JP2022119423A - 樹脂押し出し機および樹脂製品の製造方法 - Google Patents

樹脂押し出し機および樹脂製品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022119423A
JP2022119423A JP2021016515A JP2021016515A JP2022119423A JP 2022119423 A JP2022119423 A JP 2022119423A JP 2021016515 A JP2021016515 A JP 2021016515A JP 2021016515 A JP2021016515 A JP 2021016515A JP 2022119423 A JP2022119423 A JP 2022119423A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder
resin
filler
kneading
screw
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021016515A
Other languages
English (en)
Inventor
佑介 大岡
Yusuke Ooka
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Steel Works Ltd
Original Assignee
Japan Steel Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Steel Works Ltd filed Critical Japan Steel Works Ltd
Priority to JP2021016515A priority Critical patent/JP2022119423A/ja
Publication of JP2022119423A publication Critical patent/JP2022119423A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】フィラー含有樹脂を的確に製造する。【解決手段】押出装置1は、シリンダ2と、シリンダ2に内蔵され、樹脂材料を混練するためのスクリュ3と、を含んでいる。シリンダ2は、樹脂材料が供給される開口部5aと、開口部5aよりも下流側に位置しかつフィラーが供給される開口部6とを有する。スクリュ3は、ニーディングスクリュ部3aとフライトスクリュ部3bとを有している。開口部6とニーディングスクリュ部3aとは平面視において重なっている。【選択図】図5

Description

本発明は、樹脂押し出し機および樹脂製品の製造方法に関する。
種々の製品に使用される樹脂材料として、フィラーを含有する樹脂材料がある。フィラーを樹脂に含有させることにより、例えば機械的強度が向上するなど、樹脂特性を向上させることができる。フィラー含有樹脂を製造するために、押し出し機を用いることができる。
例えば特開2001-129870号公報(特許文献1)には、押出機に関する技術が記載されている。
特開2001-129870号公報
押し出し機を用いてフィラー含有樹脂を製造する場合、フィラー含有樹脂中のフィラーの分散度が低いと、押し出し機から押し出されたフィラー含有樹脂を用いて製造される製品の特性の低下を招く虞がある。また、押し出し機で樹脂材料とフィラーとを混練する際に、高いせん断応力が樹脂材料に加わると、樹脂の特性の劣化を招く虞があるが、これも、押し出し機から押し出されたフィラー含有樹脂を用いて製造される製品の特性の低を招く懸念ある。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態によれば、樹脂押し出し機は、シリンダと、前記シリンダに内蔵されスクリュと、を含んでいる。前記シリンダは、樹脂材料が供給される第1の供給口と、フィラーが供給される第2の供給口とを有する。前記スクリュは、ニーディングスクリュ部とフライトスクリュ部とを有し、前記第2の供給口と前記ニーディングスクリュ部は平面視において重なる。
一実施の形態によれば、フィラー含有樹脂を的確に製造することができる。
一実施の形態における押出装置の側面図である。 一実施の形態における押出装置の上面図である。 フィラー供給装置を示す側面図である 押出装置のシリンダとフィラー供給装置のシリンダとの接続部近傍を示す断面図である。 図1の押出装置のシリンダの内部を示す側面図である。 図5の一部を拡大して示す部分拡大図である。 一実施の形態の押出装置を用いた製造装置の構成例を示す図である。 フルフライトスクリュを示す斜視図である。 ニーディングスクリュを示す斜視図である。 ニーディングスクリュを示す斜視図である。 ニーディングスクリュを示す斜視図である。 本発明者が検討した検討例の押出装置のシリンダ102の内部を示す側面図である。 図12の一部を拡大して示す部分拡大図である。
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
(実施の形態1)
本実施の形態のフィラー含有樹脂の製造方法においては、押出機を用いて、フィラーを溶融樹脂に混練する。
樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトンなどを用いることができる。これらの樹脂は、単体で用いてもよく、また、複数種類の混合物を用いてもよい。
図1は、本実施の形態における押出装置1の側面図であり、図2は、押出装置1の上面図であり、図3は、フィラー供給装置10を示す側面図である。図1の側面図は、図2に示される矢印7の方向から押出装置1を見たときの側面図に対応している。図3の側面図は、図2に示される矢印8の方向からフィラー供給装置10を見たときの側面図に対応している。図4は、押出装置1のシリンダ2とフィラー供給装置10のシリンダ11との接続部近傍を示す断面図である。図4は、図2に示されるA-A線の位置での断面図にほぼ対応している。図5は、図2に示される矢印7の方向から押出装置1のシリンダ2を見たときの、シリンダ2の内部を示す側面図(側面透視図)である。図5には、シリンダ2内のスクリュ3の側面が示されている。図6は、図5の一点鎖線で囲まれた領域16を拡大して示す部分拡大図である。
