JP2022120725A - スチーム噴出器 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化、軽量化、低コスト化を実現させつつ、より確実かつ安定的にスチームを噴出させることが可能なスチーム噴出器を提供する。【解決手段】スチーム噴出器は、スチーム発生用の気化室と、気化室を加熱するヒータ(加熱部)と、気化室に供給される液体を貯留する貯液室と、を備えている。また、スチーム噴出器は、貯液室と気化室とに連通される流路Pと、流路Pに接続されて、貯液室内の液体を気化室へと供給する電動ポンプと、を備えている。そして、流路Pは、液体の流量を減少させる流量抵抗部PRを有している。【選択図】図12
Description
本開示は、スチーム噴出器に関する。
従来、次の特許文献1に開示されているように、スチームを発生させる気化室と、気化室に供給される水を貯留する水タンクと、水タンクに貯留した水を気化室へ送水するためのポンプ装置と、を備えるスチーム噴出器が提案されている。
この特許文献1では、上述した構成とすることで、水タンクに貯留した水をポンプ装置により気化室へと送水し、送水された水を気化室で気化させることでスチームを発生させるようにしている。そして、気化室で発生させたスチームを衣類等に噴出させることで、衣類等のしわを伸ばすことができるようにしている。
ここで、この特許文献1では、ポンプ装置を用いて水タンクに貯留した水を気化室へと送水させることで、送水方向の重力による制約が解消されるようにしている。すなわち、スチーム噴出器を任意の方向に向けた状態でも、スチーム噴出器からスチームを噴出させることができるようにしている。こうすることで、スチーム噴出器を任意の方向に向けた状態で、ハンガーに掛けた状態の衣類等に対してスチームを噴出させることができるようにしている。
ところで、気化室への水の供給量(単位時間当たりの給水量:給水流量)が、気化室の気化能力以上になった場合、気化しなかった水がスチームとともに噴出する、いわゆる水漏れ、湯飛びが発生し、衣類等を濡らしてしまうおそれがある。ここで、気化室の気化能力とは、供給された水を瞬時に気化させることが可能な最大給水流量のことであり、気化室の温度、供給された水と接触する表面積および熱量等によって決定されるものである。
したがって、より確実かつ安定的にスチームを噴出させるためには、気化室の気化能力以下となるように給水流量を調節することで、気化室の気化能力以下で定量的に水が気化室に供給されるようにして、気化室へと供給された水を瞬時に気化させる必要がある。
しかしながら、ポンプ装置自身によって気化室への給水流量を調節する制御を行うことは難しい。そのため、一般的には、マイコンなどの制御部を用いて(スチーム噴出器に制御基板を設けて)、気化室への水の供給量を電子的に制御することで、気化室の気化能力以下で定量的に水が気化室に供給されるようにしていた。
しかしながら、上記従来の技術のように、より確実かつ安定的にスチームを噴出させるために、気化室への水の供給量を調節する制御基板を設けると、スチーム噴出器のサイズ、重量などが大きくなってしまう上、コストが増加してしまう。
そこで、本開示は、小型化、軽量化、低コスト化を実現させつつ、より確実かつ安定的にスチームを噴出させることが可能なスチーム噴出器を提供することを目的とするものである。
本開示におけるスチーム噴出器は、スチーム発生用の気化室と、気化室を加熱する加熱部と、気化室に供給される液体を貯留する貯液室と、貯液室と気化室とに連通される流路と、流路に接続されて、貯液室内の液体を気化室へと供給する電動ポンプと、を備える。そして、流路は、液体の流量を減少させる流量抵抗部を有する。
本開示におけるスチーム噴出器は、電動ポンプから気化室に供給される液体の流量を、液体の流量を減少させる流量抵抗部によって物理的に制御できるようにしている。こうすれば、電動ポンプから気化室に供給される液体の流量を制御するための制御基板を設ける必要がなくなるため、より確実かつ安定的にスチームを噴出させることが可能なスチーム噴出器の小型化、軽量化、低コスト化を実現させることができる。
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、気化室に定量の水を送ることができるようにするために、スチーム噴出器に制御部を設け、この制御部により電動ポンプを制御することで、気化室への水の供給量を電子的に制御するという技術があった。
発明者らが本開示に想到するに至った当時、気化室に定量の水を送ることができるようにするために、スチーム噴出器に制御部を設け、この制御部により電動ポンプを制御することで、気化室への水の供給量を電子的に制御するという技術があった。
また、制御部に入力された周波数域に対して、出力するパルス信号を変化させることで、日本特有の課題である、周波数域が50Hz、60Hzの地域にも対応できるようにするという技術もあった。
こうすることで、周波数の影響をなくしつつ気化室へ水を定量的に送ることができるようにしていた。
しかしながら、スチーム噴出器に制御部を設けると、スチーム噴出器の本体サイズが大きくなってしまう上、重量も重くなってしまうため、スチーム噴出器の使い勝手が悪化してしまうおそれがあった。特に、本体部の上方に把持部が形成されたスチーム噴出器では、把持部から本体重心位置までの距離が遠くなってしまい、使い勝手がより悪化してしまうという課題があった。
このような課題を解決するために、発明者らは、液体の流量を減少させる流量抵抗部を流路に設けるという着想を得た。こうすれば、電動ポンプから気化室に供給される液体の流量を物理的に制御することができるため、電動ポンプを制御する制御部を廃止しても、周波数依存させずに、定量的に液体を気化室へ送ることができる。
このような着想により、発明者らは、本開示の主題を構成するに至った。
本開示は、小型化、軽量化、低コスト化を実現させつつ、より確実かつ安定的にスチームを噴出させることが可能なスチーム噴出器を提供するものである。
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
(実施の形態1)
以下、図1~図16を用いて、実施の形態1を説明する。なお、実施の形態1では、掛面が下方を向くようにした状態でスチーム噴出器の上下方向を規定し、スチーム噴出器の短手方向をスチーム噴出器の幅方向と規定し、上下方向および幅方向に直交する方向をスチーム噴出器の前後方向と規定する。また、実施の形態1では、電源コードのプロテクタが接続される側を前後方向の後方と規定する。
以下、図1~図16を用いて、実施の形態1を説明する。なお、実施の形態1では、掛面が下方を向くようにした状態でスチーム噴出器の上下方向を規定し、スチーム噴出器の短手方向をスチーム噴出器の幅方向と規定し、上下方向および幅方向に直交する方向をスチーム噴出器の前後方向と規定する。また、実施の形態1では、電源コードのプロテクタが接続される側を前後方向の後方と規定する。
[スチーム噴出器の全体構成例]
本実施の形態にかかるスチーム噴出器1は、スチーム発生用の気化室S2と、気化室S2を加熱するヒータ(加熱部)2613と、気化室S2に供給される液体を貯留する貯液室S4と、を備えている。また、スチーム噴出器1は、貯液室S4と気化室S2とに連通される流路Pと、流路Pに接続されて、貯液室S4内の液体を気化室S2へと供給する電動ポンプ230と、を備えている。
本実施の形態にかかるスチーム噴出器1は、スチーム発生用の気化室S2と、気化室S2を加熱するヒータ(加熱部)2613と、気化室S2に供給される液体を貯留する貯液室S4と、を備えている。また、スチーム噴出器1は、貯液室S4と気化室S2とに連通される流路Pと、流路Pに接続されて、貯液室S4内の液体を気化室S2へと供給する電動ポンプ230と、を備えている。
さらに、スチーム噴出器1は、気化室S2で発生させたスチームStを外部に噴出させるためのスチーム噴出孔2815aが形成された掛面281を有する掛面部280を備えている。
そして、貯液室S4に貯留された液体を電動ポンプ230により気化室S2へと送液し、送液された液体を気化室S2で気化させることでスチームStを発生させ、発生させたスチームStをスチーム噴出孔2815aから外部に噴出させるようにしている。
このように、本実施の形態では、電動ポンプ230を用いて貯液室S4に貯留された液体を気化室S2へと送液させるようにしている。こうすることで、送液方向の重力による制約を解消できるようにし、スチーム噴出器1を任意の方向に向けた状態でも、スチーム噴出孔2815aからスチームStを噴出させることができるようにしている。
このスチーム噴出器1は、図1~図4に示すように、樹脂製の筐体10と、筐体10の下端周縁部10aよりも下方へ所定量だけ突出するように形成された掛面部280と、を備えている。
本実施の形態では、筐体10は、比較的断熱性能が高い樹脂材料で形成されており、この筐体10の内部に空間が形成されている。そして、筐体10の内部の空間には、電源スイッチ311等が内蔵されている。
また、筐体10の内部の空間には、スチーム生成機構20が、掛面部280を下方に突出させた状態で内蔵されている(図4および図7参照)。このスチーム生成機構20は、水などのスチーム用の液体を気化させてスチームStを発生させるための機構であり、上述した液体を貯留する貯液室S4、貯液室S4から供給された液体を気化させてスチームStを発生させる気化室S2等を備えている。スチーム生成機構20の具体的な構成については後述する。
また、筐体10の後部には、電源コード50が、筐体10からの出口部分で可撓性を有するチューブで形成された屈曲自在なプロテクタ51で保護された状態で、配設されている。
そして、この電源コード50によって、図示省略した商用電源等から供給されるAC100Vの交流電力Eがヒータ2613等に供給されるようにしている。なお、本実施の形態で示すように、電源コード付きのスチーム噴出器1とする必要はなく、コードレス式のスチーム噴出器1とすることも可能である。
また、筐体10は、下方に位置する本体部11と、この本体部11の上部前端および上部後端に連設され、手で把持することが可能な把持部12と、を備えている。本実施の形態では、本体部11および把持部12は一体に形成されており、幅方向に沿って見たときに、本体部11と把持部12との間に、使用者Uの指を挿入することが可能な空間S1が形成されるようにしている(図2および図3参照)。
さらに、本実施の形態では、把持部12は、前後方向に細長く形成された気化体260の上方に、同方向(前後方向)に延在するように設けられている。そして、把持部12は、平面視で、気化体260の幅方向の略中央部に位置するように設けられている。こうすることで、使用者Uが把持部12を手で把持した際に、良好な重量バランスで本体部11(筐体10)を保持できるようにしている。
