JP2022119253A - ショットブラスト用研掃材 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理対象物の表面仕上げをミクロンレベルまで均一化することが可能で、また耐久性の高いショットブラスト用研掃材を提供する。【解決手段】ショットブラスト用研掃材は、見掛密度が3.0g/cm3以上4.0g/cm3以下であり、BET比表面積が0.10m2/g以上0.50m2/g以下である。ここで、ビッカース硬度は250HV以上300HV以下であってもよい。また前記研掃材における金属鉄の含有量は94質量%以上97質量%以下の範囲であってもよい。前記研掃材における炭素の含有量は0.002質量%以上0.10質量%以下の範囲であってもよい。【選択図】なし

Description

本発明はショットブラスト用研掃材に関するものである。
表面処理のひとつの手法であるブラスト処理(研磨、洗浄)は、球状や砥粒状のブラスト材(金属やセラミックスなど)をエアブラスト方式(圧縮空気)やインペラー方式(遠心力投射)などを用い、処理対象物へ高速で材料を吹き付け、その表面を改質させる技術である。ブラスト処理の目的は多岐にわたり、脱錆、素地の清浄化、活性化、粗面化、ピーニング効果などがある。ブラスト材の種類(研掃材)にはスチールショットと呼ばれる球状の鋼球であるショットブラスト、鋭角部を多く持つ粒のグリッドブラストなどがある。
特許文献1には、見掛密度が所定範囲の還元鉄粉を表面仕上げ用のショットブラスト材として用いることによって、適度な研磨力を持ちつつ表面仕上げの処理むらを生じさせないようにすることが提案されている。
特開2016-69708号公報
近年、ショットブラスト処理によるアルミニウム基板等の処理対象物の表面仕上げ(例えば粗面化)において従来よりも更に処理むらをなくすことが要求されている。具体的には処理対象物の表面粗さ(Ra)をミクロンレベルまで均一化することが求められている。また研掃材の耐久性の一層の向上も求められている。
そこで本発明の目的は、処理対象物の表面仕上げをミクロンレベルまで均一化することが可能で、また耐久性の高いショットブラスト用研掃材を提供することにある。
前記目的を達成する本発明に係るショットブラスト用研掃材は、見掛密度が3.0g/cm以上4.0g/cm以下であり、BET比表面積が0.10m/g以上0.50m/g以下であることを特徴とする。
見掛密度が前記範囲であることによって所望の研磨力が発揮されるとともに表面仕上げの均一化が発揮される。またBET比表面積が前記範囲であることによってショットブラスト処理による衝撃時の応力が均等化され表面仕上げが均一化するとともに、ショットブラスト処理による研掃材の微粉発生が抑えられ耐久性が向上する。
前記構成のショットブラスト用研掃材において、ビッカース硬度が250HV以上300HV以下の範囲であるのが好ましい。
前記構成のショットブラスト用研掃材において、前記研掃材における金属鉄の含有量が94質量%以上97質量%以下の範囲であるのが好ましい。
前記構成のショットブラスト用研掃材において、前記研掃材における炭素の含有量が0.002質量%以上0.10質量%以下の範囲であるのが好ましい。
なお、本明細書における「見掛密度」、「BET比表面積」、「ビッカース硬度」、「金属鉄の含有量」、「炭素の含有量」、「体積平均粒径」は後述の実施例で説明する測定方法によって得られる値である。
本発明に係るショットブラスト用研掃材によれば、処理対象物の表面仕上げをミクロンレベルまで均一化することが可能となる。また、優れた耐久性が得られる。
実施例1の研掃材のSEM写真(倍率200倍)である。 実施例4の研掃材のSEM写真(倍率200倍)である。 比較例1の研掃材のSEM写真(倍率200倍)である。 比較例2の研掃材のSEM写真(倍率200倍)である。
