JP2022120277A - 切削装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022120277000001
【課題】切削ブレードの消耗量に応じてセットアップを適切なタイミングで実行することが可能な切削装置を提供する。
【解決手段】被加工物を切削する切削装置であって、被加工物を保持する保持面を有するチャックテーブルと、切削ブレードで切削する切削ユニットと、切削ブレードの先端を検出するブレード検出ユニットと、ブレード検出ユニットによって検出された切削ブレードの先端の位置に基づいて、被加工物と切削ブレードとの位置関係を補正するセットアップを実行する制御ユニットと、を備え、制御ユニットには、セットアップが実行されるタイミングを指定するタイミング情報と、切削ブレードの消耗量の基準値と、が記憶され、制御ユニットは、切削ブレードの消耗量と、基準値とを比較した結果に基づいて、タイミング情報を更新する。
【選択図】図1

Description

本発明は、被加工物を切削する切削装置に関する。
複数のデバイスが形成されたウェーハを分割して個片化することにより、デバイスをそれぞれ備える複数のデバイスチップが製造される。また、複数のデバイスチップを所定の基板上に実装し、実装されたデバイスチップを樹脂でなる封止材(モールド樹脂)で被覆することにより、パッケージ基板が得られる。このパッケージ基板を分割して個片化することにより、パッケージ化された複数のデバイスチップをそれぞれ備える複数のパッケージデバイスが製造される。デバイスチップやパッケージデバイスは、携帯電話、パーソナルコンピュータ等の様々な電子機器に組み込まれる。
上記のウェーハ、パッケージ基板等の被加工物を分割する際には、切削装置が用いられる。切削装置は、被加工物を保持するチャックテーブルと、被加工物に切削加工を施す切削ユニットとを備える。切削ユニットには回転軸として機能するスピンドルが内蔵されており、スピンドルの先端部に被加工物を切削する環状の切削ブレードが装着される。切削ブレードを回転させて被加工物に切り込ませることにより、被加工物が切削、分割される。
切削ブレードで被加工物を切削する際には、切削ユニットの高さ位置を調節することにより、切削ブレードの被加工物への切り込み深さが設定される。しかしながら、切削ブレードで被加工物を切削すると、切削ブレードの先端部が消耗し、切削ブレードの径が徐々に減少する。これにより、切削ブレードの被加工物への切り込みが浅くなり、被加工物の分割の失敗、被加工物に形成される切削溝の深さのばらつき等の加工不良が発生することがある。
そこで、切削装置で被加工物を切削する際には、切削ブレードの消耗量が監視される。例えば特許文献1には、光学式のセンサによって切削ブレードの先端の位置を検出する切削ブレード検出機構が搭載された切削装置が開示されている。
特開2001-298001号公報
切削装置で被加工物を切削する際には、切削ブレードの消耗による加工不良の発生を抑制するため、切削ブレードの消耗量に基づいて被加工物と切削ブレードとの位置関係を補正するセットアップが実行される。具体的には、所定のタイミングで被加工物の切削が一時的に中断され、切削ブレードの消耗量が検出される。そして、切削ブレードの消耗量分だけ切削ユニットが下降した後、被加工物の切削が再開される。これにより、切削ブレードの先端部が消耗しても、切削ブレードの被加工物への切り込み深さが維持される。
切削装置には、セットアップが実行されるタイミングを指定するタイミング情報が記憶されており、セットアップはタイミング情報に従って一定の頻度で実行される。例えば、切削ブレードが被加工物を切削した距離が所定の長さに達するごとに、セットアップが実行される。しかしながら、切削ブレードの消耗量は、被加工物が切削される際の様々な要因によって変動する。そのため、タイミング情報によって指定されるタイミングが、必ずしも実際のセットアップの適切なタイミングと一致するとは限らない。
具体的には、切削ブレードの消耗の進行が予想よりも早い場合には、セットアップが実行されるまでに切削ブレードの消耗量が許容範囲を超えてしまい、加工不良が発生するおそれがある。一方、切削ブレードの消耗の進行が予想よりも遅い場合には、切削ブレードの消耗量が少ないにも関わらずセットアップが実行され、セットアップの頻度が必要以上に高くなる。これにより、被加工物の切削が頻繁に中断され、加工効率が低下してしまう。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、切削ブレードの消耗量に応じてセットアップを適切なタイミングで実行することが可能な切削装置の提供を目的とする。
本発明の一態様によれば、被加工物を切削する切削装置であって、該被加工物を保持する保持面を有するチャックテーブルと、スピンドルを備え、該保持面によって保持された該被加工物を該スピンドルの先端部に装着された切削ブレードで切削する切削ユニットと、該チャックテーブルと該切削ユニットとを該保持面と垂直な切り込み方向に沿って相対的に移動させる移動ユニットと、該切削ブレードの先端を検出するブレード検出ユニットと、該ブレード検出ユニットによって検出された該切削ブレードの先端の位置に基づいて、該被加工物と該切削ブレードとの該切り込み方向における位置関係を補正するセットアップを実行する制御ユニットと、を備え、該制御ユニットには、該セットアップが実行されるタイミングを指定するタイミング情報と、該切削ブレードの消耗量の基準値と、が記憶され、該制御ユニットは、該セットアップが実行される際に該ブレード検出ユニットによって検出される該切削ブレードの先端の位置に基づいて算出された該切削ブレードの消耗量と、該基準値とを比較した結果に基づいて、該タイミング情報を更新する切削装置が提供される。
