JP7335466B1 - 単軸押出機用スクリュー、および単軸押出機 - Google Patents

単軸押出機用スクリュー、および単軸押出機 Download PDF

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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂を含む原料の混練押出を行った際、原料の温度の上昇を抑えながら、高い混練性能および拡散性を持つスクリュー及び単軸押出機を提供する。【解決手段】スクリューの混練部品が、樹脂をせき止める主フライトと、前記主フライトよりフライト高さが低い凸部フライトとなる切り込み部分を備える多条の順方向の螺旋フライトと溝を備え、前記主フライト間の溝内にスクリューの軸方向に渡る副フライトを備え、前記副フライトは、2つの主フライトと接続し、前記主フライトは、主フライトと副フライトとが接続する交点部分のうちスクリュー下流側の交点から主フライトの螺旋の逆方向に渡る切り込み部分を備え、前記主フライトは、単軸押出機用スクリュー側面から見て前記主フライトのねじれ角より小さい切れ込み角度を有する形状であることを特徴とする単軸押出機用スクリュー。【選択図】図3

Description

本発明は、熱可塑性樹脂を含む原料の混練に用いる単軸押出機用スクリュー及び単軸押出機に関するものである。
樹脂同士の混練や樹脂と粉体粒子との混練といった2種類以上の原料を混練する場合、特に樹脂として熱可塑性樹脂を使用して混練物を連続的に製造する場合には、量産性の観点から、スクリューを備えた押出機を用いて混練がなされる。こうした押出機による混練においては、押出機内で加熱溶融された原料を十分に混練し、混練後の樹脂組成物が均一な状態で吐出されるような性能が求められる。混練が不十分で、不均一なまま押出機から押し出されると、各成分の濃度の偏りによって混練物の物性が低下する、また異なる色の原料を混練した場合には混練品に色むらが発生する等の不具合が発生する。
こうしたスクリューによる混練装置の一つとして、単軸押出機が挙げられる。単軸押出機はシリンダ内に一本のスクリューを備え、スクリューを回転させることによって、押出機上流から供給された原料をスクリューの螺旋方向の流路に強制的に移送させ、シリンダからの熱により溶融・可塑化させながら混練する。しかし、単軸押出機では、スクリューの螺旋方向が一定方向であるために高い混練作用は得られない問題点があった。
こうした対策として、スクリューの混練部の部品の混練性能を向上させるよう、スクリューに可塑化した原料の流れを分流させるような加工が従来施されてきた。
例えば、特許文献1では、回転スクリュの混練位置外周面に仮想螺旋方向に沿って多数の混練凹部を刻設し、螺旋幅方向に隣接する各混練凹部を流通路で接続した混練構造を備える混練用回転スクリュが開示されている。
前記の刻設された混練構造は、流通路を介して原料を分流及び合流させ、同時に、流通路を通過する際の圧力変化による乱流現象と混練凹部の深部から浅部に流動する流動抵抗による脈動現象とによって混練部分に乱流脈動現象を生じさせ、且つ混練凹部の周辺部を乗り越えさせて大きな流動変化を与えて原料を撹拌して均一に混練するとある。
しかし、凹部で螺旋状に流れる樹脂は螺旋幅方向に設けられる流通路を通るために原料の流れは一旦せき止められ、さらにその後に狭い流通路を通るために原料の多大な圧縮による発熱が生じるため、前記混練構造を通過した原料は高温となり、熱による原料劣化が生じる問題があった。
特許文献2は、前記特許と同様、混練用回転スクリュの混練位置の外周面に仮想螺旋方向に沿って多数の混練凹部を刻設したものであり、特許文献1と同様の効果が得られるとあるが、特許文献2の第1図において開示されている図は、前記特許よりさらに流路が狭く、前記特許と同様に原料が圧縮による発熱から高温となり、熱による原料劣化が生じる問題があった。
