JP2022119029A - 画像形成システムおよび画像形成装置を操作するための操作ユニット - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、画像形成装置と当該画像形成装置を操作するための操作ユニットであって筐体が備える天面においてフリーに配置可能な操作ユニットとを有する画像形成システムに関する。
複写機等の画像形成装置はユーザが動作の切り換えや各動作における詳細な設定等を操作するための操作ユニットを有する。給紙ユニットや搬送ユニット、後処理ユニットなどのオプション装置を画像形成装置にも連接した系(画像形成システム)においても、ユーザは操作ユニットによって各種オプション装置の設定作業を行う。
ところで、上記のように複数のオプション装置を連接し全長が長い大型の画像形成システムの場合、ユーザは、操作ユニットが設けられている画像形成装置から離れた場所でオプション装置に対する作業を行うことがある。オプション装置及び操作ユニットの操作の度にこれらのオプション装置間を行き来することは面倒である。
そこで、例えば操作ユニットを画像形成装置のみならず、オプション装置にも設置できるものが提案されている(特許文献1)。特許文献1に記載の操作ユニットは、ユーザに情報を表示するディスプレイと、ディスプレイを支持するアームと、アームを介してディスプレイを支持する支持台と、を有する。支持台からのびたアームによって支えられるディスプレイは、支持台が載置される載置面に対して所定の角度をなしている。
例えば、操作ユニットの表示パネルに表示された画像や文字が小さい場合、ユーザによっては見辛いと感じる者もいる。その場合、ユーザはかがむなどして自身の姿勢を調整したり、表示パネルに近付くといった対応をとる。このように、表示パネルの表示を見易いと感じる姿勢や表示パネルまでの距離は、ユーザによって様々である。
そこで、ユーザが操作ユニットを掌に載せた状態で操作を行うことが可能な形態を考える。一般的に操作ユニットを掌に載せて操作する場合は、指先を上方にして掌を自身の顔に向けた状態で操作ユニットを掌に載せている。この状態で自身の腕や手首の角度を調整するなどして、ユーザ各々が自身にとって最適と感じる姿勢で操作ユニットの操作をすることができる。
ここで、操作ユニットを掌に載せた状態で使用しているユーザが、操作ユニットのディスプレイを自身の隣に居る他のユーザに見せる状況が考え得る。具体的な状況を例示すると、印刷前に印刷予定物のプレビューを表示した画面や印刷条件の設定画面を他のユーザに確認してもらうような状況である。ユーザは自身の隣に居る他のユーザにディスプレイを見せる場合は、掌を自身の隣に居るユーザの顔に向けるように、指先を上方に向けた状態で手首を回転させる。こうすることで、掌に載せた操作ユニットのディスプレイが自身の隣にいるユーザの顔の方を向く。
しかしながら、上述した方法で操作ユニットのディスプレイを自身の隣に居るユーザに見せるとき、掌から操作ユニットが滑り落ちてしまう可能性がある。操作ユニットが掌から滑り落ち、床にぶつかってしまうと、その衝撃で操作ユニットが損傷する虞がある。
上述した課題を解決するために、本発明に係る画像形成システムは、用紙に画像形成する画像形成部と、天面を有する筐体と、前記天面に対しフリーに配置され、前記画像形成部に用紙への画像形成をさせるにあたりユーザによる操作を受け付ける操作ユニットと、を有し、前記操作ユニットは、ユーザによるタッチ操作を受け付け可能であって画像形成に関する情報を表示する表示部と、前記表示部が設けられている側とは反対側に設けられ、ユーザの指先を通すことができるバンドと、を備えることを特徴とする。
また、上述した課題を解決するために、本発明に係る画像形成システムの操作に用いられる操作ユニットは、前記画像形成システムの天面に対しフリーに配置することが可能であって、ユーザによるタッチ操作を受け付け可能であって画像形成に関する情報を表示する表示部と、前記表示部が設けられている側とは反対側に設けられ、ユーザの指先を通すことができるバンドと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、指先を上方に向けた状態の掌に操作ユニットを載せた状態において、手首を回転させて掌の姿勢を変えた場合であっても、操作ユニットが掌から滑り落ちて床にぶつかってしまう虞を低減することができる。
以下にて、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。以下、本実施の形態についての説明をするにあたっては、図1に示すように、画像形成装置2に向かって手前側を前方向F、奥側(背側)を後方向B、左側を左方向L、右側を右方向R、上側を上方向U、下側を下方向Dと定義している。
●画像形成システムの構成
図1に示すように、本実施の形態の画像形成システム1は、例えばプリンタである画像形成装置2と、画像形成装置2の左方向L側に隣接して配置され、画像形成されたシートSを積載可能な後処理装置103とを備えている。なお、本実施例では、画像形成装置2や後処理装置103などを筐体と定義する。画像形成装置2の上面には、作業スペースとして使用可能な天面109が設けられている。本実施例において、天面109の広さは、この画像形成装置2が画像形成可能なシートSの最大サイズより広い。ユーザは、天面109で図面を広げて製図等の作業を行う。したがって、画像形成システム1が設置されているフロアが水平であると仮定すると、天面109も水平になるように構成されている。加えて、天面109は、可能な限りフラットに構成されている。ここで、後述する図4にて符号1010で示す領域が作業スペースの例である。画像形成システム1が水平に設置されていれば、作業スペース1010も水平をなす。また、この領域は天面109の一部であるのでフラットである。「フラットな面」とは、画像形成システム1の外装の設計上やむを得ず出来てしまう部材同士の接続箇所などを除き、溝などの凹凸を極力なくすように設計されている面のことを言う。作業スペース1010は、最低限A3サイズの用紙を広げることが出来る程度の領域があれば十分であり、この領域においてフラットな面が確保されていればよい。なお、天面109は例えば樹脂製のプレートで構成されており、製造上やむを得ず生じる程度のがたつきやうねりがあっても、「フラットな面である」と考えることとする。また、ここで言う水平とは、数学的な厳密の意味での水平ではなく、実用上、水平とみなすことができる程度の水平、すなわち略水平を含む概念である。
図1に示すように、本実施の形態の画像形成システム1は、例えばプリンタである画像形成装置2と、画像形成装置2の左方向L側に隣接して配置され、画像形成されたシートSを積載可能な後処理装置103とを備えている。なお、本実施例では、画像形成装置2や後処理装置103などを筐体と定義する。画像形成装置2の上面には、作業スペースとして使用可能な天面109が設けられている。本実施例において、天面109の広さは、この画像形成装置2が画像形成可能なシートSの最大サイズより広い。ユーザは、天面109で図面を広げて製図等の作業を行う。したがって、画像形成システム1が設置されているフロアが水平であると仮定すると、天面109も水平になるように構成されている。加えて、天面109は、可能な限りフラットに構成されている。ここで、後述する図4にて符号1010で示す領域が作業スペースの例である。画像形成システム1が水平に設置されていれば、作業スペース1010も水平をなす。また、この領域は天面109の一部であるのでフラットである。「フラットな面」とは、画像形成システム1の外装の設計上やむを得ず出来てしまう部材同士の接続箇所などを除き、溝などの凹凸を極力なくすように設計されている面のことを言う。作業スペース1010は、最低限A3サイズの用紙を広げることが出来る程度の領域があれば十分であり、この領域においてフラットな面が確保されていればよい。なお、天面109は例えば樹脂製のプレートで構成されており、製造上やむを得ず生じる程度のがたつきやうねりがあっても、「フラットな面である」と考えることとする。また、ここで言う水平とは、数学的な厳密の意味での水平ではなく、実用上、水平とみなすことができる程度の水平、すなわち略水平を含む概念である。
本実施の形態では、画像形成装置2の一例としてタンデム型のフルカラープリンタについて説明している。但し、本発明はタンデム型の画像形成装置2に限られず、他の方式の画像形成装置であってもよく、また、フルカラーであることにも限られず、モノクロやモノカラーであってもよい。
図2に示すように、本実施例において、筐体の一例である画像形成装置2は、画像形成部筐体2aと搬送部筐体2bの2カ所に分けることができる。搬送部筐体2bは画像形成部筐体2a内で画像形成された用紙を不図示の後処理装置103へ向けて搬送する。画像形成部筐体2aおよび搬送部筐体2bそれぞれも筐体の一例である。画像形成部筐体2aは天面109aを有し、搬送部筐体2bは天面109bを有する。画像形成部筐体2aと搬送部筐体2bとは連結させることができ、天面109aと天面109bも連結して1つのフラットな天面109を構成する。このように、画像形成部筐体2aと搬送部筐体2bとは連結・分離することができるため、例えば建物の高層階に搬送する場合などに、それぞれを分離した状態でエレベータに乗せ所定のフロアへ搬送することができる。こうすることで、全長が長く大型の画像形成システム1であっても容易にエレベータ等を用いて建物内の所定のフロアへ搬送することができる。