なお、好ましくは、該タイミング情報は、該セットアップが実行されるタイミングを該切削ブレードが該被加工物を切削した距離に対応する切削長さによって指定する基準長さであり、該制御ユニットは、該切削ブレードの消耗量が該基準値を超えている場合には該基準長さを短縮し、該切削ブレードの消耗量が該基準値未満である場合には該基準長さを延長する。また、好ましくは、該ブレード検出ユニットは、該切削ブレードが侵入するブレード侵入部と、該ブレード侵入部を挟むように配置された投光部及び受光部と、を備える。
本発明の一態様に係る切削装置は、被加工物と切削ブレードとの切り込み方向における位置関係を補正するセットアップを実行する制御ユニットを備える。そして、制御ユニットは、切削ブレードの消耗量に基づいて、セットアップが実行されるタイミングを指定するタイミング情報を更新する。これにより、切削ブレードの消耗量に応じてセットアップのタイミングが調節され、セットアップが適切なタイミングで実行される。
切削装置を示す斜視図である。 切削ユニットを示す斜視図である。 図3(A)はブレード検出ユニットを示す斜視図であり、図3(B)は切削ブレードの先端を検出するブレード検出ユニットを示す正面図である。 制御ユニットを示すブロック図である。 切削装置の動作を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して本発明の一態様に係る実施形態を説明する。まず、本実施形態に係る切削装置の構成例について説明する。図1は、切削装置2を示す斜視図である。なお、図1において、X軸方向(加工送り方向、第1水平方向)とY軸方向(割り出し送り方向、第2水平方向)とは互いに垂直な方向である。また、Z軸方向(切り込み方向、鉛直方向、上下方向、高さ方向)は、X軸方向及びY軸方向と垂直な方向である。
切削装置2は、切削装置2を構成する各構成要素を支持する基台4を備える。基台4の上面上には、移動ユニット(移動機構)6が設けられている。移動ユニット6は、X軸方向に沿って配置された一対のX軸ガイドレール8を備える。また、一対のX軸ガイドレール8には、平板状のX軸移動テーブル10が、X軸ガイドレール8に沿ってスライド可能な状態で装着されている。
X軸移動テーブル10の下面(裏面)側にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部には、一対のX軸ガイドレール8の間にX軸方向に沿って配置されたX軸ボールねじ12が螺合されている。また、X軸ボールねじ12の端部には、X軸パルスモータ14が連結されている。X軸パルスモータ14でX軸ボールねじ12を回転させると、X軸移動テーブル10がX軸ガイドレール8に沿ってX軸方向に移動する。なお、移動ユニット6には、X軸移動テーブル10のX軸方向における位置を検出するX軸位置検出器(不図示)が設けられていてもよい。
X軸移動テーブル10の上面(表面)上には、円柱状のテーブルベース16が設けられている。そして、テーブルベース16の上部には、チャックテーブル(保持テーブル)18が設けられている。チャックテーブル18によって、切削装置2による切削加工の対象物である被加工物11が保持される。
例えば被加工物11は、シリコン等の半導体材料でなる円盤状のウェーハであり、互いに概ね平行な表面及び裏面を備える。被加工物11は、互いに交差するように格子状に配列されたストリート(分割予定ライン)によって複数の領域に区画されている。また、ストリートによって区画された複数の領域の表面側にはそれぞれ、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)、LED(Light Emitting Diode)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等のデバイスが形成されている。
被加工物11の裏面側には、被加工物11より直径が大きい円形のテープ(ダイシングテープ)13が貼付される。例えばテープ13は、フィルム状の基材と、基材上に形成された粘着層(糊層)とを備える。基材は、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタラート等の樹脂でなる。また、粘着層は、エポキシ系、アクリル系、又はゴム系の接着剤等でなる。なお、粘着層は、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化型の樹脂であってもよい。
テープ13の外周部は、SUS(ステンレス鋼)等の金属でなる環状のフレーム15に貼付される。フレーム15の中央部には、被加工物11よりも直径が大きい円形の開口が設けられている。被加工物11をフレーム15の開口の内側に配置した状態で、テープ13の中央部を被加工物11の裏面側に貼付し、テープ13の外周部をフレーム15に貼付すると、被加工物11がテープ13を介してフレーム15によって支持される。
なお、被加工物11の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。例えば被加工物11は、シリコン以外の半導体(GaAs、InP、GaN、SiC等)、ガラス、セラミックス、樹脂、金属等の材料でなる任意の形状のウェーハ(基板)であってもよい。また、被加工物11に形成されるデバイスの種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等にも制限はなく、被加工物11にはデバイスが形成されていなくてもよい。
さらに、被加工物11は、CSP(Chip Size Package)基板、QFN(Quad Flat Non-leaded package)基板等のパッケージ基板であってもよい。例えばパッケージ基板は、直方体状の基板に複数のデバイスチップを実装し、樹脂でなる封止材(モールド樹脂)で実装されたデバイスチップを覆うことによって形成される。
チャックテーブル18の上面は、水平方向(XY平面方向)と概ね平行な平坦面であり、被加工物11を保持する保持面18aを構成している。保持面18aは、チャックテーブル18の内部に形成された流路(不図示)、バルブ(不図示)等を介して、エジェクタ等の吸引源(不図示)に接続されている。また、チャックテーブル18は、保持面18aの半径方向外側に設けられ、フレーム15を把持して固定する複数のクランプ18bを備える。
