JP5066298B1 - 押出機用スクリュー - Google Patents
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Abstract
【課題】 溶融樹脂の分散性の向上を図ると共に全体に亘って均一な混合と温度分布を発生させて優れた成形品を得ることができる押出機用スクリューを提供する。
【解決手段】
樹脂の供給部Aと圧縮部Bとミキシング部材4を備えた計量部Cとを設けてなるスクリューにおいて、上記ミキシング部材4は、部材本体5の外周面に、螺旋状に傾斜した傾斜フライト部6aと部材本体4の軸方向に屈折した屈折フライト部6bとを交互に連続形成してなるスクリューフライト6を複数条並設していると共に隣接するスクリューフライト6、6間の溝7に溝幅の広い溝部7aと狭い溝部7bとを交互に設けてなり、上記屈折フライト部6bに溶融樹脂を流突させると共に狭い溝部7bを通過時に圧縮させる一方、広い溝部7aを通過する際に伸長流動を発生させて溶融樹脂の分散性と共に温度の均一化を図る。
【選択図】 図1
【解決手段】
樹脂の供給部Aと圧縮部Bとミキシング部材4を備えた計量部Cとを設けてなるスクリューにおいて、上記ミキシング部材4は、部材本体5の外周面に、螺旋状に傾斜した傾斜フライト部6aと部材本体4の軸方向に屈折した屈折フライト部6bとを交互に連続形成してなるスクリューフライト6を複数条並設していると共に隣接するスクリューフライト6、6間の溝7に溝幅の広い溝部7aと狭い溝部7bとを交互に設けてなり、上記屈折フライト部6bに溶融樹脂を流突させると共に狭い溝部7bを通過時に圧縮させる一方、広い溝部7aを通過する際に伸長流動を発生させて溶融樹脂の分散性と共に温度の均一化を図る。
【選択図】 図1
Description
本発明は、熱可塑性樹脂の可塑化溶融押出成形機に用いるスクリューに関する。
従来から、この種の押出成形機に用いられているスクリューは、上流側である基端部から下流側である先端部に向かって原料の供給部、圧縮部、計量部を備えていると共にスクリュー軸の外周面に原料を下流側に送り出すためのスクリューフライトが設けられてあり、さらに、このスクリューフライト単独では原料である熱可塑性樹脂ペレットを積極的に溶融することができず、また、溶融樹脂を均一に攪拌、混練することが困難であるため、上記圧縮部に上記スクリューフライトをメインフライトとしてこのメインフライトに沿ってメインフライトよりも高さの低いバリアフライトを設けると共に上記計量部に溶融樹脂を混練分散させるためのミキシング部を設けてなるスクリューが開発されている。
計量部に設けられるこのようなミキシング部としては、例えば、特許文献1、2に記載されているように、溶融樹脂を送り出す数条のスクリューフライトに所定の長さ間隔毎に該スクリューフライトの両壁面間に亘って貫通した切欠部を設けてなる構造のものが広く知られていて、このスクリューフライトによって圧縮部側から送られてくる溶融樹脂にスクリュー軸方向の流れと周方向の流れとを発生させて軸方向の流れにより溶融樹脂の送り出しを行うと同時に周方向の流れにより溶融樹脂の混合を行う一方、このような溶融樹脂の周方向の流れだけでは溶融樹脂の混合が充分に行われてないため、上記切欠部によって溶融樹脂の一部を剪断しながら上流側に逆流させて伸長流動を発生させ、上流側の溶融樹脂と混合させている。
しかしながら、上記のような切欠部を設けたスクリューフライトでは、隣接するスクリューフライトにおいて、スクリューの回転方向に先行するスクリューフライトによって下流側に送られる溶融樹脂がこのスクリューフライトに設けている切欠部を通じて後続するスクリューフライト側に逆流しようとしても、この後続するスクリューフライト側においても溶融樹脂が軸方向及び周方向に流動しているので、この流動圧によって逆流が妨げられて溶融樹脂の伸長流動が低下したり生じ難くなって混練作用が不充分となり、溶融樹脂の分散不良や温度分布ムラが生じて精度のよい成形品を製造することができなくなるといった問題点があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、溶融樹脂に伸長流動を均一に付加して分散性の向上を図ると共に、溶融樹脂の分配を促進し、且つ、溶融樹脂の均一な温度分布を可能にすると共に押出時における圧力変動を抑制して精度のよい製品を得ることができる押出機用スクリューを提供するにある。
