JP2022117134A - ヒハツ抽出物の製造方法、ヒハツ抽出物含有組成物、及び経口用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ピペリンの含有量を維持しつつ、ヒハツ由来の特有の風味を低減し、かつ着色も低減することができるヒハツ抽出物の製造方法、ヒハツ抽出物含有組成物、及び前記ヒハツ抽出物含有組成物を含有する経口用組成物の提供。【解決手段】ヒハツを熱水で洗浄する洗浄工程と、前記洗浄したヒハツを、水、親水性溶媒、又は水と親水性溶媒との混合溶媒で抽出処理して抽出液を得る抽出工程と、を含むヒハツ抽出物の製造方法である。【選択図】なし
Description
本発明は、ヒハツ抽出物の製造方法、ヒハツ抽出物含有組成物、及び前記ヒハツ抽出物含有組成物を含有する経口用組成物に関する。
ヒハツ(Piper retrofractum又はPiper longum)は、東南アジアやインド等に分布する常緑の蔓植物であり、果穂は香辛料として利用されている。このヒハツの抽出物には、主にピペリン、ピペラニン、イソピペリン、シャビシン及びイソシャビシンの5種のピペリン類化合物が含まれ、これらのピペリン類化合物は、優れた冷え改善効果を有することが知られている。そのような効果を期待して、例えば、上記ヒハツ抽出物は、機能性表示食品等の飲食品に配合されて飲用や食用に供されている(例えば、特許文献1参照)。
上記のようにヒハツ抽出物は非常に有用な素材であるものの、ヒハツ由来の特有の風味やヒハツ抽出物は無色ではないことから、最終製品である飲食品に配合した場合に、その飲食品の風味や色調などに悪影響を及ぼすことがあるという問題がある。
したがって、ピペリンの含有量を維持しつつ、ヒハツ由来の特有の風味を低減し、かつ着色も低減することができるヒハツ抽出物の製造方法の開発が強く求められているのが現状である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、ピペリンの含有量を維持しつつ、ヒハツ由来の特有の風味を低減し、かつ着色も低減することができるヒハツ抽出物の製造方法、ヒハツ抽出物含有組成物、及び前記ヒハツ抽出物含有組成物を含有する経口用組成物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、抽出工程を行う前に、抽出原料のヒハツを熱水で洗浄すると、洗浄を行わずに抽出工程を行った場合と同等のピペリンの含有量を維持しつつも、ヒハツ由来の特有の風味が低減され、かつ着色も低減されたヒハツ抽出物を製造することができることを知見した。
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> ヒハツを熱水で洗浄する洗浄工程と、
前記洗浄したヒハツを、水、親水性溶媒、又は水と親水性溶媒との混合溶媒で抽出処理して抽出液を得る抽出工程と、を含むことを特徴とするヒハツ抽出物の製造方法である。
<2> 前記抽出工程で得られた抽出液の下記式で算出されるb2の値が10未満である前記<1>に記載のヒハツ抽出物の製造方法である。
b2={log10ΔE*×抽出液の重量(g)}/原料の秤取量(g)
上記式中、ΔE*は、純水を基準とした場合の抽出液の色差を表す。
<3> 前記洗浄工程で生じた液体の下記式で算出されるb1の値が10以上である前記<1>から<2>のいずれかに記載のヒハツ抽出物の製造方法である。
b1={log10ΔE*×洗浄工程で生じた液体の重量(g)}/原料の秤取量(g)
上記式中、ΔE*は、純水を基準とした場合の洗浄工程で生じた液体の色差を表す。
<4> 少なくともピペリンを含むヒハツ抽出物を含有するヒハツ抽出物含有組成物であって、
前記ヒハツ抽出物含有組成物におけるピペリンとポリフェノールとの質量比(ポリフェノール/ピペリン)が3未満であり、
ピペリンの含有量が180μg/50mL~270μg/50mLとなるように溶解した溶液の色調が、純水を基準とした場合に、ΔE*が1.5~5.0の範囲内であることを特徴とするヒハツ抽出物含有組成物である。
<5> 液体クロマトグラフィー分析で、分析時間0.4~1.5分間の間に検出されるピークの面積(X)とピペリンのピークの面積(Y)との面積比(X/Y)が、5未満である前記<4>に記載のヒハツ抽出物含有組成物である。
<6> 前記<4>から<5>のいずれかに記載のヒハツ抽出物含有組成物を含有することを特徴とする経口用組成物である。
<1> ヒハツを熱水で洗浄する洗浄工程と、
前記洗浄したヒハツを、水、親水性溶媒、又は水と親水性溶媒との混合溶媒で抽出処理して抽出液を得る抽出工程と、を含むことを特徴とするヒハツ抽出物の製造方法である。
<2> 前記抽出工程で得られた抽出液の下記式で算出されるb2の値が10未満である前記<1>に記載のヒハツ抽出物の製造方法である。
b2={log10ΔE*×抽出液の重量(g)}/原料の秤取量(g)
上記式中、ΔE*は、純水を基準とした場合の抽出液の色差を表す。
<3> 前記洗浄工程で生じた液体の下記式で算出されるb1の値が10以上である前記<1>から<2>のいずれかに記載のヒハツ抽出物の製造方法である。
b1={log10ΔE*×洗浄工程で生じた液体の重量(g)}/原料の秤取量(g)
上記式中、ΔE*は、純水を基準とした場合の洗浄工程で生じた液体の色差を表す。
<4> 少なくともピペリンを含むヒハツ抽出物を含有するヒハツ抽出物含有組成物であって、
前記ヒハツ抽出物含有組成物におけるピペリンとポリフェノールとの質量比(ポリフェノール/ピペリン)が3未満であり、
ピペリンの含有量が180μg/50mL~270μg/50mLとなるように溶解した溶液の色調が、純水を基準とした場合に、ΔE*が1.5~5.0の範囲内であることを特徴とするヒハツ抽出物含有組成物である。
<5> 液体クロマトグラフィー分析で、分析時間0.4~1.5分間の間に検出されるピークの面積(X)とピペリンのピークの面積(Y)との面積比(X/Y)が、5未満である前記<4>に記載のヒハツ抽出物含有組成物である。
<6> 前記<4>から<5>のいずれかに記載のヒハツ抽出物含有組成物を含有することを特徴とする経口用組成物である。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、ピペリンの含有量を維持しつつ、ヒハツ由来の特有の風味を低減し、かつ着色も低減することができるヒハツ抽出物の製造方法、ヒハツ抽出物含有組成物、及び前記ヒハツ抽出物含有組成物を含有する経口用組成物を提供することができる。
(ヒハツ抽出物の製造方法)
本発明のヒハツ抽出物の製造方法は、洗浄工程と、抽出工程とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
本発明のヒハツ抽出物の製造方法は、洗浄工程と、抽出工程とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
<洗浄工程>
前記洗浄工程は、抽出原料であるヒハツを熱水で洗浄する工程である。
前記洗浄工程は、抽出原料であるヒハツを熱水で洗浄する工程である。
-ヒハツ-
前記抽出原料であるヒハツ(学名:Piper retrofractum又はPiper longum)は、コショウ科コショウ属に属する蔓性の常緑木本であり、東南アジアやインド等の地域から容易に入手可能である。ヒハツの果穂の乾燥物は、香辛料として広く用いられている。また、果穂の内部に含まれるピペリン類などの有効成分は、機能性表示食品等に利用されている。
前記抽出原料であるヒハツ(学名:Piper retrofractum又はPiper longum)は、コショウ科コショウ属に属する蔓性の常緑木本であり、東南アジアやインド等の地域から容易に入手可能である。ヒハツの果穂の乾燥物は、香辛料として広く用いられている。また、果穂の内部に含まれるピペリン類などの有効成分は、機能性表示食品等に利用されている。
前記抽出原料として使用する前記ヒハツの使用部位(抽出部位)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、果穂部、葉部、茎部、花部、根部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、果穂部が好ましい。
前記抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記抽出原料として使用する前記ヒハツは、抽出原料を乾燥した後、そのまま又は粗砕機を用いて粉砕し、洗浄工程に用いることができる。抽出原料の乾燥は、天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。
-洗浄-
前記洗浄の方法としては、熱水を用いてヒハツを洗浄する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、抽出原料の5~15倍量(質量比)の熱水に、抽出原料を浸漬させ、常温又は還流加熱下で、例えば、30分間~4時間静置し、濾過などにより洗浄により生じた液体を除去することで洗浄後のヒハツを得ることができる。