トナー供給ユニット20と、シート給送部30と、画像形成部40と、シート搬送部50と、シート排出部60と、電装ユニット70と、操作ユニット80とを備えている。尚、記録材であるシートSは、トナー像が形成されるものであり、具体例として、普通紙、普通紙の代用品である合成樹脂製のシート、厚紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等がある。
シート給送部30は、画像形成装置2の下部に配置されており、シートSを積載して収容するシートカセット31と、給送ローラ32とを備え、シートSを画像形成部40に給送するようになっている。
画像形成部40は、画像形成ユニット41と、トナーボトル42と、露光装置43と、中間転写ユニット44と、2次転写部45と、定着装置46とを備え、画像形成を行うよう。
画像形成ユニット41は、イエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)、ブラック(k)の4色のトナー画像を形成するための4個の画像形成ユニット41y、41m、41c、41kを備える。これらは、それぞれ画像形成装置2に対してユーザにより着脱可能になっている。例えば、画像形成ユニット41yは、トナー画像を形成する感光体ドラム47yと、帯電ローラ48yと、現像スリーブ49yと、不図示のドラムクリーニングブレードと、トナー等とを備えている。また、画像形成ユニット41yには、トナーが充填されたトナーボトル42yからトナーが供給される。また、他の画像形成ユニット41m、41c、41kについては、いずれもトナーの色が異なる他は画像形成ユニット41yと同様の構造となっているので、詳細な説明は省略する。
露光装置43yは、感光体ドラム47yの表面を露光して感光体ドラム47yの表面上に静電潜像を形成する露光手段となっている。
中間転写ユニット44は、画像形成ユニット41の下方向Dに配置されている。中間転写ユニット44は、駆動ローラ44aや1次転写ローラ44y、44m、44c、44k等の複数のローラと、これらのローラに巻き掛けられた中間転写ベルト44bとを備えている。1次転写ローラ44y、44m、44c、44kは、感光体ドラム47y、47m、47c、47kにそれぞれ対向して配置され、中間転写ベルト44bに当接するようになっている。中間転写ベルト44bに1次転写ローラ44y、44m、44c、44kによって正極性の転写バイアスを印加することにより、感光体ドラム47y、47m、47c、47k上のそれぞれの負極性を持つトナー像が順次中間転写ベルト44bに多重転写される。これにより、中間転写ベルト44bに、フルカラー画像が形成されるようになっている。
2次転写部45は、2次転写内ローラ45aと、2次転写外ローラ45bとを備えている。2次転写外ローラ45bに正極性の2次転写バイアスを印加することによって、中間転写ベルト44bに形成されたフルカラー画像をシートSに転写するようになっている。尚、2次転写内ローラ45aは中間転写ベルト44bの内側で該中間転写ベルト44bを張架しており、2次転写外ローラ45bは中間転写ベルト44bを挟んで2次転写内ローラ45aと対向する位置に設けられている。
定着装置46は、定着ローラ46a及び加圧ローラ46bを備えている。定着ローラ46aと加圧ローラ46bとの間をシートSが挟持搬送されることにより、シートSに転写されたトナー像は加圧加熱されてシートSに定着されるようになっている。なお、本実施の形態においては、搬送部筐体2bが定着装置46を有しているが、このような形態に限らない。例えば、画像形成部筐体2aが定着装置46を有し、搬送部筐体2bは定着装置46を備えない構成でも構わない。当然ながら、いずれの筐体それぞれが定着装置を備えていても構わない。
シート搬送部50は、シート給送部30から給送されたシートSを画像形成部40からシート排出部60に搬送するようになっており、2次転写前搬送経路51と、定着前搬送経路52と、排出経路53と、再搬送経路54とを備えている。
シート排出部60は、排出経路53の下流側に配置された排出ローラ対61と、画像形成装置2の左方向L側の側部に配設された排出口62とを備えている。排出ローラ対61は、排出経路53から搬送されるシートSをニップ部から給送し、排出口62から排出するようになっている。排出口62は、画像形成装置2の左方向L側に配置された後処理装置103にシートSを給送可能になっている。
図3に示すように、電装ユニット70は、制御部を含む制御基板である画像コントローラ710と、リムーバブル大容量記憶装置であるハードディスクドライブ(以下、HDDという)72とを内蔵している。画像コントローラ710はコンピュータにより構成され、例えばCPU73と、各部を制御するプログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM75と、外部と信号を入出力する入出力回路(I/F)76とを備えている。HDD72は、電子データを保存するためのリムーバブルな大容量記憶装置で、主に画像処理プログラム、デジタル画像データ、デジタル画像データの付帯情報を蓄積することができる。画像形成時には、HDD72から画像データが読み出される。
CPU73は、画像形成装置2の制御全体を司るマイクロプロセッサであり、システムコントローラの主体である。CPU73は、入出力回路76を介して、シート給送部30、画像形成部40、シート搬送部50、シート排出部60、HDD72、操作ユニット80に接続され、各部と信号をやり取りすると共に動作を制御するようになっている。また、画像コントローラ710は、画像形成装置2に接続された不図示のコンピュータからの指令や、操作ユニット80の操作等により、ユーザが操作や設定を可能になっている。
操作ユニット80は、画像形成装置2に対して別体に設けられ、画像形成装置2の各部を操作可能になっている。操作ユニット80は、ドライバ基板81と、表示パネル82(表示部)とを備えている。表示パネル82は、画像形成装置2に補給されたシートSの残量やトナーの残量、これらの消耗品がなくなった際の警告メッセージ、消耗品を補給する際の手順の表示等、ユーザが画像形成装置2を操作するために必要な情報を表示するようになっている。また、表示パネル82は、シートSのサイズや坪量、画像の濃度調整、出力枚数の設定等、ユーザの操作入力を受け付けるようになっている。
操作ユニット80は、画像形成装置2の電装ユニット70に対してケーブル90により接続されて通電可能になっている。ケーブル90は、信号線90aと電源線90bがまとめられた束線としているが、信号線90aと電源線90bが別々のケーブルであっても良い。信号線90aは、画像コントローラ710の入出力回路76とドライバ基板81とを接続し、電源線90bは、画像形成装置2の電源装置17とドライバ基板81とを接続している。
次に、このように構成された画像形成装置2における画像形成動作について説明する。
画像形成動作が開始されると、まず感光体ドラム47y、47m、47c、47kが回転して表面が帯電ローラ48y、48m、48c、48kにより帯電される。そして、露光装置43y、43m、43c、43kにより画像情報に基づいてレーザ光が感光体ドラム47y、47m、47c、47kに対して発光され、感光体ドラム47y、47m、47c、47kの表面上に静電潜像が形成される。この静電潜像にトナーが付着することにより、現像されてトナー画像として可視化され、中間転写ベルト44bに転写される。
一方、このようなトナー像の形成動作に並行して給送ローラ32が回転し、シートカセット31の最上位のシートSを分離しながら給送する。そして、中間転写ベルト44bのトナー画像にタイミングを合わせて、2次転写前搬送経路51を介してシートSが2次転写部45に搬送される。更に、中間転写ベルト44bからシートSに画像が転写され、シートSは、定着装置46に搬送され、ここで未定着トナー像が加熱加圧されてシートSの表面に定着され、排出ローラ対61により排出口62から排出されて後処理装置103に供給される。
●操作ユニットの構成
まず、電装ユニット70、操作ユニット80、ケーブル90、カバー101、開口部102の概要について説明する。
まず、電装ユニット70、操作ユニット80、ケーブル90、カバー101、開口部102の概要について説明する。
電装ユニット70は画像形成装置2背面に設けられている。電装ユニット70にケーブル90片端に設けられたコネクタ(不図示)が接続される。ケーブル90は操作ユニット80を制御するための制御信号を伝送ユニット70から操作ユニット80に伝送する。ケーブル90は画像形成装置2と操作ユニット80とを通信可能に接続する役割を果たす。ケーブル90のもう一方の端部はコネクタ(不図示)が設けられ、操作ユニット80へ接続される。このように、操作ユニット80は、ケーブルで画像形成装置2に接続されているものの、天面109に対しては固定されていない。そのため、ユーザはケーブルが延びる範囲内であれば、操作ユニット80を天面109上の任意の位置にフリーに配置することができる。このように、ここで言う「フリー」とは、操作ユニット80は例えばビス等で天面109に固定されていない状態、すなわち天面109上で自由に配置位置を変更できる構成のことである。
