JP2022117748A - 樹脂射出成形装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶融した樹脂材料の粘度をより下げることが可能な樹脂射出成形装置を提供する。【解決手段】樹脂材料を溶融させる材料溶解部と、前記材料溶解部の下方に連なり、前記材料溶解部で溶融した樹脂材料を混練する材料混練部と、前記材料混練部の下方に連なり、前記材料混練部で混練した樹脂材料を成形型内に射出するノズルと、を備え、前記材料混練部は、前記樹脂材料の上下方向の流れを横断するように配置され、前記樹脂材料をせん断する作用を得る横断部54eを備えている。【選択図】図6

Description

本発明は、樹脂射出成形装置に関する。
従来、プランジャー型の射出成形装置において、可塑化物の通路に、可塑化物を加熱、軟化、溶融および混練する二つの第1段、第2段トーピードが配置され、可塑化物を高速に可塑化するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記第1段、第2段トーピードによって可塑化物を高速に可塑化することで、ノズルから可塑化物を高速に射出することが可能である。第2トーピードは、外周部に備える複数のヘリカル溝によって可塑化物にせん断を与え、粘度を下げている。
特開昭53-106765号公報
上記従来の技術では、第2段トーピードがヘリカルギアであることから、材料のせん断が不十分になることが考えられる。
上記のような樹脂射出成形装置においては、樹脂材料の成形圧力の低減による装置及び型の簡素化、樹脂材料の成形時間短縮の点から、樹脂材料の粘度をより下げることが望ましい。
そこで本発明は、樹脂射出成形装置において、溶融した樹脂材料の粘度をより下げることを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、樹脂材料を溶融させる材料溶解部(32)と、前記材料溶解部(32)における第一の方向の一側に連なり、前記材料溶解部(32)で溶融した樹脂材料を混練する材料混練部(33)と、前記材料混練部(33)における前記第一の方向の一側に連なり、前記材料混練部(33)で混練した樹脂材料を成形型(10)内に射出するノズル(34)と、を備え、前記材料混練部(33)は、前記樹脂材料の前記第一の方向の流れを横断するように配置され、前記樹脂材料をせん断する作用を得る横断部(54e)を備えることを特徴とする樹脂射出成形装置を提供する。
この構成によれば、材料溶解部で溶融した樹脂材料が材料混練部を流れる際に、横断部を避けるように屈曲して流れることで、樹脂材料のせん断作用を得ることができる。これにより、溶融した樹脂材料の分子の網目構造が解けて分子間力が弱まり、樹脂材料の粘度を下げることができる。この結果として、ノズルから成形型内に樹脂材料を低い圧力で射出することができる。
請求項2に記載した発明は、前記材料溶解部(32)内に、樹脂材料に熱を伝達する熱伝達器(42)が設けられ、前記熱伝達器(42)は、前記第一の方向から見て、放射状に配置された複数のフィン(42b)を備えていること特徴とする。
この構成によれば、樹脂材料が材料溶解部中で熱伝達器に触れる面積を増やすことができ、材料の熱分布をより均一にしながら樹脂材料の溶融を促すことができる。
請求項3に記載した発明は、前記熱伝達器(42)は銅製であることを特徴とする。
この構成によれば、熱伝導率が高い銅製の熱伝達器によって、樹脂材料の溶融をより一層促すことができる。
請求項4に記載した発明は、前記材料混練部(33)は、樹脂材料が流動する複数の通路(61b,62b)を備え、前記横断部(54e)の上流側の前記通路(61b)と、前記横断部(54e)の下流側の前記通路(62b)とは、前記第一の方向から見て、互いにずれて配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、材料混練部の樹脂材料の通路を上流側と下流側とで互い違いに配置することで、樹脂材料に大きなせん断力を生じさせることができる。
請求項5に記載した発明は、前記上流側の通路(61b)の出口側開口(61c)と前記下流側の通路(62b)の入口側開口(62c)との間に、前記第一の方向で隙間が設けられ、前記隙間に前記横断部(54e)が臨んでいることを特徴とする。
