JP2021123000A - 射出成形方法および射出成形装置 - Google Patents

射出成形方法および射出成形装置 Download PDF

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Abstract

【課題】特性の良好な樹脂成形体の製造方法を提供する。【解決手段】シリンダ11と、その内に配備されたスクリュSと、シリンダ11に接続されたバイパス流路12とを有する射出成形装置を準備し、供給口13hから、樹脂ペレットRPを供給して溶融樹脂を形成した後、供給口15hから、フィラーFを供給し、混練を行う。この際、バイパス流路12を介してシリンダ11の先端部に貯留されたフィラー含有の溶融樹脂MRFをシリンダ11の上流側に戻すことで、戻されたフィラー含有の溶融樹脂MRFは再びシリンダ11内のスクリュによって混練されながら先端方向へ輸送される。このようにして、溶融樹脂とフィラーFとの混練性を高めることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、射出成形方法および射出成形装置、特に、フィラー含有樹脂成形体を形成する射出成形方法および射出成形装置に好適に利用できるものである。
近年、フィラー(炭素繊維など)を用いた樹脂複合材料が注目を集めている。特に、フィラーを含有させた樹脂を用いて成形体を製造することにより、成形体の機械的強度の向上を図ることが検討されている。
このような複合材料は、樹脂とフィラーとを、射出成形装置や押出機等のスクリュを備えた装置を用いて混練することにより得ることができる。
例えば、特許文献1には、スクリュによって高分子ブレンド試料を溶融状態で混練する際のスクリュ回転数を50rpm〜3000rpmの範囲で任意に設定可能であり、内部帰還型スクリュを採用した高分子ブレンドフィルムを製造する技術が開示されている。このように、内部帰還型スクリュの採用により高せん断下で混練押出しをして共連続構造等の微視的分散構造を有する高分子ブレンドフィルムを製造することができる。
特開2005−313608号公報
本発明者は、射出成形装置や押出機を用いたフィラー含有樹脂についての研究開発に従事しており、フィラーの添加による樹脂の補強効果の向上について鋭意検討している。
このようなフィラー含有樹脂よりなる成形体は、射出成形装置を用いて形成することができる。射出成形装置は、シリンダと、シリンダ内に回転自在に配備されたスクリュとを有する。例えば、ホッパからシリンダ内に供給された樹脂ペレットが、シリンダ内で溶融しスクリュによって前方に送られた後、フィラーが添加され、溶融樹脂とフィラーとが混練され、所定量だけ射出成形装置から金型に注入されることで、所望の形状の成形体を形成することができる。
ここで、成形体の機械的強度の向上を図るためには、樹脂中にフィラーが均一に分散している必要性があるものの、樹脂ペレットを溶融した後、フィラーを添加する場合には、シリンダの途中でフィラーを添加することとなり、溶融樹脂とフィラーとの混練時間を確保し難い場合がある。
そこで、成形体に含まれるフィラーの分散性を向上させ、より性能の高い成形体を製造する技術が望まれる。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される射出成形方法は、(a)シリンダと、前記シリンダ内に配備されたスクリュと、前記シリンダに接続されたバイパス流路とを有する射出成形装置と、前記射出成形装置の先端に接続された型と、を準備する工程、(b)前記シリンダの上流に設けられた第1供給口から、樹脂材料を前記シリンダ内に供給して溶融させ溶融樹脂を形成する工程、(c)前記シリンダの前記第1供給口より下流に設けられた第2供給口から、フィラーを供給し、前記溶融樹脂と前記フィラーとの混練を行うことにより前記フィラー含有の溶融樹脂を形成する工程、(d)前記スクリュの先端が第1位置から第2位置までの第1ストロークだけ後退するように、前記スクリュを後退させることにより、前記スクリュの先端部において前記フィラー含有の溶融樹脂を計量する工程、(e)前記スクリュを前進させることにより、前記フィラー含有の溶融樹脂を前記型に注入する工程、を有し、前記(c)工程は、前記フィラー含有の溶融樹脂を、前記バイパス流路を介して、前記バイパス流路の一端が接続される第1接続口から前記バイパス流路の他端が接続され、前記第1接続口より上流に設けられた第2接続口まで戻す工程を含む。
本願において開示される射出成形装置は、シリンダと、前記シリンダ内に配備されたスクリュと、前記シリンダに接続されたバイパス流路と、を有し、前記シリンダは、上流に位置し樹脂材料が供給される第1供給口と、前記第1供給口より下流に位置しフィラーが供給される第2供給口と、前記バイパス流路の一端が接続される第1接続口と、前記バイパス流路の他端が接続される第2接続口と、と有し、前記第1接続口は、前記第2接続口より下流に位置し、前記第2接続口は、前記第2供給口より下流に位置する。
本願において開示される射出成形方法によれば、特性の良好な樹脂成形体を製造することができる。
本願において開示される射出成形装置によれば、特性の良好な樹脂成形体を製造することができる。