前記洗浄の方法としては、熱水を用いてヒハツを洗浄する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、抽出原料の5~15倍量(質量比)の熱水に、抽出原料を浸漬させ、常温又は還流加熱下で、例えば、30分間~4時間静置し、濾過などにより洗浄により生じた液体を除去することで洗浄後のヒハツを得ることができる。
前記熱水の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、70~100℃が好ましい。前記熱水に用いる水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する抽出溶媒に用いる水と同様のものが挙げられる。
前記洗浄の条件(洗浄回数、洗浄時間等)、熱水の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記洗浄工程で生じた液体は、下記式で算出されるb1(以下、「変数b1」と称することがある。)の値が10以上であることが好ましい。下記式で算出されるb1の上限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、15以下が好ましい。前記洗浄工程では、下記式で算出されるb1の値を指標として、洗浄工程を繰り返すか、抽出工程へ移行するかを判断することができる。
b1={log10ΔE*×洗浄工程で生じた液体の重量(g)}/原料の秤取量(g)
上記式中、ΔE*は、純水を基準とした場合の洗浄工程で生じた液体の色差を表す。
前記色差の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分光色差計(SE6000、日本電色工業株式会社製)を用い、透過測色モードにて測定することができる。
b1={log10ΔE*×洗浄工程で生じた液体の重量(g)}/原料の秤取量(g)
上記式中、ΔE*は、純水を基準とした場合の洗浄工程で生じた液体の色差を表す。
前記色差の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分光色差計(SE6000、日本電色工業株式会社製)を用い、透過測色モードにて測定することができる。
<抽出工程>
前記抽出工程は、前記洗浄工程で洗浄したヒハツを、水、親水性溶媒、又は水と親水性溶媒との混合溶媒で抽出処理して抽出液を得る工程である。
前記抽出工程は、前記洗浄工程で洗浄したヒハツを、水、親水性溶媒、又は水と親水性溶媒との混合溶媒で抽出処理して抽出液を得る工程である。
-抽出-
前記抽出の方法としては、前記洗浄工程で洗浄したヒハツを用いる限り、特に制限はなく、植物の抽出に一般的に用いられる方法を適宜選択することができる。例えば、抽出原料の5~15倍量(質量比)の抽出溶媒に、抽出原料を浸漬させ、常温又は還流加熱下で、例えば、30分間~4時間静置し可溶性成分を抽出させた後、濾過などにより抽出残渣を除去することで抽出液を得ることができる。得られた抽出液から溶媒を留去することでペースト状の濃縮物が得られ、この濃縮物をさらに乾燥させることで乾燥物が得られる。
前記抽出の方法としては、前記洗浄工程で洗浄したヒハツを用いる限り、特に制限はなく、植物の抽出に一般的に用いられる方法を適宜選択することができる。例えば、抽出原料の5~15倍量(質量比)の抽出溶媒に、抽出原料を浸漬させ、常温又は還流加熱下で、例えば、30分間~4時間静置し可溶性成分を抽出させた後、濾過などにより抽出残渣を除去することで抽出液を得ることができる。得られた抽出液から溶媒を留去することでペースト状の濃縮物が得られ、この濃縮物をさらに乾燥させることで乾燥物が得られる。
前記抽出溶媒としては、水、親水性溶媒、又は水と親水性溶媒との混合溶媒であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等のほか、これらに各種処理を施したものが含まれ得る。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、濾過、イオン交換、浸透圧調整、緩衝化等が含まれる。したがって、本実施形態において抽出溶媒として使用され得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記親水性溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1~5の低級脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2~5の多価アルコール等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記水と前記親水性溶媒との混合溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記親水性溶媒として前記低級脂肪族アルコールを使用する場合には、前記水10容量部に対して前記低級脂肪族アルコール1~90容量部を混合するのが好ましく、前記親水性溶媒として前記低級脂肪族ケトンを使用する場合には、前記水10容量部に対して前記低級脂肪族ケトン1~40容量部を混合するのが好ましく、前記親水性溶媒として多価アルコールを使用する場合には、前記水10容量部に対して前記多価アルコール10~90容量部を混合するのが好ましい。
抽出処理においては、これらの抽出溶媒を単独で又は2種以上を組み合わせて、室温又は溶媒の沸点以下の温度で使用するのが好ましい。
前記ヒハツ抽出物の抽出条件(抽出回数、抽出時間、抽出温度、圧力等の雰囲気条件など)、抽出溶媒の種類、抽出溶媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記抽出工程で得られた抽出液は、下記式で算出されるb2(以下、「変数b2」と称することがある。)の値が10未満であることが好ましく、9以下であることがより好ましい。下記式で算出されるb2の下限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、7以上が好ましい。前記抽出工程では、下記式で算出されるb2の値を、抽出液とするか否かの指標とすることができる。
b2={log10ΔE*×抽出液の重量(g)}/原料の秤取量(g)
上記式中、ΔE*は、純水を基準とした場合の抽出液の色差を表す。
前記色差は、上記した洗浄工程で生じた液体の色差と同様にして測定することができる。
b2={log10ΔE*×抽出液の重量(g)}/原料の秤取量(g)
上記式中、ΔE*は、純水を基準とした場合の抽出液の色差を表す。
前記色差は、上記した洗浄工程で生じた液体の色差と同様にして測定することができる。
前記ヒハツ抽出物の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、抽出液そのもの、抽出液の希釈液、抽出液の濃縮液、これらの乾燥物、粗精製物、精製物などが挙げられる。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、得られた前記ヒハツ抽出物の希釈物、濃縮物、乾燥物、粗精製物、精製物などを得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製などの処理を施してもよい。
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、得られた前記ヒハツ抽出物の希釈物、濃縮物、乾燥物、粗精製物、精製物などを得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製などの処理を施してもよい。
前記ヒハツ抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液-液分配抽出、各種クロマトグラフィー、膜分離などの精製方法が挙げられる。
従来のヒハツの果穂内部に含まれるピペリンを抽出する方法としては、アルコール等の有機溶媒を用いた方法が挙げられるが、この方法では果穂表層に含有される不要な樹脂や精油、色素等の脂溶性成分も多量に抽出されることから、有効成分である果穂内部の成分のみを抽出することは困難であった。
一方、本発明では、洗浄工程によりヒハツの果穂表層に含有される不要成分が除去され、抽出工程において果穂内部に含有される有効成分のみを効率的に抽出することが可能となる。そのため、本発明によれば、ピペリンの含有量を維持しつつ、ヒハツ由来の特有の風味が低減され、かつ色も良好なヒハツ抽出物を製造することができる。
本発明において、ヒハツ由来の特有の風味とは、雑味、えぐみ、香りなどを合わせた総合的な風味のことをいう。
一方、本発明では、洗浄工程によりヒハツの果穂表層に含有される不要成分が除去され、抽出工程において果穂内部に含有される有効成分のみを効率的に抽出することが可能となる。そのため、本発明によれば、ピペリンの含有量を維持しつつ、ヒハツ由来の特有の風味が低減され、かつ色も良好なヒハツ抽出物を製造することができる。
本発明において、ヒハツ由来の特有の風味とは、雑味、えぐみ、香りなどを合わせた総合的な風味のことをいう。
(ヒハツ抽出物含有組成物)
本発明のヒハツ抽出物含有組成物は、ヒハツ抽出物を少なくとも含み、必要に応じて、その他の成分を更に含む。
本発明のヒハツ抽出物含有組成物は、ヒハツ抽出物を少なくとも含み、必要に応じて、その他の成分を更に含む。