この構成によれば、樹脂材料の流路における上流側および下流側の間に、せん断作用を生じさせる横断部が臨む隙間を設けることで、横断部を迂回する樹脂材料がより混ざり合いやすくなる。これにより、樹脂材料の廃棄が少なくて済み、樹脂射出成形装置の始動時や樹脂材料切替時の歩留まりを向上させることができる。
請求項6に記載した発明は、前記上流側の通路(61b)及び前記下流側の通路(62b)は、互いに通路径が異なることを特徴とする。
この構成によれば、樹脂材料の流路における上流側および下流側の通路径を異ならせることで、樹脂材料のせん断がより生じやすくすることができる。
請求項7に記載した発明は、前記下流側の通路(62b)は、前記上流側の通路(61b)よりも小径に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、下流側ほど樹脂材料の通路を狭くして細かくせん断し、効果的に樹脂材料のせん断を進めることができる。
請求項8に記載した発明は、前記溶融される樹脂材料を予熱する材料予熱部(31)を備え、前記材料予熱部(31)は、予熱した樹脂材料を、射出シリンダ(21)からピストン(23)により前記材料溶解部(32)側に押し出すものであり、前記ピストン(23)は、前記材料溶解部(32)側に最も押し出された位置で、前記材料溶解部(32)から離間して配置されること特徴とする。
この構成によれば、ピストンが材料溶解部中の樹脂材料と固着することを抑止することができる。
請求項9に記載した発明は、前記材料予熱部(31)、前記材料溶解部(32)および前記材料混練部(33)の周囲にヒータ(37,43,57)が設けられることを特徴とする。
この構成によれば、成形型に樹脂材料を供給する全行程において、樹脂材料に必要な熱量を供給することができる。
請求項10に記載した発明は、前記第一の方向は上下方向であることを特徴とする。
この構成によれば、樹脂材料に作用する重力によって、いわゆる横型の射出成型機のような水平方向に樹脂材料が流れるものに比較して、樹脂材料に加える圧力を低くすることができる。
本発明によれば、ノズルから成形型内に溶融した樹脂材料を射出する樹脂射出成形装置において、溶融した樹脂材料を横断部でせん断することで、溶融した樹脂材料の粘度を下げることができ、ノズルから成形型内に溶融した樹脂材料を低圧力で射出することができる。
本発明の第一実施形態の樹脂射出成形装置の正面図である。 上記樹脂射出成形装置の材料溶融処理部の軸方向に沿う断面図である。 上記樹脂射出成形装置の材料溶解部に備える熱伝達器の斜視図である。 上記樹脂射出成形装置の材料混練部の斜視図である。 上記樹脂射出成形装置の材料混練部の軸方向に沿う断面図である。 図5の要部拡大図であり、材料混練部の作用を示す断面図である。 溶融樹脂の粘度とせん断速度との関係を示すグラフである。 第二実施形態の材料混練部の斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
<装置全体>
図1に示すように、樹脂射出成形装置(以下では、単に「射出成形装置」と記す。)1は、成形型10内に溶融した樹脂材料を射出する。射出成形装置1から射出された溶融材料は、成形型10内のキャビティ(不図示)内で硬化し、予め定められた形状に形成される。射出成形装置1は、基台2、型締め部3、射出機4、材料溶融処理部6を備える。
基台2は、床に設置される底盤11と、底盤11の複数の角部からそれぞれ立ち上げられた複数のポスト12と、複数のポスト12のそれぞれの上部に取り付けられた上盤13と、を備えている。
成形型10は、底盤11の上面に固定された固定型10Aと、固定型10Aの上部に着脱可能に合わせられる可動型10Bと、を備え、固定型10Aと可動型10Bとの合わせ面にキャビティが形成されている。
型締め部3は、可動板15、複数のねじ軸16、複数のナット部材17、ナット駆動部(不図示)を備えている。
可動板15は、複数のポスト12に上下動可能に設けられ、可動板15の下面に可動型10Bに取り付けられている。
複数のねじ軸16は、可動板15の上方に延びている。複数のナット部材17は、各々ねじ軸16にねじ結合するとともに、上盤13に回転可能に取り付けられている。