特許文献3は、押出機用混練分散用部品に関する特許であり、流入溝内を通る樹脂が、溢流フライトを乗り越えながら堰き止めフライト間を流れることで、樹脂の熱劣化を防止するよう中・低回転でスクリューを回転させた場合にも高い混練分散が得られるとあり、特許文献3の図2では螺旋状の流入溝に樹脂が流れ、溢流フライトを乗り越えて樹脂が下流側の流入溝を流れる形状も記載されている。しかし、生産における観点から、吐出量を増やすようスクリュー回転は高回転で運転されるため、原料樹脂が熱劣化する問題を解決できるものではなかった。
特許文献4は、断面形状が多角形であり、特許文献4の第4~6図で示される多角形頂部間にリードを有する凸部フライトを備えるスクリュと、多角形のシリンダを備える高混練押出機の特許であり、高混練かつ高分散が期待できる、とある。しかし、ダムフライトを乗り越える際に強烈な樹脂の押しつぶし効果が得られることや、スクリュとシリンダの形状によってスクリュの1回転毎に複雑な流動によるもちつき作用によって固相の樹脂が分散することで、樹脂間の熱伝導が良くなり樹脂温度が均一化するといった樹脂の溶融前や溶融時に対して効果があることのみが記載されている。また、多角形のシリンダの押出機にのみ限定されて用いることができるものであり、単軸押出機として一般的な円柱状のシリンダで前記スクリュを使用した場合には十分な効果は得られず、さらに発熱によって原料樹脂が劣化する問題を抱えていた。
実開昭63-119011公報 実開平1-156005公報 特開2000-218619公報 特開昭54-73856公報
本発明は、熱可塑性樹脂を含む原料の混練押出を行った際、原料の温度の上昇を抑えながら、高い混練性能および拡散性を持つスクリュー及び押出機を提供することを課題とする。
本発明の単軸押出機用スクリューは、
混練部品を備えた単軸押出機用スクリューであって、
前記混練部品が、多条の連続する螺旋フライトと、溝とを備え、
前記螺旋フライトは、ねじれ角を有する順方向の螺旋状のフライトであり、
前記螺旋フライトは、樹脂をせき止める主フライトと、前記主フライトよりフライト高さが低い凸部フライトとなる切り込み部分を備え、
前記主フライト間の溝内に、前記単軸押出機用スクリューの軸方向に渡る副フライトを備え、
前記副フライトは、前記単軸押出機用スクリューの直角断面における円周を均等に配分する位置に配置し、
前記副フライトは単軸押出機用スクリューの軸方向において2つの主フライトと接続し、
前記凸部フライトは、前記副フライトが前記主フライトと接続する交点部分のうち前記単軸押出機用スクリュー下流側の交点部分から、螺旋フライトの螺旋の逆方向に渡り配置し、
前記凸部フライトに隣接する前記主フライトは、単軸押出機用スクリュー側面から見て前記主フライトのねじれ角より小さい切れ込み角度を有する形状であり、
前記主フライト、副フライトおよび凸部フライトの構造を前記螺旋フライトの螺旋方向に繰り返し配置するよう刻設する
ことを特徴とする単軸押出機用スクリューである。
また、本発明の単軸押出機は、前記単軸押出機用スクリューを備えることを特徴とする単軸押出機である。
本発明は、熱可塑性樹脂を含む原料の混練押出を行った際、原料の温度の上昇を抑えながら、高い混練性能および拡散性を持つスクリュー及び押出機を提供する。
本発明の単軸押出機用スクリューを備えた押出機の断面図 本発明の第1実施形態の単軸押出機用スクリューにおける混練部品の投影図 本発明の第1実施形態の単軸押出機用スクリューの混練部品のスクリュー円周方向における展開図 本発明の第1実施形態の単軸押出機用スクリューの混練部品のスクリュー円周方向における展開図および原料の流れを示した図 本発明の第1実施形態の凸部フライトおよびシリンダの断面図 本発明の第2実施形態の単軸押出機用スクリューの混練部品のスクリュー円周方向における展開図 本発明の第2実施形態の単軸押出機用スクリューの混練部品のスクリュー円周方向における展開図および原料の流れを示した図 本発明の変形例における単軸押出機用スクリューの混練部品のスクリュー円周方向における展開図 本発明の変形例における単軸押出機用スクリューの混練部品のスクリュー円周方向における展開図 本発明の変形例における凸部フライトの断面図 本発明の変形例における単軸押出機用スクリューの混練部品のスクリュー円周方向における展開図を一部拡大した図