<ヒハツ抽出物>
前記ヒハツ抽出物は、少なくともピペリンを含むものであり、上記した本発明のヒハツ抽出物の製造方法により得られたヒハツ抽出物を好適に用いることができるが、後述するピペリンとポリフェノールとの質量比及び色調を満たすものであれば、特に制限はなく、用いることができる。
前記ヒハツ抽出物には、ピペリン以外のピペリン類化合物やポリフェノールなどが含まれていてもよい。
前記ヒハツ抽出物は、少なくともピペリンを含むものであり、上記した本発明のヒハツ抽出物の製造方法により得られたヒハツ抽出物を好適に用いることができるが、後述するピペリンとポリフェノールとの質量比及び色調を満たすものであれば、特に制限はなく、用いることができる。
前記ヒハツ抽出物には、ピペリン以外のピペリン類化合物やポリフェノールなどが含まれていてもよい。
前記ヒハツ抽出物含有組成物におけるヒハツ抽出物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2~100質量%などが挙げられる。即ち、前記ヒハツ抽出物含有組成物は、ヒハツ抽出物のみからなるものであってもよい。
<その他の成分>
前記ヒハツ抽出物含有組成物におけるその他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デキストリン、シクロデキストリンなどのキャリアーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ヒハツ抽出物含有組成物におけるその他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デキストリン、シクロデキストリンなどのキャリアーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ヒハツ抽出物含有組成物におけるその他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0~98質量%などが挙げられる。
<ピペリンとポリフェノールとの質量比>
前記ヒハツ抽出物含有組成物におけるピペリンとポリフェノールとの質量比(ポリフェノール/ピペリン)としては、3未満であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2.5以下が好ましい。
前記ヒハツ抽出物含有組成物におけるピペリンとポリフェノールとの質量比(ポリフェノール/ピペリン)としては、3未満であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2.5以下が好ましい。
前記ヒハツ抽出物含有組成物におけるピペリンの含有量の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、特開2020-173153号公報に記載の方法により測定することができる。
前記ヒハツ抽出物含有組成物におけるポリフェノールの含有量(カテキン換算のポリフェノール量)の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、基準品として、(+)-カテキン水和物を用いたフォーリン・デニス法により測定することができる。
前記ヒハツ抽出物含有組成物は、ピペリンの含有量が180μg/50mL~270μg/50mLとなるように溶解した溶液とした場合の色調が、純水を基準とした場合に、ΔE*が1.5~5.0の範囲内である。
なお、ヒハツ抽出物含有組成物を溶解させる際の溶媒は、ヒハツ抽出物含有組成物を溶解可能な無色の溶媒であれば、特に制限はなく、例えば、0.5%クエン酸水溶液を用いて溶解することができる。
前記色調の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分光色差計(SE6000、日本電色工業株式会社製)を用い、透過測色モードにて測定することができる。
なお、ヒハツ抽出物含有組成物を溶解させる際の溶媒は、ヒハツ抽出物含有組成物を溶解可能な無色の溶媒であれば、特に制限はなく、例えば、0.5%クエン酸水溶液を用いて溶解することができる。
前記色調の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分光色差計(SE6000、日本電色工業株式会社製)を用い、透過測色モードにて測定することができる。
前記ヒハツ抽出物含有組成物は、液体クロマトグラフィー分析で、分析時間0.4~1.5分間の間に検出されるピーク(親水性成分のピーク)の面積(X)とピペリンのピークの面積(Y)との面積比(X/Y:以下、「親水性成分/ピペリンのピーク面積比」と称することがある。)が、5未満であることが好ましく、4以下であることがより好ましく、3.5以下であることが特に好ましい。下限としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5以上が好ましく、1.0以上がより好ましく、1.2以上が特に好ましい。
前記液体クロマトグラフィー分析は、特開2020-173153号公報に記載の方法により行うことができる。
前記液体クロマトグラフィー分析は、特開2020-173153号公報に記載の方法により行うことができる。
前記ヒハツ抽出物含有組成物におけるピペリンの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ヒハツ抽出物含有組成物1gあたり、600μg~100,000μgとすることができる。
前記ヒハツ抽出物含有組成物の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉末状、ペースト状、液状などが挙げられる。また、前記粉末状のものを、更に、固体状、顆粒状、キューブ状などに成形したものであってもよい。
前記ヒハツ抽出物含有組成物の製造方法としては、特に制限はなく、その態様などに応じて適宜選択することができる。例えば、前記ヒハツ抽出物と、必要に応じて前記その他の成分とを混合する方法などが挙げられる。
-用途-
前記ヒハツ抽出物含有組成物は、飲食品など分野を問わず幅広く利用可能である。また、後述する本発明の経口用組成物に好適に利用可能である。
前記ヒハツ抽出物含有組成物は、飲食品など分野を問わず幅広く利用可能である。また、後述する本発明の経口用組成物に好適に利用可能である。
本発明のヒハツ抽出物含有組成物は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、サル、魚類、鳥類など)に対して適用することもできる。
(経口用組成物)
本発明の経口用組成物は、本発明のヒハツ抽出物含有組成物を含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
本発明の経口用組成物は、本発明のヒハツ抽出物含有組成物を含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
本発明における経口用組成物は、前記ヒハツ抽出物含有組成物を含むため、該ヒハツ抽出物含有組成物の有効成分であるヒハツ抽出物の作用により、冷え改善などのために用いることができる。
前記経口用組成物とは、人の健康に危害を加えるおそれが少なく、通常の社会生活において、経口又は消化管投与により摂取されるものをいい、行政区分上の食品、医薬品、医薬部外品などの区分に制限されるものではない。したがって、前記経口用組成物は、経口的に摂取される一般食品、健康食品(機能性飲食品)、保健機能食品(特定保健用食品,栄養機能食品,機能性表示食品)、医薬部外品、医薬品等を構成する飲食品を幅広く含むものを意味する。
前記経口用組成物の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、茶飲料、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料、アルコール飲料、コーヒー飲料、コーヒー入り清涼飲料等の飲料(これらの飲料の濃縮原液及び調整用粉末を含む);アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子、パン等の菓子類;カニ、サケ、アサリ、マグロ、イワシ、エビ、カツオ、サバ、クジラ、カキ、サンマ、イカ、アカガイ、ホタテ、アワビ、ウニ、イクラ、トコブシ等の水産物;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;カレー、シチュー、親子丼、お粥、雑炊、中華丼、かつ丼、天丼、うな丼、ハヤシライス、おでん、マーボドーフ、牛丼、ミートソース、玉子スープ、オムライス、餃子、シューマイ、ハンバーグ、ミートボール等のレトルトパウチ食品;サラダ、漬物等の惣菜;種々の形態の健康・美容・栄養補助食品;錠剤、顆粒剤、カプセル剤、ドリンク剤、トローチ、うがい薬等の医薬品、医薬部外品;口中清涼剤、口臭防止剤等の口腔内で使用する口腔清涼剤、歯磨剤などが挙げられる。
<ヒハツ抽出物含有組成物>
前記経口用組成物における前記ヒハツ抽出物含有組成物の含有量としては、特に制限はなく、使用目的、症状、性別等を考慮して適宜調整することができる。