また、筐体10は、左右一対の分割ハウジングを組み付けることで形成されている。具体的には、凹部を有する第1分割ハウジング13と凹部を有する第2分割ハウジング14とを、凹部同士を対向させた状態で重ね合わせ、ネジ40によって固定することで、内部に空間を有する筐体10を形成している。
そして、第1分割ハウジング13と第2分割ハウジング14とを組み付けた際に、プロテクタ51が、第1分割ハウジング13と第2分割ハウジング14とで挟持されるようにしている。また、後述する貯液部210の注液用部材212および通電ランプ331も、第1分割ハウジング13と第2分割ハウジング14とで挟持されるようにしている。
さらに、第1分割ハウジング13の前後方向の前端部には、幅方向に貫通する貫通孔13aが形成されており、筐体10を組み付けた際には、後述する貯液タンク211に設けられた表示窓211bがこの貫通孔13aに挿入されるようにしている。こうすることで、筐体10の外側面から表示窓211bを外部に露出させて、貯液タンク211内に貯留されている液体の量を外部から視認できるようにしている。
そして、本実施の形態では、スチーム生成機構20が、筐体10の下端周縁部10aによって保持されるようにし、掛面部280が筐体10から抜け落ちてしまわないようにしている(図4参照)。
また、筐体10の内部には、スライド式のスイッチで構成された電源スイッチ311が内蔵されている。本実施の形態では、この電源スイッチ311は、スチーム生成機構20の後述する断熱体270の幅方向の一方側における前後方向の略中央部に取り付けられている。
そして、この電源スイッチ311には、手動で操作可能なスイッチ釦312が、筐体10の外側面から外部に露出するように取り付けられている。具体的には、第1分割ハウジング13の電源スイッチ311およびスイッチ釦312と対応する部位に、幅方向に貫通する貫通孔13bを形成し、筐体10を組み付けた際に、スイッチ釦312がこの貫通孔13bに挿入されるようにしている。こうすることで、筐体10の外側面からスイッチ釦312を外部に露出させて、スイッチ釦312を手で操作できるようにしている。
そして、スイッチ釦312を手動で上下方向にスライドさせた際に、スイッチ釦312の上下方向のスライドに連動して、電源スイッチ311のオン・オフが切り替えられるようにしている。
また、本実施の形態では、上述したように、筐体10の側面に電源スイッチ311およびスイッチ釦312を配設している。このように、筐体10の側面に電源スイッチ311およびスイッチ釦312を配設すれば、把持部12を容易に把持することができるようになる上、把持部12を前後逆方向に握った場合の使い勝手も良好にすることができるようになる。
なお、電源スイッチ311には、電源コード50およびヒータ2613が電気的に接続されており、スイッチ釦312を操作して電源スイッチ311をオンに切り替えたときには、電源コード50からの交流電力Eがヒータ2613に供給されるようにしている。ヒータ2613は、リード線341等を介して電源スイッチ311に電気的に接続されている。また、本実施の形態では、電源コード50やリード線341は、閉端子371によってまとめられている。
さらに、把持部12の前側の下部には、電動ポンプ230の駆動の切り替えを手動で操作することが可能なポンプレバー322が下方に突出するように設けられている。また、ポンプレバー322の真上には、電動ポンプ230の駆動のオン・オフを切り替えるポンプスイッチ321が配置されている。すなわち、ポンプスイッチ321は、筐体10における把持部12が形成される部位に内蔵されている。
そして、ポンプレバー322を上方に押圧させることでポンプスイッチ321のオン・オフの切り替えが行われるようにしている。そして、ポンプスイッチ321をオンに切り替えたときには、電源コード50からの交流電力Eが電動ポンプ230に供給されて電動ポンプ230を駆動させることができるようにしている。
なお、ポンプスイッチ321は、リード線341を介して電源スイッチ311および電動ポンプ230に電気的に接続されており、リード線の途中には、ヒューズ抵抗351、ダイオード361などの電子部品が接続されている。
また、掛面部280は、良熱伝導性のアルミダイカストで形成されており、ヒータ(加熱部)2613によって加熱されるようになっている。
この掛面部280は、平面視で前後方向に細長い略長円形をした掛面281を備えており、この掛面281の前端部2811および後端部2812が、わずかに丸みを帯びた尖形に形成されている(図5参照)。
また、本実施の形態では、掛面部280の掛面281は、外方へ膨らむ湾曲面となるように形成されている。具体的には、掛面281は、前後方向および左右方向の両方向で下方に凸となる円弧状に湾曲させた形状をしている。また、掛面281の外周縁部2813は、エッジ形状とならないように丸みを帯びている。
また、掛面部280の掛面281には、複数の溝2815が中央部分2814から放射状に延びるように形成されている。さらに、掛面部280の掛面281には、複数個(本実施の形態では6個)のスチーム噴出孔2815aが、気化室S2と連通するように形成されている。なお、本実施の形態では、複数個のスチーム噴出孔2815aは、掛面281における溝2815内にそれぞれ形成されており、掛面281を衣類73等に接触させた場合でも、スチーム噴出孔2815aが衣類73等によって塞がれてしまわないようにしている。
本実施の形態では、このようなスチーム噴出孔2815aを設けることで、気化室S2で発生させたスチームStをスチーム噴出孔2815aから外部へ噴出させるようにしている。
また、本実施の形態では、スチーム噴出器1の不使用時および使用中の休止時に、スチーム噴出器1をスタンド60に載置できるようにしている。このスタンド60は、掛面部280の掛面281を下向きにした状態でスチーム噴出器1を載置したときに、筐体10の下端周縁部10aを下方から支持する支持部62を備えている。
この支持部62は、筐体10の下端周縁部10aと対向するように形成されており、複数の支持部62が、略等間隔で環状となるように形成されている。本実施の形態では、6カ所に支持部62が形成されている。なお、支持部62は、筐体10の下端周縁部10aに沿って連続的に形成されていてもよい。
また、スタンド60の凹部61は、掛面部280の掛面281に沿って下方へ凹状に窪むようにしている。こうすることで、筐体10をスタンド60に載置させたときに、掛面部280の掛面281と凹部61との間に空間ができるようにしている。
また、スタンド60には、掛面部280を外方から包囲する壁63が設けられており、この壁63の上端部63aが筐体10の下端周縁部10aより上方に位置するようにしている。また、支持部62には、壁63との間に規制部62aが設けられており、筐体10の下端周縁部10aが規制部62aにより支持部62の所定の位置に載置されるようにしている。
このような構成をしたスチーム噴出器1は、例えば、下記のようにして使用することができる。
使用者Uは、まず、スチーム噴出器1の把持部12を手で把持し、スチーム噴出孔2815aを衣類73等に向けた状態とする。そして、この状態で、ポンプレバー322を上方に押圧してポンプスイッチ321をオンに切り替える。こうすれば、電動ポンプ230が駆動され、貯液室S4内の液体が気化室S2に供給されて気化室S2にてスチームStが発生し、スチーム噴出孔2815aからスチームStが噴出される。こうすることで、スチームStがスチーム噴出孔2815aを通って衣類73等に噴出されて、衣類73等のしわ伸ばしが行われる。
このとき、ポンプレバー322が把持部12の前側の下部に設けられているため、使用者Uは、把持部12を把持し、衣類73等に対して筐体10を移動させる動作を行いながら、ポンプレバー322のオン・オフ操作を行うこともできる。すなわち、衣類73等に対して筐体10を移動させる動作を行いながら、スチームStの噴出と停止の操作を容易に行うことができる。
ここで、本実施の形態にかかるスチーム噴出器1では、上述したように、電動ポンプ230を用いて貯液室S4内の液体が気化室S2に供給している。そのため、スチーム噴出器1を任意の方向に向けた状態でも、スチーム噴出孔2815aからスチームStを噴出させることができるようになっている。
したがって、本実施の形態にかかるスチーム噴出器1を用いれば、図6に示すように、ハンガー72によって衣類73等を衣類スタンド71に掛けた状態で、衣類73等のしわ伸ばしを行うことができる。このとき、掛面部280の掛面281を、衣類73等のしわを伸ばす部位から離した状態でスチームStを噴出させることができる。こうすれば、衣類73等を加圧することなく、衣類73等のしわ伸ばしを行うことができ、スチーム噴出器1をスチーマーとして機能させることができる。
また、アイロン台上に置かれた衣類73等に向けて、掛面部280の掛面281を下向きにして衣類73等をプレスしつつ、スチーム噴出孔2815aから噴出するスチームStによりしわ伸ばしを行うこともできる。このように、本実施の形態にかかるスチーム噴出器1は、スチームアイロンとしての機能も有している。
なお、しわ伸ばしを行う衣類73等がセーター等の毛織物であるときは、掛面部280の掛面281を衣類73等から離してスチームStのみでしわを伸ばす、所謂浮かせ掛けをすることもできる。
また、本実施の形態では、掛面281は細長い長円形に形成されており、掛面281の前端部2811と後端部2812とがほぼ尖形に形成されている。そのため、スチーム噴出器1をアイロンとして使用する際には、掛面281の長手方向(前後方向)への移動時における前進と後退の両方向への移動が容易になる。その結果、衣類73等が折れて重なってしまうことが抑制されて、加熱された掛面281によって新たなしわが発生してしまうことを抑制することができる。
また、本実施の形態では、上述したように、スチーム噴出器1をスタンド60に載置したときには、支持部62が筐体10の下端周縁部10aを支持し、掛面部280の掛面281とスタンド60の凹部61との間に空間が形成されるようにしている。そのため、スチーム噴出器1の使用中に、一時的に作業を休止するために、スチーム噴出器1をスタンド60に載置したとしても、掛面281の熱でスタンド60が過熱されてしまうことを抑制することができる。
また、掛面部280がスタンド60に当接することによるキズの発生を抑制することもできるため、掛面部280(掛面281)の表面を滑らかな状態で維持することができる。こうすれば、使用者Uが衣類73等に掛面281を接触させてプレスする際に、掛面281が衣類73等に引っ掛かってしまうことが抑制されて、よりスムーズにスチーム噴出器1を移動させることができる。
また、スタンド60には、掛面281の外周縁部2813を外方から包囲する壁63が設けられており、この壁63の上端部63aが筐体10の下端周縁部10aよりも上方に位置するようにしている。そのため、使用中の休止時にスチーム噴出器1がスタンド60に置かれているときに、加熱された掛面部280がスタンド60によって安全に保護されることになる。