本発明に係るショットブラスト用研掃材(以下、単に「研掃材」と記すことがある。)の大きな特徴の一つは、見掛密度が3.0g/cm以上4.0g/cm以下であることである。研掃材の見掛密度が3.0g/cm未満であるとショットブラスト処理時に処理対象物表面での衝突応力の大きさにばらつきが生じ処理むらの原因となる。また使用によって研掃材に割れや欠けが発生し耐久性が低くなる。一方、研掃材の見掛密度が4.0g/cmを超えると研掃材の生産性や歩留まりが著しく悪化する。研掃材の見掛密度のより好ましい範囲は3.3g/cm以上3.7g/cm以下の範囲である。
また本発明に係る研掃材のもう一つの特徴は、BET比表面積が0.10m/g以上0.50m/g以下であることである。研掃材のBET比表面積が0.10m/g未満であると処理対象物表面での衝突応力の大きさにばらつきが生じ処理むらの原因となる。一方、研掃材のBET比表面積が0.50m/gを超えると研掃材に割れや欠けが発生しやすくなる。研掃材のBET比表面積のより好ましい範囲は0.15m/g以上0.30m/g以下の範囲である。
本発明に係る研掃材のビッカース硬度は250HV以上300HV以下の範囲が好ましい。研掃材のビッカース硬度が250HV未満であると、ショットブラスト処理時に処理対象物表面での衝突応力の大きさがばらつき処理むらが生じる虞がある。また使用によって研掃材に割れや欠けが発生する虞もある。一方、研掃材のビッカース硬度が300HVを超えると、処理対象物の表面粗さが大きくなり処理むらの原因となる虞がある。研掃材のビッカース硬度のより好ましい範囲は260HV以上280HV以下の範囲である。
本発明に係る研掃材の金属鉄の含有量は94質量%以上97質量%以下の範囲が好ましい。研掃材の金属鉄の含有量が上記範囲であることで研掃材の高耐久性と処理むら抑制が達成される。
本発明に係る研掃材の炭素の含有量は0.002質量%以上0.10質量%以下の範囲が好ましい。研掃材の炭素の含有量が上記範囲であることで研掃材の高耐久性と処理むら抑制が達成される。研掃材の炭素の含有量のより好ましい範囲は0.01質量%以上0.10質量%以下の範囲である。
本発明に係る研掃材の体積平均粒径D50は120μm以上150μm以下の範囲が好ましい。より好ましい研掃材の体積平均粒径D50の範囲は125μm以上150μm以下の範囲である。
本発明に係る研掃材を用いたショットブラスト処理の対象物の素材としては金属やセラミックス、ガラス、プラスチック、ゴムなどが挙げられる。これらの素材の中でも本発明の研掃材は金属素材に対して好適に使用され、アルミニウム及びアルミニウム合金に対してより好適に使用される。
本発明に係る研掃材の材質は、見掛密度およびBET比表面積が本発明の規定範囲を満足する限りにおいて特に限定は無いが、ミルスケールなどの酸化鉄を還元して作製される海綿鉄粉が好適である。海綿鉄粉からなる研掃材は例えば次のようにして作製される。
(研掃材の製造方法)
本発明に係る研掃材の製造方法に特に限定はないが以下に説明する製造方法が好ましい。
まず、製鉄所の熱間圧延工程で生じるミルスケールなどの不純物の少ない酸化鉄を還元剤と共にトンネル炉などの焼成炉に導入し還元処理して海綿鉄ケーキを得る。還元処理の方法としては、特開昭61-183402、特開2005-264302、特開2004-60000などに記載の公知の方法を採用することができる。還元剤としてはコークス粉、石炭などの炭素材が使用可能である。
次に、得られた海綿鉄ケーキを解砕した後に粉砕して粒径500μm以下の海綿鉄粉を得る。解砕処理および粉砕処理は公知の装置ならびに方法を用いることができる。得られた海綿鉄粉を篩い分けし、粒径300μm超、180μm未満のものを除去して研掃材の第1原料粉とする。
また、第1原料粉と同様の方法によって海綿鉄ケーキを得た後、海綿鉄ケーキを解砕、粉砕し篩分けして粒径300μm超の海綿鉄粉を得る。これを第2原料粉とする。粒径300μm超は篩目で300μmの篩上残粉である。
なお、第2原料粉は粒径300μm超であればよいが、最大粒径は500μmとするのが好ましい。第2原料粉の粒径があまりに大きいと研掃材としたときの研磨力に影響するからである。第2原料粉の最大径および混合量を調整することで研掃材のBET比表面積の調整が可能となる。また研掃材のBET比表面積は、後述の粉砕処理、研磨処理の時間や強度によっても調整可能である。