上記目的を達成するために、本発明の押出機用スクリューは、請求項1に記載したように、スクリュー軸の基端側から先端側に向かって供給部と圧縮部と計量部とを順次設けてなる押出機用スクリューにおいて、上記計量部に、円筒形状の本体の外周面に多条スクリューフライトを突設したミキシング部材を配設してあり、このミキシング部材の上記スクリューフライトは、基端側から先端側に向かって周方向に傾斜した一定長さの傾斜フライト部とこの傾斜フライト部の端部から軸方向に屈折した一定長さの屈折フライト部とを交互に連続形成してなり、このスクリューフライトを複数条、隣接するスクリューフライトにおいて、スクリューの回転方向に先行するスクリューフライトの屈折フライト部の先端部に対してこの屈折フライト部に対応する後行するスクリューフライトの屈折フライト部の基端部が本体の周方向に一定の間隔を存して対向するように、スクリューフライトを順次本体の軸方向にずらして並設することにより、溶融樹脂の流路幅が広い溝部と狭い溝部とを交互に連続形成していることを特徴とする。
さらに、請求項2に係る発明は、隣接するスクリューフライト間の設けている溶融樹脂の流路において、広い流路幅部分から狭い流路幅部分を流通する際に圧縮される溶融樹脂の圧縮率が1.2 〜5であり、且つ、スクリューフライトの条数が3〜20であることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、押出機用スクリューにおける溶融樹脂の混練、混合を行う計量部に配設しているミキシング部材は、円筒形状の本体の外周面に多条スクリューフライトを突設し、且つ、隣接するスクリューフライト間に溶融樹脂の流路幅が広い溝部と狭い溝部とを交互に連続形成してなる構造を有しているので、スクリューの回転に従って隣接するスクリューフライト間の溝内を流動する溶融樹脂が螺旋状に傾斜したスクリューフライトの傾斜面によって溝幅方向に押圧されて攪拌、混合しながら軸方向、即ち、下流側に向かって流動すると共に、狭い溝部を通過する際に溶融樹脂が圧縮される一方、広い溝部を通過する際に拡張させられてこの拡縮作用の繰り返しにより全ての溶融樹脂に溝内を通過中に伸長流動を均一に付与して分散性、混練性を向上させることができ、溶融樹脂の均質化と共に温度分布の均一化を図ることができると共に溶融樹脂を押し出すスクリュー先端の圧力変動を抑制することができて、良質にして均質な成形品を製造することができる。
また、上記スクリューフライトを多条、ミキシング部材本体に突設しているので、溶融樹脂の分配を促進することができると共に温度分布ムラの発生を抑制して温度分布が均一な溶融樹脂を調製することができる。
さらに、本発明によれば、上記スクリューフライトは、基端側から先端側に向かって周方向に傾斜した一定長さの傾斜フライト部とこの傾斜フライト部の端部から軸方向に屈折した一定長さの屈折フライト部とを交互に連続形成してなり、このスクリューフライトを複数条、隣接するスクリューフライトにおいて、スクリューの回転方向に先行するスクリューフライトの屈折フライト部の先端部に対して後行するスクリューフライトの屈折フライト部の基端部が本体の周方向に一定の間隔を存するように、順次、本体の軸方向に順次ずらして並設しているので、スクリューの回転方向に先行するスクリューフライトにおける屈折フライト部の先端部とこのスクリューフライトに後行するスクリューフライトの屈折フライト部の基端部との間の通路幅が最も狭く、スクリューの回転方向に先行するスクリューフライトにおける屈折フライト部の基端部と後行するスクリューフライトにおける屈折フライト部の先端部との間の流路幅が最も広くなった溝部を隣接スクリューフライトに一定長さ毎に複数個所、連続形成することができ、この溝部を順次、溶融樹脂が通過する毎に該溶融樹脂に圧縮と拡張との繰り返し作用を付与して溶融樹脂を均一に攪拌、分散することができ、、溶融樹脂中に微細な未溶融物や顔料等の添加物が混在していても、溶融樹脂を全体に亘って均等に分散させながら押し出すことが可能となって均質な製品を製造することができる。
その上、各スクリューフライトにおける屈折フライト部は、溶融樹脂を受け止める壁面をスクリューの回転方向に向けているので、スクリューの回転に従って傾斜フライト部の傾斜面に沿って流動してくる溶融樹脂をその壁面に流突させて強い力でもって逆流する方向に強制的に押し戻し、その押し戻しによって溶融樹脂を圧縮しながら混練性をさらに高めることができると共に、このように圧縮、混練した溶融樹脂を狭い通路部から広い通路部に連続的に送り出して均一で且つ良好な伸長流動を生じさせることができ、この伸長流動によって分散性、混練性を一層向上させることができる。