[スチーム生成機構の構成例]
次に、図7~図11を用いて、スチーム生成機構20の具体的な構成について説明する。
次に、図7~図11を用いて、スチーム生成機構20の具体的な構成について説明する。
スチーム生成機構20は、図7および図8に示すように、液体を貯留することが可能な貯液部210と、液体を気化させてスチームStを発生させることが可能な気化体260と、を備えている。また、スチーム生成機構20は、貯液部210に貯留された液体を気化体260へと供給する電動ポンプ230を備えている。
さらに、スチーム生成機構20は、貯液部210と電動ポンプ230とに接続されて、貯液部210に貯留された液体を電動ポンプ230に給液する給液管220を備えている。そして、スチーム生成機構20は、電動ポンプ230と気化体260とに接続されて、電動ポンプ230に給液された液体を気化体260へと送液する送液管240を備えている。
また、スチーム生成機構20は、気化体260で発生させたスチームStを外部に噴出させるためのスチーム噴出孔2815aが形成された掛面281を有する掛面部280を備えている。
貯液部210は、内部に貯液室S4が形成された貯液タンク211を備えている。この貯液タンク211は、図7および図11に示すように、前側が後側よりも上方に突出した形状をしている。そして、上方に突出した部位には、前方に開口する開口部211aが形成されており、この開口部211aから液体を貯液室S4内に導入することができるようになっている。
また、貯液部210は、注液口212aが形成され、貯液タンク211の開口部211aの周縁に取り付けられる注液用部材212を備えている。この注液用部材212は、注液口212aを開口部211aに連通させた状態で貯液タンク211に取り付けられている。そして、第1分割ハウジング13と第2分割ハウジング14とを組み付けた際に、この注液用部材212が、注液口212aを露出させた状態で、第1分割ハウジング13と第2分割ハウジング14とによって挟持されるようにしている。こうすることで、筐体10の外部から注液口212aに注がれた液体が開口部211aを通って貯液室S4内に導入されるようにしている。このとき、貯液タンク211と注液用部材212とが、パッキン213によって水密的にシール結合されるようにしている(図11参照)。
さらに、貯液部210は、注液用部材212の注液口212aを開閉可能に塞ぐ注液キャップ214を備えている。この注液キャップ214には、図11に示すように、空気孔214aが形成されており、貯液室S4内の液体を、よりスムーズに電動ポンプ230で吸い上げることができるようにしている。
また、貯液タンク211の幅方向の一方側の側面部には、透光性を有する材料で形成された表示窓211bが形成されており、この表示窓211bから貯液室S4内に貯留された液体の量を視認できるようになっている。本実施の形態では、表示窓211bは、上下方向に細長い形状をしており、貯液タンク211の本体部分から幅方向の外側に突出するように形成されている(図4および図8参照)。
また、貯液タンク211の後部下端には、貯液室S4に連通する給液口211cが形成されており、給液管220の一端(上流端)がこの給液口211cに接続されている。
電動ポンプ230は、例えば、一般的な電磁式のポンプで構成することができる。このような電磁式のポンプとしては、外周に設けられた電磁コイルの内部にプランジャー機構が設けられ、プランジャー機構を電磁コイルによって往復動作させるものがあげられる。
なお、電動ポンプ230は、電気的に駆動されて略一定の流量で送液できるものであればよく、例えば、遠心ポンプ等のポンプとすることも可能である。
そして、この電動ポンプ230には、給液管220の他端(下流端)および送液管240の一端(上流端)が接続されており、送液管240の他端(下流端)が、気化体260の気化室S2と連通するように接続されている。
こうすることで、電動ポンプ230を駆動させた際には、電動ポンプ230のプランジャー機構の往復動作によって、貯液室S4内の液体が給液管220を通って、電動ポンプ230に吸入されるようにしている。そして、電動ポンプ230に吸入された液体が送液管240を通って気化室S2内に吐出されるようにしている。
このように、本実施の形態では、給液管220、電動ポンプ230および送液管240の内部に形成されて液体が通過する空間が、貯液室S4と気化室S2とに連通される流路Pとなっている。すなわち、本実施の形態では、流路Pは、給液管220内に形成されて、貯液室S4内の液体を電動ポンプ230へと供給する給液流路PUと、送液管240に形成されて、電動ポンプ230に供給された液体を気化室S2へと送る送液流路PDと、を備えている。
なお、給液管220および送液管240の外周には保護ばね250が設けられており、給液管220や送液管240が傷ついてしまうことが抑制できるようにしている。また、給液管220および送液管240の外周に保護ばね250を設けるようにすれば、給液管220や送液管240が折れてしまうことが抑制されるため、管内部の流路断面積の変化を防止することも可能になる。
気化体260は、貯液室S4内に貯留された液体が供給される空間(スチーム発生用の気化室S2)が内部に形成された略箱状をしており、良熱伝導性のアルミダイカストで形成されている。
本実施の形態では、気化体260は、上方に開口する凹部が形成された基部261と、基部261の開口を塞ぐ蓋体262と、を備えている。そして、基部261の開口を蓋体262で塞ぐことで、気化体260の内部に気化室S2が形成されるようにしている。このとき、基部261と蓋体262とが水密的にシール結合されるようにしている。
また、気化体260は、加熱部としてのヒータ2613を備えており、このヒータ2613への通電によって気化体260が加熱されるようにしている。このようなヒータ2613としては、例えば、端子部2613aを有するシーズヒータを用いることができる。
本実施の形態では、端子部2613aを有するヒータ2613が、基部261の成型時に、略U字状に曲げられた状態で基部261に埋設されるようにしている。このように、本実施の形態では、ヒータ2613は、略U字状に曲げられた湾曲部2613bを有している。
また、本実施の形態では、ヒータ2613は、両端に設けられた端子部2613aおよび湾曲部2613bを外部に露出させた状態で基部261に埋設されている(図10参照)。そして、基部261の外部に露出する端子部2613aのそれぞれにリード線が接続されている。
また、基部261における気化室S2の外方には、上方に開口する筒状のリブ2611が形成されており、この筒状のリブ2611の内側の凹部に感温部2612が配置されている。この感温部2612は、気化体260(気化室S2)の温度を検知するサーモスタットで構成されており、感温部2612が気化体260(気化室S2)の温度を感知することで、サーモスタットがオン・オフ駆動されるようにしている。こうすることで、気化室S2における液体が供給される部分が所定の温度で維持されるように、気化体260(気化室S2)の温度を制御している。
また、本実施の形態では、感温部2612は、ヒータ2613で最も熱い部分である湾曲部2613bの上部に配置されている。こうすることで、気化体260(気化室S2)の温度を迅速、かつ、的確に感温部2612で検知できるようにしている。
また、蓋体262には、気化室S2に液体を供給するための給液口2623が形成されており、送液流路PDを給液口2623と連通させた状態で送液管240が蓋体262に接続されている。
本実施の形態では、給液口2623は、ヒータ2613の湾曲部2613bの内側近傍に水が供給されるように蓋体262に設けられている。さらに、本実施の形態では、基部261における気化室S2の内方の給液口2623の真下に、湾曲部2613bに向けて下方に傾斜する突起2614が形成されている。そして、給液口2623から滴下された液体が、この突起2614によって湾曲部2613b側に移動されるようにしている。こうすることで、気化室S2の供給された液体を迅速に気化させることができるようにしている。
また、蓋体262の上部には、上方に開口する筒状のリブ2621が形成されており、この筒状のリブ2621の内側の凹部に感温部2622が配置されている。この感温部2622も、気化体260(気化室S2)の温度を検知するサーモスタットで構成されている。
そして、気化体260(気化室S2)の温度が液体の気化可能な温度(例えば、110℃等)に達したことを感温部2622が感知することで、サーモスタットがオン駆動され、電動ポンプ230に交流電力Eが供給されるようにしている。
こうすることで、使用開始時等、気化室S2が液体の気化可能な温度に加熱されていない状態のときに、ポンプスイッチ321が操作されたとしても、電動ポンプ230を駆動させないようにしている。
このように、本実施の形態にかかるスチーム噴出器1は、電源スイッチ311がオンされた後、気化室S2が液体の気化可能な温度に加熱されるまで、電動ポンプ230の駆動を遅延するように構成されている。
こうすれば、液体の気化可能な温度まで加熱されていない気化室S2に液体が送液されてしまうことを抑制することができ、水漏れ、湯飛びが発生してしまうことを、より確実に抑制することができるようになる。
そして、気化室S2が液体の気化可能な温度に加熱されたか否かについては、通電ランプ331の状態で知ることができるようにしている。例えば、電源をオンにしたときには通電ランプ331が消灯しており、気化室S2が加熱されて気化可能な温度になり、感温部2622のサーモスタットがオン駆動された場合に通電ランプ331を点灯表示させるようにすることができる。こうすれば、通電ランプ331の点灯の有無によって、気化室S2の温度状態を使用者Uに知らせることができる。
また、気化体260の下部には、アルミダイカストで形成された掛面部280が取り付けられている。具体的には、図11に示すように、掛面部280の内側(上側)の中央部分で掛面部280と接触するように気化体260を配置している。こうすることで、気化体260と掛面部280とが熱的に結合されるようにし、掛面部280もヒータ2613で加熱されるようにしている。
さらに、本実施の形態では、気化体260と掛面部280とが水密的にシール結合されており、気化体260と掛面部280との間に空間が形成されるようにしている。この空間は、気化体260の基部261に設けられた連通部2615で気化室S2に連通されており、気化室S2で発生させたスチームStが通過するスチーム通路S3となっている。なお、気化室S2の連通部2615の幅方向の両側におけるヒータ2613の上方には、ヒータ2613の延在方向(前後方向)に沿う左右対称形の通路が形成されている。
