JP2022116068A - 缶蓋および飲料缶 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の目的は、飲料が特定の注ぎ出し方向へ注ぎ出されるようにすることにある。
ここで、前記基材には、凹部が形成されるとともに、当該凹部を取り囲む段差が形成され、前記基材のうちの前記段差により囲まれた領域内に、前記スコア線が形成され、前記注ぎ出し方向を示すための前記表示が、前記基材のうちの前記開口が形成される箇所と、前記段差との間に位置することを特徴とすることができる。
また、前記缶蓋には、前記基材の破断を促すスコア線が形成され、前記スコア線には、U字に形成されたU字状部分が設けられ、前記タブは、前記基材のうちの前記U字状部分の内側の領域を前記他端部で押圧し、当該U字状部分の内側に、前記開口が形成され、前記促すための形状として、前記スコア線の前記U字状部分の一部を前記基材の外周縁側に向かって突出させる形状が付されていることを特徴とすることができる。
図1は、本実施の形態が適用される飲料缶100の上面図である。
飲料缶100は、缶本体(容器本体、缶胴)200と、缶蓋300とを有する。
缶本体200は、筒状に形成され、上部に開口を有するとともに、下部に底部を有する。缶蓋300は、缶本体200の開口に取り付けられ、この開口を塞ぐ。
なお、飲料缶100の内部には、ビールなどの発泡性飲料(炭酸飲料)が収容されている。
さらに、缶蓋300には、操作者により操作されるタブ500が取り付けられている。
タブ500は、操作者によって一方の端部である被操作部505(図中、上端部)が操作されることで(持ち上げられることで)、パネル400のうちの予め定められた押圧箇所RAに対して他方の先端部510(図中、先端部)を押し付け、パネル400を押圧する。
なお、本明細書では、以下、タブ500の図中上端部を、被操作部505と称し、タブ500の図中下端部を、先端部510と称する。
なお、本実施形態では、先端部510が円弧状に形成されたタブ500を例示するが、タブ500は、矩形状に形成することもでき、この場合は、タブ500の先端部510が直線状となる。
さらに、タブ500のうちの、貫通孔505Aよりも、先端部510側には、U字状の貫通孔506が形成されている。この貫通孔506は、一端部506A、他端部506B、および、頂部506Cを有する。
本実施形態では、一端部506Aおよび他端部506Bが、タブ500の先端部510側に位置し、頂部506Cが、タブ500の被操作部505側に位置する。
弾性片507は、先端部510側に位置する部分が、タブ本体500Aに対して接続され、さらに、タブ本体500Aに接続された部分を始点として、タブ500の被操作部505側に向かって延びる。
さらに、本実施形態では、タブ500のうちの、弾性片507が設けられている部分が、リベット900によって、パネル400に固定されている。
本実施形態では、パネル400のうち、スコア線600により囲まれた領域内に位置する一部が、タブ500の先端部510により押圧される。
これにより、スコア線600に沿ってのパネル400の破断が生じる。パネル400の破断が生じると、パネル400に開口が形成され(スコア線600の内側の部分に開口が形成され)、飲料缶100の内部の飲料を飲めるようになる。
本実施形態では、パネル400のうちの段差720により囲まれた領域内に、スコア線600が形成され、さらに、この囲まれた領域内に、タブ500が設けられている。
本実施形態では、スコア線600に沿ってパネル400の破断が生じると、舌片状の部位が生じるが、この凸部730があることで、この舌片状の部位の剛性が増加する。
さらに、本実施形態の缶蓋300には、飲料缶100の内部の飲料の種類を表す点字(凹凸)740が付されている。なお、凸部730は凹部となっていても良い。
本実施形態のスコア線600には、U字状部分650と、このU字状部分650に接続された接続部分610とが設けられている。
U字状部分650は、一端部651および他端部652を有する。一端部651および他端部652は、パネル400の中心部400X(図1参照)側に位置している。