なお、本実施の形態においては、画像形成装置2と操作ユニット80とはケーブル90を介して双方向の通信を行う。そのため、上述したように、操作ユニット80はケーブル90のケーブル長の範囲内で自由に配置を変更することができる。他の形態としては、実施例4で詳しく説明するが、無線通信方式を用いる形態が考えられる。この場合は、操作ユニット80を移動させることのできる範囲がケーブルによって制限されることがない。したがって、ケーブル90の長さの範囲を超えて操作ユニット80を移動させることができる。この場合でも、操作ユニット80の配置場所は天面109上において自由に変更することができるので、操作ユニット80を天面109の上においてフリーに配置できる。
図4および図5は、天面109上において、操作ユニット80を配置することができる位置について説明するための図である。例えば、図4に示されるように画像形成装置2上面109の原稿読取装置115寄りのスペースへの配置が可能であり、また、図5に示されるように給紙装置105上面106のスペースへの配置も可能である。図4、図5に示していない操作ユニット80の配置であっても後処理装置103上面104等、画像形成システム上面への配置が可能である。また、画像形成システム上面以外のスペースであっても画像形成システム近傍へ作業台等を設置し、その上へ操作ユニット80を配置することも可能である(不図示)。
図6(a)は操作ユニット80を上方から鉛直方向に沿って見た図、図6(b)は操作ユニット80の底面を見た図、図6(c)は操作ユニット80の側面図である。
図6(a)に示すように操作ユニット80は表示パネル82を有する。本実施の形態における操作ユニット80の表示パネル82は液晶タッチパネルである。つまり、表示パネル82はユーザによるタッチ操作を受け付け可能である。タッチ操作とは、指先で表示パネル82をタッチする操作のことであり、フリックやスクロール等の動作を総称する操作である。操作ユニット80の後方からはケーブル90が延びている。また、図6(b)に示すように、操作ユニット80の底面には弾性部材の一例であるゴム足85(85a、85b1)が設けられている。これらゴム足85は第1の接触部~第4の接触部の一例でもあり、天面109に接触する部分である。ゴム足85は操作ユニット80を天面109に配置した際に天面109に接触する部分である。ゴム足85は表面の摩擦係数が高い弾性部材で構成されている。また、ゴム足85は、操作ユニット80が天面109に配置された際に若干撓む構成となっている。そのため、本実施例のように4点で操作ユニット80を支持することが可能となる。平面波数学的には3点で1つに決まるが、ゴム足85のいずれかが撓むことによって、4点全てが天面109に接触する。本実施例の操作ユニット80では、手前側ゴム足85aが手前側2か所、奥側ゴム足85b1が奥側2か所に設けられている。これにより、ユーザが表示パネル82のいずれの部分を押圧しても操作ユニット80がぐらついてしまう虞を低減している。
また、図6(b)に示すように、4つのゴム足85は操作ユニット80の重心Gを囲むように配置されている。言い換えれば、重心Gは4つのゴム足85に囲まれる領域内に位置する。このように配置されていることで操作ユニット80は4つのゴム足85によって安定的に支持される。つまり、ユーザにとっての操作性が向上する。操作ユニット80を上方から鉛直方向に沿って見たとき、後述する表示面820に垂直な垂直方向と鉛直方向との双方に垂直な方向(紙面の表裏方向)と、表示面820に垂直な方向と、の双方に垂直な方向であって表示パネル82の傾斜を登る方向において、ゴム足85aは重心Gよりも上流側、ゴム足85b1は重心Gより下流側に位置する。
さらに、2つのゴム足85b1は、一方が操作ユニット80の底面の右側端部に、他方は左側端部に設けられている。なお、ここでは、天面109に配置された操作ユニット80を操作ユニット80の底側から見ていると仮定しているため、紙面の左側を操作ユニット80の右側、紙面の右側を操作ユニット80の左側と定義している。操作ユニット80の左右方向の幅をL1と仮定したとき、一方のゴム足85b1はL1を4等分したときの最も右側(一端側)の領域に、他方のゴム足85b1はL1を4等分したときの最も左側(他端側)の領域に位置することが好ましい。このように、2つのゴム足85b1の間隔を離して配置することによって、天面109に配置された場合における操作ユニット80の安定性を向上させることができる。
なお、ここでいう左右方向とは、後述する表示面820に垂直な垂直方向と鉛直方向との双方に垂直な方向のことであり、操作ユニット80の幅方向である。
図6(c)は天面109配置した操作ユニット80を操作ユニット80の右側から見た図である。ここで、操作ユニット80を置いた際にゴム足85が天面109に倣うことでできる面をゴム足面と称することとして、図中においてB面として示す。上述したように、ゴム足85が剛体の場合は、四箇所で天面109に接触した場合、そのうち一箇所が浮き上がってしまう。これは、部品公差上やむを得ないことである。そこで、四箇所のゴム足85のうち、少なくとも二箇所以上を弾性体にすることで、四箇所のゴム足85全てが天面109に倣う。これにより、ユーザは、天面109上において操作ユニット80を安定的に操作することが可能になる。
ここで、図6(c)を用いてケーブル90が操作ユニット80の後方から延びていることの利点を説明する。図6(c)に示すように、ケーブル90は、操作ユニット80を鉛直方向に沿って見たときに、表示パネル82を登る方向に向けて操作ユニット80から延びている。この「延びる方向」は、操作ユニット80を鉛直方向に沿って見たときに、後述する表示面820に垂直な垂直方向と鉛直方向との双方に垂直な方向(紙面の表裏方向)と、表示面820に垂直な方向と、の双方に垂直な方向と一致する。
このように、ケーブル90が操作ユニット80の奥側から後方へ向けて延びていることで、操作ユニット80を操作するユーザからはケーブル90と操作ユニット80との接続部分が見えない。これにより、操作ユニット80のデザイン性を向上させることができる。
図7(a)は操作ユニット80の斜視図と表示パネル82の拡大図である。図に示すように操作ユニット80は支持台86を有する。支持台86は表示パネル82を支持している。より具体的には、支持台86は、操作ユニット80が天面109に配置された場合に、表示パネル82が天面109に対して所定の角度となるように、天面109に対して表示パネル82を支持している。
また、支持台86は、ゴム足85(85a、85b1)を有する。より具体的には、支持台86の手前側における右端と左端にゴム足85aが設けられており、支持台86のお奥側にはアーム822が設けられている。そして、このアーム822の右端と左端にもまたゴム足85b1が設けられている。これら4つのゴム足85が天面109に接触した状態のとき、天面109に対する表示パネル82の角度が所定の角度に決まる。
表示パネル82は、コピースタートのためのボタンや用紙サイズの設定画面、印刷枚数の設定画面、トナー残量の表示画面など、画像形成に関する情報を表示可能な表示面820を有する。本実施例では表示パネル82の端部を除く部分に表示面820が設けられているが、表示パネル82の全面に画像形成に関する情報や印刷設定のための画面を表示しても構わない。ただし、いずれの場合にせよ、天面109に対する表示面820の傾斜角度は、表示パネル82の中央付近(図7(a)における表示面820にあたる領域)が天面109に対してなす角を意味する。
図8は操作ユニット80に設けられたアーム822の機能について説明するための図である。図8(a)は、操作ユニット80の裏側にアーム822が収容された状態を示す。また、図8(b)は、アーム822が起きた状態の操作ユニット80を示す。
図8に示すように、操作ユニット80の裏側には、操作ユニット80に対して回動可能なアーム822が設けられている。アーム822を操作ユニット80の裏側に収容したり(図8(a))、アーム822を起こしたり(図8(b))することで、天面109に対する表示パネル82の角度を調整することができる。本実施の形態において、この角度は、アーム822が操作ユニット80の裏側に収容された状態のときは30度である。また、アーム822が起きた状態のときは45度である。このように、天面109に対する表示パネル82の角度を調整することができるので、車いすに乗ったユーザや高身長のユーザなど、目線の高さが異なる様々ユーザにとって使用し易いという効果がある。
●操作ユニットにバンドを設けることの効果