移動ユニット6によってX軸移動テーブル10をX軸方向に移動させることにより、チャックテーブル18がX軸方向に沿って移動する。また、チャックテーブル18にはモータ等の回転駆動源(不図示)が連結されており、この回転駆動源はチャックテーブル18をZ軸方向と概ね平行な回転軸の周りで回転させる。
X軸移動テーブル10の周囲には、切削加工時に生成された廃液を一時的に貯留するウォーターケース20が設けられている。ウォーターケース20の内側に貯留された廃液は、ドレーン(不図示)等を介して切削装置2の外部に排出される。
また、基台4の上面側には、門型の支持構造22が移動ユニット6を跨ぐように設けられている。そして、支持構造22の前面側の両端部には、一対の移動ユニット(移動機構)24が設けられている。具体的には、支持構造22の前面側には一対のY軸ガイドレール26がY軸方向に沿って固定されている。そして、一対のY軸ガイドレール26には、一対の移動ユニット24がそれぞれ備える平板状のY軸移動プレート28が、Y軸ガイドレール26に沿ってスライド可能な状態で装着されている。また、一対のY軸ガイドレール26の間には、一対のY軸ボールねじ30がY軸方向に沿って設けられている。
Y軸移動プレート28の後面(裏面)側にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部には、Y軸ボールねじ30が螺合されている。また、一対のY軸ボールねじ30の端部にはそれぞれ、Y軸パルスモータ32が連結されている。Y軸パルスモータ32でY軸ボールねじ30を回転させると、Y軸移動プレート28がY軸ガイドレール26に沿ってY軸方向に移動する。なお、移動ユニット24には、Y軸移動プレート28のY軸方向における位置を検出するY軸位置検出器(不図示)が設けられていてもよい。
Y軸移動プレート28の前面(表面)側には、一対のZ軸ガイドレール34がZ軸に沿って固定されている。そして、一対のZ軸ガイドレール34には、平板状のZ軸移動プレート36が、Z軸ガイドレール34に沿ってスライド可能な状態で装着されている。また、一対のZ軸ガイドレール34の間には、Z軸ボールねじ38がZ軸方向に沿って設けられている。
Z軸移動プレート36の後面(裏面)側にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部には、Z軸ボールねじ38が螺合されている。また、Z軸ボールねじ38の端部には、Z軸パルスモータ40が連結されている。Z軸パルスモータ40でZ軸ボールねじ38を回転させると、Z軸移動プレート36がZ軸ガイドレール34に沿ってZ軸方向に移動する。なお、移動ユニット24には、Z軸移動プレート36のZ軸方向における位置を検出するZ軸位置検出器(不図示)が設けられていてもよい。
Z軸移動プレート36の下部には、切削ユニット42が固定されている。切削ユニット42は、チャックテーブル18によって保持された被加工物11に対して切削加工を施す。
図2は、切削ユニット42を示す斜視図である。切削ユニット42は、中空の筒状に形成されたハウジング44を備える。ハウジング44には、Y軸方向に沿って配置された円柱状のスピンドル(回転軸)46が収容されている。スピンドル46の先端部(一端側)は、ハウジング44から露出している。また、スピンドル46の基端部(他端側)には、スピンドル46を回転させるモータ等の回転駆動源(不図示)が連結されている。
スピンドル46の先端部には、マウント48が固定されている。マウント48は、円盤状のフランジ部50と、フランジ部50の表面50aの中央部から突出する円柱状の支持軸(ボス部)52とを備える。フランジ部50の外周部の表面50a側には、表面50aから突出する環状の凸部50bが、フランジ部50の外周縁に沿って設けられている。凸部50bの先端面は、表面50aと概ね平行に形成されている。また、支持軸52の外周面には、ねじ部52aが形成されている。
マウント48には、被加工物11を切削する環状の切削ブレード54が装着される。例えば切削ブレード54は、アルミニウム合金等の金属でなる環状の基台56と、基台56の外縁部に沿って形成された環状の切り刃58とを備える。切り刃58の外周縁が、切削ブレード54の先端に相当する。また、切削ブレード54の中央部には、切削ブレード54を厚さ方向に貫通する円柱状の開口54aが設けられている。
切り刃58は、基台56の外周縁から基台56の半径方向外側に向かって突出するように形成される。例えば切り刃58は、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素(cBN:cubic Boron Nitride)等でなる砥粒を、ニッケルめっき層等の結合材で固定することによって形成される。なお、砥粒の材質、砥粒の粒径、結合材の材質等に制限はなく、被加工物11の材質等に応じて適宜選択される。
支持軸52のねじ部52aには、切削ブレード54を固定するための環状の固定ナット60が締結される。固定ナット60の中央部には、固定ナット60を厚さ方向に貫通する円柱状の開口60aが設けられている。また、開口60aの内部で露出する固定ナット60の内周面には、支持軸52のねじ部52aに対応するねじ溝が形成されている。
切削ブレード54は、開口54aに支持軸52が挿入されるように、マウント48に装着される。この状態で、固定ナット60を支持軸52のねじ部52aに螺合させて締め付けると、切削ブレード54がフランジ部50の凸部50bの先端面と固定ナット60とによって挟持される。このようにして、切削ブレード54がスピンドル46の先端部に装着される。
切削ブレード54は、回転駆動源(モータ等)からスピンドル46及びマウント48を介して伝達される動力により、Y軸方向と概ね平行な回転軸の周りを回転する。切削ブレード54を回転させつつ、チャックテーブル18(図1参照)によって保持された被加工物11に切り込ませることにより、被加工物11が切削される。