また、本実施の形態では、スチーム生成機構20は、断熱体270を備えており、気化体260がこの断熱体270によって上方から覆われている。このように、断熱体270を設けることで、気化体260や掛面部280の熱が他の部材(筐体10、貯液タンク211、電動ポンプ230など)に移動してしまうことが抑制されるようにしている。
本実施の形態では、断熱体270は、天壁271と、天壁271の外周から下方に延在するように連設された周壁272と、を備えている。そして、天壁271と周壁272とで囲まれる空間内に気化体260が配置されるようにしている。
また、本実施の形態では、気化体260が配置された掛面部280と断熱体270とが、断熱材293を挟んだ状態でネジ40によって固定されている。なお、図11に示す符号292は、スペーサである。
このように、本実施の形態では、断熱体270、気化体260、掛面部280、スペーサ292、断熱材293が一体化されている。
そして、断熱体270の周囲が樹脂製の筐体10によって覆われるようにしている。本実施の形態では、断熱体270の周壁272の外周面に凹状の溝2721が設けられており、断熱体270の外側面と筐体10の内側面との間に断熱空間が形成されるようにしている。
また、本実施の形態では、筐体10内の断熱体270の上部の空間内に貯液部210および電動ポンプ230が配置されるようにしている。具体的には、断熱体270の天壁271の上部後側に、上方に向けて延在するポンプ保持壁(電動ポンプ支持部)2711を設け、このポンプ保持壁(電動ポンプ支持部)2711によって電動ポンプ230が保持されるようにしている。さらに、本実施の形態では、電動ポンプ230の上部にポンプ保持カバー291が設けられており、電動ポンプ230は、天壁271、ポンプ保持壁(電動ポンプ支持部)2711およびポンプ保持カバー291によって断熱体270に固定されるようにしている。
また、天壁271の上部後側に、上方に突出する載置用リブ2712を設け、この載置用リブ2712の上面に貯液タンク211を載置させるようにしている。そして、この貯液タンク211の天壁部分に形成されたL字状のリブ211dやボス211eによって給液管220が保持されるようにしている。
[給液路の構成例]
上述したように、本実施の形態にかかるスチーム噴出器1では、電動ポンプ230を用いて貯液室S4に貯留した液体を気化室S2へと送液させている。
上述したように、本実施の形態にかかるスチーム噴出器1では、電動ポンプ230を用いて貯液室S4に貯留した液体を気化室S2へと送液させている。
このスチーム噴出器1は、日本国内で使用する場合、周波数域が50Hzの地域、60Hzの地域のいずれの地域にも対応できるようにするのが望ましい。
しかしながら、電動ポンプ230は、一般的に、周波数50Hzで交流電力Eを供給した場合と、周波数60Hzで交流電力Eを供給した場合とでは、吐出する流量が異なっている。
そのため、単に電動ポンプ230を用いただけの場合、スチーム噴出器1を使用する地域によって性能が異なってしまう。このように、単に電動ポンプ230を用いただけでは、より確実かつ安定的にスチームを噴出させることができなかった。
そして、より確実かつ安定的にスチームを噴出させるためには、気化室の気化能力以下となるように給水流量を調節することで、気化室の気化能力以下で定量的に水が気化室に供給されるようにして、気化室へと供給された水を瞬時に気化させる必要がある。
このように、給水流量を調節するためには、制御基板を用いて(制御部を設けて)電動ポンプ230から吐出される流量を制御することが考えられる。
しかしながら、給水流量を調節するために制御基板を用いる(制御部を設ける)と、スチーム噴出器の本体サイズが大きくなってしまう上、重量も重くなってしまう。
そこで、本実施の形態では、小型化、軽量化、低コスト化を実現させつつ、より確実かつ安定的にスチームStを噴出させることができるようにしている。
具体的には、貯液室S4と気化室S2とに連通される流路Pが、液体の流量を減少させる流量抵抗部PRを有するようにしている。
本実施の形態では、電動ポンプ230よりも上流側に配置される給液管220に形成された給液流路PUが、流量抵抗部PRを有するようにしている。
具体的には、給液流路PUは、図12に示すように、上流側給液流路PU1と、下流側給液流路PU3と、上流側給液流路PU1と下流側給液流路PU3とを連結する連通路PU2と、を備えている。
ここで、上流側給液流路PU1は、ゴム等の弾性材料で形成されて可撓性を有する上流側給液チューブ221に形成されている。この上流側給液チューブ221は、一様の内径となる円環状をしている。したがって、上流側給液流路PU1は、一様の径を有する円柱状の流路となっている。
同様に、下流側給液流路PU3は、ゴム等の弾性材料で形成されて可撓性を有する下流側給液チューブ222に形成されている。この下流側給液チューブ222も、一様の内径となる円環状をしている。したがって、下流側給液流路PU3も、一様の径を有する円柱状の流路となっている。
なお、本実施の形態では、上流側給液流路PU1の径と下流側給液流路PU3の径とが略同径となっている。
そして、この上流側給液チューブ221と下流側給液チューブ222とが、流量抵抗体(流量調整管)223によって連結されている。
具体的には、流量抵抗体223は、図13および図14に示すように、1つの部材で形成されており、先端側に向かって縮径する略テーパ状の挿入部2231と、中央部で外方に突出すように形成されたフランジ部2232と、を備えている。この流量抵抗体223は、例えば樹脂等により製造することができる。
そして、上流側給液チューブ221の内部(上流側給液流路PU1内)に、上流側の挿入部2231を、上流側給液チューブ221の下流端がフランジ部2232に突き当たるまで挿入することで、上流側給液チューブ221と流量抵抗体223とを接続させている。
同様に、下流側給液チューブ222の内部(下流側給液流路PU3内)に、下流側の挿入部2231を、下流側給液チューブ222の上流端がフランジ部2232に突き当たるまで挿入することで、下流側給液チューブ222と流量抵抗体223とを接続させている。
そして、この流量抵抗体223の内側には、流路Pの一部を構成する連通路PU2が長手方向に貫通するように設けられている。なお、本実施の形態では、連通路PU2は、上流側給液流路PU1および下流側給液流路PU3の径よりも小径となっている。
したがって、流量抵抗体223の両側に上流側給液流路PU1および下流側給液流路PU3をそれぞれ接続させると、途中で径(断面積)が小さくなる給液流路PUが形成されることになる。このように、本実施の形態では、流量抵抗体(流量調整管)223を用いることで、貯液室S4から電動ポンプ230への吐出し口である給液口211c(上流側)から電動ポンプ230の導入口(下流側)へと続く給液流路PU(流路P)の途中に縮小した内径部(連通路PU2)が設けられるようにしている。こうすることで、給液流路PUは、上流端から下流端に向かうときに、内径が大径から小径へと変化し、その後、小径から大径へと変化するようにしている。言い換えると、流量抵抗体(流量調整管)223を含む前後の流路において、給液管220の径(内径)が、一方側から他方側に向かう際に、大きい径から小さい径となるようにし、さらに、小さい径から大きい径となるようにしている。
このように、本実施の形態では、給液流路PU(流路P)の断面積を変化させることで給液流路PU(流路P)内を流れる液体に圧損を生じさせる圧損部PRaを形成している。具体的には、連通路PU2の導入口PU2aと吐出口PU2bとで流路Pの断面積が変わるようにしている。そのため、導入口PU2aおよび吐出口PU2bが、給液流路PU(流路P)に設けられた圧損部PRa(流量抵抗部PR)として機能する部位になっている。
こうすることで、周波数帯の相違による吐出流量の差を小さくしつつ、全体的な流量を下げるようにしている。このように、本実施の形態にかかるスチーム噴出器1は、水(液体)を供給する電動ポンプ230の各周波数帯での必要流量を確保するための流量抵抗体(流量調整管)223を設けたものとなっている。そして、流量抵抗体(流量調整管)223にて流路圧損を発生させることで、電動ポンプ230によるポンプ流量を減らすようにしたものとなっている。
このとき、給液流路PU(流路P)の径r1から減少させる連通路PU2の径をできるだけ小さくするのが好ましい。連通路PU2の径を小さくすればするほど、連通路PU2に導入される際に液体に生じる流量抵抗を大きくすることができ、より効率的に流量を減少させることができるためである。
しかしながら、図15に示すように、連通路PU2の径を小さくすればするほど、液体に生じる流量抵抗は指数関数的に増加するため、連通路PU2の径を小さくしすぎると、異物や経年劣化等により連通路PU2が目詰まりしてしまうおそれがある。
したがって、目詰まり防止のためには、連通路PU2の径を所定の径よりも大きく設定する必要がある。
この目詰まり防止のために必要な最小径は、例えば、連通路PU2に接続される部位における給液流路PU(流路P)から連通路PU2に導入される際に液体に生じる流量抵抗が所定の流量抵抗αとなるときの径r2とすることができる。所定の流量抵抗αは、例えば、100Pa~700Paの範囲内で設定することができる。
そして、連通路PU2の最小径が径r2以上となるようにすれば、すなわち、導入口PU2aから吐出口PU2bまでの全ての部位の径が径r2以上となるようにすれば、連通路PU2が目詰まりしてしまうことを抑制できるようになる。径r2は、例えば、給液流路PU(流路P)の径r1を2mmとした場合、0.7mmに設定することができる。
また、上述したように、連通路PU2の径を小さくすればするほど、液体に生じる流量抵抗は指数関数的に増加するものである。そのため、連通路PU2の径を、連通路PU2に接続される部位における給液流路PU(流路P)の径r1の60パーセント以下にするだけでも、より効率的に流量を減少させることができるようになる。
したがって、連通路PU2の径を、連通路PU2に接続される部位における給液流路PU(流路P)の径r1の60パーセント以下に設定するのが好ましい。例えば、給液流路PU(流路P)の径r1を2mmとした場合、連通路PU2の径を1.2mm以下となるように設定するのが好ましい。
なお、連通路PU2の径は、連通路PU2に接続される部位における給液流路PU(流路P)の径r1の40パーセント以下に設定するのがより好ましい。例えば、給液流路PU(流路P)の径r1を2mmとした場合、連通路PU2の径を0.8mm以下となるように設定するのがより好ましい。
このとき、流量抵抗体223を1つだけ用いたときに、最大の流量低減効果が得られるようにするのが好ましい。そのためには、連通路PU2の径を径r2で一様に形成するのが好ましい。
