JP2022119177A - マスク - Google Patents

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Abstract

Figure 2022119177000001
【課題】着用者に対して冷涼感を与えることが可能なマスク及びマスク用冷却シートに関する。
【解決手段】着用者の顔の少なくとも一部を覆うマスク本体と、前記マスク本体に設けられる冷却体とを備えるマスクであって、前記マスク本体は、着用時において、着用者の顔との間に内部空間を形成可能に構成されており、前記冷却体は、水を保有する保水層と、第一シートと、前記保水層を介して該第一シートと対向するよう配された第二シートとを備え、着用時において、少なくとも一部が着用者の顔と直接的又は間接的に接触するよう前記マスク本体に配置されており、前記第一シート及び前記第二シートの少なくとも一方は、非通気性シート又は難通気性シートからなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、マスク及びマスク用冷却シートに関する。
従来、外気中の粉塵、花粉及びウイルス等の吸引の防止や唾液等の飛散を防止するために、着用者の口及び鼻を覆うマスクが用いられている。近年、このような口及び鼻を覆うマスクの機能が多様化し、様々なマスクが開発されている。
例えば、特許文献1には、マスク本体の上縁又はその近傍に補強体を設けることにより、マスク本体の上縁と顔面との間に隙間が形成されにくくすると共に、該補強体に発熱機能を持たせることにより、鼻の両側の副鼻腔の部分を暖め、アレルギー性鼻炎や風邪を患っている着用者に快適感を与えるよう構成されたマスクが開示されている。
また、特許文献2には、顔への装着時に口及び鼻との間に空間を形成するように構成されたマスク本体と、該空間と対向するようマスク本体に配置された吸収性コアとを備え、該吸収性コアから蒸発される水分により咽喉の乾燥を防ぐよう構成されたマスクが開示されている。特に、特許文献2のマスクは、水分を含んだ吸収性コアが鼻や口に接触しないよう該吸収性コアを配置することにより、日中でも快適に装着可能としたことを特徴とするものである。
特開2006-102145号公報 特開2014-140774号公報
近年の新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の世界的な流行等により、夏場においてもマスクの日常的な着用が求められている。しかしながら、従来のマスクでは、夏場に着用した場合に、マスクが直接肌に触れることによる暑苦しさを感じるおそれがあると共に、呼気に含まれる蒸気によりマスク内の湿度が高まり、蒸し暑さを感じるおそれがある。特に、特許文献1のマスクでは、マスクが直接肌に触れることによる暑苦しさがより顕著となり、また、特許文献2のマスクでは、マスク内の湿度が高まることによる蒸し暑さがより顕著となる。
本発明は、着用者に対して冷涼感を与えることが可能なマスク及びマスク用冷却シートに関する。
本発明は、着用者の顔の少なくとも一部を覆うマスク本体と、前記マスク本体に設けられる冷却体とを備えるマスクであって、前記マスク本体は、着用時において、着用者の顔との間に内部空間を形成可能に構成されており、前記冷却体は、水を保有する保水層と、第一シートと、前記保水層を介して該第一シートと対向するよう配された第二シートとを備え、着用時において、少なくとも一部が着用者の顔と直接的又は間接的に接触するよう前記マスク本体に配置されており、前記第一シート及び前記第二シートの少なくとも一方は、非通気性シート又は難通気性シートからなるマスクに関する。
また、本発明は、着用者の顔の少なくとも一部を覆うマスク本体と共に用いられるマスク用冷却シートであって、水を保有する保水層を備え、前記マスク本体と着用者との間に配された状態において、前記保水層の少なくとも一部が着用者の顔と直接的又は間接的に接触するよう構成されたマスク用冷却シートに関する。
本発明に係るマスク及びマスク用冷却シートによれば、着用者に対して冷涼感を与えることが可能となる。
本発明の一実施形態に係るマスクを示す図である。 第1実施形態に係るマスクにおけるマスク本体の展開状態を示す展開図である。 図2のI-I´線に沿った断面図である。 第1実施形態に係るマスクの折り畳み状態を示す図である。 図5(a)は、第1実施形態に係るマスクを容積測定用人頭モデルに装着させた状態を示す側面図であり、図5(b)は、第1実施形態に係るマスクを容積測定用人頭モデルに装着させた状態を示す正面図である。 図6(a)は、マスクの接顔側端部を拡開させた状態を示す図であり、図6(b)は、保持部を折り込んだ状態を示す図である。 冷却体の断面を概略的に示す図である。 マスクが包装袋に封入された状態を示す図である。 図9(a)は、保持部の引張時の状態を示す図であり、図9(b)は、保持部の装着時の状態を示す図である。 第1実施形態の変形例に係るマスクを示す図である。 水蒸気発生量を測定する装置を示す模式図である。 第2実施形態に係るマスクを示す図である。 マスク用冷却シートを示す図である。 図13のII-II´線に沿った断面図である。 マスク用冷却シートが包装袋に封入された状態を示す図である。 マスク本体にマスク用冷却シートを配置した状態を示す図である。 第2実施形態に係るマスクを着用者に装着させた状態を示す図である。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、図面は、本発明を示すために適宜強調や省略、比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状や位置関係、比率とは異なる場合がある。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態に係るマスク1について、図1~図9を用いて説明する。
[マスクの全体構成]
本実施形態に係るマスク1は、図1に示すように、着用者の少なくとも一部(本実施形態では口及び鼻)を覆うことが可能なマスク本体2と、マスク本体2に設けられる1つ又は2つ以上の冷却体20とを備える所謂冷涼マスク(以下、「冷涼マスク1」という)である。また、本実施形態に係る冷涼マスク1は、マスク本体2を着用者の顔前に保持するための1つ又は2つ以上の保持部30を更に備えている。
なお、本明細書では、マスク本体2の開放側(顔に接する側)の端部を「接顔側端部5」といい、接顔側端部5の反対側に位置する閉塞側(底側)の端部を「閉塞側端部6」という。また、「接顔側端部5」及び「閉塞側端部6」が左右方向に整列するよう配置したマスク本体2を平面方向から見た状態(すなわち、図4の状態)における上側の縁部を「上縁部7」といい、同状態における下側の縁部を「下縁部8」という。ここで、「上縁部7」は、マスク本体2で着用者の口及び鼻を覆った際に、鼻側に位置する縁部であり、「下縁部8」は、同状態において顎側に位置する縁部である。
また、本明細書では、接顔側端部5の開口を拡開させ、立体的に保形された状態の形状を「立体状」という。さらに、本明細書において、「幅方向」とは、後述する第1パネル部10Aの接顔側端部5から閉塞側端部6を経由して後述する第2パネル部10Bの接顔側端部5に至る方向をいい、「マスク本体の幅方向両端部」とは、第1パネル部10Aの接顔側端部5と第2パネル部10Bの接顔側端部5とを意味する。
[マスク本体の構成]
マスク本体2は、図1に示すように、接顔側端部5から閉塞側端部6に向けて延びる周面を有しており、該周面により、着用時において着用者の顔面との間に内部空間4が形成されるよう構成されている。すなわち、マスク本体2は、着用時において、接顔側端部5及びその近傍における周面が着用者の顔(肌)に接触する一方で、周面の他の領域及び閉塞側端部6が着用者の顔(肌)から離間し、着用者の顔との間に内部空間4を形成するよう構成されている。
具体的には、マスク本体2は、該マスク本体2の半周面を形成する第1パネル部10Aと、残りの半周面を形成する第2パネル部10Bとを備えている。第1パネル部10A及び第2パネル部10Bは、図1に示すように、接顔側端部5の開口を拡開させることで立体状に変形可能に構成されている。また、第1パネル部10A及び第2パネル部10Bは、立体状に保形させた状態において、図1及び図6(a)に示すように、拡開された環状の接顔側端部5から線状の閉塞側端部6に向けて収束する先細り形状を有している。ただし、これに限定されず、閉塞側端部6が平面状の底部を有する構成としても良い。
マスク本体2は、図1及び図2に示すように、立体状となった際の内面が上を向くようマスク本体2を展開させた状態(すなわち、図2の状態)におけるマスク本体2の幅方向の中央部に、該幅方向と直交する方向に延びる縦中心線100を有している。本実施形態に係るマスク本体2においては、縦中心線100を境とした幅方向の一方側が第1パネル部10Aを構成し、幅方向の他方側が第2パネル部10Bを構成している。なお、図2は、立体状となった際の内面が上を向くようマスク本体2を展開させた状態における平面図であり、図3は、図2におけるI-I´線に沿った断面図であり、図4は、マスク本体2の縦中心線100を中心として二つ折りした状態を示す図である。
第1パネル部10A及び第2パネル部10Bは、図2に示すように、縦中心線100において一体的に連続しており、かつ、両パネル部10A,10Bの縦中心線100を境として左右対称の形状を有している。換言すれば、マスク本体2は、同形同大の第1パネル部10A及び第2パネル部10Bを左右対称に配したシート状部材からなる。なお、第1パネル部10A及び第2パネル部10Bが当初から一体として形成された構成に代えて、例えば別体として形成された第1パネル部10A及び第2パネル部10Bを機械的に結合させる構成であっても良い。
マスク本体2は、シート状であり、さらに具体的には、一枚のシートから形成されている。マスク本体2を形成する一枚のシートとは、単一の構造(単層構造)でもよく、或いは複数枚のシートが積層された一体的な多層構造でもよい。マスク本体2を形成するシート状部材は、複数枚のシートに別個の機能を付与することで、マスク本体2に種々の機能を付与することが可能となることから、多層構造とすることが好ましい。複数枚のシートを用いる場合には、各シート同士は、エンボスやラミネート状態でもよく、全面が接合されていても、シート間が離間した状態でもよい。また、各シート間が離間した状態の場合の各シート同士の接合は、マスク本体2の形状に沿って各シートの縁を接合してもよく、縁の一部を結合するのみでもよい。なお、接合方法については下述する方法で接合することが可能である。
以下、本実施形態の説明では、マスク本体2が多層構造の一枚のシートにより形成されるものとして説明する。具体的には、マスク本体2は、図3に示すように、それぞれ、立体状となった際の内面を形成する内面シート14と、立体状となった際の外面を形成する外面シート16とを備えている。内面シート14及び外面シート16は、同形同大に形成されており、これら内面シート14及び外面シート16が積層された多層構造の一枚のシートとなっている。
本実施形態に係るマスク本体2においては、内面シート14と外面シート16との間に、冷却体20が配されている。すなわち、内面シート14及び外面シート16の双方が後述するように単層又は多層の不織布からなる場合には、冷却体20は、2枚以上の不織布に挟まれることとなる。ただし、これに限定されず、マスク本体2の内面にポケット状の収納部を設け、該収納部に冷却体20を着脱させる構成としても良いし、粘着剤等の固定手段を用いてマスク本体2の内面に冷却体20を固定する構成としても良い。また、外面シート16と内面シート14とを局所的に非接着とすることにより、外面シート16と内面シート14との間に冷却体20を挿脱可能な開口及び収納空間を形成する構成としても良い。
外面シート16には、接着剤(図示せず)が塗布されており、該接着剤を介して冷却体20及び内面シート14が接着されている。接着剤としては、ホットメルト型接着剤を用いることが好ましいが、これに限定されず、種々の公知の固定手段を用いることができる。例えば、ホットメルト型以外の接着剤、縫製、熱融着等が可能であるが、固定できれば限定されない。なお、外面シート16に接着剤を塗布する構成に代えて、又はこれに加えて、内面シート14に接着剤を塗布する構成を採用することも可能である。
