JP2022114448A - マスクブランク、転写用マスクの製造方法、及び半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

マスクブランク、転写用マスクの製造方法、及び半導体デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2022114448000001
【課題】パターン形成用薄膜表面の微小欠陥の少ないマスクブランクを提供する。
【解決手段】基板上にパターン形成用薄膜を備えたマスクブランクである。パターン形成用薄膜は、クロムと窒素を含有する単層膜、またはクロムと窒素を含有する窒化クロム系層を含む多層膜である。パターン形成用薄膜の表面に対し、基板の中心を基準とする一辺が1μmの四角形の内側領域である中央領域を設定し、該中央領域で算術平均粗さSaと最大高さSzを測定したとき、Saが1.0nm以下であり、かつSz/Saが14以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、マスクブランク、該マスクブランクを用いる転写用マスクの製造方法、及び該方法により製造された転写用マスクを用いる半導体デバイスの製造方法に関する。
一般に、半導体デバイスの製造工程では、フォトリソグラフィー法を用いて微細パターンの形成が行われている。また、この微細パターンの形成には通常何枚もの転写用マスク(フォトマスク)と呼ばれている基板が使用される。この転写用マスクは、一般に透光性のガラス基板上に、金属薄膜等からなる微細パターンを設けたものであり、この転写用マスクの製造においてもフォトリソグラフィー法が用いられている。
この転写用マスクは同じ微細パターンを大量に転写するための原版となるため、転写用マスク上に形成されたパターンの寸法精度は、この転写用マスクを用いて作製される微細パターンの寸法精度に直接影響する。近年、半導体デバイスのパターンの微細化が著しく進んできており、それに応じて転写用マスクに形成されるマスクパターンの微細化に加え、そのパターン精度もより高いものが要求されている。他方、転写用マスクのパターンの微細化に加え、フォトリソグラフィーで使用される露光光源波長の短波長化が進んでいる。具体的には、半導体デバイス製造の際の露光光源としては、近年ではKrFエキシマレーザー(波長248nm)から、ArFエキシマレーザー(波長193nm)へと短波長化が進んでいる。
また、転写用マスクの種類としては、透光性基板上にクロム系材料からなる遮光膜パターンを有するバイナリマスク(例えば、特許文献1参照)のほかに、例えばハーフトーン型位相シフトマスクが知られている(例えば、特許文献2参照)。このハーフトーン型位相シフトマスクは、透光性基板上に光半透過膜パターンを備えたものであり、この光半透過膜(ハーフトーン型位相シフト膜)は、実質的に露光に寄与しない強度で光を透過させ、かつその光半透過膜を透過した光に、同じ距離だけ空気中を透過した光に対して所定の位相差を生じさせる機能を有しており、これにより、いわゆる位相シフト効果を生じさせている。
特開2001-305713号公報 国際公開第2004/090635号公報
上述のように、近年、マスクパターンの微細化が著しく進んでおり、例えば寸法が50nm以下のような微細なパターンを高いパターン精度で形成することが要求されるようになってきている。このような微細パターンが高いパターン精度で形成された転写用マスクを得るためには、この転写用マスクの製造に用いるマスクブランクにおいても、例えば表面欠陥の少ない高品質のマスクブランクが要求される。このマスクブランクは、例えば基板上にパターン形成用薄膜を備えたものであるが、このパターン形成用薄膜の表面に存在する欠陥がたとえ高さ、大きさの小さな微小欠陥(凸状欠陥)であったとしても、上述のような微細パターンを高いパターン精度で形成するうえで悪影響を与える可能性が考えられる。
また、近年、マスクブランクの欠陥検査に、波長193nmの検査光を用いる最先端の欠陥検査機が用いられるようになってきている。このような欠陥検査機で欠陥検査を行うと、マスクブランクのパターン形成用薄膜の表面に存在する欠陥がたとえ微小欠陥であっても欠陥数が非常に多いと、検査途中で終了(オーバーフロー)してしまうという問題が生じることがある。
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、第1に、基板上にパターン形成用薄膜を備えた構造のマスクブランクであって、パターン形成用薄膜表面の微小欠陥の少ないマスクブランクを提供することであり、第2に、上述のような最先端の欠陥検査機でマスクブランクの欠陥検査を行うときに悪影響を与えることのないマスクブランクを提供することであり、第3に、このマスクブランクを用いることにより、高精度の微細な転写パターンが形成された転写用マスクの製造方法を提供することであり、第4に、この転写用マスクを用いて、半導体基板上のレジスト膜に高精度のパターン転写を行うことが可能な半導体デバイスの製造方法を提供することである。
本発明者は、以上の課題を解決するため鋭意研究を続けた結果、本発明を完成したものである。
すなわち、上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)
基板上にパターン形成用薄膜を備えたマスクブランクであって、前記パターン形成用薄膜は、クロムと窒素を含有する単層膜、またはクロムと窒素を含有する窒化クロム系層を含む多層膜であり、前記パターン形成用薄膜の表面に対し、前記基板の中心を基準とする一辺が1μmの四角形の内側領域である中央領域を設定し、前記中央領域で算術平均粗さSaと最大高さSzを測定したとき、Saが1.0nm以下であり、かつSz/Saが14以下であることを特徴とするマスクブランク。
(構成2)
前記パターン形成用薄膜の表面に対し、前記中央領域の外周に接するとともに前記外周の全てを囲むように、一辺が1μmの四角形の内側領域であるとともに互いに重ならない隣接領域を8か所設定し、全ての前記隣接領域で算術平均粗さSaと最大高さSzをそれぞれ測定したとき、全てのSaが1.0nm以下であり、かつ全てのSz/Saが14以下であることを特徴とする構成1に記載のマスクブランク。
(構成3)
前記中央領域の最大高さSzは10nm以下であることを特徴とする構成1又は2に記載のマスクブランク。
(構成4)
前記中央領域の二乗平均平方根粗さSqは1.0nm以下であることを特徴とする構成1乃至3のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成5)
前記パターン形成用薄膜の表面に対し、波長193nmの検査光を用いた欠陥検査装置によって欠陥検査を行い、一辺が132mmの四角形の内側領域であるパターン形成領域の凸状欠陥の分布を取得したとき、前記パターン形成領域内に高さが10nm以下の凸状欠陥である微小欠陥が存在しており、前記パターン形成領域内に存在する前記微小欠陥の存在数は100個以下であることを特徴とする構成1乃至4のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成6)
前記単層膜の前記基板とは反対側の表層を除いた部分の窒素の含有量は、8原子%以上である、または前記多層膜の前記窒化クロム系層の窒素の含有量は、8原子%以上であることを特徴とする構成1乃至5のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成7)
前記単層膜の前記基板とは反対側の表層を除いた部分のクロムの含有量は、60原子%以上である、または前記多層膜の前記窒化クロム系層のクロムの含有量は、60原子%以上であることを特徴とする構成1乃至6のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成8)
前記多層膜は、前記窒化クロム系層の上に、ケイ素および酸素を含有するハードマスク層を備えることを特徴とする構成1乃至7のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成9)
前記多層膜は、前記窒化クロム系層の上に、クロム、酸素および窒素を含有する上層を備えることを特徴とする構成1乃至7のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成10)
前記多層膜は、前記上層の上に、ケイ素および酸素を含有するハードマスク層を備えることを特徴とする構成9に記載のマスクブランク。
(構成11)
前記基板と前記パターン形成用薄膜の間に、位相シフト膜を備えることを特徴とする構成1乃至10のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成12)
前記位相シフト膜は、ArFエキシマレーザー(波長193nm)の露光光を8%以上の透過率で透過させる機能と、前記位相シフト膜を透過した前記露光光に対して前記位相シフト膜の厚さと同じ距離だけ空気中を通過した前記露光光との間で150度以上210度以下の位相差を生じさせる機能とを有することを特徴とする構成11に記載のマスクブランク。
(構成13)
前記位相シフト膜と前記パターン形成用薄膜の積層構造におけるArFエキシマレーザー(波長193nm)の露光光に対する光学濃度は、3.3以上であることを特徴とする構成11又は12に記載のマスクブランク。
