JP2022116478A - 組積造外壁の防水構造およびその施工方法 - Google Patents

組積造外壁の防水構造およびその施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】建築物の外壁の背面に設けられた通気層の上部からの雨水侵入を防止し防水構造の各部材を適切に固定する組積造外壁の防水構造およびその施工方法を提供する。【解決手段】この組積造外壁の防水構造は、複数のレンガ3の組積造による外壁1が後部の下地部5との間に通気層10を有し、外壁の上部と下地部の上部との間に通気層の上部開口部10aを塞ぐように配置された塞ぎ部材13と、外壁の上部の外壁前面に配置されたシーリング材11と、外壁の上部に固定され、シーリング材を押さえる押さえ部と塞ぎ部材を載せて受ける受け部とを有する押さえ部材12と、塞ぎ部材から後部下地側へと延びて塞ぎ部材を覆うように配置された防水部材14と、を備え、塞ぎ部材とシーリング材と防水部材とにより通気層の上部開口部に対する防水構造を構成し、塞ぎ部材は、外壁の上部および後部下地の上部の少なくとも一方に固着されずに地震・強風時等の外壁と後部下地との間の振動によるずれを吸収する。【選択図】図3

Description

本発明は、組積造による外壁の防水構造およびその施工方法に関する。
レンガや石材やタイル等による組積造の外壁は、レンガ積み等の外壁の背面に空気が流れるように通気層を有する構造となっているものがある。特許文献1は、レンガパネルの周側面に補強枠を設けた補強枠付きレンガパネル同士を上下左右に組み合わせたとき両補強枠の間の縦目地部と横目地部に止水壁目地を形成するための縦止水板と横止水板とを備えた補強枠付きレンガパネルを開示する。
実開昭59-80029号公報
従来のレンガ、石材、タイル等による組積造の外壁構造において、外壁の背面に通気層が設けられ、笠木としてオープン笠木を用いる設計では笠木の下の隙間から開口している通気層の上部を経由して、通気層内に雨水が侵入するおそれがあった。通気層の最下部に排水口による排水機構を設けても、納まりの不具合等の想定外の事象が生じた場合には、室内への侵入の可能性がある。このため、通気層自体への雨水の侵入を抑制するための対策が求められている。
かかる通気層への雨水侵入の抑制対策として、カバープレートを使用する、防水層を通気層上部の開口部に貼り渡す、クローズタイプの笠木を使用する等が考えられるが、次のような懸念がある。
(1)外からカバープレートが見えたり、笠木形状が変化すると、意匠上の問題が生じるおそれがある。また、カバープレート等で被覆すると、内部の視認ができない。
(2)新規材料の必要性があり、コストアップや手配手間・労務増加の問題がある。
(3) レンガ積みの外壁上部と、背面の立上りの両端部を固定すると、地震や台風等の強風時等の双方の挙動の違いで笠木が破損するおそれがある。また、レンガ積みの外壁上端部に固定する場合には、適切に固定するための細工が必要である。
特許文献1の補強枠付きレンガパネルは、複数枚のレンガパネルを上下左右に組み合わせたとき補強枠間の縦目地部と横目地部に止水壁目地を形成するようにしたもので、レンガパネル背面の通気層への雨水侵入の抑制を図るものではない。
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、建築物の組積造外壁の背面に設けられた通気層の上部開口部からの雨水侵入を防止するとともに防水構造の各部材を適切に固定可能な組積造外壁の防水構造およびその施工方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための組積造外壁の防水構造は、複数のレンガ、石材またはタイルの組積造による外壁の防水構造であって、
前記外壁は後部下地との間に通気層を有し、
前記外壁の上部と前記後部下地の上部との間に前記通気層の上部開口部を塞ぐように配置された塞ぎ部材と、