さらに、U字状部分650は、パネル400の外周縁400A(図1参照)側に向かって膨らむように形成され、パネル400の外周縁400A側に頂部653を有する。
さらに、接続部分610は、タブ500の長手方向に沿った中心線Cを横切る。また、接続部分610は、パネル400のうちのタブ500(図1参照)により押圧される押圧箇所RAと、リベット900(図1参照)との間を通過する。
具体的には、スコア線600のうち、タブ500の中心線C上から外れた箇所に位置する一部が、パネル400の外周縁400A側に向かって膨らんでいる。
付言すると、スコア線600のうち、一方の領域A671に位置する一部が、パネル400の外周縁400A側に向かって突出している。
さらに説明すると、本実施形態では、スコア線600のうち、一方の領域A671に位置する一部の曲率が、この一部とは異なる他の部分の曲率よりも大きくなっており、この一部が、パネル400の外周縁400A側に向かって突出している。
その後、スコア線600は、頂部2Cを超えると、パネル400の外周縁400Aから離れる方向へ向かう(パネル400の中心部400X(図1参照)側に向かう)。
以下、本明細書では、スコア線600のうちの、上記外周縁400A側へ膨らむ上記の一部を、スコア突出部660と称する。
具体的には、図2の符号2Eで示す箇所に、外周縁400A側から中心部400X側に向かう部分が存在する。本実施形態では、外周縁400A側から中心部400X側に向かうこの部分に、スコア突出部660が設けられている。
なお、スコア突出部660の突出の程度は、特に限定されず、図2の破線2Gで示すように、スコア突出部660の突出の程度は小さくしてもよい。
具体的には、本実施形態では、「注ぎ出し方向を示すための表示588」として、タブ500の長手方向と交差(直交)する方向を向き且つタブ500の中心線Cから離れる方向を向く矢印3Cが、パネル400に付されている。この矢印3Cは、スコア突出部660と段差720との間に設けられている。
また、例えば、「注ぎ出し方向を示すための表示588」として、「注ぎ出し方向はこちら」などの文字情報を付してもよい。
これにより、タブ500の先端部510が、パネル400のうちのスコア線600により囲まれた領域内に押し当てられ、まず、接続部分610(図2参照)にて、パネル400の破断が生じる。
具体的には、パネル400の破断は、U字状部分650の他端部652、頂部653、スコア突出部660を経由して進行し、最終的に、U字状部分650の一端部651へ達する。
そして、本実施形態では、この破断は、スコア線600のうちの、一端部651が位置する下流側端部657(スコア線600のうち、破断の進行方向下流側に位置する端部)へ達する。
付言すると、本実施形態では、パネル400の破断が進行していく際の進行方向における下流側に、U字状部分650の一端部651が位置し、スコア線600に沿ったパネル400の破断は、この一端部651まで生じるようになる。
本実施形態では、まず、タブ500の中心線Cにて、パネル400の破断が開始される。具体的には、まず、接続部分610のうちの、中心線C上に位置する部分にて、パネル400の破断が開始される。
その後、パネル400の破断は、スコア突出部660へ進行し、最終的に、一端部651(下流側端部657)まで達する。これにより、缶蓋300に開口が形成される。
本実施形態では、飲料缶100の内部の飲料をグラスなどに注ぐ際、操作者は、まず、タブ500を操作して、缶蓋300に開口310を形成する。
その後、図3に示すように、操作者は、例えば、右手で飲料缶100を持ったうえで、回転軸3Bを中心に飲料缶100を回転させる。
より具体的には、操作者は、タブ500の長手方向に沿った回転軸3B(タブ500の長手方向と略平行な回転軸3B)を中心に、飲料缶100を回転させる。
付言すると、操作者は、タブ500の長手方向に沿った一方の側辺500Cが、他方の側辺500Dよりも上方に位置するように、飲料缶100を回転させる。
これにより、缶蓋300に形成された開口310から、内部の飲料が出てくるようになり、飲料缶100の内部の飲料が、グラスに注がれる。