(構成14)
構成1乃至10のいずれかに記載のマスクブランクを用いる転写用マスクの製造方法であって、転写パターンを有するレジスト膜をマスクとするドライエッチングにより、前記パターン形成用薄膜に転写パターンを形成する工程を有することを特徴とする転写用マスクの製造方法。
(構成15)
構成11乃至13のいずれかに記載のマスクブランクを用いる転写用マスクの製造方法であって、転写パターンを有するレジスト膜をマスクとするドライエッチングにより、前記パターン形成用薄膜に転写パターンを形成する工程と、前記転写パターンを有するパターン形成用薄膜をマスクとするドライエッチングにより、前記位相シフト膜に転写パターンを形成する工程とを有することを特徴とする転写用マスクの製造方法。
(構成16)
構成14又は15に記載の転写用マスクの製造方法により得られる転写用マスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写する工程を備えることを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
本発明のマスクブランクによれば、基板上にパターン形成用薄膜を備えた構造のマスクブランクであって、前記パターン形成用薄膜は、クロムと窒素を含有する単層膜、またはクロムと窒素を含有する窒化クロム系層を含む多層膜であり、前記パターン形成用薄膜の表面に対し、前記基板の中心を基準とする一辺が1μmの四角形の内側領域である中央領域を設定し、前記中央領域で算術平均粗さSaと最大高さSzを測定したとき、Saが1.0nm以下であり、かつSz/Saが14以下であることにより、パターン形成用薄膜表面の微小欠陥の少ないマスクブランクを提供することができる。また、本発明のマスクブランクによれば、上述のような最先端の欠陥検査機でマスクブランクの欠陥検査を行うときに例えば検査途中で終了(オーバーフロー)してしまうような問題を生じることがない。
また、このマスクブランクを用いることにより、高精度の微細な転写パターンが形成された転写用マスクを製造することができる。さらに、この転写用マスクを用いて、半導体基板上のレジスト膜にパターン転写を行うことにより、パターン精度の優れたデバイスパターンが形成された高品質の半導体デバイスを製造することができる。
本発明に係るマスクブランクの第1の実施の形態を示す断面概略図である。 本発明に係るマスクブランクの第1の実施の形態の具体的構成例を示す断面概略図である。 本発明に係るマスクブランクの第1の実施の形態の他の具体的構成例を示す断面概略図である。 本発明に係るマスクブランクの第2の実施の形態を示す断面概略図である。 本発明の第1の実施の形態のマスクブランクを用いた転写用マスクの製造工程を示す断面概略図である。 本発明の第2の実施の形態のマスクブランクを用いた転写用マスクの製造工程を示す断面概略図である。 本開示に係るマスクブランクの中央領域および隣接領域を示す平面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳述する。
まず、本発明に至った経緯について説明する。
基板上にクロム系材料からなる遮光膜を備えたマスクブランクにおいて、より高い光学濃度(Optical Density:OD)の遮光膜を形成するために、例えばクロムと酸素と炭素を含有する膜(CrOC膜)を例えば30nm以上の膜厚でスパッタ形成した際に微小欠陥が多発することがある。なお、本発明でいう微小欠陥とは、高さが10nm以下、大きさが70nm以下の凸状欠陥である。
このような微小欠陥が遮光膜の表面に存在することによって、近年要求されているような微細パターンを高いパターン精度で形成するうえで悪影響を与える可能性が考えられる。また、近年の波長193nmの検査光を用いる最先端の欠陥検査機でマスクブランクの欠陥検査を行うと、マスクブランクのパターン形成用薄膜(遮光膜)の表面に存在する欠陥がたとえ微小欠陥であっても欠陥数が非常に多いと、検査途中で終了(オーバーフロー)してしまうという問題が生じることがある。
そこで、本発明者は、クロム系材料膜中の構成元素について検討した結果、クロム系遮光膜の組成をクロムと窒素を含有する膜とすることによって、上記の微小欠陥の発生数を低減することができることを突き止めた。しかし、クロム系遮光膜に発生する微小欠陥は、その遮光膜の構成元素を特定することだけでは抑制することは難しいことが判明した。基板上にスパッタリング法によってその遮光膜を形成していくときの成膜条件を調整することによって、遮光膜に生じる結晶の成長を抑制する必要があった。しかし、その成膜条件は、使用する成膜装置に依存することが大きい。このため、微小欠陥の発生を抑制できるスパッタ装置固有の成膜条件を特定するための新たな指標が必要となっていた。
本発明者の検討の結果、マスクブランクのパターン形成用薄膜(例えば遮光膜)の表面に対し、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:以下「AFM」と略称する。)で測定した結果、微小欠陥が存在する測定箇所と存在しない測定箇所では、算術平均粗さSaと、最大高さSzと算術平均粗さSaの比(最大高さSz/算術平均粗さSa)の数値に比較的大きな差があることが分かった。そこで、マスクブランクのパターン形成用薄膜上の微小欠陥の有無を規定するパラメータとして、パターン形成用薄膜に対して一辺が1μmの四角形の領域内でAFM測定を行って算出するSaと、Sz/Saの数値を採用することが好適であると判断した。
本発明者は、これらのことを総合的に考慮し、上記課題を解決するためには、基板上にパターン形成用薄膜を備えたマスクブランクであって、このパターン形成用薄膜は、クロムと窒素を含有する単層膜、またはクロムと窒素を含有する窒化クロム系層を含む多層膜であり、上記パターン形成用薄膜の表面に対し、上記基板の中心を基準とする一辺が1μmの四角形の内側領域である中央領域を設定し、当該中央領域で算術平均粗さSaと最大高さSzを測定したとき、Saが1.0nm以下であり、かつSz/Saが14以下であることがよいとの結論に至り、本発明を完成するに至ったものである。
以下、実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
[マスクブランク]
はじめに、本発明のマスクブランクについて説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係るマスクブランクの第1の実施の形態を示す断面概略図である。
図1に示されるとおり、本発明の第1の実施の形態に係るマスクブランク10は、基板1上に、パターン形成用薄膜2を備える構造のマスクブランクである。
ここで、上記基板1としては、透光性基板が好適である。この透光性基板としては、一般にガラス基板が挙げられる。ガラス基板は、平坦度及び平滑度に優れるため、転写用マスクを使用して被転写基板上へのパターン転写を行う場合、転写パターンの歪み等が生じないで高精度のパターン転写が行える。透光性基板としては、合成石英ガラスのほか、石英ガラス、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、低熱膨張ガラス(SiO-TiOガラス等)などのガラス材料で形成することができる。これらの中でも、合成石英ガラスは、例えば露光光であるArFエキシマレーザー光(波長193nm)に対する透過率が高く、マスクブランク10の基板1を形成する材料として特に好ましい。
上記パターン形成用薄膜2は、クロムと窒素を含有する単層膜、またはクロムと窒素を含有する窒化クロム系層を含む多層膜である。クロムと窒素を含有する単層膜の膜厚は、30nm以上であることができ、好ましくは35nm以上であり、さらに好ましくは40nm以上である。また、クロムと窒素を含有する窒化クロム系層の膜厚は、30nm以上であることができ、好ましくは35nm以上であり、さらに好ましくは40nm以上である。
上記パターン形成用薄膜2は、クロムと窒素を含有する単層膜(以下、「窒化クロム系単層膜」とも呼ぶ。)である場合、例えば遮光膜であり、具体的な材料としては、CrNが好ましく挙げられる。
上記窒化クロム系単層膜の基板1とは反対側の表層を除いた部分の窒素の含有量は、8原子%以上であることが好ましく、10原子%以上であることがより好ましく、12原子%以上であることがさらに好ましい。窒素を8原子%以上含有することにより、上記パターン形成用薄膜2の表面の微小欠陥の発生を抑制することができる。
ここで、基板1とは反対側の表層を除いた理由は、スパッタ成膜後の窒化クロム系単層膜に対して洗浄等の処理を行うときにその窒化クロム系単層膜の表層が酸化クロム化することが避けがたいためである。また、表層とは、上記窒化クロム系単層膜の基板1とは反対側の表面から深さ方向で5nmの深さまでの領域を言うものとする。
なお、窒化クロム系材料中の窒素の含有量が多いと、窒化クロム系単層膜の露光光に対する光学濃度が低下するという問題が生じるので、上記窒化クロム系単層膜の窒素の含有量は、30原子%以下であることが好ましく、20原子%以下であることがより好ましい。