また第2原料粉は、第1原料粉の破砕処理で発生する粗粒側から分取してもよい。複数回におよび同様の操作を繰り返す場合は、前回の第1原料粉の破砕処理にて発生した粗粒側から分取してもよい。例えば、処理の単位をロット管理にて行う場合は、前回または前々回などのロットにて分取した第2原料粉を用いる。第2原料粉は篩分けをすることで粒径300μm超を分取でき、添加量に応じて複数のロットの第2原料粉を混合しても用いてもよい。
次に、第1原料粉と第2原料粉とを、第1原料粉に対して第2原料粉が20質量%~35質量%となるように混合して研掃材用原料とする。第2原料粉の混合割合によって、作製される研掃材のBET比表面積は調整される。
この研掃材用原料をノボローターミルで粉砕処理と研磨処理とを同時に行う。従来のハンマーミルを用いた粉砕処理の場合は粉砕の衝撃が大きく、研掃材用原料(鉄粉)表面の海面状構造が崩れて粒度が小さくなる傾向が見られた。これに対して、ノボローターミルによる処理ではローターを回転させて原料粒子同士の接触による研磨が行われるため、粒度が小さくなることが抑制されるとともに見掛密度を高くすることが可能となる。また必要に応じてノボローターミルに所望の目開きのスクリーンを装着することで、ノボローターミル内部の含塵濃度を調整することができ効率のよい粉砕処理が可能となる。
また従来の方法(特開2016-69708に開示)では、1種類の粒度の原料のみ(200μm~300μm)を使用していたので原料が粉砕されやすく、粉砕処理における微粉(例えば粒径106μm以下)の発生量が多く生産性が悪かった。これに対して、第1原料粉に第1原料粉よりも粗粒の第2原料粉を混合して使用するこの製造方法では、原料粉(鉄粉)の海面状構造が崩れにくくなって、高い見掛密度と所望のBET比表面積とを有する研掃材が効率的に製造することが可能である。
なお、従来の1種類の粒度の原料を使用する場合、あるいは第1原料粉よりも微粒の第2原料粉を混合して使用する場合であっても、例えば粉砕装置としてカッターミルを使用することによって原料粒子表面の研磨が可能となり、ノボローターミルよりも粉砕強度が弱いため、原料の粒度が小さくなるのを抑制しながら見掛密度を高くすることが可能となる。
ノボローターミルによる粉砕処理及び研磨処理は、処理後の研掃材の見掛密度を測定して所望の見掛密度になるまで繰り返し行ってもよい。また処理後に、使用目的等に応じて必要により篩やサイクロン等を用いて研掃材の粒度分布を調整してもよい。例えば粒径が180μm以上425μm以下、150μm以上300μm以下、125μm以上250μm以下、106μm以上180μm以下、75μm以上150μm以下などに粒度調整してもよい。また粉砕処理と研磨処理とは別の処理装置で実施しても構わない。
実施例1
(第1原料粉の作製)
原料としてのミルスケール(酸化鉄)をロータリードライヤーで120℃で乾燥させた後に、還元剤としての無煙炭を添加混合した。この無煙炭は、固定炭素が80~90%、サイズが4mm以下のものを用いた。このミルスケールと無煙炭との混合物とは別に、固定炭素が50~90%のコークス粉を準備した。
炭化ケイ素製の耐熱容器にミルスケールと無煙炭との混合物を円筒状に充填し、その中心と外側にコークス粉を充填した。そして耐熱容器をトンネルキルン炉にて1050℃~1250℃の温度範囲で大気雰囲気中で還元処理し海綿鉄ケーキを得た。
上記還元処理により得られた海綿鉄ケーキを下記の順で粉砕し第1原料粉を得た。
(1)ロールクラッシャーよって粒度約30cm以下まで粗破砕
(2)ハンマークラッシャーによって粒度約4cm以下まで微破砕
(3)ハンマーミルによって粒度約4mm以下まで粗粉砕
(4)ノボローターミルによって粒度500μm以下まで微粉砕
(5)篩い分けによって粒径300μm超、180μm未満のものを除去
(第2原料粉の作製)
第1原料粉と同様にして、海綿鉄ケーキを得た後、海綿鉄ケーキを破砕、粉砕して粒径300μm超の第2原料粉を得た。
(研掃材用原料の作製)
第1原料粉に対して第2原料粉を25質量%加えて研掃材用原料を作製した。
(粉砕処理および研磨処理)
