JP2022120448A - タイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤに要求される他の性能を低下させることなく、タイヤ転動時の発生騒音を抑制可能なタイヤを提供する。【解決手段】一対のビードコア間にトロイダルに配置されたラジアルカーカスと、ラジアルカーカスのタイヤ径方向内側に所定の厚みを有して配置されたインナーライナーと、ラジアルカーカスのタイヤ径方向外側に配置されたトレッドゴム層とを備えたタイヤであって、タイヤのクラウン部におけるラジアルカーカスの外周面からインナーライナーの内周面までの厚さが、少なくともタイヤ幅方向中心を含む所定範囲よりも当該所定範囲以外の範囲における厚さよりも厚い部分を含むようにした。【選択図】図2
Description
本発明は、タイヤに関し、特に軽量化と転がり抵抗低減化により省燃費を図りつつ、タイヤ転動時にタイヤから発せられる騒音を低減可能なタイヤに関する。
従来、タイヤの軽量化及び転がり抵抗の低減化を目的とし、トレッド部の厚さを薄くベルト層を構成した場合(薄ゲージ)、タイヤが路面上を転動すると、路面の凹凸やトレッド踏面それ自体の凹凸等に応じて変形し、その変形に起因してトレッド部に振動が発生することが知られている。特に、トレッド部に配置されたベルトの幅方向面における外曲げ剛性が低いと、ベルト幅方向断面で「高次の振動モード」が発生する。このようなタイヤ転動時の発生騒音抑制を抑制する技術として、タイヤの幅方向中央部のベルト-カーカスプライ間に厚みのあるゴム層を設ける技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、特許文献1に示す技術を薄ゲージのタイヤに適用した場合、タイヤにおける他性能にも影響を及ぼしやすくなる。このため、ゴム層の配置には、タイヤにおける他性能を犠牲にすることなく騒音抑制性能とのバランスをとる必要がある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、タイヤに要求される他の性能を低下させることなく、タイヤ転動時の発生騒音を抑制可能なタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、タイヤに要求される他の性能を低下させることなく、タイヤ転動時の発生騒音を抑制可能なタイヤを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するためのタイヤの構成として、一対のビードコア間にトロイダルに配置されたラジアルカーカスと、ラジアルカーカスのタイヤ径方向内側に所定の厚みを有して配置されたインナーライナーと、ラジアルカーカスのタイヤ径方向外側に配置されたトレッドゴム層とを備えたタイヤであって、タイヤのクラウン部におけるラジアルカーカスの外周面から前記インナーライナーの内周面までの厚さが、少なくともタイヤ幅方向中心を含む所定範囲よりも当該所定範囲以外の範囲における厚さよりも厚い部分を含む構成とした。
本構成によれば、タイヤ転動時の発生騒音を抑制できる。
本構成によれば、タイヤ転動時の発生騒音を抑制できる。
なお、上記発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、特徴群を構成する個々の構成もまた発明となり得る。
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが下記実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
[タイヤの基本構造]
図1は、本実施形態に係るタイヤTの幅方向の断面図である。図2は、クラウン部の拡大断面図である。以下の説明では、図中の矢印で示す方向をタイヤ幅方向及びタイヤ(半)径方向として特定する。また、タイヤ幅方向については、タイヤセンターCLを中心として紙面に向かって左右とし、左右それぞれのタイヤセンターCL側を内側、その逆側を外側と称する場合がある。
図1は、本実施形態に係るタイヤTの幅方向の断面図である。図2は、クラウン部の拡大断面図である。以下の説明では、図中の矢印で示す方向をタイヤ幅方向及びタイヤ(半)径方向として特定する。また、タイヤ幅方向については、タイヤセンターCLを中心として紙面に向かって左右とし、左右それぞれのタイヤセンターCL側を内側、その逆側を外側と称する場合がある。
各図に示すように、タイヤTは、コード部材を主体として形成されたビードコア12、カーカス14、ベルト層16、ゴム部材を主体として形成されたビードフィラー20、リムクッションゴム22、ベルトアンダーゴム24、サイドゴム26、ベースゴム28、トレッドゴム30、インナーライナー32等を備える。ビードコア12、カーカス14及びベルト層16は、タイヤTにおける骨格を形成し、インナーライナー32、ビードフィラー20、リムクッションゴム22、ベルトアンダーゴム24、サイドゴム26、ベースゴム28、トレッドゴム30は、タイヤTの各部に要求される性能を満たすべく、骨格に対する肉付け部材として設けられる。