また、上記窒化クロム系単層膜の基板1とは反対側の表層を除いた部分のクロムの含有量は、60原子%以上であることが好ましく、70原子%以上であることがより好ましく、80原子%以上であることがさらに好ましい。上記窒化クロム系単層膜は例えば遮光膜であり、露光光に対して所定の光学濃度を確保する必要がある。このような観点から、上記クロムの含有量は、60原子%以上であることが望ましい。
また、上記窒化クロム系単層膜は、クロムと窒素の他に、例えば酸素、炭素等の元素を含有する材料(例えばCrOCNなど)としてもよい。ただし、上述のパターン形成用薄膜の表面の微小欠陥の発生を抑制する観点からは、上記酸素、炭素、ホウ素、水素等の元素の各含有量は、5原子%未満であることが好ましく、3原子%以下であるとより好ましい。また、上記酸素、炭素、ホウ素、水素等の元素の合計含有量は、10原子%以下であることが好ましく、5原子%以下であるとより好ましい。
また、上記窒化クロム系単層膜の厚さは、30nm以上であることができる。より高い光学濃度(例えば、ArFエキシマレーザー(波長193nm)の露光光に対する光学濃度3.3以上)の遮光膜を形成するために、例えばCrOC膜を30nm以上の膜厚でスパッタ形成した際に微小欠陥が多発することがあるという従来の問題を本発明によって解決することができる。
また、上記パターン形成用薄膜2は、クロムと窒素を含有する窒化クロム系層を含む多層膜である場合、この多層膜は例えば遮光膜であり、上記窒化クロム系層の具体的な材料としては、CrNが好ましく挙げられる。
上記多層膜の窒化クロム系層の窒素の含有量は、上記窒化クロム系単層膜の場合と同様、8原子%以上であることが好ましく、10原子%以上であることがより好ましく、12原子%以上であることがさらに好ましい。窒素を8原子%以上含有することにより、上記パターン形成用薄膜2の表面の微小欠陥の発生を抑制することができる。
なお、窒化クロム系材料中の窒素の含有量が多いと、窒化クロム系層の露光光に対する光学濃度が低下するという問題が生じるので、上記窒化クロム系層の窒素の含有量は、30原子%以下であることが好ましく、20原子%以下であることがより好ましい。
また、上記多層膜の窒化クロム系層のクロムの含有量は、上記窒化クロム系単層膜の場合と同様、60原子%以上であることが好ましく、70原子%以上であることがより好ましく、80原子%以上であることがさらに好ましい。上記窒化クロム系層は例えば遮光膜の主要部分であり、露光光に対して所定の光学濃度を確保する必要がある。このような観点から、上記クロムの含有量は、60原子%以上であることが望ましい。
また、上記多層膜の窒化クロム系層は、上記窒化クロム系単層膜の場合と同様、クロムと窒素の他に、例えば酸素、炭素等の元素を含有する材料(例えばCrOCNなど)としてもよい。ただし、上述のパターン形成用薄膜の表面の微小欠陥の発生を抑制する観点からは、上記酸素、炭素、ホウ素、水素等の元素の含有量は、5原子%未満であることが好ましく、3原子%以下であるとより好ましい。また、上記酸素、炭素、ホウ素、水素等の元素の合計含有量は、10原子%以下であることが好ましく、5原子%以下であるとより好ましい。
また、例えば遮光膜の主要部分である上記多層膜の窒化クロム系層の厚さは、上記窒化クロム系単層膜の場合と同様、30nm以上であることができる。より高い光学濃度の遮光膜(例えば、ArFエキシマレーザー(波長193nm)の露光光に対する光学濃度3.3以上)を形成するために、例えばCrOC膜を30nm以上の膜厚でスパッタ形成した際に微小欠陥が多発することがあるという従来の問題を本発明によって解決することができる。
また、本実施の形態のマスクブランク10は、上記パターン形成用薄膜2として、上記多層膜の窒化クロム系層の上に、ケイ素および酸素を含有するハードマスク層を備える構成とすることができる。
図2は、本発明に係るマスクブランクの第1の実施の形態の具体的構成例を示す断面概略図である。図2に示すように、基板1上に、パターン形成用薄膜として、窒化クロム系層5とハードマスク層7を順に積層した構造を備えている。
上記窒化クロム系層5の構成については、上述したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
また、上記ハードマスク層7は、上記窒化クロム系層5に転写パターンを形成する際のエッチングマスクとして機能する。したがって、上記ハードマスク層7は、直下の窒化クロム系層5とエッチング選択性の高い素材であることが必要であり、本実施形態では、ハードマスク層7の素材にケイ素系材料を選択することにより、窒化クロム系層5との高いエッチング選択性を確保することができる。
本実施の形態では、上記ハードマスク層7は、ケイ素および酸素を含有する材料からなり、例えば、ケイ素および酸素からなる材料(SiO系材料)、またはこの材料にさらに窒素等の元素を含有する材料(SiNO系材料)が好ましく挙げられる。一方、ハードマスク層7は、タンタルを含有する材料で形成してもよい。この場合におけるタンタルを含有する材料としては、タンタル金属のほか、タンタルに窒素、酸素、ホウ素および炭素から選ばれる一以上の元素を含有させた材料などが挙げられる。たとえば、Ta、TaN、TaO、TaON、TaBN、TaBO、TaBON、TaCN、TaCO、TaCON、TaBCN、TaBOCN、などが挙げられる。
上記ハードマスク層7の膜厚は特に制約される必要はないが、このハードマスク層7は、塩素系ガスを用いたドライエッチングにより、直下の窒化クロム系層5(遮光膜)をパターニングするときのエッチングマスクとして機能するものであるため、少なくとも直下の窒化クロム系層5のエッチングが完了する前に消失しない程度の膜厚が必要である。一方、ハードマスク層7の膜厚が厚いと、直上のレジストパターンを薄膜化することが困難である。このような観点から、上記ハードマスク層7の膜厚は、例えば2nm以上15nm以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは3nm以上10nm以下である。
また、本実施の形態のマスクブランク10は、上記パターン形成用薄膜2として、上記多層膜の窒化クロム系層の上に、クロム、酸素および窒素を含有する上層を備える構成とすることができる。
図3は、本発明に係るマスクブランクの第1の実施の形態の他の具体的構成例を示す断面概略図である。図3に示すように、基板1上に、パターン形成用薄膜として、窒化クロム系層5とクロム系材料からなる上層6とハードマスク層7を順に積層した構造を備えている。この構成例では、遮光膜として、窒化クロム系層5とクロム系材料からなる上層6の積層構造を備えている。
上記窒化クロム系層5の構成については、上述したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
本実施の形態では、上記上層6は、クロム、酸素および窒素を含有する材料からなり、例えば、クロム、酸素および窒素からなる材料(CrON系材料)、またはこの材料にさらに炭素等の元素を含有する材料(CrOCN系材料)が好ましく挙げられる。上層6は、クロム、酸素および窒素の他に、炭素、ホウ素、水素等の元素を含有してもよい。
上層6のクロムの含有量は、60原子%未満であることが好ましく、55原子%以下であることがより好ましい。上層6のクロムの含有量は、30原子%以上であることが好ましく、40原子%以上であることがより好ましい。上層6の酸素の含有量は、10原子%以上であることが好ましく、15原子%以上であることがより好ましい。上層6の酸素の含有量は、40原子%以下であることが好ましく、30原子%以下であることがより好ましい。上層6の窒素の含有量は、5原子%以上であることが好ましく、7原子%以上であることがより好ましい。上層6の窒素の含有量は、20原子%以下であることが好ましく15原子%以下であることがより好ましい。上層6の炭素の含有量は、5原子%以上であることが好ましく、7原子%以上であることがより好ましい。上層6の炭素の含有量は、20原子%以下であることが好ましく15原子%以下であることがより好ましい。
上記窒化クロム系層5の上に、クロム系材料からなる上層6を備えることにより、遮光膜の表面反射率を低減(例えばArFエキシマレーザー(波長193nm)の露光光に対する反射率35%未満)することができる。このような観点から、上記上層6の膜厚は、例えば2nm以上10nm以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは3nm以上7nm以下である。
なお、図3に示す構成例では、上記のとおり、上層6の上にハードマスク層7を備えているが、上記ハードマスク層7の構成については、上述したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
また、本実施の形態のマスクブランク10は、上記基板1上に、上述のパターン形成用薄膜2を形成することによって製造することができる。このパターン形成用薄膜2は、上述の窒化クロム系単層膜、窒化クロム系層5およびハードマスク層7を含む積層膜、または窒化クロム系層5、クロム系材料からなる上層6、ハードマスク層7等を含む積層膜である。
上記パターン形成用薄膜2を形成する方法についても特に制約される必要はないが、なかでもスパッタリング成膜法が好ましく挙げられる。スパッタリング成膜法によると、均一で膜厚の一定な膜を形成することが出来るので好適である。