なお、各図には、X方向、Y方向およびZ方向のうちの2方向が示されているが、X方向、Y方向およびZ方向は、互いに直交する方向である。このうち、X方向およびY方向は、水平方向であり、Z方向は、高さ方向である。
本実施の形態の押出装置1は、樹脂(樹脂材料)とフィラーとを混合(混練)して押し出す押出装置(樹脂押し出し機、押し出し機)である。
まず、図1~図6を参照して、樹脂押し出し機である押出装置1の構成について説明する。図1および図2に示される押出装置1は、シリンダ(バレル)2と、シリンダ2に内蔵され、原料樹脂(樹脂材料)を混練するためのスクリュ3と、スクリュ3を回転させるための回転駆動機構4と、シリンダ2の上流側(後端側)に配置されたホッパ(樹脂投入部)5と、を有している。ホッパ5は、シリンダ2の上面に接続されており、ホッパ5を介してシリンダ2内に樹脂(原料樹脂、樹脂材料)を供給できるようになっている。押出装置1は、更に、フィラー供給装置(サイドフィーダ)10も有している。
図2および図3に示されるフィラー供給装置10は、ホッパ5よりも下流側(先端側)で、かつ、シリンダ2の先端よりも上流側において、シリンダ2の側面に接続(連結)されている。フィラー供給装置10は、シリンダ2にフィラーを供給するための装置であり、このフィラー供給装置10を介して、シリンダ2内にフィラーを供給できるようになっている。シリンダ2は、ヒータなどの図示しない温度調整手段(温度調節機構)によって、温度制御される。
シリンダ2は、複数のシリンダブロックからなり、それら複数のシリンダブロックは、上流側から下流側に向かう方向に配列して連結されている。このため、シリンダ2は、上流側から下流側に向かう方向に延在している。シリンダ2を構成する複数のシリンダブロックのうち、ホッパ5が接続されるシリンダブロックは、その上面に開口部(樹脂供給口)5aを有し、その開口部5aに連通するようにホッパ5が接続されている(図1および図5参照)。また、シリンダ2を構成する複数のシリンダブロックのうち、フィラー供給装置10が接続されるシリンダブロックは、一方の側面に開口部(フィラー供給口)6を有し、その開口部6に連通するようにフィラー供給装置10が接続されている(図2~図4参照)。これにより、ホッパ5に投入した樹脂は、シリンダブロック(ホッパ5が接続されたシリンダブロック)の上面の開口部(樹脂供給口)からシリンダブロック内に供給され、また、フィラー供給装置10から、シリンダブロック(フィラー供給装置10が接続されたシリンダブロック)の側面の開口部6を介してシリンダブロック内にフィラーが供給されるようになっている。シリンダ2において、フィラー供給用の開口部6は、樹脂供給用の開口部5aよりも下流側に位置している。
なお、図5では、理解を簡単にするために、樹脂供給用の開口部5aとフィラー供給用の開口部6との両方がシリンダ2の上面側に形成されている場合が示されているが、実際には、図2~図4からも分かるように、フィラー供給用の開口部6は、シリンダ2の側面側に形成されていることが好ましい。このため、図5の領域16を拡大した図6では、シリンダ2の側面に形成されたフィラー供給用の開口部6の位置を点線で示してある。
また、シリンダ2およびスクリュ3に関して「下流側」および「上流側」と称する場合、「下流側」とは、シリンダ2内の樹脂の流れの下流側を意味し、「上流側」とは、シリンダ2内の樹脂の流れの上流側を意味する。このため、シリンダ2およびスクリュ3において、シリンダ2の先端に近い側が下流側であり、シリンダ2の先端から遠い側が上流側である。なお、シリンダ2の先端は、シリンダ2において、樹脂とフィラーとの混練物が押し出される側の端部に対応している。
図4~図6に示されるように、シリンダ2の内部には、2本のスクリュ3が回転可能(回転自在)に挿入されて内蔵されている。このため、押出装置1は、二軸押出装置(二軸押出機)とみなすこともできる。シリンダ2内において、2本のスクリュ3は、互いに噛み合うように配置されて回転する。シリンダ2の延在方向と、シリンダ2内のスクリュ3の延在方向とは、同じであり、ここではX方向である。
本実施の形態では、シリンダ2内のスクリュ3の数が2本の場合について説明するが、他の形態として、シリンダ2内のスクリュ3の数を1本とすることもできる。しかしながら、シリンダ2内のスクリュ3の数を2本とした場合には、空間容積を大きくとれるため、同一スクリュ口径の場合、単軸(スクリュ3が1本)よりも二軸(スクリュ3が2本)の方が原料の供給能力を高くすることができる。
次に、図1~図6に示される押出装置1の動作の概略について説明する。
ホッパ5から開口部5aを介してシリンダ2内に原料樹脂(樹脂材料、熱可塑性樹脂)が供給され、フィラー供給装置10から開口部6を介してシリンダ2内にフィラーが供給される。ホッパ5からシリンダ2内に供給された原料樹脂は、シリンダ2内でスクリュ3の回転により前方へ送られながら溶融される。そして、フィラー供給装置10から開口部6を介してシリンダ2内にフィラーが供給されるため、樹脂(溶融樹脂)とフィラーとが、スクリュ3の回転により混練されながらシリンダ2内を更に前方に送られる。樹脂(溶融樹脂)とフィラーとの混練物(フィラー含有樹脂)は、シリンダ2の先端に取り付けられた金型などから押し出される。
このため、押出装置1を用いて樹脂製品(例えば後述するペレット25)を製造する工程は、シリンダ2の開口部5aからシリンダ2内に樹脂材料を供給する工程と、シリンダ2の開口部6からシリンダ2内にフィラーを供給する工程と、フィラー供給工程の後にシリンダ2内のスクリュ3によって樹脂材料を混錬する工程と、混錬工程の後にシリンダ2の外に樹脂を押し出す工程と、を有する。
なお、本実施の形態では、フィラー供給装置10を押出装置1の構成要素として説明しているが、フィラー供給装置10を押出装置1とは別要素(別装置)とみなし、フィラー供給装置10を押出装置1にフィラーを供給する装置とみなすこともできる。
次に、押出装置1を構成するフィラー供給装置10について、図2~図4を参照して更に説明する。
フィラー供給装置10は、スクリュ式のフィラー供給装置である。図2~図4に示されるように、フィラー供給装置10は、シリンダ(バレル)11と、シリンダ11に内蔵され、フィラー(粒子状のフィラー原料)をシリンダ2に供給するための2本のスクリュ12と、スクリュ12を回転させるための回転駆動機構13と、シリンダ11の上流側(後端側)に配置されたホッパ(フィラー投入部)14と、を有している。ホッパ14は、シリンダ11の上面に接続されている。シリンダ11は、シリンダ11の上面に開口部(フィラー供給口)14aを有し、その開口部14aに連通するようにホッパ14が接続されている。これにより、ホッパ14に投入したフィラーは、シリンダ11の上面の開口部14aからシリンダ11内に供給されるようになっている。