実施の形態1のフィラー含有樹脂成形体の製造装置(製造システム)の構成を示す図である。 射出成形装置の内部構成を示す図である。 ダルメージ型のスクリュの構成を示す図である。 スクリュの駆動部の構成を示す図である。 検討例の射出成形工程を示す模式的な断面図である。 実施の形態1の射出成形工程を示す模式的な断面図である。 実施の形態1の射出成形工程を示す模式的な断面図である。 実施の形態1の混練工程におけるシリンダの各部における圧力の変化を示すグラフである。 実施の形態2の射出成形工程を示す模式的な断面図である。 実施の形態2の射出成形工程を示す模式的な断面図である。 実施の形態3の射出成形工程を示す模式的な断面図である。 実施の形態3の射出成形工程を示す模式的な断面図である。
以下、実施の形態を実施例や図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本実施の形態においては、射出成形方法(フィラー含有樹脂成形体の製造方法)について説明する。
図1は、本実施の形態のフィラー含有樹脂成形体の製造装置(製造システム)の構成を示す図である。この装置は、射出成形装置1と、プレス機5とを有する。本実施の形態においては、フィラーを含有しない樹脂ペレット(樹脂材料)と、フィラーとを直接混合し、成形体(成型体)を形成する。
射出成形装置1は、供給される樹脂ペレットRPを溶融しつつ、フィラーFと混合・混練し、フィラー含有の溶融樹脂(MRF)を形成するための装置である。射出成形装置1は、図示しない温調手段によって温度制御されるシリンダ11と、シリンダ11の内部に配置されたスクリュSと、シリンダ11に接続されたバイパス流路(バイパスシリンダ)12とを有している。そして、スクリュSは、シリンダ11の後端(上流側)に設けられた駆動部17で制御され、シリンダ11の先端には吐出ノズル19が設けられている。
シリンダ11は、シリンダ11の上流側に配設された樹脂ペレットRPの供給口13hと、フィラーFの供給口(ベント孔)15hとを有している。供給口13hは、樹脂ペレットRP用のホッパ(供給装置、投入装置)13と接続され、供給口15hは、フィラーF用の供給装置15と接続されている。
そして、シリンダ11は、バイパス流路12との接続口12ha、12hbを有している。下流側の接続口12haは、バイパス流路12の一端と接続され、上流側の接続口12hbは、バイパス流路12の他端と接続されている。
バイパス流路12は、図示しない温調手段によって温度制御され、シリンダ11の接続口12ha、12hb間を接続する。このように、バイパス流路12を設けることにより、バイパス流路12を介してシリンダ11の先端部に貯留されたフィラー含有の溶融樹脂(MRF)をシリンダ11の上流側に戻すことができ、戻されたフィラー含有の溶融樹脂(MRF)は再びシリンダ11内のスクリュによって混練されながら先端方向へ輸送される。このようにして、溶融樹脂とフィラーFとの混練性を高めることができる。別の言い方をすれば、接続口12ha、12hb間において、シリンダ11とバイパス流路12とを循環させることができ、溶融樹脂とフィラーFとの混練性を高めることができる。これにより、フィラーの分散性が良好となるなど、特性の良好な樹脂成形体を製造することができる。
接続口12haとバイパス流路12との間には、バルブ(弁)12Baが設けられ、接続口12hbとバイパス流路12との間には、バルブ(弁)12Bbが設けられている。バルブ(12Ba、12Bb)を開くことでシリンダ11とバイパス流路12が接続状態となり、バルブ(12Ba、12Bb)を閉じることでシリンダ11とバイパス流路12との間が遮断される。例えば、溶融樹脂とフィラーFとの混練工程においてはバルブ(12Ba、12Bb)を開き、混練物の計量工程および射出工程においてはバルブ(12Ba、12Bb)を閉じる。
バルブとしては、例えば、ゲートバルブ、グローブバブル、ボールバルブなどを用いることができる。
プレス機5は、例えば、第1型SLと第2型SRとを有し、これらの間の隙間に、フィラー含有の溶融樹脂MRFが注入(射出、吐出)され、型に対応した形状で固化することで、成形体が形成される。
図2は、射出成形装置の内部構成を示す図であり、図2に示すように、シリンダ11の内部には、スクリュSが、駆動部17により回転可能(回転自在)かつ前進・後退可能に挿入され内蔵されている。
図2においては、主として、らせん状の突起(ネジ山)が設けられたフルフライト型のスクリュによりスクリュSが構成されている。そして、スクリュSは、複数のスクリュ部(スクリュピース)を有する。具体的には、溝の深さ(突起の高さ)が異なる複数のスクリュ部を有している。例えば、上流側(ホッパ13側)のスクリュS1は、スクリュ部S1aと、スクリュ部S1aより溝が浅いスクリュ部S1bとを有している。また、下流側(吐出ノズル19側)のスクリュS2は、スクリュ部S2aと、スクリュ部S2aより溝が浅いスクリュ部S2bとを有している。上流側のスクリュS1は、供給口13hから供給口15hまでに配置され、下流側のスクリュS2は、供給口15hから上流側に配置されている。このようなスクリュ構成は、2ステージ型と呼ばれることがある。なお、ここでは、スクリュSの先端部に、先端に向かって尖った形状の部分(ピース)が配置されている。
樹脂ペレットRPの供給部(13h)に対応するスクリュ部S1aにおいては、容積を確保するため溝の深いスクリュ部を用いることが好ましく、また、溶融した樹脂が通過するスクリュ部S1bにおいては、樹脂の混練性を高め、また、供給口15hからの溶融樹脂の流出(ベントアップ)を防止するため、溝の浅いスクリュ部を用いることが好ましい。
また、フィラーFの供給部(15h)に対応するスクリュ部S2aにおいては、溝を深くし、飢餓状態とすることが好ましく、また、溶融樹脂とフィラーFとの混練物が通過するスクリュ部S2bにおいては、樹脂の混練性を高めるため、溝の浅いスクリュ部を用いることが好ましい。