また、本実施の形態のマスクブランク10は、上記パターン形成用薄膜2の表面に対し、上記基板1の中心を基準とする一辺が1μmの四角形の内側領域である中央領域21を設定し、当該中央領域21で算術平均粗さSaと最大高さSzを測定したとき、Saが1.0nm以下であり、かつSz/Saが14以下であることを特徴としている。
ここで、算術平均粗さSaとは、ISO25178で規定されている面粗さを評価するパラメータであり、これまでISO4287、JIS B0601で規定されていた二次元的な表面性状を表す線粗さのパラメータRa(線の算術平均高さ)を三次元(面)に拡張したパラメータである。具体的には、基準領域Aにおける各測定点の平均面(最小自乗平面等)からの高さの差(Z(x,y))の絶対値の平均を表わす。計算式は、以下のように表される。
Figure 2022114448000002
また、最大高さSzとは、線粗さのパラメータRz(最大高さ)を三次元(面)に拡張したパラメータであり、基準領域Aにおける最大山高さSpと最大谷深さSvの和である。すなわち、以下のように表される。
Sz=Sp+Sv
ここで、上記最大山高さSpと上記最大谷深さSvとは、それぞれ線粗さのパラメータRpとRvを三次元(面)に拡張したパラメータであり、最大山高さSpは基準領域Aにおける山頂部の高さの最大値を、最大谷深さSvは基準領域Aにおける谷底部の深さの最大値を表す。
これらのパラメータSz、Sp、SvについてもISO25178で規定されている。
本発明においては、上記基準領域Aは、上記パターン形成用薄膜2の表面に対し、上記基板1の中心を基準とする一辺が1μmの四角形の内側領域である中央領域21および後述の隣接領域22をいうものとする(図7参照)。
また、本発明においては、パターン形成用薄膜2の表面に対して1μm四方でAFM測定を行って算出するSa、Szと、Sz/Saの数値を採用する。
前述したように、本発明者の検討の結果、マスクブランクのパターン形成用薄膜(例えば遮光膜)の表面に対し、AFMで測定した結果、微小欠陥が存在する測定箇所と存在しない測定箇所では、算術平均粗さSaと、最大高さSzと算術平均粗さSaの比(最大高さSz/算術平均粗さSa)の数値に比較的大きな差があることが分かった。そこで、マスクブランクのパターン形成用薄膜上の微小欠陥の有無を規定するパラメータとして、パターン形成用薄膜に対して一辺が1μmの四角形の領域内でAFM測定を行って算出するSaと、Sz/Saの数値を採用することが好適であると判断した。
本実施の形態のマスクブランク10は、上記パターン形成用薄膜2の表面に対し、上記基板1の中心を基準とする一辺が1μmの四角形の内側領域である中央領域21を設定し、当該中央領域21で算術平均粗さSaと最大高さSzを測定したとき、Saが1.0nm以下であり、かつSz/Saが14以下であることにより、パターン形成用薄膜表面の微小欠陥の少ないマスクブランクである。また、Sz/Saは12以下であることが特に好ましく、Saは0.6以下であることが特に好ましい。
したがって、前述のような波長193nmの検査光を用いた最先端の欠陥検査機でマスクブランクの欠陥検査を行うときに例えば検査途中で終了(オーバーフロー)してしまうような問題を生じることがない。
なお、本発明では、上記パターン形成用薄膜2の表面に対し、上記基板1の中心を基準とする一辺が1μmの四角形の内側領域である中央領域21を設定し、当該中央領域21で算術平均粗さSaと最大高さSzを測定したとき、Saと、Sz/Saの数値を規定している。本発明者の検討によれば、パターン形成用薄膜のパターン形成領域(例えば一辺が6インチの四角形のマスクブランクでは、パターン形成領域は132nm×132nmである。)内で微小欠陥が多発している場合、パターン形成用薄膜の中央領域21にも微小欠陥が存在している確率がかなり高いという知見を得た。したがって、パターン形成用薄膜の上記中央領域21で微小欠陥が少ないことと、パターン形成用薄膜の少なくともパターン形成領域での微小欠陥の個数が欠陥検査を行うときに悪影響を与えない個数(例えば100個以下)になることの間には相関がある。以上のことから、本発明では、上記の中央領域21で測定したときのSaと、Sz/Saの数値を規定している。
パターン形成用薄膜2の窒化クロム系単層膜に微小欠陥が発生した場合、その上にハードマスク層7を形成しても、ハードマスク層7の表面にその窒化クロム系単層膜の微小欠陥に起因する微小欠陥が発生する。また、パターン形成用薄膜2の窒化クロム系単層膜に微小欠陥が発生した場合、その上に上層6やハードマスク層7を形成しても、上層6やハードマスク層7の表面にその窒化クロム系単層膜の微小欠陥に起因する欠陥が発生する。このためパターン形成用薄膜2の最上層である上層6やハードマスク層7の表面に対して、一辺が1μmの四角形の領域内でAFM測定を行って算出されたSaとSz/Saは、窒化クロム系単層膜や窒化クロム系層5の表面の微小欠陥を判断する指標として用いることができる。
また、図7に示すように、本発明では、上記パターン形成用薄膜2の表面に対し、上記中央領域21を囲みその外周(4つの辺と4つのコーナーを含む)に接するように、一辺が1μmの四角形の内側領域である隣接領域22を8か所設定し、全ての前記隣接領域22で算術平均粗さSaと最大高さSzをそれぞれ測定したとき、全てのSaが1.0nm以下であり、かつ全てのSz/Saが14以下であることがより好ましい。また、全てのSz/Saは12以下であることが特に好ましく、全てのSaは0.6以下であることが特に好ましい。8つの隣接領域22のそれぞれは、互いに重なる領域を有さず、中央領域21の外周の全てが8つの隣接領域22によって囲まれる。すなわち、8つの隣接領域22のうち4つの隣接領域が有する一辺のそれぞれは、中央領域21が有する4つの辺のそれぞれに対応する。さらに、他の4つの隣接領域が有する1つのコーナーのそれぞれは、中央領域21が有する4つのコーナーのそれぞれに接する。それぞれの隣接領域22は、中央領域21の一辺に対応する辺を除いて、隣接する2つの隣接領域22のそれぞれが有する1つの辺にそれぞれ対応する2つの辺を有する。
上記の隣接領域22においても全てのSaが1.0nm以下であり、かつ全てのSz/Saが14以下であるマスクブランクとすることにより、パターン形成用薄膜表面の微小欠陥の少ないことに係る信頼性がより高まる。
また、本発明では、上記中央領域21の最大高さSzは10nm以下であることが好ましい。上記の中央領域21で測定したときのSz/Saが14以下であり、かつ最大高さSzが10nm以下であるマスクブランクとすることにより、パターン形成用薄膜表面の微小欠陥の少ないことに係る信頼性がより高まる。さらに、全ての前記隣接領域22においても、最大高さSzは10nm以下であることがより好ましい。
また、本発明では、上記中央領域21の二乗平均平方根粗さSqは1.0nm以下であることが好ましい。ここで、二乗平均平方根粗さSqとは、上記SaやSzと同様にISO25178で規定されている面粗さを評価するパラメータであり、これまでISO4287、JIS B0601で規定されていた二次元的な表面性状を表す線粗さのパラメータRq(線の二乗平均平方根粗さ)を三次元(面)に拡張したパラメータである。計算式は、以下のように表される。
Figure 2022114448000003
上記中央領域21の二乗平均平方根粗さSqは1.0nm以下であることにより、このパターン形成用薄膜をパターニングしたときのパターン側壁のLER(Line Edge Roughness)がより良好になる。二乗平均平方根粗さSqは0.8nm以下であるとより好ましい。さらに、全ての前記隣接領域22においても、二乗平均平方根粗さSqは1.0nm以下であることが好ましく、0.8nm以下であることがより好ましい。
また、本実施の形態のマスクブランク10は、上記パターン形成用薄膜2の表面に対し、波長193nmの検査光を用いた欠陥検査装置によって欠陥検査を行い、一辺が132mmの四角形の内側領域であるパターン形成領域の凸状欠陥の分布を取得したとき、当該パターン形成領域内に高さが10nm以下の凸状欠陥である微小欠陥が存在しており、当該パターン形成領域内に存在する上記微小欠陥の存在数は100個以下である。すなわち、パターン形成用薄膜2の少なくともパターン形成領域での微小欠陥の個数が欠陥検査を行うときに悪影響を与えない個数である。
たとえば具体的には、マスクブランクのパターン形成用薄膜(遮光膜またはハードマスク膜など)の表面に対して、前述のような波長193nmの検査光を用いた欠陥検査機で欠陥検査を行い、欠陥の座標マップを取得し、欠陥が存在する箇所の全て(明らかに従来の異物欠陥や凹欠陥は除いて)に対してAFMでその欠陥の高さを測定し、微小欠陥の個数をカウントすればよい。
[第2の実施の形態]
図4は、本発明に係るマスクブランクの第2の実施の形態を示す断面概略図である。図4に示されるとおり、本発明の第2の実施の形態に係るマスクブランク30は、上記基板1と上記パターン形成用薄膜2の間に、位相シフト膜8を備える構造のマスクブランクである。
