JP2022119289A - 鮮度保持フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルム厚が薄く内容物追随性に優れていながら、シール強度が低下せず、防曇剤ブリードによる白化が起こりにくい、消臭性が付与された鮮度保持フィルムを提供する。【解決手段】プロピレン系ランダム共重合体およびポリエチレン系樹脂から主として構成されるシール層と、95%以上のメソペンタッド分率を有する結晶性ポリプロピレン系樹脂から主として構成される基材層を含み、総厚みが25μm未満である二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムであって、シール層に一次粒子径が10~29nmの範囲内、比表面積が35~60m2/gの範囲内、および吸油量が20~90g/100gの範囲内である消臭剤ナノフィラーを0.3~2重量%の範囲内で含有する鮮度保持フィルムである。【選択図】なし

Description

本発明は、二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムの技術分野に属する。本発明は、かかる樹脂フィルムからなる、青果物のための鮮度保持用のフィルムまたは包装袋に関するものである。また、かかる包装袋に青果物、特にもやしが封入された包装体に関するものである。
生野菜、果物、芋、キノコ等の青果物は、鮮度の保持や外部との接触による損傷から守るため、収穫された後、袋状に加工された、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等からなる樹脂フィルムの袋で包装され、流通されている。この樹脂フィルムを袋状に加工し、生野菜等の青果物を自動包装する装置として、例えば、縦ピロー自動包装機が用いられている。
青果物の中でも、もやしは変質しやすいことから、樹脂フィルムの袋で包装された上で、低温で流通され、また低温で販売もされている。特許文献1では、このような変質しやすいもやし等を日持ちさせるための包装用フィルムに関する発明が開示されている。また、もやし等を樹脂フィルムの袋で包装する場合、通常、袋内の空気が抜かれる。このような脱気によりもやしの呼吸を抑制すると共に、袋全体がコシ感を有し、袋の取り扱い性や陳列性などが向上する。しかし、店頭に並んだ段階で、脱気した袋が空気を含み、若干膨らんだ状態になることがある(脱気戻り)。特許文献2では、そのような脱気戻りを抑制した樹脂フィルムに関する発明が開示されている。
また、青果物から発せられるエチレンガス等が鮮度保持に悪影響を及ぼすことから、例えば、樹脂フィルムの袋内に活性炭やゼオライトなどのガス吸着剤を一緒に封入されることがある。しかし、小分けした包装体の一つ一つにガス吸着剤を封入したのでは煩雑であり、手間もかかる。かかる課題を、特許文献3では、包装用資材を形成する熱可塑性透明樹脂に酸化亜鉛からなる微粒子を含有することにより解決している。
一方、青果物の鮮度を単に長期間保持することのみならず、近年では、省資源化の機運により、包装体の樹脂フィルムの厚みをより薄膜化しようとする傾向にある。
特開2003-025524号公報(特許第4854881号公報) 特開2020-100431号公報 特開2003-268242号公報
縦ピロー自動包装機によるもやしの脱気包装において、フィルム厚が厚く、コシの強いフィルムで脱気包装をすると、もやしに対して必要以上の力が掛かることから、もやしの軸折れや潰れが発生し、その結果水分が発生することで細菌が繁殖し、腐敗しやすくなる。そのため、かかる脱気包装において内容物追随性に優れたコシのないフィルムが所望される。
一方で、フィルム厚の薄い、コシのないフィルムは、脱気包装における内容物追随性には優れるものの、自動装機で包装する際、通常の包装スピードでは十分なシール強度が得られない。特に消臭剤をシール層に添加する場合には、さらにシール強度の低下が顕著である。シール強度が得られないと、自動包装時に背張りシール部での破袋が発生する可能性がある。
また、結露による鮮度低下を防止する目的で、防曇性を付与することが通常行われるが、フィルム厚の薄いフィルムに防曇剤を防曇効果が得られる程度の量を添加すると、防曇剤ブリードによる白化が起こりやすくなる。
さらには、開封時の臭いを抑制するために、消臭性を付与することが行われるが、フィルムがもやしに十分に密着していないと、消臭効果が十分発揮できず、消臭性のばらつきが大きくなる。
本発明は、上記のような課題を解決することができる新たな鮮度保持フィルムないし当該フィルムから成形される包装袋などを提供することを主な課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、上記課題を解決しうる鮮度保持フィルムを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明としては、例えば、下記のものを挙げることができる。