本実施の形態のように、操作ユニット80を天面109上においてフリーに配置できる構成の場合、ユーザは操作ユニット80を手に取って持ち上げ、天面109の任意の場所に置いて使用することができる。ユーザによっては、操作ユニット80を天面109に配置した状態ではなく、手に取った状態で使用する者もいる。例えば、表示パネル82に表示された文字や図形が小さく感じる場合など、表示パネル82に目を近付けたくなることがある。そのような場合、天面109に配置された操作ユニット80の表示パネル82を近くで見ようとすると、ユーザはかがんだ姿勢をとる必要があり、このような姿勢をとることを面倒に感じる者もいる。特にそのような者は、自身の掌に操作ユニット80を載せた状態で、表示パネル82の閲覧や操作することを好む傾向がある。
本実施の形態のように、操作ユニット80を天面109上においてフリーに配置できる構成の場合、ユーザは操作ユニット80を手に取って持ち上げ、天面109の任意の場所に置いて使用することができる。ユーザによっては、操作ユニット80を天面109に配置した状態ではなく、手に取った状態で使用する者もいる。例えば、表示パネル82に表示された文字や図形が小さく感じる場合など、表示パネル82に目を近付けたくなることがある。そのような場合、天面109に配置された操作ユニット80の表示パネル82を近くで見ようとすると、ユーザはかがんだ姿勢をとる必要があり、このような姿勢をとることを面倒に感じる者もいる。特にそのような者は、自身の掌に操作ユニット80を載せた状態で、表示パネル82の閲覧や操作することを好む傾向がある。
また、ここまでで説明した実施形態では、操作ユニット80と画像形成装置2との通信を、ケーブル90を介して行う形態であったが、無線通信によって通信する形態も考え得る。なお、無線通信の形態に関して詳しくは実施例4として後述する。このような無線通信の形態では、画像形成装置2から離れた位置にて操作ユニット80が操作されることが多いので、操作ユニット80を掌に載せた状態で使用するユーザが尚更想定される。
図9は、後述するバンド92を用いた操作ユニット80の使用態様を説明するための図である。ここでは、水平面に対する表示パネル82の角度が約30~45度となる角度で操作ユニット80が使用される状況を想定している。つまり、ここで想定している状況は、掌が自身の顔を向くような状態で操作ユニット80を保持している状況である(図9(a))。図9(a)に示すように、掌に操作ユニット80を載せた状態では、操作ユニット80が落下することはない。
しかしながら、図9(a)の状態において、手首を回転させる動きをした場合、つまり図9(a)の状態から掌を裏返すような動きをした場合、操作ユニット80は落下してしまう。完全に掌を裏返す動作をしなくとも、手首を少々回転させた場合でも、掌から操作ユニット82が滑り落ちてしまう可能性がある。例えば自身の隣に居る別のユーザに、表示パネル82に表示された情報を確認してもらうために、表示パネル82を見せるようなケースである。具体的には、用紙に印刷する前に印刷内容を表示パネル82にプレビュー表示させ、その画面を他のユーザに見せるケースや印刷部数、両面・片面等の設定(画像形成に関する情報)を他のユーザに見せるケースが考え得る。どの程度手首を回転させれば操作ユニット80が掌から滑り落ちてしまうかは、掌のコンディションや掌と接している操作ユニット80の裏側の材質や形状等によって異なるが、少なくとも掌が裏返るまでには操作ユニット80は掌から滑り落ちてしまう。自身の隣に居るユーザに表示パネル82を見せるようなケースにおいて、ユーザは操作ユニット80が掌から滑り落ちないように、掌の姿勢に注意を払う者がいる一方で、無意識的に手首を回転させてしまうことも十分に考え得る。そのような場合であっても、後で詳しく説明するバンド92に掌(指先)を通していれば、手首を回転させることによる、操作ユニット80の落下を防ぐことができる。その様子を図示したのが図9(b)である。図9(b)において、ユーザは掌を完全に裏返しており、掌から操作ユニット80が滑り落ちている。しかしながら、バンド92に掌を通していたため、バンド92が掌に引っ掛かり、操作ユニット80が落下して床にぶつかってしまうことを防ぐことができている。
ここで、図9(c)は、掌の姿勢を指先が下を向くような姿勢にした状態を示す。掌の姿勢をこのような姿勢にしてしまうと、例えバンド92に掌を通していたとしても、指先からバンド92が抜けてしまい、操作ユニット80が掌から滑り落ちてしまう虞がある。そのため、自身の隣に居るユーザや向かい合うユーザに表示パネル82を見せる場合に、図9(c)に示すような見せ方をすることは避けるべきである。本実施の形態におけるバンド92は、操作ユニット80が掌から滑り落ちてしまう可能性を低減するものであるが、指先を下に向けた場合であっても、その落下を防ぐものではない。本実施形態におけるバンド92は、指先を上に向けた状態で手首を回転させた場合に、掌から操作ユニット80が滑り落ちてしまう可能性の低減を図るものである。
●実施例1におけるバンドの構成について
図10は操作ユニット80の裏側の斜視図である。ここで言う、操作ユニット80の裏側とは、表示パネル82が設けられている側とは反対側のことである。操作ユニット80のゴム足85を天面109に接触させた状態のとき、表示パネル82が鉛直方向における上方を向く。この状態を通常の使用状態と定義し、この時に上方を向いている側、つまり表示パネル82が設けられている側を操作ユニット80の表側と定義する。したがって、この時、操作ユニット80の裏側は天面109を向いている。
図10は操作ユニット80の裏側の斜視図である。ここで言う、操作ユニット80の裏側とは、表示パネル82が設けられている側とは反対側のことである。操作ユニット80のゴム足85を天面109に接触させた状態のとき、表示パネル82が鉛直方向における上方を向く。この状態を通常の使用状態と定義し、この時に上方を向いている側、つまり表示パネル82が設けられている側を操作ユニット80の表側と定義する。したがって、この時、操作ユニット80の裏側は天面109を向いている。
図10(a)は、アーム822を操作ユニット80に対して閉じた状態、つまりアーム822が操作ユニット80の裏側に収容された状態を示している。更に、アーム822には、バンド92を収容するための溝93が形成されている。このように、溝93はバンド92を完全に収容することができるスペースを有している。バンド92が溝93に完全に収容された状態では、バンド92は複数のゴム足85によって決まる仮想平面から露出しない。仮想平面は複数のゴム足85のうちから任意の3つの足を選んで定義すればよい。仮想平面からバンド92が露出していない状態のことをバンド92が溝93に収容された状態と定義する。バンド92を含む操作ユニット80全体の大きさ(空間を占有する体積)は、バンド92を溝93に収容した状態のときの方が、バンド92が操作ユニット80の裏側から露出した状態のときに比べて小さい。つまり、操作ユニット80の裏側に溝93を形成することで、操作ユニット80のコンパクト化を図ることができる。また、バンド92が操作ユニット80の裏側から露出していないことは、美観の向上という効果も奏する。操作ユニット80を天面109に配置した状態のときに、仮に操作ユニット80の裏側からバンド92の一部が露出していた場合、美観が損なわれていると感じるユーザも一定数存在するであろうと想定される。バンド92を使用しない状況では、溝93にバンド92を収容できるので、上述した美観の低下を抑えることができる。更に、バンド92が溝93に収容された状態のとき、複数のゴム足85によって決まる仮想平面からバンド92は露出しない。そのため、操作ユニット80を天面109に配置したときに、バンド92の一部が天面109に接触してしまい、操作ユニット80がぐらついてしまう虞を低減することができる。バンド92を使用しない時、つまり掌に操作ユニット80を載せて使用しない場合、操作ユニット80は天面109に配置されるケースが多い。操作ユニット80の裏側に溝93が形成されていることで、バンド92を収容することができるので、操作ユニット80を天面109に配置して使用する場合でも操作ユニット80がぐらつくことなく安定的に使用することができる。
次に、図10(a)および図10(b)を用いて、バンド92を溝93に対して出し入れする方法を説明する。図10(a)および図10(b)に示すように、バンド92の一端側には長孔95が形成されている。バンド92の一端側は、この長孔95を介して、操作ユニット80の裏側にビス94bで固定されている。つまり、バンド92の一端側は長孔95の範囲内で操作ユニット80に対してスライド移動することができる。一方、バンド92の他端側はビス94aによって操作ユニット80の裏側に固定されている。こうすることで、バンド92の一端側を他端側に向けてスライド移動させることによって、バンド92の中央付近にたわみができる。バンド92のうちたわんだ箇所は溝93から露出する。こうして、指先をバンド92に通し易くなる。バンド92の一方側を他方側から遠ざけるようにスライド移動させることで、バンド92のうち、たわんでいた箇所が伸ばされるので、バンド92全体が溝93に収容される。なお、本実施の形態においては、バンド92の一端側のみを操作ユニット80の裏側に対してスライド移動可能な構成としたが、一端側と他端側の双方を操作ユニット80の裏側に対してスライド移動可能な構成としても構わない。
