JP2021069373A - イチョウ葉抽出物組成物及び経口用組成物 - Google Patents

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まい 金澤
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まい 金澤
岳 田川
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岳 田川
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Abstract

【課題】水又は酸性溶媒に対する優れた分散性及び可溶性を有し、長期間に亘って沈殿の生成を防止することができるイチョウ葉抽出物組成物、及び前記イチョウ葉抽出物組成物を含有する経口用組成物の提供。【解決手段】(A)イチョウ葉抽出物、(B)酵素分解レシチン、(C)サポニン、(D)グリセリン、及び(E)脂肪酸エステルを含有するイチョウ葉抽出物組成物である。【選択図】図1

Description

本発明は、イチョウ葉抽出物組成物、及び前記イチョウ葉抽出物組成物を含有する経口用組成物に関する。
イチョウ葉は、ヨーロッパにおいて、医薬品、化粧品、健康食品などに用いられており、日本においても、健康食品(顆粒、錠剤、飲料など)、化粧品、嗜好品などに用いられている。イチョウ葉の有効成分としては、ケルセチン、イソラムネチン、ケンフェロール等の約20種類のフラボノイド配糖体や、ギンゴライド、ビロバリド等のテルペンラクトンなどが含まれている。これらの有効成分は、循環器機能改善、血流促進改善(神経痛や肩凝り、冷え性の予防、頭痛、偏頭痛の改善)、老化防止、健胃、健眼、健脳、老人性痴呆症の予防(特に脳梗塞や脳血栓などの脳血管障害からくる痴呆の予防)、心疾患の予防(血圧やコレステロールの低下、動脈硬化予防)、アレルギー症状の改善(アトピー性皮膚炎やぜんそくの症状を改善する)などの様々な有用な機能を有することが知られている。
イチョウ葉抽出物の製造においては、有効成分の効率的な抽出のため、また、安全性の観点から含水エタノールを用いて抽出することが主として行われている。そのため、イチョウ葉抽出物は、飲食品、健康食品、化粧品、医薬品などに使用する際、水溶液に対して極めて溶解しにくく作業性が悪いという問題がある。
また、果汁や酸味料が使用されてpHが低い清涼飲料水等にイチョウ葉抽出物を使用する場合、イチョウ葉抽出物の溶解安定性は著しく低下し、0.01質量%程度の極めて低い濃度においても沈殿が生じてしまい、製品の外観を損なうという問題がある。更に、酸性条件下では、イチョウ葉抽出物の有効成分のひとつである前記フラボノイド配糖体も分解しやすいという問題もある。
これらの問題に対し、イチョウ葉抽出物、キラヤサポニン、酵素分解レシチン、デキストリン、サイクロデキストリン、又はこれらの混合物を含む、水に対し優れた分散性及び可溶性を有し、飲食品、健康食品、化粧品又は医薬品等に添加した場合に、長期間に亘って沈殿の生成を防止することができる液体状の水分散性又は水溶解性のイチョウ葉抽出物組成物が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、上記提案のイチョウ葉抽出物組成物は、酸性溶媒への溶解性が十分満足できるものではないという問題がある。
したがって、水又は酸性溶媒に対する優れた分散性及び可溶性を有し、長期間に亘って沈殿の生成を防止することができるイチョウ葉抽出物組成物の速やかな提供が強く望まれているのが現状である。
特許第4502549号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、水又は酸性溶媒に対する優れた分散性及び可溶性を有し、長期間に亘って沈殿の生成を防止することができるイチョウ葉抽出物組成物、及び前記イチョウ葉抽出物組成物を含有する経口用組成物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> (A)イチョウ葉抽出物、(B)酵素分解レシチン、(C)サポニン、(D)グリセリン、及び(E)脂肪酸エステルを含有することを特徴とするイチョウ葉抽出物組成物である。
<2> 前記<1>に記載のイチョウ葉抽出物組成物を含有することを特徴とする経口用組成物である。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、水又は酸性溶媒に対する優れた分散性及び可溶性を有し、長期間に亘って沈殿の生成を防止することができるイチョウ葉抽出物組成物、及び前記イチョウ葉抽出物組成物を含有する経口用組成物を提供することができる。
図1は、イチョウ葉抽出物組成物(実施例2)及びイチョウ葉抽出物のにおい及び呈味の官能評価による比較の一例を示す図である。 図2は、イチョウ葉抽出物組成物(実施例7)及びイチョウ葉抽出物のにおい及び呈味の官能評価による比較の一例を示す図である。
(イチョウ葉抽出物組成物)
本発明のイチョウ葉抽出物組成物は、(A)イチョウ葉抽出物、(B)酵素分解レシチン、(C)サポニン、(D)グリセリン、及び(E)脂肪酸エステルを含有し、必要に応じて更にその他の成分を含有する。
<(A)イチョウ葉抽出物>
前記(A)成分としてのイチョウ葉抽出物の抽出原料として使用するイチョウ(学名:Ginkgo biloba)は、イチョウ科(Ginkgoaceae)イチョウ属(Ginkgo)に属する落葉高木である。前記イチョウは、人為的な移植により世界中に分布しており、これらの地域から容易に入手可能である。前記イチョウの茎の高さは、20m〜30mであり、裸子植物の1種である。
前記イチョウの葉の入手方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、自然界から採取してもよいし、市販品を用いてもよい。
前記イチョウ葉抽出物は、植物の抽出に一般的に用いられる方法により容易に得ることができ、例えば、抽出溶媒を満たした処理槽に前記抽出原料として使用するイチョウの葉を浸漬し、必要に応じて適宜攪拌しながら可溶性成分を溶出した後、濾過して抽出残渣を除くことによりイチョウ葉抽出物を得る方法などが挙げられ、更に粗精製物又は精製したものであることが好ましい。
前記抽出原料として使用する前記イチョウの葉の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、採取したそのままの大きさ、切断した所望の大きさ、微粉(パウダー)化された大きさなどが挙げられる。
前記抽出原料として使用する前記イチョウの葉の状態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、採取したそのままの状態、乾燥した状態、粉砕した状態、搾汁の状態などが挙げられる。これらの中でも、乾燥した状態が好ましい。
前記イチョウの葉を前記乾燥した状態にする方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、天日で乾燥する方法、通常使用される乾燥機を用いて乾燥する方法などが挙げられる。