前記外壁の上部の外壁前面に配置されたシーリング材と、
前記外壁の上部に固定され、前記シーリング材を押さえる押さえ部と、前記塞ぎ部材を載せて受ける受け部と、を有する押さえ部材と、
前記塞ぎ部材から前記後部下地側へと延びて前記塞ぎ部材を覆うように配置された防水部材と、を備え、
前記塞ぎ部材と前記シーリング材と前記防水部材とにより前記通気層の上部開口部に対する防水構造を構成し、
前記塞ぎ部材は、前記外壁の上部および前記後部下地の上部の少なくとも一方に固着されずに地震や強風時等の前記外壁と前記後部下地との間の振動によるずれを吸収するものである。
この組積造外壁の防水構造によれば、通気層の上部開口部を塞ぐ塞ぎ部材と、外壁の上部の外壁前面のシーリング材と、塞ぎ部材から後部下地側へと延びて塞ぎ部材を覆う防水部材とによる防水構造を設けることで、雨水の通気層への上部開口部からの侵入を効果的に防止できる。また、外壁の上部に固定した押さえ部材の押さえ部でシーリング材を押さえ、受け部で塞ぎ部材を載せて受けるので、シーリング材と塞ぎ部材の保持効果を得てシーリング材と塞ぎ部材とを確実に保持でき、防水構造を確実に維持することに寄与できる。さらに、塞ぎ部材は、外壁の上部および後部下地の上部の少なくとも一方に対し固着されないので、地震や台風等による強風時等の外壁と後部下地との間の振動によるずれを吸収することができる。
上記組積造外壁の防水構造において前記押さえ部材は、前記外壁の上部の複数箇所に埋め込まれた埋め込み金具に固定されていることが好ましい。
また、前記外壁は、前記外壁の上部の前記シーリング材および前記防水部材を外部から視認できないように前記外壁の上部を覆って配置された金属笠木を備え、前記防水部材と前記金属笠木との間の空間に前記金属笠木を取り付けるための取り付け金具を配置することが好ましい。
上記目的を達成するための組積造外壁の防水構造の施工方法は、複数のレンガ、石材またはタイルの組積造による外壁の防水構造の施工方法であって、
前記外壁は後部下地との間に通気層を有し、
前記外壁の上部に押さえ部材を固定し、
前記外壁の上部の外壁前面にシーリング材を前記押さえ部材の押さえ部で押さえるようにして配置し、
前記外壁の上部と前記後部下地の上部との間に前記通気層の上部開口部を塞ぐための塞ぎ部材を前記押さえ部材の受け部に載るようにして配置し、
防水部材を前記塞ぎ部材から前記後部下地側へと延びて前記塞ぎ部材を覆うように配置し、
前記塞ぎ部材と前記シーリング材と前記防水部材とにより前記通気層の上部開口部に対する防水構造とし、
前記外壁と前記後部下地との間の地震や強風時等の振動によるずれを吸収するように前記塞ぎ部材を前記外壁の上部および前記後部下地の上部の少なくとも一方に固着しない。
この組積造外壁の防水構造の施工方法によれば、通気層の上部開口部を塞ぐ塞ぎ部材と、外壁の上部の外壁前面のシーリング材と、塞ぎ部材から後部下地側へと延びて塞ぎ部材を覆う防水部材とによる防水構造を設けることができるので、雨水の通気層への上部開口部からの侵入を効果的に防止できる。また、外壁の上部に固定した押さえ部材の押さえ部でシーリング材を押さえ、受け部で塞ぎ部材を載せて受けるので、シーリング材と塞ぎ部材の保持効果を得ることができる。さらに、塞ぎ部材は、外壁の上部および後部下地の上部の少なくとも一方に固着されないので、地震や台風等による強風時等の外壁と後部下地との間の振動によるずれを吸収することができる。
上記組積造外壁の防水構造の施工方法において、前記防水部材の上部に金属笠木を取り付けるための取り付け金具を配置し、前記外壁の上部を覆うように前記金属笠木を前記取り付け金具に取り付け、前記外壁の上部の前記シーリング材および前記防水部材を外部から視認できないようにすることが好ましい。