請求項2に係る発明によれば、隣接するスクリューフライト間の設けている溶融樹脂の流路において、広い流路幅部分から狭い流路幅部分を流通する際に圧縮される溶融樹脂の圧縮率を1.2 〜5としているので、溶融樹脂の分散性を阻害することなく、且つ、圧力変動や圧力損失を所定の大きさに止めながら均一な分散、混練を可能にすることができ、さらに、本体の外周面に突設する上記スクリューフライトの条数を3〜20条の範囲に設定しているので、溶融樹脂の温度分布ムラの発生や分散性の低下を抑制しながら、且つ、本体を通過するまでの溶融樹脂の滞留時間を樹脂の劣化等が生じない長さにして樹脂の反応性等を阻害することなく分散性、混練性が良好な溶融樹脂を調製することができる。
次に、本発明の具体的な実施の形態を図面について説明すると、図1において、押出機用スクリューは、上流側である基端側から下流側である先端側に向かって供給部A、圧縮部B、計量部Cを順次設けている。供給部Aはスクリュー軸1の基部外周面にメインフライト2を突設していると共にそのスクリュー軸1の基部の径を圧縮部B及び計量部Cのスクリュー軸部の径よりも小径に形成されてなり、圧縮部Bはスクリュー軸1の長さ方向の中間部外周面に上記供給部A側から連続したメインフライト2とこのメインフライト2よりも外径が小径に形成されたサブフライト3をメインフライト2に沿って連続螺旋状に並設してなり、計量部Cは、スクリュー軸1の先部外周面に上記圧縮部B側から連続したメインフライト2とミキシング部材4とを備えている。
計量部Cに配設しているミキシング部材4の構造を詳述すると、図2〜図4に示すように、ミキシング部材4は、円筒形状の部材本体5の外周面に、スクリューの回転方向に対してその先端側から基端側に向かってスクリューの基端側に螺旋状に傾斜した一定高さのスクリューフライト6を複数条、周方向に一定の間隔毎に突設してなる多条スクリューフライト構造を有し、周方向に隣接するスクリューフライト6、6の対向壁面間に溶融樹脂の流路でなる螺旋状の溝7を本体5の全長に亘って形成している。
上記全てのスクリューフライト6は、部材本体5の周方向に傾斜した一定長さの傾斜フライト部6aと、この屈折フライト部6aの端部から部材本体5の軸方向に屈折した一定長さの屈折フライト部6bとを交互に連続形成してなる構造を有し、傾斜フライト部6aはその先端から基端に向かってスクリューの回転方向に対して部材本体5の基端側に向かって傾斜している一方、屈折フライト部6bは上流側に向けているその基端を傾斜フライト部6aの先端に連設させて該傾斜フライト部6aの先端から部材本体5の基端側、即ち、下流側に向かって軸方向に屈折させていると共に下流側に向けているこの屈折フライト部6bの先端に次の傾斜フライト部6aの基端を連設させている。そして、一条のスクリューフライト6には一つの傾斜フライト部6aと、この傾斜フライト部6aに連なる一つの屈折フライト部6bとを一組として複数組、基端側から先端側に向かって連続形成している。
さらに、上記溝7を介して周方向に対向した隣接するスクリューフライト6、6において、スクリューの回転方向に先行するスクリューフライト6と回転方向に後行するスクリューフライト6とにおける部材本体5の周方向に対向する任意の一組の傾斜フライト部6aと屈折フライト部6bとが図2、図4に示すように、先行するスクリューフライト6側の屈折フライト部6bの基端部に対して後行するスクリューフライト6側の屈折フライト部6bの先端部が部材本体5の周方向に一定の間隔を存して配設された形態となるように並設している。
即ち、スクリューの回転方向に先行するスクリューフライト6の任意の屈折フライト部6bに対して、この屈折フライト部6bと周方向に一定の間隔を存して対向する後行するスクリューフライト6の屈折フライト部6bが、屈折フライト部6bの長さに相当する距離だけ部材部材5の先端側に向かって軸方向に順次ずらした状態となるように複数条のスクリューフライト6を並設してあり、スクリューの回転方向に先行するスクリューフライト6の屈折フライト部6bの先端とこの先端に対して部材本体5の周方向に対向している後行するスクリューフライト6の屈折フライト部6bの基端との間の溝部7aにおける溶融樹脂の部材本体周方向の流路幅W1が広く、スクリューの回転方向に先行するスクリューフライト6の屈折フライト部6bの基端とこの基端に対して部材本体5の周方向に対向している後行するスクリューフライト6の屈折フライト部6bの先端間の溝部7bにおける溶融樹脂の部材本体周方向の流路幅W2が狭くなるように形成している。