ナット駆動部は、例えば、ナット部材17を駆動させる駆動源となる電動モータを備えている。電動モータが作動することで、ナット部材17が回転し、複数のねじ軸16と共に可動板15を上下動させ、可動型10Bを開閉させる。
射出機4は、射出成形装置1の上部に配置された射出シリンダ21と、射出シリンダ21内から下方への突出および射出シリンダ21内への後退が可能とされたロッド22と、ロッド22の先端部に取り付けられたピストン23と、を備えている。
射出シリンダ21は、例えば、外部からの油圧供給によって駆動されてロッド22を移動させる。ピストン23は、樹脂射出成形時には材料溶融処理部6内を前進し、材料溶融処理部6内の樹脂材料を下方に押し出す。材料溶融処理部6については、図2で詳細構造を説明する。
<材料溶融処理部>
図2に示すように、材料溶融処理部6は、最上部に配置された材料予熱部31と、材料予熱部31に接続されて樹脂材料を溶融する材料溶解部32と、溶融した樹脂材料を混ぜたり練り上げたりする材料混練部33と、材料混練部33で混練された樹脂材料を成形型10(図1参照)内に射出するノズル(材料射出部)34と、を備えている。
図中矢印Zは、材料予熱部31、材料溶解部32、材料混練部33およびノズル34の並び方向であり、かつ材料溶融処理部6における樹脂材料の流動方向である上下方向(鉛直方向)を示す。
材料予熱部31は、シリンダ35と、シリンダ35の上端部に取付けられてシリンダ35の上端部開口35uを塞ぐ閉塞部材36と、シリンダ35の外周面35aに設けられた複数のバンドヒータ(ヒータ)37と、を備えている。
閉塞部材36は、ロッド22を移動可能に貫通させる貫通孔(不図示)を備え、ピストン23が、シリンダ35の内周面35bに移動可能に嵌合される。
シリンダ35内には、閉塞部材36がシリンダ35から取り外された状態で、溶融される前の樹脂材料のペレットが挿入される。シリンダ35は、複数のバンドヒータ37で加熱され、シリンダ35内の樹脂材料のペレットが溶融しやすいように昇温される。
ピストン23が、シリンダ35内の樹脂材料のペレットを材料溶解部32へ押し出すときには、ピストン23に材料溶解部32内の溶融した樹脂材料が付着して固着しないように、シリンダ35の下端面35cから距離Lだけ離れた位置までしか下降しない。
材料溶解部32は、シリンダ35の下端部に接続された筒部41と、筒部41の内部に挿入された金属製の熱伝達器42と、を備えている。
図3を併せて参照し、熱伝達器42は、横断面の中央に位置する中央筒状部42aと、中央筒状部42aから半径方向外側に放射状に延びる複数のフィン42bと、を備えている。中央筒状部42aの内部には、溶融した樹脂材料が通過する中央部樹脂材料通路42cが形成されている。複数のフィン42bの外周端は、筒部41の内周面41bに近接又は当接している。
筒部41の外周面41aには、複数のバンドヒータ(ヒータ)43が取り付けられ、複数のバンドヒータ43によって、筒部41が過熱され、材料溶解部32内の樹脂材料の溶融が促進される。
材料混練部33は、材料溶解部32からノズル34に向けて溶融した樹脂材料が通過する複数の通路(例えば後述する通路61a,61b,62a,62b)を備える。これら複数の通路は、樹脂材料の流動の上流側から下流側に向かうにつれて段階的に細くなるとともに途中に複数のせん断部を有する。材料混練部33を流れる溶融した樹脂材料は、混練され、せん断過程を経ながら流動する。これにより、材料混練部33では、溶融した樹脂材料の粘度が低下する。材料混練部33については、図5で詳しく説明する。
図2を参照し、ノズル34は、材料混練部33の下端部に取付けられ、成形型10(図1参照)の型締めに伴う材料溶融処理部6の下降時に、可動型10B(図1参照)の上面に形成されたスプール(不図示)に接続される。スプールは、成形型10内に溶融した樹脂材料が流れ込む最初の通路であり、スプールは、ランナー(不図示)、ゲート(不図示)を介してキャビティに連通している。
図1および図2に示したように、射出成形装置1は、射出機4の下方に材料溶融処理部6が配置された縦型のものであり、材料溶融処理部6の下方に成形型10が配置されている。このように射出成形装置1を縦型にすることで、溶融した樹脂材料の流動方向を上下方向とすることができ、樹脂材料に作用する重力によって、樹脂材料に加える圧力を低くすることができる。これにより、射出成形装置1の簡素化、小型化を図ることができる。以下、材料溶融処理部6の上下方向を軸方向、材料溶融処理部6の軸方向に直交する方向を径方向、材料溶融処理部6の軸心回りの方向を周方向という。