上記位相シフト膜8は、たとえば、ArFエキシマレーザー(波長193nm)の露光光を8%以上の透過率で透過させる機能と、上記位相シフト膜8を透過した上記露光光に対して位相シフト膜8の厚さと同じ距離だけ空気中を通過した上記露光光との間で150度以上210度以下の位相差を生じさせる機能とを有する膜である。このような機能を有する位相シフト膜8を備える上記マスクブランク30は、ハーフトーン型位相シフトマスク製造用のマスクブランクである。8%以上という比較的透過率が高い位相シフト膜の上に設ける遮光膜は、露光光に対する高い光学濃度が求められる。このため、パターン形成用薄膜2に上記の窒化クロム系単層膜や窒化クロム系層5を適用することによって得られる効果は大きい。
本実施の形態のマスクブランク30では、上記位相シフト膜8は、例えばケイ素を含有する材料から形成されるが、本実施形態に適用される上記位相シフト膜8の構成は特に限定される必要はなく、例えば従来から使用されている位相シフトマスクにおける位相シフト膜の構成を適用することができる。
上記位相シフト膜8は、例えばケイ素を含有する材料、遷移金属とケイ素を含有する材料のほか、膜の光学特性(光透過率、位相差など)、物性(エッチングレート、他の膜(層)とのエッチング選択性など)等を改良するために、さらに窒素、酸素及び炭素のうち少なくとも1つの元素を含む材料で形成される。
上記ケイ素を含有する材料としては、具体的には、ケイ素の窒化物、酸化物、炭化物、酸窒化物(酸化窒化物)、炭酸化物(炭化酸化物)、あるいは炭酸窒化物(炭化酸化窒化物)を含む材料が好適である。
また、上記遷移金属とケイ素を含有する材料としては、具体的には、遷移金属及びケイ素からなる遷移金属シリサイド、または遷移金属シリサイドの窒化物、酸化物、炭化物、酸窒化物、炭酸化物、あるいは炭酸窒化物を含む材料が好適である。遷移金属には、モリブデン、タンタル、タングステン、チタン、クロム、ハフニウム、ニッケル、バナジウム、ジルコニウム、ルテニウム、ロジウム、ニオブ等が適用可能である。この中でも特にモリブデンが好適である。
また、上記位相シフト膜8は、単層構造、あるいは、低透過率層と高透過率層とからなる積層構造のいずれにも適用することができる。
上記位相シフト膜8の好ましい膜厚は、材質によっても異なるが、特に位相シフト機能、露光光透過率の観点から適宜調整されることが望ましい。通常は、たとえば100nm以下、さらに好ましくは80nm以下の範囲である。上記位相シフト膜8を形成する方法についても特に制約される必要はないが、スパッタリング成膜法が好ましく挙げられる。
なお、本実施の形態のマスクブランク30における上記基板1、上記パターン形成用薄膜2の詳細については、上述の第1の実施の形態の場合と同様であるので、ここでは重複説明を省略する。
また、本実施の形態のマスクブランク30における上記パターン形成用薄膜2を形成する方法についても、第1の実施形態の場合と同様、スパッタリング成膜法が好適である。また、パターン形成用薄膜2を構成する前述の窒化クロム系単層膜、または窒化クロム系層5、クロム系材料からなる上層6、ハードマスク層7等を含む積層膜の各膜の膜厚についても第1の実施の形態の場合と同様である。
本実施の形態のマスクブランク30においては、上記位相シフト膜8と上記パターン形成用薄膜2の積層構造において、例えばArFエキシマレーザー(波長193nm)の露光光に対する光学濃度(OD)は、3.3以上であることが好ましい。
本実施の形態のマスクブランク30においても、上記パターン形成用薄膜2の表面に対し、上記基板1の中心を基準とする一辺が1μmの四角形の内側領域である中央領域21を設定し、当該中央領域21で算術平均粗さSaと最大高さSzを測定したとき、Saが1.0nm以下であり、かつSz/Saが14以下であることを特徴としている。
本実施の形態のマスクブランク30は、上記パターン形成用薄膜2の表面に対し、上記基板1の中心を基準とする一辺が1μmの四角形の内側領域である中央領域21を設定し、当該中央領域21で算術平均粗さSaと最大高さSzを測定したとき、Saが1.0nm以下であり、かつSz/Saが14以下であることにより、パターン形成用薄膜表面の微小欠陥の少ないマスクブランクである。また、Sz/Saが12以下であることが特に好ましく、Saは0.6nm以下であることが特に好ましい。
また、本実施の形態についても、上記パターン形成用薄膜2の表面に対し、上記中央領域21の外周に接するように、一辺が1μmの四角形の内側領域である隣接領域22を8か所設定し、全ての前記隣接領域22で算術平均粗さSaと最大高さSzをそれぞれ測定したとき、全てのSaが1.0nm以下であり、かつ全てのSz/Saが14以下であることがより好ましい。また、全てのSz/Saは12以下であることが特に好ましく、全てのSaは0.6nm以下であることが特に好ましい。
上記の8個の隣接領域22においても全てのSaが1.0nm以下であり、かつ全てのSz/Saが14以下であるマスクブランクとすることにより、パターン形成用薄膜表面の微小欠陥の少ないことに係る信頼性がより高まる。
また、本実施の形態についても、上記中央領域21の最大高さSzは10nm以下であることが好ましい。上記の中央領域21で測定したときのSz/Saが14以下であり、かつ最大高さSzが10nm以下であるマスクブランクとすることにより、パターン形成用薄膜表面の微小欠陥の少ないことに係る信頼性がより高まる。さらに、全ての上記隣接領域22においても、最大高さSzは10nm以下であることがより好ましい。
また、本実施の形態についても、上記中央領域21の二乗平均平方根粗さSqは1.0nm以下であることが好ましい。上記中央領域21の二乗平均平方根粗さSqは1.0nm以下であることにより、このパターン形成用薄膜をパターニングしたときのパターン側壁のLER(Line Edge Roughness)がより良好になる。上記中央領域21の二乗平均平方根粗さSqは0.8nm以下であるとより好ましい。さらに、全ての前記隣接領域22においても、二乗平均平方根粗さSqは1.0nm以下であることが好ましく、0.8nm以下であることがより好ましい。
また、本実施の形態のマスクブランク30についても、上記パターン形成用薄膜2の表面に対し、波長193nmの検査光を用いた欠陥検査装置によって欠陥検査を行い、一辺が132mmの四角形の内側領域であるパターン形成領域の凸状欠陥の分布を取得したとき、当該パターン形成領域内に高さが10nm以下の凸状欠陥である微小欠陥が存在しており、当該パターン形成領域内に存在する上記微小欠陥の存在数は100個以下である。すなわち、パターン形成用薄膜2の少なくともパターン形成領域での微小欠陥の個数が欠陥検査を行うときに悪影響を与えない個数である。
[転写用マスクの製造方法]
本発明は、上記の本発明に係るマスクブランクから作製される転写用マスクの製造方法についても提供するものである。
図5は、前述した第1の実施の形態のマスクブランク10を用いた転写用マスクの製造工程を示す断面概略図であり、転写パターンを有するレジスト膜をマスクとするドライエッチングにより、上記パターン形成用薄膜2に転写パターンを形成する工程を少なくとも有する。
マスクブランク10の表面に、例えばスピンコート法で電子線描画用のレジスト膜3を所定の膜厚で形成する。このレジスト膜に対して、所定のパターンを電子線描画し、描画後、現像することにより、所定のレジスト膜パターン3aを形成する(図5(a)~(c)参照)。このレジスト膜パターン3aは最終的な転写パターンとなる所望のデバイスパターンを有する。
次に、上記レジスト膜パターン3aをマスクとして、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングにより、主要部分がクロム系材料からなるパターン形成用薄膜2(遮光膜)に転写パターン2aを形成する(図5(d)参照)。
残存する上記レジスト膜パターン3aを除去して、基板1上に転写パターンとなるパターン形成用薄膜(遮光膜)の微細パターン2aを備えたバイナリ型の転写用マスク20が出来上がる(図5(e)参照)。
このように、パターン形成用薄膜表面の微小欠陥の少ないマスクブランク10を用いることにより、高精度の微細な転写パターンが形成された転写用マスク20を製造することができる。
なお、上記パターン形成用薄膜2に前記のケイ素系材料からなるハードマスク層7を備える場合、上記レジスト膜パターン3aをマスクとして、フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、ハードマスク層7に転写パターンを形成する工程が含まれる。そして、この転写パターンを有するハードマスク層7をマスクとするドライエッチングにより、クロム系材料からなるパターン形成用薄膜中のクロム系遮光膜に転写パターンを形成する。
また、図6は、前述した第2の実施の形態のマスクブランク30を用いた転写用マスクの製造工程を示す断面概略図であり、転写パターンを有するレジスト膜をマスクとするドライエッチングにより、上記パターン形成用薄膜2に転写パターンを形成する工程と、転写パターンを有するパターン形成用薄膜2をマスクとするドライエッチングにより、上記位相シフト膜8に転写パターンを形成する工程を少なくとも有する。
まず、マスクブランク30の表面に、例えばスピンコート法で電子線描画用のレジスト膜を所定の膜厚で形成する。このレジスト膜に対して、所定のパターンを電子線描画し、描画後、現像することにより、所定のレジスト膜パターン9aを形成する(図6(a)参照)。このレジスト膜パターン9aは最終的な転写パターンとなる位相シフト膜8に形成されるべき所望のデバイスパターンを有する。