作製した研掃材用原料をノボローターミルによって粉砕処理と研磨処理とを同時に行った。そして所定時間の処理後の研掃材原料の見掛密度を測定して見掛密度が3.0g/cm~4.0g/cmの範囲になるまで繰り返し行った。
上記研掃材の見掛密度調整品に対し、分級点10μmのサイクロンにて分級処理を実施した後に、振動篩によって粒径180μm以上を除去して実施例1に係る研掃材を得た。得られた研掃材の組成及び粉体特性を下記方法によって測定した。測定結果を表1に示す。また図1に研掃材のSEM写真(倍率200倍)を示す。
(組成分析)
(全鉄(T.Fe))
JIS M8212に準じて全鉄量(T.Fe)を測定した。
(金属鉄(M.Fe))
試料中の金属鉄量の測定は、JIS M8713-1993「鉄鉱石類の還元試験方法」の解説 参考 6.1金属鉄定量方法に準拠して、試料を臭素-メタノール溶液中で撹拌し、金属鉄を抽出・溶解し、電位差自動滴定装置を用いてキレートで滴定する方法で行った。
(炭素(C),硫黄(S))
炭素と硫黄は、炭素・硫黄分析装置(LECO製 CS-744)を用いて算出した。
(酸素(O))
試料中の酸素は、酸素・窒素分析装置(LECO製 TCH600)を用いて算出した。
(見掛密度)
研掃材の見掛密度は、「JIS Z 2504」の金属粉の見掛密度試験方法の手順に従って測定した。
(BET比表面積)
研掃材のBET比表面積は、BET一点法比表面積測定装置(株式会社マウンテック製、型式:Macsorb HM model-1208)を用いて測定した。具体的には、サンプルは、5.000gを秤量して直径12mmの標準セルに充填し、200℃で、30分間脱気して測定を行った。
(粒度分布:篩分け)
研掃材の粒度分布は、JIS Z 8815に定められた方法を用いて篩分けすることによって測定した。なお、粒度は篩の目開きによって定まる。
(粒度分布:レーザー回折式粒度分布測定装置MT)
研掃材の粒度分布(D10,D50,D90)は、レーザー回折式粒度分布測定装置MT(日機装社製「マイクロトラックModel9320-X100」)を用いて測定した。測定については、体積基準で、累積10%の粒径D10(μm)、累積50%の平均粒径D50(μm)、累積90%の粒径D90の値を得た。
(ビッカース硬度)
研掃材のビッカース硬度測定は、樹脂中に研掃材を添加して硬化させ、回転研磨機を用いて表面を研磨、断面を析出させた後、ナノインデンター(エリオニクス製「ENT1100-b」を用いた。ナノインデンターの測定条件としては、負荷-除荷試験モードで、常温、25mmNの荷重とした。
(真密度)
真密度測定装置(MICROMERITICS社製 アキュピックII 1340シリーズ)を用いて測定した。
(処理むら評価)
ショットブラスト試験機(エアーブラスト方式)を用いてエアー圧力0.28MPaで処理対象物(アルミニウム基板;A6063)に研掃材を投射量約17g/secで投射した。ショットブラスト後の処理対象物の表面粗さ(算術平均高さRa、二乗平均平方根高さRq、最大高さRz)の平均値Avgを測定すると共に変動係数CVを算出した。変動係数が小さいほど処理むらが少ないと評価する。
(耐久性評価)
アービンテストマシン(ERVIN社製)を用いてインペラー回転数5000rpmで研掃材を炭素鋼に500回衝突させた。そして、衝突後の研掃材の粒度分布を測定し、粒径106μm以下の微粉の増加割合を下記式(1)から算出した。アービンテスト後の微粉の増加割合が少ないほど耐久性のある研掃材と評価する。
粒径106μm以下の微粉の増加割合(wt%)=(B-A)/A×100・・・(1)
A:耐久性評価前の粒径106μm以下の質量割合
B:耐久性評価後の粒径106μm以下の質量割合
実施例2
第1原料粉のみを使用し、粉砕処理および研磨処理において、装置をカッターミル方式に変更した事以外は、実施例1と同様に研掃材を作製した。作製した研掃材の組成及び粉体特性を実施例1と同様にして測定した。測定結果を表1に示す。また図2に研掃材のSEM写真(倍率200倍)を示す。
実施例3
第1原料粉を目開き217μmの篩を用いて篩分け、粒径217μm以下のものを原料粉とした以外は実施例4と同様に研掃材を作製した。作製した研掃材の組成及び粉体特性を実施例1と同様にして測定した。測定結果を表1に示す。