また、切削ユニット42には、純水等の液体(切削液)を供給するノズル(不図示)が設けられている。切削加工中は、このノズルから被加工物11及び切削ブレード54に切削液が供給される。これにより、被加工物11及び切削ブレード54が冷却されるとともに、被加工物11の切削によって生じた屑(切削屑)が洗い流される。
図1に示すように、切削ユニット42に隣接する位置には、チャックテーブル18によって保持された被加工物11を撮像する撮像ユニット62が設けられている。例えば撮像ユニット62として、可視光を受光して電気信号に変換する撮像素子を備える可視光カメラや、赤外線を受光して電気信号に変換する撮像素子を備える赤外線カメラ等が用いられる。切削ユニット42によって取得された画像は、被加工物11と切削ブレード54との位置合わせ等に用いられる。
移動ユニット6によってX軸移動テーブル10をX軸方向に沿って移動させると、チャックテーブル18と切削ユニット42及び撮像ユニット62とが、保持面18aと平行な加工送り方向に沿って相対的に移動する。また、移動ユニット24によってY軸移動プレート28をY軸方向に沿って移動させると、チャックテーブル18と切削ユニット42及び撮像ユニット62とが、保持面18aと平行な割り出し送り方向に沿って相対的に移動する。さらに、移動ユニット24によってZ軸移動プレート36をZ軸方向に沿って移動させると、チャックテーブル18と切削ユニット42及び撮像ユニット62とが、保持面18aと垂直な切り込み方向に沿って相対的に移動(昇降)する。
なお、切削装置2は、2組の切削ユニット42を備え、一対の切削ブレード54が互いに対面するように配置される、所謂フェイシングデュアルスピンドルタイプの切削装置である。ただし、切削装置2が備える切削ユニットの数は1組であってもよい。
切削ユニット42の下方には、切削ユニット42に装着された切削ブレード54の先端(下端)を検出するブレード検出ユニット64が設けられている。ブレード検出ユニット64は、移動ユニット24によって切削ユニット42をY軸方向に沿って移動させた際の切削ブレード54の移動経路と重なる位置に配置されている。そのため、移動ユニット24によって切削ユニット42の位置を調節することにより、切削ブレード54をブレード検出ユニット64の直上に位置付けることができる。
図3(A)は、ブレード検出ユニット64を示す斜視図である。ブレード検出ユニット64は、切削ブレード54の先端を検出する光学式のセンサであり、検出部66を備える。検出部66は、直方体状の基部66aと、基部66aの上面から上方に突出する投光部66b及び受光部66cとを備える。投光部66bと受光部66cとは、Y軸方向において離隔するように配置され、互いに対面している。
投光部66bと受光部66cとの間の空間は、切削ブレード54が侵入するブレード侵入部66dに相当する。すなわち、投光部66bと受光部66cとは、ブレード侵入部66dを挟むように配置されている。
投光部66bには、LED等の光源68が接続されている。光源68が発した光は、光ファイバー等を介して投光部66bに導かれ、投光部66bから受光部66cに向かって照射される。そして、投光部66bから照射された光は、受光部66cの受光面に到達し、受光部66cによって受光される。
受光部66cには、受光部66cが受光した光の量(受光量)に対応する信号を生成する光電変換部70が接続されている。光電変換部70は、受光部66cによって受光された光を電気信号(電圧)に変換する光電変換素子を備える。そして、受光部66cによって受光された光は、光ファイバー等を介して光電変換部70に導かれ、光電変換部70によって電気信号に変換される。これにより、受光部66cの受光量に対応する信号が生成される。
図3(B)は、切削ブレード54の先端を検出するブレード検出ユニット64を示す正面図である。切削ブレード54の先端を検出する際は、まず、切削ブレード54が投光部66bと受光部66cとの間の領域(ブレード侵入部66d)と重なるように、切削ユニット42の位置を調節する。そして、ブレード検出ユニット64を作動させて投光部66bから受光部66cに向かって光を照射しつつ、切削ユニット42を下降させ、切削ブレード54の先端部(下端部)をブレード侵入部66dに挿入する。
切削ブレード54がブレード侵入部66dに侵入すると、切削ブレード54の下端の高さ位置に応じて投光部66bから受光部66cへの光の照射が遮られ、受光部66cの受光量が減少する。そのため、光電変換部70によって測定される受光部66cの受光量の変化を読み取ることにより、切削ブレード54の下端の位置を特定することができる。
図1に示すように、切削装置2の前面側には、切削装置2に関する各種の情報を表示する表示ユニット(表示部、表示装置)72が設けられている。表示ユニット72は、各種のディスプレイによって構成でき、被加工物11の加工に関する各種の情報(加工条件、加工状況等)を表示する。
なお、表示ユニット72は、タッチパネル式のディスプレイであってもよい。この場合、表示ユニット72は、切削装置2に各種の情報を入力するための入力ユニット(入力部、入力装置)としても機能し、オペレーターは表示ユニット72のタッチ操作によって切削装置2に情報を入力できる。すなわち、表示ユニット72がユーザーインターフェースとして機能する。
また、切削装置2は、切削装置2を制御する制御ユニット(制御部、制御装置)74を備える。制御ユニット74は、切削装置2を構成する各構成要素(移動ユニット6、チャックテーブル18、移動ユニット24、切削ユニット42、撮像ユニット62、ブレード検出ユニット64、表示ユニット72等)に接続されている。制御ユニット74は、切削装置2の各構成要素に制御信号を出力することにより、切削装置2の稼働を制御する。例えば制御ユニット74は、コンピュータによって構成され、切削装置2の稼働に必要な演算を行うCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、切削装置2の稼働に用いられる各種の情報(データ、プログラム等)を記憶するメモリとを含む。