シリンダ11の先端(下流側先端)は、シリンダ2に接続されており、より特定的には、シリンダ2の側面に接続されている。シリンダ11は、先端に開口部(フィラー吐出口)を有しており、そのシリンダ11の先端の開口部と、シリンダ2の側面に設けられた開口部6とが連通するように(空間的につながるように)、シリンダ11の先端がシリンダ2の側面に接続されている。すなわち、シリンダ11の先端の開口部が、シリンダ2の側面の開口部6に接続されている。このため、シリンダ11の内部(内部空洞)とシリンダ2の内部(内部空洞)とは、シリンダ2の側面の開口部6を介して連通している(空間的につながっている)。これにより、シリンダ11の先端の開口部から、シリンダ2の側面の開口部6を介してシリンダ2内にフィラーが供給されるようになっている。シリンダ2の延在方向(ここではX方向)とシリンダ11の延在方向(ここではY方向)とは、互いに交差する方向であり、好ましくは、互いに直交する方向である。
シリンダ11を接続するためのシリンダ2の開口部6は、シリンダ2において、側面以外の面(上面または下面)に設けることも可能である。但し、シリンダ2の側面に開口部6を設けことが好ましく、これにより、フィラー供給装置10のシリンダ11から押出装置1のシリンダ2へのフィラーの供給を行いやすくなる。
なお、フィラー供給装置10またはフィラー供給装置10を構成するシリンダ11に関して「下流側」および「上流側」と称する場合、「下流側」とは、シリンダ11内のフィラーの流れの下流側を意味し、「上流側」とは、シリンダ11内のフィラーの流れの上流側を意味する。このため、シリンダ11において、シリンダ2の開口部6に近い側(すなわちシリンダ11の先端に近い側)が下流側であり、シリンダ2の開口部6から遠い側(すなわちシリンダ11の先端から遠い側)が上流側である。
フィラー供給装置10を構成するシリンダ11の内部(内部空洞)には、2本のスクリュ12が回転可能(回転自在)に挿入されて内蔵されている。シリンダ11内において、2本のスクリュ12は、互いに噛み合うように配置されて回転する。シリンダ11の延在方向(ここではY方向)と、シリンダ11内のスクリュ12の延在方向(ここではY方向)とは、同じである。
また、本実施の形態では、シリンダ11内のスクリュ12の数が2本の場合について説明するが、他の形態として、シリンダ11内のスクリュ12の数を1本とすることもできる。しかしながら、シリンダ11内のスクリュ12の数を2本とした場合には、空間容積を大きくとれるため、同一スクリュ口径の場合、単軸(スクリュ12が1本)よりも二軸(スクリュ12が2本)の方が原料の供給能力を高くすることができる。
次に、フィラー供給装置10の動作の概略について説明する。
フィラー供給装置10において、ホッパ14に投入されたフィラーは、シリンダ11の上面の開口部からシリンダ11内に供給される。ホッパ14に投入されるフィラーは、粒子状のフィラー(粒子状のフィラー原料)である。ホッパ14に投入されるフィラーの粒径は、例えば0.2μm~5μm程度である。フィラーとしては、無機物のフィラーなどを用いることができ、例えばシリカ(酸化ケイ素)などを例示できる。ホッパ14に投入されて開口部14aからシリンダ11内に供給されたフィラーは、シリンダ11内でスクリュ12の回転により前方へ搬送される。シリンダ11の先端に到達したフィラーは、シリンダ11の先端の開口部から、シリンダ2の側面の開口部6を介してシリンダ2内に供給される。開口部6からシリンダ2内に供給されたフィラーは、上述したように、シリンダ2内で樹脂と混練される。
図7は、本実施の形態の押出装置1を含む製造システム21の構成例を示す図である。図7に示される製造システム21は、押出装置1に加えて、更に、冷却槽23と切断装置24とを含んでいる。
上述のように、押出装置1のシリンダ2の先端に取り付けられた金型などからフィラー含有樹脂が押し出される。この際、フィラー含有樹脂は、紐状に成型されてストランド(樹脂ストランド)22として押し出される。押し出されたストランド22は、冷却槽23において冷却されて凝固(固化)する。凝固したストランド22は、切断装置24で所定の長さに切断される。これにより、ペレット(樹脂ペレット)25が製造される。
このため、押出装置1を用いて樹脂製品(ここではペレット25)を製造する工程は、押出装置1から樹脂(ここではストランド22)を押し出した後、押し出された樹脂(ストランド22)を冷却する工程と、その冷却工程の後、樹脂(ストランド22)を切断する工程と、を有する。
なお、図7は、押出装置1を用いた製造システムの構成例であり、押出装置1以外の構成については、これに限定されるものではない。
次に、本実施の形態の押出装置1のシリンダ2内のスクリュ3の構造について説明する。
図5および図6からも分かるように、シリンダ2内のスクリュ3は、フルフライトスクリュにより構成される部分(フルフライトスクリュ部3b)と、ニーディングスクリュにより構成される部分(ニーディングスクリュ部3a)とを有している。スクリュ3のうち、ニーディングスクリュにより構成される部分を、ニーディングスクリュ部3aと称し、フルフライトスクリュにより構成される部分を、フルフライトスクリュ部3bと称することとする。図8は、フルフライトスクリュ(フルフライトスクリュ部)を示す斜視図であり、図9~図11は、ニーディングスクリュ(ニーディングスクリュ部)を示す斜視図である。
なお、ニーディングスクリュとは、図9~図11のように、複数のニーディングディスクを回転位置をずらしながら重ね合わせた構造を有している。各ニーディングディスクは、略楕円形の形状を有し、長径部と短径部とを有している。