図2および図3に示すように、材料溶解部32は、熱伝達器42における周方向で隣り合う一対のフィン42bの間に、溶融した樹脂材料が通過する複数の外周部樹脂材料通路42dが形成されている。
熱伝達器42は、熱伝達率の高い金属製であるため、バンドヒータ43から内側に離れている中央部樹脂材料通路42cにおいても、バンドヒータ43に近い外周部樹脂材料通路42dとほぼ同一の温度で樹脂材料が溶融される。このように、材料溶解部32内では、溶融した樹脂材料の温度分布は、熱伝達器42によってより均一になる。熱伝達器42の材質としては、例えば、銅が好適であるが、他の金属でもよい。
熱伝達器42では、複数のフィン42bを溶融した樹脂材料の流動方向に沿って形成することで、隣り合うフィン42b間を外周部樹脂材料通路42dとしているため、例えば、フィンを樹脂材料の通路とは別に設ける場合に比べて、熱伝達器42の形状が簡素になる。
図4、図5に示すように、材料混練部33は、材料溶解部32(図2参照)の筒部41(図2参照)の下端部に接続された筒状ケース51と、筒状ケース51内の中空部51aに挿入されて固定される筒部52と、筒部52内に配置される、複数の管を含む管集合体53と、を備えている。
筒状ケース51の中空部51aは、材料溶解部32側から順に、筒部41の下方に向かうにつれて次第に縮径するテーパ孔51bと、テーパ孔51bの下端に接続される縮径孔51cと、縮径孔51cに連通するとともに縮径孔51cよりも内径が大きい拡径孔51dと、を備えている。
拡径孔51dには、筒部52が挿入されている。筒部52の内周面52aの内径は、縮径孔51cの内径と同一又は略同一である。
管集合体53は、上側から順に、第1管集合部53A、第2管集合部53B、第3管集合部53C、第4管集合部53Dおよび第5管集合部53Eを備えている。管集合体53は、第1管集合部53Aの上方、および、第1管集合部53A、第2管集合部53B、第3管集合部53Cおよび第4管集合部53Dのそれぞれの間に、第1接続部54を備えている。管集合体53は、第4管集合部53Dおよび第5管集合部53Eの間、ならびに第5管集合部53Eの下方に、第2接続部55を備えている。
第1管集合部53A、第2管集合部53B、第3管集合部53C、第4管集合部53Dおよび第5管集合部53Eは、それぞれ複数の管61,62,63,64,65を備えている。管61,62,63,64,65は、この順で内径が次第に小さくなる。
複数の第1接続部54及び第2接続部55は、それぞれ軸方向に幅を有する板状の空間(隙間)を形成している。第1接続部54は、第2接続部55よりも軸方向の幅が大きい。
なお、実施形態では、4つの第1接続部54を同一形状とし、かつ2つの第2接続部55を同一形状としたが、これに限らない。例えば、4つの第1接続部54の形状や幅を異ならせてもよい。また、2つの接続部55の形状や幅を異ならせてもよい。
第1接続部54及び第2接続部55には、これらに接続される全ての管の内部(流路)が連通する。従って、上記した第1管集合部53A、第2管集合部53B、第3管集合部53C、第4管集合部53Dおよび第5管集合部53Eの各管は、軸方向で隣り合うもの同士で、第1接続部54または第2接続部55を介して連通する。
管集合体53の下端部に配置された第2接続部55は、ノズル34に連通するので、管集合体53内の樹脂材料は、ノズル34へ流動可能である。
筒状ケース51の外周面51eには、複数のバンドヒータ(ヒータ)57(図2参照)が設けられ、複数のバンドヒータ57により筒状ケース51を加熱することで、管集合体53内の溶融した樹脂材料の粘度低下が促進され、樹脂材料が流動しやすくなる。
ノズル34は、複数のボルト67(図2参照)によって筒状ケース51の下端部に締結されている。
図6は、管集合体53の第1管集合部53A、第1接続部54および第2管集合部53Bの軸方向に沿う断面図である。
