓋を閉じて内容物の残った容器を保管することができる。
実全昭57-140384号(第3頁-第10頁、第9図)
しかしながら、上記従来の容器によると、外蓋が樹脂成形品により形成されるため、環境負荷が大きくなる問題があった。また、容器本体を密封して再封するために内蓋及び外蓋を必要とし、部品点数が多い問題もあった。
本発明は、環境負荷を低減できるとともに容器の部品点数を削減できる蓋材及びそれを用いた容器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、紙製のブランク板を折曲して形成され、開口部の周囲にフランジ部を有した有底筒状の容器本体に被嵌して前記容器本体を密封する蓋材であって、前記フランジ部に熱接着可能な熱接着性樹脂層を下面に設けた上面板と、前記上面板の周縁から下方に屈曲する環状の周壁部と、前記周壁部の下端から屈曲して前記上面板に対向する環状の底面部とを備え、前記底面部が内周側に開放端を有して上下に変位可能な複数の係合片を有することを特徴としている。
また本発明は上記構成の蓋材において、前記底面部が内縁から外側に延びて周方向に並設される複数の切込みを有し、前記係合片が隣接する前記切込みにより形成されることを特徴としている。
また本発明は上記構成の蓋材において、前記係合片が前記底面部の内縁から内側に突出することを特徴としている。
また本発明は上記構成の蓋材において、前記係合片の内端が前記フランジ部の外縁よりも内側に配されることを特徴としている。
また本発明は上記構成の蓋材において、前記上面板の周縁から折曲される複数の側面板と、各前記側面板の下端から折曲される複数の下面板とを備え、複数の前記側面板により前記周壁部が形成され、隣接する前記下面板の端部を接着して前記底面部が形成されることを特徴としている。
また本発明の容器は、上記各構成の蓋材と、前記蓋材を被嵌される容器本体とを備え、前記上面板が前記熱接着性樹脂層によって前記フランジ部に接着され、前記係合片が前記フランジ部に係合することを特徴としている。
本発明によると、容器本体に被嵌される蓋材が熱接着性樹脂層を設けた紙製であるため、環境負荷を低減するとともに容器の部品点数を削減することができる。また、蓋材の底面部が内周側に開放端を有して上下に変位可能な複数の係合片を有するので、蓋材を容器本体に被嵌した際に係合片がフランジ部に係合する。これにより、再封時の蓋材を抜け止めすることができる。
本発明の第1実施形態の容器を示す斜視図 本発明の第1実施形態の容器を示す正面図 本発明の第1実施形態の容器の蓋材のブランク板を示す平面図 本発明の第1実施形態の容器の蓋材の層構成を示す断面図 本発明の第1実施形態の容器の蓋材を示す斜視図 本発明の第1実施形態の容器の蓋材を示す底面図 本発明の第2実施形態の容器の蓋材を示す底面図
<第1実施形態>
以下に図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1、図2は第1実施形態の容器の斜視図及び正面図を示している。容器1はヨーグルト、ジャム等の粘稠物の内容物を密封して収納する。容器1は容器本体2及び蓋材10を備えている。
容器本体2は紙基材の内面に樹脂層を配した積層紙により、上面に開口部2aを有した有底筒状に形成される。開口部2aの周囲には外側に突出した環状のフランジ部2bが設けられる。フランジ部2bの周縁は四隅にR形状の曲線部2cを有した略矩形に形成される。
蓋材10は上面板11、底面部22、周壁部23を備えた箱状に形成される。上面板11は平面視矩形に形成される。周壁部23は上面板11の周縁から下方に屈曲し、蓋材10の側方を囲む環状に形成される。底面部22は周壁部23の下端から屈曲して上面板11に対向する。底面部22は環状に形成され、底面部22の内側に容器本体2のフランジ部2bが挿入される窓部16(図5参照)が開口する。
周壁部23が蓋材10の側方を囲む環状に形成されるため、蓋材10の剛性を高くして蓋材10の変形を抑制することができる。尚、周壁部23の一部が開口してもよい。この時、少なくとも前後方向に対向する複数の面及び左右方向に対向する複数の面に後述する側面板13を配して環状の周壁部23が形成される。