内面シート14及び外面シート16の材料は、口及び鼻を覆うマスクの技術分野において従来から用いられているものを用いることができ、一定の通気性を有するものであれば特にその種類に制限はない。例えば不織布、織布、紙などの繊維シート、樹脂発泡シート、金属シート又はこれらの組み合わせ等が用いられる。なかでも、加工のしやすさや経済性の観点から不織布を用いることが好ましい。不織布の繊維素材としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル;PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、エチレンプロピレン共重合体等のポリオレフィン;レーヨン;コットン等から選択される1種又は2種以上の繊維で構成されるものが好ましい。また、不織布としては、前記の1種又は2種以上の素材の繊維を用いて、エアスルー法、スパンボンド法、ニードルパンチ法、メルトブローン法、カード法、熱融着法、水流交絡法、溶剤接着法等により製造されたものを用いることができ、単層でも多層構造でもよい。なお、不織布として、目的に応じ、化学処理、機械的処理及び物理化学処理等の各種処理が施された不織布を用いることができる。
また、内面シート14及び外面シート16は、単層及び多層を問わない一枚のシート材のみからなる単層の構造であってもよく、二種以上のシート材を重ね合わせた多層の構造であってもよい。さらに、マスク本体2が多層構造を取る場合、着用した際に着用者側とは反対側の面(外側)に配されるマスク本体2の構成材料と、着用した際に内側に配されるマスク本体2の構成材料とを異ならせてもよい。具体的には、着用した際に外側に配される外面シート16は、マスクに保形性を与える上で適した構成材料を選択してもよく、一方、着用した際に内側に配される内面シート14は、肌あたり改善を目的とした構成材料を選択してもよい。また、内面シート14及び外面シート16は、任意の色に着色されていても良く、印刷等により任意の模様(柄)が施されていても良い。このような構成によれば、風合いや趣向性が向上し、使用者の好みのマスクとすることが可能となる。
内面シート14は、着用者の顔から冷却体20への伝熱効率を高めると共に、冷却体20から発生される水蒸気を蒸発させやすくする観点から、通気性シートであることが好ましい。具体的には、内面シート14の透気度は、水の蒸発による気化放熱を促進させる観点から、300秒/100mL以下であることが好ましく、200秒/100mL以下であることがより好ましく、100秒/100mL以下であることが更に好ましく、5秒/100mL以下であることがより更に好ましく、また、0秒/100mLであることが最も好ましい。こうした透気度を満足すれば、内面シート14は、その一部が通気性を有しない構成であってもよい。
ここで、透気度は、JIS P8117(2009年改正版)によって測定される値であり、一定の圧力のもとで100mlの空気が6.42cmの面積を通過する時間として定義される。したがって、透気度の数値が大きいことは空気の通過に時間がかかること、即ち通気性が低いことを意味している。逆に、透気度の数値が小さいことは通気性が高いことを意味している。このように、透気度の数値の大小と通気性の高低とは逆の関係を示す。透気度は、王研式透気度計で計測することができる。本明細書中においては、30000秒/100ml未満の透気度を「通気性」と定義し、30000秒/100ml以上80000秒/100ml未満の透気度を「難通気」と定義し、80000秒/100ml以上の透気度を「非通気」と定義する。
また、内面シート14の坪量は、厚み、シート強度をバランスよく高める観点から、5g/m以上であることが好ましく、10g/m以上であることがより好ましく、15g/m以上であることが更に好ましく、20g/m以上であることがより更に好ましい。また、内面シート14の坪量は、着用者の顔から冷却体20への伝熱効率を高めると共に、冷却体20から発生される水蒸気を蒸発させやすくする観点から、60g/m以下であることが好ましく、50g/m以下であることがより好ましく、40g/m以下であることが更に好ましく、30g/m以下であることがより更に好ましい。
一方、外面シート16は、製品の設計に応じて任意の材料を用いることができ、通気性シート、難通気性シート及び非通気性シートのいずれであってもよいが、該外面シート16に対向する冷却体20のシート(冷却体20の非顔側に向けて配向されるシート)が通気性シートである場合には、外面シート16も通気性シートであることが好ましい。また、外面シート16は、伸縮性を有していてもよく、非伸縮性であってもよい。伸縮性を有するシートとしては、構成繊維として弾性繊維を含むシート、弾性フィラメントを含むシート、ゴム編等の構造により伸縮性を発現するシート等が挙げられる。
また、外面シート16の坪量は、マスク本体2の形状を安定に保ち、冷却体20を安定に保持し、更に冷却体20が透けて外観が損なわれることを防止する観点等から決定される。かかる観点から、10g/m以上であることが好ましく、20g/m以上であることがより好ましく、30g/m以上であることが更に好ましく、40g/m以上であることがより更に好ましい。また、外面シート16の坪量は、マスクの重みによるズレを防止し、心地よいつけ心地を持たせる観点から、100g/m以下であることが好ましく、90g/m以下であることがより好ましく、80g/m以下であることが更に好ましく、70g/m以下であることがより更に好ましい。
以上の構成を備えるマスク本体2は、図4に示すように、内面シート14が内側となるよう、縦中心線100を中心として第1パネル部10A及び第2パネル部10Bが二つ折りにされた状態で、縦中心線100の上縁部7近傍に形成された上側結合部4aと、縦中心線100の下縁部8側に形成された下側結合部4bとにより第1パネル部10A及び第2パネル部10Bが互いに結合されることで形成される。すなわち、第1パネル部10A及び第2パネル部10Bの一体連続部分である縦中心線100と、縦中心線100よりも上方側(鼻側)を事後的に結合する上側結合部4aと、縦中心線100よりも下方側(顎側)を事後的に結合する下側結合部4bとにより、マスク本体2の閉塞側端部6が形成されている。
なお、第1パネル部10A及び第2パネル部10Bを結合させる手段は、両パネル部10A,10Bが分離しないよう結合可能な手段であれば特に制限されず、例えば圧着、熱溶着、超音波溶着、高周波溶着及び接着剤等の任意の手段を採用することができる。また、上側結合部4a及び下側結合部4bは、図示の例では、形成領域においてストライプ模様を形成するように配置された構成であるが、これに限定されず、例えば、形成領域全面が圧着された連続シール状構成等の種々の構成を採用することが可能である。
マスク本体2の接顔側端部5、閉塞側端部6、上縁部7及び下縁部8の形状は、着用者の顔(特に、鼻、頬及び顎)にフィットしやすくなるよう適宜調整されるものであり、それぞれ、直線、円弧状、局所的に凸部や曲線部を有する形状等の種々の任意の形状を採用することが可能である。
以上の構成を備えるマスク本体2は、使用前においては、第1パネル部10A及び第2パネル部10Bが縦中心線(閉塞側端部6)に沿って二つ折りされることで、平面状に折り畳まれている。なお、この状態において、後述するように保持部30をマスク本体2の内側に折り込んで収納することで(図4参照)、コンパクト化することが可能である。一方、マスク本体2は、使用時に縦中心線100(閉塞側端部6)とは反対側の縁部(接顔側端部5)から開かれ、マスク本体2が折り畳まれていた内側の面が着用者側の面となるようにして、着用される。すなわち、マスク本体2は、使用時に第1パネル部10Aの接顔側端部5と第2パネル部10Bの接顔側端部5とが互いに引き離されることにより、縦中心線100を中心として閉塞側端部6がマスク本体2の前方へ突出し、中空の保形立体形状となるよう構成されている。このような立体状に形成されたマスク本体2では、拡開された接顔側端部5の開口が着用者の顔面(特に、鼻、頬及び顎)に沿って密接するため、着用者の顔面とマスク本体2との間に隙間が生じにくくなるという利点がある。
また、マスク本体2は、立体状に保形された状態における内面の表面積(以下、「裏面表面積」という)が、着用者の口及び鼻を覆うことが可能な大きさを確保しつつ、着用者の顔面との間に適度な内部空間4を形成させ、息苦しさを低減させる観点から、50cm以上であることが好ましく、100cm以上であることがより好ましく、140cm以上であることがさらに好ましい。さらに、この裏面表面積は、着用者の顔との隙間を抑える観点から、400cm以下であることが好ましく、300cm以下であることがより好ましく、200cm以下であることがさらに好ましい。ここで、裏面表面積は、立体状に保形された状態において内面を形成するシート(すなわち、内面シート14)の重量(g)を測定し、該測定された重量(g)と、該内面シート14の予め定められた坪量(g/m)とに基づいて算出することが可能である。
また、マスク本体2は、立体状に保形され、容積測定用人頭モデルHMに装着させた状態における内部空間4の容積が、呼吸を楽にする観点から、40cm以上であることが好ましく、50cm以上であることがより好ましく、60cm以上であることが更に好ましい。また、同状態における内部空間4の容積は、適度な加湿度を付与する観点から、90cm以下であることが好ましく、80cm以下であることがより好ましく、70cm以下であることが更に好ましい。
なお、容積測定用人頭モデルHMの顔との間に形成される内部空間4は、マスク本体2が容積測定用人頭モデルHMの顔に接することにより形成される閉じられた空間に限られず、マスク本体2と容積測定用人頭モデルHMの顔との間に僅かな隙間を有するものであっても良い。ここでいう僅かな隙間とは、通常の方法で冷涼マスク1を装着した際に生じ得る隙間のことをいう。このような隙間がある場合であっても、マスク本体2の縁部に沿って閉じられているものとして取り扱うことが可能である。
ここで、「容積測定用人頭モデルHM」としては、有限会社デジタルヒューマンテクノロジー社製の女性版平均人頭データ(2021年2月3日における最新データ)に基づいて造形された女性版人頭モデル(幅151.24mm、奥行き206.82mm、高さ233.01mm)を用いることができる。また、内部空間4の容積を測定する際における「立体状に保形された状態」とは、容積測定用人頭モデルHM(例えば、上述した女性版人頭モデル)に、冷涼マスク1を装着させた立体状態を意味する。
なお、上述した女性版人頭モデルの幅は、左右耳輪の最突点の間の直線距離をいい、奥行きは、後頭部から鼻の最突点までの直線距離をいい、高さは、頭頂部から顎下最突点までの鉛直方向(体軸方向)に沿った直線距離をいう。このため、「立体状に保形された状態」とは、換言すれば、一方の保持部30の後述する耳掛け孔32と、他方の保持部30の後述する耳掛け孔32とを女性版人頭モデルの幅(151.24mm)分離間させた立体状態を意味する。なお、容積測定用人頭モデルHMに装着された状態の冷涼マスク1は、具体的には、次の寸法を有している。本実施形態において、これらの寸法は、株式会社ミツトヨ製のロングジョウ長尺ノギス(CM-50L)を用いて測定した。
すなわち、冷涼マスク1は、図5(a)に示すように、立体状に保形された状態(容積測定用人頭モデルHMに装着された状態)において、接顔側端部5の鼻側の頂点から顎側の頂点までの上下方向の保形時長さLopenが、80mm以上であることが好ましく、90mm以上であることがより好ましく、100mm以上であることが更に好ましく、105mm以上であることがより更に好ましい。また、140mm以下であることが好ましく、130mm以下であることがより好ましく、120mm以下であることが更に好ましいく、110mm以下であることがより更に好ましい。
また、冷涼マスク1は、図5(b)に示すように、立体状に保形された状態(容積測定用人頭モデルHMに装着された状態)において、第1パネル部10Aの接顔側端部5と第2パネル部10Bの接顔側端部5との開き幅(保形時開き幅Wopen)が、90mm以上であることが好ましく、100mm以上であることがより好ましく、120mm以上であることが更に好ましく、130mm以上であることがより更に好ましい。また、180mm以下であることが好ましく、170mm以下であることがより好ましく、160mm以下であることが更に好ましいく、150mm以下であることがより更に好ましい。ここで、「保形時開き幅Wopen」とは、立体状に保形された状態(容積測定用人頭モデルHMに装着された状態)において、第1パネル部10Aの接顔側端部5と第2パネル部10Bの接顔側端部5との最も離れた部位間の水平(上下方向及び奥行方向と直交する方向)に沿った直線距離をいう。
さらに、冷涼マスク1は、図5(a)に示すように、立体状に保形された状態(容積測定用人頭モデルHMに装着された状態)において、接顔側端部5から閉塞側端部6までの奥行方向に沿った保形時奥行きDopenが、40mm以上であることが好ましく、50mm以上であることがより好ましく、60mm以上であることが更に好ましく、70mm以上であることがより更に好ましい。また、130mm以下であることが好ましく、120mm以下であることがより好ましく、100mm以下であることが更に好ましく、90mm以下であることがより更に好ましい。ここで、「保形時奥行きDopen」は、閉塞側端部6の最も膨張した点(膨張点)から接顔側端部5に亘って水平(上下方向及び幅方向と直交する方向)に延びる直線距離をいう。