しかしながら、流量抵抗体223を製造するためには、一般的に、モノづくり上必要な寸法公差が設定される。そのため、最大の流量低減効果が得られるようにするためには、連通路PU2の径を、最小径r2よりも流量抵抗体223の製造上必要な寸法公差dだけ大きくした径r3以下にする必要がある。流量抵抗体223の製造上必要な寸法公差dは、例えば、0.03mmとすることができる。
この場合、連通路PU2の径を、径r2(0.7mm)以上かつ径r3(r2+d:0.73mm)以下となるようにすれば、製造可能な範囲で、最大の流量低減効果が得られる流量抵抗体223を製造することができる。なお、本実施の形態では、導入口PU2aの径が径r3、吐出口PU2bの径が径r2となる流量抵抗体223を例示しているが、導入口PU2aの径が径r2、吐出口PU2bの径が径r3となるようにすることも可能である。
以上説明したように、本実施の形態にかかるスチーム噴出器1は、貯液室S4に貯留された液体が流量抵抗体223を通過して電動ポンプ230に供給されるようにしている。そして、液体が流量抵抗体223を通過する際に、電動ポンプ230に供給される液体の流量を下げるようにしている。
具体的には、図16に示すように、AC100Vの交流電力Eを電動ポンプ230に供給して駆動させた際に、貯液室S4に貯留された液体が流量抵抗体223を通過して電動ポンプ230に供給されるようにしている。
このとき、流量抵抗体223を通過することで、液体に圧損を生じさせて液体の流量が、気化室S2の気化能力以下となるようにしている。本実施の形態では、11cc/minの液体が気化室S2に供給されるようにしている。なお、11cc/minの液体の供給は、本実施の形態にかかる気化室S2の気化能力以下となっている。
そして、気化室S2の気化能力以下の液体が気化室S2に供給されるようにし、より安定したスチームStを発生させてスチーム噴出器1の外部に噴出されるようにしている。
このように、本実施の形態にかかるスチーム噴出器1では、気化室S2への液体の供給量を物理的(機械的)に制御することで、気化室S2の気化能力以下で定量的に液体が気化室S2に供給されるようにしたものである。
[スチーム噴出器の動作例]
次に、本実施の形態にかかるスチーム噴出器1の動作の一例を説明する。
次に、本実施の形態にかかるスチーム噴出器1の動作の一例を説明する。
まず、使用者Uは、貯液室S4に所定量の水(液体)を入れた状態でスチーム噴出器1をスタンド60に載置し、スイッチ釦312を操作して電源スイッチ311をオンに切り替えてヒータ2613を通電する。
そして、ヒータ2613が通電されると、気化体260(気化室S2)がヒータ2613で加熱されることになる。このとき、感温部2612が気化室S2の温度を感知して、サーモスタットがオン・オフ駆動されるようにしている。こうすることで、気化室S2における液体が供給される部分が所定の温度で維持されるように、気化体260(気化室S2)の温度を制御している。
また、本実施の形態では、掛面部280が気化体260と熱的に結合されているため、掛面部280もヒータ2613によって気化体260と同時に加熱されることになる。こうすることで、掛面部280の掛面281の温度が気化体260(気化室S2)と略同等に保たれるようにしている。
また、電動ポンプ230は、気化体260が所定の温度に加熱されている状態において、感温部2622のサーモスタットがオンになった際に、ポンプレバー322を操作してポンプスイッチ321をオンに切り替えることで、駆動できるように構成されている。すなわち、サーモスタットがオフの状態で、ポンプレバー322を操作してポンプスイッチ321をオンに切り替えたとしても、電動ポンプ230は駆動されないようになっている。したがって、使用開始時の、気化体260(気化室S2)が液体の気化可能な温度に加熱されていない状態のときに、ポンプレバー322を操作してポンプスイッチ321をオンに切り替えたとしても、電動ポンプ230は駆動されないことになる。こうすることで、気化体260(気化室S2)が液体の気化可能な温度に加熱されていない状態のときに、気化室S2に液体が供給されてしまうことを抑制できるようにしている。
一方、気化体260(気化室S2)が液体の気化可能な温度に加熱されて、感温部2622のサーモスタットがオンになった状態のときに、ポンプレバー322を操作してポンプスイッチ321をオンに切り替えた場合、電動ポンプ230が駆動されることになる。そして、電動ポンプ230の駆動により、貯液室S4から気化室S2に液体が供給されることになる。
このとき、給液口2623から供給される液体は、給液口2623がヒータ2613の湾曲部2613bの内側近傍に対向して設けられているため、気化体260の最も早く所定の温度に加熱される部分で気化することになる。
また、ヒータ2613の湾曲部2613bに近接して設けられている感温部2612が、液体が気化室S2に供給される部分の温度を迅速、かつ、的確に検知するようにしている。こうすることで、温度上昇が最も速い湾曲部2613bに近接して設けられている感温部2612によって、気化体260(気化室S2)の所定温度(例えば、170℃等)への到達をより迅速かつ的確に検知できるようにしている。こうすれば、使用開始時における使用可能な所定温度に上昇するまでの待機時間が短縮されて、より迅速に作業を開始できるようになる。
なお、ポンプスイッチ321のオン操作で気化室S2に液体が供給されると、気化室S2の液体が供給される部分、すなわち、ヒータ2613の湾曲部2613bの内側近傍は、液体の気化によって熱を奪われて温度が急速に低下することになる。
このとき、感温部2612のサーモスタットが、この温度低下を感度よく感知してオン・オフ動作するようにしている。すなわち、感温部2612のサーモスタットがヒータ2613への通電や不通電を素早く制御するようにしている。こうすることで、気化体260(気化室S2)の温度を設定温度(170℃等の所定温度)で維持できるようにし、スチームStの生成量が減少してしまうのを抑制して、より安定してスチームStを生成できるようにしている。
そして、気化室S2で発生したスチームStが、ヒータ2613上に形成された左右対称の通路および連通部2615を通ってスチーム通路S3に充満して、スチーム噴出孔2815aから噴出するようにしている。
また、本実施の形態では、電動ポンプ230による気化室S2への送液量を、気化室S2の気化能力以下となるように設定しているため、スチーム噴出器1の使用中に、液体が気化室S2に過剰に送液されてしまうことが抑制されることになる。その結果、スチームStをより安定して噴出させることができるようになって、気化室S2の温度低下によって作業が中断してしまうことを抑制することができるようになる。
(第1変形例)
次に、図17に示す給液管220Aを説明する。
次に、図17に示す給液管220Aを説明する。
図17に示す給液流路PUは、上流側から順に、上流側給液流路PU1、連通路PU2、中央側給液流路PU4、連通路PU2、下流側給液流路PU3となっている。
ここで、上流側給液流路PU1、中央側給液流路PU4および下流側給液流路PU3は、ゴム等の弾性材料で形成されて可撓性を有する上流側給液チューブ221、中央側給液チューブ224および下流側給液チューブ222にそれぞれ形成されている。この上流側給液チューブ221、中央側給液チューブ224および下流側給液チューブ222も、一様の内径となる円環状をしている。したがって、上流側給液流路PU1、中央側給液流路PU4および下流側給液流路PU3は、一様の径を有する円柱状の流路となっている。
同様に、下流側給液流路PU3は、ゴム等の弾性材料で形成されて可撓性を有する下流側給液チューブ222に形成されている。この下流側給液チューブ222も、一様の内径となる円環状をしている。したがって、下流側給液流路PU3も、一様の径を有する円柱状の流路となっている。
なお、本変形例では、上流側給液流路PU1の径、中央側給液流路PU4の径、下流側給液流路PU3の径が略同径となっている。
そして、上流側給液チューブ221と中央側給液チューブ224とが、流量抵抗体223によって連結されており、中央側給液チューブ224と下流側給液チューブ222とが、流量抵抗体223によって連結されている。なお、2つの流量抵抗体223は、上記実施の形態1で示した流量抵抗体223と同一のものである。
このように、図17には、2つ(複数)の流量抵抗体223を用いて形成された給液管220Aが開示されている。
こうすれば、給液流路PUに、より多くの圧損部PRa(流量抵抗部PR)が設けられることになるため、より効率的に、流量を下げることができるようになる。
(第2変形例)
次に、図18および図19に示す流量抵抗体223Bを説明する。
次に、図18および図19に示す流量抵抗体223Bを説明する。
流量抵抗体223Bは、図18および図19に示すように、略円柱状をしており、1つの部材で形成されている。この流量抵抗体223Bは、樹脂材料を用いて形成することも可能であるし、金属材料を用いて形成することも可能である。金属材料としては、SUSや真鍮等を用いることができる。なお、真鍮のようなサビやすい材料を用いた場合には、例えばメッキ加工等の表面処理を施してもよい。
この流量抵抗体223Bも、2つのチューブ状の管を接続させて、給液流路PUに圧損部PRa(流量抵抗部PR)を設けるために用いられるものである。
この流量抵抗体223Bの内側には、図19に示すように、流路Pの一部を構成する連通路PU2が長手方向に貫通するように設けられている。
具体的には、連通路PU2は、導入口PU2aから吐出口PU2bにかけて、狭小流路PU2c、テーパ状流路PU2dおよび拡大流路PU2eが形成されている。
このように、流量抵抗体223Bの内部には、径(断面積)が大きく変化する連通路PU2が形成されている。
このように、本変形例では、連通路PU2の断面積を変化させることで給液流路PU(流路P)内を流れる液体に圧損を生じさせる圧損部PRa(流量抵抗部PR)を形成している。
こうすることでも、周波数帯の相違による吐出流量の差を小さくしつつ、全体的な流量を下げることが可能になる。
(第3変形例)
次に、図20および図21に示す流量抵抗体223Cを説明する。
次に、図20および図21に示す流量抵抗体223Cを説明する。
流量抵抗体223Cは、図20および図21に示すように、第1の分割体2233と、第1の分割体2233に固定される第2の分割体2234と、を備えている。
第1の分割体2233には、略U字状に湾曲して一方向で両端が開口する半円状の溝部2233aが形成されている。
同様に、第2の分割体2234には、略U字状に湾曲して一方向で両端が開口する半円状の溝部2234aが形成されている。
本変形例では、溝部2233aと溝部2234aとが同様の形状をしている。具体的には、溝部2233aおよび溝部2234aには、幅広の部分と幅狭の部分とが交互に並ぶように形成されている。