また、複数のニーディングディスクの回転位置をずらす方向は、順方向と逆方向とがあり得る。ここで、順方向とは、ニーディングスクリュの回転により、前方(下流側)に向かう方向に原料(樹脂およびフィラー)の送り作用を生じるようにした場合に対応する。複数のニーディングディスクの回転位置を順方向にずらした場合を、順方向のニーディングスクリュと称し、図9には、順方向のニーディングスクリュが示されている。図9の場合は、同形状を有する複数(ここでは5つ)のニーディングディスクについて、中心軸方向を一致させ、かつ、回転位置(中心軸周りの回転位置)を45°ずつ順方向にずらしながら重ね合わせている。また、逆方向とは、ニーディングスクリュの回転により、後方(上流側)に向かう方向に原料(樹脂およびフィラー)の送り作用を生じるようにした場合に対応する。複数のニーディングディスクの回転位置を逆方向にずらした場合を、逆方向のニーディングスクリュと称し、図10には、逆方向のニーディングスクリュが示されている。図10の場合は、同形状を有する複数(ここでは5つ)のニーディングディスクについて、中心軸方向を一致させ、かつ、回転位置(中心軸周りの回転位置)を45°ずつ逆方向にずらしながら重ね合わせている。逆方向にずらした場合は、ニーディングスクリュを設けている混練領域に原料がせき止められるため、強力な混練作用が得られる。また、図11には、複数(ここでは5つ)のニーディングディスクの回転位置を90°ずつずらしながら重ね合わせた場合が示されているが、この場合は、ニーディングスクリュの回転は、原料(樹脂およびフィラー)の送り作用に寄与しない。このため、ニーディングスクリュによる原料の混練作用は、複数のニーディングディスクの回転位置を順方向にずらした場合(図9)よりも、90°ずつずらした場合(図11)の方が大きく、90°ずつずらした場合(図11)よりも、逆方向にずらした場合(図10)の方が更に大きくなる。
また、フルフライトスクリュとは、フルフライト形状を有するスクリュのことであり、スクリュの外周側面にフルフライトが形成されているスクリュに対応している。フルフライトとは、フライトの両側面(すなわち上流側の側面と下流側の側面)が、曲面(湾曲面)形状に形成されたフライトである。フルフライトは、スクリュの側面に螺旋状に延在している。
また、他の形態として、フルフライトスクリュ部3bの代わりに、角フライトスクリュにより構される角フライトスクリュ部を適用することもできる。
なお、角フライトスクリュとは、角フライト形状を有するスクリュのことであり、スクリュの外周側面に角フライトが形成されているスクリュに対応している。角フライトとは、フライトの両側面(すなわち上流側の側面と下流側の側面)が、スクリュの外周側面に対して略垂直な面(垂直面形状)となるように形成されたフライトに対応している。このため、角フライトの延在方向に略垂直な断面において、角フライトの断面形状は、長方形状となる。角フライトは、スクリュの側面に螺旋状に延在している。
このため、フルフライトスクリュ部3bは、上位概念として、フライトスクリュ部とみなすこともできる。ここで、フライトスクリュとは、側面にフライトが螺旋状に形成されたスクリュに対応しており、フルフライトスクリュおよび角フライトスクリュは、それぞれフライトスクリュの一種である。但し、角フライトスクリュよりも、フルフライトスクリュの方が、セルフクリーニング効果が高い。このため、スクリュ3を構成するフライトスクリュ部として、フルフライトスクリュにより構成されるフルフライトスクリュ部3bを用いることにより、セルフクリーニング効果によってスクリュ表面付近での樹脂およびフィラーの滞留を抑制することができる。
本実施の形態の押出装置1においては、シリンダ2のフィラー供給位置(すなわちフィラー供給用の開口部6が形成されている位置)では、スクリュ3は、ニーディングスクリュにより構成されている。言い換えると、シリンダ2のフィラー供給位置(すなわちフィラー供給用の開口部6が形成されている位置)には、フルフライトスクリュ部3bではなく、ニーディングスクリュ部3aが配置されている。更に言い換えると、フィラー供給用の開口部6は、フルフライトスクリュ部3bではなくニーディングスクリュ部3aと平面視において重なっている。このため、ニーディングスクリュ部3aに、フィラー供給装置10から開口部6を介してフィラーが供給されるようになっている。
ここで、開口部6が形成された位置のシリンダ2内に配置されたニーディングスクリュ部3aを、符号3a1を付してニーディングスクリュ部3a1と称することとする。このため、フィラー供給用の開口部6は、ニーディングスクリュ部3aと平面視において重なっている。
なお、フィラー供給用の開口部6とニーディングスクリュ部3a(3a1)とが平面視において重なっていることは、シリンダ2の外部から、フィラー供給用の開口部6に向かう方向(開口部6に対して略垂直な方向に対応)にシリンダ2を透視して見たときに、開口部6とシリンダ2内のニーディングスクリュ部3a(3a1)とが重なっていることを意味する。このため、フィラー供給用の開口部6とニーディングスクリュ部3a(3a1)とが平面視において重なっている場合には、シリンダ2の外部からフィラー供給用の開口部6に向かう方向にシリンダ2を見たとすると、シリンダ2の開口部6からニーディングスクリュ部3a(3a1)が露出して見えることになる。シリンダ2の側面に開口部6が形成されている場合は、図6のように、開口部6が形成されたシリンダ2の側面を側方から透視して見たときに、フィラー供給用の開口部6とニーディングスクリュ部3a(3a1)とが重なることになる。また、シリンダ2の上面に開口部6が形成されている場合であれば、開口部6が形成されたシリンダ2の上面を上方から透視して見たときに、フィラー供給用の開口部6とニーディングスクリュ部3a(3a1)とが重なることになる。
図5および図6に示されるように、ニーディングスクリュ部3a1の下流側には、フルフライトスクリュ部3bが配置され、その更に下流側には、ニーディングスクリュ部3aを含む混練領域17が配置されている。つまり、ニーディングスクリュ部3a1と混練領域17との間では、スクリュ3は、フルフライトスクリュ部3bにより構成されている。
混練領域17は、樹脂とフィラーとの混練を主として担う領域であり、混練作用を高めるために、混練領域17におけるスクリュ3は、ニーディングスクリュ部3aを含んでいる。図5の場合は、混練領域17におけるスクリュ3は、ニーディングスクリュ部3aとフルフライトスクリュ部3bとにより構成されているが、他の形態として、混練領域17のスクリュ3がニーディングスクリュ部3aのみにより構成される場合もあり得る。混練領域17の下流側には、フルフライトスクリュ部3bが配置されている。