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
また、本明細書中、数値範囲の説明における「a~b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。
<単軸押出機>
図1に本発明の単軸押出機用スクリュー(以下、「スクリュー」ともいう)を備えた単軸押出機の断面図を示す。図1が示すように、単軸押出機1は、内部が空洞となったシリンダ2とシリンダ内に収容されたスクリュー3を有し、単軸押出機が備えるモーターおよび減速機9の回転動力が、減速機に接続する前記スクリュー3に伝達され、スクリューが回転する。スクリュー3は、順方向の螺旋状のフライト5と谷部6を有し、回転動力によりスクリューを順方向に回転させることで、ホッパー4から供給される混合された熱可塑性樹脂を含む原料(以下、「原料」ともいう)を、加熱されたシリンダ2と谷部6の間の流路に螺旋の順方向に定量供給しながら、スクリュー軸方向の下流34へと移送する。シリンダ2と谷部6の間で移送される原料は、下流方向へ移送されるに伴い、シリンダに巻かれたヒーター8からの熱、ならびに原料とシリンダ及び原料とスクリューの剪断熱により加温されて原料中の熱可塑性樹脂(以下、「樹脂」ともいう)が溶融して原料は可塑化され移動し、混練され、下流に設置するダイス10を通り混練物が吐出される。
前記スクリュー3は、ホッパー4から供給された原料を定量供給する供給部31、原料中の樹脂が溶融可塑化するとともに原料が混練される混練部32、および可塑化された原料を計量する計量部33の3箇所のゾーンに分けられ、混練部32には下記に記載する混練部品7を備える。
[第1実施形態の混練部品を備える単軸押出機用スクリュー]
第1実施形態の単軸押出機用スクリューが備える混練部品の投影図を図2に、またスクリュー円周方向における混練部品を平面に展開した図を、図3および図4に示す。
前記混練部品は、図3に示すように、多条の連続する螺旋フライトと、溝22とを備え、前記螺旋フライトは、ねじれ角50を有する順方向の螺旋状のフライトであり、前記螺旋フライトは、樹脂をせき止める主フライト20と、前記主フライトよりフライト高さが低い凸部フライト24となる切り込み部分を備える。なお、ねじれ角とは、スクリュー軸方向を基準として、螺旋フライトが傾く角度で定義される。
さらに前記混練部品は、2つの主フライト間の溝内に、スクリューの軸方向に渡る副フライト21を備え、前記副フライト21は単軸押出機用スクリューの軸方向において2つの主フライト20と接続し、前記副フライト21は前記スクリューの直角断面における円周を均等に配分する位置に配置する。
前記凸部フライト24は、前記副フライト21が前記主フライト20と接続する交点部分のうちスクリュー軸方向下流34側の交点部分26から、螺旋フライトの螺旋の逆方向58に渡り配置し、前記凸部フライト24は、主フライトを切り込むことで、前記主フライトよりフライト高さが低い凸部を形成する。図3におけるL-L‘断面を示す凸部フライトの断面図を図5に示す。
前記凸部フライト24は、前記交点部分26から、主フライトの螺旋の逆方向58における次の主フライトと副フライトの交点部分25に渡って形成し、凸部フライトは前記交点部分25および26における主フライト20と副フライト21の接続を残すよう形成される。
凸部フライト24に隣接する前記主フライト20は、単軸押出機用スクリュー側面から見て、主フライト20の螺旋逆方向58側かつスクリュー軸方向下流34側に、前記主フライトのねじれ角より小さい切れ込み角度51を有する形状である。