そして、内部空間4の容積は、このような容積測定用人頭モデルHM(例えば、上述した女性版人頭モデル)を使用し、冷涼マスク1の使用状態を再現し、三次元測定機を用いて三次元データ化して、測定することができる。
なお、内部空間4の容積は、上述した三次元データによる測定方法の他に、特開2012-205926号公報に示されているように、冷涼マスク1内に残留する水量を測定する方法によって求めても良い。すなわち、まず、マスク本体2の内面全域に液不透過性のフィルムを配置し、容積測定用人頭モデルHMに装着する場合と同様の保形時長さLopen、保形時開き幅Wopen及び保形時奥行きDopenとなるよう冷涼マスク1を立体状に保形させる。次に、立体状に保形された状態の冷涼マスク1を、接顔側端部5が上向き(閉塞側端部6が下向き)となるよう配置し、冷涼マスク1の内部に水を注ぐ。このようにして内部が水で満たされた冷涼マスク1に、下向きに容積測定用人頭モデルHMの顔をつけて、容積測定用人頭モデルHMの耳に保持部30を装着する。その後、冷涼マスク1から容積測定用人頭モデルHMを取り除き、冷涼マスク1内に残った水の量を測定する。このような冷涼マスク1内に残留する水量を測定する方法によっても、上述した女性版人頭モデルを用いた三次元データによる測定方法とほぼ同様な値が得られるので、冷涼マスク1の形状により、三次元データ化が困難な場合は、特開2012-205926号公報に開示されている方法で内部空間4の容積を測定してもよい。
また、内部空間4の容積は、次のように計算によって求めても良い。すなわち、容積測定用人頭モデルHMに装着する場合と同様の保形時長さLopen、保形時開き幅Wopen及び保形時奥行きDopenとなるよう冷涼マスク1を立体状に保形させた状態における冷涼マスク1の容積(非装着時における冷涼マスク1の容積)から、容積測定用人頭モデルHMに冷涼マスク1を装着させた際に冷涼マスク1の内部に入り込む容積測定用人頭モデルHMの部位の体積(容積測定用人頭モデルHMの挿入部位の体積)を減算することで求めても良い。
ここで、容積測定用人頭モデルHMの挿入部位の体積は、冷涼マスク1を立体状に保形させた状態における接顔側端部5の開口の周長に比例するため、以下の方法によって求めることができる。すなわち、上述した冷涼マスク1内に残留する水量を測定する方法と同様の手順により、マスク本体2の内面全域に液不透過性のフィルムを配置すると共に、冷涼マスク1を立体状に保形させ、その内部を水で満たす。この時の水量を測定することで、「非装着時における冷涼マスク1の容積」を測定する。また、上述した冷涼マスク1内に残留する水量を測定する方法と同様の手順により、容積測定用人頭モデルHMの顔をつけた後に残留する水量を測定する。そして、容積測定用人頭モデルHMの顔をつける前の水量とつけた後の水量との差分を計算により求め、これを「容積測定用人頭モデルHMの挿入部位の体積」とする。
[保持部の構成]
保持部30は、マスク本体2の幅方向両端部に接合され、該マスク本体2を着用者の顔に保持するものである。以下、保持部30の一例について、説明する。
本実施形態において、保持部30は、着用者の耳に取り付け可能な耳掛けであり、マスク本体2の長手方向(横幅方向)の左右端部に一対で設けられている。保持部30は、図2に示すように、耳掛け部本体31と、着用者の耳が挿通可能な耳掛け孔32と、マスク本体2と耳掛け部本体31を接合するシール部39(図3及び図6(b)参照)とを有している。
耳掛け部本体31は、上辺と、下辺と、マスク本体2に接合されていない保持部30の開放側の開放縁と、マスク本体2の接顔側端部5に接合されている接合縁とを有している。本実施形態において、耳掛け部本体31は平面状であり、角丸略四角形状をしている。具体的には、上辺と下辺は、接合縁から開放縁に向かうに従って先細りとなっており、開放縁と連結する部分においては、湾曲している。
本実施形態において、一対の保持部30のマスク本体2の幅方向に平行な長さ(mm)の合計が、マスク本体2の横幅(mm)以下であることが好ましい。本実施形態において、保持部30は、一対であるため、一方の保持部30のマスク本体2の横幅方向に平行な長さ(mm)が、縦中心線100(閉塞側端部6)で二分された一方のマスク本体2の横幅(mm)よりも小さくなっている。これにより、冷涼マスク1を縦中心線で二つ折りにした際に、保持部30がマスク本体2と重なり、マスク本体2の内部で不自然に折りたたまれ、厚みが増えたり、保持部30どうしが絡まったりすることを抑制し、冷涼マスク1をよりコンパクトにまとめることができる。また、図6(b)に示すように、保持部30がマスク本体2の内側に折り畳まれる場合は、保持部30が汚染されにくくなり、さらに衛生面を向上できる。
保持部30は、マスク本体2と同様な材料であってもよく、異なる材料であってもよいが、マスク本体2のフィット感を良好にする観点から、伸縮性を有する材料であることが好ましく、マスク本体2の横幅方向に伸長しやすいものがよい。本実施形態においては、保持部30は不織布からなることが好ましく、伸縮性を有する不織布であることがより好ましい。マスク本体2との結合性の観点から、構成繊維として熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。更に、加工のし易さの観点から、ポリプロピレンを含むことがより好ましい。なお、保持部30は、ポリプロピレン以外の熱可塑性樹脂を更に含んでも良く、例えば、ウレタン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートからなる群から選ばれる一種以上を更に含むことが好ましく、ウレタンからなる合成繊維を用いることがより好ましい。このような構成となっていることによって、保持部30の柔軟性及びフィット性を効率良く発現させることができるとともに、冷涼マスク1の使用時に十分な強度を発現できる。
なお、保持部30は、マスク本体2を着用者の顔前に保持することが可能な構成であれば、上述した平面状の耳掛けに限定されず、マスクに通常用いることが可能なものを任意に用いることが可能であり、例えば、図10に示すようなゴム紐状の耳掛け30´(保持部)や、第1パネル部10Aの接顔側端部5から第2パネル部10Bの接顔側端部5に亘って架け渡された1又は複数のバンド(図示せず)等の種々の構成を採用可能である。また、保持部30は、マスク本体2の幅方向両端部に接合される別部材の構成に限定されず、マスク本体2と一体的に形成された構成であっても良い。
[冷却体の構成]
冷却体20は、図7に示すように、水を保有する保水層24を備え、着用時において、少なくとも一部が着用者の顔と直接的又は間接的に接触するようマスク本体2に配置されている。
具体的には、冷却体20の形態は、例えば、以下に示す(i)及び(ii)の形態が挙げられる。
(i) 冷却体20の一形態として、保水層24をもつシート状物である形態が挙げられる。この場合、保水層24は、粉末状または繊維状の保水材に水を含有させ混合することで得られるペーストを、シートの一方の面に塗布することで得られるものである。シートとは、後述する第一シート26、第二シート28及び基材層22のいずれであってもよい。
(ii) また、冷却体20の別の形態として、保水材自体が形状を保持しており、保水層24である形態が挙げられる。この場合、保水材を好みのサイズに切断し、水を含有させることで得られるものである。
なお、本明細書において、保水材とは、保水能(吸水作用又は除水作用)を有するものであり、水の保持が可能なものであればその種類に特に制限はないが、蒸気放散性に優れたものであることが好ましい。
上記(i)及び(ii)のいずれの形態においても、冷却体20は、第一シート26及び第二シート28の周縁部を互いに接合することにより形成された袋体の中に、保水材が封入された構成を有していてもよい。冷却体20は、このように第一シート26及び第二シート28が袋体を構成することにより、構成材料の意図しない脱落を防いで製造効率を更に高め、蒸気量を適宜調整することができる。
冷却体20の一形態としては、矩形状の扁平体であり、基材層22と、基材層22上に積層された保水層24とを備えている。また、冷却体20は、第一シート26と、基材層22及び保水層24を介して該第一シート26と対向するよう配された第二シート28とを更に備えている。
(保水層)
上記(i)の形態の場合、保水層24は、基材層22の上に散布された保水材と、該保水材に保持された水とを有している。保水材としては、例えば、炭素成分、繊維材料及び吸水性の粉体等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
また、上記(ii)の形態の場合(保水層24が保水材の役割も担う場合)、保水層24及び保水材としては、たとえば、種々の繊維素材により構成が可能であるが、親水性繊維や、親水性繊維と合成繊維の混紡とすることで構成できる。繊維素材として例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、レーヨン、コットン、パルプ等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
炭素成分は、保水能を有するものであり、例えば、活性炭、アセチレンブラック、及び黒鉛から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。また、繊維材料としては、親水性繊維、中でもセルロース繊維を用いることがより好ましい。セルロース繊維としては、化学繊維(合成繊維)や天然繊維を用いることができる。さらに、前記以外の吸水性の粉体としては、バーミキュライト、おがくず、シリカゲル、ケイ酸カルシウム、ゼオライト、パルプ粉末、及び吸水性ポリマーから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
吸水性ポリマーとしては、自重の20倍以上の液体を吸収、保持できる架橋構造を有する親水性のポリマーが挙げられる。吸水性ポリマーの形状は、球状、塊状、ブドウ房状、及び繊維状のいずれでもよい。吸水性ポリマーの質量平均粒径は、1μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、100μm以上であることがさらに好ましい。また、吸水性ポリマーの平均粒径は、1000μm以下であることが好ましく、700μm以下であることがより好ましく、500μm以下であることがさらにより好ましい。吸水性ポリマーの粒径はレーザー回折法により測定される。
吸水性ポリマーの具体例としては、例えば、デンプン、架橋カルボキシルメチル化セルロース、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合体又は共重合体等、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリアクリル酸塩グラフト重合体からなる群から選択される1種又は2種以上が挙げられる。これらのなかでも、担持される水の量を特定の範囲に維持しやすいことから、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合体又は共重合体等、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリアクリル酸塩グラフト重合体が好ましい。
吸水性ポリマーを使用した場合の保水層の態様としては、例えば、(a)吸水性ポリマーが2枚の透湿性シート間に挟持されて形成された単一層を有する態様、(b)吸水性ポリマーが、基材層22に直接積層されており、単一層状に配された態様、あるいは(c)吸水性ポリマーが隣接して層状に配された第1吸水性ポリマー層と、第1吸水性ポリマー層に隣接し、吸水性樹脂の粉末が2枚の透湿性シート間に挟持されて形成された第2吸水性ポリマー層とが配された積層構造をとる態様等が挙げられる。
保水材に保持される水は、電解質水溶液(たとえば、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の水溶液)由来のものであっても良く、また、例えばエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の防腐剤、静菌剤、殺菌剤や酸化防止剤が添加されていても良い。
保水層24に保有される水の初期含有量は、冷涼マスク1の着用初期の冷涼効果を高めると共に、冷却体20から放出される蒸気の持続性を高め、冷却体20による冷涼効果を長時間に亘り維持する観点から、保水層24の最大吸水量の1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましく、4質量%以上であることがよりさらに好ましい。また、水の初期含有量は、冷却体20の重さを抑え、顔に対する冷涼マスク1のずれ落ちを防止する観点から、保水層24の最大吸水量の20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましく、7質量%以下であることがよりさらに好ましい。