なお、図2においては、フルフライト型のスクリュ(スクリュ部)を用いたが、他の形状のスクリュ(スクリュ部)を用いてもよい。例えば、スクリュ部S2bにおいて、混練性を高めるため、ダルメージ型のスクリュを用いてもよい。図3は、ダルメージ型のスクリュの構成を示す図である。図3(B)および図3(C)はそれぞれ、図3(A)のB−B断面、C−C断面に対応する。幅Lの環状凹凸が距離Lを置いて複数配置されている。凸部は、スクリュの周りに所定の間隔を置いて配置されている(図3(B))。Dはスクリュ径であり、Lはスクリュ長さである。ダルメージ型のスクリュの他、混練性の高いスクリュとしては、マドック型やピン型やスタティックミキサ―型のスクリュなどが挙げられる。特に、スクリュ部S2bにおいて、混練性の高いスクリュ(混練ピース、高混練ピース)を用い、これをバイパス流路12と重なるように配置することにより、バイパス流路12を介したフィラー含有の溶融樹脂の循環の際において、混練性がさらに向上し、溶融樹脂とフィラーFとの混練性をさらに高めることができる。
図4は、スクリュの駆動部の構成を示す図である。図4に示すように、スクリュSには、スクリュSを前進または後退させるライン駆動機構17Lと、スクリュSを回転させる回転駆動機構17Rとが接続されている。また、ライン駆動機構17LとスクリュSとの間には、スクリュSが軸方向に受ける荷重(背圧)を検知するロードセル(センサ)17Sが設けられている。そして、ライン駆動機構17Lと回転駆動機構17Rとは、スクリュの制御部17Cにより制御される。例えば、ロードセル17Sからの信号に基づき、スクリュSの前進、後退または位置の固定を制御する。
また、樹脂ペレットRPの供給量および供給のタイミング(供給期間)、フィラーFの供給量および供給のタイミング(供給期間)は、材料の制御部15cで制御することができる(図2参照)。例えば、供給口15hの上方にセンサ(例えば、レーザ変位計)15sを設け、溶融樹脂の通過タイミングを検出することで、フィラーFの供給のタイミングを調整してもよい。また、供給口15hの近傍のシリンダに圧力センサを設け、溶融樹脂の通過に基づくシリンダに加わる圧力の変化を検出することで、フィラーFの供給のタイミングを調整してもよい。このように、フィラーFの供給のタイミングを図ることで、樹脂ペレットRPの供給量に対応した適切な量のフィラーを添加することができ、樹脂とフィラーの混合比を精度よく調整することができる。
図5は、検討例の射出成形工程を示す模式的な断面図である。図5(A)に示すように、ホッパから供給口を介して供給された樹脂ペレットRPは、シリンダ11内において、溶融し、スクリュにより掻き混ぜられながら下流に移送される。そして、フィラーFの供給口から、溶融樹脂中にフィラーFが供給され、溶融樹脂とフィラーFとの混練物が、シリンダ11の先端部に移送され、貯留される。このように、シリンダ11の先端部に貯留される溶融樹脂とフィラーFとの混練物が多くなると、スクリュに押し戻される力(後退する力)が働く。この力は、“背圧”と呼ばれ、前述したロードセルの出力(信号)と対応している。
このような背圧の上昇により混練物の貯留量を知ることができ、所定の背圧(例えば、5MPa)になった後は、図5(B)に示すように、ライン駆動機構(17L)によりスクリュSを後退させ、シリンダ11の先端部に所定量の混練物を貯留(計量)した後、スクリュSを前進させることで、吐出ノズルから型(プレス機5)へ所定量の混練物を吐出することができる。
しかしながら、上記検討例(図5)の射出成形工程では、フィラーFの分散性が低い場合がある。
そこで、本実施の形態においては、シリンダ11の先端部にバイパス流路12を設け、シリンダ11の先端部に貯留されたフィラー含有の溶融樹脂(MRF)をシリンダ11の上流側に戻すことで、何度もシリンダ11内のスクリュによって混練させ、フィラーFの分散性を向上させることができる。以下に詳細に説明する。
図6および図7は、本実施の形態の射出成形工程を示す模式的な断面図である。
まず、図6を参照しながら、1回目の混練・吐出工程について説明する。図6(A)に示すように、樹脂ペレットRPをシリンダ11の上流側のホッパ13に対応する供給口13hから供給する。ここでの供給量は、“W1+α”である。W1は、1回の吐出量に対応する供給量であり、αは滞留量(吐出後にシリンダ11の内部に残存する材料の量)に対応する供給量である。この際、スクリュSの先端Tは、シリンダ11の最も下流である第1位置P0に位置している。この第1位置P0において、スクリュSを回転させる。この際、シリンダ11内に供給された樹脂ペレットRPは、シリンダ11からの熱と、スクリュSの回転によるせん断力とにより、徐々に溶融して、溶融樹脂となり、下流に向けて搬送される。なお、ここでは、スクリュSの回転方向は、第1方向(溶融樹脂を下流に搬送させる方向)とする。また、この際、バルブ12Ba、12Bbは閉じている。
次いで、図6(B)に示すように、溶融樹脂(RP)が、フィラーF用の供給口15hまで搬送された時点で、フィラーFを供給する。供給量を“WF1+β”とする。この際、樹脂ペレットRPの供給は停止されており、シリンダ11の供給口15hと供給口13hとの間に位置する溶融樹脂は、上記供給量(W1+滞留量(α))に対応する量である。なお、樹脂ペレットRPの供給の停止(停止期間)は、このタイミングに限られるものではない。
さらに、スクリュSを回転し続けると、図6(C)に示すように、溶融樹脂とフィラーFとの混練物がシリンダ11の下流側に搬送される。そして、図6(D)に示すように、混練物がスクリュSの先端Tまで到達する。この後、混練物がスクリュSの先端Tまで随時到達し、貯留量が多くなるとそれに伴い、スクリュSの背圧が大きくなる。例えば、スクリュSの背圧が、第1規定値(例えば、5MPa)に到達する。