[1]少なくともシール層および基材層を含む二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムであって、シール層がプロピレン系ランダム共重合体およびポリエチレン系樹脂から主として構成され、基材層が95%以上のメソペンタッド分率を有する結晶性ポリプロピレン系樹脂から主として構成され、総厚みが25μm未満であり、かつシール層に一次粒子径が10~29nmの範囲内、比表面積が35~60m/gの範囲内、および吸油量が20~90g/100gの範囲内である消臭剤ナノフィラーを0.3~2重量%の範囲内で含有することを特徴とする、鮮度保持フィルム。
[2]消臭剤ナノフィラーが、酸化亜鉛ナノフィラーである、上記[1]に記載の鮮度保持フィルム。
[3]フィルムのループステフネスが、MD方向において2.0mN以下、TD方向において4.0mN以下である、上記[1]または[2]に記載の鮮度保持フィルム。
[4]密封可能な包装袋を形成し、内容物を封入して内部の空気が抜かれると、フィルムが当該内容物に密着する状態となる、上記[1]~[3]のいずれか一項に記載の鮮度保持フィルム。
[5]上記[1]~[4]のいずれか一項に記載の鮮度保持フィルムから成形される、包装袋。
[6]青果物用またはもやし用である、上記[5]に記載の包装袋。
[7]上記[5]または[6]に記載の包装袋に青果物またはもやしが脱気封入された、包装体。
本発明の鮮度保持フィルムは、薄膜のため省資源化に資することができる。本発明の鮮度保持フィルムで脱気包装する際は、内容物への優れた追随性によりもやし等の軸の折れや潰れが発生し難く、また、薄膜であっても脱気戻りを起こすことなく十分に脱気することができる。そのため、鮮度保持効果がより期待でき、またフィルムがもやし等に密着するので、消臭効果にも優れる。
本発明の鮮度保持フィルムは、防曇剤がシール層側に移行しやすいため、少量の添加量で防曇効果が得られ、ブリードによる白化が抑えられる。また、結露による鮮度低下も起こし難い。
本発明の鮮度保持フィルムは、フィルムの厚みが薄く、また消臭剤がシール層に添加されているが、本発明の鮮度保持フィルムで成形される包装袋は、十分なシール強度を有しうる。
本発明の鮮度保持フィルム(以下、「本発明フィルム」という。)は、少なくともシール層および基材層を含む二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムであって、シール層がプロピレン系ランダム共重合体およびポリエチレン系樹脂から主として構成され、基材層が95%以上のメソペンタッド分率を有する結晶性ポリプロピレン系樹脂から主として構成され、総厚みが25μm以下であり、かつシール層に一次粒子径が10~29nmの範囲内、比表面積が35~60m/gの範囲内、および吸油量が20~90g/100gの範囲内である消臭剤ナノフィラーを0.3~2重量%の範囲内で含有することを特徴とする。
ここで「主として構成され」とは、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分を含むことを許容することを意味し、成分の含有率を制限するものではないが、通常、当該層成分全体に対する当該必須成分の含有率が50重量%以上を占めていることをいう。好ましくは当該含有率が70重量%以上を占めること、より好ましくは80重量%以上ないし90重量%以上を占めていることをいう。当該含有率が100重量%であってもよい。
以下、本発明について詳述する。
1 本発明フィルムについて
本発明フィルムは、シール層および基材層を含む。
本発明フィルムに係る「シール層」は、本発明フィルムを筒状にするに際して、内容物と接触する筒の内側になる層(最内層)であり、熱を加えるとシール層同士が互いに接着される。本発明フィルムに係る「基材層」は、シール層と直接または中間層を挟んで対向し、本発明フィルムを筒状にするに際して、筒の外側になる層であり、外界に接する層(最外層)である。
1.1 シール層
1.1.1 プロピレン系ランダム共重合体について
シール層は、プロピレン系ランダム共重合体およびポリエチレン系樹脂から主として構成される。
当該プロピレン系ランダム共重合体は、プロピレンとそれ以外のα-オレフィンとの共重合体であって、それとポリエチレン系樹脂などと共に加工してフィルム層となし、その層に熱を加えると、フィルム層同士が接着されるシール性を有するものであれば特に制限されない。