切削装置2によって、被加工物11の切削加工が行われる。具体的には、まず、被加工物11がテープ13を介して保持面18a上に配置される。また、フレーム15が複数のクランプ18bによって固定される。この状態で、保持面18aに吸引源の吸引力(負圧)を作用させると、被加工物11がテープ13を介してチャックテーブル18によって吸引保持される。
次に、被加工物11に設定されたストリートの長さ方向がX軸方向に沿うように、チャックテーブル18の角度が調節される。また、切削ブレード54の下端が被加工物11の下面よりも下方に位置付けられるように、切削ユニット42のZ軸方向における位置が調節される。さらに、切削ブレード54がストリートの延長線上に位置付けられるように、切削ユニット42のY軸方向における位置が調節される。
そして、切削ブレード54を回転させつつ、チャックテーブル18を移動ユニット6によってX軸方向に沿って移動させる。これにより、チャックテーブル18と切削ユニット42とが加工送り方向に沿って相対的に移動する。その結果、切削ブレード54がストリートに沿って被加工物11に切り込み、被加工物11が切削、分割される。そして、全てのストリートに沿って被加工物11が切削されると、被加工物11が複数のデバイスチップに分割される。
ただし、切削ブレード54による被加工物11の切削加工の態様は、上記に限定されない。例えば、切削ブレード54で被加工物11を切削することにより、被加工物11の表面側に、深さが被加工物11の厚さ未満の切削溝をストリートに沿って形成してもよい。この場合には、切削ブレード54の下端が被加工物11の上面よりも下方で、且つ、被加工物11の下面よりも上方に位置付けられるように、切削ユニット42のZ軸方向における位置が調節される。そして、被加工物11の切削後に、被加工物11の裏面側を研削して被加工物11を薄化し、切削溝を被加工物11の裏面に露出させることにより、被加工物11が複数のデバイスチップに分割される。
上記のように、切削ブレード54で被加工物11を切削する際には、被加工物11に所望の加工が施されるように、被加工物11の上面と切削ブレード54の下端との切り込み方向(Z軸方向)における距離(切削ブレード54の切り込み深さ)が設定される。そして、切削ユニット42の高さ位置が維持された状態で、切削ブレード54が被加工物11に切り込み、被加工物11を切削する。
しかしながら、切削ブレード54で被加工物11を切削すると、切削ブレード54の先端部が摩耗によって消耗し、切削ブレード54の径が徐々に減少する。これにより、切削ブレード54の被加工物11への切り込みが浅くなり、加工不良が発生することがある。
そこで、本実施形態においては、切削ブレード54の消耗量に基づいて被加工物11と切削ブレード54との切り込み方向における位置関係を補正するセットアップが実行される。具体的には、所定のタイミングでブレード検出ユニット64によって切削ブレード54の先端が検出され、切削ブレード54の先端の位置に基づいて切削ブレード54の消耗量が算出される。そして、切削ブレード54の消耗量分だけ切削ユニット42が下降した後、被加工物11の切削が再開される。これにより、切削ブレード54の先端部が消耗しても、切削ブレード54の被加工物11への切り込み深さが維持される。
切削加工時における切削装置2の動作は、制御ユニット74によって制御される。図4は、制御ユニット74を示すブロック図である。なお、図4には、制御ユニット74の機能的な構成を示すブロックに加えて、切削装置2の一部の構成要素(チャックテーブル18、移動ユニット24、切削ユニット42、ブレード検出ユニット64)を示す模式図及びブロックを図示している。
制御ユニット74は、切削装置2の制御に必要なデータ処理を行う処理部80と、処理部80による処理に用いられる情報(データ、プログラム等)を記憶する記憶部90とを含む。また、処理部80は、被加工物11の加工状況を監視する監視部82を含む。例えば監視部82は、切削ブレード54が被加工物11を切削した距離に対応する値(切削長さ)を監視する。
切削ブレード54で被加工物11を切削する際には、切削ブレード54によって被加工物11が一端から他端まで切削されるように、チャックテーブル18が加工送り方向に沿って移動する。このときのチャックテーブル18の移動距離(加工送り距離)は、切削ブレード54が被加工物11に接触する前におけるチャックテーブル18の移動距離(助走距離D)と、切削ブレード54が被加工物11を切削している間のチャックテーブル18の移動距離(切削距離D)と、切削ブレード54が被加工物11から離れた後におけるチャックテーブル18の移動距離(惰走距離D)との総和に相当する。
なお、切削距離Dは、被加工物11に設定されたストリートの長さ、すなわち、切削ブレード54によって切削される領域の距離に等しい。また、助走距離D及び惰走距離Dは、被加工物11の寸法、形状、切削ブレード54の径等に応じて適宜設定される。
監視部82には、チャックテーブル18の加工送り距離の情報を含む信号が入力される。例えば監視部82には、移動ユニット6のX軸パルスモータ14(図1参照)の回転数を示す信号や、移動ユニット6に設けられたX軸位置検出器(不図示)によって検出されたX軸移動テーブル10(図1参照)のX軸方向における位置を示す信号が入力される。
そして、監視部82は、外部から入力された信号に基づいて加工送り距離を算出するとともに、予め記憶部90に記憶されている助走距離D及び惰走距離Dを読み出し、加工送り距離から助走距離D及び惰走距離Dを差し引く。これにより、切削ブレード54が被加工物11を切削した距離に相当する切削距離Dが算出される。そして、監視部82は、切削距離Dを切削長さとして監視する。
ただし、監視部82によって監視される切削長さは、切削ブレード54が被加工物11を切削した距離が反映される値であれば、制限はない。例えば監視部82は、助走距離D及び惰走距離Dが差し引かれる前の加工送り距離を、切削長さとして監視してもよい。