より具体的には、図4(飲料を注ぐ際の飲料缶100の他の状態を示した図)に示すように、スコア線600の頂部653が下側となるように、飲料缶100を回転させる場合に比べ、グラス内における飲料の泡がよりキメ細かくなる。
付言すると、本実施形態では、図3にて示す第1注ぎ形態、図4にて示す第2注ぎ形態の2つの形態で、飲料の注ぎを行えるが、第1形態で飲料を注ぐと、第2注ぎ形態で飲料を注ぐ場合に比べ、グラス内における飲料の泡がよりキメ細かくなる。
言い換えると、スコア突出部660を下方にして注ぐ場合(第1注ぎ形態で飲料を注ぐ場合)は、頂部653を下方にして注ぐ場合(第2注ぎ形態で飲料を注ぐ場合)に比べ、飲料缶100を一定の角度だけ傾けた場合における飲料の流出量が小さくなる。
そして、このように流量が絞られ、注ぎ出される飲料が少なくなると、グラス内において、飲料が拡散しやすくなり、飲料の泡がよりキメ細かくなる。
その一方で、頂部653(図4参照)を下方にして注ぐ場合(第2注ぎ形態で飲料を注ぐ場合)は、パネル400の下端400Cから、開口310の下端310Cまでの距離は、距離L2となり、この場合、距離L1>距離L2という関係となる。
この場合、図3に示す注ぎ形態(第1注ぎ形態)では、流量が絞られる形となり、グラス内において、飲料が拡散しやすくなる。そして、この場合、飲料の泡がよりキメ細かくなる。
スコア突出部660を、他方の領域B672に設ける場合は、例えば、図3の符号3Dで示す部分に、スコア突出部660が設けられる構成となる。この構成において、第1注ぎ形態で飲料を注ぐ場合には、他方の領域B672に設けられたスコア突出部660を下方にして飲料を注ぐことになる。
スコア突出部660が無い構成であったとしても、図3にて示した第1注ぎ形態で飲料を注ぐようにすれば(タブ500の長手方向(中心線C)に沿った回転軸3Bを中心に、飲料缶100を回転させるようにすれば)、飲料の流出量が減り、飲料の泡がよりキメ細かくなる。
スコア突出部660を設けると、開口310が形成されたときに、開口310の縁の部分に、パネル400の外周縁400A側に向かって凹む溝(切り欠き)が形成される。
この場合、この溝により、飲料の案内が行われ、飲料の注ぎ出し方向以外の方向へ飲料が向かうことが起きにくくなる。そして、この場合、飲料缶100の外周面を伝って飲料が移動することが起きにくくなる。
付言すると、本実施形態では、タブ500の長手方向に沿った回転軸3Bを中心に飲料缶100を回転させる操作を、操作者に認識させるための情報および形状が、飲料缶100に付されている。これにより、本実施形態では、図3にて示した第1注ぎ形態での飲料の注ぎ形態があることを、操作者に認識させられるようになる。
また、「促すための形状」として、スコア線600の一部を、パネル400の外周縁400A側に向かって突出させる形状が付されている(スコア突出部660が設けられている)。
これにより、図3にて示した第1注ぎ形態があることを、操作者に認識させられるようになり、飲料を飲む者に対し、キメの細かい泡を有する飲料を提供できるようになる。
また、「促すための情報」および「促すための形状」は、缶蓋300に限らず、缶本体200(図1参照)の外周面など、缶蓋300以外に付してもよい。
具体的には、たとえば、「泡」などの文字情報を、缶蓋300や缶本体200に付すようにしてもよい。また、その他に、例えば、スコア突出部660の横に、「泡」などの文字情報を付すとともに、缶本体200の外周面に、「缶蓋300の「泡」マークの部分を下にして注いでください」などの情報を付してもよい。
本実施形態では、タブ500の長手方向に沿った中心線Cとスコア線600とは、パネル400の中心部400X(図1参照)側に位置する中心部側交差箇所411にて交差する。また、タブ500の長手方向に沿った中心線Cとスコア線600とは、中心部側交差箇所411よりも外周縁400A(図1参照)に近い外周縁側交差箇所412にて交差する。
さらに、図5では、中心部側交差箇所411と外周縁側交差箇所412とを結ぶ直線に対して直交し且つこの直線の中点を通る直交直線413を想定する。
本実施形態では、内部の飲料を飲む者が、缶蓋300に直接口を付けて飲料を飲む場合がある。
この場合に、上記のように、頂部2Cが、直交直線413よりも中心部側交差箇所411側に位置していると、内部の飲料を飲む者が、違和感を抱かずに飲料を飲むことができる。