なお、切れ込み角度とは、スクリュー軸方向を基準として、主フライトを切り込む角度で定義される。
さらに、前記主フライト20は、主フライトの螺旋順方向57側かつスクリュー軸方向上流35側に、前記主フライトのねじれ角より小さい切れ込み角度52を有する形状である。
前記混練部品は、前記の主フライト、副フライト、および凸部フライトの構造を前記螺旋フライトの螺旋方向に繰り返し配置するよう刻設される。
<第1実施形態における混練部品の作用効果>
第1実施形態の単軸押出機用スクリューが備える混練部品の作用効果について、図4および図5を元に、以下に説明する。
スクリュー上流側から、本混練部品に流入する原料は、図4に示すように、多条の主フライトによって分配されて混練部品の各溝へ流入し、その後、主フライト、溝、及び押出機のシリンダからなる流路を主フライトの螺旋の順方向57に沿って流れる。
螺旋の順方向に流れる原料は、図4の矢印Cに示すように、凸部フライト24に達すると、主フライトよりフライト高さが低い凸部フライトを乗り越えながら、原料をせき止める副フライト21に沿ってスクリュー下流側に隣接する溝に流れ、その後、再度、主フライト20に沿うように螺旋の順方向57に原料が流れる。
また、凸部フライト前後の原料の流れは、図5の断面図に示すように、流れ方向46に向かってシリンダ2と溝の底部42の間を流れた原料が、流路の狭い凸部フライト24の頂部41とシリンダ2の間の流路へ流れ込む際に、流路の高さの変化に伴って、凸部フライトの手前43では原料が圧縮されながら撹拌されるために原料は位置交換し、その後、凸部フライト頂部41とシリンダ2との間で圧縮され通過した原料が隣接する流路に開放される。
また、図4のようにスクリュー側面から原料の流路を見た場合、原料は、主フライト、凸部フライト、および副フライトによって、図4の矢印Cに示すように流路方向および流路幅の変化に伴い原料の位置交換を行い、図4の矢印Bに示す流路においても、同様に凸部フライトにおける原料の位置交換、および流路方向および流路幅の変化に伴う原料の位置交換がなされる。
以下、混練部品の下流側の末端まで、同様に原料の位置交換が繰り返し行われ、混練される。前記混練部品は、切り込み部分に渡って幅広く設けられた凸部フライトを何度も通り、徐々に圧縮と開放を複数回繰り返し行なうことで原料が混練されるため、従来のスクリューのような急圧縮を生じることなく、原料の発熱を抑えながら優れた混練性を発揮する。
また、図4の矢印Bおよび矢印Cのように、原料が螺旋順方向57とスクリュー軸下流方向34に交互に流れることで、流路の向きおよび流路の幅の変化によって原料が位置交換を行いながら混練される一方で、主フライトのねじれ角より小さい切れ込み角度51、52を備えた形状の主フライトを繰り返し設けることで、図4の矢印Aのように、凸部フライトを乗り越えながら、原料が螺旋方向に直線的に流れる流路も確保できるため、原料が急圧縮されることなく発熱を抑えた混練が得られる。
さらに、前記副フライトを、図4に示す副フライト21のスクリュー軸方向への延長線29および延長線29の円周方向における間隔Nに示すように、副フライト21をスクリュー円周に対して均等な位置に配置することで、前記の繰り返し発生する主フライトと副フライトの原料の流れの変化および流路の幅の変化、ならびに図5に示した凸部フライトにおいて位置交換とともに徐々に原料にかかる圧縮と開放が、原料が流れる時間あたり等間隔で行われるため、原料の発熱を抑えながら、すぐれた混練性が得られる。
[第2実施形態の混練部品を備える単軸押出機用スクリュー]
第2実施形態の単軸押出機用スクリューが備える混練部品を、スクリュー円周方向における平面に展開した図を、図6および図7に示す。
前記第1実施形態では、凸部フライト24を、主フライト20と副フライト21からなる2つの交点部分に渡る切れ込み部として設けたが、第2実施形態では、更なる原料の位置交換を行えるよう、図6の符号61の部分に示すように、副フライト21と主フライト20がなす交点部分のうちスクリュー軸方向上流35側の交点部分62より螺旋順方向57側の主フライトを残すよう切れ込み部を設ける点で、第1実施形態と異なる。以下、第2実施形態における混練部品について説明する。