第1管集合部53Aの複数の管61の下端部、詳しくは管61の出口側端部61aは、第1接続部54の上面54aを形成する上壁部54a1の上面側孔部54bに嵌入されている。第2管集合部53Bの複数の管62の上端部、詳しくは管62の入口側端部62aは、第1接続部54の下面54cを形成する下壁部54c1の下面側孔部54dに嵌入されている。管61の内径をD1、管62の内径をD2とすると、D1>D2となる。
第1接続部54は、各管61の出口側端部61aに備える開口(出口側開口)61cと、各管62の入口側端部62aに備える開口(入口側開口)62cと、を互いに連通させる。各管61から第1接続部54に流入した樹脂材料は、材料混練部33の径方向にずれて、各管62に流入する。出口側開口61cおよび入口側開口62cの各周縁は、面取りの無い角形状とされる。
各管61と各管62とは、材料混練部33の径方向で互いにオフセットするように配置されている。即ち、各管61と各管62とは、樹脂材料70の流動方向(上下方向)から見て互い違いに配置されている。
これにより、上流側の各管61内の溶融した樹脂材料70は、図中矢印Fで示すように、各管61内の通路(上流側の通路)61bから第1接続部54に流入したとき、第1接続部54における流動方向を横断するように設けられて各管61の出口側開口61cに流動方向で対向する横断部54eに突き当たる。樹脂材料70は、横断部54eを避けるように直角に近い角度で屈曲しながら流動する。樹脂材料70は、第1接続部54から各管62の通路(下流側の通路)62bに流出するときにも、直角に近い角度で屈曲しながら流動する。
このように、溶融した樹脂材料が屈曲して流動するときには、樹脂材料には、管61,62内だけを流動するときに生じるせん断力よりも大きなせん断力が発生する。
図5に示した管集合体53の他の第1接続部54および第2接続部55においても、上記したように樹脂材料が屈曲して流動するときには、同様な大きなせん断力が発生する。特に、横断部54eにおける入口側開口62cを形成する端縁(入口側開口62cの周縁)において、樹脂材料が良好にせん断される。
図7は、溶融した樹脂材料の粘度と、樹脂材料に加えられるせん断速度と、の関係を示している。
グラフの横軸はせん断速度、縦軸は粘度を表す。
グラフ中に破線で示すニュートン流体は、せん断速度の大きさに関わらず粘度が一定である。これに対して、グラフ中に実線で示す、射出成形装置1で取り扱う樹脂材料である擬塑性流体(非ニュートン流体)は、せん断速度が大きくなるにつれて次第に粘度が低下する。また、擬塑性流体では、一旦粘度が下がった後、時間経過に伴い元の粘度に戻る性質がある。
本実施形態の射出成形装置1では、図4~図6に示したように、材料混練部33において、樹脂材料に大きなせん断力を与える管集合体53を設けることで、樹脂材料の粘度を低下させている。これにより、溶融した樹脂材料をノズル34から成形型10(図1参照)内に射出する際の吐出圧力を下げ、型締め力を低下させることができる。この結果、射出成形装置1及び成形型10の構造を簡素にできてコストを低減でき、また、樹脂成形を迅速にできるために樹脂成形品の生産性を向上させることができる。
<第二実施形態>
本発明の第二実施形態は、第一実施形態に対して、材料混練部の構成が異なる。その他の第一実施形態と同一構成には同一符号を付して詳細説明は省略する。
図8に示すように、第二実施形態の材料混練部71は、前記筒状ケース51(図5参照)と、筒状ケース51内に挿入された筒内挿入部72と、を備えている。
筒内挿入部72は、複数のスタティックミキサー73,74と、各スタティックミキサー73,74の上下端部を接続する第1接続部76と、複数の管77を備える管集合部78と、管集合部78の上下端部を接続する第2接続部79と、を備えている。
スタティックミキサー73は、筒部81と、筒部81内に配置されたミキシングブレード82と、を備えている。ミキシングブレード82は、矩形の板の対向する二辺が90°ほど捩じられて形成されている。
スタティックミキサー74は、筒部81と、筒部81内に配置されたミキシングブレード83と、を備えている。スタティックミキサー74は、スタティックミキサー73と基本構造が同一である。