前記経口用組成物における前記ヒハツ抽出物含有組成物の含有量としては、特に制限はなく、使用目的、症状、性別等を考慮して適宜調整することができる。
<その他の成分>
前記経口用組成物における前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、通常の経口用組成物の製造に用いられる補助的原料又は添加物又はその他の成分の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、pH調整剤、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、dl-α-トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤、溶媒、安定化剤、酸化防止剤等の各種添加剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記経口用組成物における前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、通常の経口用組成物の製造に用いられる補助的原料又は添加物又はその他の成分の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、pH調整剤、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、dl-α-トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤、溶媒、安定化剤、酸化防止剤等の各種添加剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記経口用組成物における前記その他の成分の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
以下に調製例及び試験例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの調製例及び試験例に何ら限定されるものではない。
(調製例1)
<洗浄工程-1>
原料としてヒハツの果穂部(乾燥物)約5gを褐色スクリュー管に精秤し(秤取量5.19g)、洗浄の溶媒として原料に対して10倍重量の水を加え、90℃で1時間洗浄した。洗浄後、ピペットで残渣を吸わないように洗浄により生じた液体を回収し、冷却後の液重量を確認した。
<洗浄工程-1>
原料としてヒハツの果穂部(乾燥物)約5gを褐色スクリュー管に精秤し(秤取量5.19g)、洗浄の溶媒として原料に対して10倍重量の水を加え、90℃で1時間洗浄した。洗浄後、ピペットで残渣を吸わないように洗浄により生じた液体を回収し、冷却後の液重量を確認した。
<洗浄工程-2>
前記洗浄工程-1で生じた残渣(全量)に、洗浄の溶媒として前記残渣に対して10倍重量の水を加え、90℃で1時間洗浄した。洗浄後、ピペットで残渣を吸わないように洗浄により生じた液体を回収し、冷却後の液重量を確認した。
前記洗浄工程-1で生じた残渣(全量)に、洗浄の溶媒として前記残渣に対して10倍重量の水を加え、90℃で1時間洗浄した。洗浄後、ピペットで残渣を吸わないように洗浄により生じた液体を回収し、冷却後の液重量を確認した。
<抽出工程-1>
前記洗浄工程-2で生じた残渣(全量)に、抽出の溶媒として前記残渣に対して6倍重量の50容量%エタノールを加え、90℃で1時間抽出した。抽出後、ピペットで残渣を吸わないように抽出液を回収し、冷却後の液重量を確認した。
前記洗浄工程-2で生じた残渣(全量)に、抽出の溶媒として前記残渣に対して6倍重量の50容量%エタノールを加え、90℃で1時間抽出した。抽出後、ピペットで残渣を吸わないように抽出液を回収し、冷却後の液重量を確認した。
<抽出工程-2>
前記抽出工程-1で生じた残渣(全量)に、抽出の溶媒として前記残渣に対して6倍重量の50容量%エタノールを加え、90℃で1時間抽出した。抽出後、ピペットで残渣を吸わないように抽出液を回収し、冷却後の液重量を確認した。
前記抽出工程-1で生じた残渣(全量)に、抽出の溶媒として前記残渣に対して6倍重量の50容量%エタノールを加え、90℃で1時間抽出した。抽出後、ピペットで残渣を吸わないように抽出液を回収し、冷却後の液重量を確認した。
<ピペリン含量の確認>
前記洗浄工程-1及び2で回収した洗浄により生じた液体、並びに前記抽出工程-1及び2で回収した抽出液のそれぞれについて、特開2020-173153号公報に記載の方法により、ピペリン含量を確認した。
具体的には、特開2020-173153号公報に記載の〔実施例1〕と同様にしてピペリンの純度測定を行った。
そして、特開2020-173153号公報に記載の〔実施例3〕における定量用試料溶液を、下記の試料溶液に代えた以外は、前記〔実施例3〕と同様にして定量を行い(分析条件は下記参照)、ピペリン含量を確認した。結果を下記の表1-1に示す。
-試料溶液-
前記洗浄工程-1及び2で回収した洗浄により生じた液体、並びに前記抽出工程-1及び2で回収した抽出液の一部を、水/アセトニトリル/ギ酸(容量比550:450:1)の混合溶媒で希釈したものを試料溶液とした。
-分析条件(液体クロマトグラフィー条件)-
・ 液体クロマトグラフ装置:Nexera lite(製品名、島津製作所社製)
・ 検出器:SPD-40(UV、波長270nm、島津製作所社製)
・ 注入量:20μL
・ カラム:Meteoric Core C18(100mm×4.6mm、YMC社製)
・ カラム温度:35℃
・ 移動相:水/アセトニトリル/ギ酸(容量比550:450:1)
・ 流速:1.4mL/min
・ 分析時間(Run time):5min
前記洗浄工程-1及び2で回収した洗浄により生じた液体、並びに前記抽出工程-1及び2で回収した抽出液のそれぞれについて、特開2020-173153号公報に記載の方法により、ピペリン含量を確認した。
具体的には、特開2020-173153号公報に記載の〔実施例1〕と同様にしてピペリンの純度測定を行った。
そして、特開2020-173153号公報に記載の〔実施例3〕における定量用試料溶液を、下記の試料溶液に代えた以外は、前記〔実施例3〕と同様にして定量を行い(分析条件は下記参照)、ピペリン含量を確認した。結果を下記の表1-1に示す。
-試料溶液-
前記洗浄工程-1及び2で回収した洗浄により生じた液体、並びに前記抽出工程-1及び2で回収した抽出液の一部を、水/アセトニトリル/ギ酸(容量比550:450:1)の混合溶媒で希釈したものを試料溶液とした。
-分析条件(液体クロマトグラフィー条件)-
・ 液体クロマトグラフ装置:Nexera lite(製品名、島津製作所社製)
・ 検出器:SPD-40(UV、波長270nm、島津製作所社製)
・ 注入量:20μL
・ カラム:Meteoric Core C18(100mm×4.6mm、YMC社製)
・ カラム温度:35℃
・ 移動相:水/アセトニトリル/ギ酸(容量比550:450:1)
・ 流速:1.4mL/min
・ 分析時間(Run time):5min
<色調の測定>
前記洗浄工程-1及び2で回収した洗浄により生じた液体、並びに前記抽出工程-1及び2で回収した抽出液のそれぞれについて、濁りのあるものはメンブランろ過により清澄化し、分光色差計(SE6000、日本電色工業株式会社製)に付して透過測色モードにて色調を測定した。純水を基準とした各試料溶液のΔE*の値を下記の表1-1に示す。
前記洗浄工程-1及び2で回収した洗浄により生じた液体、並びに前記抽出工程-1及び2で回収した抽出液のそれぞれについて、濁りのあるものはメンブランろ過により清澄化し、分光色差計(SE6000、日本電色工業株式会社製)に付して透過測色モードにて色調を測定した。純水を基準とした各試料溶液のΔE*の値を下記の表1-1に示す。
(調製例2)
<洗浄工程-1>
調製例1で用いた原料とは異なるロットのヒハツの果穂部(乾燥物)を原料とした以外は、調製例1における洗浄工程-1と同様にして、洗浄を行った。なお、原料の秤取量は、5.09gだった。
<洗浄工程-1>
調製例1で用いた原料とは異なるロットのヒハツの果穂部(乾燥物)を原料とした以外は、調製例1における洗浄工程-1と同様にして、洗浄を行った。なお、原料の秤取量は、5.09gだった。
<洗浄工程-2>
前記洗浄工程-1で生じた残渣を用いた以外は、調製例1における洗浄工程-2と同様にして、洗浄を行った。
前記洗浄工程-1で生じた残渣を用いた以外は、調製例1における洗浄工程-2と同様にして、洗浄を行った。
<抽出工程-1>
前記洗浄工程-2で生じた残渣を用いた以外は、調製例1における抽出工程-1と同様にして、抽出を行った。
前記洗浄工程-2で生じた残渣を用いた以外は、調製例1における抽出工程-1と同様にして、抽出を行った。
<抽出工程-2>
前記抽出工程-1で生じた残渣を用いた以外は、調製例1における抽出工程-2と同様にして、抽出を行った。
前記抽出工程-1で生じた残渣を用いた以外は、調製例1における抽出工程-2と同様にして、抽出を行った。
<ピペリン含量の確認及び色調の測定>
前記洗浄工程-1及び2で回収した洗浄により生じた液体、並びに前記抽出工程-1及び2で回収した抽出液のそれぞれについて、調製例1と同様にして、ピペリン含量の確認及び色調の測定を行った。結果を下記の表1-1に示す。