前記イチョウの葉を前記粉砕した状態にする方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ミキサー、シュガーミル、パワーミル、ジェットミル、衝撃式粉砕機等により粉砕する方法などが挙げられる。
前記イチョウの葉を前記搾汁の状態にする方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、圧搾などが挙げられる。
前記イチョウ葉抽出物の抽出溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、親水性溶媒、又はこれらの混合溶媒などが挙げられる。
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記親水性溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記水と前記親水性溶媒との混合溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記親水性溶媒として前記低級アルコールを使用する場合は、前記水10質量部に対して、前記親水性溶媒を1質量部〜90質量部使用することが好ましく、前記親水性溶媒として前記低級脂肪族ケトンを使用する場合は、前記水10質量部に対して、前記親水性溶媒を1質量部〜40質量部使用することが好ましく、前記親水性溶媒として多価アルコールを使用する場合は、前記水10質量部に対して、前記親水性溶媒を1質量部〜90質量部使用することが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、前記イチョウ葉抽出物の抽出溶媒は、安全性、取扱性の観点から、水とエタノールとの混合溶媒(含水エタノール)が好ましい。
前記含水エタノールを抽出溶媒として用いる場合のエタノールの濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。
前記抽出溶媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記抽出原料として使用するイチョウ葉の5倍量〜15倍量(質量比)が好ましい。
前記イチョウ葉抽出物の抽出条件(抽出時間、抽出温度、圧力等の雰囲気条件など)としては、特に制限はなく、公知の方法の中から目的に応じて適宜選択することができる。
前記イチョウ葉抽出物の可溶性成分を溶出するための抽出時間としては、通常、30分間〜2時間程度である。
前記抽出溶媒の温度としては、室温又は使用する溶媒の沸点以下の温度で用いることが好ましい。
前記抽出溶媒として水とエタノールとの混合溶媒を用いた場合には、40℃〜80℃で30分間〜4時間抽出することが好ましい。
前記イチョウ葉抽出物の状態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記イチョウ葉抽出物そのものであってもよく、前記イチョウ葉抽出物の粗精製物又は精製物、前記イチョウ葉抽出物の濃縮物、前記イチョウ葉抽出物の希釈物、前記イチョウ葉抽出物の乾燥物などであってもよい。また、前記イチョウ葉抽出物は、前記イチョウ葉抽出物の乾燥物を、再度水、親水性溶媒、又はこれらの混合溶媒等の溶媒に混合又は溶解させたものであってもよい。
前記イチョウ葉抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分配クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー等のクロマトグラフィー、液−液分配抽出、膜分離などが挙げられる。これらの精製方法は、1種単独で行ってもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記イチョウ葉抽出物は、前記吸着樹脂を用いて精製されたものであることが好ましい。
前記吸着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芳香族系又は芳香族系修飾型の吸着樹脂が好ましい。
前記吸着樹脂の具体例としては、ダイヤイオンHP20、ダイヤイオンHP21、セパビーズSP825L、セパビーズSP850、セパビーズSP207(以上、三菱化学株式会社製)、アンバーライトXAD−2、アンバーライトXAD4、アンバーライトXAD7(以上、オルガノ株式会社製)などが挙げられる。
このようなイチョウ葉抽出物の市販品としては、イチョウ葉エキスC(丸善製薬株式会社製)などが挙げられる。
なお、前記イチョウ葉抽出物には、有効成分として、ケルセチン、イソラムネチン、ケンフェロール等のフラボノイド配糖体や、ギンゴライド、ビロバリド等のテルペンラクトンなどが含まれている。
前記イチョウ葉抽出物組成物における前記イチョウ葉抽出物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記イチョウ葉抽出物組成物全体の0.01質量%〜50質量%が好ましく、0.1質量%〜30質量%がより好ましい。前記イチョウ葉抽出物の含有量が、0.01質量%以上であると、有効成分であるイチョウ葉抽出物の所望の効果が得られる点で有利であり、50質量%以下であると、水又は酸性溶媒に対する分散性及び可溶性が良好であり、長期間に亘って沈殿の生成を防止することができる点で有利である。
<(B)酵素分解レシチン>
前記(B)成分としての酵素分解レシチンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、大豆由来のレシチンの酵素処理物、卵由来のレシチンの酵素処理物、菜種由来のレシチンの酵素処理物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記酵素分解レシチンの入手方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知の製造方法により適宜製造してもよく、市販品を使用してもよい。
前記酵素分解レシチンは、一般的に、鶏、うずら、アヒル等の家禽卵の卵黄、大豆、菜種などの動植物から抽出したジアシルグリセロリン脂質であるリン脂質をホスホリパーゼAで処理して得られる、リン脂質の1つの脂肪酸が切断されたリゾ体としたもの(リゾリン脂質)である。
また、前記動植物原料を直接ホスホリパーゼAで酵素処理し、その後、常法により抽出して得られたもの、あるいは合成法によって得られたもの、更に必要に応じて得られた酵素分解レシチンを水素添加処理したものなども含まれる。