第1接続部76は、第一実施形態の第1接続部54と同様に、スタティックミキサー73,74内の通路73a,74aに連通している。従って、複数のスタティックミキサー73およびスタティックミキサー74の各通路73a,74a同士は、第1接続部76を介して連通している。管集合部78は、複数の管65(図5参照)を備える第1実施形態の第5管集合部53E(図5参照)と同様の構造である。
第2接続部79は、スタティックミキサー74の通路74aと、管集合部78の各管77の通路(不図示)と、に連通している。また、下側の第2接続部79は、管集合部78の各管77の通路と、ノズル34と、に連通している。
上記した材料混練部71では、スタティックミキサー73,74によって樹脂材料の混練を促進させ、また、第1接続部76、一対の第2接続部79及び管集合部78によって樹脂材料に大きなせん断力を生じさせることで、樹脂材料の粘性低下を図ることができる。
以上説明したように、第二実施形態における樹脂射出成形装置も、樹脂材料を溶融させる材料溶解部32と、前記材料溶解部32の下方に連なり、前記材料溶解部32で溶融した樹脂材料を混練する材料混練部71と、前記材料混練部71の下方に連なり、前記材料混練部71で混練した樹脂材料を成形型10内に射出するノズル34と、を備え、前記材料混練部71は、前記樹脂材料の上下方向の流れを横断するように配置され、前記樹脂材料をせん断する作用を得る横断部を備えるものである。
この構成によれば、材料溶解部32で溶融した樹脂材料が材料混練部71を流れる際に、横断部を避けるように屈曲して流れることで、樹脂材料のせん断作用を得ることができる。これにより、溶融した樹脂材料の分子の網目構造が解けて分子間力が弱まり、樹脂材料の粘度を下げることができる。この結果として、ノズル34から成形型10内に樹脂材料を低い圧力で射出することができる。そして、樹脂材料の成形圧力の低減によって、樹脂射出成形装置1及び成形型10の簡素化によるコスト削減を図るとともに、樹脂材料の成形時間短縮による生産性向上を図ることができる。
上記樹脂射出成形装置においても、材料溶解部32内に、樹脂材料に熱を伝達する熱伝達器42が設けられ、熱伝達器42は、樹脂材料の流動方向から見て、放射状に配置された複数のフィン42bを備えていることで、樹脂材料が材料溶解部32中で熱伝達器42に触れる面積を増やすことができ、材料の熱分布をより均一にしながら樹脂材料の溶融を促すことができる。
上記樹脂射出成形装置においても、熱伝達器42は銅製であることで、熱伝導率が高い銅製の熱伝達器42によって、樹脂材料の溶融をより一層促すことができる。
上記樹脂射出成形装置においても、材料混練部71は、樹脂材料が流動する複数の通路73a,74aを備え、横断部の上流側の通路73aと、横断部の下流側の通路74aとは、樹脂材料の流動方向から見て、互いにずれて配置されていることで、材料混練部71の樹脂材料の通路73a,74aを上流側と下流側とで互い違いに配置することとなり、樹脂材料に大きなせん断力を生じさせることができる。
上記樹脂射出成形装置においても、上流側の通路73aの開口と下流側の通路74aの開口との間に、樹脂材料の流動方向で隙間が設けられ、前記隙間に横断部が臨んでいることで、樹脂材料の流路における上流側および下流側の間に、せん断作用を生じさせる横断部が臨むこととなり、横断部を迂回する樹脂材料がより混ざり合いやすくなる。これにより、樹脂材料の廃棄が少なくて済み、樹脂射出成形装置1の始動時や樹脂材料切替時の歩留まりを向上させることができる。
上記樹脂射出成形装置においても、上流側の通路73a及び下流側の通路74aは、互いに通路径が異なることで、樹脂材料のせん断がより生じやすくすることができる。
上記樹脂射出成形装置においても、下流側の通路74aは、上流側の通路73aよりも小径に形成されていることで、下流側ほど樹脂材料の通路を狭くして細かくせん断し、効果的に樹脂材料のせん断を進めることができる。
上記樹脂射出成形装置においても、溶融される樹脂材料を予熱する材料予熱部31を備え、材料予熱部31は、予熱した樹脂材料を、射出シリンダ21からピストン23により材料溶解部32側に押し出すものであり、ピストン23は、材料溶解部32側に最も押し出された位置で、材料溶解部32から離間して配置されることで、ピストン23が材料溶解部32中の樹脂材料と固着することを抑止することができる。