言い換えると、スコア突出部660は、その頂部2Cが、直交直線413上に位置し、あるいは、直交直線413よりも中心部側交差箇所411側に位置するように配置することが好ましい。
また、本実施形態では、スコア線600の中点2X(スコア線600に沿ってスコア線600の長さを図った場合における中点2X)よりも、下流側端部657側に、スコア突出部660が設けられている。
付言すると、スコア突出部660を、下流側端部657が設けられている領域と同じ領域である一方の領域A671に設けると、他方の領域B672に設ける場合に比べ、缶蓋300の開口310がより確実に形成されやすくなる。
この場合、パネル400の破断の最終段階において(最終的な破断を行う前の段階において)、タブ500の起立量が大きくなってしまい、開口310が形成されにくくなる(形成される開口310が小さくなりやすくなる)。
この場合、下流側端部657までのパネル400の破断が生じやすくなる。
その一方で、スコア突出部660を何れの領域に設けるかによって、パネル400の破断の最終段階における、タブ500の起立量が異なるようになる。
この場合、これ以降におけるタブ500の操作において、タブ500の可動量がより大きなものとなり、スコア線600における破断により生じる舌片状の部位(不図示)の押し込み量を大きくできる。そして、この場合、パネル400の破断が、下流側端部657まで達しやすくなる。
この図では、タブ500の中心線Cに対して直交し且つスコア突出部660の頂部2Cを通る直交直線415を想定する。
直交直線415は、線上交差箇所416にて、タブ500の中心線Cと交差し、他方側交差箇所419にて、スコア線600のうちの他方の領域B672に位置する部分と交差する。
ところで、この場合は、パネル400の破断の最終段階における、タブ500の起立量が大きくなり、スコア線600の下流側端部657までの破断が生じにくくなる。
この場合、パネル400の破断の最終段階における、タブ500の起立量が小さくなり、スコア線600の下流側端部657までの破断が生じやすくなる。
この場合は、図7(スコア線600の他の構成例を示した図)に示すように、直交直線415のうちの、線上交差箇所416と一方側交差箇所418との間に位置する一方側部分7Eの長さL5を、線上交差箇所416と頂部2Cとの間に位置する他方側部分7Dの長さL6よりも小さくすることが好ましい。
この場合(長さL5<長さL6の場合)、一方側部分7Eの長さL5の方が、他方側部分7Dの長さL6よりも大きい場合に比べ(頂部653を超えた後における、残りのスコア線600の長さが大きくなる場合に比べ)、下流側端部657までのパネル400の破断が生じやすくなる。
この図でも、タブ500(図8では不図示)の中心線Cに対して直交し且つスコア突出部660の頂部2Cを通る直交直線415を想定する。
直交直線415は、線上交差箇所416にて、中心線Cと交差し、一方側交差箇所421にて、段差720のうちの一方の領域A671に位置する部分と交差する。
また、直交直線415は、他方側交差箇所422にて、段差720のうちの他方の領域B672に位置する部分と交差する。
付言すると、本実施形態では、段差720のうちの、スコア突出部660の脇を通過する部分が、パネル400の外周縁400A(図1参照)側に向かって突出している(膨らんでいる)。
なお、本明細書では、以下、段差720のうちの、この突出している部分を、段差突出部750と称する。
ここで、段差突出部750の突出の程度は、特に制限されないが、大きくすることが好ましい。これにより、スコア線600における、意図しないパネル400の破断が生じにくくなる。
このような場合に、段差720がスコア突出部660の近くを通る構成であると、段差720およびスコア突出部660の両者が設けられた箇所で、応力集中などが起こりやすく、パネル400の意図しない破断が生じやすくなる。
これに対し、上記のように、段差突出部750の突出の程度を大きくし、スコア突出部660と段差突出部750との離間距離を大きくすると、応力集中などが生じにくくなり、パネル400の意図しない破断が生じにくくなる。