次いで、バルブ12Ba、12Bbを開く。この際、前述したように、溶融樹脂とフィラーFとの混練物がシリンダ11の下流側に貯留されているため、スクリュSの背圧は第1規定値(例えば、5MPa)となっており、バルブ12Baを開くことで、溶融樹脂とフィラーFとの混練物はバイパス流路12内に流れ込む、そして、バルブ12Bbを介してより圧力の小さい、シリンダ11の領域に戻される。そして、溶融樹脂とフィラーFとの混練物は、再び、スクリュにより混練されつつ、シリンダの先端部に輸送され、再び、バルブ12Baからバイパス流路12内に流れ込む。このように、バルブ12Ba、12Bb間において、溶融樹脂とフィラーFとの混練物は、シリンダ11とパイパス流路を循環する(図6(E))。
次いで、バルブ12Ba、12Bbを閉じる。図6(F)に示すように、スクリュSを1回の吐出量(1S)に対応する距離(第1ストローク、P0とP1との間、例えば、60mm)だけ後退させる(計量工程)。このスクリュSの後退の際、スクリュSの回転方向は、第1方向とする。
次いで、スクリュSを前進させる(射出工程)。この際、スクリュSの回転は停止した状態とする。これにより、スクリュSの先端部に貯留されている溶融樹脂とフィラーFとの混練物が吐出ノズルからプレス機5に向けて吐出される(図1参照)。
なお、射出工程におおける1回の吐出量(1S)は、スクリュSの先端部の混練物の貯留量より少なくてもよい。また、図6において溶融樹脂を示す網掛け領域の大きさは、本実施の形態を分かりやすく説明するためのものであり、スクリュSやシリンダ11との実際のスケールとの関係において異なる場合がある。例えば、スクリュSとシリンダ11との隙間は1mm程度であり、また、図6に示す全工程において、スクリュSの先端部(少なくとも、第1ストローク間)に貯留されている混練物は充満状態である。即ち、空隙は生じていない(飢餓状態となっていない)。
次いで、図7を参照しながら、2回目以降の混練・吐出工程について説明する。
まず、バルブ12Ba、12Bbを開き、図7(A)に示すように、樹脂ペレットRPをシリンダ11の上流側のホッパ13に対応する供給口13hから供給する。ここでの供給量は、W1である。この際、スクリュSの先端Tは、シリンダ11の最も下流である第1位置P0に位置している。この第1位置P0において、スクリュSを回転させる。この際、シリンダ11内に供給された樹脂ペレットRPは、シリンダ11からの熱と、スクリュSの回転によるせん断力とにより、徐々に溶融して、溶融樹脂となり、下流に向けて搬送される。なお、ここでは、スクリュSの回転方向は、第1方向である。
次いで、図7(B)に示すように、溶融樹脂(RP)が、フィラーF用の供給口15hまで搬送された時点で、フィラーFを供給する。供給量をWF1とする。この際、樹脂ペレットRPの供給は停止されており、シリンダ11の供給口15hと供給口13hとの間に位置する溶融樹脂は、上記供給量W1に対応する量である。なお、樹脂ペレットRPの供給の停止(停止期間)は、このタイミングに限られるものではない。
さらに、スクリュSを回転し続けると、図7(C)に示すように、溶融樹脂とフィラーFとの混練物がシリンダ11の下流側に搬送される。そして、図7(D)に示すように、混練物がスクリュSの先端Tまで到達する。この後、混練物がスクリュSの先端Tまで随時到達し、貯留量が多くなるとそれに伴い、スクリュSの背圧が大きくなる。例えば、スクリュSの背圧が、第1規定値(例えば、5MPa)に到達する。
この際、前述したように、溶融樹脂とフィラーFとの混練物がシリンダ11の下流側に貯留されているため、スクリュSの背圧は第1規定値(例えば、5MPa)となっており、開いたバルブ12Baより、溶融樹脂とフィラーFとの混練物はバイパス流路12内に流れ込む、そして、バルブ12Bbを介してより圧力の小さい、シリンダ11の領域に戻される。そして、溶融樹脂とフィラーFとの混練物は、再び、スクリュにより混練されつつ、シリンダの先端部に輸送され、再び、バルブ12Baからバイパス流路12内に流れ込む。このように、バルブ12Ba、12Bb間において、溶融樹脂とフィラーFとの混練物は、シリンダ11とパイパス流路を循環する(図7(E))。
次いで、バルブ12Ba、12Bbを閉じ、図7(F)に示すように、スクリュSを1回の吐出量(1S)に対応する距離(第1ストローク、例えば、60mm)だけ後退させる(計量工程)。このスクリュSの後退の際、スクリュSの回転方向は、第1方向とする。
次いで、スクリュSを前進させる(射出工程)。この際、スクリュSの回転は停止した状態とする。これにより、スクリュSの先端部に貯留されている溶融樹脂とフィラーFとの混練物が吐出ノズルからプレス機5に向けて吐出される(図1参照)。このように、2回目の混練・吐出が行われ、以降、上記工程が繰り返される。
図8は、本実施の形態の混練工程におけるシリンダの各部における圧力の変化を示すグラフである。グラフの縦軸は圧力[MPa]、横軸はシリンダの位置である。
図8に示すように、フィラーFの供給部(15h)においては、飢餓状態であるため、シリンダの内部の圧力は0MPa(ゲージ圧、大気圧との差の圧力)である。この位置から下流側にかけて、溶融樹脂(ここでは、フィラー含有の溶融樹脂)が徐々に充填されるため、圧力が次第に上昇し、スクリュ部S2bの近傍で圧力が最大となる。そして、シリンダ11の先端にかけて圧力が次第に下降する。