前記洗浄工程-1及び2で回収した洗浄により生じた液体、並びに前記抽出工程-1及び2で回収した抽出液のそれぞれについて、調製例1と同様にして、ピペリン含量の確認及び色調の測定を行った。結果を下記の表1-1に示す。
(調製例3)
<洗浄工程-1>
調製例1及び2で用いた原料とは異なるロットのヒハツの果穂部(乾燥物)を原料とした以外は、調製例1における洗浄工程-1と同様にして、洗浄を行った。なお、原料の秤取量は、5.56gだった。
<洗浄工程-1>
調製例1及び2で用いた原料とは異なるロットのヒハツの果穂部(乾燥物)を原料とした以外は、調製例1における洗浄工程-1と同様にして、洗浄を行った。なお、原料の秤取量は、5.56gだった。
<洗浄工程-2>
前記洗浄工程-1で生じた残渣を用いた以外は、調製例1における洗浄工程-2と同様にして、洗浄を行った。
前記洗浄工程-1で生じた残渣を用いた以外は、調製例1における洗浄工程-2と同様にして、洗浄を行った。
<抽出工程-1>
前記洗浄工程-2で生じた残渣を用いた以外は、調製例1における抽出工程-1と同様にして、抽出を行った。
前記洗浄工程-2で生じた残渣を用いた以外は、調製例1における抽出工程-1と同様にして、抽出を行った。
<抽出工程-2>
前記抽出工程-1で生じた残渣を用いた以外は、調製例1における抽出工程-2と同様にして、抽出を行った。
前記抽出工程-1で生じた残渣を用いた以外は、調製例1における抽出工程-2と同様にして、抽出を行った。
<ピペリン含量の確認及び色調の測定>
前記洗浄工程-1及び2で回収した洗浄により生じた液体、並びに前記抽出工程-1及び2で回収した抽出液のそれぞれについて、調製例1と同様にして、ピペリン含量の確認及び色調の測定を行った。結果を下記の表1-1に示す。
前記洗浄工程-1及び2で回収した洗浄により生じた液体、並びに前記抽出工程-1及び2で回収した抽出液のそれぞれについて、調製例1と同様にして、ピペリン含量の確認及び色調の測定を行った。結果を下記の表1-1に示す。
(調製例4)
<洗浄工程-1>
調製例1~3で用いた原料とは異なるロットのヒハツの果穂部(乾燥物)を原料とした以外は、調製例1における洗浄工程-1と同様にして、洗浄を行った。なお、原料の秤取量は、5.35gだった。
<洗浄工程-1>
調製例1~3で用いた原料とは異なるロットのヒハツの果穂部(乾燥物)を原料とした以外は、調製例1における洗浄工程-1と同様にして、洗浄を行った。なお、原料の秤取量は、5.35gだった。
<洗浄工程-2>
前記洗浄工程-1で生じた残渣を用いた以外は、調製例1における洗浄工程-2と同様にして、洗浄を行った。
前記洗浄工程-1で生じた残渣を用いた以外は、調製例1における洗浄工程-2と同様にして、洗浄を行った。
<抽出工程-1>
前記洗浄工程-2で生じた残渣を用い、抽出の溶媒として前記残渣に対して6倍重量の水を用いた以外は、調製例1における抽出工程-1と同様にして、抽出を行った。
前記洗浄工程-2で生じた残渣を用い、抽出の溶媒として前記残渣に対して6倍重量の水を用いた以外は、調製例1における抽出工程-1と同様にして、抽出を行った。
<抽出工程-2>
前記抽出工程-1で生じた残渣を用い、抽出の溶媒として前記残渣に対して6倍重量の水を用いた以外は、調製例1における抽出工程-2と同様にして、抽出を行った。
前記抽出工程-1で生じた残渣を用い、抽出の溶媒として前記残渣に対して6倍重量の水を用いた以外は、調製例1における抽出工程-2と同様にして、抽出を行った。
<ピペリン含量の確認及び色調の測定>
前記洗浄工程-1及び2で回収した洗浄により生じた液体、並びに前記抽出工程-1及び2で回収した抽出液のそれぞれについて、調製例1と同様にして、ピペリン含量の確認及び色調の測定を行った。結果を下記の表1-2に示す。
前記洗浄工程-1及び2で回収した洗浄により生じた液体、並びに前記抽出工程-1及び2で回収した抽出液のそれぞれについて、調製例1と同様にして、ピペリン含量の確認及び色調の測定を行った。結果を下記の表1-2に示す。
(調製例5)
<洗浄工程-1>
調製例1~4で用いた原料とは異なるロットのヒハツの果穂部(乾燥物)を原料とした以外は、調製例1における洗浄工程-1と同様にして、洗浄を行った。なお、原料の秤取量は、5.61gだった。
<洗浄工程-1>
調製例1~4で用いた原料とは異なるロットのヒハツの果穂部(乾燥物)を原料とした以外は、調製例1における洗浄工程-1と同様にして、洗浄を行った。なお、原料の秤取量は、5.61gだった。
<洗浄工程-2>
前記洗浄工程-1で生じた残渣を用いた以外は、調製例1における洗浄工程-2と同様にして、洗浄を行った。
前記洗浄工程-1で生じた残渣を用いた以外は、調製例1における洗浄工程-2と同様にして、洗浄を行った。
<抽出工程-1>
前記洗浄工程-2で生じた残渣を用いた以外は、調製例4における抽出工程-1と同様にして、抽出を行った。
前記洗浄工程-2で生じた残渣を用いた以外は、調製例4における抽出工程-1と同様にして、抽出を行った。
<抽出工程-2>
前記抽出工程-1で生じた残渣を用いた以外は、調製例4における抽出工程-2と同様にして、抽出を行った。
前記抽出工程-1で生じた残渣を用いた以外は、調製例4における抽出工程-2と同様にして、抽出を行った。
<ピペリン含量の確認及び色調の測定>
前記洗浄工程-1及び2で回収した洗浄により生じた液体、並びに前記抽出工程-1及び2で回収した抽出液のそれぞれについて、調製例1と同様にして、ピペリン含量の確認及び色調の測定を行った。結果を下記の表1-2に示す。
前記洗浄工程-1及び2で回収した洗浄により生じた液体、並びに前記抽出工程-1及び2で回収した抽出液のそれぞれについて、調製例1と同様にして、ピペリン含量の確認及び色調の測定を行った。結果を下記の表1-2に示す。
(調製例6)
<洗浄工程-1>
調製例1~5で用いた原料とは異なるロットのヒハツの果穂部(乾燥物)を原料とした以外は、調製例1における洗浄工程-1と同様にして、洗浄を行った。なお、原料の秤取量は、5.79gだった。
<洗浄工程-1>
調製例1~5で用いた原料とは異なるロットのヒハツの果穂部(乾燥物)を原料とした以外は、調製例1における洗浄工程-1と同様にして、洗浄を行った。なお、原料の秤取量は、5.79gだった。
<洗浄工程-2>
前記洗浄工程-1で生じた残渣を用いた以外は、調製例1における洗浄工程-2と同様にして、洗浄を行った。
前記洗浄工程-1で生じた残渣を用いた以外は、調製例1における洗浄工程-2と同様にして、洗浄を行った。
<抽出工程-1>
前記洗浄工程-2で生じた残渣を用いた以外は、調製例4における抽出工程-1と同様にして、抽出を行った。
前記洗浄工程-2で生じた残渣を用いた以外は、調製例4における抽出工程-1と同様にして、抽出を行った。
<抽出工程-2>
前記抽出工程-1で生じた残渣を用いた以外は、調製例4における抽出工程-2と同様にして、抽出を行った。
前記抽出工程-1で生じた残渣を用いた以外は、調製例4における抽出工程-2と同様にして、抽出を行った。
<ピペリン含量の確認及び色調の測定>
前記洗浄工程-1及び2で回収した洗浄により生じた液体、並びに前記抽出工程-1及び2で回収した抽出液のそれぞれについて、調製例1と同様にして、ピペリン含量の確認及び色調の測定を行った。結果を下記の表1-2に示す。
前記洗浄工程-1及び2で回収した洗浄により生じた液体、並びに前記抽出工程-1及び2で回収した抽出液のそれぞれについて、調製例1と同様にして、ピペリン含量の確認及び色調の測定を行った。結果を下記の表1-2に示す。
(調製例7)
<抽出工程-1>
原料として調製例1で用いた原料と同じロットのヒハツの果穂部(乾燥物)約5gを褐色スクリュー管に精秤し(秤取量5.22g)、抽出の溶媒として原料に対して10倍重量の50容量%エタノールを加え、90℃で1時間抽出した。抽出後、ピペットで残渣を吸わないように抽出液を回収し、冷却後の液重量を確認した。
<抽出工程-1>
原料として調製例1で用いた原料と同じロットのヒハツの果穂部(乾燥物)約5gを褐色スクリュー管に精秤し(秤取量5.22g)、抽出の溶媒として原料に対して10倍重量の50容量%エタノールを加え、90℃で1時間抽出した。抽出後、ピペットで残渣を吸わないように抽出液を回収し、冷却後の液重量を確認した。
<抽出工程-2>
前記抽出工程-1で生じた残渣(全量)に、抽出の溶媒として前記残渣に対して10倍重量の50容量%エタノールを加え、90℃で1時間抽出した。抽出後、ピペットで残渣を吸わないように抽出液を回収し、冷却後の液重量を確認した。
前記抽出工程-1で生じた残渣(全量)に、抽出の溶媒として前記残渣に対して10倍重量の50容量%エタノールを加え、90℃で1時間抽出した。抽出後、ピペットで残渣を吸わないように抽出液を回収し、冷却後の液重量を確認した。
<ピペリン含量の確認及び色調の測定>
前記抽出工程-1及び2で回収した抽出液のそれぞれについて、調製例1と同様にして、ピペリン含量の確認及び色調の測定を行った。結果を下記の表1-3に示す。
前記抽出工程-1及び2で回収した抽出液のそれぞれについて、調製例1と同様にして、ピペリン含量の確認及び色調の測定を行った。結果を下記の表1-3に示す。