前記リゾリン脂質は、リン酸エステルの構造により、例えば、リゾホスファチジルコリン(LPC)、リゾホスファチジルエタノールアミン(LPE)、リゾホスファチジルイノシトール(LPI)、リゾホスファチジン酸(LPA)、リゾホスファチジルセリン(LPS)、リゾホスファチジルグリセロール(LPG)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記酵素分解レシチンにおける前記各リゾリン脂質の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記酵素分解レシチンにおける前記各リゾリン脂質の含有量は、超臨界流体クロマトグラフィーで測定することができる。
なお、前記各リゾリン脂質の含有量は、前記酵素分解レシチンの原料の状態によって変化するものである。大豆由来のレシチンの場合、大豆栽培時の気温や干ばつ等の気候変化、収穫時の大豆の成熟度合いなどによってレシチン中のリン脂質組成や脂肪酸組成が変化することが知られている(D. L. Dornbos et al., Journal of the American Oil Chemists’ Society, 01 Sep 1989, Vol. 66, Issue 9, p.1371−1373参照)。
酵素分解レシチンの市販品としては、例えば、SLP−LPC70、SLP−ホワイトリゾ(以上、辻製油株式会社製、大豆由来のレシチンの酵素処理物)、エルマイザーA(協和発酵株式会社製、大豆由来のレシチンの酵素処理物)、サンレシチンA1(太陽化学株式会社製、大豆由来のレシチンの酵素処理物)、リゾリン脂質ナガセL(ナガセケムテックス株式会社製、大豆由来のレシチンの酵素処理物)などが挙げられる。
前記酵素分解レシチンの市販品は、超臨界流体クロマトグラフィーで測定した前記リゾホスファチジルコリンの含有量(質量)と、前記リゾホスファチジン酸の含有量(質量)とから算出される質量比[LPA/LPC]が、150未満のものと、150以上のものに大別することができる。SLP−LPC70、SLP−ホワイトリゾ、エルマイザーA、及びサンレシチンA1は質量比[LPA/LPC]が150未満であり、リゾリン脂質ナガセLは質量比[LPA/LPC]が150以上である。
前記リゾリン脂質ナガセLの質量比[LPA/LPC]の上限値としては、特に制限はなく、前記酵素分解レシチンの原料の状態などに応じて適宜選択することができるが、3,000以下が好ましく、1,500以下がより好ましく、1,200以下が更に好ましい。
前記イチョウ葉抽出物組成物における前記酵素分解レシチンの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記イチョウ葉抽出物組成物全体の0.3質量%〜4質量%が好ましく、0.3質量%〜2質量%がより好ましい。前記酵素分解レシチンの含有量が、0.3質量%以上又は4質量%以下であると、水又は酸性溶媒に対する分散性及び可溶性が良好である点で有利である。
<(C)サポニン>
前記(C)成分としてのサポニンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、今日の健康志向を考慮に入れると、安全性の観点から天然物由来のサポニンであることが好ましく、植物由来のサポニンであることがより好ましい。
前記植物由来のサポニンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、キラヤサポニン、ダイズサポニン、ユッカサポニン、エンジュサポニン、茶種子サポニン、ビートサポニン、ニンジンサポニン、甘草サポニン(グリチルリチン酸)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、キラヤサポニンが、特に界面活性能に優れており、入手が容易である点で好ましい。
前記サポニンの入手方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、自然界から採取した植物から得たものであってもよいし、市販品を用いてもよい。
前記キラヤサポニンの原料として使用するキラヤ(学名:Quillaja saponaria)は、キラヤ科(Quillajaceae)キラヤ属(Quillaja)の常緑の小高木である。前記キラヤは、南米のチリ、ボリビア、ペルー地域に自生しており、これらの地域から容易に入手可能である。前記キラヤの樹皮には、タンニンやトリテルペン系サポニンが含まれている。前記キラヤのサポニン(キラヤサポニン)は、キラヤ酸をアグリコンとするトリテルペン系サポニンであり、他の植物から得られるサポニンと比べて、優れた界面活性と均質性を有することで知られており、食品の乳化剤、ビタミンE、香料の可溶化、歯磨や飲料の発泡剤、トイレタリー商品、写真フィルム等の工業分野でも広く利用されている。
前記植物由来のサポニンは、植物の抽出に一般的に用いられる方法により容易に得ることができ、例えば、抽出溶媒を満たした処理槽に前記植物等の抽出原料を浸漬し、必要に応じて適宜攪拌しながら可溶性成分を溶出した後、濾過して抽出残渣を除くことにより前記サポニンを得る方法などが挙げられ、更に粗精製物又は精製したものであることが好ましい。
前記抽出原料として使用する前記植物の抽出部位としては、特に制限はなく、前記抽出原料として使用する前記植物の種類などに応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、枝部、幹部、樹皮部、花部、果実部、根部などが挙げられる。前記抽出原料としてキラヤを使用する場合は、これらの中でも樹皮部が好ましい。
前記抽出原料として使用する前記植物の各抽出部位の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、採取したそのままの大きさ、切断した所望の大きさ、微粉(パウダー)化された大きさなどが挙げられる。
前記抽出原料として使用する前記植物の各抽出部位の状態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、採取したそのままの状態、乾燥した状態、粉砕した状態、搾汁の状態の状態などが挙げられる。これらの中でも、乾燥した状態が好ましい。
前記抽出原料として使用する前記植物の各抽出部位を前記乾燥した状態にする方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、天日で乾燥する方法、通常使用される乾燥機を用いて乾燥する方法などが挙げられる。
前記抽出原料として使用する前記植物の各抽出部位を前記粉砕した状態にする方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ミキサー、シュガーミル、パワーミル、ジェットミル、衝撃式粉砕機等により粉砕する方法などが挙げられる。
前記抽出原料として使用する前記植物の各抽出部位を前記搾汁の状態にする方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、圧搾などが挙げられる。
前記植物からサポニンを抽出するための抽出溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、親水性溶媒、又はこれらの混合溶媒などが挙げられる。