プロピレン以外のα-オレフィンとしては、例えば、炭素数2~20のプロピレン以外のα-オレフィンを挙げることができ、具体的には、例えば、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、3-メチル-1-ブテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5-エチル-2-ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2-エチル-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン等が挙げられる。この中、炭素数2~4の、例えば、エチレン、ブテンが好ましく、エチレンがより好ましい。これらプロピレン以外のα-オレフィンは、1種であっても、2種以上の併用であってもよい。
当該プロピレン系ランダム共重合体中のプロピレン以外のα-オレフィンの含有割合は、14重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましい。
当該プロピレン系ランダム共重合体としては、具体的には、例えば、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-ブテンランダム共重合体、プロピレン-エチレン-ブテンランダム共重合体等を挙げることができる。この中、プロピレン-エチレン-ブテンランダム共重合体が好ましい。
当該プロピレン系ランダム共重合体の中、ISO1133(1997)に準拠して230℃、21.18N(2.16Kg)荷重の条件で測定された場合のメルトフローレート(MFR)値が0.5~20g/10分の範囲内であるものが好ましい。また当該メルトフローレート値が、2~8g/10分の範囲内であるプロピレン系ランダム共重合体がより好ましい。なお、重合体のメルトフローレート(MFR)値は、プロピレン以外のα-オレフィンの種類や含有量、重合体の分子量や重合度によって適宜調整することができる。
更に当該プロピレン系ランダム共重合体の中、ISO1183(1987)に準拠して測定した場合の密度が850~950kg/mの範囲内であるものが好ましく、860~920kg/mの範囲内であるプロピレン系ランダム共重合体がより好ましい。
1.1.2 ポリエチレン系樹脂について
シール層には上記プロピレン系ランダム共重合体に加えてポリエチレン系樹脂が含まれる。
当該ポリエチレン系樹脂は、エチレンとそれ以外のα-オレフィンとの共重合体である。かかるエチレン以外のα-オレフィンとしては、例えば、炭素数3~20のα-オレフィンを挙げることができ、具体的には、例えば、プロピレン、1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン等が挙げられる。この中、炭素数3~8の、例えば、プロピレン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテンが好ましい。これらエチレン以外のα-オレフィンは1種であっても、また2種以上の併用であってもよい。
当該ポリエチレン系樹脂中のエチレンとそれ以外のα-オレフィンとの含有割合としては、通常エチレンが65~100重量%、それ以外のα-オレフィンが0~35重量%であり、好ましくはエチレンが70~99.9重量%、それ以外のα-オレフィンが0.1~30重量%であり、より好ましくはエチレンが72~99.5重量%、それ以外のα-オレフィンが0.5~28重量%であり、更に好ましくはエチレンが75~99重量%、それ以外のα-オレフィンが1~25重量%である。
当該ポリエチレン系樹脂の中、ISO1133(1997)に準拠して190℃、21.18N(2.16kg)荷重の条件で測定されたメルトフローレート(MFR)値が0.5~20g/10分の範囲内であるものが好ましい。また、当該メルトフローレート値が、2~4g/10分の範囲内であるポリエチレン系樹脂がより好ましい。
更に当該ポリエチレン系樹脂の中、ISO1183(1987)に準拠して測定した場合の密度が850~900kg/mの範囲内であるポリエチレン系樹脂が好ましく、860~890kg/mの範囲内であるポリエチレン系樹脂がより好ましい。
シール層の樹脂中におけるプロピレン系ランダム共重合体の含有量としては、その具体的樹脂の種類などによって異なるが、例えば、65~97重量%の範囲内を挙げることができ、好ましくは70~95重量%の範囲内であり、より好ましくは72~93重量%の範囲内である。
シール層の樹脂中におけるプロピレン系ランダム共重合体とポリエチレン系樹脂との配合割合としては、それらの具体的な樹脂の種類などによって異なるが、重量比で1.5~10(プロピレン系ランダム共重合体/ポリエチレン系樹脂)の範囲内が適当であり、2~8の範囲内が好ましく、2.5~5の範囲内がより好ましい。
1.1.3 消臭剤ナノフィラーについて
シール層には、さらに、一次粒子径が10~29nmの範囲内、比表面積が35~60m/gの範囲内、および吸油量が20~90g/100gの範囲内である消臭剤ナノフィラーを0.3~2重量%の範囲内で1種または2種以上を含有する。