前記混練部品は、図6に示すように、多条の連続する螺旋フライトと、溝22とを備え、前記螺旋フライトは、ねじれ角50を有する順方向の螺旋状のフライトであり、前記螺旋フライトは、樹脂をせき止める主フライト20と、前記主フライトよりフライト高さが低い凸部フライト24となる切り込み部分を備える。
さらに前記混練部品は、2つの主フライト20間の溝内に、スクリューの軸方向に渡る副フライト21を備え、前記副フライト21は単軸押出機用スクリューの軸方向において2つの主フライト20と接続し、前記副フライト21は前記スクリューの直角断面における円周を均等に配分する位置に配置する。
前記凸部フライト24は、前記副フライト21が前記主フライト20と接続する交点部分のうちスクリュー軸方向下流34側の交点部分26から、螺旋フライトの螺旋の逆方向58に渡り配置し、前記凸部フライト24は、主フライトを切り込むことで、前記主フライトよりフライト高さが低い凸部を形成する。図6におけるL-L’断面を示す凸部フライトの断面図は、第1実施形態と同様、図5の断面形状を示す。
前記凸部フライト24は、前記交点部分26からみて主フライトの螺旋の逆方向58側における次の主フライトと副フライトの交点部分62に向かって、前記交点部分62の螺旋順方向57側の主フライトを残す切れ込み部分として配置する。また、副フライト21は前記交点部分26および前記交点部分62において、主フライトと副フライトは接続する。
また、凸部フライト24に隣接する前記主フライト20は、スクリュー側面から見て、主フライトの螺旋逆方向58側かつスクリュー軸方向下流34側に、前記主フライトのねじれ角より小さい切れ込み角度51を有する形状である。
さらに、前記主フライトは、主フライトの螺旋順方向57側かつスクリュー軸方向上流35側も、前記主フライトのねじれ角より小さい切れ込み角度52を有する形状である。
前記混練部品は、前記の主フライト、副フライト、および凸部フライトの構造を前記螺旋フライトの螺旋方向に繰り返し配置するよう刻設される。
<第2実施形態における混練部品の作用効果>
第2実施形態の単軸押出機用スクリューが備える混練部品の作用効果について、図7および図5を元に、以下に説明する。
スクリュー上流側から、本混練部品に流入する原料は、図7に示すように、多条の主フライトによって分配されて混練部品の各溝へ流入し、その後、主フライト、溝、及び押出機のシリンダからなる流路を、主フライトの螺旋の順方向57に沿って流れる。
螺旋の順方向に流れる原料は、図7の矢印Bに示すように、凸部フライト24に達すると、主フライトよりフライト高さが低い凸部フライトを乗り越えながら、原料をせき止める副フライト21に沿ってスクリュー下流側に隣接する溝に流れ、その後、再度、主フライトに沿うように螺旋の順方向57に原料が流れる。
一方、原料は前記凸部フライトを乗り越えた際に、図7の矢印Dに示すように、2つの主フライトおよび副フライトからなる流路63にも分配する。分配した原料は流路63における副フライト21によりせき止められるが、スクリューは順方向に回転(図7における下から上方向への回転)しているため、せき止められた原料は分配する前の流路64側へ押し出されることで原料が位置交換されながら再度分配され、再分配された原料は混練部品の下流側に流動するよう凸部フライトを乗り越えて流動する。
また、凸部フライト前後の原料の流れは、図5の断面図に示すように、流れ方向46に向かってシリンダ2と溝の底部42の間を流れた原料が、流路の狭い凸部フライト24の頂部41とシリンダ2の間の流路へ流れ込む際に、流路の高さの変化に伴って、凸部フライトの手前43では原料が圧縮されながら撹拌されるために原料は位置交換し、その後、凸部フライト頂部41とシリンダ2との間で圧縮され通過した原料は隣接する流路に開放される。