前記水、前記親水性溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記(A)成分としてのイチョウ葉抽出物に記載のものと同様のものなどが挙げられる。
前記水と前記親水性溶媒との混合溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記親水性溶媒として前記低級アルコールを使用する場合は、前記水10質量部に対して、前記親水性溶媒を1質量部〜90質量部使用することが好ましく、前記親水性溶媒として前記低級脂肪族ケトンを使用する場合は、前記水10質量部に対して、前記親水性溶媒を1質量部〜40質量部使用することが好ましく、前記親水性溶媒として多価アルコールを使用する場合は、前記水10質量部に対して、前記親水性溶媒を1質量部〜90質量部使用することが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、前記抽出溶媒は、安全性、取扱性の観点から、水とエタノールとの混合溶媒(含水エタノール)が好ましい。
前記含水エタノールを抽出溶媒として用いる場合のエタノールの濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。
前記抽出溶媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記抽出原料として使用する前記植物の各抽出部位の5倍量〜15倍量(質量比)が好ましい。
前記植物からサポニンを抽出するための抽出条件(抽出時間、抽出温度、圧力等の雰囲気条件など)としては、特に制限はなく、公知の方法の中から目的に応じて適宜選択することができる。
前記植物の各抽出部位からサポニンを溶出するための抽出時間としては、通常、30分間〜2時間程度である。
前記抽出溶媒の温度としては、室温又は使用する溶媒の沸点以下の温度で用いることが好ましい。
前記抽出溶媒として水とエタノールとの混合溶媒を用いた場合には、40℃〜80℃で30分間〜4時間抽出することが好ましい。
前記サポニンの状態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記抽出したサポニンそのものであってもよく、前記サポニンの粗精製物又は精製物、前記サポニンの濃縮物、前記サポニンの希釈物、前記サポニンの乾燥物などであってもよい。また、前記サポニンは、前記サポニンの乾燥物を、再度水、親水性溶媒、又はこれらの混合溶媒等の溶媒に混合又は溶解させたものであってもよい。
前記サポニンの精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分配クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー等のクロマトグラフィー、液−液分配抽出、膜分離などなどが挙げられる。これらの精製方法は、1種単独で行ってもよく、2種以上を併用してもよい。
前記サポニンの市販品としては、例えば、キラヤサポニンとしては、キラヤニンC−100、キラヤニンP−20、キラヤニンS−100(以上、丸善製薬株式会社製)などが挙げられる。
なお、前記サポニンの純度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、サポニン特有の味を考慮に入れると、純度の高い方が好ましい。
前記植物抽出物中のサポニン含有量は、前記サポニンを含む植物抽出物を適宜水に希釈し、これにアルカリ溶液を加え加水分解処理した後、有機溶媒、有機酸、及び水の少なくともいずれかを加え、液体クロマトグラフィーを行うことにより測定することができる。
前記イチョウ葉抽出物組成物における前記サポニンの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記イチョウ葉抽出物組成物全体の0.01質量%〜30質量%が好ましく、0.1質量%〜10質量%がより好ましく、0.1質量%〜0.5質量%が更に好ましい。前記サポニンの含有量が、0.01質量%以上又は30質量%以下であると、水又は酸性溶媒に対する分散性及び可溶性が良好であり、長期間に亘って沈殿の生成を防止することができる点で有利である。
<(D)グリセリン>
前記(D)成分としてのグリセリンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、食品グレードの安全性が高いものであることが好ましい。
前記グリセリンは、公知の方法により適宜合成したものを使用してもよく、市販品を使用してもよい。
前記イチョウ葉抽出物組成物における前記グリセリンの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記イチョウ葉抽出物組成物全体の40質量%〜90質量%が好ましく、60質量%〜90質量%がより好ましい。前記グリセリンの含有量が、40質量%以上であると、水又は酸性溶媒に対する分散性及び可溶性が良好であり、長期間に亘って沈殿の生成を防止することができる点で有利であり、90質量%以下であると、有効成分であるイチョウ葉抽出物の所望の効果が得られやすい点で有利である。
<(E)脂肪酸エステル>
前記(E)成分としての前記脂肪酸エステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、グリセリン脂肪酸エステルが好ましく、ポリグリセリン脂肪酸エステルがより好ましい。
前記脂肪酸エステルの脂肪酸部分の炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、12〜18が好ましい。
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルは、グリセリンの重合物であるポリグリセリンと脂肪酸とを構成成分として含むものであり、これらの成分は、ポリグリセリンの水酸基と脂肪酸のカルボン酸を介してエステル結合してなる。
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルは、適宜合成したものを使用してもよく、市販品を使用してもよい。
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルのグリセリンの重合度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5〜10が好ましい。