よって、バイパス流路12の下流側の起点となる接続口12haは、スクリュ部S2bの近傍に設けることが好ましく、例えば、上記圧力が最大となる位置またはこれより下流に設けることが好ましい。そして、バイパス流路12の上流側の起点となる接続口12hbは、開口部(15h)の近傍に設けることが好ましく、例えば、溶融樹脂が非充満の状態で混練されている位置、または、上記圧力が最大となる位置より上流に設けることが好ましい。このようにバイパス流路12の起点(12ha、12hb)を設けることで、シリンダ11の内部の溶融樹脂が速やかにバイパス流路12の下流起点(接続口12ha)から上流起点(接続口12hb)まで戻され、効率よく溶融樹脂を循環させることができる。これにより、溶融樹脂の混練性を高めることができる。上流起点(接続口12hb)と下流起点(接続口12ha)の圧力差は、1MPa以上であることが好ましい。
このように、本実施の形態においては、バイパス流路12を介してシリンダ11の先端部に貯留されたフィラー含有の溶融樹脂(MRF)をシリンダ11の上流側に戻したので、フィラーFの分散性を向上させることができる。
なお、供給量W1は、一回の吐出量に対応する量であるが、固定量である必要は無く、吐出を繰り返すうちに滞留量の変化等が生じ得るため、所定の範囲で供給量W1を調整してもよい。
本実施の形態で用いる樹脂およびフィラーに制限はないが、例えば、以下に示すものを用いることができる。
樹脂としては、熱可塑性樹脂を、用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトンなどを用いることができる。これらの樹脂は、単体で用いてもよく、また、複数種類の混合物を用いてもよい。
フィラーとしては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、天然繊維などを用いることができる。炭素繊維(炭素系材料)としては、カーボンファイバー、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、フラーレン、グラフェン、カーボンブラックなどが挙げられる。ガラス繊維としては、シリカ、アルミナなどが挙げられる。アラミド繊維としては、パラ系アラミド繊維、メタ系アラミド繊維が挙げられる。天然繊維としては、セルロース(セルロースナノファイバー含む)、ラミー、ジュート、ケナフ、バンブー、バガスなどが挙げられる。これらのフィラーは単体で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
また、フィラーとして、表面処理を施されたものを用いてもよい。このように、表面処理を行うことにより、フィラーの解繊性が向上し、また、樹脂との親和性が良くなる。
(実施の形態2)
実施の形態1においては、フィラーを含有しない樹脂ペレットRPに、フィラーFを添加したが、原料として、混合ペレットを用いてもよい。混合ペレットとは、フィラーを含有しないナチュラルペレットNPとフィラー含有ペレットFPとを混合したものである。このような場合、フィラーFを別途添加する必要はないが、実施の形態1等と同様にフィラーの分散性を高めるため混練性を高める必要がある。
図9および図10は、本実施の形態の射出成形工程を示す模式的な断面図である。本実施の形態の射出成形方法において、実施の形態1と同様の工程については、その詳細な説明を省略する。
まず、図9を参照しながら、1回目の混練・吐出工程について説明する。図9(A)に示すように、混合ペレット(NP、FP)をシリンダ11の上流側のホッパ13に対応する供給口13hから供給量W1+α’だけ供給する。この際、スクリュSの先端Tは、シリンダ11の最も下流である位置P0している。この位置P0において、スクリュSを回転させる。この際、シリンダ11内に供給された混合ペレット(NP、FP)は、シリンダ11からの熱と、スクリュSの回転によるせん断力とにより、徐々に溶融して、溶融樹脂とフィラーFとの混練物となり、下流に向けて搬送される。なお、ここでは、スクリュSの回転方向は、第1方向(ネジが進む方向)とする。また、この際、バルブ12Ba、12Bbは閉じている。
次いで、図9(B)に示すように、溶融樹脂とフィラーFとの混練物が、ベント孔15vまで搬送される。このベント孔15vからは、溶融樹脂中のガスなどが放出される。この際、原料である混合ペレット(NP、FP)の供給は停止されており、シリンダ11のベント孔15vと供給口13hとの間に位置する溶融樹脂とフィラーFとの混練物は、上記供給量(W1+α’)に対応する量であり、W1は、1回の吐出量に対応する供給量であり、α’は滞留量(吐出後にシリンダ11の内部に残存する材料の量)に対応する供給量である。
さらに、スクリュSを回転し続けると、図9(C)に示すように、溶融樹脂とフィラーFとの混練物がシリンダ11の下流側に搬送される。そして、図9(D)に示すように、混練物がスクリュSの先端Tまで到達する。この後、混練物がスクリュSの先端Tまで随時到達し、貯留量が多くなるとそれに伴い、スクリュSの背圧が大きくなる。例えば、スクリュSの背圧が、第1規定値(例えば、5MPa)に到達する。
次いで、バルブ12Ba、12Bbを開く。この際、前述したように、溶融樹脂とフィラーFとの混練物がシリンダ11の下流側に貯留されているため、スクリュSの背圧は第1規定値(例えば、5MPa)となっており、バルブ12Baを開くことで、溶融樹脂とフィラーFとの混練物はバイパス流路12内に流れ込む、そして、バルブ12Bbを介してより圧力の小さい、シリンダ11の領域に戻される。そして、溶融樹脂とフィラーFとの混練物は、再び、スクリュにより混練されつつ、シリンダの先端部に輸送され、再び、バルブ12Baからバイパス流路12内に流れ込む。このように、バルブ12Ba、12Bb間において、溶融樹脂とフィラーFとの混練物は、シリンダ11とパイパス流路を循環する(図9(E))。