当該消臭剤ナノフィラーとしては、例えば、無機系のものを挙げることができる。具体的には、例えば、リン酸ジルコニウム;アルミノ珪酸塩(ゼオライト)、アルミノ珪酸亜鉛;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩;酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化銅、酸化鉄、酸化チタン、ミョウバン等の金属酸化物を挙げることができる。また、これらの化合物の複合物や、これらの化合物に、銅、銀、亜鉛、チタンなどの金属が担持されたものも挙げられる。中でも、酸化亜鉛ナノフィラーが好ましい。
酸化亜鉛などの当該消臭剤ナノフィラーは、一次粒子径が10~29nmの範囲内であるが、好ましくは12~28nmの範囲内であり、より好ましくは15~26nmの範囲内である。当該一次粒子径は、例えば、ガス吸着法により比表面積を測定し、その測定値から理論的に計算し導くことができる。
酸化亜鉛などの当該消臭剤ナノフィラーの比表面積は35~60m/gの範囲内であるが、好ましくは40~55m/gの範囲内であり、吸油量は20~90g/100gの範囲内であるが、好ましくは25~85g/100gの範囲内である。それぞれ常法により求めることができる。
当該消臭剤ナノフィラーは、シール層に0.3~2重量%の範囲内で含有されるが、好ましくは0.5~1.5重量%の範囲内で含有される。
1.1.4 その他
シール層には、樹脂フィルムの表面が平滑になり、樹脂フィルム同士が密着することを防ぐ目的で、本発明の効果を損なわない範囲で、アンチブロッキング剤または滑剤を含んでいてもよい。かかるアンチブロッキング剤としては、一般的に用いられている無機系のシリカやカオリン、ゼオライト等、または有機系の架橋アクリルビーズ等が挙げられる。また、滑剤としては、ステアリン酸カルシウム等が挙げられる。これらはいずれも1種のみでも2種以上を併用してもよい。
上記アンチブロッキング剤や滑剤の添加量は、樹脂の種類等により適宜調整することができるが、層を構成する樹脂100重量部に対して、0.05~30重量部が適当であり、好ましくは0.5~20重量部である。
また、シール層には、本発明の効果を損なわない範囲で、抗菌剤やその他の添加剤を適当量含んでいてもよい。かかる抗菌剤として、例えば、銀イオン、銅イオン、または亜鉛イオンを含む金属酸化物などの無機系抗菌剤や有機系抗菌物質を挙げることができる。
1.2 基材層
基材層は、13C核磁気共鳴スペクトルによる95%以上のメソペンタッド分率を有する結晶性ポリプロピレン系樹脂から主として構成される。
当該結晶性ポリプロピレン系樹脂は、融点が155℃~165℃のものが好ましい。更に、融点が155℃~165℃の当該結晶性ポリプロピレン系樹脂の中、当該メソペンタッド分率が95%~99%の範囲内であるものがより好ましい。
結晶性ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンとそれ以外のα-オレフィンとの共重合体である。プロピレン以外のα-オレフィンとしては、例えば、炭素数2~10のプロピレン以外のα-オレフィンを挙げることができ、具体的には、例えば、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン等のα-オレフィンを挙げることができる。この中、炭素数2~4の、例えば、エチレン、1-ブテンが好ましく、エチレンがより好ましい。これらプロピレン以外のα-オレフィンは、1種であっても、2種以上の併用であっても良い。プロピレン以外のα-オレフィンの含有割合は、1.3重量%以下が適当であり、0.8重量%以下が好ましい。
当該結晶性ポリプロピレン系樹脂の中、ISO1133(1997)に準拠して230℃、21.18N(2.16kg)荷重の条件で測定された場合のメルトフローレート(MFR)値が0.5~20g/10分の範囲内にあることが好ましい。また、当該メルトフローレート値が、2~4g/10分の範囲内である結晶性ポリプロピレン系樹脂がより好ましい。
更に当該結晶性ポリプロピレン系樹脂の中、ISO1183(1987)に準拠して測定した場合の密度が850~950kg/mの範囲内であるものが好ましく、860~920kg/mの範囲内である結晶性ポリプロピレン系樹脂がより好ましい。
基材層の樹脂中における結晶性ポリプロピレン系樹脂の含有量としては、その具体的樹脂の種類などによって異なるが、例えば、90.0~99.9重量%の範囲内を挙げることができ、好ましくは98.0~99.6重量%の範囲内であり、より好ましくは99.0~99.5重量%の範囲内である。
基材層には、さらに、フィルムに防曇性能を付与する目的で防曇剤を含有することができる。本発明においては、基材層に防曇剤を配合し、シール層側に防曇剤が移行(ブリード)するよう設計することが好ましい。かかる防曇剤としては、その目的に適うものであれば特に制限されず、従来、防曇性フィルムに用いられている防曇剤をそのまま使用することができる。具体的には、例えば、アルキルジエタノールアミン、アルキルジエタノールアミン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルの3系が挙げられる。