前記脂肪酸エステルの具体例としては、ラウリン酸ポリグリセリル−10、ミリスチン酸ポリグリセリル−10、ラウリン酸ポリグリセリル−5、ミリスチン酸ポリグリセリル−5、オレイン酸ポリグリセリル−5、オレイン酸ポリグリセリル−10、パルミチン酸ポリグリセリル−10、ステアリン酸ポリグリセリル−10、ステアリン酸ポリグリセリル−5等のポリグリセリン脂肪酸エステル;ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記脂肪酸エステルの市販品の具体例としては、サンソフトQ−12S(ラウリン酸ポリグリセリル−10)、サンソフトQ−14S(ミリスチン酸ポリグリセリル−10)、サンソフトA−121E(ラウリン酸ポリグリセリル−5)、サンソフトA−141E(ミリスチン酸ポリグリセリル−5)、サンソフトA−171E(オレイン酸ポリグリセリル−5)(以上、太陽化学株式会社製)、NIKKOL DECAGLYN 1−OVEX(オレイン酸ポリグリセリル−10)(日光ケミカルズ株式会社製)、DKエステル(登録商標)F−140(ショ糖脂肪酸エステル、HLB値 13)、DKエステル(登録商標)SS(ショ糖脂肪酸エステル、HLB値 19)、DKエステル(登録商標)F−160(ショ糖脂肪酸エステル、HLB値 15)、DKエステル(登録商標)F−110(ショ糖脂肪酸エステル、HLB値 11)、DKエステル(登録商標)F−90(ショ糖脂肪酸エステル、HLB値 9.5)、DKエステル(登録商標)F−70(ショ糖脂肪酸エステル、HLB値 8)、DKエステル(登録商標)F−500(ショ糖脂肪酸エステル、HLB値 6)、DKエステル(登録商標)F−20W(ショ糖脂肪酸エステル、HLB値 2)、DKエステル(登録商標)F−10(ショ糖脂肪酸エステル、HLB値 1)、DKエステル(登録商標)FA−10E(ショ糖脂肪酸エステル)(以上、第一工業製薬株式会社製)などが挙げられる。
前記イチョウ葉抽出物組成物における前記脂肪酸エステルの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記イチョウ葉抽出物組成物全体の0.1質量%〜50質量%が好ましく、0.1質量%〜10質量%がより好ましい。前記脂肪酸エステルの含有量が、0.1質量%以上又は50質量%以下であると、水又は酸性溶媒に対する分散性及び可溶性が良好であり、前記イチョウ葉抽出物組成物をハンドリングしやすい程度の粘性となる点で有利である。
前記イチョウ葉抽出物組成物の状態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ペースト状、液状などが挙げられる。
これらの状態は、前記イチョウ葉抽出物組成物の製造方法により適宜調製することができる。
−製造方法−
イチョウ葉抽出物組成物のペースト状物又は液状物の製造方法について説明する。
前記イチョウ葉抽出物組成物のペースト状物又は液状物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記(A)成分のイチョウ葉抽出物と、前記(B)成分の酵素分解レシチンと、前記(C)成分のサポニンと、前記(D)成分のグリセリンと、前記(E)成分の脂肪酸エステルとを添加混合し、ロータリーエバポレーター等の装置で減圧濃縮することにより製造することができる。
−用途−
本発明のイチョウ葉抽出物組成物は、水又は酸性溶媒に対する優れた分散性及び可溶性を有し、長期間に亘って沈殿の生成を防止することができるものであることから、化粧料、飲食品、医薬品など分野を問わず幅広く利用可能である。また、後述する本発明の経口用組成物に好適に利用可能である。
本発明のイチョウ葉抽出物組成物は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、サルなど)に対して適用することもできる。
(経口用組成物)
本発明の経口用組成物は、本発明のイチョウ葉抽出物組成物を含有し、必要に応じて更に酸性pH調整剤等のその他の成分を含有する。
本発明における経口用組成物は、前記イチョウ葉抽出物組成物を含むため、該イチョウ葉抽出物組成物の有効成分であるイチョウ葉抽出物の作用により、循環器機能の改善、血流促進の改善(神経痛の予防、肩凝りの予防、冷え性の予防、頭痛又は偏頭痛の改善)、老化の防止、健胃、健眼、健脳、老人性痴呆症の予防(特に、脳梗塞や脳血栓等の脳血管障害による痴呆の予防)、心疾患の予防(血圧やコレステロールの低下、動脈硬化の予防)、アレルギー症状の改善(アトピー性皮膚炎やぜんそくの症状の改善)などのために用いることができるものである。
前記経口用組成物とは、人の健康に危害を加えるおそれが少なく、通常の社会生活において、経口又は消化管投与により摂取されるものをいい、行政区分上の食品、医薬品、医薬部外品などの区分に制限されるものではない。したがって、前記経口用組成物は、経口的に摂取される一般食品、健康食品(機能性飲食品)、保健機能食品(特定保健用食品,栄養機能食品,機能性表示食品)、医薬部外品、医薬品等を構成する飲食品を幅広く含むものを意味する。
前記経口用組成物の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、茶飲料、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料;アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、しゅうまいの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子、パン等の菓子類;カニ、サケ、アサリ、マグロ、イワシ、エビ、カツオ、サバ、クジラ、カキ、サンマ、イカ、アカガイ、ホタテ、アワビ、ウニ、イクラ、トコブシ等の水産物;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;カレー、シチュー、親子丼、お粥、雑炊、中華丼、かつ丼、天丼、うな丼、ハヤシライス、おでん、マーボドーフ、牛丼、ミートソース、玉子スープ、オムライス、餃子、シューマイ、ハンバーグ、ミートボール等のレトルトパウチ食品;サラダ、漬物等の惣菜;種々の形態の健康用、美容用、又は栄養補助用の食品;錠剤、顆粒剤、カプセル剤、ドリンク剤、トローチ、うがい薬等の医薬品、医薬部外品;口中清涼剤、口臭防止剤等の口腔内で使用する口腔清涼剤、歯磨剤などが挙げられる。
これらの中でも、前記経口用組成物の種類は、pH2〜7の飲料が好ましい。
<イチョウ葉抽出物組成物>
前記経口用組成物が含有する前記イチョウ葉抽出物組成物は、前述の本発明のイチョウ葉抽出物組成物である。
前記経口用組成物中の前記イチョウ葉抽出物組成物の含有量としては、特に制限はなく、使用目的、症状、性別等を考慮して適宜調整することができる
前記経口用組成物の種類が飲料である場合、前記飲料における前記イチョウ葉抽出物組成物の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜50質量%が好ましい。
<その他の成分>