上述したように、バンド92の一端側もしくは両端側を操作ユニット80の裏側に対してスライド移動可能に取り付ける構成を採用せずとも、バンド92を使用しない時は、溝93にバンド92を押し込んで収容しておく方法も考え得る。このような方法でも構わないが、操作ユニット80を持ち上げた時に、溝93からバンド92の一部が自重によってはみ出してしまう虞がある。一方、バンド92の一端側もしくは両端側を操作ユニット80の裏側に対してスライド移動可能に取り付ける構成を採用することで、操作ユニット80を持ち上げた時に、溝93からバンド92の一部が自重によってはみ出してしまう虞を低減することができる。なぜなら、バンド92がたわむためには、バンド92の一端側もしくは両端側が操作ユニット80の裏側に対してスライド移動する必要があり、その分の摩擦力が生じるからである。バンド92が自重によってたわもうとする力が、この摩擦力に勝らない限り、バンド92が溝93からはみ出す可能性は低い。
図11(a)は、操作ユニット80の断面図である。操作ユニット80の裏側へのバンド92の取り付け部分(取り付け領域92a、92b)を拡大して示している。図11(a)に示すように、溝93の底部93aは、取り付け領域92a、92b、支持領域92d、92e、窪み92cを有する。そして、底部93aにバンド92が取り付けられている。より具体的には、バンド92は、底部93aのうち、取り付け領域92aおよび92bに取り付けられている。バンド92の一端側と操作ユニット80の裏側への取り付け部分(取り付け領域92a)と、バンド92の他端側と操作ユニット80の裏側への取り付け部分(取り付け領域92b)と、の間には窪み92cが形成されている。窪み92cよりも右側と左側には、バンド92の一部を支持する支持領域92d、92eが存在する。つまり、支持領域92d、92eは窪み92cに隣接している。操作ユニット80の裏側を鉛直方向上方に向けた姿勢としたとき、窪み92cはバンド92の下側に位置する。バンド92の一部が窪み92cを覆うような状態である。支持領域92d、92eがバンド92の一部を支持し、また支持領域92d、92eよりも凹んだ窪み92cが溝93の底部93aに形成されていることで、ユーザは自身の指先をバンド92に容易にくぐり込ませることができる。
また、図11(b)に示すように、溝93よりも手前側には溝93の底部に向けて傾斜面93bが形成されている。これにより、ユーザは、自身の指先を傾斜面93bに沿わせてスライドさせることで、容易に指先を溝93そして窪み92cに潜り込ませることができる。
バンド92の一端側および他端側をバンド92の中央に向けてスライドさせ切った状態のとき、つまりバンド92を可能な限りたわませた状態のとき、バンド92と操作ユニット80の裏側との間に形成された空間は高さ30mm以上かつ幅90mm以上である。この程度の空間があれば、十分にユーザは自身の掌をバンド92と操作ユニット80の裏側との間に通すことができる。ここで、「バンドに掌を通す」という動作は、親指、人差し指、中指、薬指、小指の5本の指のうち、親指以外の4本の指をバンド92に通す動作であると定義する。そして、人差し指、中指、薬指の3本の指に関しては第二関節、小指に関しては第一関節がバンド92に通されている状態をもってして、バンド92に掌が通されている状態であると言えるものとする。つまり、ユーザは、バンド92に自身の指先を通した状態で操作ユニット80を操作する。本実施例において、「バンドに掌を通した状態」と「バンドに指先を通した状態」は実質的に同じことを意味する。なお、本実施の形態において、バンド92と操作ユニット80の裏側との間に形成される空間は高さ35mmかつ幅100mmである。
ここで、空間の高さ(h)は、図12に示すように、支持領域92dと支持領域92eとを結んだ仮想線Lからバンド92の中央までの高さで決まる値である。仮想線Lの中点から仮想線Lに対して垂直に引いた線とバンド92の交点までの距離が空間の高さである。また、空間の幅(w)は、バンド92の一端側と操作ユニット80の裏側との取り付け部分からバンド92の他端側と操作ユニット80の裏側との取り付け部分までの距離で決まる値である。空間の高さ及び幅を測定する際は、図12に示すように、空間が直方体形状となるようにバンド92を折り曲げる。こうして形成された空間が、ユーザが自身の掌を通す空間である。
なお、空間の高さ及び幅として、ユーザの掌のサイズ感から割り出した最適な値は、発明者の実験によると、高さ:35mm、幅:100mmである。後述するように、バンド92の材質にもよるが、高さ:30~60mm、幅90~180mmの範囲内に収まるようにすることが好ましい。空間の高さや幅が小さくなると、ユーザによっては掌が収まらない者がでてきてしまう。この観点から、空間の高さ及び幅の下限値はそれぞれ30mm及び90mmと決まる。一方、空間の高さや幅が大きくなりすぎると、ユーザが手首を回転させたときに、掌から滑って移動してしまう操作ユニット80の移動量が大きくなってしまう。これにより、バンド92をも掌から抜けてしまう可能性が高くなってしまう。この観点から、空間の高さ及び幅の上限値はそれぞれ60mm及び180mmと決まる。
また、本実施の形態におけるバンド92はナイロンを主成分とするものであり、若干の伸縮性はあるものの、ゴムほどの伸縮性は有さない。これは、掌をバンド92と操作ユニット80の裏側との間に通したユーザが、バンド92による締め付けを極力感じないようにするためである。ユーザによって掌の大きさは様々であり、ユーザによってはバンド92による掌の締め付けを気にする者もいる。そこで、本実施の形態におけるバンド92は、ゴムほどの伸縮性を有さないナイロン製のバンド92を用いている。
一方、バンド92の材質としてゴムを用いることで、操作ユニット80が掌から滑り落ちてしまう可能性をより低減することができる。具体的には、手首を回転させていったときに、掌から操作ユニット80が横に滑り落ちてしまう可能性を低減できる。図で言うと、図9(a)から図9(b)の状態になる可能性を低減できる。これにより、掌の上での操作ユニット80の姿勢が安定する。バンド92の材質を決定する際は、バンド92による掌の締め付け具合と掌の上での操作ユニット80の姿勢の安定性とを天秤にかけて決定すればよい。
●バンドとケーブルとの位置関係
図13はバンド92とケーブル90との位置関係について説明するための図である。図13(a)は操作ユニット80を操作ユニット80よりも左側から見たときの模式図である。図13(a)の例は、操作ユニット80の奥側の壁部からケーブル90が導出している構成である。
図13はバンド92とケーブル90との位置関係について説明するための図である。図13(a)は操作ユニット80を操作ユニット80よりも左側から見たときの模式図である。図13(a)の例は、操作ユニット80の奥側の壁部からケーブル90が導出している構成である。
ここで、バンド92が設けられている箇所は操作ユニット80の裏側である。そのため、バンド92に掌を通した状態のとき、掌は操作ユニット80の裏側に接している。操作ユニット80からのケーブル90の導出箇所は、バンド92よりも奥側である。そのため、バンド92に通した掌と操作ユニット80の裏側との間にケーブル90が入り込む可能性は極めて低い。仮に掌と操作ユニット80の裏側との間にケーブル90が存在すると、掌の上に操作ユニット80を安定的に載せておくことが難しくなる。したがって、バンド92を操作ユニット80の裏側に設け、ケーブル90を操作ユニット80の奥側から導出させることで、掌をバンド92に通した状態での操作ユニット80の取扱性が向上する。なお、操作ユニット80からのケーブル90の導出箇所がバンド92よりも奥側であるか否かは、操作ユニット80を天面109に配置した状態で見れば容易に判断できる。まず、ユーザは、操作ユニット80を天面109に配置し、通常使用する態勢をとる。具体的には、ユーザは画像形成システム1の正面に立つ。このとき、ケーブル90は操作ユニット80から画像形成システム1の奥側に向けて延びている。この状態で、ユーザから見て、操作ユニット80からのケーブル90の導出箇所がバンド92よりも奥にあるか否かを判断する。
図13(b)の例は、ケーブル80を操作ユニット80の裏側から導出させ、更にケーブル90を操作ユニット80の奥側に向けて沿わせた構成の例である。図13(b)に示すように、ケーブル90は操作ユニット80の裏側から導出している。導出口はバンド92が取り付けられている溝93よりも奥側に形成されている。導出口よりも更に奥側には、ケーブル90の一部を操作ユニット80に留めるための留め具95が設けられている。留め具95が導出口よりも奥側に設けられているので、ケーブル90は導出口から操作ユニット80の奥側に向けて延びる。このように、バンド92よりも奥側に導出口を設け、導出口よりも奥側に留め具95を設けることで、バンド92とケーブル90とが緩衝してしまうことを防ぐことができる。つまり、バンド92に通したユーザの掌と操作ユニット80の裏側との間にケーブル90が入り込む可能性を低くすることができる。本構成によっても、掌をバンド92に通した状態での操作ユニット80の取扱性が向上させることができる。
●指を通すことを想定したバンドについて(変形例)