アルキルジエタノールアミンにおけるアルキル基は、通常、炭素数8~22、好ましくは炭素数12~18のものである。具体的なアルキルジエタノールアミンとしては、ラウリルジエタノールアミン、ミリスチルジエタノールアミン、パルミチルジエタノールアミン、ステアリルジエタノールアミン、オレイルジエタノールアミン等を挙げることができる。
アルキルジエタノールアミン脂肪酸エステルにおける脂肪酸エステル基は、通常、炭素数8~22、好ましくは炭素数12~22の飽和または不飽和の脂肪酸エステルであり、好ましくは後者の不飽和の脂肪酸エステルである。具体的なアルキルジエタノールアミン脂肪酸エステルとしては、ラウリルジエタノールアミンモノステアリン酸エステル、ミリスチルジエタノールアミンモノオレイン酸エステル、ラウリルジエタノールアミンモノステアリン酸エステル、パルミチルジエタノールアミンモノステアリン酸エステル、ステアリルジエタノールアミンモノパルミチル酸エステル、ステアリルジエタノールアミンモノステアリン酸エステル、オレイルジエタノールアミンモノステアリン酸エステル等を挙げることができる。
グリセリン脂肪酸エステルにおける脂肪酸エステル基は、上記のアルキルジエタノールアミン脂肪酸エステルにおける脂肪酸エステル基と同様のものを挙げることができる。また、グリセリンのヒドロキシ基と脱水縮合する脂肪酸のカルボキシ基数は1または2個が好ましく、より好ましいのは1個の脂肪酸エステルモノグリセライドである。
以上の各防曇剤は、上記同系の中で1種または2~3種の混合で、異系の中で2~3種の混合の形で使用されるが、中でも異系の中での3種混合の形での使用、つまりアルキルジエタノールアミンとアルキルジエタノールアミン脂肪酸エステルおよび脂肪酸エステルモノグリセライドの3成分混合で、且つアルキルジエタノールアミン脂肪酸エステルを主成分として組成するのがより好ましい。
防曇剤の添加量としては、防曇剤の種類等により適宜調整すればよいが、0.3~1.5重量%が適当であり、0.4~1.2重量%が好ましく、0.5~1.0重量%がより好ましい。防曇剤の添加量が0.3重量%未満であると充分な防曇効果が得られない場合があり、1.5重量%を超えると必要以上に表面へのブリードアウトが起こり、透明性が劣化する場合がある。
1.3 その他
本発明フィルムは、前記のシール層および基材層の少なくとも2層を有する。また、本発明フィルムは、シール層と基材層との間に中間層を有することができる。
本発明フィルムにおける各層の厚さは次のとおりである。
該フィルムの総厚みとしては、10~25μm未満の範囲内であるが、好ましくは15~24μmの範囲内である。シール層の厚みとしては、例えば、1~5μmの範囲内を挙げることができ、好ましくは1.5~4μmの範囲内である。基材層の厚みとしては、例えば、7~25μmの範囲内、好ましくは15~22μmの範囲内である。
本発明フィルム中には、種々の添加剤を適量更に配合することができる。かかる添加剤としては、前記した添加剤の他に、造核剤、酸化防止剤、難燃剤、静電気防止剤、充填剤、顔料等を挙げることができる。
また、本発明フィルムは、前記層のほかに、開口性付与層、ガスバリア性付与層等その他の層を有していてもよい。
本発明フィルムは、下記の物性を有することが好ましい。
(1)ループステフネス <ループ状のつぶれ抵抗>
MD方向(フィルム製膜進行方向)に2.0mN以下、TD方向(フィルム製膜進行方向から90度の向き)に4.0mN以下である本発明フィルムが好ましい。それぞれの下限値としては、例えば、MD方向が0.6mN、TD方向が1.4mNを挙げることができる。
ループステフネスは、市販のループステフネス測定器(例えば、(株)東洋精機製作所のLOOP STIFFNESS TESTER(登録商標))を用いて、当該測定器の機能に準じて測定することができる。
(2)背張り部のヒートシール強度
TD方向の当該シール強度が130℃において4.0N/15mm以上である本発明フィルムが好ましい。上限値としては、例えば、10N/15mm程度を挙げることができる。
当該シール強度は、フィルム2枚を合わせて、シール温度130℃に設定し、適当な押圧で加熱融着し、融着幅:TD方向10mm×MD方向10mm、サンプル幅:TD方向50mm×MD方向10mmになるようにサンプルをカットし、そして融着しない一端のフィルムを180度に広げて、TD方向に剥離する工程を含むことにより測定することができる。
2 本発明フィルムの製造方法について
本発明フィルムは、公知の製造方法より製造することができるが、生産性や出来上がったフィルムの物性等を考慮すると、フラット状シートを押出成形により製膜し、次いで逐次二軸延伸して本発明フィルムを製造するのが好ましい。