前記経口用組成物における前記その他の成分としては、特に制限はなく、通常の経口用組成物の製造に用いられる補助的原料又は添加物又はその他の成分の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸性pH調整剤、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、前記(E)成分以外の脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤、溶媒、安定化剤、酸化防止剤等の各種添加剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記経口用組成物における前記その他の成分の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記酸性pH調整剤としては、特に制限はなく、公知のpH調整剤の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リン酸、アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、フィチン酸、グルコン酸、コハク酸、フマル酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記酸性pH調整剤の含有量としては、特に制限はなく、目的のpHに応じて適宜選択することができる。
以下に実施例及び比較例、並びに試験例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例及び試験例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
イチョウ葉抽出物(製品名:イチョウ葉エキスC、丸善製薬株式会社製)2.00gに50体積%エタノール8mLを加え、60℃の加温下で溶解して溶解液10mLを得た。
また、脂肪酸エステル1(製品名:サンソフトA−141E、太陽化学株式会社製)0.10gに50体積%エタノール4mLを加え、60℃の加温下で溶解して溶解液4mLを得た。
また、酵素分解レシチンとして0.09g相当量の酵素分解レシチン1(製品名:SLP−ホワイトリゾ、辻製油株式会社製)を蒸留水4mLに分散した分散液4mLを得た。
グリセリン7.50gに、前記イチョウ葉抽出物の溶解液10mLと、前記脂肪酸エステル1の溶解液4mLと、部分加水分解サポニン0.041g相当量のキラヤサポニン(製品名:キラヤニンC−100、丸善製薬株式会社製)とを添加し、ロータリーエバポレーターN−1100型(東京理化器械株式会社製)で、60℃の条件下で減圧濃縮した。減圧濃縮により溶媒中からエタノールが気化した後、前記酵素分解レシチン1の分散液4mLを添加し更に60℃の減圧下で10gまで濃縮し、実施例1のイチョウ葉抽出物組成物10gを液状で得た。
(実施例2)
実施例1において、酵素分解レシチンの種類を、酵素分解レシチン1(製品名:SLP−ホワイトリゾ、辻製油株式会社製)から、酵素分解レシチン2(製品名:サンレシチンA1、太陽化学株式会社製)に変更したこと以外は、実施例1に記載の方法と同様の方法で実施例2のイチョウ葉抽出物組成物10gを得た。
(実施例3)
イチョウ葉抽出物(製品名:イチョウ葉エキスC、丸善製薬株式会社製)2.00gに50体積%エタノール8mLを加え、60℃の加温下で溶解して溶解液10mLを得た。
また、脂肪酸エステル1(製品名:サンソフトA−141E、太陽化学株式会社製)0.10gに50体積%エタノール4mLを加え、60℃の加温下で溶解して溶解液4mLを得た。
グリセリン7.50g、及び酵素分解レシチンとして0.09g相当量の酵素分解レシチン3(製品名:エルマイザーA、協和発酵工業株式会社製)を混合した混合物に、前記イチョウ葉抽出物の溶解液10mLと、部分加水分解サポニン0.041g相当量のキラヤサポニン(製品名:キラヤニンC−100、丸善製薬株式会社製)と、前記脂肪酸エステル1の溶解液4mLとを添加した混合液を得た。前記混合液をロータリーエバポレーターN−1100型(東京理化器械株式会社製)で、60℃の減圧下で10gまで濃縮し、実施例3のイチョウ葉抽出物組成物を液状で得た。
(実施例4)
実施例3において、酵素分解レシチンの種類を、酵素分解レシチン3(製品名:エルマイザーA、協和発酵工業株式会社製)から、酵素分解レシチン4(製品名:リゾリン脂質ナガセL、ナガセケムテックス株式会社製)に変更したこと以外は、実施例3に記載の方法と同様の方法で実施例4のイチョウ葉抽出物組成物10gを得た。
(実施例5)
実施例2において、脂肪酸エステルの種類及び添加量を、脂肪酸エステル1(製品名:サンソフトA−141E、太陽化学株式会社製)0.10gから、脂肪酸エステル2(製品名:サンソフトQ−14S、太陽化学株式会社製)0.50gに変更し、グリセリンの添加量を7.50gから7.10gに変更したこと以外は、実施例2に記載の方法と同様の方法で実施例5のイチョウ葉抽出物組成物10gを得た。
(実施例6)
実施例2において、脂肪酸エステルの種類及び添加量を、脂肪酸エステル1(製品名:サンソフトA−141E、太陽化学株式会社製)0.10gから、脂肪酸エステル2(製品名:サンソフトQ−14S、太陽化学株式会社製)0.30gに変更し、グリセリンの添加量を7.50gから7.30gに変更したこと以外は、実施例2に記載の方法と同様の方法で実施例6のイチョウ葉抽出物組成物10gを得た。
(比較例1)
実施例1において、脂肪酸エステル1を添加しなかったこと以外は、実施例1に記載の方法と同様の方法で、比較例1のイチョウ葉抽出物組成物10gを得た。
(比較例2)
実施例2において、脂肪酸エステル1を添加しなかったこと以外は、実施例2に記載の方法と同様の方法で、比較例2のイチョウ葉抽出物組成物10gを得た。
(比較例3)
実施例3において、脂肪酸エステル1を添加しなかったこと以外は、実施例3に記載の方法と同様の方法で比較例3のイチョウ葉抽出物組成物10gを得た。
(比較例4)
実施例1において、酵素分解レシチン1及び脂肪酸エステル1を添加しなかったこと以外は、実施例1に記載の方法と同様の方法で、比較例4のイチョウ葉抽出物組成物10gを得た。
(比較例5)
実施例1において、酵素分解レシチン1及びキラヤサポニンを添加しなかったこと以外は、実施例1に記載の方法と同様の方法で、比較例5のイチョウ葉抽出物組成物10gを得た。
実施例1〜6及び比較例1〜5の各イチョウ葉抽出物組成物について、以下に示す方法で、「透過率」、「保存安定性(濁り)」、「保存安定性(沈殿)」、及び「起泡性」を評価した。結果を下記表1及び2に示す。下記表1及び2における実施例及び比較例に記載の各成分の含有量は、「質量(g)」で示す。
−試験試料の調製−
イチョウ葉抽出物として80mg相当量の実施例1〜6及び比較例1〜5の各イチョウ葉抽出物組成物を秤取し、pH3.5の20mMクエン酸ナトリウム緩衝液で希釈して100mL(イチョウ葉抽出物濃度0.80質量%)の希釈液とした。
これらの希釈液を90℃に10分間さらし、5℃の条件下にて1週間静置して保管したものを試験試料とした。
<透過率>
紫外可視分光光度計(型番:UV−1800、株式会社島津製作所製)を用い、光路長10mmのガラスセルに、実施例及び比較例の各試験試料を入れ、600nmの透過率(%T)を測定した。
<保存安定性(濁り)>
実施例及び比較例の各試験試料の濁りを目視にて確認し、以下に示す評価基準により評価した。
[保存安定性(濁り)の評価基準]
− :透明であり濁りは認められない