開口部6からシリンダ2内に供給されたフィラーは、ニーディングスクリュ部3a1により樹脂材料と混合されながらニーディングスクリュ部3a1よりも下流側のフルフライトスクリュ部3bに搬送され、そのフルフライトスクリュ部3bにより混練領域17に搬送される。混練領域17では、主としてニーディングスクリュ部3aにより樹脂材料とフィラーとが混練される。混練領域17で混練されたフィラー含有樹脂(樹脂とフィラーとの混練物)は、混練領域17よりも下流側のフルフライトスクリュ部3bにより搬送されて、シリンダ2の先端に取り付けられた金型などから押し出される。
また、シリンダ2の樹脂供給位置(すなわち樹脂供給用の開口部5aが形成されている位置)では、スクリュ3は、フルフライトスクリュにより構成されている。言い換えると、シリンダ2の樹脂供給位置(すなわち樹脂供給用の開口部5aが形成されている位置)には、ニーディングスクリュ部3aではなく、フルフライトスクリュ部3bが配置されている。更に言い換えると、フィラー供給用の開口部6は、ニーディングスクリュ部3a(3a1)と平面視において重なっている。このため、ホッパ5から開口部5aを介してフルフライトスクリュ部3bに樹脂材料が供給されるようになっている。開口部5aからシリンダ2内に供給された樹脂材料は、フルフライトスクリュ部3bにより下流側に搬送される。
また、フィラー供給装置10用のスクリュ12は、フィラーの搬送作用を有しているが、樹脂の混練作用は要求されない。このため、フィラー供給装置10用のスクリュ12としては、フライトスクリュを用いることができ、具体的には、フルフライトスクリュまたは角フライトスクリュを用いることができる。
<検討の経緯>
本発明者は、樹脂とフィラーとを混練する押出装置について検討している。このため、押出装置のシリンダ(上記シリンダ2に対応)に樹脂とフィラーとを供給する必要がある。
押出装置のシリンダ内に樹脂とフィラーとを一緒に供給した場合には、樹脂に対するフィラーの比率を大きくしにくい。一方、押出装置のシリンダに樹脂とフィラーとを別々に供給する場合には、樹脂に対するフィラーの比率を大きくしやすい。
そこで、本発明者は、押出装置のシリンダ内に樹脂を供給してシリンダ内のスクリュによりシリンダ内を搬送させるとともに、樹脂供給位置よりも下流側において、押出装置のシリンダ内にフィラー供給装置(サイドフィーダ)などを用いてフィラーを供給することについて、検討している。
図12は、本発明者が検討した検討例の押出装置101のシリンダ102の内部を示す側面図(側面透視図)であり、シリンダ102内のスクリュ103の側面が示されている。図13は、図12の領域116を拡大して示す部分拡大図である。図12および図13は、上記図5および図6にそれぞれ対応するものである。
図12および図13に示されるように、検討例の押出装置101は、上記シリンダ2に相当するシリンダ102と、シリンダ102内に回転可能(回転自在)に配置されたスクリュ103とを有している。ホッパ(上記ホッパ5に相当)から開口部105aを介してシリンダ102内に供給された原料樹脂は、シリンダ102内でスクリュ103の回転により前方へ送られながら溶融される。そして、フィラー供給装置(上記フィラー供給装置10に相当)から開口部106を介してシリンダ102内にフィラーが供給されるため、樹脂(溶融樹脂)とフィラーとが、スクリュ103の回転により混練されながらシリンダ102内を更に前方に送られる。樹脂(溶融樹脂)とフィラーとの混練物(フィラー含有樹脂)は、シリンダ102の先端に取り付けられた金型などから押し出される。シリンダ102の側面におけるフィラー供給装置の接続位置には、上記開口部6に相当する開口部106が設けられており、フィラー供給装置からシリンダ102の側面の開口部106を介してシリンダ102内にフィラーが供給される。
検討例の押出装置101が本実施の形態の検討例の押出装置1と主として相違しているのは、シリンダ102内に配置されているスクリュ103の構成である。具体的には、検討例の押出装置101においては、シリンダ102のフィラー供給位置(すなわちフィラー供給用の開口部106が形成されている位置)では、スクリュ103は、ニーディングスクリュ部103aではなく、フルフライトスクリュ部103bにより構成されている。つまり、フィラー供給用の開口部106は、ニーディングスクリュ部103aではなくフルフライトスクリュ部103bと平面視において重なっている。フルフライトスクリュは、樹脂の搬送能力が高いため、樹脂の搬送部には適していると考えられる。
しかしながら、本発明者の検討によれば、検討例の押出装置101を用いた場合には、以下に説明するような課題が生じ得ることが分かった。
押出装置のシリンダ内に供給するフィラーとして、粒子状のフィラー31を用いる場合には、粒子状のフィラー31が凝集してしまう虞がある。例えば、静電気などにより、粒子状のフィラー31が凝集し得る。粒子状のフィラーが凝集すると、凝集したフィラー粒子の塊(だま)が形成される。以下、凝集したフィラー粒子の塊(だま)を、凝集体32と称する。例えば、フィラー供給装置(上記フィラー供給装置10に相当)に供給されたフィラー31がシリンダ102内に供給されるまでに凝集して、凝集体32が形成される。
開口部106からシリンダ102内に凝集体32が導入されると、凝集体32は、スクリュ103の回転により樹脂と一緒にシリンダ102内を搬送される。その際、凝集体32の表面が樹脂によりコーティングされることにより、個々の凝集体32を構成するフィラー粒子は、分散されずに凝集した状態を維持する。このため、凝集体32は、フィラー粒子の凝集状態を維持したまま、シリンダ102内を樹脂と一緒に搬送され、混練領域117に到達する。混練領域117は、樹脂とフィラーとの混練を主として担う領域であり、混練作用を高めるために、混練領域117のスクリュ103は、ニーディングスクリュ部103aを含んでいる。図12の場合は、混練領域117のスクリュ103は、全体がニーディングスクリュ部103aにより構成されている。すなわち、シリンダ102内における樹脂を搬送する搬送領域では、スクリュ103はフルフライトスクリュ部103bにより構成され、シリンダ102内における樹脂を混練する混練領域117では、スクリュ103は、ニーディングスクリュ部103aにより構成されている。
混練領域117において、樹脂と凝集体32とが混練されるが、凝集体32を構成するフィラー粒子を樹脂中に分散させるためには、スクリュ103による樹脂の混練能力を高くし、高いせん断応力を樹脂に加える必要がある。しかしながら、高いせん断応力が樹脂に加わった場合には、樹脂の特性の劣化を招く虞がある。例えば、樹脂を構成する高分子の分子鎖が切断されるなどして、高分子の分子量が小さくなり、樹脂の固有粘度(intrinsic viscosity)が低下する虞がある。これは、押出装置から押し出されたフィラー含有樹脂を用いて製造される製品の特性の低下につながる虞があるため、望ましくない。