より具体的には、適正な温度に設定されたそれぞれの押出機に、シール層を構成する樹脂および消臭剤ナノフィラー等の成分、ならびに基材層を構成する樹脂および所望の成分をそれぞれ投入し、押出機内で樹脂を溶融・混練した後、210℃~250℃のTダイスよりシート状に押出す。この場合、2層ないし3層の多層構成を形成するのに、フィードブロック方式を用いても、マルチマニホールド方式を用いてもよい。押出されたシートは25℃の冷却ロールにて冷却固化され、縦延伸工程へと送られる。縦延伸は120℃~140℃に設定された加熱ロールにより構成されており、ロール間の速度差によって縦方向(以下、MD方向という。)に延伸される。この加熱ロールの本数には特に制限はないが、少なくとも低速側と高速側の2本は必要である。縦延伸の延伸倍率は4~6倍、好ましくは4.5~5.5倍である。次にテンターによる横延伸工程に送られ、横方向(以下、TD方向という。)に延伸される。テンター内は予熱、延伸、アニールゾーンに分かれており、予熱ゾーンは165℃~175℃に、延伸ゾーンは165℃~170℃に、そしてアニールゾーンは165℃~170℃に設定されている。延伸ゾーンでの延伸倍率は6~10倍程度が好ましい。延伸されたのち、アニールゾーンで冷却、固定されたのち、巻き取り機にて巻き取ってフィルムロールとなる。
本発明フィルムの製造においては、テンターのアニールゾーンを出た後、巻き取り機で巻き取る前に、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理等公知の表面処理を施すことが好ましく、簡便性の点から特に、コロナ放電処理を行うことが好ましい。当該表面処理を施すことにより、フィルムの表面にぬれ張力を持たせ、防曇効果を高めることができるだけでなく、フィルム表面に印刷をする場合の印刷インキとの密着性を高めることもできる。このコロナ放電処理はシール層面、基材層面の両面を処理してもよいし、シール層面または基材層面のどちらか一方の面を処理してもよい。特に、シール層面にコロナ放電処理を施した場合には、基材層に添加した防曇剤のシール層面側への移行がスムーズにすすみ、防曇剤の効果を十分に発揮することができるため、少量の防曇剤の添加で足りることになる。コロナ放電処理の強度としては、1.8×10~9.0×10J/mの範囲内にあるのが好ましく、両面処理する場合に、両面とも同じ強度であっても、異なっていてもよい。
こうして得られた二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルム(本発明フィルム)の表面のぬれ張力は、38~44mN/mが好ましい。ぬれ張力が38mN/m未満であると、防曇性の発現が充分でなく、また印刷する場合には印刷インキの密着性に劣り好ましくない。ぬれ張力が44mN/mを超えると、防曇剤の表面へのブリードアウトが激しく白化やブロッキングの原因となるほか、溶断シール強度の低下の原因となり好ましくない。
3 本発明に係る包装袋および包装体
次に、本発明フィルムから成形される包装袋(以下、「本発明袋」という。)およびそれに内容物が脱気封入された包装体(以下、「本発明包装体」という。)について詳述する。
本発明袋ないし本発明包装体は、本発明フィルムを用いて、自動包装機等により成形することができる。
上記自動包装機としては、例えば、縦ピロー包装機、横ピロー包装機を挙げることができる。この中、縦ピロー包装機ないし縦ピロー自動包装機が好ましい。
具体的には、例えば、縦ピロー包装機のフォーマーにて、シール層を内面とした筒状の本発明フィルムとし、かかるフィルムの端部を流れ方向(MD方向)に沿ってヒートシールし、続いてその筒状フィルムの下端部を流れ方向に対し直交する方向(TD方向)にヒートシールすることにより本発明袋を成形することができる。
次いで、一定量に計量された内容物を本発明袋内に投入し、スポンジで袋と内容物を挟み、袋内の空気を押し出して脱気し、続いてフィルムの流れ方向(MD方向)に対し直交する方向(TD方向)にヒートシールすることにより、内容物が脱気封入された本発明包装体を製造することができる。
本発明袋に脱気封入される内容物としては、例えば、青果物等の農産物を挙げることができ、青果物が好ましい。かかる青果物としては、例えば、ネギ、もやし、ホウレン草、ブロッコリー、ピーマン等の野菜類;またはキャベツ、レタス、ニンジン等のカット野菜類を挙げることができる。本発明袋は、内容物追随性に優れることから、軸の折れや潰れが発生しやすい内容物に用いることが好ましい。軸の折れや潰れが発生しやすい内容物として、一部の青果物が挙げられるので、本発明袋はそのような青果物に用いるのが好ましい。中でも、本発明袋は、もやしに好適に用いることができる。
以下に実施例や比較例などを掲げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
二軸延伸ポリプロピレン系フィルムの製造
使用した原料は、次のとおりである。
R-PP:プロピレン-エチレン-ブテン共重合体(MFR:5.0g/10分、融点:125℃、密度:0.9g/cm