(最大吸水量の測定方法)
保水層24の最大吸水量は、例えば次の方法により測定することができる。すなわち、まず、250メッシュ(61μm)のナイロン製織物袋(100mm×150mm)と試料を秤量し、メッシュ袋の風袋重量と試料の重量を量る。次に、上記メッシュ袋内に試料を入れ、300mLビーカー内に立てて入れ、イオン交換水をメッシュ袋に直接当たらないように300mL加え、30分間浸せきし、充分膨潤させる。その後、10分間吊り下げて水切りを行い、化学天秤で小数点以下2桁まで秤量する。そして、以上により求めた「メッシュ袋総重量」、「メッシュ袋の風袋重量」及び「試料の重量」を用いて、以下の式により最大吸水量を求める。
「最大吸水量」=「メッシュ袋総重量」-「メッシュ袋の風袋重量」-「試料の重量」
保水層24に保有される水の初期含有量(すなわち、酸素遮断袋等の包装袋200を開封させた直後の水含有量)は、上述の観点から、1cmあたり0.04ml以上であることが好ましく、1cmあたり0.08ml以上であることがより好ましく、1cmあたり0.10ml以上であることがさらに好ましく、また、1cmあたり0.40ml以下であることが好ましく、1cmあたり0.30ml以下であることがより好ましく、1cmあたり0.25ml以下であることがさらに好ましい。
(基材層)
基材層22は、保水層24の第一シート26とは反対側の表面を被覆するよう設けられている。
基材層22が着用時に顔側になるように配置した場合、非顔側(マスク本体2の外側)への蒸気発生を促進し、これに伴う気化熱によってマスク本体2内の冷涼効果を高めることが可能となる。また、保水層24の水分が顔側に蒸発することを抑制することにより、冷却体20から放出される蒸気による顔へのムレを抑制することが可能となる。
一方、基材層22が着用時に非顔側になるよう配置した場合、顔側に向けた蒸気発生を促進し、これに伴う気化熱によって顔への冷涼効果を高めることが可能となる。また、保水層24の水分が非顔側に蒸発することを抑制することにより、冷却体20から放出される蒸気の持続性を高めることができるため、冷却体20による冷涼効果を長時間に亘り維持することが可能となる。
上述した、基材層22が顔側、非顔側に配置されている場合でも基材層22の透気度によって適宜非顔側(マスク本体2の外側)や顔側への蒸気発生量を変えることが出来る。例えば、基材層22に伴う気化熱によって蒸気発生を促進し、マスク本体2内の冷涼効果を更に高めたい場合、基材層22としては、透気度が50秒/100mL以下、好ましくは10秒/100mL以下、より好ましくは1秒/100mL以下のシートを用いることができる。また、顔やマスク本体2内の冷却時間の持続効果を高めたい場合としては、非通気性(透気度が80000秒/100mL以上)又は難通気性(透気度が30000秒/100mL以上)のシートを用いることができる。基材層22の透気度は、50000秒/100mL以上であることが好ましく、80000秒/100mL以上であることがより好ましい。
なお、基材層22を非顔側になるよう配置した場合、基材層22の上に保水層24を積層させることで、マスク本体2に冷却体20を設置する際の生産性が向上する。
このような基材層22としては、例えば、合成樹脂フィルムを用いることができ、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等が挙げられる。合成樹脂フィルムは、単層でも、複数層の積層体であってもよい。不織布、紙若しくはフィルム又はこれらの2種以上の積層体を用いることができる。
(第一シート26及び第二シート28)
第一シート26及び第二シート28の少なくとも一方は、非通気性(透気度が80000秒/100mL以上)又は難通気性(透気度が30000秒/100mL以上)のシートを用いることができる。また、第一シート26及び第二シート28の他方は、通気性シートを用いることができる。
非通気性又は難通気性シートの透気度は、50000秒/100mL以上であることが好ましく、80000秒/100mL以上であることがより好ましい。第一シート26及び第二シート28の少なくとも一方にこのような非通気性又は難通気性シートを用いることにより、保水層24の水分が蒸発する方向及び蒸発量をコントロールすることが可能となるため、冷却体20から放出される蒸気の持続性を高め、冷却体20による冷涼効果を長時間に亘り維持することが可能となる。
このような非通気性又は難通気性シートとしては、例えば、合成樹脂製のフィルムを単独で又は複数積層して用いることが可能である。また、非通気性又は難通気性シートは、用途に応じ、外面に不織布等を積層して風合いを高めることができる。不織布は、ニードルパンチ不織布、エアスルー不織布、及びスパンボンド不織布等から選択することができるが、ポリエチレンフィルムとパルプシートからなるラミネートフィルムが好ましい。なお、非通気性又は難通気性シートは、全体として通気性の低いシートであれば、その一部が通気性を有していてもよい。
通気性シートの透気度は、発生した蒸気をゆるやかに放出しつつ、過度に加湿しない観点から、350秒/100mL以下であることが好ましく、100秒/100mL以下であることがより好ましい。第一シート26及び第二シート28の一方にこのような通気性シートを用いることにより、水分の蒸発に伴う気化熱や放熱によって顔への冷涼効果を高めることも可能となる。
このような通気性シートとしては、例えば合成樹脂製の多孔性シートが好ましい。具体的には、ポリエチレン又はポリプロピレン等を含有させ延伸したフィルムが挙げられる。かかる多孔性シートを用いる場合には、多孔性シートの外面に不織布を積層して、該シートの風合いを高めてもよい。不織布としては、例えばニードルパンチ不織布、エアスルー不織布、及びスパンボンド不織布などが挙げられる。水は通さないが酸素や水蒸気を通すシートであって、且つ防漏性が考慮されていれば多孔性シート以外のものであってもよい。例えば、ポリアミド、ビニロン、ポリエステル、レーヨン、アセテート、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリ塩化ビニル等の人工繊維や、パルプ、綿、麻、絹及び獣毛等の天然繊維から選ばれた1種又は2種以上を混合した織布、不織布、紙、合成紙等を、通気シートとして用いることができる。
第一シート26及び第二シート28は、片方が通気性を有し、片方が非通気性又は難通気性であることが好ましい。その場合、目的に応じて適宜顔側、非顔側に配向して良い。
たとえば、顔側に通気性シートを使用し、非顔側に非通気性又は難通気性シートを使用するとよい。そうすることで、顔に対する吸熱効果を高めることが可能となるため、冷涼マスク1の着用初期の冷涼効果を高めると共に、長期間に亘り温度の変動が少ない安定した冷涼感を付与することが可能となる。
一方、顔側に非通気性又は難通気性シートを使用し、非顔側に通気性シートを使用する場合には、マスク本体2の内部空間4内に放出される蒸気量を抑えることが可能となるため、内部空間4内の湿度を抑え、蒸し暑さを低減することが可能となる。また、この場合には、気化熱による冷涼マスク1の外側(外気)への放熱効果を高めることが可能となるため、冷却体20によりマスク本体2内温度をより下げることが可能となる。
(香料成分)
冷却体20は、例えば「合成香料化学と商品知識」(印藤元一著 化学工業日報社)に記載の香料成分を、本発明の効果を妨げない範囲で配合又は任意の箇所に付加することもできる。具体的には、ミルセン、ファルネセン、ピネン、リモネン、カンフェン、フェランドレン、ターピネン、ターピノレン、p-サイメン、セドレン、カリオフィレン等のテルペン系炭化水素;ヘキシルシンナミックアルデヒド、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)-プロパナール、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒド、バニリン等のアルデヒド類;ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、パンプルフルール(2-メチル-4-フェニルペンタノール)、ジメチルベンジルカルビノール、フェニルヘキサノール(3-メチル-5-フェニルペンタノール)等の芳香族アルコール類;アネトール、オイゲノール等のフェノール類;γ-ノナラクトン、γ-ウンデカラクトン等のラクトン類が挙げられる。
(冷涼成分)
冷却体20は、より一層の冷涼感を付与する観点から、冷涼成分を発明の効果を妨げない範囲で配合又は任意の箇所に付加することもできる。身体に存在する温度感受性TRPチャネルのうち、冷受容体であるTRPM8に作用するアゴニストを含有するものが良い。例えば、L-メントール、DL-メントール等のメントール、メンタンジオール、シネオール、メンチルグリセリルエーテル、メントングリセリンアセタール、ブチルシクロヘキサノン、イソプレゴール、トリメチルイソプロピルブタンアミド、メントキシプロパンジオール、カンフル等が挙げられ、TRPM8アゴニストを含有するハッカ油、ペパーミント油、スペアミント油、ユーカリ油等の植物や精油等を使用してもよい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、使用時の心地よさ及び実効感、安全性の観点から、メントール、乳酸メンチル、コハク酸メンチル、グルタル酸メンチル、トリメチルイソプロピルブタンアミド、メントキシプロパンジオール、及びカンフルから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、メントールがより好ましい。
(冷却体の水蒸気発生量)
以上の構成を備える冷却体20は、着用者の顔側への水蒸気発生量が、2.5mg/(cm・時)以上であることが好ましく、5.0mg/(cm・時)以上であることがより好ましく、7.5mg/(cm・時)以上であることがさらに好ましい。このような水蒸気発生量とすることにより、水の気化を利用し効率的に肌を冷やすことができる。
また、冷却体20は、上記水蒸気発生量が、20.0mg/(cm・時)以下であることが好ましく、15.0mg/(cm・時)以下であることがより好ましく、10.0mg/(cm・時)以下であることがさらに好ましい。このような水蒸気発生量とすることにより、内部空間4内の湿度を抑え、蒸し暑さを低減することができる。
着用者の顔側への水蒸気発生量は、図11に示す測定装置40を用いて、次のように測定される数値である。なお、以下の説明では非透水性の包装袋200等に封入されて密封状態となっている冷却体20を対象とし、該非透水性の包装袋200等の開封を開始し、開封開始から図11に示す測定装置40に設置するまでに要する時間、つまり開封開始から5秒後の時点を「水蒸気発生開始時点」と定義する。図11に示す測定装置40は、アルミニウム製の測定室(容積4.2L)41と、測定室41の下部に除湿空気(湿度2%未満、流量2.1L/分)を流入させる流入路42と、測定室41の上部から空気を流出させる流出路43と、流入路42に設けられた入口温湿度計44及び入口流量計45と、流出路43に設けられた出口温湿度計46及び出口流量計47と、測定室41内に設けられた温度計(サーミスタ)48とを備えている。温度計48としては、温度分解能が0.01℃程度のものを使用する。なお、本明細書における蒸気発生量とは、冷却体20の「水蒸気発生開始時点」を起点とし、1時間後までに測定された総量をいう。
なお、冷却体20の上記水蒸気発生量は、保水層24に用いられる保水材の種類及び水の初期含有量等により特定される保水性能と、保水層24に保有される水の粘度及び沸点等により特定される離水率と、第一シート26の配向、透気度等により特定される通気性能とを、上述した各要素の構成及び数値範囲内において相互に調整することにより、実現することが可能である。
(冷却体の配置)
以上の構成を備える冷却体20は、既述のとおり、マスク本体2によって着用者の口及び鼻を覆った際(着用時)において、少なくとも一部が着用者の顔と直接的又は間接的に接触するようマスク本体2に配置されている。本実施形態においては、マスク本体2の内面シート14と外面シート16との間に冷却体20が配されているため、冷却体20は、着用時において、内面シート14を介して着用者の顔と間接的に接触する。
ただし、これに限定されず、マスク本体2の内面に設けられたポケット状の収納部内に冷却体20を収納させ、該収納部を介して冷却体20を着用者の顔と間接的に接触させる構成としても良いし、マスク本体2の内面に粘着剤等により冷却体20を固定させ、冷却体20を着用者の顔と直接的に接触させる構成としても良い。また、着用者の顔と冷却体20との間が熱伝導不能とならない範囲において、着用者の顔と冷却体20との間に他の部材等が介在していても良い。