一方、混練領域117において、凝集体32を構成するフィラー粒子を樹脂中に十分に分散させることができなかった場合には、押出装置から押し出されたフィラー含有樹脂中では、フィラー粒子が凝集体32として凝集した状態のままとなり、フィラー含有樹脂中のフィラーの分散度が低くなる。この場合も、押出装置から押し出されたフィラー含有樹脂を用いて製造される製品の特性の低下を招く虞がある。
このため、混練領域において高いせん断応力を樹脂に加えなくとも、フィラー粒子が樹脂中に的確に分散されたフィラー含有樹脂を得られるようにすることが望まれる。
<主要な構成と効果について>
本実施の形態の主要な特徴のうちの一つは、スクリュ3がニーディングスクリュ部3aとフルフライトスクリュ部3bとを有し、フィラー供給用の開口部6(第2供給口)が形成された位置のシリンダ2内には、ニーディングスクリュ部3a(3a1)が配置されていることである。つまり、本実施の形態の押出装置1においては、シリンダ2のフィラー供給位置(すなわちフィラー供給用の開口部6が形成されている位置)では、スクリュ3は、ニーディングスクリュにより構成されている。言い換えると、本実施の形態の押出装置1においては、フィラー供給用の開口部6とニーディングスクリュ部3a(3a1)は、平面視において重なっている。
上記検討例の押出装置101(図12および図13)の場合は、フィラー供給用の開口部106が形成された位置のシリンダ102内には、フルフライトスクリュ部103bが配置されている。このため、粒子状のフィラー31が凝集した状態で開口部106からシリンダ102内に供給された場合は、凝集体32は、フルフライトスクリュ部103bにより樹脂と一緒にシリンダ102内を搬送される。その際、凝集体32の表面が樹脂によりコーティングされることにより、個々の凝集体32を構成するフィラー粒子は、分散されずに凝集した状態を維持し、その状態で混練領域117に到達することになる。
それに対して、本実施の形態の場合は、フィラー供給用の開口部6(第2供給口)が形成された位置のシリンダ2内には、フルフライトスクリュ部3bではなく、ニーディングスクリュ部3a(3a1)が配置されている。言い換えると、フィラー供給用の開口部6とニーディングスクリュ部3a(3a1)は、平面視において重なっている。ニーディングスクリュは、フルフライトスクリュや角フライトスクリュのようなフライトスクリュに比べて、樹脂材料とフィラーとを混合(混練)する作用が高い。このため、粒子状のフィラー31が凝集した状態で開口部6からシリンダ2内に供給された場合は、凝集体32の表面が樹脂によりコーティングされてしまう前に、ニーディングスクリュ部3a1によって凝集体32と樹脂材料とが混合(混練)されることにより、樹脂材料中に粒子状のフィラー31を分散させることができる。つまり、開口部6からシリンダ2内に供給された凝集体32を、混合(混練)作用が高いニーディングスクリュ部3a1によって速やかに樹脂材料と混合することにより、凝集体32の表面が樹脂によりコーティングされてしまう前に、凝集体32の凝集状態を解き、粒子状のフィラー31を樹脂材料中に分散させることができる。
このため、ニーディングスクリュ部3a1によって樹脂材料とフィラー(開口部6から供給されたフィラー)とを混合することにより、粒子状のフィラー31を樹脂材料中に分散させ、そのフィラーが分散した樹脂材料をニーディングスクリュ部3a1よりも下流側のフルフライトスクリュ部3bによって混練領域17は搬送し、その混練領域17で更に混合(混練)することができる。混練領域17に到達した段階で、凝集体32の凝集状態は解消され、樹脂材料中にフィラーがある程度分散されているため、混練領域17では、それほど高いせん断応力を樹脂材料に加えなくとも、樹脂材料とフィラーとを容易かつ的確に混合(混練)して、フィラーが樹脂材料中に十分に分散したフィラー含有樹脂を得ることができる。混練領域17で樹脂材料に加わるせん断応力を抑制できるため、樹脂材料の特性の劣化を抑制または防止することができる。例えば、樹脂材料に加わるせん断応力が大きいと、樹脂材料を構成する高分子の分子鎖が切断されるなどして、高分子の分子量が小さくなり、樹脂の固有粘度が低下する懸念があるが、そのような懸念を排除できる。これにより、押出装置1を用いてフィラー含有樹脂を的確に製造することができ、押出装置1から押し出されたフィラー含有樹脂を用いて製造される製品の特性や信頼性を向上させることができる。
例えば、図12の検討例の押出装置101の場合は、混練領域117におけるスクリュ103は、全体がニーディングスクリュ部103aにより構成されており、ニーディングの枚数もかなり多い。一方、図5(本実施の形態)の場合は、混練領域17におけるスクリュ3は、ニーディングスクリュ部3aとフルフライトスクリュ部3bとにより構成されており、図12の場合に比べてニーディングディスクの枚数も少ない。このため、図12の検討例の押出装置101の場合よりも、図5(本実施の形態)の場合の方が、混練領域(17,117)で樹脂材料に加わるせん断応力を抑制することができ、従って、樹脂材料の特性の劣化を抑制することができる。
また、本実施の形態では、押出装置1から押し出されたフィラー含有樹脂中で、フィラー粒子が凝集体32として凝集した状態となるのを的確に抑制または防止できる。このため、フィラー粒子が樹脂中に十分に分散したフィラー含有樹脂を押出装置1から押し出すことができる。これにより、押出装置1を用いてフィラー含有樹脂を的確に製造することができ、押出装置1から押し出されたフィラー含有樹脂を用いて製造される製品の特性や信頼性を向上させることができる。