また、記憶部90は、セットアップが実行されるタイミングを指定する情報(タイミング情報)を記憶するタイミング情報記憶部92を含む。タイミング情報記憶部92は、監視部82によって監視される加工状況の基準値を記憶する。
例えば、監視部82が切削長さを監視する場合には、切削長さの基準値(基準長さ)がタイミング情報としてタイミング情報記憶部92に記憶される。そして、監視部82は、算出された切削長さとタイミング情報記憶部92に記憶された基準長さとを比較することにより、セットアップを実行するか否かを決定する。そして、切削長さが基準長さに達している場合には、切削ブレード54による被加工物11の加工が中断され、被加工物11と切削ブレード54との切り込み方向における位置関係が補正される。
なお、セットアップは、切削ブレード54の消耗量に基づいて行われる。具体的には、処理部80は、切削ブレード54の消耗量を算出する消耗量算出部84を含む。そして、監視部82によって算出された切削長さが基準長さ以上である場合には、監視部82から消耗量算出部84にセットアップを指示する信号(セットアップ信号)が出力される。
消耗量算出部84にセットアップ信号が入力されると、消耗量算出部84は切削ブレード54の消耗量を算出する。切削ブレード54の消耗量は、ブレード検出ユニット64によって検出された切削ブレード54の先端の位置に基づいて算出される。
具体的には、切削ブレード54がブレード検出ユニット64のブレード侵入部66dに挿入され(図3(B)参照)、受光部66cの受光量が光電変換部70によって測定される。そして、光電変換部70から消耗量算出部84に、受光部66cの受光量に対応する信号が入力される。
また、消耗量算出部84には、切削ブレード54のZ軸方向における位置を示す情報(Z軸位置情報)を含む信号が入力される。例えば消耗量算出部84には、移動ユニット24のZ軸パルスモータ40の回転数を示す信号や、移動ユニット24に設けられたZ軸位置検出器(不図示)によって検出されたZ軸移動プレート36のZ軸方向における位置を示す信号が入力される。
そして、消耗量算出部84は、投光部66bから受光部66cに向かって照射された光が切削ブレード54によって遮られて受光量が減少した際における、切削ブレード54のZ軸位置情報を特定する。これにより、切削ブレード54の下端の位置を示す情報(下端位置情報)が取得される。
また、記憶部90には、過去に測定された切削ブレード54の下端位置情報が記憶されている。そして、消耗量算出部84は、新たに取得された下端位置情報と直前に取得された下端位置情報との差分をとることにより、切削ブレード54の半径の減少量、すなわち、切削ブレード54の消耗量を算出する。
消耗量算出部84によって算出された切削ブレード54の消耗量に基づいて、被加工物11と切削ブレード54との位置関係が補正される。具体的には、処理部80は、被加工物11と切削ブレード54との位置関係を補正する補正部86を含む。
消耗量算出部84によって算出された切削ブレード54の消耗量は、補正部86に出力される。そして、補正部86は、切削ブレード54の消耗量分だけ切削ユニット42を下降させる補正信号を生成し、移動ユニット24のZ軸パルスモータ40に出力する。
Z軸パルスモータ40に補正信号が入力されると、Z軸パルスモータ40は切削ユニット42が消耗量分だけ下降するように、Z軸ボールねじ38を回転させる。これにより、切削ブレード54の消耗が切削ブレード54の下降によって相殺される。その結果、切削ブレード54の被加工物11への切り込み深さが、消耗前と同等になる。
上記のセットアップが行われると、監視部82によって監視されている切削長さがリセットされる。その後、切削ブレード54による被加工物11の切削と、監視部82による切削長さの監視とが再開される。そして、再び切削長さが基準長さに達したタイミングで、セットアップが実行される。
なお、タイミング情報記憶部92に記憶されるタイミング情報は、オペレーターが切削ブレード54の消耗量を予想しつつ設定する。しかしながら、切削ブレード54の消耗量は、被加工物11が切削される際の様々な要因によって変動する。そのため、切削長さと切削ブレード54の消耗量との比率は常に一定であるとは限らない。
そして、切削ブレード54の消耗の進行が予想よりも早い場合には、セットアップが行われるまでに切削ブレード54の消耗量が許容範囲を超えてしまい、加工不良が発生するおそれがある。また、切削ブレード54の消耗の進行が予想よりも遅い場合には、切削ブレード54の消耗量が少ないにも関わらずセットアップが実行され、セットアップの頻度が必要以上に高くなる。これにより、被加工物11の切削が頻繁に中断され、加工効率が低下してしまう。
そこで、本実施形態においては、セットアップが行われた際に、ブレードの消耗量に基づいてタイミング情報を更新する。これにより、セットアップが実行されるタイミングがブレードの消耗量に応じて補正され、セットアップが適切なタイミングで実行される。
具体的には、処理部80は、切削ブレード54の消耗量に基づいてタイミング情報を更新するタイミング情報更新部88を含む。タイミング情報更新部88には、消耗量算出部84によって算出された切削ブレード54の消耗量が入力される。また、記憶部90は、切削ブレード54の消耗量の基準値を記憶する基準値記憶部94を含む。例えば基準値記憶部94には、セットアップが実行されてから次にセットアップが実行されるまでの間における切削ブレード54の消耗量の予想値が、基準値として記憶される。
タイミング情報更新部88は、消耗量算出部84から入力された切削ブレード54の消耗量と、基準値記憶部94に記憶された基準値とを比較し、比較の結果に応じてタイミング情報記憶部92に記憶されているタイミング情報を更新する。具体的には、切削ブレード54の消耗量が基準値よりも小さい場合には、タイミング情報更新部88は、次にセットアップが実行されるタイミングが遅れるようにタイミング情報を書き換える。一方、切削ブレード54の消耗量が基準値よりも大きい場合には、タイミング情報更新部88は、次にセットアップが実行されるタイミングが早まるようにタイミング情報を書き換える。