上記樹脂射出成形装置においても、材料予熱部31、材料溶解部32および材料混練部71の周囲にバンドヒータ37,43,57が設けられることで、成形型10に樹脂材料を供給する全行程にて樹脂材料に必要な熱量を供給することができる。
上記樹脂射出成形装置においても、樹脂材料の流動方向は上下方向であることで、樹脂材料に作用する重力によって、いわゆる横型の射出成型機のような水平方向に樹脂材料が流れるものに比較して、樹脂材料に加える圧力を低くすることができる。これにより、樹脂射出成形装置1及び成形型10の簡素化を図ることができ、コストを削減することができる。
なお、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1 樹脂射出成形装置
10 成形型
21 射出シリンダ
23 ピストン
31 材料予熱部
32 材料溶解部
33,71 材料混練部
34 ノズル
35 シリンダ
37,43,57 バンドヒータ(ヒータ)
42 熱伝達器
42b フィン
54e 横断部
61b 通路(上流側の通路)
61c 開口(出口側開口)
62b 通路(下流側の通路)
62c 開口(入口側開口)
70 樹脂材料

Claims (10)

  1. 樹脂材料を溶融させる材料溶解部(32)と、
    前記材料溶解部(32)における第一の方向の一側に連なり、前記材料溶解部(32)で溶融した樹脂材料を混練する材料混練部(33)と、
    前記材料混練部(33)における前記第一の方向の一側に連なり、前記材料混練部(33)で混練した樹脂材料を成形型(10)内に射出するノズル(34)と、を備え、
    前記材料混練部(33)は、前記樹脂材料の前記第一の方向の流れを横断するように配置され、前記樹脂材料をせん断する作用を得る横断部(54e)を備えることを特徴とする樹脂射出成形装置。
  2. 前記材料溶解部(32)内に、樹脂材料に熱を伝達する熱伝達器(42)が設けられ、
    前記熱伝達器(42)は、前記第一の方向から見て、放射状に配置された複数のフィン(42b)を備えていること特徴とする請求項1に記載の樹脂射出成形装置。
  3. 前記熱伝達器(42)は銅製であることを特徴とする請求項2に記載の樹脂射出成形装置。
  4. 前記材料混練部(33)は、樹脂材料が流動する複数の通路(61b,62b)を備え、
    前記横断部(54e)の上流側の前記通路(61b)と、前記横断部(54e)の下流側の前記通路(62b)とは、前記第一の方向から見て、互いにずれて配置されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の樹脂射出成形装置。
  5. 前記上流側の通路(61b)の出口側開口(61c)と前記下流側の通路(62b)の入口側開口(62c)との間に、前記第一の方向で隙間が設けられ、前記隙間に前記横断部(54e)が臨んでいることを特徴とする請求項4に記載の樹脂射出成形装置。
  6. 前記上流側の通路(61b)及び前記下流側の通路(62b)は、互いに通路径が異なることを特徴とする請求項4又は5に記載の樹脂射出成形装置。
  7. 前記下流側の通路(62b)は、前記上流側の通路(61b)よりも小径に形成されていることを特徴とする請求項4から6の何れか1項に記載の樹脂射出成形装置。
  8. 前記溶融される樹脂材料を予熱する材料予熱部(31)を備え、
    前記材料予熱部(31)は、予熱した樹脂材料を、射出シリンダ(21)からピストン(23)により前記材料溶解部(32)側に押し出すものであり、
    前記ピストン(23)は、前記材料溶解部(32)側に最も押し出された位置で、前記材料溶解部(32)から離間して配置されること特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の樹脂射出成形装置。
  9. 前記材料予熱部(31)、前記材料溶解部(32)および前記材料混練部(33)の周囲にヒータ(37,43,57)が設けられることを特徴とする請求項8に記載の樹脂射出成形装置。
  10. 前記第一の方向は上下方向であることを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の樹脂射出成形装置。
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