このように、隣接するスクリューフライト6、6間の溝7には、溶融樹脂の部材本体周方向の流路幅が広い溝部7aと狭い溝部7bとがスクリューフライト6の長さ方向に交互に複数組、連続形成されてあり、狭い溝部7bから広い溝部7aに向かってその部材本体周方向の流路幅が漸次、広くなっている。なお、スクリューフライト6は、上記メインフライト2と同径で該メインフライト2と同じ薄肉の金属製帯板片から形成されてあり、その外周端面をバレル8の内周面に摺接させながら回転させて溶融樹脂を該スクリューフライト6の外周端面から上流側に溢流させることなく下流側に送り込むように構成している。
このように構成したミキシング部材4は、計量部Cの長さ方向の中間部に装着されてあり、このミキシング部材4の先端からスクリュー軸1の先端に至る該スクリュー軸1の外周面には、上記メインフライト2と同径のフライト2'を配設している。なお、このフライト2'に代えてミキシング部材4とは別な構造の分散、混練部材を装着しておいてもよい。
次に、計量部Cに上記ミキシング部材4を備えた本発明押出機用スクリューの動作を説明すると、ホッパ(図示せず)を通じて供給部Aに供給された原料である固体樹脂は、スクリューの回転にともなってメインフライト2により圧縮部B側に移送され、その移送途上においてバレル8側からの伝熱と、バレル8の内面との摩擦熱や樹脂同士の剪断作用による発熱とによって溶融を開始しながら圧縮部Bに送られる。
この圧縮部Bを通過中に、バレル8の内面と接する部分に溶融された薄い樹脂層を形成しながらこの溶融樹脂層は、サブフライト3を乗り越えて該サブフライト3とこのサブフライト3の背面側のメインフライト2との間の溝部内に流入する。この溝部の幅は圧縮部Bの先端に向かうに従って大きくなるようにサブフライト3をスクリュー軸1に螺旋巻きしてあり、従って、圧縮部Bを通過中に徐々に増大する溶融樹脂をこの溝部内に収容しながら計量部Cに送り込む。
計量部Cに送られた溶融樹脂は、メインフライト2によってミキシング部材4に搬送され、このミキシング部材4の本体外周面に設けている各隣接するスクリューフライト6、6間の溝7内に流入してこれらの溝7内を通過中に、ミキシング部材4の回転に従って各スクリューフライト6における傾斜フライト部6aの傾斜壁面により、溶融樹脂にスクリューの先端側、即ち、下流側に押し進められる軸方向の流れと、溝7の幅方向、即ち、スクリューの周方向に押し進められる流れとを生じさせて、この周方向の流れによって溶融樹脂を圧縮しながら溝7内で渦流を発生させて混練し、スクリューフライト6の傾斜フライト部6aによって下流側に送られて該傾斜フライト部6aの先端まで流動するとこの傾斜フライト部6aの先端から軸方向に屈折している屈折フライト部6bの壁面に流突する。
この屈折フライト部6bの壁面はスクリューの回転方向に向けて溶融樹脂の流路である溝7の長さ方向に対面しているので、傾斜フライト部6aの傾斜面に沿って流動している溶融樹脂がこの屈折フライト部6bの壁面に流突すると、逆流する方向に強制的に押し戻されて圧縮しながら傾斜フライト部6aに沿って流動している溶融樹脂と混練させられる。そして、この屈折フライト部6bの押圧による溶融樹脂の圧縮方向は溝7の長さ方向であり、上記傾斜フライト部6aの傾斜面に溶融樹脂の圧縮方向は溝7の幅方向であるため、溶融樹脂は全体に亘って満遍なく均一に混練させられる。
さらに、隣接するスクリューフライト6、6間において、スクリューの回転方向に先行するスクリューフライト6における屈折フライト部6bの先端部とこのスクリューフライト6に後行するスクリューフライト6の屈折フライト部の基端部との間の部材本体周方向の溝部7bの幅が最も狭く、スクリューの回転方向に先行するスクリューフライト6における屈折フライト部6bの基端部と後行するスクリューフライト6における屈折フライト部6bの先端部との間の部材本体周方向の溝部7aが最も広くなっているので、溶融樹脂は屈折フライト部6bの壁面に流突しながら狭い溝部7bを通過時においても圧縮作用を受けて攪拌、混合しながら流路幅が広い溝部7aへと連続的に流入し、この溝部7aを通過時に拡張して伸長流動となり、溶融樹脂が均等に分散しながら下流側に設けている次の屈折フライト部6b側に向かって流動し、この屈折フライト部6bによって上記同様に混練作用を受ける。