また、ニーディングスクリュ部3a1は、図9~図11のいずれのタイプのニーディングスクリュにより構成されていてもよいが、順方向のニーディングスクリュ(図9)により構成されていれば、より好ましい。順方向のニーディングスクリュ(図9)は、逆方向のニーディングスクリュ(図10)や90°ずつニーディングディスクをずらしたニーディングスクリュ(図11)に比べて、樹脂材料に加わるせん断応力を抑制しやすい。このため、ニーディングスクリュ部3a1を順方向のニーディングスクリュ(図9)により構成することにより、ニーディングスクリュ部3a1によって樹脂材料に加わるせん断応力をある程度抑制して、樹脂材料の特性の劣化をより的確に抑制または防止することができる。また、ニーディングスクリュ部3a1は、開口部6からシリンダ2内に供給された凝集体32の凝集状態を解いて粒子状のフィラー31を樹脂材料中にある程度分散させることができる程度の混練作用を有していればよく、それは、ニーディングスクリュ部3a1が順方向のニーディングスクリュの場合も、達成することができる。
また、シリンダ2内におけるニーディングスクリュ部3a1の下流側には、好ましくはフルフライトスクリュ部3bが配置されており、そのフルフライトスクリュ部3bの下流側には、好ましくはニーディングスクリュ部3a(混練領域17に含まれるニーディングスクリュ部3a)が配置されている。これにより、開口部6からシリンダ2内に供給されたフィラーは、ニーディングスクリュ部3a1により樹脂材料と混合されながらフルフライトスクリュ部3bに搬送され、そのフルフライトスクリュ部3bにより混練領域17に搬送することができる。ニーディングスクリュ部3a1により樹脂材料とフィラーとを混合することにより、樹脂材料中にフィラーを分散させることができ、そのフィラーが分散された樹脂材料を、ニーディングスクリュ部3a1の下流側のフルフライトスクリュ部3bによって、混練領域17へ的確に搬送することができる。そして、混練領域17のニーディングスクリュ部3aにより、フィラーが分散された樹脂材料を更に的確に混合(混練)することができ、樹脂材料中へのフィラーの分散度を更に高めることができる。
また、樹脂供給用の開口部5a(第1供給口)が形成された位置のシリンダ2には、ニーディングスクリュ部3aではなく、フルフライトスクリュ部3bが配置されていることが好ましい。言い換えると、シリンダ2における樹脂供給用の開口部5aは、フルフライトスクリュ部3bと平面視において重なっていることが好ましい。これにより、開口部5aからシリンダ2内に供給された樹脂材料を、フルフライトスクリュ部3bによって的確に搬送することができる。
なお、樹脂供給用の開口部5aとフルフライトスクリュ部3bとが平面視において重なっていることは、シリンダ2の外部から、樹脂供給用の開口部5aに向かう方向(開口部5aに対して略垂直な方向に対応)にシリンダ2を透視して見たときに、開口部5aとシリンダ2内のフルフライトスクリュ部3bとが重なっていることを意味する。このため、樹脂供給用の開口部5aとフルフライトスクリュ部3bとが平面視において重なっている場合には、シリンダ2の外部から樹脂供給用の開口部5aに向かう方向にシリンダ2を見たとすると、シリンダ2の開口部5aからフルフライトスクリュ部3bが露出して見えることになる。シリンダ2の上面に開口部5aが形成されている場合は、開口部5aが形成されたシリンダ2の上面を上方から透視して見たときに、樹脂供給用の開口部5aとフルフライトスクリュ部3bとが重なることになる。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
1 押出装置
2 シリンダ
3 スクリュ
3a,3a1 ニーディングスクリュ部
3b フルフライトスクリュ部
4 回転駆動機構
5 ホッパ
5a 開口部
6 開口部
7,8 矢印
10 フィラー供給装置
11 シリンダ
12 スクリュ
13 回転駆動機構
14 ホッパ
14a 開口部
16 領域
17 混練領域
21 製造システム
22 ストランド
23 冷却槽
24 切断装置
25 ペレット
31 フィラー
32 凝集体
101 押出装置
102 シリンダ
103 スクリュ
103a ニーディングスクリュ部
103b フルフライトスクリュ部
105a 開口部
106 開口部
117 混練領域

Claims (16)

  1. 以下を含む樹脂押し出し機:
    樹脂材料が供給される第1の供給口と、フィラーが供給される第2の供給口とを有する第1のシリンダ;および
    前記第1のシリンダに内蔵され、前記樹脂材料を混練するための第1のスクリュ、
    ここで、前記第1のスクリュは、第1のニーディングスクリュ部と第1のフライトスクリュ部とを有し、
    前記第2の供給口と前記第1のニーディングスクリュ部は平面視において重なる。
  2. 請求項1記載の樹脂押し出し機において、
    前記第1のニーディングスクリュ部は、順方向のニーディングスクリュにより構成されている、樹脂押し出し機。
  3. 請求項1記載の樹脂押し出し機において、
    前記第1のシリンダ内における前記第1のニーディングスクリュ部の下流側に前記第1のフライトスクリュ部が配置されている、樹脂押し出し機。
  4. 請求項3記載の樹脂押し出し機において、
    前記第1の供給口から前記第1のシリンダ内に供給された前記フィラーは、前記第1のニーディングスクリュ部により前記樹脂材料と混合されながら前記第1のフライトスクリュ部に搬送される、樹脂押し出し機。
  5. 請求項3記載の樹脂押し出し機において、
    前記第1のスクリュは、第2のニーディングスクリュ部を有し、
    前記第1のフライトスクリュ部の下流側に前記第2のニーディングスクリュ部が配置されている、樹脂押し出し機。
  6. 請求項1記載の樹脂押し出し機において、
    前記第1のスクリュは、第2のフライトスクリュ部を有し、
    前記第1の供給口が形成された位置の前記第1のシリンダには、前記第2のフライトスクリュ部が配置されている、樹脂押し出し機。
  7. 請求項1記載の樹脂押し出し機において、
    前記フィラーは、粒子状のフィラーである、樹脂押し出し機。
  8. 請求項7記載の樹脂押し出し機において、
    前記粒子状のフィラーは、凝集した状態で、前記第1の供給口から前記第1のシリンダ内に供給される、樹脂押し出し機。
  9. 請求項8記載の樹脂押し出し機において、
    前記第1の供給口から前記第1のシリンダ内に供給された前記フィラーは、前記第1のニーディングスクリュ部により前記樹脂材料と混合されることにより、前記樹脂材料中に分散する、樹脂押し出し機。
  10. 請求項1記載の樹脂押し出し機において、
    前記フィラーを前記第2の供給口から前記第1のシリンダに供給するための第2のスクリュを内蔵する第2のシリンダを更に有し、
    前記第2のシリンダは、前記第1のシリンダの前記第2の供給口に接続されている、樹脂押し出し機。