次に、上記レジスト膜パターン9aをマスクとして、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングにより、主要部分がクロム系材料からなるパターン形成用薄膜2(遮光膜)に転写パターン2aを形成する(図6(b)参照)。
次に、上記パターン形成用薄膜2に形成された転写パターン2aをマスクとして、フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、ケイ素系材料からなる位相シフト膜8に、転写パターン8aを形成する(図6(c)参照)。
次に、上記の転写パターン2aおよび転写パターン8aが形成されたマスクブランクの全面に上記と同様のレジスト膜を形成し、このレジスト膜に対して、所定の遮光パターン(例えば遮光帯パターン)を描画し、描画後、現像することにより、上記転写パターン2a上に、所定の遮光パターンを有するレジスト膜パターン9bを形成する(図6(d)参照)。
次に、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングにより、上記レジストパターン9bをマスクとして、上記パターン形成用薄膜2に上記遮光パターンを有するパターン2bを形成する(図6(e)参照)。
以上のようにして、基板1上に転写パターンとなる位相シフト膜8の微細パターン8aおよび外周領域の遮光パターン(遮光帯パターン)2bを備えたハーフトーン型位相シフトマスク(転写用マスク)40が出来上がる(図6(e)参照)。
なお、上述の製造工程においても、上記パターン形成用薄膜2上に前記のケイ素系材料からなるハードマスク層7を備える場合、上記レジスト膜パターン9aをマスクとして、フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、ハードマスク層7に転写パターンを形成する工程が含まれる。そして、この転写パターンを有するハードマスク層7をマスクとするドライエッチングにより、クロム系材料からなるパターン形成用薄膜中のクロム系遮光膜に上記転写パターン2aを形成する。
このように、パターン形成用薄膜表面の微小欠陥の少ないマスクブランク30を用いることにより、高精度の微細な転写パターンが形成された転写用マスク(ハーフトーン型位相シフトマスク)40を製造することができる。
[半導体デバイスの製造方法]
本発明は、上述の転写用マスクの製造方法により製造される転写用マスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写する工程を備える半導体デバイスの製造方法についても提供する。
すなわち、たとえば前述の第1の実施の形態のマスクブランク10から製造される転写用マスク20、または前述の第2の実施の形態のマスクブランク30から製造される転写用マスク40を用いて、リソグラフィー法により当該転写用マスクの転写パターンを半導体基板上のレジスト膜に露光転写する工程を備える半導体デバイスの製造方法によれば、パターン精度の優れたデバイスパターンが形成された高品質の半導体デバイスを製造することができる。
以下、実施例により、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
本実施例は、波長193nmのArFエキシマレーザーを露光光として用いる転写用マスクの製造に使用するマスクブランク30に関するものである。
本実施例に使用するマスクブランク30は、透光性基板1上に、位相シフト膜8、およびパターン形成用薄膜2として、窒化クロム系層5、クロム系材料からなる上層6及びハードマスク層7をこの順に積層した構造のものである(前述の図4及び図3を参照。符号は図面中の符号と対応。)。本実施例では、上記窒化クロム系層5とクロム系材料からなる上層6の積層によって遮光膜を構成している。
このマスクブランク30は、以下のようにして作製した。
合成石英ガラスからなる透光性基板1(大きさ約152mm×152mm×厚み約6.35mm)を準備した。この透光性基板1は、主表面及び端面が所定の表面粗さ(例えば主表面は、二乗平均平方根粗さRqで0.2nm以下)に研磨されている。
まず、枚葉式DCスパッタリング装置内に、上記透光性基板1を設置し、モリブデン(Mo)とケイ素(Si)との混合ターゲット(Mo:Si=8原子%:92原子%)を用い、アルゴン(Ar)、酸素(O)、窒素(N)およびヘリウム(He)の混合ガスをスパッタリングガスとし、DCスパッタリングにより、上記透光性基板1の表面に、モリブデン、ケイ素、酸素および窒素を含有するMoSiON膜(Mo:10原子%、Si:45原子%、O:5原子%、N:40原子%)からなる位相シフト膜8を68nmの厚さで形成した。
次に、スパッタリング装置から上記位相シフト膜8を形成した透光性基板1を取り出し、上記透光性基板上の位相シフト膜8に対し、大気中での加熱処理を行った。この加熱処理は、450℃で30分間行った。この加熱処理後の位相シフト膜8に対し、位相シフト量測定装置を使用してArFエキシマレーザーの波長(193nm)における透過率と位相シフト量を測定した結果、透過率は8.9%、位相シフト量は175.2度であった。
次に、上記位相シフト膜8を形成した透光性基板1を再びスパッタリング装置内に導入し、クロムからなるターゲットを用い、アルゴン(Ar)、窒素(N)およびヘリウム(He)の混合ガス(流量比 Ar:N:He=15:10:30、圧力0.2Pa)をスパッタリングガスとし、DCスパッタリングにより、上記位相シフト膜8の上に、クロムおよび窒素を含有するCrN膜(Cr:86原子%、N:14原子%)からなる窒化クロム系層5を43nmの厚さで形成した。続いて、上記と同じクロムターゲットを用い、アルゴン(Ar)、二酸化炭素(CO)、窒素(N)およびヘリウム(He)の混合ガス(流量比 Ar:CO:N:He=16:30:10:30、圧力0.2Pa)をスパッタリングガスとし、DCスパッタリングにより、上記窒化クロム系層5の上に、クロム、酸素、炭素および窒素を含有するCrOCN膜(Cr:55原子%、O:24原子%、C:11原子%、N:10原子%)からなる遮光膜の上層6を6nmの厚さで形成した。こうして、合計の厚さが49nmの二層構造のクロム系遮光膜を形成した。
上記位相シフト膜8と上記遮光膜(上記窒化クロム系層5と上層6の積層)の積層構造におけるArFエキシマレーザー(波長193nm)の露光光に対する光学濃度は、3.5であった。
次に、枚葉式DCスパッタリング装置内に、上記遮光膜までを形成した透光性基板1を設置し、ケイ素(Si)からなるターゲットを用い、アルゴン(Ar)、酸素(O)および窒素(N)の混合ガスをスパッタリングガスとし、DCスパッタリングにより、上記上層6の上に、ケイ素、酸素および窒素を含有するSiON膜(Si:34原子%、O:60原子%、N:6原子%)からなるハードマスク層7を厚さ8nmで形成した。
以上のようにして、本実施例のマスクブランク30を作製した。
本実施例のマスクブランク30の表面、すなわち上記ハードマスク層7の表面に対し、上記基板1の中心を基準とする一辺が1μmの四角形の内側領域である中央領域21を設定し、当該中央領域21でAFM測定を行い、その測定結果から、Sa、Szと、Sz/Saの数値を算出した。その結果、本実施例のマスクブランクでは、Sa=0.594nm、Sz=6.71nm、Sz/Sa=11.30であった。また、上記中央領域21での二乗平均平方根粗さSq=0.75nmであった。
また、本実施例のマスクブランク30の上記ハードマスク層7の表面に対し、上記の中央領域21の外周に接するように、一辺が1μmの四角形の内側領域である隣接領域22を8か所設定し、当該隣接領域22でAFM測定を行い、全ての隣接領域22でSaとSzをそれぞれ測定した結果、全ての隣接領域22でSaが1.0nm以下であり、かつ全てのSz/Saが14以下であることを確認した。
また、本実施例のマスクブランク30の表面に対し、波長193nmの検査光を用いた欠陥検査装置Teron(KLA社製)によって欠陥検査を行い、一辺が132mmの四角形の内側領域であるパターン形成領域の凸状欠陥の分布(欠陥の座標マップ)を取得した。そして、欠陥が存在する箇所の全て(明らかに異物欠陥や凹欠陥は除いて)に対してAFMでその欠陥の高さを測定し、パターン形成領域内の高さが10nm以下の凸状欠陥である微小欠陥の個数をカウントした結果、本実施例のマスクブランク30では、パターン形成領域内に存在する上記微小欠陥の個数は2個であった。
以上のことから、本実施例のマスクブランク30は、上記中央領域21でSaが1.0nm以下であり、かつSz/Saが14以下であることにより、表面の微小欠陥の少ないマスクブランクであることが分かった。
次に、上記マスクブランク30を用いて、前述の図6に示される製造工程に準じて、転写用マスクを製造した。
まず、上記マスクブランク30の上面に、スピン塗布法によって、電子線描画用の化学増幅型レジスト(富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製 PRL009)を塗布し、所定のベーク処理を行って、膜厚80nmのレジスト膜を形成した。次に、電子線描画機を用いて、上記レジスト膜に対して所定のデバイスパターン(位相シフト膜8に形成すべき転写パターンに対応するパターン)を描画した後、レジスト膜を現像してレジストパターン9aを形成した。