ビードコア12;12は、円環状に形成されたスチールコードの集合体であり、タイヤTの幅方向に隔てて設けられる一対の部材である。ビードコア12を形成するスチールコードは、例えば、スチール製の素線を層撚りや複撚りする等して形成されたビードコードを所定回数巻回して円環状に形成される。ビードコア12の断面視における輪郭形状は、例えば、四角形や六角形等の多角形状、或いは、円形等に形成される。
カーカス14は、左右に設けられたビードコア12の内側から外側に巻き上げるように折り返され、左右のビードコア12;12間をトロイダル状に延在するように設けられる。巻き上げられたカーカス14の端部は、タイヤTにおける最大幅部よりもタイヤ半径内側で終端する場合や、タイヤ半径方向外側で終端する場合、或いは、最大幅部に一致して終端する場合がある。カーカス14は、例えば、一枚以上のカーカスプライが重ねられて構成される。各カーカスプライは、プライコードと呼ばれる繊維コードやスチールコードをすだれ状に配置し、カーカスゴムとの接着により形成され、タイヤTにおいてカーカスコードがタイヤ半径方向に延長するように配置される。
ベルト層16は、タイヤTのトレッド部に対応する位置、即ち、カーカス14のクラウン部の外周側に重ねられるようにタイヤ円周方向に沿って巻き付けられる。これにより、タイヤTにおけるトレッド部の回転によるせり出しを抑制し、車両走行中においてタガ効果を発揮する。
ベルト層16は、例えば、一枚以上のベルトプライにより構成される。図3に示すように、本実施形態におけるベルト層16は、3枚のベルトプライ17;18;19が重ねられて構成されたものとする。各ベルトプライ17;18;19は、化学繊維やスチール等からなるベルトコードをすだれ状に配列し、その配列を維持するようにベルトゴムで被覆したシート状の部材として形成される。
ベルトプライ17及びベルトプライ18は、カーカス14の外周側に配置したときに、ベルトコード17A;18Aがタイヤ幅方向に対して傾斜して延長するように形成される。ベルトプライ19は、ベルトプライ18の外周側に配置したときに、ベルトコードがタイヤ円周方向に沿って延長するように形成される。以下、ベルトプライ17及びベルトプライ18を傾斜ベルト17;18等といい、ベルトプライ19を周方向ベルト19という。
傾斜ベルト17及び傾斜ベルト18は、ベルトコード17A;18A同士が互いに交錯するように重ねて設けられる。傾斜ベルト17及び傾斜ベルト18を構成するベルトコード17A;18Aには、例えば、スチールを素材とするものを用い、周方向ベルト19を構成するベルトコードには、スチール以外を素材とするものを用いると良い。
また、傾斜ベルト17を構成するベルトコード17Aのタイヤ幅方向に対して傾斜する角度α17、及び傾斜ベルト18を構成するベルトコード18Aのタイヤ幅方向に対して傾斜する角度α18は、60°以上に設定すると良い。好ましくは、60°以上64°以下、より好ましくは60°以上62°以下の範囲に設定すると良い。
このように傾斜ベルト17;18のベルトコード17A:18Aの傾斜角度を設定することにより、耐摩耗性や操縦安定性能を確保しつつ、騒音の原因となる踏面からの入力を低減できる。また、ベルトコード17A:18Aの傾斜する角度α17;α18に下限値を設定することにより、耐摩耗性や操縦安定性能を確保しつつ、騒音の原因となる踏面からの入力を低減できる。
[タイヤのゴム構成]
ビードフィラー20は、ビードコア12に巻き上げられたカーカス14の間に形成される空間に充填されるように配置される。
ビードフィラー20は、ビードコア12に巻き上げられたカーカス14の間に形成される空間に充填されるように配置される。
リムクッションゴム22は、カーカス14のタイヤ半径方向の最も内側から巻き上げられたカーカス14の外側に沿って所定長さ延長する。これにより、タイヤTをリム組みしたときの適用リムとの密着性、及びビード部の構造が保護される。
ベルトアンダーゴム24は、タイヤ幅方向外側に位置するベルト層16の端部側と、カーカス14との間に設けられ、ベルト層16の端部側の構造を保護する。
サイドゴム26は、リムクッションゴム22に隣接し、カーカス14の外周に沿って半径方向外側に向けて延長し、ベルトアンダーゴム24の側部を覆う。
ベースゴム28は、トレッドゴム30とともにトレッドゴム層を形成する。ベースゴム28は、ベルト層16のタイヤ半径方向外側においてタイヤ幅方向に延長し、左右のベルトアンダーゴム24及びサイドゴム26を覆うように設けられる。