蓋材10は紙製のブランク板30(図3参照)を折曲して形成される。図3はブランク板30の平面図であり、図4はブランク板30の積層構造を示す断面図である。ブランク板30はカード紙等の板紙から成る紙基材32の一面に熱接着性樹脂から成る熱接着性樹脂層33を積層して形成される。紙基材32の坪量は例えば、150~500g/m2である。熱接着性樹脂層33として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンとの混合樹脂等を用いることができる。熱接着性樹脂層33の厚みは例えば、20~60μmである。尚、熱接着性樹脂層33をブランク板30の全面に設けているが、上面板11のみに設けてもよい。
ブランク板30は矩形の上面板11の各辺にそれぞれ側面板13が折り線31を介して連設され、各側面板13の外側に下面板12が折り線31を介して連設される。側面板13によって周壁部23(図2参照)が形成され、下面板12により底面部22(図2参照)が形成される。
下面板12には周方向に所定周期で切込み12aが設けられる。切込み12aは下面板12の外縁上(底面部22の内縁上)から隣接する側面板13の方向に延びて形成される。
図5、図6は容器本体2(図1参照)に装着する前の蓋材10の下方から見た斜視図及び底面図を示している。ブランク板30は熱接着性樹脂層33を内面側に配して折り線31上で折曲される。即ち、上面板11から各側面板13が下方に折曲され、各側面板13の下端から下面板12が内側に折曲される。そして、隣接する下面板12が両端部の接着領域18でホットメルト等の接着剤により接着される。これにより、箱状の蓋材10が形成される。側面板13によって周囲を囲む環状の周壁部23が形成され、下面板12によって上面板11に対向した環状の底面部22が形成される。
蓋材10の下面には底面部22の内縁によって形成される矩形の窓部16が開口する。また、切込み12aは底面部22の内縁(窓部16の周縁)から外側に延びて周方向に並設される。隣接する切込み12a間には底面部22の内周側に開放端を有して弾性により上下に変位可能な複数の係合片12dが形成される。この時、係合片12dの内端はフランジ部2bの外縁よりも内側に配される。
蓋材10を容器本体2に装着する際にフランジ部2bが窓部16に挿入される。窓部16の周囲には切込み12aが設けられるため、フランジ部2bによって切込み12a間の係合片12dが上下方向に変位して窓部16が押し広げられる。これにより、蓋材10が窓部16を介して容器本体2に被嵌される。この時、係合片12dがフランジ部2bの外縁よりも内側に進入してフランジ部2bに係合する。
次に、容器本体2に被嵌された蓋材10は上面板11の上方から加熱され、上面板11が下面に配した熱接着性樹脂層33によりフランジ部2bに熱接着される。これにより、容器本体2が蓋材10によって密封される。
また、フランジ部2bに熱接着された蓋材10を上方に引くと、フランジ部2bから上面板11が引き剥がされる。これにより、容器1を開封して内容物を取り出すことができる。そして、蓋材10を閉じることにより容器1が再封され、内容物の残った容器1を保管することができる。この時、係合片12dがフランジ部2bに係合して蓋材10が抜け止めされる。
本実施形態によると、容器本体2に被嵌される蓋材10が熱接着性樹脂層33を設けた紙製であるため、環境負荷を低減するとともに容器1の部品点数を削減することができる。また、蓋材10の底面部22が内周側に開放端を有して上下に変位可能な複数の係合片12dを有するので、蓋材10を容器本体2に被嵌した際に係合片12dがフランジ部2bに係合する。これにより、再封時の蓋材10を抜け止めすることができる。
また、底面部22が内縁から外側に延びて周方向に並設される複数の切込み12aを有し、係合片12dが隣接する切込み12aにより形成される。これにより、フランジ部2bに係合する係合片12dを容易に実現することができる。
また、係合片12dの内端がフランジ部2bの外縁よりも内側に配されるので、容器本体2に被嵌される蓋材10を容易に抜け止めすることができる。
また、上面板11の周縁から折曲される複数の側面板13と、各側面板13の下端から折曲される複数の下面板12とを備え、複数の側面板13により周壁部23が形成され、隣接する下面板12の端部を接着して底面部22が形成される。これにより、下面に窓部16を有した箱状の蓋材10を容易に実現することができる。