(調製例8)
<抽出工程-1>
調製例2で用いた原料と同じロットのヒハツの果穂部(乾燥物)を原料とした以外は、調製例7における抽出工程-1と同様にして、抽出を行った。なお、原料の秤取量は、5.55gだった。
<抽出工程-1>
調製例2で用いた原料と同じロットのヒハツの果穂部(乾燥物)を原料とした以外は、調製例7における抽出工程-1と同様にして、抽出を行った。なお、原料の秤取量は、5.55gだった。
<抽出工程-2>
前記抽出工程-1で生じた残渣を用いた以外は、調製例7における抽出工程-2と同様にして、抽出を行った。
前記抽出工程-1で生じた残渣を用いた以外は、調製例7における抽出工程-2と同様にして、抽出を行った。
<ピペリン含量の確認及び色調の測定>
前記抽出工程-1及び2で回収した抽出液のそれぞれについて、調製例1と同様にして、ピペリン含量の確認及び色調の測定を行った。結果を下記の表1-3に示す。
前記抽出工程-1及び2で回収した抽出液のそれぞれについて、調製例1と同様にして、ピペリン含量の確認及び色調の測定を行った。結果を下記の表1-3に示す。
(調製例9)
<抽出工程-1>
調製例3で用いた原料と同じロットのヒハツの果穂部(乾燥物)を原料とした以外は、調製例7における抽出工程-1と同様にして、抽出を行った。なお、原料の秤取量は、5.38gだった。
<抽出工程-1>
調製例3で用いた原料と同じロットのヒハツの果穂部(乾燥物)を原料とした以外は、調製例7における抽出工程-1と同様にして、抽出を行った。なお、原料の秤取量は、5.38gだった。
<抽出工程-2>
前記抽出工程-1で生じた残渣を用いた以外は、調製例7における抽出工程-2と同様にして、抽出を行った。
前記抽出工程-1で生じた残渣を用いた以外は、調製例7における抽出工程-2と同様にして、抽出を行った。
<ピペリン含量の確認及び色調の測定>
前記抽出工程-1及び2で回収した抽出液のそれぞれについて、調製例1と同様にして、ピペリン含量の確認及び色調の測定を行った。結果を下記の表1-3に示す。
前記抽出工程-1及び2で回収した抽出液のそれぞれについて、調製例1と同様にして、ピペリン含量の確認及び色調の測定を行った。結果を下記の表1-3に示す。
回収した液(洗浄工程で生じた液体、又は抽出工程で得られた抽出液)重量、原料の秤取量、及びピペリン含量より、対原料ピペリン収率(以下、「変数a」と称する。)を算出した。
また、ΔE*は、ΔL*、Δa*、Δb*の二乗和の平方根であり、総合的な色調が基準に対しどの程度乖離しているかを示す。色調の濃淡は色素濃度に指数関数的に依存することから、ΔE*の常用対数log10ΔE*を色素濃度の簡易的な指標とし、これに回収した液重量を乗じて、抽出された色素の相対的な量を求め、さらに原料秤取量を除することで、対原料色素収率の指標(変数b1(洗浄工程で生じた液体)、変数b2(抽出工程で得られた抽出液))とした。
また、ピペリン含量をlog10ΔE*で除することで、色素成分量を抑えてピペリンを抽出する効率の指標(以下、「変数c」と称する。)とした。
結果を表2-1~2-3に示す。
変数a(mg/g)={回収した液重量(g)×ピペリン含量(mg/g)}/原料の秤取量(g)
変数b1={log10ΔE*×洗浄工程で生じた液体の重量(g)}/原料の秤取量(g)
変数b2={log10ΔE*×抽出液の重量(g)}/原料の秤取量(g)
変数c=ピペリン含量(μg/g)/log10ΔE*
また、ΔE*は、ΔL*、Δa*、Δb*の二乗和の平方根であり、総合的な色調が基準に対しどの程度乖離しているかを示す。色調の濃淡は色素濃度に指数関数的に依存することから、ΔE*の常用対数log10ΔE*を色素濃度の簡易的な指標とし、これに回収した液重量を乗じて、抽出された色素の相対的な量を求め、さらに原料秤取量を除することで、対原料色素収率の指標(変数b1(洗浄工程で生じた液体)、変数b2(抽出工程で得られた抽出液))とした。
また、ピペリン含量をlog10ΔE*で除することで、色素成分量を抑えてピペリンを抽出する効率の指標(以下、「変数c」と称する。)とした。
結果を表2-1~2-3に示す。
変数a(mg/g)={回収した液重量(g)×ピペリン含量(mg/g)}/原料の秤取量(g)
変数b1={log10ΔE*×洗浄工程で生じた液体の重量(g)}/原料の秤取量(g)
変数b2={log10ΔE*×抽出液の重量(g)}/原料の秤取量(g)
変数c=ピペリン含量(μg/g)/log10ΔE*
表2-1~2-3に示した各変数について、ロットが異なる以外は同じ条件で洗浄又は抽出を行ったものの平均値を表3に示す。
以上の結果から、ヒハツ原料を熱水で洗浄処理した後に、水や、水と親水性溶媒との混合溶媒等の各種抽出溶媒で抽出することで、洗浄工程を行わずに抽出工程を行った場合と比較して、同等以上の量のピペリン収率(変数a)が得られ、且つ、色素成分の収率(変数b)が抑制され、効率的にピペリンが抽出可能と考えられた。
(試験例1)
調製例1と同様の方法で洗浄工程-1及び2を行い、各洗浄工程で回収した洗浄により生じた液体をヒハツ抽出物とした。
デキストリンを溶解させた溶液に、前記ヒハツ抽出物を加えて混合し、混合液とした。次いで、前記混合液をロータリーエバポレーターN-1100型(東京理化器械株式会社製)で減圧濃縮し、得られた濃縮液を凍結乾燥し、乾燥物を乳鉢で粉砕して粉末化することで、ヒハツ抽出物含有組成物(1)を得た。なお、ヒハツ抽出物含有組成物(1)は、ピペリン含量が約750μg/gとなるように調製した。
調製例1と同様の方法で洗浄工程-1及び2を行い、各洗浄工程で回収した洗浄により生じた液体をヒハツ抽出物とした。
デキストリンを溶解させた溶液に、前記ヒハツ抽出物を加えて混合し、混合液とした。次いで、前記混合液をロータリーエバポレーターN-1100型(東京理化器械株式会社製)で減圧濃縮し、得られた濃縮液を凍結乾燥し、乾燥物を乳鉢で粉砕して粉末化することで、ヒハツ抽出物含有組成物(1)を得た。なお、ヒハツ抽出物含有組成物(1)は、ピペリン含量が約750μg/gとなるように調製した。
(試験例2)
試験例1と同様にして、ピペリン含量が約750μg/gとなるように調製したヒハツ抽出物含有組成物(2)を得た(試験例1と異なるロットのヒハツ抽出物を使用)。
試験例1と同様にして、ピペリン含量が約750μg/gとなるように調製したヒハツ抽出物含有組成物(2)を得た(試験例1と異なるロットのヒハツ抽出物を使用)。
(試験例3)
試験例1と同様にして、ピペリン含量が約750μg/gとなるように調製したヒハツ抽出物含有組成物(3)を得た(試験例1及び2と異なるロットのヒハツ抽出物を使用)。
試験例1と同様にして、ピペリン含量が約750μg/gとなるように調製したヒハツ抽出物含有組成物(3)を得た(試験例1及び2と異なるロットのヒハツ抽出物を使用)。
(試験例4)
調製例4と同様の方法で洗浄工程-1及び2、並びに抽出工程-1及び2を行い、各抽出工程で回収した抽出液をヒハツ抽出物とした。
前記ヒハツ抽出物を用いた以外は、試験例1と同様にしてヒハツ抽出物含有組成物(4)を得た(ピペリン含量は約750μg/g)。
調製例4と同様の方法で洗浄工程-1及び2、並びに抽出工程-1及び2を行い、各抽出工程で回収した抽出液をヒハツ抽出物とした。
前記ヒハツ抽出物を用いた以外は、試験例1と同様にしてヒハツ抽出物含有組成物(4)を得た(ピペリン含量は約750μg/g)。
(試験例5)
試験例4と同様にして、ピペリン含量が約750μg/gとなるように調製したヒハツ抽出物含有組成物(5)を得た(試験例4と異なるロットのヒハツ抽出物を使用)。
試験例4と同様にして、ピペリン含量が約750μg/gとなるように調製したヒハツ抽出物含有組成物(5)を得た(試験例4と異なるロットのヒハツ抽出物を使用)。
(試験例6)
ピペリン含量が約2,250μg/gとなるように調製した以外は、試験例4と同様にして、ヒハツ抽出物含有組成物(6)を得た(試験例4及び5と異なるロットのヒハツ抽出物を使用)。
ピペリン含量が約2,250μg/gとなるように調製した以外は、試験例4と同様にして、ヒハツ抽出物含有組成物(6)を得た(試験例4及び5と異なるロットのヒハツ抽出物を使用)。
<評価>
試験例1~6で得たヒハツ抽出物含有組成物(1)~(6)について、下記の評価を行った。
試験例1~6で得たヒハツ抽出物含有組成物(1)~(6)について、下記の評価を行った。
<<ピペリン含量の確認>>
調製例1と同様にして、ヒハツ抽出物含有組成物(1)~(6)におけるピペリン含量を確認した。結果を表4に示す。
調製例1と同様にして、ヒハツ抽出物含有組成物(1)~(6)におけるピペリン含量を確認した。結果を表4に示す。
<<ポリフェノール含量の確認>>
ヒハツ抽出物含有組成物(1)~(6)におけるポリフェノール含量を下記のようにして確認した。結果を表4に示す。
-ポリフェノールの含有量の測定(フォーリン・デニス法)-
基準品として、(+)-カテキン水和物(TCI製、純度(HPLC)99.7面積%)を用いた。