なお、上記組積造外壁の防水構造およびその施工方法において、外壁と後部下地との間の通気層は、外壁と後部下地との少なくとも一方に通気層と連通する複数の通気孔・通気口が設けられるので、通気層の上部開口部を塞ぎ部材で塞いでも通気層における空気の流れに支障は生じない。
本発明の組積造外壁の防水構造およびその施工方法によれば、外壁の背面に設けられた通気層の上部からの雨水侵入を防止でき、防水構造の各部材を適切に固定できる。
本実施形態による組積造外壁構造の前面を示す要部斜視図である。 図1の外壁構造を構成するレンガ単体を示す外観図である。 図1の組積造外壁の防水構造を縦方向に切断して見た要部断面図である。 図3の押さえ部材を示す要部側断面図である。 本実施形態による組積造外壁の防水構造の施工工程S01~S08を説明するためのフローチャートである。 図1~図4の外壁の上部を概略的に示す要部斜視図である。 図6の外壁の上部に押さえ部材を配置固定した状態を概略的に示す要部斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態による組積造外壁構造の前面を示す要部斜視図である。図2は、図1の外壁構造を構成するレンガ単体を示す外観図である。
図1に示す外壁構造は、縦方向よりも横方向に長い直方体状の多数のレンガ3を積み重ねて組積造により構築した外壁1と、その上部に配置したアルミニウム等の金属材料からなる金属笠木2と、を備える。各レンガ3は、上下面および左右側面の目地4でモルタルにより接合されている。図2のように、レンガ3は、上面3aから縦方向に貫通した複数の充填孔3bを有し、充填孔3b内には縦方向に鉄筋7(図3)が配置され積み重ね時にモルタルが充填される。
図1の外壁構造および外壁の防水構造について図3,図4を参照して説明する。図3は、図1の組積造外壁の防水構造を縦方向に切断して見た要部断面図である。図4は、図3の押さえ部材を示す要部側断面図である。
本実施形態による外壁構造は、図3のように、多数のレンガ3の組積造による外壁1と後部下地を構成する建築物の下地部5との間に形成された通気層10を有する。下地部5は、後部下地を構成する鉄骨やプレキャスト材やRC造の構造等の後部下地材を含む。鉄骨は、たとえば、C型鋼等の鋼製軽量型材からなる。また、外壁1の連結保持のために下地部5に設けられた連結部材6が通気層10内に配置されている。連結部材6は、レンガ3間の目地4内のモルタルに延びるL字状の連結部6aと、下地面5bで固定されボルトナット等により連結部6aと結合する固定部6bと、を有し、外壁1を下地部5に連結し保持する。連結部材6は、外壁1の複数箇所に配置される。
外壁1の上端に位置するレンガ3の上面3aにシーリング材11が外壁1の前面位置に設けられている。シーリング材11は、シーリング(コーキング)のための材料で、硬化してゴム状になり、化学反応により固化するタイプや乾燥して固化するタイプなどの各種のものを使用可能である。
外壁1の上端のレンガ3の上面3aと下地部5の上面5aとの間に通気層10の上部開口部10aを塞ぐように板状の塞ぎ部材13が配置されている。塞ぎ部材13は、たとえば、木片セメント板からなるが、かかる材料に限定されるものではない。
図3,図4のように、外壁1の上端のレンガ3の上面3aに押さえ部材12が外壁1の横方向に延びるようにして配置され埋め込み金具15に固定されている。押さえ部材12は、レンガ3の上面3aから垂直部12dで垂直に立ち上がりレンガ3の上面3aに対し離間して外壁1の前面側に水平に若干延びて空間12cを形成するシーリング材11の押さえ部12aと、レンガ3の上面3aに接してレンガ3の後方側に若干延びて塞ぎ部材13の端部を載せて受ける受け部12bと、を有する。押さえ部材12の空間12c内にシーリング材11が収まる。押さえ部材12の高さは、塞ぎ部材13の厚さとほぼ同一である。なお、押さえ部材12は、帯状鋼板を折り曲げて作製でき、そのようにして製造された市販品を用いることができる。