例えば、タイミング情報が切削長さの基準値(基準長さ)であり、タイミング情報記憶部92に記憶されている基準長さがL、基準値記憶部94に記憶されている切削ブレード54の消耗量の基準値がR、消耗量算出部84によって算出された切削ブレード54の消耗量がR´である場合について考える。この場合、基準長さL´=L×R/R´を、タイミング情報記憶部92に記憶されている基準長さLに上書きすることができる。そして、切削ブレード54の消耗量が基準値よりも大きい場合には(R´>R)、基準長さL´が減少し、セットアップの実行に要する切削長さが短縮される。一方、切削ブレード54の消耗量が基準値よりも小さい場合には(R´<R)、基準長さL´が増加し、セットアップの実行に要する切削長さが延長される。
次に、切削装置2を用いて被加工物11を加工する被加工物の加工方法の具体例について説明する。図5は、切削装置2の動作を示すフローチャートである。以下、主に図4及び図5を参照して、被加工物11の切削時における切削装置2の動作の一例を説明する。
まず、切削装置2は、被加工物11を切削ブレード54で切削する(ステップS1)。具体的には、切削ブレード54を回転させて被加工物11に切り込ませることにより、被加工物11が分割され、又は、被加工物11に所定の深さの切削溝が形成される。
また、被加工物11の切削中は、監視部82によって被加工物11の加工状況が監視される。例えば監視部82は、チャックテーブル18の移動距離(加工送り距離)に基づいて、切削ブレード54が被加工物11を切削した距離に対応する切削長さを算出する。
そして、監視部82は、算出された切削長さと、タイミング情報記憶部92に記憶されている基準長さ(タイミング情報)とを比較することにより、被加工物11と切削ブレード54との切り込み方向における位置関係の補正(セットアップ)を実行するか否かを判定する。具体的には、切削長さが基準長さ未満である場合は、セットアップは実行されず、被加工物11の切削が継続される(ステップS2でNO)。一方、切削長さが基準値以上である場合には、セットアップが実行される(ステップS2でYES)。
セットアップを実行する場合は、まず、ブレード検出ユニット64によって切削ブレード54の先端が検出される。また、消耗量算出部84は、ブレード検出ユニット64から入力された受光量に対応する信号と、切削ブレード54のZ軸位置情報(Z軸パルスモータ40の回転数等)とに基づいて、切削ブレード54の下端位置情報を取得する。そして、消耗量算出部84は、新たに取得された下端位置情報と直前に取得された切削ブレード54の下端位置情報との差分をとることにより、切削ブレード54の消耗量を算出する(ステップS3)。
消耗量算出部84によって算出された切削ブレード54の消耗量は、補正部86に出力される。そして、補正部86は、切削ブレード54の消耗量分だけ切削ユニット42を下降させる制御信号を生成し、移動ユニット24のZ軸パルスモータ40に出力する。これにより、セットアップが実行され、切削ブレード54の下端の位置が消耗量分だけ下降する(ステップS4)。
また、消耗量算出部84によって算出された切削ブレード54の消耗量は、タイミング情報更新部88に出力される。そして、タイミング情報更新部88は、算出された切削ブレード54の消耗量と、基準値記憶部94に記憶されている切削ブレード54の消耗量の基準値とを比較する(ステップS5)。
切削ブレード54の消耗量が基準値と等しい場合は(ステップS6でYES)、実際の切削ブレード54の消耗量が予想値と等しい状態に対応する。そのため、タイミング情報記憶部92に記憶されている基準長さは維持される(ステップS7)。一方、切削ブレード54の消耗量が基準値と異なる場合は(ステップS6でNO)、実際の切削ブレード54の消耗量が予想値とは異なる状態に対応する。この場合には、タイミング情報記憶部92に記憶されているタイミング情報が更新される。
具体的には、切削ブレード54の消耗量が基準値を超えている場合には(ステップS8でYES)、タイミング情報更新部88はタイミング情報記憶部92に記憶されている基準長さを、より小さい値の基準長さに変更する。これにより、基準長さが短縮される(ステップS9)。また、切削ブレード54の消耗量が基準値未満である場合には(ステップS8でNO)、タイミング情報更新部88はタイミング情報記憶部92に記憶されている基準長さを、より大きい値の基準長さに変更する。これにより、基準長さが延長される(ステップS10)。
このように、切削ブレード54の消耗量が基準値を超えている場合には、セットアップの実行に要する切削長さ(基準長さ)が短縮され、次にセットアップが実行されるタイミングが早められる。これにより、切削ブレード54の消耗が進行して加工不良が発生する前に、切削ブレード54の先端の位置が補正される。一方、切削ブレード54の消耗量が基準値未満である場合には、セットアップの実行に要する切削長さ(基準長さ)が延長され、次にセットアップが実行されるタイミングが遅くなる。これにより、セットアップの頻度が下がり、加工効率が向上する。
なお、タイミング情報記憶部92に記憶されたタイミング情報が変更された場合には、制御ユニット74は表示ユニット72(図1参照)に制御信号を出力し、表示ユニット72にタイミング情報の変更を報知させてもよい。例えば表示ユニット72は、タイミング情報が変更された旨を知らせるメッセージと、変更前後のタイミング情報(切削長さ)とを表示する。
セットアップが完了すると、被加工物11の切削が再開され(ステップS11)、切削ブレード54による被加工物11の切削とセットアップとが繰り返される(ステップS12でNO、ステップS1~11)。そして、被加工物11の加工が完了すると(ステップS12でYES)、被加工物11は洗浄された後、切削装置2から搬出される。