次いで、図9(F)に示すように、スクリュSを1回の吐出量(1S)に対応する距離(第1ストローク、例えば、60mm)だけ後退させる(計量工程)。このスクリュSの後退の際、スクリュSの回転方向は、第1方向とする。
次いで、スクリュSを前進させる(射出工程)。この際、スクリュSの回転は停止した状態とする。これにより、スクリュSの先端部に貯留されている溶融樹脂とフィラーFとの混練物が吐出ノズルからプレス機5に向けて吐出される(図1参照)。
次いで、図10を参照しながら、2回目以降の混練・吐出工程について説明する。
まず、バルブ12Ba、12Bbを開き、図10(A)に示すように、混合ペレット(NP、FP)をシリンダ11の上流側のホッパ13に対応する供給口13hから供給量W1だけ供給する。この際、スクリュSの先端Tは、シリンダ11の最も下流である第1位置P0に位置している。この第1位置P0において、スクリュSを回転させる。この際、シリンダ11内に供給された混合ペレット(NP、FP)は、シリンダ11からの熱と、スクリュSの回転によるせん断力とにより、徐々に溶融して、溶融樹脂となり、下流に向けて搬送される。なお、ここでは、スクリュSの回転方向は、第1方向である。
次いで、図10(B)に示すように、溶融樹脂とフィラーFとの混練物が、ベント孔15vまで搬送される。このベント孔15vからは、溶融樹脂中のガスなどが放出される。この際、原料である混合ペレット(NP、FP)の供給は停止されており、シリンダ11のベント孔15vと供給口13hとの間に位置する溶融樹脂とフィラーFとの混練物は、上記供給量W1に対応する量である。
さらに、スクリュSを回転し続けると、図10(C)に示すように、溶融樹脂とフィラーFとの混練物がシリンダ11の下流側に搬送される。そして、図10(D)に示すように、混練物がスクリュSの先端Tまで到達する。この後、混練物がスクリュSの先端Tまで随時到達し、貯留量が多くなるとそれに伴い、スクリュSの背圧が大きくなる。例えば、スクリュSの背圧が、第1規定値(例えば、5MPa)に到達する。
この際、前述したように、溶融樹脂とフィラーFとの混練物がシリンダ11の下流側に貯留されているため、スクリュSの背圧は第1規定値(例えば、5MPa)となっており、溶融樹脂とフィラーFとの混練物はバイパス流路12内に流れ込む、そして、バルブ12Bbを介してより圧力の小さい、シリンダ11の領域に戻される。そして、溶融樹脂とフィラーFとの混練物は、再び、スクリュにより混練されつつ、シリンダの先端部に輸送され、再び、バルブ12Baからバイパス流路12内に流れ込む。このように、バルブ12Ba、12Bb間において、溶融樹脂とフィラーFとの混練物は、シリンダ11とパイパス流路を循環する(図10(E))。
次いで、バルブ12Ba、12Bbを閉じ、図10(F)に示すように、スクリュSを1回の吐出量(1S)に対応する距離(第1ストローク、例えば、60mm)だけ後退させる(計量工程)。このスクリュSの後退の際、スクリュSの回転方向は、第1方向とする。
次いで、スクリュSを前進させる(射出工程)。この際、スクリュSの回転は停止した状態とする。これにより、スクリュSの先端部に貯留されている溶融樹脂とフィラーFとの混練物が吐出ノズルからプレス機5に向けて吐出される(図1参照)。このように、2回目の混練・吐出が行われ、以降、上記工程が繰り返される。
このように、本実施の形態においても、バイパス流路12を介してシリンダ11の先端部に貯留されたフィラー含有の溶融樹脂(MRF)をシリンダ11の上流側に戻したので、フィラーFの分散性を向上させることができる。
(実施の形態3)
実施の形態2においては、ベント孔15vがシリンダの途中に設けられた2ステージ型の射出成形装置を用いたが、ベント孔を有さない1ステージ型の射出成形装置を用いてもよい。ここでは、スクリュS1が、スクリュ部S2aとスクリュ部S1aで構成されている。
図11および図12は、本実施の形態の射出成形工程を示す模式的な断面図である。本実施の形態の射出成形方法において、実施の形態1と同様の工程については、その詳細な説明を省略する。
まず、図11を参照しながら、1回目の混練・吐出工程について説明する。
まず、図11(A)に示すように、混合ペレット(NP、FP)をシリンダ11の上流側のホッパ13に対応する供給口13hから供給量W1だけ供給する。この際、スクリュSの先端Tは、シリンダ11の最も下流である位置P0している。この位置P0において、スクリュSを回転させる。この際、シリンダ11内に供給された混合ペレット(NP、FP)は、シリンダ11からの熱と、スクリュSの回転によるせん断力とにより、徐々に溶融して、溶融樹脂とフィラーFとの混練物となり、下流に向けて搬送される。なお、ここでは、スクリュSの回転方向は、第1方向である。また、この際、バルブ12Ba、12Bbは閉じている。
次いで、図11(B)に示すように、溶融樹脂(NP、FP、溶融樹脂とフィラーFとの混練物)がシリンダ11の下流側に搬送され、混練物がスクリュSの先端Tまで到達する。この後、混練物がスクリュSの先端Tまで随時到達し、貯留量が多くなるとそれに伴い、スクリュSの背圧が大きくなる。例えば、スクリュSの背圧が、第1規定値(例えば、5MPa)に到達する。