  11. 請求項10記載の樹脂押し出し機において、
    前記第2のシリンダは、前記フィラーが供給される第3の供給口を有し、
    前記第3の供給口から前記第2のシリンダ内に供給された前記フィラーは、前記第2のスクリュにより搬送されて、前記第1の供給口から前記第1のシリンダ内に供給される、樹脂押し出し機。
  12. 請求項1記載の樹脂押し出し機において、
    前記第1のフライトスクリュ部は、フルフライトスクリュにより構成されている、樹脂押し出し機。
  13. 請求項1記載の樹脂押し出し機において、
    前記第1のシリンダに内蔵される前記第1のスクリュの数は2本である、樹脂押し出し機。
  14. 以下の工程を含む、樹脂製品の製造方法:
    (a)第1の供給口からシリンダ内に樹脂材料を供給する工程;
    (b)第2の供給口から前記シリンダ内にフィラーを供給する工程;
    (c)工程(b)の後、前記シリンダ内のスクリュによって前記樹脂材料を混錬する工程;
    (d)工程(c)の後、樹脂を前記シリンダの外に押し出す工程、
    ここで、前記スクリュは、ニーディングスクリュ部とフライトスクリュ部とを有し、
    前記第2の供給口と前記ニーディングスクリュ部は平面視において重なる。
  15. さらに以下の工程を含む、請求項14に記載の樹脂製品の製造方法:
    (e)工程(d)の後、前記樹脂を冷却する工程。
  16. さらに以下の工程を含む、請求項15に記載の樹脂製品の製造方法:
    (f)工程(e)の後、前記樹脂を切断する工程。
JP2021016515A 2021-02-04 2021-02-04 樹脂押し出し機および樹脂製品の製造方法 Pending JP2022119423A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021016515A JP2022119423A (ja) 2021-02-04 2021-02-04 樹脂押し出し機および樹脂製品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021016515A JP2022119423A (ja) 2021-02-04 2021-02-04 樹脂押し出し機および樹脂製品の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022119423A true JP2022119423A (ja) 2022-08-17

Family

ID=82848467

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021016515A Pending JP2022119423A (ja) 2021-02-04 2021-02-04 樹脂押し出し機および樹脂製品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022119423A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6682213B2 (en) Twin-screw continuous kneading apparatus and kneading method using the same
US5728337A (en) Twin screw extruder and an extruding method using the same
US4478516A (en) Apparatus for mixing and blending constituents of a flow of thermoplastics material
JP4928315B2 (ja) 連続混合装置
TWI724404B (zh) 混練方法及混練物
JP2023001253A (ja) 導電性複合材料の製造方法
TWI754935B (zh) 含有再生碳纖維的碳纖維複合材料、成形體及碳纖維複合材料的製造方法
JP5511812B2 (ja) 連続式押出機
WO2012137666A1 (ja) ガラス繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットの製造方法
JP2022119423A (ja) 樹脂押し出し機および樹脂製品の製造方法
WO2012026271A1 (ja) シミュレーション装置、プログラム、及び記録媒体
CN105365196A (zh) 双螺杆挤压机
JP2578479B2 (ja) 粉体添加剤含有ポリマーの製造方法
JP7164170B2 (ja) コンクリート型枠用せき板の押出成形方法及びコンクリート型枠用せき板の押出成形装置
JP2014091320A (ja) 押出成形機用スクリュー
US20220324152A1 (en) Resin extruder, rotor-type screw, and resin manufacturing method
JP2021123000A (ja) 射出成形方法および射出成形装置
JP7335117B2 (ja) 樹脂押し出し機およびフィラー供給装置
JP7335466B1 (ja) 単軸押出機用スクリュー、および単軸押出機
JP4254585B2 (ja) 射出成形用スクリュ
JP2000218619A (ja) 押出機用混練分散用部品及びスクリュー
TW202330709A (zh) 熱可塑性樹脂組合物的製造方法
WO2021157264A1 (ja) 射出成形方法および射出成形装置
JPH10109350A (ja) 溶融樹脂の押出機
US20220097259A1 (en) Single extruder barrel design to accommodate compounding, chemical reactions, and immiscible polymer blends with solids coated by one of the polymers

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231011

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240516

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240521