次に、上記レジスト膜パターン9aをマスクとし、フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、ハードマスク層7に転写パターンを形成した。
次に、残存する上記レジスト膜パターン9aを除去した後、上記ハードマスク層7に形成された転写パターンをマスクとし、塩素ガス(Cl)と酸素ガス(O)との混合ガス(Cl:O=13:1(流量比))を用いたドライエッチングにより、CrN(窒化クロム系層5)とCrOCN(上層6)の二層構造の遮光膜のドライエッチングを連続して行い、遮光膜に転写パターンを形成した。
次に、フッ素系ガス(SF)を用いたドライエッチングにより、上記二層構造の遮光膜に形成された転写パターンをマスクとして、位相シフト膜8に転写パターン(位相シフト膜パターン8a)を形成した。
次に、上記遮光膜のパターンおよび位相シフト膜のパターンが形成されたマスクブランクの全面に上記と同様のレジスト膜を形成し、このレジスト膜に対して、所定の遮光パターン(遮光帯パターン)を描画し、描画後、現像することにより、上記遮光膜のパターン上に、所定の遮光パターンを有するレジスト膜パターン9bを形成した。
次に、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングにより、上記レジストパターン9bをマスクとして、上記の二層構造の遮光膜に上記遮光パターンを有するパターン(図6中のパターン2bに相当)を形成した。
以上のようにして、透光性基板1上に転写パターンとなる位相シフト膜のパターン8aおよび外周領域の遮光パターン(遮光帯パターン)を備えたハーフトーン型位相シフトマスク(転写用マスク)40を完成した(図6(e)参照)。
得られた上記位相シフトマスク40に対してマスク検査装置によってマスクパターンの検査を行った結果、設計値から許容範囲内で位相シフト膜の微細パターンが形成されていることが確認できた。
さらに、この位相シフトマスク40に対し、AIMS193(Carl Zeiss社製)を用いて、波長193nmの露光光で半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写したときにおける露光転写像のシミュレーションを行い、このシミュレーションで得られた露光転写像を検証したところ、設計仕様を十分に満たしていた。従って、実施例1のマスクブランク30から製造された位相シフトマスク40は、半導体デバイス上のレジスト膜に対して高精度で露光転写を行うことが可能である。
(実施例2)
本実施例は、波長193nmのArFエキシマレーザーを露光光として用いる転写用マスクの製造に使用するマスクブランク30に関するものである。
本実施例に使用するマスクブランク30は、透光性基板1上に、位相シフト膜8、およびパターン形成用薄膜2として、窒化クロム系層5及びハードマスク層7をこの順に積層した構造のものである(前述の図4及び図2を参照。符号は図面中の符号と対応。)。本実施例では、単層の上記窒化クロム系層5によって遮光膜を構成している。
このマスクブランク30は、以下のようにして作製した。
まず、実施例1と同様にして準備した透光性基板1(合成石英基板)を枚葉式DCスパッタリング装置内に設置し、実施例1と同様の位相シフト膜8を形成した。
次に、上記位相シフト膜8を形成した透光性基板1を再びスパッタリング装置内に導入し、クロムからなるターゲットを用い、アルゴン(Ar)、窒素(N)およびヘリウム(He)の混合ガス(流量比 Ar:N:He=30:5:50、圧力0.3Pa)をスパッタリングガスとし、DCスパッタリングにより、上記位相シフト膜8の上に、クロムおよび窒素を含有するCrN膜(Cr:94原子%、N:6原子%)からなる窒化クロム系層5を48nmの厚さで形成した。こうして、単層のクロム系遮光膜を形成した。
上記位相シフト膜8と上記遮光膜(上記窒化クロム系層5)の積層構造におけるArFエキシマレーザー(波長193nm)の露光光に対する光学濃度は、3.6であった。
次に、枚葉式DCスパッタリング装置内に、上記遮光膜までを形成した透光性基板1を設置し、実施例1と同様に、SiON膜からなるハードマスク層7を形成した。
以上のようにして、本実施例のマスクブランク30を作製した。
本実施例のマスクブランク30の表面、すなわち上記ハードマスク層7の表面に対し、上記基板1の中心を基準とする一辺が1μmの四角形の内側領域である中央領域21を設定し、当該中央領域21でAFM測定を行い、その測定結果から、Sa、Szと、Sz/Saの数値を算出した。その結果、本実施例のマスクブランクでは、Sa=0.462nm、Sz=6.22nm、Sz/Sa=13.46であった。また、上記中央領域21での二乗平均平方根粗さSq=0.592nmであった。
また、本実施例のマスクブランク30の上記ハードマスク層7の表面に対し、上記の中央領域21の外周に接するように、一辺が1μmの四角形の内側領域である隣接領域22を8か所設定し、当該隣接領域22でAFM測定を行い、全ての隣接領域22でSaとSzをそれぞれ測定した結果、全ての隣接領域22でSaが1.0nm以下であり、かつ全てのSz/Saが14以下であることを確認した。
また、本実施例のマスクブランク30の表面に対し、波長193nmの検査光を用いた欠陥検査装置Teron(KLA社製)によって欠陥検査を行い、一辺が132mmの四角形の内側領域であるパターン形成領域の凸状欠陥の分布(欠陥の座標マップ)を取得した。そして、欠陥が存在する箇所の全て(明らかに異物欠陥や凹欠陥は除いて)に対してAFMでその欠陥の高さを測定し、パターン形成領域内の高さが10nm以下の凸状欠陥である微小欠陥の個数をカウントした結果、本実施例のマスクブランク30では、パターン形成領域内に存在する上記微小欠陥の個数は、72個であった。
以上のことから、本実施例のマスクブランク30についても、上記中央領域21でSaが1.0nm以下であり、かつSz/Saが14以下であることにより、表面の微小欠陥の少ないマスクブランクであることが分かった。
上述の実施例1の結果もあわせて考慮すると、マスクブランクのパターン形成用薄膜の上記中央領域21でSaが1.0nm以下であり、かつ全てのSz/Saが14以下であることにより、パターン形成用薄膜の少なくともパターン形成領域での微小欠陥の少ない(欠陥検査を行うときに悪影響を与えない個数、例えば100個以下)マスクブランクであることを担保できることが分かった。
次に、上記マスクブランク30を用いて、実施例1と同様のプロセスによって、転写用マスクを製造した。
まず、上記マスクブランク30の上面に、スピン塗布法によって、電子線描画用の化学増幅型レジスト(富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製 PRL009)を塗布し、所定のベーク処理を行って、膜厚80nmのレジスト膜を形成した。次に、電子線描画機を用いて、上記レジスト膜に対して所定のデバイスパターン(位相シフト膜8に形成すべき転写パターンに対応するパターン)を描画した後、レジスト膜を現像してレジストパターン9aを形成した。
次に、上記レジスト膜パターン9aをマスクとし、フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより、ハードマスク層7に転写パターンを形成した。
次に、残存する上記レジスト膜パターン9aを除去した後、上記ハードマスク層7に形成された転写パターンをマスクとし、塩素ガス(Cl)と酸素ガス(O)との混合ガス(Cl:O=13:1(流量比))を用いたドライエッチングにより、CrN膜(窒化クロム系層5)からなる遮光膜のドライエッチングを行い、遮光膜に転写パターンを形成した。
次に、フッ素系ガス(SF)を用いたドライエッチングにより、上記CrN遮光膜に形成された転写パターンをマスクとして、位相シフト膜8に転写パターン(位相シフト膜パターン8a)を形成した。
次に、上記遮光膜のパターンおよび位相シフト膜のパターンが形成されたマスクブランクの全面に上記と同様のレジスト膜を形成し、このレジスト膜に対して、所定の遮光パターン(遮光帯パターン)を描画し、描画後、現像することにより、上記遮光膜のパターン上に、所定の遮光パターンを有するレジスト膜パターン9bを形成した。
次に、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングにより、上記レジストパターン9bをマスクとして、上記CrN遮光膜に上記遮光パターンを有するパターン(図6中のパターン2bに相当)を形成した。
以上のようにして、透光性基板1上に転写パターンとなる位相シフト膜のパターン8aおよび外周領域の遮光パターン(遮光帯パターン)を備えたハーフトーン型位相シフトマスク(転写用マスク)40を完成した(図6(e)参照)。
得られた本実施例の位相シフトマスク40に対してマスク検査装置によってマスクパターンの検査を行った結果、設計値から許容範囲内で位相シフト膜の微細パターンが形成されていることが確認できた。