そして、第1の分割体2233と第2の分割体2234とを溝部が形成された側を対向させた状態で重ね合わせ、ネジ40によって固定することで、連通路PU2が形成された流量抵抗体223Cを形成している。このとき、第1の分割体2233と第2の分割体2234との間にパッキンを介在させて水密的にシール結合されるようにするのが好ましい。
こうすることで、連通路PU2内に、狭小流路PU2cと拡大流路PU2eとが交互に形成されるようにしている。なお、第1の分割体2233のみに溝部2233aを設け、第2の分割体2234には溝部を設けないようにすることも可能である。
こうすることでも、周波数帯の相違による吐出流量の差を小さくしつつ、全体的な流量を下げることが可能になる。
(第4変形例)
次に、図22および図23に示す流量抵抗体223Dを説明する。
次に、図22および図23に示す流量抵抗体223Dを説明する。
流量抵抗体223Dは、図22および図23に示すように、第1の分割体2233と、第1の分割体2233に固定される第2の分割体2234と、を備えている。
第1の分割体2233には、略U字状に湾曲して一方向で両端が開口する半円状の溝部2233aが形成されている。
同様に、第2の分割体2234には、略U字状に湾曲して一方向で両端が開口する半円状の溝部2234aが形成されている。
本変形例では、溝部2233aと溝部2234aとが同様の形状をしている。具体的には、溝部2233aおよび溝部2234aには、幅広の部分と幅狭の部分とが交互に並ぶように形成されている。
そして、第1の分割体2233と第2の分割体2234とを溝部が形成された側を対向させた状態で重ね合わせ、振動溶着や超音波溶着等によって溶着させることで、連通路PU2が形成された流量抵抗体223Dを形成している。
こうすることで、連通路PU2内に、狭小流路PU2cと拡大流路PU2eとが交互に形成されるようにしている。なお、本変形例においても、第1の分割体2233のみに溝部2233aを設け、第2の分割体2234には溝部を設けないようにすることも可能である。
こうすることでも、周波数帯の相違による吐出流量の差を小さくしつつ、全体的な流量を下げることが可能になる。
(第5変形例)
次に、図24に示す給液管220Eを説明する。
次に、図24に示す給液管220Eを説明する。
給液管220Eは、図24に示すように、ゴム等の弾性材料で形成されて可撓性を有する1本のチューブで形成されている。このチューブの内側には、一様の径を有する円柱状の流路(給液流路PU)が形成されている。
そして、この1本のチューブの中央部をコイル状に折り曲げている。こうすることで、一様の径を有する円柱状の流路に、コイル状に折り曲げられた流路が形成されるようにしている。
このように、流路を折り曲げることでも、通過する液体に圧損を生じさせることができるため、コイル状に折り曲げられた流路を圧損部PRa(流量抵抗部PR)として機能させることができる。なお、コイル状の流量抵抗体を別部材とすることも可能である。
こうすることでも、周波数帯の相違による吐出流量の差を小さくしつつ、全体的な流量を下げることが可能になる。
(実施の形態2)
次に、図25~図35を用いて、実施の形態2を説明する。なお、実施の形態2では、掛面が斜め上方を向くようにした状態でスチーム噴出器の上下方向を規定し、スチーム噴出器の短手方向をスチーム噴出器の幅方向と規定し、上下方向および幅方向に直交する方向をスチーム噴出器の前後方向と規定する。また、実施の形態2では、電源コードのプロテクタが接続される側を前後方向の後方と規定する。
次に、図25~図35を用いて、実施の形態2を説明する。なお、実施の形態2では、掛面が斜め上方を向くようにした状態でスチーム噴出器の上下方向を規定し、スチーム噴出器の短手方向をスチーム噴出器の幅方向と規定し、上下方向および幅方向に直交する方向をスチーム噴出器の前後方向と規定する。また、実施の形態2では、電源コードのプロテクタが接続される側を前後方向の後方と規定する。
本実施の形態にかかるスチーム噴出器1Fは、スチーム発生用の気化室S2と、気化室S2を加熱するヒータ(加熱部)2613と、気化室S2に供給される液体を貯留する貯液室S4と、を備えている。また、スチーム噴出器1Fは、貯液室S4と気化室S2とに連通される流路Pと、流路Pに接続されて、貯液室S4内の液体を気化室S2へと供給する電動ポンプ230と、を備えている。
さらに、スチーム噴出器1は、気化室S2で発生させたスチームStを外部に噴出させるためのスチーム噴出孔2815aが形成された掛面281を有する掛面部280を備えている。
そして、貯液室S4に貯留された液体を電動ポンプ230により気化室S2へと送液し、送液された液体を気化室S2で気化させることでスチームStを発生させ、発生させたスチームStをスチーム噴出孔2815aから外部に噴出させるようにしている。
このように、本実施の形態では、電動ポンプ230を用いて貯液室S4に貯留された液体を気化室S2へと送液させるようにしている。こうすることで、送液方向の重力による制約を解消できるようにし、スチーム噴出器1を任意の方向に向けた状態でも、スチーム噴出孔2815aからスチームStを噴出させることができるようにしている。
このスチーム噴出器1は、図25~図29に示すように、樹脂製の筐体10と、筐体10の上部前端に設けられた掛面部280と、を備えている。
本実施の形態では、筐体10は、比較的断熱性能が高い樹脂材料で形成されており、この筐体10の内部に空間が形成されている。そして、筐体10の内部の空間には、電源スイッチ381等が内蔵されている。
また、筐体10の内部の空間には、スチーム生成機構20が、掛面部280を斜め上方に突出させた状態で内蔵されている。このスチーム生成機構20は、水などのスチーム用の液体を気化させてスチームStを発生させるための機構であり、上述した液体を貯留する貯液室S4、貯液室S4から供給された液体を気化させてスチームStを発生させる気化室S2等を備えている。
また、筐体10の後部には、電源コード50が、筐体10からの出口部分で可撓性を有するチューブで形成された屈曲自在なプロテクタ51で保護された状態で、配設されている。
そして、この電源コード50によって、図示省略した商用電源等から供給されるAC100Vの交流電力Eがヒータ2613等に供給されるようにしている。なお、本実施の形態で示すように、電源コード付きのスチーム噴出器1Fとする必要はなく、コードレス式のスチーム噴出器1Fとすることも可能である。
また、筐体10は、下方に位置する基部15と、この基部15の上部に連設され、手で把持することが可能な把持部12と、把持部12の上端部に連設され、スチームStを発生させることが可能なヘッド部16と、を備えている。本実施の形態では、基部15およびヘッド部16は、把持部12に向かうに連れて縮径された形状をしている。すなわち、筐体10は、把持部としての機能を有する上下方向の中央部が細くくびれた形状をしている(図26および図27参照)。
また、筐体10は、前後一対の分割ハウジングを組み付けることで形成されている。具体的には、凹部を有する第1分割ハウジング13と凹部を有する第2分割ハウジング14とを、凹部同士を対向させた状態で重ね合わせ、ネジ40によって固定することで、内部に空間を有する筐体10を形成している。
また、筐体10の内部には、電源スイッチ381が内蔵されている。そして、この電源スイッチ381には、手動で操作可能な切り替えスイッチ釦382が、筐体10の外側面から外部に露出するように取り付けられている。具体的には、第1分割ハウジング13の電源スイッチ381およびスイッチ釦382と対応する部位に、前後方向に貫通する貫通孔13cを形成している。そして、筐体10を組み付けた際に、スイッチ釦382がこの貫通孔13cに挿入されるようにしている。こうすることで、筐体10の外側面からスイッチ釦382を外部に露出させて、スイッチ釦382を手で操作できるようにしている。
そして、スイッチ釦382を手動で操作した際に、スイッチ釦382の操作に連動して、電源スイッチ381のオン・オフが切り替えられるようにしている。
なお、電源スイッチ381には、電源コード50およびヒータ2613が電気的に接続されており、スイッチ釦382を操作して電源スイッチ381をオンに切り替えたときには、電源コード50からの交流電力Eがヒータ2613に供給されるようにしている。ヒータ2613は、リード線341等を介して電源スイッチ381に電気的に接続されている。
また、筐体10には、例えば、気化室S2が加熱されて気化可能な温度になった場合に点灯表示させる通電ランプ331が設けられている。本実施の形態では、通電ランプ331は、筐体10の内部に内蔵されるランプ331aと、筐体10の外側面から外部に露出するように取り付けられて、ランプ331aが発した光を外部に透過させるランプカバー331bと、を備えている。そして、第1分割ハウジング13のランプ331aおよびランプカバー331bと対応する部位に、前後方向に貫通する貫通孔13dを形成し、筐体10を組み付けた際に、ランプカバー331bがこの貫通孔13dに挿入されるようにしている。
さらに、把持部12の後側には、押圧式のスイッチで構成され、電動ポンプ230の出力の切り替えを手動で操作することが可能なギアスイッチボックス311が設けられている。そして、このギアスイッチボックス311には、手動で操作可能な切り替えスイッチカバー312が、筐体10の外側面から外部に露出するように取り付けられている。具体的には、第1分割ハウジング13のギアスイッチボックス311および切り替えスイッチカバー312と対応する部位に、幅方向に貫通する貫通孔13bを形成し、筐体10を組み付けた際に、切り替えスイッチカバー312がこの貫通孔13bに挿入されるようにしている。こうすることで、筐体10の外側面から切り替えスイッチカバー312を外部に露出させて、切り替えスイッチカバー312を手で操作できるようにしている。
また、掛面部280は、良熱伝導性のアルミダイカストで形成されており、ヒータ(加熱部)2613によって加熱されるようになっている。なお、掛面部280はアルミダイカストで形成する必要はなく、例えば、樹脂材料を用いて形成することも可能である。
この掛面部280は、平面視で前後方向に細長い略長円形をした掛面281を備えており、この掛面281には、複数(本実施の形態では7個)の溝2815が幅方向に並ぶように形成されている。さらに、それぞれの溝2815には、1つのスチーム噴出孔2815aが、気化室S2と連通するように形成されている。
本実施の形態では、このようなスチーム噴出孔2815aを設けることで、気化室S2で発生させたスチームStをスチーム噴出孔2815aから外部へ噴出させるようにしている。
スチーム生成機構20は、液体を貯留することが可能な貯液部210と、液体を気化させてスチームStを発生させることが可能な気化体260と、を備えている。また、スチーム生成機構20は、貯液部210に貯留された液体を気化体260へと供給する電動ポンプ230を備えている。