次いで、バルブ12Ba、12Bbを開く。この際、前述したように、溶融樹脂とフィラーFとの混練物がシリンダ11の下流側に貯留されているため、スクリュSの背圧は第1規定値(例えば、5MPa)となっており、バルブ12Baを開くことで、溶融樹脂とフィラーFとの混練物はバイパス流路12内に流れ込む、そして、バルブ12Bbを介してより圧力の小さい、シリンダ11の領域に戻される。そして、溶融樹脂とフィラーFとの混練物は、再び、スクリュにより混練されつつ、シリンダの先端部に輸送され、再び、バルブ12Baからバイパス流路12内に流れ込む。このように、バルブ12Ba、12Bb間において、溶融樹脂とフィラーFとの混練物は、シリンダ11とパイパス流路を循環する(図11(C))。
次いで、バルブ12Ba、12Bbを閉じ、図11(D)に示すように、スクリュSを1回の吐出量(1S)に対応する距離(第1ストローク、例えば、60mm)だけ後退させる(計量工程)。このスクリュSの後退の際、スクリュSの回転方向は、第1方向とする。
次いで、スクリュSを前進させる(射出工程)。この際、スクリュSの回転は停止した状態とする。これにより、スクリュSの先端部に貯留されている溶融樹脂とフィラーFとの混練物が吐出ノズルからプレス機5に向けて吐出される(図1参照)。
次いで、図12を参照しながら、2回目以降の混練・吐出までの工程について説明する。
まず、バルブ12Ba、12Bbを開き、図12(A)に示すように、混合ペレット(NP、FP)をシリンダ11の上流側のホッパ13に対応する供給口13hから供給量W1だけ供給する。この際、スクリュSの先端Tは、シリンダ11の最も下流である第1位置P0に位置している。この第1位置P0において、スクリュSを回転させる。この際、シリンダ11内に供給された混合ペレット(NP、FP)は、シリンダ11からの熱と、スクリュSの回転によるせん断力とにより、徐々に溶融して、溶融樹脂となり、下流に向けて搬送される。なお、ここでは、スクリュSの回転方向は、第1方向である。
次いで、図12(B)に示すように、溶融樹脂とフィラーFとの混練物がシリンダ11の下流側に搬送される。そして、混練物がスクリュSの先端Tまで到達する。この後、混練物がスクリュSの先端Tまで随時到達し、貯留量が多くなるとそれに伴い、スクリュSの背圧が大きくなる。例えば、スクリュSの背圧が、第1規定値(例えば、5MPa)に到達する。
この際、前述したように、溶融樹脂とフィラーFとの混練物がシリンダ11の下流側に貯留されているため、スクリュSの背圧は第1規定値(例えば、5MPa)となっており、溶融樹脂とフィラーFとの混練物はバイパス流路12内に流れ込む、そして、バルブ12Bbを介してより圧力の小さい、シリンダ11の領域に戻される。そして、溶融樹脂とフィラーFとの混練物は、再び、スクリュにより混練されつつ、シリンダの先端部に輸送され、再び、バルブ12Baからバイパス流路12内に流れ込む。このように、バルブ12Ba、12Bb間において、溶融樹脂とフィラーFとの混練物は、シリンダ11とパイパス流路を循環する(図12(C))。
次いで、バルブ12Ba、12Bbを閉じ、図12(D)に示すように、スクリュSを1回の吐出量(1S)に対応する距離(第1ストローク、例えば、60mm)だけ後退させる(計量工程)。このスクリュSの後退の際、スクリュSの回転方向は、第1方向とする。
次いで、スクリュSを前進させる(射出工程)。この際、スクリュSの回転は停止した状態とする。これにより、スクリュSの先端部に貯留されている溶融樹脂とフィラーFとの混練物が吐出ノズルからプレス機5に向けて吐出される(図1参照)。このように、2回目の混練・吐出が行われ、以降、上記工程が繰り返される。
このように、本実施の形態においても、バイパス流路12を介してシリンダ11の先端部に貯留されたフィラー含有の溶融樹脂(MRF)をシリンダ11の上流側に戻したので、フィラーFの分散性を向上させることができる。
(応用例)
上記実施の形態2、3においては、原料としてナチュラルペレットNPとフィラー含有ペレットFPとを混合した混合ペレットを用いたが、原料としてナチュラルペレットNPのみ、樹脂の異なる2種以上のナチュラルペレットNP、または、フィラー含有ペレットFPのみを用いてもよい。このように単一もしくは複数の材料を用いる場合にも、樹脂温度の均質化、樹脂同士を均質な材料とするため混練性を高める必要がある。このため、このような材料を用いる場合にも、実施の形態2、3の射出成形方法や射出成形装置を用いることが好ましい。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態および実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態または実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
1 射出成形装置
5 プレス機
11 シリンダ
12 バイパス流路
12Ba バルブ(弁)
12Bb バルブ(弁)
12ha 接続口
12hb 接続口
13 ホッパ
13h 供給口
15 フィラー用の供給装置
15c 材料の制御部
15h 供給口
15v ベント孔
17 駆動部
17C スクリュの制御部
17L ライン駆動機構
17R 回転駆動機構
17S ロードセル
19 吐出ノズル
F フィラー
FP フィラー含有ペレット
MRF フィラー含有の溶融樹脂
NP ナチュラルペレット
RP 樹脂ペレット
S スクリュ
S1 スクリュ
S1a スクリュ部
S1b スクリュ部
S2 スクリュ
S2a スクリュ部
S2b スクリュ部
SL 第1型
SR 第2型
T 先端

Claims (12)