この構成例では、タブ500の形状が上記にて説明したタブ500とは異なっている。
具体的には、図9にて示すタブ500では、U字状に形成された貫通孔506の一端部506Aおよび他端部506Bの位置(タブ500の長手方向における位置)が異なっている。
具体的には、他方の領域B672側に位置する他端部506Bが、一方の領域A671側に位置する一端部506Aよりも、タブ500の先端部510に近い側に位置している。
具体的には、操作者によりタブ500が起こされると、破線9Aに沿って、弾性片507が曲がり、これに伴い、タブ500の先端部510が、一方の領域A671側へ向かう。
ここで、図9にて示した貫通孔506は、タブ500の先端部510が、一方の領域A671側へ移動するようにタブ500を変位させる変位手段として捉えることができる。
なお、タブ500の変位は、貫通孔506の形状を利用したものに限らず、他の機構により行ってもよい。
この構成例では、スコア突出部660が、一方の領域A671および他方の領域B672の両者に設けられている。
図2、3にて示した構成例では、左利きの人は、第1注ぎ形態で飲料の注ぎ出しを行う際、開口310を形成した後に、飲料缶100を周方向に180度回転させる必要がある。
また、図7にて示した構成例では、右利きの人は、第1注ぎ形態で飲料の注ぎ出しを行う際、飲料缶100を周方向に180度回転させる必要がある。
これに対し、図10にて示す構成例では、操作者が、右利き、左利きの何れであっても、操作者は、飲料缶100を周方向に180度回転させずに、飲料の注ぎ出しを行える。
実施例について説明する。
図11(A)~(C)は、飲料缶をそれぞれ同角度だけ傾けて、グラスに飲料を注いだ際に生じる泡の粒径を示した図である。
図11(A)では、図1にて示した飲料缶100(以下、「第1飲料缶101」と称する)から、第1注ぎ形態で、グラスに飲料を注いだ際に生じた泡の粒径を示している。
付言すると、図11(B)では、突出の程度が小さいスコア突出部660を有する飲料缶100から、第1注ぎ形態で、グラスに飲料を注いだ際に生じた泡の粒径を示している。
具体的には、図11(C)では、スコア突出部660を有しない既存の飲料缶100から、第2注ぎ形態で(通常の注ぎ形態で)、グラスに飲料を注いだ際に生じた泡の粒径を示している。
付言すると、図4の飲料缶100にはスコア突出部660が設けられているが、図11(C)は、当該スコア突出部660が設けられていない飲料缶100から、第2注ぎ形態で(頂部653が下側に位置する注ぎ状態で)、グラスに飲料を注いだ際に生じた泡の粒径を示している。
また、第2飲料缶102では、図11(B)に示すように、泡の粒径の平均値(5本の第2飲料缶102の平均値)が、316.2μmとなった。
このように、本実施形態の構成では、比較例の構成に比べ、よりキメの細かい泡を得られる。
具体的には、スコア突出部660の突出の程度が小さい第2飲料缶102にて生じた泡の粒径は、316.2μmとなり、第1飲料缶101にて生じた泡の粒径(=343.9μm)よりも小さくなった。
ここで、本明細書において、「キメ細かい」とは、スコア突出部660を有していない飲料缶100から上記第2注ぎ形態でグラスに飲料を注いだ際に生じる泡の粒径よりも、泡の粒径が小さくなることをいい、泡の粒径が所定値よりも小さくなることを意味するものではない。
泡の粒径の大小は、飲料缶100内の飲料の種類により変化するものであり、仮に、本実施形態の構成を有する飲料缶100から上記第1注ぎ形態で一の種類の飲料を注いだときに生じた泡の粒径が大きい場合であっても、この粒径が、スコア突出部660を有していない飲料缶100から上記第2注ぎ形態でこの一の種類の飲料を注いだ際に生じた泡の粒径よりも小さい場合には、キメ細かい泡が生じたと言える。
具体的には、図12では、第1飲料缶101、第2飲料缶102、比較飲料缶201のそれぞれについて、飲料缶100の外表面を伝って飲料が移動するか否かを調べた結果を示している。
また、比較飲料缶201については、図4の飲料缶100にはスコア突出部660が設けられているが、当該スコア突出部660が設けられていない飲料缶100のタブ500が寝た状態で(横向きになった状態で)、図3に示す方向にグラスへの飲料の注ぎを行った際の、液だれの有無を調べた。