図4のように、レンガ3の上面3aの充填孔3b(図2)に充填されたモルタルに平板状の埋め込み金具15に取り付けられたボルトナット15aが埋め込まれて固定されている。押さえ部材12は、受け部12bにおいて、埋め込み金具15を通して固定具16をモルタル内にねじ込むことで固定される。埋め込み金具15は、外壁1の上端のレンガ3の上面3aに外壁1の横方向に所定の間隔をおいて複数箇所に設けられる。
図3のように、シート状の防水部材14が外壁1の前面位置から押さえ部材12の押さえ部12aおよび塞ぎ部材13の上面を覆うようにして下地部5の上面5aから下地部5の後部へと延びて配置されている。防水部材14は、たとえば、アスファルトシートからなり、接着剤により押さえ部12aや塞ぎ部材13の上面や下地部5の後背面に接着されているが、他の防水材料から構成されてもよい。
図3のように、防水部材14と塞ぎ部材13を貫通して固定具17が下地部5に上面5aからねじ込まれることで防水部材14と塞ぎ部材13が下地部5側で固定されているが、外壁1のレンガ3の上面3aでは固着されていない。
また、金属笠木2は、外壁1の前面側と背面側で折り曲げられて断面が略コ字状に構成され、全体として外壁1の上面および下地部5の上面5aを覆うようにして配置されている。金属笠木2と防水部材14との間の内部空間には金属笠木を取り付け固定する笠木受け金具19と笠木受け金具19を保持する保持金具20が配置されている。金属笠木2は、前面側の嵌合突起2aに笠木受け金具19の折り曲げ前端部19aが嵌合し、背面側の嵌合突起2bに笠木受け金具19の折り曲げ後端部19bが嵌合することで笠木受け金具19に取り付けられている。かかる嵌合構造により金属笠木2は着脱自在になっている。なお、保持金具20は、固定具18が防水部材14と塞ぎ部材13とを通して下地部5に上面5aからねじ込まれることで下地部5に固定されているが、外壁1のレンガ3の上面3aでは固着されていない。
図1~図4の組積造外壁の防水構造によれば、通気層10の上部開口部10aを塞ぐ塞ぎ部材13と、外壁1の上端のレンガ3の上面3aに設けたシーリング材11と、押さえ部材12の押さえ部12a、塞ぎ部材13の上面、さらに下地部5の後背面へと延びて塞ぎ部材13と下地部5の後背面を覆う防水部材14とにより防水構造を設けているので、雨水の通気層10への上部開口部10aからの侵入を効果的に防止できる。また、金属笠木2の前面側から入り込む雨水は、押さえ部材12の押さえ部12aに配置したシーリング材11により効率的に止水することができる。また、塞ぎ部材13は、外壁1の上部から下地部5の上面5aの背面側端部までたとえば木片セメント板ごと延長しているので、塞ぎ部材・防水構造の強度を確保できる。
上記防水構造を外壁1に適用することで、外壁1の外観デザインを従来と変えずに外壁1の止水性・防水性を向上でき、漏水の発生を長期的に抑制できる。また、笠木内部で防水・止水対策を完結できる。
外壁1の上部に固定した押さえ部材12の押さえ部12aでシーリング材11を押さえ、受け部12bで塞ぎ部材13を載せて受けるので、シーリング材11と塞ぎ部材13の保持効果を得てシーリング材11と塞ぎ部材13とを確実に保持でき、防水構造の長期的な維持に寄与できる。
塞ぎ部材13は、下地部5の上面5aに固着されるが、外壁1の上部には固着されないので、地震や強風時等の外壁1と下地部5との間の振動によるずれを吸収することができる。これにより、レンガ積みの外壁1の上部と、背面の下地部5の上面5aとを固定した場合の双方の挙動の違いによる外壁1または塞ぎ部材13や防水部材14の破損のおそれがなく、防水構造を適切かつ確実に固定できる。なお、図3,図4のように、塞ぎ部材13の外壁側端部と押さえ部材12の垂直部12dとの間に所定の間隙Cを設けるようにして塞ぎ部材13を配置することが望ましい。これにより、地震や強風時等における外壁1と下地部5との挙動のずれによる塞ぎ部材13の変位をより吸収できる。