HPP:プロピレン単独重合体(MFR:2.5g/10分、融点:160℃、密度:0.9g/cm
PE-1:エチレン・プロピレン・1-ヘキセン共重合体(MFR:3.5g/10分、融点:60℃、密度:0.88g/cm
PE-2:エチレン-1-オクテン共重合体(MFR:3.0g/10分、融点:68℃、密度:0.875g/cm
消臭剤1:酸化亜鉛(1次粒子径:20nm、比表面積:50m/g、吸油量:30g/100g)
消臭剤2:酸化亜鉛(1次粒子径:90nm、比表面積:10m/g、吸油量:20g/100g)
消臭剤3:酸化亜鉛(1次粒子径:25nm、比表面積:45m/g、吸油量:84g/100g)
下記表1に示す配合で、シール層および基材層からなる二軸延伸ポリプロピレン系フィルムを以下の手順で製造した。
これら各層を構成する樹脂および消臭剤をそれぞれの押出機に投入し、温度230℃の多層Tダイスから共押出し、25℃の冷却ロールで冷却、固化して原反シートを得た。次いで当該シートを130℃に加熱し、MD方向に4.6倍ロール延伸した後、テンターにて設定温度165℃で予熱し、設定温度165℃でTD方向に10倍延伸した後、設定温度166℃でアニールし、テンターを出た後、基材層側を6.6×10J/mで、表層側を4.8×10J/mでコロナ放電処理を施した後、巻き取り機で巻き取って、二軸延伸ポリプロピレン系フィルム(本発明フィルム等)を得た。
上記で得られたフィルムの物性を、次のようにして測定した。
<防曇性測定方法>
30℃の水を100mL、口径80mmのコップに入れる。120mm角の試料フィルムの測定面(シール層)をコップ側に向けて、コップに被せる。試料フィルムとコップの隙間が全て開かないように固定する。このようにして5℃、30分間放置後、試料フィルムについた水滴の大きさを目視にて点数化して平均点を取り、小数点以下は四捨五入した。(N=3)
5点:水滴は大きく、曇りは全くない。
4点:水滴は大きいが、コップの底が20%見えない部分がある。
3点:コップの底が全体の50%は見えるが、50%は曇っていて、見えない。
2点:水滴は小さく曇っているが、コップの底が20%は見える。
1点:水滴は小さく曇っており、コップの底が全く見えない。
<ループステフネス測定方法>
測定方向に長く試料サンプル(200mm×25mm)を作成し、株式会社東洋精機製作所LOOP STIFFNESS TESTER(登録商標)を用いて、圧子の押し込み速度:3.3mm/sec、圧子の押し込み幅:10mmにて圧縮強度を測定した。その平均値をループステフネス値とした。(N=3)
<ヒートシール強度測定方法>
試料フィルム2枚を合わせて、シール温度130℃に設定し、押圧0.26MPa、0.5秒間加熱して融着する。シール融着には、株式会社東洋精機製作所 HG-100-2のヒートシール機を使用した。融着幅はTD方向10mm×MD方向10mm、サンプル幅はTD方向50mm×MD方向10mmになるようにサンプルをカットする。そして融着しない一端のフィルムを180度に広げて、新東科学株式会社 HEIDON(登録商標)TYPE:17離着性強度試験機を使って、常温で、TD方向に引張速度200mm/minにて剥離してヒートシール強度を測定する。このようにして得られた結果に1.5をかけたその平均値をヒートシール強度とした。(N=5)
Figure 2022119289000001
表1から明らかな通り、本発明フィルム(実施例)は、比較フィルム(比較例)と比べて、層の総厚みが薄いにも関わらず、シール面の防曇性や消臭性に優れており、シール強度が優に高かった。
なお、シール層の原料をプロピレン系ランダム共重合体樹脂およびポリエチレン系樹脂(実施例1、実施例5)からプロピレン単独重合体(比較例3)に変更すると、シール面の防曇性およびシール強度が大きく低下した。また、実施例3と比較例2との対比から分かるように、メソペンタッド分率が低いと、シール面の防曇性およびシール強度が大きく低下した。同様に、消臭剤の粒子を変更(実施例7および比較例1)すると、シール強度は大きく低下した。
[実施例8~14、比較例6~10] 包装体の製造
上記で得られた本発明フィルム等を用いて、実施例1~7にそれぞれ対応する本発明包装体(実施例8~14)ならびに比較例1~5にそれぞれ対応する比較包装体(比較例6~10)を以下の手順で製造した。
自動計量包装機DT-1080(大生機械社製)にセットし製袋を行った。まず、フォーマーにて、シール層を内面とした筒状(幅200mm)のフィルムにし、フィルムの端部を流れ方向(MD方向)に沿って130℃の温度でヒートシールし、続いてそのヒートシールされた筒状フィルムの下端部を流れ方向に対し直交する方向(TD方向)に140℃の温度でヒートシールし、底の部分と背の部分がヒートシールされた上部分が開いている筒状フィルム(袋)を形成した。