さらに、スチーム生成機構20は、貯液部210と電動ポンプ230とに接続されて、貯液部210に貯留された液体を電動ポンプ230に給液する給液管220Aを備えている。そして、スチーム生成機構20は、電動ポンプ230と気化体260とに接続されて、電動ポンプ230に給液された液体を気化体260へと送液する送液管240を備えている。
また、スチーム生成機構20は、気化体260で発生させたスチームStを外部に噴出させるためのスチーム噴出孔2815aが形成された掛面281を有する掛面部280を備えている。
貯液部210は、開口部211aを有し、内部に貯液室S4が形成された貯液タンク211を備えている。この貯液タンク211は、図25~図29に示すように、筐体10に着脱可能に取り付けられている。
また、筐体10には、貯液タンク211が筐体10から外れてしまうことを抑制するためのロック機構が設けられている。このロック機構は、第2分割ハウジング14に形成された貫通孔14a内に上下方向にスライド可能に取り付けられたタンクロックツマミ391と、このタンクロックツマミ391を下方に付勢するタンクロックバネ392と、で構成されている。
また、貯液タンク211の後部下端には、貯液室S4に連通する給液口211cが形成されており、給液管220Aの一端(上流端)がこの給液口211cに接続されている。
電動ポンプ230は、例えば、一般的な電磁式のポンプで構成することができる。このような電磁式のポンプとしては、外周に設けられた電磁コイルの内部にプランジャー機構が設けられ、プランジャー機構を電磁コイルによって往復動作させるものがあげられる。
なお、電動ポンプ230は、電気的に駆動されて略一定の流量で送液できるものであればよく、例えば、遠心ポンプ等のポンプとすることも可能である。
ここで、本実施の形態では、電動ポンプ230は、第2分割ハウジング14に形成されたポンプ保持壁(電動ポンプ支持部)14bによって保持されるようにしている(図29参照)。
そして、この電動ポンプ230には、給液管220Aの他端(下流端)および送液管240の一端(上流端)が接続されており、送液管240の他端(下流端)が、気化体260の気化室S2と連通するように接続されている。
こうすることで、電動ポンプ230を駆動させた際には、電動ポンプ230のプランジャー機構の往復動作によって、貯液室S4内の液体が給液管220を通って、電動ポンプ230に吸入されるようにしている。そして、電動ポンプ230に吸入された液体が送液管240を通って気化室S2内に吐出されるようにしている。
ここで、本実施の形態では、貯液タンク211と電動ポンプ230とを接続する給液管として、図17に示す給液管220Aを用いている(図30および図31参照)。したがって、貯液室S4に貯留された液体は、2つの流量抵抗体223を通過することで流量を下げながら電動ポンプ230に供給されるようになっている。
このように、本実施の形態にかかるスチーム噴出器1Fにおいても、気化室S2への液体の供給量を物理的(機械的)に制御することで、気化室S2の気化能力以下で定量的に液体が気化室S2に供給されるようにしている。なお、本実施の形態では、16cc/minの液体を気化室S2に供給できるように構成されており、比較的大量のスチームStを衣類73等に噴出させることができるようになっている。
また、本実施の形態では、第2分割ハウジング14に形成されたリブ14cによって給液管220Aが保持されるようにしている。
気化体260は、貯液室S4内に貯留された液体が供給される空間(スチーム発生用の気化室S2)が内部に形成された略箱状をしており、良熱伝導性のアルミダイカストで形成されている。
本実施の形態では、気化体260は、上方に開口する凹部が形成された基部261と、基部261の開口を塞ぐ蓋体262と、を備えている。そして、基部261の開口を蓋体262で塞ぐことで、気化体260の内部に気化室S2が形成されるようにしている。このとき、基部261と蓋体262とが水密的にシール結合されるようにしている。
また、気化体260は、加熱部としてのヒータ2613を備えており、このヒータ2613への通電によって気化体260が加熱されるようにしている。このようなヒータ2613としては、例えば、端子部2613aを有するシーズヒータを用いることができる。
また、基部261における気化室S2の外方には、下方に開口する筒状のリブ2611が形成されており、この筒状のリブ2611の内側の凹部に感温部2612が配置されている(図29参照)。この感温部2612は、気化体260(気化室S2)の温度を検知するサーモスタットで構成されており、感温部2612が気化体260(気化室S2)の温度を感知することで、サーモスタットがオン・オフ駆動されるようにしている。こうすることで、気化室S2における液体が供給される部分が所定の温度で維持されるように、気化体260(気化室S2)の温度を制御している。
また、本実施の形態では、蓋体262に形成された図示省略した貫通孔に、ホースホルダ295がパッキン294によって水密的に取り付けられており、このホースホルダ295に送液管240の下流端が挿入接続されている(図32参照)。こうすることで、送液管240内の液体が気化室S2に供給されるようにしている。なお、本実施の形態では、送液管240は、断熱体270の蓋部274に形成されたリブ274aによって保持されている(図30参照)。
また、本実施の形態では、掛面部280の内側に、スチーム噴出孔2815aに連通するスチーム通路S3が形成されており、このスチーム通路S3と気化室S2とが基部261に形成された連通部2615を介して連通している。なお、本実施の形態では、スチーム通路S3と気化室S2とは、基部261の前方に配置されたパッキン297によって水密的にシールされている。なお、気化室S2内には、内壁2616が渦巻状に設けられており、気化室S2内には、この渦巻き状の内壁2616によって画成された通路が形成されている(図33参照)。
また、本実施の形態では、スチーム生成機構20は、断熱体270を備えており、気化体260がこの断熱体270によって覆われている。このように、断熱体270を設けることで、気化体260の熱が他の部材(筐体10、貯液タンク211、電動ポンプ230など)に移動してしまうことが抑制されるようにしている。
本実施の形態では、断熱体270は、基部273と蓋部274とを備えている。そして、基部273と蓋部274とで囲まれる空間内に気化体260が配置されるようにしている。このとき、気化体260は、スペーサ296を間に介在させた状態で基部273と蓋部274とで囲まれる空間内に配置されている(図29参照)。
また、本実施の形態では、掛面部280と断熱体270とがネジ40によって固定されている(図35参照)。
[作用・効果]
以下では、上記各実施の形態およびその変形例で示したスチーム噴出器の特徴的構成およびそれにより得られる効果を説明する。
以下では、上記各実施の形態およびその変形例で示したスチーム噴出器の特徴的構成およびそれにより得られる効果を説明する。
(1) 上記各実施の形態およびその変形例で示したスチーム噴出器1,1Fは、スチーム発生用の気化室S2と、気化室S2を加熱するヒータ(加熱部)2613と、気化室S2に供給される液体を貯留する貯液室S4と、を備えている。また、スチーム噴出器1,1Fは、貯液室S4と気化室S2とに連通される流路Pと、流路Pに接続されて、貯液室S4内の液体を気化室S2へと供給する電動ポンプ230と、を備えている。そして、流路Pは、液体の流量を減少させる流量抵抗部PRを有している。
こうすれば、流量抵抗部PRによって電動ポンプ230から気化室S2に供給される液体の流量を制御する(流量を減少させる)ことができるため、より確実かつ安定的にスチーム噴出器1,1FからスチームStを噴出させることができるようになる。
また、流路Pが有する流量抵抗部PRによって、電動ポンプ230から気化室S2に供給される液体の流量を物理的に制御しているため、電動ポンプ230から気化室S2に供給される液体の流量を制御するための制御部(制御基板)を設ける必要がなくなる。その結果、制御部(制御基板)を配置するためのスペースをスチーム噴出器1,1Fに設ける必要がなくなるため、スチーム噴出器1,1Fの小型化を図ることができるようになる。さらに、スチーム噴出器1,1Fに制御部(制御基板)を設けない分、構成の簡素化、軽量化、低コスト化を図ることができるようになる。
このように、上記各実施の形態およびその変形例で示したスチーム噴出器1,1Fとすれば、小型化、軽量化、低コスト化を実現させつつ、より確実かつ安定的にスチームStを噴出させることが可能になる。
そして、小型化、軽量化、低コスト化を実現させつつ、より確実かつ安定的にスチームStを噴出させるようにすれば、スチーム噴出器1,1Fの使い勝手をより向上させることができるようになる。
さらに、電動ポンプ230から気化室S2に供給される液体の流量を流量抵抗部PRによって減少させるようにすれば、異なる周波数域の地域で使用した場合に気化室S2に供給される液体の流量の差を小さくすることが可能になる。
したがって、例えば、周波数域が50Hzの地域で使用した場合に気化室S2に供給される液体の流量を、60Hzの地域で使用した場合に気化室S2に供給される液体の流量とほぼ同じ流量となるようにすることもできる。こうすれば、周波数域が50Hzの地域と60Hzの地域のいずれの地域にも対応させることができるため、スチーム噴出器1,1Fの性能の日本における地域差をなくすことができるようになる。すなわち、日本国内のいずれの地域においても、ほぼ同様の性能でスチーム噴出器1,1Fを使用することができるようになる。
(2) また、流量抵抗部PRが、流路P内を流れる液体に圧損を生じさせる圧損部PRaを有していてもよい。
このように、圧損部PRaによって流路P内を流れる液体に圧損を生じさせるようにすれば、電動ポンプ230から気化室S2に供給される液体の流量を、より効率的に低減させることができる。その結果、所望の流量まで減少させるために用いられる流量抵抗部PRの数をより少なくすることができる。したがって、構成の簡素化を図りつつ、気化しなかった水がスチームStとともに噴出する、いわゆる水漏れ、湯飛びが発生してしまうことを、より確実に抑制することができるようになる。
(3) また、流路Pの断面積を変化させることで圧損部PRaを形成するようにしてもよい。
こうすれば、電動ポンプ230から気化室S2に供給される液体の流量を、より一層効率的に低減させることができる。その結果、所望の流量まで減少させるために用いられる流量抵抗部PRの数をより一層少なくすることができる。したがって、構成のさらなる簡素化を図りつつ、気化しなかった水がスチームStとともに噴出する、いわゆる水漏れ、湯飛びが発生してしまうことを、より確実に抑制することができるようになる。