  1. (a)シリンダと、前記シリンダ内に配備されたスクリュと、前記シリンダに接続されたバイパス流路とを有する射出成形装置と、前記射出成形装置の先端に接続された型と、を準備する工程、
    (b)前記シリンダの上流に設けられた第1供給口から、樹脂材料を前記シリンダ内に供給して溶融させ溶融樹脂を形成する工程、
    (c)前記シリンダの前記第1供給口より下流に設けられた第2供給口から、フィラーを供給し、前記溶融樹脂と前記フィラーとの混練を行うことにより前記フィラー含有の溶融樹脂を形成する工程、
    (d)前記スクリュの先端が第1位置から第2位置までの第1ストロークだけ後退するように、前記スクリュを後退させることにより、前記スクリュの先端部において前記フィラー含有の溶融樹脂を計量する工程、
    (e)前記スクリュを前進させることにより、前記フィラー含有の溶融樹脂を前記型に注入する工程、を有し、
    前記(c)工程は、前記フィラー含有の溶融樹脂を、前記バイパス流路を介して、前記バイパス流路の一端が接続される第1接続口から前記バイパス流路の他端が接続され、前記第1接続口より上流に設けられた第2接続口まで戻す工程を含む、射出成形方法。
  2. 請求項1記載の射出成形方法において、
    前記(c)工程において、前記第2接続口部の前記シリンダの圧力は、前記第1接続口部の前記シリンダの圧力より低い、射出成形方法。
  3. 請求項1記載の射出成形方法において、
    前記(c)工程において、前記第1接続口と前記バイパス流路との間の第1弁および前記第2接続口と前記バイパス流路との間の第2弁が開いた状態であり、
    前記(d)工程において、前記第1接続口と前記バイパス流路との間の第1弁および前記第2接続口と前記バイパス流路との間の第2弁が閉じた状態である、射出成形方法。
  4. (a)シリンダと、前記シリンダ内に配備されたスクリュと、前記シリンダに接続されたバイパス流路とを有する射出成形装置と、前記射出成形装置の先端に接続された型と、を準備する工程、
    (b)前記シリンダの上流に設けられた供給口から、樹脂材料を前記シリンダ内に供給して溶融させ溶融樹脂を形成する工程、
    (c)前記スクリュの先端が第1位置から第2位置までの第1ストロークだけ後退するように、前記スクリュを後退させることにより、前記スクリュの先端部において前記溶融樹脂を計量する工程、
    (d)前記スクリュを前進させることにより、前記溶融樹脂を前記型に注入する工程、を有し、
    前記(b)工程は、前記フィラー含有の溶融樹脂を、前記バイパス流路を介して、前記バイパス流路の一端が接続される第1接続口から、前記バイパス流路の他端が接続され前記第1接続口より上流に設けられた第2接続口まで戻す工程を含む、射出成形方法。
  5. 請求項4記載の射出成形方法において、
    前記(b)工程において、前記第2接続口部の前記シリンダの圧力は、前記第1接続口部の前記シリンダの圧力より低い、射出成形方法。
  6. 請求項4記載の射出成形方法において、
    前記(b)工程において、前記第1接続口と前記バイパス流路との間の第1弁および前記第2接続口と前記バイパス流路との間の第2弁が開いた状態であり、
    前記(c)工程において、前記第1接続口と前記バイパス流路との間の第1弁および前記第2接続口と前記バイパス流路との間の第2弁が閉じた状態である、射出成形方法。
  7. シリンダと、前記シリンダ内に配備されたスクリュと、前記シリンダに接続されたバイパス流路と、を有し、
    前記シリンダは、上流に位置し樹脂材料が供給される第1供給口と、前記第1供給口より下流に位置しフィラーが供給される第2供給口と、前記バイパス流路の一端が接続される第1接続口と、前記バイパス流路の他端が接続される第2接続口と、と有し、
    前記第1接続口は、前記第2接続口より下流に位置し、前記第2接続口は、前記第2供給口より下流に位置する、射出成形装置。
  8. 請求項7記載の射出成形装置において、
    前記第1接続口と前記バイパス流路との間の第1弁を有し、
    前記第2接続口と前記バイパス流路との間の第2弁を有する、射出成形装置。
  9. 請求項7記載の射出成形装置において、
    前記第1接続口と前記第2接続口との間に位置において、前記スクリュに混練ピースを有する、射出成形装置。
  10. 請求項9記載の射出成形装置において、
    前記混練ピースは、ダルメージ型、マドック型、ピン型またはスタティックミキサ―型である、射出成形装置。
  11. シリンダと、前記シリンダ内に配備されたスクリュと、前記シリンダに接続されたバイパス流路と、を有し、
    前記シリンダは、上流に位置し樹脂材料が供給される第1供給口と、前記第1供給口より下流に位置するベント孔と、前記バイパス流路の一端が接続される第1接続口と、前記バイパス流路の他端が接続される第2接続口と、と有し、
    前記第1接続口は、前記第2接続口より下流に位置し、前記第2接続口は、前記ベント孔より下流に位置する、射出成形装置。
  12. シリンダと、前記シリンダ内に配備されたスクリュと、前記シリンダに接続されたバイパス流路と、を有し、
    前記シリンダは、上流に位置し樹脂材料が供給される第1供給口と、前記バイパス流路の一端が接続される第1接続口と、前記バイパス流路の他端が接続される第2接続口と、と有し、
    前記第1接続口は、前記第2接続口より下流に位置する、射出成形装置。
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