さらに、この位相シフトマスク40に対し、AIMS193(Carl Zeiss社製)を用いて、波長193nmの露光光で半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写したときにおける露光転写像のシミュレーションを行い、このシミュレーションで得られた露光転写像を検証したところ、設計仕様を十分に満たしていた。従って、実施例2のマスクブランク30から製造された位相シフトマスク40は、半導体デバイス上のレジスト膜に対して高精度で露光転写を行うことが可能である。
(比較例1)
比較例1のマスクブランクは、遮光膜をCrOCの単層膜としたこと以外については、実施例1と同様にして作製した。つまり、本比較例1のマスクブランクは、透光性基板上に、位相シフト膜、CrOC膜からなる遮光膜およびハードマスク層をこの順に積層した構造のものである。
比較例1のマスクブランクは、以下のようにして作製した。
まず、実施例1と同様にして準備した透光性基板(合成石英基板)を枚葉式DCスパッタリング装置内に設置し、実施例1と同様の位相シフト膜を形成した。
次に、上記位相シフト膜を形成した基板を再びスパッタリング装置内に導入し、クロムからなるターゲットを用い、アルゴン(Ar)、二酸化炭素(CO)およびヘリウム(He)の混合ガス(流量比 Ar:CO:He=16:30:30、圧力0.2Pa)をスパッタリングガスとし、DCスパッタリングにより、上記位相シフト膜の上に、クロム、酸素および炭素を含有するCrOC膜(Cr:71原子%、O:15原子%、C:14原子%)からなる遮光膜を48nmの厚さで形成した。こうして、単層のクロム系遮光膜を形成した。
上記位相シフト膜と上記遮光膜(CrOC膜)の積層構造におけるArFエキシマレーザー(波長193nm)の露光光に対する光学濃度は、3.5であった。
次に、枚葉式DCスパッタリング装置内に、上記遮光膜までを形成した透光性基板を設置し、実施例1と同様に、上記遮光膜の上に、ケイ素、酸素および窒素を含有するSiON膜からなるハードマスク層を形成した。
以上のようにして、本比較例1のマスクブランクを作製した。
本比較例1のマスクブランクの表面、すなわち上記ハードマスク層の表面に対し、上記基板の中心を基準とする一辺が1μmの四角形の内側領域である中央領域21を設定し、当該中央領域21でAFM測定を行い、その測定結果から、Sa、Szと、Sz/Saの数値を算出した。その結果、本比較例1のマスクブランクでは、Sa=0.515nm、Sz=11.1nm、Sz/Sa=21.55であった。また、上記中央領域21での二乗平均平方根粗さSq=0.681nmであった。
また、本比較例1のマスクブランクの上記ハードマスク層の表面に対し、上記の中央領域21の外周に接するように、一辺が1μmの四角形の内側領域である隣接領域22を8か所設定し、当該隣接領域22でAFM測定を行い、全ての隣接領域22でSaとSzをそれぞれ測定した結果、全ての隣接領域22でSaが1.0nm以下であり、かつ全てのSz/Saが14よりも大きかった。
また、本比較例1のマスクブランクの表面に対し、一辺が132mmの四角形の内側領域のパターン形成領域で、波長193nmの検査光を用いた欠陥検査装置Teron(KLA社製)によって欠陥検査を行ったところ、微小欠陥が多発し、その欠陥数が膨大になったことで、検査途中で終了(オーバーフロー)してしまった。
以上のことから、本比較例1のマスクブランクのように、上記中央領域21でSaが1.0nm以下であり、かつSz/Saが14以下であるという本発明の条件を満たしていないマスクブランクでは、パターン形成用薄膜の少なくともパターン形成領域での微小欠陥の少ない(欠陥検査を行うときに悪影響を与えない個数、例えば100個以下)マスクブランクであることを担保できない。
1 透光性基板
2 パターン形成用薄膜
3 レジスト膜
5 窒化クロム系層
6 上層
7 ハードマスク層
8 位相シフト膜
10、30 マスクブランク
20 転写用マスク(バイナリマスク)
21 中央領域
22 隣接領域
40 転写用マスク(ハーフトーン型位相シフトマスク)

Claims (16)

  1. 基板上にパターン形成用薄膜を備えたマスクブランクであって、
    前記パターン形成用薄膜は、クロムと窒素を含有する単層膜、またはクロムと窒素を含有する窒化クロム系層を含む多層膜であり、
    前記パターン形成用薄膜の表面に対し、前記基板の中心を基準とする一辺が1μmの四角形の内側領域である中央領域を設定し、前記中央領域で算術平均粗さSaと最大高さSzを測定したとき、Saが1.0nm以下であり、かつSz/Saが14以下である
    ことを特徴とするマスクブランク。
  2. 前記パターン形成用薄膜の表面に対し、前記中央領域の外周に接するとともに前記外周の全てを囲むように、一辺が1μmの四角形の内側領域であるとともに互いに重ならない隣接領域を8か所設定し、全ての前記隣接領域で算術平均粗さSaと最大高さSzをそれぞれ測定したとき、全てのSaが1.0nm以下であり、かつ全てのSz/Saが14以下であることを特徴とする請求項1に記載のマスクブランク。
  3. 前記中央領域の最大高さSzは10nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマスクブランク。
  4. 前記中央領域の二乗平均平方根粗さSqは1.0nm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のマスクブランク。
  5. 前記パターン形成用薄膜の表面に対し、波長193nmの検査光を用いた欠陥検査装置によって欠陥検査を行い、一辺が132mmの四角形の内側領域であるパターン形成領域の凸状欠陥の分布を取得したとき、前記パターン形成領域内に高さが10nm以下の凸状欠陥である微小欠陥が存在しており、前記パターン形成領域内に存在する前記微小欠陥の存在数は100個以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のマスクブランク。
  6. 前記単層膜の前記基板とは反対側の表層を除いた部分の窒素の含有量は、8原子%以上である、または前記多層膜の前記窒化クロム系層の窒素の含有量は、8原子%以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のマスクブランク。
  7. 前記単層膜の前記基板とは反対側の表層を除いた部分のクロムの含有量は、60原子%以上である、または前記多層膜の前記窒化クロム系層のクロムの含有量は、60原子%以上であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のマスクブランク。
  8. 前記多層膜は、前記窒化クロム系層の上に、ケイ素および酸素を含有するハードマスク層を備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のマスクブランク。
  9. 前記多層膜は、前記窒化クロム系層の上に、クロム、酸素および窒素を含有する上層を備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のマスクブランク。
  10. 前記多層膜は、前記上層の上に、ケイ素および酸素を含有するハードマスク層を備えることを特徴とする請求項9に記載のマスクブランク。
  11. 前記基板と前記パターン形成用薄膜の間に、位相シフト膜を備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のマスクブランク。
  12. 前記位相シフト膜は、ArFエキシマレーザー(波長193nm)の露光光を8%以上の透過率で透過させる機能と、前記位相シフト膜を透過した前記露光光に対して前記位相シフト膜の厚さと同じ距離だけ空気中を通過した前記露光光との間で150度以上210度以下の位相差を生じさせる機能とを有することを特徴とする請求項11に記載のマスクブランク。
  13. 前記位相シフト膜と前記パターン形成用薄膜の積層構造におけるArFエキシマレーザー(波長193nm)の露光光に対する光学濃度は、3.3以上であることを特徴とする請求項11又は12に記載のマスクブランク。
  14. 請求項1乃至10のいずれかに記載のマスクブランクを用いる転写用マスクの製造方法であって、
    転写パターンを有するレジスト膜をマスクとするドライエッチングにより、前記パターン形成用薄膜に転写パターンを形成する工程を有することを特徴とする転写用マスクの製造方法。
  15. 請求項11乃至13のいずれかに記載のマスクブランクを用いる転写用マスクの製造方法であって、
    転写パターンを有するレジスト膜をマスクとするドライエッチングにより、前記パターン形成用薄膜に転写パターンを形成する工程と、
    前記転写パターンを有するパターン形成用薄膜をマスクとするドライエッチングにより、前記位相シフト膜に転写パターンを形成する工程とを有することを特徴とする転写用マスクの製造方法。
  16. 請求項14又は15に記載の転写用マスクの製造方法により得られる転写用マスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写する工程を備えることを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
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