トレッドゴム30は、ベースゴム28の半径方向外側に重ねて設けられ、ベースゴム28とともにタイヤTのトレッド部を構成する。トレッドゴム30には、所定のトレッドパターンが形成され、その表面はタイヤTにおける接地面となる。
トレッドゴム30には、タイヤ周方向に延長する複数の周方向主溝が形成される。例えば、周方向主溝は、図1等に示すように複数形成されるうちの一つである周方向主溝31Aがタイヤ幅方向中央に位置するように(タイヤセンターCLを含むように)形成されたり、或いは、図示しないが、センター領域に2本以上の周方向主溝、例えば、タイヤセンターCLを挟んでその両側に2本以上設けられる。なお、周方向主溝31Aとは、例えばタイヤTの使用限界を示すウェアインジケータが設定される凹部であって、タイヤTに形成される凹部のうち最も深い凹部を言うものとする。また、センター領域とは、少なくともトレッド幅の中心を50%位置としたときに、少なくともトレッド幅の25~75%の範囲を言う。例えば、トレッド幅が160mmのタイヤの場合、タイヤセンターCLを対称位置として80mmの範囲が相当する。なお、上記範囲に複数の主溝を含む場合は、タイヤセンターCLの最も近くに位置するセンター主溝のみをカバーする範囲が相当する。
なお、トレッド幅とは、タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷状態における両トレッド端間のタイヤ幅方向距離を言う。ここで、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会) YEAR
BOOK、欧州ではETRTO(European Tyre and
Rim Technical Organisation) STANDARD MANUAL、米国ではTRA(THE TIRE
and RIM ASSOCIATION INC.)YEAR BOOK等に規定されたリムを指す。また、「規定内圧」とは、上記所定の産業規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)に対応する空気圧のことである。
なお、トレッド幅とは、タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷状態における両トレッド端間のタイヤ幅方向距離を言う。ここで、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会) YEAR
BOOK、欧州ではETRTO(European Tyre and
Rim Technical Organisation) STANDARD MANUAL、米国ではTRA(THE TIRE
and RIM ASSOCIATION INC.)YEAR BOOK等に規定されたリムを指す。また、「規定内圧」とは、上記所定の産業規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)に対応する空気圧のことである。
インナーライナー32は、左右のビード部に設けられたリムクッションゴム22;22間に渡って延長し、カーカス14の内周の全域を覆う。当該インナーライナー32により空気入りタイヤとしての気密性が付与される。
[カーカス内周面からインナーライナー内周面までの肉厚(ゴム厚)の変化]
図4(a)~(c)は、本実施形態に係る厚肉領域の複数の形成例を示す図である。なお、各図においてグレーで示す部材が厚肉領域を形成する部材を示している。
図4に示すように、タイヤTはタイヤ幅方向の断面視において、タイヤTのクラウン部の少なくともタイヤ幅方向中心を含む所定範囲で、カーカス14の外周面14aからインナーライナー32の内周面32aまでの厚みtが、他部よりも厚くなるように形成される。以下、この所定範囲を厚肉領域40という。なお、厚肉領域40における厚みtは、ゴムの成型品であることを考慮すれば、幅方向に沿って均一であることを要しない。
図4(a)~(c)は、本実施形態に係る厚肉領域の複数の形成例を示す図である。なお、各図においてグレーで示す部材が厚肉領域を形成する部材を示している。
図4に示すように、タイヤTはタイヤ幅方向の断面視において、タイヤTのクラウン部の少なくともタイヤ幅方向中心を含む所定範囲で、カーカス14の外周面14aからインナーライナー32の内周面32aまでの厚みtが、他部よりも厚くなるように形成される。以下、この所定範囲を厚肉領域40という。なお、厚肉領域40における厚みtは、ゴムの成型品であることを考慮すれば、幅方向に沿って均一であることを要しない。