また、図7に示すようにスクリュー側面からみた場合、原料は、主フライト、凸部フライト、および副フライトによって図7の矢印Bおよび矢印Dに示すように流路方向の変化および流路の幅の変化に伴い原料の位置交換を行う。
以下、混練部品の下流側の末端まで、同様に流路の方向と幅の変化、凸部フライトの手前における撹拌、および前記2つの主フライトおよび副フライトからなる流路63における位置交換により、原料の3次元的な位置交換が繰り返し行われて原料が混練される。各部における混練は複数回繰り返し行なわれるため、原料の発熱を抑えながら優れた混練が得られる。
また、図7の溝内に記載した矢印Bおよび矢印Dに示すように原料が位置交換しながら混練される一方で、第1実施形態と同様、主フライトのねじれ角より小さい切れ込み角度51、52を備えた形状の主フライトを繰り返し設けることで、図7の矢印Aに示すような原料が螺旋方向に直線的にも流れる流路を確保できるため、原料が急圧縮されることなく発熱を抑えた混練が得られる。
さらに、第1実施形態と同様、前記副フライト21は、スクリュー円周に対して均等に配置されるので、繰り返し発生する主フライトと副フライトの原料の流れの変化と流路の幅の変化、および凸部フライトにおける位置交換とともに徐々に原料にかかる圧縮と開放が、原料が流れる時間あたり等間隔で行われることで、原料の発熱を抑えながら、すぐれた混練性が得られる。
<変形例>
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
本発明のスクリューは、前記混練部品を構成する副フライト、凸部フライト、および切れ込み角度を有する形状の主フライトが、前記の各実施形態の構成で繰り返し配置されていればよく、副フライトの数を任意に設定することができる。例えば、さらに発熱を抑える観点から、図8に示すように、前記第2実施形態の混練部品における副フライトの数を減らして凸部フライトを長い形状とすることで、螺旋順方向57とスクリュー軸方向下流34に交互に流れる位置交換、広い凸部フライトによる位置交換、および2つの主フライト間への分流の効果による位置交換を行いながら、原料の螺旋方向への直線的な流動を持つことができる。また、前記の実施形態と同様、原料の流れや圧縮および解放にともなう変化は、原料が流れる時間あたり等間隔で行われるため、樹脂の発熱を抑えながら、高い混練性を得ることができる。
前記混練部品における副フライトは、前記スクリューの直角断面における円周を均等に配分する位置に配置すればよく、均等とする数は任意に設定できるが、2~8条であることが好ましい。なお、副フライトにおける「条」という表現は、スクリュー軸方向の直角断面における混練部品の形状が、円周上を均等に配分されている数のことをいう。
また、前記副フライトの高さは、原料を隣接する溝へ移動させるよう原料をせき止める高さであればよく、単軸押出機のシリンダ口径をDとした場合、副フライト径をdfとするとdf/D=0.920~0.999に設定する事が好ましい。
前記副フライトの頂部の幅は、前記主フライトと副フライトを接続して原料をせき止めるものであればよく任意に設定することができ、副フライトの幅はスクリューの切削加工の観点からスクリュー軸方向に渡って任意に変化させてもよい。
前記混練部品における螺旋フライトは、順方向の螺旋状の多条フライトであればよく、ねじれ角10°~85°の範囲で任意に設定することができ、条数は2~8条であることが好ましい。
また、主フライトの側面は一般的な押出機用スクリューで適用される溝から切り上げられた構造のものであればよい。
前記溝に対する主フライトの高さは、単軸押出機のシリンダとスクリューの口径や、求める樹脂の吐出量により任意に設定できるが、主フライトの径がシリンダ口径に対して-0.5~-0.2mm程度とする事が好ましい。
また、主フライトの頂部の幅は、前記主フライトと副フライトの交点部分において、切れ込み角度を持ちながら主フライトと副フライトが接続できるのであれば、任意に設定することができる。