冷却体20は、着用者の顔と直接的又は間接的(例えばシートを介して接触させる)に接触する範囲(接触範囲)が、冷却体20の着用者の顔と対向する側の面の表面積の10%以上であることが好ましい。具体的には、着用者の顔から冷却体20への伝熱効率を高めると共に、着用者の体温によって温められた水の気化熱による吸熱効率を高める観点から、冷却体20の着用者の顔と対向する側の面の表面積のうち、着用者の顔と直接的又は間接的に接触する範囲(接触範囲)の割合は、10%以上が好ましく、20%以上がより好ましく、30%以上がさらに好ましい。また、冷却の持続時間を長くする観点から、冷却体20の上記接触範囲の割合は、100%以下が好ましく、80%以下がより好ましく、50%以下がより更に好ましい。
(接触面積の測定方法)
ここで、冷却体20の接触面積は、例えば以下の2つの方法により測定することが可能である。
まず、第1の方法は、内面シート14の坪量から冷却体20の接触面積を算出する方法である。具体的には、まず、冷却体20の着用者の顔と対向する側の面の表面積をAとし、内面シート14の坪量をもとに内面シート14のA分の重量WRを算出する。その後、該冷却体20を使用した冷涼マスク1を作成し、有限会社デジタルヒューマンテクノロジー社製の女性版平均人頭データ(出願時における最新データ)に基づいて造形された女性版人頭モデル(幅約18cm、奥行き約21cm、高さ約26cm)に活性炭を付着させる。そして、該女性版人頭モデルに冷涼マスク1を装着し、装着から10分後に冷涼マスク1を外す。その後、内面シート14の冷却体20と積層されている部分を切断し、冷却体20の位置に該当する内面シート14を取り出す。その後、活性炭が付着していない部分を切り取り、重さを測定しWRとする。そして、このようにして求めた「内面シート14のA分(内面シート14の冷却体20と積層されている部分)の重量WR」と、「内面シート14のAのうち、活性炭が付着していない部分の重量WR」とに基づいて、以下の式により、「内面シート14のAのうち、活性炭が付着している部分(すなわち、接触部分)の重量WR」を算出する。このようにして求められた接触部分の重量WRは、活性炭の重量を含まない内面シート14単独の重量である。
「WR-WR=活性炭付着部(接触部分)の内面シート14の重さWR
その後、内面シート14の坪量から該重量WR3に相当する面積を算出し、これを冷却体20の接触面積とする。
なお、測定において、活性炭の代わりに、例えば内面シート14と異なる色を有する粉末等を使用してもよい。
また、第2の方法は、三次元形状データを使用して冷却体20の接触面積を算出する方法である。具体的には、まず、有限会社デジタルヒューマンテクノロジー社製の平均人頭データ(出願時における最新データ)を用いて造形された内部が空洞の女性人頭モデルの表面に遮光性物質を塗布し、該人頭モデル内側(空洞内)の左右こめかみ及び喉元の3点に基準点となる印をつける。その後、Artec Eva(ARTEC 3D社製)を使用し、人頭モデル内側からの三次元データ(基準三次元データ)を取得する。次に、基準点を同じ位置に設けた透明な人頭モデルに、冷却体20が設けられた部分を着色した冷涼マスク1を装着させ、該人頭モデル内側からの三次元データ(実測三次元データ)を取得する。このようにして得られた2枚の3D画像(基準三次元データ及び実測三次元データ)を、三次元画像解析ソフト3D-RUGLE(株式会社メディックエンジニアリング社製)を用いて上記基準点により重ね合わせ、人頭モデルの表面に対する冷却体20の接触部分を特定する。該接触部分の特定にあたっては、人体の場合動きにより接触箇所が変化することを考慮し、冷涼マスク1の着色部分(冷却体20が設けられた部分)であって、かつ、人頭モデルの表面との隙間距離が-0.5mm~0.5mmの範囲に収まる箇所を、冷却体20の接触部分とする。そして、このようにして特定された冷却体20の接触部分の面積を算出し、これを冷却体20の接触面積とする。このように三次元形状データを使用して算出する第2の方法によっても、上記第1の方法とほぼ同様の結果を得ることが可能である。
本実施形態に係る冷却体20は、図2に示すように、第1パネル部10A及び第2パネル部10Bの双方に、縦中心線100を境として左右対称となるように配されている。図示の例においては、左右の両パネルに1つずつ、計2つの冷却体20が設置されている。
各冷却体20は、マスク本体2によって着用者の口及び鼻を覆った際に、着用者の主に頬と直接的又は間接的に接触するよう、縦中心線100から所定の距離をおいて配されている。具体的には、各冷却体20は、マスク本体2の縦中心線100と各冷却体20の縦中心線100側の端部との間の距離Dが5mm以上となるよう配されることが好ましく、10mm以上となるよう配されることがより好ましい。また、該距離Dは、着用者の顔に対する冷涼感を高める観点から、各冷却体20が第1パネル部10A及び第2パネル部10B内に収まる範囲内において、できる限り大きい方が好ましい。ここで、当該距離Dとは、各冷却体20における縦中心線100に最も近い端部と、縦中心線100との間における、縦中心線100と直交する方向に沿った直線距離をいうものとする。
また、各冷却体20は、各冷却体20の接顔側端部5側の端部と、接顔側端部5との間の距離Dが28mm以下となるよう配されることが好ましく、23mm以下となるよう配されることがより好ましい。また、該距離D2は、着用者の顔に対する冷涼感を高める観点から、各冷却体20が第1パネル部10A及び第2パネル部10B内に収まる範囲内において、できる限り小さい方が好ましい。ここで、当該距離Dとは、各冷却体20における接顔側端部5に最も近い端部と、接顔側端部5との間における、縦中心線100と直交する方向に沿った直線距離をいうものとする。なお、図2に示すように、各冷却体20の接顔側端部5側の端部と接顔側端部5とが互いに平行ではない場合には、最も離れた部分における直線距離を距離Dとすることができる。
さらに、該距離Dは、冷却体20を着用者の頬に接触させ、自身の体温で水分を気化させる観点から、各パネル部10A,10Bの横幅Dの50%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、30%以下がさらに好ましい。また、該距離Dは、適度に水分を気化させ、過度な加湿を避ける観点から、各パネル部10A,10Bの横幅Dの10%以上が好ましく、15%以上がより好ましく、20%以上がさらに好ましい。ここで、各パネル部10A,10Bの横幅Dとは、縦中心線(閉塞側端部6)で二分された一方のマスク本体2の横幅をいい、具体的には、縦中心線(閉塞側端部6)と接顔側端部5との間における、縦中心線100と直交する方向に沿った直線距離をいうものとする。なお、図2に示すように、縦中心線(閉塞側端部6)と接顔側端部5とが互いに平行ではない場合には、最も離れた部分における直線距離を横幅Dとすることができる。
さらに、冷却体20は、マスク本体2に設けられる全ての冷却体20の総面積が、マスク本体2の着用者側の面全体の面積に対して所定の占有率を有することが好ましい。具体的には、マスク本体2の着用者側の面全体の面積に対する、冷却体20の占める総面積の割合は、マスク内を効果的に冷やす観点から、40%以上であることが好ましく、42%以上であることがより好ましい。また、この割合は、過度の加湿を防止する観点から、80%以下であることが好ましく、65%以下であることがより好ましい。なお、本実施形態において、マスク本体2の着用者側の面全体の面積とは、立体状に保形された状態におけるマスク本体2の内面の表面積、すなわち、上述した「裏面表面積」のことをいう。
なお、冷却体20の平面形状は、特に限定されず、円形、多角形等であってもよい。製造効率、取り扱い易さ、冷涼効果の観点から、長方形、略正方形等の四角形が好ましく、取り扱いやすさの観点から略正方形がより好ましい。また、冷却体20は、例えば、冷涼マスク1に1個乃至2個以上を、好ましくは各パネル内に設置1個乃至2個以上を設置することが好ましく、左右の両パネルに設置することがより好ましいが、これに限定されるものではない。さらに、冷却体20が複数設置される場合において、複数の冷却体20の冷却特性は同じであっても、異なってもよいが、同じであることがより好ましい。
(10時間平均相対湿度及び10時間平均温度)
以上の構成及び水蒸気発生性能を有する冷却体20を具備する冷涼マスク1によれば、内部空間4における湿度を長時間に亘り抑えることが可能であると共に、着用者の顔を長時間に亘り冷却することが可能となる。
具体的には、第一シート26に通気性シートを使用し顔側に配向すると共に、第二シート28に非通気性又は難通気性シートを使用した冷却体20を具備する冷涼マスク1おいては、内部空間4における10時間平均相対湿度(すなわち、冷却体20が直接的又は間接的に接触していない領域における10時間平均相対湿度)を、80%未満に抑えることが可能となる。また、冷却体20の着用者の顔と直接的又は間接的に接触する部位における10時間平均温度を、29℃以下に抑えることが可能となる。
より具体的には、この場合における冷涼マスク1の10時間平均相対湿度は、90%未満であることがより好ましく、80%未満であることがさらに好ましい。また、この場合における冷涼マスク1の10時間平均温度は、29.5℃以下であることがより好ましく、29.0℃以下であることがさらに好ましい。
また、第一シート26に非通気性又は難通気性シートを使用し顔側に配向すると共に、第二シート28に通気性シートを使用した冷却体20を具備する冷涼マスク1おいては、内部空間4における10時間平均相対湿度を、50%未満に抑えることが可能となる。また、冷却体20の着用者の顔と直接的又は間接的に接触する部位における10時間平均温度を、28.0℃以下に抑えることが可能となる。
より具体的には、この場合における冷涼マスク1の10時間平均相対湿度は、60%未満であることがより好ましく、50%未満であることがさらに好ましい。また、この場合における冷涼マスク1の10時間平均温度は、28.5℃以下であることがより好ましく、27.5℃以下であることがさらに好ましい。
(温度及び相対湿度の測定方法)
ここで、温度及び相対湿度は、以下の方法により測定することが可能である。すなわち、有限会社デジタルヒューマンテクノロジー社製の女性版平均人頭データ(出願時における最新データ)に基づいて造形された女性版人頭モデル(幅約18cm、奥行き約21cm、高さ約26cm)の鼻部(冷却体非接触部)に湿度センサーを配置すると共に、頬部(冷却体接触部)に温度センサーを配置し、サージカルテープで動かないように固定する。そして、30℃40%RH環境下において、該女性版人頭モデルに冷涼マスク1を装着し、30秒毎の温湿度変化を測定する。なお、温度センサーとしては、LT-ST08-12(グラム社製)を用いることができ、湿度センサーとしては、ハイグロクロン(KNラボラトリーズ製)を用いることができる。
[第1実施形態に係る冷涼マスクの利点]
以上説明したとおり、第1実施形態に係る冷涼マスク1は、着用者の顔の少なくとも一部を覆うマスク本体2と、マスク本体2に設けられる冷却体20とを備え、マスク本体2は、着用時において、着用者の顔との間に内部空間4を形成可能に構成されており、冷却体20は、水を保有する保水層24と、第一シート26と、保水層24を介して該第一シート26と対向するよう配された第二シート28とを備え、着用時において、少なくとも一部が着用者の顔と直接的又は間接的に接触するようマスク本体2に配置されており、第一シート26及び第二シート28の少なくとも一方が、非通気性又は難通気性シートからなる。
そして、このような構成を備える冷涼マスク1によれば、上述したとおり、着用者の顔から冷却体20への熱伝導と、冷却体20の水が蒸発することによる気化熱と、冷却体20から外気への熱伝導とが相俟って作用し合うことにより、長時間に亘り、着用者に対して冷涼感を与えることが可能となる。
また、冷却体20の第一シート26及び第二シート28の少なくとも一方が、非通気性又は難通気性シートであることにより、保水層24の水分が蒸発する方向及び蒸発量をコントロールすることが可能となる。それにより、冷却体20から放出される蒸気の持続性を高め、冷却体20による冷涼効果を長時間に亘り維持することが可能となる。
特に、冷却体20が、着用時において、着用者の顔と直接的又は間接的に接触する範囲が冷却体20の着用者の顔と対向する側の面の表面積の10%以上となるようマスク本体2に配置される場合には、より一層、着用者に対して冷涼感を与えることが可能となる。
また、マスク本体2の着用者側の面全体の面積に対する、冷却体20の占める面積の割合が40%以上80%以下である場合には、着用者に対して付与される冷涼感がより顕著なものとなる。
また、第一シート26及び第二シート28の他方が通気性シートからなる場合には、蒸気発生を促進し、これに伴う気化熱や放熱によって顔への冷涼効果を高めることが可能となる。そして、このような利点は、通気性シートが350秒/100mL以下の透気度を有する際に特に顕著となる。