+ :わずかな濁りが認められる
++ :濁りが認められる
+++ :多くの濁りが認められる
++++ :更に多くの濁りが認められる
+++++:著しく多い濁りが認められる
<保存安定性(沈殿)>
実施例及び比較例の各試験試料の沈殿を目視にて確認し、以下に示す評価基準により評価した。
[保存安定性(沈殿)の評価基準]
− :沈殿は認められない
+ :わずかな沈殿が認められる
++ :沈殿が認められる
+++ :多くの沈殿が認められる
++++ :更に多くの沈殿が認められる
+++++:著しく多い沈殿が認められる
<起泡性>
イチョウ葉抽出物として16mg相当量の実施例1〜6及び比較例1〜5の各イチョウ葉抽出物組成物を秤取し、pH6.0の20mMリン酸カリウム緩衝液で希釈して100mLの希釈液(イチョウ葉抽出物濃度0.16質量%)とした。
前記希釈液15mLを、50mLのネスラー管(口径:2cm)に採取し、栓をして40回振盪後、泡高として液面から気泡面までの高さ(mm)を測定し、起泡性の評価とした。
Figure 2021069373
Figure 2021069373
(実施例7)
実施例4において、脂肪酸エステルの種類を、脂肪酸エステル1(製品名:サンソフトA−141E、太陽化学株式会社製)から、脂肪酸エステル2(製品名:サンソフトQ−14S、太陽化学株式会社製)に変更したこと以外は、実施例4に記載の方法と同様の方法で、実施例7のイチョウ葉抽出物組成物10gを得た。
(実施例8)
実施例7において、脂肪酸エステル2(製品名:サンソフトQ−14S、太陽化学株式会社製)の添加量を0.10gから1.00gに変更し、グリセリンの添加量を7.50gから6.60gに変更したこと以外は、実施例7に記載の方法と同様の方法で実施例8のイチョウ葉抽出物組成物10gを得た。
(実施例9)
実施例3において、脂肪酸エステルの種類及び添加量を、脂肪酸エステル1(製品名:サンソフトA−141E、太陽化学株式会社製)0.10gから、脂肪酸エステル2(製品名:サンソフトQ−14S、太陽化学株式会社製)0.05gに変更し、グリセリンの添加量を7.50gから7.55gに変更したこと以外は、実施例3に記載の方法と同様の方法で実施例9のイチョウ葉抽出物組成物10gを得た。
実施例7〜9の各イチョウ葉抽出物組成物について、以下に示す方法で試験試料の調製を行ったこと以外は、実施例1〜6及び比較例1〜5のイチョウ葉抽出物組成物の評価と同様の方法で、「透過率」、「保存安定性(濁り)」、及び「保存安定性(沈殿)」の評価を行った。また、実施例7〜9の各イチョウ葉抽出物組成物の起泡性については、実施例1〜6及び比較例1〜5のイチョウ葉抽出物組成物の起泡性の評価と同様の方法で行った。結果を下記表3に示す。下記表3における実施例に記載の各成分の含有量は、「質量(g)」で示す。
−試験試料の調製−
イチョウ葉抽出物として16mg相当量の実施例7〜9の各イチョウ葉抽出物組成物を秤取し、pH3.5の20mMクエン酸ナトリウム緩衝液で希釈して100mL(イチョウ葉抽出物濃度0.80質量%)の希釈液とした。
これらの希釈液を90℃に10分間さらし、5℃の条件下にて1週間静置して保管したものを試験試料とした。
Figure 2021069373
<官能評価>
イチョウ葉抽出物として16mg相当量の実施例2のイチョウ葉抽出物組成物を秤取し、水で希釈して100mL(イチョウ葉抽出物濃度0.16質量%)とし、90℃に10分間さらし、水冷したものを試験試料1とした。
また、イチョウ葉抽出物として16mg相当量の実施例7のイチョウ葉抽出物組成物を秤取し、水で希釈して100mL(イチョウ葉抽出物濃度0.16質量%)とし、90℃に10分間さらし、水冷したものを試験試料2とした。
また、イチョウ葉抽出物として16mg相当量のイチョウ葉抽出物(製品名:イチョウ葉エキスC、丸善製薬株式会社製)を秤取し、水で希釈して100mL(イチョウ葉抽出物濃度0.16質量%)とし、90℃に10分間さらし、水冷したものを対照試料とした。
におい及び呈味の官能評価は、成人パネラー13名(男性:8名、女性:5名)が、前記試験試料1(実施例2のイチョウ葉抽出物組成物)、前記試験試料2(実施例7のイチョウ葉抽出物組成物)、又は対照試料(イチョウ葉抽出物)のにおいを嗅いだ後、試飲し、アンケート用紙に回答することで行った。アンケートの評価方法は、パネラーが、「飲みやすさ」、「におい」、「特有の風味」、「苦味及び渋味」、「後味(苦味)」、及び「後味」を評価項目として、下記7段階の評価基準に基づき評価することにより行った。パネラー13名の評価の平均点を各項目の評価結果とし、下記表4、並びに図1及び図2に示した。
[飲みやすさの評価基準]
3:非常に飲みやすい
2:かなり飲みやすい
1:やや飲みやすい
0:どちらでもない
−1:やや飲みにくい
−2:かなり飲みにくい
−3:非常に飲みにくい
[においの評価基準]
3:非常に感じない
2:かなり感じない
1:やや感じない
0:どちらでもない
−1:やや感じる
−2:かなり感じる
−3:非常に感じる
[特有の風味の評価基準]
3:非常に感じない
2:かなり感じない
1:やや感じない
0:どちらでもない
−1:やや感じる
−2:かなり感じる
−3:非常に感じる
[苦味及び渋味の評価基準]
3:非常に感じない
2:かなり感じない
1:やや感じない
0:どちらでもない
−1:やや感じる
−2:かなり感じる
−3:非常に感じる
[後味(苦味)の評価基準]
3:非常に感じない
2:かなり感じない
1:やや感じない
0:どちらでもない
−1:やや感じる
−2:かなり感じる
−3:非常に感じる
[後味の評価基準]
3:非常に感じない
2:かなり感じない
1:やや感じない
0:どちらでもない
−1:やや感じる
−2:かなり感じる
−3:非常に感じる
Figure 2021069373
(試験例1)
以下の酵素分解レシチン1〜4を試験試料として用い、以下の方法で酵素分解レシチン1〜4の質量比[LPA/LPC]を求めた。なお、酵素分解レシチン4については、3つの異なるロットのものを試験試料として使用した。
・ 酵素分解レシチン1:SLPホワイトリゾ(辻製油株式会社製、リン脂質としての含有量:96質量%〜98質量%)
・ 酵素分解レシチン2:サンレシチンA1(太陽化学株式会社製、酵素分解レシチンとしての含有量:33質量%)
・ 酵素分解レシチン3:エルマイザーA(協和発酵工業株式会社製、酵素分解レシチンとしての含有量:100質量%)
・ 酵素分解レシチン4:リゾリン脂質ナガセL(ナガセケムテックス株式会社製、酵素分解レシチンとしての含有量:18質量%)
<LPA分析用試料溶液又はLPA分析用標準溶液の調製>
LPAは金属配位性が強く、金属配管を使用した通常のHPLCやSFCではカラムや配管に吸着してしまうため分析が困難である。そこで、和泉 自泰ら(オレオサイエンス, 14, 2014, p.329−335)の方法を参照してメチル化を行い、LPA分析用試料とした。