(4) また、流路Pの一部を構成する連通路PU2が形成された流量抵抗体223,223B,223C,223Dを備え、連通路PU2が流量抵抗部PRを有するようにしてもよい。
こうすれば、例えば、既存のチューブ等に流量抵抗体223,223B,223C,223Dを接続させるだけで、流量抵抗部PRを有する流路Pを形成することができるようになる。そのため、より容易に電動ポンプ230から気化室S2に供給される液体の流量を物理的に制御することが可能になる。
(5) また、流量抵抗体223,223Bが1つの部材で形成されていてもよい。
こうすれば、より容易に流量抵抗体223,223Bを製造することができるようになる。
(6) また、流量抵抗体223C,223Dが、連通路PU2の少なくとも一部となる溝部2233aが形成された第1の分割体2233と、第1の分割体2233に固定される第2の分割体2234と、を有するようにしてもよい。
こうすれば、2つの分割体2233,2234を組み合わせて固定することで連通路PU2を形成することができるため、より複雑な形状をした連通路PU2をより容易に形成することが可能になる。こうすれば、より効率的に電動ポンプ230から気化室S2に供給される液体の流量を低減させることが可能な流量抵抗体を得ることができるようになる。
(7) また、流量抵抗体223を複数備えるようにしてもよい。
こうすれば、電動ポンプ230から気化室S2に供給される液体の流量を、より低減させることができるようになる。その結果、流路Pの全長を短くしつつ、電動ポンプ230から気化室S2に供給される液体の流量を所望の流量まで低減させることが可能になる。こうすれば、流路Pの配置部位の省スペース化を図ることができる。
(8) また、流路Pの断面形状が略円形をしており、連通路PU2の径が連通路PU2に接続される部位における流路Pの径r1よりも小さくなっていてもよい。そして、連通路PU2の最小径が、連通路PU2に接続される部位における流路Pから連通路PU2に導入される際に液体に生じる流量抵抗が所定の流量抵抗となるときの径r2以上であってもよい。
こうすれば、液体内に存在する塵等によって連通路PU2が目詰まりしてしまうことを抑制できるようになる。
(9) また、連通路PU2の径が、連通路PU2に接続される部位における流路Pの径r1の60パーセント以下であってもよい。
こうすれば、流路Pから連通路PU2に導入される際に液体に生じる流量抵抗を比較的大きくすることができる。そのため、電動ポンプ230から気化室S2に供給される液体の流量を、より効率的に低減させることができるようになる。
(10) また、連通路PU2の径が、最小径r2よりも流量抵抗体の製造上必要な寸法公差dだけ大きくした径r3以下であってもよい。
こうすれば、連通路PU2の目詰まりを抑制しつつ最大の流量低減効果を奏することが可能な流量抵抗体を得ることができる。
(11) また、流路Pの電動ポンプ230よりも上流側に流量抵抗部PRが設けられていてもよい。
こうすれば、電動ポンプ230で液体を吸い上げる部位で、流量抵抗部PRによって液体の流量を減少させることになる。そして、このようにすると、電動ポンプ230から気化室S2に送液する部位で、流量抵抗部PRによって液体の流量を減少させる場合よりも、液体の流量を効率的に低減させることができるようになる。
(12) また、加熱部2613に通電する電源スイッチ311と、電動ポンプ230を駆動するポンプスイッチ321と、を備えていてもよい。そして、電源スイッチ311がオンされた後、気化室S2が液体の気化可能な温度に加熱されるまで、電動ポンプ230の駆動を遅延するように構成されていてもよい。
こうすることで、使用開始時等、気化室S2が液体の気化可能な温度に加熱されていない状態のときに、ポンプスイッチ321が操作されたとしても、電動ポンプ230を駆動させないようにしている。こうすれば、液体の気化可能な温度まで加熱されていない気化室S2に液体が送液されてしまうことを抑制することができ、水漏れ、湯飛びが発生してしまうことを、より確実に抑制することができるようになる。その結果、より確実かつ安定的にスチームStを噴出させることが可能になる。
[その他]
以上、本開示にかかるスチーム噴出器の内容を説明したが、これらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
以上、本開示にかかるスチーム噴出器の内容を説明したが、これらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
例えば、上記各実施の形態およびその変形例で示した構成を適宜組み合わせたスチーム噴出器とすることが可能である。
また、上記各実施の形態およびその変形例では、流路Pの断面積を複数回変化させる圧損部PRaを例示したが、流路Pの断面積を1回だけ変化させる圧損部とすることも可能である。例えば、気化室S2と電動ポンプ230との間で1回だけ流路Pの断面積を変化させ、電動ポンプ230に接続されるまで流路の断面積が変化しない構成とすることも可能である。
また、流路Pの電動ポンプ230よりも下流側に流量抵抗部PRが設けられていてもよいし、流路Pの電動ポンプ230よりも上流側および下流側の両方に流量抵抗部PRが設けられていてもよい。こうすることでも、上記各実施の形態およびその変形例とほぼ同様の作用、効果を奏することができる。
また、気化室や電動ポンプ、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
以上のように、本開示にかかるスチーム噴出器は、小型化、軽量化、低コスト化を実現させつつ、より確実かつ安定的にスチームを噴出させることが可能となるので、家庭用および業務用をはじめとする各種のスチーム噴出器およびスチームアイロンに利用できる。
1,1F スチーム噴出器
223,223B,223C,223D 流量抵抗体
2613 ヒータ(加熱部)
230 電動ポンプ
311 電源スイッチ
321 ポンプスイッチ
S2 気化室
S4 貯液室
P 流路
PU2 連通路
PR 流量抵抗部
PRa 圧損部
r1 径
r2 径
r3 径
d 寸法公差
223,223B,223C,223D 流量抵抗体
2613 ヒータ(加熱部)
230 電動ポンプ
311 電源スイッチ
321 ポンプスイッチ
S2 気化室
S4 貯液室
P 流路
PU2 連通路
PR 流量抵抗部
PRa 圧損部
r1 径
r2 径
r3 径
d 寸法公差
Claims (12)
- スチーム発生用の気化室と、
前記気化室を加熱する加熱部と、
前記気化室に供給される液体を貯留する貯液室と、
前記貯液室と前記気化室とに連通される流路と、
前記流路に接続されて、前記貯液室内の液体を前記気化室へと供給する電動ポンプと、
を備え、
前記流路は、液体の流量を減少させる流量抵抗部を有する、
スチーム噴出器。 - 前記流量抵抗部は、前記流路内を流れる液体に圧損を生じさせる圧損部を有する、
請求項1に記載のスチーム噴出器。 - 前記流路の断面積を変化させることで前記圧損部を形成した、
請求項2に記載のスチーム噴出器。 - 前記流路の一部を構成する連通路が形成された流量抵抗体を備え、
前記連通路が前記流量抵抗部を有する、
請求項1~3のうちいずれか1項に記載のスチーム噴出器。 - 前記流量抵抗体が1つの部材で形成されている、
請求項4に記載のスチーム噴出器。 - 前記流量抵抗体は、前記連通路の少なくとも一部となる溝部が形成された第1の分割体と、前記第1の分割体に固定される第2の分割体と、を有する、
請求項4に記載のスチーム噴出器。 - 前記流量抵抗体を複数備える、
請求項4~6のうちいずれか1項に記載のスチーム噴出器。 - 前記流路の断面形状が略円形をしており、
前記連通路の径が前記連通路に接続される部位における前記流路の径よりも小さくなっており、
前記連通路の最小径が、前記連通路に接続される部位における前記流路から前記連通路に導入される際に液体に生じる流量抵抗が所定の流量抵抗となるときの径以上である、
請求項4~7のうちいずれか1項に記載のスチーム噴出器。 - 前記連通路の径が、前記連通路に接続される部位における前記流路の径の60パーセント以下である、
請求項8に記載のスチーム噴出器。 - 前記連通路の径が、前記最小径よりも前記流量抵抗体の製造上必要な寸法公差だけ大きくした径以下である、
請求項9に記載のスチーム噴出器。 - 前記流路の前記電動ポンプよりも上流側に前記流量抵抗部が設けられている、
請求項1~10のうちいずれか1項に記載のスチーム噴出器。 - 前記加熱部に通電する電源スイッチと、
前記電動ポンプを駆動するポンプスイッチと、
を備え、
前記電源スイッチがオンされた後、前記気化室が液体の気化可能な温度に加熱されるまで、前記電動ポンプの駆動を遅延するように構成された、
請求項1~11のうちいずれか1項に記載のスチーム噴出器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021017818A JP2022120725A (ja) | 2021-02-05 | 2021-02-05 | スチーム噴出器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021017818A JP2022120725A (ja) | 2021-02-05 | 2021-02-05 | スチーム噴出器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022120725A true JP2022120725A (ja) | 2022-08-18 |
Family
ID=82849208
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021017818A Pending JP2022120725A (ja) | 2021-02-05 | 2021-02-05 | スチーム噴出器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022120725A (ja) |
-
2021
- 2021-02-05 JP JP2021017818A patent/JP2022120725A/ja active Pending
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Legal Events
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RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
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