基準品として(+)-カテキン水和物約32mgを量り取り、DMSOを加えて超音波処理により溶解し、10mLに定容した。この液1mLをとり、DMSOを加えて20mLに定容した(約0.16mg/mL)。この液をDMSOで段階希釈し、約0.02mg/mL、0.04mg/mL、0.08mg/mL、0.16mg/mL、0.32mg/mLに調製し、検量線用溶液とした。ヒハツ抽出物含有組成物(1)~(5)の検体は約200mg、ヒハツ抽出物含有組成物(6)の検体は約90mgを量り取り、DMSOを加えてときどき振り混ぜながら超音波処理により均一に分散し、濁りが落ち着くまで静置し、再度超音波処理を行い澄明に溶解した。この液にDMSOを加えて10mLに定容し、試料溶液とした。対照としてはDMSOを用いた。
試料溶液、検量線用溶液、対照をそれぞれ0.6mLとり、水2.4mLを加えて混合後、2倍希釈したフォーリン・チオカルト試薬1mLを加えて混合した。3分後、10%Na2CO3水溶液2mLを加えて混合し、1時間静置した。反応液を吸光光度計に付し、波長700nmでの吸光度を測定した。
(+)-カテキン濃度と吸光度より作成した検量線を用いて、検体中のポリフェノールの含有量(カテキン換算)を算出した。
ヒハツ抽出物含有組成物(1)~(6)におけるポリフェノール含量を下記のようにして確認した。結果を表4に示す。
-ポリフェノールの含有量の測定(フォーリン・デニス法)-
基準品として、(+)-カテキン水和物(TCI製、純度(HPLC)99.7面積%)を用いた。
基準品として(+)-カテキン水和物約32mgを量り取り、DMSOを加えて超音波処理により溶解し、10mLに定容した。この液1mLをとり、DMSOを加えて20mLに定容した(約0.16mg/mL)。この液をDMSOで段階希釈し、約0.02mg/mL、0.04mg/mL、0.08mg/mL、0.16mg/mL、0.32mg/mLに調製し、検量線用溶液とした。ヒハツ抽出物含有組成物(1)~(5)の検体は約200mg、ヒハツ抽出物含有組成物(6)の検体は約90mgを量り取り、DMSOを加えてときどき振り混ぜながら超音波処理により均一に分散し、濁りが落ち着くまで静置し、再度超音波処理を行い澄明に溶解した。この液にDMSOを加えて10mLに定容し、試料溶液とした。対照としてはDMSOを用いた。
試料溶液、検量線用溶液、対照をそれぞれ0.6mLとり、水2.4mLを加えて混合後、2倍希釈したフォーリン・チオカルト試薬1mLを加えて混合した。3分後、10%Na2CO3水溶液2mLを加えて混合し、1時間静置した。反応液を吸光光度計に付し、波長700nmでの吸光度を測定した。
(+)-カテキン濃度と吸光度より作成した検量線を用いて、検体中のポリフェノールの含有量(カテキン換算)を算出した。
表4の結果から、本発明の製造方法で得られたヒハツ抽出物を含むヒハツ抽出物含有組成物(4)~(6)は、洗浄工程で生じた液体を含むヒハツ抽出物含有組成物(1)~(3)と比較して、ポリフェノール/ピペリン比(質量比)が低下しており、ピペリンが精製され、ポリフェノールが減少していると考えられた。
<<分光色差計による測定>>
ヒハツ抽出物含有組成物(1)~(6)の色調について、下記のようにして分光色差計により測定した。
-測定-
ヒハツ抽出物含有組成物(1)~(5)の検体は300mg、ヒハツ抽出物含有組成物(6)の検体は100mgを量り取り、0.5%クエン酸水溶液を加えて溶解し、50mLに定容し試料溶液とした。
試料溶液を分光色差計(SE6000、日本電色工業株式会社製)に付し、透過測色モードにて色調を測定した。純水を基準とした各試料溶液のΔE*の値を下記の表5に示す。
ヒハツ抽出物含有組成物(1)~(6)の色調について、下記のようにして分光色差計により測定した。
-測定-
ヒハツ抽出物含有組成物(1)~(5)の検体は300mg、ヒハツ抽出物含有組成物(6)の検体は100mgを量り取り、0.5%クエン酸水溶液を加えて溶解し、50mLに定容し試料溶液とした。
試料溶液を分光色差計(SE6000、日本電色工業株式会社製)に付し、透過測色モードにて色調を測定した。純水を基準とした各試料溶液のΔE*の値を下記の表5に示す。
表5の結果から、本発明の製造方法で得られたヒハツ抽出物を含むヒハツ抽出物含有組成物(4)~(6)は、洗浄工程で生じた液体を含むヒハツ抽出物含有組成物(1)~(3)と比較して、溶液の色調が無色に近づいており、ピペリンが精製され、色調に影響する成分が減少していると考えられた。
表5に示した各検体のΔE*について、別途測定した試料溶液中のピペリン量との比較を行った結果を表6に示す。
表6の結果から、試料溶液のピペリン量を一定に調製した場合、洗浄工程で生じた液体を含むヒハツ抽出物含有組成物(1)~(3)の方が、本発明の製造方法で得られたヒハツ抽出物を含むヒハツ抽出物含有組成物(4)~(6)よりも色調が濃いと推定された。
<<味覚センサーによる測定>>
ヒハツ抽出物含有組成物(1)~(6)について、下記のようにして味覚センサーによる測定を行った。
-測定-
ヒハツ抽出物含有組成物(1)~(5)の検体は5g、ヒハツ抽出物含有組成物(6)の検体は1.67gを量り取り、純水を加えて溶解し、100mLに定容し試料溶液とした。
試料溶液及び基準液(30mM KCl、0.3mM酒石酸混液)を味覚認識装置TS-5000Z(株式会社インテリジェントセンサーテクノロジー製)に付し、苦味センサー(C00、株式会社インテリジェントセンサーテクノロジー製)、渋味センサー(AE1、株式会社インテリジェントセンサーテクノロジー製)、旨味センサー(AAE、株式会社インテリジェントセンサーテクノロジー製)、塩味センサー(CT0、株式会社インテリジェントセンサーテクノロジー製)、酸味センサー(CA0、株式会社インテリジェントセンサーテクノロジー製)を用いて測定した。
各センサーの応答値から味の推定値(補間加算)を算出し、ヒハツ抽出物含有組成物(1)~(3)の検体の平均値に対する差分(補間差分)を算出した。また、試料溶液の導電率の影響を考慮し、「苦味雑味」と「渋味刺激」については、塩味データによる補正を行わない味の推定値を算出した。
旨味(塩味補正あり)、苦味雑味(塩味補正なし)、及び渋味刺激(塩味補正なし)について、味の推定値(補間加算)の結果を表7-1に、ヒハツ抽出物含有組成物(1)~(3)の検体の平均値に対する差分(補間差分)の結果を表7-2に示す。なお、味覚センサーによる数値は、その数値が基準(0)より正の数の場合はその味が強く、負の数の場合はその味が弱いことを示し、数値の差が1以上の場合、ほとんどの人が味の違いを感じることができるとされる。
ヒハツ抽出物含有組成物(1)~(6)について、下記のようにして味覚センサーによる測定を行った。
-測定-
ヒハツ抽出物含有組成物(1)~(5)の検体は5g、ヒハツ抽出物含有組成物(6)の検体は1.67gを量り取り、純水を加えて溶解し、100mLに定容し試料溶液とした。
試料溶液及び基準液(30mM KCl、0.3mM酒石酸混液)を味覚認識装置TS-5000Z(株式会社インテリジェントセンサーテクノロジー製)に付し、苦味センサー(C00、株式会社インテリジェントセンサーテクノロジー製)、渋味センサー(AE1、株式会社インテリジェントセンサーテクノロジー製)、旨味センサー(AAE、株式会社インテリジェントセンサーテクノロジー製)、塩味センサー(CT0、株式会社インテリジェントセンサーテクノロジー製)、酸味センサー(CA0、株式会社インテリジェントセンサーテクノロジー製)を用いて測定した。
各センサーの応答値から味の推定値(補間加算)を算出し、ヒハツ抽出物含有組成物(1)~(3)の検体の平均値に対する差分(補間差分)を算出した。また、試料溶液の導電率の影響を考慮し、「苦味雑味」と「渋味刺激」については、塩味データによる補正を行わない味の推定値を算出した。
旨味(塩味補正あり)、苦味雑味(塩味補正なし)、及び渋味刺激(塩味補正なし)について、味の推定値(補間加算)の結果を表7-1に、ヒハツ抽出物含有組成物(1)~(3)の検体の平均値に対する差分(補間差分)の結果を表7-2に示す。なお、味覚センサーによる数値は、その数値が基準(0)より正の数の場合はその味が強く、負の数の場合はその味が弱いことを示し、数値の差が1以上の場合、ほとんどの人が味の違いを感じることができるとされる。
表7-1及び7-2の結果から、本発明の製造方法で得られたヒハツ抽出物を含むヒハツ抽出物含有組成物(4)~(6)は、洗浄工程で生じた液体を含むヒハツ抽出物含有組成物(1)~(3)と比較して、先味(旨味、苦味雑味、渋味刺激)についての補間差分が-1以下であり、ヒハツ抽出物含有組成物(4)~(6)とヒハツ抽出物含有組成物(1)~(3)の味が違うと感じられると推測された。
表7-1に示した補間加算のうち、ヒハツ抽出物含有組成物(4)~(6)で負の値となった渋味刺激を除いたものについて、別途測定した試料溶液中のピペリン量との比較を行った結果を表8に示す。
表8の結果から、試料溶液のピペリン量を一定に調製した場合、洗浄工程で生じた液体を含むヒハツ抽出物含有組成物(1)~(3)の方が、本発明の製造方法で得られたヒハツ抽出物を含むヒハツ抽出物含有組成物(4)~(6)よりも先味(旨味、苦味雑味)が強いと推定された。
<<親水性成分/ピペリンのピーク面積比の確認>>