図14は掌ではなく、指を1~2本通すことを想定して操作ユニット80に設けられたバンド92を説明するための図である。バンド92と操作ユニット80の裏側との取り付け構成であったり、操作ユニット80の裏側に対するバンド92のスライド構成は、上述した実施例1の構成と同様である。本変形例の構成は、バンド92と操作ユニット80の裏側とによって形成される空間の大きさのみが上述した実施例1と異なる。
図14は掌ではなく、指を1~2本通すことを想定して操作ユニット80に設けられたバンド92を説明するための図である。バンド92と操作ユニット80の裏側との取り付け構成であったり、操作ユニット80の裏側に対するバンド92のスライド構成は、上述した実施例1の構成と同様である。本変形例の構成は、バンド92と操作ユニット80の裏側とによって形成される空間の大きさのみが上述した実施例1と異なる。
本変形例の構成において形成される空間の高さ及び幅は、指を1本だけ通すことを想定してそれぞれ30mmである。指を2本通すことを想定した場合は、高さ:30mm、幅:60mmである。この空間のサイズ感は実施例1で説明した理由と同じ理由で決まる。空間の高さは25mm~40mm、空間の幅は25mm~70mmの範囲内に収まるようにすることが望ましい。なお、空間の測定方法に関する定義も実施例1で説明した方法と同じである。
●アーム以外の箇所にバンドを設けた構成(実施例2)
図15はアーム822以外の箇所にバンド92を設けた構成を説明するための図である。図15に示すように、バンド92はアーム822よりも手前側において、操作ユニット80の裏側に取り付けられている。つまり、アーム822を有さない操作ユニット80においても、バンド92を搭載することは可能である。
図15はアーム822以外の箇所にバンド92を設けた構成を説明するための図である。図15に示すように、バンド92はアーム822よりも手前側において、操作ユニット80の裏側に取り付けられている。つまり、アーム822を有さない操作ユニット80においても、バンド92を搭載することは可能である。
また、アーム822を有する操作ユニット80であっても、バンド92をアーム822以外の箇所に設けても構わない。バンド92がアーム822に設けられている構成の場合、掌に操作ユニット80を載せた状態で指を曲げるとアーム822の姿勢が若干変化し得る。つまり、アーム822と操作ユニット80との相対位置関係が変化すると、掌と操作ユニット80の相対位置関係が変化してしまう。掌の上において操作ユニット80の位置が変化してしまうことを好ましく思わないユーザも考えられる。そこで、本実施例2では、操作ユニット80に直接的にバンド92を設けた。こうすることで、掌の上において操作ユニット80の姿勢をより安定させることができる。
一方、操作ユニット80の設計自由度の観点から考えると、実施例2の構成にはデメリットもある。操作ユニット80の内部には回路基板やタッチパネル、液晶パネルなど多数の部品が搭載されている。加えて、美観や取扱性を向上させるため、操作ユニット80はよりコンパクトに設計することが求められている。つまり、操作ユニット80は、機能の充実性を測るためにより多くの部品を搭載する必要があるなかで、その専有体積が可能な限り小さくなるように設計する必要がある。バンド92を収容するための溝93やバンド93を固定するための箇所を操作ユニット80に形成することは、操作ユニット80の内部における回路基板の配置箇所などに制約が生じ得ることにつながる。つまり、操作ユニット80の設計の自由度が下がってしまう。アーム822には、回路基板等の部材は無く、内部に収容され得る部品も少ない。したがって、アーム822の方が操作ユニット80本体よりも溝93を形成するスペースに余裕がある場合が多い。以上のように、掌の上における操作ユニット80の姿勢の安定性の観点からすると、アーム822ではなく操作ユニット80本体に直接バンド92を取り付ける構成の方が良い。一方で、操作ユニット80の設計自由度の向上という観点からすると、実施例2に係る構成よりもアーム822にバンド92を取り付ける構成の方が良い。
●アームにバンドの機能を持たせた構成(実施例3)
図16はアーム822にバンド92に相当する機能をもたせた例である。図16(a)はアーム822を閉じた状態の操作ユニット80、図16(b)はアーム822を開いた状態の操作ユニット80の斜視図である。図16(b)に示すように、アーム822は中央付近に開口91が形成されており、ユーザは自身の掌を開口91に通すことができる。つまり、ユーザは操作ユニット80を手に取りたいときは、アーム822を立ち上げる。なお、開口91の大きさは、実施例1や実施例2におけるバンド92によって形成される空間の大きさに相当する。
図16はアーム822にバンド92に相当する機能をもたせた例である。図16(a)はアーム822を閉じた状態の操作ユニット80、図16(b)はアーム822を開いた状態の操作ユニット80の斜視図である。図16(b)に示すように、アーム822は中央付近に開口91が形成されており、ユーザは自身の掌を開口91に通すことができる。つまり、ユーザは操作ユニット80を手に取りたいときは、アーム822を立ち上げる。なお、開口91の大きさは、実施例1や実施例2におけるバンド92によって形成される空間の大きさに相当する。
このように、アーム822自体に掌を通すための開口91を形成することで、バンド92に相当する部材を新たに設ける必要が無い。アーム822に、操作ユニット80を支持する機能と掌を通す部材としての機能とを兼ねさせることができる。つまり、部品点数が少なくて済み、製造コストを抑えることができる。
一方、実施例3に係る構成では、開口91に掌を通すためには、わざわざアーム822を立ち上げる必要があるという煩雑さがある。また、開口91の大きさを、掌が十分に通過する大きさにするために、アーム822自体が大型化してしまうというデメリットもある。アーム822の大きさに制約が出てくると言うことは、アーム822の設計自由度が低下するということを意味する。実施例1や実施例2のように、バンド92を用いれば、上述したデメリットは解消される。
以上のように、実施例1~実施例3に係る構成は、いずれにおいても、掌から操作ユニット80が滑り落ちて、操作ユニット80が床にぶつかってしまう可能性を低減する効果を発揮する。この効果に加えて、それぞれの実施形態においてメリットとデメリットがあるため、求める効果に応じて、使い分ければよい。
●無線通信可能な操作ユニット(実施例4)
以上では操作ユニット80がケーブル90にて画像形成装置2に接続されている形態を説明した。しかしながら、操作ユニット80は無線通信にて画像形成装置2と通信する形態でも構わない。
以上では操作ユニット80がケーブル90にて画像形成装置2に接続されている形態を説明した。しかしながら、操作ユニット80は無線通信にて画像形成装置2と通信する形態でも構わない。
図17は、操作ユニット80と無線通信が可能な画像形成装置2のシステム構成図である。図17に示す様に、電源装置17から電源電圧が供給されることで画像形成装置2を制御する制御部として、DCON制御部10、SCON制御部200及びRCON制御部300を備えている。
ここで、DCON制御部10は、画像形成装置2の各種搬送部材や画像形成ユニット15などを駆動するモータ等の駆動部やシート検知センサ等のセンサの制御を実行する。そして、SCON制御部200は、画像形成装置2全体のシステム制御を行うものであり、不図示のインターフェースを介した外部機器との通信制御や画像処理等の制御を実行する。より詳細には、SCON制御部200は、画像形成ジョブの受信や、画像形成装置2の本体情報の送信、リーダ14で読み取った画像や外部機器等から受信した画像データに対する画像処理制御等を行うことが可能となっている。また、RCON制御部300は、リーダ14や後処理装置16の各種制御を実行する。
ここで、電源スイッチ79がONされた状態とは、画像形成装置が起動した状態である。つまり、コンセント等を介して商用電源が電源装置17へ供給され、電源装置17からDCON制御部10、SCON制御部200及びRCON制御部300へ電源電圧が供給されている状態である。
尚、電源装置17は、画像形成装置2がコンセント等を介して商用電源等に接続された場合に、常夜電源として+5Vの電源電圧をSCON200に供給している。そして、電源スイッチ79がONされることで、電源装置17は非常夜電源として+12Vや+24Vの電源電圧をDCON制御部10、SCON制御部200及びRCON制御部300へ供給可能となる。本実施形態では、複数種類の電圧を供給することで各制御部を制御する構成としたが、電圧の大きさや種類についてはこの構成に限らなくてもよい。
DCON制御部10は、内蔵モジュールとして、CPU11、ROM12、RAM13を備える。DCON制御部10には、画像形成ユニット15、表示パネル71などが接続されている。またDCON制御部10には、ネットワークを介して不図示の外部機器との間で接続を行うネットワーク接続部84が接続されている。
ROM12には、画像形成装置2の制御に関する各種のプログラムや様々な画像データが格納されている。CPU11は、ROM12に格納された制御プログラムに基づいて各種の演算処理を行う。RAM13は、データを一時的に記憶する。つまりCPU11は、ROM12に格納された制御プログラムに基づいてRAM13を作業領域に用いながら、画像形成ユニット15や、CPU130に接続されたリーダ14や後処理装置16などを制御して、上述した画像形成動作を実行する。