比較例1
実施例1と同様にして第1原料粉に対して第2原料粉を25質量%加えて研掃材用原料とした。そして、粉砕処理および研磨処理を行わずに、振動篩によって上記研掃材原料から粒径180μm以上を除去して研掃材とした。この研掃材の組成及び粉体特性を実施例1と同様にして測定した。測定結果を表1に示す。また図3に研掃材のSEM写真(倍率200倍)を示す。
比較例2
(第1原料粉の作製)
原料としてのミルスケール(酸化鉄)をロータリードライヤーで120℃で乾燥させた後に、還元剤としての無煙炭を添加混合した。この無煙炭は、固定炭素が80~90%、サイズが4mm以下のものを用いた。このミルスケールと無煙炭との混合物とは別に、固定炭素が50~90%のコークス粉を準備した。
炭化ケイ素製の耐熱容器にミルスケールと無煙炭との混合物を円筒状に充填し、その中心と外側にコークス粉を充填した。そして耐熱容器をトンネルキルン炉にて1050℃~1250℃の温度範囲で大気雰囲気中で一次還元処理しで一次還元海綿鉄ケーキを得た。
上記一次還元処理により得られた海綿鉄ケーキを、ベルト炉を使用し、雰囲気制御としてアンモニア分解ガスを用い、900℃の条件で二次還元処理し二次還元海綿鉄ケーキを得た。次に、この二次還元海綿鉄ケーキをハンマーミルで解粒し第1原料粉とした。
このように作製した第1原料粉を研掃材用原料とした。そして、粉砕処理および研磨処理を行わずに、振動篩によって上記研掃材原料から粒径180μm以上を除去して研掃材とした。この研掃材の組成及び粉体特性を実施例1と同様にして測定した。測定結果を表1に示す。また図4に研掃材のSEM写真(倍率200倍)を示す。
Figure 2022119253000001
表1から明らかなように、見掛密度が3.43g/cm~3.63g/cm、BET比表面積が0.17m/g~0.23m/gと本発明の規定範囲内である実施例1~3の研掃材は、見掛密度が2.64g/cmと本発明の規定範囲よりも小さい比較例1の研掃材および見掛密度が2.61g/cm、BET比表面積が0.09m/gと本発明の規定範囲よりもいずれも小さい比較例2の研掃材に比べて、処理対象物の表面粗さ(算術平均高さRa、二乗平均平方根高さRq、最大高さRa)の変動係数CVは格段に小さかった。すなわち実施例1~3の研掃材は比較例1,2の研掃材に比べて処理むらは小さかった。
また実施例1~3の研掃材は比較例1,2の研掃材に比べてアービンテスト後の粒径106μm以下の微粉の増加割合が少なく耐久性に優れていた。
本発明に係るショットブラスト用研掃材によれば、処理対象物の表面仕上げをミクロンレベルまで均一化することが可能となり、また優れた耐久性が得られる。
また従来の方法(特開2016-69708に開示)では、1種類の粒度の原料のみ(200μm~300μm)を使用していたので原料が粉砕されやすく、粉砕処理における微粉(例えば粒径106μm以下)の発生量が多く生産性が悪かった。これに対して、第1原料粉に第1原料粉よりも粗粒の第2原料粉を混合して使用するこの製造方法では、原料粉(鉄粉)の海綿状構造が崩れにくくなって、高い見掛密度と所望のBET比表面積とを有する研掃材が効率的に製造することが可能である。

Claims (4)

  1. ショットブラスト処理に用いる研掃材であって、
    見掛密度が3.0g/cm以上4.0g/cm以下であり、
    BET比表面積が0.10m/g以上0.50m/g以下である
    ことを特徴とするショットブラスト用研掃材。
  2. ビッカース硬度が250HV以上300HV以下の範囲である請求項1記載のショットブラスト用研掃材。
  3. 前記研掃材における金属鉄の含有量が94質量%以上97質量%以下の範囲である請求項1又は2記載のショットブラスト用研掃材。
  4. 前記研掃材における炭素の含有量が0.002質量%以上0.10質量%以下の範囲である請求項1~3のいずれかに記載のショットブラスト用研掃材。
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