上記した<<ピペリン含量の確認>>で行なった液体クロマトグラフィー分析で得られたクロマトグラム上でホールドアップタイム(t0)付近(分析時間0.4~1.5分間)に検出される親水性成分の巨大ピーク(図1~6参照)と、ピペリンピークの面積比(X/Y)を確認した。結果を図1~6及び表9に示す。なお、図1~6は、それぞれヒハツ抽出物含有組成物(1)~(6)のクロマトグラムを示す。
上記した<<ピペリン含量の確認>>で行なった液体クロマトグラフィー分析で得られたクロマトグラム上でホールドアップタイム(t0)付近(分析時間0.4~1.5分間)に検出される親水性成分の巨大ピーク(図1~6参照)と、ピペリンピークの面積比(X/Y)を確認した。結果を図1~6及び表9に示す。なお、図1~6は、それぞれヒハツ抽出物含有組成物(1)~(6)のクロマトグラムを示す。
図1~6及び表9に示したように、本発明の製造方法で得られたヒハツ抽出物を含むヒハツ抽出物含有組成物(4)~(6)では、洗浄工程で生じた液体を含むヒハツ抽出物含有組成物(1)~(3)と比べ、ピペリンに対する親水性成分の比率が減少していた。
<<官能評価:シェッフェの一対比較法(中屋の変法)>>
ヒハツ抽出物含有組成物(1)~(6)について、下記のようにして官能評価を行った。
ヒハツ抽出物含有組成物(1)~(6)の各検体をピペリン濃度2.25μg/mLとなるよう純水に溶解し、ヒハツ抽出物含有組成物(1)~(3)の3検体(以下、「組合せI」と称することがある。)について、被験者に識別できないよう、A、B、Cとラベルで標識した。各溶液をカップに少量ずつとり、ヒハツ由来の風味(雑味、えぐみ、香りなどを合わせた総合的な風味。ピペリンに起因する辛さは評価しない)の強度についての官能評価を、シェッフェの一対比較法(中屋の変法)により行った。各被験者は、A-B、B-C、A-Cの3通りの対について、口に含む順序を考慮せず往復判断により、それぞれの対の風味の強さを比較した。なお、溶液を交換する際は、予め水で口の中をすすぐこととした。各対の評価結果について、例に倣って5段階評価にて採点を行い(下記参照)、回答用紙に記入させた。
また、ヒハツ抽出物含有組成物(4)~(6)の3検体(以下、「組合せII」と称することがある。)、ヒハツ抽出物含有組成物(3)~(5)の3検体(以下、「組合せIII」と称することがある。)についても、同様の官能評価を行った。
-対の採点例(A-Bの対を例として)-
・ AがBに比べて非常に強い(A>>B) ・・・ 2点
・ AがBに比べて幾分強い(A>B) ・・・ 1点
・ AとBが同じ強さ(A=B) ・・・ 0点
・ AがBに比べて幾分弱い(A<B) ・・・ -1点
・ AがBに比べて非常に弱い(A<<B) ・・・ -2点
ヒハツ抽出物含有組成物(1)~(6)について、下記のようにして官能評価を行った。
ヒハツ抽出物含有組成物(1)~(6)の各検体をピペリン濃度2.25μg/mLとなるよう純水に溶解し、ヒハツ抽出物含有組成物(1)~(3)の3検体(以下、「組合せI」と称することがある。)について、被験者に識別できないよう、A、B、Cとラベルで標識した。各溶液をカップに少量ずつとり、ヒハツ由来の風味(雑味、えぐみ、香りなどを合わせた総合的な風味。ピペリンに起因する辛さは評価しない)の強度についての官能評価を、シェッフェの一対比較法(中屋の変法)により行った。各被験者は、A-B、B-C、A-Cの3通りの対について、口に含む順序を考慮せず往復判断により、それぞれの対の風味の強さを比較した。なお、溶液を交換する際は、予め水で口の中をすすぐこととした。各対の評価結果について、例に倣って5段階評価にて採点を行い(下記参照)、回答用紙に記入させた。
また、ヒハツ抽出物含有組成物(4)~(6)の3検体(以下、「組合せII」と称することがある。)、ヒハツ抽出物含有組成物(3)~(5)の3検体(以下、「組合せIII」と称することがある。)についても、同様の官能評価を行った。
-対の採点例(A-Bの対を例として)-
・ AがBに比べて非常に強い(A>>B) ・・・ 2点
・ AがBに比べて幾分強い(A>B) ・・・ 1点
・ AとBが同じ強さ(A=B) ・・・ 0点
・ AがBに比べて幾分弱い(A<B) ・・・ -1点
・ AがBに比べて非常に弱い(A<<B) ・・・ -2点
組合せIについての結果(n=16)を表10及び図7に、組合せIIについての結果(n=8)を表11及び図8に、組合せIIIについての結果(n=8)を表12及び図9に示す。
官能評価データの分散分析の結果、組合せII以外は主効果×個人が有意となり、評価には個人差があると考えられた。検体に含有されるピペリンは辛味を呈するため、舌や口腔内にしびれを生じさせ、味を感じにくくさせると考えられた。
組合せI、II、及びIIIの通りの官能評価の結果、各検体のヒハツの風味の強度は、ヒハツ抽出物含有組成物(6)→(5)→(4)→(3)→(2)→(1)の順に強くなると推定された。
組合せI、II、及びIIIの通りの官能評価の結果、各検体のヒハツの風味の強度は、ヒハツ抽出物含有組成物(6)→(5)→(4)→(3)→(2)→(1)の順に強くなると推定された。
<<親水性成分/ピペリンのピーク面積比と、色調及び風味強度との相関性>>
表6に記載の単位ピペリンあたりの色調(ΔE*/ピペリン量)、表8に記載の単位ピペリンあたりの旨味、苦味雑味の応答値(旨味/ピペリン量、苦味雑味/ピペリン量)、及びピペリン濃度を一定に調製して行った官能評価の風味強度の順位(昇順(風味強度:弱→強)について、親水性成分/ピペリンのピーク面積比との相関性を検証した。
また、前記官能評価の風味強度の順位について、表8に記載の単位ピペリンあたりの旨味、苦味雑味の応答値(旨味/ピペリン量、苦味雑味/ピペリン量)との相関性も併せて検証した。
表6に記載の単位ピペリンあたりの色調(ΔE*/ピペリン量)、表8に記載の単位ピペリンあたりの旨味、苦味雑味の応答値(旨味/ピペリン量、苦味雑味/ピペリン量)、及びピペリン濃度を一定に調製して行った官能評価の風味強度の順位(昇順(風味強度:弱→強)について、親水性成分/ピペリンのピーク面積比との相関性を検証した。
また、前記官能評価の風味強度の順位について、表8に記載の単位ピペリンあたりの旨味、苦味雑味の応答値(旨味/ピペリン量、苦味雑味/ピペリン量)との相関性も併せて検証した。
表13に、親水性成分/ピペリンのピーク面積比、ΔE*/ピペリン量、旨味/ピペリン量、苦味雑味/ピペリン量、及び官能評価の風味強度の順位(昇順)をまとめて示す。
回帰分析の結果、親水性成分/ピペリンのピーク面積比と、ΔE*/ピペリン量及び官能評価の風味強度の順位(昇順)には、高い相関性が確認された(それぞれ、R2=0.9771、R2=0.8557)。味覚センサーでの評価結果のうち、苦味雑味/ピペリン量は、親水性成分/ピペリンのピーク面積比と比較的高い相関性を示した(R2=0.7925)が、旨味/ピペリン量は、親水性成分/ピペリンのピーク面積比との相関性は低かった(R2=0.4891)。
一方、官能評価の風味強度の順位と、味覚センサーの苦味雑味/ピペリン量及び旨味/ピペリン量とは、いずれも同程度の相関性を示した(それぞれ、R2=0.6837、R2=0.66)。
一方、官能評価の風味強度の順位と、味覚センサーの苦味雑味/ピペリン量及び旨味/ピペリン量とは、いずれも同程度の相関性を示した(それぞれ、R2=0.6837、R2=0.66)。
以上より、液体クロマトグラフィー分析による親水性成分/ピペリンのピーク面積比は、ヒハツ抽出物及びヒハツ抽出物含有組成物の色調や総合的な風味強度(雑味、えぐみ、香りなど)と相関性があり、色調や風味の管理指標となり得ると考えられた。
Claims (6)
- ヒハツを熱水で洗浄する洗浄工程と、
前記洗浄したヒハツを、水、親水性溶媒、又は水と親水性溶媒との混合溶媒で抽出処理して抽出液を得る抽出工程と、を含むことを特徴とするヒハツ抽出物の製造方法。 - 前記抽出工程で得られた抽出液の下記式で算出されるb2の値が10未満である請求項1に記載のヒハツ抽出物の製造方法:
b2={log10ΔE*×抽出液の重量(g)}/原料の秤取量(g)
上記式中、ΔE*は、純水を基準とした場合の抽出液の色差を表す。 - 前記洗浄工程で生じた液体の下記式で算出されるb1の値が10以上である請求項1から2のいずれかに記載のヒハツ抽出物の製造方法:
b1={log10ΔE*×洗浄工程で生じた液体の重量(g)}/原料の秤取量(g)
上記式中、ΔE*は、純水を基準とした場合の洗浄工程で生じた液体の色差を表す。 - 少なくともピペリンを含むヒハツ抽出物を含有するヒハツ抽出物含有組成物であって、
前記ヒハツ抽出物含有組成物におけるピペリンとポリフェノールとの質量比(ポリフェノール/ピペリン)が3未満であり、
ピペリンの含有量が180μg/50mL~270μg/50mLとなるように溶解した溶液の色調が、純水を基準とした場合に、ΔE*が1.5~5.0の範囲内であることを特徴とするヒハツ抽出物含有組成物。 - 液体クロマトグラフィー分析で、分析時間0.4~1.5分間の間に検出されるピークの面積(X)とピペリンのピークの面積(Y)との面積比(X/Y)が、5未満である請求項4に記載のヒハツ抽出物含有組成物。
- 請求項4から5のいずれかに記載のヒハツ抽出物含有組成物を含有することを特徴とする経口用組成物。
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