またDCON制御部10には、操作ユニット80との間で接続を行うパネル接続部800が接続されている。パネル接続部800は、給電コネクタ730aを有し、操作ユニット80が接続されるパネル装着部730と、操作ユニット80との間で無線通信を行う無線通信部810を備える。パネル装着部730の給電コネクタ730aには、操作ユニット80の充電コネクタ55が接続される。
無線通信部810は、コマンド通信部825(送信部、受信部)と画像送信部830を有する。CPU11は、ROM12に格納された画像を読み出し、無線通信部810の画像送信部830を介して、操作ユニット80に画像を送信する。またCPU11は、操作ユニット80に対する指示を生成し、その指示を、コマンド通信部825を介して操作ユニット80に送信する。またCPU11は、操作ユニット80で生成された通知や指示を、コマンド通信部825を介して受信する。なお、本実施形態では、コマンド通信部825と画像送信部830を別々の構成としたものの、両者を一本の通信ラインにまとめる構成としてもよい。
また画像形成装置2と操作ユニット80は、装置間をダイレクトに無線接続する通信形態であるWi-Fiダイレクト通信によって無線通信を行う。つまり、この例では、サーバを介することなく、画像形成装置2と操作ユニット80とが互いに無線通信を行う。このWi-Fiダイレクト通信の方式を応用したディスプレイ伝送技術であるMiracastは、例えば携帯電話やディスプレイやプロジェクタなどで使用される。なお、無線通信の方式はWi-Fiダイレクト通信に限られず、例えばWi-Fiルータをアクセスポイントとして無線通信を行う構成としてもよい。但し、セキュリティの観点から、Wi-Fiダイレクト通信であることが好ましい。またWi-Fiによる無線通信ではなく、BluetoothやNFCなどの他の方式で無線通信を行う構成としてもよい。
ところで、PCやタブレット端末などの電子デバイスから、遠隔地にある他の電子デバイスや各種サーバにアクセスする方法として、「リモートアクセス」が知られている。リモートアクセスの形態には、例えば、VPN(Virtual Private Network)方式と呼ばれるものがある。VPNとは、インターネット上に仮想の専用ネットワークを構築する仕組みである。この方式では、一般的に、データの送受信の際に仮想的なトンネルを構築して通信を行う「トンネリング」と呼ばれる方法が取られる。さらに、トンネル内への悪意ある侵入からデータを保護するために「カプセル化」と呼ばれる技術が使われることもある。このようにして、セキュリティを保っている。VPN方式を用いた通信方法は上述したようにインターネットを介しているため、本実施の形態で言うところの、操作ユニット80と画像形成装置2との通信方法とは異なる。
また、インターネットを通じて、対象となる電子デバイスであるPCやタブレットの画面を操作中の電子デバイスの画面に転送する画面転送方式と呼ばれる方法もある。この画面転送を行う際は、中継サーバを介して電子デバイス間をVPN接続する。
また、DCON制御部10には、電源装置17が接続されている。電源装置17は、商用電源からコンセントプラグ19を介して電源の供給を受け、各デバイスで使用される電力に変換して各デバイスに電力を供給する。具体的には、まず電源装置17は、主電源スイッチ79がオフからオンに切り替えられるとDCON制御部10に電力を供給する。その後、電源装置17は、DCON制御部10の指示に基づき、リーダ14、画像形成ユニット15、後処理装置16、表示パネル71、パネル装着部730に装着された操作ユニット80、無線通信部81、ネットワーク接続部84などに電力を供給する。
また、SCON制御部200は、CPU120を有し、画像形成装置2全体のシステム制御や、リーダ14で読み取った画像の画像処理等の制御を実行する。SCON制御部200は、画像形成装置2全体の制御を行うため、画像形成装置2が商用電源に接続されると、常に電源電圧(+5V)が供給される。
そして、RCON制御部300は、CPU130を有し、リーダ14や後処理装置16の制御を実行する。ここで、RCON制御部300は、リーダ14を介して読み取った画像をCPU120へ出力する。これにより、CPU120は、DCON制御部10が駆動モータ等を制御して行う画像形成に用いる画像処理情報を生成する。
なお、DCON制御部10、SCON制御部200及びRCON制御部300は、上記の構成のみに限らず、ASICや他のCPU等を備えて各制御を行うものであってもよい。
ここで、本実施形態の画像形成装置2は、画像形成動作が可能なスタンバイモードや、各制御部への電源電圧の供給が制限され、画像形成動作が可能な状態よりも消費電力が少ない省電力状態であるスリープモード等、複数の状態へ移行可能となっている。ここで、スタンバイモードとは、電源スイッチ79がONされている状態であり、DCON制御部10、SCON制御部200及びRCON制御部300へ電源電圧が供給されている状態である。つまり、スタンバイモードとはすべての制御部に電源電圧が供給され、画像形成動作が可能な状態である。
また、スリープモードとは、SCON制御部200には電源電圧が供給されているが、DCON制御部10及びRCON制御部300への電源電圧が遮断されている状態である。
尚、スリープモードからスタンバイモードへの移行や、スタンバイモードからスリープモードへの移行は、操作ユニット80に設けられる不図示のスリープキーが操作されること等のユーザ(操作者、サービスマン)による操作によって行われる。このとき、操作ユニット80のスリープキーが操作されると、操作ユニット80から電源装置17へスリープ信号が出力される。これにより、電源装置17は、DCON制御部10、SCON制御部200及びRCON制御部300をそれぞれ制御して、スリープモードへ移行する。また、スリープモードは、画像形成装置2が所定時間以上操作されていない場合、つまり画像形成装置2に対する画像形成の指示が行われない期間が所定時間を過ぎた場合に、電源SW_ON状態から移行するものであってもよい。ここでの所定時間は、例えば予め60秒等に設定するものであってもよいし、ユーザによって任意の時間に設定可能なものであってもよい。
この所定時間は、DCON制御部10によって制御されるタイマ(カウンター)202によって計測される。タイマ202は、ユーザによって、画像形成装置2への画像形成の指示が実行されていない時間を計測する。計測するのは、実際の時間を計測してもよいし、実際の時間に基づいて独自のカウントを行ってもよい。カウントするカウント値は、例えば、1秒、2秒、3秒‥というようにカウントアップしていってもよいし、60秒、59秒、58秒‥というようにカウントダウンしていっても構わない。また、本実施の形態において、画像形成装置2に対する画像形成の指示というのは、例えばプリントジョブが画像形成装置2に対して送信されることを言う。また、画像形成の指示がされなくなったタイミングというのは、画像形成ユニット15による画像形成処理が終了したタイミングを指す。具体的には、感光ドラム9の回転が停止したタイミングである。ただし、このタイミングは、感光ドラム9の回転が停止したタイミングに限らず、例えば中間転写ベルト6の回転が停止したタイミングや、トナー像が転写された用紙が排出トレイ16aに排出されたタイミング等でも構わない。
次に、画像形成装置2と無線通信が可能な操作ユニット80のシステム構成について説明する。図18は、操作ユニット80のシムテム構成図である。図18に示す様に、操作ユニット80は、CPU68、ROM29(記憶部)、RAM36、タイマ37を有する制御部67を備える。タイマ34は、制御部67が各種の処理を行う際に計時を行う。
ROM69には、操作ユニット80の制御に関する各種のプログラムなどのデータが格納されている。CPU68は、ROM69に格納された制御プログラムに基づいて各種の演算処理を行う。RAM36は、データを一時的に記憶する。つまりCPU68は、ROM69に格納された制御プログラムに基づいて、RAM36を作業領域に用いながら、制御部67に接続されたディスプレイ82、スピーカー部38、照明部39などを制御する。
また操作ユニット80は、画像形成装置2との間で接続を行う接続部900を備える。接続部900は、画像形成装置2の給電コネクタ730aに接続される充電コネクタ55と、画像形成装置2との間で無線通信を行う無線通信部910を備える。
無線通信部910は、CPU68に接続されたコマンド通信部920と、ディスプレイ82に接続された画像受信部930を有する。CPU68は、画像形成装置2に対する指示や通知を生成し、コマンド通信部920の不図示のアンテナを介して画像形成装置2のコマンド通信部82に送信する。またCPU68は、画像形成装置2のコマンド通信部82から送信された指示や情報を、コマンド通信部920を介して受信する。