前記各試験試料は、酵素分解レシチンとしての含有量として4mg/mLとなるようにメタノールにて調製した。また、LPA標準品(1−Oleoyl Lysophosphatidic Acid(sodium salt) Cayman Chemical社製)は、10μg/mLとなるようにメタノールにて調製した。各試験試料又はLPA標準品を含むメタノール液1mLに、0℃下でトリメチルシリルジアゾメタン(TMS−ジアゾメタン)0.5mLを加え、室温(25±5℃)にて10分間反応させた。反応液を濃縮乾固した後、リン脂質含有量として100μg/mLとなるようメタノールにて調製した。この液をメンブランフィルター(孔径0.2μm)でろ過したものをLPA分析用試料溶液又はLPA分析用標準溶液とした。
<LPC分析用試料溶液又はLPC分析用標準溶液の調製>
前記各試験試料は、酵素分解レシチンとしての含有量として100μg/mLとなるようにメタノールにて調製し、メンブランフィルター(孔径0.2μm)でろ過したものをLPC分析用試料溶液とした。
また、LPC標準品(L−α−リゾホスファチジルコリン,卵黄由来、富士フィルム和光純薬工業株式会社製)は、1μg/mL、5μg/mL、又は10μg/mLとなるようメタノールにて調製し、各液をメンブランフィルター(孔径0.2μm)でろ過したものをLPC分析用標準溶液とした。
<分析>
リン脂質は脂肪酸鎖の種類にかかわらず、超臨界流体クロマトグラフィーにてリン脂質の種類ごとに近しい保持時間をとることが明らかとなっている(Waters application ‘Lipid Class Separation Using UPC/MS’参照)。また、表5に示すように、リン脂質はその種類ごとに分子量が決まっていることから、メチル化LPA及びLPCの検出し得る質量の範囲でマスクロマトグラムを作成し、以下に記載の分析条件にて定量を行った。なお、大豆レシチンには、炭素数14以下又は炭素数20以上の脂肪酸はほとんど含有されないことから、定量するマススペクトルから除外した(松本義信ら、川崎医療福祉学会誌、15、2005、p.209−216参照)。
LPA分析用試料溶液のピークは、LPA分析用標準溶液の保持時間と比較して同定し、3.5分間〜4.0分間にあるピークを全て合算して面積を算出した。また、LPC分析用試料溶液のピークは、LPC分析用標準溶液の保持時間と比較して同定し、6.9分間〜7.6分間にあるピークを全て合算して面積を算出した。
各分析用試料溶液中のメチル化LPA又はLPCのピーク面積を標準溶液の検量線に代入してそれぞれの定量値を算出し、質量比[LPA/LPC]を算出した。結果を下記表6に示す。
[分析条件]
・ SFC装置:ACQUITY UPC(Waters社製)
・ MS装置:Xevo G2 Tof(Waters社製)
・ カラム:Viridis BEH(1.7μm、100×3.0mm i.d.、Waters社製)
・ カラム温度:40℃
・ 移動相:A=CO、B=0.1%NH/メタノール
・ グラジエントプログラム:0分(A:B=99:1)→7.0分(A:B=50:50)→7.5分(A:B=50:50)
・ 流速:1.6mL/分間
・ 注入量:1.0μL
・ 検出器:MS
−LPAのMS条件−
・ 極性(Polarity):ネガティブモード(ES
・ キャピラリー電圧(capillary voltage):2.0kV
・ 抽出コーン電圧(extraction cone):4.0kV
・ コーン電圧(cone Voltage):10V
・ ソース温度(source temp.):120℃
・ 脱溶媒温度(desolvation temp.):450℃
・ コーンガス流量(cone gas flow):50L/時間
・ 脱溶媒ガス流量(desolvation gas flow):800L/時間
・ 質量スキャン範囲(Mass scan range):50Da〜1,500Da
・ スキャン時間(Scan time):0.2sec−1
−LPCのMS条件−
・ 極性(Polarity):ポジティブ(ES
・ キャピラリー電圧(capillary voltage):3.0kV
・ 抽出コーン電圧(extraction cone):4.0kV
・ コーン電圧(cone Voltage):30V
・ ソース温度(source temp.):120℃
・ 脱溶媒温度(desolvation temp.):450℃
・ コーンガス流量(cone gas flow):50L/時間
・ 脱溶媒ガス流量(desolvation gas flow):800L/時間
・ 質量スキャン範囲(Mass scan range):50Da〜1,500Da
・ スキャン時間(Scan time):0.2sec−1
Figure 2021069373
なお、表5において、「脂肪酸鎖」は、脂肪酸を炭素数と二重結合との数み合わせ(炭素数:二重結合数)で示した数値表現である。
Figure 2021069373
前記実施例及び比較例で使用した各成分の詳細について、下記表7に示す。
Figure 2021069373
本発明の態様としては、例えば、以下のものなどが挙げられる。
<1> (A)イチョウ葉抽出物、(B)酵素分解レシチン、(C)サポニン、(D)グリセリン、及び(E)脂肪酸エステルを含有することを特徴とするイチョウ葉抽出物組成物である。
<2> (E)脂肪酸エステルが、ショ糖脂肪酸エステル及びグリセリン脂肪酸エステルの少なくともいずれかである前記<1>に記載のイチョウ葉抽出物組成物である。
<3> 前記<1>から<2>のいずれかに記載のイチョウ葉抽出物組成物を含有することを特徴とする経口用組成物である。
<4> pH2〜7の飲料である前記<3>に記載の経口用組成物である。
本発明のイチョウ葉抽出物組成物は、水又は酸性溶媒に対する優れた分散性及び可溶性を有し、長期間に亘って沈殿の生成を防止することができるものであることから、化粧料、飲食品、医薬品など分野を問わず幅広く利用可能である。
また、本発明における経口用組成物は、前記イチョウ葉抽出物組成物を含むため、循環器機能の改善、血流促進の改善(神経痛の予防、肩凝りの予防、冷え性の予防、頭痛又は偏頭痛の改善)、老化の防止、健胃、健眼、健脳、老人性痴呆症の予防(特に、脳梗塞や脳血栓等の脳血管障害による痴呆の予防)、心疾患の予防(血圧やコレステロールの低下、動脈硬化の予防)、アレルギー症状の改善(アトピー性皮膚炎やぜんそくの症状の改善)などに好適に利用可能である。

Claims (4)

  1. (A)イチョウ葉抽出物、(B)酵素分解レシチン、(C)サポニン、(D)グリセリン、及び(E)脂肪酸エステルを含有することを特徴とするイチョウ葉抽出物組成物。
  2. (E)脂肪酸エステルが、ショ糖脂肪酸エステル及びグリセリン脂肪酸エステルの少なくともいずれかである請求項1に記載のイチョウ葉抽出物組成物。
  3. 請求項1から2のいずれかに記載のイチョウ葉抽出物組成物を含有することを特徴とする経口用組成物。
  4. pH2〜7の飲料である請求項3に記載の経口用組成物。
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