このように、溶融樹脂が各隣接するスクリューフライト6、6間の溝7内を通過中に、複数個所に設けている部材本体周方向の溝幅の狭い溝部7bと広い溝部7aとによって圧縮作用と拡張作用とを繰り返し付与されて均一に混合、分散すると共に充分な混練によって温度分布を全体に亘って均一化しながらスクリューの先端から所定の圧力でもって押出し、良質にして均質な成形品を製造することができる。
なお、上記ミキシング部材4においては、円周方向の仮想線に対するスクリューフライト6の傾斜フライト部6aの傾斜角度を45度よりも小さくし、且つ、屈折フライト部6bの長さの3〜4倍程度の長さに形成していると共にそのスクリューフライト6を6条、部材本体4の外周面に一定間隔毎に並設しているが、図6〜図8に示したミキシング部材4Aのように、円周方向の仮想線に対するスクリューフライト6の傾斜フライト部6aの傾斜角度を45度よりも大きくし、且つ、屈折フライト部6bの長さのと同等ないしは2倍以下に形成していると共にそのスクリューフライト6の条数も上記実施例のスクリューフライト6の条数よりも多い12条、部材本体4の外周面に一定間隔毎に並設しておいてもよい。このミキシング部材4Aのその他の構造は上記実施例のミキシング部材4と同様であるので、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。また、このミキシング部材4Aの作用効果も上記実施例と同様であるのでその説明を省略する。
上記のように構成しているミキシング部材4、4Aにおいて、溶融樹脂が隣接するスクリューフライト6、6間の溝7における部材本体4の周方向に広い流路幅部分から狭い流路幅部分を流通する際に圧縮されるが、その圧縮比が小さいと流路幅の広い溝部7aを通過する時に発生する伸長流動による応力が小さくなって分散性が向上しなく、大きいと圧縮損失が大きくなって発熱が高くなるため、圧縮比が1.2 〜5、好ましくは1.5 〜3の範囲内であることが望ましい。また、部材本体4の外周面に並設する上記スクリューフライト6の条数については、少ないと溶融樹脂の分配、分散作用が低下すると共に温度分布にムラが生じやすくなり、多いと、全体の流路壁面積が増大し、ミキシング部材4、4Aを通過するまでの溶融樹脂の滞留時間が長くなって、反応性の樹脂や劣化しやすい樹脂に対してて悪影響を及ぼす虞れがあるので、3〜20条、好ましくは6〜12条、設けておくことが望ましい。
A 供給部
B 圧縮部
C 計量部
1 スクリュー軸
2 メインフライト
3 バリアフライト
4 ミキシング部材
5 部材本体
6 スクリューフライト
6a 傾斜フライト部
6b 屈折フライト部
7 溝
7a 流路幅が広い溝部
7b 流路幅が狭い溝部
8 バレル
B 圧縮部
C 計量部
1 スクリュー軸
2 メインフライト
3 バリアフライト
4 ミキシング部材
5 部材本体
6 スクリューフライト
6a 傾斜フライト部
6b 屈折フライト部
7 溝
7a 流路幅が広い溝部
7b 流路幅が狭い溝部
8 バレル
Claims (2)
- スクリュー軸の基端側から先端側に向かって供給部と圧縮部と計量部とを順次設けてなる押出機用スクリューにおいて、上記計量部に、円筒形状の本体の外周面に多条スクリューフライトを突設したミキシング部材を配設してあり、このミキシング部材の上記スクリューフライトは、基端側から先端側に向かって周方向に傾斜した一定長さの傾斜フライト部とこの傾斜フライト部の端部から軸方向に屈折した一定長さの屈折フライト部とを交互に連続形成してなり、このスクリューフライトを複数条、隣接するスクリューフライトにおいて、スクリューの回転方向に先行するスクリューフライトの屈折フライト部の先端部に対してこの屈折フライト部に対応する後行するスクリューフライトの屈折フライト部の基端部が本体の周方向に一定の間隔を存して対向するように、スクリューフライトを順次本体の軸方向にずらして並設することにより、溶融樹脂の流路幅が広い溝部と狭い溝部とを交互に連続形成していることを特徴とする押出機用スクリュー。
- 隣接するスクリューフライト間の設けている溶融樹脂の流路において、広い流路幅部分から狭い流路幅部分を流通する際に圧縮される溶融樹脂の圧縮率が1.2 〜5であり、且つ、スクリューフライトの条数が3〜20であることを特徴とする請求項1に記載の押出機用スクリュー。
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