さらに、冷却体20の保水層24における水の初期含有量が1cmあたり0.40ml以下である場合には、冷涼マスク1の着用初期の冷涼効果を高めると共に、冷却体20から放出される蒸気の持続性を高め、冷却体20による冷涼効果を長時間に亘り維持することが可能となる。さらに、冷却体20の重さを抑え、顔に対する冷涼マスク1のずれ落ちを防止することが可能となる。特に、保水層24が吸水性ポリマーを含む場合には、冷却体20から放出される蒸気の持続性能が特に顕著となる。
さらに、30℃40%RHの測定環境条件下において、内部空間4における10時間平均相対湿度が90%未満である場合には、内部空間4における湿度を長時間に亘り抑え、快適なマスク内環境を維持することが可能となる。また、30℃40%RHの測定環境条件下において、冷却体20の着用者の顔と直接的又は間接的に接触する部位における10時間平均温度が29.5℃以下である場合には、着用者の顔を長時間に亘り冷却することが可能となる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るマスク1´について、図12~図17を用いて説明する。
[マスクの全体構成]
第2実施形態に係るマスク1´は、図12に示すように、着用者の少なくとも一部(本実施形態では口及び鼻)を覆うことが可能なマスク本体2´と、マスク本体2´と共に用いられるマスク用冷却シート50とを備えており、これらマスク本体2´とマスク用冷却シート50とを組み合わせることで所謂冷涼マスク(以下、「冷涼マスク1´」という)として機能するよう構成されている。
[マスク本体]
マスク本体2´は、図12に示すように、着用者の少なくとも一部(本実施形態では口及び鼻)を覆うことが可能な大きさを有する本体部10´と、本体部10´を着用者の顔前に保持するための1つ又は2つ以上の耳掛け30´(保持部)とを備えている。マスク本体2´は、耳掛け30´により着用者の顔前に保持された状態において、本体部10´と着用者の顔との間に形成される内部空間内に、マスク用冷却シート50を収容可能に構成されている。マスク本体2´としては、図12に示すプリーツ型のマスクに限定されず、第1実施形態に係るマスク本体2等の折り畳み可能な立体状のマスクや、予め保形された立体状のマスク等の種々のマスクを採用することが可能である。
[マスク用冷却シート]
マスク用冷却シート50は、水を保有する保水層24を備え、マスク本体2´と着用者との間に配された状態において、保水層24の少なくとも一部が着用者の顔と直接的又は間接的に接触するよう構成されている。以下、マスク用冷却シート50として、1又は複数の冷却体20´を内面シート14´と外面シート16´とで挟み込んだ構成(所謂インナーシートタイプ)を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではい。例えば、1又は複数の冷却体20´をそのままマスク用冷却シート50として用いることも可能である。すなわち、本明細書における「マスク用冷却シート」には、1又は複数の冷却体20´と内面シート14´及び外面シート16´とを組み合わせた構成だけではなく、冷却体20´単体の構成も含まれる。なお、冷却体単体をマスク用冷却シートとして用いる場合、冷却体の大きさは任意に変更することが可能である。例えば、図示の大きさの冷却体20´をそのまま用いても良いし、冷却体20´を図示のマスク用冷却シート50と同程度にスケールアップして用いても良い。
本実施形態において、マスク用冷却シート50は、図13に示すように、マスク本体2´の本体部10´内に収まる大きさ及び形状を有するシート状に形成されており、マスク本体2´と着用者の顔との間に収容して使用される所謂インナーシートとして用いられるよう構成されている。マスク用冷却シート50は、一枚のシートから形成されている。マスク用冷却シート50を形成する一枚のシートとは、単一の構造(単層構造)でもよく、或いは複数枚のシートが積層された一体的な多層構造でもよい。マスク用冷却シート50を形成するシート状部材は、複数枚のシートに別個の機能を付与することで、マスク用冷却シート50に種々の機能を付与することが可能となることから、多層構造とすることが好ましい。複数枚のシートを用いる場合には、各シート同士は、エンボスやラミネート状態でもよく、全面が接合されていても、シート間が離間した状態でもよい。また、各シート間が離間した状態の場合の各シート同士の接合は、マスク用冷却シート50の形状に沿って各シートの縁を接合してもよく、縁の一部を結合するのみでもよい。なお、接合方法については下述する方法で接合可能である。
以下、本実施形態の説明では、マスク用冷却シート50が多層構造の一枚のシートにより形成されるものとして説明する。具体的には、マスク用冷却シート50は、図14に示すように、それぞれ、マスク本体2´と着用者との間に配された際に着用者側に向く面を形成する内面シート14´と、同状態においてマスク本体2´側に向く面を形成する外面シート16´とを備えている。内面シート14´及び外面シート16´は、同形同大に形成されており、これら内面シート14´及び外面シート16´が積層された多層構造の一枚のシートとなっている。なお、図示の例では、マスク用冷却シート50は、短手方向と長手方向とを有する略長方形状を有しているが、マスク用冷却シート50の形状はこれに限定されるものではい。マスク本体2´と着用者との間に配された状態において、後述する冷却体20´の少なくとも一部が着用者の顔と直接的又は間接的に接触する形状であれば、種々の任意の形状を採用することが可能である。また、マスク用冷却シート50は、図示のような平面的な形状に限定されず、例えば、呼吸をしやすくする観点から、立体形状であっても良い。なお、マスク用冷却シート50を立体形状とする場合には、折り畳んだ状態から立体形状に変形可能な構成であっても良いし、予め保形されていても良い。
本実施形態に係るマスク用冷却シート50においては、内面シート14´と外面シート16´との間に、冷却体20´が配されている。すなわち、内面シート14´及び外面シート16´の双方が後述するように単層又は多層の不織布からなる場合には、冷却体20´は、2枚以上の不織布に挟まれることとなる。ただし、これに限定されず、マスク用冷却シート50の内面にポケット状の収納部を設け、該収納部に冷却体20´を着脱させる構成としても良いし、粘着剤、縫製、熱融着等の固定手段を用いてマスク用冷却シート50の内面に冷却体20´を固定する構成としても良い。また、外面シート16´と内面シート14´とを局所的に非接着とすることにより、外面シート16´と内面シート14´との間に冷却体20´を挿脱可能な開口及び収納空間を形成する構成としても良い。加えて、マスク用冷却シート50は、収納部を要さず、固定せず、直接マスク本体2´内と着用者の肌との間に配置し、使用する構成としてもよい。更に、外面シート16´と内面シート14´を使用せず、冷却体20´単体をマスク用冷却シートとして、直接マスク本体2´と着用者との間に配置しても良い。
本実施形態においては、外面シート16´には、接着剤(図示せず)が塗布されており、該接着剤を介して冷却体20´及び内面シート14´が接着されている。接着剤としては、ホットメルト型接着剤を用いることが好ましいが、これに限定されず、種々の公知の固定手段を用いることができる。なお、冷却体20´を固定する場合は、外面シート16´に接着剤を塗布する構成に代えて、又はこれに加えて、内面シート14´に接着剤を塗布する構成を採用することも可能である。また、上述のとおり、マスク本体2´と着用者の肌との間に冷却体20´を直接挟んでも良い。この場合、冷却体20´は、マスク本体2´に対して固定されていても良いし、固定されていなくても良い。
マスク用冷却シート50の内面シート14´の材料及び各種物性は、第1実施形態に係るマスク本体2の内面シート14と同様の材料及び各種物性を採用することが可能であるため、その詳細な説明を省略する。また、マスク用冷却シート50の外面シート16´の材料及び各種物性についても同様に、第1実施形態に係るマスク本体2の外面シート16と同様の材料及び各種物性を採用することが可能であるため、その詳細な説明を省略する。
[冷却体]
マスク用冷却シート50が具備する冷却体20´は、第1実施形態に係る冷却体20と同様の冷却体を用いることが可能である。すなわち、冷却体20´は、第1実施形態に係る冷却体20と同様に、水を保有する保水層24と、第一シート26と、保水層24を介して該第一シート26と対向するよう配された第二シート28とを備えている。
冷却体20´の第一シート26及び第二シート28の少なくとも一方は、第1実施形態に係る冷却体20の第一シート26及び第二シート28と同様に、非通気性(透気度が80000秒/100mL以上)又は難通気性(透気度が30000秒/100mL以上)のシートを用いることができる。また、第一シート26及び第二シート28の他方は、通気性シートを用いることができる。なお、冷却体20´の第一シート26及び第二シート28のその他の構成は、第1実施形態に係る冷却体20の第一シート26及び第二シート28と同様の構成を採用可能であるため、その詳細な説明を省略する。
以上の構成を備える冷却体20´は、マスク本体2´と着用者との間にマスク用冷却シート50が配された状態において、冷却体20´の保水層24の少なくとも一部が着用者の顔と直接的又は間接的に接触するよう配されている。本実施形態においては、マスク用冷却シート50の内面シート14´と外面シート16´との間に冷却体20´が配されているため、冷却体20´の保水層24は、着用時において、内面シート14´を介して着用者の顔と間接的に接触する。ただし、これに限定されず、マスク用冷却シート50の内面に設けられたポケット状の収納部内に冷却体20´を収納させ、該収納部を介して冷却体20´の保水層24を着用者の顔と間接的に接触させる構成としても良いし、マスク用冷却シート50の内面に粘着剤等により冷却体20´を固定させ、冷却体20´の保水層24を着用者の顔と直接的に接触させる構成としても良い。また、着用者の顔と冷却体20´との間が熱伝導不能とならない範囲において、着用者の顔と冷却体20´との間に他の部材等が介在していても良い。
冷却体20´が着用者の顔と直接的又は間接的(例えばシートを介して接触させる)に接触する範囲(接触範囲)は、第1実施形態に係る冷却体20と同様に、冷却体20´の着用者の顔と対向する側の面の表面積の10%以上であることが好ましく、20%以上がより好ましく、30%以上がさらに好ましい。また、100%以下が好ましく、80%以下がより好ましく、50%以下がより更に好ましい。なお、冷却体20の接触面積の測定方法は、第1実施形態に係る冷却体20の接触面積の測定方法と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
冷却体20´は、図13に示すように、マスク用冷却シート50の長手方向の中心(縦中心線100´)を境として左右対称となるように配されている。図示の例においては、縦中心線100´を境として左右に1つずつ、計2つの冷却体20´が設置されている。各冷却体20´は、マスク本体2´と着用者との間にマスク用冷却シート50が配された状態において、着用者の主に頬と直接的又は間接的に接触するよう、縦中心線100´から所定の距離をおいて配されている。なお、縦中心線100´から各冷却体20´の端部までの距離は、第1実施形態において詳述した距離Dと同様の距離とすることができ、マスク用冷却シート50の端部から各冷却体20´の端部までの距離は、第1実施形態において詳述した距離Dと同様の距離とすることができる。また、マスク用冷却シート50の端部から各冷却体20´の端部までの距離(距離D)は、第1実施形態において詳述した距離Dと同様に、マスク用冷却シート50の縦中心線100´から端部までの距離(第1実施形態における距離D)の50%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、30%以下がさらに好ましい。また、10%以上が好ましく、15%以上がより好ましく、20%以上がさらに好ましい。さらに、マスク用冷却シート50に設けられる全ての冷却体20´の総面積の割合は、第1実施形態において詳述した「マスク本体2の着用者側の面全体の面積に対する、冷却体20の占める総面積の割合」と同様の割合とすることができる。
冷却体20´の平面形状は、第1実施形態に係る冷却体20と同様に、特に限定されず、円形、多角形等であってもよい。製造効率、取り扱い易さ、冷涼効果の観点から、長方形、略正方形等の四角形が好ましく、取り扱いやすさの観点から略正方形がより好ましい。また、冷却体20´は、例えば、マスク用冷却シート50に1個乃至2個以上を、好ましくは縦中心線100´を境とした両側に1個乃至2個以上を設置することが好ましいが、これに限定されるものではない。さらに、冷却体20´が複数設置される場合において、複数の冷却体20´の冷却特性は同じであっても、異なってもよいが、同じであることがより好ましい。