より具体的、第1飲料缶101、第2飲料缶102では、それぞれ10本の第1飲料缶101、第2飲料缶102を用意して実験を行ったが、第1飲料缶101、第2飲料缶102での液だれが発生した個数は、零であった。
図12(C)は、比較飲料缶201の結果を示しており、比較飲料缶201では、液だれが発生した。具体的には、比較飲料缶201では、10本の比較飲料缶201のうち、3本の比較飲料缶201において、液だれが発生した。
図2では、スコア突出部660、下流側端部657、U字状部位の一端部651が、一方の領域A671側に位置し、U字状部位の他端部652が、他方の領域B672側に位置する構成を一例に説明した。
各部の配置はこれに限らず、スコア突出部660、下流側端部657、U字状部位の一端部651が、他方の領域B672側に位置し、U字状部位の他端部652が、一方の領域A671側に位置する構成としてもよい。
即ち、スコア線600は、図2にて示した構成に限らず、図2にて示した構成を、タブ500の中心線Cを対象軸として反転させた構成としてもよい。
上述した実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備える必要はない。言い換えると、上述の実施形態は、一例であり、上述の実施形態に既知の構成を追加したり、実施形態の一部を削除したり、実施形態の一部を既知の構成で置換したりしてもよい。
Claims (7)
- 基材と、
前記基材に形成され、当該基材の破断を促すスコア線と、
前記基材のうちの前記スコア線により囲まれた領域内を押圧するタブと、
を備え、
前記スコア線に沿った前記基材の破断が生じると、当該基材には開口が形成され、
前記基材には、前記開口から注ぎ出される液体の注ぎ出し方向を示すための表示がなされている缶蓋。 - 前記基材には、凹部が形成されるとともに、当該凹部を取り囲む段差が形成され、
前記基材のうちの前記段差により囲まれた領域内に、前記スコア線が形成され、
前記注ぎ出し方向を示すための前記表示が、前記基材のうちの前記開口が形成される箇所と、前記段差との間に位置する請求項1に記載の缶蓋。 - 飲料缶に用いられる缶蓋であって、
基材と、
前記基材に開口が形成される際に操作者により操作されるタブと、
を備え、
前記タブは、一端部および他端部を有し、当該一端部から当該他端部に向かって延び、当該一端部と当該他端部との間に位置する部分が前記基材に固定され、当該一端部がユーザにより操作され、当該基材のうちの前記開口が形成される箇所を当該他端部で押圧し、
前記タブの延び方向に沿った回転軸を中心に前記飲料缶を回転させる操作を操作者に促すための情報および/または形状が付された缶蓋。 - 前記促すための情報として、前記タブの延び方向と交差する方向を向く矢印が前記缶蓋に付されている請求項3に記載の缶蓋。
- 前記缶蓋には、前記基材の破断を促すスコア線が形成され、
前記スコア線には、U字に形成されたU字状部分が設けられ、
前記タブは、前記基材のうちの前記U字状部分の内側の領域を前記他端部で押圧し、当該U字状部分の内側に、前記開口が形成され、
前記促すための形状として、前記スコア線の前記U字状部分の一部を前記基材の外周縁側に向かって突出させる形状が付されている請求項3に記載の缶蓋。 - 内容物が収容された缶本体と、当該缶本体の開口を塞ぐ缶蓋、とを備え、当該缶蓋が請求項1乃至5の何れかに記載の缶蓋により構成された飲料缶。
- 内容物が収容された缶本体と、
開口が形成される際に操作者により操作されるタブと、
を備えた飲料缶であり、
前記タブは、一端部および他端部を有し、当該一端部から当該他端部に向かって延び、当該一端部と当該他端部との間に位置する部分が前記缶本体に固定され、当該一端部がユーザにより操作され、当該缶本体のうちの前記開口が形成される箇所を当該他端部で押圧し、
前記タブの延び方向に沿った回転軸を中心に前記飲料缶を回転させる操作を操作者に促すための情報および/または形状が付された飲料缶。
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