図4(a)に示すように、厚肉領域40は、例えばカーカス14とインナーライナー32との間に別部材としてシート状に形成したゴム部材(以下、層間ゴムという)34を介在させる構成であって良い。また、図4(b),(c)に示すように、別部材を介在させることなく、カーカス14を形成するカーカスゴムやインナーライナー32を構成するゴム部材の厚みを直接的に変化させて厚肉領域40を形成しても良い。
層間ゴム34を介在させて厚肉領域40を形成した場合、カーカスゴムやインナーライナー32とは異なる特性のゴム素材を採用できるという利点がある。即ち、層間ゴム34のtanδを、カーカスゴムやインナーライナー32のtanδよりも大きく、又は小さく設定することにより、タイヤTに要求される他の特性を維持しつつ、タイヤTにおける質量分布に変化を付与して振動を抑制することができる。例えば、硬度の大きいゴムを層間ゴム34として用いることで、タイヤ幅方向中央部における振動が低下し、騒音性能を向上させることができる。
また、騒音性能の向上において、厚肉領域40の厚みを厚く設定したり、タイヤ幅方向の範囲を広く設定したり、或いはその両方を必要とする場合、カーカス14を形成するカーカスゴムやインナーライナー32を形成するゴム自体の厚みによって、厚肉領域40を形成することにより、タイヤTにおける質量分布に変化を付与して振動を抑制し、騒音性能を向上させることができる。
厚肉領域40の幅W40は、少なくともトレッド部のタイヤ幅方向中央部に形成された周方向主溝31Aの全体を含む幅に設定すると良い。
前述のように、タイヤの構造としてトレッド部の厚みが薄くなるようにベルト層16を構成した場合、構造振動が、タイヤセンターCLで発生しやすい。特に、周方向主溝31AのようにタイヤセンターCL上に形成された場合、トレッド部において厚みが薄く、より振動が増幅されやすい。そこで、タイヤセンターCLを含むように厚肉領域40を形成することで、構造に起因する振動を抑制できる。特に、タイヤセンターCL上に周方向主溝31Aが形成されている場合には、その有効性がさらに顕著となる。また、前述のように、トレッド部のセンター領域にタイヤセンターCLを挟んでその両側に周方向主溝が2本以上設けられている場合、厚肉領域40の幅は、センター領域に形成されたすべての周方向主溝を含むようにしても良く、各周方向主溝に対応するように形成しても良い。
前述のように、タイヤの構造としてトレッド部の厚みが薄くなるようにベルト層16を構成した場合、構造振動が、タイヤセンターCLで発生しやすい。特に、周方向主溝31AのようにタイヤセンターCL上に形成された場合、トレッド部において厚みが薄く、より振動が増幅されやすい。そこで、タイヤセンターCLを含むように厚肉領域40を形成することで、構造に起因する振動を抑制できる。特に、タイヤセンターCL上に周方向主溝31Aが形成されている場合には、その有効性がさらに顕著となる。また、前述のように、トレッド部のセンター領域にタイヤセンターCLを挟んでその両側に周方向主溝が2本以上設けられている場合、厚肉領域40の幅は、センター領域に形成されたすべての周方向主溝を含むようにしても良く、各周方向主溝に対応するように形成しても良い。
図5は、厚肉領域を形成する場合の他の形成例を示す図である。騒音性能の向上において、厚肉領域40に広い幅や厚みを必要とし、例えば、厚肉領域40の形成に伴いタイヤTの重量に大きな増加が見込まれるような場合には、インナーライナー32側の厚肉領域40の幅を狭く、或いは厚さを薄くしつつ、これに付加して例えば、タイヤTのクラウン部におけるベルト層16の外周面16aからトレッドゴム層の外周面30aまでの厚さuが、少なくともタイヤ幅方向中心を含む所定範囲よりも当該所定範囲以外の範囲における厚さよりも厚い部分を含むように厚肉領域50を形成すると良い。
このように、ベルト層16の外周面16aからトレッドゴム層の外周面30aまでの厚さuが、少なくともタイヤ幅方向中心を含む所定範囲よりも当該所定範囲以外の範囲における厚さuよりも厚い部分を含む厚肉領域50を形成するには、厚肉領域40の形成と同様な手法を用いることができる。即ち、図5(a)に示すように、ベルト層16とベースゴム28との間に別部材としてシート状に形成したゴム部材38を介在させることや、図5(b)に示すように、ベースゴム28を構成するゴム部材によって直接的に厚みの変化を付与しても良い。
このように、カーカス14及びこれに積層されるベルト層16を挟んで、インナーライナー32側と、トレッドゴム30側とに厚肉領域40;50を設けることにより、トレッド部におけるタイヤ骨格部材のカーカス14及びベルト層16の剛性が向上するため、インナーライナー32側及びトレッドゴム30側のそれぞれに形成される厚肉領域40;50の幅W40;W50を狭く、或いは薄くすることができる。よって、タイヤTの重量増加を抑制しつつ、より好ましい接地形状を実現することができる。
そして、その結果として、タイヤTの耐摩耗性能や操安性能を確保しつつ騒音性能を向上させることができる。