(10時間平均相対湿度及び10時間平均温度)
以上の構成及び水蒸気発生性能を有する冷却体20´を具備するマスク用冷却シート50によっても、第1実施形態に係る冷涼マスク1と同様に、マスク本体2´と着用者の顔との間に形成される内部空間における湿度を長時間に亘り抑えることが可能であると共に、着用者の顔を長時間に亘り冷却することが可能となる。
具体的には、第一シート26に通気性シートを使用し顔側に配向すると共に、第二シート28に非通気性又は難通気性シートを使用した冷却体20´を具備するマスク用冷却シート50おいては、内部空間における10時間平均相対湿度(すなわち、冷却体20´が直接的又は間接的に接触していない領域における10時間平均相対湿度)を、第1実施形態に係る冷涼マスク1と同様に、80%未満に抑えることが可能となる。また、冷却体20´の着用者の顔と直接的又は間接的に接触する部位における10時間平均温度を、29℃以下に抑えることが可能となる。より具体的には、この場合におけるマスク用冷却シート50の10時間平均相対湿度は、90%未満であることがより好ましく、80%未満であることがさらに好ましい。また、この場合におけるマスク用冷却シート50の10時間平均温度は、29.5℃以下であることがより好ましく、29.0℃以下であることがさらに好ましい。なお、温度及び相対湿度の測定方法は、第1実施形態において説明した温度及び相対湿度の測定方法と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
また、第一シート26に非通気性又は難通気性シートを使用し顔側に配向すると共に、第二シート28に通気性シートを使用した冷却体20´を具備するマスク用冷却シート50においては、内部空間における10時間平均相対湿度を、第1実施形態に係る冷涼マスク1と同様に、50%未満に抑えることが可能となる。また、冷却体20´の着用者の顔と直接的又は間接的に接触する部位における10時間平均温度を、28.0℃以下に抑えることが可能となる。より具体的には、この場合におけるマスク用冷却シート50の10時間平均相対湿度は、60%未満であることがより好ましく、50%未満であることがさらに好ましい。また、この場合におけるマスク用冷却シート50の10時間平均温度は、28.5℃以下であることがより好ましく、27.5℃以下であることがさらに好ましい。
[冷涼マスク(マスク用冷却シート)の使用方法]
次に、第1実施形態に係る冷涼マスク1及び第2実施形態に係る冷涼マスク1´の使用方法について、それぞれ説明する。
第1実施形態に係る冷涼マスク1及び第2実施形態に係る冷涼マスク1´は、少なくとも冷却体20,20´が防水性を有する包装袋200,200´に封入された状態で保存される包装袋付き冷却具である。第1実施形態においては、冷却体20がマスク本体2と一体となっているため、図8に示すように、冷涼マスク1全体が包装袋200に封入された状態で保管されている。この保管状態において、マスク本体2は、保持部30が内側に折り込まれた状態において、縦中心線を中心として折り畳まれても良いし、折り畳まれていなくても良い。一方、第2実施形態においては、図15に示すように、マスク用冷却シート50のみが包装袋200´に封入された状態で保管されている。この保管状態において、マスク用冷却シート50は、縦中心線を中心として折り畳まれても良いし、折り畳まれていなくても良い。第2実施形態において、マスク本体2´は、防水性を有する包装袋200´に封入される必要はないが、マスク用冷却シート50と共に封入されても良い。また、冷却体20,20´のみが包装袋200,200´に封入される構成であっても良い。
第1実施形態に係る冷涼マスク1を使用する際には、まず、着用者は、包装袋200を開封して冷涼マスク1を取り出し、二つ折りになっているマスク本体2を接顔側端部5側から開き、マスク本体2の内側から一対の保持部30を取り出す。そして、図9(a)に示すように、マスク本体2を口及び鼻に当てた状態において保持部30を指で引張り、耳掛け孔32に耳を挿通させる。このようにして一対の保持部30を着用者の左右の耳に引っ掛けることにより、図9(b)に示すように、マスク本体2によって着用者の口及び鼻が覆われた状態が維持されるよう、該マスク本体2を着用者の顔に保持させることができる。
一方、第2実施形態に係る冷涼マスク1´を使用する際には、着用者は、包装袋200´を開封してマスク用冷却シート50(もしくは冷却体20´)を取り出し、図16に示すように、新品のマスク本体2´又は既に着用していたマスク本体2´の内面上にマスク用冷却シート50(もしくは冷却体20´)を設置した状態で、図17に示すように、マスク本体2´を着用者の顔に装着する。この際、マスク用冷却シート50の外面シート16´(又は冷却体20´の第一シート26もしくは第二シート28)がマスク本体2´の内面上に重ね合わされ、かつ、マスク用冷却シート50の縦中心線100´がマスク本体2´の幅方向の中央と一致するよう配置することがフィット性の観点から好ましいが、これに限定されるものではない。
そして、このようにマスク本体2,2´によって口及び鼻が覆われた状態において、冷却体20,20´の保水層24の少なくとも一部が着用者の顔に接触することで、着用者の顔の熱が冷却体20,20´に伝導され、着用者の顔が冷却される。また、着用者の顔の熱で冷却体20,20´が温められ、冷却体20,20´が保有する水が蒸発することにより気化熱が発生する。それにより冷却体20,20´が有する熱が冷却体20,20´の外へ持続的に放熱され、着用者の顔が更に冷却される。さらに、冷却体20,20´から外気への熱伝導によって、冷却体20,20´が有する熱が冷却体20,20´の外へ放熱される。このような冷却メカニズムにより、第1及び第2実施形態に係る冷涼マスク1,1´によれば、長時間に亘り、着用者に対して冷涼感を与えることが可能となる。
なお、冷涼マスク1又はマスク用冷却シート50(もしくは冷却体20´)が封入される包装袋200,200´は、水蒸気バリア性を有する袋(非透水性の包材等)であることが好ましいが、これに限定されるものではない。また、第1及び第2実施形態では、冷涼マスク1全体又はマスク用冷却シート50全体が包装袋200´に封入されているが、これに限定されず、冷却体20,20´がマスク本体2又はマスク用冷却シート50と一体となっていない場合(後付け可能な場合)には、マスク本体2又はマスク用冷却シート50と冷却体20,20´とを個別に包装しても良いし、冷却体20,20´のみを包装しても良い。
[第2実施形態に係るマスク用冷却シートの利点]
以上説明したとおり、第2実施形態に係るマスク用冷却シート50は、着用者の顔の少なくとも一部を覆うマスク本体2´と共に用いられるマスク用冷却シート50であって、水を保有する保水層24を備え、マスク本体2´と着用者との間に配された状態において、保水層24の少なくとも一部が着用者の顔と直接的又は間接的に接触するよう構成されている。
そして、このような構成を備えるマスク用冷却シート50によれば、第1実施形態に係る冷涼マスク1と同様に、着用者の顔から冷却体20´への熱伝導と、冷却体20´の水が蒸発することによる気化熱と、冷却体20´から外気への熱伝導とが相俟って作用し合うことにより、長時間に亘り、着用者に対して冷涼感を与えることが可能となる。
また、冷却体20´の第一シート26及び第二シート28の少なくとも一方が、非通気性又は難通気性シートであることにより、第1実施形態に係る冷涼マスク1と同様に、保水層24の水分が蒸発する方向及び蒸発量をコントロールすることが可能となるため、冷却体20´から放出される蒸気の持続性を高め、冷却体20´による冷涼効果を長時間に亘り維持することが可能となる。
[変形例]
以上、本発明の好適な実施形態を例示して説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
例えば、上述した第1及び第2実施形態では、口及び鼻を覆うことが可能な冷涼マスクであるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、着用者の顔の少なくとも一部を覆うことが可能なものであれば良い。
上述した第1実施形態では、マスク本体2が第1パネル部10A及び第2パネル部10Bを備え、折り畳んだ状態から立体状に変形可能な構成であるものとして説明したが、これに限定されず、予め保形されていても良い。また、立体状のマスク本体2に限定されず、例えばプリーツ型のマスク等の平面的なマスク本体であっても良い。
上記のような変形例が本発明の範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下のマスク及びマスク用冷却シートを開示する。
<1>
着用者の顔の少なくとも一部を覆うマスク本体と、前記マスク本体に設けられる冷却体とを備えるマスクであって、
前記マスク本体は、着用時において、着用者の顔との間に内部空間を形成可能に構成されており、
前記冷却体は、水を保有する保水層と、第一シートと、前記保水層を介して該第一シートと対向するよう配された第二シートとを備え、着用時において、少なくとも一部が着用者の顔と直接的又は間接的に接触するよう前記マスク本体に配置されており、
前記第一シート及び前記第二シートの少なくとも一方は、非通気性シート又は難通気性シートからなる
マスク。
<2>
前記非通気性又は難通気性シートの透気度は、50000秒/100mL以上であることが好ましく、80000秒/100mL以上であることがより好ましい
前記<1>に記載のマスク。
<3>
前記冷却体は、着用時において、着用者の顔と直接的又は間接的に接触する範囲が、該冷却体の着用者の顔と対向する側の面の表面積の10%以上である
前記<1>又は<2>に記載のマスク。
<4>
前記冷却体の着用者の顔と対向する側の面の表面積のうち、着用者の顔と直接的又は間接的に接触する範囲(接触範囲)の割合は、10%以上が好ましく、20%以上がより好ましく、30%以上がさらに好ましく、また、100%以下が好ましく、80%以下がより好ましく、50%以下がより更に好ましい
前記<3>に記載のマスク。
<5>
前記冷却体は、前記マスク本体の第1パネル部及び第2パネル部の双方に、前記マスク本体の縦中心線を境として左右対称となるように配されている
前記<1>~<4>のいずれか1項に記載のマスク。
<6>
前記冷却体は、前記マスク本体の縦中心線と該冷却体の縦中心線側の端部との間の距離Dが、5mm以上となるよう配されることが好ましく、10mm以上となるよう配されることがより好ましい
前記<1>~<5>のいずれか1項に記載のマスク。
<7>
前記冷却体は、該冷却体の接顔側端部側の端部と、前記マスク本体の接顔側端部との間の距離Dが、28mm以下となるよう配されることが好ましく、23mm以下となるよう配されることがより好ましい
前記<1>~<6>のいずれか1項に記載のマスク。
<8>
前記距離Dは、前記マスク本体の各パネル部の横幅Dの50%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、30%以下がさらに好ましく、また、10%以上が好ましく、15%以上がより好ましく、20%以上がさらに好ましい
前記<7>に記載のマスク。
<9>
前記マスク本体の着用者側の面全体の面積に対する、前記冷却体の占める面積の割合は、40%以上80%以下である
前記<1>~<8>のいずれか1項に記載のマスク。
<10>
前記マスク本体の着用者側の面全体の面積に対する、前記冷却体の占める総面積の割合は、40%以上であることが好ましく、42%以上であることがより好ましく、また、80%以下であることが好ましく、65%以下であることがより好ましい
前記<9>に記載のマスク。
<11>
前記第一シート及び前記第二シートの他方は、通気性シートからなり、該通気性シートは、350秒/100mL以下の透気度を有する
前記<1>~<10>のいずれか1項に記載のマスク。
<12>
前記通気性シートの透気度は、350秒/100mL以下であることが好ましく、100秒/100mL以下であることがより好ましい
前記<11>に記載のマスク。
<13>
30℃40%RHの測定環境条件下において、前記内部空間における10時間平均相対湿度が90%未満である
前記<1>~<12>のいずれか1項に記載のマスク。
<14>
30℃40%RHの測定環境条件下において、前記冷却体の着用者の顔と直接的又は間接的に接触する部位における10時間平均温度が29.5℃以下である
前記<1>~<13>のいずれか1項に記載のマスク。
<15>
前記冷却体は、顔側に通気性シートを使用し、非顔側に非通気性又は難通気性シートを使用する
前記<11>又は<12>に記載のマスク。
<16>