画像受信部930は、画像形成装置2の画像送信部83から送信された画像データを不図示のアンテナを介して受信し、ディスプレイ82に表示させる画像データへと変換し、ディスプレイ82に表示させる。なお、本実施形態では、コマンド通信部920と画像受信部930が別々の構成について説明したものの、両者を一本の通信ラインにまとめる構成としてもよい。
また操作ユニット80は、パネル電源部56を備える。パネル電源部56は、バッテリー57と電源生成部58を有する。バッテリー57は、操作ユニット80の主電源であり、充電可能な電池で構成されている。画像形成装置2の給電コネクタ730aに対して充電コネクタ1が接続されると、画像形成装置2の電源装置17からバッテリー57に電源が供給され、バッテリー57が充電される。また電源生成部58は、バッテリー57の電源を、操作ユニット80が備える各デバイスで使用できる電圧に調整する。電源スイッチ52の電源がオフからオンに切り替えられると、バッテリー57に充電され、電源生成部58で調整された電力が制御部67、ディスプレイ82、スピーカー部38、照明部39、接続部900に供給される。
次に、画像形成装置2と操作ユニット80との無線通信について説明する。
図19は、画像形成装置2と操作ユニット80の通信遷移図である。画像形成装置2と操作ユニット80との間で無線通信を行う場合、まずユーザは、電源スイッチ79を操作して画像形成装置2を起動させ(S11)、電源スイッチ26を操作して操作ユニット80を起動させる(S21)。
操作ユニット80が起動すると、操作ユニット80のコマンド通信部920から画像形成装置2のコマンド通信部82に対してネゴシエーション要求が送信される(S22)。次に、画像形成装置2のコマンド通信部82は、操作ユニット80のコマンド通信部920に対して応答信号を送信する(S12)。操作ユニット80が応答信号を受信すると、接続シーケンスが終了し、無線通信が確立される。
次に、画像形成装置2と操作ユニット80との間で、通信速度や画像の圧縮率等の無線通信の条件が、コマンド通信部825、920を介して相互に設定される(S13、S23)。この設定が終わると、画像形成装置2のCPU11の指示に応じて、画像形成装置2のROM69に格納された画像の信号が、画像形成装置2の画像送信部83から操作ユニット80の画像受信部930に送信される(S14)。
次に、操作ユニット80の画像受信部930は、受信した画像の信号を変換し、画像をディスプレイ82に表示させる。その後、操作ユニット80のCPU68は、ユーザがディスプレイ82を操作した場合、ディスプレイ82の操作情報を、コマンド通信部920を介して画像形成装置2のコマンド通信部82に送信する(S24)。
ここでCPU68は、ディスプレイ82の操作情報を、座標情報として画像形成装置2に送信する。以下、これについて説明する。図20は、操作ユニット80のディスプレイ82に座標表示を施した図である。図20に示す様に、ディスプレイ82はX方向とY方向にそれぞれ分割されている。分割数はタッチパネルの方式等によるものの、本実施形態の抵抗式タッチパネルではX方向に2048分割、Y方向に1024分割している。
座標は、原点(0、0)を基準とし、原点からの距離に応じて(X、Y)で表される。例えば図20に示す位置Pは、原点からX方向に1024、Y方向に512、離れた位置に位置するため、座標として(1024、512)と表される。座標データは、ディスプレイ82のタッチパネル59から操作ユニット80のCPU68に送信され、CPU68の指示によりコマンド通信部920から画像形成装置2に送信される。なお、本実施形態においては、画像形成装置2と操作ユニット80との間の通信が8ビット長であるため、座標データの数値は8分の1されて送信される。即ち、座標が(1024、512)の場合、(128、64)と置き換えて送信される。
画像形成装置2のCPU11は、入力された座標データに基づいて、ユーザが操作ユニット80のディスプレイ82上でいずれの位置をタッチしたかを判定する。そしてタッチされた位置に応じて、操作ユニット80に対し、画像データの送信、照明部25の点灯制御の指示、スピーカー部38による音声のオン、オフなどの指示を行う(S15、16)。なお、画像形成装置2は、操作ユニット80からディスプレイ82の操作情報を受信した場合以外にも、画像形成装置2の状態や操作ユニット80の状態に応じて、操作ユニット80に対して上述した指示を行う。
以上説明したように、操作ユニット80の形態としては、画像形成装置2と有線通信する形態と無線通信する形態とが考えられる。ケーブルを用いて画像形成装置2と操作ユニット80とが接続された有線通信の形態であっても、画像形成装置2と操作ユニット80とが無線通信する形態であっても、ユーザは操作ユニット80を手に取って持ち上げることができる。バンド92を操作ユニット80の裏側に設けることで、有線通信方式を採用した操作ユニット80であっても、無線通信方式を採用した操作ユニット80であっても、掌から操作ユニット80が滑り落ちて、操作ユニット80が床にぶつかってしまう虞を低減することができる。
1 画像形成システム
2 画像形成装置
80 操作ユニット
82 表示パネル
85 ゴム足
90 ケーブル
92 バンド
93 溝
103 天面
822 アーム
2 画像形成装置
80 操作ユニット
82 表示パネル
85 ゴム足
90 ケーブル
92 バンド
93 溝
103 天面
822 アーム
Claims (10)
- 用紙に画像形成する画像形成部と、
天面を有する筐体と、
前記天面に対しフリーに配置され、前記画像形成部に用紙への画像形成をさせるにあたりユーザによる操作を受け付ける操作ユニットと、を有し、
前記操作ユニットは、
ユーザによるタッチ操作を受け付け可能であって画像形成に関する情報を表示する表示部と、
前記表示部が設けられている側とは反対側に設けられ、ユーザの指先を通すことができるバンドと、
を備えることを特徴とする画像形成システム。 - 前記反対側には前記バンドの全体が収容される溝が形成されており、前記バンドは当該溝の底部に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
- 前記バンドの一端側は前記操作ユニットの幅方向における前記操作ユニットの一端側に取り付けられ且つ前記バンドの他端側は前記幅方向における前記操作ユニットの他端側に取り付けられており、前記バンドの一端側は前記幅方向において前記操作ユニットに対してスライド移動可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成システム。
- 前記操作ユニットの姿勢を前記反対側が鉛直方向上方を向いた姿勢としたときに、前記反対側のうち前記バンドの下方に相当する箇所には窪みが形成されており且つ前記反対側は前記操作ユニットの幅方向において当該窪みに隣接する領域であって当該窪みよりも一方側と他方側に前記バンドを支持する領域を有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の画像形成システム。
- 前記画像形成部を制御するコントローラと、
前記操作ユニットに接続され、前記コントローラに対して前記画像形成部に画像形成させるための信号を伝送するケーブルと、を備えることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の画像形成システム。 - 前記操作ユニットからの前記ケーブルの導出箇所は、前記操作ユニットを操作するユーザが前記操作ユニットを前記天面に配置した状態で前記表示部を見たときに、前記バンドよりも奥側であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成システム。
- 用紙に画像形成する画像形成部を有する画像形成システムの操作に用いられ、前記画像形成システムの天面に対しフリーに配置される操作ユニットであって、
ユーザによるタッチ操作を受け付け可能であって画像形成に関する情報を表示する表示部と、
前記表示部が設けられている側とは反対側に設けられ、ユーザの指先を通すことができるバンドと、
を備えることを特徴とする操作ユニット。 - 前記反対側には前記バンドの全体が収容される溝が形成されており、前記バンドは当該溝の底部に取り付けられていることを特徴とする請求項7に記載の操作ユニット。
- 前記バンドの一端側は前記操作ユニットの幅方向における前記操作ユニットの一端側に取り付けられ且つ前記バンドの他端側は前記幅方向における前記操作ユニットの他端側に取り付けられており、前記バンドの一端側は前記幅方向において前記操作ユニットに対してスライド移動可能であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の画像形成システム。
- 前記操作ユニットの姿勢を前記反対側が鉛直方向上方を向いた姿勢としたときに、前記反対側のうち前記バンドの下方に相当する箇所には窪みが形成されており且つ前記反対側は前記操作ユニットの幅方向において当該窪みに隣接する領域であって当該窪みよりも一方側と他方側に前記バンドを支持する領域を有することを特徴とする請求項7から請求項9までのいずれか1項に記載の操作ユニット。
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