図3および図6における、主フライトの螺旋逆方向側かつスクリュー軸方向下流側の切れ込み角度51、および前記主フライトの螺旋順方向側かつスクリュー上流側の切れ込み角度52は、主フライトのねじれ角より小さい角度であればよく任意に設定できるが、原料を直線的に流す観点から、前記2つの切れ込み角度は同じ切れ込み角度としてもよい。
図11に、単軸押出機用スクリューの混練部品のスクリュー円周方向における展開図を一部拡大した図を示す。図11の符号51と52が示すように、主フライトのねじれ角度が大きく、かつ主フライトが有する切れ込み角度が小さい場合、副フライトは、副フライトと主フライトの接続を残す範囲で、切れ込み角度に沿って主フライトとともに切り取ることができる。
前記混練部品における凸部フライトの高さは、通過する原料を緩く圧縮するよう任意の高さに設定できるが、単軸押出機のシリンダ口径をD、凸部フライトの径をdsとするとds/D=0.85~0.98に設定する事が好ましい。
前記凸部フライトの螺旋順方向に渡る頂部の高さは、主フライト螺旋順方向に渡って一定の高さでもよいが任意に設定することができ、例えば螺旋順方向に従って頂部が高い形状とする、あるいは螺旋順方向に従って頂部が低い形状とすることもできる。
前記凸部フライトの頂部の形状は、図10の凸部フライトの断面形状が示すように、凸部フライトの頂部は任意の形状でよく、図10の(a)に示すように一定の幅を持つ形状でもよく、圧縮を抑える観点から図10の(b)に示すように幅を持たない形状としてもよく、さらに切り込んで図10の(c)に示すように2山としてもよい。
また、凸部フライトの断面における側部斜面の形状は、凸部フライト手前で原料を撹拌する観点から、溝から切り上げられた主フライトと同様、図10(a)~(c)に示す溝方向から切り上がる凸な曲線であることが好ましいが、その曲率および形状は任意に設定できる。
原料の位置交換をさらに増加させる観点から、本発明のスクリューの前記混練部品に、前記の凸部フライトとは別に、本発明の機能を損なわない範囲で、原料の位置交換を行う新たな凸部フライトを備えてもよく、例えば、図9に示すように前記の副フライトとは別に、新たにスクリュー軸方向に渡る凸部フライト55を設けることもできる。前記、別途スクリュー軸方向に設けられる凸部フライト55は、原料の発熱を抑える観点から、混練部品の流路において等間隔で配置されることが好ましい。
本発明のスクリューは、前記混練部品を備える単軸押出機用のスクリューであればよく、スクリューの口径、供給部のスクリュー形状、および計量部のスクリュー形状は、各部の機能を持つものであれば任意の形状のものを備えてもよい。前記スクリューは、スクリューの混練部に前記混練部品を備えるものであればよく、混練部において混練部品の前後に、他の形状の部品を備えてもよい。
本発明の単軸押出機は、本発明のスクリューを有する単軸押出機であればよい。単軸押出機の回転動力によるスクリューの回転方向は、スクリューのフライト及び混練部品の主フライトが有する螺旋の順方向が右周りであれば右周りで回転させ、螺旋の順方向が左周りであれば左周りで回転させる。また、単軸押出機のシリンダの断面形状は、任意に設定できるが、円筒状のものが好ましく、また任意にシリンダに溝を設けてもよい。
本発明の単軸押出機用スクリューおよび単軸押出機は、前記構成とすることで、熱可塑性樹脂を含む原料の混練押出を行った際、原料の温度の上昇を抑えながら、高い混練性能および拡散性を持つスクリュー及び単軸押出機を提供する。
また、原料の位置交換を何度も行う構造であるため、原料の拡散性にも優れる。とくに、本発明のスクリューおよび単軸押出機は、徐々に圧縮および解放を加える機構であるため、ガラス繊維や雲母のようなアスペクト比の高い粒子を熱可塑性樹脂と混練する用途においても、粒子に強い力を掛けて粉砕することなく、好適な混練を行うことができる。