前記第一シートに通気性シートを使用し顔側に配向すると共に、前記第二シートに非通気性又は難通気性シートを使用した前記冷却体を具備し、内部空間における10時間平均相対湿度(すなわち、前記冷却体が直接的又は間接的に接触していない領域における10時間平均相対湿度)が、90%未満であることがより好ましく、80%未満であることがさらに好ましい
前記<15>に記載のマスク。
<17>
前記第一シートに通気性シートを使用し顔側に配向すると共に、前記第二シートに非通気性又は難通気性シートを使用した前記冷却体を具備し、前記冷却体の着用者の顔と直接的又は間接的に接触する部位における10時間平均温度が、29.5℃以下であることがより好ましく、29.0℃以下であることがさらに好ましい
前記<15>又は<16>に記載のマスク。
<18>
前記冷却体は、顔側に非通気性又は難通気性シートを使用し、非顔側に通気性シートを使用する
前記<11>又は<12>に記載のマスク。
<19>
前記第一シートに非通気性又は難通気性シートを使用し顔側に配向すると共に、前記第二シートに通気性シートを使用した前記冷却体を具備し、内部空間における10時間平均相対湿度が、60%未満であることがより好ましく、50%未満であることがさらに好ましい
前記<18>に記載のマスク。
<20>
前記第一シートに非通気性又は難通気性シートを使用し顔側に配向すると共に、前記第二シートに通気性シートを使用した前記冷却体を具備し、前記冷却体の着用者の顔と直接的又は間接的に接触する部位における10時間平均温度が、28.5℃以下であることがより好ましく、27.5℃以下であることがさらに好ましい
前記<18>又は<19>に記載のマスク。
<21>
前記保水層は、水の初期含有量が1cmあたり0.40ml以下である
前記<1>~<20>のいずれか1項に記載のマスク。
<22>
前記保水層に保有される水の初期含有量(すなわち、酸素遮断袋等の包装袋を開封させた直後の水含有量)は、1cmあたり0.04ml以上であることが好ましく、1cmあたり0.08ml以上であることがより好ましく、1cmあたり0.10ml以上であることがさらに好ましく、また、1cmあたり0.40ml以下であることが好ましく、1cmあたり0.30ml以下であることがより好ましく、1cmあたり0.25ml以下であることがさらに好ましい
前記<21>に記載のマスク。
<23>
前記保水層に保有される水の初期含有量は、該保水層の最大吸水量の1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましく、4質量%以上であることがよりさらに好ましく、また、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましく、7質量%以下であることがよりさらに好ましい
前記<1>~<22>のいずれか1項に記載のマスク。
<24>
着用者の顔の少なくとも一部を覆うマスク本体と共に用いられるマスク用冷却シートであって、
水を保有する保水層を備え、
前記マスク本体と着用者との間に配された状態において、前記保水層の少なくとも一部が着用者の顔と直接的又は間接的に接触するよう構成されている
マスク用冷却シート。
<25>
第一シートと、前記保水層を介して該第一シートと対向するよう配された第二シートとを更に備え、
前記第一シート及び前記第二シートの少なくとも一方は、非通気性シート又は難通気性シートからなる
前記<24>に記載のマスク用冷却シート。
<26>
前記非通気性又は難通気性シートの透気度は、50000秒/100mL以上であることが好ましく、80000秒/100mL以上であることがより好ましい
前記<25>に記載のマスク用冷却シート。
<27>
前記保水層を有する冷却体を備え、
前記冷却体は、着用時において、着用者の顔と直接的又は間接的に接触する範囲が、該冷却体の着用者の顔と対向する側の面の表面積の10%以上であることが好ましく、20%以上がより好ましく、30%以上がさらに好ましく、また、100%以下が好ましく、80%以下がより好ましく、50%以下がより更に好ましい
前記<24>~<26>のいずれか1項に記載のマスク用冷却シート。
<28>
前記冷却体は、前記マスク用冷却シートの長手方向の中心(縦中心線)を境として左右対称となるように配されている
前記<24>~<27>のいずれか1項に記載のマスク用冷却シート。
<29>
前記冷却体は、前記マスク用冷却シートの縦中心線から該冷却体の端部までの距離が、5mm以上となるよう配されることが好ましく、10mm以上となるよう配されることがより好ましい
前記<24>~<28>のいずれか1項に記載のマスク用冷却シート。
<30>
前記冷却体は、前記マスク用冷却シートの端部から該冷却体の端部までの距離が、28mm以下となるよう配されることが好ましく、23mm以下となるよう配されることがより好ましい
前記<24>~<29>のいずれか1項に記載のマスク用冷却シート。
<31>
前記マスク用冷却シートの端部から前記冷却体の端部までの距離(距離D)は、前記マスク用冷却シートの縦中心線から端部までの距離(距離D)の50%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、30%以下がさらに好ましく、また、10%以上が好ましく、15%以上がより好ましく、20%以上がさらに好ましい
前記<30>に記載のマスク用冷却シート。
<32>
前記マスク用冷却シートの着用者側の面全体の面積に対する、前記冷却体の占める総面積の割合は、40%以上であることが好ましく、42%以上であることがより好ましく、また、80%以下であることが好ましく、65%以下であることがより好ましい
前記<24>~<31>のいずれか1項に記載のマスク用冷却シート。
<33>
前記第一シート及び前記第二シートの他方は、通気性シートからなり、該通気性シートは、350秒/100mL以下の透気度を有する
前記<24>~<32>のいずれか1項に記載のマスク用冷却シート。
<34>
前記通気性シートの透気度は、350秒/100mL以下であることが好ましく、100秒/100mL以下であることがより好ましい
前記<33>に記載のマスク用冷却シート。
<35>
30℃40%RHの測定環境条件下において、前記マスク本体と着用者の顔との間に形成される内部空間における10時間平均相対湿度が90%未満である
前記<24>~<34>のいずれか1項に記載のマスク用冷却シート。
<36>
30℃40%RHの測定環境条件下において、前記冷却体の着用者の顔と直接的又は間接的に接触する部位における10時間平均温度が29.5℃以下である
前記<24>~<35>のいずれか1項に記載のマスク用冷却シート。
<37>
前記冷却体は、顔側に通気性シートを使用し、非顔側に非通気性又は難通気性シートを使用する
前記<33>又は<34>に記載のマスク用冷却シート。
<38>
前記第一シートに通気性シートを使用し顔側に配向すると共に、前記第二シートに非通気性又は難通気性シートを使用した前記冷却体を具備し、内部空間における10時間平均相対湿度(すなわち、前記冷却体が直接的又は間接的に接触していない領域における10時間平均相対湿度)が、90%未満であることがより好ましく、80%未満であることがさらに好ましい
前記<37>に記載のマスク用冷却シート。
<39>
前記第一シートに通気性シートを使用し顔側に配向すると共に、前記第二シートに非通気性又は難通気性シートを使用した前記冷却体を具備し、前記冷却体の着用者の顔と直接的又は間接的に接触する部位における10時間平均温度が、29.5℃以下であることがより好ましく、29.0℃以下であることがさらに好ましい
前記<37>又は<38>に記載のマスク用冷却シート。
<40>
前記冷却体は、顔側に非通気性又は難通気性シートを使用し、非顔側に通気性シートを使用する
前記<33>又は<34>に記載のマスク用冷却シート。
<41>
前記第一シートに非通気性又は難通気性シートを使用し顔側に配向すると共に、前記第二シートに通気性シートを使用した前記冷却体を具備し、内部空間における10時間平均相対湿度が、60%未満であることがより好ましく、50%未満であることがさらに好ましい
前記<40>に記載のマスク用冷却シート。
<42>
前記第一シートに非通気性又は難通気性シートを使用し顔側に配向すると共に、前記第二シートに通気性シートを使用した前記冷却体を具備し、前記冷却体の着用者の顔と直接的又は間接的に接触する部位における10時間平均温度が、28.5℃以下であることがより好ましく、27.5℃以下であることがさらに好ましい
前記<40>又は<41>に記載のマスク用冷却シート。
<43>
前記保水層は、水の初期含有量が1cmあたり0.40ml以下である
前記<24>~<42>のいずれか1項に記載のマスク用冷却シート。
<44>
前記保水層に保有される水の初期含有量(すなわち、酸素遮断袋等の包装袋を開封させた直後の水含有量)は、1cmあたり0.04ml以上であることが好ましく、1cmあたり0.08ml以上であることがより好ましく、1cmあたり0.10ml以上であることがさらに好ましく、また、1cmあたり0.40ml以下であることが好ましく、1cmあたり0.30ml以下であることがより好ましく、1cmあたり0.25ml以下であることがさらに好ましい
前記<43>に記載のマスク用冷却シート。
<45>
前記保水層に保有される水の初期含有量は、該保水層の最大吸水量の1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましく、4質量%以上であることがよりさらに好ましく、また、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましく、7質量%以下であることがよりさらに好ましい
前記<24>~<44>のいずれか1項に記載のマスク用冷却シート。
1,1´ :冷涼マスク
2,2´ :マスク本体
4 :内部空間
4a :上側結合部
4b :下側結合部
5 :接顔側端部
6 :閉塞側端部
7 :上縁部
8 :下縁部
10A :第1パネル部
10B :第2パネル部
10´ :本体部
14,14´:内面シート
16,16´:外面シート
20,20´:冷却体
22 :基材層
24 :保水層
26 :第一シート
28 :第二シート
30,30´:保持部(耳掛け)
31 :耳掛け部本体
32 :耳掛け孔
39 :シール部
50 :マスク用冷却シート
100 :縦中心線
200,200´:包装袋

Claims (9)

  1. 着用者の顔の少なくとも一部を覆うマスク本体と、前記マスク本体に設けられる冷却体とを備えるマスクであって、
    前記マスク本体は、着用時において、着用者の顔との間に内部空間を形成可能に構成されており、
    前記冷却体は、水を保有する保水層と、第一シートと、前記保水層を介して該第一シートと対向するよう配された第二シートとを備え、着用時において、少なくとも一部が着用者の顔と直接的又は間接的に接触するよう前記マスク本体に配置されており、
    前記第一シート及び前記第二シートの少なくとも一方は、非通気性シート又は難通気性シートからなる
    マスク。
  2. 前記冷却体は、着用時において、着用者の顔と直接的又は間接的に接触する範囲が、該冷却体の着用者の顔と対向する側の面の表面積の10%以上である
    請求項1に記載のマスク。
  3. 前記マスク本体の着用者側の面全体の面積に対する、前記冷却体の占める面積の割合は、40%以上80%以下である
    請求項1又は2に記載のマスク。
  4. 前記第一シート及び前記第二シートの他方は、通気性シートからなり、該通気性シートは、350秒/100mL以下の透気度を有する
    請求項1~3のいずれか1項に記載のマスク。
  5. 前記保水層は、水の初期含有量が1cmあたり0.40ml以下である
    請求項1~4のいずれか1項に記載のマスク。
  6. 30℃40%RHの測定環境条件下において、前記内部空間における10時間平均相対湿度が90%未満である
    請求項1~5のいずれか1項に記載のマスク。
  7. 30℃40%RHの測定環境条件下において、前記冷却体の着用者の顔と直接的又は間接的に接触する部位における10時間平均温度が29.5℃以下である
    請求項1~6のいずれか1項に記載のマスク。
  8. 着用者の顔の少なくとも一部を覆うマスク本体と共に用いられるマスク用冷却シートであって、
    水を保有する保水層を備え、
    前記マスク本体と着用者との間に配された状態において、前記保水層の少なくとも一部が着用者の顔と直接的又は間接的に接触するよう構成されている
    マスク用冷却シート。
  9. 第一シートと、前記保水層を介して該第一シートと対向するよう配された第二シートとを更に備え、
    前記第一シート及び前記第二シートの少なくとも一方は、非通気性シート又は難通気性シートからなる
    請求項8に記載のマスク用冷却シート。
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