次いで、一定量に計量された内容物(もやし、200g)を上記で得られた筒状の各フィルム(袋)内に投入した。その後、フィルムの流れ方向(MD方向)に対し直交する方向(TD方向)にピッチ210mmの間隔で、140℃の温度でヒートシールをし、そしてヒートシール部分の中央部分を横方向にカットした。
以上の工程により、内容物が充填され、かつ上側および底部がシールされた本発明包装体および比較包装体(本発明包装体等)を成形した。当該製造におけるヒートシールのシール幅は10mmである。製造された包装体の袋サイズは、流れ方向(MD方向)に210mm×幅方向(TD方向)に195mmである。
内容物としてもやしを封入した本発明包装体等を、10℃に設定した冷蔵庫中で4日間保存した後、これらをサンプルとして、実包評価を次の通り行った。その結果を表2に示す。
<もやしの折れ、潰れ評価>
もやしの折れ、潰れの本数の割合を目視にて点数化し、平均点を取って小数点以下は四捨五入した。
5点:袋の中のもやしの折れ、潰れは全くない。
4点:袋の中の20%程度にもやしの折れ、潰れがみられる。
3点:袋の中の40%程度にもやしの折れ、潰れがみられる。
2点:袋の中の60%程度にもやしの折れ、潰れがみられる。
1点:袋の中の80%程度にもやしの折れ、潰れがみられる。
<脱気戻り評価>
内容物の入った製袋品に対して、空気の侵入が発生した個数を調査した。脱気戻りの調査は、目視で袋に空気が入っているかと、触感により袋内のもやしがずれるかで判断した。確認事項として、袋が膨らんでいることや、もやしが動くことで、脱気戻りがあると判断した。
〇:膨らみやもやしの動きが有る袋が3袋未満。(脱気戻りが無い)
×:膨らみやもやしの動きが有る袋が3袋以上。(脱気戻りが有る)
<消臭評価>
消臭判定は、5名で各1袋の臭いを嗅いで点数化し、平均点を取って小数点以下は四捨五入した。
5点:全く腐敗の臭いがしない。
4点:袋を開けた瞬間、薄っすら腐敗の臭いがする。
3点:腐敗の臭いがするが、30分袋を開けておくと、臭いがなくなる。
2点:強い腐敗の臭いがする。袋を開けて1時間置いておくと、腐敗の臭いが薄くなる。
1点:袋を開けて1時間置いておいても、刺激の強い腐敗の臭いが持続する。
<色味評価>
色味評価、5名で各1袋を目視で色味の点数化し、平均点を取って小数点以下は四捨五入した。
5点:緑色が鮮やかで、茶色や黒い部分は一切ない。
4点:緑色が少しくすんでおり、茶色や黒い部分は全体の10%程度である。
3点:緑色がくすんでおり、茶色黒い部分は全体の30%程度である。
2点:緑色のくすみがひどく、茶色や黒い部分は全体の60%程度である。
1点:緑色がほとんどなく、茶色や黒い部分は全体の80%程度である。
Figure 2022119289000002
上記結果(表2)の通り、本発明包装体は、比較包装体と比べて、いずれの実包評価も同等かそれ以上に優れていた。それ故、本発明フィルムないし本発明袋は、内容物への追随性、脱気適性、および内容物の鮮度保持に優れていることが明らかである。
本発明フィルムないし本発明袋は、薄膜で内容物への追随性に優れている一方で、十分な消臭性とシール強度を有しうる。従って、それら本発明フィルムないし本発明袋、または青果物(例、もやし)等の内容物が封入された本発明包装体は、例えば、青果物市場における流通販売において有用である。

Claims (7)

  1. 少なくともシール層および基材層を含む二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムであって、シール層がプロピレン系ランダム共重合体およびポリエチレン系樹脂から主として構成され、基材層が95%以上のメソペンタッド分率を有する結晶性ポリプロピレン系樹脂から主として構成され、総厚みが25μm未満であり、かつシール層に一次粒子径が10~29nmの範囲内、比表面積が35~60m/gの範囲内、および吸油量が20~90g/100gの範囲内である消臭剤ナノフィラーを0.3~2重量%の範囲内で含有することを特徴とする、鮮度保持フィルム。
  2. 消臭剤ナノフィラーが、酸化亜鉛ナノフィラーである、請求項1に記載の鮮度保持フィルム。
  3. フィルムのループステフネスが、MD方向において2.0mN以下、TD方向において4.0mN以下である、請求項1または2に記載の鮮度保持フィルム。
  4. 密封可能な包装袋を形成し、内容物を封入して内部の空気が抜かれると、フィルムが当該内容物に密着する状態となる、請求項1~3のいずれか一項に記載の鮮度保持フィルム。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の鮮度保持フィルムから成形される、包装袋。
  6. 青果物用またはもやし用である、請求項5に記載の包装袋。
  7. 請求項5または6に記載の包装袋に青果物またはもやしが脱気封入された、包装体。

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