<第2実施形態>
次に、図7は第2実施形態の容器1の蓋材10の底面図であり、容器本体2(図1参照)に装着される前の状態を示している。説明の便宜上、前述の図1~図6に示す第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付している。本実施形態は係合片12dが底面部22の内縁から突出して設けられる。その他の部分は第1実施形態と同様である。
各下面板12の開放端には係合片12dが突出して設けられる。これにより、ブランク板30を折曲して蓋材10を形成した際に、係合片12dが底面部22の内縁(窓部16の周縁)から内側に突出する。この時、係合片12dの内端はフランジ部2bの外縁よりも内側に配される。
容器本体2のフランジ部2bを窓部16に挿入すると、係合片12dが弾性により変位してフランジ部2bの下方に進入する。これにより、係合片12dがフランジ部2bに係合し、再封時の蓋材10を抜け止めすることができる。尚、係合片12dを各下面板12に設けているが、一部の下面板12に設けてもよい。
本実施形態によると、第1実施形態と同様に、環境負荷を低減するとともに容器1の部品点数を削減することができる。また、蓋材10の底面部22が内周側に開放端を有して上下に変位可能な複数の係合片12dを有するので、蓋材10を容器本体2に被嵌した際に係合片12dがフランジ部2bに係合する。これにより、再封時の蓋材10を抜け止めすることができる。
また、係合片12dが底面部22の内縁から突出するので、フランジ部2bに係合する係合片12dを容易に実現することができる。
第1、第2実施形態において、ブランク板30が上面板11の各辺に側面板13及び下面板12を順に連設して形成されるが、上面板11、下面板12及び側面板13が他の配置であってもよい。即ち、上面板11から下方に屈曲した環状の周壁部23と、周壁部23の下端から内側に屈曲した底面部22とを有した箱状の蓋材10が形成可能であればよい。また、上面板11が平面視矩形に形成されるが、他の多角形であってもよい。
本発明によると、ヨーグルト、ジャム等の粘稠物の内容物を収納する容器に利用することができる。
1 容器
2 容器本体
2a 開口部
2b フランジ部
2c 曲線部
10 蓋材
11 上面板
12 下面板
12a 切込み
12d 係合片
13 側面板
16 窓部
18 接着領域
22 底面部
23 周壁部
30 ブランク板
31 折り線
32 紙基材
33 熱接着性樹脂層

Claims (6)

  1. 紙製のブランク板を折曲して形成され、開口部の周囲にフランジ部を有した有底筒状の容器本体に被嵌して前記容器本体を密封する蓋材であって、前記フランジ部に熱接着可能な熱接着性樹脂層を下面に設けた上面板と、前記上面板の周縁から下方に屈曲する環状の周壁部と、前記周壁部の下端から屈曲して前記上面板に対向する環状の底面部とを備え、前記底面部が内周側に開放端を有して上下に変位可能な複数の係合片を有することを特徴とする蓋材。
  2. 前記底面部が内縁から外側に延びて周方向に並設される複数の切込みを有し、前記係合片が隣接する前記切込みにより形成されることを特徴とする請求項1に記載の蓋材。
  3. 前記係合片が前記底面部の内縁から内側に突出することを特徴とする請求項1に記載の蓋材。
  4. 前記係合片の内端が前記フランジ部の外縁よりも内側に配されることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の蓋材。
  5. 前記上面板の周縁から折曲される複数の側面板と、各前記側面板の下端から折曲される複数の下面板とを備え、複数の前記側面板により前記周壁部が形成され、隣接する前記下面板の端部を接着して前記底面部が形成されることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載の蓋材。
  6. 請求項1~請求項5のいずれかに記載の蓋材と、前記蓋材を被嵌される容器本体とを備え、前記上面板が前記熱接着性樹脂層によって前記フランジ部に接着され、前記係合片が前記フランジ部に係合することを特徴とする容器。
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