そして、その結果として、タイヤTの耐摩耗性能や操安性能を確保しつつ騒音性能を向上させることができる。
以上説明したように、タイヤTのクラウン部におけるラジアルカーカスの外周面からインナーライナーの内周面までの厚さが、少なくともタイヤ幅方向中心を含む所定範囲よりも当該所定範囲以外の範囲における厚さよりも厚い部分を含むように構成することにより、摩耗や操安性能を確保しつつ、構造上の振動帯域となる周波数領域で騒音の振幅が低下し、騒音性能を向上させることができる。また、トレッドゴム層とベルト層間や、ベルト層とカーカス間のみに、厚みの変化を設けた場合と比較し、特に、タイヤ回転時のすべり帯域となる高周波領域で騒音の振幅を顕著に低下させることができる。
また、上記構成に加え、タイヤのクラウン部におけるベルト層の外周面からトレッドゴム層の外周面までの厚さが、少なくともタイヤ幅方向中心を含む所定範囲よりも当該所定範囲以外の範囲における厚さよりも厚い部分を含むようにすることにより、タイヤ骨格部材であるベルト層及びカーカスを挟み込むことで、耐摩耗性能や操安性能を確保しつつ騒音性能を向上させることができる。
また、タイヤ幅方向中心を含む所定範囲内におけるトレッドゴム層の踏面に主溝を形成することにより、騒音を効果的に低下させることができる。
また、ベルト層をタイヤ幅方向に対して傾斜して延びる複数本のコードをゴム被覆してなる傾斜ベルトと、傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ周方向に延びる複数本のコードをゴム被覆してなる周方向ベルトとを含むようにタイヤを構成することで、タイヤの軽量化及び転がり抵抗性能を維持しつつ騒音性能を向上させることができる。
また、上記構成に加え、タイヤのクラウン部におけるベルト層の外周面からトレッドゴム層の外周面までの厚さが、少なくともタイヤ幅方向中心を含む所定範囲よりも当該所定範囲以外の範囲における厚さよりも厚い部分を含むようにすることにより、タイヤ骨格部材であるベルト層及びカーカスを挟み込むことで、耐摩耗性能や操安性能を確保しつつ騒音性能を向上させることができる。
また、タイヤ幅方向中心を含む所定範囲内におけるトレッドゴム層の踏面に主溝を形成することにより、騒音を効果的に低下させることができる。
また、ベルト層をタイヤ幅方向に対して傾斜して延びる複数本のコードをゴム被覆してなる傾斜ベルトと、傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ周方向に延びる複数本のコードをゴム被覆してなる周方向ベルトとを含むようにタイヤを構成することで、タイヤの軽量化及び転がり抵抗性能を維持しつつ騒音性能を向上させることができる。
12 ビードコア、14 カーカス、16 ベルト層、28 ベースゴム、
30 トレッドゴム、32 インナーライナー、34 層間ゴム、
CL タイヤセンター、T タイヤ。
30 トレッドゴム、32 インナーライナー、34 層間ゴム、
CL タイヤセンター、T タイヤ。
Claims (4)
- 一対のビードコア間にトロイダルに配置されたラジアルカーカスと、
前記ラジアルカーカスのタイヤ径方向内側に所定の厚みを有して配置されたインナーライナーと、
前記ラジアルカーカスのタイヤ径方向外側に配置されたトレッドゴム層と、
を備えたタイヤであって、
前記タイヤのクラウン部における前記ラジアルカーカスの外周面から前記インナーライナーの内周面までの厚さが、少なくともタイヤ幅方向中心を含む所定範囲よりも当該所定範囲以外の範囲における厚さよりも厚い部分を含むことを特徴とするタイヤ。 - 前記ラジアルカーカスのタイヤ径方向外側に配置されたベルト層を備え、
前記タイヤのクラウン部における前記ベルト層の外周面から前記トレッドゴム層の外周面までの厚さが、少なくともタイヤ幅方向中心を含む所定範囲よりも当該所定範囲以外の範囲における厚さよりも厚い部分を含むことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。 - 前記タイヤ幅方向中心を含む所定範囲内における前記トレッドゴム層の踏面に主溝が形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のタイヤ。
- 前記ベルト層がタイヤ幅方向に対して傾斜して延びる複数本のコードをゴム被覆してなる傾斜ベルトと、
前記傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に配置され、タイヤ周方向に延びる複数本のコードをゴム被覆してなる周方向ベルトと、
を含むことを特徴とする請求項2又は請求項3記載のタイヤ。
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