また、本発明の単軸押出機は、高吐出量の混練を行う目的で、高回転数のスクリュー回転数で混練を行った際も、前記混練部品の構造により、原料の発熱を抑えた好適な混練を行うことができる。
1 単軸押出機
2 シリンダ
3 単軸押出機用スクリュー
4 ホッパー
5 フライト
6 谷部
7 混練部品
8 ヒーター
9 モーターおよび減速機
10 ダイス
20 主フライト
21 副フライト
22 溝
24 凸部フライト
25 主フライトと副フライトの交点部分
26 主フライトと副フライトの交点部分
29 配置される副フライトのスクリュー軸方向への延長線
31 スクリューの供給部
32 スクリューの混練部
33 スクリューの計量部
34 スクリューの軸方向 下流
35 スクリューの軸方向 上流
41 凸部フライト頂部
42 溝の底部
43 凸部フライトの上流における原料
45 凸部フライト頂部の幅
46 樹脂の流れ方向
50 主フライトねじれ角
51 主フライトの螺旋順方向かつスクリュー軸方向下流側の切れ込み角度
52 主フライトの螺旋逆方向かつスクリュー軸方向上流側の切れ込み角度
55 変形例における、切り込み部分とは別に設けたスクリュー軸方向に渡る凸部フライト
57 螺旋順方向
58 螺旋逆方向
62 第2実施形態における主フライトと副フライトの交点部分
63 2つの主フライトおよび副フライトからなる流路
71 副フライトを主フライトとともに切り取った箇所
72 副フライトを主フライトとともに切り取った箇所

Claims (2)

  1. 混練部品を備えた単軸押出機用スクリューであって、
    前記混練部品が、多条の連続する螺旋フライトと、溝とを備え、
    前記螺旋フライトは、ねじれ角を有する順方向の螺旋状のフライトであり、
    前記螺旋フライトは、樹脂をせき止める主フライトと、前記主フライトよりフライト高さが低い凸部フライトとなる切り込み部分を備え、
    前記主フライト間の溝内に、前記単軸押出機用スクリューの軸方向に渡る副フライトを備え、
    前記副フライトは、前記単軸押出機用スクリューの直角断面における円周を均等に配分する位置に配置し、
    前記副フライトは単軸押出機用スクリューの軸方向において2つの主フライトと接続し、
    前記凸部フライトは、前記副フライトが前記主フライトと接続する交点部分のうち前記単軸押出機用スクリュー下流側の交点部分から、螺旋フライトの螺旋の逆方向に渡り配置し、
    前記凸部フライトに隣接する前記主フライトは、単軸押出機用スクリュー側面から見て前記主フライトのねじれ角より小さい切れ込み角度を有する形状であり、
    前記主フライト、副フライトおよび凸部フライトの構造を前記螺旋フライトの螺旋方向に繰り返し配置するよう刻設する
    ことを特徴とする単軸押出機用スクリュー。
  2. 請求項1記載の単軸押出機用スクリューを備えることを特徴とする単軸押出機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3687423A (en) 1968-12-21 1972-08-29 Werner & Pfleiderer Continuously operating screw machine for the treatment of plastic masses
US4840492A (en) 1988-04-25 1989-06-20 Kensaku Nakamura Rotational screw for mixing
US4846659A (en) 1988-04-06 1989-07-11 Kensaku Nakamura Rotational screw for mixing
JP2006527665A (ja) 2003-06-19 2006-12-07 ハスキー インジェクション モールディング システムズ リミテッド 可塑化スクリューの改良型ミキサ

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