次に、図1~図4の防水構造の施工工程について図5~図8を参照して説明する。図5は、本実施形態による組積造外壁の防水構造の施工工程S01~S08を説明するためのフローチャートである。図6は、図1~図4の外壁の上部を概略的に示す要部斜視図である。図7は、図6の外壁の上部に押さえ部材を配置固定した状態を概略的に示す要部斜視図である。なお、図7において、説明の便宜上、押さえ部材12の縦方向断面をハッチングにより示している。
図5を参照して説明すると、図6のように、外壁1が多数のレンガ3を積み重ねて組み立てられ、レンガ3の貫通孔3b内にモルタルMが充填された後、平板状の埋め込み金具15をボルトナット15a(図4)でモルタルM内に埋め込む(S01)。複数の埋め込み金具15が外壁1の横方向に所定間隔で配置される。
次に、図7のように、外壁1の上部の埋め込み金具15上に押さえ部材12を外壁の横方向に沿って配置し、各埋め込み金具15の位置で、受け部12bの上面から埋め込み金具15を通して固定具16をモルタルM内にねじ込むことで押さえ部材12をレンガ3の上面3aに固定する(S02)。
次に、図3のシーリング材11を押さえ部材12の押さえ部12aの下方の空間12c内に配置する(S03)。シーリング材11は硬化することでゴム状になって外壁1の上部前面で止水効果を発揮する。
次に、図3のように、図7の外壁1の上端のレンガ3の上面3aと下地部5の上面5aとの間に板状の塞ぎ部材13を配置し、通気層10の上部開口部10aを塞ぐ(S04)。このとき、塞ぎ部材13は、外壁1の前面側の端部が押さえ部材12の受け部12bに載って受けられる。
次に、図3のように、防水部材14を外壁1の前面位置から押さえ部材12の押さえ部12a、塞ぎ部材13の上面を覆って下地部5の後背面へと配置し接着剤で接着する(S05)。なお、通常、防水部材14と塞ぎ部材13との間の接着面全面を接着剤で接着するが、接着面の中央部分に接着しない部分を設けることにより塞ぎ部材13と共に外壁1と下地部5との挙動のずれによる変位に対応できる。
次に、図3のように、固定具17を防水部材14と塞ぎ部材13を貫通して下地部5に上面5aからねじ込むことで、防水部材14と塞ぎ部材13を下地部5側で固定する(S06)。なお、塞ぎ部材13は、外壁1の上端のレンガ3の上面3aに固定されず固着していない。
次に、図3のように、防水部材14の上部に笠木受け金具19を保持する保持金具20を上面5aからねじ込むことにより下地部5に固定することで笠木受け金具19を配置する(S07)。
次に、図3のように、金属笠木2の前面側の嵌合突起2aに笠木受け金具19の折り曲げ前端部19aを嵌合させ、背面側の嵌合突起2bに笠木受け金具19の折り曲げ後端部19bを嵌合させることで金属笠木2を笠木受け金具19に取り付ける(S08)。以上のようにして、本実施形態による外壁構造を完成させることができる。なお、金属笠木2は、嵌合突起2a,2bによる笠木受け金具19との嵌合を解除することで取り外し可能であり、取り外し後再び嵌合可能であるので、嵌合構造により着脱自在である。このため、建築物や外壁の点検等において金属笠木2を取り外して内部点検・メンテナンスが可能である。
本実施形態による組積造外壁の防水構造の施工方法によれば、外壁構造の押さえ部材や埋め込み金具等を一般流通品で構成でき、また、外壁1の上部を塞ぐための、カバープレート、防水層を貼り渡すこと、クローズタイプの笠木などの特別な材料の使用や施工を回避できるなどの新規材料の手配や追加工事が不要であるので、コストおよび作業工程の増加を抑制できる。また、塞ぎ部材13や防水部材14のための各使用材料は若干増加するが、各材料は建築物の他の部分でも使用されるので、コスト面・工程面への影響を極力抑えることができる。また、金属笠木2は、オープン笠木タイプであり、取り外してメンテナンスが可能である。外壁1の上部をカバープレート等で被覆していないので、内部の視認が可能である。