上記の切削装置2による被加工物11の切削は、制御ユニット74によって切削装置2の各構成要素の動作を制御することによって実現される。具体的には、制御ユニット74の記憶部90には、ステップS1~S12を切削装置2に実行させるためのプログラムが記憶されている。そして、切削装置2を用いて被加工物11を切削する際には、制御ユニット74が記憶部90からプログラムを読み出して実行し、切削装置2の各構成要素に制御信号を出力する。これにより、切削装置2の稼働が制御され、本実施形態に係る被加工物の加工方法が自動で実施される。
以上の通り、本実施形態に係る切削装置2は、被加工物11と切削ブレード54との切り込み方向における位置関係を補正するセットアップを実行する制御ユニット74を備える。そして、制御ユニット74は、切削ブレード54の消耗量に基づいて、セットアップが実行されるタイミングを指定するタイミング情報を更新する。これにより、切削ブレード54の消耗量に応じてセットアップのタイミングが調節され、セットアップが適切なタイミングで実行される。
なお、上記実施形態では、監視部82によって切削長さが監視され、タイミング情報記憶部92に切削長さの基準値(基準長さ)がタイミング情報として記憶される場合について説明した。ただし、セットアップのタイミングは、切削長さ以外の加工状況に基づいて決定されてもよい。
例えば、セットアップのタイミングは、切削ブレード54によって切削されたストリートの本数(カットライン数)に基づいて決定されてもよい。この場合、監視部82は、制御ユニット74によってカウントされたカットライン数を監視する。また、タイミング情報記憶部92には、カットライン数の基準値がタイミング情報として記憶される。そして、監視部82は、カットライン数と基準値とを比較することにより、セットアップを実行するか否かを決定する。さらに、切削ブレード54の消耗量に基づいて、タイミング情報記憶部92に記憶されているカットライン数の基準値が増減する。
また、セットアップのタイミングは、切削ブレード54によって切削された加工済みの被加工物11の枚数(ワーク枚数)に基づいて決定されてもよい。この場合、監視部82は、制御ユニット74によってカウントされたワーク枚数を監視する。また、タイミング情報記憶部92には、ワーク枚数の基準値がタイミング情報として記憶される。そして、監視部82は、ワーク枚数と基準値とを比較することにより、セットアップを実行するか否かを決定する。さらに、切削ブレード54の消耗量に基づいて、タイミング情報記憶部92に記憶されているワーク枚数の基準値が増減する。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
11 被加工物
13 テープ(ダイシングテープ)
15 フレーム
2 切削装置
4 基台
6 移動ユニット(移動機構)
8 X軸ガイドレール
10 X軸移動テーブル
12 X軸ボールねじ
14 X軸パルスモータ
16 テーブルベース
18 チャックテーブル(保持テーブル)
18a 保持面
18b クランプ
20 ウォーターケース
22 支持構造
24 移動ユニット(移動機構)
26 Y軸ガイドレール
28 Y軸移動プレート
30 Y軸ボールねじ
32 Y軸パルスモータ
34 Z軸ガイドレール
36 Z軸移動プレート
38 Z軸ボールねじ
40 Z軸パルスモータ
42 切削ユニット
44 ハウジング
46 スピンドル(回転軸)
48 マウント
50 フランジ部
50a 表面
50b 凸部
52 支持軸(ボス部)
52a ねじ部
54 切削ブレード
54a 開口
56 基台
58 切り刃
60 固定ナット
60a 開口
62 撮像ユニット
64 ブレード検出ユニット
66 検出部
66a 基部
66b 投光部
66c 受光部
66d ブレード侵入部
68 光源
70 光電変換部
72 表示ユニット(表示部、表示装置)
74 制御ユニット(制御部、制御装置)
80 処理部
82 監視部
84 消耗量算出部
86 補正部
88 タイミング情報更新部
90 記憶部
92 タイミング情報記憶部
94 基準値記憶部

Claims (3)

  1. 被加工物を切削する切削装置であって、
    該被加工物を保持する保持面を有するチャックテーブルと、
    スピンドルを備え、該保持面によって保持された該被加工物を該スピンドルの先端部に装着された切削ブレードで切削する切削ユニットと、
    該チャックテーブルと該切削ユニットとを該保持面と垂直な切り込み方向に沿って相対的に移動させる移動ユニットと、
    該切削ブレードの先端を検出するブレード検出ユニットと、
    該ブレード検出ユニットによって検出された該切削ブレードの先端の位置に基づいて、該被加工物と該切削ブレードとの該切り込み方向における位置関係を補正するセットアップを実行する制御ユニットと、を備え、
    該制御ユニットには、該セットアップが実行されるタイミングを指定するタイミング情報と、該切削ブレードの消耗量の基準値と、が記憶され、
    該制御ユニットは、該セットアップが実行される際に該ブレード検出ユニットによって検出される該切削ブレードの先端の位置に基づいて算出された該切削ブレードの消耗量と、該基準値とを比較した結果に基づいて、該タイミング情報を更新することを特徴とする切削装置。
  2. 該タイミング情報は、該セットアップが実行されるタイミングを該切削ブレードが該被加工物を切削した距離に対応する切削長さによって指定する基準長さであり、
    該制御ユニットは、該切削ブレードの消耗量が該基準値を超えている場合には該基準長さを短縮し、該切削ブレードの消耗量が該基準値未満である場合には該基準長さを延長することを特徴とする請求項1記載の切削装置。
  3. 該ブレード検出ユニットは、該切削ブレードが侵入するブレード侵入部と、該ブレード侵入部を挟むように配置された投光部及び受光部と、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の切削装置。
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