以上のように本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。たとえば、本実施形態では、外壁を複数のレンガの組積造から構成したが、本発明はこれに限定されず、複数の石材またはタイルの組積造による外壁であってもよい。
本発明によれば、建築物の外壁上部に防水構造を設けたので、外壁の背面に設けられた通気層の上部からの雨水侵入を防止でき、建築物内部への雨水侵入のおそれがない。また、防水構造の各部材を適切に固定できるので、地震や台風等の強風時等における振動を吸収でき、防水構造の破損を回避できる。
1 外壁
2 金属笠木
2a,2b 嵌合突起
3 レンガ
3a 上面
3b 充填孔
5 下地部
5a 上面
10 通気層
10a 上部開口部
11 シーリング材
12 押さえ部材
12a 押さえ部
12b 受け部
13 塞ぎ部材
14 防水部材
15 埋め込み金具
16~18 固定具
19 笠木取り付け金具
19a 前端部
19b 後端部

Claims (5)

  1. 複数のレンガ、石材またはタイルの組積造による外壁の防水構造であって、
    前記外壁は後部下地との間に通気層を有し、
    前記外壁の上部と前記後部下地の上部との間に前記通気層の上部開口部を塞ぐように配置された塞ぎ部材と、
    前記外壁の上部の外壁前面に配置されたシーリング材と、
    前記外壁の上部に固定され、前記シーリング材を押さえる押さえ部と、前記塞ぎ部材を載せて受ける受け部と、を有する押さえ部材と、
    前記塞ぎ部材から前記後部下地側へと延びて前記塞ぎ部材を覆うように配置された防水部材と、を備え、
    前記塞ぎ部材と前記シーリング材と前記防水部材とにより前記通気層の上部開口部に対する防水構造を構成し、
    前記塞ぎ部材は、前記外壁の上部および前記後部下地の上部の少なくとも一方に固着されずに地震・強風時の前記外壁と前記後部下地との間の振動によるずれを吸収する、組積造外壁の防水構造。
  2. 前記押さえ部材は、前記外壁の上部の複数箇所に埋め込まれた埋め込み金具に固定されている請求項1に記載の組積造による外壁の防水構造。
  3. 前記外壁の上部の前記シーリング材および前記防水部材を外部から視認できないように前記外壁の上部を覆って配置された金属笠木を備え、
    前記防水部材と前記金属笠木との間の空間に前記金属笠木を取り付けるための取り付け金具を配置した請求項1または2に記載の組積造外壁の防水構造。
  4. 複数のレンガ、石材またはタイルの組積造による外壁の防水構造の施工方法であって、
    前記外壁は後部下地との間に通気層を有し、
    前記外壁の上部に押さえ部材を固定し、
    前記外壁の上部の外壁前面にシーリング材を前記押さえ部材の押さえ部で押さえるようにして配置し、
    前記外壁の上部と前記後部下地の上部との間に前記通気層の上部開口部を塞ぐための塞ぎ部材を前記押さえ部材の受け部に載るようにして配置し、
    防水部材を前記塞ぎ部材から前記後部下地側へと延びて前記塞ぎ部材を覆うように配置し、
    前記塞ぎ部材と前記シーリング材と前記防水部材とにより前記通気層の上部開口部に対する防水構造とし、
    前記外壁と前記後部下地との間の地震・強風時の振動によるずれを吸収するように前記塞ぎ部材を前記外壁の上部および前記後部下地の上部の少なくとも一方に固着しない、組積造外壁の防水構造の施工方法。
  5. 前記防水部材の上部に金属笠木を取り付けるための取り付け金具を配置し、前記外壁の上部を覆うように前記金属笠木を前記取り付け金具に取り付け、前記外壁の上部の前記シーリング材および前記防水部材を外部から視認できないようにする請求項4に記載の組積造外壁の防水構造の施工方法。
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